ウィーン・モデルン現代音楽祭11月3日

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    WIEN MODERN 03 November 2019

    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 16:00-18:00
    Abschiedskonzert die reihe
    Ensemble die reihe
    指揮 Christian Muthspiel, HK Gruber

    Edgar Valèse: Intégrales (1923-1925)
    Anton Webern: Sechs Stücke op. 6 (1909, Fassung für Kammerorchester:
    Anton Webern, 1920)
    Friedrich Cerha: Bruchstück, geträumt WV 156 für Ensemble (2009)
    Kurt Schwertsik: 4 Kinder - Toten - Lieder op. 79b für
     Bläser und Schlagzeug (1998/2019)
    Kurt Weill: Kleine Dreigorschenmusik für Blasorchester (1928)

    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 19:30-21:00
    Schallfeld Ensemble
     パーカッション Manuel Alcaraz
     フルート Elisa Azzarà
     クラリネット Szilárd Benes
     ピアノ Maria Flavia Cerrato
     バイオリン Lorenzo Derinni
     チェロ Myriam García Fidalgo
     音響演出 Davide Gagliardi
     指揮 Leonhard Garms
     コントラバス Margarethe Maierhofer-Lischka
     ビオラ(客演)Francesca Piccioni
     サクソフォン(客演) Diego García Pliego

    Cathy van Eck: Stumme Diener für Notenständer, Kontaktmikrophone,
     kleine Lautsprecher und Live-Elektronik (2011)
    Sylvain Marty: Discreet (2018)
    Lorenzo Troiani: La fine è senza fine für Quintett (2017)
    Diana Soh: Modicum für Oboe (Saxophone), Klarinette, Schlagzeug,
     Violine, Viola, Cello und Kontrabass (2018 OEA)
    Hannes Kerschbaumer: tektono für Ensemble und Elektronik (2019 UA)

    ウィーン・モデルン現代音楽祭が始まると
    読者の数が激減して、ランキングの順位も急激に下がるのだが
    これ、個人メモだし(いつもの言い訳)
    しかも、現代音楽というジャンルは
    玉石混合で、どんなヘンなもの、いや、素晴らしいものが
    飛び出してくるのか、想像がつかないところが楽しいので
    一番書きたい分野なのだ。お許しあれ。

    アンサンブル・ディ・ライエは、1958年に
    フリードリヒ・チェルハ(当時32歳)と
    クルト・シュヴェルツィック(当時23歳)が作った
    現代音楽アンサンブル。

    現代音楽アンサンブルと言えば
    最も有名なのは、1985年にベアト・フーラーが作った
    クラングフォーラム・ウィーンだと思うけれど
    その前から、このアンサンブル・ディ・ライエはあったのか・・・

    昨今、現代音楽を演奏するアンサンブルも増えてきて
    パイオニアとしての役目は終わったという事で
    本日が最終コンサート。

    メンバーは・・・
    わはははは、どこかのオーケストラでいつも見ている人たちだ。
    61年の歴史を振り返ってという事で
    古典的な作品の演奏(ヴァレーズ、ヴェーベルン)だが
    クルト・シュヴェルツィックの新曲の初演もあった。

    いやしかし、ヴァレーズのインテグラル
    ナマで聴くと、すごい迫力。
    CDでしか聴かないし、聴く時には音量を絞ってしまうので
    ナマで演奏すると、音量の大きさにビックリする。

    以前、フルート奏者の友人に、密度21.5 を聴きたいと言ったら
    すごい高い音が出るけど大丈夫?と言われた事があるので
    これも、CDで聴くのとは、全く違った音響体験になるのだろう。
    (まだ、その野望は諦めていない。ただ、ホールが必要だし・・・)

    ヴェーベルンの曲は、自分でオーケストレーションしたもの。
    新ウィーン楽派と12音技法に関しては
    1年前に演習でやって、今学期も、たぶん、最後の頃に入ってくると思うんだけど
    ラインの組み方が本当に面白い。
    今聴いても、充分に革新的だ。

    チェルハ教授の音楽は、小さなアンサンブルでも
    音の重なりが重厚で、音色の変化に耳を奪われるし

    クルト・シュヴェルツィックは、伝統に基づいた曲を作る人で
    聴いていると、本当に「音楽」の原点みたいな感じがして
    しかも、局所にユーモアが見え隠れ(聴こえ隠れ?)していて楽しい。

    クルト・ヴァイルの三文オペラを知らない人はいないと思うので
    これについては省略。
    当時の聴衆の耳には、ものすごく新しく響いたんだろうなぁ。

    18時過ぎに、バーにて、インタビューの時間があったのだが
    マイク使っても、みんな、結構お喋りしていて、うるさい(怒)
    人が話している間は、静かに聞きましょうって
    オーストリア人は学校で教わって来なかったのね(断言)
    あまりにお喋りがうるさいので、他のロビーに移動したので
    インタビュー聞けず残念だった。
    (だいたい雑音・騒音でインタビューなんか聞こえてなかったと思う)

    19時30分からは、グラーツで結成されたアンサンブルのコンサート。
    幕間なしの1時間30分。
    プログラムと順番が変わっていて
    それもアナウンスしなかったので(チラッと言ったがよくわからなかった)
    上記の順番で合ってるかどうかは不明。

    最初に書いた Cathy van Eck の
    楽譜立てとマイクロフォン、小さなスピーカーとライブ・エレクトロニックのための
    「物言わぬ召使」(←そういうタイトルなんです)
    これは、その名の通り、楽譜立てにマイクロフォンを仕込んで
    メンバーが楽譜立てを組み立てる事で起こる雑音を
    ライブ・エレクトロニックで流すものだが

    各演奏曲の前後に、2名ないしは3名のプレイヤー(?)が
    楽譜立てを擦ったり、弦楽器のボウで「演奏」したり
    くっつけたり離したりで
    割に、ちゃんとドラマツルギーがあって
    演劇的要素があってストーリーっぽくなっていたし

    ワタシ、割に「雑音系」音楽が好きなので
    ちょっと楽しかった。(次に何するかワクワクって感じ)

    全体的なプログラムは、「物言わぬ召使」だけではなく
    「雑音」系の、楽器+ライブ・エレクトロニックス。

    16時からのアンサンブル・ディ・ライエのプログラムとは全く違って
    時の流れをつくづくと感じる。
    オーバートーンや特殊奏法を多用し
    照明にも工夫を凝らして
    雑音を、ある意味、「楽音」にして聴衆に届ける工夫は
    例えば Diana Soh の Modicum では、演劇的な要素も入っていて楽しい。
    (途中で指揮者とプレイヤーがディスカッションしたり喧嘩したりする)

    音楽と演劇の融合については
    今学期、キャシー・バーベリアンで論文を書く予定なので
    現代音楽の潮流の一つとして
    こういう Diana Soh のような作品があるのを知るのは面白い。

    Hannes Kerschbaumer の曲は初演。
    これも雑音系なので
    どこをどう取ったら「音楽」として聴こえるのか
    という問題はあるにしても
    よく考えられてコントロールされた雑音を15分ほど聴くのは
    ワタシは大好きである。

    まぁ、ああいう音なら
    全部エレクトロニクスの合成でやっても
    別に楽器使う必要もないかも・・・というのはあったけど。
    (ただ、シンセサイザーで計算するよりも
     普通の楽器で音のサンプル取ってから
     それをライブで加工する方が、音に多様性は出るかも)

    今シーズンのウィーン・モデルン現代音楽祭は
    あちこちに普通のコンサートのチケットを持っている日があるので
    あまり数はこなせず
    ゲネラル・パスを買うかどうか散々に迷ったのだが
    計算してみたら
    それでもゲネラル・パスの方が安いような気がしたので
    (驚きの130ユーロである!)
    ついつい買ってしまって
    できるだけ(ここ大事!)せっせと通う予定の私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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