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ウィーン交響楽団 + アラン・アルティノグル

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    Musikverein Großer Saal 2019年2月27日 19時30分〜21時20分

    Wiener Symphoniker
    Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
    指揮 Alain Altinoglu
    メゾソプラノ Nora Gubisch
    ピアノ Denis Matsuev

    Franz Liszt (1811-1886)
     Von der Wiege bis zum Grabe
       Symphonische Dichtung nach einer Zeichnung von Michael Zichy
     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 2 A-Dur

    Sergej Prokofjew (1891-1953)
     Alexander Newskij, Kantate für Mezzosopran, Chor und Orchester, op. 78

    何とも変わったプログラム構成だと思う。
    いや、私が無知なだけかもしれないが、
    フランツ・リストの交響詩、乳母車から墓場まで(って訳すのか?)とか
    プロコフィエフのカンタータ、アレクサンドル・ネフスキーなんて
    今まで数多く行ったコンサートでも一度も聴いた事がないと思う。

    中に挟まれて超有名なのが、リストのピアノ協奏曲2番(笑)
    しかもソリストがデニス・マツエフ。

    さて、フランツ・リストの交響詩は
    70歳の時にハンガリーの画家のスケッチにあった
    乳母車・存在への戦い・墓 というタイトルに触発されたものらしい。
    ピアノ曲として作曲され
    オーケストレーションの時には厚い音響を避けた
    ・・・とプログラムには書いてあったが

    う〜ん、この作品、ちょっと退屈(すみません)
    やっぱりこれは、やりたい放題やって来て
    名声も金も女性も、持てるだけ持って
    僧籍に行った70歳にならないと、この境地にはなれない。
    これはもう、人生そのもののクオリティが違うので
    この曲の境地になれ、と言われても私には無理(断言)

    ピアノ協奏曲2番は
    これは、リストの名人芸・超絶技巧たっぷりの華やかな曲。

    マツエフのピアノが最初からむちゃ凄い。
    オーケストラの後ろの席=ピアノの蓋が開いている反対側で
    最初からオーケストラを圧する音量で聴こえてくるって何?
    どうやったら、グランド・ピアノから
    あれだけの音量が出せるのか
    打鍵の強さだけではないのだろうが
    ともかく、異様に強いピアノ。

    マフィアの親分の、親分より強面の息子が
    大笑いしながら戦車に乗って
    周囲を蹴散らしながら暴走して行くイメージ(褒めてます)

    テクニックあるから
    こういう曲、弾いてて楽しいんだろうなぁ
    ・・・少なくとも、そう見える。
    悩んで内省的になって弾いているようには見えない。
    ヤクザの若頭がドスを振り回しているようにも見える(褒めてます)

    最初はモロ負けしていたオーケストラも
    だんだん、勢いを取り戻して来て
    途中からピアノとオーケストラの丁々発止の勝負になったのも
    仇同士の一騎打ちを見ているような気分になる。

    すみません、今ちょうど、室町時代の時代小説の
    百姓一揆の話を夢中になって読んでいるところなので
    連想するのが、どうしても物騒な方向に行くのはお許し下さい。

    リストとかラフマニノフは
    これから先、私に奇跡が起こって
    ピアノが弾けるようになったとしても
    物理的に演奏が不可能な曲だから
    こういう、むちゃくちゃ強いピアニズムに憧れる。
    どんなに音が大きくても
    一つ一つの音の粒が見事に揃って
    濁らず、宝石のように煌めきながら
    ホールの中に散らばっていく感じが快感。

    最初の地味なリストと対比的。
    それが意図であれば、確かにピアノ協奏曲の華やかさは目立った。

    後半は合唱団が舞台に上り
    (註 私の超貧民席からは舞台は見えません)
    プロコフィエフのカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」
    1938年にボリショイ劇場で大成功を収めた
    エイゼンシュタインの映画の劇伴からのカンタータだそうだ。
    映画音楽そのものは
    1939年のヒットラーとスターリンの独露不可侵条約の時に上演禁止になり
    1941年にドイツが契約を破って攻めて来た時には
    カルト的な映画として、意気高揚のために上演されたそうだが
    終戦後、ドイツでは何年も上演禁止になっていて
    その間に音楽も散乱。
    2003年にプロコフィエフのオリジナル・スコアが発見されて
    ドイツの指揮者フランク・シュトローベルが再構築。
    (この人、映画の音楽の再構築の専門家だと思う)

    カンタータは音楽が散乱する事もなく
    何回か楽友協会でも演奏されて来たらしい。
    (ただ、プログラム記載の最後が1983年であって
     私はまだその頃、オーストリアには住んでいなかった)

    こういう前置きが長いというのは
    曲について、どういう感想を持ったら良いのか
    今ひとつ定かでない時で
    なんだか不思議な曲なのだ。

    プエロコフィエフ自身が
    13世紀の時代の話なので、その頃の音楽的雰囲気を
    現代の聴衆にも伝えられるようなモチーフを、と考えたのはわかるが
    それ、13世紀???ですか
    いや、そりゃ、13世紀のロシア音楽がどういうものだったのかは
    私はわからない(というより、たぶん、誰もわからない)

    1200年代と言ったら
    私が習った限りでは、フランスでアルス・アンティクア
    モダール・ノテーションという
    ワケのわからん記譜法がやっと出て来たあたりの時代。
    (モダールが6種類もある。暗記したけどテストには出なかった(笑))

    だから、なんかやたらに変わった和声やメロディが登場して
    転調はプロコフィエフらしいところが垣間見えるのだが
    ドラマチックなんだけど、ちょっとワケわからん。

    第3曲目のプスコフの十字軍の歌詞は
    ラテン語で、一応、詩篇には出てくるらしいのだが
    意味をなさず
    プロコフィエフがカトリックを揶揄したものではないかと
    プログラムに書いてあった。

    同じくラテン語(っぽい歌詞)の氷上の戦いは
    戦いの様子を表現していて
    これは最初に凍った湖の見事な音楽的描写から始まるのだが
    カトリックと正教の戦いがどんどん激しくなり
    二・ホ・ヘ(=ドレミで言えば、レ・ミ・ファ)の3音の和音とか
    増四度の和音(悪魔の和音です(笑))とかが登場して
    かなりギョッとする。

    氷上の戦いに続く死の原野のメゾソプラノは
    舞台の上のオルガン・バルコンから歌ったが
    声が全体に響くタイプの
    深い美声のメゾ・ソプラノで
    ロシア系かな?と思ったら、フランス人だった。
    でも、この厚みのある柔らかいメゾ、感動した。
    悪魔の和音とか聴いちゃった後なので、ますますかもしれないが
    激しい争いの後の死者を悼む歌として
    哀れになり過ぎず、感傷に流されず
    温かみのある美声でのソロは、心を癒してくれる。

    最後はプスコフ入場の讃歌の合唱で
    鐘がガンガン鳴り響いて
    楽友協会の音響で、オーケストラに近いと
    かなりうるさい。難聴になりそう(笑)

    耳慣れない曲だったからかもしれないが
    奇妙な感じだったにもかかわらず
    エネルギー溢れる、ロシア正教バンザイの讃歌で
    何回か聴いたら面白いかもしれない。

    楽友協会合唱団って、人数頼みのところがあるにせよ
    ともかく巧いし、ドラマチックにバッチリ聴かせてくれたし
    アルティノグルは、自分でも歌いながら
    最後は感極まって泣きそうになりながら指揮していた。
    (オペラにのめり込みそうなタイプである)

    明日と3月1日に同じコンサートが行われる。
    私はもう行かないが
    いや、ちょっともう1回くらい聴いても良いんじゃないかと
    悪魔が囁いてはいるのだが

    そういう囁きには負けないぞ、と
    何故か全力を尽くして対抗している私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    風邪はだんだん回復して
    咳き込みも少なくなって来たので
    もうバイキンの塊ではない・・・はずだ、きっと。
    でも、勉強しようとすると頭痛が(それを怠け病と言う)

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      • 2019.11.20 Wednesday
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