フォルクス・オーパー 2回目

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    Volksoper 2020年6月21日 18時〜19時

    Herreinspaziert!
    Salonorchester der Volksoper Wien
    歌 Anita Götz,, Christian Drescher
    指揮 Josef Bednarik
    司会 Christoph Wagner-Trenkwitz

    Carl Michael Ziehrer
     Herreinspeziert, Walzer Op. 518
     Herzensbarometer, Polka Mazur Op. 421
     Loslassen, Polka schnell Op. 386

    Josef Strauss
     Petitionen, Walzer Op. 153
     Verliebte Augen, Polka française Op. 185
     Vorwärts, Polka schnell Op. 127

    Franz Lehár
     Nechledil, Marsch
     „Ich bin verliebt“ aus der Operette „Schön ist die Welt“

    Anton Profes
     „Was macht der Maier am Himalaya“

    Gerhard Winkler
     Skandinavien-Express, Rhythmisches Intermezzo

    Hermann Leopoldi
     „Mit dem sch-sch-sch-Überraschungszug“

    フォルクス・オーパーでの週末コンサートは
    土曜日の15時30分と18時、日曜日の18時からの3回なので
    昨日見たのは、初回、今回が最終回。

    今回の席は、舞台からの距離はある11列目。
    上のバルコンの天井がかからないギリギリの列で
    音響は悪くない筈だ。

    皆さん、フォルクス・オーパーに行きたいけれど
    一番高い席じゃなくて良い、という場合は
    たぶん、9列目から11列目が良いと思いますよ。
    12列目以降はバルコンの天井が上に被さるので
    音響としてはちょっと不利かもしれない。

    安い席で良いところもあるんだけど
    それは、ここで教えてしまうと
    自分の席がなくなりそうなので、敢えて書きません(ケチ)

    午後にラジオで
    ウィーン・フィルの楽友協会のコンサートを聴いてしまったので
    (土曜日くらいまでは ここ で聴けるはず)
    オペレッタで、室内アンサンブルはどうかな〜と
    大変、失礼な事を考えながら行ったのだが

    いやもう、面白かったです。
    昨日、舞台にものすご〜く近いところで
    え〜い、木管が聴こえて来ない、と怒っていたのがウソのように
    本日は、後ろの木管も、その隣の金管も
    弦と混じり合って、ものすごく良い感じで聴こえて来て
    これがストレス・フリーというものだ。

    しかも最低距離の関係上
    周囲は空き席だから人も気にならないし
    前もガラガラに空いているから、舞台も良く見える。

    ツィーラーとか、ヨゼフ・シュトラウスとか
    フォルクス・オーパーのオーケストラ・メンバーって
    やっぱり巧いよなぁ。
    なんだかもう、手慣れた感じと
    オーケストラの血に、しっかりその伝統が流れてますって感じ。

    ウィーンの音楽家なら
    ワルツだの、ポルカだの、お得意だろうけれど
    フォルクス・オーパーのように
    (数は少なくなったが)演奏回数が多いオーケストラは
    やっぱり、こういう音楽を演奏させると
    ひたすら楽しく、ヘンに気取らず演奏してくれるのが良い。

    昨日のブログでプロフェスの
    マイヤーが何故にヒマラヤーという曲も
    チャーミングなヴィンクラーのスカンディナヴィア特急も
    埋め込んで紹介したけれど

    ヴィンクラーの曲なんか
    リズム的にも、ノリノリの演奏で
    聴いていて、心地よいし、颯爽としていて
    これぞ、音楽の楽しみ、っていう感じ。

    昨日、オーケストラの近くで気がついたのだが
    メンバーの何人かは、演奏中に足で拍子を取ってる。
    というより、ああいう音楽やってると
    全身(足含む)でリズムに乗っちゃうんだろうな。
    私も客席で動きそうになって困った。

    もともとワルツとかポルカとかは
    ダンスのための音楽なんだから
    今で言えばディスコ音楽と同じで(違うかもしれない)
    聴きながら、踊りたい!と思うのが正解なのだ(と思う)

    最後のナンバー、シュ・シュ・シュの時だったか
    あるいは、その後のアンコールの時だったか
    間奏で観客に手拍子させて
    (土曜日の午後には、これはやらなかったはず)

    いや、こういう手拍子、私は普通は絶対にやらないんだけど
    何だか、ものすごく自然で楽しくて
    ついつい、滅多にやらない手拍子でノリノリになったぞ。

    アンコールは、やはりヘルマン・レオポルディの曲だったんだけど
    アニータ・ゲッツが・・・いや、この人、本当に巧いなぁ。
    ディアンドルがむちゃくちゃサマになっていて
    如何にもオーストリアの女の子(メーデル)って感じで
    アーバー、フランツ!と繰り返すところなんか
    こういうの、オペレッタの典型的なフォームで

    いや、確かに、オーストリアに対するクリシェなんだろうけど
    それでも、こういう古い定型っぽい歌とドイツ語でも
    なんとも懐かしいオーストリア的なイメージを彷彿とさせて

    くそ、オペレッタ聴きたい!!!!
    オーストリアのド田舎の民族衣装の若者たちの
    たわいのないラブストーリーが見たい。
    アニータ・ゲッツみたいな
    垢抜けないけど、キュートで
    ちょっと生意気だけど、恋人の前では気取っちゃうという
    偏見だけど、限りなくオーストリアっぽい登場人物が
    舞台の上で、茶目っ気を振りまいて踊って歌うのを観たい!!!!

    少しだけナマ音の音楽生活は始まったものの
    却って、まるでオードブルだけ食べて
    メインの料理まで行かずにレストランを去らねばならないような
    もどかしい思いが募るばかり。
    ・・・・・どこまで贅沢なんだか。

    来週末はミュージカルのコンサートで
    これはこれで面白そうなんだけど
    ワタクシは、週末は
    ウィーン交響楽団の追っ掛けをしている予定なので
    (全4回予定されているコンサートのうち、3回に行く)
    フォルクス・オーパーのコンサートは私はこれで終わり。

    9月から、本当にシーズンが始まるのか
    疑わしいとは思いつつも

    (だって、ここ数日、また感染者増えてるし
     これから国境開いて、オーストリア人が休暇に行って
     そこでウイルス連れて戻ってくる可能性だってあるし
     外国人観光客が連れて来ちゃうケースもあるかもしれないし
     気をつけていようが何しようが、感染する時にはするんだもん)

    できれば、9月にちゃんと劇場も空いて
    100人の観客とかじゃなくて
    ちゃんと全席売ってくれて
    オペレッタやバレエ(9月はピーターパンの再演がある!)が
    行われるように
    祈る気持ちの私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    フォルクス・オーパー Herreinspaziert!

    0
      Volksoper 2020年6月20日 15時30分〜16時30分

      Herreinspaziert!
      Salonorchester der Volksoper Wien
      歌 Anita Götz,, Christian Drescher
      指揮 Josef Bednarik
      司会 Christoph Wagner-Trenkwitz

      Carl Michael Ziehrer
       Herreinspeziert, Walzer Op. 518
       Herzensbarometer, Polka Mazur Op. 421
       Loslassen, Polka schnell Op. 386

      Josef Strauss
       Petitionen, Walzer Op. 153
       Verliebte Augen, Polka française Op. 185
       Vorwärts, Polka schnell Op. 127

      Franz Lehár
       Nechledil, Marsch
       „Ich bin verliebt“ aus der Operette „Schön ist die Welt“

      Anton Profes
       „Was macht der Maier am Himalaya“

      Gerhard Winkler
       Skandinavien-Express, Rhythmisches Intermezzo

      Hermann Leopoldi
       „Mit dem sch-sch-sch-Überraschungszug“

      フォルクス・オーパーの週末コンサート、第二弾は
      オペレッタとワルツのプログラムで、2回公演。

      18時からのチケットを買ったつもりで
      プリント・アウトしてみたら、15時30分の1回目を買っていて
      しかも席が一番前という・・・(絶句)

      でも、取り敢えず小編成だけど舞台の上はオーケストラ。
      ナマの楽音が聴けるチャンスは逃してたまるか・・・

      プログラム見てお分かりの通り
      実は最初の20分くらいは・・・
      ちょっと辟易してた。
      いや、私、ウインナー・ワルツとかポルカのファンじゃないし
      ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートも
      バレエ・シーンを見るため「だけ」に見ているので

      ウインナー・ワルツやポルカを続けて聴くと
      そりゃ、一緒に踊るならともかくとして
      ザッハー・トルテの大きいホール・ケーキを
      無理やり食べたような胸焼けがするのである。
      (ファンの皆さま、ごめんなさい)

      ツィーラーのワルツ、ポルカ(割りに珍しいものらしい)
      如何にも職人芸で、楽しい曲だし
      ヨゼフ・シュトラウスの曲も
      技師から、ヨハンが燃え尽き症候群で仕事できなくなって
      急に機械作りから指揮者・作曲家に変身させられた
      (とワーグナー=トレンクヴィッツは言っていた)
      という状況だったにせよ
      さすがシュトラウス・ファミリーという手慣れた感じが伝わってくる。

      そりゃ、舞踏会とかで
      目一杯オシャレして、ロング・ドレスを着て
      素敵なパートナーと踊る、とか言う気分だったら別の話だが。

      それに、本当に前の席なので
      弦はむちゃくちゃ聞こえて来るのだが
      後ろの方の木管が、不思議な程に聞こえて来ない。
      音響的に何かあるのか、私の耳がヘンなのか・・・

      ただ、その後、時代が下って
      フランツ・レハールになって
      アニータ・ゲッツが舞台に登場。

      Ich bin verliebt 私は恋に堕ちた、というレハールのアリア。
      マイクは着けているけれど

      何てチャーミングなの ❤

      さすがにフォルクス・オーパーの歌手で
      演技は出来るし、表情も豊かで
      声も出るし、言葉が実にハッキリ、クッキリと聞き取れて
      恋した女性の喜びがピカピカ光りながら
      (ほとんどが老年の)観客に伝わって来る。

      あ〜、青春時代って良いなぁ・・・
      そういう青春、残念ながらなかったけど
      小説やら舞台やらで仮体験する限りでは
      素晴らしい体験なのであろう、きっと。

      その後出てきたクリスティアン・ドレッシャーの
      Was macht der Meier am Himalaya
      うわあああ、笑い転げたわよ、これ。

      いくつかバージョンがあるが
      その一つを貼っておきます。
      ご興味のある方、ぜひどうぞ。



      綴りは違うけど
      フォルクス・オーパー総支配人のマイヤー氏も
      横のロジェに座っていらっしゃいますが・・・(爆笑)

      この曲、流行曲として、数カ国語に訳されて歌われたらしい。
      アントン・プロフェスは、映画音楽も多く作曲しているようだ。

      「小さなマイヤーは大きなヒマラヤーで何をしてるんだ?
       どうやって登ったんだ?
       マイヤーはヒマラヤーから降りて来られるのか?」

      という語呂合わせの曲なんだけど
      いや、こういうのって、確かに聴いた後で
      口ずさみたくなる曲だわ。

      ゲルハルト・ヴィンクラー(1906-1977)のインテルメッツォは
      映画音楽という感じの、とてもチャーミングな曲。
      今聴いても、全然古くない。

      今学期はインターネット講義で
      映画音楽の歴史があったので
      (試験は秋に受ける ← 勉強してない(汗))
      映画音楽をずっと聴いて来たけれど
      この曲も、とてもとても素敵。
      お時間のある方はどうぞ(短いです)



      最後は鉄道オタクだった
      ヘルマン・レオポルディ (1888-1959) の
      シュ・シュ・シュ、びっくり列車(と言って良いのか?)という曲で
      アニータ・ゲッツとクリスティアン・ドレッシャーが歌いあげる。
      ヘルマン・レオポルディは強制収容所から逃れてアメリカに渡った作曲家で
      強制収容所で作曲した曲もあるようだ。

      このシュシュシュはオーケストラ全員が
      汽車のシュシュシュを真似しながらの演奏で
      ゲッツとドレッシャーの歌の絡みも面白い。
      何せフォルクス・オーパーの歌手だから
      じっくり演技でも見せてくれて

      あああああああああああっ!!!
      オペレッタ観たい、聴きたい!!!!!!

      だいたい、歌手二人がちゃんと衣装を替えて
      ディアンドルとトラハテンで登場する上
      指揮者にも鉄道の車掌さんの帽子(オーストリアの国旗入り)を渡して
      オペレッタの雰囲気を、そのまま舞台に持って来ているんだもん。

      このご時世で、ナマの音楽が聴けるだけでも
      本当はありがたい事なのだが
      人間の、いや、ワタシの欲望に限りはないので
      こういうリートを聴くと

      あ〜、舞台装置と衣装とストーリーと
      オーケストラと歌手と、演技と
      途中のアドリブとかクープレの入るオペレッタを
      観たい!!!!!

      本当に秋からシーズンが開始されるかどうかは
      ここ数日、また感染者数が増加していて
      実効再生産数も1を越えて
      オーストリア人は緩みまくって最低距離を空けてくれず
      国境も開いて、これからみんな、休暇で外国に飛んだりするし
      無症状感染者が多い事を考えると
      まだまだ予断は許さないのだが

      でも、秋のシーズンが始まる事を
      心待ちにしている私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      本当にシーズン開始になったら
      オペレッタにも行くぞ、と固く決心済。

      フォルクス・オーパー 「四季」2回目

      0
        Volksoper 2020年6月14日 18時〜19時

        Antonio Vivaldi (1678-1741)
        Die vier Jahreszeiten / Le quattro stagioni

        Mitglieder des Orchesters der Volksoper Wien
        Solistinnen:
        Bettina Gradinger, Vesna Stanković
        Musikalische Leitung am Cembalo: Guido Mancusi
        Rezitation: Robert Meyer

        実は2回目のこのコンサート
        記事を書くつもりは全然なかったのだが

        いや、むちゃくちゃ楽しかった (^^)v

        コンサート、というより
        ナマのパーフォーマンスは
        同じものは二度とないし
        今日は何故か、ものすご〜く前の席で
        こりゃ音がヤバイか、と思っていたんだけど

        面白い事に、前なのに後ろからの音の反射が聞こえてくる。
        妄想かもしれないが。

        舞台は、もともとのオーケストラ・ピットの上だが
        そこから3列ほど離れたど真ん中で
        音響は悪くない。
        昨日より、各楽器(チェンバロ含む)が
        すべて対等に聴こえてくる。

        ソリストのバイオリンの
        ほんの少しのミスまで聴こえてくるけど
        全体的な均衡から言えば、全然気にならない。

        今日は指揮者+チェンバロの
        マンクーシの誕生日というアナウンスが
        ローベルト・マイヤーからあって
        昨日と同じように、解説とソネットの朗読。

        で、もちろん私の大いなる妄想である事は
        充分にわかっているけれど

        何だかオーケストラのメンバー
        むちゃくちゃ楽しそうじゃないか。

        春と秋のバイオリンのソリスト
        昨日も大いに即興の装飾を入れて華やかだったけれど

        今日の秋の第一楽章の
        酔っ払ってシャックリが止まらなくなるシーンの
        鮮やかな表現力には圧倒されてしまった。
        オーケストラのメンバーも思わず笑顔になるし
        私も客席でちょっと笑い出しそうになってしまった。

        今日がこの演目の最後のコンサートで
        オーケストラにとっては3回目だけど
        アンサンブルの楽しさ、というのものが
        演奏する方の喜びというものが
        手に取るように伝わって来て
        聴いている方にも、その楽しさが
        ダイレクトにビンビン響いてくる。
        (あ〜、本当に妄想かもしれないので
         もしかしたら、せっかくの休みだったのに
         また演奏かよ、かったるい、と思っている・・・かもしれないけど
         いや、でも、あの演奏で、それはあり得ないわ)

        客席には立った100人しか座ってないし
        クロークもプログラムも無料だし
        100人は、一人15ユーロしか払ってないし
        (全体の売り上げ1500ユーロ以下だ。
         関係者席がいくつかあるだろうから)

        それでも、音楽の楽しみというのは
        コストと言う経済概念とはリンクしていない。
        純粋に空気の振動が
        心地よく鼓膜に伝わってくるのが楽しい。

        しかしヴィヴァルディの四季って
        こうやって久し振りにナマで聴いてみると新鮮だなぁ。
        音による絵画表現については
        2年くらい前の音楽分析の授業で取り上げた事もあったけれど

        考えて見れば、鳥の鳴き声はある程度楽音ではあるし
        狩のホルンのトポイは音楽史では確立しているし
        小川の流れとか、窓を叩く水滴の音とか
        狩の時の銃の発射音(コントラバスの力強いピチカート!)は
        どの文化でも、音そのものを音楽に織り込んでいるのはわかるし

        ヨーロッパの伝統に基づいたトポイと
        自然音の音楽における再現とが
        ヴィヴァルディの四季にはふんだんに使われていて

        確かに、目の前で動く絵画的音楽というか
        ナラティヴな映画音楽というか
        ・・・書いてるうちにワケわからなくなったので止める。

        勉強しなきゃ、課題やらなくちゃ・・・と思いつつ
        やっぱりダラダラと
        楽しみばかりに流れていく
        怠惰な私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        フォルクス・オーパー 「四季」

        0
          Volksoper 2020年6月13日 18時〜19時

          Antonio Vivaldi (1678-1741)
           Die vier Jahreszeiten / Le quattro stagioni

          Mitglieder des Orchesters der Volksoper Wien

          Solistinnen:
          Bettina Gradinger, Vesna Stanković

          Musikalische Leitung am Cembalo: Guido Mancusi

          Rezitation: Robert Meyer

          お久し振りのお久し振り、フォルクス・オーパーである。

          100人限定でコンサートをする、というお知らせの
          次の日の朝8時が販売開始。

          ただ、最初から一律15ユーロという値段は出ていたので
          あまり詳細はわからないまま
          えいっ!と買った。
          (15ユーロって安い、安過ぎる!!!)

          15時30分からのコンサートもあったが
          長い間演奏しなかったオーケストラの
          最初のコンサートは経験上、避けた方が(あっ、以下省略)

          入り口でチケットを確認。
          係員はマスク着用。
          観客も席につくまではマスク着用(のはずだ、それ以上は言わない)
          全員平土間なので
          係員が一人一人を席まで案内している。
          100人だから出来るんだわね(笑)

          プログラムは
          通常ならキャスト表になるような
          ペラペラの紙で
          キャスト表は通常なら有料なのだが
          (確か50セントだか60セントだかそんなもんだ)
          何と、今回は無料。

          楽友協会コンサートのプログラムも無料だったし
          何だか、どこもかしこも大判振る舞いというか
          もう赤字なんだから徹底的に赤字で良いわい、という
          ある意味、開き直りなのか?(笑)

          コンサート告知のタイトルに
          「四季」とは書いてあった。
          ただ、フォルクスオーパー、ロックミュージカルで
          ヴィヴァルディの五季とか言うのも上演していたし
          プログラムのタイトルが「四季」だからと言って
          本当にヴィヴァルディの四季を演奏するかは
          私にとっては疑わしかったのだが

          いやあはは
          ヴィヴァルディの「四季」でした f^_^;)

          ヴィヴァルディの「四季」と言えば
          今やみんな知っているバロック曲なのだが
          私が子供の頃に、イムジチ合奏団というグループが
          この曲を演奏して爆発的に流行し
          その後、マリナー率いるアカデミー室内管弦楽団が
          イムジチと比べものにならないすごい早い速度で演奏して
          ・・・まぁ、子供の頃の私には
          面白い比較を提供してくれた曲なのだが、それはともかく・・・

          舞台の前に舞台を作って
          そこに室内楽奏団。真ん中にチェンバロ。
          下手(しもて)に第1+第2バイオリン。
          チェロはチェンバロの後ろ
          ビオラが上手(かみて)で
          チェロとビオラの間にギター1名。
          (普通はリュートかテオルベとかだと思うのだが
           じっと見たけど、やっぱりギターだったような気がする。
           違っていたらごめんなさい(現代的リュートとか?))

          まずはフォルクスオーパーの元気な総監督のマイヤー御大が登場。
          ロック・オペラのヴィヴァルディの五季というのもあったし
          (来シーズンもプログラムに載るそうだ)
          初演予定だったバレエの演目にも
          ヴィヴァルディが使われる予定だったという事で
          今回は、この「四季」を演奏する事になったそうだ。

          各季節の前に、簡単な情景の説明をして
          ヴィヴァルディが書いた(と言われている)ソネットの
          ドイツ語訳を朗読。

          で・・・

          わ〜〜〜〜っはっはっはっは
          すみません、はしたなく笑っちゃいまして。
          だってもう、音響が楽友協会と全然違う。

          そりゃ、楽友協会はコンサート・ホール(シューボックス)で
          フォルクスオーパーは劇場、馬蹄型のホールである。
          馬蹄型ホールはアンフィシアターの流れを継ぐので
          残響時間が1秒前後で
          言葉を理解するための劇場。

          だから、総支配人ローベルト・マイヤーの朗読は
          ものすごくクリアに聞こえて来る。
          この人、もともと俳優だし、声がクリアで大きいのもあるけど
          朗読している時に、既に、残響の少なさが耳に印象的。

          よく劇場を見れば
          座席も肘掛も、全てベルベットの生地で覆われていて
          (それまで気がつかなかったんかいっ!)

          平土間真ん中あたりの、本当にど真ん中で
          周囲はソーシャル・ディスタンスで他の観客はいないし
          前にも他の観客はいないので、舞台が良く見えるし
          こんな良い席、座った事が滅多になくて
          ご招待で座った時にはオペレッタだったので
          音がダイレクトに飛んでくる感じだったが

          室内弦楽合奏団+チェンバロで聴こえて来る音は
          かなり鋭く、明確で、残響が少ない分、弦のキレが良い。
          ヴィヴァルディは、かなり早いフレーズを書いているのだが
          その一音、一音がクリアに聴こえて来るので気持ちが良い。

          もちろん、古楽器合奏団ではないのだが
          だいたい、古楽器合奏でピッチが低めとかいうのも
          疑わしいので(それについてはコンサート・ピッチのところで書いた)
          普通のピッチで、まぁ、443ヘルツくらいと推測するが、演奏されて
          違和感は全くないし
          ダイナミックで活き活きしていて、ハリとコシがあって良い感じ。

          バイオリンのソロは二人で交互だったが
          うおおおおお、夏と冬を演奏した女性バイオリニストが巧い。
          (春と秋も、もちろん良かったけど、夏と冬は特に難しい)

          しかし、馬蹄型劇場で
          座席が全部、詰め物ありのベルベット生地に覆われていて
          これだけデッドな音響で

          歌手って、それでも響かせるのか、スゴイな・・・

          楽友協会の緩衝材なしの残響バリバリの音響が凄かったので
          音響がデッドな劇場で、弦楽合奏団を聴くと
          ここまで印象が違うのか、と、驚くべき体験になった。

          こういうスタンダードな曲は
          オーケストラも手慣れていると思うんだけど
          それにしても
          ここまでクリアに響いてしまうと
          細かい部分まで客席に届くから
          ほんの少しのアンサンブルのズレとかも聴こえてしまうので
          その意味ではオーケストラ・メンバーも
          意外に気が抜けない演奏だったんじゃないだろうか。

          バイオリン・ソロの時に
          ほとんどいつも伴奏で入っていたチェロが素晴らしかった。
          バイオリンの音を生かしながら
          出しゃばらず、でも存在感があって
          こういう職人仕事に、私はグッと来てしまう。

          指揮者のグイード・マンクーシはベテランの中堅だが
          チェンバロも良かった。
          もともとチェンバロの音は小さいので
          大きいホールだと、ほとんど聴こえて来ないのだが
          今回の不思議音響(デッドな方)では
          ちゃんと客席まで伝わって来る。

          シューボックスと馬蹄形劇場との音響の差が
          まぁ、実に面白い。

          来週の週末は
          歌手も入ってのコンサートの予定。
          また音響が違って来るんだろうなぁ。

          フォルクスオーパーで弦楽合奏団を聴くなんて
          こんな時でなければ
          一生、なかった体験だと思う。

          本日、ウィーンは天気が良くて30度まで上がったけれど
          湿気がないから、爽やかで気持ちが良い。

          コンサートの後、杖ついて
          また山登りして来て
          その後、痛みに呻いているアホな私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。


          マリッツァ伯爵令嬢 フォルクス・オーパー

          0
            Volksoper 2020年1月25日 19時〜21時45分

            GRÄFIN MARIZA
            Operette in drei Akten
            Musik von Emmerich Kálmán

            指揮 Karsten Januschke
            演出 Thomas Enzinger
            舞台・衣装 Toto
            照明 Sabine Wiesenbauer
            振付 Bohdana Szivacz

            マリッツァ伯爵令嬢 Caroline Melzer
            ポプレスク侯爵 Toni Slama
            コロマン・ジュパン男爵 Jakob Semetan
            タシロ・エンドレディ・ヴィッテンブルク伯爵 Carsten Süss
            その妹リーザ Julietta Khalil
            カール・シュテファン・リーベンベルク Nicolaus Hagg
            ボジェナ侯爵夫人 Helga Papouschek
            侍従ペニジェク Robert Meyer
            召使いチェッコ Franz Suhrada
            ジプシー女 Elvira Soukop
            プリマ Georgy Rogers
            女の子 Livia Ernst

            Orchester und Chor der Wiener Volksoper Wien
            Kinderchor der Volksoper Wien
            Komparserie der Volksoper Wien
            Wiener Staatsballett
            Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

            カルマンのオペレッタ、マリッツァ伯爵令嬢は
            探してみたら、2014年3月22日の初演の時に行っている。

            今回は友人のご招待で
            自分じゃ絶対に買わない(買えない)一番良い席で鑑賞。
            いやもう、舞台がばっちり見えて迫力あって
            望遠鏡使わんで良い(笑)

            指揮者が変わって、歌手も一部変わったけれど
            さすがにフォルクス・オーパーのオーケストラって
            こういうウィーンのオペレッタは、本当に巧い。
            指揮者も情熱的に振る若手で
            息遣いも聞こえてくるし(邪魔になる程ではない)
            数回聞こえて来た掛け声もタイミングが合っていて
            微笑ましい。

            子供と老人のダイアローグは
            う〜ん、2回目を見ても、やっぱり謎。
            ああいう余計なシーンを入れる必要はあるのか、と思わせるが
            子供の観客も多いし
            年配のお客さまも多いので
            両方にウケるための苦肉の策なのかしら。
            確かに、子供は可愛かったけど(笑)

            さて、舞台でタバコ吸いまくりのマリッツァ伯爵令嬢は
            背が高くてスタイル抜群で
            美人で気品があって、歌が巧くて、演技も抜群。
            えらく魅力的である。
            ちょっと気位の高そうなところが
            これまたツンツンでカッコ良くて
            女性でも惚れそう(こらこら)

            タイトル・ロールに存在感と魅力がある、というのは強い。
            しかし、さすがにフォルクス・オーパーのアンサンブル
            脇役の芸達者振りと存在感が、これまたスゴイ。

            ポプレスク侯爵は、ほとんどセリフだけの
            割に地味な役柄ではあるのだが
            これ、典型的なウィーンの貴族という役柄で
            セリフもウィーンっぽい慇懃無礼さがたっぷりある上に
            この人のドイツ語って
            いわゆるウィーンの上流階級の
            あの気取った、鼻に抜けるフランス風のアクセントがある。

            まぁ、典型的ウィーンの貴族とか言っても
            私のような庶民が、そういう高貴な方々とお話しする事はない。
            あくまでも本で読んだり、話を聞いたり
            あるいは演劇の中で出てくる
            いわゆる思い込みによる偏見かもしれないけれど
            ただ、1人だけ個人的に存じ上げていた貴族階級の方って
            ああいう鼻にかかったお上品なウィーン訛りをお話になっていた(笑)

            対するマリッツァ伯爵令嬢は
            どちらかと言うとドイツっぽい非常に美しいドイツ語を話す。
            よって、セリフが明確でわかりやすい。
            舞台がブダペストだからウィーン訛りを話す必要も別にないし。

            コロマン・ジュパン役の歌手が
            むちゃくちゃ存在感あって、すごく良かった。
            もともと目立つ役どころではあるのだが
            小太りで、ロカビリー・ヘアで(笑)
            それが歌って踊れちゃうというギャップ萌え(爆笑)

            豚飼いジュパンだから(ジプシー男爵だ!)
            ヴァラシュディンから来ました、と自己紹介をする時に
            豚を出してくるのが笑える。
            (この豚ちゃんが、何故かすごく可愛い)
            コミカルな役を、徹底的にコミカルに
            ハンガリー訛りのドイツ語を駆使して
            イヤミにならずに演じられる芸達者振りが見事。

            対するリザのスプレットは
            ピノキオのタイトル・ロールも歌っていた
            小柄なソプラノ歌手。
            これまた、キャピキャピ振りが
            リザにぴったり。
            多少大げさにも見える演技が不自然ではなく
            ジュパンとのラブ・ストーリーもキュート。

            タシロは・・・
            う〜ん、難しい役だもんなぁ、これ。
            テノールで、見た目が良くて
            管理人という平民から
            貴族に変わるところも演じないといけないし
            マリッツァとのラブ・ストーリーの演技も必要だし

            かなり必死になって声を張り上げつつも
            何とかテノールの高音までちゃんと出ていて
            音楽的にはそこそこ満足できるのだが

            これは演出のせいもあるのだと思うけれど
            タシロがマリッツァに惚れた、と思わせるシーンがない。
            最初から最後まで
            情熱的にキスしたりはするんだけど
            こいつ、別にマリッツァに惚れてないじゃん。

            マリッツァは、途中で突然タシロを好きになるみたいだが
            それも何だか不自然で・・・
            (だってタシロのラブソングの時
             何だか本気で嫌がってる(笑))

            だいたいマリッツァ役のソプラノ、スタイル良くて背が高いので
            タシロとキスすると、顔の位置が同じである。
            だからどうした?と言われると言い返せないけど・・・
            (ジュパンとリザは、ものすごい背の違いで、それはそれでキュートなのだが)

            マリッツァがタシロの手紙を誤解して
            怒り狂って、タシロに金を投げつけるシーンで
            このタシロだったら、すぐに金を拾って
            懐中に入れても、あまり不自然じゃないような・・・
            (すごい言われようだが
             タシロが最初から最後まで、異様に冷静に見えるんだもん)

            二コッともしないタシロなので
            最終シーンが、ちょっと納得いかん、というか
            タシロが Lebe wohl という
            本当にもう再会しない事を前提の別れの挨拶をして
            マリッツァから去っていくのが自然に見える。
            (その後、戻ってくるんだけど
             それが取ってつけたようで、かえって不自然で
             だったら、そのまま別れました、で良いと思うのだが
             オペレッタは基本ハッピー・エンドだからね・・・)

            あと、ジュバンだけど
            最後にポプレスク侯爵がしたり顔で
            実は貴族じゃなくて、平民の俳優、と言い出す必要は
            演出上あったのか。
            別にそのまま、豚飼いの金持ちのヴァラシュディンの貴族で
            リザと結婚して幸せになる、というストーリーで良いじゃん。
            (リザは俳優でも結婚する、と言うけれど
             普通だったら、それ詐欺だから、そこで破談にならないか?)

            ダンス・シーンが華やかでステキ ♡
            ダンサーたちが衣装をとっかえひっかえして
            様々なダンスを見せてくれるのが、むちゃくちゃ楽しい。
            フォルクス・オーパーのダンサーたちって
            あの狭い舞台で
            効果的に、しっかり「魅せる」ダンスで
            しかも様々なジャンルを踊る必要があるのだが
            歌手も芸達者なら、ダンサーも芸達者で見事だわ。

            フォルクス・オーパーの支配人ローベルト・マイヤーが
            舞台に登場すると
            ほどんと他の出演者を喰ってしまうのだが
            この演目ではボジェナ侯爵夫人との絡みなので
            この2人の個性の強い役者の丁々発止が、むちゃくちゃ面白い。
            漫才を見ているようだ。

            ここでは、途中に演劇の題名が入るのだが(これが爆笑モノ)
            この程度の演劇は知ってるよね、というのが前提。
            こういう、観客の「あ、知ってる」を誘発する
            ちょっとインテリぶったところもフォルクス・オーパーは巧みだ。

            途中でペニジェク(マイヤー)が1人で
            ずっと座っているシーンがあるのだが
            子供が多いので
            我慢できない子供の笑い声があちこちから響いてくる。
            いやまぁ、座っているだけでおかしいマイヤーの存在感(笑)
            ・・・で、ずっと座ったまま
            最後にポツンと「ゴドーを待ちながら」
            わ〜っはっはっは。

            タシロとマリッツァのラブ・ストーリーが
            よくわからんところを除けば
            音楽はご機嫌だし
            ダンスはチャーミング
            舞台もまとまっていて
            とことんウィーンのオペレッタを楽しめる舞台。

            いやホントに友人に感謝である。
            ありがとうございました。

            マリッツァみたいに
            言い寄ってくる男性は
            全員、私の金が目当てなの
            ・・・という悩みは一切ないので
            かえって羨ましいが

            高貴でリッチな方々にも
            それぞれのお悩みがあるのであろう、と
            嫉妬混じりの推測で
            自分を慰める私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            再演用に、ものすごく短い45秒の動画を
            フォルクス・オーパーが作ったので
            ご参考までに下に貼っておきます。



            ヘンゼルとグレーテル@フォルクス・オーパー

            0
              Volksoper Wien 2020年1月6日 17時〜19時15分

              Hänsel und Gretel
              Märchenspiel in drei Bildern von Adelheid Wette
              Musik von Engelbert Humperdinck

              指揮 Christof Prick
              演出 Karl Dönch
              舞台・衣装 Toni Businger
              コーラス指導 Lucio Golino

              ペーター Morten Frank Larsen
              ゲルトルード Elisabeth Flechl
              ヘンゼル Elvira Soukop
              グレーテル Anita Götz
              魔女 Ulrike Steinsky
              砂の妖精 Ghazal Kazemi
              雫の妖精 Lauren Urquhart
              レープクーヘンの子供たち Jugendchor der Volksoper Wien

              Orchester der Volksoper Wien
              Kinderkomparserie der Volksoper Wien

              季節ものと言えばヘンゼルとグレーテルは
              クリスマス時の定番で
              国立オペラ座でも、フォルクス・オーパーでも
              毎年上演されるのだが
              実は私は行った事がなかった。

              前置きが長くなるけれど
              グリム童話に収録されている、この話について
              以下の理由から、私はどうしても嫌悪感が否めない。

              子供の養育義務を放棄する親。
              (まぁ、飢饉の時だ、仕方がないと言えばそうなのだが)
              ヘンゼルとグレーテルによる、魔女の家の器物破損。
              魔女の目が不自由な事を利用して行われる詐欺。

              でも一番イヤなのは
              飢えている子供に、目的はどうあれ
              ベッドと食料を提供した魔女を焼き殺すという・・・

              だったら、ビール飲ませてマッサージして
              和牛を喜んで食す我々はどうなんだ、という話。
              (註 私はベジタリアンではありません。和牛も好きです)

              だいたい、人間を焼き殺すというのは
              何故か知らないが、私のトラウマみたいになっていて
              最初の悪夢として4歳頃の記憶に今でも鮮明に残っている。
              そういう動機があったワケではないので偶然だと思うが。

              そんなワケで、
              今までず〜〜〜っと意図的に避けていた演目なのだが
              何故、今日、この演目に行ったかと言うと

              昨日、フォルクス・オーパーに行って
              あっ、この貧民席、もしかしたら舞台が良く見えるかも
              ・・・という席を見つけ

              夜にチケットの状況を見たら
              たまたま、その席が空いていた、という
              かなり単純な理由による。

              夕方5時からの公演で
              もちろん会場は子供と家族連れだらけ。

              プログラム買ったら
              立体カード3枚(1幕ごとのストーリーで1枚)になっている。

              しかも中の筋書きが手書きという
              ストーリー知ってるから良いけれど
              後で見るには楽しいプログラムだが
              その場で読むには最悪(笑)

              2幕のプログラム(カード)の下のところに
              グレーテルは対等である (gleichberechtigt)ヘンゼルも同様
              ・・・という文が書いてあるのは何だかよくわからない(笑)

              フンパーディンクのこの演目
              演出上なのか、フンパーディンクのオペラがそうなのかは不明だが
              ストーリーはかなり変えてあって
              飢餓のための子捨てではなく
              木苺を積みに行かせたら、迷ってしまう、という話になっている。
              (お父さんが慌てて子供を探しにお母さんと森に入る)

              お菓子の家、と言えば
              私のイメージは白や赤などの華やかな家だが
              こちらはレープクーヘンの家だ。

              パッと見た目は、全部茶色で、木造りの家とほとんど変わらない。
              貧民席からオペラ・グラスで見ると
              レープクーヘンらしい模様があるので、あ〜、そうか、とわかるが
              全体的に地味。
              まぁ、ここオーストリアだしな(笑)

              音楽は素敵 ♡
              厚めのオーケストラで、ちょっとワーグナーっぽいところと
              民謡を多用していて、耳障りの良いチャーミングなメロディのテンコ盛り。
              しかも、かなり歌いっぱなし。

              昨日と同じく
              出演者が、全員、ともかく芸達者。
              みんな、身体が軽くて踊れるし
              見た目もキレイだし
              ドイツ語のディクションが明確なので
              上のドイツ語の字幕がなくてもわかる。

              第一幕の台所は
              プログラムによれば
              モーツァルトの生家の台所がモデルらしい。
              こういう台所、都市部ではないかも知れないけれど
              40年以上前の留学時代に
              田舎の家に遊びに行った時には、確かにあった。
              (私が懐かしんでどうする??)

              モルテン・フランク・ラルセンは
              多少くたびれてワイルドなお父ちゃん役で
              ギョロっと目を見開いたりするけれど
              やっぱり、イイ男である。
              多少、ふくよかになったような気がするが
              堂々とした体格でよろしい。うん。

              ヘンゼル役のエルヴィラ・ソウコップが素晴らしかった。
              演技も巧くて、男の子に見えるし
              やんちゃ振りもなかなか堂に入っている。
              グレーテルのアニータ・ゲッツは
              体型から言えば、女の子とは言いにくいかもしれないが
              その分、動きの演技と、キュートな声で
              全く不自然さがなかったのはスゴイ。

              だいたい、あれだけ動いて踊って
              それで声が出るというのがスゴイわ。
              普通だったら、息切れして声なんか出ないと思うんだけど・・・

              魔女は、あまり声は出ていなかったけれど
              途中からマイクでの演技になるし
              (このマイクの使い方がまた絶妙で巧い)
              特殊メイクと演技で、薄気味悪い魔女そのものだった。

              子供たちのコーラスも可愛い。
              見た目も演技も、コーラスも抜群に良い。

              魔女をかまどに入れて焼き殺すところは
              やはり私の理由のないトラウマを触発するらしく
              ちょっと気分が悪くなったけれど
              その後、魔女がレープクーヘンになって出てくるので
              ちょっと気が逸れた感じになった。
              (でも、それでも人間を火にくべるというのは気分が悪い)

              しかし、これ、ここで魔女を焼き殺さずに
              人権問題として
              魔女を説得してベジタリアンにする、とかになったら
              全く話が違うからなぁ。
              (だいたい、そういう事を言い出したら
               昔のオペラとか演劇とかバレエは上演できなくなるわ)

              ドイツ語学科で必須の読書として
              マックスとモーリッツというコミックがあるのだが
              あれだって、子供の悪戯とは言えない残虐さがあって
              これ、間違いなく傷害罪や殺人罪だろ、というのが
              子供のコミックとして読まれている事が
              私には信じられないので
              まぁ、そういうヨーロッパの社会背景と思うしかない。

              というワケで
              やっと一応「観た」演目になった。
              ごめんなさい、本当に申し訳ないが
              音楽はステキなんだけど
              正直、二度と観たくない。
              魔女をかまどに入れるところなんか
              場合によっては、悪夢で出て来そうで、かなり怖い。

              実は臆病な私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              人参の王さま@フォルクス・オーパー

              0
                今年最初の日曜日のダブル・ヘッダーです(笑)
                時系列で読みたい方は、まず こちら からどうぞ。
                下は夜のフォルクス・オーパーでの公演の個人的感想メモです。

                Volksoper Wien 2020年1月5日 19時〜21時45分

                König Karotte
                Komische Zauberoper in vier Akten
                Text von Victoria Sardou
                Deutsche Übersetzung von Jean Abel
                Musik von Jaques Offenbach
                Koproduktion mit der Staatsoper Hannover

                指揮 Guide Mancusi
                演出 Matthias Davids
                舞台とプロジェクション Mathias Fischer-Dieskau
                衣装 Susanne Hubrich
                振付 Kati Farkas
                照明 Michael Grundner

                フリドリン24世 Carsten Süss
                ロビン Manuela Leonhartsberger
                ロゼ・デュ・ソワール Elisabeth Schwarz
                王女クニグンデ Julia Koci
                人参の王さま Sebastian Reinthaller
                魔女カルバス・魔法使いキリビヒ Christian Graf
                ピーパートルンク Marco Di Sapia
                黒魔術士トルック Yasushi Hirano
                男爵コフレ Boris Eder
                トラック将軍 Jakob Semotan
                公爵ショップ Josef Luftensteiner
                学生ダゴベール Daniel Ohlenschläger
                トラック将軍夫人 Renate Pitscheider
                ピーパートルンク夫人 Sulie Girardi
                ショップ夫人 Elvira Soukop
                コフレ男爵夫人・学生クリスティアーネ Martina Dorak
                ヘロルド・クルクリオン・商人 Gernot Kranner
                Christian Drescher, Franz Suhrada, Klaudia Nagy
                Stefanie Mayer, Susanne Litschauer
                猿 Konstantin Oberlik
                小さな魔法使い Jonas Voill

                Orchester und Chor der Volksoper Wien
                Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

                オッフェンバックの珍しい作品「人参の王さま」が
                ものすごく評判が良くて
                大学のオペレッタのプロゼミ・クラスも観にいって
                かなり楽しんだようなので
                ともかく夜の時間のない私は、ここだ!と即断して行って来た。

                明日は祝日なので3連休なのだが
                このフォルクス・オーパーの公演、チケット売り切れだったそうだ。
                確かに、いつもは空席の目立つ天井桟敷も
                ぎっしりと端まで観客で埋まっていたのが印象的。

                私も中央の席が取れず、横の方だったけれど
                通常なら舞台は充分に見える筈・・・だが
                またもや、前に乗り出している人が居るし

                後ろは子供で、ずっと私の背もたれを足で蹴っていて
                椅子がすごく揺れる・・・けれど
                まぁ、子供の事だし、親も注意しないから、仕方がない。

                でもそんな事も気にならない程の見事な出来のオペレッタ。
                評判が良いのは納得できる。

                主要な歌手はマイクを付けての登場だが
                フォルクス・オーパーのマイク技術ってすごくて
                マイクを使っている事をほとんど感じさせない程に精度が上がっている。
                マイクの不自然ささえ感じなければ
                セリフも歌もはっきり聴こえるし、このマイクの使い方には大賛成。

                ストーリーは政治風刺である。
                フリドリン24世が継ぐ国を
                悪い魔法使いのカルバスが革命でひっくり返し
                菜園から、人参だのカブだの、ネギなんかを取って来て
                人参を王さまに据えてしまうのを
                フリドリンと、その仲間が、また奪い返すという話だが

                そんな簡単なストーリーなのに
                魔法使いはわんさか登場するし
                ポンペイの廃墟から、ポンペイの栄えた時代
                アリの帝国に、猿の王国という
                ほとんどSFの世界。
                コーラスのメンバーも
                舞台から溢れるほどの人数を使っている。

                衣装にも工夫が凝らされて
                特殊メイクの技術が見事。
                (だって、人参さん、ちゃんと口が動くんです)

                それに、出演している歌手が
                コーラス含めて
                全員、ちゃんと踊れる!!!!というのがスゴイ。

                芸達者揃いの見事な舞台で
                平野さんが、ずっと日本語を喋っているとか
                マルコ・ディ・サピアの「おフランス語訛り」の
                嫌味ったらしいセリフ回しなんか、聞き惚れちゃうし
                クニグンデは王女さまというよりは
                成金の派手な娘を演じ切っているし
                (しかも、金と権力に弱い(笑))
                ロゼの健気で一途な献身には、ちょっとクラクラくる。
                (塔に閉じ込められたロゼの最初のシーンのキュートさ!)

                魔女カルバスは男性の女装だが
                いやもう、この人、凄いオーラ(語彙が圧倒的に足りない(汗))
                オネエっぽいカルバスの嫌味な役作りも素晴らしいが
                二役で歳取った魔法使いキリビヒを演じる時の
                居丈高な存在感も圧倒的。

                肉食民族ではなかった日本の文化を背負う身としては
                キリビヒが、望みを叶える条件として
                自分を殺して火にくべてくれ、という時に

                まずは左手を折って、引きちぎって
                両足を、それぞれ引きちぎって
                右手を引きちぎって
                それぞれに火にくべるのだが

                小道具さんの作った手足が、むちゃくちゃリアルで
                そんな引きちぎった断面まで正確に再現しなくても(冷汗)

                まぁ、サロメがレギュラーなレパートリーとして
                上演される国だし
                肉屋に行くと、豚の頭が置いてあったりするところなので・・・

                頭を引きちぎった後に
                平野さんが、頭を持って
                「わはは、まだ喋ってやがる」って
                うわ、そのセリフ、コワイです(日本語だから特に・・・)

                まぁ、この残虐な場面は
                火に焼べられたキリビヒが
                火から不死鳥のように、子供になって登場して
                うははは、若くなったぞ、女のところに行くぞ、と
                いそいそと退場するところで終わるので
                ハッピー・エンドと言えばそうなんだけど。

                前半の最後の方で
                おフランス語訛りのピーパートルンクが
                人参王に追従するところで

                権力のある方に付くのが
                正しい政治のあり方よ〜(うっふん・・・とは言わないがそういう感じ)

                という
                政治的に日和見主義の、節操のないマキャベリスト振りを歌うのだが
                (しかもこいつは警察の総監で、公安局のボスである(笑))

                これ、クープレである。
                ・・・という事は

                わははははは、出たっ!
                プロンプター・ボックスから紙が渡されて
                そこでアドリブのクープレ。

                今日、オーストリア新国民党と緑の党が
                行政プランでやっと一致を見て
                緑の党の93%がそれに賛同して
                やっと政府が定まった状態だもんね。

                ここで出てくるのは、当然
                若き新国民党党首、以前の首相、セバスティアン・クルツでしょう。

                だいたい、このクープレ、その前の歌詞からして
                ドナルドの友人は〜、というのがあって
                おいおいおい(爆笑)

                選挙があっても解散させられて
                (自由党との連立を例のイビサ問題で中止した後に
                 自由党と社会党が内閣不信任案を出して
                 その後、9月後半に新選挙があって新国民党が圧勝した)
                でも、その後に気をつけろ
                蘇ってくるぞ、あいつは
                その名をメシアと言うが
                メシアにしては、ちょっと短い

                ・・・いや、確かにクルツ=短いという意味があるので
                この人、史上最も短い内閣とか言われて
                散々、虐められていたもんなぁ。
                クルツ支持の人も、そうでない人も
                うまくまとめた巧妙なギャグになっていて
                こういうのがフォルクス・オーパーの良いところ。

                ついでに、こういうのがわかるようになると
                オーストリア人化も、かなり末期症状・・・

                舞台は、後ろのビデオ投影と
                小物を非常に巧く使っていて
                SFっぽい場面の転換も多いのだが
                舞台転換が素早くてうまい。

                猿はバレエ・ダンサーが演じていたが
                いや、本当に猿に見える。最高だわ。

                人参王がだんだん枯れて来て
                ベッドに横たわっている時も
                寝返った魔法使いたちが
                こいつは支えていないと左に倒れる
                (もちろん左=左派の事です(笑))
                とか、もう、本当に細かい部分でのセリフが光る。

                音楽はゴキゲンだし(さすがオッフェンバック)
                コロラチューラ・ソプラノの聴かせどころも多いし
                ストーリーの運びのテンポも良くて
                結構、長いオペレッタなのに全然退屈しない。
                衣装も舞台も派手で
                芸達者の出演者たちの動きも楽しい。

                いやこれ、むちゃ楽しいじゃん
                もう1回くらい観ても良いかも・・・・と
                次の公演のチケットの状況を見てみたら
                ・・・立ち見席と舞台が全く見えない席以外
                全部売り切れじゃないの!!!(冷汗)

                フォルクス・オーパーで
                しかもオペレッタで売り切れって
                滅多にある事ではないので
                ひっくり返った(汗)
                甘く見ていた、くそっ・・・
                これ以外に行ける日がない・・・

                政治風刺という、かなり難しいテーマを扱いながら
                コミカルに、しかも、ちょっとした苦さも添えて
                テンポ良く、舞台や衣装は豪華に
                芸達者の歌手たちが踊りながら、楽しい舞台に仕上がって
                確かにこれは、ウィーンっ子が好きそうな演目だ。

                こういうマイナーな
                しかもフォルクス・オーパーにしては長い演目を取り上げて
                これだけの人気作品に仕立てたフォルクス・オーパーは
                見事だと思う。

                明日はオーストリアの祝日
                3人の王さまがイエス・キリストの生誕を祝いに行く日。
                火曜日からはまた大学で
                何もしないまま(本当に何もしなかった(汗))
                冬休みが過ぎて
                かなりヤバイ状態の私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                あと2回の公演で今シーズンの上演は終わるが
                この演目、評判が良いので、来シーズンにも取り上げられるような気がする。
                そしたら、また観に行こう・・・

                ドン・ジョバンニ@フォルクス・オーパー

                0
                  Volksoper 2019年12月17日 19時〜22時20分

                  DON GIOVANNI
                  Drama giocoso in zwei Akten
                  Text von Lorenzo Da Ponte
                  Musik von Wolfgang Amadeus Mozart

                  指揮 Alfred Eschwé
                  演出・舞台・照明・衣装 Achim Freyer
                  演出助手 Sebastian Bauer
                  舞台・衣装アシスタント Petra Weikert

                  ドン・ジョバンニ Günter Haumer
                  騎士団長 Andreas Mitschke
                  ドンナ・アンナ Kristiane Kaiser
                  ドン・オッターヴィオ JunHo You
                  ドンナ・エルヴィラ Manuela Leonhartsberger
                  レッポレロ Yasushi Hirano
                  マゼット Daniel Ohlenschläger
                  ツェルリーナ Theresa Dax

                  Orchester und Chor der Volksoper Wien
                  Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
                  Komparserie der Volksoper Wien

                  まずはフォルクス・オーパーの公式ウエブ・サイトの
                  写真を1枚、ご覧あれ。



                  モーツァルト苦手だし
                  オペラは長いからイヤだし、というワタシが
                  2015年11月の初演から
                  ず〜〜〜〜〜っと4年間、気になっていたのに
                  どうしても時間が合わずに
                  今まで行けなかったドン・ジョバンニである。

                  何故、気になっていたかと言うと
                  奇抜な写真やビデオ・クリップもそうなんだけど

                  2015年12月に仕事で大型団体を扱った際に
                  この演目のチケットを大量に購入して
                  バス数台口でグループに観に行ってもらった事があり

                  詳しく書くと、当時の悪夢が戻ってくるので省略するが
                  ともかく、終演後に迎えたグループの全員が
                  狐につままれたような顔をして

                  誰も感想を言わず
                  私から「如何でした?」と聞いても
                  むにゃむにゃしか返って来なかったという
                  稀なる体験をしているから。
                  (普通は、どんなにお世辞でも
                   さすが音楽の都ですね、とか何とか
                   建前の返事は返ってくるものなのだ)

                  一人だけ、ボソッと
                  「最後がソーセージでした」という感想を漏らした方がいらして

                  ソーセージ?????

                  やっと、このドン・ジョバンニが観られる!!!
                  大学は本日が今年の最後の授業で
                  2週間の冬休みに入るので
                  明日までの予習とか宿題もない(バンザイ \(^^)/)

                  舞台は既にオープンになっていて
                  スタッフが舞台上を小道具持って歩いたりしているんだけど
                  開演時間になったら
                  総裁のローベルト・マイヤーが登場。

                  「本日の公演は、レッポレロ役のステファン・チェルニーが
                   午前中に声の問題を起こしてキャンセルし
                   平野和がジャンプ・インを快諾してくれました」

                  うわあああ
                  ワタシは平野さんの隠れファンである。
                  美声だしチャーミングだし
                  イケメンだし背が高くて身体が柔らかくて
                  舞台映えするのだ、このバリトンは。

                  で、ご本人のツィッターに



                  さて、演出だが
                  フォルクス・オーパーの公式ウエブに載っている
                  ビデオ・クリップで
                  演出家が言っている通り
                  「グループでの動きを振付して
                   その意味については、観客が考えねばならない」
                  という、不思議な、意味全く不明の動きをするのと同時に

                  歌詞もレチタティーヴォも
                  ドイツ語とイタリア語が混じり合っていて
                  加えて、そのチェンジが、歌詞の途中だったり
                  レチタティーヴォの途中だったり
                  目まぐるしく(耳ぐるしく?)変わるという

                  ある意味、とんでもない演出である。
                  ギャラリーにイタリア語を話す若い人たちのグループが居たが
                  イタリア語とドイツ語のミックスで
                  戸惑っただろうなぁ(余計なお世話だが)

                  聴いている方も混乱するが
                  歌っている方はもっと大変で
                  まぁ、あの急な切り替えを
                  自然に聴こえるように、よくぞここまでこなしたものだ・・・

                  イタリア語とドイツ語のミックスという事を除くと
                  音楽的には、かなりマトモで
                  歌手の水準も高く
                  まぁ、国立オペラ座ではないけれど
                  フォルクス・オーパーの歌手の芸達者振りが
                  非常に発揮されている。
                  (オペラ座の歌手では、あのミックスは絶対に歌えない(断言))

                  奇妙で派手な衣装は目を引くが
                  舞台装置も、むちゃくちゃヘンで
                  細かい部分も不思議なところが多い。
                  (後ろで釣りしている男性とか・・・)

                  演出家がクリップで話している通り
                  歌いながらの歌手の動きも
                  ワケのわからない部分が多い・・・というより
                  最初から最後まで
                  ワケのわからない事だらけである。

                  そりゃ、これ、お客さまが感想を言えないワケだよ。
                  私も、帰宅してから
                  どうやって、この奇妙な舞台を文字にするのか
                  頭を抱えているくらいだから・・・

                  奇を衒った演出・・・で終わりにしてしまっても
                  別に構わないとは思うのだが

                  メルヒェンか、と思うとそうでもなくて
                  現実離れしている舞台装置と衣装なのに
                  時々、とんでもない残虐性を感じさせるところがあって
                  それが現実と乖離しているところで起こるのに
                  何故だか現実そのもののような印象になる事があって
                  ゾッとする。

                  人の動きもかなり多い。
                  歌手たちの動き以外に
                  舞台装置(特に小物)を持って移動するスタッフが
                  ジャグリングをしていたり
                  とんぼ返りをしたり

                  机は絶え間なく動いているし
                  舞台装置も、絵のパネルなどの位置が
                  どんどんスタッフによって変えられている。

                  よって、良い意味で言えば
                  一瞬たりとも退屈する事がなく
                  悪く解釈するのであれば
                  ともかく落ち着かず、バタバタしっぱなし。

                  与えられる情報量が半端ではないので
                  (歌手以外にも、色々な登場人物や小物や
                   舞台の変換やテーブルの上とか、脇とか後ろとか・・・)
                  確かに、しっかり鑑賞しようとするなら
                  観客も、脳を酷使する事になる(たぶん演出家の目的)

                  主人公ドン・ジョバンニ役は
                  堂々としていて、演技もこなれていて
                  あまりアクはないけれど、魅力的。
                  最後の方はちょっとお疲れだった印象があるが
                  もしかしたら、舞台の奥の、音響の悪いところから
                  歌わされたせいかもしれない。

                  女性陣は、みんな優秀で
                  飛び抜けてという人はいない代わりに
                  安心して聴いていられる。

                  オッターヴィオ役のテノールは
                  ハイテノールの美声で
                  モーツァルト向きの声ではあるのだが
                  アジリタが技術的に追いついていない。
                  (アジリタって難しいのだよ。
                   私も全く出来ないので
                   これは生来のものなんだろうなぁ)

                  騎士団長は、通常は(少なくとも私の印象では)
                  もう少し、声の低い、ドスの効いたバスが歌うはずだが
                  比較的高めのバリトンが歌っていたので
                  あまり迫力はない。
                  その分、奇妙な衣装とメイクでカバーしているので
                  その意味、このヘンな舞台の長所が活かされた感じ。

                  4年間、気になっていたソーセージの謎が
                  やっと解けた。

                  ドン・ジョバンニの地獄落ちの後
                  (地獄落ちのシーンは、はっきり言うと
                   あまり迫力はない。
                   これだけ奇妙にやって来て
                   それは何?という肩透かしだった)
                  全員が集まっての最後のシーンで

                  突然、舞台が
                  リストランテ・ドン・ジョバンニと化し
                  歌手が客席から何人かを舞台に上げて

                  本当に茹でソーセージを供するのである。
                  (歌手も観客も、舞台上でソーセージを食べている)

                  脇には、立て看板が出て
                  ドン・ジョバンニはソーセージだ、と書いてある。

                  ご存知の通り
                  オーストリアでは、何とかはソーセージ、と言うと
                  (何とかはヴルスト、あるいは方言ならヴルシュト)
                  そんなの、ど〜でも良い、というニュアンスになる。

                  ふ〜ん・・・・
                  そうなのか、ドン・ジョバンニはどうでも良いのか(違)

                  いつもの天井桟敷じゃなくて
                  ロジェのチケットを買ったのだが
                  周囲にお喋りしたりするマナーの悪い観客がいなくて
                  舞台に集中できるという利点はあるが

                  舞台の視覚がかなり欠けるし
                  あと、舞台に近いとは言え
                  残念ながら、あまり音響が良くない。
                  (まぁ、オペラ座でもロジェの音響は悪い)

                  しかし、この奇妙なプロダクション
                  なんだかんだで4年も続いているのはスゴイ。
                  もちろん、演目が演目なので
                  観光客を呼びやすい、という理由もあるだろうが
                  演目だけで来た観光客は
                  みんな、驚くだろうなぁ・・・

                  フォルクス・オーパーの演出って
                  国立オペラ座とかでは出来ないような
                  奇妙な演出が多く
                  (オペラ座も、かなり奇妙ではあるが)

                  虫版トゥーランドットや
                  最後に死なない蝶々夫人とか
                  (これは残念ながら既に上演されてない。私は好きだった)

                  白黒の舞台と衣装で
                  バレエ・ダンサーを贅沢に投入した椿姫は
                  かなり長い間上演されていて、もう一度観たいものの一つ。
                  (椿姫って涙頂戴のベタベタのラブシーンが多いけれど
                   この演出だと、比較的さっぱりなので、シラけない)

                  しかし、あれだけイタリア語とドイツ語を混ぜるなら
                  できれば、ドイツ語だけでやってもらった方が
                  理解上からしても助かったのに、と
                  (フォルクス・オーパーの歌い手はみんな芸達者だし
                   ドイツ語のディクションがしっかりしているので
                   聴いていて、よくわかる)
                  勝手な事を考えている私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  平野さんは数年前に一度だけ
                  とある催物の際にお言葉を頂いた事があるのだが
                  本当に丁寧でノーブルで気遣いも出来ていらして
                  こちらが恐縮してしまうくらい、人間が出来た方だった。
                  才能(芸術的才能+見た目も含む)に絶え間ない努力
                  加えて、あのお人柄という稀な方で
                  プリンス・チャーミングです(と勝手に決める(笑))

                  いやホントに私の周囲には
                  才能に溢れているのに、奢らず、努力をする
                  ステキな芸術家ばかりで
                  類は友を呼ぶ(違!)

                  カンターヴィレの幽霊@フォルクス・オーパー(プレミエ)

                  0
                    Volksoper 2019年10月18日 19時〜21時20分

                    DAS GESPENST VON CANTERVILLE
                    Familienoper in zwei Akten
                    nach der Erzählung von Oscar Wilde
                    und einem Libretto von Michael Frowin
                    Musik von Marius Felix Lange

                    指揮 Gerrit Preißnitz
                    演出 Philipp M. Krenn
                    舞台・衣装 Walter Schütze
                    ビデオ Roman Hansi
                    コーラス指導 Thomas Böttcher

                    サー・サイモン、カンターヴィレの幽霊 Morten Frank Larsen
                    ゲオルク・ケーニヒ、不動産会社社長 Reinhard Mayr
                    バージニア、ケーニヒの娘 Anita Götz
                    レオン、ノエル 息子たち Lukas Karzel, Stefan Bleiberschnig
                    ミセス・アムニー 城の家政婦 Reguna Rosin
                    ダヴィッド・アムニー その息子 Paul Schweinester
                    フラウケ=ベーケ・ハンゼン ケーニヒの助手 Rebecca Nelsen
                    バージニアの亡くなった母の声 Birgid Steinberger

                    Orchester und Chor der Volksoper Wien
                    Komparserie und Kinderkomparserie der Volksoper Wien

                    オスカー・ワイルド原作の台本で
                    幽霊の話で
                    しかも「死」を取り扱っているという事で
                    かなり重いテーマだと思うのだが
                    フォルクス・オーパーは
                    これを「ファミリー・オペラ」としてプロモーションしたいらしい。

                    劇場の前には、幽霊の骨だけの手が2本
                    ど〜んと立っている。



                    プレミエだったけれど
                    天井桟敷の席は半分くらいしか埋まっていない。
                    もちろん子供も多い。
                    (フォルクス・オーパーは子供の席が安いのである。
                     まぁ、国立オペラ座も子供は一律15ユーロだが)

                    始まる前に登場した総裁のローベルト・マイヤー曰く
                    もともと歌うはずだった歌手が病気で
                    セカンド・キャストが1週間前に病気になり
                    歌った事のある歌手を急いで呼んで、1週間で練習させたとの事。
                    あ〜、幽霊に祟られたんですかね。
                    ちゃんとお祓いしました?
                    (大学で雅楽のコースを取っているのでついつい💦)

                    舞台はビデオを多用して
                    このビデオが、まぁ、実に巧く出来ている。

                    幽霊が普段は上の階の写真に入っているのだが
                    時々、暖炉から出てくる時には写真から居なくなるし
                    戻ると、戻ったままの服装で
                    慌てていたり、焦っていたり、やれやれという様子が
                    ちゃんと撮られている。

                    ただ、初めて観ると
                    ともかくこの作品、セリフが多い。

                    そのセリフを上の字幕でドイツ語(そのまま)で出してくれるのは
                    理解するのに有難いけれど

                    上の字幕ばっかり見ているハメになって
                    下の舞台で繰り広げられている劇に、なかなか目が行かない。
                    (歌ではなく本当にセリフのところは字幕なし)

                    セリフが多くて、それに音楽がついている、というのは
                    言ってみれば
                    ず〜〜〜〜〜っとレチタティーヴォを聴いているような気分。

                    コンサートでは寝落ちする私も
                    オペラとかバレエだと、寝落ちする事はないのだが
                    ちょっとこのプロダクション、むちゃくちゃ眠くなるんですけど(汗)
                    (月曜日から木曜日はむちゃくちゃなカリキュラムだが
                     金曜日は15時からの授業しかないので
                     今日は朝、冬タイヤに換えた車をピック・アップして
                     オフィスで仕事して帰宅して大学行って
                     その後、図書館で勉強してから来たので
                     そんなに疲れている訳ではないはず・・・)

                    よって、中間部が全く記憶にない。
                    (あ〜21ユーロ、もったいない・・・)

                    ビデオの効果的な使い方で
                    かなりユーモアに満ちた演出になっていたのは確かである。

                    モルテン・フランク・ラルセンは
                    すごいメイクなので、イケメンのお顔が拝見できなくて残念だが
                    あんなお化けのメイクをしていても
                    やっぱりイケメンって、どういう事?(笑)

                    ものすごくカッコいいのである。
                    だから、夜に出て来た時に
                    不動産会社の社長から
                    「キミ、キミ、歯磨き粉がないから
                     明日までに用意しておくようにね」とか言われて
                    ものすごく怒るのもよくわかる。

                    不動産屋ケーニヒの息子二人は
                    水鉄砲で遊んだり、落ち着きのないヤンチャな
                    男の子という設定なんだけど
                    「男の子」にしては、ちょっと歳を取りすぎで
                    昨今の若い男性、背が高いから
                    あの歳で水鉄砲で遊びまくるって、なんだか異様にヘンな感じ。

                    バージニアが、亡くなった母親を慕って
                    幽霊に文句つけて
                    でも、幽霊を慰めてくれる子供が居れば
                    幽霊も昇天できる、というので
                    優しいバージニアは幽霊を昇天させ

                    不動産屋がホテルに改造する、という直前で
                    家政婦の息子のダヴィッドが正当なお城の相続人という事がわかり
                    バージニアとダヴィッドが恋仲になってハッピー・エンド。

                    不動産屋と、その秘書、実は愛人とが
                    幽霊の存在を全く信じなくて

                    更に、幽霊が出るなら
                    ハロウィーン・ホテルとしてプロモーションしよう、と
                    「幽霊付きの古城ホテル」として売り出そうとしているところなんかは
                    まぁ、旅行業界が長かった身としては
                    そりゃそうだ、と納得できてしまうのだが
                    そういう世俗的な考え方はイカンのである(たぶん)

                    フォルクス・オーパーとしては力を入れている演目だし
                    いくら音楽がレチタティーヴォ続きで
                    しかも上の字幕ばかり見てしまったために
                    寝落ちした、という恥ずかしい状態なので
                    もう1回くらい、観に行った方が良いんだろうなぁ。
                    (その時にはストーリーはわかっているので
                     上の字幕は見るのを止めよう)

                    プログラムはピーターパンと同じように
                    子供を対象とした作りになっていて
                    紙を切り取ってお面にする事も出来る。
                    ハロウィーン・パーティにはうってつけかもしれない。

                    そう言えば、フォルクス・オーパーから
                    10月23日から11月22日まで
                    2公演限定で、チケット50%割引というオファーが来てたな。

                    10月終わりからウィーン・モデルン現代音楽祭も始まるし
                    もう私の夜のカレンダーは満杯なんですが(涙)

                    夏休みの間は金曜日にナイス・ウィークエンドと言われても
                    へっ?という感じだったが
                    金曜日にナイス・ウィークエンドと言われると
                    むちゃくちゃ嬉しい学期真っ只中の私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    ミュージカル「キャバレー」ゲネプロ

                    0
                      Volksoper 2019年9月11日 10時〜12時30分

                      Generalprobe
                      CABARET
                      Musical in zwei Akten
                      Buch von Joe Masteroff nach dem Berlin-Stories
                      von Christopher Isherwood und dem Stück
                      Ich bin eine Kamera von John van Druten
                      Gesangstexte von Fred Ebb
                      Übersetzung von Robert Gilbert
                      Musik von John Kander

                      指揮 Lorenz C. Aichner
                      演出 Gil Mehmert
                      振付 Melissa King
                      舞台 Heike Meixner
                      衣装 Falk Bauer
                      照明 Michael Grundner

                      MC(司会)Ruth Brauer-Kvam
                      サリー・ボウルズ Bettina Mönch
                      クリフォード・ブラッドショー Jörn-Felix Alt
                      シュナイダー夫人 Dagmar Hellberg
                      シュルツ Robert Meyer
                      コスト Johanna Arrouas
                      エルンスト・ルードヴィッヒ Peter Lesiak
                      マックス Jakob Semotan
                      ピッコロ Matthias Trattner
                      キットカット・ガールス Marianne Curn, Paulina Plucinski,
                      Anja Štruc, Katharina Wollmann, Eva Zamostny
                      キットカット・ボーイス Jurriaan Bles, Martin Enenkel,
                      Maximilian Klakow, Kevin Perry
                      キットカット・バンド Andreas Wild, Julia Schreitl-Angerer
                      Daniel Stratzing

                      Orchester und Kinderkomparserie der Volksoper Wien

                      9月14日が初演(プレミエ)になる
                      フォルクス・オーパーの新プロダクション
                      ミュージカル「キャバレー」の
                      最終リハーサルがあった。

                      これ、関係者とかだけじゃなくて
                      実は一般発売されている。
                      その上、どの席でも一律15ユーロなので
                      (本公演は最安席でも15ユーロでは買えない)
                      ゲネラル・プローベがウエブ上で販売になると同時に
                      あっという間に、良いチケットは掃けてしまう。

                      もっとも、平日なので、行ける客層は限られている。
                      はい、読者ご推察の通り
                      一部の関係者を除けば、お達者クラブ勢揃い。
                      ほんとにウィーンって年配だらけなんだなぁ、と
                      つくづく思う。
                      自分もその一員になってしまったが(汗)

                      比較的早めにこの公演を見つけたけれど
                      既に平土間やロジェの1列目は
                      目ざとい観客に既に抑えられていて
                      何とかバルコンの最後の列を1枚確保。
                      (一律料金なので、早いもの勝ち)

                      総じて非常に良く出来たプロダクション。
                      回転舞台を上手く使って
                      キャバレーの舞台(全体が巨大なピアノになっている)と
                      下宿屋の舞台展開や繋ぎに全く無駄がない。

                      よって、時間のロスもないし
                      不自然さもない上
                      出演者も2つの世界を行き来している感じが巧い。

                      列車での移動も無駄な装置を使わずに対処しているし
                      シュルツの果物屋も、背景と多少の大道具だけで
                      リアルに表現している。

                      衣装も素晴らしい。
                      もちろん、背徳的なキャバレーの、すごい衣装もある。
                      (子供には見せられないわ(笑)しかも男性が着用していたりするし
                       半身づつ、女性のラメ・ドレスと男性用のタキシードというのもあった)
                      一部、特殊マスクもあり(猿の花嫁とか←つま先まであって芸が細かい)
                      このプロダクション、予算があったんだなぁ・・・というより
                      ロング・ランになるよう力を入れている、という感じか。

                      出演者も粒揃い。
                      ミュージカルだから、ほとんど歌わず、演技という役柄も多いが
                      それぞれの役割に非常に合ったキャスト。

                      MC(司会)のアクの強いキャラクターは
                      目の周り真っ黒の、これまた強烈なメイクが活きている。

                      この役、歌ったり(かなり高いキーまで)踊ったり
                      大きな手の道具で舞台の巨大ピアノを弾いたり
                      動きが激しい役だが
                      歌は巧いし表現力が凄いし
                      役柄に要求される演技を完璧にこなして
                      その上、舞台上での存在感もすごい。
                      全体を引き締める役として
                      共感できる役どころではないのに強烈。

                      マイヤーのシュッツは
                      ・・・あぁ、これをやりたかったのね(笑)

                      ちょっと控え目で、恥ずかしがり屋の
                      中年の果物屋さんのご主人。
                      ドイツ生まれ、ドイツ育ちで
                      自分がユダヤ人という意識はあまりないタイプ。

                      下宿屋のシュナイダー夫人は
                      見た目、実にパッとしない
                      そこらへんの中流階級のオバサンだが
                      この人、歌はむちゃくちゃ上手。

                      ナチスの脅威が迫ってくる時代に
                      政治のことなんか、別に関係ないし
                      そこまで酷くはならないだろう、と
                      楽観していて、最後に突然逮捕して連行されるという

                      政治意識は大事です(断言)
                      高校生が政治について、昼休みに話していると
                      それは適切ではない、とか言い出す大臣が居る国は
                      果たして大丈夫なんだろうか。

                      中年(老年?)の恋は大いに結構だが
                      自分がゴリゴリの独身主義者なので
                      「恋人で良いじゃない」というシュナイダー夫人に対して
                      愛があれば結婚すべき、という主張はわからん。
                      (しかも、僕がユダヤ人だから、という理由づけをするなんて
                       ちょっと卑怯だわ、うん。すみません偏見で)

                      しかも、それに対してクリフォードが
                      結婚すれば、あなたは独りじゃない、とか言うセリフ
                      本当に止めてくれ。どの時代の道徳観なんだよ。
                      (1966年の道徳観である。現代は変化している!)

                      キャバレー場面に登場するキットカットの男女が
                      踊れて歌えて
                      あの退廃的でエロチックな衣装を見事に着こなして
                      (男性ダンサーのカンカン!!!)
                      バレエ・ダンサーではないけれど
                      ダンスとして見ると、見事なシーンがたくさんあった。

                      ただ、このプロダクションで一番光っていて
                      強烈な個性と、舞台上の存在感で
                      このプロダクションの芸術的水準を
                      ぐっと引き上げていたのは

                      サリー・ボールス役のベッティーナ・メンヒ!!!!!!

                      この歌手、「ローマで起こった奇妙な出来事」の中でも
                      存在感、スタイルの良さ、演技力、歌唱力で
                      ピッカピカに光っていて
                      アクセルでも、むちゃくちゃチャーミングな女優役を
                      飛び散るオーラで圧倒的に演じたが
                      このプロダクションでも
                      特に後半になってから見せるオーラの凄まじさは
                      歌の表現力と相まって
                      ほとんど、この人の一人舞台みたいな印象まで引き起こす。

                      もちろん、こんな優秀な出演者が居て
                      それでも他の出演者が見劣りしない、というのは
                      そこまで優秀なキャストを揃えた、という証拠。

                      全体的に実によく出来たプロダクションではあるのだが
                      ストーリーが暗い。

                      前半の終わりがナチスの登場で
                      ナチスの十文字が舞台上に一杯出て来て終わると
                      観客の雰囲気もやっぱり暗くなるし
                      最後も別れのシーンで、しんみりと終わるので
                      愉快に、あ〜気持ち良かった、という
                      カタルシスは全くない。

                      こういう作品、まさか子供に見せる訳にはいかないから
                      (だいたい衣装が背徳的である)
                      大人を狙ったプロダクションなのだろう。

                      まぁ、普通に結婚して家庭作って
                      年配になってから、二人で仲良くミュージカルを観に行くという
                      普通の年配ご夫婦なら
                      しんみりして
                      そう言えば、うちの親たち(戦中世代)が
                      この時代の話をしていたよね、と話題に出来るのかもしれない。

                      という訳で
                      音楽的には抜群で
                      歌手も舞台も衣装も
                      ベストに近い状態で揃えた優秀なプロダクションなので
                      ミュージカル好きな人には良いと思う。

                      しかしミュージカルって
                      観て楽しくて、ウキウキ気分で帰宅するものと思っていたら
                      そうでもないものもあるんだわ、と
                      今更ながら考えてしまった私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      個人的な問題なのだが
                      だいたい、恋愛モノって私は一般的にダメなのよ。
                      恋する中年とか、よくわからんし(反対はしません)
                      どちらかと言えば
                      彼氏を捨てて
                      自分のキャリアを積もうとするサリー・ボウルスに共感する(自爆)

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