ウィーン交響楽団 + リオネル・ブランギエ2回目

0
    日曜日も、時間はちょっと違うけれど
    全く同じダブルヘッダーです。
    時系列に読みたい方は こちら からどうぞ。

    下は夜のコンサートの印象記です。

    Musikverein Großer Saal 2017年6月11日 19時30分〜21時20分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Lionel Bringuier
    バイオリン Arabella Steinbacher

    Sergej Prokofjew (18910-1953)
     Konzert für Violine und Orchester Nr. 2 g-Moll, op. 63
    Antonïn Dvořák (1841-1904)
     Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 “Aus der Neuen Welt”

    はい、前言撤回。
    シロウトだから、何でも言えるんです。
    読者の皆さま、よって、こういう人を信用しちゃいけませんよ(笑)

    プロコフィエフはまずは置いておいて
    後半のドボルザークの「新世界から」

    2回目をしっかり聴いてみると
    いや、このブランギエという指揮者も
    かなりあざとい。

    第1テーマを、ものすご〜くゆっくりしたテンポで
    ひたすら歌わせるのである。

    いや〜、金管、お疲れさまです。
    トロンボーンもホルンも、トランペットも
    あの速度で吹くのは
    普段の3倍くらいの肺活量が必要だったに違いない。

    もう見事に遅いテンポが徹底的に遅い。
    それでもメロディの失速のギリギリで抑えてはいて
    極端に長いボーゲンが、ちゃんとまとまって聴こえるのはすごい。

    最初の金管の続けてミスにはちょっとムッとしたけれど(笑)
    そこらへん、やっぱりウィーン交響楽団だって
    プロの矜持があるから
    その後は、しっかりとどでかい音量で演奏してくれた。
    ・・・しかも、あのとんでもなく鈍いテンポで。

    もちろん、遅いテンポだけでは
    歌はあるけれどダレるから
    アッチェルランドもすごくて
    時々、細かいところが潰れそうな位の
    今度はむちゃくちゃ速いテンポでブンブン押し捲る。

    だから全体が、やっぱり見事にドラマチックになっていて
    まぁ、昨日はティーレマンの
    あまりにドラマチックなブラームスの陰で霞んだものの
    数時間後にこのドボルザークを聴いちゃうと
    尋常でないドラマチックな演奏である事が見えてくる。

    いや、こいつ、まだ30歳で、このあざとさかよ(褒めてます)
    かなり癖があって
    最終楽章の木管のメロディなんか
    普通とは全く違う印象で響かせていたし
    その意味では、この人も一種の天才ではある。

    ここまでドラマチックに
    しかも熱っぽく(小型ティーレマン?)演奏されちゃうと
    ドボルザークがアメリカの土地を新世界として
    希望に満ちた交響曲を書いたとか言うのは
    全然信じられなくなってしまって
    どちらかと言うと
    全世界の破滅の後に、最後の木管が長く音を引いて
    ・・・そして誰もいなくなった

    という妄想を掻き立てる。
    まぁ、良し悪しは別として(笑)

    しかしウィーン交響楽団の音って
    芯があるなぁ。
    コンサート専門軍団だからかもしれないが
    どのホールで演奏しても、音が不要に拡散しないのだ。

    あの楽友協会の恐るべき残響の長さにも
    ウィーン交響楽団の音は、しっかりと鋭く響く。

    それから(すごく失礼なんだけど)
    何だか最近、このオーケストラの弦って
    むちゃくちゃ良くなってない???

    以前は、管楽器は優秀だけど
    弦がちょっと弱いという印象があったのに
    最近、弦の音がすごく良い。

    今回も第2楽章の弦の入ってくる時の美しさ
    手触りの柔らかさにゾクゾクして鳥肌がたった。
    低弦もしっかり響くし
    バイオリンの音があそこまで充実してくると
    実に聴きごたえのあるオーケストラだ。

    プロコフィエフのバイオリン協奏曲2番は
    昨日と同じ印象が強い。
    プロコフィエフの薄めのオーケストレーションに
    伸び伸びと素直に乗ってくるバイオリンの爽やかな音 ♡

    アラベラ・シュタインバッハーのバイオリンの音って
    本当に癖がなくて、素直で伸び伸びしていて気持ちが良い。
    他のバイオリニストと比べると
    ヒラリー・ハーン的系統なんだけど
    ヒラリー・ハーンのあの透徹した美しさというより
    もう少し庶民寄りの感じ(褒めてます)

    アンコールに、ふん、やっぱりバッハかと思ったら
    バッハと思わせて違ってたし
    (後でサイトにアップされたら追記します。
     ディアス・イラエのモチーフがダブル・ボーゲンで
     ガリガリ演奏されちゃう割に有名な曲だと思う)

    昨日より観客のマナーはかなり落ちたけれど
    (ピアニッシモのところで後ろで盛大に鼻をかまれたりするとね・・・)
    プロコフィエフもドボルザークも名曲だし
    (第2楽章の例のメロディが始まると
     あちこちで囁きが聞こえたんだけど
     あれは、知ったかぶり人口が多かったんだろうなぁ(笑))
    充実した2時間だった。

    引退してしまうと(仕事はあるけど(苦笑))
    曜日の感覚が変になって来るのだが
    (だいたい、私の持ってるエージェントさん
     土曜日・日曜日にもオフィス開いてるから
     曜日にかまわずメール入って来るし)
    明日は月曜日、ちょっと仕事があるから
    早起きしなきゃ、というヘンな私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    ウィーン・フィル + ティーレマン3回目(楽友協会)

    0
      Musikverein Großer Saal 2017年6月11日 11時〜13時

      Wiener Philharmoniker
      指揮 Christian Thielemann
      フルート Dieter Flury

      Johannes Brahms (1833-1897)
       Akademische Festouverture op. 80 (1881)
      Jörg Widmann (*1973)
       Flûte en suite (2011)
      Johannes Brahms
       Symphonie Nr. 4 e-moll op. 98 (1884-85)

      青空がいっぱいに広がった父の日の
      午前11時から楽友協会でウィーン・フィルの定期。
      常連さんの欠席も多いし
      余りチケットを掲げて入り口に立っている人もちらほら。

      ティーレマンだよ?
      昔はチケット探しはあっても、余りチケットなんかなかったわ。

      大学祝典序曲だけど
      これ、ドイツの学生歌のミックスじゃないですか。

      学生歌と言えば
      イメージとしては
      日本の旧制高等学校で
      高下駄履いて
      何ヶ月も洗濯してないようなマントを羽織って
      フロイライン、アイン・ツヴァイ・ドライ!
      とか喚いている感じなんだけど

      この大学祝典序曲
      ティーレマンの情熱的な指揮にもかかわらず
      時々、ものすご〜く上品で優雅になる。

      バンカラってなぁに?という
      強いて言えば、トーマの心臓とかオルフォイスの窓とか
      ああ、そうなのか、あのイメージなのね。

      大いに誤解があるけれど
      これは私の脳内妄想ですので、反論は却下(笑)

      最初で大いに妄想していたら
      フルート協奏曲で、ますます妄想に拍車がかかって

      最初のフルート・ソロと
      それに絡まるオーケストラの木管が
      お城の塔の上で、風に吹かれながら
      物憂げに立っている王子さま。

      次の曲の下降音階で、階段降りて来て
      次の曲で湖に行って、木々の騒めきを聞き
      嵐が来そうなので洞窟に入って
      洞窟から出て来たら、好みの王女さまがいて

      最後はお城から人がワラワラ出てきて、おめでとう

      ・・・バレエの白鳥の湖の見過ぎだろっ(汗)

      (でも、本当にそう聴こえるんです、この曲。
       最初から最後までのイメージ喚起力が強くて
       最後のお城からワラワラ(ブランデンブルク協奏曲)の前には
       ちゃんと最初の物憂げな王子さまの再現部まであるんだもん)

      現代曲ですからね
      どんな妄想しようが自己責任 いや 勝手だし(笑)

      さて、後半はティーレマン印のワーグナー風味ブラームス。

      いやもう、昨日に輪をかけてティーレマン節が炸裂。
      すごい音量で、タメるはテヌートするわ
      とか思うと突然アッチェルランドになるし

      とことん感情的で劇的で
      ブラームスに我々が持っているような
      抑制のある理性的な諦観とか言うのが一切ない。

      上品で優雅なウィーン・フィルには
      ちょっと可哀想だったけれど
      それでも3回目ともなると
      ティーレマン節がしっかり身について
      第二楽章の低弦が入ってくるところなんか
      ゾクゾクするほど美しかった。
      (ティーレマンが指揮台で一瞬、ニヤッとした)

      第二楽章の遅いテンポのタメタメで歌わせたところ
      むちゃシツコイんだけど、確かにこれは他の指揮者はやらない。

      この指揮者のふてぶてしい開き直り感って
      ある意味、素晴らしい。

      いや、他の指揮者だって
      感情任せ、というタイプは結構居るじゃないですか。
      私の大好きな指揮者の中にも
      アントニオ・パッパーノとかテオドール・クルレンツィスとか
      あの人たちも、ある意味、完全に開き直って
      自分の好きな音楽を好きなように演奏して何が悪い
      というところがあるわけで

      もちろん、それがなかったら
      指揮者なんかにはならないだろう。

      同じような感じなのに
      何故、パッパーノとかクルレンツィスは好きで
      ティーレマンには(いまだに)ちょっと反発しちゃうんだろう
      ・・・と、自分の心理の奥底を探ってみると

      まぁ、ティーレマンが指揮台の上でもどこでも
      踏ん反り返って偉そうにしているというのはともかくとして
      (個人的には存じ上げませんし、存じあげる気もないから別に良いけど)

      正直言っちゃうと、実はちょっと羨ましい(笑)
      羨ましいという事は
      あいつは堂々とあんな事をしているが
      実は私もしたい!!!というのの裏返し。

      社会の中で揉まれて
      妥協する事も
      感情を抑え込んで理性で対処する事も
      たぶん、学ばされて来たと思うのだが

      そういう社会的強制がなかったら
      自分も、実は激情型人間なのかもしれない。

      社会的制約が退社して少なくなった今
      もしかしたら、私も本当はああなりたかった
      ・・・と思っているのかも(汗)

      本当は激情型の踏ん反り返った開き直りの独断人間の私は
      怒らせたらコワイかも(いやいやいや)

      指揮者に照らして自分の心理を探ってみて
      自分で自分が怖くなった私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      ティーレマン命のファンの皆さま、ごめんなさい。
      ファンになれる方々は、たぶん、暗い欲望とか抑えきれない激情とかのない
      とても素直な素晴らしい性格だと思う
      (知り合いにも数人居るけど、みんな良い人ばかり)

      で、私の隠された激情を何処で発散するか・・・と考えると
      あれ???? (ツッコミ却下)

      ティーレマン印のブラームスを聴きたい方
      オーストリア国営ラジオ放送1番のオン・デマンドで
      1週間は聴けるようになってると思います。

      calendar
          123
      45678910
      11121314151617
      18192021222324
      252627282930 
      << June 2017 >>
      PR
      ★コンタクト・メイル★
      メイルはこちらへ
      ブログランキングに1クリックお願いします
      selected entries
      categories
      archives
      recent comment
      recommend
      links
      profile
      search this site.
      others
      mobile
      qrcode
      powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM