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ウィーン交響楽団 + ベルトラン・ド・ビリー

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    Musikverein Großer Saal 2016年3月6日 19時30分〜21時20分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Bertrand de Billy
    ピアノ Bertrand Chamayou

    Henri Dutilleux (1916-2013)
     Symphonie Nr. 2, “Le Double”

    Camille Saint-Saëns (1835-1921)
     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 5 F-Dur, op. 103

    Maurice Ravel (1875-1937)
     Boléro

    ウィーン交響楽団とベルトラン・ド・ビリーのコンサートは
    もともとジャン=イヴ・ティボーデが出演する予定だったのだが
    数日前にキャンセルとなり
    ベルトラン・シャマユが代役。プログラムに変更なし。

    仕事を断っても、どうしても行きたかったのは
    まぁ、プログラムを見ていただければ一目瞭然(笑)

    アンリ・デュティーユなんてウィーンで演奏される機会は滅多にない!!
    名人揃いのウィーン交響楽団で
    ビリーが指揮でデュティーユ・・・(涎)

    で、これが、もう期待に違わず
    いや、期待を上回る素晴らしさ ♡

    荒々しいリズムが踊る第1楽章や
    繊細な第2楽章
    華やかで時々音楽的デジャブの入る最終楽章は
    リズミカルな前半から一転して
    まるで神聖なモノが上から降ってくるような
    荘厳でこの世のものならぬ音響で終わる。

    全集マニアの私は
    デュティーユのオーケストラ作品は
    全部 CD で持ってはいる。
    (だからこの曲も一回は CD で聴いてるはず)
    忙しさに紛れて(言い訳)今回は予習して来なかったのだが

    キッチリと締まった
    筋肉質で男性的な仕上がりで
    惚れました ♡

    午後の細川俊夫作品が
    あくまでも繊細な音であったのに比べると
    大胆で、時々すっ飛んでいて
    でも音楽的な構築が緻密で

    全く違う作品だから比べられない。
    どっちも好き。

    幕間の後にマイクを持って
    指揮者+ピアニストと共に
    舞台に現れた楽友協会支配人のアンギャン。

    読者は当然ご存知と思うが
    ニコラウス・アーノンクールの訃報を受けてのスピーチに続き
    全員起立して黙祷。
    (これは今日一日、世界情勢や政治問題を差し置いて
     ずっとオーストリアのトップ・ニュースになっていた)

    後半のサンサーンスのピアノ協奏曲5番が始まったとたん

    私は腰が抜けた・・・

    何なんですか、このピアニスト!!!
    オーケストラにピアノの音が全く沈まず
    ペダルは使っているとは言え
    疾走するスケールの音が一つ一つ
    完全に立っていて、すごい打鍵なのに音がクリア!!!

    こういうピアニスト、過去に一人だけ
    オレグ・マイセンベルクという人が居た。
    (今でも生きている筈だが、最近聴かない)

    それから、この間のダニール・トリフォノフも
    同じような鮮烈な印象を残したけれど

    このベルトラン・シャマユというピアニスト
    初聴き(しかも今日は代役だ)だが

    す・ご・い!!!!!!!!

    テクニックが半端じゃない、というのは
    まぁ、ピアニスト、テクニック的に天才でなければ
    今のご時世、ちょっとした舞台にも上がれないというのはあるが
    その打鍵の強さ、クリアさ、正確さで
    見事なピアノの音を出してくる。

    あれだけ細かいパッセージの連続の上に
    オーケストラもトゥッティで鳴らしてくるのに
    強いピアノの澄んだ音が
    オーケストラの音と絡まって
    空間の中を疾走するという、素晴らしい体験 ♡

    最初から最後まで腰が砕けっぱなし。
    快感が背中からゾクゾク上がってくる。

    サンサーンス、好きなんです、私。
    日本だと動物の謝肉祭とか
    せいぜい聴けるとしてオルガン交響曲くらいだろうけれど
    ピアノ協奏曲、すべてが素晴らしい(←全集マニア(笑))

    それが、ナマで、あの強い、しかも輝くようなピアノで聴けるなんて
    いやもう、この若いピアニストすごい ♡

    舞台は見えない席なので
    演奏終わった後に、いったいどういう人?と舞台を見たら
    ものすごく姿勢の良い
    どこかの銀行家のお坊ちゃまのような
    生真面目そうで神経質そうな
    痩せたお兄さん。

    あのスマートな体型の何処に
    あの打鍵の力があるの???(驚愕)

    本人のサイトに載っている写真は
    ちょっと無精髭はやしたりして
    チョイ悪を気取っているが
    実際に見ると、歩き方からして「端正・真面目」が
    プンプン匂ってくるような若いお兄さんである。

    アンコールに弾いたのが
    何とラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」

    センスも合格!!!
    (ここでカンカンカーンと私の中では鐘が響いている)

    時々、代役でとんでもない才能にぶつかる事があるが
    今日のピアニストはその典型だな。
    ちょっと目が離せないかもしれない。
    リサイタルやるようだったら、絶対に行く。
    (でもプロコフィエフのピアノ協奏曲とか聴いてみたい!!!
     ウィーンのオーケストラのみなさん、どうぞお願い)

    最後がラヴェルのボレロって(笑)

    いや、普通、こういうプログラムだったら
    最初にボレロ、次がピアノ協奏曲で
    幕間の後がデュティーユだよね?
    まぁ、デュティーユ最後に持ってくると
    途中の幕間で帰る人が続出したり
    盛り上がらないであっさりと終わってしまう可能性があるのはわかるが。

    ジョルジュ・プレートルの
    ズレズレのボレロをウィーン交響楽団は得意としていた筈なので
    もしかしたら痕跡あるかも・・・と思っていたが
    最初のソロ一つだけ、ちょっとだけ痕跡が残っていたが
    それを除けば、最初から最後まで
    ビリーのボレロだった。

    これがまた、扱い方が巧いんですよ。
    時々かかる、ほんの少しのポルタメント
    (最後の爆発にも、少しだけ効かせて、すごく洒落てる!)
    例のピッコロが別スケールで演奏するところは
    まるでパイプ・オルガンのような響きを出させて
    レジスターが全く不自然でなかったという
    (あれはそのまま演奏されると、何かそこだけヘン)
    見事な処理をしていて

    うははは、ビリーってこういうモノを振らせても
    センスの良さがタダモノではない。

    もともと私、ビリーのファンだし
    音楽業界内部から色々と話は聞いてはいるし
    国立オペラ座とも大喧嘩した指揮者だけれど

    やっぱりビリーの才能ってスゴイと思う ♡

    割に地味にしか見られていないけれど
    あのセンスの良さと
    オーケストラ・ビルダーとしての腕には驚嘆する。

    仕事の地獄はまだ終わっていない。
    来週の木曜日くらいまで続きそうだし
    その後は、また別の地獄が待っている予定だけれど

    その中で
    こういう腰が砕けそうになるような時間を持てるって
    すごく幸せ・・・という
    能天気な私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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