<< ウィーン・フィル + アダム・フィッシャー | main | ノルウェー国立バレエ団「カルメン」2回目 >>

ノルウェー国立バレエ団「カルメン」1回目

土曜日はダブル・ヘッダーでした。
時系列で読みたい方は、一つ下の記事からお願いします。

Theater an der Wien 2017年4月8日 19時〜21時50分

CARMEN
Ballett in drei Akten (2015)

振付 Lian Scarlett
指揮 Per Kristian Skalstad
舞台 Jon Bausor
照明 James Farncombe

カルメン Julie Gardette
ドン・ホセ Kaloyan Boyadijiev
ミカエラ Emma Lloyd
エスカミーリオ Aarne Kristian Ruutu
フラスキータ Leyna Magbutay
メルセデス Miharu Maki
モラーレス Andreas Heise
ズニーガ Kári F. Bjørnsson
ジプシー Alberto Ballester, Martin Dauchez, Marco Pagetti

バレエ団 Norwegisches Nationalballett
オーケストラ Wiener KammerOrchester

ノルウェー国立バレエ団の客演公演の2番目の演目。
実は上記以外にも、数多くのバレエ・ダンサーが出演するのだが
早く内容を書きたいので、ダンサー名は省略する。すみません。

この公演、ダブル・キャストで
4月9日・10日・11日にも上演されるので

これから行く方はネタバレになるので
この記事は読まないで下さい。

******* 注意・ここから先、ネタバレです ********

最初は本当に普通に始まったのである。
音楽はビゼーのカルメン以外にもアルルの女を使ったり
序曲は演奏せずにいくつかのテーマだけ演奏して
そのまますぐに舞台のバレエが始まったりしたが

ビゼーのオペラ、カルメンと同じ設定で
タバコ工場で、女性たちが大騒ぎして
警官や軍隊が出て来て
カルメンが逮捕されて
ホセを誘惑して逃げるのも同じ。

ダンスはかなりクラシックで
これなら、ウィーン国立バレエ団でも充分踊れると思った。

その意味では
この間の「幽霊」の方がずっとモダンで
度肝を抜くような気味悪さとか
ダンス的にもアクロバティックな部分も多く
ノルウェー風味とか
バレエ団の特質とかは、色濃く出ていたと思う。

カルメンを踊ったダンサーが魅力的 ♡
どこのバレエ団も国際的になっていて
このダンサーはフランス人。
身体も美しいし、美人だし
パッと観た時にピカッと光る華がある。

対するホセはブルガリア出身のダンサー。
出て来た時には、地味でパッとしない印象だったが
ホセという役柄上、それは仕方ないのかも(笑)

このダンサー、体型がクラシックっぽくなくて
ちょっと筋肉質のガッチリした体型で
普通の男の子っぽいところが、またホセの役柄に合っていて
何か、情けない感じが憎めない。
(他の警官役のダンサーの方がずっとクラシック体型だった)

ミカエラ役はウェールス出身。
いや、本当に国際色豊かだな。
ちょっと歳行ってる感じだけど
最初の登場の時から、あどけない純粋さを纏って
パッと見て、すぐにミカエラだとわかるところなどは
細かい演技が非常に巧いから。

いつになったらネタバレするんじゃ、とお怒りの読者さま。
これからです(笑)


***ここから先を読まれる方はネタバレ覚悟で***


さて、なんだ普通じゃん、と終わった第1幕の後
第2幕は街の酒場である。
登場するのは闘牛士とエスカミーリオ。

カルメンは、まぁ、役柄通りに
男を弄んで、エスカミーリオにも色目を使っているが

そこに飛び込んで来た
ボロボロになったドン・ホセ。

カルメン、最初は冷たいんですよ。
なにアンタ、職を失ってワタシのところに来ちゃったの?
という態度で軽蔑しているのだが

ドン・ホセがカルメンからもらった赤い花を
大事に大事に持っているのを見て

あら、この人、本当に私の事が好きなんだわ ♡

とほだされてしまうのである(あらビックリ)
しかも、そのまま
本気のラブシーンに突入するのである(あらビックリ)

まぁ、そこまでだったら
その後、色目使ったエスカミーリオと恋仲になって
ホセを手ひどく振る、という展開もアリなのだが

ホセへの愛に目覚めたカルメンのところに
突然現れるエスカミーリオ。

カルメンはホセを愛しているので
エスカミーリオに言い寄られて、嫌がっているのだが
嫌がって嫌がって嫌がっているのを
この恥知らずの闘牛士はレ○プしちゃうのである。

・・・おかしいぞ、カルメンってそういう話だったっけ?(イヤ違う)

嫌いな男に無理やりされてしまって
深く傷ついたカルメンのところに現れるミカエラに
ホセへの手紙を渡すカルメン。

ええええっ
カルメンって
イヤな男にやられちゃったから
傷ものになった私より
愛してくれるミカエラのところにホセが帰るように
涙ながらに(本当は愛している事を隠して)
あんたなんか嫌いよ、とか言う手紙を書いちゃうわけ?

微妙にストーリーが変わって来てるぞ。

ところが、この伏線が
最後の最後でものすごい効果を出すのだ。

第3幕は闘牛場のシーン。
エスカミーリオと闘牛士たちの華やかなダンス。
上手(かみて)の舞台前には
倒された牛まで居るし(笑)

エスカミーリオの花嫁として現れるカルメン。
やられちゃったので仕方なく結婚する、というシーンで
白いウエディング・ドレスなのに
表情は虚ろなまま。

本当に愛するホセとは結ばれず
ヤクザな闘牛士の嫁にならなければならない
でも、私みたいな女には
仕方ない運命なのね、という諦めの境地。

そこに現れるホセ。

ホセは振られたと思っているし
カルメンは、ホセのためには自分を悪者にして
ミカエラのところに返してあげなくちゃ、という
必死の思いでホセを拒絶するのだが

抑えられない欲情・・・
でも欲情のままにホセに告白出来ないカルメン。

この最後のパ・ド・ドゥの
カルメンの心理の表現がむちゃくちゃ凄いのである!!!!

いやはや、振付師、よくぞここまで考えた。
確かに、ただの悪女の浮気女の
誰にも縛られない自由でイヤな女カルメンだったら
この最後の引き裂かれるパ・ド・ドゥの表現はなかっただろう。

わ〜い、オネーギンのタチヤーナだ
・・・ってちょっと違うが
それなりに心理的には似たものがある。

うわ〜、このカルメンの役
ダンサーにかなりの演技力がないと無理だわ。

リフトなんかは、すごいアクロバットもあるのだけれど
それよりも、引き裂かれる女心の複雑な移り変わりを
それぞれのパに託して踊らねばならない。

それに比べれば
ホセは、そこまで心理的な深みは必要がない。
最初から最後までカルメンに惚れているだけで
カルメンの複雑な抑制の感情を受け止める器のない男だから(笑)

いやもう、カルメンの心情が手に取るようにわかって
そのいじらしさに、ズッポリ同情してしまったわ。

こんなカルメン見た事ない。

最後の打ち拉がれたカルメンの
壮絶な美しさには息を飲んだ。

カルメンをレイ○するエスカミーリオ役のダンサーは
フィンランド人ダンサーだが

どう見てもアジア系の顔立ちで
顔が大きくて、がっしりしていて
足が短い。

人の体型とか顔立ちをなんだかんだ言うのは失礼とは承知しているが
ダンサーは顔も身体も見どころの一つなので
遠慮なく言っちゃうけど
堂々としていて、ダンスも巧いし
華やかでパッと目立つのだが
どう見ても
もみあげを付けた三波春夫にしか見えない。
(本当に顔がそっくりなんです)

だから何なの?と言われれば
私も困るんだが
エスカミーリオが登場する度に
「お客さまは神さまです」とか頭の中で響いちゃうと(以下省略)

(ちなみに4月10日が同じキャストです。私は行けないけど)

何だ、ただの普通のカルメンかよ、と思っていた私は
最後は呆然として
カルメンじゃないカルメンに感情移入してしまって
涙こぼれそうになって劇場を出て来た。

来週は何かバレエばっかりで
しかも木曜日も金曜日も夜の予定は何もないが
・・・と不思議に思っていたら
来週はキリスト受難の最後の週で
4月14日が聖金曜日(イエス・キリストの磔刑の日)だった。

そりゃ来週から学校は休みだし
聖金曜日はコンサートもオペラも何もない。
(クリスマス・イブみたいなものである)

イースターからは
またせっせとコンサートに通う予定の私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


スポンサーサイト

  • 2017.06.24 Saturday
  • -
  • 23:30
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

calendar
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
sponsored links
★コンタクト・メイル★
メイルはこちらへ
ブログランキングに1クリックお願いします
selected entries
categories
archives
recent comment
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM