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カメラータ・ザルツブルク

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年5月5日 19時30分〜21時15分

    Camerata Salzburg
    バリトン Matthias Goerne
    コンサートマスター Gregory Ahss

    Franz Schubert (1797-1828)
     Des Fischers Liebesglück D 933 (1827)
     Das Heimweh D 851 (1825)
     Ganymed D 544 (1817)
     Abendstern D 806 (1824)
     Pilgerweise D 789 (1823)
     Alinde D 904 (1827)
      (Bearbeitung: Alexander Schmalcz)
    アンコール Stimme der Liebe D 412

    Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
     Serenade C-Dur, op. 48 für Streichorchester (1880)

    アンコール Wolfgang Amadeus Mozart: Andante
          (Kassation Nr. 1 G-Dur K 63)

    とある理由でアセアセにホールに入ろうとした私に
    「平土間の席に変更できますよ?」と教えてくれた
    親切なコンツェルトハウスのお兄ちゃんは
    私が超貧民席の常連で
    しかも本日は超貧民席の中でもベストの席を
    発売初日に確保した事はご存知ない(笑)

    上で係の人に聞いたら
    1800人の収容人数で1400席しか売れてないとの事だった。
    (それでも悪くないと思うのだが)
    天井桟敷の人々も、一部は席替えをしてもらったらしく
    かなりガラガラに空いていたけれど
    私はベスト超貧民席に陣取る。

    カメラータ・ザルツブルク、私、すごく好き・・・なのだが
    客演の時に私の予定が空いている事が少なくて
    今回はバリトンのマティアス・ゲルネが歌う、というので張り切って購入。

    オーケストラとは言え、室内オーケストラで
    バイオリンが I と II それぞれ6名
    チェロとビオラが4名、コントラバス2名
    前半は、ここにホルン、フルート、オーボエ、クラリネット
    ・・・あれ、あともう1人いたような気がするけど何だったっけ。
    (↑ 音楽学を専攻している学生としてあるまじき醜態・・・)

    シューベルトのリートのオーケストレーションなんて
    いったい誰が考えた???
    あまり弄るワケにはいかないだろうし
    大オーケストラにしちゃうと、シューベルトじゃなくなってしまうし
    その意味、このアレンジャーは、かなり器用にオーケストレーションしている。
    メロディ・ラインの背景を弦で描いて
    時々入る装飾は木管で、という
    まさに正統派のやり方で、あまり違和感はない。

    ・・・まぁ、時々、ちょっとマーラーっぽく聴こえたけど
    シューベルトもマーラーも、もともと民謡っぽい素地があるから(笑)

    ゲルネの深い美声・・・
    いや、この人の歌い声、本当に倍音たっぷりで
    ホール中に柔らかく響き渡って
    まさにビロードの手触り(しかも暖かい)ってこれだわ。

    いつもながら、身体の動かし方がゲルネ特有で
    足を開いて仁王立ちしながら、右と左に揺れまくる。
    正面の席だったので、声の左右への移動は目立たず、良かった。

    で、オーケストラのメンバーが
    何だか、ものすごく楽しそう(に見える)
    何人かはニコニコして演奏してるし
    ちょっと笑ってるようなプレイヤーもいる。

    ザルツブルクのオーケストラとは言え
    シューベルトっていったら
    音楽家の(特にドイツ語圏やオーストリアの)心の底に
    ばっちり染み付いている
    小市民的ビーダーマイヤーなので(偏見による誤解があるが無視して下さい)
    いくら私が今学期
    調性の拡張の授業でシューベルトと格闘していても
    やっぱりシューベルトはシューベルトなのである。

    理解不可能な言動が見られるのは、老化の表れだろうか・・・

    シューベルトのリートの中でも
    比較的暗めの曲が多く、バラードが中心で
    有節歌曲のバリエーションが多い。
    (Strophenlied って有節歌曲って言うんですね・・・知らなかった)

    ただ、さすがにドイツ・リートを歌う歌手だけあって
    有節歌曲の節は、テキストによってすべて歌い分けて
    表情や表現が素晴らしい。
    (途中で一回、間違っちゃったのは巧く誤魔化した(笑)リートあるあるである)

    じっくり、しっとりと歌い上げるバラードが渋い。
    身体は大げさに動かすけれど
    大声を張り上げる事なく
    ピアニッシモの微かなニュアンスまで完璧に客席に届き
    またそれを伴奏するオーケストラの
    あのピアニッシモの演奏の凄さには目を剥いた。

    歌声をさりげなく包む木管のピアニッシモのソロには
    ちょっと聞き惚れてしまうわ。

    マティアス・ゲルネって
    まだ若いというイメージだったのだが
    もう52歳ですか・・・
    比較的若い頃から(頭頂部は毛髪が不自由だったが、まわりはフサフサだった頃)
    リートの夕べを追いかけていたので
    (だいたい、ゲルネに目を付けたのは
     フォアアールベルク州でのシューベルティアーデのデビュー時。
     調べてみたら1994年=27歳の時!!!)
    あ〜、そりゃ27歳から52歳まで追いかけていると(以下省略)

    一時期、声が太くなり過ぎて
    リートらしからぬムニャムニャのドイツ語だった時期もあるが
    大オーケストラに埋もれないように大声(声量はむちゃくちゃある)で歌うより
    こういう室内オーケストラで歌った方が
    ドイツ・リートらしいニュアンスが出るし、ドイツ語もはっきり聞こえる。

    ガニメードは別として
    暗いバラードの最後には
    有名なアリンデで終わったのだが
    テキスト読んでいて、最後の詩の作者が
    ロホリッツだったので椅子からずり落ちそうになった。
    (AMZ のゼミを2学期目に取って大苦労した思い出が・・・
    内部ネタ、お許し下さい)

    後半はチャイコフスキーの弦楽セレナーデ。
    指揮者なしの22名の室内オーケストラ。

    ああああああああ
    ボリス・エイフマン振付のバレエ「アンナ・カレーニナ」の脳内再生が・・・
    (この作品の最初の音楽だった)
    オルガさまの若い頃のお姿とカレーニン役のエノが脳内を行き来している。

    それはともかくとして
    この室内オーケストラ、アンサンブルの精密さが群を抜いている。
    第一バイオリンなんか、揃いに揃って
    小規模オーケストラというよりは、まるで弦楽四重奏を聴いている気分。

    もちろん大オーケストラで、倍音たっぷりの大音量で
    どっか〜ん、という演奏ではない。
    あくまでも親密で、耳元で囁かれているような感じ。
    大ホールなのに、大ホールで鑑賞している印象がない。
    まるで、私だけのために
    音楽家たちが暖炉の近くで
    愛をこめて音楽を贈ってくれているような気分になる。

    緩みはないのに、何と言うほっこり感。
    暖かくて愛に満ちていて
    とっても優しい(幻覚かもしれない)
    何だか沁みるのである。
    心に傷口があるとすれば
    優しく、クリームを塗ってくれているような感じがする。
    もちろん、聴く側の勝手な妄想だが・・・(笑)

    もう5月だと言うのに
    雨は降るわ、郊外では雪になっていて
    気温は10℃を切り、太陽は全くなくて
    ジメジメした暗さのところに
    こういう沁みる音楽を聴くと
    何だか救われたような気になる私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    シューベルトのリートの楽章間拍手があったのだが
    2曲目の後には少なくなり、3曲目の後はフライングなし。
    弦楽セレナーデも曲の途中の拍手はなかった。
    お陰で集中して、ほっこり感を堪能できたのはありがたい。

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      • 2020.10.22 Thursday
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