ラルフ・ベナツキー「妹と私」オペレッタ

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    Volksoper 2019年4月18日 19時〜21時45分

    Meine Schwester und ich
    Musikalische Komödie in zwei Akten mit Vor- und Nachspiel
    Text von Robert Blum und Ralph Benatzky
    nach Ma soeur et moi von Georges Berr und Louis Veneuil
    Musik von Ralph Benatzky
    Musikalische Einrichtung von Guido Mancusi

    指揮 Guido Mancusi
    演出 Robert Mayer
    舞台・衣装 Christof Cremer
    振付 Andrea Heil

    ドリー サン・ラビッシュの城主 Lisa Habermann
    ロジェ・フルリオ博士 Lukas Perman
    レイシ・ド・ナジファルディ伯爵 Carsten Süss
    (アテレコ Robert Mayer)
    アンリエッテ Julia Koci
    執事・裁判官 Nicolaus Hagg
    イルマ 靴屋の売り子 Johanna Arrouas
    フィロセル 靴屋のオーナー Herbert Steinböck
    ムシュー・カマンベール 靴屋の客 Georg Wacks
    陪審・召使い・レビューのダンサー Mitglieder des Jugendchores der Volksoper

    今シーズンのフォルクス・オーパーの新プロダクション
    ラルフ・ベナツキーのオペレッタ
    タイトルは訳すとすれば「妹と私」って感じなのかなぁ。

    滅多にオペレッタとか行かない私が誘惑されたのは
    例のイースター時期のキャンペーン
    4枚買えば50%割引(こういうのに弱い)に釣られたのだが
    これ、確かに明るくて楽しい出来になっている。

    踊れて、歌えて、演技ができる
    見目麗しい役者(=歌手)が揃っている
    フォルクス・オーパーならではの作品。

    上演前に、貧民席からは見えないものの
    よくご存知、フォルクス・オーパーの支配人の
    ローベルト・マイヤーが登場。

     公演前に誰かが出てくると、公演のキャスト変更で
     今回も例外ではありません。
     残念ながら、カルステン・ズュースが咽喉炎で
     医者から、話す事も歌う事も禁止されました。

     ただ、カルステン・ズュースは舞台に登場します。
     皆さまはズュースを舞台で見る事ができますが、聞く事はできません。

     私が譜面台を持って横に立ち、
     合わせて喋ったり歌ったりします。

     どうか、舞台では私を見ずに、ズュースを見て下さいね。
     観客から見られると非常に緊張するので(ここで観客から爆笑)

    さすがマイヤーというか、まぁ見事にアナウンスをキメてくれた。

    しかも、カルステン・ズュースは、ちゃんと演技はしているので
    口は動かしているのである。
    そのセリフの口の動きと、ほとんどズレなく
    喋って歌ったマイヤーって、スゴイ。
    口パクで全く声を出さず、あの迫真の演技をしたズュースもスゴイ。

    演技達者というか、芸達者というか、さすがプロというか
    いやもう、あんなに違和感のない口パクのアテレコ、初めて見た(聞いた)。

    さて、前半では離婚裁判のシーンから始まり
    個人の図書館で司書として雇われたロジェが
    仕事が終わらない、とバタバタしているのだが

    邪魔が入るたびに
    本を放り出す演出って何なんだ!!!(怒)

    数冊持ってハシゴを上がったとたんに
    何かの邪魔が入って、本を床に数冊、すごい勢いで落とす
    ・・・というのが、何回かあって

    本が投げ出されるというのは
    私は、ものすご〜〜〜〜〜〜くイヤなの!!!!

    ページが捲れたり、綴じが取れたり、背表紙が傷んだり
    学生時代、図書館に閉じこもって
    本を大事に読んでいた私は
    あんなに無神経に本を投げる、落とす、というシーンが続くと
    いたたまれない・・・というより、精神的な苦痛が大き過ぎる。

    ドリーはロジェに惚れているので
    せっかくロジェが片付けた本をめちゃくちゃにしたりしている。

    ロジェはロジェで
    2ヶ月前にナンシーでの教職が決定して
    今日の夜の列車でナンシーに向かう予定なのに
    司書を辞める事をドリーに言う事ができず
    しかも、仕事が終わっていないので
    ギャラを貰えないんじゃないか、と悩んでいる。

    2ヶ月前に転職が決まっていて
    それを、辞めるその日まで雇い主に言う勇気がないって
    それ、社会人として失格でしょうが!!!!(怒)
    (しかも設定が音楽学の博士なのよ。
     ウィーン大学の音楽学の博士号を持った教授の中には
     こんな社会人失格で、ウジウジしたワケのわからんタイプは居ない!)

    メイドのアンリエッテが、大丈夫よ、ギャラは5000フラン
    ちゃんと貰えるわよ、と歌い
    それにデュエットして、5000フランなんて大金、スゴイぞ、と
    大喜びするロジェに

    ドリーが無造作に小切手を切るのは
    5000フランどころか10000フラン。

    ロジェも、こんなに頂けません、とか口先では言うくせに
    ダンス・シーンでダンサーたちの間を小切手が飛び交い
    (これもワタクシ的には許せないシーンで
     現金と同じ価値の小切手を、あんなに乱暴に扱うなんて!!!)
    最後はメイドが胸の合間に入れたのを
    結局、ロジェが取り戻して、ちゃっかり貰ってしまう。

    後半の靴屋さんのシーンでも
    靴の箱の取り落としが何回もあって、心が痛む。

    モノは大切に扱いましょうって
    家庭で躾されませんでした?(涙)

    さて、そのロジェだが、ドリーは惚れているのだが
    ロジェはプリンセスというだけで萎縮しまくりで
    前半では、嫌がっている男性に
    しつこく纏わり付く女性という
    何だか、あまり共感が持てない。

    ナンシーに行く、と聞いて
    シャンパンとキャビアで、ロジェの労をいたわりつつ
    ナンシーには、文学者と結婚して離婚して
    靴屋で働く妹が居るから、そこに荷物を届けて欲しいと
    ウソをつくドリー。

    ドリー役のリザ・ハーバーマンは見た目が美しく
    スタイル抜群で、プリンセスの気品もある。
    表情がかなりせわしく変化して、演技も巧い。
    (表情がくるくる変わるのが、時々、大げさ過ぎるけれど)

    声は細いけれど、澄んだ高音も出すしスープレットだし
    マイクはつけているから声量関係なく
    ハマり役ではある。

    ロジェは張り切って、明日、その靴屋に行きます、と言いだすので
    慌てるドリー。

    後半は、その靴屋さんでのシーン。
    イルマ役のヨハンナ・アロウアスは
    歌って踊れるフォルクス・オーパーの看板歌手の1人だから
    歌も巧いけれど、ともかく動きが見事。
    多少はしたない動きも、見事に見せてしまう。
    キャピキャピした、舞台に憧れる若い浮ついた女性役にぴったり。

    ドリーは突然現れて雇ってくれ、と迫るが
    断られそうになって
    雇ってくれたら、1日につき1000フラン払うわ、と
    カネにモノを言わせて無理やり雇ってもらう。
    (前金ね、はい10000フラン、と渡すので
     フィロセルは大喜びである)

    イルマに、あなたの着ている服を頂戴、と言って断られると
    またもや、じゃぁ、あなたの服に3000フラン払うわ、と
    これまた、すべてお金で解決。

    アメリカあたりの資本主義をおちょくっているのかもしれないが
    そういう毒は全く感じられない演出で
    そこまでやって、ロジェをモノにしたいのか、っていう感じ。

    やって来た客の扱いも、あまりに酷いし・・・(苦笑)
    カネをもらった靴屋のオーナーのフィロセルは
    ドリーの失敗も何のその、庇って甘やかせて、という
    あ〜、世の中、金があれば何でもありかよ・・・(唖然)

    やって来たロジェが、ドリーの妹(と偽っている)に
    一目惚れするのも、何だかなぁ。
    まぁ、このシーンは演技もダンスも歌もなかなか良くて
    ちゃんと、恋におちた2人、というハッピー・シーンで
    見ていて、可愛いし、リアルにも見える。

    もともとドリーに惚れていて
    追いかけて来たナジファルディ伯爵は
    ハンガリーの男は惚れっぽい、という役割で
    イルマに惚れてしまい
    イルマはイルマで、お金持ってるオトコ、大好き!と
    すぐにお金になびいてしまうという

    ・・・やっぱりこれ、ラブよりはマネーというオペレッタなのか?

    ハッピー・エンドで終わるかと思いきや
    最初の離婚裁判のシーンに戻り
    ロジェが、結婚はしてみたものの
    貴族の生活に耐えられない・・・と延々と語る。

    このドリーってお姫さまもアホだね。
    研究者なんて、贅沢な生活よりは
    豊富な研究資料と共に
    図書館に閉じ込めておけば
    ハッピーな生活が出来るタイプなのに。

    あ〜、でも、このプリンセス
    研究者の、一瞬でもヒマがあったら論文読みたい
    みたいな欲求を理解できるタイプではなさそうだ(独断・偏見)

    その意味では、身分違いの恋というより
    人生観が違うって感じで、歩み寄れないとは思うのだが
    それは、私があまりにリアリストだから、という理由もある(すみません)

    舞台は明るいし
    衣装も、明るい原色を多用したカラフルな洒落た衣装だし
    歌って踊れて、という芸達者の出演者が
    本当に歌って、踊ってを繰り広げてくれるので
    音楽的に深いとか言うものではないけれど
    カネの事とか、モノの粗末な扱い方とか
    研究者とプリンセスとか、考えなければ
    まぁ、ラブコメとして見るなら、水準はかなり高い。

    何回も繰り返し出てくる
    フロイライン、ワインを一杯、飲みに行きませんか、というメロディは
    後々まで記憶に残るので
    若い(あるいは中年の)カップルは
    この後、少なくとも、ちょっと気が効いた男性なら
    連れの女性を、あのソングを歌って
    ワイン一杯に誘うんじゃないかなぁ。

    色々と心が痛む場面(本の放り出しや、世の中なんでもカネ)もあるけれど
    まぁ、オペレッタだから・・・と納得すべきであろう、きっと。

    作品としての出来は非常に良いので
    あまり深く考えずに楽しめるのであれば
    見て損はない、と思う私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    パウダー・ハー・フェイス 2回目

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      Kasino am Schwarzenbergplatz (Volksoper) 2019年4月16日
      20時〜22時20分

      Thomas Adès (*1971)
      Powder Her Face
      Kammeroper in zwei Akten
      Libretto von Philip Hensher

      指揮 Wolfram-Maria Märtig
      演出 Martin G. Berger
      舞台 Sarah/Katharina Karl
      衣装 Alexander Djurkov Hotter
      ビデオ Anna Hirschmann
      振付 Florian Hurtler
      ドラマツルギー Magdalena Hoisbauer

      Die Herzogin: Ursula Pfitzner
      Zimmermädchen, Vertraute, Kellnerin, Geliebte,
      Gafferin, Gesellschaftsjournalistin> Morgane Heyse
      Elektriker, Salonlöwe, Kellner, Gaffer, Lieferjunge: David Sitka
      Hotelmanager, der Herzog, Menschen im Hotel, Richter: Bart Driessen
      Statisterie: Robin Koppensteiner, Bernadette Leitner,
      Anna Barbara Banatto, Irina Mocnik, Katharina Schmirl

      Orchester der Volksoper Wien
      コンサート・ミストレス Vesna Stanković, Anne Harvey-Nagl
      第二バイオリン Ursula Greif, Natalija Isakovic
      ビオラ Aurore Nozomi Cany, Peter Sagaischek
      チェロ Roland Lindenthal
      コントラバス Gerhard Muthspiel
      クラリネット・サクソフォン Barbara Brunner, Harald Haslinger, Hadi Nabavi
      ホルン Raphael Stöffelmayr, Michael Stückler
      トランペット Lorenz Raab, Michael Schwaighofer, Daniel Neumann,
      Raphael Pouget
      トロンボーン Christian Masser, Christian Eisenhut
      パーカッション Manfred Redner, Lucal Salaun
      ハープ Gabriela Mossyrsch
      アコーデオン Ingrid Eder
      ピアノ Chie Ishimoto

      土曜日の初演で色々な意味で(笑)興奮したプロダクションの
      2回目の鑑賞。

      19時30分から作品解説があるのだが
      会場の前でマイクで話すので
      既に土曜日に聞いた同じ内容をもう1度、聞く羽目になったが
      周囲を見渡せば、フォルクス・オーパーのオペレッタ常連っぽい
      気品ある、お洒落した、優雅な老婦人(たいてい独り)が多い。

      私も老婦人ではあるのだが
      ここまで洗練されたお洒落は出来ない・・・・ってそうじゃなくて
      こういう層って、現代オペラでは滅多に見かけないんだけど
      やっぱりイースター割引4枚一括購入で50%割引に釣られた人かしら。
      (自分がそうだから、人まで同じに考える悪い癖)

      土曜日のプレミエでは
      ストーリーと演技と、その直裁的な演出にばかり目が行って
      あれよあれよという間に興奮して終わってしまったのだが

      2回目になると、演出はわかっているので
      その分、音楽がよく聴こえてくるようになって

      うわあああ、音楽すごい!!!

      24歳でこの才能・・・というか
      音楽関係って早熟の天才が多いので
      全く才能というものがない私から見ると
      ああ、天才の方がこの世に居て下さってありがとう!!!って感じ。

      更に、よく聴けば
      この音楽、構成も音楽的な流れも
      あちこちに散乱する過去の音楽からの引用も
      ともかく良く出来ていて
      たぶん、その分、演奏する方は・・・大変だろうな、これ。

      オーケストラ(16人!)の演奏も大変だろうけれど
      歌手も・・・いったい、どれだけ才能があったら
      こんな歌を歌えるんだろう???

      歌えるだけでは足りなくて
      身体の柔らかさや動きの軽さ
      複雑な振付や動きを覚えるだけの能力も必要だし
      役に入り込んで、臆するところなく
      すごい場面を再現しなければならない。

      この間書いた通り、主人公の公爵夫人の
      あまりにあからさまな乱れ方の美しさの凄まじさというのは
      身体表現能力がなければ
      ただの薄汚い(すみません)ポルノちっくなシーンになってしまうのだが
      それを、しっかり「見せる」というのはすごい。

      加えて、何ですか、あのバスの声域の広さは!(驚愕)
      後半第二幕の最初に、バスだけの長いアリア(裁判官役)があるのだが
      オクターブの跳躍が次々とあって
      しかも、上の音はファルセットで
      下はもっと低い音域までって

      人間技ですか、これが!!!

      考えてみれば、トーマス・アデスの
      国立オペラ座でのテンペストの時も
      アデスの作曲した、超絶技巧の超人的なコロラチューラというのがあった。

      プログラムで読んだ記憶があるけれど
      アデスは作曲する時に
      こんなパートを歌える歌手はいない、と言われて
      いや、それは歌手の問題で
      僕はこういう風に作曲したいのだから、と書いちゃったらしい。

      ゼンメリンク鉄道の線路を敷いてしまった当時の市長さんみたいな人なのね。
      (当時、その勾配を登れる列車はなかったけれど
       線路敷いておけば、そのうち出来るだろうという・・・(笑))

      もっとも、技術の進歩は時とともにあるだろうが
      人間の身体が進歩するとは、あまり思えないんだけど
      それでも、天才というのは、この世に存在するわけで

      さらにグローバル化によって
      天才が地域を限定せず、世界中で活躍できるので
      アデスのオペラも上演される、という

      聴衆にとっては喜ばしい事だが
      プロの音楽家って、昨今、どれだけの技術を要求されるんだか・・・

      しかも、昔みたいにプロンプターとか居ないし
      (いないよね、あの会場で・・・
       国立オペラ座やフォルクス・オーパーはプロンプター・ボックスがあるが
       ウィーン劇場や、こういう小劇場でのプロンプター・ボックス見た事ないし)
      全部の(しかもほとんどがアトナールの)音楽とセリフを
      すべて暗記しないと(含む振付+演技)上演できない・・・(絶句)

      いわゆるヴィルトゥーゾについては
      音楽史上、色々と論争があるわけで
      先日も講義の間に、ヴィルトゥーゾについての意見を
      教授から求められたのだが
      (今すごいよ、インターネットのフォーラムがあって
       教授が5分くれるので、そこに自分の意見を書き込むの)

      パガニーニやリスト時代の
      ヴィルトゥーゾにきゃ〜っと言って
      失神したご婦人たちの世界とは違うけれど

      今や、プロの音楽家全員が
      ヴィルトゥーゾでないと作品が上演できないという
      (含むオーケストラ。
       フォルクス・オーパー・オーケストラのメンバー
       あんな高度な音楽が演奏できるなんて(失礼すみません))

      この間も大学の学生とランチした時に
      ハイドンやモーツァルトの時代の音楽家の演奏って
      もっと間違いも多くてボロボロだったんだよねぇ
      って話になって

      こんなに贅沢なヴィルトゥオーゾ性を
      日常的に(その経済力だけあれば)楽しめるような
      そんな世界になって来た事が
      プロを目指す人にとっては怖いというか

      でも聴衆には有難い(笑)
      スゴイものを見せてもらえるって
      (しかも、何とか捻出できる料金で!)
      本当に贅沢な事だと、つくづく思う。

      だからと言って
      個人的感想、偏見・独断で
      何だかんだとブチブチ言う楽しみも止められませんが(こらこらこら!)

      上品でお洒落な老婦人が多かったのに
      さすがに現代オペラを進んで聴きにくる聴衆だな、と思ったのは
      (前半で帰った人も何人か居たけど)
      咳き込みが非常に少なかった事。
      そう言えば、ウィーン・モデルン現代音楽祭だって
      年配の聴衆は多いよね・・・

      TPOで着ているお洋服やアクセサリーが違っていても
      ここに居る多くの「上品でハイソっぽい年配の方々」は
      意外にウィーン・モデルン現代音楽祭に
      ものすご〜くカジュアルな普段着で来る人たちなのではないか・・・
      (ウィーン・モデルンで、この手のお洒落したらモロに浮く)

      そう考えると、ウィーンの聴衆って
      演奏している方にとっても、気の抜けない相手なのかもしれない
      ・・・と余計な事を考えてしまう私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      昨日はフォルクス・オーパーで
      バレエのロメオとジュリエット(ベルリオーズ、振付ボンバーナ)を観たのだが
      ものすごく踊るプログラムなのに
      あまりハイライト・シーンみたいなものがなくて、ダラダラと続くし
      後半でコーラスとオーケストラのかなりのズレがあって・・・
      リアル・カップルのロメジュリは、とてもリアルでした、うふ ♡

      パウダー・ハー・フェイス (トマス・アデス)

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        Kasino am Schwarzenbergplatz (Volksoper)
        2019年4月13日 20時〜22時20分

        Thomas Adès (*1971)
        Powder Her Face
        Kammeroper in zwei Akten
        Libretto von Philip Hensher

        指揮 Wolfram-Maria Märtig
        演出 Martin G. Berger
        舞台 Sarah/Katharina Karl
        衣装 Alexander Djurkov Hotter
        ビデオ Anna Hirschmann
        振付 Florian Hurtler
        ドラマツルギー Magdalena Hoisbauer

        Die Herzogin: Ursula Pfitzner
        Zimmermädchen, Vertraute, Kellnerin, Geliebte,
        Gafferin, Gesellschaftsjournalistin: Morgane Heyse
        Elektriker, Salonlöwe, Kellner, Gaffer, Lieferjunge: David Sitka
        Hotelmanager, der Herzog, Menschen im Hotel, Richter: Bart Driessen
        Statisterie: Robin Koppensteiner, Bernadette Leitner,
        Anna Barbara Banatto, Irina Mocnik, Katharina Schmirl

        Orchester der Volksoper Wien
        コンサート・ミストレス Vesna Stanković, Anne Harvey-Nagl
        第二バイオリン Ursula Greif, Natalija Isakovic
        ビオラ Aurore Nozomi Cany, Peter Sagaischek
        チェロ Roland Lindenthal
        コントラバス Gerhard Muthspiel
        クラリネット・サクソフォン Barbara Brunner, Harald Haslinger, Hadi Nabavi
        ホルン Raphael Stöffelmayr, Michael Stückler
        トランペット Lorenz Raab, Michael Schwaighofer, Daniel Neumann,
        Raphael Pouget
        トロンボーン Christian Masser, Christian Eisenhut
        パーカッション Manfred Redner, Lucal Salaun
        ハープ Gabriela Mossyrsch
        アコーデオン Ingrid Eder
        ピアノ Chie Ishimoto

        まずは一言。

        スゴイです!!!!!

        20代前半の若さで、こういう曲を作曲してしまう
        トマス・アデスもスゴイが
        今回の出演者、音楽、演出、舞台
        ほとんどパーフェクトな出来の素晴らしいオペラ。

        ショッキングでエロチックで直裁的で
        ダブル・モラル、暴力、セクシャリティ
        そして孤独と人生の破滅まで、まぁ、見事にキマって
        最後なんか私、公爵夫人の孤独感に打ちのめされて
        モロに感情移入してたもんなぁ・・・

        会場はフォルクス・オーパーの建物ではなく
        楽友協会とコンツェルトハウスの真ん中あたりにある
        シュヴァルツェンベルク広場に面したカジノ。

        もともとはフランツ・ヨゼフ皇帝の末の弟の
        ルードヴィッヒ・ヴィクターの住居として作られた
        ハインリッヒ・フォン・フェアステルの建築。
        1910年にルードヴィッヒ・ヴィクターが
        この建物を軍隊学術及びカジノ協会に寄贈した事による。

        収容人数最高250人の小ぶりなホールで
        舞台がコの字型になっていて
        その中にオーケストラ(メンバー16名)が入る。

        今日が初演なので批評家や関係者も多いのだろうが
        現代オペラで、しかもチケット自由席で42ユーロという高めの設定なのに
        会場にはギッチリと人が入っていて狭い。
        (最初は多少余裕があったのだが、ギリギリに入って来た男性に割り込まれ
         肩も足もくっつきそうで・・・)

        この作品は実際にあったアーガイル公11代イアン・ダグラス・キャンベルと
        その妻のマーガレット・キャンベル(ウィッガム)の離婚裁判と
        そのスキャンダルに基づく作品。

        歌手は4人(テノール、バス、ソプラノ、コロラチューラ・ソプラノ)
        うち、ソプラノは最初から最後まで公爵夫人を演じるが
        あとの3人は1人で何役も演じる。

        最初の絡みのシーンからして
        異様にリアルな動きをしていて
        でもまた、それが意外にキレイでモダン・ダンスみたいだったので
        これは俳優さんかバレエ・ダンサーだろうか、と思っていたら
        絡んでいる4人が歌手だったのでビックリした。

        4人とも、むちゃくちゃ優秀。
        英語の発音(クィーンズ・イングリッシュだ!)も美しく
        (後ろの壁にドイツ語の訳が出る・・・良かった(ほっ))
        身体が柔らかく、バネがあって
        激しい動きも美しくこなし
        その上、演技が巧い。

        主人公で唯一最初から最後まで変わらない公爵夫人の
        ウルズラ・プフィッツナーが最高!!!

        役は変わらないのだが
        1930年代の若い頃から1990年の晩年まで
        シーンが変わるごとに演じ分けなければならず
        スタイルも衣装も、その時々の雰囲気も全く違うのを
        見事に演じ分けていて
        同一人物でありながら、絶頂の時と破滅の時の違いが凄い。
        「役になりきる」ってこういう事なのか、と思わせる。
        登場人物が憑依しているみたい。
        (だから、カーテン・コールで見せた輝く笑顔が
         舞台での役柄と全く違うので、これもビックリした。チャーミングだった。)

        第一幕は・・・
        あ〜、すごいハード・コア・・・
        まさに、そのままズバリというか・・・

        性欲の塊りみたいにエネルギッシュで
        生命力を撒き散らす公爵夫人は
        みだら、というよりは
        満たされないものをセッ○スで満たそうとしている
        涙ぐましいキャラクターという印象。

        金でホテルのボーイを買うとか
        あ〜、金があったら私も(あっ、いやいやいやいや 汗)

        ただ、金で買ったボーイの最後のセリフがかなりキツイ。

        「私を知ってるの?」というのに対し
        「この間の4月も全く同じでしたね」って

        セッ○スしているのに、この、何にも繋がってない感に
        めちゃくちゃゾクゾクした。
        これじゃ、公爵夫人も満たされない孤独感に悩むでしょう、うん。

        この第一幕、来ている男性の90%は
        間違いなく○ってただろうなぁ。

        お気の毒と言えばお気の毒で
        あ〜、女性で良かった、と本気で考えたもん。
        私だって、あんなにあからさまに
        他人の性欲を見せつけられると、かなりドキドキする。

        面白いのは、時代や状況に沿って
        アデスが繰り出す音楽の引用。
        もちろん、ワルツやタンゴ、ジャズとか
        当時世間的に流行したポピュラー音楽のメロディもあるが
        途中で(ホテルの女性スタッフの場面で)
        ツェルビネッタまで登場するのには、ちょっと笑った。

        主人公の公爵夫人の演技の巧さに加えて
        もう1人のコロラチューラ・ソプラノの様々な役柄も素晴らしい。
        小柄な歌手なんだけど
        (舞台外で一度会ってるので、
         私と同じくらいか私より背が低いのは知っている)
        舞台で見ると、存在感あって大きく見える。
        コロラチューラの安定ぶりが素晴らしいし
        動きや演技がむちゃくちゃ巧くて、目と耳を奪う。

        建物の壁に映されるビデオや照明の工夫も
        この作品の重要なポイントになっている。
        雰囲気に合っていて、空間の広がりが出来るので
        小さな舞台で小さな劇場というのを、すっかり忘れてしまう。

        テノールも良かったけれど
        バスの声も素晴らしかったなぁ。
        公爵役や裁判官役など、堂々としていて
        それぞれの役のキャラクラーの割り振りも出来ていて魅力的。

        第二部の裁判のシーンでは
        ライブ・ビデオを使ったシーンもあり
        これがちょっと面白い工夫がされている。
        よく観光地で、パネルの顔のところが開いていて
        そこに顔入れて、お姫様だかお殿様の写真を撮るじゃないですか。
        あれの応用版で、かなり面白かった。

        最終シーンは、晩年で、お金もなくなって
        住居を追い出されるシーンだが
        このシーンの公爵夫人の孤独感の表出って
        本当に心にジンジン突き刺さってくる。
        (自分に模してるワケではありません、というか、あるかも・・・)

        奔放な、人並み外れた性欲で
        人生を狂わせた女の末路・・・と言っても良いのだろうが
        ただ、それだけで片付けられるものではない。

        資本主義、金、孤独感、疎外感
        上流階級のダブル・モラルや
        抑制されて来た女性のセクシャリティなど
        様々な問題を抱えながら

        そして、その全体を、遊びとして
        ちょっと斜めな視線からからかい倒しているような
        トマス・アデスの音楽とで
        複雑な世界を作り出している。

        私ももう1回観に行く予定だが
        ウィーン在住の方、チャンスがあれば是非ご覧下さい。
        久々のヒット作だと思う。

        幕間の後で、前の2列が舞台の関係でなくなって
        全員、2列後に移動するので、それだけご注意を。
        歌手や役者の人たちが観客席にも入っているので
        通路側の人は驚かないように。

        それから、子供は絶対に連れて行かない事。
        (始まる前に私の後ろで
         男の子が「オペラを観に行くって行ったら
         学校の先生が褒めてくれた」とお父さんに言っていたが
         お父さん、何考えてるの?とギョッとした(笑))

        いやいや、久し振りに興奮したぞ(こらこらこら)
        とは言え、夫もいないし
        男を買うだけの気力も体力も、資金もない私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        ピノキオ フォルクス・オーパー

        0
          Volksoper 2019年2月24日 16時30分〜18時15分

          PINNOCHIO
          Oper in zwei Akten
          Text von Paolo Madron
          nach Le avventure di Pinocchio von Carlo Collodi
          Musik von Pierangelo Valtinoni
          Deutsche Fassung von Hanna Francesconi

          指揮 Guide Mancusi
          演出 Philipp M. Krenn
          舞台 Nikolaus Webern
          ビデオ Andreas Ivancsics
          衣装 Julia Schnittger
          振付 Bohdana Szivacz
          児童合唱団・青年合唱団指導 Brigitte Lehr

          ピノキオ Juliette Khalil
          ジェペット Daniel Ohlenschläger
          雄猫 Elvira Soukop
          狐 Jakob Semotan
          マンジアフオッコ Maximilian Klakow
          ルチノーロ Paloma Siblik+
          マンジアフォッコのアシスタント Markus Schiefer++, Leonid Sushon++
          コロンビーナ・かたつむり Sarah Weidinger++
          プルチネラ・屋台のおやじ Anton Puschka++
          医者 Antonia Ullreich++, Anna Grobauer++
          魚 Antonia Deuter++

          Orchester der Volksoper Wien
          + Mitglied der Kinderchor der Volksoper Wien
          ++ Mitglied der Jugendchor der Volksoper Wien

          2017年11月に初演された、フォルクス・オーパーの
          子供向けオペラ「ピノキオ」
          子供向けだから、観客のほとんどは子供で
          それに両親やジジババが付き添ってくる感じ。

          子供もいない私が、なぜ、この演目に出かけたかと言うと
          大学の同僚が出演しているから。
          将来、オペラ歌手を目指しているキュートな子で
          ともかく、むちゃくちゃ可愛い。

          子供向きオペラなので
          出演者もフォルクス・オーパーの児童合唱団と
          青年(女性もちろん含む)合唱団が中心になっている。

          いや〜、なんか、こう
          孫の活躍を観に、いそいそと出かけるおばあちゃんという役割だわ。
          (あの年齢だと、子供と言うより孫だわよ)

          どこで歌っているのかと思ったら
          結構、大きな役をもらって
          演技しっかりしてるし
          ダンスできるし(ポイント高い!(笑))
          背が高くて可愛いので舞台で目立つし
          声は美しいし(まぁ、マイク付きなので声量は不明)
          うはうはうはうは
          いや、はしたない、心の声がダダ漏れになった ^^;

          1回の休憩入れて1時間45分の演目。
          意外や意外に、音楽はずっと歌いっぱなしで
          ほとんどセリフはない。

          けれど、音楽が、すごくゴキゲンである。
          作曲家のピエランジェロ・ヴァルティノーニは60歳。
          イタリアのヴィツェンツァ近くに生まれ
          オルガン、合唱、作曲をボローニャ、ベニス、パドゥアで修め
          現在はヴィツェンツァの音楽大学の副学長とプログラムに記載がある。

          ピノキオは2001年に1幕ものとして作曲されて大成功。
          2006年に2幕にして、ドイツのコーミッシェ・オーパーにて初演。
          ハンブルク、香港、マドリッド、ミュンヒェン、モスクワ等でも上演されている。

          ピノキオの話は有名だが
          オペラは、その中からいくつかのエピソードを中心に
          子供の関心を逸らさないように
          コンパクトに、また、目を引くように作られていて
          これは大人が見ても楽しい ♡

          オーケストラは最初、舞台と同じ高さにあって
          だんだんオーケストラ・ピットに下がっていく。
          ピノキオ誕生の話から
          サーカス団でのストーリー
          街の中でバッグを奪われて
          鳥に連れられて冬の真っ只中
          カタツムリの家に入れてもらおうとするけれど
          カタツムリはのろまなので
          なかなか入れてくれないうちに
          ピノキオはゆきだるまになって休憩。

          鳥に連れられていく場面がビデオである。
          このビデオが、もう、ものすごく魅力的。

          フォルクス・オーパーのサイトには
          演出家や歌手、アニメーターが説明しているビデオがあるのだが
          なにせ、この演目、ジモッティがターゲットなので
          すべてドイツ語で・・・

          ピノキオ役が、自分のアバターと一緒に出ているフィルムがあるので
          貼っておく。
          アニメーションもちょっと出てくるし
          ドイツ語わかる方はお楽しみ下さい。



          妖精によって人間になったピノキオは
          学校に行きたくなくて
          冒険して危険な目にもあって
          凍えて病院に入るけれど
          妖精が薬を飲めと言うのに、嘘をついて飲まないので
          鼻が伸びてしまい
          抜け出したら、つかまって大砲で打たれて
          海の中に落ちて
          最後はパパを助けるためにクジラのお腹の中に入って
          というストーリー。

          エネルギーに満ちて、学校キライで
          頑固で冒険好きで
          誰にも止められない魅力的なピノキオ。
          アバターはワシに乗ったり、宇宙に行ったり
          水の中に行ったりするけれど

          この水の中のタコがむちゃくちゃ可愛くて萌えた。
          だって、まばたきするんですよ、このタコ。
          しかもビデオと同時に
          ちゃんと子供たちが魚になって下に出てきて
          何とも不思議な一体感。

          (タコのアニメーションに興味がある方は
           ビデオ担当のクリップがあるのでどうぞ。
           昨今の技術ってすごいよねぇ。)



          いやぁ、楽しいわ。
          子供による子供のためのオペラというスタンスだが
          出てくる児童合唱団や青年合唱団のメンバー
          みんな芸達者だし、歌上手いし
          楽しんでやっているのが見えるし

          子供あんまり好きじゃないんだけど
          こういうの見ちゃうと、子供が可愛いとか思えるのは
          私が歳を取った証拠なのであろう。

          ロングランの演目になっていて
          子供はジッとしていられない子も多いので
          結構ざわざわ煩かったりするけれど
          (私の周囲は静かだった)
          全然気になりませ〜ん (^^)v

          ドイツ語わからなくても
          たぶん、ストーリーは追えるし
          場面が楽しいし、ビデオが楽しい。
          出てくる子供たちも可愛い。
          大人の歌手もチャーミングで役柄にぴったり。
          ピノキオも魅力的だったけれど
          妖精役の女性が妖艶で、ちょっとマリリンみたいで素敵(笑)

          若い子供たちや若い歌手たちも
          踊って歌って大活躍。
          何回も見たい、とは思わないけれど
          子供時代のはちゃめちゃを思い出したくなった時には
          大人にも充分に楽しめる演目。

          先週末にコンサートの際
          どうも隣の人から風邪をうつされたらしく
          せっかく先週、やっと治ったと思っていた風邪が
          今度は咳じゃなくて
          鼻と喉に来ていて
          来週1週間、まだ大学休みで良かった・・・と
          ゼイゼイ言いながら
          しっかり休むつもりの私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          大学は3月からだけど
          来週はほとんど毎日、ナイト・ライフだけはある・・・

          真夏の夜の夢(バレエ)今シーズン4回目(千秋楽)

          0
            Volksoper / Wiener Staatsballett 2018年10月12日 19時〜21時15分

            EIN SOMMERNACHTSTRAUM
            Ballett in zwei Akten vom Jorma Elo
            nach der Komödie von William Shakespeare

            振付 Jorma Elo
            音楽 Felix Mendelssohn Bartholdy
            Ein Sommernachtstraum
            Ouvertüre E-Dur, op 21, Musik op. 61
            Ouvertüre c-Moll op. 95 (Ruy Blas)
            Symphonie Nr. 4 A-Dur, op. 90
            Konzert für Violine und Orchester e-Moll, op. 64, 2. und 3. Satz
            舞台・衣装 Sandra Woodall
            照明 Linus Fellbom
            指揮 Andreas Schüller

            オベロン Eno Peci
            ティターニア Ketevan Papava
            パック Géraud Wielick *
            シーシアス Igor Milos
            ヒポリタ Oxana Kiyanenko
            ハーミア Natascha Mair
            ライサンダー Alexandru Tcacenco
            ヘレナ Ioanna Avraam
            ディミートリアス James Stephens
            イジーアス Kamil Pavelka
            職人たち Gabor Oberegger, Alexis Forabosco, Andrés Garcia Torres
            Nicola Barbarossa, Marat Davletshin, Trevor Hayden
            アテネのカップル Madison Young, Marian Furnica
            Katharina Miffek, Zsolt Török
            妖精・アテネの住人たち
            Venessza Csonka, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
            Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
            Céline Janou Weder, Madison Young,
            Marcin Dempc, Marian Furnica, András Lukács, Hanno Opperman,
            Gaetano Signorelli, Zsolt Török, Navrin Turnbull,
            Arne Vandervelde
            ソロ歌手 Manuela Leonhartsberger, Birgid Steinberger

            Wiener Staatsballett
            Orchester der Volksoper Wien
            バイオリン・ソロ Bettina Gradinger
            Jugendchor der Volksoper Wien

            真夏の夜の夢、今シーズンの千秋楽公演。

            読者の皆さま、喜んで下さい。
            これが、少なくとも来年9月までは
            この演目についての最終記事になります。
            長い間、お付き合いいただき、ありがとうございました。
            2013年からフォルクス・オパーにこの演目が移って
            (その前は国立オペラ座で上演されていた事もあるのに
             この演目だけは行く時間がなかった(涙))
            今回で12回目。

            千秋楽の目玉は
            ジェローのパック役への抜擢!!!!

            だってジェローって、まだデミ・ソリストですよ?!
            (まぁ、それ言ったら、レオナルドもデミ・ソリストだけど)
            それが、「真夏の夜の夢」の主人公とも言うべき役に・・・(感涙)

            ジェローのパックの役作りは
            ミーシャともリッチーとも違う。
            (その意味では、ミーシャとリッチーはよく似ていた)

            良いか悪いかの判断は別として
            ジェローのパックは
            おとぎ話の登場人物というよりは
            もっとリアルな「いたずらっ子」

            ミーシャもリッチーも
            コミカルな身体のカタチを静止させながら
            オベロンとティターニアという妖精の国の人物で
            実際の社会には現れないという雰囲気があったけれど

            ジェローのパックは
            妖精の国から、楽々と現実社会に出没しそう。

            最初のシーンでは
            ちょっと異様な雰囲気を醸し出していて
            キュートでコミカル、というよりは
            うわ、悪魔かこいつは?という印象で怖かったが。

            テクニック的には全く問題ないし
            演技も張り切ってやっていて
            意外に楽しそうだったけれど

            髪型が・・・
            いや、普通に見たら、あの揺れる髪は魅力的なんだけど
            ツノが2本生えているのに
            その周囲で豊かな髪がフサフサ揺れるというのは
            ツノが取って付けたような不自然感がある。
            妖精なんだから、普通の男の子の髪型だと違和感がすごい。

            あ〜、だからか。
            何となくコミカルな感じは出していても
            どうやっても、普通の社会にいる普通の男の子に見えちゃったのは。

            エノのオベロンとの絡みはキレイに決まった。
            というより、シャドーで踊ると
            若い分、ジェローの方がジャンプのキレが良いくらい。

            舞台上の存在感としては
            ミーシャほどの存在感はないけれど
            (まぁ、あれはミーシャが特別で・・・)
            若々しくてキュートで、一生懸命なパック。

            何か私に孫でもいたら
            おおお、頑張ったね〜って褒めてやりたいようなパック。
            (意味不明だが、まぁ、そこは適当に解釈してクダサイ)

            オーケストラはこの演目になると
            開演前から、メンバーが必死にオーケストラ・ピットで練習しているが
            元気な演奏で
            時々えっ?という瞬間はあるにせよ
            みんな頑張ってるね、というメンデルスゾーンは楽しい。

            (国立オペラ座のオーケストラは
             天下のウィーン・フィルなので(笑)文句はつけるが
             フォルクス・オーパーも、それなりに頑張っているから
             むにゃむにゃ・・・
             少なくとも、手抜きはしてない、うん。
             レパートリーが違うので比べられないわよ)

            ジェームスのディミートリアス役は
            かなり熟れて来て、演技も自然に見せたし
            この間不安定だったところは完璧に修正されていて
            あ〜、ジェームス復活万歳。私は嬉しい。

            ナターシャのキュートなハーミアが
            最後の4人揃ってのシーンで
            床が滑ってバランスを崩して転んでしまったが
            (ナターシャが転んだの、私、初めて見た・・・)
            すぐに立ち上がって踊っていたし
            カーテン・コールにも出ていたから
            大きな怪我はなかったものを思う(あ〜、ドキドキ・・・)

            初恋の君・・・じゃなかった
            マリアンも、マディソンと、ばっちり踊っていて
            マリアン出てくると
            私のオペラ・グラス(望遠鏡)はそこに固定されてしまうので
            超貧民席の悲しさで舞台全体は見えないのだが

            最後のところで
            アテネの女性たちが、男性ダンサーに支えられて
            空中を走っていく場面で
            前の方で、ハーミアのお父さんも空中を走るってシーン
            あんなの、今までなかったんじゃないか???

            千秋楽だから、ハメ外して遊んだのか???
            それとも前からあって、私が見ていなかっただけ???

            パックは役としては目立つ役だし
            ジェローの若々しいキュートで魅力的なパックは
            聴衆からも盛大なブラボーをもらっていた。

            一番ブラボーをもらうのは子供達だが
            (これはいつも同じだ、そりゃ子供のダンサーは可愛い!)
            千秋楽には、オーケストラにも盛大なブラボー。

            楽しい演目だったなぁ。
            また来シーズンに公演がある事を祈っている
            (読者には迷惑かも(笑))
            その時は、またジェローのパックも見たい!
            1回だけというのは残念!!!

            フォルクス・オーパーは11月はバレエ公演はなし。
            12月・1月はメルヒェン・ワールドを上演。
            (醜いアヒルの子(かなり現代バージョン)と
             比較的伝統的な千夜一夜物語。私は何回か観たので今回は行きません)
            1月終わりからのコッペリアに期待している私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            ジェローのウィーン国立バレエ団のプロフィール写真が気に喰わない(断言)
            いったい、いつの写真を使ってるんだ??(すごく弱々しい坊やに見える)
            実際は若々しく清々しい青い目の好青年になってます!!!!!

            ラ・マンチャの男 フォルクス・オーパー

            0
              土曜日のダブル・ヘッダー。
              時系列に読みたい方は こちら からどうぞ。

              下は夜の部です。

              Volksoper 2017年6月17日 19時30分〜21時15分

              Der Mann von La Mancha
              Musical in zwei Akten
              Buch von Dale Wassermann
              Gesangstexte von Joe Darion
              Deutsche Fassung von Robert Gilbert
              Musik von Mitch Leigh

              指揮 Lorenz C. Aichner
              演出 Olivier Tambosi
              舞台・衣装 Friedrich Despalmes
              振付 Stephan Brauer

              ドン・キホーテ(セルバンテス) Robert Meyer
              サンチョ(弟子) Boris Pfeifer
              アルドンザ Patricia Nessy
              居酒屋(管理人) Christian Graf
              神父 Christian Drescher
              カラスコ博士(男爵) Christian Dolezal
              アントニア Martina Dorak
              床屋・アンセルモ Jeffrey Treganza
              家政婦 Wolfgang Gratschmaier
              マリア Susanne Litschauer
              囚人 Lorna Dawson, Josephine Niesen, Oliver Liebl, Thomas Huber
              Roman Martin, Jakob Semotan, Maximilian Klokow
              ギタリスト Jonathan Bolívar
              裁判官の声 Peter Matić
              Orchester der Volksoper Wien
              Komparserie der Volksoper Wien

              今回29回目の上演となる
              ミュージカル「ラ・マンチャの男」だが

              ごめんなさい!!!!
              私、映画も知らないし
              ドン・キホーテと言ったら、バレエしか知らないので
              (それも問題だと思うが)

              あの、フォルクス・オーパーの総裁の
              ローベルト・マイヤーが主演と聞いただけで
              爆笑・コミカルもののミュージカルだとばかり思っていました(汗)

              いやいや、行ってみたら
              最初から最後までマジにシリアスで
              人生訓たっぷりの、う〜ん、ある意味、ちょっとクサイくらいの
              時々、かなり気恥ずかしいというか

              でも、最後まで鑑賞すると
              それはそれなりに、かなり感激してしまう
              良い出来のプロダクションだった。

              劇中劇で、さらにその中に幻想の部分という
              3段組みの構成になっていて
              筋書きはかなり面倒なので省略する(すみません)

              上演前から舞台は観客席のギリギリまで作られていて
              舞台の上で、黒い囚人服の男女が
              ジェラルミンの箱の上に腰掛けたり
              タトゥを入れた逞しい腕で腕立て伏せしていたり
              拳法の型をやったりしていて

              最初から筋肉隆々を見られて、何かちょっと嬉しい(笑)
              (別に筋肉オタクではありません)

              で、オーケストラ・ピットがないけど
              プログラムにはオーケストラと書いてある???

              携帯電話とか撮影禁止とかのアナウンスもなく
              突然、すごい音がして会場が突然暗くなり
              舞台の上手(かみて)から
              でっかい階段が降りてきて
              そこに登場する
              フォルクス・オーパー支配人のローベルト・マイヤー
              いや、セルバンテスと、その弟子。

              舞台は「監獄の中」なので
              インテリジェンス溢れる小男のセルバンテスを
              強面の筋肉隆々の、荒々しいお兄さまたちが虐める。

              この喧嘩の場面がかなり長くて参った。
              平和を愛する大和撫子の私は、こういうシーンは苦手なのだ。
              (色々とツッコミもあるだろうが勝手に却下)

              で、手下の持っていた箱から
              メイク道具、つけ髭とか甲冑とか出してきて
              そこから始まるドン・キホーテの話。

              居酒屋のアルドンザをドルシネア姫と見て
              愛の告白・・・・が
              ド・シリアスで
              しかもマイヤー、もともと俳優さんなので
              演技力は抜群なんだけど

              ああいうオジサンに熱い目で見られても・・・
              ちょっと恥ずかしいというか、困惑すると言うか
              いや、演技ですよ、演技。
              だけどヘンにリアルで(汗汗汗)

              しかし、このメンバー
              全員、歌うは踊るは、すごい活躍。
              最初から筋肉隆々のダンサー体型の出演者ばかりだったので
              期待は大きかったけれど
              その期待を裏切らない素晴らしいダンスの振付。

              もちろん、喧嘩のシーンや
              アルドンザのレ○プのシーンなどの振付も素晴らしい。
              日本のチャンバラ映画の殺陣と同じように
              しっかりと振付してあって、それがピッタリとハマるので
              リアルに見えるけれど、動きとしての美が完成されている(脱帽)

              しかも、この舞台、ものすごい角度で傾斜してるんですよ?
              あそこで、あのバランスで、あのダンスが出来るって、ちょっと絶句。

              鏡を見て、ドン・キホーテから正気に戻った
              アロンソ・キハーナは死の床につくのだが
              そこにアルドンザが現れて
              私の事をドルシネアと言って愛してくれたじゃない、と詰め寄るが
              アロンソ・キハーナは正気に戻ったので
              ドン・キホーテの頃の事は思い出せない。

              で、最後にセルバンテスに戻った主人公は
              異端裁判に呼び出されていく、という

              かなり、いや、もろにシリアスな悲劇で
              人生訓たっぷりのお話で
              まさか、こんなク○マジメなミュージカルとは知らなかった。

              ・・・でも、実はかなり夢中になって観ちゃった (^ ^)
              ミュージカルだからマイク付きだけど
              さすがにフォルクス・オーパーで、音量のバランスが的確。
              後ろに入ったオーケストラとの連携も見事だし
              音楽がチャーミングだし
              それに、ダンスがすごく巧い ♡

              アルドンザを演じた歌手が
              ものすごく若くてキレイという訳じゃないのに
              動きは美しいし、声は出るし
              演技がものすごく巧くて、どんどん引き込まれてしまう。

              従者(サンチョ・パンサ)を演じた歌手も
              キャラクター作りが巧い。
              悲劇でシリアスになるところを
              その明るさで救っていて好感が持てる。

              ローベルト・マイヤーは
              もともとブルク劇場の俳優さんだから
              そりゃ巧い。歌も歌えるし、声も出るし
              コミカルなところも、シリアスなところも巧い。
              ほら、僕、スゴイでしょ、というところは多少鼻につかないでもないが
              まぁ、俳優なんて、目立ってナンボの世界だから
              この人の持ち味だしね(笑)

              あ、オーケストラですが
              舞台の向こう側で演奏してました(笑)

              ドイツ語のセリフが中心で
              演劇っぽい作品ではあるけれど
              音楽的にも、舞台としても、かなり水準が高い。

              休憩のない一幕モノで
              最初はちょっとだらけた部分もなかった訳ではないが
              後半になるほどに緊張感が高まって非常に良い感じ。

              来シーズンの上演はないので
              6月の残り公演3回で終わりになるので
              観たい方は急いでどうぞ。

              多少フォルクス・オーパーの回し者っぽくなっている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              バ・ロック・オペラ ヴィヴァルディの5番目の四季 初演

              0
                土曜日のダブル・ヘッダーです。
                時系列に読みたい方は、こちらからどうぞ。
                下は夜の勝手な感想記です。


                Volksoper Wien 2017年6月3日 19時〜21時50分

                Vivaldi - Die fünfte Jahreszeit
                Eine BaRock-Oper
                Libretto von Angelika Messner
                Liedtexte von Christian Kolonovits und Angelika Messner
                Musik von Christian Kolonovits

                指揮 Christian Kolonovits
                演出 Robert Meyer
                舞台・衣装 Christof Cremer
                振付 Florian Hurler

                アントニオ・ヴィヴァルディ Drew Sarich
                カルロ・ゴルドーニ / 皇帝 Boris Pfeifer
                ルッフォ大司教 Morten Frank Larsen
                アニーナ Rebecca Nelsen
                トニ / パオリーナ Julia Koci
                ロニ / 女優 / アポロニア Paula Deuter
                クララ / 女優 / キアーラ Sophie BAuer
                カティ / 女優 / カタリーナ Lisa Perner
                母親 Sulie Girardi
                父親 / オットボーニ大司教 Wolfgang Gratschmaier
                ガスパリーニ / 司教 Alexander pinderak
                カファレッリ Thomas Lichteneck
                第一の司教 Joahim Mose
                第二の司教 Stefan Tanzer
                アントニオの子供時代 Jonas Ambros

                ウィーン市内のあちこちで
                盛大に宣伝されているフォルクス・オーパーの新作
                ヴィヴァルディ 5番目の四季
                ・・・とか言う題名で
                副題が BaRock オペラ・・・と言う事は
                バロックじゃなくて、バ・ロックで後ろの方にアクセントがある。

                ありがたい友人のお陰で
                初演の招待席に潜り込む事が出来て
                いや〜、本当にありがたい m(__)m

                上記キャスト名だがスラッシュで区切っているのは
                一人二役とかやってるから。

                招待されたら、良い事を書かねばならぬ
                ・・・というのは常識なので

                終演後はスタンディング・オベーション。
                ナンバーの後には必ずブラボーの声がかかっていた。

                内容はバ・ロックで、ロックの方に重点があり
                非常に分かり易いロックのリズムを多用して
                シンプルなロックの4拍子がノリノリ。

                ヴィヴァルディの「四季」のメロディを
                さりげなく取り入れて
                アントニオ・ヴィヴァルディが歌うナンバーでは
                必ず最後に高音のシャウトを入れて盛り上げる。

                今まで聴いてきたミュージカルの定石をしっかりと使って
                時にはミュージカル「エリザベート」風
                ある時はジーザス・クライスト・スーパースター
                ほとんどメロディらしきものはなく
                その分、はっきりと歌詞も聴き取れる。

                音楽的には非常にシンプルで分かり易い。
                (というより、褒めなければならない、という事を無視すると
                 ずっと同じような感じなので・・・ ^^;)

                正直なところ
                衣装デザインだけは素晴らしかった。
                (すごく奇抜なんだけど(笑))

                ストーリーも割に皮肉なところもあって
                ローマでの司教たちの「暑いよ、暑いよ」シーンは
                ううう、そこまでカトリックをバカにしてしまって
                良いんだろうか、とビックリ。
                (まぁ、バレエのカルミナ・ブラーナでもやったしな・・・)

                主役のヴィヴァルディを歌った歌手は
                完璧なミュージカル発声で、高音のシャウトが見事。
                (だけど、必ずナンバーの最後に入るので、あ、またか、って感じにはなる)

                フォルクス・オーパーの専属歌手も何人か入っていて
                歌は巧いし、ダンスも完璧、そりゃ芸達者なんですが
                発声がね、オペレッタだしね(でもまぁ、それでも・・・)

                まぁ、ノリの良いミュージカル・ナンバーではある。
                何でフォルクス・オーパーで上演なのか
                ライムント劇場とかローナッハー向けのナンバーじゃないかと
                チラッと思わないでもなかったが

                若い人にはウケそうな作品だし
                子供でもイケそうだから
                家族連れをターゲットにした作品かもしれない。

                自分でチケット買って行っていたら
                散々にコケおろしするかもしれないけれど(笑)
                まぁ、ご招待ですし (^。^)
                ミュージカルを観に行ったと思えば
                納得できる出来栄えである。

                ライムント劇場やローナッハーでの
                ミュージカルのように
                容赦ない大音響ではなかったのは素晴らしい。
                (いや、確かにマイクだし、かなりうるさかったけれど
                 ライムントやローナッハーは耳が潰れる音響の事があるし
                 それに比べたら、フォルクス・オーパーの音響なんておとなしいもんだ)

                ドイツ語がわかる人だったら
                観ても面白いかも。
                書いた通り、かなり皮肉も入ってるし
                みんなの演技は巧いし
                ダンスは楽しいし
                音楽は単調だけどノリノリだし
                1回観る分にはお勧めできる。

                2回目に行こうとは思いません(笑)という
                招待客なのに、宣伝しない恥知らずの私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                追記 Making of の Youtube があったので貼っておきます。
                色々なナンバーもアイデアも聞けます(ただしドイツ語で・・・m(__)m)



                努力しないで出世する方法 フォルクス・オーパー

                0
                  Volksoper 2017年2月23日 19時〜22時

                  Wie man Karriere macht, ohne sich anzustrengen
                  (How to Succeed in Business Without Really Trying)
                  Musical in zwei Akten
                  Buch von Abe Burrows, Jack Weinstock und Willie Gilbert
                  Musik und Gesangstexte von Frank Loesser
                  Koproduktion mit der Staatsoper Hannover

                  指揮 Joseph R. Olefirowicz
                  演出 Matthias Davids
                  舞台 Mathias Fischer-Dieskau
                  衣装 Judith Peter
                  照明 Michael Grundner
                  振付 Melissa King

                  J. Pierrepont Finch : Mathias Schlung
                  Rosemary : Lisa Antoni
                  J.B. Biggley : Robert Meyer
                  Bud Frunp : Marco Di Sapia
                  Hedy LaRue : Ines Hengl-Pirker
                  Smitty : Julia Koci
                  Miss Jones : Regula Rosin
                  Bratt : Jeffrey Treganza
                  Twimble/Womper : Axel Herrig
                  Miss Krumholtz : Sulie Girardi
                  Gatch/Toynbee : Nicolaus Hagg
                  Johnson/Wilkington/Fernsehmoderator : Gernot Kranner
                  Jenkins : Maximilian Klakow
                  Tackaberry : Marian Olszewski
                  Peterson : Pascal Jacque Comoth
                  Stimme des Buches : Christoph Wagner-Trenkwitz
                  Orchester der Volksoper Wien
                  Wiener Staatsballett

                  フランク・レッサー作曲のミュージカル
                  「努力しないで出世する方法」が
                  フォルクス・オーパーで上演されるというポスターが
                  あちこちに貼ってあって

                  しがないサラリー・ウーマンとしては
                  興味あるじゃないですか(こらっ!)

                  実は本日はプレミエ前の公演で
                  いわゆる昔で言う最終リハーサル。

                  昔はこのプレミエ前公演、チケット安かったのに
                  今は普通のチケット料金で売っている。
                  (註 一番安い天井桟敷が25ユーロです)

                  今、またもや仕事がむちゃくちゃな状態になっているところで
                  オフィスに仕事をたっぷり残して
                  (昨日は午前1時まで仕事してた)
                  フォルクス・オーパーの終演時間22時というのを見て
                  ちょっと気が遠くなったんだけど
                  25ユーロも払ってるから、意地でも観る(ケチ)

                  ストーリーについては
                  ちょっと調べれば、有名なミュージカルだし
                  映画化もされているからわかるので、書きません。

                  で、これ、すごく芸達者の出演者が揃っていて
                  しかも、あちこちに出てくるサラリーマンが
                  全部、バレエ・ダンサー(笑)

                  序曲からポリフォニーが結構使われていて
                  意外に音楽的には面白い ♡

                  主人公のフィンチを演じた Mathias Schlung が
                  すごくカワイイ。
                  小柄で、別にハンサムでも何でもないのに
                  表情の豊かさがスゴイし
                  バレエ・ダンサーに混じって
                  見事なダンスを見せてくれる。

                  フィンチが何か出世のチャンスを掴む度に
                  あっ💡 という表情で
                  そこにパッと照明がついて
                  ニコッという表情が固定するのが
                  コミックみたいで、実に楽しい。

                  社長のビグリーは
                  フォルクス・オーパーの総監督
                  ローベルト・マイヤー御大がじきじきに登場。

                  この人は出てくると
                  他の出演者を喰っちゃうのだが
                  今回は他にも芸達者が揃っていて
                  1人だけ浮くという事がない。

                  セリフだけじゃなくて
                  何曲か歌うナンバーもあるし
                  もちろんダンスもある(ご立派!!!)

                  縁故採用の怠け者で悪者のバドを演じた
                  マルコ・ディ・サピア!!!
                  この人、スゴイ。
                  オペラとかオペレッタにも出演していて
                  最初はなんだコイツ、と思っていたけれど
                  コミカルな役を、本当にコミカルに演じて
                  身体は軽いわ、踊るは、おフザケも立派にやって
                  オペラに出るより、こういう三枚目やった方が良いんじゃないの?
                  と、真剣に思ったくらい。
                  役としては、悪者なのが、ちょっと可哀相になる程の良い出来だった。

                  ローズマリーはチャーミングだけど
                  フィンチに惚れるところが
                  あまり情熱的ではないので
                  何となく違和感がある。
                  演技力の問題か、演出の問題かもしれない。

                  ヘディ役は・・・これは難しいな。
                  めちゃくちゃ高い声で
                  ひたすらバービーちゃんみたいにやっていたけれど
                  ああいうキャラは、やっぱり1960年代にしかウケないだろう。

                  ワタクシ的な問題は・・・

                  あのね、今日、私はオフィスに仕事を
                  ガンガン残して来ちゃってるの。
                  なのに、フォルクス・オーパーに来たら
                  舞台の上で見るのは会社の風景で
                  (しかもキャリアの男性たち、仕事してなくて暇そう)
                  何だか、全然、別世界に飛ばないし
                  会社の内部を見ていても、リラックスできないよ・・・(涙)

                  背景はビデオで
                  アメリカの高層ビルなどが見えるようになっている。
                  舞台は1960年代なので
                  若い人は知らない黒い電話が机の上に置いてあって
                  黒電話のリンリン音が鳴る。
                  (鳴るたびに、私はリアル・オフィスを思い出す・・・)

                  キャリアの経営陣は全員男性で
                  秘書は全員、チャーミングなお人形さんみたいな女性って
                  ううううう、やっぱり1960年代だ。

                  社員役のバレエ・ダンサーたちは
                  机を動かしたりするのが主な役目(笑)

                  でも、途中でダンスもあるし
                  後半のテレビ・ショーのところでは
                  割に派手なバレエ・シーンもあった。

                  ストーリーは言ってみれば
                  アメリカン・ドリームのおとぎ話ですから(爆笑)

                  爆発的に人気が出そうな演目じゃなさそう。
                  子供が見ても全然わからないだろうし
                  私のような虐げられたサラリー(ウー)マンが見たら
                  身につまされるというより
                  出てくる経営陣が全く仕事していない事にちょっと腹が立つし
                  管理職の女性が見たら
                  女性蔑視だ!と怒るかもしれない。

                  まぁ、おとぎ話だからね。
                  社長の隠れた趣味とか
                  オーナーの隠された過去とか
                  ちょっと類型的ではあっても
                  笑えるシーンはかなりある。

                  ジモッティ用の演目だから
                  全部ドイツ語で、字幕もない。
                  (セリフは全部きっちり聞こえてくる。
                   全員マイク使用)

                  でもフィンチ役の魅力は麻薬的ではある。
                  あのクルクル変わる表情には魅せられる。
                  あれ見るために、もう1回くらい、言っても良いかも。

                  ちなみに、この演目見ても
                  皆さまの出世の役には立ちません(爆笑)

                  仕事残してミュージカルとかオペレッタに行くなら
                  やっぱりリアルな会社とは関係ない演目の方が
                  切り替えできて楽しいなぁ、と真剣に思いました、はい。

                  この後、プレミエで
                  どんな評判になるか
                  ちょっと楽しみな私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  え? でその後、オフィスに帰ったんですか? って
                  もちろんオフィスに戻りましたとも!!!!
                  で、夜中過ぎまで仕事してました。
                  3月が終われば楽になる筈だから
                  ちょっと頑張らなくちゃ 😀
                  記事アップの時間は変更してあるけれど
                  実は今、明け方4時。3時間寝たらまた出社(笑)


                  シチリアのレモン (フォルクス・オーパー in Kasino)

                  0
                    Die Volksoper im Kasino am Schwarzenbergplatz
                    2017年2月12日 20時〜21時15分

                    Manfred Trojahn (*1949)
                    Limonen aus Sizilien
                    Drei italienische Geschichten nach Texten von Luigi Pirandello
                    und Eduardo De Filippo
                    Libretto von Wolfgang Willaschek

                    指揮 Gerrit Prießnitz
                    演出 Mascha Pörzgen
                    舞台・衣装 Ddietlind Konold

                    Der Schraubstock
                    Giulia Fabbri : Rebecca Nelsen
                    Andrea Fabbri : Carsten Süss
                    Antonio Serra : Morten Frank Larsen
                    Anna : Manuela Leonhartsberger

                    Lemonen aus Sizilien
                    Micuccio Fabbri : David Sitka
                    Sina Marnis : Rebecca Nelsen
                    Marta Marnis : Ursula Pfitzner
                    Dorina : Manuela Leonhartsberger
                    Ferdinando : Daniel Ohlenschläger

                    Eine Freundschaft
                    Micuccio Fabbri : Carsten Süss
                    Carolina Fabbri : Birgid Steinberger
                    Alberto Serra : Morten Frank Larsen

                    Orchester der Volksoper Wien
                    Komparserie und Kinderkomparserie der Volksoper Wien

                    シュヴァルツェンベルク広場にある Kasino という建物は
                    ブルク劇場の管轄下で
                    私は Im Puls Tanz のパーフォーマンスで何回か行った事がある。

                    Volksoper が初めてこの会場を借りて
                    現代オペラを上演する初日に
                    クソ高い(すみません、でも42ユーロですよ!)チケットを買って
                    ウキウキと駆けつけたのは
                    一重に、上記の出演者の1人を見たいという・・・

                    はい、勘と記憶力の良い読者の方は
                    すぐにお分かりの通り
                    こんなイイ男が世の中にいるのかしら?という程
                    モルテン・フランク・ラルセンの「顔」が
                    私はものすごく好きなの ♡

                    この人がメリー・ウィドウでダニロなんか歌った日には
                    私は最初から最後まで、ずっと悶絶している。

                    で、現代オペラですから(笑)
                    知り合いに、これを観に行く、と言ったとたん
                    最初から最後まで雑音だよね、と断言された。

                    たった1分の「雑音」だから
                    興味津々の読者も巻き込んでしまえ。
                    トレイラーをどうぞ。



                    このトレイラーが出た時に
                    実はあれ〜っ、とひっくり返りそうになったのだが
                    実際に観てみて・・・

                    モルテン・フランク・ラルセン
                    何でこんなに太っちゃったの?????

                    いや、お腹の出た丸顔でメガネというのは
                    本来は私の好みのドンピシャなんだけど
                    ラルセン、むちゃイイ男なのに
                    顔があんなに良くて
                    表情があんなにコロコロ変わってチャーミングで
                    腹の脂肪がズボンのベルトの上から出てるって
                    ・・・すみません、絶句(涙)

                    スウィニー・トッドの時には
                    あんなに太ってなかったじゃない。
                    多少の中年太りは許せるけど
                    あれはあれはあれは・・・😱

                    さて、ストーリーは
                    ギリシャ悲劇の形式に則った(とプログラムに書いてあった)
                    三部作の浮気物語(それ以外に何と言えと?)

                    ジュリアはアンドレアと夫婦で子供もいるが
                    アントニオと浮気をしていて
                    浮気がバレて自殺する。

                    この子供のミクッチオが
                    第二幕で、幼なじみで才能を見いだした
                    オペラ歌手のシーナの楽屋を訪ねようとして
                    追い出され
                    結局、会う事はできるのだが
                    あんた誰?と冷たくされる。
                    (まぁ、そりゃそうだろう)

                    第三部では、このミクッチオが病床に居る。
                    親友のアルベルトは
                    ミクッチオの自殺した母親の浮気相手の息子である。
                    錯乱したミクッチオは
                    アルベルトとの面会を拒み
                    アルベルトはミクッチオの人生の登場人物に化けて近づくのだが
                    最後にミクッチオは
                    アルベルトの妻とずっと浮気をしていて
                    アルベルトの子供はミクッチオの種だ、と告白して死ぬ。

                    いわゆるギリシャ悲劇の
                    親の因果が子に報い、って奴ね。
                    (因果じゃなくて浮気だけど)

                    音楽は限りなく雑音だが(笑)
                    言葉にしっかり寄り添っているので
                    演劇に、ちょっと音で彩りを添えました、という印象。
                    よって、違和感はあまりないし
                    その分「音楽」という程、音楽が先立つ風ではなかったけれど
                    ドラマチックなところは
                    やっぱり、ほんの少し「音」が付いている、というだけで
                    非常にドラマチックになるもんだなぁ、と納得。

                    舞台は、少ない机や椅子、ベッドを使って
                    華やかな衣装で、かなりうまくまとまっていたと思う。
                    演出的には良い感じで、至極真っ当。

                    歌手も揃っていて、聴き応えはある。
                    ラルセンは、激太りした点を除けば
                    やっぱり顔の表情はコロコロ変わってチャーミングだし
                    カルステン・ズュースが迫真の演技で圧倒的。

                    ああいう狭い会場だと
                    ソプラノが響き過ぎて、ちょっとキンキンした音にはなるけれど
                    それは会場の音響のせいなので仕方がない。

                    この演目、チケット高いし
                    高い割には、70分ほどの作品だし
                    ガラガラかなぁ、と思ったら
                    関係者らしき人たちが大量に来ていて
                    2月はシニア割引があるので
                    年配の方々も大量に来ていて
                    会場は満席状態(自由席です)

                    シニアの方々も、さすがに現代オペラを聴きにくる層なので
                    会場がものすごく静か。
                    誰も咳一つしない。
                    (隣に座った関係者っぽい英語を話す若い女性は
                     途中で退屈して、ため息ついたりバッグの中をゴソゴソしていたが
                     さすがに、すぐに止めてくれた(笑))

                    その意味では、すごく音楽(というかセリフか)に集中できて
                    あっという間の70分だった。
                    変に長くないだけに、かなり内容が凝縮されていた気分。

                    これから8回の上演があるけれど
                    チケット42ユーロもするので、もう行きません(笑)

                    ドイツ語がわかって
                    現代音楽好きな向きにはお勧めしますが
                    字幕がある訳じゃないし
                    (その分、音楽に乗せたセリフはほとんど聞き取れる)
                    オペラというよりは
                    現代演劇を観る、という気分で行った方が良いかもしれない。

                    まぁ、でも激太りしたとは言え
                    私にとってのイケメン・ナンバーワンを
                    あんなに近くで観られた、というだけで
                    ちょっと幸せ気分になっている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    サーカス妃殿下 フォルクス・オーパー

                    0
                      Volksoper 2017年2月9日 19時〜21時45分

                      Die Zirkusprinzessin
                      Operette in drei Akten
                      Text von Julius Brammer und Alfred Grünwald
                      Musik von Emmerich Kálmán

                      指揮 Lorenz C. Aichner
                      演出 Thomas Enzinger
                      舞台 Peter Notz nach einer Idee von Sam Madwar
                      衣装 Sven Bindseil
                      照明 Sabine Wiesenbauer
                      振付 Bohdana Szivacs

                      フェードラ・パリンスカ侯爵夫人(未亡人) Astrid Kessler
                      セルギウス公 Kurt Schreibmayer
                      サスクシン伯爵 Nicolaus Hagg
                      ペーター・ブルソフスキー男爵 Georg Wacks
                      スタニスラフスキー劇場支配人 Gerhard Ernst
                      ミスター・エックス (実はフェージャ・パリンスキー) Szabolcs Brickner
                      ミス・マーベル Elisabeth Schwarz
                      カーラ・シュルンベルガー Elisabeth Flechl
                      トニ・シュルンベルガー Michael Havlicek
                      ペリカン Herbert Steinböck
                      ボルシェビキ・客 Maximilian Klakow
                      バーのピアニスト George Frebold
                      アクロバット Duo Aquarius

                      Orchester, Chor und Kompaserie der Volksoper Wien
                      Wiener Staatsballett
                      Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

                      カールマンのオペレッタ
                      昔は「サーカスの女王」と言っていたようだが
                      プログラムを見ると「サーカス妃殿下」となっている。

                      確かにサーカスの女王より、サーカス妃殿下の方が
                      あらすじには沿っていると思う。

                      大金持ちの未亡人侯爵婦人フェードラが
                      サンクト・ペテルブルクにサーカスを観に行く。
                      ミスター・エックスという
                      仮面で顔を隠した人物が大人気だからである。

                      実はこのミスター・エックス
                      フェードラの亡き夫の甥のフェージャ・パリンスキーである。

                      昔、フェードラの美しさに魅入られていたら
                      夫に嫉妬され、爵位と相続権を剥奪されて
                      サーカスで働いている。

                      人気者ミスター・エックスの楽屋を訪ねるフェードラ。
                      フェージャはすぐに気がつく。
                      (フェードラはもちろん知らない。勝手に向こうから恋されただけだし)

                      仮面を取って頂戴、というのに逆らい
                      奥さま、お手にキッスしてよろしいでしょうか? に対して

                      え? あなたが?
                      一介のサーカスの芸人のアナタが
                      侯爵夫人のワタクシの手にキスをしたいですって?
                      ご冗談でしょ。ほっほっほっ。

                      ・・・いや〜、ヤな女だな。
                      一生に一回くらい、本気でこういう事が言える身分には憧れるが(笑)

                      ロシアの貴族セルギウスはフェードラに色目を使っている。
                      外国人と結婚してしまったら
                      フェードラの多大な財産がロシアから外国に行ってしまうからである。
                      (おおおおおい、それ、メリー・ウィドウですか(笑))

                      フェードラがなびかないとわかると
                      ミスター・エックスに陰謀をもちかけ
                      貴族のコロソフ公としてフェードラの前に現れるように計らう。

                      ミスター・エックスことフェージャは
                      コロソフ公として登場し
                      フェードラも、貴公子なら、という事で
                      だんだん仲良くなって

                      セルギウスがニセ文書で
                      ロシア皇帝は、あなたのために結婚相手を選びました、という手紙を
                      フェードラに渡し

                      知らない相手と結婚するくらいなら
                      今日、知っている人と結婚して
                      皇帝に「あら、ごめんあそばせ、ワタクシ、もう既婚ですの」
                      と言った方が良い、とけしかける。

                      フェードラを愛しているミスター・エックスことフェージャは
                      コロソフ公を騙っているのに良心の痛みを覚えながら
                      フェードラとの結婚式に臨む。

                      ・・・と、そこに
                      サーカスのメンバーとセルギウスが登場。

                      コロソフ公は、実はサーカスのメンバー、ミスター・エックスだ
                      お前はサーカスのスターと結婚したサーカス妃殿下だ、とからかう。

                      同時にもう一つラブストーリーが展開する。
                      サーカスのメンバーのミス・マーベルに惚れて
                      通い詰める、ウィーンのホテル「カール大公」の息子
                      トニ・シュルンベルガーは
                      ミス・マーベルが何とウィーンっ子である事を知って狂喜。

                      このラブストーリー、前半は順調に進む。
                      セルギウス公は、トニの事を
                      本当にカール大公の息子だと思い込んでいる。

                      フェードラとコロソフ公(ならぬフェージャでミスター・エックス)の
                      結婚式と合わせて
                      ボクたちも結婚式、というので結婚してしまう。

                      後半は、このトニとマーベル嬢が
                      ホテル「カール大公」に戻ってからのストーリー。

                      トニがお母さんに、サーカスの女性と結婚した、という事を言えず
                      ウエイターのペリカンに助力を頼んでいたら

                      マーベルが痺れを切らせて

                      私がお母さんに言うわ!!!
                      (いや、女性って強かったのね、昔から(笑))

                      お母さんは、息子がサーカスの女性と結婚した、というので
                      気を失いそうになるが

                      このミス・マーベルが
                      昔、憧れながら、どうしても落とせなかった
                      ブルクシュターラー少佐の娘である事を知り

                      あああああ、貴女が彼の子供、何て彼に似てるの ♡

                      ・・・と、結婚を喜んで承認する事になる。

                      さて、そのホテル「カール大公」で
                      セルギウス公とフェードラとフェージャがまた出会う。
                      一悶着あって
                      さて、それでどうなったでしょう・・・というところでシーンいったんストップ。

                      序曲の後に、舞台には寂れたサーカス小屋。
                      そこに、昔、劇場支配人だったスタニスラフスキーが登場して
                      昔話を始めるという幕開け。

                      最後のシーンがストップしたところで
                      スタニスラフスキーがもう一度登場。
                      昔話はこれで終わるが
                      フェードラは誰にキスをしたか。

                      (もちろん、セルギウス公ではなく
                       フェージャにキスして終わる。
                       多少強引でもハッピー・エンドがオペレッタであろう、うん)

                      バレエ・ダンサーをピエロっぽい化粧と衣装で
                      かなり多く投入しているのだが

                      背景で動くシーンが多くて
                      (もちろん、ダンスも思っていたよりあったが)
                      ちょっと、もったいない(好みです、好み)

                      アクロバットのペアは
                      最初は歪んだ鏡のような幕の向こうで
                      とんでもないバランスを見せてくれる。

                      でも、鏡の向こう側という事で、あまりくっきり見えずに残念。
                      ああいうアトラクションは、ちゃんと見せて欲しいよ〜。

                      その後に、やっと、ヒモを使った見事な芸で
                      楽しませてくれるシーンがあった ♡

                      音楽はゴキゲン ♡
                      序曲の時にあっ!と思ったんだけど
                      この Zwei Märchenaugen って、このオペレッタの曲だったのね?!

                      ミスター・エックス(コロソフ公でフェージャ)のテノール歌手
                      ちゃんと高音まで出て、演技も悪くなく
                      背は高くて、舞台上、ちゃんと絵になっているんだけど

                      このアリアは、やっぱりちょっと迫力不足(笑)
                      これは、最初のところで
                      サーカス商売に身を落とした自分の悲愴を
                      悲しみと怒りを籠めて歌ってこそ
                      後半の「2つのメルヒェンの目」逃した幸福の部分の
                      甘さと郷愁が活きると思うんだけど。

                      対してフェードラを歌った Astid Kessler は
                      鼻高々のイヤなプライドの高い侯爵夫人の役にピッタリ。

                      声もかなり出るし、セリフもクリアで
                      いや、本当にイヤな女になりきっていて

                      あまりに鼻につくイヤな貴族女になりきっているので
                      ミスター・エックスことフェージャと
                      最後にハッピー・エンドになるリアリティはなかったわ(笑)

                      トニとミス・マーベルは、これは芸達者で魅せた。
                      トニはセリフがハッキリとしていて
                      かなり高い声でセリフを言うのだが
                      歌ってみると実はバリトン(笑)
                      ちょっと、その断層にギョッとする事はあったのだが

                      2人揃って、歌うわ、踊るわ
                      ダンサーの群舞に混じって
                      見事にダンスを繰り広げて
                      こういうオペレッタの歌手って、スゴイと思う。

                      シリアスなフェージャとフェドーラだけだったら
                      なんだ、この格差社会の弊害は!とイヤな気分になるところだが
                      このトニとミス・マーベルによって
                      (この2人だって、ある意味、格差社会問題なんだけどね)
                      かなり救われている、という感じがする。

                      最初の「思い出話」の部分は冗長に感じたけれど
                      最後になって、伏線として活きてくる。

                      ストーリーの運びもスピーディだし
                      ダンサーやアクロバットの起用で
                      舞台から目が離せない。

                      最初は、えっ?19時〜21時45分?とゲッソリしていたのだが
                      後半の筋運びのテンポの良さに
                      あっという間に時間が経ったという印象。

                      文句なく楽しめます、うん。

                      しかし、こういう「格差社会」
                      まぁ、ヨーロッパではいまだにあるのは確かだが

                      考えてみれば、日本だって学歴社会というものが・・・

                      ワタクシ、ナントカ大学を卒業しているのに
                      アナタは何? ○校卒?
                      あら、話にならないわ、なんていうのが
                      あるのではないかと、チラッと考えてしまった。

                      もっとも、このストーリーは
                      「身分違いの恋」ではなくて
                      (それぞれに、ちゃんと身分は釣り合っている)
                      「身分違いの恋」の仮面を被って
                      アーティスト苛めをしているような気もするが
                      (あっ、それ以上言えない(汗))

                      現代では、何の能もない
                      ただの金持ちの貴族になるより(註 なれませんってば)
                      アーティストになる方が、ずっと大変なのよ(笑)

                      と思いつつも
                      金持ちでもなく
                      貴族でもなく
                      アーティストでもない私に
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