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ウィーン・フィル + グスターボ・ドゥダメル

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    Musikverein Großer Saal 2018年1月11日 19時30分〜21時20分

    Wiener Philharmoniker
    指揮 Gustavo Dudamel

    Gustav Mahler (1860-1911)
     Adagio aus der Symphonie Nr. 10
    Hector Berlioz (1803-1869)
     Symphonie fantastique, op. 14

    ウィーン・フィルはご存知の通り
    ウィーン国立オペラ座専属オーケストラの精鋭メンバーだが
    最近、国立オペラ座ではバレエしか観ていないので
    ウィーン・フィルの本気の演奏って、何だか久し振り。
    (ええ、すごく失礼な言い方してますが
     ド・シロートの個人的独断偏見勝手なメモなので)

    ドゥダメルとのコンサートは
    ウィーンでは今日の一回のみ。
    明日はモンテカルロ、その後、マドリッド、バルセロナ
    何故か最後に全然違うプログラムでミュンヒェンでブラームス。

    へえええ、ミュンヒェンでブラームスか、と調べてみたら
    まだチケット、数枚残っているではないか。

    ただ、むちゃくちゃ高いぞ !(◎_◎;)
    手数料入れると超貧民席でも100ユーロほどする。
    さすがに強気だ、何せウィーン・フィルさまさまである(爆笑)

    さて今年初となる楽友協会。
    コンサートのチケットは売り切れで立ち見席も満杯。

    グスタフ・マーラーの交響曲10番のアダージオ。
    さすがにウィーン・フィルの弦の美しさが際立つ。
    ドゥダメルは暗譜で、丁寧に丁寧に音を紡ぎ出す。

    デビューの時は、切れるようなカリスマという印象だった。
    昨年のニューイヤー・コンサートなんかを聴くと(もちろん録音で)
    大人しくなった、と言うより熟練したのか
    尖ったところがなくなって、何でもソツなく巧くこなす
    優等生指揮者になったような気がしていた。

    マーラーのアダージョも
    ソツなく・・・と言ったら失礼だけど
    感情に溺れる事なく、かなり距離を保って
    細かい音楽の部分をしっかりと歌わせている。

    透明感のある解像度の高い音楽に
    ウィーン・フィルらしい、限りなくノーブルな
    爆発しない、柔らかい複雑な和声が響いてきて
    パステル色が会場に広がっていく。

    この曲って、もっと切ないような曲だったんじゃないかと思うのだが
    切なさとか叫びとか苦悩よりもっと前に
    ともかく限りなく美しい。

    管楽器も、あれだけ演奏するところがありながら
    絶対に声高に叫ばないし吼えない。

    とことん柔らかい色調で
    彼岸に近い諦観の中で
    まるで思い出が行ったり来たりするかのように
    重力のない雲の中で、漂っているような気分。

    ズブズブの感傷とは全く違った局面で
    音楽としての最も美しい部分を引き出している。

    あ〜、マーラーがあと数年生きて作曲活動をしていたら
    シェーンベルクとはまた違った方法で
    無調に近い音楽を作曲したかもしれないなぁ。

    トナールという伝統の崖っぷちに
    ギリギリで手を引っ掛けながら
    重力のない空間で、無調という方向に向けて
    宙に浮かんでいるようなアダージョ。

    あ〜、やっぱりこのオーケストラが本気を出して
    音響を知り尽くした楽友協会のホールで演奏すると
    こんなすごい演奏が出来ちゃうのだ。

    後半はベルリオーズの幻想交響曲。
    スタンダード・ナンバーで何回ナマで聴いたかという曲なので
    そうそう誰が振っても変わらんわい、と思って聴いたのだが

    ここでもドゥダメルは徹底的に丁寧に音楽を歌わせる。
    ここらへん、若い指揮者としては珍しいけれど
    音楽とちゃんとした理性的な距離を保ちながら
    オーケストラのバランスをしっかり考えて
    解像度抜群なのにバラバラにならない絶妙なアプローチ。

    第3楽章のコーラングレは良かったのに
    バンダのオーボエの音量が
    ちょっとあまりに小さ過ぎて、ほとんど聴こえず
    これは残念。

    空間的な演出をしたかったのだろうな。
    第1楽章での空間の広がりがかなりあったので
    その方向で持って行こうという意図だったのだろうが
    リハーサルで観客がいなければともかく
    観客の入ったホールでは、ちょっとバランスが悪かったと思う。

    断頭台への行進も
    これ、強いオーケストラがガリガリ演奏すると
    ただうるさいだけになりがちなのだが
    その辺りのウィーン・フィルの力加減って、まぁ、見事。

    金管楽器の音が柔らかいの。
    でも柔らか過ぎず、神経に触らないところで
    ため息の出るような美しいハーモニーが聴こえて来て
    客席で、むちゃくちゃ悶えまくる。

    最終楽章の表現に脱帽。
    この楽章、ドゥダメルが演奏したくてしたくてというのが
    楽章の始まる前から見えて
    いったん演奏が始まったとたん
    楽しさ爆発の大パーティ(笑)

    グロテスクとかドロドロとか、そんな暗い部分がなくて

    ともかく音楽的に楽しい〜〜〜〜っ!!!
    と、指揮者もオーケストラも大喜びで演奏しているような感じ。

    バイオリンが対抗位置で
    私の貧民席だとその効果はあまりないけれど
    あれは高級席だったら、きっとすご〜〜く面白かったと思う。

    音色の細かい部分まで一つ一つ拘って
    まるで手作りのモザイクみたいに注意深く積み上げられていて
    それがまた、楽しい、楽しい、楽しいよ〜という
    ポジティブなオーラに包まれているので

    いや、これ、むちゃ楽しい 🤗

    幻想交響曲って、こんなに楽しい曲だったっけ?
    指揮者のドゥダメルが、目一杯音楽を楽しんでいるのもわかる。

    演奏後に、観客に向かってお辞儀をするのも忘れて
    感極まってコンマスやコンミス、他の弦の人たちその他のところに
    飛んでいって、満面の笑顔で何かを言いつつ握手していたドゥダメル。
    (あのニコニコ顔でプレイヤーに文句言っていたなら、ちょっとコワイが(笑))

    ああ、もう、完璧に「楽しい」の一言だった。
    ウィーン・フィルで、あれだけ管楽器が完璧に演奏されると
    こと、楽友協会のホールで
    あんなに美しい音色を出すオーケストラは
    世界に2つとはないだろう。

    これでウィーン・フィルは演奏旅行に行き
    帰って来たらウィーン・フィルの舞踏会があるので
    当分、このオーケストラのナマ演奏は聴けないのが
    ちょっと淋しい私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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      • 2018.01.22 Monday
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