Theater an der Wien 2015年5月8日 19時30分〜21時45分
LA MÈRE COUPABLE
Oper in drei Akten (1966)
Musik von Darius Milhaud
Libretto von Madeleine Milhaud nach dem Stück
L’AUSTRE TARTUFF, OU LA MÈRE COUPABLE
von Pierre Augustin Caron de Beaumarchais
指揮 Leo Hussain
演出 Herbert Föttinger
舞台 Walter Vogelweider
衣装 Birgit Hutter
照明 Emmerich Steigberger
ドラマツルギー Ulrike Zemme
アルマヴィーヴァの妻ロジーナ Mireille Delunsch
フロレスティン Frederikke Kampmann
スザンナ Angelika Kirchschlager
アルマヴィーヴァ公爵 Markus Butter
フィガロ Aris Argiris
ベルガス(タルチュフ) Stephan Loges
レオン Andrew Owens
公証人 Christoph Seidl
俳優
ロジーナ Irina Mocnik
フロレスティン Theresia Gabriel
アルマヴィーヴァ公爵 Pavel Strasil
レオン Johannes Kemetter
オーケストラ ORF Radio-Symphonieorchester Wien
新プロダクション、ウィーン劇場での
ボーマルシェ3部作の最後の作品。
その前のセヴィリアの理髪師とフィガロの結婚は行ってません(汗)
悪しからず・・・
何故、このチケット買ったかと言うと
作曲家がダリウス・ミヨーだったという、その理由に尽きる。
だいたい、こんな知られざるオペラ「罪ある母」なんて
一生に1回、鑑賞できるかどうかだし。
指揮者は舞台が始まる前からオーケストラ・ピットで待機。
会場が暗くなって演奏される曲は
は???
これ、ダリウス・ミヨー?にしては
何か、どう聴いても辛気くさいクラシックだが???
舞台上は薄い幕の向こう側に、お葬式のシーン。
しかも、出ました、高所恐怖症には絶対に無理な
ウィーン劇場名物2階建て舞台装置。
何だこの葬式のシーンと、バロック調の音楽は?
・・・と思ったら
プログラムに曰く
最初はモーツァルトの Maurerische Trauermusik KV 477 が
演奏されます
・・・・ って、それ、詐欺に近いじゃないか!!!!(怒)
辛気くさいモーツァルトの埋葬行進曲の後
舞台の薄膜が開くと
スザンナが、スズメの頭のようなヘアスタイルで
しかも、胸がガバッと開いていて
上から観ると丸々した胸元が・・・(以下省略)
音楽はここで、あっ、ダリウス・ミヨーだ、とワクワク。
ワケのわからん葬式シーン
しかも、二階建て舞台装置の上の方で
俳優さんたちが、ワケのわからない動きをしていた雰囲気と
少なくとも音楽的な印象は全く違う ♡
幕間で
「悪い音楽とは思わないわ。
ただ、そうね、ベンジャミン・ブリテンみたいに
多少耳慣れが必要って感じだけど」
と、誰かが相手に喋っていたが
ベンジャミン・ブリテンというよりは
モーリス・ラヴェルの「スペインの時計」に似た食感。
(食感というのもヘンか。でも何となく理解して下されば・・・)
登場するのは、結婚後20年経った
アルマヴィーヴァとスザンナとフィガロに
ベルガスと呼ばれている詐欺師?のタルチュフ。
アルマヴィーヴァ家には、長男が居たが死んでしまい
(だから最初の葬式シーン)
次男のレオンと
孤児院から引き取ったフロレスティンが居る。
レオンとフロレスティンは恋仲らしい。
ベルガスはアルマヴィーヴァ家の資産を狙っている。
で、アルマヴィーヴァは戦争に送られて
そこで戦死したケルビーノと、妻のロジーナの過去を疑っている。
(ケルビーノ役が俳優で時々出てくるが
これが、薄汚れた浮浪者みたいで(←戦争中の服装?)
上手のソファで、俳優さん演じるロジーナとナニをしちゃうし)
スザンナはフィガロにレイプされそうになって
(どうも芝居らしいが、かなりリアル・・・おいおいおい良いのかこれ)
それを助けたベルガスがスザンナに言い寄ったり
ロジーナを疑う伯爵は
腕輪にケルビーノの似顔絵を描かせて夫人のロジーナに渡し
何も言わないので、ケルビーノとの浮気を確信し
ベルガスは、ロジーナの浮気を確信したアルマヴィーヴァから
全幅の信頼を得て、財産を渡すので守ってくれ・・・と言われて
アルマヴィーヴァと男性同士で抱き合って、ディープキッスしちゃうし
(ううう、これはバイセクシャルの話だったのか(違))
スザンナが持ってきた宝石箱が2重底になっていて
そこに隠された手紙がバラバラと落ちて
レオンがケルビーノとロジーナの息子だった事がばれる。
アルマヴィーヴァはフロレスティンに
結婚したい相手は誰だ?と聞くと
フロレスティンはレオン以外には考えられません、と答え
ところが、それを聞いたベルガスは
フロレスティンに、お前はアルマヴィーヴァ公爵の本当の子供で
よって、レオンと本当の兄妹なので、結婚出来ない、と断言。
ショックを受けるフロレスティン。
態度の変わったフロレスティンをみたレオンは
ベルガスのせいだと決闘を申し込み
ベルガスは、お前はフロレスティンの本当の兄だ、と暴露。
アルマヴィーヴァは自分の財産をフィガロに引き出させようとするが
フィガロは、それは公証人のところにあって
領収書がないと、財産の引き渡しができない、と言うので
アルマヴィーヴァ公爵は、ベルガスに領収書を渡す。
ベルガスは、敵のフィガロをやり込めた、とホクホク。
幕間なしで続く第2幕では
真ん中に垂れていた、破れた建物の養生シートみたいなものが剥がされて
フレンチ・ドアみたいなものを開くと
中がロジーナの寝室。
ついでだが、最初から最後まで
(第2幕では真ん中がロジーナの寝室になる以外は)
後ろはエレベータの箱になっていて
登場人物が出たり入ったり
その上が2階建てのボックスになっていて
下で歌手が色々と歌っている間に
ボックスのいくつかが開いたりして
そこで、俳優さんたちが
ワケのわからん事をやっている。
ワケのわからん事というのは
ハダカになって赤いペンキを身体中に塗ったり
何か持って歩き回ったり
ベッドに縛り付けられて悶えていたり
純白でお腹のところに赤いペンキをつけた
ウエディング・ドレスを着て
跪きながら悶えていて、その廻りを聖職者が取り囲んだり
枯れ葉?が舞う小さな部屋を何人もが荷物持って歩き回っていたり
黒いコートを着た男性が
ハダカに近い女性を脅迫?していたり
・・・・などなど。ともかくワケわからん。
ロジーナはアルコールに溺れているが
スザンナが、フロレスティンの本当の父親はアルマヴィーヴァと話すと
ああ、浮気したのは自分だけじゃなかったのね、とホッとする。
スザンナは、あのベルガスという男は怪しい、と注進するのだが
ロジーナはアルマヴィーヴァ公爵と同じく
フロレスティンをベルガスと結婚させようと
秘密はそのままにしておく決心。
ベルガスは、浮気の証拠はすぐに消滅させた方が良い、と
ロジーナとケルビーノのラブレターを燃やす。
(本当に舞台の上で、バラの入った花瓶からバラを出して
ロウソクの火をつけて、手紙を花瓶の中で焼いている)
ベルガスは自分の陰謀の邪魔をしそうな
レオンとフィガロを追い出すように目論むのだが
それを知ったフィガロが
あの詐欺師の思い通りにさせるものか、とアリアを歌って幕。
ひえ〜、筋書いてるだけで疲れる(汗)
第3幕では、フロレスティンと結婚しようとしていたベルガスが
実は既婚の身の上であった事が
フィガロの活躍により判明。
フロレスティンは、これで、あのベルガスと結婚しなくて良いのね、と大喜び。
ロジーナはケルビーノとの浮気がばれそうになって
アルマヴィーヴァ公爵の横で気を失い
ほとんど死にそうになるのだが
それを見たアルマヴィーヴァは
やっぱりロジーナを失いたくない、と愛?を再確認。
(なんだそれ)
今度はフィガロがベルガスを騙し
公証人の前で、ベルガスが、アルマヴィーヴァの財産を受け取った事と
自分の財産を、将来の花嫁になるフロレスティンに譲るという証言をさせる。
だが、そこで、既婚の身を指摘され
悔し紛れに公爵の足下に
残っていたロジーナとケルビーノのラブレターをぶちまけて
レオンがアルマヴィーヴァ公爵の息子でない事をバラす。
フロレスティンはアルマヴィーヴァ公爵の実の娘だが
レオンはロジーナが浮気してケルビーノとの間に作った息子で
結局、全く血縁はないので、結婚オッケーとなり
(むちゃくちゃだ)
狙っていた財産のみならず
自分の財産まで奪われたベルガスは
このスキャンダルを世間に広めてやる、と退場。
何か最後はみんながドッペルゲンガーと(俳優さん)
悶えつつ絡まりつつ
大人数でエレベータの箱に集まって
ダリウス・ミヨーっぽい洒落っ気のある
「愛は勝つ」みたいなピアニッシモで
ちょん、という感じでお終い。
(あれを、それ以外の言語表現でどうやって言えと??)
・・・何だったんだあれは。
ボーマルシェの事なので
時代背景とか、何か色々と深い意味はあるのだろうし
演出家は、その深い意味と芸術性を重視して
上の小部屋で、筋と関係ないだろこれ、という
不思議なシーンを俳優さんたちにやらせていたのだろうが
よ〜わからん(爆)
指揮者のレオ・フセインの大ファンが居たようで
終演後に、すごい声でブラボー・マエストロ、というのが聞こえて来た。
歌手は粒ぞろいで、それなりに良かったのだが
アルマヴィーヴァとかベルガス役は
セリフっぽい部分が多くて、地味だった。
フロレスティンは華奢で若くて、声も出ていたし、ともかく可愛い。
レオン役のハイテノールも、かなり良い感じ。
ロジーナ役のソプラノは歌えば歌う程、声が出てくるタイプ。
で、フィガロを歌った Aris Argiris が実に良かった。
ミヨーの音楽でも、フィガロってやっぱり目立つ役どころなんだね。
前半の途中で帰った人がかなり居たし
後半は、平土間でも帰って来なかった人も多く
バルコンなんか、半数以上が居なくなっていたみたいだが
(まぁ、音楽がね、耳慣れしないと不思議かも。
それに今日はプレミエ(初演)なので
興味なくて招待された客も多かったんだと思う)
最後まで残った人は
音楽的な部分には、かなりブラボー飛んでいて
演出には
ブラボー・コールと、ブーが半々くらい(爆笑)
良い舞台だから是非観て、とまでは言えないし
ダリウス・ミヨーの音楽は好き嫌いあるだろうし
(ほら、やっぱりああいう音楽なので
今ひとつ、盛り上がりには欠けて
何か、ダラダラダラダラ続く感じなの)
でも、盛り上がりなくてダラダラ続いても
ミヨーの音楽って、私、すごく好き ♡
オーケストレーションだけでも、多様な色があって楽しい。
確かに歌手だけだと舞台での動きは少ないだろうが
だからと言って、あんなに数多くの俳優さんたちに
ワケのわからんシーンを演じさせる必要があったのかは疑問だが。
休憩入れて2時間15分くらいの演目だし
気に入ったら、もう1回行っても良いかな、と思ってはいたが
音楽は好きだけど
舞台はワケわからんし
筋は(まぁ、ボーマルシェだから、時代背景とか・・・)複雑なのか単純なのか
無理やり都合つけてるような
旦那は浮気して子供作るわ
奥さんも浮気して子供作ってるわ
で、その子供同士が恋愛しちゃうって(絶句)
あんまり長く書いて、ぐったり疲れた私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
読んで下さった方はもっと疲れた事と思う。
舞台写真をご覧になりたい向きは
こちら からどうぞ。