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ユダヤ人のいない街 オルガ・ノイヴィルト

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年11月7日 19時30分〜21時10分

    DIE STADT OHNE JUDEN
    OLGA NEUWIRTH
    Film : Die Stadt ohne Juden (A 1924)
    Regie : H.K. Breslauer nach dem Roman von Hugo Bettauer
    Musik : Olga Neuwirth (2017 UA)
    PHACE
    Leitung : Nacho de Paz
    Production Wiener Konzerthaus in Kooperation mit Firmarchiv Austria

    現代音楽と言えば現代音楽で
    しかも音楽そのものは世界初演なのだが
    どちらかと言えば、映画の印象の方が強くて
    音楽は、ちょっとビックリした部分を除いて
    あんまり印象にない(すみません)

    プログラムを買おうと思ったら売り切れだったので
    記憶を掘り起こして書くので
    もしかしたら間違いがあるかもしれないのでお許しあれ。

    1924年に作られたオーストリアの無声映画
    「ユダヤ人のいない街」は
    ジャーナリストのフーゴ・ベッタウアーの小説をもとにしたもので
    ハンス・モーザーなど、名だたるオーストリアの俳優が出演している。

    ただ、このフィルムは長い間、消失していた。

    1991年にアムステルダムの映画博物館で断片が見つかり
    その後2015年に
    偶然に昔のフィルムのコレクターが
    パリの蚤の市で、完全なフィルムを発見。

    オーストリア映画記録所が、クラウド・ファンディングを作り
    修築・再現した状態で2018年3月にウィーンの映画館で再演の運びになった。

    タイトル「ユダヤ人のいない街」が示す通り
    とあるユートピアの街が登場する。
    (撮影はウィーンでしているので、ホーフブルク宮殿とか
     今でもモロわかりの場所が出てくるので、ウィーンである事は明らかだが)

    失業、インフレ等に悩む国民がデモを繰り広げ
    ユダヤ人が我々の仕事を奪っている、というデマが広まり
    政府は、ユダヤ人追放の法律を作って、ユダヤ人を国外追放にする。

    ユダヤ人はいなくなったのに
    国の通貨の価値はどんどん下がり
    世界の銀行はユダヤ系が多いので
    誰も資金の貸付をしてくれず
    コーヒーハウスも居酒屋もガラガラ。
    購買力は落ち
    外国人観光客は全く来なくなる。

    とある議員の娘の恋人はユダヤ人で
    国外追放されてしまったのだが
    このレオというユダヤ人は
    自分の出生を隠し、フランス人として入国する。
    (ホテルに行くと、あっ!!!外国人が来た!!!と
     大騒ぎになって、ダンナ、部屋が必要ですか?それとも
     ホテル全部をお買い上げですか? ・・・笑えるシーン)

    議会は、このユダヤ人追放の法律を変更しようとするのだが
    議員の3分の2以上の賛成がないと法律を変えられない。

    フランス人に化けたレオは
    恋人のところに行ってラブシーン。
    お父さん(議員)には当分隠しておかなきゃね、というので
    娘は、お父さんに
    私、フランス人の恋人が出来ちゃったの
    と言うと
    お父さんは、でも、お前にはレオという恋人がいるじゃないか、と驚く。

    フランス人とも結婚するし、レオとも結婚するわ
    と宣言して、お父さんが「ウチの娘は頭がおかしくなったのか」
    と悩むところなど、かなりコメディでおかしい。

    レオは「ユダヤ人を街に呼びもどそう。敬虔なキリスト教徒」というポスターを
    街中に貼ってキャンペーンに努めるのだが
    1票の差で可決できず
    差し戻し2回目の議決を取る時に
    議員の1人と懇意になって、酒を飲ませ
    家中の時計を遅らせて、議会に間に合わないように画策。

    それが功を奏して、やっと議決。
    最初に戻って来たユダヤ人を、国家を揚げて大歓迎。
    国の通貨の価値は上がり
    レオは晴れて身分を明かし、ハッピーエンド。

    映画ではそうなっているが
    実際にその後どうなったかは史実が示す通り。

    原作の著作者、フーゴ・ベッタウアーは
    1925年、自分のオフィスで、ナチス党員のロートシュトックに銃殺される。
    享年52歳。
    (犯人は裁判にはかかったが、精神病と言う理由で釈放され
     その後、ナチスとして活躍して、第二次世界大戦後も
     責任を追及される事なく、歯医者として豊かな生活を送ったそうだ)

    筋立ては単純だし
    その間に挟まるエピソードも短いものが多いけれど
    1938年にオーストリアで何が起こったかを知っていると
    かなりリアルな恐ろしさが迫って来る。

    オルガ・ノイヴィルトの曲は
    時々、連邦首相が出て来る時に
    今のオーストリアの国歌(当時のではない!)の断片を使ったり
    かなり皮肉の入ったものになってはいたけれど
    あくまでも映画音楽としての節操があったので
    ・・・書いた通り、ほとんど記憶に残っていない(すみません)

    この演目、11月下旬には、アムルテルダムでも上演されるそうだ。
    こういう映画を観られたのは、とても良い経験だったし
    史実を知っている事を別としても良い映画だったと思う。
    (というより、昔はオーストリア映画って
     非常に高いクオリティだったのだ。今は忘れられているものが多いが)

    ウィーン・モデルン現代音楽祭の一環で
    コンツェルトハウスの「映画と音楽」チクルスの催物でもあり
    コンツェルトハウスは満杯の状態。

    こういう催物に行く機会が少ないだけに
    (映画と音楽シリーズ、すごく良いものが多い)
    色々と考えさせられたし
    映画そのものの芸術性にも圧倒された私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。




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