ミヒャエル・シャーデ + マルコルム・マルティヌ@国立オペラ座

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    Wiener Staatsoper 2020年1月15日 20時〜22時

    SOLISTENKONZERT
    テノール KS Michael Schade
    ピアノ Malcolm Martineau
    ホルン Josef Reif

    Ludwig van Beethoven
     Adelaide, op. 46

    Franz Schubert
     Laura am Klavier, D 388
     An die Entfernte, D 765
     An den Mond, D 259
     Der Winterabend, D 938
     An die Musik, D 547
     Seligkeit, D 433
     Auf dem Strom, D 943

    Maurice Ravel
     Cinq Mélodies populaires gracques:
      Chanson de la mariée
      Lá-bas, ver l’église
      Quel galant m’est comparable
      Chanson des cueilleuses de lentisques
      Tour gai !

    Gabriel Fauré
     Nell, op. 18/3
     Adieu, op. 21/3
     Sylvie, op. 6/2
     Fleur jetée, op. 39/2

    Richard Strauss
     Cäcilie, op. 27/2
     Nichts, op. 10/2
     Morgen, op. 27/4
     Zuneigung, op. 10/1

    アンコール
    Franz Schubert, Nacht und Träume
    Franz Schubert, Der Neugirte (Die schöne Müllerin)
    Rudolf Sieczyński, Wien, Wien, nur du allein

    国立オペラ座で時々行われる歌手のリサイタルは
    よほどの人気歌手でない限りは
    かなり席は空いている上に、チケットも安い。

    音響が良い席を狙って
    ギャラリー、天井桟敷の横の席を買ったけれど
    たった8ユーロだった。
    しかも、ギャラリーの中央席もかなりガラガラで
    立ち見席の人が大挙して移動する・・・・

    本当はいけないのだが
    (国立オペラ座はチェックは厳しい、もともとの値段が格段に違うから)
    ここまで空いていれば、まぁ、黙認だろう。

    ただ、演奏中に立ったり(椅子がガタンと音を立てて跳ね上がる!)
    移動したり(床がギシギシ軋む)
    喋ったりするのは勘弁してくれ。
    ・・・まずは、この辺から、観客マナーを疑うところ。

    まぁ、オペラ座ですから(ため息)

    シャーデ自身がプログラムに
    Prima le parole, dopo la musica と明確に書いているように
    (お〜い、テノールはフラマンで作曲家だよね〜っ(笑))
    テキストと音楽の融合を目指しているプログラム。

    ドラマツルギーとしては
    「女性」と「夜=月」をテーマに
    ベートーベンのアデライーデから
    シューベルトに移行するのが前半。

    後半は謎の作曲家、モーリス・ラヴェルと
    ガブリエル・フォーレのフランス語の歌曲。

    そして、オペラ座にちなんで
    リヒャルト・シュトラウスという構成。

    アデライーデは、もともとカンターテとして作曲されて
    アデライーデという名前が14回
    様々な音色で歌われる曲。

    あ〜、シャーデのソット・ヴォーチェ、まだ健在 ♡
    40台の頃の最高なソット・ヴォーチェに
    悶え狂った時期があるけれど
    54歳の今でも、まだまだ大丈夫。

    身体の支えがしっかりしているから
    フォルティッシモからピアニッシモまで自由自在である。

    アデライーデの後に拍手が起こったのはまだ許せるが
    あ〜、え〜、う〜
    シューベルトは一塊なのだが
    やっぱり最初の曲の後に盛大な拍手が・・・

    周囲の一部の人たちが
    シッ!と言っているんだけど
    そりゃ、リートの夕べに生まれて初めて来た人は
    何を言われているんだか、わからないよね(涙)

    An die Entfernte と An den Mond は
    うまくアタッカで繋げたけれど
    全部の曲をアタッカで繋げる事はできない。

    ところで Laura am Klavier って
    何てチャーミングな曲なの?
    演劇要素がたっぷり入って
    まるで一幕の寸劇を鑑賞しているような気分になるのだが

    会場暗くて
    せっかく5ユーロ出して買ったプログラムの
    テキストが読めません(号泣)

    シャーデが「言葉が大事」といくら言っても
    やっぱり演劇ではないわけで
    せめて、手元のテキストが読めるくらいの照明が欲しい。

    イタリア語の叫ぶアリアとかだったら何も言いませんが・・・

    An den Mond D 259 はワタシの大好物で
    ただのシュトローフェン・リートなんだけど
    そのシュトローフェンの変化が、もうたまらんというか
    すみません、謎発言なので、わからない方は無視して下さい。

    これを、シャーデがチャーミングに
    シナリオ的、演劇的に歌っているから
    もう客席で悶えまくり。

    拍手が起こったのも無視して
    ピアニストはすぐに次の演奏に続けるが
    そこまでやっても
    拍手したい人はしたいんですね。

    まぁ、ウィーンだし、オペラ座だし
    いくらシャーデがプログラムに
    ウィーンの観客のレベルは高い、と書いていても
    それは、楽友協会のブラームス・ホールか
    あるいは、もっとジモティしか来ない
    コンツェルトハウスのシューベルト・ホールでの話(断言)

    シューベルトはさすが、という感じで
    叫び過ぎず
    本当に囁くようなソット・ヴォーチェでの高音が
    体感的な快感に近い。
    (ちょっと向こうにいる若い女の子2人が
     立ったり座ったり(椅子がガタンと音を立てる)
     歌っている間に、ずっと小声で喋ったり
     スマホで自撮りしていなかったら、もっと良かったと思う)

    シューベルトの良さって言うのも
    ウィーンに住んでみて
    ここの「教養階級」にいまだに巣食っている
    排他性を垣間見たあたりからわかってきたような気がする。
    排他的なのは、一方的に悪い事ではなくて
    伝統やらしきたりやらを大事にする事にも繋がるから
    ビーダーマイヤー的な小市民性を一概に否定する気はない。

    有名な An die Musik と Seligkeit の後は
    ホルンのソロが加わっての Auf dem Strom
    ・・・この曲、絶対どこかでナマで聴いた事があるんだけど
    ホルンのソロとか入ってたっけ?

    シューベルティアーデにホルニストが居たんだろうな、と想像できるが
    しかしウィーンの9区の普通の住居の中でホルン吹いたのか・・・
    さぞかし近所迷惑(以下省略)

    オペラ座の中の写真だけ撮りたい
    音楽に興味ない、という人たちは
    前半で帰っただろう・・・と思ったら甘かった。

    確かに、もともとガラガラだった席には
    ますます少ない人数しか座っていないが
    隣で立って喋っていた若い子2人は
    真ん中の前の方に移動して
    乗り出して喋っているし
    (お喋りの声は前に流れるので、あの位置なら平気)
    スマホで録画している人もちらほら。
    (前半では係員に注意されていた・・・けれど
     わ〜ん、係員の方、演奏中に横を通らないで下さい、靴音が・・・)

    謎の作曲家ラヴェルの試験は
    結局、受けなかったので後味が悪いのだけれど
    (先生、ごめんなさい)
    こんな、ギリシャのメロディをテーマにした歌曲もあるのか。
    ラヴェルのエキゾチック趣味については
    しっかり講義で取り上げられていたが。

    ・・・で、1曲ごとの拍手。
    もう良いです。
    ピアニストも無視して、拍手の間に弾き始めてしまうが
    それでもしつこく拍手する人って
    よほど感激しているんだろうか?? 謎だ。

    続けてガブリエル・フォーレの歌曲は
    女性をテーマに、アデューまであって
    最後の曲は、失恋した時のやけっぱちの曲だそうで
    え?これがフォーレ?というくらい、ドラマチック。

    ツィッターで私をフォローしている人は
    どこがツッコミじゃ?と待ちかねているかもしれないが

    最後のブロックのリヒャルト・シュトラウス。
    最初のツィツィーリア

    ・・・なんですか、これ???

    ドイツ語のディクションを明確にしたいのが先に立って
    音程はともかくとして
    リズムが全く見えて来なくて、躍動感がゼロである。
    リヒャルト・シュトラウス、実は婚約したくなかったんじゃないか
    というくらいに、何だか間が抜けたリートと化している。
    これ、ちょっと・・・(以下省略)

    シャーデは結構オペラ座でもリヒャルト・シュトラウスは
    レパートリーにしているはずなんだけどなぁ。

    次の Zuneigung は軽めの歌だから
    軽く洒脱に歌ったのは良いのだが
    最後の Ich, und ihr, und alle? のところで
    客席を指差しながら歌うと
    そこに出現するのは、まごうかたなきオペレッタの世界。
    (あるいは、後ろにヌード・ダンサーを並べて
     その前で喋っているコンフロンシエって感じ)

    う〜ん・・・リヒャルト・シュトラウスでオペレッタになるとは
    シャーデもタダモノではない(皮肉入ってます)

    Morgen は定番だし
    マルティヌのピアノは上手いし
    シャーデの息の長いソット・ヴォーチェが見事に活きる。
    ・・・でも、この曲の最後の音が終わりきらないうちに
    ブラボー叫んで拍手する奴の神経が、私には理解不能だ。

    最後の Zuneigung は
    メロディックに、ちゃんと声を出して
    最後は例の高音を輝かしく響かせて
    イタリア・オペラちっくに盛り上げる。

    アンコールの1曲目は
    シューベルトの Nacht und Träume で
    最初から最後まで
    シャーデのこの上なく美しいソット・ヴォーチェを堪能。

    この人、自分がどんな声の質で
    どういうものを歌ったら
    聴衆がメロメロになるか、よく知ってるわ。

    シューベルトの美しき水車小屋の娘から
    6曲目の Der Neugierde
    以前、水車小屋の娘のアンコールの時に
    歌詞ド忘れ事件があったので、ちょっとドキドキしたが
    これも、本当に繊細な美声で歌い上げて満足。

    観客が少ないから、拍手もバラバラって感じだけど
    1曲ごとに盛大な拍手をしていた数人が
    大声でブラボーを叫んでいる。
    (コンサートではブラボーと叫びましょうとか
     旅行前に誰かに言われて来たんでしょうね、きっと)

    出て来たシャーデが
    割に低い話し声で(あっ、声帯の位置を戻してるな)
    「まだコンサートは続きますよ。
     ご心配なく。次の曲は、みなさん、よ〜く知っている曲です」

    ・・・「ウィーン我が夢の街」😲

    ミヒャエル・シャーデ、もしかしたら
    ヨナス・カウフマンにライバル心でも燃やしているのか???
    (カウフマンのウィーン・リートについては ここ

    しかも平土間の観客が何人か
    一緒に歌ってるし・・・
    (え〜い、ワタシだって歌いたいけれど
     そこまで厚かましくない)

    ミヒャエル・シャーデは
    もともとがドイツ系のカナダ人で
    オーストリア人ではないけれど
    オーストリアでかなり活躍していて
    音楽祭などの監督もしているので
    その意味では、話すドイツ語も
    かなりオーストリア方言に近いから
    ウィーン、我が夢の街を歌ってくれても良いんですが

    やっぱりシューベルトかリヒャルト・シュトラウスあたりで
    きめて欲しかったなぁ、
    とは言え、ツェツィーリアを聴いた限りでは
    盛り上がる Heimliche Aufforderung なんかは
    ちょっと歌って欲しくない、という感じだったし
    「月」のテーマなら
    シューマンの月で、シャーデだと絶品という曲があるのだが
    シューマンはこのプログラムには違和感があるだろうし
    ウィーン我が街で締めて良かったのかもしれない。

    同じプログラムで
    楽友協会のブラームス・ホールや
    コンツェルトハウスのモーツァルト・ホールだったら
    きっと、ドイツ・リート・オタクのジモティが集まって
    親密な雰囲気でのコンサートになったんだろうなぁ、と
    ちょっと残念なような気もするけれど

    でも、シャーデのソット・ヴォーチェに
    メロメロになって悶えまくった私に
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    ご存知とは思うけれど、念の為
    シャーデの名前の最初についている KS は
    Kammersänger 宮廷歌手 の称号である。
    すでに Kammer 宮廷なるものは存在しないけれど
    こういうタイトルだけ残っているのがオーストリアらしいところ。

    ヴェルナー・ギューラ + クリストフ・ベルナー

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      Musikverein Brahms Saal 2019年12月13日 19時30分〜21時15分

      テノール Werner Güra
      ピアノ Christoph Berner

      Franz Schubert (1797-1828)

      Abendlied für die Entfernte, D 856
      Im Frühling, D 882
      Alinde, D 904
      Auf der Bruck, D 853
      An mein Herz, D 860
      Das Heimweh, D 851
      Im Walde, D 834
      Sehnsucht, D 123
      Fülle der Liebe, D 854
      Lebensmut, D 883
      Sehnsucht, D 879
      Um MItternacht, D 862
      Der blinde Knabe, D 833
      Im Freien, D 880

      ヴェルナー・ギューラは
      コンサートではよく聴いているのだが
      リートの夕べに行くのは初めて。

      楽友協会のブラームス・ホールだが
      結構、空き席が目立つ。
      だってギューラって有名だよね?
      ただ、あまりオペラを歌っていないのは確かだし
      コンサートでは素晴らしい声を聴かせてくれるけれど
      あくまでもコンサートの出演歌手の一人としてだから
      華やかなイメージはないかもしれない。
      (要は、知る人ぞ知るって感じ?(爆笑))

      プログラムはオール・シューベルト。
      かなり渋い、通向けのプログラムだと思う。
      もっとも、楽友協会のリートのシリーズは
      こういうプログラムを好む年配のお客さまが多い。

      よく通るリリック・テノールで
      モーツァルトのオペラとか合うだろうなぁ。
      バッハのエファンゲリストは、以前、聴いた事があるような気がするが
      もう一度、この声で聴きたいものだ。

      バラードが多いので
      ドイツ語が美しくないと話にならないが
      さすがにドイツ語のディクションは完璧。
      (もともとミュンヒェン出身でザルツブルクのモーツァルテウム卒業だ)

      前半の曲には、Im Frühling とか Alinde とか
      有名な曲も入っている。
      (というより、私が知っているくらいのポピュラー加減)

      しかしまぁ、こういう曲を聴いていると
      シューベルトの作曲技法の巧みさがたまらん。
      長調と短調の入り乱れ方とか
      私のアホな耳でも1ヶ所だけ聴き取れた
      見事なジャーマン・シックスとか
      先学期に音楽分析でシューベルトを結構取り上げたのだが
      いや、もっと分析したいわ。
      (やれば?という声が聞こえてくるので耳が痛い・・・
       もちろんやれば良いのだろうが
       あ〜、う〜、そこまでは体力も気力も知能もない)

      さて、私のピアノの先生が
      シューベルトはピアノが弾けなかったので
      とんでもないピアノ・パートを作曲している、と
      教えてくれた事があったが
      (確かピアノ曲で、これだけは弾いてはいけない
       ピアニスト全員が指に支障をきたす、という
       恐ろしい魔の曲もあるらしい)

      確かに、3曲目の Auf der Bruck って
      歌手も最高の早口言葉を音楽に乗せて歌う必要があるが
      この曲、最初から最後まで
      細かい3和音の連打って・・・何なんだこれは。

      楽譜に忠実に、とか言う慣習が
      クラシックの世界にはあるようだが
      これ弾けるピアニストが居るという事が凄い。
      (同じく、「魔王」の連打が弾けるピアニストも凄い)

      後半の Sehnsucht D 879 の
      ピアノによる情景描写も面白かった。
      クリアな歌詞で聴衆に提示されるテキストと相まって
      見事なリートになっている(多少あざとい感じはするけれど(笑))

      Fülle der Liebe D 854 は、4行のシュトローフェが14回続く歌で
      メロディというよりは
      ほとんど同じ音が、ただの四分音符で続いていくのに
      転調の見事さで、14回、全く退屈せずに聴かせてしまう。
      同じような感じが続くところを
      音楽的な差を際立たせて
      テキストの内容をドラマチックに表現したギューラも巧い。

      ギューラの、あの美声で
      高い音域をソット・ヴォーチェで歌われると
      背筋がゾクゾクする。
      体感的に萌える程に色っぽい。
      どんなに年配になろうと
      ああいう声を聴くと悶絶するわ。

      あ〜、ステキなコンサートだった。

      実は昨日も、その前も
      連日連夜でコンサートに通っていて
      その記録も書かねばならないのだが

      ちょっと待って・・・💦

      来週の水曜日から、やっとクリスマス休み。
      宿題もあるし、論文の準備もあるし
      色々とやらねばならない事が山積みなのだが

      それでも休みが待ち遠しい私に
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      昨日はロンドン・フィルとユロフスキーのコンサート
      その前の2日間はアムステルダム・バロックとコープマンで
      バッハのクリスマス・オラトリオを聴いたので
      その記録も残しておきたいのだが・・・あ〜、いつ書けるだろう・・・

      イグーデスマン&ジョー 「世界の救済」

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        Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年12月2日 19時30分〜21時30分

        バイオリン・演劇・歌 その他 Aleksey Igudesman
        ピアノ・演劇・歌 その他 Hyung-ki Joo

        „Die Rettung der Welt“

        イグーデスマン&ジョーのショーって
        もう何年追い掛けているやら。

        こういうブログ(日記)を書き出したのが
        1998年くらいだったけれど
        (以前の記録はすべて消えました(涙))
        私が、まだ若かった頃(いつの話?)
        マリアヒルファー通りの教会の裏の
        さびれた(すみません)ホールで
        何だか内輪っぽい集まりで聞いたのが最初なので
        2000年頃の話かなぁ。

        誘ってくれた友人は既に鬼籍に入り
        時の経つのは早いのだが

        この二人、何でこんなに変わってないんですか(爆笑)

        最初の頃のような
        爆発的ショックは既にないし
        ジョークのごっちゃ混ぜ音楽とかは
        どうしても同じような事の繰り返しになってしまうが

        それでも、かなりの破壊力がある。
        くだらないジョークも多いんだけど
        何となくそれがハマるというか
        まぁ、好みの問題が大きいだろうが。

        しかし「世界の救済」とは、大変なタイトルをつけたものだ。
        内容は世界の救済とは一切関係ない(爆笑)

        今回は、ちょっと見た目、観客巻き込み型のパーフォーマンス。
        (ただし、1列目で舞台に呼び出された人たちは
         間違いなく関係者で、事前に知らされている。
         シナリオがあからさまだが
         まぁ、この「関係者」(一応「素人」という設定)が
         意外に楽しんで参加していたので
         ちょっとほっこりはする)

        個人的に一番ツボにハマったのは
        ワーグナーの音楽をクレヅマ音楽に編曲してしまったナンバー。
        ご存知、ワーグナーのアンチ・ユダヤをパロディにしてしまって
        これは、天国でワーグナーは頭を抱えているに違いない。

        この面白さって
        どんなに書こうとしても表現できないし(すみません)
        ちょっと時間的な余裕もないので
        本日はこれだけにしておく。

        それにしても、今日のパーフォーマンス
        貧民席(ギャラリー)に、かなり空席があったのだが・・・
        確かに最近、コンツェルトハウスのチケット代も
        どんどん急激に値上げされていて
        以前みたいに20ユーロ以下の席って
        なくなっちゃって、財布に痛いのはあるけど。

        日常生活の話だが、来週の発表が・・・(冷汗)
        今学期10月以降、ともかく、ちょっとあのあのあの・・・

        なんかマックブックの調子が悪くて
        これは修理できるんだろうか、うううう、と
        ちょっと落ち込んでいる私に
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        しかし、この、ふざけた(笑)二人
        ピアノとバイオリン、むちゃくちゃ巧いんだよねぇ。
        ちょっとしたフレーズも、さりげなく演奏してしまうんだけど
        すごい技術と音楽性があるのが、長続きの秘訣なのかも・・・

        ファン・ディエゴ・フローレス@コンツェルトハウス

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          Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年11月14日 19時30分〜22時

          テノール Juan Diego Flórez
          オーケストラ Deutsche Staatsphilharmonie Rheinland-Pfalz
          指揮 Jader Birgnamini

          Giuseppe Verdi (1813-1901)
          Nabucco Ouverture
          Rigoretto „Questa o quella“ (Arie des Herzogs)
          Rigoretto „Ella mi fu rapita … Parmi veder le lagrime“ (Szene und Arie des Herzogs)
          Un giorgno di regno Ouvertüre
          Attila „Oh dolere!“ (Romanze des Foresto)
          I Lombardi „La mir letizia infondere“ (Kavatine des Oronte)
          I due Foscari „Brezza del suol natio … Dal più remoto esiglio … Dal consiglio alle presenza … Odio solo, ed odio atroce“ (Szene des Jacopo)
          La Traviata Prelude 1. Akt
          La Traviata „Lunge de Lei … De’ miei bollenti spiriti“ (Szene des Alfredo)

          Franz Lehár (1870-1948)
          Das Land des Lächelns „Dein ist mein ganzes Herz“ (Arie des Sou Chong)
          Paganini „Gern hab’ ich die Frau’n geküsst“ (Arie des Paganini)
          Giuditta „Freunde, das Leben ist lebenswert“ (Lied des Octavio)

          Héctor Berlioz (1803-1869)
          La damnation de Faust Ungarischer Marsch (Rákoczy-Marsch)

          Jeles Massnet (1842-1912)
          Werther „Pourquoi me réveiller“ (Arie des Werther)

          Georges Bizet (1838-1875)
          Carmen „La fleur que tu m’avais jetée“ (Arie des Don José)

          Pietro Mascagni (1863-1945)
          Cavalleria Rusticana Intermezzo

          Giacomo Pucchini (1858-1924)
          La Bohème „Che gelinda manina“ (Arie des Rodolfo)

          アンコール
          Carlos Gardel: El dia que me quieras. Tango Canción
          Mendoza/Cortes: Cielto Lindo
          Tomás Méndez: Cucurrucucu Paloma
          Augustín Lara: Granada
          Giacomo Pucchini: Nessun dorma ! (Arie des Kalaf aus „Turandot“)

          ファン・ディエゴ・フローレスが
          ウィーンの国立オペラ座に出演するとなると
          最初からチケットは売り切れで
          出てくるにしても200ユーロ以上の席しか出て来ず

          最後にオペラ座でネモリーノ聴いて
          ぶっとんで失神しそうになってから
          数年間、フローレスのあの「黄金の声」を聴くチャンスがなかったので

          最貧民席で30ユーロを越えるという
          強気値段設定なのだが
          会員発売初日にバッチリ貧民席を確保。

          同じ日に楽友協会では
          ミュンヒェン・フィルがゲルギエフとブルックナーの7番という
          ちょっと身を切られる思いだったのだが

          行ってみたら、楽友協会の最貧民席でいつも会うオヤジカップルも来ていて
          おお、君たちも今日はブルックナーじゃなくてフローレスかい・・・

          ただ、会場は圧倒的にお洒落した年配のご婦人が多い。

          このグレート・ヴォイスのシリーズは
          割に「歌謡ショー」みたいになっていて
          お目当ての歌手を聴きに行っても
          オーケストラの演奏が70%くらい。
          肝心の歌手は、前半2曲、後半3曲のアリアとかいうケースが多い。

          私も今日はぐったり疲れているし
          オーケストラの時は寝てれば良いわ、という気持ちで行ったのだが

          きゃああああああっ!!!

          フローレス、ほとんど歌いっぱなし!!!!!

          しかもワケわからんソプラノ歌手とか連れて来てないし
          普通、アリア1曲歌ったら、舞台袖に引っ込んで
          それからオーケストラが延々と2曲くらい演奏するっていう感じなのに
          アリア歌った後、そのまま舞台で、拍手を受けてから
          即、次のアリアを歌い出すという・・・

          しかも、あの超高いCが、バッチリ入る曲ばかり
          続けて3曲とか歌っちゃうこのテノールはいったい何?!?(・_・;?

          各曲とも、ちゃんとオペラの内容に入り込んでいて
          表情も仕草も、すべてオペラになっている。

          でもって、フローレスのあの甘いリリック・テノールの声!!!!!

          以前、また歌謡ショーになったらイヤだなぁ、という話をした時に
          オペラ通の友人が
          「大丈夫、フローレス真面目だから」と言っていたけれど

          この人、音楽に対して、本当に真摯というか
          生まれ持っての才能があっても
          努力家で、しかも音楽好きで、訓練を欠かさず
          音楽を解釈する力、音楽に命を与える喜びに満ちている(ような気がする)

          昨今、才能に恵まれたテノールも増えているけれど
          フローレスの声って
          ちょっと格が違う(他のテノールの方、ごめんなさい)

          ともかく、甘い滑らかな蜂蜜のような美声で
          しかも高音の伸びが、こんなに美しいテノール!!!
          楽々と出して、この上ない美しさで
          天井桟敷の貧民席までストレートに届く。

          いやワタシ、バスとか低い声が好きだった筈なんだが。
          歳取ると若い男の子が好きになる、と一般には言われているが
          バスも好きだけど、テノールも大好き、という
          (年配の男性も好きだけど、若い子も好き・・・)
          そんな雑食人間になるとは思ってもいなかった。

          前半のヴェルディで、すでにメロメロ状態。
          美声にむちゃくちゃ酔ってる。
          睡眠不足のせいだけではない。
          というより、このコンサート、フローレス歌いっぱなしなので
          寝てる時間がない(笑)

          後半の最初は・・・何とオペレッタ!!!
          フローレスの美声でオペレッタ!!!!!!
          何と言う贅沢な時間!!!!
          (びっくりマーク多過ぎてすみません)

          ただ、オペレッタって
          メロディ・ラインをオーケストラが演奏してしまうので
          あの美声がオーケストラのバイオリンとかと混ざってしまって
          え〜い、バイオリン邪魔だ、退け!という気分になる。

          その点、イタリア・オペラってすごいわ。
          ヴェルディでもプッチーニでも
          フランス・オペラのマスネーやビゼーも
          オーケストラはあくまでも伴奏に徹して
          歌手がメロディ・ラインを完璧に歌うのを信頼して
          声の美しさが際立つようにオーケストレーションされてる。

          マスネーのウエルテルのアリアの美しさ。
          ウエルテルはアホだと予々思っていたが
          その偏見は本日に限り封印する。
          あんな声で歌われたら
          シャルロッテじゃなくても
          アルベールより、いくらストーカーでもウエルテルに走るだろう。

          ビゼーのドン・ホセも
          カルメンのバカ、とか言いたくなっちゃう。
          あんなにチャーミングに、情けなさそうに歌われたら
          同情だけでもドン・ホセに惚れちゃいませんか?

          以前のネモリーノの時もそうだったけれど
          ともかく健気というか、キュートというか
          その美しい高音を聴いたら、もう、どうにでもして・・・

          プッチーニのボエームのアリアで終わったんだけど
          今一つ、あまり観客が乗っていない、というか
          コンツェルトハウスって比較的年配のお客さまが多いので
          はしたなくブラボー・コールとかしないんですよ。

          そしたら・・・

          フローレスがギターを持って登場!!!
          椅子に座って
          「はぁぁ」とため息(笑)「やっと座れました」って(爆笑)

          ギターを自分で弾きながら
          むちゃくちゃチャーミングな美声で
          すごく親密に歌い上げるタンゴ。
          (途中で、さて、何歌おうかなぁ、と客席に話したりして(笑))

          しかも、裏声での高い音まで
          この上ない美しさで出して
          更には、その裏声の高音を
          ず〜〜〜〜っと引き伸ばして
          悪戯っ子みたいに、ニヤッと笑うチャーミングさ。

          この女殺し・・・(あっ、すみません)
          あれ聴いたら、本当に女性はメロメロになるわ。

          ギターの演奏のソロの後
          拍手は鳴り止まず
          ここらへんでスタンディング・オベーション発生。

          出て来たフローレスは
          上着の中から、薔薇を1本取り出し
          オーケストラ伴奏で、グラナダ。

          女性のコンサート・マスターにちょっとお節介をかけながら
          指揮者にもちょっかい出して
          高音での装飾音を自由自在に操って
          (オーケストラはその間待ってる(笑))
          いやもう、ノリノリの楽しさ。

          あまりにチャーミング過ぎる・・・
          しかも、あれだけ歌っても
          リリックの滑らかな美声はそのままだし
          艶々でチャーミングで若々しくて
          何なんですか、本当に、このテノールは(驚愕)

          まだ鳴り止まない拍手で
          (既に時間は22時に近い)
          最後に歌い出したのが

          トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」

          隣のおばさまが大興奮して、きゃあああああっ、と
          思わず叫んでいたが
          そりゃ叫ぶでしょう、これは。

          オーケストラの中間部では
          フローレスが「皆さんも歌いましょう」という仕草をして
          客席から歌声が響く。
          う〜ん・・・客をノセるのも巧いわ、この人。

          で、となりのおばさま
          歌ってくれるのは良いんですが
          フローレスが歌い始めても一緒に歌ってるのは
          ちょっと勘弁してくれませんか?(言わないけどさ)

          何万円も払ってオペラに行って
          他の歌手も聴いて(聴かされて)
          フローレスがアリアを3曲、とか言うのより
          このコンサートの方が
          美しいアリアや、オペレッタのナンバー
          更にはギターでのタンゴとか弾き語りで聴けて
          最初から最後まで歌いっぱなしで
          フローレスの、この上なく美しいテノールと
          ハイCを聴き放題って

          30ユーロ以上払っても、むちゃくちゃお得だった。
          充分にペイしたというか
          あんなに美しいテノールを
          あれだけばっちり聴かせてもらう機会なんて
          私の一生に何回あるんだろう。

          フローレス46歳。
          ちょうど、今が一番脂の乗った時期かもしれない。
          歌手もバレエ・ダンサーも
          その旬の時期というものがあって
          その「時」に聴かねばならない時期がある。

          その意味で、今日は本当に
          むちゃくちゃ興奮したコンサートだった。
          寝不足だろうが、倒れそうだろうが
          コーヒーしか飲んでなくて、ランチも取っていない状態だろうが
          こういうコンサートに行けたのは
          ともかく幸運だった、とつくづく思う私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          この記事、本当はオーケストラ・カテゴリーになるんだろうけれど
          今日の主役は間違いなくフローレス。
          オーケストラは伴奏に徹していて中立的。

          Franui フラヌイ + Die Strottern フランツ祭り    新シューベルティアーデ

          0
            Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2019年11月11日 19時30分〜21時15分

            Musicbanda Franui
            クラリネット、バスクラリネット Johannes Eder
            チューバ Andreas Fuetsch
            アルトサクソフォン、クラリネット Romed Hopfgartner
            コントラバス、アコーデオン Markus Kraler
            ハープ、ツィター、歌 Angelika Rainer
            ハックブレット、歌 Bettina Rainer
            トランペット、歌 Markus Rainer
            トロンボーン Martin Senfter
            バイオリン Nikolai Tunkowitsch
            トランペット、歌、司会、指揮 Andreas Schett

            Die Strottern
            歌、バイオリン Klemens Lendl
            歌、ギター David Müller

            „Franzensfeste: Eine neue Schubertiade“

            Der Wanderer nach Franz Schubert D 493 (Markus Kraler/Andreas Schett)
            Frohsinn nach Franz Schubert D 520 (Die Strottern/Andreas Schett)
            Oh das is guat nach Joseph Lanner op. 1, Text: M. Schmid
            Der Tod und das Mädchen nach Franz Schubert D 531 (Markus Kraler/Andreas Schett)
            Alptraum eines österreichischen Pianisten (Marks Kraler/Andreas Schett)
            nach Tänzen von Franz Schubert (D145/2,3 & 17; D354/1; D365/17; D366/3,4 & 10; D378/2; D420/5 & 10; D681/1,2 & 5; D734/2; D783/11 & 15; D790/5; D980b)
            Der Müller und der Bach nach Franz Schubert D 795/19 (Markus Kraler/Andreas Schett)
            Der Labetrank der Liebe nach Franz Schubert D302 (Die Strottern)
            De ganze Wöd hoid schdüü, Text: Klemens Lendl, Musik: Tom Waits
            Tanz! (Franz!) nach Franz Schubert (D145/10; D365/36; D783/10 & 7; D790/8) (Markus Kraler/Andreas Schett)
            Der Morgenkuss nach Franz Schubert D 264 (Der Strottern/Andreas Schett)
            Das Wirtshaus nach Franz Schubert D 911/21 (Markus Kraler/Andreas Schett)
            Die zwei von der Pietät, Text & Musik: Josef Hornig
            In der Dunkelheit, Musik: Markus Kraler & Andreas Schett
            U1, Text: Peter Ahorner, Musik: Die Strottern
            Was soll’s? (Totengräberweise) nach Franz Schubert „Totengräbers Heimweh“ D 842 und „Totangräberweise“ D 869 (Markus Kraler/Andreas Schett)
            An einen Freund nach Franz Schububert D Anh. 1214, aufgeschrieben 1943 von Richard Strauss, und Anton Bruckner „Stille Betrachtung an einem Herbstabend“ WAB 123, Text: Klement Lendl; musikalische Bearbeitung: Markus Kraler & Andreas Schett

            曲目を書き出したら、エライことになってしまったので
            上のごちゃごちゃ部分は無視して下さい。
            ・・・いや、しかし、よくやるわ、このムジークバンダ「フラヌイ」

            読者ご存知の通り、私はもう数年にわたって
            このバンダの大ファンで
            ウィーンでコンサートがある時には、できるだけ行っているのだが

            しかしこのグループ、コンサートごとに
            様々な分野からの色々な音楽家と共同作業をして
            見事な音楽的水準を(創造性含む)聴かせてくれて
            それが数年、水準を全く下げる事なく
            というより、果敢に色々な事に挑戦しつつ
            活動しているのは、この世の世界七不思議の一つではないだろうか。

            今回はウィーンのデュオとの共演。
            チロルのドロミテに近い片田舎のグループと
            ウィーンの音楽家・・・・

            最初の掛け合いが爆笑モノ。
            アンドレアス・シェットは、いつもの通り
            マイクの前に立って、チロル訛りで話そう・・・とするところに
            クレメンス・レンドルのウィーン訛りが被さって
            まるでオペラの二重唱のようである。

            というか、お互い同士の「典型的偏見」が剥き出しになって
            いや、確かに、そういう偏見ある、絶対にある、間違いなくある
            というのを、多少なりとも類型的な形で
            ウィーンの超コンサバで
            だけど自分たちをコンサバとは思っていなくて
            ちょっと進歩的で現代的なのよ〜、という
            年配金持ちインテリの聴衆に
            よくアピールしている。
            (どういう客層が来ているかなんて
             服装と、お友達同士、あるいはカップル同士の会話で
             ばっちり明確にわかるわい)

            ・・・ちなみに、こういうコンサート
            いわゆる、一目見てわかる「外国人」はいないので
            私はたぶん、一人で目立ちまくりだったんだろうが
            目立っているアジア人が、涙流して笑いこけていたので
            まぁ、そこらへんはね。

            私自身は、こういう「秘密結社」みたいな
            ウィーンの、自称インテリ実は超コンサバの層には入れないが
            その層が楽しめるようなものは、私も楽しめます。文句ある?

            さて、プログラムの最初が Der Wanderer である。
            コントラバスのずっしりした暗い低音から始まって
            おおおお、確かに Der Wanderer 暗い曲だけど
            山から降りて来たのが
            ヒマラヤの雪男とか、ネアンデルタール人みたいに聞こえるんだけど・・・

            ところが降りて来た雪男・・・じゃなかった、山男は
            突然、行進曲で元気にドカドカ歩き出す(あらら(笑))
            メロディのフラグメントを使用しながら
            テキストはオリジナルのままで
            中間部はキュートに(いいのかそれで)
            最後は静かに静かに問いかけで終わるんだけど

            ほとんどセリフになった部分の最後の行の
            „Dort, wo du nicht bist, dort ist das Glück“
            (幸せは、お前が居ないところにある)
            という、痛切なところで

            何で客席から笑い声が聞こえるわけ???

            シューベルトのこの有名なリートを知らない人が(テキスト含む)
            今日のコンサートに一定数居るって事?????

            ついでに、シェットがマイクの前にたち
            チロル訛りで「ありがとう」と言うたびに
            客席から笑い声が起こるんだけど

            社会言語学の授業で
            「方言を喋って笑われた事があるか」というテーマが
            必ず取り上げられるのだが
            本当に笑い声が起こるんだ(驚愕)

            ・・・いや、ちょっとマウンティング気味だって事は
            自分でもわかるけど
            あまりに類型的で、ちょっと本気で驚いた。

            フラヌイの編曲とその技法については
            最初のブラームスやマーラー、シューベルトで
            度肝を抜かれてから
            私はシェットは天才だと思っているのだが

            今回も期待に背かず
            素晴らしいシューベルトの編曲を聴かせてくれて

            シューベルトも墓の下で
            ウヒウヒ笑って楽しんでいるような気がする。
            (こんな曲、ボクは書いてない!と怒って出てくるかもしれないが(笑))

            ウィーンの民謡(現代含む)をレパートリーにしているデュオの
            Die Strottern も音楽的には面白い。
            ランナーの曲にウィーン訛りのテキストをつけて
            何ともウィーンらしい曲にしているのも楽しい。

            Alptraum eines österreichischen Pianisten
            オーストリアのピアニストの悪夢、と銘打った作品は
            シューベルトのダンスを二小節ごとに別の曲をくっつけた
            コラージュみたいな作品で、もうめちゃくちゃである。

            Der Müller und der Bach は、小川はフラヌイのメンバーの
            男性コーラスで歌って、見事だった。

            Der Morgenkuss 朝のキス の曲の前に
            クレメンス・レンドルがチャーミングなウィーン訛りで

            この曲は、舞踏会が終わって
            朝になってキスする、というシチュエーションです。
            一晩中、舞踏会でイチャイチャしていたのに
            周りに他のゲストがいて
            あの、その、あの、肝心なコトが出来ないという状況の後
            やっと朝になって、あ〜、むにゃむにゃ

            というスピーチの間中
            隣の中年のカップル(推定50歳)が
            ものすごい勢いでイチャイチャしていたのが

            くそ、羨ましい・・・(本気)

            Die Strottern の U1 というリートは
            地下鉄1番線(この路線は労働者地区を通る)の駅名を歌いながら
            それぞれの駅で起こるエピソードが面白い。
            こういうのは、如何にもウィーンっぽい。

            Was soll’s? 無理して訳すと「それが何か?」って感じだが
            シューベルトの、墓守のリート2つをミックスしたもの。

            いつもの事だが
            アンドレアス・ショットからは
            インナーフィルグラーテンの田舎でのブラスバンドは
            葬式の時に、墓に行くまで行進曲を演奏し
            葬式が終わってから
            墓からレストラン(というより居酒屋って感じか)に行くのに
            同じ行進曲を4倍速で演奏して、というような話になる。

            もともとの田舎のブラス・バンドは
            葬式用の音楽隊だから・・・
            葬式のエピソードとかも語られて

            いや、う〜ん、ものすごく不謹慎なんだけど
            こういう田舎の自然な葬式の話を色々と聞いていると
            最近、周囲の人が何人も亡くなったりしているので
            現代の都会より、もっと「死」が身近な場所に居るような気分になって
            あ〜、私も、そろそろ遺書でも作っておいた方が良いかも、と
            メメントモリ的な事を考えたりしてしまう。

            最後の An einen Freund と銘打った曲だが
            これはクーペルヴィーザー・ワルツが元だそうで

            シューベルディアーデのメンバーだった
            画家のレオポルド・クーペルヴィーザーの結婚式の時に
            シューベルトが即興演奏をして
            楽譜は残っていないが
            これがクーペルヴィーザーの娘などが演奏して
            それをリヒャルト・シュトラウスが採譜したらしい。

            で、何故にそこでブルックナーが絡まってくるのかは
            シェットもムニャムニャと誤魔化していたので不明だが
            暇になったら調べてみる(かもしれない)

            (註 クーペルヴィーザーの有名なフランツ2世(あるいは1世)と
               フェルディナント1世の肖像画は
               シェーンブルン宮殿の内部見学で見られます)

            割に暗い雰囲気の最後の曲だったのだが
            ちゃんとアンコールもあって、盛り上げて終了。

            チロルとウィーンという異文化のクロスオーバー
            と言ったら笑われるかもしれないが
            やっぱりチロルとウィーンって異文化だわよ。

            フラヌイも、これだけインターナショナルになって
            人気があっても、やっぱり地元に行くと
            まだまだ偏見や問題もありそうだし。
            (以前には確か警察沙汰にまでなった。
             それこそ、閉鎖的なチロルの村社会である)

            自分たちの新しいCDの宣伝も
            12月31日の深夜コンサートの宣伝も
            抜かりなくちゃんとやっていた(笑)

            こういうコンサート、12月31日に行きたいところだが
            大晦日の、こういうコンサートには
            さすがに一人では行けない。
            (行った事があるけれど、ちょうど深夜は、カップルや友人同士で祝えるように
             幕間になっていて、一人では、ちょっと身の置き所がないのである)

            フラヌイはコンサートのたびごとに
            面白い事をやってくれるので、本当に飽きないわ ❤
            (しかも、顰蹙を承知で正直言っちゃうと
             アンドレアス・シェットのチロル訛り、すごくチャーミングで好き。
             以前奉職していた会社がチロルの会社だったので
             懐かしい(かもしれない)同僚たちの訛りっぽい響きもある)

            木曜日発表予定の資料の提出も済み
            (昨日3時間しか寝てないが)
            教授からの承諾ももらったので
            後は、話すテキストを書くだけ(まだやってないんかいっ!)
            という私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            今週の発表が終わっても
            12月初旬に、別テーマでの発表があって
            (ついでに、この別テーマの方は卒業論文その1のゼミでもある)
            他にも色々とやらねばならない事が溜まっているのに
            コンサート行ってブログ書いている私は真正のアホである(自爆)

            ヨナス・カウフマン リサイタル

            0
              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年10月14日 19時30分〜22時

              テノール Jonas Kaufmann
              ソプラノ Rachel Willis-Sørensen
              オーケストラ PKF - Prague Philharmonia
              指揮 Jochen Rieder

              Johann Strauss Sohn (1825-1899)
              „Eine Nacht in Venedig“ - Operette in drei Akten
               Ouverüre
               „Sei mir gegrüßt, du holdes Venezia“ - Lied des Herzogs aus dem 1. Akt
               „Ach wie so herrlich zu schau’n“ - Lied des Caramello aus dem 3. Akt

              „Rosen aus dem Süden“ - Walzer op. 388

              „Dieser Anstand, so manierlich“ - Duett Rosalinde/Eisenstein
               aus der Operatte „Die Fledermaus“ Uhren-Duett

              „Tik-Tak“ - Polka schnell op. 365

              „Draußen in Sievering blüht schon der Flieder“ -
              Walzerlied aus der Operette „Die Tänzerin Fanny Elsler“

              „Leichtes Blut“ - Polka schnell op. 319

              „Wiener Blut“ - Duett Gräfin/Graf aus der Operette „Wiener Blut“

              Robert Stolz (1880-1975)
               „Gruß aus Wien“ - Marsch op. 898

              Emmerich Kálmán (1882-1953)
               „Zwei Märchenaugen“ - Lied des Mister X
               aus der Operette „Die Zirkusprinzessin“

              Robert Stolz
               „Wiener Café“ - Walzer
               „In Prater blüh’n wieder die Bäume“
               „Wien wird schön erst bei Nacht“

              Franz Lehár (1870-1948)
               „Die lustige Witwe“ - Operette in drei Akten
               „Es lebt eine Vilja, ein Waldmägdlein“
                  Lied der Hanna Glawari aus dem 2. Akt
               „Lippen schweigen“ - Duett Danilo/Hanna Glawari aus dem 3. Akt

              Karel Komzák (1850-1905)
               „Bad’ner Madln“ - Konzertwalzer op. 257

              Rudolf Siecznski (1879-1952)
               „Wien, du Stadt meiner Träume“

              アンコールに Hermann Leopoldi の In einem kleinen Café in Hernals と
              Hans Mayer の Heut ist der schönsten Tag in meinem Leben の後に
              ツェラーの小鳥売りと
              Sag beim Abschied leise Servus に加えて
              最後はゲオルク・クライスラーの Der Tod, das muss ein Wiener sein を
              歌ったらしいのだが
              私は Heut ist der schönsten Tag in meinem Leben にて
              失礼して来た。

              このコンサート・・・というか「歌謡ショー」のチケット
              一番安い席が40ユーロくらいで
              次のカテゴリーが既に90ユーロとか
              ワケわからん値段設定なのに売り切れという

              まだ衰えないヨナス人気?

              プログラムが7ユーロ50セント
              もちろん、カウフマンの出したCDの大々的コマーシャル付き。

              そのアルバムのプロモーションビデオ(ドイツ語)はこちら。



              ウィーン観光局のプロモーション・ビデオっぽい(笑)

              コンツェルトハウスの大ホールは
              舞台上にサスペンション照明がいくつも入り
              上の固定照明も色が変わって青になっていて
              床のサス明かりとか、手すりのところのスポット・ライトとかで

              南国のバラのところは舞台がピンクになったり
              愛のデュエットの時は赤くなったり
              プラーターに春が来るの曲では緑になったり

              なかなかクリエイティビティが(以下省略)
              照明係が悪いワケではないが、金のかかった舞台だなぁ。
              (まぁ、チケット、むちゃくちゃ高かったからな)

              *** さて、これにて、熱狂的なヨナス・カウフマンのファンの方は
                どうぞお引き取り下さい。
                あくまでも個人的印象の自分用メモなので
                書きたい事を書かせてもらう。チケットは自前で買ってる!

              オーケストラだけの最初の序曲で
              あれれれれれれ・・・

              これ、マイク入ってますよね?
              だって、こんなにオーケストラの音って普通響いて来ない。
              それとも、私の耳がとうとうおかしくなったのか
              ・・・と思っていたら

              登場したカウフマンがお客さまに向かって短いスピーチして
              あああああ、やっぱりカウフマンもマイク付けてる・・・

              マイク技術は昨今、目覚ましい発達をしているとは言え
              ワタシは老人だし、前時代的人間なのでマイクはキライなの。

              カウフマンの歌、バリトン領域は出ているけれど
              上の方になると
              張り上げる事はまだ出来ても、ちょっとう〜ん (・・;)
              歌ってるのオペレッタだよね・・・

              ソプラノ歌手と一緒に「こうもり」からのデュエット。
              あああああ
              これをウィーンの(耳の肥えた)聴衆に聴かせるか?

              ソプラノももちろんマイク付きで
              よって、声は充分に聴こえるものの(うるさい)
              音符、かなり外してますけど
              フォルクス・オーパーの歌手の方が
              ずっと巧いぞ、この曲は(断言)

              アイゼンシュタイン役だって、そもそもバリトンだし。

              途中に入るインストルメンタルだけど
              こういう曲って、いくつか違った編曲のオペラ・スコアがあるのか
              と思わせるほどに
              普段ウィーンで(主にニューイヤー・コンサートのビデオで(笑))
              聴いている曲の感じとは全然違って
              音は粗いし、リズムが飛び跳ねてるし
              パーカッションが微妙にズレたりして気持ち悪い。

              本気で前半だけで帰ろうかと思ったけれど
              チケット高かったから、一応、後半の「ウィーン特集」も聴いて行こう。

              う〜ん・・・
              ものすごく微妙・・・

              だって、本当に声が出てないんだもん。
              私の大好きなローベルト・シュトルツの曲とか
              別に声を張り上げる必要はないんだけど
              こういう曲を
              ヨナス・カウフマンで聴く意味がわからん。

              しかも大ホールで色とりどりの照明に照らされて
              オーケストラも歌手もマイク付きで・・・

              ウィーンの近代民謡って
              やっぱり、ウィーンの方言で
              小さなホールで
              しっとりと聴く曲ではないのか(独断・偏見・好み)

              ヘルムート・クヴァルティンガーとかで聴いちゃってるからな。
              (いったいワタシは何歳なんでしょう?(笑))

              いわゆる本当のウィーン訛りの歌を歌える歌手って
              確かに最近は出て来ていない。
              (余計な話だが、私はフィルハーモニックスのメンバーの
               バイオリニストのセバスティアン・ギュルトラーが
               自分で作詞・作曲したウィーン民謡を自分で歌うのが
               むちゃくちゃ好きである)

              その意味では
              このご時世にウィーン民謡を歌うというのは
              ニッチ・プロダクトではあるのか。
              別に声出なくても
              ウィーン訛りのディクションさえしっかりしていれば
              それはそれで良いんだろうけれど
              その「ウィーン訛り」が、やっぱりリアルじゃない(文句が多い)

              クラシックの発声から言ったら
              こういう民謡って、歌いにくいと思うんですよ。
              だって、どんどん声出なくなって来てるし。
              もちろん、ここ、高音でカデンツするかな、と思うところも
              抑えてしまって中間のドミナントで終わる。

              それと対照的に、ソプラノ歌手は
              後半は真っ赤なロング・ドレスで
              ヴィリアの歌の最後を2回とも
              3音上げてのカデンツで攻めた。
              (3音上げると、三和音の3になるので
               あまり意味がない。和声的にも不安定である)

              アンコール1曲目の
              In einem kleinen Cafe in Hernals では
              マイクの音量を上げて来た。
              (そこでワタシはもうイヤになって、次の曲の後、出て来てしまったのだが)
              いや、この歌、私、大好きですよ。
              しっとりとしてウィーンらしくて
              ただ、これ歌うのは、ものすごく難しいと思う。

              あの退廃的な物憂げさに
              ウィーンっぽい、ちょっと鼻持ちならない
              でも我慢できる程度の嫌味ったらしさと
              無意識的に醸し出される抑えられた背徳的な魅力というか
              ・・・いったいワタシは何を期待しているんだろう(自分でもわからん)

              ともかく、このコンサート
              同じ出演者と同じプログラムで
              来年1月にドイツとスイスの各都市で行われる。

              ウィーンでこういう曲を演奏しちゃうと
              ある意味、ウィーンの聴衆は
              言わないけれど、けっ、ドイツ人が何やってる
              ・・・みたいなところはあるので
              (だって周囲の年配のお客さま方には、ほとんどウケてなかった)
              ドイツとかスイスでどんどんコンサートして
              ウィーンのプロモーションをしてくれれば
              ドイツだったら、絶対にウケると思うよ、たぶん。

              まぁ、こういう嫌味ったらしい個人メモを書きながら
              そんな嫌味をぶちぶち言っていると
              ある意味、ウィーンのいやらしさに染まって来たかも、と
              ちょっと反省している私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              ある意味、最後のアンコールまで残らなくて良かったと思ったのは
              ゲオルク・クライスラーが歌われていたから。
              (しかも、Der Tod, das muss ein Wiener sein だ!!!)
              クライスラー大好きなんだけど
              あれは、クラシックの歌手の曲ではあり得ない。
              いわゆるキャバレティストの範疇で
              曲の性格が全く違う!!!

              クリスティアン・ゲルハーヘル + ゲロルド・フーバー

              0
                Wiener Konzerthaus Mozart Saal
                2019年10月2日 19時30分〜21時40分

                バリトン Christian Gerhaher
                ピアノ Gerold Huber

                Benjamin Britten (1913-1976)
                Purcell Realizations (1943-1959) (Auswahl)
                 If music be the food of love Z379a
                  (aus der Sammlung »Orpheus Britannicus«, 1692)
                 A Morning Hymn Z 198
                  (aus der Sammlung »Harmonia sacra«, 1688)
                 Job’s Curse Z 191 (aus der Sammlung »Harmonia sacra«)
                 Alleluia ZS 14 (aus der Sammlung »Harmonia sacra«)

                Johannes Brahms (1833-1897)
                Ausgewählte Lieder
                 Sehnsucht op. 14/8 (1858)
                 Vor dem Fenster op. 14/1 (1858)
                 Vom verwundeten Knaben op. 14/2 (1858)
                 Der Gesang zum Liebchen op. 48/1 (1869)
                 Der Überläufer op. 48/2 (1855)
                 Vergangen ist mir Glück und Heil op. 48/6 (1868)

                Modest Mussorgski (1839-1881)
                 Lieder und Tänze des Todes (1875-1877)
                  1. Wiegenlied
                  2. Serenafe
                  3. Trepak
                  4. Der Feldherr

                Benjamin Britten
                 Songs and Preverbs of William Blake op. 74 (1965)
                  Proverb I - London
                  Proverb II - The Chimney Sweeper
                  Proverb III - A Poison Tree
                  Proverb IV - The Tyger
                  Proverb V - The Fly
                  Proverb VI - Ah! Sun-flower
                  Proverb VII - Every Night and Every Morn

                Johannes Brahms
                Ausgewählte Lieder
                 Meerfahrt op. 96/4 (1884)
                 Anklänge op. 7/3 (1853)
                 Verzagen op. 72/4 (1877)
                 Über die Heide hallet op. 86/4 (1882)
                 An eine Äolsharfe op. 19/5 (1858)
                 Die Kränze op. 46/1 (1868)
                 Todessehnen op. 86/6 (1878)

                7月31日にザルツブルク音楽祭で聴いたのと
                同じプログラムのリートの夕べ。
                今回はウィーンのコンツェルトハウス
                室内楽に最も適したモーツァルト・ホール。

                リートのチクルスの固定客が多いので
                ご年配の方が異様に多い。
                いつも思うのだが、こういうご年配の方々って
                やっぱり若い頃には、クラシックとか聴かず
                ビートルスあたりに熱狂していた方々なのか
                あるいは、子供の頃からクラシック一辺倒だったのか
                ちょっと聞いてみたいような気がする。

                (だって、この年配層が全員死んだら
                 もうクラシックなんてやって行けない、とかよく言われるけれど
                 若い頃はポピュラー(当時はロックンロールとか?)に夢中になって
                 ある程度、歳取ったら、クラシックに転向って人が多いのであれば
                 今の若い世代も、40〜50歳過ぎ頃から
                 この手のクラシックに流れてくる、という可能性もあるのではないだろうか。
                 まぁ、私の死後のクラシック音楽界を心配しても仕方ないんだけど)

                ザルツブルクで聴いた時も
                ともかく死を扱っていて、異様に暗いプログラムで
                通向けなのか何なのか
                誰でも知っているような有名な曲は一つもない。

                最初のブロックの
                ヘンリー・パーセルとベンジャミン・ブリテンの謎は解けた。
                さすがコンツェルトハウスのプログラムには
                パーセルの音楽をブリテンがリバイバルした経過を記述していて
                ブリテンのリバイバル作曲年ではなく
                パーセルのオリジナルの作曲年が記載されている。

                いやもう、何という繊細さ!!!
                声も抑えて、徹底的に丁寧に、言葉の力を活かして
                同時にピアノの美しさといったら・・・

                ブリテン・パーセルの後、そのまま舞台上に残って
                ブラームスのリートに突入。
                これも暗い曲ばかりなんだけど
                ブリテンと比べると
                ピアノ伴奏の和声に厚みがある。

                ゲルハーヘルも、印象としてはザルツブルクより
                もっと抑制を効かせて、ほとんどストイックに響くくらい。

                その分、ムソルグスキーではドラマチックな表現を全開にした。
                ・・・けど、これ、私、歌詞が追えなくて、すごく残念。
                まるでオペラか、あるいは劇を聞いているような感じだったので
                テキストが理解できたら、全然違ったんだろうなぁ・・・(涙)
                (プログラムにはロシア語とドイツ語訳が記載してあるが
                 ロシア語はロシア文字だ、私は全然読めない・・・(アホ))

                休憩の後のブリテン、
                ウィリアム・ブレイクの歌と格言は、見事だった。
                ザルツブルクの時より、更に磨きがかかった感じで
                細かい英語のニュアンスを余すところなく伝えて来ると同時に
                ピアノ伴奏の透明さが際立って
                いやもう、むちゃくちゃ良いわ ♡

                このワケわからない詩のテキストも魅力的。
                それにつけたブリテンのメロディの表現力が、また凄くて
                それを、限りなく細かい部分まで
                徹底的に拘って聴かせてくれたゲルハーヘルに感謝。

                最後のブラームスも、あくまでも抑制の効いた演奏。
                まぁ、こういう暗いプログラムって
                あそこまで抑制を効かせないと
                往々にして、あまりの暗さと大袈裟な悲しみになって
                オペラになってしまう危険性はあるだろう。

                アンコールは(たぶん)ブリテンから2曲。
                ゲルハーヘルって、いつからブリテン歌いになった?
                というより
                ブリテンって、バリトンでも歌えるのか。
                何となくブリテンの歌曲のイメージって
                ハイテノールに固定されていたので
                バリトンが、あそこまでマッチョにならず
                ストイックに透明感を持って歌うと
                バリトンでも大丈夫か、と目から鱗が落ちたような気分。

                コンツェルトハウスのモーツァルト・ホールに集まった
                年配の男女の皆さまも本当に静か。
                さすがリートを聴き慣れている感じで
                最初から最後まで
                集中できる・・・はずだったんだけど

                何故か9月30日に風邪をひいてしまい
                喉から鼻に来て
                ティッシュの大量消費をしているので
                鼓膜の調子があまり良くない(涙)

                もっとも、通常は喉から鼻の後は
                咳が出て(出てるけど)タイヘンな事になるのだが
                今回はバイキンが肺までは侵入しなかった感じ。
                (うがい薬と鼻のスプレーの大量消費で抑えた)

                もっとも、大学の第1週目は
                まだ授業がないものも多いので
                出る授業には出て、バイキン撒き散らしながら(ハタ迷惑)
                今週中には風邪を治すぞ、と
                堅く決心している私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                風邪ひいてから、やたらと眠い。
                授業中に寝そうになって慌ててしまう(汗)
                ちょっと今学期は無理しているところもあるけれど
                10月30日まではゼミの申し込み取り消しも可能なので
                まぁ、様子を見ながら・・・

                フィルハーモニック・ファイヴ

                0
                  Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2019年9月22日 19時30分〜21時45分

                  Philharmonic Five
                  バイオリン Tibor Kováč, Ekaterina Frolova
                  ビオラ Gerhard Marschner
                  チェロ Peter Somodari
                  ピアノ Christopher Hinterhuber

                  »Orient Express Reloaded.
                  Vom Naschmarkt bis nach Hokkaidō«

                  Camille Saint-Saëns (1835-1921)
                   Klavierquintett a-moll op. 14 (1855)

                  »Orient Express Reloaded. Vom Naschmarkt bis nach Hokkaidō«

                  ウィーン・フィルのメンバーで構成される弦楽四重奏と
                  ピアニストによるフィルハーモニック・ファイブのコンサート。
                  今シーズン最初のコンサートに、北海道が出て来たのには驚いた(笑)

                  最初はカミーユ・サン=サーンスのピアノ五重奏曲。
                  室内楽をあまり聴かない私には初聴きの曲だが
                  サン=サーンス、好きです。
                  特別に奇抜な事をしている訳ではないのに
                  実に伝統的に「音楽」そのものって感じがする。

                  ただ、たぶん、サン=サーンスが
                  そういう書き方をしたんだろうと思うのだが
                  ピアノが目立ち過ぎ。
                  ピアニストの技術が高くて
                  音がクリアで、かなりの音量で客席に飛んでくるのもあるが
                  これ、ピアノ部分だけで
                  立派に曲になってないか?

                  ピアノに負けるもんか、と
                  途中で、ものすごくエモーショナルに弾き始めた
                  第一バイオリンが、これまた、えらく目立って
                  ピアノ対第一バイオリンの対決みたいに聴こえて来る。

                  最終楽章の最初のチェロのソロと
                  それに重なるビオラのソロは
                  落ち着いていて、しっとりして美しい。
                  (が、それにまたバイオリンとピアノが重なると(以下省略))

                  サン=サーンスのこの曲、初めて聴くので何とも言えないが
                  目立とうとか思っていなくても目立っちゃうピアニストと
                  情熱的で無意識的に出たがりで
                  ガリガリ弾いちゃう第一バイオリンの影で
                  第一バイオリンを支えようとする第二バイオリンと
                  引っ込み思案なビオラに
                  もっと引っ込み思案なチェロという感じがする。

                  技術は高くて完璧だし
                  目立っちゃう楽器と
                  それを支える縁の下の力持ちのバランスも
                  うまく取れてはいるけれど
                  面白いな、このクインテット。

                  後半の「オリエント・エクスプレス」は
                  最初にアフリカ調?オリエント調?のガリガリした曲で始まって
                  「この曲の作曲家は誰?」というのに
                  すかさず「リヒャルト・シュトラウス!」と答えた男性が
                  CDのプレゼントをもらっていた。

                  いやはや、こういう変わった小曲を
                  リヒャルト・シュトラウスが作曲しているなんて
                  弦楽かピアノのアンサンブル専攻でもなければ知らないだろう。

                  その後、ドボルジャークの曲の編曲版
                  チャイコフスキー プラス 他の作曲家という
                  メドレーもあったような気がする(記憶力ゼロ・・・)

                  そして、「オリエント・エクスプレス」のメイン・イベント(?)
                  日本で新幹線に乗ったら、すごかったので
                  春の海と、さくらさくらに
                  ナクソス島のアリアドネの和声を加えて
                  新幹線の速さで演奏します

                  ・・・・って、何だこれ。

                  宮城道雄の春の海は
                  ほとんどオリジナルで演奏されていて
                  琴じゃなくて弦楽で聴くのも、割に良い(名曲だし)

                  で、その後に「さくらさくら」

                  まだ仕事していた頃に
                  アマチュアのコーラス団体の司会をやっていて
                  何回、この曲を舞台で否応なく聴かされた事か・・・

                  現役時代は既に終わったとは言え
                  トラウマが残っているこの曲を
                  何が悲しゅうて
                  ウィーン・フィルの弦楽のメンバーで聴くハメになるわけ?

                  何処にアリアドネの和音を使ったんだか
                  私にはさ〜っぱりわからなかった。

                  (註 「さくらさくら」は傑作です。
                   それについては何も言いません。
                   日本のアマチュア合唱団が、ヨーロッパで演奏する時に
                   必ずこの曲を歌う事についても、私は反対はしません。
                   ただ、毎回、毎回、この曲を何回も聴いたり
                   はたまた、客席を巻き込んで全員で歌わせるように誘導したり
                   現地の児童合唱団と一緒に練習したり
                   傑作ではあっても、私はあまり聴きたくないだけの話)

                  その後、中国の曲を・・・と出て来たのが
                  フリッツ・クライスラーの「中国の太鼓」(笑)

                  いや、あはは、確かに中国ではあるのだけれど
                  日本の曲みたいに、中国のオリジナルのメロディを
                  編曲する時間がなかったのね。
                  (まぁ、ここで、バルトークの中国の不思議な役人の
                   ピアノ・クインテット版とか出て来たら、それはコワイけど)

                  その後、確かもう1曲、景気の良い曲があって
                  アンコールにウィーンっぽい曲と
                  クレズマー音楽から1曲。

                  後半のプログラムは
                  ティボール・コヴァーチがマイクの前で告知するのだが
                  コヴァーチのドイツ語、わかりにくいよ〜(涙)

                  発音がクリアではないので
                  冗談言われてもよくわからないし
                  曲目らしきものを、不明瞭な発音で言ったとたんに
                  バイオリン持って席に走って戻るので

                  曲目を理解した人って
                  ほとんどいなかったんじゃないかしら。

                  音楽家だから、スピーチを巧くしろ、とも言えないけれど
                  せっかく楽しい音楽を期待して来た聴衆が
                  曲目も全くわからない状態では非常に残念。

                  ただ、プログラムが進むに連れて
                  コヴァーチが、どんどんノリノリになって来て
                  あ〜、さすがマジャールの血の騒ぎ方(爆笑)

                  ・・・それにしては
                  同じマジャールの血のショモダリさんのチェロはおとなしい。
                  (ショモダリさんがマジャールの熱い血で
                   ノリノリでプリプリに演奏するって、ちょっと想像がつかない)

                  フィルハーモニック・ファイヴって
                  ザ・フィルハーモニクスから分かれたグループで
                  ザ・フィルハーモニクスはフィルハーモニックスと名称を変更して
                  こちらもコンツェルトハウスで1シーズンに3回のコンサートをしている。

                  フィルハーモニックスの方が
                  エンターテインメント方向に強く動いていて
                  こちらのフィルハーモニック・ファイヴは
                  比較的、伝統的なクラシックの要素を残しながら
                  エンターテインメントも程よいところで
                  冒険はせずに止めているという感じか。

                  冒険好きなら、フィルハーモニックスの方が
                  面白いし笑えるとは思うのだが
                  フィルハーモニックスの次の公演は
                  オペラ座でのバレエとバッティングする・・・(涙)

                  フィルハーモニック・ファイヴって
                  ちゃんと節制があって、抑制の効いたプログラムなのに
                  爆発するバイオリンとピアノがあったりして
                  ちょっとアンバランスなところが、ものすごく面白いし

                  音楽的には最高水準の
                  ノーブルな楽しみを提供してくれるのが
                  年配クラオタには楽しい。

                  帰宅して真夜中に
                  色々な具をぶち込んだラーメン食べたら
                  お腹一杯で眠れなくなっているアホな私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  もう時効だから書いちゃうが
                  日本のアマチュア合唱団のレパートリーって
                  似たり寄ったりなので
                  「さくらさくら」とか「花」(春のうららの隅田川)は
                  よく重なるのは仕方がない。

                  ちょっと頑張る指導者の方だと
                  聴衆にウケるように、こちらの歌を持っていらっしゃる。

                  ウィーン我が町とか(オーストリア人、ほとんど知らない)
                  映画サウンド・オブ・ミュージックのエーデルワイスに至っては
                  あれ、ハリウッド映画なので
                  オーストリア人は誰一人知らないんだけど
                  それを、その場になってから言う訳にいかない。
                  先生は、この歌を、固く、こちらの民謡だと思っていらっしゃる。
                  まぁ、色々とありますね(笑)

                  エリーナ・ガランチャ・リサイタル

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年9月16日 19時30分〜21時45分

                    メゾソプラノ Elina Garanča
                    指揮 Karel Mark Chichon
                    オーケストラ Wiener KammerOrchester

                    Giuseppe Verdi (1813-1901)
                    Ouverture zu «Luisa Miller» (1849)
                    Nel giardin del bello saracin
                    (Schleierlied der Eboli aus «Don Carlos») (1867)

                    Giacomo Puccini (1858-1924)
                    Inermezzo 3. Akt (Manon Lescaut) (1893)

                    Francesco Cilea (1866-1950)
                    Ecco! Respiro appena … lo son l’umile ancella
                    (Arie der Adriana aus «Adriana Lecouvreur«) (1902)

                    Giuseppe Verdi
                    Ouverture zu «La forza del destino» (1862/69)
                    O don fatale «O verhängnisvolle Gabe»
                    (Arie der Eboli aus «Don Carlos») (1867)

                    Federico Chuica (1846-1908)
                    Prelude zu «El bateo» (1901)

                    Edvard Grieg (1843-1907)
                    T’estimo (1864/65)
                    (Bearbeitung: Langley)

                    Stanislao Gastaldon (1861-1959)
                    Musica proibita (1881)
                    (Bearbeitung: Karel Mark Chichon)

                    Franz von Suppé (1819-1895)
                    Ouverture zu «Leichte Kavvalerie» (1866)

                    Rosendo Mato Hermida (1914-1994)
                    Alfonso Daniel Rodriguez Castelao (1886-1950)
                    Leia (1901)
                    (Bearbeitung: Durán)

                    Carlos Gardel (1890-1955)
                    El dia que me quieras Tango Canción (1935)
                    (Bearbeitung: Karel Mark Chichon)

                    Jerónime Giménez (1854-1925)
                    Intermezzo (La Boda de Luis Alonso) (1897)

                    Pablo Sorozábal (1897-1989)
                    ¡No puede ser! (La tabernera del puerto) (1956)

                    オペラ苦手だし、イタリア語も出来ないし
                    スペイン語もダメという私が
                    このコンサートのチケットを買ったのは
                    偏にエリーナ・ガランチャの美声を聴きたかったから。

                    ガランチャ発見は2006年のオペラ座でのケルビーノ役。
                    すごいケルビーノが居る、と大騒ぎしていたら
                    それがガランチャだったので
                    当時はまだあまり知られていなかったと思う。

                    オペラが苦手、というのもあるけれど
                    その後はガランチャという名前が出るだけで
                    だいたいチケットは売り切れで入手不可能というのが続いて(涙)
                    何とか無理やり観る事が出来たのは

                    バラの騎士のカンカン(あ〜、今でもヨダレが出そう)
                    セヴィリアの理髪師のロジーナ(超絶技巧!)
                    皇帝ティートのセストの美しさと言ったら溜息モノで
                    ウエルテルのシャルロッテの迫真の演技(赤面)
                    ノルマ(コンサート形式)でのグルヴェローヴァとの丁々発止
                    カルメンはあまりに本人が見た目、声とも美し過ぎて(以下省略)

                    アンナ・ボレーナはネトレプコと共演だったので
                    チケット取れるワケがないし
                    2018年のサムソンとデリラはチケット取れなかった。

                    楽友協会のブラームス・ホールでのコンサートも行った。
                    ただ・・・正直、ガランチャのドイツ・リートはちょっと(以下略)

                    コンツェルトハウスのシリーズで
                    グレート・ヴォイスの一環のコンサートだが
                    これは、いわゆる「歌謡ショー」的な感じで
                    オーケストラだけの演奏の方が
                    歌より長かったりする。

                    一応プログラムに歌詞は掲載されているけれど
                    だいたいオペラのアリアとかの歌詞は決まっている(はず)だから
                    私も周囲の人も
                    誰もプログラムのテキスト翻訳を見ていない。

                    ・・・というより、舞台に出て来たガランチャに釘付け。
                    天井桟敷からは、ほんの少ししか見えないけれど
                    前半は黒のロング・ドレスで
                    胸元が開いていて
                    谷間が見えて
                    (肌色の薄い生地が入っていたようだが)
                    いやもう、本当にキレイな人だな。

                    背が高くて、頭が大きくて
                    顔立ちがキレイで
                    声の質の良さ、透明性に加えて
                    ガランチャの、あの声量・・・(絶句)

                    私がオペラ・グラスという名を装った
                    10倍のスワロフスキーの望遠鏡で
                    ガランチャ(天井桟敷から見える部分だけ)を
                    ガン見しているのは
                    発声のテクニックを見たいからである。
                    (すぐばれそうな言い訳(汗))

                    ヴェルディ苦手なんだけど
                    ガランチャの、あの強靭で美しい澄んだ声で
                    情感たっぷりに(でもイヤミにならず)歌われると
                    本当にジーンと来る(意味わからないけど、だいたい想像はつく)

                    後半は上が白のブラウスで、下は赤いロング・スカート。
                    とても明るい感じにイメージ・チェンジして
                    ものすごくキュート。

                    陽光燦々としたスペインのイメージの曲が中心で
                    ソット・ヴォーチェからフォルティッシモまで
                    自由自在に使い分けて、ともかく見事。
                    聴いていて、本当に楽しい。
                    しかも、あの声量・・・(まだ言ってる・・・)

                    アンコールが次から次で(笑)

                    ガランチャのアナウンス(マイクなし)

                    皆さん、私が、有名なアリアとか歌わなかったのを不思議に思いました?
                    でも、理由があるんです。
                    有名なアリアは皆さん、既にご存知でしょうし
                    コンサートの時はいつも新しい事に挑戦したいので。
                    アンコールについても、スペインの家族に電話して
                    作曲者に、これを歌って良いかしら?と聞いたら
                    これは本来は男性向けの曲なんだけど、と言われて
                    じゃぁ、私が歌うわ!
                    (これが可愛かった!!! Hier bin ich ! って、ハート直撃)

                    さて、そのアンコールを歌った後
                    客席から「ハッピー・バースデー」の声!!!!
                    客席からハッピー・バースデーの合唱が沸き起こり
                    指揮者が「では、みなさんご一緒に」と
                    オーケストラで伴奏して
                    全員がスタンディング・オベーションで
                    ハッピー・バースデー合唱。

                    知らなかったです、今日がガランチャの誕生日だったなんて(汗)
                    うははは、しかもコンツェルトハウスの大ホールの
                    天井桟敷で、ハッピー・バースディの曲を歌えるなんて(笑)

                    ガランチャのアナウンスの声も
                    はっきりと客席まで響いてくる。
                    この人、普段から、この発声法で話しているのかしら。
                    ご主人でもある指揮者が
                    観客席に向かって「みなさんご一緒に」とアナウンスしたのは
                    ほとんど聞こえて来ない(発声法が違う)

                    日本から来ていた友人と
                    その後、ディナー取りながら
                    あの夫婦、喧嘩したら、絶対に奥さんの方が勝つよね
                    ・・・とか話してしまったわ(爆笑)

                    40代の最も声が充実している時期に
                    ブツ切れのアリアだったとは言え
                    (ガランチャの美しさは、やっぱりオペラで映える)
                    素晴らしい歌唱を堪能した。

                    ガランチャ、最後の音をピアニッシモからフォルテに持って行く時に
                    客席に背を向けて歌い出し
                    そのまま声量を上げながら客席を向く、という
                    まぁ、見事にオペラちっくなテクニックも使ったもんね。

                    普段行かない、こういうコンサートも
                    時々は来てみると、色々な発見があって面白いし
                    お誕生日という記念日に
                    一緒にお祝いできたのも、一ファンとしては嬉しい。

                    しかしガランチャって本当に魅力的だなぁ。
                    あれだけ身体が大きくて、でもスタイル良くて
                    顔が大きくて、でもバランス取れていて
                    あの美声って

                    やっぱり生まれついたものも大きいなぁ、と
                    つくづく思う私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    ワタシ、デブだったので大声だけは結構出て
                    高校時代にオペラ歌手になりたい、という野望を持っていて
                    引退してから、先生についてはいるんだけど
                    (学期が始まると数ヶ月サボる(笑))
                    ついつい、歌手の発声法を
                    舞台でもジロジロ見てしまう癖がついてしまった(汗)

                    マウロ・ペーター + ヘルムート・ドイチュ

                    0
                      Mozarteum Salzburg Großer Saal 2019年8月20日 19時30分〜21時25分

                      テノール Mauro Peter
                      ピアノ Helmut Deutsch

                      Franz Schubert (1797-1828)

                      Ganymed D 544 (1817)
                      Sehnsucht D 123 (1814)
                      Rastlose Liebe D 138 (1815)
                      Meeres Stille D 216 (1815)
                      Wandrers Nachtlied II D 768 (1824)
                      Der Fischer D 225 (1815)
                      Der König in Thule D 367 (1816)
                      Erlkönig D 328 (1815)
                      Erster Verlust D 226 (1815)
                      Versunken D 715 (1821)
                      Geheimes D 719 (1821)
                      An die Entfernte D 765 (1822)
                      Wilkommen und Abschied D 767 (1822)

                      Richard Strauss (1864-1949)

                      Heimliche Aufforderung op. 27/3 (1894)
                      Wozu noch, Mädchen op. 19/1 (1888)
                      Breit’ über mein Haupt op. 19/2 (1888)
                      Traum durch die Dämmerung op. 29/1 (1895)
                      Ich liebe dich op. 37/2 (1898)
                      Mädchenblumen op. 22 (1888)
                       1. Kornblumen
                       2. Mohnblumen
                       3. Efeu
                       4. Wasserrose
                      Ständchen op. 17/2 (1886)
                      Liebeshymnus op. 32/3 (1896)
                      Ich trage meine Minne op. 32/1 (1896)
                      Freundliche Vision op. 48/1 (1900)
                      Wie sollen wir geheim sie halten op. 19/4 (1888)

                      スイスのテノール、マウロ・ペーターを初めて聴いたのは
                      2013年7月27日のグラーフェネックの前座のコンサートで
                      あまりの声の清らかさとディクテーションの美しさにひっくり返って
                      それ以降、私の体力と財力のある限りの追い掛けをしている。

                      いやはや、何と清潔感のあるテノールなんだ。
                      しかも、卓越した音感とドイツ語のクリアさ。
                      技術的な巧さという意味では
                      この歌手のレベルはトップ中のトップである。

                      ガタイはテノールとは思えぬ良さで
                      (厚みではなく、背の高さ。全体的に身体が大きい)
                      なのに、声の質は低い音でもまごうかたなきテノールで
                      美声で甘い声ではあるのだが
                      イタリア・オペラのテノールみたいな泣き節は全くなく
                      張り上げての見得も全然なくて
                      声の清潔感、透明感、この上なく正確なドイツ語の発音が
                      感情と理性の絶妙な狭間でバランスを取っているという
                      稀有なテノールのリート歌いだと思う。

                      プログラム構成は、モロに私好みというか
                      ゲーテの詩による超有名なシューベルトのリーダーと
                      私の大好きなリヒャルト・シュトラウスで
                      しかも、Mädchenblumen が入ってる!!!!

                      マウロ・ペーターの Mädchenblumen は2016年11月24日に
                      楽友協会ブラームス・ホールでも聴いている。
                      滅多に歌われない曲だし
                      ジェンダー・スタディの人からは攻撃されそうな内容なんだけど
                      私の青春時代の曲だし
                      本当に素晴らしい音楽なの、ピアノも歌も ❤

                      さて、最初のシューベルトのブロック。
                      美しい・・・・けれど
                      やっぱりバリトンに比べると、声の色の変化は少ない。
                      ドイツ語がクリアで
                      しかも、技術が確かなので
                      高音に飛ぶところなんかは、気持ち良いほどに決まって
                      不安定さを全く感じさせない。

                      けど、高音のフォルテがあまり出ていない。
                      Aあたりから、声が前に飛んで来ない。
                      テノール歌手としては、一番張り上げたいあたりの声域だと思うのだが
                      もしかしたら、張り上げないように細心の注意を払っているのかもしれない。

                      その分を補うように
                      ヘルムート・ドイチュのピアノがむちゃくちゃ雄弁。
                      リートの伴奏という、一歩退いたところが全くなくて
                      特に「魔王」なんかは
                      もうピアノだけで立派に曲になってる感じで
                      テノールの声が押され気味。

                      いや、わかるんですよ
                      あの美しい清潔感漂うテノールで
                      お父ちゃんと魔王と息子の演じ分けはほとんど無理。
                      だけど、あそこまでピアノが独立して
                      ドラマチックになってしまうと
                      歌手とピアノが対等な位置という範囲からはみ出して
                      ちょっと違和感がある(個人的感想です、批判じゃありません!)

                      このピアノで後半のリヒャルト・シュトラウスになったら
                      どうなるんだろう?という心配は
                      すぐになくなった。

                      Heimliche Aufforderung の色気は
                      後半の、あの、密やかな秘密のエロチックさにノックアウト。
                      いや〜、あんな美しい声で
                      とことん親密に歌われたら
                      パーティ抜けてバラ園の草陰で
                      何でもしちゃうわワタシ(妄想爆発中)

                      Wozu noch Mädchen の瀟洒な軽さは
                      マウロ・ペーターの声の質にもあっているし
                      こういう曲だと、ドイツ語の美しさが活きる。
                      いやもう、ここに登場する女の子の可愛さったらないわ。

                      息の長さを活かしたフレージングが見事だったのは
                      Traum durch die Dämmerung で、もうため息が出そうになった。
                      クリアなドイツ語でありながら
                      あくまでも密やかで滑らかな長いフレーズを繊細に歌い上げる。

                      まぁ、Ich liebe dich になると
                      どうしてもゴツゴツしてしまうのは仕方ないけど。
                      それに、声を張り上げて歌うというタイプではないので
                      多少の迫力不足は否めないが
                      たぶん、それは歌手もピアニストも充分に承知の上で
                      ああいう表現になったのだと思う。

                      Mädchenblumen の Efeu と Wasserrose の美しさ!!!
                      いや、Kornblumen も Mohnblumen も良かったけれど
                      Efeu では、ちゃんと高音も美しく出たし
                      Wasserrosse のピアノ伴奏の美しさと言ったら
                      前半で、ちょっとでしゃばり過ぎだろ、と思っていたピアノが
                      繊細な歌と相まって
                      水面の輝き、光を見事に表現したのには息を飲んだ。

                      Ständchen の軽々とした出だしから
                      しっとりした中間部。
                      Ich trage meine Minne のキュートさ
                      最後の比較的派手な Wie sollen wir geheim sie halten も
                      華やかに歌い上げて、あ〜、もう素晴らしい。
                      わざわざ来て良かった!!!!
                      (今年はウィーンでは歌わないのだ、この人)

                      アンコールにシューベルトの野ばら。
                      あ〜っ、この人、ちゃんとバラード歌えるじゃないの。
                      シューベルトのバラードの
                      Der Fischer はシュトローフェン・リートで
                      多少、語り口が平坦に聴こえたのだが
                      Der König in Thule は、明るい音色のテノールとしては
                      かなりドラマチックに、でも行き過ぎずに表現して感心したが
                      アンコールの「野ばら」は
                      控えめさって何処に行った、という感じのドラマで驚いた。

                      リヒャルト・シュトラウスの Nichts ! がアンコール2曲目。
                      更に、私の知らないシューベルト(だと思う)を1曲。
                      最後の最後に、アンコール定番(笑)の Morgen

                      しかしまぁ、何てチャーミングなテノール。
                      でっかい身体で、歌い終わって拍手を受ける時の
                      満面の笑顔が
                      声と同じように、本当に「素直」な感じがする。

                      まだ30代前半の若さなので
                      声を大事にして
                      これからも伸びて行って欲しい。

                      来年3月にグラーツでリサイタルがあるようだが
                      グラーツまで遠征しようか
                      真剣に考えている私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      ザルツブルクは名物のシトシト雨で20℃を切っていて
                      そろそろ夏も終わりですね・・・という感じだが
                      ウィーンは数日後にまた30℃を越える予報(笑)

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