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ジョン・ケージ + ルチアーノ・ベリオ「セクエンツァ」

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年11月5日 19時30分〜21時途中退場

    CASINO CAGE
    Berio Sequenze + Cage Variations

    John Cage (1912-1992)
    Variation IV for any number of players, any sounds or
    combination of sounds produced by any means,
    with or without other activities (1963)

    Luciano Berio (1925-2003)
    Sequenza

    ルチアーノ・ベリオのセクエンツァと言ったら
    現代音楽の作品の中でも、大傑作の一つで
    数年前にクラング・フォーラムで何曲か聴いて
    えらく感激した私は CD まで買ってしまったのだが

    現代音楽は CD で聴いてもつまらない(断言)

    今回、ウィーン・モデルン現代音楽祭の一環で
    ウィーン・コンセルヴァトリウム音楽大学の学生さんが
    このセクエンツァの14曲を演奏する、というので
    むちゃくちゃ張り切って、授業を早退してコンツェルトハウスに行った。

    ウイーン・コンセルヴァトリウム音楽大学という名称は
    ググったら出てきたものだが、正式には
    Musik und Kunst Privatuniversität der Stadt Wien
    ウィーン市音楽芸術私立大学
    と訳した方が良いんじゃないのか、と思う。

    通常、ウィーン国立音楽大学として知られている
    Universität für Musik und Darstellende Kunst とは別の大学だが
    国立音大にない専攻なども設けていて
    優秀な学生が集まる大学である(もちろん入学試験あり)

    コンサートのタイトルが示す通り
    コンツェルトハウスの大ホールは、平土間の椅子が取り払われて
    カジノのテーブルが真ん中にどん、と置かれている。
    わざわざ目を14個にしたルーレットが置かれていて
    ちゃんとカジノ・オーストリアからクルピエまで控えている。

    何をやるかと言うと
    ジョン・ケージの Variations IV を
    ベリオのセクエンツァでやろうという試み。
    ジョン・ケージのこの作品がどういうものかは
    どうぞ、タイトルをご覧下さい。

    ウィーン・モデルンのインテンダントが
    燕尾服を着て出て来て
    手順について説明・・・するんだけど
    どうも、本人もよくわかっていない様子。

    プロダクションの責任者も明確な説明が出来ない(呆)

    ルーレットを回して、出て来たナンバーを演奏する、というのは
    解説なくてもわかるけれど
    それが、大ホール、シューベルト・ホール
    横のバー、フォワイエの4ヶ所に散らばるらしい。

    しかし大丈夫かこれ。
    だって、担当者が何人もわさわさ出てきて
    テーブルの周りで、手順について討論しているような感じなのだが。

    提示するための番号とかも用意しているようだが
    何で、コンサートがとっくに始まっている時間に
    ハサミで切ってるんだろう・・・(絶句)

    で、コンサートの聴衆は、あちこちのホールを渡り歩いて良い、と書いてある。
    ただし、演奏中の雑音にはご注意下さい・・・とは書いてあるけれど
    演奏中に移動したら、雑音出るの、当たり前じゃないか!!!!

    私は上のバルコンから、動かずに大ホールの演奏を聴くつもりでいたのだが
    バルコンの音響は非常に良い、いや、良すぎる。

    最初のビオラ(セクエンツァ6番)の演奏中に
    平土間を歩く聴衆の足音(時々硬い踵のカツカツという音!!!)や
    周囲の人たちの話し声、平土間を歩いている人たちの囁き声

    更にはルーレット・テーブルに集まった関係者たちの
    この場になっての打ち合わせの声や
    会場内の連絡用のハンド・マイクで喋る音まで
    音楽の背景音?として聴こえてくる上に

    加えて、隣のシューベルト・ホールでは
    ピアノ(セクエンツァ4番)の演奏が始まっていて
    ビオラとピアノが重なったポリフォニーが・・・

    最初の3つくらいは決定した後に
    14曲のうち、まだあと11曲の順番を決めなければならないので
    演奏途中でルーレットを回す音とかも。

    ええええ、私が気難しい老年の老女で
    雑音がものすご〜〜〜〜く気になる、という
    イヤなタイプである事は
    よ〜〜〜くわかってますけど

    でも、演奏されているのって、ベリオのセクエンツァですよ?!

    各楽器の持て得るすべての音響を
    貪欲にマテリアルとして使って
    楽器の可能性を極限まで追求して
    それを、とんでもない音楽性でまとめている傑作ですよ!!!

    聴く方としては
    ベリオがその持てる才能で
    楽器の究極の可能性を引き出した音響を
    じっくり聴きたいじゃないですか(ワタシだけか、そういう人は?)

    なのに、ハープがこの上なく繊細な音を出している時に
    足音だの、隣のピアノのフォルテだの、囁き声だのを
    一緒に聴かされるって、かなり苦痛。

    それに、最初の3曲くらいはアナウンスがあったけれど
    その後、どうなっているのか、さ〜っぱりわからん。

    関係者もよくわかっていないんじゃないか、という恐ろしい予感もあったし
    2つか3つの場所で並行して演奏されているという事は
    その前後の盛大な拍手も、演奏の最中に聞こえて来るのである。
    (たぶん、各プレイヤーが同僚や知り合いや家族を山ほど招待している)

    ビオラとハープと(隣のホール漏れ聞きのピアノと)
    トロンボーンと、ファゴットと
    ファゴット演奏後にフルートの後半を聞いただけで
    既に時間は21時。

    まぁ、最初の誰も何もわかっていない(ように思われた)状態から
    だんだん順番確定とか、場所確定とかは慣れて来ているのだろうが
    しかし、それにしても

    こんな段取りの悪さで
    よくぞ、偶然性の順番でやろうとか思ったものだ・・・(絶句)

    しかもカジノ・オーストリアまで巻き込んで・・・

    セクエンツァという曲そのもの聴かせてくれるのだったら
    舞台の上で、I から XIV まで
    順番どうでも良いから
    聴衆を静かに座らせた状態で、雑音なしで聴かせて欲しかった(涙)
    (そのまま順番で続けて1から14まで演奏しても2時間弱のはず)

    演奏されたセクエンツァのソリストたちが
    あまりに優秀で
    各楽器の持つ音の可能性に圧倒されていたので
    それだけに、聴衆が歩いて移動して
    関係者が「次どうしよう???」とかあちこちで囁き合っている
    (囁きの内容は推測です)
    そういう、音楽以外の要素で、音楽そのものを聴かせてくれない
    という状態は、ワタクシ的には避けて欲しかった。

    セクエンツァ14曲をまとめてナマで聴くチャンスなんて
    私が120歳くらいまで長生きしても、絶対にないだろうし
    (雑音に我慢して)聴いた分の演奏が素晴らしかっただけに

    ものすご〜く残念に思っている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    ジョン・ケージの作品の枠内での実験という意味はわかる。
    だが、それをやるなら、ちゃんと予行演習とか
    起こり得る事態を想定して、無駄なく手際よくやるべきではないか。
    (そういう事はオーストリア人に期待しても無駄、という声は聞こえてくるが・・・)

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      • 2019.11.14 Thursday
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