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クリーブランド管弦楽団 + フランツ・ヴェルザー=メスト

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    Musikverein Großer Saal 2017年10月21日 19時30分〜21時20分

    The Cleveland Orchestra
    指揮 Franz Welser-Möst

    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
     Streichquartett a-Moll, op. 132 chorische Aufführung
    Igor Strawinsky (1882-1971)
     Le Sacre du Printemps

    クリーブランド管弦楽団の客演。
    先週はヤナーチェックのオペラを
    新聞記事によれば映画と一緒に演奏していたようだが
    残念ながら聴く機会を逃した。
    (まぁ、私の購入する貧民席からは映画は見えなかっただろうから
     行かなくて良かったとも言える)

    ベートーベンの弦楽四重奏曲を
    「コーラスの演奏」って何なんだ?
    一瞬、クリーブランド合唱団とかか、と思ったけれど
    いえいえいえ、もちろん弦楽で
    四重奏曲のパートを複数の弦の奏者が演奏する、という形式。

    ・・・そんな事をする理由がイマイチわからないんだけど。
    やっぱりオーケストラで演奏してしまうと
    もともと、もっとスッキリした響きだった筈の曲が
    何だかちょっと厚みが増す。

    弦はぴったり揃って、完璧なアンサンブルなので
    思っていたよりもボッテリした響きではないけれど
    それでも、かなりの違和感がついて回る。

    その中で、第三楽章だけは
    一部、教会旋法を使ったコラールの形式になっていて
    これは複数の弦で演奏する響きが非常にハマった。
    何とも美しい響きがホールを満たして行って
    あぁ、ベートーベンが大病から回復して
    神に感謝、という心情がよくわかる。

    不思議なものを聴いてしまったなぁ、と思ったが
    後半の「春の祭典」の方が
    実はもっと不思議だった。

    アメリカのオーケストラって
    通常、ものすごくマスキュリンで力強くて
    ガンガン演奏するイメージが強いのだが

    この春の祭典、不思議な事に
    全く力強さとかエネルギーを感じない。

    スコアが見えそうな
    ものすごい透明感を持って
    一つ一つのパートが全部聴こえて来るのである。

    メロディっぽい部分で通常は聴こえて来ないポリフォニーが
    見事に浮き出して、ちゃんと聴こえてくる。

    その透明感と室内楽的な「全部聴かせてやろう」の影で
    この曲が本来持っている筈の
    土着のワイルドさとか、エネルギーとかが見事に犠牲になっている。

    ヴェルザー=メストも、オーケストラの音を極限まで抑えているのだ。
    どんなにフォルテになっても
    絶対にうるさくならず、楽友協会ホール一杯にはならない。

    だから不思議な浮遊感がある。
    とことん軽い。

    同時に「正確無比」の演奏で
    情緒とか、感情とか、その手のモノが全て欠けていて

    いやこれ、スコアをそのまま
    完璧なバランスでコンピュータで演奏したような感じがする。

    冷たい、と言えばそうなんだろうけれど
    変に熱くならない分
    音楽としての完成度は非常に高い。
    沈着冷静、ポリフォニー完璧、オーケストラの楽器のバランス完璧な
    教科書記載の模範演奏に聴こえてくる。

    もともとヴェルザー=メストって
    最初に聴いた時から
    野心満々の、技術的には非常に高い能力を持つ
    でも、何だか音楽が好きなのか何なのか
    よくわからん指揮者で

    クリーブランド管弦楽団とだけは、かなり相性が良さそうで
    時々、え?この人、こんなエモーショナルな音楽も出来るんだ
    と思った事もあるけれど

    「春の祭典」そのものが
    近代音楽で、単純にエモーショナルとは言えない曲である事を考えても
    あの完璧な「冷たさ」は不思議だ。

    まぁ、それを冷たさと言うか
    スタイリッシュと言うかは好みの問題で
    聴きながら、エサ・ペッカ・サロネンを思い浮かべてしまった。
    (サロネン・ファンに後ろからグッサリ刺されるかもしらん・・・)

    さすがにホールを知り尽くしたヴェルザー=メストが
    楽友協会ホールの音響に合わせて
    オーケストラの響きを極限まで抑えたのは凄いと思うし
    その中で、あれだけ各パーツが全部クリアに聴こえて
    バランスとしては最高の演奏だったので
    音響として聴けば素晴らしい演奏だったと思うんだけど

    やっぱり「春の祭典」には
    多少のエネルギーの爆発は欲しいです・・・

    明日はマーラーの交響曲6番がプログラムに載っているのだが
    今日みたいに
    最初から最後まで、ひたすら冷静に演奏されたら
    ちょっとイヤかも、と
    ついつい思ってしまった私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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      • 2019.11.20 Wednesday
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