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ラルフ・ベナツキー「妹と私」オペレッタ

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    Volksoper 2019年4月18日 19時〜21時45分

    Meine Schwester und ich
    Musikalische Komödie in zwei Akten mit Vor- und Nachspiel
    Text von Robert Blum und Ralph Benatzky
    nach Ma soeur et moi von Georges Berr und Louis Veneuil
    Musik von Ralph Benatzky
    Musikalische Einrichtung von Guido Mancusi

    指揮 Guido Mancusi
    演出 Robert Mayer
    舞台・衣装 Christof Cremer
    振付 Andrea Heil

    ドリー サン・ラビッシュの城主 Lisa Habermann
    ロジェ・フルリオ博士 Lukas Perman
    レイシ・ド・ナジファルディ伯爵 Carsten Süss
    (アテレコ Robert Mayer)
    アンリエッテ Julia Koci
    執事・裁判官 Nicolaus Hagg
    イルマ 靴屋の売り子 Johanna Arrouas
    フィロセル 靴屋のオーナー Herbert Steinböck
    ムシュー・カマンベール 靴屋の客 Georg Wacks
    陪審・召使い・レビューのダンサー Mitglieder des Jugendchores der Volksoper

    今シーズンのフォルクス・オーパーの新プロダクション
    ラルフ・ベナツキーのオペレッタ
    タイトルは訳すとすれば「妹と私」って感じなのかなぁ。

    滅多にオペレッタとか行かない私が誘惑されたのは
    例のイースター時期のキャンペーン
    4枚買えば50%割引(こういうのに弱い)に釣られたのだが
    これ、確かに明るくて楽しい出来になっている。

    踊れて、歌えて、演技ができる
    見目麗しい役者(=歌手)が揃っている
    フォルクス・オーパーならではの作品。

    上演前に、貧民席からは見えないものの
    よくご存知、フォルクス・オーパーの支配人の
    ローベルト・マイヤーが登場。

     公演前に誰かが出てくると、公演のキャスト変更で
     今回も例外ではありません。
     残念ながら、カルステン・ズュースが咽喉炎で
     医者から、話す事も歌う事も禁止されました。

     ただ、カルステン・ズュースは舞台に登場します。
     皆さまはズュースを舞台で見る事ができますが、聞く事はできません。

     私が譜面台を持って横に立ち、
     合わせて喋ったり歌ったりします。

     どうか、舞台では私を見ずに、ズュースを見て下さいね。
     観客から見られると非常に緊張するので(ここで観客から爆笑)

    さすがマイヤーというか、まぁ見事にアナウンスをキメてくれた。

    しかも、カルステン・ズュースは、ちゃんと演技はしているので
    口は動かしているのである。
    そのセリフの口の動きと、ほとんどズレなく
    喋って歌ったマイヤーって、スゴイ。
    口パクで全く声を出さず、あの迫真の演技をしたズュースもスゴイ。

    演技達者というか、芸達者というか、さすがプロというか
    いやもう、あんなに違和感のない口パクのアテレコ、初めて見た(聞いた)。

    さて、前半では離婚裁判のシーンから始まり
    個人の図書館で司書として雇われたロジェが
    仕事が終わらない、とバタバタしているのだが

    邪魔が入るたびに
    本を放り出す演出って何なんだ!!!(怒)

    数冊持ってハシゴを上がったとたんに
    何かの邪魔が入って、本を床に数冊、すごい勢いで落とす
    ・・・というのが、何回かあって

    本が投げ出されるというのは
    私は、ものすご〜〜〜〜〜〜くイヤなの!!!!

    ページが捲れたり、綴じが取れたり、背表紙が傷んだり
    学生時代、図書館に閉じこもって
    本を大事に読んでいた私は
    あんなに無神経に本を投げる、落とす、というシーンが続くと
    いたたまれない・・・というより、精神的な苦痛が大き過ぎる。

    ドリーはロジェに惚れているので
    せっかくロジェが片付けた本をめちゃくちゃにしたりしている。

    ロジェはロジェで
    2ヶ月前にナンシーでの教職が決定して
    今日の夜の列車でナンシーに向かう予定なのに
    司書を辞める事をドリーに言う事ができず
    しかも、仕事が終わっていないので
    ギャラを貰えないんじゃないか、と悩んでいる。

    2ヶ月前に転職が決まっていて
    それを、辞めるその日まで雇い主に言う勇気がないって
    それ、社会人として失格でしょうが!!!!(怒)
    (しかも設定が音楽学の博士なのよ。
     ウィーン大学の音楽学の博士号を持った教授の中には
     こんな社会人失格で、ウジウジしたワケのわからんタイプは居ない!)

    メイドのアンリエッテが、大丈夫よ、ギャラは5000フラン
    ちゃんと貰えるわよ、と歌い
    それにデュエットして、5000フランなんて大金、スゴイぞ、と
    大喜びするロジェに

    ドリーが無造作に小切手を切るのは
    5000フランどころか10000フラン。

    ロジェも、こんなに頂けません、とか口先では言うくせに
    ダンス・シーンでダンサーたちの間を小切手が飛び交い
    (これもワタクシ的には許せないシーンで
     現金と同じ価値の小切手を、あんなに乱暴に扱うなんて!!!)
    最後はメイドが胸の合間に入れたのを
    結局、ロジェが取り戻して、ちゃっかり貰ってしまう。

    後半の靴屋さんのシーンでも
    靴の箱の取り落としが何回もあって、心が痛む。

    モノは大切に扱いましょうって
    家庭で躾されませんでした?(涙)

    さて、そのロジェだが、ドリーは惚れているのだが
    ロジェはプリンセスというだけで萎縮しまくりで
    前半では、嫌がっている男性に
    しつこく纏わり付く女性という
    何だか、あまり共感が持てない。

    ナンシーに行く、と聞いて
    シャンパンとキャビアで、ロジェの労をいたわりつつ
    ナンシーには、文学者と結婚して離婚して
    靴屋で働く妹が居るから、そこに荷物を届けて欲しいと
    ウソをつくドリー。

    ドリー役のリザ・ハーバーマンは見た目が美しく
    スタイル抜群で、プリンセスの気品もある。
    表情がかなりせわしく変化して、演技も巧い。
    (表情がくるくる変わるのが、時々、大げさ過ぎるけれど)

    声は細いけれど、澄んだ高音も出すしスープレットだし
    マイクはつけているから声量関係なく
    ハマり役ではある。

    ロジェは張り切って、明日、その靴屋に行きます、と言いだすので
    慌てるドリー。

    後半は、その靴屋さんでのシーン。
    イルマ役のヨハンナ・アロウアスは
    歌って踊れるフォルクス・オーパーの看板歌手の1人だから
    歌も巧いけれど、ともかく動きが見事。
    多少はしたない動きも、見事に見せてしまう。
    キャピキャピした、舞台に憧れる若い浮ついた女性役にぴったり。

    ドリーは突然現れて雇ってくれ、と迫るが
    断られそうになって
    雇ってくれたら、1日につき1000フラン払うわ、と
    カネにモノを言わせて無理やり雇ってもらう。
    (前金ね、はい10000フラン、と渡すので
     フィロセルは大喜びである)

    イルマに、あなたの着ている服を頂戴、と言って断られると
    またもや、じゃぁ、あなたの服に3000フラン払うわ、と
    これまた、すべてお金で解決。

    アメリカあたりの資本主義をおちょくっているのかもしれないが
    そういう毒は全く感じられない演出で
    そこまでやって、ロジェをモノにしたいのか、っていう感じ。

    やって来た客の扱いも、あまりに酷いし・・・(苦笑)
    カネをもらった靴屋のオーナーのフィロセルは
    ドリーの失敗も何のその、庇って甘やかせて、という
    あ〜、世の中、金があれば何でもありかよ・・・(唖然)

    やって来たロジェが、ドリーの妹(と偽っている)に
    一目惚れするのも、何だかなぁ。
    まぁ、このシーンは演技もダンスも歌もなかなか良くて
    ちゃんと、恋におちた2人、というハッピー・シーンで
    見ていて、可愛いし、リアルにも見える。

    もともとドリーに惚れていて
    追いかけて来たナジファルディ伯爵は
    ハンガリーの男は惚れっぽい、という役割で
    イルマに惚れてしまい
    イルマはイルマで、お金持ってるオトコ、大好き!と
    すぐにお金になびいてしまうという

    ・・・やっぱりこれ、ラブよりはマネーというオペレッタなのか?

    ハッピー・エンドで終わるかと思いきや
    最初の離婚裁判のシーンに戻り
    ロジェが、結婚はしてみたものの
    貴族の生活に耐えられない・・・と延々と語る。

    このドリーってお姫さまもアホだね。
    研究者なんて、贅沢な生活よりは
    豊富な研究資料と共に
    図書館に閉じ込めておけば
    ハッピーな生活が出来るタイプなのに。

    あ〜、でも、このプリンセス
    研究者の、一瞬でもヒマがあったら論文読みたい
    みたいな欲求を理解できるタイプではなさそうだ(独断・偏見)

    その意味では、身分違いの恋というより
    人生観が違うって感じで、歩み寄れないとは思うのだが
    それは、私があまりにリアリストだから、という理由もある(すみません)

    舞台は明るいし
    衣装も、明るい原色を多用したカラフルな洒落た衣装だし
    歌って踊れて、という芸達者の出演者が
    本当に歌って、踊ってを繰り広げてくれるので
    音楽的に深いとか言うものではないけれど
    カネの事とか、モノの粗末な扱い方とか
    研究者とプリンセスとか、考えなければ
    まぁ、ラブコメとして見るなら、水準はかなり高い。

    何回も繰り返し出てくる
    フロイライン、ワインを一杯、飲みに行きませんか、というメロディは
    後々まで記憶に残るので
    若い(あるいは中年の)カップルは
    この後、少なくとも、ちょっと気が効いた男性なら
    連れの女性を、あのソングを歌って
    ワイン一杯に誘うんじゃないかなぁ。

    色々と心が痛む場面(本の放り出しや、世の中なんでもカネ)もあるけれど
    まぁ、オペレッタだから・・・と納得すべきであろう、きっと。

    作品としての出来は非常に良いので
    あまり深く考えずに楽しめるのであれば
    見て損はない、と思う私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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      • 2019.11.20 Wednesday
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