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カプリッチオ ウィーン劇場 3回目

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    Theater an der Wien 2016年4月29日 19時〜21時30分

    CAPRICCIO
    Konversationsstück für Musik in einem Aufzug (1942)
    Musik von Richard Strauss
    Libretto von Stefan Zweig, Joseph Gregor, Richard Strauss,
    Clemens Krauss, Hans Swarowsky

    指揮 Bertrand de Billy
    演出 Tatjana Gürbaca
    舞台 Henrik Ahr
    衣装Barbara Drosihn
    照明 Stefan Bolliger
    ドラマツルギー Bettina Auer

    伯爵令嬢 Maria Bengtsson
    伯爵 Andrè Shuen
    フラマン Daniel Behle
    オリヴィエ Daniel Schmutzhard
    ラ・ロッシュ Lars Woldt
    クレロン Tanja Ariane Baumgartner
    ムシュー・トープ Erik Årman
    イタリアの女性歌手 Elena Galitskaya
    イタリアの男性歌手 Jörg Schneider
    侍従 Christoph Seidl
    ダンサー Agnes Guk
    召使い Angelo Pollak, Max von Lütgendorff, Thomas David Birch
    Juan Sebastián Acosta, Marcell Attila Krokovay, Richard Helm
    Florian Köfler, Stefan Dolinar
    音楽家 バイオリン Rémy Ballott, チェロ Jörgen Fog
    チェンバロ Johannes Maria Bogner
    オーケストラ Wiener Symphoniker

    リヒャルト・シュトラウスが
    ナチでとんでもない愛国主義者のユダヤ人殺しの
    極悪人で
    カプリッチオはその思想の最たるもの

    ・・・という彼氏モドキの激しい主張を聞いて
    ついでに、今回の演出家も同じような事を思ったらしく
    第三帝国だのナチだの戦争だのの中に
    このカプリッチオの世界を描こうとしたらしい。

    ワタクシ的には
    どこが偏った愛国主義者のナチなのか
    どうもよくわからんので
    舞台が見えない席に陣取って
    ほとんど頭の中に入っているけれど
    もう一度、台詞をじっくりと噛み締めながら聴いてみた。

    今日は始まる前に
    またもや劇場支配人がマイクを持って
    誰だかがアレルギーだか何かで声が出ないけれど
    最善を尽くします、というスピーチがあったのだが

    この間も同じスピーチがあった
    メゾソプラノのクレロン役なのか
    他の人なのかわからず

    でも、ラロッシュ役の声が
    あまり出て来ない上に、かなり不安定な部分があったのだが
    (声の色がコロコロ変わるのである)
    今日はロジェより天井桟敷で音響が良いので
    もしかしたら、聴こえ方が違うだけなのかもしれない。

    さて、その台詞をじっくり聴いてみれば
    ラロッシュのモノローグが、きっと問題なのであろう。

    でも、ラロッシュのモノローグ
    至極真っ当な事を言ってると思うんだけどなぁ。

    昔の良い作品を守り、新しい作品を待つ
    どこに民衆の心に響き、民衆の魂を表現するような
    新しい作品があるのだ?
    神で作ったような英雄ではなく
    我々に似た、同じ言葉を話し
    その悩みや歓びを我々が感じるような
    そういう人間を舞台で活躍させたい
    (省略入りの意訳。文責なし)

    ・・・って、どこがナチですか?
    民衆とか、「同じ言葉」とか言うのがいけないのかなぁ。

    しかし、同じ言葉を話し、と言うのがダメなら
    モーツァルトの「魔笛」やら「後宮からの脱走」もダメじゃん(極論)

    この劇場支配人のラロッシュという奴
    見事に俗物で
    ウケる作品を狙っていて
    自我自賛も、まぁ、見事にスゴイし
    なのに、言う事はむちゃくちゃ偉そうなので
    よく聞けば、矛盾したパーソナリティ。

    その徹底的な功利主義に
    言う事は、理想主義っぽい仮面を被っているので
    かなりの曲者とは思うけれど
    だからと言ってナチとは別に思わないが
    深読みすれば、そういう第三帝国バンザイになるのかもしれない。

    それ以外の登場人物と言えば
    2人の男性から熱烈な告白を受けて迷っている
    優柔不断の貴族のお嬢さまと
    女漁り(しかも有名人限定)に精を出すそのお兄ちゃんと
    単純な詩人に作曲家
    加えて、庶民代表の召使いに、至極冷静な執事。
    忘れ去られたプロンプターで
    ラロッシュ以外に、何か問題があるようには思えない。

    ・・・私もかなり毒されてるな。
    これからまだリヒャルト・シュトラウスの
    英雄の生涯を演奏するコンサート2回も行く予定なのに。

    舞台観ずに音楽と台詞だけに集中して
    ロジェの奥(音響は悪い)ではなく
    比較的音響がマシな天井桟敷に陣取っていると

    やっぱりマドレーヌ役のソプラノが、抜群 ♡
    最後のモノローグも
    ロジェで聴いている時は
    ピアニッシモがあまり聴こえて来なかったのだが
    天井桟敷で聴くと
    細く澄んだソプラノで聴こえて来て

    最後のソネットなんて
    あまりの美しさに卒倒するかと思った。

    フラマン役のテノールは
    多少平板に聴こえて来る事はあっても
    高い声まで安定して出していたし
    ドイツ語のクリアさも素晴らしい。

    オリヴィエのバリトンも良いんだけど
    ちょっと華がないというか
    個性が際立たないのは、歌手のせいか、演出のせいなのか。

    貴族のお兄ちゃんのバリトンが
    中立的で、あんな変な演出にも拘らず
    確かにコイツ、言葉だけが好きな冷たいタイプか、と
    かなり納得できる出来映え。

    イタリア歌手2人も良かった。
    ちゃんとイタリア・オペラになっていて
    声もベルカントですごく良く出ていた。

    歌手とオーケストラに関しては
    言う事がない位に素晴らしい出来なんですよ、これ。

    特に歌手に関しては
    国立オペラ座でルネ・フレミングの
    ヘタクソなドイツ語に辟易していたので
    今回のマドレーヌ役の素晴らしさには
    聴くたびに圧倒されて
    ハート・マークが百個くらい
    私の頭の上に飛び交っている。

    演出家や彼氏モドキが
    どういう解釈するかは
    それぞれの好みなのでどうでも良いし

    リヒャルト・シュトラウスが極悪人であろうが
    やっぱりカプリッチオという作品
    どうしても好き ♡ という
    懲りない私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    最後の上演が5月3日にあるけれど
    この日は別の予定が入っているので行けません・・・


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