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サイモン・キーンリサイド + マルコルム・マルティヌー

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    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2019年3月21日 19時30分〜21時40分

    バリトン Simon Keenlyside
    ピアノ Malcolm Martineau

    Franz Schubert (1797-1828)
     Liebesbotschaft D 957/1 (Schwanengesang, 1. Buch) (1828)
     Kriegers Ahnung D 957/2 (Schwanengesang, 1. Buch) (1828)
     Der Atlas D 957/8 (Schwanengesang, 2. Buch) (1828)
     Am Meer D 957/12 (Schwanengesang, 2. Buch) (1828)
     Freiwilliges Versinken D 700 (1820)
     Ständchen D 957/4 (Schwanengesang, 1. Buch) (1828)
     Der Jüngling an der Quelle D 300 (ca. 1817)
     Das Fischermädchen D 957/10 (Schwanengesang, 2. Buch) (1828)
     Ganymed D 544 (1817)

    Francis Poulenc (1899-1963)
     Le traveil du peintre S 161 (1956)
      Pablo Picasso
      Marc Chagall
      Georges Braque
      Juan Gris
      Paul Klee
      Joan Miló
      Jaques Villon

    Ralph Vaughan Williams (1872-1958)
    aus: Songs of travel (1904)
     Nr. 1: The vagabond
     Nr. 4: Youth and love
     Nr. 6: The infinite shining heavens

    Arthur Somevell (1863-1937)
     There pass the carelss people (A Shropshire lad Nr. 3) (1904)

    John Irland (1879-1962)
     The three ravens (1920)

    Peter Warlock (1894-1930)
     My own country (1926)
     Cradle song (1927)
     Piggésnie (1922)

    John Ireland (1879-1962)
     Sea fever (1913)

    Hugo Wolf (1860-1903)
    aus: Mörike-Lieder (1888)
     Nr. 2: Der Knabe und das Immlein
     Nr. 32: An die Geliebte
     Nr. 31: Wo find’ ich Trost?
     Nr. 23: Auf ein altes Bild
     Nr. 46: Gesang Weylas
     Nr. 38: Lied vom Winde

    アンコール
    Franz Schubert: Im Abendrot D 799
    Franz Schubert: Der Einsame D 800
    Peter Warlock: The Night
    Percy Grainger: A Spring of Thyme

    サイモン・キーンリサイドのリサイタル。
    ピアノはマルコルム・マルチヌーで
    プログラムが・・・ 実に面白い構成になっている。

    シューベルトの白鳥の歌を中心に歌ってから
    プーランクの歌曲集「画家の仕事」
    ・・・って、これ、私、知らなかった!!!

    キーンリサイド登場、普通のジャケットだが
    シャツの胸元は開けて
    登場したら、結構な拍手が鳴り止まず
    本人も拍手の多さにドギマギしたのか
    あっち行ったりこっち行ったり
    何だか落ち着きがなくて
    ちょっとコミカルな感じが・・・

    うううううん、このバリトン
    こんなコミカルなキャラで売ってたっけ???
    (いや確かに大昔に歌詞ど忘れ事件があったのは覚えているが)

    最初のシューベルトの歌
    下向いて、しかも、ピアノの周辺を
    あちこち動きながら
    すごい声量で歌っていて

    声量あるのはわかるんだけど
    ここ、モーツァルト・ホールだから
    あんまり大きな声を出しても意味ないし
    第一、歌ってるのはシューベルトのリートだよね。
    オペラじゃないよね。

    低音は倍音たっぷりの美しさで
    下向きだけど
    もしかしたら上向いて歌ったら
    ただウルサイだけになってしまう可能性があるから良いけれど
    ピアニッシモに抑えるところで
    ・・・声、掠れてますが(絶句)

    本人も、弱音で歌うと声が掠れるのに気がついたのだろうか
    力一杯の声量で歌ってくるので
    強弱なくて、強だけで押しまくり
    かなり大味の、しかも、力だけで歌っている感じになる。

    どうしても弱音・・・というところでは
    突然、声の支えがなくなってしまう(涙)
    こういうのって、風邪をひいたり、声が疲れている時の症状なんだけど
    大丈夫なのか、キーンリサイド・・・

    アトラスなんか、どう聴いたって
    オペラのアリアにしか聴こえなかったし
    (まるでヴェルディだった)
    ピアニストが、またそれに合わせて
    シューベルトとは思えぬドラマチックな
    色彩感たっぷりの伴奏を付けるので
    (これはある意味、素晴らしかった♡)
    どうしてもシューベルトを聞いた気分にならない。

    しかも、キーンリサイドが歌いながら、むちゃくちゃ動く。
    リート歌ってる時に動くな、とは言わないが
    舞台のあちこちに移動するし、手は上げるし
    どう観ても、それはオペラを歌っている・・・としか見えないです(涙)

    プーランクの「画家の仕事」
    うわあああ、これ、むちゃ面白いではないか。

    ピカソ、シャガール、ブラック、クレー、ミロは知っているが
    うわあああ、不勉強な私は
    フアン・グリスとジャック・ヴィヨンの作品は鑑賞した事がない(汗)

    ピカソとブラックの作品の見分けはつくか、と言われたら
    かなり不安なんだけど(ブラックの作品の方が色は地味だと思う)
    フランス語+ドイツ語訳がプログラムにある詩も
    各画家たちの特徴や人柄をユーモアに満ちて綴っていて楽しい。

    面白い歌曲集があるものだ。
    絵画を音楽で表現する試みは
    昔から様々な作曲家がやっているが
    キュービスムまで、その方法での曲があるとは思わなかった。
    (現代ではデュフールがやってたな。この間の現代音楽祭で聴いた記憶がある)

    さて後半、声は大丈夫なのか、と心配だったが
    舞台の上に水を置いて
    多少、声も持ち直して来た感じ。

    最初のイギリス歌曲のテーマが「旅」
    内容的にも音楽的にも、非常にすっきりしたまとまりになっていて
    様式的にもイギリスやスコットランドのエレメントが
    時々、耳新しく、でも、何となく中世っぽい響きまで出て来て
    ドイツ歌曲、フランス歌曲の後に、ヨーロッパ大陸から離れた
    英語圏の歌が入ると、バリエーションが増す。

    途中で1回だけ、やっぱり歌詞ミスで
    最初から繰り返しがあったけれど
    割に最初のところだったし
    まぁ、そういう事もあります。

    最後がフーゴ・ヴォルフのメリケ歌曲集。
    やっと、ここら辺で、声量でごまかしていた声のコントロールが効いたようで
    (いや、そりゃ、ヴォルフでコントロールなかったら困る)
    ドイツ語のクリアなディクションに
    軽く声を乗せて、という最初の曲から
    それこそ、弱音出なかったら最悪だったという
    Auf ein altes Bild や
    これは得意だろうメロディックなワイラの歌
    最後の Lied vom Winde で
    ものすごくキュートに Kindlein, Ade ! をキメた。

    キーンリサイド、後半でも動きまくり。
    まぁ、ゲルネのように身体クネクネのたびに
    違う方向に声が飛ぶ、というタイプではないけれど
    如何にもオペラちっくな舞台。

    しかもキャラが何だかコミカル。
    この人、いつからコミカル・キャラに変えたのかしら。

    アンコールの前にスピーチして
    なんちゃらという有名なバリトン歌手が
    死の床で、夕陽に向かって歌ってから亡くなった
    とかいう内容(だと思われる、よくわからなかった貧民席だから)を話して
    平土間のお金持ち席には音響的に聞こえたであろう
    何かジョークをかましてから、シューベルトの Im Abendrot
    その後出て来た時に
    英語の歌を歌おうと思ったけれど
    シューベルトの後に英語の歌を歌う切り替えが難しくて出来ない
    という前置きで、もう1曲シューベルト。
    最後の最後に、あと2曲だけ、今度は英語の歌ね、と
    続けて2曲のイギリス歌曲。

    確かに器用な歌い手で
    ドイツ語もフランス語も英語も
    美しいディクションで歌ってしまうけれど

    バリトンとしては、かなり低い声域になっているし
    (歳と共に声域が下がるのは普通だから構わないけど)
    力を入れれば声量はあるのだけれど
    リートに必要な弱音のコントロールが
    最初全くダメだった事を考えると
    ちょっと残念。

    愛されるコミカル・キャラを演じていれば
    ファンの人たちは集まるだろうが
    しかしウィーンの、特にリートを聴く(ほとんどが年配の)聴衆って
    オペラに行って声量のでかいスター歌手にきゃ〜っていう聴衆と一味違うよ。

    私も正直言うと
    ゲルハーヘルとかベッシュは
    またリサイタルやったら行きたいと思うけれど
    今日の状態だと、キーンリサイドはちょっと・・・と思うもん(すみません)

    確かに多彩なプログラムで
    テーマもあり、曲の音楽の統一性も違和感はないし
    客を絶対に飽きさせない構成は見事だと思うが。

    今年60歳になるけれど
    もしかしたら、歌いすぎ?
    あの声量で力任せに歌えるなら
    まだオペラではイケるかもしれないけれど
    それでも、ちょっと心配な私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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      • 2019.12.07 Saturday
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