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ピエール=ローラン・エマール リゲティ「エチュード」全曲

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    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2018年11月6日 19時30分〜21時

    ピアノ Pierre-Laurent Aimard

    György Ligeti (1923-2006)

    Études pour piano (1985/1995-2001/1988-1994)
    7. Galamb Borong, Vivacissimo luminoso, legato possible - Semplice, da lontano
    8. Fém. Vivace risoluto, con vigore
    17. À bout de souffle. Presto con bravura
    5. Arc-en-ciel. Andante con eleganza, with swing
    3. Touches bloquées. Vivacissimo, sempre molto ritmico - Feroce, impetuoso, molto meno vivace - Feroce, estrepitoso - Tempo I
    12. Entrelacs. Vivacissimo molto ritmico
    11. En suspens. Andante con moto
    1. Désordre. Molto vivace, vigoroso, molto ritmico
    16. Pour Irina. Andante con espressione, rubato, molto legato - Allegro con moto, sempre legato - Allegro vivace - Molto vivace
    9. Vertige. Prestissimo sempre molto legato
    4. Fanfares. Vivacissimo, molto ritmico, con alegria e slancio
    6. Automn à Varsovie. Presto cantabile, molto ritmico e flessibile
    15. White on White. Andante con tenerezza
    18. Canon. Vivace poco rubato - Prestissimo
    10. Der Zauberlehrling. Prestissimo, Staccatissimo, leggierissimo
    2. Cordes à vide. Andanteino rubato, molto tenero
    13. L’escalier du diable. Presto legato, ma leggiero
    14. Colona infinita. Presto possible, tempestoso con fuoco

    隣のホールのウィーン交響楽団(日曜日と同じプログラム)のチケットは
    ギリギリの時間に大学の同僚に押し付けて(笑)
    隣のモーツァルト・ホールに走る私。

    ドイツ語では Sternstunde 直訳すると星の時間、という
    キラキラ輝くような、言葉に出来ない素晴らしい時間の表現があるが
    あああああ、これこそ、その「星の時間」ではないか!!!!

    プログラムの番号がめちゃくちゃなのは
    プログラムに別紙が挟んであり
    ドラマツルギーの関係から、エマールが順番を以下のように変更しました
    ・・・という事で、慌てて曲に番号付けて別刷りした(のであろう)という理由。
    もともとのプログラムには
    premier livre (1985), troisième livre (1995-2001), deuxième livre (1998-1994)
    という記載があった。

    リゲティのこのエチュード
    技術的な難しさも超弩級だが
    なんて音楽的なの!!!!

    いや、音楽を理解できない私が
    何をおこがましい事を、とちゃんとわかってはいるのだが
    ここは、どうぞお許し下さい。

    ものすごい技術に裏打ちされた
    徹底的な解像度を持つ一つ一つのピアノの音が
    有機的繋がりを持って
    テクスチャーの中からメロディが立ち現れ
    信じられない色彩の変化の中で
    トナールともアトナールとも違う
    ポリフォニーのバランスの良さ・・・

    な、な、なんという美しさ。
    しかも、内容の凝縮された事と言ったら
    どの曲一つを取っても
    手抜きが全くなくて
    全部違う、そして、全部がこの上ない美しさと迫力。

    各曲について、プログラムに割に詳しい解説はあったのだが
    何せ、曲の順番を変更されてしまったので(笑)
    どれがどれだか、さっぱりわからなくなってしまって
    (それは私の知識と記憶力のなさが原因です)

    右手で白鍵のみ、左手で黒鍵のみ、とか言う曲もあったらしいが
    残念ながら、私の席からは
    エマールの表情と、リズム取ってる足先が見えるだけ。
    クインテばかりの曲というのもあって
    それはさすがに聴き取れたが(いやもう処理が見事な事・・・)

    このコンサート、ウィーン・モデルン現代音楽祭の一環なので
    ゲネラル・パス所有者には、かなり良い席をくれたんだけど
    それが平土間の前の方で、しかも右だった。
    (だったら、いつもの貧民席ギャラリーの後ろの方が良かったかも)

    ただ、平土間3列目(前がサークルなので実質5列目)の音響は
    驚くほど良い。
    右という事はピアノの蓋が開いている方向なので
    ピアノの音の当たり方が半端じゃなくて
    どんな弱音も強音も、細かいニュアンス含めて聴覚を直撃してくる。

    しかも、たぶん、このブロック、ゲネラル・パス所有者用だと思うのだが
    当然の事ながら、雑音も身動きも全くない現代音楽フリーク。
    こんなマナーの良い聴衆に囲まれて音楽を聴けるなんて
    現代音楽祭以外にはあり得ない(どれだけ貧乏・・・)

    エマールの表情と足元しか見えないので
    ずっと見ていたのだが(すみません、睨みつけて)
    エマールの表情の変化が、実は非常に面白かった。
    いつも、ちょっと無表情で、怖そうな顔をしている印象だが
    各曲によって、驚く程に表情が変わるのだ。

    足先だが、ペダルはほとんど使っていない。
    ただ、曲のリズムは、しっかりと足先で取っていて
    ほんの時たま、リズムの出だしに合わせて
    ほんの少しだけペダルを踏むか踏まないか、という感じ。

    で、ペダルほとんど使っていないのに
    あのフォルティッシモは何なんだ!!!!(驚愕)

    フォルティッシモなのに、ペダルなしの音響なので
    全く濁りがなくて
    ピアノって、こんなに豊かな表情を出すの?とひっくり返るくらい。

    1時間弱で続けざまの演奏で
    エマールの、あの体力、集中力・・・
    このピアニスト、私と同じ歳だよね。
    いや、私も頑張らねば、と一瞬思ったけれど
    あはははは、もともとの才能と出来が違うわ。

    曲の演奏の後にエマールとのインタビュー20分。
    ピアノはエマール所有のスタインウェイで
    例の傑作ドキュメンタリー「ピアノマニア」に登場した
    調律師が調律したそうだ。
    (あ〜、また、エマールが「ちょっと待って」とか
     色々と注文をつけたんだろうなぁ(爆笑))

    エマール曰く、リゲティのエチュードは
    若いピアニストも弾きたがる人が増えて来ているそうだが
    手だけあっても、いや、手があるだけでも素晴らしいが
    それ以上に、音楽を理解する事ができないと難しいだろう、との事。

    ご本人もいくつかの曲の初演をして
    何年か前に全曲演奏をしたそうだが
    (プログラムには今までの演奏回数1回、と書いてあったが
     これもエマールだったのね)
    その時と比べると、演奏が変化したのではなく
    もっと深くなったと言う。

    技術的な技巧も凄いけれど
    今回の演奏では、技巧を見せびらかすというのではなく
    本当にすべての曲が、徹底的に音楽的だったもんなぁ。

    会場を出る時に、階段で、年配の女性が
    この曲の CD は持っているけれど
    ライブで聴くと、全く違うわ!!!と
    興奮気味に話していたけれど
    あ、居たっ、ここにも同年代の現代音楽フリークが(笑)
    (註 実は私も CD 持ってます。リゲティ作品はほとんど全曲)

    いや、本当に生きていて良かった ♡
    こういう尽きない喜びと高揚感は
    芸術だけが与えられるものだなぁ、と
    多幸感に包まれて帰宅する途中で

    今週の木曜日に試験するから、という
    とんでもないメールを見つけて
    焦り狂っている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



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