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アグリッピナ(ヘンデル)ウィーン劇場

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    Theater an der Wien 2016年3月31日 19時〜22時30分

    AGRIPPINA
    Oper in drei Akten (1709)
    Musik von Georg Friedrich Händel
    Libretto von Vincenzo Grimani

    指揮 Thomas Hengelbrock
    演出 Robert Carsen
    舞台 Gideon Davey
    照明 Robert Carsen & Peter van Praet
    ビデオ Ian Galloway
    ドラマツルギー Ian Burton

    Agrippina : Patricia Bardon
    Claudio : Mika Kares
    Nerone : Jake Arditti
    Poppea : Daniella de Niese
    Ottone : Filippo Mineccia
    Pallante : Damien Pass
    Narciso : Tom Verney
    Lesbo : Christoph Seidl

    オーケストラ Balthasar Neumann Ensemble

    ヘンデルのオペラ「アグリッピナ」
    ウィーン劇場のチケット異様に高いし
    設備は古いし、舞台見え難いし
    バロックのオペラ長いし
    最初は全然アンテナに引っかかって来なかったのだが

    ヘンゲルブロックの指揮?!
    ・・・なら行ってみたい、とミーハー気分でチケット購入。

    46ユーロで舞台ほとんど見えませんが(涙)

    もっともオーケストラだけは良く見える。
    ヘンゲルブロックもよく見える。

    更に、3月の激務の後、という事で
    仕事サボって、1日休みを申請していたので
    昼過ぎまで惰眠を貪ってから出かけたので
    身体の調子はえらくよろしい(笑)

    で、これがこれがこれが
    何と、むちゃくちゃ面白かったのである!!!!

    夫の皇帝クラウディオが溺れて死んだという知らせを聞いて
    アグリッピナは自分の息子(連れ子)のネロを次の皇帝にと画策。
    手下のパラスとナルシソを色気で懐柔。

    ところがクラウディオは部下のオットーに助けられて
    行きていたのが判明。
    しかも、クラウディオはオットーに感謝の印として
    次の皇帝の地位を約束してしまう。

    さて大変。
    クラウディオもオットーもネロも惚れているポッペーアを利用して
    陰謀を巡らせて、何とかネロを次の皇帝に

    という話なのだが

    現代演出で、テレビやらコンピュータやらのある社長室?と
    どこかの邸宅の居間+ベッドルームと
    真ん中にプールがあって、周囲にデッキチェアのある舞台装置で
    ハチャメチャ含みで劇は進行する。

    けど、私の席からは、ほとんど舞台が見えません(涙)

    でもでもでも、オーケストラを見ていると面白い。
    バロック・オーケストラなんだけど
    最初のドラマチックな序曲から

    おおおおおおっ
    オーケストラのメンバー、全員、踊っている。

    だって身体が動くんですよ〜
    コンマスの動きもスゴイけれど
    対抗位置のよく見えるバイオリン軍団なんか
    ボーイングだけじゃなくて
    全員が同じように身体を激しく動かすのである。

    オーボエのお姉さんも身体を揺らしながらの演奏だし
    コンマスのソロのところの頭の振り方なんか超絶だし

    でまた、ヘンゲルブロックの指揮が
    むちゃ情熱的で
    舞台見ながら歌詞を口で指示してる。

    レチタティーヴォの部分は
    チェンバロやチェロ(これが通奏低音?)や
    リュートに任せているけれど
    アリアに入る直前に
    それ、やるぞ!という感じで

    指揮者もオーケストラも
    何か、むやみやたらに楽しそうなのである。

    クラリネットのお兄さんなんかは
    自分が演奏しないところで
    舞台に水着姿のお姉ちゃんが大量に現れるところでは
    嬉しそうにジッと舞台見てたし(ナニを見てるワタシは)

    演奏していないパートの人たちも
    時々、音楽に合わせて身体が揺れている。
    ついでに、たぶん、私も席のところで
    多少なりとも身体揺らして踊っていたと思う。

    だって、だって、だって
    ヘンデルの音楽、むちゃくちゃご機嫌で
    ドラマチックで、新鮮な部分が目一杯たくさんあって
    ええええっ、その音の扱い方ってアリですか〜
    と驚く部分と
    うわ〜、アリアの楽器の使い方が巧い・・・と
    度肝を抜かれる部分のテンコ盛り。

    ああああ、そうなんですよね。
    バロック音楽って
    ついつい、器楽ばっかり聞いていると
    何かつまらん、と思うんだけど

    当時は器楽の音楽は
    ミサの音楽でなければ
    ただの BGM であって(極論)
    本来は、オペラなんですよ、オペラ。

    しかも娯楽のなかった当時は
    オペラと言えば、テレビ・ドラマか映画か、という役割で
    現代のように、「高尚」なものではなかったのだ。

    (今だってイタリア・オペラの愛憎劇なんかは
     どう考えたって下世話なソープ・ドラマであって
     どこが高尚だよ、と言いたくなるけど(笑))

    見ているだけで楽しい指揮者とオーケストラ・メンバーに加えて
    ウィーン劇場ならではの、歌手がまた見事。

    もっともこのオペラ
    アグリッピナがソプラノ
    ネロがカウンター・テノール(しかもソプラノ)
    ナルシソがカウンター・テノール
    オットーがカウンター・テノール
    ポッペアがソプラノで

    注意して聞かないと
    (いや、注意していても舞台が見えないと)
    誰が歌っているのか、全くわからなくなってしまう。

    ネロとオットーが比較的小柄な男性なので
    (よく聴けば、ネロの声の方が高いけど)
    最初は気をつけないと混乱する。

    いやしかし、どこからこんなに大量の
    カウンター・テノールを集めたんだよ・・・(驚嘆)

    そこらへんのパンクなコワモテのお兄ちゃんが
    口を開けて歌い出すと妙なるソプラノ、という違和感は
    最初の驚きさえ越えてしまえば、全然平気(笑)

    オーケストラの切れ味が抜群だし
    アリアの超絶技巧の聴きどころは大量にあるし

    アグリッピナのソプラノも良かったけれど
    ポッペアを歌ったダニエラ・デ・ニーセは
    何回かウィーン劇場のバロック・オペラで聴いているけれど
    演技は巧いし、声域広くて
    しかも声の色を時々バッチリ変えて
    実に表現力(声と演技=身体)が巧いソプラノだ。

    ついでだが
    筋肉隆々の男性が脱ぐシーンも多く(女性サービス)
    水着姿の若いお姉ちゃんたちが
    キャピキャピ言いながらクラウディオにまとわりつくシーンとか
    (これは男性サービス)

    舞台さえ見えれば、それなりに目でも楽しめると思う(笑)
    出演している俳優さん女優さん
    歌手も男性・女性揃って(比較的)美男美女で絵になってる。

    イタリアのファシズムのモジリもあるし
    現在のマスコミへの皮肉もあるし
    演出的にも全然退屈しない(舞台が見えれば)プロダクションで
    繰り返すけれど

    オーケストラと音楽がむちゃくちゃ素敵 ♡♡♡

    ただ、ウィーン劇場のあのチケットの高さは
    何とかなりませんかね・・・(悩)
    (チケット安かったら、数回でも観たい作品である(本気))

    久し振りのバロック・オペラだったけれど
    行って良かった〜 ♡ と感激している私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    イースター過ぎたら突然暑くなって
    コート要りません、みたいなシーズンに突入。
    本当に気候の移り変わりが激しい。

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