<< ウィーン・フィル + マリス・ヤンソンス 3回目 | main | コジ・ファン・トゥッテ フォルクス・オーパー >>

青髯公の城・幽霊バリエーション ウィーン劇場

0

    Theater an der Wien 2015年6月25日 19時30分〜22時


    Béla Bartók / Robert Schumann

    Kento Nagano

    Andrea Breth


    Herzog Blaubarts Burg

    Geistervariationen


    Herzog Blaubarts Burg

    Oper in einem Akt

    von Béla Bartók, op. 11” (1918)

    Libretto von Béla Balázs

    指揮 Kento Nagano

    演出 Andrea Breth

    舞台 Martin Zehetgruber

    衣装 Eva Dessecker

    照明 Alexander Koppelmann

    青髯公 Gábor Bretz

    ユーディット Nora Gubisch

    舞台音楽 Mitglieder des Bühnenorchesters der Wiener Staatsoper

    オーケストラ Gustav Mahler Jogendorchester


    Geistervariationen

    Thema mit Variationen in Es-Dur für Klavier von Robert Schumann, WoO 24 (1854)

    ピアノ Markus Hinterhäuser

    サウンド・デザイン Markus Aubrecht

    俳優 Sona Chan, Katrin Grumeth, Heinz Heisinger, Katrin Immervoll,

    Grant McDaniel, Erich Mondl, Johann Moser, Karl Netuschill

    Herbert Otterndorfer, Karl Raunig, Michael Reardon, Hans Steunzer


    ウィーン芸術週間の一環で

    19日の初演をカレンダーで見逃していたが

    千秋楽の日に比較的安いチケットが1枚あったので

    急いで行って来た。


    この演目、最初ウエブで見た時は

    青髯公の城・幽霊バージョン、とくっついているのかと思ったが

    よく見れば

    青髯公の城(バルトーク作曲)

    幽霊バリエーション(シューマン作曲)

    という2演目だったのね・・・


    あ、もちろんシューマンの曲名はピアノ変奏曲であって

    幽霊変奏曲ではございません。


    両方とも演出家、舞台、衣装、照明は同じ。


    さて、最初の青髯公の城は、マジャール語でドイツ語の字幕付き。

    舞台は現代風で、何か、どこかの倉庫みたいなごっつい感じ。


    机があってワインのデキャンテに水が入っているけれど

    動きはほとんどないし、ちょっと退屈。


    最初のドア(拷問室)を開けると、回り舞台で

    でも、どうみても拷問室じゃなくて

    壁にビニール貼ってあって、工事現場みたいで

    床に俳優さんが変な形で倒れていて

    赤いペンキが垂れたテーブルを、他の俳優さんが拭いていて

    ユーディットが窓から身を乗り出して歌っている時に

    青髯公が後ろを走って

    右にぶつかり、戻ってユーディットに躓いて左にぶつかりというのを

    延々と繰り返している。


    ・・・なんだこりゃ。


    2番目の武器庫も、どう見ても倉庫なのだが

    俳優さんが立っていて

    手に持っているのは、一昔前の手巻きの目覚まし時計で

    ううううう、これ、武器庫か。

    演出家だけにわかる深淵な哲学的表現なのだろうが(以下省略)


    私の大好きな宝物殿のところは

    何もないただの部屋(倉庫ですらない(唖然))の机の上に

    箱が置いてあって

    その中に赤いネックレスが山ほど入っていて

    ユーディットが歌いながら、それを装着して行く。


    輝くダイヤモンドも宝石も出て来ないじゃん(不満)


    次の部屋は庭なので

    樹が立っていたり、床をビデオ投影で地面にして

    ベンチに座っている老人2人が

    一人はユリを持って、一人は地面に砂を巻いているという

    これが、庭かよ。

    しかも歌詞にはバラの花とか出てくるが

    (造化の)ユリが出てくるだけ。


    で、もっと笑っちゃうのが

    次の景色が見える部屋なのだが

    何故か床に岩の盛り上がりみたいなものが置いてあって

    そこに2人で寝転がって歌う。

    しかも周囲は暗い。


    まぁ、そこから月だの星だのの歌手になるので

    それはそれで良いのかもしれないが。


    涙の部屋は、後ろに俳優さんたちが立っていて

    後ろの壁にほんの少しだけ、波っぽい映像を投影するが

    やっぱり倉庫みたいで、味も素っ気もない。


    最後の部屋のドアを開けると

    若い3人の女優さんが登場してユーディットを囲んでお終い。


    う〜ん・・・(悩)


    音楽があまりに圧倒的過ぎる。

    オーケストラはミスがなかった訳ではないが

    すごく締まった透明で元気な音を出していて

    バルトークのあの内省的な感じよりは

    やっぱりオペラっぽく、かなり外向的な感じで響いたけれど

    その分、かなりゴージャスな響きで


    あああ、いかん、この音楽、何回かコンサート形式で聴いている間に

    様々なシーンをバルトークがあまりに具体的に音楽で描くので

    ついつい、既に頭の中で、自分なりの景色が出来てしまっている。


    自分のイメージの中にある

    ハンガリーの森深い中の中世の古城の雰囲気ではなく

    舞台の上には

    現代の崩れかけた安普請の手抜き工事の倉庫・・・(すみません)


    不気味な拷問部屋も

    華やかで、ワタクシ的にはルネッサンス的な宝石の部屋も

    華麗なる中世の庭園も

    窓から見える広々とした自然や

    涙でさざめく海も


    この演出と舞台装置だと

    限りなくケチくさくて縮こまっていて

    貧乏たらしくて(え〜い、一応城塞なんだよ?倉庫じゃなくて)

    音楽が、圧倒的な力強さで伝えてくる

    エネルギーが醸し出す広大な城塞のイメージと全く違う。


    だから、オーケストラの演奏は良かったんですってば。

    歌手2名も、声は響いて来たし

    ユーディット役の声がかなり深めで神経に障らなかったのは助かった。


    バリトン歌手は若くてスマートな人で

    声が割に細くて(声量はある)

    青髯公の年取った内向的なイメージとは合わない。

    (演出が全然内向的じゃないので、それで良いのかもしれない)


    力一杯なオーケストラは、オペラちっくではあるけれど

    バルトークが細心の注意を払って

    そこまで入り込まないで、という人間の心理を描こうとしたのは

    残念ながら全く見えて来ない(ともかく外向きの音楽だった)


    うううううううん

    この作品、コンサート形式でしか聴いた事がなかったので

    一度、舞台で観たいとは思っていたが

    あそこまで白黒と茶色と、衣装は水色という

    シンプルな色使いで(もちろん血の赤は時々入るが)

    倉庫やら工事現場っぽい舞台装置を使うんだったら

    せめて涙の海あたりでは

    ビデオ投影をもう少し効果的に使ってくれるとか

    チマチマした貧乏っぽいイメージからの脱出を計って欲しかった。


    こりゃ、後半はかなり帰る人がいるな、と思ったが

    安い席の人たちは熱心なので、ほとんど全員が戻って来た。


    後半の「幽霊バリエーション」って

    何ですか、これ。

    前衛演劇作品なのか、何なのか全くわからん。


    舞台には歪んだ対角線が床に書かれて

    昔の暖房器具が置いてあって

    舞台の奥のドアからは雪が漏れていて

    椅子やベンチに

    若い女性3人(青髯公でゾンビ?を演じた3人)と

    その回りに、どう診ても平均年齢70歳くらいの男優さんたちが座る。

    (この年配の男性たちも青髯公に出演していた)


    で、音楽もなにもなく

    (鳥の鳴き声とか、犬の吠える声は時々聞こえる)

    約30分にわたり

    時々フラグメントのセリフがドイツ語で語られるのだが

    フラグメントなので、なんかワケわからんし

    動きは少ないし。(最初にタップダンスがあるけど)


    そうそう、この後ろ向きでタップを踊った

    かな〜り年配の(70歳過ぎ?)男性は

    青髯公でもユリを数えて渡す役をやっていたが

    すごい個性だった。


    失礼な言い方をすれば、顔もヘンだし、スタイルもヘンなのである。

    強烈な醜男で、百面相の遊びで何か失敗したような顔なのだが

    これが、ものすごく強烈な個性を醸し出して

    途中のセリフ(これは英語だった)がかなり長いモノローグで

    この英語のセリフの声が見事に通るの。


    この人、歳は取っているし、本当に変な顔と身体の作りだが

    しっかり俳優の訓練と、ダンス(バレエかもしれない)を修得している。

    しかも、演技にものすごい個性がある。


    ああいう、醜男の俳優さんって

    日本ではウケないだろうが

    こちらの俳優さんって、こういう強烈な人が結構居る。

    で、また、こういう人たちが演技やダンスが巧いと

    すごい印象を残すのである。


    しかしながら、この演目、ちょっと動いたり、移動したり

    ドイツ語でちょっと喋ったり(しかも意味不明発言が多い)

    それを延々とやられるので

    ここで途中で立って帰った人も結構居た。

    (私も実は帰りたくなった)


    で、延々と30分以上、訳わからんパーフォーマンス?をした後

    青髯公が後ろのドアのところに登場し

    マジャール語で何か言ってドアを開けると

    ドアの後ろから、かすかにシューマンのピアノ変奏曲が聴こえてくる。


    ピアノ変奏曲の演奏の間は

    登場人物は身動きもせずに固まったまま。

    ピアノ演奏は後ろのドアの向こうからなので

    音響は最悪だし

    ピアノもピアニストも見えず


    何にも見るものがないし

    ピアノも、舞台の後ろのドアから漏れ聴こえるだけなので

    音が小さいピアノを聴きながら寝てました。


    こういうパーフォーマンス系の現代作品って

    昔は面白くも思ったけれど

    最近、増え過ぎちゃって、全然面白くない。


    不条理劇なんて、もう大昔に流行ってから

    それ以上の発展なんかないじゃない。


    ウィーン芸術週間って、確かに「現代芸術」が主なので

    パーフォーマンス的な催物が多いのは覚悟していたが

    一応「オペラ」となっているウィーン劇場で

    こういうパーフォーマンスに付き合わされるとは。


    まぁ、今日が千秋楽だし

    きっと、インテリな観衆や批評家の中では

    若い俳優さんではなくて

    引退したような年配ばかり集めて

    現代社会への警告であるとか

    哲学的に深い解釈であるとか言われているのだろうが


    後半は完全に時間の無駄でした(きっぱり)


    でもまぁ、バルトークの青髯公の音楽は

    目さえ瞑って倉庫のバリエーションさえ見なければ

    音楽的には楽しく鑑賞したから、それで良しとしよう。


    せっかく最近、ちょっとランキングの順位も上がって来たのに

    音楽のシーズンは今週でお終い。


    来週から9月中旬までは、ほとんど何もなくて

    長期ブログ休憩に入るかもしれないので

    忘れられてしまいそう(涙)と心配している私に

    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    長期ブログ休憩の時には、ちゃんと告知します。

    オーストリア生活とか、ネタは過去ブログで語り尽くしたけれど

    消えてしまった以前のパート2で書いたサウナネタとかもあるので

    時々は(音楽以外の事を)書く予定ではあるので

    どうぞお見捨てなく。



    スポンサーサイト

    0
      • 2019.04.26 Friday
      • -
      • 23:30
      • -
      • -
      • by スポンサードリンク

      calendar
       123456
      78910111213
      14151617181920
      21222324252627
      282930    
      << April 2019 >>
      PR
      ★コンタクト・メイル★
      メイルはこちらへ
      ブログランキングに1クリックお願いします
      selected entries
      categories
      archives
      recent comment
      recommend
      links
      profile
      search this site.
      others
      mobile
      qrcode
      powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM