ウィーン交響楽団 + ラハブ・シャニ

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月20日 19時30分〜21時40分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Lahav Shani
    バイオリン Renaud Capuçon

    >>Frühling in Wien<<
    Das TV-Osterkonzert der Wiener Symphoniker

    Paul Dukas (1865-1935)
     L’apprenti sorcier „Die Zauberlehrling“.
      Symphonische Scherzo nach Johann Wolfgang von Goethe (1897)

    Maurice Ravel (1875-1937)
     Tzigane. Rapsodie de concert für Violine und Orchester (1924)

     Daphnis et Chloé
      Fragments symphoniques, deuxième série (1913)

    Ernest Chausson (1855-1899)
     Poème op. 25 für Violine und Orchester (1896)

    Maurice Ravel
     La Valse. Poème choréographique pour orchestre (1919/20)
      Mouvement de Valse viennoise

    アンコール
    Jules Massenet: Méditation (Thaïs)
    Johann Strauß (Sohn): Frühlingsstimmenwalzer op. 410
    Johann Strauß (Sohn): Furioso-Polka op. 260

    昨日の金曜日はカール・フライタークで
    イエス・キリストが十字架上でお亡くなりになり
    よって、夜はコンサートもオペラも劇も何もない。

    本日土曜日は、ユダヤ教では安息日なので
    墓の中のイエス・キリストが
    せっせと活動停止した細胞を(たぶん)再生している(と思われる)日で
    そんな日にコンサートしちゃって良いのか・・・とは思うのだが

    まぁ、世の中、ビジネスですから(笑)
    ウィーン交響楽団の「ウィーンの春」コンサートは
    テレビ中継があるので
    舞台に花が飾られている。
    (さすがにコンツェルトハウスのホールは広いので
     ニューイヤー・コンサートの楽友協会みたいな華やかさはない)
    明日4月21日のコンサートはフィデリオでライブ
    オーストリア国営放送テレビ3番では20時15分から開始。
    カッティングした「ベスト・オブ」は22日の朝10時45分から放映予定。

    という事は、本日はゲネプロかい(笑)→ テレビ・カメラは入っている。
    しかも、このコンサートのチケット
    最貧民席で40ユーロを越えるという強気設定。
    同じ日に国立オペラ座でバレエがあったので
    そっちの方がコスト的には助かったかも。
    (しかも今日のキャスト、ちょっと涎モノだったのだ、くっ・・・)

    まぁ、買っちゃったものは仕方ない(苦笑)
    しかも、ウィーンらしからぬ、フランス一色プログラムで
    ポール・デュカスの「魔法使いの弟子」
    ラヴェルの「ツィガーヌ」に「ダフニスとクロエ」
    休憩の後はショーソンの「詩曲」
    最後にラヴェルの「ラ・ヴァルス」

    ・・・こんなプログラム構成、誰も反対しなかったんかい?!

    いや、オーケストラの色彩という意味では
    徹底的に楽しめる構成ではある (^^)
    有名曲ばっかりだし。

    デュカスの魔法使いの弟子は
    木管のソロの楽しさが爆発する。
    かなり解像度を上げて
    こういう曲を、解像度を上げると
    コンツェルトハウスのホールの音響にはぴったりハマる。

    ラヴェルのツィガーヌはルノー・カピュソンが登場。
    名人芸の最初の長いソロが素晴らしい。

    コンサート・マスター、ソロの間、目を瞑っていたのは
    聴き惚れていたのか、居眠りしていたのかわからないが。

    ラヴェルという作曲家、本当に引き出しが多い。
    エキゾチックな曲を書いても
    ジプシー音楽を、しっかり自分の枠内に取り込んで
    しかも冒険的な試みも多くて、ホントにワケわからん作曲家だ。

    続いてラヴェルのダフニスとクロエ第2組曲。
    あれは出だしが非常に難しいのだが

    シャニは徹底的に分析的に出して来た。
    オーケストラの色彩感というよりは
    緻密に編まれた、音の絨毯の一つ一つの糸を提示してくる感じ。
    ラヴェルのスコアを、とことん解剖して
    パーツに分けて、それをまた精密に編み込んだ印象。

    その分、あまり、いや、全然、色気がない。
    分析的・理論的アプローチであって
    時々、すごく元気良くボリュームを上げるんだけど
    リズムが時々、跳ね上がってしまって
    クロエは、そんな元気なキャピキャピ女子じゃないわい
    ・・・というのは、私の偏見だが

    まぁ、若いカップルの話なので
    元気が良いのは良い事だ(ってワケわかりませんが)

    調子良く終わる曲なので
    聴衆もノリノリで幕間に行く。こういう構成、好きだな。

    ショーソンの「詩曲」については
    私は不勉強なので何も言わない。
    (ショーソン、なかなか私には響いて来なくて
     愛と海の詩だけは聴き込んだ事があるけれど
     どうも、ちょっと苦手)
    カピュソンのバイオリンはよく響くし美しい。

    さて、ここでカピュソンのアンコール・・・と思ったら
    シャニも指揮台に乗って
    演奏されたのがタイスの瞑想曲って
    正に名曲アワーではないか。

    しかし、やっぱりフル・オーケストラで聴いてみると
    (ほとんどの部分が弦で、第一バイオリンのパートは
     カピュソンがソロで弾いている感じだが)
    名曲ではあるなぁ。

    最後はラヴェルの問題作「ラ・ヴァルス」
    ウインナー・ワルツ・・・ではあるのだろうが
    まるで死の舞踏だし
    アポテーゼなのかアンチテーゼなのか
    いつもわからなくなってしまう曲。

    多少大きめのボリュームで
    やはりパート同士の解像度が抜群に良い。
    良すぎて、オーケストラの音のミックスによる色彩感には
    多少欠けるような気がするし
    時々、リズムを叩きつけるような感じで振るので
    エネルギッシュではあるけれど
    またもや、ワルツを踊っている人がジャンプしているような感じ。

    ほとんどタメがなくて
    (これはダフニスとクロエの時も)
    音楽の流れとしては中断せずに続いていく感じはするが
    あまりワルツっぽくないし
    中間の、あの蕩けるような甘いメロディも
    比較的分析的に冷静に響く。

    しかしウィーン交響楽団の木管と金管って優秀だなぁ。
    新人メンバーも結構いたが、すごく巧かった。

    それに比べ耳鳴りのような(以下省略)

    これで終わりかと思ったら
    シャニが指揮台に立って

    おおおおおおおっ
    ヨハン・シュトラウス2世の「春の声」とは・・・
    「春のコンサート」と銘打っているから
    これは納得できる選択なのだが

    何故、そんなにズレまくるんですかっ!!!(涙)

    ド・シロートの根拠ない憶測としては
    ウィーンっぽくウィーンのオーケストラっぽく
    弾きなれたタイミングで弾いちゃったプレイヤーと
    指揮者の意図とアインザッツをしっかり守ろうとしたメンバーで
    あれ、という部分が・・・

    いや、これ、絶対に明日のライブ放送の時には治ってるから。

    こういう、ちょっとズレたワルツって
    まぁ、ウィーンらしい、と言えば
    こんなにウィーンらしい緩さも、滅多にコンサートでは聴けないので
    その意味、貴重だったかも(でもやっぱりあれだけズレると気持ち悪い)

    それで終わりかと思っていたら
    最後にド派手なポルカを一発噛ませて(笑)
    元気なシャニには結構楽しかったんじゃないだろうか、この曲。

    チケット高かったけど
    舞台の花代?かもしれないし

    イースター休暇時期に仕事しなければならない
    オーケストラ・メンバーの割増料金だったかもしれないし
    (そういうモノがあるのかは私は知らない)

    テレビで放映して下さい、と
    オーケストラがテレビ局に袖の下を払った・・・とは思えないし

    ルノー・カピュソンのギャラが高かったからなのか
    あるいは、コンツェルトハウスが
    観光客狙いで、このチケット料金でも
    観光客が買うだろうという(年末・年始の第九と同じ)目論見だったのか

    割にギャラリーの貧民席は空いていたので
    高いチケットの方が売れたのかなぁ、と
    無駄な事をついつい考えてしまう私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    土曜日なので買い物に行ったのだが
    気温は25度まで上がり
    夜のコンサート終了後も20度くらいで
    コートをクロークに預けなくて済んだ。
    これで1ユーロ50セント得した・・・って
    どこまでケチや(セルフツッコミ)

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