白鳥の湖 今シーズン6回目

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    Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2017年6月4日 19時〜22時20分

    SCHWANENSEE
    Balett in vier Akten
    振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow
    音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski
    舞台・衣装 Luisa Spinatelli
    照明 Marion Hewlett
    指揮 Paul Connelly

    ジークフリート王子 Vadim Nuntagirov *
    オデット・オディール Marianela Nuñez
    ロットバルト Eno Peci
    王子の母 Oxana Kiyanenko
    王子の友人たち Adele Fiocchi, Natascha Mair
    Greig Matthews, Dumitru Taran
    王子の教育係 Jaimy van Overeem
    侍従長 Gabor Oberegger
    第一幕
    ワルツ Elena Bottaro, Ioana Chivarova, Laura Nistor, Franziska Wallner-Hollinek
    Leonardo Basílio, Martin Dempc, James Stephens, Alexandru Tcaceno
    Natalya Butchko, Zsófia Laczkó, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman
    Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto, Iulia Tcaciuc, Céline Janou Weder
    Francesco Costa, Marian Furnica, Trevor Hayden, Scott McKenzie,
    Tristan Ridel. Zsolt Török, Arne Vandervelde, Géraud Wielick
    女王の付き添い Abigail Baker, Marie Breuilles, Vanessza Csonka
    Katharina Miffek, Andrea Némethová, Carolina Sangalli
    第二幕・第四幕
    大きな白鳥 Adele Fiocchi, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Laura Nistor
    小さな白鳥 Ioanna Avraam, Elena Bottaro, Natascha Mair, Rikako Shibamoto
    白鳥 Abigail Baker, Emilia Baranowicz, Marie Breuilles,Natalya Butschko,
    Iliana Chivarova, Aoi Choji, Vanessza Csonka,
    Maria Giula Fioriti, Erina Kováčová,
    Zsófia Laczkó, Katharina Miffek, Andrea Némethová,
    Suzan Opperman, Marina Pena, Xi Qu, Joanna Reinprecht,
    Alaia Rogers-Maman, Caroline Sangalli, Isabella Severi-Hager,
    Anna Shepelyeva, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo
    Franziska Wallner-Hollinek, Céline Janou Weder
    第三幕
    貴族の娘たち Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Laura Nistor
    Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva
    スペインのダンス Rebecca Horner, Erika Kováčová
    Alexis Forabosco, James Stephens
    ナポリのダンス Natascha Mair, Richard Szabó
    Abigail Baker, Natalya Butchko, Sveva Garguilo, Xi Qu
    Isabella Severi-Hager, Rikako Shibamoto
    ポーランドのダンス Ioanna Avraam, Masayu Kimoto
    Emilia Baranowicz, Franziska Wallner-Nollinek, Céline Janou Weder
    Marat Davletshin, Marcin Dempc, Trevor Hayden
    ハンガリーのダンス Nikisha Fogo, Géraud Wielick
    Marie Breuilles, Vanessza Csonka, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
    Andrea Némethová, Marina Pena, Carolina Sangalli, Iulia Tcaciuc
    Attila Bakó, Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marian Frunica,
    Igor Milos, Kamil Pavelka, Tristan Ridel, Jaimy van Overeem

    朝はカンカンに晴れて暑かったのに
    真っ黒な雲がかかって、すごい強風があって
    オペラ座に行こうとしたら、外は雨ザァザァという
    何かワケのわからん天気の日曜日。

    明日は祝日なので3連休の中日になるけれど
    引退老人にはあんまり関係ない。
    (SOHO みたいにしちゃったから、土・日にかかわらず
     日本からメール入って来るので処理するものはしてるし(笑))

    本日は英国ロイヤル・バレエからのゲスト
    ヴァディムとマリアネラが登場!!!!!!! ❤
    マリアネラは以前、ドン・キショットのキトリで魅了された事がある。

    で、ヴァディムだが
    あああああああっ
    この間、ヤコブで失神していた のに
    ヴァディムって・・・ちょっとあのそのあの (・_・;

    何という美しいおみ足 (*^^*)
    何なんですか、あのスタイルの良さは。
    足を上げた時の空間の大きさが優雅で

    しかも・・・ジャンプが高いっ (O_O)
    どの大技もバッチリ決まる。

    ヤコブのジークフリート王子が
    まだまだ甘えん坊のお子ちゃまだったのに対し
    ヴァディムの王子さまは

    反抗期 (笑)

    お母さまに対しても
    「え?恋人なんて自分で探しますから、ほっておいて」
    ・・・というツンデレ感が魅力的 💘

    パ・ド・サンクはアデーレとナターシャ、グレイグとドミトル。
    アデーレの明るいオーラがすごく魅力的。
    ナターシャのキュートさとはまた違うけれど
    アデーレのあの素直で陽性のオーラって、私、好きだわ。

    グレイグが良いダンサーになったなぁ、って感じ。
    入団した頃は、まだスタミナがあまりなかったけれど
    芯の通った安定した魅力的なダンスを見せるようになった。

    さて、ツンデレのジークフリート
    自分で恋人くらい見つけるぞ
    とか言った癖に、やっぱり無理かも、と落ち込むソロ
    (いや、そうじゃないかもしれないが)
    弓を持って張り切って湖に行って

    登場したのはマリアネラのオデット。

    ううう、マリアネラのオーラって
    何か、すごく明るいのは何故だ。
    オデットだから、薄幸の美少女で線が細いのは確かだけど
    あんまり悲劇のオーラとか感じないなぁ。

    呪いをかけられて白鳥になりました。
    誰か唯一の愛を誓ってくれる男性が現れたら
    その呪いは解けますが
    でも、別に解けなくても白鳥でそこそこやってますから
    (妄想です、妄想!!!)

    ただ、マリアネラの「魅せ方」はもう格段に素晴らしい。
    緩急自在の、タメタメをバッチリ入れて
    どのポーズも、どんな動きも
    饒舌に観客に語りかけてくるのがスゴイ。

    ・・・とウットリしていたら
    オデットのソロのところで
    木管のソロが止まってしまって
    えっ? 楽器の調子が悪い?・・・でも
    ソロはそのまま踊っていて
    ウィーン・フィルのメンバーの一部が
    木管ソロのメロディを歌って音楽を繋いだ。

    一体どうなってるの、と
    舞台のちょっと下を見たら

    オーケストラ・ピットが真っ暗の停電状態。
    ああ、木管、楽譜が見えなくなったのでソロを止めたのか。
    シロウト考えだと、メンバーが歌えるくらいなんだから
    暗譜で吹けよ、とか思うけれど
    プロは毎日違う楽譜を渡されて、毎日違うものを演奏しているので
    楽譜なしでは何にも出来ないとの事で
    見えなくなった時点で演奏を止めたのは正しい判断だったらしい。
    (註 プロの方から伺いました)

    (いやそりゃでもあの、ダンサーだって
     毎日違う演目や役を踊っていて
     しかも全部暗記してなきゃいけないんだけど
     ・・・とか言ったら失礼なのは承知だけど
     とある趣味のダンサーが同じような事を言っていたなぁ)

    白鳥が舞台に勢ぞろいして
    ジークフリートとオデットが向かい合っている状態で
    オーケストラの音楽は完全に止まってしまった。

    ダンサー全員、彫刻状態にて静止 (°▽°)
    一部の白鳥は咄嗟の判断で舞台の袖にはけて
    ジークフリートとオデットも舞台から出てしまい
    舞台上には、固まったままの白鳥の群れ(うわああ、かわいそうに)

    舞台の幕が降りて
    係の人が「技術的問題が発生したため15分の休憩を取ります」
    とアナウンス。

    15分の休憩の後にオーケストラ・ピットには照明が戻り
    舞台の幕が開いたら
    そのままの姿で固まっている白鳥の群れと
    ビクとも動かないジークフリート王子とオデット
    ・・・・って、かなり異様な光景ではあったけれど
    そのまま、舞台は進行。

    ダンサーには酷な体験だっただろうなぁ。

    4羽の小さな白鳥は
    芝本梨花子ちゃんも、この間より緊張が取れて
    ハードな役なのに、しっかり踊って好感 ♡

    ジークフリートは、ここでオデットに愛を誓うのだが
    このジークフリート、何とも「王子さま」的に優しくて

    なんて可哀想なお姫さまなんだろう
    困っているなら、僕でよければ、喜んで助けてあげよう

    ・・・・って、この王子さま
    結婚詐欺とか、すぐに引っ掛かるタイプ(断言)

    残りの第一幕の終わった後、幕間があって
    第二幕はオディール登場がハイライト。

    ディヴェルティスマンは
    ナポリのダンスはナターシャとリッチー。
    ナターシャ、相変わらず小悪魔的なキュートさ 💕
    木本クンとイオアンナのポーランドのダンスも素敵だったけれど
    ニキーシャとジェラウドのハンガリーのダンスは圧倒的。
    いや、ジェラウドって、今まで目立たなかったのに
    最近、役に恵まれたせいか、どんどん前面に出て来ているので楽しみ。

    さてマリアネラのオディール。

    あ、こりゃジークフリートがオデットと間違えるのも納得。

    他のダンサーが別人80号くらいに化けるのに
    マリアネラは別人7号くらいで
    オデットを擬しているオディールというのが歴然としてる。

    悪魔的とか、悪人とかのイメージがあまりない。
    ロットバルトに操られていて
    このジークフリートというアホを引っ掛けろ、と言われて
    あ、そうですか。それが仕事なら引っ掛けますけど(いや妄想です)

    ただマリアネラの凄さと言うのは
    あのとことん明るい太陽のようなオーラで
    邪気のないオディールなのに
    一つ一つの動きのニュアンスが深くて表現力が凄まじくて
    ジークフリートじゃなくても
    観客でも、このオディールなら引っ掛かっちゃいます・・・(汗)

    二人のパ・ド・ドゥとマリアネラのソロが
    いつもの音楽といつもの振付ではなくて、ちょっと驚いたのだが
    専門家に聞いたら
    あれはインターナショナルのヌレエフ版だそうだ。
    (う〜ん、そう言うモノがあるのか、ウィーン版だけじゃなくて)

    オディールのソロは、
    いつものアジアちっくなメロディのエキゾチックなダンスじゃなくて
    もっと明るいヨーロピアンな感じのメロディでのソロ。
    これ、すごく好きかも。

    ヴァディムのソロは、すべてヌレエフ・ウィーン版。

    いやいやいや、これが・・・・ 凄かった!!!
    ウィーンのダンサー、みんなこれを踊るけれど
    こんなに華やかに、空間を大きく使って
    この上なく優雅に、完璧に見事に踊られると絶句して悶絶。

    結婚詐欺に引っ掛かりやすい王子さまは
    見事にオディールに引っ掛かって、第二幕は終わり。
    (第一幕で、こいつ、簡単に騙せそう、とか思わせたのは伏線か?)

    第三幕のオデットのマリアネラは
    確かに悲劇のオーラは第一幕より強く出して
    悲劇、というよりは、諦観、諦め的に
    あぁ、もう、こうなるのはわかっていたじゃないの
    (という感じのヤケッパチではなくて
     そりゃ、内容的にはそうなんだけど
     表現はあくまでもオデット「姫」なので上品である)

    で、最後の青いシートでの湖なのだが
    お〜い、大道具さ〜ん!!!!
    何でそんなに中に空気をむちゃくちゃ入れて
    まるで舞台の上に大規模キャンプのテントみたいなものが
    出現しているんですか(文句)
    舞台の奥で悶えている筈のヴァディムが見えませんっ!!!

    確かにあのシートに適当な量の空気を
    的確な場所に入れろ、というのも難しい話なんだけど
    今日のキャンプ用テントはないと思うよ(プンプン)

    しかし、この「白鳥の湖」
    おとぎ話ではあるのだけれど
    今日のキャストを見ていて
    ダンサーによって、表現が違ってくると言うのを
    まざまざと見た気分。
    う〜ん、クラシックって奥が深いわ・・・

    ヴァデイムの技術的に完璧で
    しかも、結婚詐欺の犠牲に簡単になりそうな
    ちょっと反抗期の突っ張った男の子
    ものすごく魅力的だった。
    あのスタイルの良さ、空間の広さ、美しい足さばき。
    何も言う事がないわ、あれこそダンス・ノーブルだわ。

    マリアネラの明るいオーラは
    あまりオデット向き、という訳ではないけれど
    強いオデットに対して操り人形のオディールという
    かなり面白い妄想が出てきて、すごく新鮮だった。

    観光客も多かったけれど
    (ほら、何せ白鳥の湖ですし)
    ヴァディムとマリアネラ狙いのバレエ・オタクも
    かなりの数が来ていたようで
    (私もバレエ・ボーナス先行発売で
     ザ・ベスト・オブ・貧民席を押さえていたので
     バッチリ見えて、すごく幸せ)

    マナーも良かったし
    ヴァディムとマリアネラという
    黄金のコンビを、とことん楽しませてもらって
    幸せを噛み締めている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    白鳥の湖も今シーズン、残すところあと2回。
    最終日は木本クンがジークフリート王子のデビュー!!!

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