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アルディッティ弦楽四重奏団+アンサンブル・モデルン

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    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2018年11月23日 19時30分〜21時20分

    Ensemble Modern - Kammerensemble
    Arditti Quartett
    Irvine Arditti / Ashot Sarkissjan / Ralf Ehlers / Lucas Fels
    指揮 Brad Ludman

    James Saunders (*1972)
     you are required to split your attention between
     multiple sources of information (2017-2018) UA
      Kompositionsauftrag von Wien Modern

    Brian Ferneyhough (*1943)
     Umbartions. The Tye Cycle (2001-2017) EA
      Kompositionsauftrag von Westdeutschen Rundfunk, Ensemble Modern,
      Festival d’Automne à Paris, Huddersfield Contemporary Music Festival und Wien Modern

    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2018年11月23日 21時45分〜22時30分

    Late night 5 : Arditti Solo
    バイオリン Irvine Arditti

    James Clarke (*1957)
     2017-V (2017) UA

    Salvatore Sciarrino (*1947)
     Sechs Capricci für Violine solo (1976)

    現代音楽のレジェンドと言ったら
    これはもう、間違いなくアーヴィン・アルディッティと
    彼のアルディッティ弦楽四重奏団だろう。

    私が現代音楽にこれだけハマったのも
    アルディッティ弦楽四重奏団を聴いたのがきっかけだ。

    玉石混合の現代音楽でも、アルディッティは特別で
    ハズレはない(断言)

    今回はアンサンブル・モデルンと共同で本コンサートの後
    アルディッティがバイオリン・ソロを2曲弾くという豪華なコンサート ♡

    ジェームス・サンダースの曲が笑っちゃうほど面白い。
    舞台の下手(しもて)にアンサンブル・モデルン
    上手(かみて)の前にアルディッティ弦楽四重奏団
    その後ろにアンサンブル・モデルンのパーカッションが並び
    あれ?指揮者がいない???と思ったら
    突然、テープで英語のセリフが流れて来る。

    このテープの音声に従って
    各プレイヤーが演奏したり、笛を吹いたり
    スプレーしまくったり(するんですってば(笑))
    リハーサルはしているのだろうけれど
    テープのセリフにすぐに反応しなければならない部分も多く
    プレイヤーは楽器弾いたり、脇のスプレー缶を取ったり
    かなり目まぐるしい動きを要求される。

    アルディッティ弦楽四重奏団だけの演奏部分もあるけれど
    この部分のテープ音声の指示が
    はい、アーヴィンはこれ、アルディッティの2番はあれして
    ルーカルはこれして・・・という感じで
    音声ガイドに従い(?)様々なモチーフを演奏していく様子が
    いや、失礼だけど、なんだか微笑ましいというか。

    しかも、そこまで奏者がバラバラの事をやりながら
    音楽がまとまって、「音楽」とわかる程度に和声が聴こえる。
    もちろん、時々、ストップも入るし
    作曲家の指示(テープの指示)でのまとまりがあるのだろうが
    パーカッションもサイレン使ったりベルを使ったり
    生活音もたくさん入って来て(←雑音オタクなので)楽しいの何の。

    演奏している方は緊張しているのかもしれないけれど
    どう見ても、すごく楽しくやってるような印象だし
    同じように、見ている聴衆も時々笑い声が出そうになったり
    何ともユーモアに満ちた30分。

    後半は新しい複雑性 New Complexity の生みの親
    大御所のブライアン・ファーニホウの作品のオーストリア初演。

    ファーニホウの作品そのものは
    ウィーン・モデルン現代音楽祭で耳にするチャンスも結構あったのだが
    ともかく、作品がむちゃくちゃ複雑で難しいらしい。
    以前、「現代におけるフルートの最も演奏の困難な曲」
    とか言われる作品を聴いた時に
    けっ、結局はプレイヤーの腕自慢オリンピックかよ(それでもスゴイが)
    と思ってしまった事もある。

    だってそりゃ、奏法が複雑怪奇で
    演奏家がどれ程苦労しようが、練習しようが
    私のようなド・シロートの聴衆が受け取るのは
    それが聴覚に及ぼす音波だけであって
    その音波がもたらす心理的な要因だけが大事なんだもん。
    (だから、ギターで弾いたら簡単な曲を
     わざわざサーカス的なテクニックを使ってバイオリンで弾いたりするのも
     実はそれほど好きじゃない)

    ところが、この The Tye Cycle という作品、凄かった。
    サイクルだから、いくつかの作品から成っていて
    途中でアンサンブルあり、ソロありのバリエーションが多くて
    退屈しないのもあるけれど

    その複雑怪奇でむちゃくちゃ難しい(らしい)楽譜をもとに
    出てくる音の素晴らしい事といったら・・・

    音色のバリエーション、テンポやメロディ的な複雑性
    いや特に、私のような音響オタクには
    ソロ楽器の目まぐるしく変わる音色がたまらない。
    (ベリオのセクエンツァを思い出したが
     技術・音色はベリオよりずっと複雑性を増している)

    演奏時間約1時間の大曲だが
    音楽的にも、あるいは聴覚的にも次から次へと
    まるでカレイドスコープのように違う音色が出てくる。

    これだけ複雑で
    技術的にも人間の極限のような高い技術を要求される曲って
    いわゆるバロック時代のクラシックと比べたら
    リハーサルの時間も中途半端じゃないだろうし
    でも、現代音楽だからチケットは比較的安い。
    (政府から補助も出てるし、私のメイン・バンクもスポンサー)
    なんだか、すごくありがたいような気がして来る。

    ブライアン・ファーニホウご自身が会場に来ていらしたのには驚いた。
    御歳75歳。まだまだ、お元気そうである。

    さて、会場を片付けて
    21時45分からアーヴィン・アルディッティのバイオリン・ソロ。

    本コンサートでもばっちり演奏してから
    同じく複雑性のジェームス・クラークと
    特殊奏法のサルヴァトーレ・シャリーノ!!!

    鉄人アルディッティ・・・・(絶句)

    すごいなこの人
    もちろん、バイオリンの天賦の才もあるのだろうが
    ともかく、現代音楽を身体で具現しているというか
    バイオリンが身体の一部というのではなくて
    身体がバイオリンの一部になっているような感じがする。

    そのバイオリン奏法のスゴさは
    バイオリンを演奏する人でなければわからないのだろうが
    技術の多様さ、正確さから出てくる
    きっちりと計算された見事な音響には息を飲むだけ。

    シーンと静まり返った会場で
    針が落ちるような指先での弦の音まで聴こえて来て
    ああああああ、これこそ、音響オタクにはたまらない瞬間。

    繰り返して強調するが
    こういう音楽は、どんなに会場で感激しようが
    CD で聴いてはいけない。

    CD で聴いたら、ただの雑音に聴こえて来る事が多い。
    複雑で、時々、目にも止まらない速さの
    ボーイングや弓の弾き方、指での弦の弾き方などを
    視覚で捉えながら、そこから出る音(音楽ないしはただの音)を聴くのが
    現代音楽の楽しみというものである。

    その意味では、現代音楽って、実は贅沢なものかもしれない。
    もちろん、作品の出来が良ければの話だが。

    近代の演奏史では、マーラーとかブルックナーでさえも
    あるいはチャイコフスキーとかも
    オーケストラから「演奏不可能」とスコアを突き返されたケースがよく見られるが

    この新しい複雑性のファーニホウやクラークとかだったら
    もっとタイヘンじゃないか。

    でも、現代の音楽家は技術的に優れた人が多く
    というより、優れていなければ音楽家になれず
    楽譜が難しければ難しいほど、プロ意識で燃える人たちが居るらしい。
    (まぁ、シロウトのピアニストでも左手・右手で違うメロディを弾いたり
     いわゆる、才能の無駄遣い(笑)と言われている名人芸もあるしね)

    人間の運動能力というのは、一般的には、他の動物より劣っているのだが
    こと、楽器の演奏能力とかに関しては
    近代になってから、音楽家がみんなムキになって練習するのと
    グローバル化が進んで、天才が発掘されるケースも多くなって来ていて
    それこそ、こういう楽器演奏の技術というのは
    他の運動能力で他の動物に負ける人間の最後の砦じゃないか、という気はするが
    その意味で、アルディッティ氏とかの演奏技術を目の当たりにすると
    どう見ても、私より、ずっと進化した人間がいる、とつくづく思う。
    (というより、私が全く進化していないんだわ・・・)

    自分でも何を書いているか
    だんだん訳がわからなくなって来た私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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      • 2019.11.20 Wednesday
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