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マウロ・ペーター + ヘルムート・ドイチュ

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    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2019年4月9日 19時30分〜21時20分

    テノール Mauro Peter
    ピアノ Helmut Deutsch

    Robert Schumann (1810-1856)

    Fünf Lieder op. 40 (1840)
     Märzveilchen
     Muttertraum
     Der Soldat
     Der Spielmann
     Verratene Liebe

    Liederkreis nach Gedichten von Joseph von Eichendorff op. 39 (1840)
     In der Fremde
     Intermezzo
     Waldesgespräch
     Die Stille
     Mondnacht
     Schöne Fremde
     Auf einer Burg
     In der Fremde
     Wehmut
     Zwielicht
     Im Walde
     Frühlingsnacht

    Dichterliebe. Liederzyklus nach Gedichten von Heinrich Heine op. 48 (1840)
     Im wunderschönen Monat Mai
     Aus meinen Tränen sprießen
     Die Rose, die Lilie, die Taube, die Sonne
     Wenn ich in deine Augen seh’
     Ich will in meine Seele tauchen
     Im Rhein, im heiligen Strome
     Ich grolle nicht
     Und wüßten’s die Blumen
     Das ist ein Flöten und Geigen
     Hör’ ich das Liedchen klingen
     Ein Jüngling liebt ein Mädchen
     Am leuchtenden Sommermorgen
     Ich hab’ im Traum geweinet
     Allnächtlich im Traume seh’ ich dich
     Aus alten Märchen winkt es
     Die alten bösen Lieder

    スイス出身のテノール、マウロ・ペーターと言えば
    2013年7月27日のグラーフェネックで
    前座(笑)として聴いた時に
    あまりに清潔感のある美しい声とドイツ語の美しさに
    一目惚れ=一耳惚れしてしまい
    それからウィーンで歌うリートの夕べは必ずチェック。

    それでも、2013年10月17日、2015年5月18日、2016年11月24日の
    3回しかリサイタルは聴いていない。
    他の都市やオペラを追いかけるだけの気力も体力も経済力もないので
    追いかけとはとても言えない(汗)

    1987年生まれ、今年32歳。
    20代の頃に発見した(笑)歌手なので
    時の経つ早さを実感する。

    最初に聴いた時には
    声にむちゃくちゃ清潔感があって
    ドイツ語のディクションが美しく
    技術あって、音程の安定感が素晴らしく
    ただ、まだ今ひとつ表現力には欠けている、という印象だった。

    上記の4回の記事、今、読み直してみたんだけど
    美声、技術ばっちり、でも表現力が、深みが・・・と
    いつも同じような事を書いている(苦笑)

    さて、今回はシューマンのリートの年に作曲されたもの。

    うわああ、このテノール、突然、表現力がむちゃくちゃ増してる!!!
    いや、増さなかったら困るんだが
    声の美しさと技術の高さだけで聴かせて来た印象が消えて
    非常に深い、ドラマチックでありながら
    ドイツ・リートの抑制を踏み外さない表現力を身に着けて来た。

    シューマンがクララとの結婚が決まって
    浮かれてリートをたくさん作曲した・・・というのは
    まぁ、定説ではあるのだが

    このリーダー・クライスを聴いていると
    そんなに明るいウホウホと喜んでいる曲ばかりではなくて
    伝統的調性から脱出してぶっ飛んで
    なんですかこの暗さは、という曲も結構あるのは
    読者の皆さま、よくご存知の通り。

    もちろん当時の「ロマンティック」な雰囲気の流行もある。
    孤独だの失恋だの自殺だの
    男性がウジウジしているのが、この時代の特徴なのかもしれない。
    (例証はありません、ただの主観的意見です)
    いったいこの当時、女性はこういう男性に対して何を思っていたんだろう。
    女性詩人の作品とか残っていたら面白いかもしれないなぁ。

    シャミッソーの詩による5つの歌の
    Der Soldat で見せた表現力にはひっくり返った。
    テノールなのに、マッチョで悲劇的で
    歯を食いしばった悲壮な死にゆく男性の絶叫を描き出す。

    あ〜、ただの「可愛い男の子の可愛いテノール」から脱却したな。

    アイヒェンドルフのリーダー・クライスも
    暗い色調を保って(テノールのあの声の質で見事!)
    いや見事な出来。

    詩人の恋のチクルスは
    本当はテノール向きの曲ではないと思うし
    以前、マウロ・ペーターが歌った時には
    Im Rhein, im heiligen Strome で重さが足りない、という印象があったが

    このテノール、すごく進化してる 😳
    以前の表現力とは比べものにならない程の深みが出て
    ソット・ヴォーチェの部分はあくまでも柔らかく甘く
    マッチョなところでは低めの厚みのある声で堂々と歌う。

    きゃ〜〜っ、ますます目が(耳が)離せないじゃないの。
    しかも音程感の安定さにドイツ語のクリアさがスゴイのが
    以前のように、ただの「技術」だけでなくなってきて
    ちゃんと音楽的表現と結びついて来ているのに驚くばかり。

    詩人の恋は、比較的失恋が早いのだが
    (水車小屋の娘はもう少し恋愛期間が長い(笑))
    あの Ich grolle nicht でも
    叫びまでは行かない抑制を保ったまま
    歯を喰いしばって耐えている感じがすごく良い。

    リズミックな曲のリズムも絶妙。
    もともと抜群なテクニックがあるテノールだから
    どの曲を歌わせても、技術的に完璧 ♡

    しかも声量あって
    無理して張り上げている感じが全くなくて
    高音まで澄んだ美しい声で
    テノールにありがちな、こいつアホか、って感じが
    (テノールの方、すみません!)
    全然なくて
    不要な身体の動きが全くなく
    伝統的・正統的ドイツ・リートを端正な表現で聴かせて
    頭の良さと努力を感じさせるくせに

    歌い終わった後の、あの、満面の笑顔のキュートさと言ったら
    田舎出身の男の子が、全身から喜びのオーラを出しているみたいで
    素朴感に満ち溢れていて、これがまたチャーミングで嫌味がない。

    アンコールにシューマンの曲を3曲。
    全く疲れを感じさせない声で
    あ〜、やっぱり若いって良いなぁ。

    でも、数年でこれだけの表現力をつけてきた上に
    声も円熟味を増していて
    テノールの美しき高音に、低めの音域まで
    完璧な技術で聴かせるとなったら

    追いかける価値はある!!!

    というわけで
    今年8月20日にザルツブルク音楽祭に行く事にして
    貧民席(まだあった!)を買ってからプログラムを見たら
    後半がリヒャルト・シュトラウスで
    しかも有名どころに加えて Mädchenblumen も入っているので
    小躍りしている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    ザルツブルク音楽祭はチケットは超貧民席で入手しても
    どんなに安ホテルでも、この時期、結構なお値段になるので
    実は高くつく・・・んだけど
    マウロ・ペーターとゲルハーヘルだけは逃せません!!!


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      • 2019.11.20 Wednesday
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