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キャメロン・カーペンター カリガリ博士

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年5月20日 19時30分〜21時15分

    Robert Wiene (1873-1938)
    “Das Cabinet des Dr. Caligari” (D 1920)
    Restaurierte Fassung 2014
    Musik zu “Das Cabinet des Dr. Caligari” (EA)
    von Cameron Carpenter
    International Touring Organ : Cameron Carpenter

    名前だけは誰でも聞いた事はあるだろうけれど
    映画に疎い私は、まだ見た事のなかった
    ドイツの無声映画の最高傑作と呼び名の高い「カリガリ博士」に
    トサカ頭の天才オルガニスト、キャメロン・カーペンターが
    名高い自分のツーリング・オルガンで演奏するとなったら

    もちろん会場は満杯。
    少なくとも貧民席には空きはなかったし
    バルコンの横あたり(貧民席のギャラリーから見える部分)も一杯だった。

    この「映画と音楽」の催物がステキなのは
    スクリーンが大きいので
    貧民席からの方が見やすい事(笑)
    平土間だと、かなり見上げる形になるけれど
    ギャラリーからなら、ちょうど目線と同じか少し低い位で
    ほとんど映画館での鑑賞のノリ。

    舞台の真ん中には、鍵盤が5段あって
    もちろん足の部分にも黒鍵含めての足用鍵盤があって
    左右に複雑怪奇な調整ボタンのある
    かの有名なツーリング・オルガンが置いてあって
    周囲には、ものすごい数のスピーカー。

    さて映画「カリガリ博士」は
    著作権切れとかで、インターネットで探せば見られるけれど
    大スクリーンで見ると、やっぱり凄い迫力。

    無声映画だから、時々、ドイツ語のセリフが
    テキストで出てくるのだが
    その書体まで凝っている。

    しかもこのセット、わざと狂っていて
    これ、キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」あたりにも
    かなり影響しているんだろうなぁ。
    ヒッチコックあたりも、ずいぶん手法を取り入れているような気がする。

    1920年の映画なのだけれど
    実にアヴァンギャルドで斬新で
    ダダイズムがかなり入っていて
    映像が・・・美しい。
    いや、美しいとか言ったらイケナイのかもしれないが
    衣装や背景が、時々、ゾッとする程に
    現実と幻想の狭間にあって、背筋がゾクゾクする美しさがある。

    カリガリ博士になれ、というシーンでは
    画面に入れ込みの文字が、脅すように出ては消え
    これがまた、凄い効果を出す。

    さて、無声映画にカーペンターが付けたメロディは
    ちゃんとカリガリ博士のライト・モティーフがある (o^^o)
    最初に提示されるので、これはわかりやすい。

    しかも、場面のそれぞれでバリエーションが多くて
    まるで本当に、映画に合わせて作曲された劇伴のようで
    (まぁ、そういう作曲をカーペンターはしているのだが)
    あくまでも現代音楽なのに
    アトナールとトナールを巧みに組み合わせて
    映画と一緒に全く飽きさせない。

    約70分強の映画が終わった後
    鳴り止まぬ拍手に応えてアンコール。
    バッハのフランス組曲5番からジーグ。

    立ってカーペンターの弾くところを見ていたら
    靴がキラキラ(笑)

    そのキラキラが凄い速度で移動して
    ・・・まるでサーカス。

    ほえええええ、っと感心して拍手していたら
    何と今度はバーンスタインのキャンディードの序曲。

    ううううう、これ、オーケストラより凄いわ。
    オルガンという楽器の複雑さと多彩な音色を
    これ程までに見事に聴かせてくれると
    ただもう唖然とするしかない。

    で最後のアンコールがバッハのパッサカリアって
    凄い体力・・・

    いや〜、楽しかったです (^^)

    以前にキャメロン・カーペンターを
    楽友協会でオーケストラと聴いた時には
    真面目な優等生のオルガニストになったかと思ったけれど

    やっぱりこの人、ぶっ飛んでいて
    時々、むちゃくちゃ過激・・・だけど
    やっぱり天才って凄いわ 💘

    映画とオルガン、両方ともに
    天才的な作品を、一緒に鑑賞できて
    満喫している私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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