Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
2019年4月17日 19時30分〜21時45分
FORSYTHE / VAN MANEN / KYLIÁN
ARTIFACT SUITE
振付・舞台・衣装・照明 William Forsythe
音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo Nr. 2 d-Moll BWV 2004
Chaconne; Eva Crossman-Hecht
ダンサー
Nikisha Fogo - Jakob Feyferlik
Nina Polákova - Roman Lazik
Oxana Kiyanenko
Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butschko, Laura Cislaghi,
Venessza Csonka, Sveva Garguilo, Gala Jovanovic, Zsófia Laczkó,
Ester Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee, Katharina Miffek,
Suzan Opperman, Xi Qu, Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman,
Rikako Shibamoto, Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
Céline Janou Weder, Beata Wiedner, Madisson Young
Nicola Barbarossa, Leonardo Basílio, Giovanni Cusin, Marat Davletshin,
Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Trevor Hayden, Scott McKenzie,
Igor Milos, Hanno Opperman, Tristan Ridel, Gaetana Signorelli,
James Stephens, Navrin Turnbull, Arne Vandervelde, Géraud Wielick
TROIS GNOSSIENNES
振付・舞台・衣装 Hans van Manen
音楽 Erik Satie
衣装 Oliver Haller
照明 Jan Hofstra
ピアノ Laurence Lisovich
ダンサー Maria Yakovleva - Jakob Feyferlik
Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Hanno Opperman
SOLO
振付 Hans van Manen
音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo h-Moll BWV 1002,
Corrente - Double
舞台・衣装 Keso Dekker
照明 Joop Gaboort
ダンサー Denys Cherevychko, Richard Szabó, Géraud Wielick
PSALMENSYMPHONIE
振付・照明コンセプト Jiří Kylián
音楽 Igor Strawinski
舞台 William Katz
衣装 Joop Stokvis
ダンサー
1. Paar: Ketevan Papava - Roman Lazik
2. Paar: Nikisha Fogo - Denys Cherevychko
3. Paar: Kiyoka Hashimoto - Davide Dato
4. Paar: Nina Polákova - James Stephens
5. Paar: Nina Tonoli - Navrin Turnbull
6. Paar: Rikako Shibamoto - Leonardo Basílio
7. Paar: Anita Manolova - Marian Furnica
8. Paar: Gala Jovanovic - Tristan Ridel
現代の音楽好きの学生ならば
小学校高学年から中学校に入るくらいの時期に
みんなシンセサイザーで遊んでいた筈で
生まれて初めてシンセサイザー・プログラミングを見た
60歳過ぎのババアなんて
もう、どうしようもない存在だと思うのだが
世代が違う私の父は
60歳で引退してからコンピュータ学校に行って
(まだプログラムが MS DOS だった頃の話!)
一時期送られて来ていた手紙が(当時はメールはなかった、航空便のみ)
DOS が、サイン、コサイン、タンジェントが・・・という
30年前の私には、さっぱりわからない内容だった事を考えると
ウチの父方の家系には
引退したらヘンな事を始めるという血が流れているのかもしれない。
シンセサイザーで頭が一杯になったら
久し振りに偏頭痛が復活して
吐き気はするわ、空欠伸は出るわ、気持ち悪くて
オペラ座まで行くのもしんどい状態だったのに
やっぱり足はオペラ座に向いてしまう私も、業が深い・・・
モダン・バレエにもかかわらず
客の入りは悪くない。
プロモーション・クリップが出たので貼っておく。
2回目の鑑賞だが
最初のフォーサイスの作品
初めて見た時には、記号的、象徴的で混乱したのだが
2回目に見ると、この作品、すごく好きかも。
最初のバッハの無伴奏バイオリン組曲で
カップルが中心になるシーンよりも
後半のピアノのバリエーションでの
ソリストやハーフ・ソリスト、コールドが踊る部分が、とても好き。
私のいつも買う超貧民席からだと
視線が上からになるので、全体の動きの鮮やかさがよくわかる。
ほとんど機械的なダンサーの動きで語られる抽象的な物語は
キリアーンの作品とはまた違う別世界へ観衆を誘う。
とは言え、これ、バレエ鑑賞の初心者には
結構、難しい作品かもしれないなぁ。
ロジェの貧民席の人たちは
チケットが安いせいもあるけれど、途中で退席する人も多い。
本当に不思議な作品なのである。
機械仕掛けの人形みたいなところもあって
こういう仕掛けのミニチュアあったら、絶対に買う、とか
ついつい、けしからん事を妄想してしまう。
群舞の中でも、何人かのまとまったソロがあって
マディソンの目立つ事・・・
いや、群舞の統一感には全く影響はないのだけれど
一つ一つのパの動きが鮮やかで
背中の表情が、見事な語りかけをして来るし
一緒に踊っている他のダンサーから
ほとんど浮き上がって見えるくらいの素晴らしさ。
幕間の後のマネンの作品の
ヤコブとマーシャの写真は
プログラムの表紙にもなっているし
遅ればせながら、大きな写真でのプロモーションを
やっと市内で発見。
サティの音楽で語られるバレエの動きの美しさ。
透明感に、クラシック・モダンが息づいている。
こういうものを踊れるダンサーが居るって、素晴らしい。
でも私が好きなのは
次の「ソロ」という作品。
3人のダンサー(デニス、リッチー、ジェロー)が繰り広げる
贅沢なソロの世界は
それぞれのダンサーの持ち味が出ていて
ちょっと笑える。
妄想的には
デニスがお取引先の、甘やかされた二代目若社長で
リッチーが、取引している会社の課長で
ジェローがリッチーの会社の、おっちょこちょいの新人社員
・・・っていう感じ(すみません)
デニスのポーズの決まり方の美しさ
ジェローの流れるような早いパの、素早いユーモアに満ちたしぐさ
リッチーの弾むような動き
それぞれのタイプの動きをしながらも
3人が分断しているソロが、一体感を持ってソロとして成り立つと同時に
多様な3つのソロをも成立させている、という見事な作品。
これ、確かヌレエフ・ガラで一度やったんだよね・・・
あの時は木本クンがダンサーの1人だった。
今回は木本クンが出られなくて残念。
最後のイジー・キリアーンの作品は
この間も書いたけれど
宗教曲を使っている、という要素はあるにせよ
本当に、ものすごく神聖なものが
舞台に降り立っているような気分になる。
畏怖さえ引き起こす、あの美しさは何なんでしょうね。
最後のラウダチオの音楽とバレエが一体化した美しさは
神聖、という言葉以外で表現するすべを私は持たない。
これこそ言語化できない
表現芸術そのものなのだろうなあ。
ダンサーの皆さま
ご自分で自覚あるかどうかは
見ている方からはわからないけれど
あなた方の創り出している世界は
何ものにも代えがたい
とことん神聖な印象を
我々、見ている者に与えます。
この素晴らしい作品を
全身で体現してくれたダンサーたちに感謝しつつ
やっと効いてきた薬にも感謝しつつ
ちょっとフラフラで帰宅した私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
2019年4月17日 19時30分〜21時45分
FORSYTHE / VAN MANEN / KYLIÁN
ARTIFACT SUITE
振付・舞台・衣装・照明 William Forsythe
音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo Nr. 2 d-Moll BWV 2004
Chaconne; Eva Crossman-Hecht
ダンサー
Nikisha Fogo - Jakob Feyferlik
Nina Polákova - Roman Lazik
Oxana Kiyanenko
Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butschko, Laura Cislaghi,
Venessza Csonka, Sveva Garguilo, Gala Jovanovic, Zsófia Laczkó,
Ester Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee, Katharina Miffek,
Suzan Opperman, Xi Qu, Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman,
Rikako Shibamoto, Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
Céline Janou Weder, Beata Wiedner, Madisson Young
Nicola Barbarossa, Leonardo Basílio, Giovanni Cusin, Marat Davletshin,
Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Trevor Hayden, Scott McKenzie,
Igor Milos, Hanno Opperman, Tristan Ridel, Gaetana Signorelli,
James Stephens, Navrin Turnbull, Arne Vandervelde, Géraud Wielick
TROIS GNOSSIENNES
振付・舞台・衣装 Hans van Manen
音楽 Erik Satie
衣装 Oliver Haller
照明 Jan Hofstra
ピアノ Laurence Lisovich
ダンサー Maria Yakovleva - Jakob Feyferlik
Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Hanno Opperman
SOLO
振付 Hans van Manen
音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo h-Moll BWV 1002,
Corrente - Double
舞台・衣装 Keso Dekker
照明 Joop Gaboort
ダンサー Denys Cherevychko, Richard Szabó, Géraud Wielick
PSALMENSYMPHONIE
振付・照明コンセプト Jiří Kylián
音楽 Igor Strawinski
舞台 William Katz
衣装 Joop Stokvis
ダンサー
1. Paar: Ketevan Papava - Roman Lazik
2. Paar: Nikisha Fogo - Denys Cherevychko
3. Paar: Kiyoka Hashimoto - Davide Dato
4. Paar: Nina Polákova - James Stephens
5. Paar: Nina Tonoli - Navrin Turnbull
6. Paar: Rikako Shibamoto - Leonardo Basílio
7. Paar: Anita Manolova - Marian Furnica
8. Paar: Gala Jovanovic - Tristan Ridel
現代の音楽好きの学生ならば
小学校高学年から中学校に入るくらいの時期に
みんなシンセサイザーで遊んでいた筈で
生まれて初めてシンセサイザー・プログラミングを見た
60歳過ぎのババアなんて
もう、どうしようもない存在だと思うのだが
世代が違う私の父は
60歳で引退してからコンピュータ学校に行って
(まだプログラムが MS DOS だった頃の話!)
一時期送られて来ていた手紙が(当時はメールはなかった、航空便のみ)
DOS が、サイン、コサイン、タンジェントが・・・という
30年前の私には、さっぱりわからない内容だった事を考えると
ウチの父方の家系には
引退したらヘンな事を始めるという血が流れているのかもしれない。
シンセサイザーで頭が一杯になったら
久し振りに偏頭痛が復活して
吐き気はするわ、空欠伸は出るわ、気持ち悪くて
オペラ座まで行くのもしんどい状態だったのに
やっぱり足はオペラ座に向いてしまう私も、業が深い・・・
モダン・バレエにもかかわらず
客の入りは悪くない。
プロモーション・クリップが出たので貼っておく。
2回目の鑑賞だが
最初のフォーサイスの作品
初めて見た時には、記号的、象徴的で混乱したのだが
2回目に見ると、この作品、すごく好きかも。
最初のバッハの無伴奏バイオリン組曲で
カップルが中心になるシーンよりも
後半のピアノのバリエーションでの
ソリストやハーフ・ソリスト、コールドが踊る部分が、とても好き。
私のいつも買う超貧民席からだと
視線が上からになるので、全体の動きの鮮やかさがよくわかる。
ほとんど機械的なダンサーの動きで語られる抽象的な物語は
キリアーンの作品とはまた違う別世界へ観衆を誘う。
とは言え、これ、バレエ鑑賞の初心者には
結構、難しい作品かもしれないなぁ。
ロジェの貧民席の人たちは
チケットが安いせいもあるけれど、途中で退席する人も多い。
本当に不思議な作品なのである。
機械仕掛けの人形みたいなところもあって
こういう仕掛けのミニチュアあったら、絶対に買う、とか
ついつい、けしからん事を妄想してしまう。
群舞の中でも、何人かのまとまったソロがあって
マディソンの目立つ事・・・
いや、群舞の統一感には全く影響はないのだけれど
一つ一つのパの動きが鮮やかで
背中の表情が、見事な語りかけをして来るし
一緒に踊っている他のダンサーから
ほとんど浮き上がって見えるくらいの素晴らしさ。
幕間の後のマネンの作品の
ヤコブとマーシャの写真は
プログラムの表紙にもなっているし
遅ればせながら、大きな写真でのプロモーションを
やっと市内で発見。
サティの音楽で語られるバレエの動きの美しさ。
透明感に、クラシック・モダンが息づいている。
こういうものを踊れるダンサーが居るって、素晴らしい。
でも私が好きなのは
次の「ソロ」という作品。
3人のダンサー(デニス、リッチー、ジェロー)が繰り広げる
贅沢なソロの世界は
それぞれのダンサーの持ち味が出ていて
ちょっと笑える。
妄想的には
デニスがお取引先の、甘やかされた二代目若社長で
リッチーが、取引している会社の課長で
ジェローがリッチーの会社の、おっちょこちょいの新人社員
・・・っていう感じ(すみません)
デニスのポーズの決まり方の美しさ
ジェローの流れるような早いパの、素早いユーモアに満ちたしぐさ
リッチーの弾むような動き
それぞれのタイプの動きをしながらも
3人が分断しているソロが、一体感を持ってソロとして成り立つと同時に
多様な3つのソロをも成立させている、という見事な作品。
これ、確かヌレエフ・ガラで一度やったんだよね・・・
あの時は木本クンがダンサーの1人だった。
今回は木本クンが出られなくて残念。
最後のイジー・キリアーンの作品は
この間も書いたけれど
宗教曲を使っている、という要素はあるにせよ
本当に、ものすごく神聖なものが
舞台に降り立っているような気分になる。
畏怖さえ引き起こす、あの美しさは何なんでしょうね。
最後のラウダチオの音楽とバレエが一体化した美しさは
神聖、という言葉以外で表現するすべを私は持たない。
これこそ言語化できない
表現芸術そのものなのだろうなあ。
ダンサーの皆さま
ご自分で自覚あるかどうかは
見ている方からはわからないけれど
あなた方の創り出している世界は
何ものにも代えがたい
とことん神聖な印象を
我々、見ている者に与えます。
この素晴らしい作品を
全身で体現してくれたダンサーたちに感謝しつつ
やっと効いてきた薬にも感謝しつつ
ちょっとフラフラで帰宅した私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。