マルカンドレ・アムラン ピアノ・リサイタル

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    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2017年6月22日 19時30分〜21時30分

    ピアノ Marc-André Hamelin

    Joseph Haydn (1732-1809)
     Sonate C-Dur Hob. XVI/48 (ca. 1789)
    Samuel Feinberg (1890-1962)
     Sonate Nr. 2 op. 2 (1915)
     Sonate Nr. 1 op. 1 (1915)
    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
     Sonate f-moll op. 57 “Appassionata”
    Franz Liszt (1811-1886)
     Nuages gris S 199 (1881)
     Sonate h-moll S 178 (1852-53)

    マルカンドレ・アムランというカナダ出身のピアニストは
    日本ではかなり有名らしいが
    こちらではマスコミに大々的に取り上げられる事もなく
    比較的知られていない。

    ・・・というより
    日本で大騒ぎされたのは
    昨年のショパン・コンクールで2位になった
    シャルル・リシャール・アムランだったのかしら。

    まぁ、別にどうでも良いけど(笑+開き直り)

    ミーハーな私は
    日本でそんなに人気なのか、と
    普段行かないピアノ・リサイタルに足を運んだ。

    ハイドンのピアノ・ソナタ。
    第一楽章は技術的には簡単な感じだが
    これを徹底的に音に拘って、丁寧に丁寧に弾いているのを聴くと

    今、ポピュラー・ピアノで BGM で演奏されるような曲が
    100年後には、こんなに
    「楽譜に忠実で神経質そうに音の一つ一つに拘って」
    弾かれるようになるんだろうか、という妄想がふつふつと湧いて来る。

    第二楽章は結構な超絶技巧で、すごい速さで
    楽しく弾いてくれたから
    あぁ、当時もピアノ(いやピアノはなかっただろうが)が巧い人が
    きっと、ほら見ろ、ほら聴け、うっしっし、すごいだろ
    ・・・とは言わなかっただろうが
    そういう感じで弾いていたのかなぁ。

    次の曲の作曲家、サムイル・フェインベルクって
    勉強不足で知らなかったが
    ロシア(当時はソビエト連邦)のピアニストで作曲家だそうで

    この初期のピアノ・ソナタ
    ロマン派の香りがして超絶技巧で
    ピアノの音の重なりがちょっとスクリャービン風で
    さっきのハイドンと全く違った響き。

    こういうロマン派の音楽の方が
    このピアニストには合っているような気がする。
    すごく活き活きした美しいピアノの和声がホールに響いて来る。

    ベートーベンの「熱情」ソナタだけど
    実はこの間、ウィーンで行われた
    ベートーベン・ピアノ・コンクールの課題曲で
    インターネットの配信があったので
    結構、それで聴いてて、ちょっと今、食傷気味で・・・
    (すみません)

    でも私が楽しみにしていたのは
    後半のフランツ・リストである。

    最初の Nuages Gris は5分ほどの作品。
    ご存知の通り、晩年のピアノ・スケッチ。

    ・・・これ、とんでもない曲じゃん (・_・;

    ほとんど無調で、まるで現代曲。
    あまりにぶっ飛びすぎ。
    これ、ホントに1881年の作品???

    こういう曲を聴いてしまうと
    リストって、作曲家として天才だったんだなぁ、と
    しみじみ思う。
    ド派手な曲はよく演奏されるけれど
    (愛の夢3番とか(笑))
    実はリストの巡礼の年なんか、私、ものすごく好き。

    さてぶっ飛んだ曲に続けてロ短調ソナタに突入。
    ロ短調ソナタは、ああいう出だしなので違和感はない。

    で、これが、これが、これが・・・
    すごくすご〜く良かったのだ(感涙)

    実に不思議な曲で
    感情任せの超絶技巧の部分があるかと思うと
    それこそ、クルタークのお得意とする
    「一音に世界を見る」という部分もあって

    こういう曲って
    ある程度、人生を味わって来た年配の方が
    楽しめるような気がする(独断です)

    アムランのピアノは決して乱暴にならない。
    (ピアニストによっては時々、叩きつけるような印象になる)
    体幹がほとんど動かず
    柔らかい肘と手首だけで
    とんでもない色彩をホール全体に弾けさせる。

    ペダルは多様するけれど
    音がクリアで、音響に色彩感があって
    派手な「聴かせる」部分では
    乱暴ではないのに激しく
    歌う部分は充分に歌わせて
    低音の一音・一音が深くて静寂を漂わせている。

    酸いも甘いも嚙み分けた・・・って感じ。
    ああいう「味」は
    やっぱりある程度の年齢にならないと
    (弾いている方も聴いている方も)
    出て来ないような気がする。

    あまりピアノ・リサイタルに行かない私は
    このリストのソナタも、多分、ナマでは初聴きだと思うが
    CD とかで聴くのと全く印象が違う。

    小ホールで親密な空間で
    緊張感持って集中して聴くって気持ち良いなぁ。
    (まぁ、あの静寂の中でプログラム捲ったり(響くんですこれが)
     身体の位置を変えて(足を組むとか・・・そのタイミングでやるか?(怒))
     椅子をギシギシというのも多少はあったけれど
     楽友協会に比べたら、遥かにマシ)

    実は今日は、ちょっとタイヘンな事があって
    (仕事の話ではありません(笑))
    ちょっと凹んでいたのだけれど
    このロ短調ソナタで
    精神的落ち込みからは即立ち直った
    単純な私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    コンサート終わった後も、まだ33℃。
    湿気が30%くらいなので、そんなに感じないが。

    それよりも最近、ウィーン市の道路事情が最悪で
    まだ休みが始まっていないのに道路工事が始まったりしているので
    交通渋滞が半端じゃなくスゴイ。
    本日、会社に行くのに、普通は30分のところを1時間半かかったわよ(怒)

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