<< アルミードの館 ル・サクレ 3回目 | main | トーンキュンストラー + 佐渡裕 >>

ムジカエテルナ + テオドール・クルレンツィス

0
    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年3月11日 19時30分〜22時

    MusicAeterna
    ピアノ Alexander Melnikov
    バイオリン Patricia Kopantchinskaja
    指揮 Teodor Currentzis

    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
     Konzert für Klavier und Orchester d-Moll K 466 (1785)
     Konzert für Violine und Orchester D-Dur K 218 (1775)
    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
     Symphonie Nr. 3 Es-Dur op. 55 “Eroica” (1803)

    天才で鬼才のとんでもない指揮者
    テオドール・クルレンツィスが
    自分のオーケストラ、ムジカエテルナと一緒に
    コンツェルトハウスでコンサート。

    驚いた事にコンサートはオルガン席まで満席。
    クルレンツィスって
    いつの間に、ウィーンのクラシックオタクの中で
    こんなに有名になったんだ?

    この指揮者
    カメラータ・ザルツブルクのウィーンのコンサートで
    初めて見て聴いて、ひっくり返ったのが
    2016年10月5日
    (おヒマな方、記事は ここ

    2017年1月12日と13日には
    ウィーン交響楽団とコパチンスカヤで
    とんでもないコンサートをした記憶は新しい。
    (おヒマな方、記事は ここ と ここ

    カメラータやウィーン交響楽団には
    客演なので、多少はおとなしくしていたんじゃないだろうか。

    自前のオーケストラ持って来たら
    どんな事になるんだろう???

    うははは
    期待を裏切らない
    とんでもないコンサートになった(笑)

    まずはプログラムである。
    実は今日のプログラム
    コパチンスカヤのバイオリン協奏曲(約25分)と
    ベートーベンの交響曲3番エロイカ(約50分)だけが予告されていて

    直前にコンツェルトハウスのサイトを確認していたら
    この2曲だけなのに、終演時間予定22時と出ている。

    はて???

    何かお話でもあるのか
    アンコールが長いのか
    それとも2曲とも、異様に遅いテンポで演奏するとか?

    会場の舞台には
    真ん中にアンティークのピアノ・・・

    どう見てもアンティークの「ピアノ」であって
    (しかもアンティークだがグランド・ピアノである)
    チェンバロではないし

    第一、モーツァルトのバイオリン協奏曲に
    チェンバロなんてあったっけ???

    マイクを持ったコンツェルトハウスの総裁が登場。

    ううう、こういう時って
    指揮者やソリストの急病による変更とか
    プログラムの突然の変更とか
    あんまり良いニュースじゃないんだけど・・・

    戸惑ったような表情の総裁曰く(本当に戸惑ってオロオロ状態だった)

      指揮者のクルレンツィスは
      ウィーンに向かう時に
      いくら何でも
      モーツァルトのバイオリン協奏曲と
      ベートーベンの交響曲だけでは
      ウィーンの聴衆には短すぎて物足りないだろう、と考え

      アジアへの演奏旅行からベルリンに戻ったばかりの
      ピアニストのアレクサンドル・メルニコフに電話をかけ

        お〜い、ウィーンにおいでよ
        一緒に音楽やろう

      という訳で
      本日は最初にモーツァルトのピアノ協奏曲20番
      その後にバイオリン協奏曲、後半をエロイカ、という事になりました。

      代役というのではありませんが
      コンツェルトハウス始まって以来の
      最も直前のコンサート・プログラム変更です。

    いや、こういう変更なら大歓迎。
    しかも今日は土曜日で
    コンサートの後、オフィスに戻って残業する必要もないし(バンザイ)

    さて、クルレンツィスがお得意とするモーツァルトを
    自前のオーケストラで演奏したらどうなるか。

    気絶しそう・・・

    何ですか何なんですか、このモーツァルト。
    音楽が跳ねてるし飛び回ってるし
    え、そんなアクセントあり?
    低弦が叫んでますけど、それあり?

    メルニコフの「ピアノ」
    確かに「ピアノ」であってチェンバロではないが
    いったい、この「ピアノ」っていつの時代のピアノ???

    ちゃんとハンマーはあるのだから
    ピアノで、ピアノの音でもあるし
    いや、そうなんだけど
    いわゆる現代のグランド・ピアノとは全く違う音がする。

    しかもペダルがない。
    ペダルがないのにカデンツァの時に
    音を重音で合わせるだけで
    まるでペダルを使用しているかのような
    すごい極彩色の色彩感を出したのには気が遠くなった。

    気が遠くなって、そのまま爆睡しました。
    すみません、だって、だって、だって
    いくら超有名なピアノ協奏曲で
    ワタシだって知っている曲ではあるのだが
    やっぱりモーツァルトですよ。
    モーツァルト聴くと、反射的に爆睡するんですワタシ。

    これではいかん、と
    バイオリン協奏曲だけは寝るまい、と
    堅い決心をして気を取り直して
    今回はしっかり聴いたのは

    クルレンツィスとコパチンスカヤとオーケストラの
    モーツァルトのテーマによる

    掛け合い漫才

    ・・・それ以外に、どうやってアレを表現したら良いんでしょう。

    これがモーツァルト?!
    様々な才能あるプロの音楽家が
    限りなく尊敬し、敬愛し
    まるでクラシックの神であるかのように
    その音楽をマジメに演奏するモーツァルト???

    オーケストラも跳ねて飛んでだったけれど
    そこに入ってきたコパンチスカヤのバイオリンのソロって

    ネコの鳴き声

    ・・・気まぐれで、ワガママで
    好き勝手やっているのに
    そこはかとなく可笑しいネコが
    モーツァルトの中で
    暴れたり、ゴネたり、僻んだり
    笑ったり、ゴロゴロしたり、昼寝したり

    何だ、このモーツァルトは?!!!

    いや、それこそが天才の鬼才が2人揃った、という事なんだけど
    あまりに鬼才過ぎる。

    これ、モーツァルトではあっても
    モーツァルトじゃない、というか

    このモーツァルト爆睡体質の私が
    最初から最後まで
    え〜っ、次に何やる?
    という興味で、寝落ちもせずワクワク聴き続け

    更には時々、口を押さえて
    何とか笑いを堪えて(それでも顔はニヤニヤ笑いになる)
    ・・・だから、紛れもない「掛け合い漫才」と断言できる。

    いや、凄い。凄過ぎる。
    クラシック音楽というものを
    真面目に難しい顔で
    「楽譜に書いてある事がすべてです」などと
    謹厳におっしゃる音楽ファンの方には
    全く理解できない世界。

    以前のコンサートの時には
    途中で帰った「謹厳たる真面目なクラシック・ファン」も居たけれど
    今回はクルレンツィスとコパンチスカヤが
    何をやるか、興味津々で来ている人ばかりだったので

    飛び交うブラボー・コール ♡

    コパンチスカヤの自前のカデンツァのキュートな事。
    (もちろん現代音楽入ってます)
    更には、最終楽章での
    アンティークのピアノとの駆け引き
    (メルニコフ、そのまま残ってバイオリン協奏曲で一緒にピアノ弾いてた)
    コンサート・マスターとの二重奏のやり取り(これがまた爆笑で)

    コパンチスカヤ、あまりにキュート過ぎる!!!
    クラシック界のナターシャと呼ぼう。
    (バレエ・ファンの方ならわかるはず)

    さて、後半はベートーベンの交響曲3番「エロイカ」

    あれ????
    オーケストラのメンバー、全員、立ってる・・・

    さすがにチェロは座ってるし
    ビオラの男性1名は足に何かあるのか座っていて
    クラリネットの年配のオジサンも座っていて
    コントラバスは高めの椅子に寄りかかっているけれど

    後は弦も金管も木管も、全員立った状態。

    指揮台なし、クルレンツィスは指揮棒もなしで
    始まったエロイカ。

    きゃ〜〜〜〜〜っ!!!

    ピリオド奏法で古い楽器を使って
    オリジナルの音色を出す、という
    学者肌の真面目なオーケストラとか思っていたら大違い。

    確かにモダンの音ではないけれど(ピッチが低い)
    エネルギー溢れて活き活きしていて
    リズミカルで、アクセントが面白くて
    強弱激しくて
    え?そのバランス?というところが
    全然奇妙に聴こえて来ない(それだけ説得力があるのだ)

    しかも
    コンサート・マスター、面白すぎ!!!!
    このコンサート・マスターあってのクルレンツィスか、と思えるくらい
    このコンマスも鬼才というか変わり者というか

    指揮者のプリエも凄いけれど
    コンマスの膝も柔らかく
    しかも時々ルルベになって
    コンマスのジャンプなんて初めて見た(笑)

    視覚的な刺激として
    このコンサート・マスター
    見てると全然飽きない、というより目が逸らせません。

    もともとクルレンツィスが作ったオーケストラではあるけれど
    全員が、この鬼才の指揮者のやりたい事を完全に理解していて
    面白いじゃん、これ ♡ とノリノリで演奏しているのがわかる。

    ベートーベンがものすごく新鮮。
    古楽器なので
    ウィーン交響楽団とジョルダンのような新鮮さとはまた違うし
    アーノンクールがコンツェントス・ムジクスでやったような
    オリジナルの響きに拘る方向ではなく

    言ってみれば
    グスタフ・マーラーが
    え〜い、現代にシューマンのスコアは合わん、と
    楽譜にものすごい手を入れてしまったような新鮮さ。
    (マーラー編曲シューマン、シャイーでナマで全曲聴いた事がある。
     ついでに CD まで買ってしまったのだが、あれはあれで面白い)

    鳴り止まぬ拍手に応えてのアンコールが
    フィガロの結婚序曲で
    これこそ、数千回も数万回も聴いている曲だと思うのだが
    何でああ新鮮に聴こえてくるんだろう・・・信じられない。

    こういう鬼才って
    偉そうでマジメな音楽評論家に無視されて
    斬り殺されそうな(ハンスリックだったらやってそう)
    そういう危険性も大きいのに

    よくぞ出て来てくれた!!!

    時代がクルレンツィスを呼んだのか
    こんな指揮者が数十人も現れたら
    ちょっと困るけれど(爆笑)
    この才能は誰にも真似できないだろう。

    その意味では、ベスト指揮者ではなく
    あまりにユニーク過ぎるオンリー・ワンの指揮者。

    マジメなクラシック・ファンで
    眉を顰める人も絶対に居ると思うけれど

    たぶん、モーツァルトやベートーベンの時代に
    貴族や庶民が音楽を楽しんだような感覚を
    現代に蘇らせてくれる気分にさせてくれる
    貴重な音楽家たちである事は間違いない。

    心配しなくても、一度聴いたら
    たぶん、ひっくり返って、椅子からずり落ちて
    気が遠くなって、笑いが止まらなくなってから
    強烈なファンになりますって(断言)

    このメンバー、またウィーンに来て
    ハイドンとペルゴレージを演奏するので
    行きたいのは山々なのだが
    同時期にオスロのノルウェー国立バレエの公演が・・・(涙)

    ううう、行きたい公演が重なって
    身体が2つないのが悲しい私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    スポンサーサイト

    0
      • 2017.12.11 Monday
      • -
      • 23:30
      • -
      • -
      • by スポンサードリンク

      calendar
           12
      3456789
      10111213141516
      17181920212223
      24252627282930
      31      
      << December 2017 >>
      PR
      ★コンタクト・メイル★
      メイルはこちらへ
      ブログランキングに1クリックお願いします
      selected entries
      categories
      archives
      recent comment
      recommend
      links
      profile
      search this site.
      others
      mobile
      qrcode
      powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM