ケースマイケル(ローザス)ゴルトベルク変奏曲

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    Museumquartier Halle E 2020年8月30日 16時〜18時

    Anne Teresa De Keesmaeker / Rosas, Pavel Kolesnikov
    DIE GOLDBERG VARIATIONEN, BWV 988

    振付・パーフォーマンス Anne Teresa De Keesmaeker
    音楽 Johann Sebastian Bach, Goldberg-Variationen, BVW 988
    ピアノ Pavel Kolesnikov
    音楽構築協力 Alain Franco
    舞台・照明 Minna Tiikkainen
    音響 Alban Moraud
    技術 Marlies Jacques
    衣装コーディネーション Heide Vanderieck
    プロダクション Rosas

    実は本来なら今日は
    グラーフェネックでバスで行って
    アンナ・ネトレプコとユシフ・エイヴァゾフが
    ウィーン交響楽団を伴奏にして歌うコンサートに行っているはずだった。

    しかし、その後、ウィーン芸術週間から入って来たメールに
    ケースマイケルの新作品の世界初演!!!!!!!

    水曜日の初演日のチケットは既に売り切れで
    どうしようか、散々迷った末に
    まだシングル・チケット(安チケットではない!)があった
    本日、日曜日の最終公演のチケットを確保。

    ネトレプコとエイヴァゾフのグラーフェネックのコンサートは
    もちろん売切れだったので
    私が返したチケットで、うおおお、ラッキーと喜んだ人がいるはず。
    お互いにハッピーだ、良かった、良かった(笑)

    アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルは
    今年の6月に60歳の誕生日を迎えた。
    その意味では記念碑的な作品だろう。

    バッハの音楽は以前の作品にも使っていたが
    プログラムにも記載されている通り
    今回の作品で驚くのは
    ケースマイケルが、自分自身で踊るソロ作品を作った事。

    しかも、ゴルトベルク変奏曲で
    途中の短い休憩(観客は座ったまま)を入れても
    2時間の長丁場である。

    すごい体力・・・・とか言うのはさておき

    舞台は暗い。
    下手(しもて)に置かれた YAMAHA のピアノに
    白いシャツのピアニストが座り
    ケースマイケルは黒の衣装で
    まず無音で踊り始める。

    ケースマイケルらしい動きのコンビネーションが提示された後
    音楽が入ってくると

    何これ???
    急に全体の色が変わるというか
    音楽って、ちょっと何、こんなに感情を揺り動かす力があった?

    全体が息づいて
    動きに意味と感情が加わって
    なんか、すごく驚くんですが・・・

    とは言え、最初の黒いドレスの時のダンスは
    別に目新しい動きでもなく
    (ローザスかなり見てるから)
    ああ、このダンサー、本当にダンスが言語なんだなぁ
    ダンスで世界とのコミュニケーションをしているんだなぁ
    とは感じるものの

    あまりに個人的な要素が多い感じがして
    だから何?と、割りに斜に見ていたのである(すみません)

    こういうモダン・ダンスに来る人って
    こういう動き(しかもソロ)を
    ずっと楽しんで観ていられるんだろうか・・・とか
    ちょっと退屈かも、とは思いつつ
    バッハの音楽の力も加わって
    ああ、世界とのダンスによるコミュニケーションが出来る人って
    すごい才能だわ、と他人事のように観ていた。

    後ろにある金属のロールを前に転がして
    その後、衣装替えの短い休憩。

    今度は白いパンタロンで登場したダンサー。
    パンタロン? 50年代のノスタルジーかしら。

    パンタロンの後、舞台に立ったまま
    だんだん舞台が暗くなり
    ピアニストも真の闇の中で演奏していて
    (いやはや、確かにピアノの鍵盤を見ずに
     プロのピアニストって演奏できるんだわ)

    舞台に照明が戻って来たら
    ケースマイケルが、真っ赤な衣装になってる!!!

    激しい音楽と共に
    終盤で繰り広げられる激しいシェネの連続。
    この若々しさって、いったい、どこから来るの?
    若い頃のダンスの回顧なんだろうか。
    そうなんだろうな、きっと。

    という事は
    最初の黒ドレスの「現在」から
    パンタロンの過去、赤いドレスのもっと過去まで
    自分史を遡ったわけ?
    (あくまでも私の個人的印象です)

    激しいダンスの後
    衣装を半分脱いで、向こう側を向いて立ち尽くすダンサー。

    再度、衣装を上げて
    最後に、最初の黒ドレスで無音で提示したエレメント。

    ・・・すみません、ここで、私、涙腺がぶっ壊れました。

    自分史が、見事に世界の普遍になった瞬間を体験してしまった。
    このエネルギーの凄まじさ。
    芸術が持つ、人を感動させる力って、これ?

    ちょっともう、音楽とダンスと一緒くたになって
    涙が止まらないし
    マスク(公演中でも私は外しません、コワイから)に
    どんどん垂れてくるし
    マスクの中は鼻水で(汚くてごめんなさい)グシャグシャだし。

    終わった途端に、マスクを一瞬外して
    ティッシュで鼻をかんだけれど
    それでも涙が次から次に出て来て
    顔面崩壊してしまい
    拍手どころの騒ぎではない個人的にパニック 💦

    だめだ、何だこれ。
    私が見たのは、あくまでも振付師とダンサーとしての
    ケースマイケルの自分語りだったはずなのに
    いつの間に、こんなに自分の事とシンクロしちゃってるわけ?
    (ワタクシはそんな才能もないし、平凡でつまらん人生を送ってるけど)

    芸術の持つ力の凄まじさは世界を変える(とマジに思った)
    同じ世代の(私の方がちょっと歳上だけど)共感もあったかも。

    本日が最終公演になるわけだが
    ケースマイケルが、最後に
    「こんな状況になってしまったけれど
     この公演が出来て嬉しい。
     そして、皆さんに来て頂けて嬉しい」
    という短いスピーチをしたが

    コロナ騒ぎで先の見えない真っ最中に
    60歳の誕生日を迎えた芸術家が
    その時期を、自省と自分と芸術を振り返って
    乗り越えようとした事で

    こんな凄まじい作品が出来てしまった事に
    顔面崩壊を経験した観客の1人として
    本当に心から感謝する。

    だいたい、ワタクシはクールである(自分で言うか?)
    クールというより、どちらかと言えば
    感受性欠乏症と言うのが正しいのだが
    そういう、感受性が限りなくゼロに近くて
    ほとんど「感動」なるものをしない
    このガンコなババアをもって
    涙ドバドバ、鼻水ドバドバの状態にさせたケースマイケルの凄さ。

    ネトレプコを止めて
    この公演に行って、本当に良かった。

    感受性ゼロに近くても
    芸術にとんでもなく感動する事もある、と
    何だか、自分で自分が嬉しくなった
    アホな私に
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    なお、一時、涙もろくて感動ばっかりしていた
    更年期というのもあったと思うんだけど
    (仕事してたし、更年期の症状なんてほとんどなかったが)
    既に、その時期は過ぎているので
    今回の涙ドバドバは更年期のせいではございません。

    DV8フィジカル・シアター Enter Achilles (Recreation 2020)

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      Festspielhaus St. Pölten 2020年2月14日 19時30分〜21時5分

      Ballett Rambert & Sadler’s Wells presents
      ENTER ACHILLES
      A work by Lloyd Newson (DV8 Physical Theatre)

      コンセプト・演出 Lloyd Newson (DV8 Physical Theatre)
      振付 Lloyd Newson mit Ensemble (früherer & aktueller Cast)
      舞台 Ian MacNeil
      音楽 Adrian Johnston
      照明デザイン Jack Thompson
      クリエイティブ・アソシエート Hannes Langolf

      ダンサー(Ballett Rambert)
      Richard Cilli, Tom Davis Dunn, Nelson Earl, Miguel Fiol Duran,
      Ian Garside, Eddie Hookham, Scott Jennings, Georgios Kotsifakis,
      Jag Popham, John Ross

      うおおおおおおおお、とプログラム見た時に唸ったのだが
      2014年に観て、マジにハマってしまい
      The cost of Living のDVDとか英国から取り寄せたりした
      DV8 Physical Theatre の1995年の作品
      (ウィーン芸術週間で初演)
      Enter Achilles のリニューアル版を
      サンクト・ペルテン州立劇場で上演するなんて

      サンクト・ペルテンって素敵!!!!

      田舎町と侮ってはいけない。

      サンクト・ペルテン祝祭劇場の芸術監督が
      1995年のウィーン芸術週間の初演の時にかかわったそうで
      その繋がりで、今回の再演が実現したとの事。

      今回はウィーンからのシャトル・バスを利用したのだが
      シャトル・バス主催のツアー会社の担当者が
      素晴らしい作品だ、と最初から最後まで絶賛していたが

      これ、素晴らしい作品、というよりは
      かなり危険な問題作である。

      以前の JOHN もそうだったんだけど
      ロイド・ニューソンの作品は
      タブーというものを平気で乗り越えてしまい
      カンパニーの名前が示す通り
      ダンスと演劇の融合を目指していて
      タブー真っ只中の際どい作品を作るので

      今回も15歳未満入場禁止の表示が出ていたが
      確かに、これは精神的にかなり強くないとキツい演目。

      物理的に人間の動きの可能性を徹底的に追求したという意味で
      ダンスとして、あるいは、動きとしては
      すごい・・・と驚いてしまうのだが

      内容に目を向けた場合に
      この作品が好き、と言ってしまったら
      かなり妖しげで危険の香り漂う世界に足を踏み入れている事を
      自分で認めなければ行けなくなってしまうので
      能天気に「あらスゴイ」とかニコニコしていられない。

      この Enter Achilles は
      オリジナル・バージョンの一部がようつべにも上がっているが
      英国のワーキング・クラスの男性の
      アルコールと暴力とセッ○スの実態(と思われるもの)を
      徹底的に、あからさまに取り上げたものなので

      むちゃくちゃマッチョで
      男性的で
      しかも、ワイルドに男性的で
      という事は暴力も凄くて

      教育程度の高い文化生活の中で
      カルチャー化された、紳士たちとは対極にある
      生々しい男っぽさが
      あまりに生々しいんだけど
      とんでもない身体能力と
      皮肉なユーモアを持って
      余すところなく舞台で表現される。

      18時30分からのプレトークでは
      このカンパニーに1995年からかかわった芸術監督がマイクを持ち
      カンパニー全員が最後のチェックで非常に忙しいので
      誰もゲストとして来ない、という話だったのだが

      途中で現れましたよ
      ナマのロイド・ニューソンが!!!!!(ビックリ)

      この人、実は私と同じ歳なんだけど
      現役のダンサーで振付師なので
      ううう、くそ・・・

      私だって若く見えると自負しているが
      初めて、負けた・・・と思った。

      スタイル良いし、身のこなしにスキがないし
      それでも、ご本人曰く
      60歳を過ぎると派手な動きはできない、らしいが
      いやいやいや、むちゃくちゃ魅力的です。

      で、この1時間半ほどの作品だけど
      何をどう書いて良いか
      さっぱりわからん。

      ロイド・ニューソンのプレトークで
      ダンサーは演技が出来る人でないとダメなので
      600人くらいオーディションに来るが
      使えるのは、そのなかの20人くらい、と言っていて

      「だって、ダンサーって、どんな動きも
       ダンスになっちゃう人が多いでしょ?
       それは日常生活の中では不自然なんですよね」

      って、ほんのちょっとした動きを
      ダンサー・バージョンと
      日常生活バージョンで見せてくれたのだが
      う〜ん、確かに、確かに、確かにそうだ。

      私のようなド・シロートがバレエ行ったり
      ダンス行ったりする時には
      日常とはかけ離れた空間(舞台)の中で
      日常とは違った身体の動き(バレエなんかまさにそう)を
      観に行くわけだが

      このDV8フィジカル・シアターの動きは
      日常生活の動きなのである。
      だけど、ダンスなのである。
      しかも、すごいダンスなのである。

      どうやったら、どこでそんなバランスが取れて
      そんなに不思議な絡みが出来て
      しかも、人形を使うシーンがあるんだけど
      どうやって、そんなに人形を生きているように見せられるのか
      人間技とは思えない動きが次から次に出て来て

      ただ、その人間技ではない動きの一つ一つが
      日常から全く剥離する事なく
      アーティスティックに洗練された動きになっているのは奇跡に近い。

      安易な表現で勘弁してもらうのであれば
      DV8フィジカル・シアターの公演は
      ある意味「麻薬」みたいなもので

      この暴力沙汰とか
      マッチョなワーキング・クラスのワイルドさとか
      遠慮のないセッ○ス表現とか

      もちろん、男性同士の中の陰湿な虐めや
      救いのない疎外や
      まともな教育を受けていないクラスの
      本能的な野蛮さとか

      昨今ではタブーになっている様々な要素が
      これでもか、と舞台で繰り広げられるのに

      どうしても目が離せないし
      何回も観たくなるし
      非常に複雑怪奇な
      理性で表現できないような
      自分の野生の本能に直接触れてくるような感じがする。

      ・・・あ〜、もしかしたら、ワタシってオトコだったの(違!)

      まぁ、私自身は生物学的に♀だから
      ある程度、離れた安全地帯から
      BLを楽しむような気分で鑑賞していられるのかもしれないが

      この演目、そのテというか
      その傾向のある男性が見たら
      かなりうずくんじゃないだろうか(憶測)

      いったい、はっぱは何を見たんだ?
      何にも内容について書いてないじゃないか、と
      自分でもイライラするんだけど・・・

      スーパーマンが可愛かった。
      縄でのパーフォーマンスもすごかった。
      お人形さん使いは
      何とも共感するわワタシとしては。
      (意味わからないでしょうが、ごめんなさい)

      ようつべに Enter Achilles の映画版のフラグメントはあるけれど
      あれは見ても、全く面白くないので
      ここに貼り付けるとかえって誤解を招きそうなので止める。

      DV8フィジカル・シアターのウエブ・サイトに
      これからのヨーロッパ公演の予定が載っているので (ここ
      もし、行かれるチャンスがあれば是非。

      ただし、あまりの過激さに気分悪くなっても
      当方は一切関知しないので、そのつもりで。
      (たぶん、一部、本当に気分を害する人は居ると思う)

      ブダペストでの4月の公演に行くかどうか
      本気で考えている私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      イースター休みに一時帰国するか考えていたのだが
      今や例の件で、日本に帰ったら、ちょっとヤバそうなので
      帰れないならブダペストですかね・・・ う〜ん・・・

      カンパニー・カフィグ ヴァーティカル

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        Festspielhaus St. Pölten 2019年10月20日 16時〜17時20分

        Mourad Merzouki. Compagnie Kâfig
        Vertikal

        芸術監督・振付 Mourad Merzouki
        音楽 Armand Amar
        シーン作成 Fabrice Guillot / Cie Retouramont
        舞台 Benjamin Lebreton
        衣装 Pascale Robin
        照明 Yoann Tivoli
        ダンサー Francisca Alvarez, Rémi Autechaud, Kader Belmoktar,
        Sabri Colin, Nathalie Fanquette, Pauline Journé, Vincent Lafif,
        Maud Payen, Manon Payet, Teddy Verardo

        去年の、このカンパニー・カフィグの公演
        ピクセルがあまりに印象深かった。
        (忘れた方は こちら をどうぞ。クリップ貼ってあります)

        今回の新作にも期待して行って
        期待は確かに裏切られなくて
        隣の常連のおばちゃまは
        「私が今まで観た中でも最高!!!」と興奮して
        小さな身体に似合わぬ大声でブラボーしていたが

        どこのカンパニーも
        予算縮小で苦労してるんですね

        ・・・と考えてしまう私は
        やはり経済観念が先に立つ
        悲しい旧サラリーウーマン(笑)

        もっとも、全く予算がない、という訳ではなくて
        舞台装置もかなり凝っていたし
        上からのピアノ線をあれだけ使うのには
        費用もかなりかかっただろう。

        今回の演目のタイトルはバーティカル。
        でも、バーティカルというよりは
        ホリゾンタルも多いにありだよねぇ。

        ダンサー10名が
        舞台装置とピアノ線で
        重力を感じさせない不思議なダンスを踊る。

        ストーリーがあるわけではないけれど
        鍛えられた身体が
        舞台の床から浮き上がり
        アクロバット的なリフトを見せるかと思うと
        数人のダンサーが
        ピアノ線で宙吊りになって
        床から浮き上がり
        舞台上の石?の壁によじ登ったり
        パートナーと絡んだり。

        途中に男女のデュエットが数カ所あって
        これ、後ろに影を作ったり
        さりげなくシャドー・ダンサーを後ろに据えたり
        このデュエットの美しい事と言ったら
        まさに息を飲むって、これだよ。
        (隣から「美しい・・・」という小声の絶賛が・・・)

        たっぷり4分のオフィシャル・クリップを見つけたので
        貼っておく。



        音楽がまたダンスにものすごく合っていて
        神経に触らず
        しかも、ちゃんと感情には触れて来て
        まぁ、本当に素晴らしいプロダクション。

        クリップに出てくる舞台の上の「石」みたいなものが
        どういう仕掛けなのか、狭い1つの石に
        ダンサー10人が入っちゃうんですよ(笑)
        出たり入ったり、石同士がくっついたり離れたり。
        (離れるのはロープでやってるけれど
         誰も押していないように見えるのにくっつくのは何故だ・・・)

        一種のアクロバット・ダンスに見えない事もないけれど
        それ以上の美的な感覚が先に立って
        身体を使った芸術作品になっているのは見事。

        こういう作品を見ていると
        人間の文化の歴史というのは
        肉体という限界のあるものに縛られた人間が
        そこから、如何にして逸脱していくか、の歴史なんだなぁ、と
        つくづく思う。

        ダンサーは肉体を鍛えて
        完璧に支配下に置く事によって
        肉体の檻からの脱出を試みる。
        振付師は、そこに、道具やビデオ、照明などの
        テクニカルな要素を添えて
        人間の身体にやどる重力を支配下に置いて
        限界のある肉体の限界を打ち破ろうとする。

        あ〜、本当に人間ってすごい(たぶんワタシ以外は・・・汗)
        芸術家ってすごい。
        アーティストってすごい。

        上演時間1時間10分休憩なし、というのを
        プログラムで見た時には
        あっ、だったら急いで帰れば
        楽友協会のライプチヒ・ゲヴァントハウスにも
        間に合ったかも(19時30分開演)・・・と
        一瞬、しまった!と思ったのだが

        帰りの高速道路が意外に混んでいて
        (しかもサンデー・ドライバー満載)
        かなりヒヤヒヤものだったので
        焦って事故とか起こさないように
        チケット買わなくて良かった・・・と
        ちょっと悔し紛れに
        強制的に自分を納得させている私に
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        ウルティマ・ヴェス Go Figure Out Yourself

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          Im Puls Tanz
          Vienna International Dance Festival

          mumok Hofstallung 2019年8月7日 19時〜20時30分

          Wim Vandekeybus / Ultima Vez (BE)
          Go Figure Out Yourself

          演出・振付 Wim Vandekeybus
          ドラマツルギー Aïda Gabriëls
          照明デザイン Davy Deschepper, Wim Vandekeybus
          衣装デザイン Isabelle Lhoas
          シーン Ultima Vez
          ダンサー Sadé Alleyne, Maria Kologova, Hugh Stanier,
          Kit King, Tim Bogaerts

          ウルティマ・ヴェスのダンサーたちは
          とんでもなく踊れるダンサーなのは知っているのだが
          今回のパーフォーマンスは
          私が最も苦手とする

          観客参加型

          ホールには椅子はない。
          (持ち込み用の椅子はあったらしく
           年配の女性数人が持って入って来たが
           壁際に置くしかなく
           そうすると、その前に立っている人の壁が出来て
           結局、何も見られない)

          かなりの人数が会場に入ったあと
          背の高い男性が
          何だかわからないけれど
          英語で哲学的に聞こえる
          詩的で論理や前後の繋がりのない感じのスピーチ。

          あ〜、こういう英語でのスピーチって好きじゃないわ。
          英語圏のショーを見に来ている訳ではなく
          私は、ダンスを見に来ているんだけど・・・

          会場広くて、マイクを付けていてもあまり音響は良くないし
          周囲のおしゃべりなんかもあって、よくわからんのだが
          (自分の英語能力のなさは当然ながら最も大きな理由だけど)
          みんなで会場を移動しましょう・・・とか言われて
          100人以上がゾロゾロ歩いて移動するのも何かなぁ・・・

          ダンサーは男性3名に女性2名。
          背の高い英語で何だかおしゃべりしていた男性が
          まずは踊り出し
          そこに、女性ダンサーが、他のところで踊り出して
          小柄な男性ダンサーのアクロバットみたいな回転技が入って

          その度に、大人数の観客が
          場所を開けたり、あっちに行ったりこっちに行ったり
          油断していると、前の方に出ている観客のギリギリのところに
          すごい勢いで飛んで来たダンサーがぶつかりそうになる。

          すぐそこの足元で
          ダンサーがブレイク・ダンスをしているのを見る、という体験も
          滅多にないのだけれど
          あまり近いと、ダンサーの汗で濡れた床が滑りそうだし
          あまりに近すぎる床で踊っているダンサーって
          ちょっと、その存在がコワイ。

          ライティングが変わったとたん
          ダンサー全員が「獣」と化して
          唸ったり叫んだりしながら会場の床を駆け回り
          転げまわり、ダンサー同士で動物の喧嘩みたいに絡んだり
          ・・・まぁ、これは、ダンサーがすっ飛んで来た時に
          ぶつからないように注意すればそれで良い。

          でも、ダンサーごとの小グループに分かれて
          一人一人の目をじっと覗き込まれて
          ワケのわからん内容の英語を話されても
          どう反応して良いのか、戸惑っちゃうんですが。

          しかも床に座れとか言われても
          私、坐骨神経痛がひどくて・・・(以下省略、結構辛かった)

          その後も、ダンサー1人が高い台に登って
          上から、またもや哲学的・詩的な英語のスピーチをしたり
          (意味不明・・・)
          はい、みんな、前に来て、手を上げて〜・・・って

          こういう、ちいちいぱっぱ、幼稚園の頃から好きじゃないんですワタシ。
          団体行動苦手だし(って関係ないか)

          踊っている時には
          素晴らしい身体能力と、身体の形を見せてくれるので
          ダンスという面では見応えがあるんだけど

          この演目を、何故に「観客参加型」にする必要があったのか
          さっぱりわからん。
          だって、普通に舞台の上で
          英語のスピーチして
          5人のソロと、何人かの絡みで
          普通に踊ったら、それで充分、見応えのある公演になりそうなのに。

          観客参加型で、観客がゾロゾロ動くのもあるけれど
          それに加えて
          ダンサーが観客の手を引いて
          無理やりダンサーと踊らせたり
          ダンサーの踊っている中に立たせたり

          だいたい、こういうパーフォーマンスに来ている観客のうち
          90%くらいは、自分たちもダンサーなので(内輪の集まりみたいなもんだ)
          嬉々として、ダンサーに手を取られて出ていって
          そこで、ダンサー顔負けのダンスしちゃう人もいる(笑)

          かと思うと
          どう見ても、ど素人の初老のオジサンが
          ダンサーの前にただ立っていれば良いのに
          ヘンに身体をクネクネさせて
          踊るダンサーが困惑・・・はしていないが(プロだから)
          踊りにくそうだったのは、ちょっと微笑ましかった。

          でもまぁ、基本的に
          男性ダンサーが、手を取って連れてくるのは
          若くて美人の女性ばかりでしたが(爆笑)

          私の顔をじ〜っと見て、目を合わせながら
          「僕のお母さんは云々」と喋ったダンサー。
          あ〜、良いんですけど
          こんな場所で年齢を意識させられるとは思わなかったわ。

          でも、その後、私の隣の女性に
          「僕のお婆ちゃんは云々」と言ったダンサーも居たし
          (あとで小声で謝っていた、隣だから聞こえちゃった)
          お婆ちゃんと称された隣の女性は
          たぶん、私と同年代か、少し下かもって感じだったので
          「お母さん」に擬えられたという事は
          多少なりとも若く見られたんだろう、と
          自分の小さなプライドを必死で慰めてたりして。
          (自分ながらいじましい・・・)

          あと、あの狭いホールで
          全員で叫ぼうアワーというのがあって
          いやはや、鼓膜が破れるかと思った。
          音響とデシベルを考えて欲しいわ(苦笑)
          ダンス好きでディスコに入り浸っていたりする人なら
          この程度の瞬間的音量は、あまり気にならないのかもしれないが。

          観客参加型で、観客がダンサーであれば
          違う意味で楽しめたのかもしれないが
          ここまでダンサーとの距離が近いと
          私は返って緊張してしまう。

          ダンサーはやっぱり「人間」というよりは
          動く彫刻(すみません)みたいなもので
          観客席とは離れた場所にある
          舞台という、別世界の上で
          触れる事もできない神聖なフィギュアとして
          鑑賞している方が
          程よい縄張り感が明快にあって気楽。

          パーフォーマーと観客の間が遊動的というのが
          ヴィム・ヴァンデケイビュスの目指すところだったのだろうし
          その目的はある程度は果たされてはいるものの

          観客参加型パーフォーマンスなんて
          今さら、目新しいものではないし
          あれだけ踊れてしまうダンサーが
          圧倒的なダンスやソロを披露している時に
          観客がパーフォーマンスの一部って、かえって邪魔くさい。

          しかしまぁ、相変わらずベルギーのコンテンポラリーってスゴイわ。
          ネザーランドも負けてないけれど
          あの地域のコンテンポラリー・ダンスの優位性って
          いったい、どこから出てくるんだろう。

          約1時間半くらいの
          観客巻き込み型パーフォーマンスで
          この1時間半に、21ユーロ(年配割引適用)の価値があったか、と
          考えると微妙ではあるのだが
          イム・プルス・タンツの最後のパーフォーマンスだし
          ダンスとしては見応え充分だったので
          ま、良いか、という気分の私に
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          リクイッド・ロフト スタンド・アローン(ポリフォニー)

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            Im Puls Tanz
            Vienna International Dance Festival

            Leopoldsmuseum 2019年8月1日 21時〜22時30分
            Liquid Loft
            STAND-ALONES [polyphony]

            ダンス・振付
            Luke Baio, Stephanie Cumming, Dong Uk Kim,
            Katharina Meves, Dante Murillo, Anna Maria Nowak,
            Arttu Palmio, Hannah Timbrell
            芸術監督・振付 Chris Haring
            音楽・サウンド Thomas Jelinek
            理論・テキスト Stefan Grissemann

            オーストリアのコレオグラーフ、クリス・ハーリング率いる
            リクイッド・ロフトは
            コンテンポラリーだから当たり外れはあるけれど
            比較的面白い作品が多い。

            今回の会場はエゴン・シーレのコレクションで名高い
            レオポルド美術館。
            MUMOK という隣の近代美術館での公演がよくあるので
            間違えてそちらに行ってしまい
            美術館が違うよ、と言われて焦ったが
            建物はすぐ近くだし
            21時開演とか言っても、21時に開場だったので
            充分間に合った。

            題名が示す通り、今回のテーマは、ポリフォニー。
            レオポルド美術館の地下のスタジオの
            各ルームに、それぞれダンサーが1人づつ居て
            観客は、あちこちのルームに移動しながら鑑賞する方式。

            昨年の作品「バビロン」と同じく
            各ダンサーは小さなコンピュータ端末とブルートゥースのスピーカーを持つ。

            それぞれのルームで、それぞれのダンサーが
            背後に、微かに鳴っている音楽と重ねて
            別のセリフや音楽や雑音などに合わせて

            「踊る」と言って良いのか、判断がつかない。
            「身体のカタチを見せる」と言った方が良いかもしれない。

            もちろん、激しい動きもあるけれど
            基本的に1スケッチについては同じ場所に居る。
            ただ、居る場所での「身体の歪み」がスゴイ。

            プログラムにはゴシック様式の巨匠による
            絵画の歪みについての言及があったけれど

            確かにダンサーの顔や身体を自由自在に使って
            ゴシック的?な、歪んだ彫刻だか絵画だかを見ている気分になる。
            まぁ、あの歪み方は近代絵画かもしれないが。

            普通の表情で普通に立っていれば
            国立バレエ団のナターシャのお姉さんかな、と思われる美女が

            手で顔の皮膚を引っ張って
            白目剥いて
            歪んだ状態で立ちつつ
            スピーカーから流れる男性の声の口パクしているところなんて
            ものすごい迫力なのだが
            そう書いたら、読者諸氏にも想像できるだろうか。

            壁にもたれ掛かりながら
            手が何処に行ってるのよ、という、身体の歪み方だったり

            完全な裸になって
            ほとんど手足逆さみたいな状態で
            部屋の角にへばり付いていたり

            ともかく、不思議な物体が
            その時々に位置やカタチを変えて、その部屋に居る。

            観客は、気の向くままに、ルームからルームへと移動したり
            あるいは、ダンサーの近くや遠くの床に座り込んで見ている人も多い。

            隅々までコントロールの効いた身体が
            徹底的なオフ・バランスで作り出す歪んだカタチ。
            まるで、ダリの世界を見ているような気分になる。

            裸の男性が壁に向かって立って
            お尻のお肉だけを細かく揺らすって
            いったい、どうやったんだろう?
            いや、尻の肉量に関しては
            絶対に私の方が優っているに違いないのだが
            あんなに細かくは揺らせないぞ・・・

            もちろん、ダンサーはみんな、ひたすら真面目なのだが
            しかし、その歪みに、何とも滑稽なユーモアのセンスが見える。
            こういうところ、ハーリングの面目躍如かもしれない。
            (ハーリングの振付って、何となく「笑える」部分があって楽しい)

            部屋を移動しながら、5人のダンサーそれぞれの
            不思議な肉体の動きを鑑賞して
            最後は大ホールに全員集まってフィナーレ。

            約80分の公演だが
            むちゃくちゃ面白かった。
            こういうのは、実際に見てみないと
            その面白さは伝えられないのが残念。

            動くゴシック絵画を見たい、とか言う趣味の方には
            絶対に気に入ると思う。
            明日、明後日と公演があるが
            明日は既にチケット売り切れみたい。

            さすがに2時間近く、立ったままで移動しながら鑑賞するのは
            膝が痛くてツライので、続けての鑑賞はしないけれど
            かなり見応えのある公演だったので
            満足している私に
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            今日の朝は5時に起きて(2時間半しか寝てない)
            ホテルから駅までバスの停車場3つの距離を歩き
            始発の列車でウィーンに帰って
            コンツェルトハウスのチケット取りと
            オペラ座のオープン・ハウスのチケット取りをした(炎天下待ち時間1時間)
            自分ながら呆れる根性が
            勉学に全く活かされないのは何故なのだろう・・・

            ユダヤ・コネクション Im Puls Tanz / MonkeyMind Company (BE)

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              IM PULS TANZ
              Vienna International Dance Festival

              Volkstheater 2019年7月28日 21時〜22時10分
              THE JEWISH CONNECTION PROJECT
              Lisi Estaras & Ido Batash / MonkeyMind Company (BE)
              コンセプト・振付 Lisi Estaras & Ido Batash
              ダンサー Yohan Vallée, Tamar Honig, Avidan Ben Giat, Ido Batash, Lisi Estaras
              共演 Julie Goldsteinas, Samuel Bloch, Marine de Mazoncourt, Ido Tamir,
              Natalie Assa, Elisabeth Sedlak
              ソプラノ Maribeth Diggle
              音楽 Richard Wagner
              音響 Ido Batash & Bart Uyttersprot
              ドラマツルギー Hildegard De Vuyst
              衣装 Nicole Petit
              照明 Helmut Van Den Meersschaut

              あ〜、何ですかこれ・・・

              イムプルスタンツの演目は玉石混合だから
              時々は、あ〜あ〜、というものに当たるのは仕方がない。
              第一、この演目、行かないつもりだったら
              ギリギリで割引が出て来て
              割引とかラスト・チャンスに弱い私は
              まんまと引っかかった。

              さて、タイトルが示す通り
              ユダヤ人コネクションというものが、現代にあるのか
              どこまでユダヤ人というアイデンティティが人を繋ぐか
              などのテーマを
              あちこちから集めたユダヤ人ダンサーと踊る
              ・・・という事らしい。
              (誤解があったらごめんなさい)

              ダンス・カンパニーの名前が Monkeymind という事からわかるように
              活動的な猿が、野性的な動きを無秩序に、本能的にする
              というのを基本に置いたカンパニーなのだが
              うううううん・・・ これはダンスなのか
              それとも、ただの「動き」なのか、よくわからんぞ。

              最初にソプラノ歌手がマイクの前で
              ユダヤ人とは何だろうとか
              たぶん、哲学的・詩的なテキストなのだろうが
              英語で、ず〜っと喋っていて
              その横で約10人の男女が
              ・・・立っているというのか、動いているというのか
              ダンサーでなさそうな人も半分くらい居るし
              (だって動きが全然違う)
              何なんだろう、これは。

              その後、ダンサーでない人は退場して
              ダンサーだけでのストーリーのない(と思われる)
              ダンス・シーンが続くのだが
              そこそこダンサーとして踊れているとは言え
              動きが野性的で次のステップの想像もつかない。
              (「猿」だからそれが正しいのかもしれない)
              揃うかと思えばバラバラになる。

              ここら辺で数人が観客席から退場。
              いや〜、私も帰ろうかと思った。

              その後、何故かワーグナーのトリスタンとイゾルデの
              愛の死の音楽がテープで流れてくる。
              ソプラノが・・・歌っているのか、口パクなのか
              どちらかと言えば口パクだと思うんだけど
              (この曲のオーケストラ伴奏だけのマイナス・ワンがあったら
               私も歌ってみたい(無謀))
              ともかく、ワーグナーである。
              イスラエルでは演奏してはいけない音楽である。

              ユダヤ人問題と言えば
              私のような者が口一つ挟めるものではないので
              現代のユダヤ人も、日々、自分のアイデンティティと戦っているのか
              ・・・とか、ちらっと考える位だが
              そこにワーグナーの音楽を流して良いんだろうか。
              いや、それが新しい試みなのかもしれない、うん。

              すみません、私、ボーッと生きているので
              あまり、こういう人種問題に縁がなくて
              ウィーンにあるユダヤ博物館には何回か行ったけれど
              周囲にユダヤ人の友人もいないし
              (いるのかもしれないが、わざわざ、あなたユダヤ人?とは聞かないから)
              ユダヤ博物館のガイドさんに
              結構、突っ込んだ質問はした事があるが
              スルッと躱されてしまったし(ごめんなさい)

              こういう抽象的な形で語られる問題について
              何も自分で感じるところがない、というのも
              政治・歴史意識に欠ける自分の頭の悪さがちょっと悲しい。

              しかし、この演目を見て
              感激した、という人が
              ホールの聴衆の中に何人居るんだろう・・・と
              しょうもない事を考えてしまった私に
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              Steven Cohen: put your heart under your feet ... and walk !

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                Im Puls Tanz Vienna International Dance Festival

                Odeon 2019年7月20日 21時〜22時10分
                Steven Cohen
                put your heart under your feet … and walk !

                パーフォーマンス・舞台・衣装 Steven Cohen
                舞台・照明 Yvan Labasse
                サウンド・ビデオ Baptise Evrard

                もともと行く予定にはなかったのだが
                ちょっと見たら、一番安い席で、しかも端っこの1席が残っていたので
                ついつい買ってしまった私は
                最後の超貧民席1枚が残っているシチュエーションに
                むちゃくちゃ弱い(汗)

                ウエブ・サイトを見た時に
                血だらけの写真があったので
                いつもの肉食系か、というのは覚悟していった。

                オーストリアには
                ウィーン・アクショニスムという伝統がある。
                これが現代芸術で唯一、ウィーンが書籍に載る項目なのだが
                (自慢にならん・・・)
                ヘルマン・ニッチュなどは
                動物を解体する血だらけパーフォーマンスやってるし
                ブルク劇場でのその記録は今でも映画で残っている。
                (見た事はあるが途中で気持ち悪くなってやめた)

                オデオンの舞台の向こう側に大規模スクリーンがあり
                最初に映ったのは
                タトゥーを入れているシーンの大写し。

                題名になっている英語のセンテンスをタトゥーしているのだが
                あのジリジリという機械の音が気持ち悪い・・・

                プログラム記載の作品の背景によると
                言葉に尽きぬほどに愛し合っていた
                パートナー(♂)が亡くなってしまい
                96歳になる仮のお母さん(どういう関係だかは謎)に
                辛いと言ったら
                put your heart under your feet … and walk !
                と言われたとの事。
                愛するパートナーを失った悲しみを
                このパーフォーマンスで表現して
                悲しみを乗り越えて歩き出すのだ、という作品なのだそうだ(たぶん)

                スクリーンには続けて
                パーフォーマーが見事に美しい厚塗りの化粧で
                (いや、これが実にユニークで
                 コスプレなんてものを遥かに超えている)
                白いチュチュ様のドレスに、30センチくらいに見える
                すごいヒールで
                どこかの公園を歩いているシーン。

                背景に小さな音量で聴こえてくる
                なんだか私には懐かしいメロディー・・・

                うわ、これ、サザン・オールスターズの「栞のテーマ」
                (「彼女が髪を指で分けただけ、それがシビれるしぐさ」
                 ・・・って曲で、もうまさにサザンの名曲中の名曲だと思う)

                あれ?と思って、画面をマジマジ観察すると
                「血の池地獄」とか書いてある・・・という事は
                ここって別府地獄じゃないか。
                20代の若い頃にドイツ人のグループ連れて
                ガイディングした事あるぞ(笑)

                しかし、こんなところで
                こんなすごい格好したパーフォーマーの撮影
                よく許可が出たな・・・

                歩くだけで大変だろうと思われる、すごいヒールだが
                歩く以外に、ほとんど何もしないし
                メイク・アップのズームとかが多い。
                メイク・アップはクリエイティヴで
                まつげの蝶々とかキレイなんだけど(以下省略)

                映像だけでパーフォーマーなしって事はないよね、と
                舞台を見ていたら
                舞台の上には、たくさんのバレエ・シューズが四角に並べられて
                下手(しもて)にはレコード・プレイヤーを4つ結んだオブジェクト
                上手(かみて)にはロウソク立ての並んだ祭壇っぽいものがあって
                上手(かみて)から
                柱(としか言えない、それとも暮石か?)に乗ったパーフォーマーが
                杖をついて登場。

                柱の上の靴は、かかとなしで
                しかも、かかとがあったら、これも30センチくらい、という傾斜。
                (しかもその下は柱?である。これが、1メートル近くある)
                その柱の上に乗って
                超長い杖で支えながら
                靴と靴の間を、ゆっくり移動していって

                その間、私の頭の中は
                あの靴(と柱)、いったい、どうやって脱ぐんだろう?
                という疑問だけで占められていた(すみません)
                (下手(しもて)の横に腰掛ける高さの舞台装置があって
                 次のビデオの間に腰掛けて脱いでいた模様)

                さて、次のビデオだが
                あ〜、出た出た、血のパーフォーマンス。
                屠殺場のシーンで
                牛が上から吊られていて
                後ろに内蔵を出しているシーンが見えるので
                腸がどろどろ出てくるところも写っている。

                血抜きしているところで
                血を身体に擦り付けたり
                血抜き場所の下で、どろどろの血に塗れたり

                あ〜、そこ位までは、私も
                こういうパーフォーマンスって有り勝ちだよなぁ
                (ニッチュで慣れている(笑))
                と思って見ながら

                この白いチュチュ(金かかってそう)
                これだけ血まみれになったら
                シミ抜きにかなり費用がかかるんじゃないだろうか
                ・・・という、超現実的な問題解決シミュレーションしていて

                その後に生きた牛が映ったところで
                ・・・はい、ご引退。
                会場を出たのではなく、目を瞑っただけですが。

                何が悲しゅうて、入場料払って見に来たパーフォーマンスで
                ビデオで牛の屠殺場面なんか見なきゃいけないんですか。

                それが芸術というのだから、別に私は反対しないけれど
                見る自由も、見ない自由もある。
                (時計じかけのオレンジじゃないし(笑))

                このシーン、かなり長かったんじゃないかと思う。
                途中でチラッと目を開けたら
                牛の死体の内蔵にナイフを入れている生々しいシーンだったので
                また慌てて目を閉じて
                まぶたに光が当たらず、屠殺場の音が聴こえなくなるまで我慢。

                このシーンの前だか後だかにも
                他のビデオがあって
                その間に、柱と靴を脱いだアーティストが
                腹巻き(にしか見えない衣装)だけで出て来て
                レコード・プレイヤー4つを腰に巻いて歩く、というシーンもあった。

                ・・・よくわからん。

                屠殺場ビデオの後に
                また腹巻きだけ(その下は何もなし)のアーティスト登場。
                上手(かみて)の祭壇っぽいところに行って
                ロウソクに点灯して
                ロウソクの前に立って
                小声の英語で
                これはすべて現実です
                ・・・とか何とか

                アーティストの人生観だか、宗教の勧誘だか
                まさか政治的発言ではないと思うけれど
                この不思議なパーフォーマーの人生観を共有しようとは思わないので
                ボソボソと説教されても・・・

                その後、舞台に煙が出て来て
                煙の中で、バランス的には難しい逆立ちで
                器用に足を動かしていたから
                ダンスする気があれば、踊れるパーフォーマーだとは思う。
                (だって、あの不自然な靴でバランスを取りながら歩けるだけでもすごい)

                失った恋人に捧げる作品、という事を念頭に置くなら
                最後の煙と、後ろに出て来た写真は
                たぶん、故彼氏の写真だと思うので
                レクイエムっぽい解釈で間違っていないと思う。

                だいたい、最後、パーフォーマーが見えなくなってから
                ずっと煙+スクリーン(写真)のままで
                いったい、いつ、終わりになるんだろう、と
                全員がイライラし始めていて
                誰かがちょっと拍手したのを機に
                観客も帰り出したのだが

                あれはレクイエムという意味で受け取れば
                そのまま、静かに拍手せずに帰る、というのが
                正解だったのではないか、とチラッと思った。

                まぁ、個人的ストーリーを芸術(?)に昇華する、と考えれば
                日本だって私小説という立派なジャンルがあるわけで
                アーティストが、自分の悲しみを乗り越えるために
                何をやっても、私は反対しませんし、個人の自由です。

                それが観客の共感を呼ぶか、という問題はあるけれど
                別に共感を呼ばなくても、アーティストとしては
                ギャラを貰えれば、それで第一の目的は果たしたわけだし
                (あ〜、すみません、私の感想がスーパー・ドライになってまして)

                ダンスとは言いたくない演目だが
                まぁ、あの柱付き不自然な靴で、よく歩いたものだ。
                だからと言って、見ている側としては感激するわけではないが。

                武士は食わねど高楊枝とか
                やせ我慢バンザイという日本人的美学を
                勝手に標榜する身としては
                こういう個人的感情を作品に乗せて
                多くの人に鑑賞させる、という発想は出て来ないが
                まぁ、悲しみの克服には、様々な手段がある、という事で納得。

                しかし悲しみの克服に
                屠殺場で牛の血や内蔵にまみれる、という選択肢は
                草食民族日本人の私にはないなぁ
                (というより、肉食民族だって、あまりないような気がするが)
                と、つくづく思った私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                なお、インターネットで Steven Cohen を探索すると
                投資家の億万長者がヒットするが
                全く別の人物なので念の為。
                今回のパーフォーマーは南アフリカ生まれ、現在はフランスに在住。

                ヴッパータール舞踏団ピナ・バウシュ

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                  Im Puls Tanz Vienna International Dance Festival
                  Burgtheater 2019年7月19日 21時〜23時45分

                  MASURCA FOGO
                  Tanztheater Wuppertal Pina Bausch

                  演出・振付 Pina Bausch
                  舞台 Peter Pabst
                  衣装 Marion Cito
                  音楽制作 Matthias Burkert, Andreas Eisenschneider
                  音楽 Amália Rodrigues, Nicolette, The Alexander Balanescu Quartett,
                  Ben Webster, Lisa Ekdahl, Duke Ellington, Leon Parker, Mecca Bodega,
                  Vince Guaraldi, Tupi Nago, Marcos Suzano, Baden Powell, Radamés Gnattali,
                  Gidon Kremer, Rui Junior, Alfredo Marceneiro u.a.
                  ダンサー Pablo Aran Gimeno, Ruth Amarante, Emma Barrowman, Rainer Behr,
                  Andrey Berezin, Çagdas Ermis, Jonathan Fredrickson, Ditta Miranda Jasjfi,
                  Milan Nowoitnick Kampfer, Daphnis Kokkionos, Cristiana Morgant,
                  Breanna O’Mara, Nazareth Panadero, Azusa Seyama, Julie Shanahan,
                  Blanca Noguerol Ramïrez, Oleg Stepanov, Julian Stierle, Michael Strecker,
                  Fernando Suels Mendoza, Aida Vainieri

                  イム・プルス・タンツの今回の大目玉
                  ヴッパータール舞踏団ピナ・バウシュの公演。

                  ヴッパータール舞踏団って、前から「ピナ・バウシュ」の名前、ついてたっけ?
                  確かに、ヴッパタールと言えばピナ・バウシュなんだけど
                  ただ、本当に残念な事に
                  ピナ・バウシュは2009年に68歳で亡くなっている。

                  タンツ・テアーター(ダンス演劇)の名前の通り
                  休憩入れて2時間以上のプログラムだが
                  観客を全く退屈させない。

                  演劇とは言っても、1つのストーリーを語るというのではなく
                  短いスケッチがあちこちに散りばめられていて
                  洗練されたコラージュ的雰囲気がチャーミング。

                  何と表現して良いのか戸惑うばかりだが
                  見事なソロ・ダンスの合間に
                  セリフを伴う、クスッと笑わせるスケッチと
                  ダンサーの身体の表現によるジョークと
                  アクロバティックなリフトや
                  意図的に「運動会」にしている部分が入る。

                  ピナ・バウシュの実家がカフェ・レストランという事に
                  こじつけたくはないのだが
                  ピナ・バウシュの演目って
                  どこかカフェの雰囲気を纏っている。

                  何時間いても大丈夫という心地よさに
                  人生の重いテーマとか生きる意味とか政治とか
                  そういうものを、ちょっと脇に置いて
                  つかの間の楽しいお喋りを楽しみましょうよ
                  ・・・という印象がある。
                  (ピナ・バウシュの演目が軽いとか
                   芸術的内容がないとかは言ってませんので誤解なきよう)

                  舞台は後ろに黒の岩が山のようになっている以外は
                  何の舞台装置もないけれど
                  ビデオ投影が時々、ものすごく効果的に使われていた。

                  ビデオそのものは、アフリカの民族音楽とか、列車での移動とか
                  景色とか、浜辺とか海の中とか
                  それが、舞台全体に投影される(床含む)ので
                  上から見ていると
                  ダンサーが映像に紛れ込むように見える。
                  まるで、リアルなティンカー・ベルみたい。
                  (映像の人間は大きいが、ダンサーは映像の中で小さく見えるのだ)

                  ビデオなしの舞台で踊るソロ・ダンサーたちの
                  存在感がすごい。
                  ダンサーが、広い舞台を完璧にコントロールしていて
                  ものすごく大きく見える。
                  持っている個性やオーラが舞台を越えて観客まで直撃する。

                  誤解を招きそうな発言だが
                  こういう突出した個性のオーラって
                  クラシック・バレエのダンサーには(ほとんど)ない。
                  失礼を承知で言っちゃうと
                  (個人的な印象です、どうぞお許しあれ)
                  舞台の上に
                  ミーシャとエノが、もっと強力になった個性の塊がいる
                  って感じ。

                  ソロ・ダンスはかなり入っているのだけれど
                  振付も動きも見事で
                  持っているオーラの放出が素晴らしくて
                  ダンサーから目が離せない。

                  ダンサーなのか俳優さんなのか
                  ちょっと微妙・・・っていう出演者も
                  体型とお歳からして(失礼!)俳優さん?という人が
                  突然、見事なモダン・ダンスを踊りだしたりするので
                  本当に油断がならん(笑)

                  各所のスケッチが、不条理演劇みたいで
                  なのに、ちゃんとジョークになっている。
                  りんごを使ったスケッチや
                  小柄な男性ダンサーと、すごく上背のある女性ダンサーの
                  男性ダンサーを他のダンサーが持ち上げてのキスシーンとか
                  コーヒーをオーダーしたらシュガーがなくて
                  買い物袋から1キロの砂糖を出してコーヒーに入れて飲んだり
                  シャンパンをグラスに満たして乾杯してから
                  お互いに掛け合うカップルとか
                  ビニールに水を入れてプールにしちゃったりとか

                  ええ、わかってますとも
                  こんな事を書いても、全然面白くない。
                  あの舞台でのおかしみは、本当に舞台を観てもらう他に
                  伝える方法はない。

                  全身に風船をつけた女性が
                  男性ダンサーのタバコに火をつけながら
                  子供の頃の学校の女性の先生の
                  下唇がすごく厚くて
                  キスしなさい、とか言われても
                  ・・・という話をしていくスケッチ
                  すごくスリルがあって、最後もびっくりだったのだが
                  そう書いても、これを読んでいる人には
                  全くわからないだろう、というのは承知してます、すみません。

                  ビニールを使った岸辺の海水浴シーンの後に
                  舞台上に忽然と現れるアザラシとか(爆笑)

                  スイカを割ったところに
                  ニワトリを連れて来て、ついばませるとか
                  この舞踏団、専属のニワトリも連れて来ているんだろうか?
                  (ニワトリは後半では、無理やり飛ばされそうになるシーンがある)

                  普段、クラシック・バレエを中心に鑑賞していると
                  モダンを中心にした舞踏団の
                  ダンサーの多様性が印象的。

                  もちろん、ダンサーだから、鍛えられた身体なのだが
                  大柄なダンサーから小柄なダンサーまで
                  体型もそれぞれで、その個性がダンスとか演技で光る。

                  いや〜、本当に楽しかった。

                  この公演、全部で4回あって
                  数年前の私なら、ガツガツと2回か3回は行っていたような気がするが
                  年金生活者なので、ちょっと出費も抑えねば
                  (というよりパーフォーマンス・カードなくなったので
                   モトを取らねば、と必死になる必要がない)
                  というわけで、今回は最終公演のみ。

                  ただ、こういう印象的なスケッチは
                  何回も見るよりも、1回目で驚いてわっはっは、という方が
                  きっと良いんだろうなぁ、と
                  悔し紛れに考えている私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  ↑バナーですが、こういう海辺のシーンが
                  この演目にたくさんあったのでついつい・・・

                  休憩の時に市庁舎のスクリーンが上から見えたが
                  何と国立バレエ団の「シルヴィア」の2幕目を上演していて
                  私は遠目に食い入るように観てしまったが
                  モダン・ダンスが好きな人は全く興味がないのか
                  窓の脇にいる人たち、誰も見ていなかった。
                  どうせ私は節操がないですよ、ダンス・バレエなら何でも好き(笑)

                  マクベス@フォルクス・テアーター

                  0
                    Volkstheater 2019年7月11日 21時〜23時

                    Im Puls Tanz Vienna International Dance Festival
                    MACBETH
                    振付・演出 Johann Kresnik
                    音楽 Kurt Schwerstik
                    舞台・衣装 Gottfried Helnwein
                    ドラマツルギー Katharina John, Dietrich von Oertzen
                    マクベス Pavel Povraznik
                    マクベス夫人 Andressa Miyazato
                    バンクォー Filip Löbl/Edward Nunes
                    ダンカン Jonatan Salgado Romero
                    3人の魔女 Kayla May Corbin, Tura Gómez Coll, Rutsuki Kanazawa
                    マクダフ Velerio Iurato
                    マクダフ夫人 Mireia Gonzáles Fernández
                    その他のダンサーたち
                    Lara Bonnel Almonem, Julie Endo, Urko Fernandez Marzana,
                    Nüria Giménez Villarroya, Yu-Teng Huang, Hodei Iriarte Kaperotxipi,
                    Alessia Rizzi, Lorenzo Ruta, Andrea Schuler, Kasija Vrbanac
                    ピアニスト Bela Fischer jr., Stefanos Vasileiadis

                    2018年10月にハンブルク市立劇場で初演された
                    ヨハン・クレスニックの「マクベス」が
                    今年の Vienna International Dance Festival のオープニングとなった。

                    今年のこのフェスティバル
                    パーフォーマンス・カードがなくなって
                    (55歳以上で25ユーロくらい払うと
                     1公演につき、2枚まで15%割引になって
                     プログラムとクロークが無料という有難いカードだった)
                    55歳以上は最初から15%の割引になる・・・代わりに
                    プログラムとクロークは有料で
                    プログラムが4ユーロ50セント(チップ入れて5ユーロ、高い!)
                    クロークがチップ入れて1ユーロ50セント。

                    あ〜、パーフォーマンス・カードだった時には
                    モトを取るために、かなりチケット買ったんだけど
                    モトを取る必要がなくてプログラムもクロークも有料なら
                    パーフォーマンスの選択はしっかりとしてから行こう。

                    もちろん超貧民席だが、比較的見える席を発売と同時に買ったものの
                    そういう日に限ってオペラ・グラス(望遠鏡)を忘れて
                    遠い舞台をオペラ・グラスなしに見ていたので
                    ダンサーの表情とかは全くわからないまま。

                    この作品、マクベスを題材にしているが
                    ストーリーを忠実に追うわけではなくて
                    マクベスの中からのシーンを様々に抽出して
                    コラージュのような感じの舞台構成。

                    バスタブが並ぶ中に包帯で巻かれた人間が入っていたり
                    舞台の正面に大きなドアがあって
                    そこから出たり入ったりする黒いシルクハットのローブの男性が
                    殺人が起こると、バケツに赤いインクと何か(洋服?)を持って来て
                    オーケストラ・ピットのプール(?)のようなところに落とし込む。

                    音楽はオーケストラ・ピットの下手(しもて)にグランド・ピアノが1台。
                    ここにピアニストが2人居て
                    ピアノの中の弦をかき鳴らしたり、ピアノを叩いたり
                    あるいは、普通に4手でのピアノを弾いたりする。

                    最初はバスタブだけのシーンが
                    一瞬映されて、また幕が閉じて
                    また一瞬、別のシーンになっていて、また幕が閉じて
                    という繰り返しがあって
                    絵柄としては面白いのだろうが
                    あまり動きがなくて、ちょっと退屈だったけれど
                    どんどん舞台に引き込まれて行く。

                    ダンスももちろんだが
                    不気味な象徴主義の絵柄の中で語られるストーリーが
                    現実なのか幻想なのか
                    奇妙なバランスの中に立っていて
                    観客の感情に、搦め手から触ってくるという感じ。

                    ナイフを両手で持ったままのダンスとか
                    ちょっとでも振付間違えたら流血騒ぎだろう・・・と
                    ドキドキするシーンがかなり多い。

                    ダンサーは声は出さないけれど
                    最初から最後まで、叫んでいるような感じがする。
                    音楽はかなり繊細にストーリーに入り込んでくるのに
                    ドアの開け閉めの、まるで運命の打撃のような大音響と
                    ダンサーの持つナイフが打ち合わされる
                    鋭い金属音の連続が
                    かなり耳に残る。
                    (帰宅した時に、まだ耳鳴りがしていた)

                    リアルなストーリーではないものの
                    ダンカンの殺人、バンクォーの殺人、従者の殺人などが
                    次々と舞台で起こって(これは抽象的表現もある)
                    後ろのドアから黒い男性が
                    血と臓物(にしか見えなくなる)をオーケストラ・ピットにぶち撒けて
                    だんだん不気味な雰囲気が強くなってくる。

                    マクベス夫人が恐怖に駆られて
                    手を洗い続けるところが
                    赤いドレスを巧く使って表現していたのには唸った。
                    赤のドレスが次々にドレスから外されていって
                    下は白いドレスになっているのだが
                    なかなか、赤い部分が落ちないので
                    マクベス夫人がパニックになって行くのだ。

                    しかも、マグダフ家族の虐殺シーンに至っては
                    突然、舞台の真ん中に
                    巨大な食事用テーブルと巨大な椅子が置かれ
                    その巨大テーブルの上には
                    やはり巨大なティーポットとティー・カップ。

                    子供達が登場して、巨大テーブルと椅子のところで遊ぶ。
                    もちろん大人のダンサーだが
                    テーブルと椅子が巨大なので、幼い子供たちに見える。
                    椅子だって、かなりの高さがあるのに
                    そこに登って、更にテーブルの上(舞台の床から5メートルくらい?)に登り
                    しかもそのテーブルに引き出しがあって
                    引き出しの中にも子供が入ったり

                    不思議の国のアリスか
                    巨人の世界に迷い込んだガリヴァー旅行記みたいな
                    不条理な感じはするものの
                    最初は子供たちが遊ぶ、かなり平和な世界なのだが

                    そこに刺客が入って来て
                    子供たちを虐殺するのである。
                    逃げ回る子供たちを、どこまでも追いかけて
                    隠れる子供も容赦なく引きずり出して
                    柱に縛り付けて殺したり
                    巨大テーブルの上で殺したり
                    引き出しで殺した子供は引き出しから半身を乗り出して死んでいるし
                    巨大椅子の脚に押し潰されて殺された子供もいたり

                    最初のシーンが不思議の国のアリス的なメルヒェンちっくなシーンなだけに
                    その後の残虐性が半端ではない。かなりコワイ。

                    時々に登場する3人の魔女の使い方も絶妙。
                    フライト・アテンダントっぽい制服の衣装で
                    中腰で踊る不気味なダンスはとても雄弁。

                    特殊奏法は煩雑に使われるが
                    普通に演奏される時のシュヴェルツィックのトナールな音楽は
                    メルヒェンっぽくて平和に響く。
                    それだけに、その中の不気味さが強調される。

                    最後の森は、ムーミンに出てくるニョロニョロの黒いようなものが
                    舞台に出て来て、マクベスは倒されるのだが
                    それが森・・・なんだろうな、きっと、うん。

                    イメージが湧かない、という方のために
                    (だいたいワタシ、文章下手くそなのに表現しようとしちゃうから(汗))
                    下にオフィシャル・クリップを貼っておきます。

                    ただし、かなり、いや、半端じゃなく不気味なので
                    神経質な方、精神的に参っていたり、不気味さが嫌いな方は
                    ご覧にならない方が良いかと・・・・



                    久し振りのナイト・ライフだったけれど
                    ともかく見応えのある見事な舞台だった。

                    ImPulsTanz のパーフォーマンス
                    今見たら、結構売り切れの公演もあるようで
                    (ポルノだの体位だのというモロな公演は全部売り切れ(笑))
                    コンテンポラリーのダンサーたちが集まる
                    国際的フェスティバルなんだなぁ、と
                    ついつい当たり前の事を考えてしまった私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    シャハー・ビンヤミニ オハッド・ナハリン

                    0
                      Festspielhaus St. Pölten 2019年5月18日 19時30分〜21時15分

                      Shahar Binyamini, Ohad Naharin

                      Today I will Do What I Want
                      振付 Shahar Binyamini
                      衣装 Diego Andrés Rojas Ortiz
                      ダンサー(アマチュア)
                      Lisa Dička, Lino Eckenstein, Annemarie Fressner, Gabi Gleiss
                      Beatrix Lientscher, Friederike Meyer, Ulrike Moser-Weinberger,
                      Lasusa Obermayer, Margarete Spornberger, Michael Waldeck

                      Ballroom
                      振付 Shahar Binyamini
                      衣装 Diego Andrés Rojas Ortiz
                      照明デザイン Gabriel Chan
                      サウンドデザイン Daniel Grossman
                      写真 Andreas Waldschütz
                      ダンサー
                      Amie/Blaire Chartier, Kai Shun Chuang, Laura Cornejo, Carmela Di Constanzo,
                      Josianne Fleming, Elena Francalanci, Times Laza, Seung Ju Lee,
                      Panos Malactos, hugo Olagnon, Mateusz Piekarski, Hanna Röckner,
                      Maro Stavinou, Emma Farnell-Watson

                      Decadance
                      振付 Ohad Naharin
                      衣装 Diego Andrés Rojas Ortiz
                      ダンサー
                      Desi Bonato, Amie-Blaire Chartier, Kai Chun Chuang, Laura Cornejo,
                      Clara Cozzolino, Carmela Di Costanzo, Josianne Fleming,
                      Elena Francalanci, Andrea Givanovitch, Camille Jackson, Gabriel Lawton,
                      Timea Laza, Seung Ju Lee, Panos Malactos, Chiara Mocci, Hugo Olagnon,
                      Mateusz Piekarski, Serena Pomer, Hanna Röckner, Maro Stavrinou,
                      Jade Stenhuis, Jack Thomson, Emma Farnell-Watson

                      シャハー・ビンヤミニの GAGA と
                      オハッド・ナハリンと言って
                      あっ、バットシェバ舞踊団ね、とわかる人は
                      このブログの読者でも少ないかもしれない。

                      こういうものを持ってくるのがサンクト・ペルテンの良いところ。
                      しかも、今日の公演は
                      事前にサンクト・ペルテン祝祭劇場から電話がかかってきて
                      上のギャラリーは閉めるので
                      平土間の席をご用意します。
                      公演前にチケットを代えて下さい、との事で
                      何と平土間で鑑賞!!!!

                      しかし、なんだか、いつもの客層と違うぞ。
                      若い人が多いし
                      ジモッティも多いけれど
                      外国語をずっと話している観客がむちゃくちゃ多い。

                      サンクト・ペルテンは田舎の(失礼)劇場なので
                      ウィーンか、あるいは低地オーストリア州の
                      地元の観客がほとんどなんだけど・・・

                      プログラムを買ったら
                      ちょっとだけ謎が解けたかも。

                      最初の演目のダンスは
                      アマチュアで GAGA のコース受講者が踊っているのだ。
                      スタイルそこそこだし、綺麗なキラキラのドレスを着ているけれど
                      プログラムの写真を拝見すると
                      1人、若い子を除いて
                      (この若い子はダンスのレベルが全く違った!!!)
                      どう見ても私より、ずっとお歳を召した方々・・・

                      もちろん、若い頃はダンサーでした、という
                      経歴があるのかもしれないが
                      (だって、そこそこ踊ってはいたのである)
                      この人たち、きっと
                      舞台で踊る、と言うので
                      親戚一同、友人一同を引き連れて来たに違いない(邪推)

                      加えて、本来のダンサーたちの国籍が
                      カナダ、ブラジル、イタリア、台湾、アメリカ合衆国
                      フランス、オーストラリア、ハンガリー
                      韓国、キプロスにポーランドという多様性。

                      で、たぶん、このダンサーたちの
                      親戚やご友人やダンス仲間が大挙して来ているに違いない(邪推)

                      公演開始の5分くらい前から
                      アマチュア・ダンサーが舞台の上で踊っている。
                      (ほとんどの観客は眼中に入っていない(笑))
                      舞台が暗くなってから、腹の底に響く低周波でのダンス。

                      いや正直、最初は
                      えっ?!アマチュア・ダンサーの演目かよ?と
                      げっそりしたのだが

                      次の Ballroom が凄かった。
                      照明は暗いし、衣装も暗いので
                      一人一人のダンサーはあまり見えないのだが

                      集団で動く、その動きの見事さ。
                      フォーメーションの素晴らしさ。

                      Ballroom って何なんだろう、と思っていたら
                      ダンサー全員が両手にボールを持って踊るのだ。
                      普通 Ballroom って舞踏会会場だと思っていたので
                      ダンサーのボールには驚いた。

                      これ、ワールド・プレミエだそうで
                      ビデオ・クリップがないのが残念。
                      (サンクト・ペルテンのビデオ・クリップは
                       不気味なだけで、全然、その良さがわからない)

                      グループにまとまったダンサーが
                      細かい動きで描いていく方式は
                      ノイマイヤーの「春の祭典」のイソギンチャクもあったけれど
                      シャハー・ビンヤミニの振付は
                      もっと細かくて、精密で
                      その分、多数のダンサーになった時の迫力は半端じゃない。

                      ストーリーがある訳ではないけれど
                      グループとしての動き、ソロの動きだけで魅了される。

                      幕間の後
                      ダンサーが舞台に揃っていて
                      ひな壇みたいに並んでいる前に
                      メンバーが1人出て来て
                      携帯電話を消して下さい、というのを
                      訥々と英語で話す。
                      (そりゃ、スマホのあの光は、周囲にも迷惑だし
                       舞台の人にも迷惑だ。)
                      これから40分は、どうぞスマホは忘れて
                      電源を切って、バッグかポケットに入れて下さい。
                      ・・・とまで言ったのに
                      途中で携帯鳴らした人がいた。
                      (けど、もう、あれはどうしようもないわ)

                      ナハリンの作品で
                      ダンサーの衣装はカラフル。
                      同じく、ダンサーの集団での動きの面白さで魅了する。

                      同時にダンスのソロも入って
                      これが、ものすごくユーモアに満ちているスケッチ。

                      途中で短い休憩が入って
                      同じく英語で訥々と説明が入って
                      最後の20分。

                      いや、でも、このダンスって
                      どう言語で記述して良いのか、よくわからん。

                      と思ったら、パリ・オペラ座のクリップがあったので
                      下に貼っておく。
                      オープニングの3分だけだが
                      言語で記述が難しいのはわかって頂けると思うので。



                      公演前に作品解説をしてくれた人が
                      現在、GAGA ダンス言語について、ドクター論文を書いている
                      ザルツブルクの大学生で
                      何回もテルアビブのバットシェバ舞踏団にも行っているとの事。

                      ・・・ところで、学生の発表って
                      何故、みんな、途中の合いの手に Genau って何回も言うんだろう?
                      (いや、ウィーン大学で、学生の発表を聞いていると
                       みんな必ず合いの手に Genau って言うので
                       不思議だなぁ、と思っていたら
                       ウィーンだけじゃなくて、ザルツブルクでも同じなのか)
                      それとも、この Genau というのは
                      大学生言語じゃなくて、若い人たちの流行り言葉なのかしら、と
                      くだらない事が気になった私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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