エレクトラ@国立オペラ座

0
    Wiener Staatsoper 2020年9月19日 20時〜21時50分

    Richard Strauss
    ELEKTRA
    Text von Hugo von Hofmannsthal
    Tragödie in einem Aufzug

    指揮 Alexander Soddy
    演出 Harry Kupfer
    舞台 Hans Schavernoch
    衣装 Reinhard Heinrich

    クリュテムネストラ Doris Soffel
    エレクトラ Ricarda Merbeth
    クリュソテミス Camilla Nylund
    エギスト Thomas Ebenstein
    オレスト Derek Welton
    オレストの従者 Marcus Pelz
    クリュテムネストラの侍女 Anna Nekhames
    クリュテムネストラの裾持ち Stephanie Maitland
    若い召使 Robert Bartnek
    老いた召使 Dan Paul Dumitrescu
    見張り Donna Ellen
    5人の侍女たち Monika Bohinc, Noa Beinart, Margaret Plummer,
    Regine Hangler, Vera-Lotte Boecker
    6人の召使 Seçil Ilker, Jung Won Han, Kaya Maria Last, Jozefína Monarcha,
    Sabine Kogler, Zsuzsanna Szabó

    Orchester der Wiener Staatsoper
    Chor der Wiener Staatsoper
    Komparserie der Wiener Staatsoper

    最初から最後まで、ソプラノが舞台で独りで
    ヒステリックに喚き散らすオペラなのだが
    (エレクトラ・ファンの皆さま、ごめんなさい)

    休憩なしの2時間弱だし
    エギストはあっさり殺されるし
    クリュテムネストラの殺人場面は2回の迫真的な悲鳴だけだし
    (実は、ここ好き。悲鳴だけのリアルさというのがある)
    エレクトラの死は、まぁ、オペラの伝統に則って死ぬ死ぬアリアがあるが
    それほど長くはないし

    このオペラの大きな魅力の一つは、大編成オーケストラの迫力。
    このご時世、いつ、
    こういう大編成オーケストラを聴けなくなるか分からないので
    オーケストラ・ピットにぎっしり詰まったプレイヤーを見ていると
    感無量である。
    ご存知、最初から凄い音量だしね。

    シーズン・オープンの何回かは
    フランツ・ヴェルザー=メストが指揮したが
    落ち着いたところで、37歳イギリス出身の指揮者に変更。

    エレクトラの先シーズンまでの「新演出」は
    裸の女性が血塗れでシャワーを浴びている下手(しもて)で
    上手(かみて)に、ドアのないエレベータがあって
    中に色々なものが入っていて動くという
    ちょっとワケ分からんもので

    他の演出としては、血だらけの壁の上の方に
    血だらけの女性が座っているウィーン劇場版とか
    似たような感じのザルツブルク音楽祭版とか

    ・・・なんだかんだ言っても
    意外に観ているオペラなんだよね(何故だ?)

    今シーズンは以前のハリー・クプファーの演出のリバイバル。
    アガメムノンの巨大な像の下半身が、左足で地球?を踏んでいて
    アガメムノンの頭は下手(しもて)に転がっている。

    この演出、以前から好きだった。
    舞台そのものは暗くて、舞台変換も(多少の照明以外)何もないし
    出演者はアガメムノンの下半身から垂れている縄に捕まって
    あっちにゆらゆら、こっちにゆらゆら
    (アガメムノンに執着しているか、絡めとられているか
     そんな感じを出したいのではないかと思う)
    最初に、動物の骨とか肉を分けているシーンがあるけれど
    その後は舞台では、ほとんど変化はない。

    何が良いかと言って
    「血」が全然出て来ない。
    よって
    あの衣装、後から洗うの大変だろうなぁ とか
    赤いインク塗れの舞台の掃除する人は大変だろうなぁ とか
    下世話な心配しなくて済む(余計なお世話)

    舞台が簡素な分、音楽に耳が集中できる。
    リヒャルト・シュトラウスが
    最も「尖って」いた頃の
    あの圧倒的に暴力的な大音響の世界に没頭できる。

    メルベートのエレクトラが圧巻。
    出ずっぱり、歌いっぱなしなのに
    オーケストラの大音響の壁を悠々と越えて
    無理していないのに強いソプラノが
    観客席の隅々まで届く。

    歌えば歌う程に、艶を増す声で
    最後の死のシーンの時の、あの色っぽさは何なんだ。

    ニュルンドのクリュソテミスがまたキュートで
    圧倒的個性のエレクトラの合わせ鏡みたい。
    そう考えてみると
    エレクトラとクリュソテミスが
    相反したキャラクターでありながら
    姉妹である意味がちょっとわかるかも(深読み妄想)

    クリュテムネストラ役は
    私の中ではアグネス・バルツァの印象が強過ぎるのだが
    ドリス・ゾッフェルが素晴らしかった。

    ちょっと調べてみたら72歳ですって???
    声量もあるし
    低音の、あのクリュテムネストラ特有の話し声みたいな
    あまり美しく歌ってはいけない(と私は思っている)部分の
    声の使い方が巧みで、唸った。
    最後のシーンの舞台裏からの2回の悲鳴が見事で
    (これ重要!)
    背筋ゾクゾクしてむちゃ快感(なんかおかしな世界に・・・)

    オレスト役の歌手デレク・ウェルトンって
    どこかで見たぞ・・・と思ったら
    今年のザルツブルク音楽祭のエレクトラで
    あの垢抜けないフィッシャーマン・セーターを着て
    人の良さそうな素朴で間抜けな(ごめんなさい)オレストを歌った人だ。
    (ザルツブルク音楽祭のエレクトラはオーストリア国営放送で放映した)

    衣装が違うと、オレスト、カッコイイじゃないか!
    (ワタクシの好みとしては、エギストがアホっぽいだけに
     唯一の「英雄」としてのオレストは、カッコ良くあって欲しい)
    美声だし、見た目美しいしスタイル良いし
    いや〜ん、こういうオレストなら大歓迎。

    9月のオペラ座のチケット販売が開始された時に
    え〜っ、クプファー演出版エレクトラの再演だ、というので
    チケットを(清水寺から転落気味で)買ったのは記憶にあるが
    チケットをプリント・アウトしてみたら
    エレクトラ、2回も行く事になっていて

    しかも、ロジェの安席(音が悪い)じゃなくて
    ギャラリーやバルコンに逃げているので
    2回とも、なんだ、このお高い席は、というチケットなんだけど

    今日のエレクトラの出来を見たら
    あ〜、あと、もう1回、このエレクトラを観られる ♡

    演出や舞台装置が、へんに出しゃばって来ないので
    音楽に集中できる、という利点は、既に書いたけれど

    ウィーン国立歌劇場管弦楽団って
    リヒャルト・シュトラウス慣れしているというか
    何故、このオーケストラは
    こういう「妖しげな」リヒャルト・シュトラウスを演奏させると
    世紀末の、あの熟した、
    腐る一歩手前の背徳的な音を出すんでしょうか。

    歌手もすごく良いけれど
    オーケストラもそれに負けないというか
    歌手の声量としゃかりきに戦っているようなところもあって
    (勝負は引き分け)
    そこらへんの有音だけど無言の絡みが実に面白かった。

    オーストリア、特にウィーンの、感染者数の増加に従い
    お隣ドイツは16日からウィーンに渡航制限を課したため

    南西ドイツ放送交響楽団とクルレンツィスのコンサートはキャンセル
    ドレスデン管弦楽団とチョン・ミョンフンのコンサートもキャンセル

    チケットを確保して楽しみにしていた私としては
    ちょっと踏んだり蹴ったりの気分だが

    ともかく、今のところ、まだ文化生活はある!
    何とか中止にならず、そのまま続いてくれるよう
    祈るばかりの私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    calendar
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    27282930   
    << September 2020 >>
    PR
    ★コンタクト・メイル★
    メイルはこちらへ
    ブログランキングに1クリックお願いします
    selected entries
    categories
    archives
    recent comment
    recommend
    links
    profile
    search this site.
    others
    mobile
    qrcode
    powered
    無料ブログ作成サービス JUGEM