2023年10月5日 19時30分〜22時10分
Raimund Theater
REBECCA
Das Musical
basierend auf dem Roman von Daphne du Maurier
脚本・歌詞 Michael Kunze
音楽・オーケストラアレンジ Sylvester Levay
舞台 Peter J. Davison
衣装 Birgit Hutter
照明デザイン Mark Mccullough
サウンドデザイン Thomas Strebel
ビデオデザイン S. Katy Tucker
演出助手 Robert Wann
サウンドデザイン助手 Tim Ferns
ビデオデザイン助手 Blake Manns
プロダクション Johannes Fiala
技術 Martin Kindermann
エグゼクティブ・プロデューサー Ulf Maschek
キャスティング・ダイレクター Dominik Penner
振付 Simon Eichenberger
演出 Francesca Zambello
指揮 Herbert Pichler
„Ich“: Nienke Latten
Maxim de Winter: Mark Seibert
Mrs. Danvers: Annemieke van Dam
Jack Favell: Boris Pfeifer
Mrs. Van Hopper: Annemarie Lauretta
Beatrice: Silke Braas-Wolter
Frank Crawley: James Park
Ben: Aris Sas
Oberst Julyan: Wolfgang Postlbauer
Gilde: Florian Fetterle
Clarice: Rebecca Soumagné
Horridge: Philipp Dietrich
Frith: Maximilian Klakow
Robert: Tommie Luyben
Ensemble:
Marcella Adema, Arvid Assarsson, Marja Hennicke,
Shane Landers, Lilian Maandag, Robert David Marx,
Sophie Mefan, Shari Lynn Stewen (Dance Captain),
Ariane Swoboda, Timo Verse, Lucius Wolter,
Livia Wrede, Anna Zagler
Swings:
Denise Jastraunig, Kaj-Louis Lucke
Orchester der Vereinigten Bühnen Wien
いやいやいや😅
ミュージカルというのは
私のレパートリーにはほとんど存在しないのだが
(一応、ちょくちょくは観てますけど💦)
今回は
お知らせメールで
50%割引🈹 という
とんでもないオファーが来たので
即、その日にチケット購入。
普通だったら絶対に行けない
80ユーロ近くの席を半額でゲット 🎉
プログラムは10ユーロ(チップ込み)したけど(笑)
若い人が多い(特別割引がある)
それだけに
周囲のおしゃべりも多い。
しかもマイクを使っての大音響なので
容赦なく、あちこちでお喋りしているのが
ほら、人間の聴覚って
コソコソ声のお喋りの周波数には敏感だし
コソコソどころか普通の声で喋ってるし
(だから突然、音楽の音量が少なくなると
あちこちのお喋りが全部聞こえてくる)
最初は、うわ〜、なんだこれ?!と思ったのだが
後半は隣のよく喋る母娘(と推察する)が
もっと真ん中の良い席に移ったので
周囲の雑音がなくなって集中して聴けた、バンザイ。
それはともかくとして
ミュージカルってスゴイ・・・
ウィーン劇場がミュージカル作品を
世界中に売って儲けているのは知っているが
さもありなん、と、納得する。
まずは1分弱のトレイラーをどうぞ ここ
ともかくまず音楽が最高 ♡
メロディの各所のリピートの巧みな事 💐
しかも、レベッカのライトモチーフが
レベッカ、という単語の発音とピッタリ合っている。
他の言語に翻訳する場合は
音楽とドイツ語が合っていても
他言語でどうなるかはわからないが
少なくとも「レベッカ」という単語の発音だけは
どの言語でも変わらないから、これは見事。
リズムやメロディも単純っぽく見せておいて
これ、分析したら面白いだろうなぁ、という部分が満杯。
すごいわ、エリザベートの時も思ったけど
シルヴェスター・リーヴァイって、やっぱり天才。
脚本のミヒャエル・クンツェも凄い。
私の語彙が足りなくて悔しいけれど
この物語、エリザベートと同じく
女性が主人公で
しかもエリザベートと同じく
自我に目覚めて強くなる女性が主人公だから
昨今の社会状況の中で
ウケないわけがない。
登場する男は、全員アホである(すみません)
マクシム・ド・ウィンターは
見た目はカッコ良くないと話にならないが
(あ〜、すみませんルッキズムで)
ストーリーの中では
最初の突然のプロポーズ以外
結局、何もしてない(笑)
ジャック・ファヴェルなんか
手が手を洗うってナンバー
最高に良い(しかも巧いし・・・)
けど、めちゃイヤなキャラクター(笑)
それに比べると
女性のキャラクターの強烈な事と言ったら
クンツェの才能、爆発だわ。
ミセス・ホッパーのダンスと歌のナンバーも
最高で、キャラクター大爆発だし(ここは踊りも良い)
何と言っても
ダンヴァース夫人が
もうもうもう、圧倒的で
存在感が超弩級で
前半は
これ、主人公は、名もない「わたし」じゃなくて
ダンヴァース夫人だろ、と思わせる。
それだけに
後半の主人公チェンジが実に印象的。
死んでいるから、もちろん登場しない
タイトルのレベッカが
また強烈なキャラクターで(笑)
よほど、自己承認の必要性に駆られた人だったんだろうなぁ。
どういう育ち方をしたんだか・・・
(って、出て来ない人の心理を慮ってどうする?)
1月まで上演している演目なので
当然の事ながら
掛けている金額が違うのはわかるんだけど
ビデオの効果が素晴らしいし
舞台がものすごく美しくて
衣装も素晴らしくて
しかも衣装替えを、その短時間でどうやったら?
というくらい凄い替え方をするし
最後のシーンの屋敷が焼け落ちるところ
もちろんビデオを多用しているんだけど
同時にダンヴァース夫人が
本当に火のついた松明を持って
ビデオ背景の後ろの
本当の舞台のところで
行ったり来たりしていて
まぁ、本当の火を使うのは
こちらの舞台では時々あるので
やってるな、としか思わなかったんだけど
階段が燃え出したのには
ちょっと度肝を抜かれた。
派手、と言って良いのかはわからないが
ともかく、ものすご〜く良く出来ている舞台なのだ。
これだけ
ビデオ、舞台装置、衣装などの
視覚関係が完璧な舞台に慣れてしまうと
そりゃ、現代演出家が
ワケのわからん舞台や
ファスト・ファッションですか、予算なかったんですか
って感じの普通の衣装を着てウロウロする
昨今のオペラなんか
つまらなくて見ていられない・・・
かもしれないのは、納得できる。
(オペラはオペラで、オペラの良さがあるから
一方的に決めつけるのは不公平だけど)
マイクをバリバリに使った
ミュージカルの発声法なので
ベルカント唱法が頭にある古い世代としては
無理やりっぽく聴こえる発声が
多少、気にならないわけではないけれど
それはそれで、その発声法で良いのだから
観客が「声をダメにするんじゃないの」とか
心配する必要はない。
語り手で
主人公のはずの「わたし」は
最初から最後まで
名前がない。
愛するマクシムに
名前を呼ばれるシーンも、もちろん、ない。
それを深読みすると
この「わたし」も
実は存在しない存在ではないのか、とか
愛だの恋だの
ひたすら歌って
愛してるチュッチュっていうシーンは多いけれど
実は「わたし」の中での妄想かもしれない・・・
とか、まぁ、色々と考えて
いつもの通り、妄想爆発💥になっちゃうのだが。
女性が強いのは
古今東西、最近では流行りだし
でも、流行りとか言う前に
もともと女性は強い、と言う事実もあるし。
(あっ、男性の皆さまから反発を喰らいそう。
でも、このミュージカル見たら
女性の強さを実感しますよ?)
ミュージカルがエンターテイメントだから
とは言われるけれど
ただのエンターテイメントで片付けるには
あまりに作品(演出・舞台含め)が
素晴らし過ぎる。
100年後に残る音楽って言ったら
現代音楽じゃなくて
ビートルズとかクィーンとか
サザン・オールスターズとか(好きなんだもん)
こういうミュージカルじゃないのか・・・
とは、昔から思っていたけれど
今回でますますその確信を強めた私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
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100年後に残るか残らないかは
もうその時代は私は生きていないので
私には全く関係のない話だし
現代音楽を含めた多様性があるのは
素晴らしい事だとは思うものの
こういう
いわゆるエンターテイメント作品は
意識高い系のゲイジュツカの皆さまも
ぜひぜひ、鑑賞してみるべきだと思う。
Raimund Theater
REBECCA
Das Musical
basierend auf dem Roman von Daphne du Maurier
脚本・歌詞 Michael Kunze
音楽・オーケストラアレンジ Sylvester Levay
舞台 Peter J. Davison
衣装 Birgit Hutter
照明デザイン Mark Mccullough
サウンドデザイン Thomas Strebel
ビデオデザイン S. Katy Tucker
演出助手 Robert Wann
サウンドデザイン助手 Tim Ferns
ビデオデザイン助手 Blake Manns
プロダクション Johannes Fiala
技術 Martin Kindermann
エグゼクティブ・プロデューサー Ulf Maschek
キャスティング・ダイレクター Dominik Penner
振付 Simon Eichenberger
演出 Francesca Zambello
指揮 Herbert Pichler
„Ich“: Nienke Latten
Maxim de Winter: Mark Seibert
Mrs. Danvers: Annemieke van Dam
Jack Favell: Boris Pfeifer
Mrs. Van Hopper: Annemarie Lauretta
Beatrice: Silke Braas-Wolter
Frank Crawley: James Park
Ben: Aris Sas
Oberst Julyan: Wolfgang Postlbauer
Gilde: Florian Fetterle
Clarice: Rebecca Soumagné
Horridge: Philipp Dietrich
Frith: Maximilian Klakow
Robert: Tommie Luyben
Ensemble:
Marcella Adema, Arvid Assarsson, Marja Hennicke,
Shane Landers, Lilian Maandag, Robert David Marx,
Sophie Mefan, Shari Lynn Stewen (Dance Captain),
Ariane Swoboda, Timo Verse, Lucius Wolter,
Livia Wrede, Anna Zagler
Swings:
Denise Jastraunig, Kaj-Louis Lucke
Orchester der Vereinigten Bühnen Wien
いやいやいや😅
ミュージカルというのは
私のレパートリーにはほとんど存在しないのだが
(一応、ちょくちょくは観てますけど💦)
今回は
お知らせメールで
50%割引🈹 という
とんでもないオファーが来たので
即、その日にチケット購入。
普通だったら絶対に行けない
80ユーロ近くの席を半額でゲット 🎉
プログラムは10ユーロ(チップ込み)したけど(笑)
若い人が多い(特別割引がある)
それだけに
周囲のおしゃべりも多い。
しかもマイクを使っての大音響なので
容赦なく、あちこちでお喋りしているのが
ほら、人間の聴覚って
コソコソ声のお喋りの周波数には敏感だし
コソコソどころか普通の声で喋ってるし
(だから突然、音楽の音量が少なくなると
あちこちのお喋りが全部聞こえてくる)
最初は、うわ〜、なんだこれ?!と思ったのだが
後半は隣のよく喋る母娘(と推察する)が
もっと真ん中の良い席に移ったので
周囲の雑音がなくなって集中して聴けた、バンザイ。
それはともかくとして
ミュージカルってスゴイ・・・
ウィーン劇場がミュージカル作品を
世界中に売って儲けているのは知っているが
さもありなん、と、納得する。
まずは1分弱のトレイラーをどうぞ ここ
ともかくまず音楽が最高 ♡
メロディの各所のリピートの巧みな事 💐
しかも、レベッカのライトモチーフが
レベッカ、という単語の発音とピッタリ合っている。
他の言語に翻訳する場合は
音楽とドイツ語が合っていても
他言語でどうなるかはわからないが
少なくとも「レベッカ」という単語の発音だけは
どの言語でも変わらないから、これは見事。
リズムやメロディも単純っぽく見せておいて
これ、分析したら面白いだろうなぁ、という部分が満杯。
すごいわ、エリザベートの時も思ったけど
シルヴェスター・リーヴァイって、やっぱり天才。
脚本のミヒャエル・クンツェも凄い。
私の語彙が足りなくて悔しいけれど
この物語、エリザベートと同じく
女性が主人公で
しかもエリザベートと同じく
自我に目覚めて強くなる女性が主人公だから
昨今の社会状況の中で
ウケないわけがない。
登場する男は、全員アホである(すみません)
マクシム・ド・ウィンターは
見た目はカッコ良くないと話にならないが
(あ〜、すみませんルッキズムで)
ストーリーの中では
最初の突然のプロポーズ以外
結局、何もしてない(笑)
ジャック・ファヴェルなんか
手が手を洗うってナンバー
最高に良い(しかも巧いし・・・)
けど、めちゃイヤなキャラクター(笑)
それに比べると
女性のキャラクターの強烈な事と言ったら
クンツェの才能、爆発だわ。
ミセス・ホッパーのダンスと歌のナンバーも
最高で、キャラクター大爆発だし(ここは踊りも良い)
何と言っても
ダンヴァース夫人が
もうもうもう、圧倒的で
存在感が超弩級で
前半は
これ、主人公は、名もない「わたし」じゃなくて
ダンヴァース夫人だろ、と思わせる。
それだけに
後半の主人公チェンジが実に印象的。
死んでいるから、もちろん登場しない
タイトルのレベッカが
また強烈なキャラクターで(笑)
よほど、自己承認の必要性に駆られた人だったんだろうなぁ。
どういう育ち方をしたんだか・・・
(って、出て来ない人の心理を慮ってどうする?)
1月まで上演している演目なので
当然の事ながら
掛けている金額が違うのはわかるんだけど
ビデオの効果が素晴らしいし
舞台がものすごく美しくて
衣装も素晴らしくて
しかも衣装替えを、その短時間でどうやったら?
というくらい凄い替え方をするし
最後のシーンの屋敷が焼け落ちるところ
もちろんビデオを多用しているんだけど
同時にダンヴァース夫人が
本当に火のついた松明を持って
ビデオ背景の後ろの
本当の舞台のところで
行ったり来たりしていて
まぁ、本当の火を使うのは
こちらの舞台では時々あるので
やってるな、としか思わなかったんだけど
階段が燃え出したのには
ちょっと度肝を抜かれた。
派手、と言って良いのかはわからないが
ともかく、ものすご〜く良く出来ている舞台なのだ。
これだけ
ビデオ、舞台装置、衣装などの
視覚関係が完璧な舞台に慣れてしまうと
そりゃ、現代演出家が
ワケのわからん舞台や
ファスト・ファッションですか、予算なかったんですか
って感じの普通の衣装を着てウロウロする
昨今のオペラなんか
つまらなくて見ていられない・・・
かもしれないのは、納得できる。
(オペラはオペラで、オペラの良さがあるから
一方的に決めつけるのは不公平だけど)
マイクをバリバリに使った
ミュージカルの発声法なので
ベルカント唱法が頭にある古い世代としては
無理やりっぽく聴こえる発声が
多少、気にならないわけではないけれど
それはそれで、その発声法で良いのだから
観客が「声をダメにするんじゃないの」とか
心配する必要はない。
語り手で
主人公のはずの「わたし」は
最初から最後まで
名前がない。
愛するマクシムに
名前を呼ばれるシーンも、もちろん、ない。
それを深読みすると
この「わたし」も
実は存在しない存在ではないのか、とか
愛だの恋だの
ひたすら歌って
愛してるチュッチュっていうシーンは多いけれど
実は「わたし」の中での妄想かもしれない・・・
とか、まぁ、色々と考えて
いつもの通り、妄想爆発💥になっちゃうのだが。
女性が強いのは
古今東西、最近では流行りだし
でも、流行りとか言う前に
もともと女性は強い、と言う事実もあるし。
(あっ、男性の皆さまから反発を喰らいそう。
でも、このミュージカル見たら
女性の強さを実感しますよ?)
ミュージカルがエンターテイメントだから
とは言われるけれど
ただのエンターテイメントで片付けるには
あまりに作品(演出・舞台含め)が
素晴らし過ぎる。
100年後に残る音楽って言ったら
現代音楽じゃなくて
ビートルズとかクィーンとか
サザン・オールスターズとか(好きなんだもん)
こういうミュージカルじゃないのか・・・
とは、昔から思っていたけれど
今回でますますその確信を強めた私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
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100年後に残るか残らないかは
もうその時代は私は生きていないので
私には全く関係のない話だし
現代音楽を含めた多様性があるのは
素晴らしい事だとは思うものの
こういう
いわゆるエンターテイメント作品は
意識高い系のゲイジュツカの皆さまも
ぜひぜひ、鑑賞してみるべきだと思う。