フィリップ・ジャルスキー シューベルト・リーダー

0
    Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2020年2月11日 19時30分〜21時40分

    カウンターテノール Philippe Jaroussky
    ピアノ Jérôme Ducros

    Franz Schubert (1797-1828)

    Im Frühling D 882 (1826)
    Des Fischers Liebesglück D 933 (1827)
    An die Laute D 905 (1827)
    Strophe aus „Die Götter Griechenlands“ D 677 (1819)
    Wiedersehn D 855 (1825)

    Klavierstück Es-Dur D 946/2 (1828)
     Allegretto

    An die Musik D 547 (1817)
    Erster Verlust D 226 (1815)
    Gesang D 891 „An Silvia“ (1826)
    Gruppe aus dem Tartarus D 583 (1817)
    Du bist die Ruh D 776 (1823)

    Der Vollmond strahlt auf Bergeshöh’n
    (Romanze aus „Rosamunde, Fürstin von Cypern“ D 797) (1823)
    Der Musensohn D 764 (1822)
    Nacht und Träume D 827 (1823)
    Herbst D 945 (1828)
    Am Tage Aller Seelen D 343
    „Litanei auf das Fest Aller Seelen“ (1816)

    Impromptu Ges-Dur D 899/3 (1827)
     Andante

    Auf dem Wasser zu singen D 774 (1823)
    Im Abendrot D 799 (1824-25)
    Die Sterne D 939 „Wie blitzen die Sterne so“ (1828)
    Abendstern D 806 (1824)
    Nachtstück D 672 (1819)

    あちこちでフィリップ・ジャルスキーの活躍は聞くし
    一部では、ジャルさま、と呼ばれて盛大な人気を誇るらしいが
    バロックのオペラを最近聴かなくなったので
    もしかしたら、まだジャルスキー聴いた事がないかも

    ・・・と慌てて
    プログラムも何も見ずに
    発売開始日にギャラリー正面の席を確保。

    プログラムを購入して開けてみたら

    ええええっ????

    オール・シューベルト・プログラムで
    しかも、かなり有名なリートが多い。

    バロック・オペラのアリアの泣き節を堪能するつもりで行ったのだが
    まさかカウンター・テノールでシューベルトのリーダーとは・・・

    しかも、ここ、ウィーンだよ。
    更に、このコンツェルトハウスのモーツァルト・ホールでの
    リートのチクルスは
    ドイツ・リートなら何でも来い、というような
    ジジババ、あっ、失礼、年配のお客さまばかりの
    リートオタクの集まりである。
    (自分もそうだったりして 😅)

    ジャルスキーもそれは良くわかっているようで
    プログラムに曰く

     もちろん、何故、カウンター・テノールが
     シューベルトのリーダーなんて歌うの?という疑問はあるでしょう。
     でも私にとって、これらの歌は
     詩を語れる歌手のために作曲されたものに思えます。
     しばしば言っている事ですが、私にとって
     フランスのメロディや
     シューベルトのリートを歌うというのは
     超絶技巧のカウンターテノールのアリアを歌うより心地良いのです。
     という訳で、この冒険に飛び込んでみる決心をしました。
     理由は一つだけ。この音楽を歌うのが好きだからです。
     バイオリニストやピアニストとして
     とても数多くのシューベルトの曲を演奏して来て
     今でもシューベルトの音楽を、たくさん聴いています。
     それに、もちろん
     シューベルトの曲は、どの歌手にとっても
     音楽のエベレストなのです。
     (意訳 文責なし)

    一つ一つの曲を取り上げても良いのだが
    そうするとむちゃくちゃ長くなるので止める(笑)

    出来、不出来
    合う合わないはあるにしても
    この上なく美声なカウンター・テノールで
    ものすごく丁寧に
    抑制を効かせて歌われたシューベルトは
    とても感動的だった。

    いくつかバラードがあったけれど
    ジャルスキーは、本当に「語る」歌手だ。
    美声に任せて、ドイツ語をおざなりにするところが全くない。

    そりゃ、早口言葉みたいなミューズの子なんかは
    ちょっとありゃりゃ、という出来だったりしたけれど

    しっとり歌い上げた漁夫の幸福や
    リュートの歌などの美しさには息を飲んだし
    タルタルスは、全く違う雰囲気のドラマチックさを出して見事。
    続いての Du bist die Ruh の
    繊細で愛に満ちた弱音の美しさに失神しそうになったところで
    前半は終わり。

    満月から始まる後半の
    夜と夢も
    しっとりと歌い上げた秋も良かったけれど

    その後の Am Tage Aller Seelen !!!!!!
    いや、これ、もう、むちゃくちゃ何と言うか
    詩の内容もあるんだけど
    シューベルトって
    こんなシンプルなメロディで
    どこまで深い世界観を・・・(驚愕)

    感激し過ぎて
    涙がボロボロ出て来て
    鼻水が出て来たんだけど
    バッグの中からティッシュを取り出す雑音を避けたくて
    歌が終わるのを待っていたら

    終わったとたんに
    ピアノ・ソロのアンプロンプチュに繋げて
    ジャルスキーは静かに舞台から立ち去るという

    うおおおお、何と言う心憎い演出なんだ。
    だが、ワタシの顔は涙と鼻水でグチャグチャである。
    あ〜、ヨーロッパ、湿気が少なくて助かった。
    アンプロンプチュを聴きながら
    何とか顔面が乾いたから・・・(すみません、ばばっちくて)

    ドラマツルギーから言うと
    この後は「夜」のシーンに入り
    夕暮れから星、夜の星
    これがまぁ、弱音続きの、本当に美しい曲だったのだが

    プログラムをめくると
    次のページに、次回のコンサート予告が記載されていて
    そこで終わりと思って拍手し出した聴衆が何人か・・・

    コンサート予告の次のページに
    最後の「夜の歌」の歌詞を載せるのって、やめてくれません?(怒)

    春から始まって
    様々なドラマを経て
    夜まで持っていったプログラム構成も大したものだ。

    それに、普通だったら、これを逆にして
    最後は明るいリートで盛り上げて盛り上げて終わりそうなのに
    それを敢えて反対にして
    静かな雰囲気に持って言ったのには舌を巻く。

    また、こういう静かなリートで
    ジャルスキーの美声が映える事と言ったら!!!!

    ただ美しいだけではなくて
    親密に語りかけてくるし
    声を無理やり張り上げる事もしていないし
    (最初はちょっとあった。
     その後で音響の良さに気がついたのか
     かなり声量を落として繊細に歌うようになった)

    この人、フランス人だよね?
    何故、こんなにシューベルトの世界観が
    しかも、閉鎖的なウィーンという空気ではなくて
    もっと洗練されて
    人類一般に通じるような深い諦観で歌われちゃうんだろう。

    こういうのって
    ある意味、外に視点を持つフランス人の
    カウンター・テノールだから出来たドラマかもしれない。
    (オーストリアのカウンター・テノールなら
     たぶん、シューベルトのリートを歌う、という思いつきすらないかも)

    シューベルトのリーダーの優れた演奏は多いし
    その意味では
    このコンサートがCDになっても買わないだろうが
    (後半はテレビ・カメラが入っていたので
     どこかで放映されるかも?)
    その分、コンサート・ホールの
    この一瞬、この時間だけで楽しめるという贅沢な時間。
    (しかも聴衆はリーダー・オタクなので咳き込みも(比較的)少ない)

    超絶技巧のバロック・オペラのアリアよりも
    こういう、非常に非常に非常に珍しいシューベルトの方が
    楽しかったような気になって来た。

    改めてシューベルトって凄いんだなぁ、と思うと同時に
    見た目も美しく
    ステージ・マナーも素晴らしく
    見て良し、聴いて良し
    音楽的で繊細で、見事な語り掛けをして来た
    フィリップ・ジャルスキーって

    そりゃ人気ある筈だわ

    と、ばっちり納得した私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    ジャルスキー、41歳。
    これからの10年くらいは
    最も声に艶が出る黄金の時代だ。
    これからもマークしておこう・・・(見た目だけじゃなくて(爆))

    幕間に年配のお客さま数人が
    ビジュン・メータの時は酷かったしね、とか
    喋っているのを漏れ聞きしてしまい
    あ〜、う〜、やっぱりウィーンの聴衆って
    ある意味、ものすごく怖いような気がする。
    ジャルスキー、この聴衆を前によくやった・・・

    フィルハーモニックス トランシルバニア・ダンス

    0
      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年2月10日 19時30分〜21時40分

      Philharmonix
      バイオリン Noah Bedix-Balgley, Sebastian Gürtler
      ビオラ Thilo Fechner
      チェロ Stephan Koncz
      コントラバス Ödön Rácz
      クラリネット Daniel Ottensamer
      ピアノ Christoph Traxler

      »Dances from Transsylvania«

      Bedřich Smetana (1824-1884)
       Ouverture zu »Prodana nevesta / Die verkaufte Braut« B143
       (Bearbeitung: Daniel Ottensamer) (1863-1870)

      Stephan Koncz (*1984)
       Ciocarlia

      Wojciech Kilar (*1932)
       Dracula (Bearbeitung: Takahiro Sakuma)

      Sebastian Gürtler (*1971)
       Begleitarie

      Stephan Koncz (*1984)
       Tänze aus Transsylvanien, Waltzing Mathilda

      George Enescu (1881-1955)
       Rumänische Rhapsodie A-Dur op. 11/1 (Zwei rumänische Rhapsodien)
       (Bearbeitung: Rudd) (1901)

      Sebastian Gürtler (*1971)
       Zutje Dunje

      Sergej Prokofiew (1891-1953)
       Ouverture über hebräische Themen c-moll op. 34 für
       Klarinette, Klavier und Streichquartett (1919)

      Noah Bendix-Balgley
       Klezmer-Fantasy

      Stephan Koncz (*1984)
       Lambada

      Nicolò Paganini
       Rhapsody (Bearbeitung: Takahiro Sakuma)

      日本でもお馴染みフィルハーモニックスのコンサート。
      チケット売り切れで
      オルガン・バルコンどころか
      舞台の上にも席が設けられている。

      オーケストラが好きで
      あまり室内音楽に興味はないけれど
      このグループ
      ともかく、むちゃくちゃクオリティの高い音楽を
      それとなくユーモア交えて
      色々な方向から聴かせてくれるので面白い。

      それにワタシは
      セバスティアン・ギュルトラーの隠れファンである。
      眼鏡男子に弱いのもあるけれど
      この人の音楽、ぶっ飛んでいて面白い。
      個人的にオトモダチにはなりたくないタイプだが。

      さて、今回はトランシルヴァニアのダンスというテーマ。
      マイクは以前はコントラバシストが持っていたが
      最近はクラリネットのダニエル・オッテンザマーの担当。

      ヨーロッパを吹き荒れている嵐、サビーネちゃんのお陰で
      このメンバーが集まるのも大変だったという話から開始。
      (まぁ、そりゃそうだろう。
       今のところウィーンでの大きい被害はないけれど
       明日も続くらしいし、庭園関係はすべて閉鎖)

      スメタナの売られた花嫁から
      マックス・ブルッフがルーマニアのメロディを使って
      でも、ブルッフらしい音楽を作ったものを演奏して
      続けて、オリジナルのルーマニア民謡。

      トランシルヴァニアと言えばドラキュラ。
      最初のドラキュラ映画の音楽を聴かせてくれた後に
      ダニエルがマイクを持って

       セバスティアン・ギュルトラーが
       とても情熱的なアリアを作曲しました。

       いつもオペラ座のオーケストラ・ピットで演奏している僕たちが
       情熱的なアリアを歌う歌手を、と思ったら
       またもやサビーネちゃんが邪魔をして(笑)
       歌手が居なくなってしまったので
       伴奏だけします。

       皆さまは、歌手が前に立っているつもりで
       私たちの伴奏をお聴き下さい

      あ〜、だからこの曲のタイトル Begleitarie なのね(笑)
      (註 ドイツ語で、伴奏は Begleitung です)

      これがギュルトラーらしい爆笑モノの一品。
      伴奏っぽい、毒にも薬にもならないような
      伝統的バロックというかモーツァルトっぽいと言うか
      いや、チェルニーか、みたいな分散和音で始まるのだが

      歌手が途中で戸惑って音を伸ばしてしまったり
      (よって、そこは伴奏のタクトが増えている(笑))
      だんだん声がずり上がったり(バイオリンのピッチが上がる(笑))
      ドラマチックにしようとして蹴躓いたり

      そこに存在しない歌手と
      伴奏プレイヤーとの丁々発止が
      聴覚と視覚(くそ、みんな芸達者だ!)で楽しめるという
      抱腹絶倒の絶品と言えよう。
      (たぶん、CDで聴いても全く面白くない(笑))

      チェリストのコンツが作曲したダンス音楽で前半は終わり。
      後半はエネスキュのルーマニアン・ラプソディー。

      プロコフィエフの曲は珍しい事に
      クラリネット、ピアノと弦楽四重奏のために作曲されていて
      ダニエルが苦笑して曰く
      この編成でオリジナルで作曲された曲って少ないので
      アレンジがなかったら、今日のコンサートはこの1曲だけでしたって(笑)

      ヘブライの要素が入って来たら
      当然、ユダヤ音楽のクレズマーに続くわけで
      これは、バイオリニストのノアがお手の物。

      ステファンのランバダには
      他の要素もたっぷり入って
      ほとんど音楽のジョークと化していて面白いし

      パガニーニのラプソディは
      パガニーニのテーマを使った様々な作曲が繰り広げる
      豪華絢爛な巻物を
      徹底的に室内楽にした感じ。

      ものすごくクオリティの高い作品を
      ものすごくクオリテイの高い演奏で
      (さりげなく特殊奏法とかやっちゃうんだもん)
      しかも、それを
      もう、実にあっさりと
      ある意味、イヤミったらしくなる位に
      自然に、大袈裟にせず
      あ〜、僕たち、こういうの日常茶飯事って感じで
      聴衆に上から目線の圧を感じさせずに
      とことん楽しませてしまう妙技。

      名人が名人である事をひけらかさずに
      ほらね、面白いでしょ、うふうふうふ

      ・・・って、まぁ、それはシロウトが聴いてるからで
      練習の時には、汗と血と怒号が飛び交っているのかもしれないが。

      昨日のマルティン・グルービンガーもそうだったけれど
      このフィルハーモニックスも
      観客に楽しんでもらおう、という心意気が
      とてもとても、とてもありがたい。
      ほら、僕らこんなに巧いのよ、感心してね、というところが一切ない。

      超絶技巧や、オーバートーンの使い方の妙技とか
      作曲技法で、うわあああ、この音をこう重ねると
      これはもしかしたらドゥアルトーンでフォルマントがとか
      (あ、すみません、最後の行はワタシのマウンティングです)
      別に、そんな細かい音響効果について
      頭の中で、ひたすら感心していなくても

      出てくる音楽の心地よさ
      プレイヤー同士の意思疎通の見事さ
      プレイヤーの演技(ちゃんと演技してる(笑))
      楽器のバランスや
      各楽器が前に出てくるところの音色の変化とか
      あっ、すみません、またヘンな聴き方になっている(自爆)

      クラシック・ファンでも
      映画音楽が好きでも
      民謡が好きでも
      クレズマー音楽が好きでも
      いや、そんなジャンル関係なく
      音楽が好きならば
      どんな人でも楽しませたい
      ・・・という感じの集団だと思う。
      (えらく名のある楽団のメンバーなので(笑)
       本当はもっと偉そうでも良いんだけど(爆笑)
       なんとも親しみやすいんですよね。貴重な存在だわ)

      普段、オーケストラのコンサートばかりに行っていると
      時々、指揮者の自己顕示欲大会になっていたり
      サラリーマン集団の気の抜けた適当な音楽だったりするけれど
      (その分、キマッた時のオーケストラというのはスゴイが)

      2日続けて、いわゆる「室内音楽」を聴いてみると
      その緊密性や、内部の緊張感や
      手抜きできない、崖っぷちを
      如何に崖っぷちと思わせずに演奏するかとか
      オーケストラ・コンサートにはない楽しみがあるものだなぁ、と
      なんだか、つくづく感動してしまった私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      マルティン・グルービンガー カンマー・ムジーク

      0
        Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年2月9日 19時30分〜22時10分

        Martin Grubinger
        Slavik Stakhov
        Rainer Furthner
        Leonard SChmidinger
        Alexander Georgiev
        ピアノ Per Rundberg

        »Kammermusik«

        Alevi Aho (*1949)
         Solo XV für Marimba (2018) UA
        Maki Ishii (1936-2003)
         Thirteen drums op. 66 für Percussion solo (1985)
        Kalevi Aho (*1949)
         Sieidi. Konzert für Schlagzeug und Orchester
        (Bearbeitung für Schlagzeug und Klavier) (2010)

        パーカッションの天才というか鬼才と言うか
        もう36歳になったのか・・・というくらい
        初期のまだまだ若い頃から追い掛けて来たマルティン・グルービンガーは
        今でもコンツェルトハウスでコンサートすると
        満杯になって、オルガン・バルコンの席まで発売になる。

        プログラムは紙1枚で
        基本的には無料なのだが
        プログラム売りの係員は、無料とは言わない。
        お志しで、とおっしゃるので
        50セントとか1ユーロとかを出しているが

        マルティン・グルービンガーの時には
        このプログラム、ほとんど役にたたん(笑)

        作曲家カレヴィ・アホの新作初演。
        マリンバのためのソロ曲で、約10分。
        とても瞑想的で倍音たっぷりの弱音を中心にした
        何とも透明感のある美しい曲なんだけど

        咳き込みは・・・まぁ、避けられませんね、この季節は。
        それに、これ、「現代音楽同好者の集まり」ってワケじゃなくて
        マルティン・グルービンガーのファンが多いから。

        面白い事にグルービンガーのファンは層が広い。
        グルービンガーの人柄によると思うのだが
        (必ずマイクを持って話す)
        デビューした頃から全く変わらない可愛さで
        ほっぺを真っ赤にして
        楽しくて楽しくて、もう、楽しくてたまりません
        というオーラを会場一杯に放出しながら演奏するので
        ついつい、こちらもノッてしまうのだ。

        石井眞木のソロ曲はクラシックなものだが
        構成がわかって、とても面白い。
        しかしこのソロ曲、約12分、叩きっぱなしで
        超絶技巧満載で
        こりゃ、バレエの男子のソロより体力要るかもしれない。

        息を切らせた(そりゃそうだわ)グルービンガーが
        マイクを持って
        カレヴィ・アホの作品を
        オーケストラからピアノに編曲したものを演奏するとアナウンス。
        作曲家が会場に居るので緊張します、ってところまで
        やっぱり、この人、誰からも愛されるキュートさがある(笑)

        この作品、約35分、面白かった。
        アンサンブル(ピアノ含む)での演奏だが
        グルービンガーによると
        ずっと変化する変拍子が続いて
        それぞれのプレイヤーが、それぞれに指示を出す必要があるそうで
        だからこその「室内楽の楽しみ」と言っていたが
        そんな簡単なもんじゃないぞ、これは。

        広い舞台のあちこちのパーカッション楽器に
        後ろから走るパーカッショニスト。
        もともとオーケストラであれば指揮者が出すべきキューを
        各プレイヤーが出したり
        当然、走るプレイヤーばかりなので
        全員が全員、頭の中にすべて楽譜が入っている。

        タイミング一つ、周波数ほんの少しでも狂ったら
        そこでアウトと思われる
        こんな複雑な曲を
        よくぞまぁ・・・

        プロというか、天才というか
        職人集団というか
        音楽のクオリティとか
        現代音楽とか
        音楽の複雑性とか
        音楽的内容とかよりも
        プレイヤーの動きの方が面白かったりして
        それはそれで問題なのかもしれないが・・・(すみません)

        しかしまぁ、徹底的に現代音楽の前半で
        こういうものを
        現代音楽フリークでない客層にまで
        「聴かせて」しまうプレイヤーが見事。

        プログラムに記載されていた
        クセナキスの曲は演奏せずに幕間のアナウンス。

        後半は、プログラム記載によれば
        グルービンガーお父さんの曲とあったけれど

        グルービンガー(息子)がマイクを持って言うには
        エトヴェシュのスピーキング・ドラムのソロ
        チェルハの曲のパーカッション・ソロ
        フローズン・イン・タイムからのソロ
        ショスタコーヴィッチのソロ
        ジャズからのソロ、その他
        色々と組み合わせてみました・・・との事。

        スピーキング・ドラムの初演も
        アヴナー・ドルマンのフローズン・イン・タイムの初演も
        全部聴いてるぞ(笑)
        ↑ どの位の長きにわたって追い掛けていたか、よくわかる。

        40分以上の大曲だが
        様々な作曲家の様々な様式が次から次へと出て
        途中でライトを消して
        テープも使って
        光るマレットだけで
        まるで手品のように見せるシーンもあり

        パーカッショニスト全員が歌ったり
        同じ動きをしたり

        マルティンのドラムでは
        さりげなくバトンを回したりの曲芸も入り
        (いや、ホントに何気なくさりげなく曲芸してる(笑))

        もちろん打楽器とは言え
        マリンバやシロフォン、木琴やティンパニに
        ピアノも入るので
        調性がはっきり聴こえてくる曲もあるし
        ジャズもあるし
        ノリノリのパーカッション曲もあって

        聴覚的にも視覚的にも
        観客を飽きさせないように
        最大限の配慮がされている・・・というのがスゴイ。

        グルービンガーとその仲間たち(含むお父さん)って
        ものすごく高い技術と音楽性を持ちながら
        更に、現代音楽の王道まで、しっかり通っているのに

        その中で
        観客を、絶対に蔑ろにせず
        とことん、自分たちの芸術のど真ん中に連れて行こうという
        気概と、気概だけではない能力と
        ある意味、俗的に言ってしまうのであれば
        エンターテインメント要素を
        絶対に忘れないという不思議な集団。

        あれだけの曲を
        暗記して、ズレのないように徹底的にアンサンブルにして
        動いて踊って叩いて
        激しい動きと緊張の連続の中でも

        ほら、楽しいよ

        というメッセージが伝わってくるというのは
        プレイヤーたちの若さというのもあるのかなぁ。

        最後は、観客全員がスタンディング・オベーション。
        マルティン・グルービンガーは
        さすがに疲れたから、と
        バッハのチェロのためのソロ曲をマリンバでアンコール。

        いやそりゃ、あれだけ体力が必要な舞台を
        20台前半ならともかく
        30台後半になってからの体力でやるというのも
        ある意味、無謀と言うか・・・
        でも
        それを敢えてやろうという気迫に
        それが出来る技術力と音楽性のあるグループ。

        う〜ん、
        室内現代音楽にアルディッティ弦楽四重奏団があるが
        マルティン・グルービンガーも
        パーカッションという分野において
        現代音楽を引っ張っていく天才だわ。
        彼なしでは、こんなに数多くの
        パーカッションの現代曲は生まれていないに違いない。

        36歳になっても、まだまだエネルギッシュで魅力的
        観客を絶対に「置いて」いかず
        必ず、一緒に「楽しんで」もらう事が重要な天才って

        やっぱり、どの層にもウケるのだ。
        変に気取っていなくて
        楽しい事をみんなと楽しく、という音楽家って
        ものすごく少ないと思うので
        マルティン・グルービンガーは貴重な存在である。

        さて、長かった1週間も
        あっという間に終わって
        今日から、また連日連夜のナイト・ライフが始まる予定で

        勉強する時間が取れるんだろうか・・・
        って、ナイト・ライフなくたって勉強してなかったじゃん、と
        自分で自分にツッコミ入れる私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        ミヒャエル・シャーデ + マルコルム・マルティヌ@国立オペラ座

        0
          Wiener Staatsoper 2020年1月15日 20時〜22時

          SOLISTENKONZERT
          テノール KS Michael Schade
          ピアノ Malcolm Martineau
          ホルン Josef Reif

          Ludwig van Beethoven
           Adelaide, op. 46

          Franz Schubert
           Laura am Klavier, D 388
           An die Entfernte, D 765
           An den Mond, D 259
           Der Winterabend, D 938
           An die Musik, D 547
           Seligkeit, D 433
           Auf dem Strom, D 943

          Maurice Ravel
           Cinq Mélodies populaires gracques:
            Chanson de la mariée
            Lá-bas, ver l’église
            Quel galant m’est comparable
            Chanson des cueilleuses de lentisques
            Tour gai !

          Gabriel Fauré
           Nell, op. 18/3
           Adieu, op. 21/3
           Sylvie, op. 6/2
           Fleur jetée, op. 39/2

          Richard Strauss
           Cäcilie, op. 27/2
           Nichts, op. 10/2
           Morgen, op. 27/4
           Zuneigung, op. 10/1

          アンコール
          Franz Schubert, Nacht und Träume
          Franz Schubert, Der Neugirte (Die schöne Müllerin)
          Rudolf Sieczyński, Wien, Wien, nur du allein

          国立オペラ座で時々行われる歌手のリサイタルは
          よほどの人気歌手でない限りは
          かなり席は空いている上に、チケットも安い。

          音響が良い席を狙って
          ギャラリー、天井桟敷の横の席を買ったけれど
          たった8ユーロだった。
          しかも、ギャラリーの中央席もかなりガラガラで
          立ち見席の人が大挙して移動する・・・・

          本当はいけないのだが
          (国立オペラ座はチェックは厳しい、もともとの値段が格段に違うから)
          ここまで空いていれば、まぁ、黙認だろう。

          ただ、演奏中に立ったり(椅子がガタンと音を立てて跳ね上がる!)
          移動したり(床がギシギシ軋む)
          喋ったりするのは勘弁してくれ。
          ・・・まずは、この辺から、観客マナーを疑うところ。

          まぁ、オペラ座ですから(ため息)

          シャーデ自身がプログラムに
          Prima le parole, dopo la musica と明確に書いているように
          (お〜い、テノールはフラマンで作曲家だよね〜っ(笑))
          テキストと音楽の融合を目指しているプログラム。

          ドラマツルギーとしては
          「女性」と「夜=月」をテーマに
          ベートーベンのアデライーデから
          シューベルトに移行するのが前半。

          後半は謎の作曲家、モーリス・ラヴェルと
          ガブリエル・フォーレのフランス語の歌曲。

          そして、オペラ座にちなんで
          リヒャルト・シュトラウスという構成。

          アデライーデは、もともとカンターテとして作曲されて
          アデライーデという名前が14回
          様々な音色で歌われる曲。

          あ〜、シャーデのソット・ヴォーチェ、まだ健在 ♡
          40台の頃の最高なソット・ヴォーチェに
          悶え狂った時期があるけれど
          54歳の今でも、まだまだ大丈夫。

          身体の支えがしっかりしているから
          フォルティッシモからピアニッシモまで自由自在である。

          アデライーデの後に拍手が起こったのはまだ許せるが
          あ〜、え〜、う〜
          シューベルトは一塊なのだが
          やっぱり最初の曲の後に盛大な拍手が・・・

          周囲の一部の人たちが
          シッ!と言っているんだけど
          そりゃ、リートの夕べに生まれて初めて来た人は
          何を言われているんだか、わからないよね(涙)

          An die Entfernte と An den Mond は
          うまくアタッカで繋げたけれど
          全部の曲をアタッカで繋げる事はできない。

          ところで Laura am Klavier って
          何てチャーミングな曲なの?
          演劇要素がたっぷり入って
          まるで一幕の寸劇を鑑賞しているような気分になるのだが

          会場暗くて
          せっかく5ユーロ出して買ったプログラムの
          テキストが読めません(号泣)

          シャーデが「言葉が大事」といくら言っても
          やっぱり演劇ではないわけで
          せめて、手元のテキストが読めるくらいの照明が欲しい。

          イタリア語の叫ぶアリアとかだったら何も言いませんが・・・

          An den Mond D 259 はワタシの大好物で
          ただのシュトローフェン・リートなんだけど
          そのシュトローフェンの変化が、もうたまらんというか
          すみません、謎発言なので、わからない方は無視して下さい。

          これを、シャーデがチャーミングに
          シナリオ的、演劇的に歌っているから
          もう客席で悶えまくり。

          拍手が起こったのも無視して
          ピアニストはすぐに次の演奏に続けるが
          そこまでやっても
          拍手したい人はしたいんですね。

          まぁ、ウィーンだし、オペラ座だし
          いくらシャーデがプログラムに
          ウィーンの観客のレベルは高い、と書いていても
          それは、楽友協会のブラームス・ホールか
          あるいは、もっとジモティしか来ない
          コンツェルトハウスのシューベルト・ホールでの話(断言)

          シューベルトはさすが、という感じで
          叫び過ぎず
          本当に囁くようなソット・ヴォーチェでの高音が
          体感的な快感に近い。
          (ちょっと向こうにいる若い女の子2人が
           立ったり座ったり(椅子がガタンと音を立てる)
           歌っている間に、ずっと小声で喋ったり
           スマホで自撮りしていなかったら、もっと良かったと思う)

          シューベルトの良さって言うのも
          ウィーンに住んでみて
          ここの「教養階級」にいまだに巣食っている
          排他性を垣間見たあたりからわかってきたような気がする。
          排他的なのは、一方的に悪い事ではなくて
          伝統やらしきたりやらを大事にする事にも繋がるから
          ビーダーマイヤー的な小市民性を一概に否定する気はない。

          有名な An die Musik と Seligkeit の後は
          ホルンのソロが加わっての Auf dem Strom
          ・・・この曲、絶対どこかでナマで聴いた事があるんだけど
          ホルンのソロとか入ってたっけ?

          シューベルティアーデにホルニストが居たんだろうな、と想像できるが
          しかしウィーンの9区の普通の住居の中でホルン吹いたのか・・・
          さぞかし近所迷惑(以下省略)

          オペラ座の中の写真だけ撮りたい
          音楽に興味ない、という人たちは
          前半で帰っただろう・・・と思ったら甘かった。

          確かに、もともとガラガラだった席には
          ますます少ない人数しか座っていないが
          隣で立って喋っていた若い子2人は
          真ん中の前の方に移動して
          乗り出して喋っているし
          (お喋りの声は前に流れるので、あの位置なら平気)
          スマホで録画している人もちらほら。
          (前半では係員に注意されていた・・・けれど
           わ〜ん、係員の方、演奏中に横を通らないで下さい、靴音が・・・)

          謎の作曲家ラヴェルの試験は
          結局、受けなかったので後味が悪いのだけれど
          (先生、ごめんなさい)
          こんな、ギリシャのメロディをテーマにした歌曲もあるのか。
          ラヴェルのエキゾチック趣味については
          しっかり講義で取り上げられていたが。

          ・・・で、1曲ごとの拍手。
          もう良いです。
          ピアニストも無視して、拍手の間に弾き始めてしまうが
          それでもしつこく拍手する人って
          よほど感激しているんだろうか?? 謎だ。

          続けてガブリエル・フォーレの歌曲は
          女性をテーマに、アデューまであって
          最後の曲は、失恋した時のやけっぱちの曲だそうで
          え?これがフォーレ?というくらい、ドラマチック。

          ツィッターで私をフォローしている人は
          どこがツッコミじゃ?と待ちかねているかもしれないが

          最後のブロックのリヒャルト・シュトラウス。
          最初のツィツィーリア

          ・・・なんですか、これ???

          ドイツ語のディクションを明確にしたいのが先に立って
          音程はともかくとして
          リズムが全く見えて来なくて、躍動感がゼロである。
          リヒャルト・シュトラウス、実は婚約したくなかったんじゃないか
          というくらいに、何だか間が抜けたリートと化している。
          これ、ちょっと・・・(以下省略)

          シャーデは結構オペラ座でもリヒャルト・シュトラウスは
          レパートリーにしているはずなんだけどなぁ。

          次の Nichts ! は軽めの歌だから
          軽く洒脱に歌ったのは良いのだが
          最後の Ich, und ihr, und alle? のところで
          客席を指差しながら歌うと
          そこに出現するのは、まごうかたなきオペレッタの世界。
          (あるいは、後ろにヌード・ダンサーを並べて
           その前で喋っているコンフロンシエって感じ)

          う〜ん・・・リヒャルト・シュトラウスでオペレッタになるとは
          シャーデもタダモノではない(皮肉入ってます)

          Morgen は定番だし
          マルティヌのピアノは上手いし
          シャーデの息の長いソット・ヴォーチェが見事に活きる。
          ・・・でも、この曲の最後の音が終わりきらないうちに
          ブラボー叫んで拍手する奴の神経が、私には理解不能だ。

          最後の Zuneigung は
          メロディックに、ちゃんと声を出して
          最後は例の高音を輝かしく響かせて
          イタリア・オペラちっくに盛り上げる。

          アンコールの1曲目は
          シューベルトの Nacht und Träume で
          最初から最後まで
          シャーデのこの上なく美しいソット・ヴォーチェを堪能。

          この人、自分がどんな声の質で
          どういうものを歌ったら
          聴衆がメロメロになるか、よく知ってるわ。

          シューベルトの美しき水車小屋の娘から
          6曲目の Der Neugierde
          以前、水車小屋の娘のアンコールの時に
          歌詞ド忘れ事件があったので、ちょっとドキドキしたが
          これも、本当に繊細な美声で歌い上げて満足。

          観客が少ないから、拍手もバラバラって感じだけど
          1曲ごとに盛大な拍手をしていた数人が
          大声でブラボーを叫んでいる。
          (コンサートではブラボーと叫びましょうとか
           旅行前に誰かに言われて来たんでしょうね、きっと)

          出て来たシャーデが
          割に低い話し声で(あっ、声帯の位置を戻してるな)
          「まだコンサートは続きますよ。
           ご心配なく。次の曲は、みなさん、よ〜く知っている曲です」

          ・・・「ウィーン我が夢の街」😲

          ミヒャエル・シャーデ、もしかしたら
          ヨナス・カウフマンにライバル心でも燃やしているのか???
          (カウフマンのウィーン・リートについては ここ

          しかも平土間の観客が何人か
          一緒に歌ってるし・・・
          (え〜い、ワタシだって歌いたいけれど
           そこまで厚かましくない)

          ミヒャエル・シャーデは
          もともとがドイツ系のカナダ人で
          オーストリア人ではないけれど
          オーストリアでかなり活躍していて
          音楽祭などの監督もしているので
          その意味では、話すドイツ語も
          かなりオーストリア方言に近いから
          ウィーン、我が夢の街を歌ってくれても良いんですが

          やっぱりシューベルトかリヒャルト・シュトラウスあたりで
          きめて欲しかったなぁ、
          とは言え、ツェツィーリアを聴いた限りでは
          盛り上がる Heimliche Aufforderung なんかは
          ちょっと歌って欲しくない、という感じだったし
          「月」のテーマなら
          シューマンの月で、シャーデだと絶品という曲があるのだが
          シューマンはこのプログラムには違和感があるだろうし
          ウィーン我が街で締めて良かったのかもしれない。

          同じプログラムで
          楽友協会のブラームス・ホールや
          コンツェルトハウスのモーツァルト・ホールだったら
          きっと、ドイツ・リート・オタクのジモティが集まって
          親密な雰囲気でのコンサートになったんだろうなぁ、と
          ちょっと残念なような気もするけれど

          でも、シャーデのソット・ヴォーチェに
          メロメロになって悶えまくった私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          ご存知とは思うけれど、念の為
          シャーデの名前の最初についている KS は
          Kammersänger 宮廷歌手 の称号である。
          すでに Kammer 宮廷なるものは存在しないけれど
          こういうタイトルだけ残っているのがオーストリアらしいところ。

          ヴェルナー・ギューラ + クリストフ・ベルナー

          0
            Musikverein Brahms Saal 2019年12月13日 19時30分〜21時15分

            テノール Werner Güra
            ピアノ Christoph Berner

            Franz Schubert (1797-1828)

            Abendlied für die Entfernte, D 856
            Im Frühling, D 882
            Alinde, D 904
            Auf der Bruck, D 853
            An mein Herz, D 860
            Das Heimweh, D 851
            Im Walde, D 834
            Sehnsucht, D 123
            Fülle der Liebe, D 854
            Lebensmut, D 883
            Sehnsucht, D 879
            Um MItternacht, D 862
            Der blinde Knabe, D 833
            Im Freien, D 880

            ヴェルナー・ギューラは
            コンサートではよく聴いているのだが
            リートの夕べに行くのは初めて。

            楽友協会のブラームス・ホールだが
            結構、空き席が目立つ。
            だってギューラって有名だよね?
            ただ、あまりオペラを歌っていないのは確かだし
            コンサートでは素晴らしい声を聴かせてくれるけれど
            あくまでもコンサートの出演歌手の一人としてだから
            華やかなイメージはないかもしれない。
            (要は、知る人ぞ知るって感じ?(爆笑))

            プログラムはオール・シューベルト。
            かなり渋い、通向けのプログラムだと思う。
            もっとも、楽友協会のリートのシリーズは
            こういうプログラムを好む年配のお客さまが多い。

            よく通るリリック・テノールで
            モーツァルトのオペラとか合うだろうなぁ。
            バッハのエファンゲリストは、以前、聴いた事があるような気がするが
            もう一度、この声で聴きたいものだ。

            バラードが多いので
            ドイツ語が美しくないと話にならないが
            さすがにドイツ語のディクションは完璧。
            (もともとミュンヒェン出身でザルツブルクのモーツァルテウム卒業だ)

            前半の曲には、Im Frühling とか Alinde とか
            有名な曲も入っている。
            (というより、私が知っているくらいのポピュラー加減)

            しかしまぁ、こういう曲を聴いていると
            シューベルトの作曲技法の巧みさがたまらん。
            長調と短調の入り乱れ方とか
            私のアホな耳でも1ヶ所だけ聴き取れた
            見事なジャーマン・シックスとか
            先学期に音楽分析でシューベルトを結構取り上げたのだが
            いや、もっと分析したいわ。
            (やれば?という声が聞こえてくるので耳が痛い・・・
             もちろんやれば良いのだろうが
             あ〜、う〜、そこまでは体力も気力も知能もない)

            さて、私のピアノの先生が
            シューベルトはピアノが弾けなかったので
            とんでもないピアノ・パートを作曲している、と
            教えてくれた事があったが
            (確かピアノ曲で、これだけは弾いてはいけない
             ピアニスト全員が指に支障をきたす、という
             恐ろしい魔の曲もあるらしい)

            確かに、3曲目の Auf der Bruck って
            歌手も最高の早口言葉を音楽に乗せて歌う必要があるが
            この曲、最初から最後まで
            細かい3和音の連打って・・・何なんだこれは。

            楽譜に忠実に、とか言う慣習が
            クラシックの世界にはあるようだが
            これ弾けるピアニストが居るという事が凄い。
            (同じく、「魔王」の連打が弾けるピアニストも凄い)

            後半の Sehnsucht D 879 の
            ピアノによる情景描写も面白かった。
            クリアな歌詞で聴衆に提示されるテキストと相まって
            見事なリートになっている(多少あざとい感じはするけれど(笑))

            Fülle der Liebe D 854 は、4行のシュトローフェが14回続く歌で
            メロディというよりは
            ほとんど同じ音が、ただの四分音符で続いていくのに
            転調の見事さで、14回、全く退屈せずに聴かせてしまう。
            同じような感じが続くところを
            音楽的な差を際立たせて
            テキストの内容をドラマチックに表現したギューラも巧い。

            ギューラの、あの美声で
            高い音域をソット・ヴォーチェで歌われると
            背筋がゾクゾクする。
            体感的に萌える程に色っぽい。
            どんなに年配になろうと
            ああいう声を聴くと悶絶するわ。

            あ〜、ステキなコンサートだった。

            実は昨日も、その前も
            連日連夜でコンサートに通っていて
            その記録も書かねばならないのだが

            ちょっと待って・・・💦

            来週の水曜日から、やっとクリスマス休み。
            宿題もあるし、論文の準備もあるし
            色々とやらねばならない事が山積みなのだが

            それでも休みが待ち遠しい私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            昨日はロンドン・フィルとユロフスキーのコンサート
            その前の2日間はアムステルダム・バロックとコープマンで
            バッハのクリスマス・オラトリオを聴いたので
            その記録も残しておきたいのだが・・・あ〜、いつ書けるだろう・・・

            イグーデスマン&ジョー 「世界の救済」

            0
              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年12月2日 19時30分〜21時30分

              バイオリン・演劇・歌 その他 Aleksey Igudesman
              ピアノ・演劇・歌 その他 Hyung-ki Joo

              „Die Rettung der Welt“

              イグーデスマン&ジョーのショーって
              もう何年追い掛けているやら。

              こういうブログ(日記)を書き出したのが
              1998年くらいだったけれど
              (以前の記録はすべて消えました(涙))
              私が、まだ若かった頃(いつの話?)
              マリアヒルファー通りの教会の裏の
              さびれた(すみません)ホールで
              何だか内輪っぽい集まりで聞いたのが最初なので
              2000年頃の話かなぁ。

              誘ってくれた友人は既に鬼籍に入り
              時の経つのは早いのだが

              この二人、何でこんなに変わってないんですか(爆笑)

              最初の頃のような
              爆発的ショックは既にないし
              ジョークのごっちゃ混ぜ音楽とかは
              どうしても同じような事の繰り返しになってしまうが

              それでも、かなりの破壊力がある。
              くだらないジョークも多いんだけど
              何となくそれがハマるというか
              まぁ、好みの問題が大きいだろうが。

              しかし「世界の救済」とは、大変なタイトルをつけたものだ。
              内容は世界の救済とは一切関係ない(爆笑)

              今回は、ちょっと見た目、観客巻き込み型のパーフォーマンス。
              (ただし、1列目で舞台に呼び出された人たちは
               間違いなく関係者で、事前に知らされている。
               シナリオがあからさまだが
               まぁ、この「関係者」(一応「素人」という設定)が
               意外に楽しんで参加していたので
               ちょっとほっこりはする)

              個人的に一番ツボにハマったのは
              ワーグナーの音楽をクレヅマ音楽に編曲してしまったナンバー。
              ご存知、ワーグナーのアンチ・ユダヤをパロディにしてしまって
              これは、天国でワーグナーは頭を抱えているに違いない。

              この面白さって
              どんなに書こうとしても表現できないし(すみません)
              ちょっと時間的な余裕もないので
              本日はこれだけにしておく。

              それにしても、今日のパーフォーマンス
              貧民席(ギャラリー)に、かなり空席があったのだが・・・
              確かに最近、コンツェルトハウスのチケット代も
              どんどん急激に値上げされていて
              以前みたいに20ユーロ以下の席って
              なくなっちゃって、財布に痛いのはあるけど。

              日常生活の話だが、来週の発表が・・・(冷汗)
              今学期10月以降、ともかく、ちょっとあのあのあの・・・

              なんかマックブックの調子が悪くて
              これは修理できるんだろうか、うううう、と
              ちょっと落ち込んでいる私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              しかし、この、ふざけた(笑)二人
              ピアノとバイオリン、むちゃくちゃ巧いんだよねぇ。
              ちょっとしたフレーズも、さりげなく演奏してしまうんだけど
              すごい技術と音楽性があるのが、長続きの秘訣なのかも・・・

              ファン・ディエゴ・フローレス@コンツェルトハウス

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年11月14日 19時30分〜22時

                テノール Juan Diego Flórez
                オーケストラ Deutsche Staatsphilharmonie Rheinland-Pfalz
                指揮 Jader Birgnamini

                Giuseppe Verdi (1813-1901)
                Nabucco Ouverture
                Rigoretto „Questa o quella“ (Arie des Herzogs)
                Rigoretto „Ella mi fu rapita … Parmi veder le lagrime“ (Szene und Arie des Herzogs)
                Un giorgno di regno Ouvertüre
                Attila „Oh dolere!“ (Romanze des Foresto)
                I Lombardi „La mir letizia infondere“ (Kavatine des Oronte)
                I due Foscari „Brezza del suol natio … Dal più remoto esiglio … Dal consiglio alle presenza … Odio solo, ed odio atroce“ (Szene des Jacopo)
                La Traviata Prelude 1. Akt
                La Traviata „Lunge de Lei … De’ miei bollenti spiriti“ (Szene des Alfredo)

                Franz Lehár (1870-1948)
                Das Land des Lächelns „Dein ist mein ganzes Herz“ (Arie des Sou Chong)
                Paganini „Gern hab’ ich die Frau’n geküsst“ (Arie des Paganini)
                Giuditta „Freunde, das Leben ist lebenswert“ (Lied des Octavio)

                Héctor Berlioz (1803-1869)
                La damnation de Faust Ungarischer Marsch (Rákoczy-Marsch)

                Jeles Massnet (1842-1912)
                Werther „Pourquoi me réveiller“ (Arie des Werther)

                Georges Bizet (1838-1875)
                Carmen „La fleur que tu m’avais jetée“ (Arie des Don José)

                Pietro Mascagni (1863-1945)
                Cavalleria Rusticana Intermezzo

                Giacomo Pucchini (1858-1924)
                La Bohème „Che gelinda manina“ (Arie des Rodolfo)

                アンコール
                Carlos Gardel: El dia que me quieras. Tango Canción
                Mendoza/Cortes: Cielto Lindo
                Tomás Méndez: Cucurrucucu Paloma
                Augustín Lara: Granada
                Giacomo Pucchini: Nessun dorma ! (Arie des Kalaf aus „Turandot“)

                ファン・ディエゴ・フローレスが
                ウィーンの国立オペラ座に出演するとなると
                最初からチケットは売り切れで
                出てくるにしても200ユーロ以上の席しか出て来ず

                最後にオペラ座でネモリーノ聴いて
                ぶっとんで失神しそうになってから
                数年間、フローレスのあの「黄金の声」を聴くチャンスがなかったので

                最貧民席で30ユーロを越えるという
                強気値段設定なのだが
                会員発売初日にバッチリ貧民席を確保。

                同じ日に楽友協会では
                ミュンヒェン・フィルがゲルギエフとブルックナーの7番という
                ちょっと身を切られる思いだったのだが

                行ってみたら、楽友協会の最貧民席でいつも会うオヤジカップルも来ていて
                おお、君たちも今日はブルックナーじゃなくてフローレスかい・・・

                ただ、会場は圧倒的にお洒落した年配のご婦人が多い。

                このグレート・ヴォイスのシリーズは
                割に「歌謡ショー」みたいになっていて
                お目当ての歌手を聴きに行っても
                オーケストラの演奏が70%くらい。
                肝心の歌手は、前半2曲、後半3曲のアリアとかいうケースが多い。

                私も今日はぐったり疲れているし
                オーケストラの時は寝てれば良いわ、という気持ちで行ったのだが

                きゃああああああっ!!!

                フローレス、ほとんど歌いっぱなし!!!!!

                しかもワケわからんソプラノ歌手とか連れて来てないし
                普通、アリア1曲歌ったら、舞台袖に引っ込んで
                それからオーケストラが延々と2曲くらい演奏するっていう感じなのに
                アリア歌った後、そのまま舞台で、拍手を受けてから
                即、次のアリアを歌い出すという・・・

                しかも、あの超高いCが、バッチリ入る曲ばかり
                続けて3曲とか歌っちゃうこのテノールはいったい何?!?(・_・;?

                各曲とも、ちゃんとオペラの内容に入り込んでいて
                表情も仕草も、すべてオペラになっている。

                でもって、フローレスのあの甘いリリック・テノールの声!!!!!

                以前、また歌謡ショーになったらイヤだなぁ、という話をした時に
                オペラ通の友人が
                「大丈夫、フローレス真面目だから」と言っていたけれど

                この人、音楽に対して、本当に真摯というか
                生まれ持っての才能があっても
                努力家で、しかも音楽好きで、訓練を欠かさず
                音楽を解釈する力、音楽に命を与える喜びに満ちている(ような気がする)

                昨今、才能に恵まれたテノールも増えているけれど
                フローレスの声って
                ちょっと格が違う(他のテノールの方、ごめんなさい)

                ともかく、甘い滑らかな蜂蜜のような美声で
                しかも高音の伸びが、こんなに美しいテノール!!!
                楽々と出して、この上ない美しさで
                天井桟敷の貧民席までストレートに届く。

                いやワタシ、バスとか低い声が好きだった筈なんだが。
                歳取ると若い男の子が好きになる、と一般には言われているが
                バスも好きだけど、テノールも大好き、という
                (年配の男性も好きだけど、若い子も好き・・・)
                そんな雑食人間になるとは思ってもいなかった。

                前半のヴェルディで、すでにメロメロ状態。
                美声にむちゃくちゃ酔ってる。
                睡眠不足のせいだけではない。
                というより、このコンサート、フローレス歌いっぱなしなので
                寝てる時間がない(笑)

                後半の最初は・・・何とオペレッタ!!!
                フローレスの美声でオペレッタ!!!!!!
                何と言う贅沢な時間!!!!
                (びっくりマーク多過ぎてすみません)

                ただ、オペレッタって
                メロディ・ラインをオーケストラが演奏してしまうので
                あの美声がオーケストラのバイオリンとかと混ざってしまって
                え〜い、バイオリン邪魔だ、退け!という気分になる。

                その点、イタリア・オペラってすごいわ。
                ヴェルディでもプッチーニでも
                フランス・オペラのマスネーやビゼーも
                オーケストラはあくまでも伴奏に徹して
                歌手がメロディ・ラインを完璧に歌うのを信頼して
                声の美しさが際立つようにオーケストレーションされてる。

                マスネーのウエルテルのアリアの美しさ。
                ウエルテルはアホだと予々思っていたが
                その偏見は本日に限り封印する。
                あんな声で歌われたら
                シャルロッテじゃなくても
                アルベールより、いくらストーカーでもウエルテルに走るだろう。

                ビゼーのドン・ホセも
                カルメンのバカ、とか言いたくなっちゃう。
                あんなにチャーミングに、情けなさそうに歌われたら
                同情だけでもドン・ホセに惚れちゃいませんか?

                以前のネモリーノの時もそうだったけれど
                ともかく健気というか、キュートというか
                その美しい高音を聴いたら、もう、どうにでもして・・・

                プッチーニのボエームのアリアで終わったんだけど
                今一つ、あまり観客が乗っていない、というか
                コンツェルトハウスって比較的年配のお客さまが多いので
                はしたなくブラボー・コールとかしないんですよ。

                そしたら・・・

                フローレスがギターを持って登場!!!
                椅子に座って
                「はぁぁ」とため息(笑)「やっと座れました」って(爆笑)

                ギターを自分で弾きながら
                むちゃくちゃチャーミングな美声で
                すごく親密に歌い上げるタンゴ。
                (途中で、さて、何歌おうかなぁ、と客席に話したりして(笑))

                しかも、裏声での高い音まで
                この上ない美しさで出して
                更には、その裏声の高音を
                ず〜〜〜〜っと引き伸ばして
                悪戯っ子みたいに、ニヤッと笑うチャーミングさ。

                この女殺し・・・(あっ、すみません)
                あれ聴いたら、本当に女性はメロメロになるわ。

                ギターの演奏のソロの後
                拍手は鳴り止まず
                ここらへんでスタンディング・オベーション発生。

                出て来たフローレスは
                上着の中から、薔薇を1本取り出し
                オーケストラ伴奏で、グラナダ。

                女性のコンサート・マスターにちょっとお節介をかけながら
                指揮者にもちょっかい出して
                高音での装飾音を自由自在に操って
                (オーケストラはその間待ってる(笑))
                いやもう、ノリノリの楽しさ。

                あまりにチャーミング過ぎる・・・
                しかも、あれだけ歌っても
                リリックの滑らかな美声はそのままだし
                艶々でチャーミングで若々しくて
                何なんですか、本当に、このテノールは(驚愕)

                まだ鳴り止まない拍手で
                (既に時間は22時に近い)
                最後に歌い出したのが

                トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」

                隣のおばさまが大興奮して、きゃあああああっ、と
                思わず叫んでいたが
                そりゃ叫ぶでしょう、これは。

                オーケストラの中間部では
                フローレスが「皆さんも歌いましょう」という仕草をして
                客席から歌声が響く。
                う〜ん・・・客をノセるのも巧いわ、この人。

                で、となりのおばさま
                歌ってくれるのは良いんですが
                フローレスが歌い始めても一緒に歌ってるのは
                ちょっと勘弁してくれませんか?(言わないけどさ)

                何万円も払ってオペラに行って
                他の歌手も聴いて(聴かされて)
                フローレスがアリアを3曲、とか言うのより
                このコンサートの方が
                美しいアリアや、オペレッタのナンバー
                更にはギターでのタンゴとか弾き語りで聴けて
                最初から最後まで歌いっぱなしで
                フローレスの、この上なく美しいテノールと
                ハイCを聴き放題って

                30ユーロ以上払っても、むちゃくちゃお得だった。
                充分にペイしたというか
                あんなに美しいテノールを
                あれだけばっちり聴かせてもらう機会なんて
                私の一生に何回あるんだろう。

                フローレス46歳。
                ちょうど、今が一番脂の乗った時期かもしれない。
                歌手もバレエ・ダンサーも
                その旬の時期というものがあって
                その「時」に聴かねばならない時期がある。

                その意味で、今日は本当に
                むちゃくちゃ興奮したコンサートだった。
                寝不足だろうが、倒れそうだろうが
                コーヒーしか飲んでなくて、ランチも取っていない状態だろうが
                こういうコンサートに行けたのは
                ともかく幸運だった、とつくづく思う私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                この記事、本当はオーケストラ・カテゴリーになるんだろうけれど
                今日の主役は間違いなくフローレス。
                オーケストラは伴奏に徹していて中立的。

                Franui フラヌイ + Die Strottern フランツ祭り    新シューベルティアーデ

                0
                  Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2019年11月11日 19時30分〜21時15分

                  Musicbanda Franui
                  クラリネット、バスクラリネット Johannes Eder
                  チューバ Andreas Fuetsch
                  アルトサクソフォン、クラリネット Romed Hopfgartner
                  コントラバス、アコーデオン Markus Kraler
                  ハープ、ツィター、歌 Angelika Rainer
                  ハックブレット、歌 Bettina Rainer
                  トランペット、歌 Markus Rainer
                  トロンボーン Martin Senfter
                  バイオリン Nikolai Tunkowitsch
                  トランペット、歌、司会、指揮 Andreas Schett

                  Die Strottern
                  歌、バイオリン Klemens Lendl
                  歌、ギター David Müller

                  „Franzensfeste: Eine neue Schubertiade“

                  Der Wanderer nach Franz Schubert D 493 (Markus Kraler/Andreas Schett)
                  Frohsinn nach Franz Schubert D 520 (Die Strottern/Andreas Schett)
                  Oh das is guat nach Joseph Lanner op. 1, Text: M. Schmid
                  Der Tod und das Mädchen nach Franz Schubert D 531 (Markus Kraler/Andreas Schett)
                  Alptraum eines österreichischen Pianisten (Marks Kraler/Andreas Schett)
                  nach Tänzen von Franz Schubert (D145/2,3 & 17; D354/1; D365/17; D366/3,4 & 10; D378/2; D420/5 & 10; D681/1,2 & 5; D734/2; D783/11 & 15; D790/5; D980b)
                  Der Müller und der Bach nach Franz Schubert D 795/19 (Markus Kraler/Andreas Schett)
                  Der Labetrank der Liebe nach Franz Schubert D302 (Die Strottern)
                  De ganze Wöd hoid schdüü, Text: Klemens Lendl, Musik: Tom Waits
                  Tanz! (Franz!) nach Franz Schubert (D145/10; D365/36; D783/10 & 7; D790/8) (Markus Kraler/Andreas Schett)
                  Der Morgenkuss nach Franz Schubert D 264 (Der Strottern/Andreas Schett)
                  Das Wirtshaus nach Franz Schubert D 911/21 (Markus Kraler/Andreas Schett)
                  Die zwei von der Pietät, Text & Musik: Josef Hornig
                  In der Dunkelheit, Musik: Markus Kraler & Andreas Schett
                  U1, Text: Peter Ahorner, Musik: Die Strottern
                  Was soll’s? (Totengräberweise) nach Franz Schubert „Totengräbers Heimweh“ D 842 und „Totangräberweise“ D 869 (Markus Kraler/Andreas Schett)
                  An einen Freund nach Franz Schububert D Anh. 1214, aufgeschrieben 1943 von Richard Strauss, und Anton Bruckner „Stille Betrachtung an einem Herbstabend“ WAB 123, Text: Klement Lendl; musikalische Bearbeitung: Markus Kraler & Andreas Schett

                  曲目を書き出したら、エライことになってしまったので
                  上のごちゃごちゃ部分は無視して下さい。
                  ・・・いや、しかし、よくやるわ、このムジークバンダ「フラヌイ」

                  読者ご存知の通り、私はもう数年にわたって
                  このバンダの大ファンで
                  ウィーンでコンサートがある時には、できるだけ行っているのだが

                  しかしこのグループ、コンサートごとに
                  様々な分野からの色々な音楽家と共同作業をして
                  見事な音楽的水準を(創造性含む)聴かせてくれて
                  それが数年、水準を全く下げる事なく
                  というより、果敢に色々な事に挑戦しつつ
                  活動しているのは、この世の世界七不思議の一つではないだろうか。

                  今回はウィーンのデュオとの共演。
                  チロルのドロミテに近い片田舎のグループと
                  ウィーンの音楽家・・・・

                  最初の掛け合いが爆笑モノ。
                  アンドレアス・シェットは、いつもの通り
                  マイクの前に立って、チロル訛りで話そう・・・とするところに
                  クレメンス・レンドルのウィーン訛りが被さって
                  まるでオペラの二重唱のようである。

                  というか、お互い同士の「典型的偏見」が剥き出しになって
                  いや、確かに、そういう偏見ある、絶対にある、間違いなくある
                  というのを、多少なりとも類型的な形で
                  ウィーンの超コンサバで
                  だけど自分たちをコンサバとは思っていなくて
                  ちょっと進歩的で現代的なのよ〜、という
                  年配金持ちインテリの聴衆に
                  よくアピールしている。
                  (どういう客層が来ているかなんて
                   服装と、お友達同士、あるいはカップル同士の会話で
                   ばっちり明確にわかるわい)

                  ・・・ちなみに、こういうコンサート
                  いわゆる、一目見てわかる「外国人」はいないので
                  私はたぶん、一人で目立ちまくりだったんだろうが
                  目立っているアジア人が、涙流して笑いこけていたので
                  まぁ、そこらへんはね。

                  私自身は、こういう「秘密結社」みたいな
                  ウィーンの、自称インテリ実は超コンサバの層には入れないが
                  その層が楽しめるようなものは、私も楽しめます。文句ある?

                  さて、プログラムの最初が Der Wanderer である。
                  コントラバスのずっしりした暗い低音から始まって
                  おおおお、確かに Der Wanderer 暗い曲だけど
                  山から降りて来たのが
                  ヒマラヤの雪男とか、ネアンデルタール人みたいに聞こえるんだけど・・・

                  ところが降りて来た雪男・・・じゃなかった、山男は
                  突然、行進曲で元気にドカドカ歩き出す(あらら(笑))
                  メロディのフラグメントを使用しながら
                  テキストはオリジナルのままで
                  中間部はキュートに(いいのかそれで)
                  最後は静かに静かに問いかけで終わるんだけど

                  ほとんどセリフになった部分の最後の行の
                  „Dort, wo du nicht bist, dort ist das Glück“
                  (幸せは、お前が居ないところにある)
                  という、痛切なところで

                  何で客席から笑い声が聞こえるわけ???

                  シューベルトのこの有名なリートを知らない人が(テキスト含む)
                  今日のコンサートに一定数居るって事?????

                  ついでに、シェットがマイクの前にたち
                  チロル訛りで「ありがとう」と言うたびに
                  客席から笑い声が起こるんだけど

                  社会言語学の授業で
                  「方言を喋って笑われた事があるか」というテーマが
                  必ず取り上げられるのだが
                  本当に笑い声が起こるんだ(驚愕)

                  ・・・いや、ちょっとマウンティング気味だって事は
                  自分でもわかるけど
                  あまりに類型的で、ちょっと本気で驚いた。

                  フラヌイの編曲とその技法については
                  最初のブラームスやマーラー、シューベルトで
                  度肝を抜かれてから
                  私はシェットは天才だと思っているのだが

                  今回も期待に背かず
                  素晴らしいシューベルトの編曲を聴かせてくれて

                  シューベルトも墓の下で
                  ウヒウヒ笑って楽しんでいるような気がする。
                  (こんな曲、ボクは書いてない!と怒って出てくるかもしれないが(笑))

                  ウィーンの民謡(現代含む)をレパートリーにしているデュオの
                  Die Strottern も音楽的には面白い。
                  ランナーの曲にウィーン訛りのテキストをつけて
                  何ともウィーンらしい曲にしているのも楽しい。

                  Alptraum eines österreichischen Pianisten
                  オーストリアのピアニストの悪夢、と銘打った作品は
                  シューベルトのダンスを二小節ごとに別の曲をくっつけた
                  コラージュみたいな作品で、もうめちゃくちゃである。

                  Der Müller und der Bach は、小川はフラヌイのメンバーの
                  男性コーラスで歌って、見事だった。

                  Der Morgenkuss 朝のキス の曲の前に
                  クレメンス・レンドルがチャーミングなウィーン訛りで

                  この曲は、舞踏会が終わって
                  朝になってキスする、というシチュエーションです。
                  一晩中、舞踏会でイチャイチャしていたのに
                  周りに他のゲストがいて
                  あの、その、あの、肝心なコトが出来ないという状況の後
                  やっと朝になって、あ〜、むにゃむにゃ

                  というスピーチの間中
                  隣の中年のカップル(推定50歳)が
                  ものすごい勢いでイチャイチャしていたのが

                  くそ、羨ましい・・・(本気)

                  Die Strottern の U1 というリートは
                  地下鉄1番線(この路線は労働者地区を通る)の駅名を歌いながら
                  それぞれの駅で起こるエピソードが面白い。
                  こういうのは、如何にもウィーンっぽい。

                  Was soll’s? 無理して訳すと「それが何か?」って感じだが
                  シューベルトの、墓守のリート2つをミックスしたもの。

                  いつもの事だが
                  アンドレアス・ショットからは
                  インナーフィルグラーテンの田舎でのブラスバンドは
                  葬式の時に、墓に行くまで行進曲を演奏し
                  葬式が終わってから
                  墓からレストラン(というより居酒屋って感じか)に行くのに
                  同じ行進曲を4倍速で演奏して、というような話になる。

                  もともとの田舎のブラス・バンドは
                  葬式用の音楽隊だから・・・
                  葬式のエピソードとかも語られて

                  いや、う〜ん、ものすごく不謹慎なんだけど
                  こういう田舎の自然な葬式の話を色々と聞いていると
                  最近、周囲の人が何人も亡くなったりしているので
                  現代の都会より、もっと「死」が身近な場所に居るような気分になって
                  あ〜、私も、そろそろ遺書でも作っておいた方が良いかも、と
                  メメントモリ的な事を考えたりしてしまう。

                  最後の An einen Freund と銘打った曲だが
                  これはクーペルヴィーザー・ワルツが元だそうで

                  シューベルディアーデのメンバーだった
                  画家のレオポルド・クーペルヴィーザーの結婚式の時に
                  シューベルトが即興演奏をして
                  楽譜は残っていないが
                  これがクーペルヴィーザーの娘などが演奏して
                  それをリヒャルト・シュトラウスが採譜したらしい。

                  で、何故にそこでブルックナーが絡まってくるのかは
                  シェットもムニャムニャと誤魔化していたので不明だが
                  暇になったら調べてみる(かもしれない)

                  (註 クーペルヴィーザーの有名なフランツ2世(あるいは1世)と
                     フェルディナント1世の肖像画は
                     シェーンブルン宮殿の内部見学で見られます)

                  割に暗い雰囲気の最後の曲だったのだが
                  ちゃんとアンコールもあって、盛り上げて終了。

                  チロルとウィーンという異文化のクロスオーバー
                  と言ったら笑われるかもしれないが
                  やっぱりチロルとウィーンって異文化だわよ。

                  フラヌイも、これだけインターナショナルになって
                  人気があっても、やっぱり地元に行くと
                  まだまだ偏見や問題もありそうだし。
                  (以前には確か警察沙汰にまでなった。
                   それこそ、閉鎖的なチロルの村社会である)

                  自分たちの新しいCDの宣伝も
                  12月31日の深夜コンサートの宣伝も
                  抜かりなくちゃんとやっていた(笑)

                  こういうコンサート、12月31日に行きたいところだが
                  大晦日の、こういうコンサートには
                  さすがに一人では行けない。
                  (行った事があるけれど、ちょうど深夜は、カップルや友人同士で祝えるように
                   幕間になっていて、一人では、ちょっと身の置き所がないのである)

                  フラヌイはコンサートのたびごとに
                  面白い事をやってくれるので、本当に飽きないわ ❤
                  (しかも、顰蹙を承知で正直言っちゃうと
                   アンドレアス・シェットのチロル訛り、すごくチャーミングで好き。
                   以前奉職していた会社がチロルの会社だったので
                   懐かしい(かもしれない)同僚たちの訛りっぽい響きもある)

                  木曜日発表予定の資料の提出も済み
                  (昨日3時間しか寝てないが)
                  教授からの承諾ももらったので
                  後は、話すテキストを書くだけ(まだやってないんかいっ!)
                  という私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  今週の発表が終わっても
                  12月初旬に、別テーマでの発表があって
                  (ついでに、この別テーマの方は卒業論文その1のゼミでもある)
                  他にも色々とやらねばならない事が溜まっているのに
                  コンサート行ってブログ書いている私は真正のアホである(自爆)

                  ヨナス・カウフマン リサイタル

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年10月14日 19時30分〜22時

                    テノール Jonas Kaufmann
                    ソプラノ Rachel Willis-Sørensen
                    オーケストラ PKF - Prague Philharmonia
                    指揮 Jochen Rieder

                    Johann Strauss Sohn (1825-1899)
                    „Eine Nacht in Venedig“ - Operette in drei Akten
                     Ouverüre
                     „Sei mir gegrüßt, du holdes Venezia“ - Lied des Herzogs aus dem 1. Akt
                     „Ach wie so herrlich zu schau’n“ - Lied des Caramello aus dem 3. Akt

                    „Rosen aus dem Süden“ - Walzer op. 388

                    „Dieser Anstand, so manierlich“ - Duett Rosalinde/Eisenstein
                     aus der Operatte „Die Fledermaus“ Uhren-Duett

                    „Tik-Tak“ - Polka schnell op. 365

                    „Draußen in Sievering blüht schon der Flieder“ -
                    Walzerlied aus der Operette „Die Tänzerin Fanny Elsler“

                    „Leichtes Blut“ - Polka schnell op. 319

                    „Wiener Blut“ - Duett Gräfin/Graf aus der Operette „Wiener Blut“

                    Robert Stolz (1880-1975)
                     „Gruß aus Wien“ - Marsch op. 898

                    Emmerich Kálmán (1882-1953)
                     „Zwei Märchenaugen“ - Lied des Mister X
                     aus der Operette „Die Zirkusprinzessin“

                    Robert Stolz
                     „Wiener Café“ - Walzer
                     „In Prater blüh’n wieder die Bäume“
                     „Wien wird schön erst bei Nacht“

                    Franz Lehár (1870-1948)
                     „Die lustige Witwe“ - Operette in drei Akten
                     „Es lebt eine Vilja, ein Waldmägdlein“
                        Lied der Hanna Glawari aus dem 2. Akt
                     „Lippen schweigen“ - Duett Danilo/Hanna Glawari aus dem 3. Akt

                    Karel Komzák (1850-1905)
                     „Bad’ner Madln“ - Konzertwalzer op. 257

                    Rudolf Siecznski (1879-1952)
                     „Wien, du Stadt meiner Träume“

                    アンコールに Hermann Leopoldi の In einem kleinen Café in Hernals と
                    Hans Mayer の Heut ist der schönsten Tag in meinem Leben の後に
                    ツェラーの小鳥売りと
                    Sag beim Abschied leise Servus に加えて
                    最後はゲオルク・クライスラーの Der Tod, das muss ein Wiener sein を
                    歌ったらしいのだが
                    私は Heut ist der schönsten Tag in meinem Leben にて
                    失礼して来た。

                    このコンサート・・・というか「歌謡ショー」のチケット
                    一番安い席が40ユーロくらいで
                    次のカテゴリーが既に90ユーロとか
                    ワケわからん値段設定なのに売り切れという

                    まだ衰えないヨナス人気?

                    プログラムが7ユーロ50セント
                    もちろん、カウフマンの出したCDの大々的コマーシャル付き。

                    そのアルバムのプロモーションビデオ(ドイツ語)はこちら。



                    ウィーン観光局のプロモーション・ビデオっぽい(笑)

                    コンツェルトハウスの大ホールは
                    舞台上にサスペンション照明がいくつも入り
                    上の固定照明も色が変わって青になっていて
                    床のサス明かりとか、手すりのところのスポット・ライトとかで

                    南国のバラのところは舞台がピンクになったり
                    愛のデュエットの時は赤くなったり
                    プラーターに春が来るの曲では緑になったり

                    なかなかクリエイティビティが(以下省略)
                    照明係が悪いワケではないが、金のかかった舞台だなぁ。
                    (まぁ、チケット、むちゃくちゃ高かったからな)

                    *** さて、これにて、熱狂的なヨナス・カウフマンのファンの方は
                      どうぞお引き取り下さい。
                      あくまでも個人的印象の自分用メモなので
                      書きたい事を書かせてもらう。チケットは自前で買ってる!

                    オーケストラだけの最初の序曲で
                    あれれれれれれ・・・

                    これ、マイク入ってますよね?
                    だって、こんなにオーケストラの音って普通響いて来ない。
                    それとも、私の耳がとうとうおかしくなったのか
                    ・・・と思っていたら

                    登場したカウフマンがお客さまに向かって短いスピーチして
                    あああああ、やっぱりカウフマンもマイク付けてる・・・

                    マイク技術は昨今、目覚ましい発達をしているとは言え
                    ワタシは老人だし、前時代的人間なのでマイクはキライなの。

                    カウフマンの歌、バリトン領域は出ているけれど
                    上の方になると
                    張り上げる事はまだ出来ても、ちょっとう〜ん (・・;)
                    歌ってるのオペレッタだよね・・・

                    ソプラノ歌手と一緒に「こうもり」からのデュエット。
                    あああああ
                    これをウィーンの(耳の肥えた)聴衆に聴かせるか?

                    ソプラノももちろんマイク付きで
                    よって、声は充分に聴こえるものの(うるさい)
                    音符、かなり外してますけど
                    フォルクス・オーパーの歌手の方が
                    ずっと巧いぞ、この曲は(断言)

                    アイゼンシュタイン役だって、そもそもバリトンだし。

                    途中に入るインストルメンタルだけど
                    こういう曲って、いくつか違った編曲のオペラ・スコアがあるのか
                    と思わせるほどに
                    普段ウィーンで(主にニューイヤー・コンサートのビデオで(笑))
                    聴いている曲の感じとは全然違って
                    音は粗いし、リズムが飛び跳ねてるし
                    パーカッションが微妙にズレたりして気持ち悪い。

                    本気で前半だけで帰ろうかと思ったけれど
                    チケット高かったから、一応、後半の「ウィーン特集」も聴いて行こう。

                    う〜ん・・・
                    ものすごく微妙・・・

                    だって、本当に声が出てないんだもん。
                    私の大好きなローベルト・シュトルツの曲とか
                    別に声を張り上げる必要はないんだけど
                    こういう曲を
                    ヨナス・カウフマンで聴く意味がわからん。

                    しかも大ホールで色とりどりの照明に照らされて
                    オーケストラも歌手もマイク付きで・・・

                    ウィーンの近代民謡って
                    やっぱり、ウィーンの方言で
                    小さなホールで
                    しっとりと聴く曲ではないのか(独断・偏見・好み)

                    ヘルムート・クヴァルティンガーとかで聴いちゃってるからな。
                    (いったいワタシは何歳なんでしょう?(笑))

                    いわゆる本当のウィーン訛りの歌を歌える歌手って
                    確かに最近は出て来ていない。
                    (余計な話だが、私はフィルハーモニックスのメンバーの
                     バイオリニストのセバスティアン・ギュルトラーが
                     自分で作詞・作曲したウィーン民謡を自分で歌うのが
                     むちゃくちゃ好きである)

                    その意味では
                    このご時世にウィーン民謡を歌うというのは
                    ニッチ・プロダクトではあるのか。
                    別に声出なくても
                    ウィーン訛りのディクションさえしっかりしていれば
                    それはそれで良いんだろうけれど
                    その「ウィーン訛り」が、やっぱりリアルじゃない(文句が多い)

                    クラシックの発声から言ったら
                    こういう民謡って、歌いにくいと思うんですよ。
                    だって、どんどん声出なくなって来てるし。
                    もちろん、ここ、高音でカデンツするかな、と思うところも
                    抑えてしまって中間のドミナントで終わる。

                    それと対照的に、ソプラノ歌手は
                    後半は真っ赤なロング・ドレスで
                    ヴィリアの歌の最後を2回とも
                    3音上げてのカデンツで攻めた。
                    (3音上げると、三和音の3になるので
                     あまり意味がない。和声的にも不安定である)

                    アンコール1曲目の
                    In einem kleinen Cafe in Hernals では
                    マイクの音量を上げて来た。
                    (そこでワタシはもうイヤになって、次の曲の後、出て来てしまったのだが)
                    いや、この歌、私、大好きですよ。
                    しっとりとしてウィーンらしくて
                    ただ、これ歌うのは、ものすごく難しいと思う。

                    あの退廃的な物憂げさに
                    ウィーンっぽい、ちょっと鼻持ちならない
                    でも我慢できる程度の嫌味ったらしさと
                    無意識的に醸し出される抑えられた背徳的な魅力というか
                    ・・・いったいワタシは何を期待しているんだろう(自分でもわからん)

                    ともかく、このコンサート
                    同じ出演者と同じプログラムで
                    来年1月にドイツとスイスの各都市で行われる。

                    ウィーンでこういう曲を演奏しちゃうと
                    ある意味、ウィーンの聴衆は
                    言わないけれど、けっ、ドイツ人が何やってる
                    ・・・みたいなところはあるので
                    (だって周囲の年配のお客さま方には、ほとんどウケてなかった)
                    ドイツとかスイスでどんどんコンサートして
                    ウィーンのプロモーションをしてくれれば
                    ドイツだったら、絶対にウケると思うよ、たぶん。

                    まぁ、こういう嫌味ったらしい個人メモを書きながら
                    そんな嫌味をぶちぶち言っていると
                    ある意味、ウィーンのいやらしさに染まって来たかも、と
                    ちょっと反省している私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    ある意味、最後のアンコールまで残らなくて良かったと思ったのは
                    ゲオルク・クライスラーが歌われていたから。
                    (しかも、Der Tod, das muss ein Wiener sein だ!!!)
                    クライスラー大好きなんだけど
                    あれは、クラシックの歌手の曲ではあり得ない。
                    いわゆるキャバレティストの範疇で
                    曲の性格が全く違う!!!

                    クリスティアン・ゲルハーヘル + ゲロルド・フーバー

                    0
                      Wiener Konzerthaus Mozart Saal
                      2019年10月2日 19時30分〜21時40分

                      バリトン Christian Gerhaher
                      ピアノ Gerold Huber

                      Benjamin Britten (1913-1976)
                      Purcell Realizations (1943-1959) (Auswahl)
                       If music be the food of love Z379a
                        (aus der Sammlung »Orpheus Britannicus«, 1692)
                       A Morning Hymn Z 198
                        (aus der Sammlung »Harmonia sacra«, 1688)
                       Job’s Curse Z 191 (aus der Sammlung »Harmonia sacra«)
                       Alleluia ZS 14 (aus der Sammlung »Harmonia sacra«)

                      Johannes Brahms (1833-1897)
                      Ausgewählte Lieder
                       Sehnsucht op. 14/8 (1858)
                       Vor dem Fenster op. 14/1 (1858)
                       Vom verwundeten Knaben op. 14/2 (1858)
                       Der Gesang zum Liebchen op. 48/1 (1869)
                       Der Überläufer op. 48/2 (1855)
                       Vergangen ist mir Glück und Heil op. 48/6 (1868)

                      Modest Mussorgski (1839-1881)
                       Lieder und Tänze des Todes (1875-1877)
                        1. Wiegenlied
                        2. Serenafe
                        3. Trepak
                        4. Der Feldherr

                      Benjamin Britten
                       Songs and Preverbs of William Blake op. 74 (1965)
                        Proverb I - London
                        Proverb II - The Chimney Sweeper
                        Proverb III - A Poison Tree
                        Proverb IV - The Tyger
                        Proverb V - The Fly
                        Proverb VI - Ah! Sun-flower
                        Proverb VII - Every Night and Every Morn

                      Johannes Brahms
                      Ausgewählte Lieder
                       Meerfahrt op. 96/4 (1884)
                       Anklänge op. 7/3 (1853)
                       Verzagen op. 72/4 (1877)
                       Über die Heide hallet op. 86/4 (1882)
                       An eine Äolsharfe op. 19/5 (1858)
                       Die Kränze op. 46/1 (1868)
                       Todessehnen op. 86/6 (1878)

                      7月31日にザルツブルク音楽祭で聴いたのと
                      同じプログラムのリートの夕べ。
                      今回はウィーンのコンツェルトハウス
                      室内楽に最も適したモーツァルト・ホール。

                      リートのチクルスの固定客が多いので
                      ご年配の方が異様に多い。
                      いつも思うのだが、こういうご年配の方々って
                      やっぱり若い頃には、クラシックとか聴かず
                      ビートルスあたりに熱狂していた方々なのか
                      あるいは、子供の頃からクラシック一辺倒だったのか
                      ちょっと聞いてみたいような気がする。

                      (だって、この年配層が全員死んだら
                       もうクラシックなんてやって行けない、とかよく言われるけれど
                       若い頃はポピュラー(当時はロックンロールとか?)に夢中になって
                       ある程度、歳取ったら、クラシックに転向って人が多いのであれば
                       今の若い世代も、40〜50歳過ぎ頃から
                       この手のクラシックに流れてくる、という可能性もあるのではないだろうか。
                       まぁ、私の死後のクラシック音楽界を心配しても仕方ないんだけど)

                      ザルツブルクで聴いた時も
                      ともかく死を扱っていて、異様に暗いプログラムで
                      通向けなのか何なのか
                      誰でも知っているような有名な曲は一つもない。

                      最初のブロックの
                      ヘンリー・パーセルとベンジャミン・ブリテンの謎は解けた。
                      さすがコンツェルトハウスのプログラムには
                      パーセルの音楽をブリテンがリバイバルした経過を記述していて
                      ブリテンのリバイバル作曲年ではなく
                      パーセルのオリジナルの作曲年が記載されている。

                      いやもう、何という繊細さ!!!
                      声も抑えて、徹底的に丁寧に、言葉の力を活かして
                      同時にピアノの美しさといったら・・・

                      ブリテン・パーセルの後、そのまま舞台上に残って
                      ブラームスのリートに突入。
                      これも暗い曲ばかりなんだけど
                      ブリテンと比べると
                      ピアノ伴奏の和声に厚みがある。

                      ゲルハーヘルも、印象としてはザルツブルクより
                      もっと抑制を効かせて、ほとんどストイックに響くくらい。

                      その分、ムソルグスキーではドラマチックな表現を全開にした。
                      ・・・けど、これ、私、歌詞が追えなくて、すごく残念。
                      まるでオペラか、あるいは劇を聞いているような感じだったので
                      テキストが理解できたら、全然違ったんだろうなぁ・・・(涙)
                      (プログラムにはロシア語とドイツ語訳が記載してあるが
                       ロシア語はロシア文字だ、私は全然読めない・・・(アホ))

                      休憩の後のブリテン、
                      ウィリアム・ブレイクの歌と格言は、見事だった。
                      ザルツブルクの時より、更に磨きがかかった感じで
                      細かい英語のニュアンスを余すところなく伝えて来ると同時に
                      ピアノ伴奏の透明さが際立って
                      いやもう、むちゃくちゃ良いわ ♡

                      このワケわからない詩のテキストも魅力的。
                      それにつけたブリテンのメロディの表現力が、また凄くて
                      それを、限りなく細かい部分まで
                      徹底的に拘って聴かせてくれたゲルハーヘルに感謝。

                      最後のブラームスも、あくまでも抑制の効いた演奏。
                      まぁ、こういう暗いプログラムって
                      あそこまで抑制を効かせないと
                      往々にして、あまりの暗さと大袈裟な悲しみになって
                      オペラになってしまう危険性はあるだろう。

                      アンコールは(たぶん)ブリテンから2曲。
                      ゲルハーヘルって、いつからブリテン歌いになった?
                      というより
                      ブリテンって、バリトンでも歌えるのか。
                      何となくブリテンの歌曲のイメージって
                      ハイテノールに固定されていたので
                      バリトンが、あそこまでマッチョにならず
                      ストイックに透明感を持って歌うと
                      バリトンでも大丈夫か、と目から鱗が落ちたような気分。

                      コンツェルトハウスのモーツァルト・ホールに集まった
                      年配の男女の皆さまも本当に静か。
                      さすがリートを聴き慣れている感じで
                      最初から最後まで
                      集中できる・・・はずだったんだけど

                      何故か9月30日に風邪をひいてしまい
                      喉から鼻に来て
                      ティッシュの大量消費をしているので
                      鼓膜の調子があまり良くない(涙)

                      もっとも、通常は喉から鼻の後は
                      咳が出て(出てるけど)タイヘンな事になるのだが
                      今回はバイキンが肺までは侵入しなかった感じ。
                      (うがい薬と鼻のスプレーの大量消費で抑えた)

                      もっとも、大学の第1週目は
                      まだ授業がないものも多いので
                      出る授業には出て、バイキン撒き散らしながら(ハタ迷惑)
                      今週中には風邪を治すぞ、と
                      堅く決心している私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      風邪ひいてから、やたらと眠い。
                      授業中に寝そうになって慌ててしまう(汗)
                      ちょっと今学期は無理しているところもあるけれど
                      10月30日まではゼミの申し込み取り消しも可能なので
                      まぁ、様子を見ながら・・・

                      calendar
                         1234
                      567891011
                      12131415161718
                      19202122232425
                      2627282930  
                      << April 2020 >>
                      PR
                      ★コンタクト・メイル★
                      メイルはこちらへ
                      ブログランキングに1クリックお願いします
                      selected entries
                      categories
                      archives
                      recent comment
                      recommend
                      links
                      profile
                      search this site.
                      others
                      mobile
                      qrcode
                      powered
                      無料ブログ作成サービス JUGEM