2024年3月14日 18時30分〜20時30分
Arnold Schönberg Center
Arditti Quartett
バイオリン Irvine Arditti, Ashot Sarkissjan
ビオラ Ralf Ehlers
チェロ Lucas Fels
Daniel Serrano (*1991)
Visionen für Streichquartett (UA, 2024)
Karikatur
Denken
Gartenszene
Selbstportrait
Arnold Schönberg (1874-1951)
Streichquartett Nr. 4 op. 37 (1936)
*** Pause
Harrison Birtwistle (1934-2022)
The Tree of Strings (2007)
シェーンベルク生誕150年の年である。
めでたい(たぶん)
アルディッティ弦楽四重奏団も
今年3月に設立50年を迎えるそうで
めでたい(うん)
シェーンベルク・センターでは
150周年特別サイトも公開しているので
ご興味ある方はどうぞ。(英語もあります)
さて、数ヶ月前に
つらつらこのサイトを見ていたら
アルディッティ四重奏団が
シェーンベルク・センターでコンサートをする
と言うのに飛びついてチケットを予約。
26歳未満は無料だが、その他の人は14ユーロ。
それだって安い、うん。
昨年のウィーン・モデルン現代音楽祭で
聴くチャンスを逃したので絶対に行きたい。
会場は満杯。
年配の観客も非常に多い。
ウィーン・モデルン現代音楽祭で
アンケートを取った時に
現代音楽コンサートの観客は
自分でも音楽をやっていた人が非常に多い
と言う結果が出たらしいが
この年配のお客さまたちも
大多数は音大出身とかで
若い頃にバリバリ
現代音楽を演奏していた人たちなのかもしれない。
(我々の若い頃って言ったら
ダルムシュタットとかドナウ・エッシンゲンで
トータル・セリエが大流行していた時期だし)
最初はアルノルド・シェーンベルク財団の
奨学金を受けて研究・作曲をしている人の
委嘱作品、約10分。
シェーンベルクの描いた絵をもとに
その頃にシェーンベルクが作曲した曲の
モチーフを使用したものだそうだが
作曲家曰く
ものすごく弄ってあるので
たぶん、そのモチーフを
聴衆として見つける事は無理だろうとの事。
シェーンベルクの曲のモチーフ
ないしは12音技法で使われる音列を
どの作品にせよ、見つけ出す事は
私にはもともと出来ません、すみません。
最初からフラジョレットばっかり(笑)
特殊奏法の山盛りで
この人、ラッヘンマンとかの影響があるんだろうか。
絵画のイメージを音楽に映すと言うのは
手元のプログラムに絵画が記載されていたとしても
非常に困難で
作曲家としても、イメージそのままを移そうとは
思っていないだろう。
ただ、絵画の持っている雰囲気は
カリカチュアなら速めテンポの不規則なリズムを使ったり
風景画なら、遅め静かなロングトーンを使用したり
まぁ、普通に考えて
トポイとして西洋芸術で多用される技術は聴こえて来る。
続けてシェーンベルクの弦楽四重奏4番。
1936年の作品。
アメリカに移住した後
12音技法ではあるものの
数学的なドライな側面よりは
音楽性に回帰して来る頃のもので
うわあああ
シェーンベルクってロマンティスト(笑)
昔から、この作曲家
頭が良すぎて12音技法とかの理論体系を考えたものの
本当はかなりクラシックに
情熱的で感情豊かな人じゃなかったんだろうか。
もちろんアルディッティ・カルテットの
解釈も大きな影響があると思う。
エネルギーが迸るような強さが素晴らしい。
12音技法にありがちな
ドライな部分よりは
感情がグイグイ迫ってくる感じ。
休憩挟んで
後半はハリソン・バートウィッスルの曲。
何と私は、この曲をアルディッティ・カルテットで
ナマで聴くのは3回目 😁
島から住民を追い出して
羊を飼うという政策で
犠牲?になった島の様子を
原住民の言語を用いて詩にしたものから
インスピレーションを受けた、という曲。
よく聴いていると
追い出された原住民の嘆きとか
無人になった島に
波が押し寄せたり、風が吹いたり
何となく妄想は掻き立てられる。
自然界の中にありそうな
音響を巧く使っているからかもしれない。
特殊奏法、ほとんどないんだけど
その意味では非常に面白い。
30分ほどの曲だけど
聴いているだけで
妄想浮かびまくりなので
ほとんど退屈しない。
自分の中でストーリーが出来てくる感じ。
ついでに絵画的印象も。
う〜ん、こういうのが
聴覚と視覚の相互作用?(いや違う、ただの妄想)
最後はハイドンのさよなら交響曲のごとく
1人去り、2人去り
チェロがピチカートとアルコのモチーフで
誰もいなくなった島に
打ち寄せる波と風を
・・・表現してるんだろうか、知らんけど(笑)
アンコールに
アルディッティ氏が
リゲティのピチカート・ポルカをやります(爆笑)
ピチカートだけじゃなくて
途中、アルコもあるけどね 😁
このコンサート
4月28日19時45分に
オーストリア国営放送ラジオ1番 Ö1 の
Supernova というプログラムで放送されるそうだ。
ぜひもう一度聴いて
最初の曲がシェーンベルクの絵画と
イメージが本当に一致するか
確かめてみたいと思っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
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Arnold Schönberg Center
Arditti Quartett
バイオリン Irvine Arditti, Ashot Sarkissjan
ビオラ Ralf Ehlers
チェロ Lucas Fels
Daniel Serrano (*1991)
Visionen für Streichquartett (UA, 2024)
Karikatur
Denken
Gartenszene
Selbstportrait
Arnold Schönberg (1874-1951)
Streichquartett Nr. 4 op. 37 (1936)
*** Pause
Harrison Birtwistle (1934-2022)
The Tree of Strings (2007)
シェーンベルク生誕150年の年である。
めでたい(たぶん)
アルディッティ弦楽四重奏団も
今年3月に設立50年を迎えるそうで
めでたい(うん)
シェーンベルク・センターでは
150周年特別サイトも公開しているので
ご興味ある方はどうぞ。(英語もあります)
さて、数ヶ月前に
つらつらこのサイトを見ていたら
アルディッティ四重奏団が
シェーンベルク・センターでコンサートをする
と言うのに飛びついてチケットを予約。
26歳未満は無料だが、その他の人は14ユーロ。
それだって安い、うん。
昨年のウィーン・モデルン現代音楽祭で
聴くチャンスを逃したので絶対に行きたい。
会場は満杯。
年配の観客も非常に多い。
ウィーン・モデルン現代音楽祭で
アンケートを取った時に
現代音楽コンサートの観客は
自分でも音楽をやっていた人が非常に多い
と言う結果が出たらしいが
この年配のお客さまたちも
大多数は音大出身とかで
若い頃にバリバリ
現代音楽を演奏していた人たちなのかもしれない。
(我々の若い頃って言ったら
ダルムシュタットとかドナウ・エッシンゲンで
トータル・セリエが大流行していた時期だし)
最初はアルノルド・シェーンベルク財団の
奨学金を受けて研究・作曲をしている人の
委嘱作品、約10分。
シェーンベルクの描いた絵をもとに
その頃にシェーンベルクが作曲した曲の
モチーフを使用したものだそうだが
作曲家曰く
ものすごく弄ってあるので
たぶん、そのモチーフを
聴衆として見つける事は無理だろうとの事。
シェーンベルクの曲のモチーフ
ないしは12音技法で使われる音列を
どの作品にせよ、見つけ出す事は
私にはもともと出来ません、すみません。
最初からフラジョレットばっかり(笑)
特殊奏法の山盛りで
この人、ラッヘンマンとかの影響があるんだろうか。
絵画のイメージを音楽に映すと言うのは
手元のプログラムに絵画が記載されていたとしても
非常に困難で
作曲家としても、イメージそのままを移そうとは
思っていないだろう。
ただ、絵画の持っている雰囲気は
カリカチュアなら速めテンポの不規則なリズムを使ったり
風景画なら、遅め静かなロングトーンを使用したり
まぁ、普通に考えて
トポイとして西洋芸術で多用される技術は聴こえて来る。
続けてシェーンベルクの弦楽四重奏4番。
1936年の作品。
アメリカに移住した後
12音技法ではあるものの
数学的なドライな側面よりは
音楽性に回帰して来る頃のもので
うわあああ
シェーンベルクってロマンティスト(笑)
昔から、この作曲家
頭が良すぎて12音技法とかの理論体系を考えたものの
本当はかなりクラシックに
情熱的で感情豊かな人じゃなかったんだろうか。
もちろんアルディッティ・カルテットの
解釈も大きな影響があると思う。
エネルギーが迸るような強さが素晴らしい。
12音技法にありがちな
ドライな部分よりは
感情がグイグイ迫ってくる感じ。
休憩挟んで
後半はハリソン・バートウィッスルの曲。
何と私は、この曲をアルディッティ・カルテットで
ナマで聴くのは3回目 😁
島から住民を追い出して
羊を飼うという政策で
犠牲?になった島の様子を
原住民の言語を用いて詩にしたものから
インスピレーションを受けた、という曲。
よく聴いていると
追い出された原住民の嘆きとか
無人になった島に
波が押し寄せたり、風が吹いたり
何となく妄想は掻き立てられる。
自然界の中にありそうな
音響を巧く使っているからかもしれない。
特殊奏法、ほとんどないんだけど
その意味では非常に面白い。
30分ほどの曲だけど
聴いているだけで
妄想浮かびまくりなので
ほとんど退屈しない。
自分の中でストーリーが出来てくる感じ。
ついでに絵画的印象も。
う〜ん、こういうのが
聴覚と視覚の相互作用?(いや違う、ただの妄想)
最後はハイドンのさよなら交響曲のごとく
1人去り、2人去り
チェロがピチカートとアルコのモチーフで
誰もいなくなった島に
打ち寄せる波と風を
・・・表現してるんだろうか、知らんけど(笑)
アンコールに
アルディッティ氏が
リゲティのピチカート・ポルカをやります(爆笑)
ピチカートだけじゃなくて
途中、アルコもあるけどね 😁
このコンサート
4月28日19時45分に
オーストリア国営放送ラジオ1番 Ö1 の
Supernova というプログラムで放送されるそうだ。
ぜひもう一度聴いて
最初の曲がシェーンベルクの絵画と
イメージが本当に一致するか
確かめてみたいと思っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
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