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影のない女@国立オペラ座

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    Wiener Staatsoper 2019年6月10日 17時30分〜22時

    DIE FRAU OHNE SCHATTEN
    Musik von Richard Strauss
    Oper in drei Aufzügen / Text von Hugo von Hofmannsthal

    指揮 Christian Thielemann
    演出 Vincent Huguet
    舞台 Aurélie Maestre
    衣装 Clémence Pernould
    照明とビデオ Bertrand Couderc
    ドラマツルギー Louis Geisler

    皇帝 Stephan Gould
    皇后 Camilla Nylund
    乳母 Evelyn Herlitzius
    魔界の使者 Wolfgang Bankl
    魔界の守り主 Maria Nazarova
    若人の声 Benjamin Bruns
    鷹の声 Maria Nazarova
    上からの声 Monika Bohinec
    バラク Wolfgang Koch
    バラクの妻 Nina Stemme
    片目の男 Samuel Hasselhorn
    片腕の男 Marcus Pelz
    せむし Thomas Ebenstein
    召使い Ileana Tonca, Mariam Battistelli, Szilvia Vörös
    生まれていない者たちの声 Ileana Tonca, Mariam Battistelli, Virginie Verrez,
    Szilvia Vörös, Bongiwe Nakani
    ソロ Ileana Tonca, Mariam Battistelli, Virginie Verrez, Szilvia Vörös,
    Bongiwe Nakani, Zoryana Kushpler

    Orchester der Wiener Staatsoper
    Chor der Wiener Staatsoper
    Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
    Opernschule der Wiener Staatsoper
    Komparserie der Wiener Staatsoper

    ウィーンにティーレマンがご降臨になると
    はなからチケットは全て売り切れである(断定)

    コンサートに関しては
    以前ほどではないけれど
    さすがオペラ、しかもリヒャルト・シュトラウスとなれば
    (ワーグナーとリヒャルト・シュトラウスしか振らないが)
    何公演あっても、すべて売り切れ。

    たまたま良き友人が、チケットあるけど行けない、というのを聞きつけて
    きゃ〜っ、チケット、譲って下さい!!!という
    ラッキー・チャンス。
    本当に有り難うございました ❤

    清水から3段跳びくらいでジャンプした価格で
    こんな良い席でオペラを観た事はありません、というお席 (^^)

    座ったままで、舞台全部見えるし
    オーケストラ全部見えるし
    ティーレマンも見えるし
    ティーレマンの前のスコアまで(オペラ・グラス使うと)ばっちり見える。

    (いつも、どんな貧民席なんだよ、とツッコミ入りそうだが
     良いんです、身分相応というものはわかっておりますので)

    しかしプログラムを見て、どっひゃーん!!!
    17時30分開始で22時まで。
    月曜日、授業が17時30分まであるじゃん、どうしよう?と思っていたら
    本日は聖霊降臨祭の月曜日で祝日だった \(^^)/

    さて「影のない女」
    すごい大昔にオペラ座で一度観た事はあるが
    いったい、何だこりゃ?と、ま〜ったく理解できず
    (当時は字幕がドイツ語と英語しかなかった)
    皇帝?皇后?そこに染物屋のオヤジとオバンに
    鷹が出て来たりとか
    メルヘン?のようだが、ともかく理解不可能、という印象しかない。

    30分前に行われる作品解説を聞いてみた。
    解説者によると、このオペラは何でもアリなんだそうで
    エレクトラとかバラの騎士とかナクソス島のアリアドネとか
    ともかく何でも入っているらしい。

    演出の意図は、やっぱりこれはメルヘンで
    心理劇とか、隠された意図は、観て聴けばわかる(らしい・・・)
    各登場人物が、それぞれの課題をこなす事によって
    新しい段階に進む、というのが中心テーマらしい。

    ふ〜ん・・・

    さて舞台だが
    メルヘン? どこがメルヘン???

    最初は湖か何かの上に浮いたパヴィリオンで
    その後は、後ろが岩っぽい舞台設定で
    最初から最後までモノトーンで暗い。

    皇后の衣装は真っ赤
    バラクの妻の衣装は真っ青

    ・・・これって、もしかしたら聖母マリアの隠喩か(?)

    ストーリーは皆さまご存知だと思うので
    くどくどは書かないけれど

    何ですかこれは!
    正しい家族計画物語なのか
    不妊の物語なのか
    産めよ殖やせよのテーマなのか

    うわあああ
    結婚したら子供を産め、という
    どこかの国の政治家のメッセージみたいな話じゃないの。
    (誤解があるとは思いますが、個人印象記なのでご勘弁を)

    適齢期で結婚して
    正しく子供を産んで
    健全な家庭を築いている方々は
    何も問題なく鑑賞できるだろうが

    私みたいに
    モテず、結婚も出来ず、子供も出来ずの人生を過ごしてしまうと
    これは、これは、これは

    精神的に異常にキツイ。

    というより、何だよ、この時代錯誤な
    しかも女性蔑視(女性は子供を産む機械かっ!)の世界は!!!(怒)

    こんなオペラがいまだに上演されている事が信じられない。
    信じられないのだが

    いや、ちょっと、これ
    音楽がものすごく素晴らしいじゃないの。

    題材は嫌悪すべき物であるとしても
    それにくっついた音楽が
    確かに解説の時間で言われた通り
    リヒャルト・シュトラウスらしいモチーフが
    見事なオーケストレーションで演奏されてしまうと
    音楽だけで、ノックアウトされそう。

    バラクの妻のニナ・シュテメが、実に素晴らしかった。
    共感を呼ぶような役ではないのだが
    (だってさ、専業主婦で甘えるんじゃねえ!とか言いたくなっちゃうので)
    皇后のカミーラ・ニュルンドと共に
    第二幕での歌合戦(じゃないけど(笑))
    お互いに譲らず、ドラマチック・ソプラノのプライドを賭けてのシーンは
    本当にタンホイザーの歌合戦・・・あっ、違う(汗)

    ヘルリツィウスの乳母も、声は低音域まで伸びるし
    ドイツ語はちゃんとドイツ語に聞こえる。演技も巧い。
    (ニュルンドとシュテメはドイツ語にはあまり聞こえなかったけど
     まぁ、あれだけ周波数の高い領域では無理というものだ)

    ステファン・グールドの皇帝は、歌う部分は少ないが
    この人も声量あるし、声は伸びるし
    堂々としていて皇帝の風格があるし、素晴らしい。

    バラク役のヴォルフガング・コッホは
    圧倒的な声量はないのだが
    バラクって、そういう役どころだし
    何とも優しそうな役作りで共感できる。

    ・・・いや、だからストーリーはまた別で
    バラクだって
    「若い妻を守って、子供が出来たら、何人でも飢えさせないように
     頑張って仕事するのが僕の責任」って
    そりゃ、理想的なお父さん像ではあろう。

    だけどね、良い人だから愛する、という単純構造には
    現実はなってませんから(断言)

    真面目に仕事して良い人だけど
    退屈で生理的にも受け付けない。
    だけど、その収入で生きてる(専業主婦)私にも自己嫌悪
    ・・・というのがバラクの妻の初期状態である。

    現代だったら、女性の自立⇨離婚の道まっしぐら。

    それが、途中で、バラクの人の良さに打たれて
    やっぱりこの人の子供が欲しい、となってしまう
    バラクの妻って、何なんだこれは。

    あ〜、すみません。
    ストーリーについて書き出すと
    怒りで指が震えて、とんでもない事まで書いちゃいそうなので止めます。

    音楽の素晴らしさについつい耳が行っちゃうので
    ほとんど退屈しないけれど

    短二度で繰り返される「鷹」って何の象徴なんだろう?
    途中のシーンで出てくる多数の戦死者が横たわっているシーンって
    演出家は何を考えていたんだろう?
    乳母は、母親の悪口を子供に吹き込む姑の象徴かな、とか
    (あ〜、すみません・・・)
    考えてみれば、カイコバートという名前は煩雑に出てくるものの
    カイコバートそのものはオペラには登場しないのは何故なんだろう、とか

    まぁ、様々な謎のあるオペラで
    だからこそ、飽きが来ないのかもしれない。

    そういう不思議な謎がなかったら
    「夫婦は愛し合って、たくさん子供を作りましょう。
     でも、人の犠牲まで強要しての不妊治療は止めましょう」
    っていう、非常に不愉快で、かなり単純で
    異様に生々しい時代錯誤の女性蔑視だけになってしまうからな、きっと。

    歌手は揃ってるし
    音楽は、ともかく素晴らしい(思い切り強調)
    オーケストラのメンバー、誰一人、手抜きしてないし
    いや〜、こういう音楽だと
    国立オペラ座管弦楽団=ウィーン・フィルというのも納得できる。
    (すみません、普段、バレエしか行かないので(以下省略))
    弦の響きの豊かさ
    シュトイデさんのバイオリンのソロの泣きたくなる位の美しさ。
    チェロのソロは、スキャンダルから不死鳥のように生還したノイジさん。
    金管も木管も、パーカッション(比較的出入りは激しい)も抜群。

    ティーレマンの熱心な信奉者が多いので
    登場するたびにブラボー・コールが飛ぶ。
    (お隣の男性が大声で叫ぶので、耳が痛くなった(笑))

    ティーレマンも音楽にはご満悦だったようで
    終演後、コンマスと握手かと思いきや
    抱き寄せてハグしていた(迷惑そうだった(笑))

    こんな(売れ残り子ナシの)女性にとって
    失礼で不愉快な話はない訳で
    (まぁ、1914年〜17年の話だ、100年前の話なのだ!
     時代が違う! って言うか、100年前に生まれていなくて良かった)
    もう二度と行く気はないけれど

    あんなに良い席でオペラを観る事も
    たぶん、二度とないだろう、という私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    ただ、考えてみれば、4時間30分というオペラなので
    時間単位で割ってみたら(時給?笑)
    そんなにむちゃくちゃ高い、というワケではないかもしれない。
    それ言ったら、ブルックナー1曲とかの楽友協会の方が
    分割りにしたらお高いわ(すみません、ケチで f^_^;)

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      • 2019.11.20 Wednesday
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