ケースマイクル Rosas danst Rosas

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    Odeon 2017年10月20日 20時〜22時

    Anna Teresa De Keermaeker / Rosas
    Rosas danst Rosas

    振付 Anne Teresa De Keersmaeker
    ダンス Laura Bachman, Léa Dubois, Anika Edström Kawaji, Saa Ratsifandrihana
    音楽 Thierry De Mey & Peter Vermeersch
    照明デザイン Remon Fromont
    衣装(1983年版)Rosas

    1983年にアンヌ・テレサ・デ・ケースマイケルを
    一躍有名にした歴史的な作品、Rosas danst Rosas は
    映画にもなった。
    (映画については ここ に記載、一部クリップも貼ってある)

    実際のパーフォーマンスも2009年7月28日に鑑賞しているが
    今回は10月17日から27日までブロックで
    ほとんど毎日の公演がある。

    実は他の日にチケットを買っていたのだが
    仕事で行けなくなってしまい
    慌てて、本日のチケットを別途購入した次第。
    (本当はクリーブランド+メストのヤナーチェック公演を狙っていた)

    クリーブランド管弦楽団とヴェルザー=メストのヤナーチェック公演は
    どうも映画とのコンビネーションだった模様。
    私のいつもの席なら、ビデオ映像は全く見えないから
    まぁ、超貧民席(それだって楽友協会は高い!)を買わなくて良かった。

    さて、この Rosas danst Rosas は
    1983年の作品である!!!!

    何と34年前の作品なのに
    今、パーフォーマンスで見ても、全く古いというイメージがない。

    こういうのを古典作品と言うのだろうなぁ。
    コンテンポラリー・ダンスでは
    この作品は、間違いなくエポック・メイキングな作品。

    女性ダンサーが4人。
    最初から最後まで、実質1時間40分あまりを
    ずっと4人で踊り続ける(かなりハード)

    大まかに分けてしまえば

    全く音楽なしで、床に寝たままのダンス
    ミニマム・ミュージックありの、椅子に座ってのダンス
    椅子を後ろに並べてのフロア・ダンス
    最後に激しいリズムのフロア・ダンスが続いて
    最終シーンでは、クール・ダウン

    という構成。

    ローザスの衣装が何とも洗練されていてステキ。
    何てことのない地味な色の衣装なのだが
    このデザイン、イヤミがなくて
    ダンサーのラインを実に美しく出す。

    スタイル良かったら私も着てみたい。
    いや、あんなに脚がキレイじゃないから無理なんだけど
    シンプルが好きな私には、とてもセンスの良い衣装に見える。

    ダンサーのコントロールされたダンスの動きの中に
    ダンスとは思えない日常的な仕草が入る。

    ダンサーが疲れて腕を落としたり
    腕枕して寝たり
    肘を立てて考えるようなポーズを取ったり

    コントロールされた芸術作品の要素としてのダンスの中に
    日常で見かけられる仕草が組み込まれていて
    ドキッとする。

    同時に、その日常の仕草に籠められた感情表現がリアル。
    ダンスというよりは
    我々の普通の日常的な仕草なので、これにもドキッとする。

    ケースマイケルの作品を最初に鑑賞した時に
    何てフォーメーションの巧みな振付師なんだ、と舌を巻いたが
    初期のこの作品でも
    4人のダンサーのフォーメーションの見事さが素晴らしい。

    揃ったり、離れたり
    1人が別の事をして3人が同じダンスをするとか
    4人のダンスの動きが
    まるで生き物のように有機的。

    個人と集団の溶解と分離が絶え間なく行われて
    そのバリエーションの豊かさから目が離せない。

    確かに、最初の全く音楽のない床での動き
    かなり長いシーンで、多少冗長にも見えるけれど
    ミニマム・ミュージックが入ってからの激しい動きは
    純粋にダンスとして観るだけでも魅力的。

    終演後に大きな声で
    普通のダンスと違う、新しい、前衛的だ、と
    感激しながら大声で話していた人たちがいたけれど

    新しい・・・・って、これ、34年前の作品ですよ?!(笑)

    ケースマイケル自身がダンサーとして出た公演も
    ありがたい事にかなりの数を見る事が出来て
    この後の作品も実際に観ているけれど

    この古典的作品を改めて実際に見ると
    その後に展開されるケースマイケルのダンスの要素が
    既に(少なくとも萌芽として)含まれていて面白い。

    かなり抽象的な作品ではあるけれど
    日常的な仕草が思い切り入っているから
    観たら、絶対に面白いと思う。

    もう一度行きたい、とは思いつつ
    この時期になると、他のコンサートも目白押しで
    残念ながら、今回は1回だけ・・・

    こと、コンテンポラリー・ダンスとか
    現代芸術は残るものは少ないと思われているし
    私も実際はそう思うのだが
    こういうエポック・メイキングな作品は
    やっぱり古典として残るだろうなぁ、と
    いたく感じ入っている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    川口隆夫「大野一雄について」2回目

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      Odeon 2017年8月12日 21時30分〜23時40分

      Takao Kawaguchi
      About Kazuo Ohno

      振付 Kazuo Ohno, Tatsumi Hijikata
      ダンス Takao Kawaguchi
      ドラマツルギー Naoto Iina
      写真 Teijiro Kamiyama, Takuya Matsui
      翻訳 Naoko Nakajima

      The Portrait of Mr. O (ein Film von Chiaki Nagano von 1969)

      Admiring La Argentina (1977)
      Death and Birth, The Daily Bread, Marriage of Heaven and Earth
      zwei Tangos, Klaviermusik von Frédérik Chopin (Etüden Op. 10, Nr. 9 & 10)

      My Mother (1981)
      The Embryo’s Dream, Dreams of Love

      The Dead Sea : Viennese Waltz and Ghost (1985)
      The Gypsy Baron’s March
      The Episode in the Creation of Heaven and Earth

      8月10日に鑑賞したパーフォーマンスの2回目。
      最初のロビーで繰り広げられる
      ガラクタを多用したバタバタは
      (すみません、でもそれ以外に何と言えば良いのかわからない)
      映画「O氏の肖像」の模写なのだそうだ。

      この間はソロ・パーフォーマンスだったが
      何故か今日は女性ダンサー1名が
      ちょっとチョッカイ出したり、床に転がっていたり。

      あれはパーフォーマーからの依頼のサクラなのか
      勝手に飛び込んで勝手に絡まっていたのか
      よくわからない(けれど、まぁ、それもアリですかね(笑))

      最初が死と誕生
      その後、胎児の夢、萬人の踊り、天地創造の発端、愛の夢
      メイク・アップのシーンの後
      後ろのスクリーンに人形を操る映画が映されて5分の休憩。
      休憩後は
      日々の糧、天と地の結婚、
      タンゴ「花」、タンゴ「鳥」と続いて
      最後にショパンの曲2曲でフィナーレ。

      大野一雄なんだか川口隆夫なんだか
      誰がいつ踊っているのかわからなくなる現象については
      この間の1回目の時に書いたけれど

      日本の伝統芸術は
      師匠の技を模倣する事から始まるので
      その意味では
      意外に伝統的なアプローチなのかもしれない

      と思いつつ、鑑賞していたのだが

      だんだん、不思議な気分になってきた。
      パーフォーマーの川口隆夫に
      大野一雄が乗り移ってるような
      そこに居る人、いったい誰ですか?

      最後のタンゴあたりになると
      すごく奇妙なのだが
      時間が巻き戻って、大野一雄その人が
      舞台に立っているような感覚に囚われてしまう。

      複雑に二重に絡まったパーソナリティと
      それによる不思議なパーフォーマンスの効果はさて置いて

      大野一雄のダンスそのものを見ると
      能や歌舞伎からの影響が時々見えて面白い。

      胎児の夢の「静」と「動」の対比は
      能楽の動きを思い起こさせる。
      オリジナルは探してみたら
      三味線の音楽が入っているようだが
      (三味線奏者は舞台に立つ)
      今回は、三味線なし
      BGM は、ホール内でのホワイトノイズと
      観客の咳の混ざった音だけ。
      (「観客の咳」はテープに入っているもので
       ImPulsTanz は若い観客が多いので
       ほとんど「無駄咳」はない(笑))

      後半の「日々の糧」も同じように BGM なし
      (というよりホールの雑音の録音によるホワイト・ノイズ)
      この2つのダンスは、比較的、時間として長いので
      ますます能表現を連想してしまったのかもしれない。

      天地創造の発端というダンスは
      ピエロのような、神父さんのパロディのような
      バレエで言うならドン・キホーテのサンチョ・パンサみたい。
      流れる音楽は日本語だけどグレゴリオ聖歌のようで
      日本人でも天地創造と言うと
      キリスト教なんだろうか、とちょっと笑った。
      (イザナミとイザナギじゃなかったんだ(爆笑))

      サラリーマンのむちゃくちゃキュートな愛の夢の後
      パーフォーマーが舞台の真ん中で
      スポット照明を浴びつつ
      ドーランの白塗り、目の辺りに真っ青な色を入れて
      リップに真っ赤な色を塗って
      鏡に向かって、ものすごく楽しそうな
      満面の笑顔を見せる。

      ダンスじゃないんだけど
      この満面の笑顔が、何と魅力的な事。
      (パーフォーマーがイケメンとか言う意味ではありません)
      人間って、こんな幸せそうな表情が出来るのか、と思ってしまう。

      この笑顔は大野一雄のものなのか
      川口隆夫のものなのか

      それとも芸術に身を捧げて
      苦労を苦労とも思わずに
      多大な喜びを持って幸福を感じる
      芸術家の最も深いところにある邪気のない「喜び」なんだろうか。

      画像で投影される
      人形を使ったシーンは
      ほとんど文楽の世界。
      人形が、まるで生きているかのように
      表情や仕草で愛を語るのだ(表情ない筈なのに)
      これも、文楽、能面の伝統を踏まえての芸術だなぁ。

      日々の糧は、オレンジ色のへんな仮面を付けて
      その後、天と地の結婚はその扮装のまま
      グランド・ピアノに寄りかかったパーフォーマーの姿が
      照明によって、後ろに影絵みたいに映されるのが
      これがまた、二重性の複雑さがあって
      あまり動きがないのに、現実と影絵の狭間にすっぽり嵌ってしまう。

      その後のタンゴ(花と鳥)、ショパン(2曲)は
      ドレスを着ての踊りだが

      ・・・この表現力って圧倒的。
      身体全体、特に手の動きの表現力といったら
      手って、あんなに語るのか、と呆然としてしまう。

      オリジナルの大野一雄のビデオとか見ると
      本当はもっと深く理解出来るのかもしれないので
      あくまでも、ド・シロートの表面的な感覚でしかないけれど

      タンゴとショパンで表現された
      あの幸福感って
      観ている者にも伝わって来て
      涙が出る程、幸せな気分になってしまうって
      単純に考えても、すごい事かもしれない
      と、しみじみ思っている私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      これにて私の今年の Im Puls Tanz は終わり。
      かなり選んでパーフォーマンスに行っていたので
      見逃したものもかなりあるとは思うのだが
      過激なものも多いので、まぁ、こんなもんでしょう(笑)





      Dada Masilo/The Dance Factory "Giselle" 2回目

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        Volkstheater 2017年8月11日 21時〜22時40分

        Dada Masilo / The Dance Factory
        Gisell

        振付 Dada Masilo
        音楽 Philip Miller
        背景 William Kentridge
        衣装 David Hutt on Donker Nag Helder Dag
        Songezo Mcilizeli & Nonofo Olekeng of Those Two Lifestyle
        パーフォーマンス
        ジゼル Dada Masilo
        アルブレヒト Thabani Ntuli
        ヒラリオン Tshepo Zasekhaya
        ミルタ Llewellyn Mnguni
        バチルダ Liyabuya Gongo
        ジゼルの母親 Khaya Ndlovu
        男性たち Thami Tshabalala, Thabani Ntuli, Thami Majela
        女性たち Nadine Buys, Zandile Costable, Ipeleng Merafe

        ダダ・マシロのカンパニーによる
        ジゼル公演は
        当初2回の予定だったのがあっという間に売り切れたようで
        実は追加公演も設定されたのだが

        私がいつも買うパーフォーマンス・カードは
        1公演につき、という割引ではなく
        1演目について、最高2枚まで割引で
        しかもプログラムは1部しかもらえないという
        ちょっとケチくさいカードなので、2回(=2枚)で止めておく。

        同じものを2回鑑賞すると
        この間は目が行かなかった部分にも注目できる。

        まずはミルタ、というより
        この場合はアフリカのヒーラーという読み替えになっているダンサー。

        第一幕でジゼルが倒れているところに(まだ失恋はしていない)
        ウィリーと共にミルタが現れて
        ジゼルに羽をかざして踊るシーンがあって

        これは第二幕の悲劇的展開を
        予想させるためのものかな、と思うのだが

        このミルタのダンサーが魅力的。

        男性なのだが、女性っぽいウィリーの衣装を着て
        (ウィリーの衣装は白ではなく、深い濃いめの赤)
        このダンサーの手の動きが実に美しい。

        長い手にヒーラーのシンボルの羽を持ったまま踊るのだが
        クラシックならボードブラと言っちゃうのだが
        こういうダンスではどう表現すべきか不明でも
        ともかく、この長い美しい腕の動きの美に目が釘付け。

        ミルタを男性に踊らせるという発想で
        ミルタとウィリーのシーンが
        男女取り混ぜて
        アンドロギュノスみたいな
        一種の妖しげな不思議な雰囲気を醸し出す。

        そりゃ、オリジナルのジゼルのミルタとウィリーのシーンって
        古典バレエとしては最も静謐で美しいシーンだと思うのだが

        同時に
        「処女のまま死んだ乙女たちの幽霊」って
        舞台の上のウィリーの年代というよりは

        赤ちゃん+意外に多そうなハイミスのお婆ちゃん
        の集まりではないかと
        ついつい余計な事を考えてしまう(アホだから)

        ダダ・マシロがリアリティ重視で
        男女問わず、現世に恨みを残して死んだものの亡霊という
        アンドロギュノス的ウィリーの集団を作ったのは納得できる。

        第二幕は、第一幕より、音楽がずっとアフリカン・テイストになっていて
        太鼓や鈴の音がリズミックに続いていく。

        で、二幕の最初に花を持って
        祈りに舞台に登場するのは

        あれ??? 
        このダンサー、ヒラリオンだ?!

        アルブレヒトじゃなかったんかい???

        ヒラリオンはミルタとウィリーに囲まれて
        ウィリー3人に無駄な抵抗をしながら
        たぶん死ぬ(舞台袖に引っ込むので本当のところは不明)

        第一幕で、恋するあまりとは言え
        ヒラリオンは、ジゼルにセクハラっぽい事をするので
        セクハラ男性にはそれなりの罰を、という事かもしれないけれど

        最初に舞台に花を持ってジゼルのための祈りで登場したのに
        ちょっとしたセクハラで苦痛に満ちた死って
        ・・・いや、はい、あの、その、セクハラは悪いです、ごめんなさい。

        ところがヒラリオンに比べると
        このパーフォーマンスの中のアルブレヒトは
        実にイヤな奴なのである。

        前半でバチルダの手を取って
        ジゼルを絶望の死に追い込むところも

        ごめん、悪かった、許せ
        これが僕の人生で逆らえないけれど
        愛したのは君だけだよ

        ・・・というような不倫オトコの言い訳みたいなものは全くなく
        急に冷静にバチルダとくっついてジゼルを見捨てるのだ。

        でも、確かにオリジナルのジゼルでも
        自分が婚約者の居る貴族だ、とバレた後のアルブレヒトって
        不倫、浮気の言い訳も何もせず、突っ立ってるだけだわね(笑)
        (観客の視線はジゼルの最後の激しい踊りに吸い付けられているから
         その間、アルブレヒトがボケッと立っていても、誰も気にしない)

        第二幕でヒラリオンが舞台の袖から消え
        その後に現れるアルブレヒトは

        ジゼルに許しを乞うのだけれど
        どう見ても

        ヒラリオンが死んじゃったよ
        ヤバイわ、俺も危ないんじゃね?
        もしかして俺ら、とんでもないオンナに手出しちゃった?
        ひえええ、ここで謝ってご機嫌取っておかないと

        という、ヤ◯ザの親分の娘に
        知らずに手を出してしまって
        保身に走るチンピラにしかみえない。

        キスされて、ちょっとだけほだされそうになるジゼルにも
        アルブレヒトのうさん臭さがわかったんだろうなぁ。
        急にキリッとなって
        ミルタから鞭をもらって打ち据えてアルブレヒトを殺してしまう。

        もしかして、私が無駄な深読みしてるかもしれませんが。

        私自身がウワキだのフリンだのに
        全くビクともしない神経の持ち主なので
        (来るもの拒まず去る者追わず(笑))
        共感するのはジゼルよりマノンなのだが

        ダダ・マシロのジゼルは
        おとぎ話のような古典のジゼルよりも
        ずっとダンサーの表現する感情が生々しくてリアル。

        今日のリアルさに釣られてしまうと
        アルブレヒトの表面的な自己保全に走った謝罪も白々しいけれど
        それを蹴って、アルブレヒトを打ち据えて殺すジゼルも

        え〜い、裏切ったオトコを殺してやる、うっはっは

        というSっぽい要素より
        自分自身が心を殺して
        悲しみに満ちながら、殺さざるを得ない悲壮みたいなものが
        そこはかとなく感じられて、ちょっといじらしすぎて・・・

        こういう有害オトコが生きていても
        女性みんなに迷惑をかけるから殺しちゃえ
        という正義感に満ちた殺人では断じてない(笑)

        色々な妄想を生む可能性がある、というのは
        やっぱりジゼルという題材そのものの面白さなのかもしれない。

        クラシックのコンサートも何もないのか、と
        お怒りの読者の皆さま
        私だってオーケストラのクラシック聴いていないので
        ちょっともう、脳内が乾燥しきっているような渇望があるのだが
        あと、もう、少しだけ我慢して下さい。

        8月後半から始まるグラーフェネック音楽祭を
        待ちかねている私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        川口隆夫「大野一雄について」

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          Odeon 2017年8月10日 21時30分〜23時40分

          Takao Kawaguchi
          About Kazuo Ohno

          振付 Kazuo Ohno, Tatsumi Hijikata
          ダンス Takao Kawaguchi
          ドラマツルギー Naoto Iina
          写真 Teijiro Kamiyama, Takuya Matsui
          翻訳 Naoko Nakajima

          The Portrait of Mr. O (ein Film von Chiaki Nagano von 1969)

          Admiring La Argentina (1977)
          Death and Birth, The Daily Bread, Marriage of Heaven and Earth
          zwei Tangos, Klaviermusik von Frédérik Chopin (Etüden Op. 10, Nr. 9 & 10)

          My Mother (1981)
          The Embryo’s Dream, Dreams of Love

          The Dead Sea : Viennese Waltz and Ghost (1985)
          The Gypsy Baron’s March
          The Eipsode in the Creation of Heaven and Earth

          日本人で川口隆夫という名前の人はたくさん居そうだが
          今回、ImPulsTanz で
          「大野一雄について」をオーストリア初演したのは
          この人である。


          作品について、ド・シロートの私が何か書くより
          ご興味のある方は
          この作品について、詳しい情報が ここ にあるので
          どうぞご参照下さい。

          会場のオデオンのロビーには
          様々なガラクタが置いてあり
          既にダンサーがそこに居て

          ガラクタ持ったり投げたり、身体をこすり付けたり
          あっちに移動したり、こっちに這いずって来たり

          こんな事を例えば市内の公衆の面前でやって居たら
          誰かが警察を呼ぶんじゃないか。

          だって、いつナイフ持って振り回すか
          周りの人たちに襲いかかるかわからないし・・・

          ゲイジュツってマジメにこういう事が出来ちゃうし
          こちらも、ゲイジュツだから安心して観ていられる。

          多少、周りを囲んでいる人たちの方に突っ込むとしても
          何も害がないのがわかってるからね(笑)

          でも、いつもキレイなスタイルの若いお姉さんの方に
          突っ込んでいたような気がするんだけど・・・

          最後に真っ裸になって
          床のビニールやボロ布やぬいぐるみとか紐とかを
          全部、身体に纏って、あちこちを走り回り
          ホールに入ったところで、我々、観客もホール内へ。

          下手(しもて)の後ろにワードローブと姿見があり
          衣装はそこで替えて
          メークなどは舞台の真ん中で行なったりして

          後ろの壁にダンスのタイトルが
          日本語・ドイツ語・英語で映し出され
          大野一雄のダンスがコピーされる。

          ものすごく奇妙な感覚に囚われるパーフォーマンス。
          大野一雄であって大野一雄ではなく
          川口隆夫であって川口隆夫ではないという
          二重にも四重にもなった
          めまぐるしく転換するパーソナリティの入れ替わりに加えて

          鑑賞しているこちらも
          いったい、誰のダンスを観ているのか
          時々、ふっとわからなくなって
          時空をすっ飛んでしまう感覚に揺さぶられる。

          暗黒舞踏と言えば
          当時としては(註 私の高校時代である)
          よい子は見てはいけないタブーのアングラの代表的なもので
          親に言わずに、そういう「妖しげ」なものを見るというのは
          ちょっとイケナイ子になったような快感があって

          西洋の「美しいバレエ」とは違った意味で
          腰を落とした土着の異端で異様な踊りに魅了された。

          大野一雄のダンスを川口隆夫のコピーで見ると
          まるで能表現のような「静」と「動」の対比の中で
          肉体が空間を切り取るバレエとは違って
          あくまでも空間と共存した中で肉体が蠢いている感じが凄い。

          死と再生、胎児の夢、萬人の踊り、天と地の創造・・・と
          様々に衣装を取り替えて舞台は進んで行って

          リストの「愛の夢」で踊ったナンバーが
          サラリーマン的衣装で愛の告白なんだけど
          うわ、ちょっと、あまりに可愛くてキュート過ぎ。

          もちろん、あれで本気で愛を告白されたら
          いくらヘンな私でも逃げるだろうが(笑)
          おかしなサラリーマンなんだけど(しかも昭和初期時代)
          いじらしくて真っ直ぐで恥じらいがあって
          平成時代に今の日本人が忘れかけている(と思われる)
          素直な可愛さがあって、郷愁にちょっと胸がキュン。

          5分の休憩を挟んで
          ラ・アルヘンチーナ頌から
          日々の糧、天と地の結婚、ショパン、タンゴと続く。

          うわ、凄いわ、これ。
          こと舞踏に関しては
          ImPulsTanz はずっと室伏鴻を招いていたのだが
          室伏の2015年の突然の死から
          どうするんだろう、と思っていたら

          「舞踏」の直系ではないにせよ
          ここまでのパーフォーマンスを見つけて持って来たのは偉い。

          色々な意味で入れ込み構造の
          (大野一雄か川口隆夫か、時代はいつで
           誰が観て誰が拍手しているのか
           時々、本当に時代を行き来しているようで混乱する)
          見応えのあるパーフォーマンスだった。

          アングラの怪しげな雰囲気に
          頽廃を纏った生きる肉体を満喫した私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。


          Dada Masilo/The Dance Factory "Giselle" 1回目

          0
            Volkstheater 2017年8月9日 21時〜22時40分

            Dada Masilo / The Dance Factory
            Giselle

            振付 Dada Masilo
            音楽 Philip Miller
            背景 William Kentridge
            衣装 David Hutt on Donker Nag Helder Dag
            Songezo Mcilizeli & Nonofo Olekeng of Those Two Lifestyle
            パーフォーマンス
            ジゼル Dada Masilo
            アルブレヒト Thabani Ntuli
            ヒラリオン Tshepo Zasekhaya
            ミルタ Llewellyn Mnguni
            バチルダ Liyabuya Gongo
            ジゼルの母親 Khaya Ndlovu
            男性たち Thami Tshabalala, Thabani Ntuli, Thami Majela
            女性たち Nadine Buys, Zandile Costable, Ipeleng Merafe

            今年5月にオスロで初演された
            ダダ・マシロの「ジゼル」オーストリア初演。

            ストーリーは基本的にジゼルそのままを使っている。
            最後は全然違うけど(笑)

            音楽はアダムスのオリジナル曲を元に
            南アフリカ共和国の作曲家が
            アフリカの音楽や楽器を取り入れて作曲したものだそうで

            言われてみれば少しアダムスの片鱗が嗅ぎとれる・・・ような気もするが
            でも、やっぱり全然違う音楽と思った方が良いと思う。

            第一部の村の風景は
            後ろに沼を含むアフリカの風景が出て来て
            確かにアフリカンっぽい感じはする。

            ダンスはクラシックを取り入れていながら
            もっと激しく、迸るような情熱を持っていて
            オリジナルのジゼルと比べると
            もっとエモーショナルな要素が強調されている。

            アルブレヒトのダンサーは
            この間の白鳥でジークフリートを踊っていた
            クラシックの基礎がしっかりあるダンサーで
            こういう色のない王子さま役が似合ってる。

            アルブレヒトに恋するジゼルはキュートで
            そこに言い寄るヒラリオンが
            ちょっと粗野な感じがして田舎のイメージで
            そりゃ、アルブレヒトとは違うわ、と納得。

            ほら、クラシックのジゼルだと
            ヒラリオンもノーブルで
            え?ヒラリオンで良いじゃん、なんでアルブレヒトに拘るの?
            とか言いたくなっちゃいません?

            ヒラリオンのダンサーも魅力的なのだが
            ジゼルに言い寄る様が、あまりに洗練されていなくて
            ちょっと田舎のお兄ちゃんで微笑ましい。

            しかし前半で凄いキャラクターが二人登場する!!!

            一人はバチルダ。
            これはクラシックの方では上品でお高くとまっていれば良いのだが
            マシロ版のバチルダのソロ・ダンスは
            激しく情熱的で、いやもう、ピカピカに舞台からオーラが飛んでくる。

            バチルダとジゼルの絡み合いも
            バチルダが強すぎて
            あぁ、こりゃ、ジゼル負けるわ・・・

            もう一人の凄いキャラはジゼルのお母さんで
            娘を虐めるんですよ、この母親は!!
            (シンデレラと間違えてないか???)

            虐めているのか
            それともアフリカ式の愛の表現なのかは不明だが
            でも、どうやっても娘を弄っているようにしか見えない。

            アルブレヒトに振られたジゼルに
            村人が寄ってたかって、からかって、笑い者にして
            全部脱がせてしまって
            (さすがにドイツとかのカンパニーじゃないので
             肌色のパンツだけは死守)
            パンツだけになったジゼルの悲しみのダンスが

            いやもう、これ、ちょっと胸を刳るわ・・・
            ちょっとかわいそう過ぎで・・・

            さて後半はウィリーの森。
            アルブレヒトがやって来て許しを乞うシーンの後
            ミルタが登場するのだが

            ミルタは赤い女性ダンサー的衣装ではあるが
            男性ダンサーである。
            アフリカのヒーラーという役割を持たせているらしく
            (実は前半にもちょっとだけ登場する)
            ダイナミックなダンスをする。

            オリジナルにあるような
            処女のまま死んだ女性たちの静謐なシーンではない。

            男女取り混ぜた「先祖の霊」なんだそうだが
            色々と未練を現世に残して成仏できていないらしく
            エネルギッシュで激しいダンスを繰り広げて

            そんな中に飛び込んだヒラリオンは
            取り憑かれて殺されてしまう。

            いつも思うんだけど(原作でも)
            ヒラリオンって、ちょっとかわいそうじゃないの?
            叶わぬ恋をしているジゼルを愛しているだけなのに
            何故にウィリーたちに取り殺されねばならないのだ???

            アルブレヒトとジゼルの邂逅・・・
            許しを求めるアルブレヒトに
            それを冷たく拒絶するジゼルは

            あらら、ミルタから鞭をもらって
            鞭を振り回してアルブレヒトを打ち据えて
            殺しちゃいましたが・・・(唖然)

            まぁ、ダダ・マシロが、女性の立場から
            ジゼルのストーリーを変えちゃったのは理解できる。

            だいたい、演歌の「北の宿から」とか
            このジゼルとか、オネーギンとか
            その他にも色々と例はあるけれど

            世の中の男性諸君
            君らは、いったい、女性にどういう幻想を抱いているの?

            ・・・と思う事はよくあるし。
            (学ばない悲しい男性のサガであろう、きっと(独断偏見))

            まぁ、どんなにか弱い女性のジゼルでも
            (失恋で死んじゃうんだもんね)
            一旦、死ななくなった世界で
            裏切ったオトコが来たら
            まぁ、鞭で叩き殺したくなるわよね。

            しかも叩き殺したら、死んでジゼルの世界に来ちゃう訳だし
            その意味では、ライバルのバチルダにアルブレヒトを渡さなくて良いし。
            いや、でも鞭で叩き殺したら
            死んでウィリーの世界に来て
            そこでジゼルとくっついてハッピーエンド・・・にはならんわな、きっと。

            あ、いかん、妄想の世界に彷徨いこんでしまった (^^;;

            後半の、キュートさを残しながらも
            迷いなく鞭でアルブレヒトを打ち据えるジゼルに
            ちょっと悶えたヘンな私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            英語解説付きのクリップ見つけたので貼っておきます。




            Rosas danst Rosas (映画)

            0
              mumok - Museum für moderne Kunst 2017年8月8日 20時〜21時

              【IPT-KINO】Thierry D Mey (Rosas)
              Rosas danst Rosas (1997)
              演出 Thierry De Mey
              振付 Anna Teresa De Keersmaeker
              ダンス Cynthia Loemij, Sarah Ludi, Anne Mousselet, Samantha Van Wissen
              音楽 Theiry De Mey, Peter Vermeersch

              残念ながらこれは実演ではなく映画。

              ローザスのこの演目は
              実は2009年7月28日に鑑賞するチャンスがあったし
              今年10月にもウィーンで上演される。
              (現時点でチケットは取ってあるけれど
               ちょっと仕事で行けないかも・・・)

              公演そのものは2時間近いが
              この映画は約1時間。

              会場として使われているのが
              ルーヴェンにあるアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデの工業大学の建物。
              この撮影の後、完全に改築してしまったので
              オリジナルの建物を写した最後のフィルム。

              で、この建物が実に素晴らしい。

              幾何学的な水平線と垂直線の見事な建築を
              ダンスと見事に融合させて
              この建物だから、このダンス・・・と
              観ている者に圧倒的に迫ってくる。

              この演目については
              2009年7月28日に
              (今では信じられない程)マジメに書いているので
              感想は避けておく。
              (だって当時の方が、ずっと頭良さそうに書いてる。
               だんだん歳とともにボケて行くんだなぁ。それとも手抜きか?(すみません))

              実演とはまた違って
              カメラが建物を写し
              ダンサーの色々なパーツを大写ししたり
              上から撮ったり、ダンサーからダンサーにカメラをスイッチしたり
              時々、めまぐるしい程の動きを見せるのが面白い。

              ダンス、という動きの芸術に加えて
              建物という静の軸と背景があって
              ダンサーという「生物」がいて
              衣装がまたこれ、ダンスの一部になっていて

              ダンスそのものも
              ダンスの動きだけではなくて
              何気ない日常の動きや
              ダンサーの息遣いまで入っていて

              人工的な、呼吸もしない人形のようなダンスと
              ダンスから抜けた「人間」という有機体の動きとが
              ミックスして、時々、ハッとする。

              音楽は・・・まぁ、ミニマム・ミュージックの一種なので
              正直言うと(これは以前にも書いたけれど)
              麻薬みたいに心地良くて
              単調なリズムに釣られて、ついつい眠気が・・・(汗)

              最後のシーンまでは入っていないけれど
              30分強の、かなり大部が Youtube に上がっていたので
              貼っておく。
              (最初の建物の圧倒感だけでもどうぞ。
               30分以上観るのは、よほど好きでないとお勧めしません)
              ただ、できるだけ Youtube に移動して
              ぜひ、全画面表示でご覧下さいませ。



              しかし、いつも思うんだけど
              ケースマイケルって女性のダンサーの動きが巧い。
              10月の公演が楽しみだ。

              近代美術館の地下に
              こんな「映画鑑賞のルーム」があるとは知らなかった私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              Dada Masilo/The Dance Factory "Swan Lake" 2回目

              0
                Volkstheater 2017年8月7日 21時〜22時15分

                Dada Masilo / The Dance Factory (South Africa)
                Swan Lake

                振付 Dada Masilo
                カンパニー The Dance Factory
                ダンサー Nadine Buys, Zandile Constable, Nicola Haskins,
                Dada Masilo, Ipeleng Marafe, Khaya Ndlovu, Thabani Ntuli,
                Henk Opperman, Steven Thibedi, Thami Tshabalala, Llewellyn Mnguni,
                Tshepo Zasekhayo
                照明デザイン Suzette Le Sueur
                音楽 Pjotr Ilijitsch Tschaikowski, Steve Reich, Rene Avenant
                Camille Saint-Saëns, Arvo Pärt
                衣装デザイン Dada Masilo, Suzette Le Sueur

                ツィッターでフォローしている皆さまはご存知の通り
                実はこの公演2回の間に、一度だけ
                郊外でのオペレッタ鑑賞が入る予定だったのだが

                大雨にて中止(涙)

                しかもウィーン出発前にわかっていたらまだしも
                バスで1時間半、会場まで行って
                会場到着してからも大雨の中、上演するのかしないのか
                ずっと雨の中で(強調!)待っていて

                開演15分前に中止のアナウンスがあって
                またウィーンに戻って来たという状態。

                大雨だったのに本気で上演準備を始めていて
                (最初の50分上演した後のキャンセルは払い戻しなし)
                オーケストラ・メンバーは入っていくし
                楽屋では歌手がメイク・アップしてるし

                オープン・エアなので客席には水が溜まっているだろうし
                私はサイクリング用の、ごっつい雨合羽だったのだが
                前の人が傘さしてたら、絶対に舞台見えないだろうし
                第一、雨合羽って頭全部を覆うので、耳が聴こえない。

                念の為ですが、有名なメルビッシュのオペレッタではございません。
                今週末にも上演があるので
                (ううう、残念ながら行けない・・・)
                ウィーン在住の方でご興味ある方は こちら
                ただし、今週末の公演はバスのトランスファーはないので
                マイカーで行く以外に方法はないが。
                (ちなみに来年の演目は「小鳥売り」だそうです)

                というワケで
                ヘンなコンテンポラリー・ダンスのど真ん中に
                レハールのメリー・ウィドウの記録が入る予定だったのが
                ダメになりました(涙)

                ヘンなコンテンポラリーの中でも
                まずは最も「マトモ」な方の
                ダダ・マシロの Swan Lake

                すみませんね、何回も同じ演目を見に行く悪い癖がありまして f^_^;)

                でも、この演目、見れば見るほど面白いし深い。

                コメディ的なんだけど
                白鳥たちがエネルギッシュで魅力的な事と言ったら

                いやそりゃ、ちゃんと最初の方の
                コメント付きの部分では

                白鳥たちは「誰も私と結婚してくれる人はいない」と
                悲しそうな顔をして
                ・・・と、みんな、悲しそうな顔をしているけれど

                で、オデットが登場して
                あぁ、悲しいわ、悲しいわ、パタッ
                ・・・というのが、何回観ても、爆笑してしまう。
                (クラシックな動きを、ものすごい速度でやるんです)

                ジークフリート登場の後、ジークフリートに求愛する
                オデットの6分くらいのソロが
                (オリジナル曲のパ・ドゥ・ドゥの音楽を使っている)
                圧倒的で、キュートで、いじらしくて
                このソロ、本当に凄い。何回観ても凄い。

                確かにモダン・ダンスではあるのだが
                ダダ・マシロという天才は
                クラシックまで完璧に手の内にして
                アフリカン・ダンスと
                自分のダンサーとしての個性を徹底的に振付で活かす。

                あぁ、もう、胸キュンです (。-_-。)

                正直なところ
                ウィーン国立バレエ団の監督あたりは
                こういうダンサーとダンスはお嫌いだろうけど(爆笑)

                ジークフリートは
                多少の悩みはあるにせよ
                徹底的にアホで
                世間体に踊らされて
                結局オディール(♂)からもオデット(♀)からも
                振られてしまうのだが

                パーティ・シーンで
                定石通り、オデットとジークフリートを
                くっ付かせようというロットバルトたちの間に
                オディールが乱入して
                オデットとオディールが大喧嘩するシーンの迫力も凄い。

                心破れたオディールのソロ
                裏切られたオデットのソロ
                それぞれにパロディっぽくは扱われていても悲しみが伝わってくる。

                で、最後のシーンで、とうとう涙腺崩壊。

                夜のシーンで
                下半身のみ長いスカートを纏ったダンサーたちの群舞だが

                衣装から連想するのは
                あのイジー・キリアーンの名作ベラ・フィグーラのシーン。

                ルネサンス風の音楽にのせて
                夜に星が出ているような照明の中で
                ダンサーが一人倒れ、二人目が倒れ
                最後に残ったオデットとオディールが抱き合って
                二人とも倒れてラストになる。

                愛は勝つ・・・とかいう単純なメッセージではないと思うが
                どう解釈するかは観客に委ねられるのだろう。

                ただ、このシーンの美しさは言葉に出来ない。
                クラシックを取り入れたモダンの
                比較的地味な動きだが
                その前が派手で大きな動きが多かったので
                ますますこのシーンの静謐さが強調される。

                う〜ん、色々な感情を呼び起こすなぁ、このプロダクション。
                きゃ〜、キュート、とか喚いているだけでは済まない。
                (でも、ダダ・マシロのキュートさと言ったら・・・ううう)

                来週のジゼルがますます楽しみになって来ている私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                正しいクラオタはこの時期は
                ザルツブルクに出没していると思うのだが
                正しいクラオタになるのには
                ちょっと貧乏過ぎるのでお許し下さい。

                Dada Masilo/The Dance Factory "Swan Lake" 1回目

                0
                  Volkstheater 2017年8月5日 21時〜22時15分

                  Dada Masilo / The Dance Factory (South Africa)
                  Swan Lake

                  振付 Dada Masilo
                  カンパニー The Dance Factory
                  ダンサー Nadine Buys, Zandile Constable, Nicola Haskins,
                  Dada Masilo, Ipeleng Marafe, Khaya Ndlovu, Thabani Ntuli,
                  Henk Opperman, Steven Thibedi, Thami Tshabalala, Llewellyn Mnguni,
                  Tshepo Zasekhayo
                  照明デザイン Suzette Le Sueur
                  音楽 Pjotr Ilijitsch Tschaikowski, Steve Reich, Rene Avenant
                  Camille Saint-Saëns, Arvo Pärt
                  衣装デザイン Dada Masilo, Suzette Le Sueur

                  2014年7月22日と25日に観に行った
                  ダダ・マシロと南アフリカのダンス・カンパニーの
                  白鳥の湖。

                  いや、これ、2014年にも絶賛しまくってるし
                  その前の2013年にダダ・マシロが Im Puls Tanz でデビューした時も
                  褒めまくっている。

                  今回の Im Puls Tanz には「クラシック」とか但し書きがあるけれど
                  クラシックではあるのだが
                  南アフリカのダンスまで取り入れて
                  パロディ・・・と言うより
                  (プログラムによれば)クラシックの「白鳥の湖」への
                  コメント、と書いてあったが

                  確かに前半は
                  サンディ・テレグラフに掲載された
                  初めてバレエを観た人の正直な感想から始まっている。
                  (これがまた、やたらめったら面白い。
                   2014年7月25日に訳してある)

                  男女取り混ぜた白鳥たちが
                  クラシックのボードブラを美しく踊るのは見事だし
                  そこに入ってくるプリマ・バレリーナのダダ・マシロって
                  初めてウィーンで観たのは2013年で
                  それから4年経ってるのに
                  全然変わってなくてビックリする。

                  小柄ですごいバネがあって
                  動きが素早くて

                  マシロがオデット踊ると

                  ぷぷぷ

                  何と言うキュートさ ♡
                  また表情が豊かで
                  いじらしいキャピキャピしたオデットの魅力は
                  クラシック・バレエのオデットより魅力的かも・・・

                  しかしこのダンサーたち
                  約60分のパーフォーマンスの間
                  ほとんど激しく踊りっぱなし。

                  しかもダンスの激しさが尋常ではない。
                  クラシックのダンサーだって音(ね)を上げるだろう、きっと
                  ・・・と思わせる位の激しいダンスの連続。

                  オデットがジークフリートに求愛するところのダンスは
                  もうチャーミングの一言。

                  ジークフリートはその前に
                  オディール(♂)に惚れているので
                  キュートにパタパタ踊っているオデットには見向きもしないのだが(爆笑)

                  ジークフリートとオディール(両方♂)のパ・ド・ドゥは
                  腐女子なら泣いて喜ぶシーン(すみません)
                  男性ダンサー2人って、本当に迫力あるなぁ。
                  しかもそこに漂う禁断の愛の妖しさ(うはははは)

                  Im Puls Tanz のパーフォーマンスは
                  ともかくほとんどが過激過ぎて
                  ちょっと日本じゃ無理、というものばかりだが

                  このダダ・マシロのダンス・カンパニー
                  多少、腐女子のウハウハ・シーンはあっても
                  日本でもウケそうなんだけどなぁ。

                  だって、これ
                  アフリカン・ダンスの要素も入ってるけど
                  (それがまたリズミカルで面白いんですよ)
                  粉う方なきクラシックだもん。

                  今回、このカンパニーは
                  白鳥の湖だけではなくて
                  何と、ジゼルも上演するので
                  すごく楽しみ (^ ^)

                  もちろん、白鳥の湖ももう一度、観に行く予定。

                  ついでだが、今回の上演を逃した方
                  (チケットは完売である)
                  サンクト・ペルテン祝祭劇場でも上演があるので
                  お見逃しなく(←回し者ではございません)

                  6分弱でちょっと長いのだが
                  ダダ・マシロが英語で(字幕はイタリア語なのでさっぱりわからんが(笑))
                  作品についてのコメントを話しているクリップがあったので
                  貼っておく。
                  いやぁ、ダダ・マシロ、可愛いです ♡



                  上記のビデオ・クリップで
                  最後に流されるのは
                  この上なく美しい最終シーン。

                  この後の拍手では
                  観客全員スタンディング・オベーションで
                  もちろん、最後列(貧民席)でも立ち上がって拍手していた私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  Peter Pleyer / The Ponderosa Trilogy

                  0
                    mumok 2017年8月2日 19時〜20時15分

                    Peter Pleyer
                    The Ponderosa Trilogy

                    たまたま夕方が空いていて
                    しかも19時から1時間のパーフォーマンスで
                    久し振りの MUMOK = Museum der Moderne Kunst 近代美術館だし
                    ・・・とチケットを買ってからサイトを見たら

                    ヘンなオヤジが編み物のマスクを被っていたので
                    ひええええっ、またヘンなモノを買ってしまったか、と
                    一瞬、後悔したのだが

                    これ、意外に面白かったです(笑)

                    近代美術館の地下にあるアーティスト・アトリエに入ると
                    青い編み物を顔に被ったむくつけきオヤジが
                    ずっとローラー・スケートで会場中を走っていて



                    (Im Puls Tanz のウエブから拝借 (c) Michiel Keuper)

                    前に置いてあるビデオのスクリーンには
                    大写しで男性のナニが動いているビデオが写っているが
                    現代芸術で、ナニの大写しをされていても
                    もう驚かないカルチャーばばあになってるワタシは平気。

                    で、このオヤジ、ローラースケートを脱いで
                    流暢で実に美しい英語で話し出すのだが
                    友人のダンサー(同性愛)が自殺したとか
                    知り合いのダンサー(同性愛)が悩んでダメになったとか

                    まぁ、同性愛はアーティストには多いし
                    ついでに何故か私の周囲にも結構居るし
                    別にだから、と言う思いはあるのだけれど
                    (基本的に私は誰が何やっていても無関心)
                    レインボー・パレードなんかもそうなんだけど
                    昨今、男性の同性愛者は、かなり声高に
                    自分を主張して認めさせよう、という行動が多いな。

                    男性の同性愛も多いけれど
                    女性も結構居るのだが
                    比較的女性は穏やかというか、あまり主張しない感じがする。

                    まぁ、それはともかくとして
                    その友人のダンサーの自殺に対して
                    怒りのダンスを踊ります、と

                    編み物マスクを取ったら
                    別にヘンな顔でもなくて、ただの普通のオヤジである。
                    (上記の写真で如何にも怪しげだが
                     本当に本当に、普通の、しかも結構、イイ男の素敵なお顔 ♡)

                    真っ裸になって服を変えて
                    バッハの曲で踊りながら
                    流暢な英語で色々とお喋りしつつ

                    腹は多少出ていて
                    (で、腹の出てる男性は基本的に私は非常に好き(笑))
                    動きも派手なアクロバットはなくて
                    細かい動きが多いんだけど

                    あらこのダンサー、基礎はしっかり入ってるじゃないの。
                    ただのシロウトの変態オヤジというのではなさそう(こらこら)
                    バランスも良いし、動きも音楽と同調して
                    空間もしっかり使っている。

                    洋服を替える際も
                    他のダンサーがイギリスで警察官に声をかけられ
                    警察官がカッコよかったので喜んだら
                    着ている Tシャツがエロ過ぎるというので逮捕されてしまった話とか
                    このTシャツはどこそこで買ってレアものだとか
                    次から次にエピソードが語られる。

                    観客の中から何人か呼んで(クラスの学生たちであろう)
                    編み物マスクを被らせて舞台に置いたり

                    途中で
                    「観客の方にヘルプをお願いします。
                     誰かハダカになって下さる方」

                    ちゃんと居るんですよこれが。
                    (たぶん、クラスの中で話は付いているのだろうが)
                    若い女性ダンサーが前に出て来て
                    一糸まとわぬハダカになって床に横たわり

                    他のクラスメイト(だろうきっと)の
                    編み物のマスクを被ったダンサーが
                    ペ◯ス・ツリーを持って来て
                    (枝にたくさん、ナニの編みぐるみがぶら下がっている(笑))
                    横たわった女体の上に翳し

                    その間、例の男性のナニの大写しビデオには
                    スカーフをかけて見えなくして(笑)

                    ヘンなオヤジの主役ダンサーも
                    何故か一糸まとわぬハダカになり

                    普通だったら、あらここで何か良からぬ事が・・・と
                    期待 驚愕するところなのだが
                    もちろん、みなさん同性愛なので何も起こらず

                    女体の足を持ち上げて、三角のスポンジを下に入れたり
                    大きな風船で中に砂利が入っているのか
                    転がすと音のする物体を
                    女体の上で転がしたり

                    う〜ん (・・;)

                    正直な告白をしてしまえば
                    これはパーフォーマーがホ◯なので冷静に出来るのかもしれないが
                    ワタシは◯◯なので(註 レ◯ではありません)
                    ちょっとこのシーン、マジにヤバかった。

                    私のような邪な考えに至った若いメンバーも
                    絶対に何人かいるぞ(断言)
                    ・・・もちろん、そんな事は噯にも出さないですが(大人だから(笑))

                    エロちっくにならず
                    どちらかと言えば、アホらしいというか
                    実にバカバカしい事を
                    真剣にマジメな顔してやってるところに
                    ユーモアとペーソスが漂うんだけどね。

                    あと、このオヤジが横たわって
                    そこに編み物のマスクのダンサー3人が身体を押さえて
                    オヤジが、下手くそな「野ばら」を歌うというシーンもあった。
                    ワケわからん。
                    この人、ドイツで暮らしている筈なんだけど
                    歌詞のドイツ語間違ってるし
                    メロディもちょっと違うが
                    音は基本的に外れていないので、意図的なものなんだろうな、きっと。
                    (好意的解釈)

                    ブダペストの古着屋で買ったという衣装は
                    多分、上半身に纏ったのは女性のスカートではないだろうか。

                    最後は自分の持っているスカーフを
                    会場一杯に吊り下げて披露して
                    スカーフで作ったような薄い上着を羽織って

                    「僕はこれから自分の詩を読み上げます。
                     この詩は、ダンス・パーフォーマンス用の記録庫にあるので
                     誰でも自分のパーフォーマンス用に無料で利用できます。
                     詩を読み終わったら、みなさんの中で何人か出て来ていただき
                     僕の身体を向こうの方に持って行って下さい。
                     パーフォーマンスはそれで終わりにしますが
                     最後に僕の好きな音楽家の作品を聴いて下さい」

                    この詩の内容が
                    自分が何かした後に、それを写真家が撮って、というのが
                    時空を越えて
                    未来に火星の上で云々の話で
                    (すみません、全部流暢な英語だったので
                     今ひとつ理解できない部分もかなりあったんです(←英語苦手))

                    最後の方になったら
                    やっぱりクラスの生徒たちが
                    何人か出てきて
                    オヤジ、いや先生を持ち上げて会場の後ろに移動させて終わり。

                    いやでも、このパーフォーマンス
                    パーフォーマーがオヤジのせいか
                    時々、神聖な宗教っぽい雰囲気まで漂わせて
                    声高で暴力的な主張もなく
                    落ち着いた雰囲気で

                    パーフォーマーのオヤジのファッション・センスも
                    何と言うか、すごく女の子で(笑)
                    英語を話す声が、とても可愛いハイバリトンの美声で
                    (それかい、私が参ったのは(←声に弱いんです))
                    笑顔がチャーミング。

                    オヤジ、オヤジ、と連呼してしまったが
                    この人、ドイツではあちこちの大学でも教鞭を取っているらしい。

                    私の英語理解能力がもう少しあれば
                    もっと面白かったんだろうなぁ、と思うと
                    自分の能力不足が残念だが(勉強しなさいっ!)

                    ウィーンは猛暑。
                    パーフォーマンス終了後も32℃もあって
                    金曜日にかけて、40℃近くになろうか、と言う予想。

                    冬はむちゃ寒いけれど
                    自宅が(冷房なしで)涼しくて
                    本当に良かった・・・と
                    幸運にむせび泣いている(何の事?)私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    ヴィム・ヴァンディケイビス/ウルティマ・ヴェズ

                    0
                      Volkstheater 2017年8月1日 21時15分〜23時30分

                      Wim Vandekeybus / Ultima Vez
                      Mockumentary of a Contemporary Saviour

                      演出・振付 Wim Vandekeybus
                      パーフォーマンス Anabel Lopez, Maria Kolegova, Yun Liu
                      Saïd Gharbi, Jason Quarles, Flavio D’Andrea, Wouter Bruneel
                      テキスト Bart Meuleman & Ultima Vez
                      舞台 Wim Vandekeybus, Meryem Bayram
                      音楽 Charo Calvo

                      ヴィム・ヴァンデュケイビスのウルティマ・ヴェス公演
                      2013年・2016年に行って良かったので
                      今回も割に舞台の見える貧民席を買ったのだが
                      (それだって結構高かった(笑))

                      え〜っと、ちょっと、すみません
                      爆発してよろしいでしょうか。
                      (どちらにせよ、爆発はするのだが
                       ちゃんとこう聞くのは日本の形式美に則るものである、えっへん)

                      SF という分野が出来てから
                      名だたる才能ありの SF 作家が
                      手を変え、品を変え、苦労して来た
                      人類終末テーマを扱うには、数十年早いわっ!!!

                      確かにウルティマ・ヴェスのダンサーたちは
                      踊らせたら、むちゃくちゃ踊れるのだが

                      今回のパーフォーマンスは
                      強いて言えば
                      ダンス付きの不条理劇みたいになっていて
                      しかも、書いた通り、SF ちっくな人類終焉テーマである。

                      ストーリーとしては
                      人類が滅亡したところに
                      子供(これは登場しない)によって救われた
                      7名(うち6名がダンサー、遅れて登場する1名はパーフォーマー)が
                      その中で社会を形作っていく・・・のかどうかよくわからんが

                      役割分担あり、各自の歴史を語るところあり
                      神との対話あり、喧嘩あり、自殺未遂あり
                      で、もちろん、しっかりセッ◯スありの2時間。

                      ワケのわからんセリフが多くて
                      ちょっとウンザリ(途中で出て行った観客も数多し)

                      ダンスのシーンはかなり見応えあったし
                      特に小柄な中国人女性のアクロバットは凄かったし
                      この女性、「死ぬ」シーンが何回かあるのだけれど
                      死体の演技がものすごく巧い。
                      (目と口を見開いたまま、瞬きもせずに停止してる)

                      嫌がる男女を羽交締めにしてくっ付けたり
                      (嫌がって悲鳴をあげているのを無理やり組み合わせる)
                      くっ付けたら、今度は離そうとしても離れず
                      無理やり離すとまたくっ付いたり(笑)

                      まぁ、ちょっとユーモアっぽいものも
                      垣間見えたけれど
                      テーマがテーマでシリアスだしな・・・

                      上から降りて来た、大きな傘みたいなものが
                      斜めになって
                      その後ろでのシャドー・ダンスは面白かった。

                      後から加わるパーフォーマーだが
                      太ったおじさんなんだけど
                      5メートルくらい上から、背中を向けて舞台に落ちて来たのには驚愕。
                      あれ、普通の人なら大怪我じゃ済まないだろうに
                      何か秘訣でもあるんだろうか?(未だにわからん)

                      一体、この人類終焉後の7人のドタバタに
                      どう収容を付けるのかと思ったら

                      上からの大きな傘の上に子供がいて(これは人形)
                      その後、ダンサーたちが客席に降りて行って散らばって

                      これが新しい出発だ、とあちこちで喚くって

                      ・・・そりゃないでしょう(絶句)

                      いつものウルティマ・ヴェスのダンスの水準の高さも
                      今回はあまり前面には出て来なくて
                      申し訳ないけれど
                      出来損ないの SF まがいの不条理劇としか言えないわ。

                      ああ、実につまらなかった(ため息)
                      途中にゾロゾロ退場する観客を見ながら
                      最後に何か新鮮なエンドでもあるかと思ったのに(期待し過ぎ)

                      ダンスって言葉に出来ない芸術じゃなかったっけ
                      ・・・と考えると
                      ダンスだけで世界観を訴えてくるパーフォーマンスの方が
                      時々、ワケわからんけれど
                      ダンスとしては正統派だよねぇ、と思ってしまった私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      以前に見た2回の公演が良かっただけに
                      こういう間の抜けた演劇まがいのパーフォーマンスをされると
                      ちょっと期待外れだった・・・というのもある(涙)

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