ウィーン交響楽団 + リオネル・ブランギエ1回目

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    土曜日のダブルヘッダー。
    時系列で読みたい方は こちら からどうぞ。
    下は夜のコンサートの印象記です。

    Musikverein Großer Saal 2017年6月10日 19時30分〜21時30分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Lionel Bringuier
    バイオリン Arabella Steinbacher

    Sergej Prokofjew (18910-1953)
     Konzert für Violine und Orchester Nr. 2 g-Moll, op. 63
    Antonïn Dvořák (1841-1904)
     Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 “Aus der Neuen Welt”

    同じコンサート・ホールの
    ほぼ同じような席で、夜はウィーン交響楽団のコンサート。

    当初はカヴァコスがソリストの予定だったのだが
    ご家族にご不幸があったとの事でキャンセル。
    プログラム変更でアラベラ・シュタインバッハーが
    プロコフィエフのバイオリン協奏曲2番を演奏する事になった。

    実はアラベラ・シュタインバッハー、好きなのワタシ。
    日本人とのハーフ(あ、今はダブルと言うんだっけ)だけど
    素直に伸びる音が気持ち良くて
    変な癖のない、すごく正直な音を出すバイオリニスト。

    プロコフィエフのバイオリン協奏曲。
    オーケストレーションが透明で暑苦しくなくて
    何とも爽やかで透明度の高い音楽に
    素直に伸び伸びと入ってくるバイオリンのソロ。

    あああ、午後にあの暑苦しい厚みのある
    まるでソースこってり、脂肪分バンザイみたいな
    コテコテのブラームスの交響曲の後に
    キュウリの浅漬けを供されたような
    爽やかな気分。

    やっぱり日本人はお茶漬けと浅漬けだよね(ってワケわからんが)

    今日のコンサートはジュネスの一環でもあったようで
    割に若い人たちが多かったし
    いつもの通り、何せ楽友協会だから
    観光客も結構いたのだが

    それ以上にうるさ方のオジサン、オバサンが何人か居て
    (でもいつもは見ないメンバーなので
     クラオタとかではなさそうな気が・・・)

    ジッパーの開け閉めを演奏中にしている
    派手な観光客の女性を
    ちょっとでも音を立てようものなら
    後ろを睨んでイヤな顔をするし

    私の後ろの中年男性に至っては
    舞台を見ようと床に立っていた女性に
    床に立たれると、床が軋むからうるさいので
    どこかに座ってくれ、とはっきり言ってた(えらい!)

    安いチケットを買って
    高い席に直前に移ろうとする人が何人も居たし
    観光客は演奏途中で写真やビデオを撮っていたけれど
    まぁ、音がしなかったら、もうどうでも良いです(諦観)

    楽友協会というホールは
    本職の録音技師でも、録音には大苦労するホールなので
    シロウトが録画して、後で聴いたら
    とんでもない音響しか聴こえて来ないだろう事は想像できるし。

    後半はドボルザークの「新世界から」って
    この曲、ついこの間、聴いたばかり。
    (忘れた方は こちら をどうぞ)

    プログラムというのは流行があって
    重なる時は重なるので仕方ないのだが

    うううう
    自分が耳もなければ感受性もなく
    音楽に関してはド・シロートである事は
    よ〜く知っているんだけど

    今回のブランギエの演奏
    この間のネルソンスの演奏と、むちゃくちゃ似てる(ような気がする)

    いや、そりゃ、曲が同じだから
    違っていたら、それはそれで問題なのだが。
    でもフレーズの歌わせ方とか
    曲の持っている色彩感が
    あまりに同じで、ちょっとビックリ。

    同じ世代の指揮者だったっけ?と
    チラッと調べてみたら
    アンドリス・ネルソンスは38歳
    リオネル・ブランギエは30歳
    (えっ、ネルソンスって、もうアラフォー?と
     ひっくり返りそうになった。
     ドゥダメルだって、もう36歳。私が歳を取る筈だわ・・・)

    ブランギエと言えば
    チューリヒのトーンハレで首席指揮者やっていて
    (2015年3月7日に聴いてる)
    つい最近、ブランギエは止めて
    パーヴォ・ヤルヴィが次の指揮者になる、というニュースがあったけれど

    何かトーンハレとブランギエって問題あったのかしら(邪推)

    動きは美しいし
    キューや指示もしっかりしていて
    ヘンなタメとかはないけれど
    それなりにロマン派的なドラマはしっかり出していて
    (で、すみません、ネルソンスと似てる・・・)
    あっさり系とロマン系のバランスが、とても良い。

    オーケストラは、まだちょっと傷があるものの
    勢いのある演奏で気持ち良かった。

    で、うるさ方が多かったのか
    それとも、本当に知っている客が多かったのか
    会場が楽友協会とは思えない程の静けさ ♡

    第二楽章も、あれだけ静かに集中していたら
    こちらも充分に堪能できる。
    (終わった後の咳とかお喋りは凄かったが(笑))

    最終楽章が終わった時も
    ブランギエは腕を上げたまま固まっていて
    その間、誰も拍手のフライングはせず

    ただ、2人くらいのヒソヒソ話の声は
    会場一杯に響き渡ったが(笑)

    演奏終わってから、あれだけの長い静寂(お喋り付き)があったのって
    本当に久し振り。

    いや〜、良いコンサートだったわ。

    ・・・って、実は明日も行くんですけど(笑)

    土曜日と日曜日は
    実は全く同じプログラムの繰り返しになるのだが
    その事実に気がついたのは
    つい最近なので
    どうぞお許し下さい(お辞儀)

    印象が同じなら
    感想記はもしかしたら書かないかも・・・という
    怠け者の私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    ウィーン・フィル + ティーレマン2回目(楽友協会)

    0
      Musikverein Großer Saal 2017年6月10日 15時30分〜17時30分

      Wiener Philharmoniker
      指揮 Christian Thielemann
      フルート Dieter Flury

      Johannes Brahms (1833-1897)
       Akademische Festouverture op. 80 (1881)
      Jörg Widmann (*1973)
       Flûte en suite (2011)
      Johannes Brahms
       Symphonie Nr. 4 e-moll op. 98 (1884-85)

      これ、昨日と同じプログラムだよね?
      と、本気で聴きたいほど
      ホールによって音楽が変わると言う実例(笑)

      ブラームスの大学祝典序曲は景気よく
      昨日のようなバタバタがない。
      う〜ん、恐るべし楽友協会の残響の良さ。
      コンツェルトハウスだと容赦なく出てしまう粗さが
      (別に今回、粗いところはないにせよ)
      全てホールの中でバランス良く
      丸く、芳醇な音にしてしまう。

      ヴィドマンのフルート協奏曲は
      ウィーン・フィルの会員(=年配が多い)だと
      咳とかゴソゴソが多いかと思ったら
      まぁ、確かにあからさまな咳込みもあったけれど
      全体的に比較的静かに鑑賞されていたのでホッとした。

      こちらはフルートの音が
      楽友協会の豊かな残響にふわっと溶け込んで
      思ったより音の不要な拡散もなく
      透明な音響で聴こえてきて面白い。

      古典的な構成を持った曲なので
      初期バロックを思わせる箇所も多くて
      最後のハチャメチャのブランデンブルク協奏曲で盛り上げる。

      う〜ん、よく出来た作品だよ、これ。

      残念だったのは
      ほとんどの聴衆が、アンコールやると思っていなくて
      拍手の後、バタバタ移動が結構あって
      アンコールやるよ、という時点でも観客の動きがあって
      あまり落ち着かなかった事。

      ヴィドマンの古典的初期バロック的現代曲の後に
      テレマンの曲って、すごく面白い。
      フルートでも、こういうソロの曲があるんですね。

      で、後半のブラームス、交響曲4番。

      ううううう、もうビックリ。
      ティーレマン、以前ほどのアクはなくなったかと思っていたのに
      やっぱりとんでもないテンポの揺らし方と
      強弱の大きなレンジで

      それ、やっぱりワーグナーだと思う(ボソ)

      昨日のデッドな音響のコンツェルトハウスでは
      拡散してしまった音が
      今日は、ものすごい厚みを持って
      時々、団子状態になりながら、観客のところに飛んでくる。

      しかも、何ですか、この音量は。
      昨日、コンツェルトハウスで演奏したのは
      (コンツェルトハウスはある程度の音量で演奏しないと痩せて聴こえる)
      今日の楽友協会でも、思い切って音を出しなさい、という意味だったのか?

      実はウィーン・フィルの音量というのは
      割に小さいのだよ。
      だって、もともとオペラのオーケストラで
      歌手の声を潰さないように演奏している上に
      やっぱりウィーンの、時々緩いオーケストラなので
      コンサート専門のガリガリに弾くベルリン・フィルのような
      圧倒的な音量はないのだ。

      それが楽友協会で
      目一杯の音量を出して演奏させられていて
      聴いていて痛々しいというか
      それだけの音量出しちゃうと
      ちょっと音が浮いてしまって

      料理の時に落し蓋なくて
      材料が思いがけなく鍋の表面に浮かんでます
      ・・・という妄想がフツフツと出てくる。

      無理やりの大音響で演奏する上
      第一楽章の最後のところで
      むちゃくちゃアッチェルランドかけて
      あぁ、そこ、昨日オーケストラが付いていけなかったところ
      流石に超一流プロだから
      今日は比較的自然に、しっかり揃ってアッチェルランドしてるけど
      ・・・そこって、テンポ上げるところじゃないですよね、普通。

      熱に浮かされたような
      ブラームス晩年のあの奥行きは何処に?という
      いや、やっぱりこれ、ブラームスじゃなくてワーグナーだろ。

      褒めるなら、エネルギッシュで情熱的で
      感情任せで、規模が大きくて
      ハンスリックが天国で、そうじゃないだろ、と
      あの冷たい目で怒るんじゃないか・・・って褒めてないじゃん(汗)

      ティーレマンの音楽作りは
      失礼な事を言っちゃうと
      ある意味、単純で
      遅いところは極端に遅く
      速いところは極端に速く
      ピアニッシモは極端に弱音で
      フォルティッシモはむちゃくちゃ鳴らせて
      両方の対比を明確にする・・・という

      だから読めちゃうのである。
      まぁ、別に読めても良いんだけど
      あまり同じようにやられると、おお、またか
      みたいな気分になるのは避けられないところで
      それが良い、という人もかなり多いと思う。

      最終楽章も途中でテンポアップして
      すごい速度で飛ばすわ飛ばすわ。
      オーケストラも付いて行くのに必死。
      指揮者は自己陶酔の嵐に身を浸して
      指揮台の上で、ひたすら身悶えしてるし。

      あっ、ティーレマンのファンに
      夜道でグッサリ刺されそうな事を書いちゃった (・・;)

      ティーレマンの劇的情熱が活かされる
      ワーグナーとかブルックナーとか
      すごく好きなんだけど
      ことベートーベンとかブラームスになると
      ここまでひたすら熱く、極端な対比を持って演奏されると
      好き嫌いははっきり分かれるだろうなぁ。

      端正な様式美が好きな人には
      ティーレマンのブラームスは「やり過ぎ」に聴こえるだろう(笑)

      昨日コンツェルトハウスのデッドな音響の中で
      あまり良いバランスで聴こえて来なかったブラームスが
      楽友協会のホールになると
      ここまで化けるとはね ^^;

      左右に照明が入っていたから
      明日はフィデリオあたりにライブでアップされるのだろう。

      まぁ、ティーレマン以外で
      ああいう演奏する指揮者はいないだろうから
      その意味では突出した存在で
      熱狂的なファンが付くのもわかるような気がする私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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