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ペレアスとメリザンド 国立オペラ座(初演)

Wiener Staatsoper 2017年6月18日 19時〜22時20分

Claude Debussy
PELLÉAS ET MÉLISANDE
Drame Lyrique in fünf Akten / Text vom Maurice Maeterlinck
指揮 Alain Antinoglu
演出・舞台・照明 Marco Arturo Marelli
衣装 Dagmar Niefind

アルケル Franz-Josef Selig
ジュヌヴィエーヴ Bernada Fink
ペレアス Adrian Eröd
ゴロー Simon Keenlyside
メリザンド Olga Bezsmertna
イニョルド Maria Nazarova
医師 Marcus Pelz
ベレアスの父 Andreas Bettinger
Orchester der Wiener Staatsoper
Chor der Wiener Staatsoper
Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

今シーズンの新作となるドビュッシーのペレアスとメリザンド。
いや、あの、その、オペラ苦手で普通なら行かないんだけど
たまたま日曜日の夜、ぽっかり空いていたし
(あっ、午前中はウィーン・フィルの3回目に行っていましたが
 さすがに3回目になると書く事がなくなるので止めました。悪しからず)

実はこのオペラ
2009年の1月22日と25日にウィーン劇場で
ウィーン放送交響楽団+ビリーのプロダクションで
ナタリー・デッセイがメリザンドを歌った時に鑑賞している。

ご存知ワーグナーのアンチテーゼとして
愛の告白は一言、ジュテームだけ(しかもオーケストラ伴奏なし)
というのが何となく気に入って
(別にワーグナー嫌いじゃありませんが
 愛してる、愛してる、愛してる、というのがイヤなので
 ご存知の通り、これでもか、というイタリア・オペラも苦手です)
どうせ1回だけなら良い席を買っちゃえ

とは言っても、天井桟敷の立ち見席の前の49ユーロですが f^_^;)

オペラの場合は私がバレエで愛用している
ロジェ(ボックス)の後ろは音響が悪いので避ける方が良い。
舞台がある程度見えるのを期待するなら
このカテゴリー以下では買わない方が良い。
(これを無駄遣いに対する自己正当化と言う)

さて、舞台は黒を色調にした暗い舞台なのだが
何と、舞台の3分の2がプールになっていて
本当に水が張ってある。

これで何日か続けて上演するならわかるけど
(水は汚れそうだが)
毎日違う演目で上演しているのに
このプロダクションがかかる度に
舞台の上にプール、というか湖というか水溜りを作るわけか(ため息)

ウィーン劇場の上演の時には
小さいプール・・・というより
風呂桶みたいなもので作っていた記憶があるが。

さすが国立オペラ座(予算が潤沢?)

で、このプロダクション、すごく良い (^ ^)
演出も舞台も歌手もオーケストラも素晴らしい。

手放しで褒めてしまうと、それ以上、書く事がなくなるんだけど
みんなフランス語が美しく
(とは言え、私はフランス語は解しないので正確なところはわからん)
音量のバランスが見事に取れていて
一部の歌手が声量で飛び出したりする事がない。

アルケルの深いバスは魅力的だし
キーンリサイドの DV 男のゴローは
ちょっとナヨナヨっぽく優男の
エレードのペレアスとの対比が際立つ。

イニョルドを演じたマリア・ナザロヴァに感嘆。
声もキュートで可愛いけれど
それより何より、あの演技力は何なんですか!!!
どう見ても少年としか思えない動きで
最初から最後までの存在感がすごい。

最後にお父さん(ゴロー)の自殺を止めるシーンがあるのだが
あそこまで演技が出来ると、この場面が非常に活きる。
何とこの歌手、最後に花束もらった時にも
まるで小さな男の子がやるように舞台でジャンプしてた。

エレードのペレアスが、えらくカッコいい。
エレードって色々な役を歌っている器用な歌手だが
私のイメージは
ウエルテルのあの嫉妬深い、ねっとりした冷血男アルベールなんだけど
今回は反対に嫉妬されて、(暴力的な)兄にグサッとやられてしまう役。

恋心を抑えてメリザンドと寄り添うのが
本当にサマになっていて、ちょっとドキドキする。

それを察したキーンリサイド演じるゴローが
どんどん自暴自棄の暴力的になって行くのが
またこれ、キーンリサイドに合ってるんですよ。

キャスト見た時には
え?キーンリサイドもエレードも
どちらかと言えばハイ・バリトンの声質なのに
同時に舞台に乗せちゃって大丈夫かしら、と思っていたのだが
二人とも対比的な兄弟を見事に演じ分けていた。

ペレアスはテノールの音域もあるのだけれど
エレードが、またこれを、この上なくチャーミングに歌ってしまうの。

メリザンド役のオルガ・ベッツメルトナって
どこかで聴いたか見た記憶があるので探ってみたら
2012年のヌレエフ・ガラの時のリヒャルト・シュトラウスの
最後の4つの歌を歌っていて
引き続き、2014年のバレエの同演目で歌い続け
ナクソス島のアリアドネでエコーを歌っていた歌手だった。

ちょっと体格は立派とは言え
目立つ程ではないし
後半はどちらにせよ、お腹が大きいから目立たないし
声は透き通ってキレイで
あの長い髪のカツラで、かなり魅力的なメリザンドだった。

・・・けど、このプロダクション
こぞって男性役の歌手が素晴らし過ぎる(笑)

話はメーテルリンクの禁断の愛なんだけど
ワーグナーのアンチ・テーゼとか言われつつ
オーケストラなしのジュテームの後
ジュテーム・オゥシと返した後に

何だよ、延々とプッチーニばりのラブシーンが続くじゃないの (-_-)

そこでイチャイチャとラブシーンをしているから
ゴローに見つけられて殺されちゃうんだわ。自業自得(すみません)

それに、ご老人のアルケルが
老人になると、時々若い肌を感じたい時があるのだよ
このキスは気持ち良いかい

・・・って、何なんだ、このエロ老人は!!!

ゴローが弟虐めで、沼のとんでもないところに連れていくシーンなんか
本当にあっという間の数分なのに
わざわざ舞台装置を作っているのも大変だなぁ・・・

舞台3分の1が水溜り(プール)で
最初から最後まで象徴的にボートが出てきて
(ボートとして使ったり、ベッドになったりする便利モノ)
演出的には、とてもまとまっている。

エレードとキーンリサイドは
何回もずぶ濡れになっているけど(お疲れさまです)

ウィーン国立オペラ座管弦楽団って
あんなフランスの響きも出せるんですね、ってちょっと驚いた。
あくまでも透明で繊細な色彩を持って
歌手の声を潰さず、そっと寄り添う印象。

もっともこのオペラ
フランス語をそのまま音楽にしたような曲なので
美しいメロディで大いに盛り上がる、というものではなくて
あぁ、これ、フランス語がわかったら
半分以上演劇になって、面白いだろうなぁ、とつくづく思う。

そんな繊細な音楽の時に
前半(約2時間)ずっと
ヒソヒソ声で話していた観客が居て
(ヒソヒソ声は非常によく聞こえるのである)

ドビュッシーであれやられると
神経をノコギリで切り裂かれるような拷問だったが
幕間に誰かが係員にご注進になったのか
後半(約1時間)はヒソヒソ声はなくなったので

集中して聴けたのは実は幕間の後だけだったという
ちょっと悔しい私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



このプロダクション、本当にものすごく良いので
チャンスがあれば、あと数回、観ても良いと真剣に考えてます。


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