ウィーン・フィル + ドゥダメル

0
    Schloss Grafenegg Wolkenturm 2020年9月3日 19時〜20時15分

    Wiener Philharmoniker
    ピアノ Rudolf Buchbinder
    指揮 Gustavo Dudamel

    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
     Ouvertüre zum Trauperspiel „Coriolan“ op. 62 (1807)
     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 G-Dur op. 58 (1805/06)
     Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 36 (1800-1802)

    とうとう9月に入って、グラーフェネック音楽祭も最後の週末となった。
    トリとして登場するのは、もちろん
    我らが誇りとするウィーン・フィルである。

    ドゥダメルの元気一杯のリハーサルが聴こえて来る庭を横切って
    今年、人混みを避けるためにバラバラに作ったウェイティング・ゾーンまで移動。
    庭で、リハーサルの音がものすごく良く聴こえるのは
    オーケストラの音量が大きいのかと思っていたけれど

    もしかしたら、お城の向こう側での
    ピクニック・エリアのスクリーンの場所で
    マイクで同時に音を流していたからかもしれない。
    (今更、それに気がつくなんて・・・(汗))

    コリオラン序曲の演奏のしょっぱなから
    うわ、ドゥダメルが
    ウィーン・フィルをガリガリ演奏させてる・・・
    そりゃ、悲劇の序曲だし、ベートーベンだし
    でも、ウィーン・フィルの弦楽器のメンバーって
    こんなにボウを深く使って
    ガリガリ(すみません語彙が足りなくて)した演奏してたっけ?

    野外音楽堂で反響がない事も影響しているけれど
    楽友協会での、あの柔らかい
    貴族的で、ある意味、余裕のある美しい緩み方とは
    全く違う音が客席に届いてくる。

    メリハリは効かせているので
    優しいフレーズでは、時々、あのウィーン・フィル特有の
    フワッとした柔らかさが出るけれど
    残響の少なさによるものかもしれないが
    筋肉質な、線の太いベートーベンになっていて
    ウィーン・フィルって、こういう音も出せたのか。

    ・・・というより
    もちろん個人的主観でしかないけれど
    今日のウィーン・フィルって

    俺たちが世界で一番のオーケストラだ!
    という、痛々しいまでのプライドが見え隠れしていて

    ああ、この人たち
    やっぱり、「世界でも有数な超一流オーケストラ」という
    タイトルのプレッシャーの中で

    ルーティンみたいに
    毎日、オペラ座で演奏して
    あちこちで金稼ぎのコンサートをやって

    時々、緩みながらも
    オーケストラというアンサンブルで
    演奏せざるを得ない
    運命の呪いに縛られた人たちなんだなぁ、と

    半分(以上)妄想かもしれないけれど
    コロナ騒ぎで数ヶ月、コンサート出来なかった後
    何回も、あの不愉快なPCR検査を受けながら
    ザルツブルクで演奏して来たメンバーの

    聴け、聴け、俺たちを聴いてくれ!という
    鬼気迫るエネルギーに、ただただ、圧倒されてしまった。

    だって、何だか舞台から観客席に伝わる
    メンバー全員の気迫がすごいんですもん。

    ブッフビンダーのベートーベンのピアノ協奏曲4番。
    通常だったら「安心して聴いていられる安定感」だし
    確かに、もう、本当にピアノもオーケストラも
    安定の名人芸なんだけど
    しかも、ブッフビンダーのベートーベンのピアノ協奏曲って
    もう今までナマで何回聴いたか、っていう感じなんだけど

    その度に、4番の透明な美しさというか
    ともかく、4番って、途中でコロコロ
    音楽の色が変わるじゃないですか。
    ベートーベンのピアノ協奏曲の中では
    ワタクシ的には、最も色彩感に溢れた曲だと思うんだけど
    本日の演奏の、色合いの透明感には唸った。

    今回は弾き振りではないので
    オーケストラは、反応抜群のドゥダメルを
    100%信用して、ピアノの音色に集中しているのがよくわかる。
    ドゥダメルもオーケストラも
    ピアノとの絡みが小気味良くて
    アンサンブルとかいう領域じゃなくて
    猫が数匹、ネコネコしながら戯れているような
    (語彙不足でごめんなさい)
    あの親密感が、ひたすら愛おしい。

    ブッフビンダーも、何回も演奏している
    慣れた曲のはずだけど
    緩みは一切なくて
    ああ、この人も、その度、その度に
    もっと素晴らしい演奏を
    もっと心に響く演奏を
    もっとベートーベンの楽譜に隠された美を
    如何にして表現するかに、心と身体を尽くしているんだろうなぁ
    ・・・と、まぁ、聴いている方の妄想に過ぎないけれど

    そういう妄想が出来るというのは
    聴衆としては、最高の贅沢ではないか。

    ベートーベンの交響曲2番。
    3番でぶっ飛ぶベートーベン以前の
    古典的な枠の中で
    化ける萌芽を含みながら
    マジメに古典的モチーフで遊ぶベートーベンって好き。

    第一楽章の繰り返しはさすがに避けたが
    (あれやると、むちゃ長くなって中だるみする)
    すっきり古典的というよりは
    ドゥダメルの元気一杯な指揮棒のもとに

    お〜い、やったるぜ
    聴け、聴け、聴け、聴いてくれ
    俺たち、超一流オーケストラだから
    お願い聴いて
    ・・・という

    普段だったら、けっ、と思っちゃうプライドなのに
    今日のコンサートは
    メンバー全員の気迫の凄さで
    ついつい聴き惚れてしまう。

    コリオランと同じように
    ダイナミックスを極限まで効かせて
    締まって、スッキリしているのに
    モダン・オーケストラの響きは充分に出ていて

    ベートーベンの交響曲って
    もう何回も何回も何回も聴いているのに
    それでも、まだ演奏される意味が
    何となくわかるような気がする。

    聴くたびに新しい発見もあるし
    楽しい、という単純な喜びもある。
    何回聴いても飽きない。

    来る時には、大きな雨雲が見えたけえど
    風もなく、天気もそのままもって
    最後は16℃まで気温は落ち込んだが
    満月の空を見ながら
    良い気分でウィーンに戻った私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    帰宅したら、ウィーン・フィルから
    定期公演に関する変更のお知らせが入って来ていて
    ウィーン・フィル定期がタイヘンな事になってしまっていて
    (要は、すべての会員チケットをいったんキャンセルして
     仕切り直しになるので
     もう定期公演という感じではなくなってしまう上
     チケットの料金が約2倍になった(涙))
    秋シーズンから、観客数を抑えるために
    どんどんコンサートのチケット代金が上がっていく。
    この分では(私も失業者だし)
    毎日のように通う、という贅沢は無理だろうなぁと思うと
    ちょっと滅入るけれど
    ・・・まぁ、何とかなるでしょう、うん。

    calendar
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    27282930   
    << September 2020 >>
    PR
    ★コンタクト・メイル★
    メイルはこちらへ
    ブログランキングに1クリックお願いします
    selected entries
    categories
    archives
    recent comment
    recommend
    links
    profile
    search this site.
    others
    mobile
    qrcode
    powered
    無料ブログ作成サービス JUGEM