白鳥の湖 今シーズン7回目

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    Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2017年6月8日 19時〜22時20分

    SCHWANENSEE
    Balett in vier Akten
    振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow
    音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski
    舞台・衣装 Luisa Spinatelli
    照明 Marion Hewlett
    指揮 Paul Connelly

    ジークフリート王子 Leonardo Basílio *
    オデット・オディール Liudmila Konovalova
    ロットバルト Alexandru Tcacenco *
    王子の母 Oxana Kiyanenko
    王子の友人たち Ioanna Avraam, Nikisha Fogo
    Francesco Costa, Géraud Wielick
    王子の教育係 Jaimy van Overeem
    侍従長 Gabor Oberegger
    第一幕
    ワルツ Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Laura Nistor, Franziska Wallner-Hollinek
    Alexis Forabosco, James Stephens, Richard Szabó, Dumitru Taran
    Elena Bottaro, Natalya Butchko, Zsófia Laczkó, Suzan Opperman,
    Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto,
    Iulia Tcaciuc, Céline Janou Weder
    Attila Bakó, Marat Davletshin, Marian Furnica, Trevor Hayden,
    Scott McKenzie, Tristan Ridel. Zsolt Török, Arne Vandervelde
    女王の付き添い Abigail Baker, Marie Breuilles, Vanessza Csonka
    Katharina Miffek, Andrea Némethová, Carolina Sangalli
    第二幕・第四幕
    大きな白鳥 Adele Fiocchi, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Laura Nistor
    小さな白鳥 Ioanna Avraam, Elena Bottaro, Natascha Mair, Rikako Shibamoto
    白鳥 Abigail Baker, Emilia Baranowicz, Marie Breuilles, Natalya Butschko,
    Iliana Chivarova, Aoi Choji, Vanessza Csonka,
    Maria Giula Fioriti, Sveva Gargiulo, Erina Kováčová,
    Zsófia Laczkó, Katharina Miffek, Andrea Némethová,
    Suzan Opperman, Marina Pena, Xi Qu, Joana Reinprecht,
    Alaia Rogers-Maman, Caroline Sangalli, Isabella Severi-Hager,
    Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo
    Franziska Wallner-Hollinek, Céline Janou Weder
    第三幕
    貴族の娘たち Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Laura Nistor
    Suzan Opperman, Xi Qu, Alaia Rogers-Maman
    スペインのダンス Rebecca Horner, Erika Kováčová
    Alexis Forabosco, Andrey Teterin
    ナポリのダンス Sveva Garguilo *, Arne Vandervelde *
    Abigail Baker, Natalya Butchko, Lucie Horná *, Joana Reinprecht
    Isabella Severi-Hager, Rikako Shibamoto
    ポーランドのダンス Franziska Wallner-Hollinek, Marcin Dempc
    Emilia Baranowicz, Andrea Némethová, Céline Janou Weder
    Marat Davletshin, Trevor Hayden, Greig Matthews
    ハンガリーのダンス Alice Firenze, Francesco Costa
    Marie Breuilles, Vanessza Csonka, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
    Marina Pena, Carolina Sangalli, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo
    Attila Bakó, Andrés Garcia-Torres, Igor Milos, Kamile Pavelka
    Tristan Ridel James Stephens, Jaimy van Overeem, Géraud Wielick

    今回の「白鳥の湖」
    ジークフリート王子に抜擢されたのは
    デミ・ソリストのレオナルドである。

    で、相手方のオデット&オディールが
    プリンシパルのリュドミラ姐さん・・・

    どういう組み合わせなんだか
    観客としては、ちょっと、いや、かなり悩む。

    とは言え、レオナルドは若手のダンサーの中でも
    技術的には優れているし

    こうやって舞台で観てみると
    スタイル良いし(足が長い!)
    マスクも甘いし
    確かに「王子さま」タイプではある。

    最初のマイムで
    お母さんから
    美人を選びなさい、と言われて
    ちょっと嬉しそうなのは何なのかわからんが(笑)
    (普通は戸惑うか(ヤコブ)、反抗するか(ヴァディム)だろう。
     あ、シショフあたりだと、喜ぶかも(今回は観てないから不明))

    最初のソロで
    足の長さを活かした伸び伸びした大きなジャンプ。
    しかも高さがあって空間が大きい。
    ただ、まだ、必死になって踊ってます!!!というのが見える。

    ちょっと息を荒くしながら
    ジャンプの着地もドスン、という感じだし
    ザンレールも必死に正面向かねば、という印象がある。
    ミスはないし、ちゃんとパは全て完璧に踊っていて
    必死になっているところが割に可愛いので好感は持てるから
    もう少し、振付が身体に入ると、グッと伸びるだろう。

    パ・ド・サンクのニキーシャとイオアンナが素晴らしい。
    両方ともテクニシャンなので
    ジャンプがむちゃくちゃ高く、空気のように空中に浮く。

    特にイオアンナの空間の掴みの大きさには
    いつもながら舌を巻く。

    フランチェスコとジェラウドの
    大きなジャンプ続きのダンスも大胆で爽快。
    フランチェスコの身体能力が飛び抜けていて
    ジェラウドも良いのだけれど、ちょっと霞む。
    (ジェラウドも最近素晴らしいのだが
     彼の場合は身体の優雅な柔軟性の方が
     大きなジャンプ続きのパより勝るかもしれない)

    さて、1幕後半、リュドミラのオデット登場。
    レオナルドのジークフリート王子とのパ・ド・ドゥだが

    わ〜っはっはっはっは、って笑ったらいけないんだけど
    リュドミラが
    「何故、プリンシパルのワタクシが
     デミ・ソリストと一緒に踊らなきゃいけないのよ(ふん)
     皆さん、このストーリーの主人公はワタクシですからね。
     ほら、ワタクシ、綺麗でしょ? 素晴らしいでしょ?
     このデミ・ソリストの男性ダンサー無視して良いから
     ほら、ワタクシを観なさい!!!」

    妄想ですが(笑)
    まぁ、あそこまでジークフリート王子を無視したオデットは珍しい。
    レオナルドのサポートは見事で
    ちゃんとハマっていて
    レオナルドは必死に「愛してます」の演技をしているのに
    キミは私のサポートだけしてくれれば良いの(と言いつつ無視)
    ほら、ワタシ、こんなに美しいのよ
    ・・・とアピールするのがジークフリートじゃなくて
    モロに観客席に向けて、という感じ。

    その分、リュドミラの「ほらワタシ、美しいでしょ」アピールが凄いので
    いつにも増して白鳥のオデットが美しいこと。

    まぁ、ある意味、わかりやすいリュドミラ姐さんではある(笑)
    テクニックあるし、華やかだし
    バランスも最強でピタッとキマるし
    フェッテはもうお手の物だし
    安定して観ていられるオデットではある。

    ・・・というより
    儚さとか、男性にすがる女性らしさとかゼロなんですが(爆笑)
    このオデット、王子さまなんか必要とせずに
    ロットバルトを自力でぶっ飛ばしそうな感じ。

    第2幕のオディールも
    ジークフリートをロック・オンするんじゃなくて
    観客をロック・オンしようとしてるよ (^O^)

    そこまで無視されても
    ものすごく頑張るレオナルド。
    サポートも完璧。
    (というより、ちょっとでもミスしようもんなら
     リュドミラ姐さんにどやされそうだし)
    ジャンプは高いし、足は長くて伸びて素晴らしい。

    リュドミラのアクが強すぎるので
    ちょっとそれに隠れて
    ジークフリートの「華」がなくなっちゃってるけど。

    最後の幕のオデットとのパ・ド・ドゥも同じような雰囲気で
    リュドミラは「ワタシ、キレイでしょ」の連続だし
    ジークフリート無視しまくりだが
    それでも
    まぁ、最後までちゃんと
    キレイな私のサポートお疲れさま、みたいな目付きがたまにあったから
    リュドミラも満足だったのだろう(と切に願うわ)

    白鳥の湖の公演は、あと1回を残すのみとなったが
    この演目って、本当にため息が出る程に美しい。
    究極の美って、こういうものを言うんじゃないのか、と
    時々、真剣に考える。

    バレエ・ダンサーって
    本当にハードな職業で
    身体条件に恵まれているのが前提の上

    子供の頃から訓練続きで
    遊びも何も出来ず、好きなものも食べられず
    むちゃくちゃストイックな生活で

    私のような怠け者には考えられない道なのだが
    それでも、この美の世界の一部になりたい
    と思わせる美しさが、バレエの世界にはある。

    ストイックな訓練をものともせずに
    私のような(怠け者の)観客に
    これだけの美を見せてくれるダンサーが居るって
    本当に本当にありがたい事だ(感涙)

    レオナルドも頑張った ♡
    リュドミラ姐さんには無視され続けていたけれど
    くじけず、めげず、スタミナ切れにもならず
    あのハードな役を、よく踊った、えらい!!!

    今日は強烈なリュドミラのオーラに隠れてしまったけれど
    王子さまオーラを潜在的に持っているダンサーなので
    これから伸びてくると良いな。

    若いダンサーたちの成長と活躍に
    ワクワクしている老人のワタクシに
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