サイモン・キーンリサイド + マルコルム・マルティヌー

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    Musikverein Brahms Saal 2018年2月21日 19時30分〜21時30分

    バリトン Simon Keenlyside
    ピアノ Malcolm Martineau

    Hugo Wolf (1860-1903)
     Harfenspieler I
     Genialisch treiben
     Prometheus
     Lied vom Winde
     Fußreise
     Denk’es, o Seele
     Blumengruß
     Der Knabe und das Immlein
     Wien sollt’ ich heiter bleiben
     Erschaffen und Beleben

    Maurice Ravel (1875-1937)
     Histoires naturelles
      Le paon
      Le grillon
      Le cygne
      Le martin-pêcheur
      La pintade

    Francis Poulenc (1899-1963)
     Pavane für Klavier Solo aus der „Suite française d’après Claude Gervaise“
     Mazurka
     Paganini
     L’anquille
     Carte postale
     Avant le Cinéma
     1904

    Claude Debussy (1862-1918)
     Voici que le printemps

    Gabriel Fauré (1845-1924)
     Le secret
     En sourdine
     Le papillon et la fleur

    アンコールにシューベルトを数曲。
    後で楽友協会のサイトに発表されると思う。
    (後記 Im Abendrot, D799 : Der Gondelfahrer, D809 :
    An den Mond in einer Herbstnacht, D614)

    いや〜、悶絶した。

    もともとこの日は先行発売のオペラ座のバレエ・チケットを持っていたのだが
    バレエのチケットはキープしながら
    サイモン・キーンリサイドのチケットの
    一番安い席(舞台全く見えず、ただし正面で音は良い)を購入。

    だって歌手って直前キャンセルというケースが多いじゃないですか。
    特にここ数日、ウィーンは雪が降って
    気温も最高でプラス2度になるかどうか、という毎日。

    ギリギリ引っ張ったけれど
    プログラムの多少の変更はあったけれど
    歌ってくれました、キーンリサイド!!!!! \(^o^)/

    キーンリサイドのリサイタルへ行く、と話したら
    あ〜、キーンリサイドってイイ男だわね、と言われたけれど
    舞台見えないので、どうかはわかりません。
    (いや、何回もリサイタルは言っているので
     どういう「姿」の人かは知ってますが(笑))

    前半がフーゴ・ヴォルフ。
    ゲーテの詩によるものを中心にメリケの詩を数曲。

    ううううう、美声だ、美声!!!
    倍音たっぷりの深い男性バリトンだが
    美声に溺れる事なく
    ものすごく美しいドイツ語のディクション。

    ヴォルフのゲーテの歌曲集なんて
    メロディがあって無きが如く
    ドイツ語での語りを、徹底的に細密に聴かせないと
    とてもじゃないけど、聴いていられる曲じゃないし。

    暗い色調の曲が多い選択だけど
    クリアでこの上なく美しいドイツ語のディクションが
    深いバリトンに映えて、ああああ、悶絶・・・

    美しい・・・ (。-_-。)

    さて後半はフランス歌曲。
    歌詞は手元のプログラムにドイツ語訳が載っている。
    これを見ているので、舞台見えなくても別に構わないのだ。

    ラヴェルの博物誌。
    うわあああ、モーリス・ラヴェルってこういう曲も書いていたのか。
    どこかで聴いた事があるような気もするが
    これ、むちゃ面白い。

    くじゃく、こおろぎ、白鳥、かわせみ、ほろほろ鳥
    それぞれのストーリーが、それぞれの音楽で語られる。

    キーンリサイドのフランス語、ものすごくチャーミング ♡
    フランス語の良し悪しなんてわからないけれど(無教養)
    でも発音の美しさと、それが音楽に寄り添う様はよくわかる。

    ピアノ・ソロでプーランクのジェルヴェーズによるフランセーズからパヴァーヌ。
    あ〜、これも美しい。
    フランスの作曲家の曲って
    ドイツ語圏の曲と全く違って
    ゴツゴツしたところや、イジイジした暗さがなくて
    空気に溶け込むような軽さが爽快。

    そのまま続けて歌曲へ。
    これもストーリーを語る曲で
    あ〜、こういうの、フランス語がわかると絶対に違うんだよなぁ
    ・・・と思いつつ、それはフランス語を習わない私が悪い(涙)

    続けてのドビュシー
    そしてガブリエル・フォーレの1曲目は
    あああ、私が中学時代に聴いていた曲だぁ。
    (当時はラジオでの放送をカセット・テープに録音するしか方法がなくて
     何かの放送でフォーレの歌曲集があった。
     もちろん歌詞は???である(いまだに))

    最後のフォーレの「蝶と花」は作品番号1-1である。
    でも何てチャーミングな曲なの ♡
    調べてみたらソプラノで歌われる事が多い曲のようだが
    キーンリサイドは、あの美声のバリトンで
    重くならずチャーミングに歌い上げる。

    あああああ、ホントに惚れます(声に)

    ブラームス・ホールは
    こういう歌曲の夕べにはぴったりの大きさ。

    大ホールと同じく音響も抜群で
    ついでに大ホールと同じく、椅子が全部、むちゃくちゃ軋る上に
    大ホールと同じく客席の雑音の響き方も半端じゃないので

    もっと安い席を買って
    音響が悪いから、と幕間の後に隣に移って来た人がたてる雑音が・・・
    (あの、その席、空いてましたけど
     あなたの持ってる席の4倍くらいする席ですが。
     まぁ、いつものモグリのおばさんも居て
     これは超高い席に座っていたから・・・)

    まぁ、でもこれは仕方ない。
    そういう雑音や咳払いにも負けず
    (それでもリートのリサイタルは咳払いは比較的少ない)
    妙なる美声と
    エネルギッシュながら声高には叫ばないマルティヌーのピアノを
    アンコールのシューベルト含めて
    とことん堪能して
    悶絶し過ぎて、ボーッとしながら会場を出た私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    プログラムには記載がなかったが
    ご本人のウエブ・サイトを見たら
    このコンサート、収録があったようで
    3月6日の19時30分から、オーストリア国営放送ラジオ第一チャンネルで聴ける。
    その後1週間はオン・デマンドでも聴けるので
    この美しい声とディクションを聴きたい方は、ぜひどうぞ!!!

    フィルハーモニックス Cine Music 

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      日曜日のダブル・ヘッダー(あ〜、自分でもよくやると思う・・・)
      時系列に読みたい方は
      あまり内容ないですが、こちらからどうぞ。下は夜の印象記です。


      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年2月18日 19時30分〜21時45分

      Philharmonix
      バイオリン Noah Bendix-Balgley, Sebastian Gürtler
      ヴィオラ Thilo Fechner
      チェロ Stephan Koncz
      コントラバス Ödön Rácz
      クラリネット Daniel Ottensamer
      ピアノ Christoph Traxler

      „Cine Music“ FILMharmonix musizieren

      Stephan Koncz (*1984)
      James Bond-Suite

      Camille Saint-Saëns (1835-1921)
      Aquarium „Das Aquarium“ (Le carneval des animaux) (1886)
      (Bearbeitung unter dem Tital „Aquarium Emergency“ : Stephan Koncz)

      Artie Shaw (1910-2004)
      Steamline
      (Bearbeitung und Improvisation : Daniel Ottensamer und Nobuo Watanabe)

      Christoph Traxler
      Dangerous moonlight

      Takahiro Sakuma (*1972)
      Badk to the future

      Johannes Brahms (1833-1897)
      Ungarischer Tanz Nr. 1 g-moll (1868)
      (Bearbeitung : Stephan Koncz)

      Erik Satie (1866-1925)
      Gnossienne (Bearbeitung : Sebastian Gürtler)

      Nikolò Paganini (1782-1840)
      Moses-Fantasie (Bearbeitung : Ödön Rácz)

      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
      Adagio (Konzert für Klarinette und Orchester A-Dur K 622) (1791)
      (Bearbeitung : Daniel Ottensamer)

      Sebastian Gürtler (*1971)
      Babarababa

      Camille Saint-Saëns, Henry Mancini (1924-1994)
      Big Baby Elephant (Bearbeitung : Stephan Koncz)

      Isaac Albéniz (1860-1909)
      Asturias op. 47/5 (Suite española) (1885-91)
      (Bearbeitung : Christoph Traxler)

      Takahiro Sakuma
      Philharmonix-Fantasie nach Nicolò Paganini

      アンコール
      Henry Mancini : Thema aus dem Film „The Pink Panther“
      Stephan Koncz : Balkan Party

      このコンサート、もともと行く予定にはしていなくて
      昨日の夜、ウィーン・フィルの
      コンツェルトハウスでのプログラムをチェックしていたら

      あらっ!!!
      フィルハーモニックスのコンサート、明日の夜、あるじゃん。

      幸いな事に貧民席(だけど20ユーロ以上する!)が空いていて
      もう考えずにクリックしてしまった。

      あはははは、こうやって、なけなしの貯金が減っていく(汗)

      フィルハーモニックスはご存知の通り
      ウィーン・フィルとベルリン・フィルのメンバーが中心で
      以前の The Philharmonics が分裂した片一方のグループ。

      分裂したもう片一方は Philharmonic Five という名称で活躍していて
      このグループもコンツェルトハウスでコンサートを行っている。

      映画音楽のプログラム(とは言え、当然、一癖も二癖もあるが)だから
      どうしようか一瞬迷ったけれど

      実はワタクシ、このメンバーの中の
      セバスティアン・ギュルトラーの大ファンなの。

      いや、あの、あのその
      メガネ男子に弱いんですワタクシ(大汗)

      ・・・というだけではなくて
      セバスティアン・ギュルトラーの歌が、ものすごく好きなんです。
      (ええ、このバイオリニスト、歌うんですよ、ウィーン訛りのドイツ語で)

      秘密の内部情報では
      このバイオリニストは、天才でちょっとイっちゃってる変人らしいのだが
      そういう才能溢れた変人、好きです。
      (お付き合いする訳じゃないし。
       お付き合いなら、たぶん、勘弁して欲しいけど)

      さて、その「映画音楽」の夕べ。
      ジェームス・ボンドのテーマのメドレーの後
      サン=サーンスの「動物の謝肉祭」から「水族館」・・・だが
      正式タイトルは
      Aquarium Emergency で

      人畜無害にこの上なく美しく始まった「水族館」に
      突然、サメが現れるのである!!!(爆笑)
      ピアニストは弦を掻きまくるし、コントラバスは吠えるし
      あ〜、もう、こういうおふざけ、大好きですワタシ。

      ピアニストのトラクスラーが作曲したのは
      昔の映画で、映画そのものは忘れられているけれど
      メロディだけが残った、というものを基にしている
      (とダニエル・オッテンザマーがマイクで解説した)
      ・・・んだけど、確かにどこかでこの曲聴いた事が (・・;)
      出だしのピアノのオクターブの連打
      どこかのピアノ協奏曲か何かじゃなかったっけ・・・

      第一部の最後はブラームスで
      これは、新発売の CD にも収録されているそうだ。
      (ごめんなさい、お金ないので買えません)

      第二部の最初はエリック・サティだけど
      わははははははは、これも何だか途中からおかしな事に(爆笑)
      リズムがジャズになっちゃうし、曲そのものは確かにサティなんだけど
      いやもう、むちゃ面白い。

      ニコロ・パガニーニの曲は
      コントラバスのソロに、他の楽器が伴奏。
      コントラバスのプレイヤーが「モーゼ」と化す。
      (映画で、すごい資金をかけて作った「モーゼ」というのが
       全然ヒットしなかった云々の解説があったけれど
       ダニエル・オッテンザマーがジョーク言ってる可能性は排除できない)

      モーツァルトのクラリネット協奏曲(もちろん編曲版)の前に
      やっぱり、この上なくマジメにジョーク飛ばしてたからなぁ(笑)

      待ってました、セバスティアン・ギュルトラーの歌。
      ご近所さんにブラジル人が居るとかで
      この人が「ブラジル良いとこ、一度はおいで」というのを
      サンバのリズムでウィーン訛りで歌う。
      あ〜、これが良いんですわ。
      もっとこの人の歌を、この上ないウィーン訛りで聴いていたい。
      リサイタルでもやらんかな、このバイオリニスト
      (もちろん、バイオリンじゃなくて歌で・・・ でもそりゃ無理だ)

      サン=サーンスの動物の謝肉祭の「象」は
      後半からヘンリー・マンシーニのゴキゲンな映画音楽に化ける。

      その後、ダニエル・オッテンザマーが
      これも、ものすごくマジメに
      「それでは私どものコンサートの特別にシリアスなシーンに移りたいと思います。
       みなさま、ご一緒にリヒャルト・ワーグナーの「ワルキューレ」第一幕をどうぞ」

      ・・・こらこら、演奏しているのは
      イサーク・アルベニスの、キレキレのスペイン曲じゃないの(爆笑)

      こいつら、マジに油断ならん(笑)

      最後にパガニーニのメロディを使いながら
      次々に有名な映画音楽のメロディが出てくる曲を披露して

      アンコールはピンク・パンサー。わ〜っはっはっはっは。

      冗談音楽というところまでは行かないけれど
      しっかりした音楽性とアンサンブルで
      超絶技巧までちゃんと披露してくれて
      高い水準のところで編曲して

      自分たちも楽しい
      観客も楽しい

      という、それぞれの楽しませどころを
      うまく心得たコンサートだった。

      このコンサート、収録があって
      3月9日19時30分からオーストリア国営放送ラジオ局の1番で聴けるので
      その後、1週間はオーストリア国営放送のオン・デマンドで聴けます。

      日本にもファンが多いと思うので
      ぜひ、この名曲(迷曲?)をお聴き下さい。

      あ〜、楽しい日曜日だった(早朝のサウナも入ったし(笑))

      来週も毎日のように、貧民席で華やかなナイト・ライフを予定している私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      大学は3月5日までは休みなんだけど
      まだ試験の結果、一つ来てないし(あ〜、これは落ちてる可能性が高い)
      来学期は、モロにギリギリでスケジュール組んでいるので
      (お昼を食べている時間が全くない日がある)
      忙しくなるなぁ、ウヒウヒ(謎発言ですが、お許し下さい)

      ヨナス・カウフマン + ディアナ・ダムラウ

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        Musikverein Großer Saal 2018年2月12日 19時30分〜21時40分

        ソプラノ Diana Damrau
        テノール Jonas Kaufmann
        ピアノ Helmut Deutsch

        Hugo Wolf (1860-1903)
        Italienisches Liederbuch

        今やこの人が歌えばホールは満杯
        しかも終演後は客席のあちこちでフラッシュが盛大に光り
        花束を抱えた女性が平土間の舞台に集結するという
        ヨナス・カウフマンのコンサート。

        もちろん会員発売初日にチケットをゲットしたのだが
        何故に舞台がバッチリ見える1列目の席を
        普段のコンサートの4倍くらいの値段で買ってしまったのか・・・

        数年前に、まだカウフマンがこんなに爆発的人気になる前
        「カウフマンは、すご〜〜〜〜くイケメンなので
         ぜ〜〜〜〜〜〜〜ったい舞台が見える席を買うべし」
        と、誰かが私に吹き込んだのが
        潜在意識に残っていたらしい。

        だってカウフマンの見た目は
        そりゃ、一般的に見ればイイ男だとは思うけど
        私の男性の好みは、丸顔・メガネ・出てる腹の3点セットが必要条件で
        それに、頭部の毛髪が欠けていれば、もっとよろしい。
        (ヘン○イと言われても構わない。割れ鍋に綴じ蓋という格言もある)

        それにワタシ、ミーハーだから
        話題の人は押さえておきたい・・・んだろうと思う、たぶん。

        買っちゃったものは仕方がないけれど
        手元のプログラムのテキストは老眼鏡で見て
        オペラ・グラス(正しくは望遠鏡)で舞台を見るという
        むちゃくちゃ忙しい事になった 💧

        フーゴ・ヴォルフは私の青春時代の思い出だが
        メリケもゲーテも全部頭の中に入っている中で
        ソプラノとバリトンが歌う、このイタリア歌曲集だけは
        一度聴いてみたら、何となく「当たり前」の曲すぎて
        そのまま聴き込む事なく来てしまった(大汗)

        よって、普通、イタリア歌曲集がどう歌われるかは知らないが
        今回は順番を大いに変えて
        内容的なブロックで、だいたいは男女交互に歌い
        かなりドラマツルギーは考えられていたと思う。

        で、プログラムには
        テノール ヨナス・カウフマン とあったけれど
        この歌曲集、テノールじゃないです、バリトンです。

        もちろん、カウフマンはバリトンの声域で美声を聴かせてくれて
        テノールの声域は、一切歌っていない。

        よって、あのカウフマンの輝くような高音を期待して来た皆さまには
        ものすご〜〜〜く残念な夕べになった筈だ。
        (実は私も、もしかしたらキーを変えてテノール用?と思っていたが
         あははは、そんなワケない (ーー;) )

        大ホールは満杯
        舞台の上までびっしりと観客が並ぶ。
        おおおお、さすがにカウフマン。

        以前一度、急激に痩せた時期があって心配していたのだが
        ちょっと丸くなったのか、がっしりした健康な身体で登場。

        ダムラウはロング・ドレスにケープを纏い
        それぞれのブロックで、ケープの色が
        青だったり赤だったり黒だったり。

        大ホールというのは
        ドイツ・リートを聴くには最悪のサイズ。
        ただ、このホール、残響は良いので
        私の購入した贅沢席には、きちんとピアニッシモの声も飛んでくる。

        テキストも、クリアなディクテーションなんだけど
        さすがにこの大きさのホールだと、言語の焦点は結ばない。
        (これはホールの大きさの問題なので、仕方ない・・・けど残念)

        しかしこうやって聴くと
        この歌曲集、イヤな歌曲集だな(おいおい!)
        意識しないで聴けば、普通のトナールだし
        メリケの歌曲集で仕掛けたようなイヤラシさはないのだが
        もっとさりげなく難しいところが
        あちこちにさりげなく隠されていて
        いやああああ、ヴォルフって、何と言うイケズな奴なんだ。

        しかしダムラウもカウフマンも
        このイケズさ満杯の曲を、あっさりと見事に歌う。
        ホールの大きさもあるし
        もともとのヴォルフの曲のせいもあるのだが
        多少なりとも、平板に聴こえてしまうところは

        何とこの二人
        盛大にラブシーンを舞台で繰り広げてカバー。

        オペラかこれは (O_O)
        時々、観ていて気恥ずかしくなるじゃないか。
        それとも、この二人、本当はデキてるのか?
        (と思わせるリアリティがあった。さすがオペラ畑)

        ピアノが・・・巧い。
        いやもう、絶妙な伴奏って、こういう事を言うのか。
        しゃしゃり出もせず声高に主張もしないのに
        粒の揃った音色で一本筋が通っていて
        例のバイオリン・プレイヤーの後奏部分(11番)では
        もう、思い切り遊んでいて客席で笑いを堪えるのに苦労した。

        ダムラウの澄んだ高音が美しい。
        ソプラノの高音なのに
        ディクテーションがクリアなのは素晴らしい。
        演技もキュートだし、ショールの色はブロックごとに変えるし
        声の色合いもドラマチックからキュートまで変化。

        もともとコロラチューラ・ソプラノの人だから
        声の可愛らしさは中途半端じゃない。
        しかも、はっきりしたドイツ語で、かなり「語って」くれたので
        24番なんか、めちゃキュートで、とても楽しかった。

        カウフマンは、書いた通り、テノールの音域は全くなく
        ただ、途中で神父さまとのやりとりの歌の時には(14番)
        声の高さを少し上げたりしてストーリー・テリングを工夫していた。

        私はもともとカウフマンの声のキャラクターは
        バリトンだと思っているので
        あの中音域の美声で満足ではあるのだが
        ・・・ただ、バリトンだけで勝負するのなら
        別にカウフマンじゃなくて、他のバリトンでも良かったかも。
        (カウフマン・ファンの皆さま、ごめんなさい)

        先週はナイト・ライフがゼロに近く
        欲求不満爆発だったので
        要求水準が異様に高くなっているのと

        別にワタクシ好みでもない男性を見るためだけに
        バカ高いチケットを買ってしまったので
        やっぱり要求水準が大高騰してしまったせいもあるとは思うけれど

        とまれ、これにて、やっとコンサートやバレエ通いを再開 (^^)v
        今週はバレエの再演もあるし(ケテヴァンが戻ってくる!!!!)
        ワタクシ的には珍しいオペラ鑑賞もあるし
        これからまた、個人的な記録をしっかり残そうと
        張り切っている私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        大学は2月一杯お休み。
        ただ、1月末〜2月初旬の試験の結果が
        まだ2つ、発表されていないのだが
        先生方も休みで、3月の夏学期になってから発表だったら
        ちょっとイヤだなぁ・・・(笑)←落ちている可能性のあるのが1つある。

        マルティン・グルービンガー パーカッション・プラネット

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          Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年1月18日 20時〜22時45分

          マルチ・パーカッション Martin Grubinger, Martin Grubinger sen.
          パーカッション Rainer Furthner, Alexander Georgiev, Slavik Stakhov
          Leonard Schmidinger
          ピアノ Per Rundberg

          Maki Ishii (1936-2003)
           Thirteen drums op. 66 für Percussion solo (1985) - 6’
          Kalevi Aho (*1949)
           Siedi. Konzert für Schlagzeug und Orchester - 35’
             (Bearbeitung für Percussion und Klavier : Per Rundberg) (2010)
          John Psathas (*1966)
           One Study One Summary - 20’
          Kaija Saariaho (*1952)
           Six Japanese Gardens (1993) - 10’
          Martin Grubinger (*1983)
           Aus dem Leben einer Trommel (2003) - 6’
          Keiko Abe (1937*)
           The wave. Concerto für Marimba und vier Percussionisten (2000) - 15’

          昨年10月9日に行われる筈だった
          マルティン・グルービンガーのコンサートが延期になって
          やっと本日、コンツェルトハウスの大ホールで行われた。

          ウエブ・サイトには20時〜22時と書いてあったが
          プログラム見たら、あぁ、そりゃ無理、とすぐわかる。
          (最後の 6’ などの記載は演奏時間(予定)です)

          だいたい、あの大きい舞台満杯に広がった
          様々な打楽器の群れは
          曲ごとに位置を変える必要がある筈で
          拍手と舞台変換だけ考えても
          曲と曲の間に、最低10分は必要だし。

          しかも人懐っこくてサービス精神溢れた
          この天才マルチ・パーカッショニストは
          マイクを持って、熱狂的に曲の説明までしてくれる。
          (曲の説明は以前に比べたらかなり短くなった(笑))

          そんなこんなで、終わったのは23時近くでした。
          (どうもその後、アンコールも演奏したらしいのだが
           コンツェルトハウスのクローク、早めに行かないと混むので
           アンコール曲は聴いていない)

          最初の曲は石井眞木作曲のパーカッション・ソロ。
          13台の音の高さ(と楽器の大きさ)が違うパーカッションを
          様々な手法で演奏するもの。

          あ〜、面白いなぁ。
          だって、打音の打ち止めもあって
          リズムだけではなく、それぞれの音価が様々で退屈しない。

          日本の作曲家の曲って
          なかなか聴くチャンスがないので嬉しい。
          (こちらで時々演奏されるのは武満徹くらいだし)

          カレヴィ・アホの曲はマルティン・グルービンガーの委嘱作品だそうだが
          もともとオーケストラと一緒の演奏だったもの。
          ただ、ご本人のアナウンスによれば
          難しすぎて指揮者が困るので
          だったら指揮者なしのピアノだけで演奏しよう、という事になったらしい(笑)

          ピアノが入るだけに、ちゃんとメロディもあるのだが
          ・・・すみません、覚えていないというか、あまり印象に残っていない ^^;

          次のジョン・プササズの曲は、メロディというよりはリズムが中心で
          でっかい衝立に、鍋とか洗濯機の水槽とかがズラズラかかった楽器?があって
          マリンバを演奏しながら
          時々、鍋をぶっ叩くという(笑)

          鍋の大きさもちゃんと音階になっているところが
          かなりユーモラスで、視覚的にも楽しく聴かせてもらった。

          が、私がぶっ飛んだのは
          後半の最初のカイヤ・サーリアホの
          「6つの日本庭園」という曲である!!!!

          日本滞在の時の印象で作曲したもの、との事なのだが
          ライブ・エレクトロニクスとパーカッションのソロで

          最初の庭園は
          あぁ、コオロギが鳴いてるし・・・と思ったら

          う〜ん、ヨーロッパの作曲家って(画家もそうだけど)
          水墨画ではなくて
          ほんの少しの空間も許さず
          容赦なく油絵のように、隙間なく絵の具(この場合は音か)を
          べったりと塗りつけて行くんですね。

          日本文化にある「間」というものが全くなくて
          ともかくせわしい。
          鐘も鳴るのだが
          残響も何もあったものではなくて
          ガンガン鳴り続けである。

          2番目の庭園には、仏教の声明がライブ・エレクトロニクスで使われるが
          声明って、そんな厚い、しかもヨーロピアン・リズムのものだったっけ?
          そこに入る木魚らしき音も
          これまた、そんなテンポで普通木魚叩かんだろ。

          3番目に至っては
          まるで江戸時代の火事の時の鐘がガンガン鳴っているようで
          八百屋お七が登場して
          吉三郎さん、会いたい、会いたい、会いたいよう・・・って
          そんな妄想して、日本庭園と何の関係があるのか
          私にはさっぱりわからん。

          4番目になると、もっとスゴくなり
          日本のリズムに裏拍ないですから・・・
          それ、ラテン系のタンゴですから・・・
          いったい、その裏拍の庭園はどこなんですか(涙)

          5番目の曲が始まったとたん
          あっ、これ、池だわ、と思ったんだけど
          錦鯉でも泳いでいる池かと思いきや
          突然、滝になってしまい
          しかも、すごい勢いで水が流れてくるので
          これ、日本庭園じゃないよね?
          どちらかと言えば国立公園・・・と思っていたら
          澄んだ水が流れてくるだけじゃなくて
          突然、上から水と一緒に、ドラム缶がいっぱい落ちてくる。

          6番目も、何だか別の妄想していたと思うんだけど
          ともかく、これが日本庭園とは到底思えない
          厚みのある、隙間なく音符の詰まった曲で
          せわしないだけではなく
          日本庭園の持つ、あの静けさは、いったい何処に?

          いや、これ、本気でサーリアホにインタビューするなり
          文献読むなりして、どこの庭園の印象なのか
          その日本庭園のサウンド・スケープをフィールド・ワークで調べて
          そのサウンド・スケープがヨーロッパ人にどう聴こえるのか
          マジメに研究したくなる作品だわ。

          え〜っと、すみません、上記の印象は
          すべてワタクシのどうしようもない妄想ですので
          読者の方々は、あまりマジメに取らないように。
          (でも、これ、日本人が聴いたら、絶対に日本庭園には聴こえません(断言))

          ご本人とお父さんが作曲した
          「太鼓の一生」(笑)は
          最初は真っ暗な中で、マレットが光り(太鼓の誕生)
          その後、明るくなった舞台の上で
          太鼓の超絶技巧が次から次へと披露される。

          マレット2本を片手で持って(もう一方の手ではマレット1本)
          片手のマレット2本のうち、1本は別の太鼓の木の部分
          もう一方は太鼓の皮の部分で、別のリズムを刻んで
          もう一方の手では、他の楽器でまた別のリズム
          加えて足のペダルで、もう一つのパーカッションで別リズムって
          このパーカッショニストの頭の中、どうなってるの?

          最後にどんどん音が小さくなって
          グルービンガーがため息ついたり、ゼイゼイ言ったりして
          最後の最後に「ご臨終」ってボソッと言う
          ・・・って、アイデアとして面白すぎ。

          最後の安倍圭子の曲が一番ゴキゲンな素晴らしい曲だった。
          安倍圭子と言えば、天下のNHKの「きょうの料理」のテーマ
          ・・・なんだけど
          この人の作品、他にも聴いた事がある。
          マルティン・グルービンガーが時々取り上げていたと思う。

          そのたびに、うわあああ、カッコいい!!!と感嘆して来たが
          きょうの The Wave も最高に楽しい。

          和太鼓の伝統的な音を多用して
          ヨーロッパ人と違って、ちゃんと納得する「間」があって
          日本的な4拍子の、地についたリズムが基底にある。

          激しい強弱があって、非常にドラマチックで
          マリンバのソロは、日本的な「静」も見事に表現していて
          最後は和太鼓のリズムを加えながら、日本的なメロディを背景に
          ゴキゲンな大パーティで、が〜っと盛り上げる
          聴き応えたっぷりの名曲。
          あ〜、こういうのが日本的な美なのよ、うん。

          しかしまぁ、天才ってスゴイわ。
          才能だけではなくて
          ともかく、この天才、好きで好きで好きで仕方ないというのが
          全身から溢れ出しているので
          練習とかも全然苦にならないんだろうなぁ。

          むちゃくちゃ長いコンサートではあったけれど
          むちゃくちゃ楽しませてもらった私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          パーカッショニストってアスリートだよね・・・

          ミヒャエル・シャーデ + マルコルム・マルティヌー

          0
            Wiener Konzerthaus Mozart-Saal 2017年11月30日 19時30分〜20時50分

            テノール Michael Schade
            ピアノ Malcolm Martineau

            Franz Schubert (1797-1828)
             Winterreise
              Liederzyklus nach Gedichten von Wilhelm Müller D 911 (1827)

            ミヒャエル・シャーデは
            私が以前から追いかけているテノール歌手。

            このブログに移行する前に(記録は無情にも消えた(涙))
            ウィーン劇場で「美しき水車小屋の娘」を聴いて
            そのあまりのオペラちっくな表現にひっくり返ってから
            機会があればリサイタルに足を運んでいる。
            (このブログは2008年からだが、それでも5回記事がある)

            ついでにオペラ座でもよく拝見(笑)

            シャーデは「美しき水車小屋の娘」は何回も歌っているし
            アンコールにも歌ったりするし
            シューベルトやベートーベン、シューマン(これ絶品)
            フーゴ・ヴォルフもレパートリーにしているが

            今回のリサイタル、見つけた時に
            えええええええっ!!!
            シャーデが「冬の旅」を歌うの?!

            確かに今まで歌った事がなくて
            プログラムにも「今回が初めて」と書いてある。

            そりゃそうだよなぁ。
            だって「冬の旅」って暗いじゃないですか。
            (だいたい私はシューベルトが苦手である)
            最初から最後まで
            まさに白黒の世界で
            凍りつくような悲惨さを纏わせ

            このチクルスだけは
            ある程度の年齢になって
            やっぱり「死」を考えるようになってからでないと
            とても聴けないチクルスだと、今でも確信している。

            一方、ミヒャエル・シャーデと言えば
            蕩けるようなソット・ヴォーチェが魅力的で
            聴いている方に体感的な快感(すみません)を感じさせる
            甘い声のチャーミングさで有名なテノール。

            リリック・テノール、しかも甘い声で
            あの、暗い暗い暗い暗い「冬の旅」というのは
            スープレットのソプラノが歌うような違和感があるんじゃないだろうか。

            本日は朝からウィーンは雪(涙)
            途中から雨にはなったけれど
            私の住んでいる郊外では、まだまだ雪景色が残っていて
            寒いし暗いし
            シューベルトの「冬の旅」の悲惨な雰囲気に一役買っている。

            最初の Gute Nacht で椅子からずり落ちそうになった。

            その声量で、その歌、歌うか?!

            ホール中に響き渡る澄んだ甘い高音テノールの
            激しい感情をあらわにした表現・・・

            ・・・と思ったら
            途中でグッと音量落として
            またこれ、とんでもないソット・ヴォーチェ。

            フォルテとピアニッシモの絶え間ない繰り返し。
            しかも低音の部分でシュプレッヒ・シュティメまで出て来た時には
            本気で仰け反った。

            何とまぁ、情熱的で「人間的」な主人公。
            諦観とかよりも
            人生、大変だけど、何とかやっとるわい

            って、え〜っと、え〜っと、イメージと違うぞ。

            ただ、シャーデはアホではない(と思う、時々天然かもしれないが)
            計算してやっているのか
            天才的な天然で本能的にやっているのかはわからないけれど
            この「冬の旅」を、白黒一色にせず
            ドラマチックに、でもパロディになる直前で抑制している。

            だいたい私、もともと短調がむちゃ苦手。
            これだけ短調続きのチクルスは、ゲッソリするのだが
            途中の Frühlingstraum とか Das Wirtshaus とか
            ちょっと温かさを感じてホッとするところの
            シャーデの声が、あぁ、もう、本当に柔らかくてゾクゾクする。

            一方、冷たい冬の厳しい孤独の表現は
            う〜ん、テノール(しかも、ものすごい美声)で
            時々(意識して)リートにあるまじき声量で歌ってしまうと
            孤独とか寒さを嘆くのはわかるのだが
            ある意味「諦観」を感じるよりは
            どちらかと言えば、運命に対する怒り?のようなものが伝わってくる。

            テノールがこのチクルスを歌うのは確かに難しい。
            この孤独と白黒と諦観の世界には
            できれば深いバスかバリトンの方が向いている。
            だいたい、このチクルス、ソプラノだって歌えないだろ。
            ソプラノが歌ったら、ただのヒステリーになってしまう(と思う)

            持ち前のこの上なく美しいソット・ヴォーチェだけでは
            チクルス全体が甘くなり過ぎるという判断があったのかもしれない。
            (そ〜いうのも聴いてみたいような気がするが)
            ただの「ロマンティック」に溺れずに
            この悲惨な雰囲気を出すのに
            ある程度の声量をドラマチックに使う、という方法論だったと思う。

            フォルテッシモとピアニッシモを目まぐるしく使ったシャーデが
            最後の Der Leiermann だけ
            最初から最後まで、一回もフォルテを使わず、歌い上げた。

            ・・・涙が出ました。

            シャーデさん、あれはないよ、ルール違反だよ。
            徹底的にドラマチックに振り回しておいた後
            最後の Der Leiermann で
            そこまで透明な諦観の世界観を
            突然、突きつけられたら
            心臓にグッサリと冷たい孤独が刺さってくる。

            ピアニストのマルコルム・マルティヌーが、素晴らしい。
            「冬の旅」の世界観を
            シャーデの甘いテノールと対極的に
            透明な、硬めの、ペダリングほとんどない演奏で

            シューベルトのリートにおいて
            声とピアノが対等の立場にあって
            補いあいながらも独立した音楽を奏でているのがよくわかる。

            追随するのではなく
            引き立てながらもピアノの音楽の世界観は
            しっかり構築されている、という
            驚くべきピアノだった。

            プログラムの最初のところに小さな文字で
            宮廷歌手のミヒャエル・シャーデは
            このコンサートを弟(か兄)のヨハネス・シャーデの思い出に捧げます
            と書いてあったので
            お身内に不幸があったのだろう、きっと。

            この曲を聴いても
            あまり死者は喜ばないような気がするが(すみません)
            シャーデとしては、死を意識した時点で
            「冬の旅」を歌う、という決心がついたのだろうと推測する。

            シャーデの甘いテノールに合うチクルスではない。
            なのに敢えて、このチクルスに挑戦して
            ドラマチックな世界観に聴衆を溺れさせておいて
            最後に突然、別世界に連れていったルール破り(笑)には敬意を表す。

            ものすご〜く正直に言っちゃうと
            でも、これ1回で勘弁してね
            レパートリーに入れないでね・・・というのはあるんだけど。

            たまたま、今日の音楽史の授業で
            シューベルトが取り上げられて
            この「冬の旅」の音楽的構成への言及もあったのだが

            ウィーンに住んでいる利点というのは
            その気になればシューベルトの生家や死んだ家に
            市電で数駅で行ける事(笑)

            当時のリヒテンタール地区は、地理上、ジメジメした地区だったはずで
            考えてみれば、当時はもちろん電灯も電気も電話もなく
            市電も車もなく
            馬車は貴族の乗り物、あるいは遠距離の時の乗り物で
            日本の江戸時代と同じく、みんな歩いて移動していたと思うのだが
            地面は汚物で一杯で(これは史実らしいぞ)

            しかも当時は人はバタバタと死ぬ時代。
            ちょっと風邪を拗らせたり、怪我して化膿したら、そこで死ぬ。
            (世界最初の抗生物質は1911年のサルバルサン、1928年のペニシリン)
            子供が生まれたら母親はバタバタと産褥熱で死ぬ。
            (院内感染予防のゼンメルヴァイスが院内感染に気がついたのは1847年である)
            乳幼児死亡率も高い。

            死というものが、身近にあって
            電気も電灯もなくて
            当時のリヒテンタール地区は水はけが悪かった事で有名だし
            雪が降って、寒くて暗くて
            メッテルニヒ時代で言論統制があって・・・

            音楽に歴史を聴いてしまう、というのも
            不思議な現象だが
            こと、この苦手な「冬の旅」には
            当時の世相が反映されているような気がする私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            アンコールはなし。
            天然でサービス精神旺盛なシャーデだから
            おふざけでアンコール歌って聴衆をノセるかとも思ったけれど
            さすがに「冬の旅」の後(しかも、あの Der Leiermann の後)では
            アンコールは無理だわ。

            ゲオルク・クライスラー「ウィーンっ子のいないウィーン」

            0
              土曜日のトリプル・ヘッダーの2番目です。
              時系列でお読みになりたい場合は まずは こちら からどうぞ。

              Volkstheater 2017年11月18日 19時30分〜21時20分

              Wien ohne Wiener
              Ein Georg-Kreisler-Liederabend von Nikolaus Habjan und Franui
              Text und Musik Georg Kreisler

              出演
              Gábor Biedermann
              Günter Franzmeier
              Isabella Knöll
              Christoph Rothenbuchner
              Claudia Sabitzer
              Stefan Suske

              Musikbanda Franui
              クラリネット・サクソフォン Romed Hopfgartner
              コントラバス・アコーディオン Markus Kraler
              ハープ・チター Angelika Rainer
              ハックブレット Bettina Rainer
              トランペット・フリューゲルホルン Andreas Schett
              バイオリン Nikolai Tunkowitsch

              演出と人形 Nikolaus Habjan
              音楽監督 Andreas Schett
              編曲・作曲 Markus Kraler, Andreas Schett
              舞台 Denise Heschl
              照明 Paul Grilj
              ドラマツルギー Heike Müller-Merten
              リート指導・コレペティ Dieter Paier

              ゲオルク・クライスラーと言っても
              その面白さや凄さを伝えるのには
              ウィーン訛りをある程度理解する能力と
              ウィーンの表裏(良いところ+悪いところ)をある程度感じていないと

              無理(断言)

              すみません
              私が如何にドイツ語
              ・・・じゃなかったオーストリア語(笑)が出来るかとか
              ウィーンの文化を知っているとか(知りません、念の為)
              そんな事を自慢したいのではなくて

              こういうオーストリアの特殊な「寄席の芸術」は
              オーストリア(ないしはウィーン)秘密結社の一員になる必要がある。

              だったら私もなろう、とか思わない方が良いです、たぶん。

              オーストリアの中でもウィーンというのは特殊な都市で
              宮廷が長くあった分
              日本で言えば京都のようなキャラクターがある。
              排他的だし、プライド高いし、刹那的。
              (京都人がそうだ、とは言ってません、念の為)

              朝から晩まで
              ワケのわからん事でずっと文句言ってる人が多いし

              幸せなウィーンっ子という存在は、まず居ない。
              みんな不幸で、不幸自慢していて
              自分の都市の悪口は目一杯言うくせに
              他の人(特に外国人あるいは外国出身のオーストリア人)が
              ウィーンの悪口を言うのは許さない。

              私のモト彼は典型的なウィーンっ子だったのだが
              いや、その話は長くなるし暗くなるから止めておく。

              ただ、あああああ、アレと結婚しなくて良かった、というのは
              失敗だらけの私の人生の中で
              唯一の正しい判断であった、と確信持って言える。

              会社もウィーンっ子は非常に少なかったし
              (いたけど典型的なウィーンっ子だったので怖かった)
              まぁ、旅行会社なんて
              EU 諸国とロシア、ウクライナとかの社員が多かったので
              その後は私は長くウィーン社会からは締め出されて来て
              その意味では
              30年以上暮らしていたって
              本当にウィーンっぽい生活は知らない。

              前置きが長くなってしまったが
              ゲオルク・クライスラーの作品は
              ここ で体験してから
              自分でも CD を集めたりしていた。

              加えて、私はフラヌイのファンなの ♡

              何とか予定を立てて
              結構高いバルコン(貧民席ギャラリーじゃなくて)を買って
              行って良かった!!!!!

              プロモーションを見た時には
              気味の悪い人形を使っているな、と思ったが
              これが意外に効果的で
              だいたい、いくらバルコンの準貧民席でも
              舞台からは遠いので、あまり気にならないし
              人形使って歌っているので
              ものすごい事を言っていてもヘンに風刺がダイレクトにならない。

              この面白さはあまり私の拙い文では伝えられないので
              下にクリップ貼っておく。



              最初に出てくる人形+トライアングルが傑作で
              後ろにオーケストラの指揮者の人形が後ろ向きで指揮してる。
              で、トライアングル奏者が
              ペーソスに満ちた歌を歌うのだが
              あまりに可愛くて爆笑する。

              ウィーンの話だから、当然ながら「死」が色々と取り上げられるんだけど
              ザルツブルク音楽祭のイエーダーマンのヒッカケがあったのには爆笑した。

              フラヌイの音楽がまたチャーミングで
              表に厚かましく出る事が全くなくて
              控えめで、音楽的レベルがむちゃ高くて
              ああああ、もう、こういうのって、悶絶。

              というワケで
              12月の公演、もう一回行く事にした。
              (ただし超貧民席で(笑))

              ウィーンに長く住まれている皆さま
              クリップ見て、全部ドイツ語がわかる方は
              ぜひご覧下さいまし。
              もう、ウィーンっ子のいやらしい部分が
              モロモロに出ていて
              甘い衣に包んだ実は激しい風刺が
              グサグサ刺さって、大笑いできる事は保証します。

              フォルクス・テアーターって
              そういう意味では非常に面白い作品を上演しているので
              (ブルク劇場とかと違う ← その風刺も入ってますこの作品)
              演劇は敷居が高い、と思っていらっしゃる方にはお勧め。

              大笑いして出て来て
              次の会場に向かったアホな私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              フラヌイ + インナーフィルグラーテン吹奏楽団

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年10月26日 19時30分〜21時40分

                “Vom Endchen der Welt”

                MusikkapelleInnervillgraten
                指揮 Hannes Schett, Manuela Lusser

                Musicbanda Franui
                バイオリン Nikolai Tunkowitsch
                クラリネット、バス・クラリネット Johannes Eder
                アルトサクソフォン、クラリネット Romed Hopfgartner
                ハックブレット、歌 Bettina Rainer
                ハープ、チター、歌 Angelika Rainer
                トランペット、歌 Markus Rainer
                トロンボーン、歌 Martin Senfter
                チューバ Andreas Fuetsch
                コントラバス、アコーディオン Markus Kraler
                トランペット、歌 Andreas Schett

                朗読 Ulrich Reinthaller

                コンセプト、音楽監督 Andreas Schett

                Johann E. Trojer (1935-1991) Vom Endchen der Welt
                Text aus “Sätze und Absätze. Der Literat und Kulturjournalist Johannes E. Trojer”

                Eismann : Der letzte Seufzer *
                Gustav Mahler (1860-1911) : Nicht wiedersehen ! *
                Rudolf Melusin (1826-1887) : Abschiedsklänge
                Johannes Brahms (1833-1897) : Die Sonne scheint nicht mehr *
                Josef Steidl jun. (1905-1979) : Mein Trost in Tränen. Grablied
                Franz Schubert (1797-1828) : Das Grab D 330 (1815) *
                August Ritzberger (1872-1943) : Ruhe sanft
                Robert Schumann (1810-1856) : Geistervariationen. Trauermarsch und Choral
                Franz Schubert : Das Wirtshaus D 911/21 (Winterreise) (1827) *
                Josef Steidl jun. : Wie die Glocken düster dröhnen. Grablied
                Franz Schubert : Trockene Blumen (Die schöne Müllerin) (1823) *
                Josef Steindl sen. (1864-1945) : Trauermarsch
                Hans Kliment jun. (1906-2006) : Teure Mutter *
                Franz Schubert : Totengräberlied D 38, Deutsche Tänze D 783/5 (1813) *
                Bernhard Linhart (1870-1918) : Nachklänge *
                Franz Schubert : Abschied D 475 (1816) *
                * musikalische Bearbeitung von Markus Kraler und Andreas Schett

                不思議な音楽グループの Franui については
                何回もこのブログで取り上げているが
                今回は何と、モーツァルト・ホール(小ホール)ではなく
                大ホールでのコンサート。

                ギャラリー最終列の見える席(4席しかない!)を
                根性で入手したのだが
                入ろうとしたら
                「もっと良い席に変更できますよ?」

                ・・・・・あああああ、売れてないんだわ、このコンサート。

                そりゃ、日が悪い。
                本日10月26日は祝日で木曜日。
                オーストリア全人口の80%くらいは
                明日の金曜日に休暇を取ったり、突然病気になったり倒れたりして
                木曜日から日曜日の「長い」週末を満喫するのである。

                平土間の席と言われたので
                平土間イヤ、と言う私もワガママだとは思うが
                バルコン・ロジェの2列目の1枚があったので
                そちらにしてもらった。
                (周囲はお金持ちそうなご年配のご夫妻ばかりで
                 結構、小声でのお喋りが多かったのは予想外だったが)

                フラヌイは、オーストリアのド・田舎インナーフィルグラーテンのバンドで
                シューベルトやマーラー、ブラームスなどの編曲をもって
                クラシック、フォークソング、ジャズ、現代音楽の
                クロスオーバーなグループ。

                しつこいうようだが
                この音楽だけは、本当に聴いてみないとわからないと思う。
                聴いたら、普通のクラシック・ファンは腰を抜かして
                ものすごく好きになるか
                ものすごく嫌いになるか、極端に分かれるような気がする。

                ド・田舎でこんな前衛的なグループが出来ちゃったので
                村では色々と問題があったらしいが
                今回は村のブラスバンド60名弱を引き連れて来た。

                このブラスバンドが
                インナーフィルグラーテンの民族衣装を着ていて
                いや、もう、すごくキュートでドキドキする。
                年配から若い人まで、きっと数世代にわたってメンバーなファミリーもいそう。

                今回はインナーフィルグラーテンで
                学校の教師として、また様々な村でフィールドワークをして
                村の慣習などの研究をした民族学者の Johannes E. Trojer の随筆を
                朗読しながら音楽を聴くという試み。

                挨拶があったけれど
                東チロル方言で・・・ほとんどわからん(自爆)

                このインナーフィルグラーテンって
                数年前にドロミテを車で走った時に
                谷は通ったんだよねぇ。一度行ってみれば良かった。
                (だからって方言が理解できるものとは思えないが)

                こういう、社会から隔絶したような小さな村の
                ブラス・バンドが活躍するのは
                もっぱらお葬式なので
                今回もお葬式のテーマの演奏が多い。

                トロヤーの随筆は非常に文学的。
                私の乏しいドイツ語能力では理解できない部分が多い(ああああ・・・)
                民俗学の話になった時に

                わかりやすい慣習は、鉄壁のようにそこに存在し
                誰もそれを記述しようとはしない
                記述されて残っているのは珍しい、あるいは特殊な慣習だけである

                ・・・というのがあって
                ああ、そうだよね。それってフィールドワークしていると
                すごく感じるんだろうなぁ、と、ものすごく納得した。

                このコンサート、幕間なしの通しだったが
                構成の妙で
                朗読と音楽がちょっと重なったり
                フラヌイの演奏とインナーフィルグラーテンの吹奏楽団の演奏が
                違和感なく続いたり
                フラヌイの音楽に吹奏楽団がジョインしたり

                音楽の多彩さもあるけれど
                室内的なバンドに、大規模吹奏楽団
                更にはメンバーのコーラスなども入って
                音響の多様さ、その変化がまた面白くて全然飽きない。

                葬式の音楽と言うと
                悲しいものが多い、と言う印象があるだろうが
                実は案外、楽しいものがかなりある。
                (本当に楽しいかどうかはともかくとして)

                こういうテーマの
                クラシックから、純粋な吹奏楽、民族音楽にちょっと現代音楽という
                不思議なクロスオーバーを
                様々な年代のプレイヤーたちが演奏しているのを聴くと

                否応なしに「時の流れ」というのをしみじみと感じてしまう。
                いやもう私、還暦になっちゃったし
                あとどの位、生きられるかわからないし
                (そういう事を言ってる奴に限って長生きするのだが)
                次の世代も繋げなかったし

                大学で20歳以下のキラキラした将来のある学生たちを見ていると
                羨ましいとは全く思わないんだけど
                (これから就職も大変だし、仕事はもっと大変だよ)

                でも、私が経験する事の叶わない未来を
                この子たちは経験できる可能性が高いんだわ、と思うと
                ・・・やっぱりちょっと嫉妬する(アホかお前は)

                こいつ、今日は音楽の事は全く書かず
                何を感傷に溺れているんだ、と思っていらっしゃる方
                ごめんなさい。

                フラヌイは現在ウィーンのフォルクス・テアーターで
                (フォルクス・オーパーではない)
                ゲオルク・クライスラーのリートを中心にした
                ニコラウス・ハブヤンの作品
                Wien ohne Wiener (ウィーンっ子のいないウィーン)に出演中。

                何回か公演があるので
                何とか空き時間を見つけてチケット買ったが
                11月はイヤになる程、毎日詰まっているので焦った。
                (12月の夜はヒマである。何故だかわからないけど(笑))

                フラヌイはウィーンやザルツブルクでコンサートをしていて
                国際的にも活躍はしているけれど
                ローカル色を強く残しているのが特徴なので
                日本には行かないだろうから
                ウィーン在住の方、チャンスがあったらぜひ聴いてみて下さい。

                ・・・ものすごく好きになるか嫌いになるかだけど(笑)
                でもローカルなものは絶対に聴いておくべき、と
                回し者のような発言を敢えてする私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                フラヌイは Youtube でチャンネルを持っています。
                まぁ、かなりローカルなんだけど(笑)
                よろしければぜひご覧下さい。 → ここ

                フィルハーモニック・ファイブ

                0
                  Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2017年9月17日 19時30分〜21時50分

                  Philharmonic Five
                  バイオリン Tibor Kováč, Ekaterina Frolova
                  ビオラ Gerhard Marschner
                  チェロ Peter Somodari
                  ピアノ Christopher Hinterhuber

                  Antonín Dvořák (1841-1904)
                   Klavierquintett A-Dur op. 81 (1887)

                  " Mission Possible "
                  John Williams (*1943)
                   Hedwigs Thema (Aus dem Harry Potter-Filmen)
                  Sergej Prokofjew (1891-1953)
                   Romeo und Julia. Ballett op. 64 (1935-36)
                    (Teilaufführung in Bearbeitung von Tibor Kováč)
                  Chick Crea (*1941)
                   Greensleeves (Bearbeitung : Tibor Kováč)
                  Tibor Kováč (*1967)
                   Eléazar, Mazel Tov !
                  Georges Bizet (1838-1875)
                   Le fleur que tu m’avais jetée (Blumenarie des Don José aus “Carmen”) (1873-74)
                    (Bearbeitung : Tibor Kováč)
                  Camille Saint-Saëns (1835-1921)
                   Danse macabre. Symphonische Dichtung g-moll, op. 40 (1874)
                    (Bearbeitung : Tibor Kováč)

                  アンコール
                  Lalo Schifrin : Thema aus der Fernsehserie “Mission Impossible”
                  Dmitri Schostakowitsch : Walzer Nr. 2 (Suite Nr. 2 für Jazzorchester)
                  (Bearbeitung : Tibor Kováč)

                  読者の皆さまはよくご存知の通り
                  ザ・フィルハーモニックスは2つに分裂してしまって
                  コンツェルトハウスのチクルス、どうするんだろう、と思っていたら

                  ティボール・コヴァーチ率いる新グループ
                  フィルハーモニック・ファイブ

                  旧メンバーの第一バイオリンに
                  ベルリン・フィルのコンサート・マスターを持って来た
                  フィルハーモニックス(ただし綴りは Philharmonix)

                  両方のチクルスが出来ていた。

                  コヴァーチのグループは
                  伝統的なピアノ五重奏。
                  プログラムは
                  Mission Possible とうたってはいるが

                  最初はシリアスに
                  ドボルジャークのピアノ五重奏曲。

                  いやそりゃ巧い(笑)
                  ビオラの背の高いハンサム君も
                  ハンガリーのプリンス、チェロのショモダリさんも
                  ウィーン・フィルのメンバーだし
                  なんかもう、イヤミっぽい程に整った演奏なのに
                  割に熱く演奏してくれるのがチャーミング。

                  で・・・

                  楽章間拍手が
                  全楽章の後にかなり盛大にあったというのは

                  クラシック音楽のコンサートに
                  普段行かない聴衆がかなり居るようだ。
                  (しかも周囲にシッと大声で叱るジジババもいないようで・・・)

                  いや、ウィーンでそれ、意外にスゴイ事かもしれない。
                  (スポンサーの招待客が多かったんだろう、というのは
                   後半で判明した)

                  昔のフィルハーモニックスとは違って
                  最初に伝統的なクラシックの室内楽をかまして
                  後半にお喋りコンサートという志向なのね。

                  ハリー・ポッターのテーマの後
                  コヴァーチが挨拶。

                  ついでに近い未来に出る予定の CD の宣伝と
                  スポンサーの銀行への御礼。
                  (で、スポンサーの銀行からの招待客が多かったのね、きっと)

                  で、その銀行、私、口座に貯金通帳も持ってるんですけど・・・
                  いや、この銀行、この時勢で実はメセナが好きで
                  現代音楽のスポンサーになっていたりするのは知っていたが
                  このグループの支援までしてるのか。

                  そういう事する前にもう少し利子を寄越せ
                  ・・・というのはついつい正直な感想なのだが
                  音楽へのメセナ活動は高く評価する(建前)

                  プロコフィエフのロメオとジュリアの抜粋。
                  くそ、こういうのは巧いよなぁ。
                  やっぱりオペラ座のバレエで演奏し慣れているだけあって
                  (それに私、この曲、すごく好きなの)
                  バレエのシーンが目に浮かぶような
                  ウィーン・フィルの音だよ、これは。

                  グリーン・スリーヴスとチック・コレアを組み合わせた曲の後に
                  アレヴィのオペラ「ユダヤの女」

                  エレアザールのアリアで
                  コヴァーチ曰く
                  ニール・シコフが歌うと、あまりに悲壮で
                  バイオリン引っ掴んで会場出て行って
                  ウエディングの曲でも弾かないと鬱になりそうなので
                  ウエディングの曲とくっつけました・・・という事らしい(笑)

                  そしてご存知ビゼーのカルメンからドン・ホセのアリア。

                  さすがにオペラからの曲なので
                  ともかく非常にオペラチックというか
                  ウィーン・フィルの音がバリバリ聴こえて来る。

                  サンサーンスの曲で一旦閉めて
                  アンコールに
                  タイトルと絡めて
                  パーカッション入れてミッション・インポッシブルのテーマ。
                  子供の頃に「スパイ大作戦」を夢中になって見ていたから
                  なんだか非常に懐かしい。

                  ショスタコーヴィッチのジャズ組曲からのワルツには
                  ちょっと大笑いした。
                  クレスマ的なものと、ジプシー的なものに加えて
                  ウィーンっぽいワルツがミックスされた演奏。
                  こういうのは自家薬籠の物って言うんだろうなぁ (^o^)

                  フィルハーモニックスと違って
                  あれもこれも、ではなく
                  あくまでも自分たちのレパートリーの中での
                  クラシック的なものを
                  高いレベルで噛み砕いて提供する、と言う感じかもしれない。

                  残りのメンバーのフィルハーモニックス(綴りは違う)のチクルスは
                  このフィルハーモニック・ファイブとは違って
                  大ホールで行われるので
                  こちらも行ってみたいのだが
                  最初のコンサートが
                  ウィーン交響楽団とオロスコ=エストラーダのコンサートと
                  バッティングしちゃうのだ(涙)

                  コンサートのバッティングで頭を抱えながら
                  やっとナイト・ライフの時期が始まったと思うと
                  ちょっと嬉しい私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  ヨーロッパは急に寒くなって
                  気温が10℃前後で
                  夏から冬に突然チェンジ。
                  秋という季節はなくなってしまったのね(ため息)

                  マルカンドレ・アムラン ピアノ・リサイタル

                  0
                    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2017年6月22日 19時30分〜21時30分

                    ピアノ Marc-André Hamelin

                    Joseph Haydn (1732-1809)
                     Sonate C-Dur Hob. XVI/48 (ca. 1789)
                    Samuel Feinberg (1890-1962)
                     Sonate Nr. 2 op. 2 (1915)
                     Sonate Nr. 1 op. 1 (1915)
                    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                     Sonate f-moll op. 57 “Appassionata”
                    Franz Liszt (1811-1886)
                     Nuages gris S 199 (1881)
                     Sonate h-moll S 178 (1852-53)

                    マルカンドレ・アムランというカナダ出身のピアニストは
                    日本ではかなり有名らしいが
                    こちらではマスコミに大々的に取り上げられる事もなく
                    比較的知られていない。

                    ・・・というより
                    日本で大騒ぎされたのは
                    昨年のショパン・コンクールで2位になった
                    シャルル・リシャール・アムランだったのかしら。

                    まぁ、別にどうでも良いけど(笑+開き直り)

                    ミーハーな私は
                    日本でそんなに人気なのか、と
                    普段行かないピアノ・リサイタルに足を運んだ。

                    ハイドンのピアノ・ソナタ。
                    第一楽章は技術的には簡単な感じだが
                    これを徹底的に音に拘って、丁寧に丁寧に弾いているのを聴くと

                    今、ポピュラー・ピアノで BGM で演奏されるような曲が
                    100年後には、こんなに
                    「楽譜に忠実で神経質そうに音の一つ一つに拘って」
                    弾かれるようになるんだろうか、という妄想がふつふつと湧いて来る。

                    第二楽章は結構な超絶技巧で、すごい速さで
                    楽しく弾いてくれたから
                    あぁ、当時もピアノ(いやピアノはなかっただろうが)が巧い人が
                    きっと、ほら見ろ、ほら聴け、うっしっし、すごいだろ
                    ・・・とは言わなかっただろうが
                    そういう感じで弾いていたのかなぁ。

                    次の曲の作曲家、サムイル・フェインベルクって
                    勉強不足で知らなかったが
                    ロシア(当時はソビエト連邦)のピアニストで作曲家だそうで

                    この初期のピアノ・ソナタ
                    ロマン派の香りがして超絶技巧で
                    ピアノの音の重なりがちょっとスクリャービン風で
                    さっきのハイドンと全く違った響き。

                    こういうロマン派の音楽の方が
                    このピアニストには合っているような気がする。
                    すごく活き活きした美しいピアノの和声がホールに響いて来る。

                    ベートーベンの「熱情」ソナタだけど
                    実はこの間、ウィーンで行われた
                    ベートーベン・ピアノ・コンクールの課題曲で
                    インターネットの配信があったので
                    結構、それで聴いてて、ちょっと今、食傷気味で・・・
                    (すみません)

                    でも私が楽しみにしていたのは
                    後半のフランツ・リストである。

                    最初の Nuages Gris は5分ほどの作品。
                    ご存知の通り、晩年のピアノ・スケッチ。

                    ・・・これ、とんでもない曲じゃん (・_・;

                    ほとんど無調で、まるで現代曲。
                    あまりにぶっ飛びすぎ。
                    これ、ホントに1881年の作品???

                    こういう曲を聴いてしまうと
                    リストって、作曲家として天才だったんだなぁ、と
                    しみじみ思う。
                    ド派手な曲はよく演奏されるけれど
                    (愛の夢3番とか(笑))
                    実はリストの巡礼の年なんか、私、ものすごく好き。

                    さてぶっ飛んだ曲に続けてロ短調ソナタに突入。
                    ロ短調ソナタは、ああいう出だしなので違和感はない。

                    で、これが、これが、これが・・・
                    すごくすご〜く良かったのだ(感涙)

                    実に不思議な曲で
                    感情任せの超絶技巧の部分があるかと思うと
                    それこそ、クルタークのお得意とする
                    「一音に世界を見る」という部分もあって

                    こういう曲って
                    ある程度、人生を味わって来た年配の方が
                    楽しめるような気がする(独断です)

                    アムランのピアノは決して乱暴にならない。
                    (ピアニストによっては時々、叩きつけるような印象になる)
                    体幹がほとんど動かず
                    柔らかい肘と手首だけで
                    とんでもない色彩をホール全体に弾けさせる。

                    ペダルは多様するけれど
                    音がクリアで、音響に色彩感があって
                    派手な「聴かせる」部分では
                    乱暴ではないのに激しく
                    歌う部分は充分に歌わせて
                    低音の一音・一音が深くて静寂を漂わせている。

                    酸いも甘いも嚙み分けた・・・って感じ。
                    ああいう「味」は
                    やっぱりある程度の年齢にならないと
                    (弾いている方も聴いている方も)
                    出て来ないような気がする。

                    あまりピアノ・リサイタルに行かない私は
                    このリストのソナタも、多分、ナマでは初聴きだと思うが
                    CD とかで聴くのと全く印象が違う。

                    小ホールで親密な空間で
                    緊張感持って集中して聴くって気持ち良いなぁ。
                    (まぁ、あの静寂の中でプログラム捲ったり(響くんですこれが)
                     身体の位置を変えて(足を組むとか・・・そのタイミングでやるか?(怒))
                     椅子をギシギシというのも多少はあったけれど
                     楽友協会に比べたら、遥かにマシ)

                    実は今日は、ちょっとタイヘンな事があって
                    (仕事の話ではありません(笑))
                    ちょっと凹んでいたのだけれど
                    このロ短調ソナタで
                    精神的落ち込みからは即立ち直った
                    単純な私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    コンサート終わった後も、まだ33℃。
                    湿気が30%くらいなので、そんなに感じないが。

                    それよりも最近、ウィーン市の道路事情が最悪で
                    まだ休みが始まっていないのに道路工事が始まったりしているので
                    交通渋滞が半端じゃなくスゴイ。
                    本日、会社に行くのに、普通は30分のところを1時間半かかったわよ(怒)

                    ウィーン・ピアノ・トリオとマーク・パドモア

                    0
                      Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2017年6月20日 19時30分〜21時50分

                      Wiener Klaviertrio
                      バイオリン David McCaroll
                      チェロ Matthias Gredler
                      ピアノ Stefan Mendl

                      テノール Mark Padmore

                      Richard Rodney Bennetto (1936-2012)
                       Tom O’Bedlam’s Song
                      Franz Schubert (1797-1828)
                       Harfenspieler I D 478 “Wer sich der Einsamkeit ergibt” (1816/22)
                       Harfenspieler III D 480 “Wer nie sein Brot mit Tränen aß” (1816/22)
                       Harfenspieler II D 479 “An die Türen will ich schleichen” (1816/22)
                      Thomas Larcher (“1963)
                       A Padmore Cycle.
                        Lieder (Fassung für Tenor und Klaviertrio) (2010-11/2017)
                      Franz Schubert
                       Herbst D 945 (1828)
                       Auf dem Strom D 943 (1828)
                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                       Klaviertrio B-Dur op. 97 “Erzherzog Trio” (1811)

                      日中の気温が30℃を越えた真夏日の夕方
                      隣の大ホールではルドルフ・ブフビンダーのピアノ・リサイタル。

                      もちろんチケットは持っていたし
                      ブフビンダーは好きなので
                      普通だったら、隣のホールの室内楽には行かないのだが

                      ええええええっ?!
                      何故にこんな目立たないところに
                      テノールのマーク・パドモアの名前が・・・ (*_*)

                      目がテンになって慌ててチケットを購入。
                      だって、マーク・パドモアって
                      滅多にウィーンに来ないし歌ってくれないし

                      今回のコンサート、貧民席含めて
                      結構、席が空いていた、というのは、どういう事なんだろ?
                      同じテノールでもヨナスなんとか(商人)という
                      チケットが全く手に入らない人もいるのに(関係ないか)
                      オペラとかで華々しく歌わないからかな。

                      パドモアのナマの声は
                      2011年6月9日に初めて聴いて、えらくショックを受け
                      その後、2014年11月27日にリサイタル聴いて
                      もちろん、CD のマタイ受難曲も即購入してある。
                      実際に聴く機会がないのは本当に残念だが。

                      今回のコンサートは、現代音楽もテーマになっていて
                      最初はリチャード・ロドニー・ベネットの歌(英語)
                      1600年頃の無名の詩人の歌詞で
                      精神的な患いを持っている乞食の語りかけという内容。

                      伴奏は(珍しい事に)チェロのみ。
                      最初から激しいチェロに
                      声量最大限のテノールが入って来て
                      僕が食物や餌や飲み物や服を乞うて歌っている時に
                      どうぞ逃げないでおくれ
                      哀れなトムは貴女がたに何もしないから
                      というのがリフレインで入ってくる。

                      どんなに声量が大きくなっても
                      英語のテキストのクリアさに影響がなく
                      はっきりと聞こえる上に
                      リフレインの静かな語りかけが
                      この上なく甘くて優しくて

                      ああ、もう、本当にホロッとしちゃうんですけど
                      しかも現代音楽で・・・

                      チェロの響きが、また豊かで
                      小さいホールの良さって、本当に素晴らしい。
                      こういう曲って、大ホールで聴いたら台無しだと思う。

                      シューベルトの「竪琴弾きの歌」は有名だけど
                      ものすご〜く久し振りにナマで聴いたような気分。
                      聴いてみれば歌詞もメロディも頭の中に入ってはいるのだが
                      (子供の頃に聴いたものって、本当に忘れない、不思議な感じ)

                      英語で現代曲を歌っていたパドモアが
                      突然、完璧なドイツ語で歌い出すと
                      イメージが全く違ってビックリする。

                      しかしこの人のテキストって
                      何てクリアで美しいのだろう。
                      ドイツ語の発音の一つ一つが実に見事で美しく
                      それが音楽として成り立っていて
                      しかも正統派ドイツ・リートの抑制が効いていて
                      端正で理性的で、感情任せにならないのに
                      時折のぞかせる、その限りない甘い優しさって何なんですか。

                      クール・ビューティで理性的でインテリジェンスを感じさせるのに
                      それが冷たくならず
                      信じられない程の温かみと人間の体温が伝わってきて
                      抑えられた悲しみが大袈裟にならず
                      心の深いところに、しっとりと届く。

                      マーク・パドモアの声の質はハイ・テノールなのだが
                      本当にこの人、何という美声なんだろう。
                      低い部分もテノールの色のまま
                      高音になると、何とも言えない甘さが加わって
                      体感的にジンジンして来てしまう。

                      ・・・こういう声を女殺しと言うんじゃないか(違!)

                      しっとりして哀愁を帯びたシューベルトの後は
                      オーストリアの作曲家、トーマス・ラルヒャーが
                      オーストリアの詩人 ハンス・アッシェンヴァルトと
                      アロイス・ホルシュニックのテキストに作曲したもの。
                      (詩人は二人とも 1959年生まれ)
                      パドモアの声と芸術性を視野に入れていて
                      今回が初演になる。

                      ピアノ・トリオとテノールの組み合わせで
                      テキストは非常にフラグメンタルだけど

                      うわあああ、こういう音響、好きですワタシ (*^^*)
                      Sprechstimme と
                      ピアノの弦を叩いたところが
                      ぴったりと音響的に一致する部分には
                      鳥肌がたった。

                      アトナールとトナールの組み合わせが絶妙で
                      テキスト(ドイツ語)の内容は
                      ものすごく抽象的なんだけど
                      単語の一つ一つが「立って」いて
                      音響のバリエーションが豊かで
                      演奏時間25分が、あっという間だった。

                      ピアノの弦のいくつかを
                      持続的に鳴らしてたけど
                      あれはどうやったんだろう?

                      途中で弦に貼ったテープを剥がすというのもあったけれど
                      残念ながら、これはさすがに音が小さ過ぎて
                      隣の年配ご婦人お二人が
                      大きな音を立ててプログラムのページを捲っていた音に
                      かき消されました(涙)

                      最後にシューベルトの「秋」と
                      ピアノ三重奏の伴奏での「流れの上で」
                      これがまた何ともロマンチックで
                      でもロマンチックになり過ぎない抑制があって

                      あぁ、もう、このパドモアの歌って
                      ツンデレからツンツンにはなるわ
                      デレデレにもなるわ
                      相反する要素を全て含めていて
                      インテリジェンス溢れているのに甘くて切ない ♡

                      前半のマーク・パドモアがお目当てで来たので
                      後半のベートーベンのピアノ三重奏曲「大公」なんて
                      何の期待もしていなかったのだが

                      実はこれがむちゃくちゃ面白かった(笑)

                      すご〜くマジメでシリアスで神経質そうで
                      ちょっとおちょくったら、怒らせると恐そうな男性3人が
                      恐るべきマジメさで演奏するのだが

                      室内楽って、こんなに楽しかったっけ?
                      というよりは
                      ベートーベンの室内楽って
                      こんなにぶっ飛んでるんかいっ?!

                      オーケストラとバレエの追っかけをしている身としては
                      室内楽まで手が回らないし
                      室内楽って、オーケストラのような色彩感もないし、と思っていたけれど

                      やっぱり音楽ってナマで聴かないとわからないですね。
                      だってもう、何だかこのぶっ飛びベートーベン
                      異様に可笑しいんですもん(ちょっと違うかもしれない)

                      交響曲では整合性に命をかけているベートーベンが
                      室内楽で、むちゃくちゃ遊んでいるのがわかる。
                      おい、それやるか?みたいな部分が次から次に出てくるし
                      ここでいっちょう、観客を驚かせたれ、としか思えないフレーズがあるし
                      (第3楽章からアタッカの第4楽章。隣の老婦人は思わず笑ってた)

                      とことんマジメに見える男性3人が
                      それぞれに視線と体の動きでコンタクトしながら
                      ひたすらマジメに演奏しているのが、また楽しくて
                      いや、演奏している方々は、そりゃシリアスに演奏しているのはわかるけれど
                      見ている側としては、そのシリアスさが
                      まるで演劇のような感じになっていて、目が釘付け (・_・

                      前半終わった後で帰らなくて良かった。
                      室内楽のファンじゃないのに
                      室内楽って、こんなに楽しいのか、と
                      ちょっとビックリしてしまった。

                      とは言え
                      これ以上のコンサートに行くだけの
                      お金も時間も体力もないので
                      室内楽にハマるのは避けなければ、と
                      今の時点では決心している私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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