ウィーン交響楽団 + ヤクブ・フルシャ

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年6月7日 19時30分〜21時30分

    Wiener Symphoniker
    バイオリン Frank Peter Zimmermann
    指揮 Jakub Hrůša

    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
     Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 61 (1806)
      (Kadenz : Fritz Kreisler)
    César Franck (1822-1890)
     Symphonie d-moll M 48 (1886-88)

    数ある交響曲の中で
    一番好きなのは、と言われたら
    迷わずマーラーの7番と答える私だが
    では、二番目に好きなのは、と聞かれたら
    セザール・フランクのこの交響曲か
    サンサーンスのオルガン付き3番だと思う
    (独断・偏見・好みの問題)

    ただ、セザール・フランクの交響曲は
    ウィーンでは滅多に演奏されないので
    (まぁ、サンサーンスのオルガン付きも珍しいが)
    実は昨日と今日と両方行く予定だったのだが
    まぁ、色々とあって、残念ながら本日だけ(涙)

    最初はかの有名なベートーベンのバイオリン協奏曲。
    バイオリンのソロが入るまでの前奏が長いのだが

    あれ?フランク・ペーター・ツィマーマン
    第一バイオリンのパートを一緒に演奏してる・・・(O_O)

    いやいつも舞台の見えない貧民席だから
    バイオリニストがあの長い前奏の時に
    どんな態度で舞台で待ってるか、なんて
    考えた事もなかったのだが

    あれは第一バイオリンのトゥッティを
    ソリストが一緒に演奏する曲なんでしょうか???
    (慌ててインターネットでスコア探して見たが
     89小節目の Violin principale から入るようなんだが・・・)

    う〜ん、よくわからないけれど
    少なくとも手持ち無沙汰のバイオリニストが
    イライラ(笑)して待っている舞台シーンより楽しいかも(笑)

    この第一楽章のカデンツァが・・・凄かった。
    何ですかあれは。
    ダブル・ボーゲンで、しかもメロディをパラレルに弾いてるし
    しかも音がキレイで澄んでいて
    超絶技巧の見本市みたいで、ひっくり返った。

    が、それに続く第二楽章が・・・
    あああああ、これは天国?

    この曲って、こんなに美しかったっけ。
    名曲だけど、バイオリンの高音が苦手なので
    あまり真剣に聴いた事がなかったのだが(すみません)
    まるでこの世のものではないかのような響き
    祈りのような、敬虔で、神聖な音楽がホールを満たして
    ついつい仰け反ってしまった。

    ツィンマーマンは他の楽章でも
    ソロのバイオリンが、通常は休んでいるところを
    ずっと第一バイオリンのパートをトゥッティで演奏していた。
    (あれはオーケストラ的にはやりにくい・・・? よくわからん)

    昨日はアンコールにバッハを弾いたようなので
    今日もバッハかと思っていたら
    何とラフマニノフのプレリュード(フリッツ・クライスラー編曲)
    民族音楽っぽい激しい曲を
    情熱的に演奏しきって
    このバイオリニスト、こんなに巧かったっけ(って失礼な)

    フランクの交響曲目当てで来て
    ベートーベンのバイオリン協奏曲に感激するとは思わなかった(汗)

    コンサートって
    時々、こういう予想できないビックリがあるから好き。

    後半のセザール・フランクの交響曲。
    フルシャは最初の部分のテンポを思い切り遅くして
    弱音で丁寧に歌わせる。
    ほとんど止まりそうなテンポなのに
    緊張感があって

    そこから爆発する部分で
    突然、音が観客に向かって
    すごい勢いで飛んでくる。

    この対比はスゴイ。
    最初に多少くすんだような色を出しただけに
    トゥッティでトランペットが出す明るい音色が
    突然襲いかかってくるような感じになって
    全体的なスケールがものすごく大きくなってる。

    ・・・いやしかし
    これもワーグナーっぽいな(笑)
    (この間、神々の黄昏を聴いてから
     何だか同時代とそれ以降の、ちょっとドラマチックな曲を聴くと
     何でもワーグナーに聴こえて来てしまう(冷汗))

    第二楽章の美しいイングリッシュ・ホルンの旋律も
    あくまでも節度を保って
    ズブズブの感情にならず
    透き通った清潔感のある造りで
    全体の構成の中に見事にスッポリ収まって
    背景に流れる弦の響きも、柔らかくて美しい。

    それまでのテーマが複合的に組み合わさる第三楽章
    これ、本当に好き ♡
    今まで聴いて来たモチーフが自由自在に飛び交って
    めくるめくような音響の饗宴。

    フルシャはとことんオーケストラの響きにも拘って
    強弱のレンジの大きさとテンポの揺れを
    見事にコントロールして
    若々しい、ちょっと気負いのある
    でもエネルギーに満ちた解釈だった。

    ウィーン交響楽団が
    またこういう指揮者の時って
    本当にオーケストラが応えるんだよね(笑)
    さすが音楽職人集団というか
    よくあの音の色の変化を完璧にこなしたものだ。

    この交響曲、2013年3月12日・13日に
    同じオーケストラでルイージの指揮で
    コンツェルトハウスで聴いているのだが
    あの時は、13日にはこの交響曲の前にぶっ倒れて
    しかも大雪でオフィスばたばた状態だった記憶が鮮やかなのだが

    あぁ、あれから4年以上経ったんだわ・・・と思うと
    時の流れの速さにビックリする。

    4年以上経っても
    まだコンサートやらバレエやらに
    ハマりまくっていて終わりが見えない私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    ウィーンの天気も
    太陽が出れば暑くなり、曇れば寒くなり
    時々、すごい強風で大雨が降るという、ワケのわからなさ・・・

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