ドン・パスクワーレ@国立オペラ座

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    Wiener Staatsoper 2020年10月13日 19時30分〜22時

    Gaetano Donizetti
    DON PASQUALE
    Text Giovanni Ruffini & Gaetano Donizetti
    Dramma buffo in drei Akten

    指揮 Marco Armiliato
    演出 Irina Brook
    舞台 Noëlle Ginefri-Corbel
    衣装 Sylvie Martin-Hyszka
    照明 Arnaud Jung
    振付 Martin Buczko

    ドン・パスクワーレ Nicola Alaimo*
    エルネスト Dmitry Korchak
    マラテスタ Adam Plachetka
    ノリーナ Slávka Zámečníková*
    公証人 Stefan Astakhov*
    執事 Eduard Wesener
    女中 Waltraud Barton

    Orchester der Wiener Staatsoper
    Chor der Wiener Staatsoper
    Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
    トランペット Gerhard Berndl

    今年の秋ほど、集中的にオペラを観る事が
    過去にあっただろうか・・・
    (大昔はあったと思う。ここ数年はオペラに行っていなかった)

    原因は色々とあって
    まずは、オペラ座のミドル・クラスの席が取れ易くなっている事。

    これは劇場側には深刻な問題で
    観光客がいなくなったために
    通常ならチケット・オフィスが抱えているチケットが
    普通に本来のサイトで買えてしまう、という現象がある。

    加えて、賢明なる読者諸氏はお気づきだと思うが
    楽友協会のコンサートのチケットが
    非常に取りにくい。

    これは、楽友協会のコンサートのほとんどが
    チクルスとして売られているため
    席数が半分(か3分の2)になってしまうと
    チクルス購入の人たちだけで、コンサートが満杯になってしまうから。

    同時に、外国のオーケストラを数多く招聘していた楽友協会は
    特に、ドイツからのオーケストラがウィーンに来られなくなって
    キャンセルが続いている、というのもあるし

    楽友協会の一番安いカテゴリーのチケットは
    一般発売には出て来なくなってしまった。

    それでなくても楽友協会のチケットは高いので
    (最安席で29ユーロくらい、その次の席は50ユーロ以上の事が多い)
    超貧乏な上に、副業がなくなってゼイゼイしている私には
    手が出ない。

    オペラのチケットだって安くはないけれど
    舞台あり、歌手あり、オーケストラありで
    全部で2時間〜3時間で
    舞台が見えて、音が悪くない席で
    50ユーロくらいなら、まぁ、お得ではある(と自分を納得させる)

    さて、ドニゼッティのオペラ・ブッフォは大好きだし
    (人が死なないオペラは好き)
    ドン・パスクワーレは単純なストーリーだし
    久し振りに行くか、と買ったチケット。

    あれ?この演出、知ってるぞ・・・

    今回が32回目の上演だそうだが
    これって、演出が変わった時に行って
    後半のテーブルの上の、ピンクのテディ・ベアの
    ミニのぬいぐるみが可愛い、って喚いていた演出だわ。

    オペラ開始前に、舞台はオープンして
    あちこちでテーブルに人が座って
    酔っ払って倒れたり、走ったり、座ったりしている。
    意味は全くわからない。
    (舞台が、ホテルのバーのような部屋なのである)

    タイトル・ロールのニコラ・アライモは
    立派な体格のバスで
    この人、この間の愛の妙薬では
    怪しげなドゥルカマーラ博士で舞台に登場していた。

    今回はコミカルな役柄だが
    とことん開き直った演技が、はちゃめちゃで巧い。

    ドゥルカマーラとは全く違って
    ノリーナに振り回される、ちょっと情けない役が
    コミカルに、哀愁を帯びて、なかなか・・・キュート ♡
    あ〜、考えてみたら、ワタシってもともとデブ専だったっけ。

    まぁ、まだ若い40歳前半の歌手だけど
    70歳のご老人の役を、きっちりこなしているところに好感。

    今回がオペラ座デビューになるソプラノの
    スラヴカ・ザメツニコヴァ(と読むのかどうかはわからない)は
    28歳という若手で
    見た目も若いし、スタイルがめちゃくちゃ良いし
    しかも、やっぱり声も若くて、キュートなオーラがあって

    修道院出たばかりのソフローニアの役柄の時の
    三つ編み、修道院っぽい女学生の服が
    なんだか、とても似合っていて
    モジモジするところが可愛い。
    (モジモジしながら「見てろよ、このジジイめ」とか歌うところも(笑))

    結婚後に豹変して
    三つ編みカツラを投げ捨て
    洋服を脱いで
    挑発的な赤いブラジャーをバッチリ見せるところは
    ちょっと鼻血ブー(あっ、すみません)
    スタイル良いから、胸はそれ程大きくは(以下自粛)

    しかも、このソプラノ、本当に声がよく通るし
    神経に触らない美声で、キュートな声で
    早口言葉みたいな声のコロコロも完璧。
    ロッシーニあたりもイケそう。

    まだ若いし、アンサンブルのメンバーになったばかりなのに
    この大役を射止めているので
    これからが楽しみなソプラノである。

    エルネスト役、テノールのドミトリー・コルチャックは
    高音まで澄んだ美しいリリックの声で歌い
    スタイル良くて、演技も巧いし、身体の動きも良い。
    スラヴカ・ザメツニコヴァと組んでも
    ばっちり、リアルな若いカップルに見える。

    マラテスタ役のバリトン
    プラハ出身のアダム・プラチェトカ(と読むのかは不明)も良い。
    この人も35歳との事で、これから活躍する歌手になりそうだが
    見た目も良いし、演技も巧い。

    飛び抜けたスター級の歌手はいないけれど
    全員が声が出て
    見た目がとても自然で
    演技が巧いので
    多少、小粒な感じがするとは言え
    良く出来た舞台だったと思う。

    ただねぇ・・・
    やっぱり、このオペラ
    詐欺の話だからな。

    しかも、老人を標的とする詐欺の話で
    昨今のモラルから言うと
    かなりヤバイんじゃないかと思わないでもない。

    最後で「若い女性と結婚しようとする老人はアホなのよ」って
    う〜ん・・・それはないだろ、というよりも
    それは個人の勝手であって(以下省略)

    しかも、最後のシーンで
    ドン・パスクワーレを高齢のご婦人が押し倒すという演出は
    はっきり言って、あれ、止めて欲しい。
    ちょっと痛々しくて
    年配は年配同士でくっつけよ、みたいな
    演出家のモラルというより、ヘンに高齢者をコケにする態度が
    非常に鼻につく。

    だいたいワタクシ的観点からすると
    金持ちの親戚にくっついて、その金をアテにして
    怠け者で何もしないエルネストみたいな若者はキライ。

    って、何をまたオペラのストーリーに文句つけてるんだか・・・
    あ〜、もう、ついつい・・・

    まぁ、コミカルなオペラだし
    一応はハッピー・エンドだし・・・

    (正直、同じ素材なら、リヒャルト・シュトラウスの
     「無口な女」の方が。
     モロズスが静けさを愛す、ちょっと皮肉かかった最終シーンが好き)

    ウィーンはここ数日、雨が降っていて、気温も10℃以下。
    COVID-19の新感染者は毎日4桁台で増えているし
    そのせいで、大学の授業もほとんどがデジタル授業だし
    気が滅入る時には、こういう明るいオペラは良いかもしれない
    と、考える私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    国立オペラ座「連隊の娘」ドニゼッティ

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      Wiener Staatsoper 2020年9月26日 19時〜22時

      Gaetano Donizetti
      LA FILLE DU RÉGIMENT
      Text Jules Henri Vernoy de Saint-Georges & Jean-François Alfred Bayard
      Opéra comique in zwei Akten

      指揮 Evelino Pidó
      演出・衣装 Laurent Pelly
      舞台 Chantal Thomas
      照明 Joël Adam
      振付 Laura Scozzi

      マリー Jane Archibald
      トニオ Javier Camerana
      ベルケンフィールド侯爵夫人 Donna Ellen
      シュルピス Carlos Álvarez
      オルタンシウス Marcus Pelz
      伍長 Jaroslav Pehal
      クラッケントルプ公爵夫人 Maria Happel
      農民 Wolfram Igor Derntl
      公証人 Francois Roesti

      Orchester der Wiener Staatsoper
      Chor der Wiener Staatsoper
      Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
      Komparserie der Wiener Staatsoper

      ドニゼッティと言えば、オペラ・コミックだけじゃなくて
      ランメルモーアのルチアとか、アンナ・ボレーナとかがあるようだが
      私は、愛の妙薬、連隊の娘、ドン・パスクワーレが好き ♡

      3月から6月の飢餓状態の後に
      9月のオペラ座のチケット発売になった時に
      何も考えずに、うお〜、そうだ、連隊の娘を見よう、と
      またもやギャラリーのお高いチケットを購入。

      とは言え40ユーロ以下だが、早めに買ったので舞台もオーケストラも見えるし
      天井桟敷の音が通る席で
      オーケストラも歌手も、バランス良く開放的に聴こえて来る。

      (実はこの間、あまりにチケットが売れていなかったのか
       他の日の公演だったが、お高い席(最高215ユーロ!)を
       49ユーロに割引って日があったのだ。
       残念ながら、その日は別の用事があって行けなかったが)

      この演出、2007年(記録は消えた)に
      ナタリー・デセイにフローレス
      クラッケントルプにはモンセラ・カヴァリエという
      とんでもないキャストで聴いていて
      その後、国立オペラ座で1回
      クロースターノイブルクの夏の音楽祭で1回。

      演出も舞台も知っているけれど
      このプロダクション、とても良い。
      舞台も工夫が凝らされているし
      国立オペラ座にしては珍しく
      歌って踊れる歌手じゃないと、これ無理、という感じの
      歌いながら、結構、踊るところもあるし
      マリーは、かなり歌いながらの演技が要求される。

      それだけに、主役級がハマると
      いやもう、むちゃくちゃ楽しいわ、これ。

      ジェーン・アーチボールドは素晴らしい ♡
      プログラムとかウエブ・サイトの写真と
      舞台での実物の差に、ちょっと驚くが
      (いや、でも、それは女性歌手あるあるであろう)

      連隊の娘らしく
      割りに筋肉質(に見える)のしっかりした体型に
      愛嬌のある顔立ちがチャーミングだし
      年齢的にも43歳という事で、娘役が不自然じゃないし

      身体の動きが軽くて、身体が柔らかくて
      歌いながら演技するのが、すごく自然で
      しかも、むちゃくちゃキュートである。

      声はもう、ホント、高い音域のコロラチューラ万歳(すみません謎発言で)
      高音自由自在で、アジリタ完璧
      声の張り上げという印象が全くなくて
      聴いていて、透明感があって気持ちが良い。

      もちろん訓練の賜物もあろうが
      こういう高い声って
      やっぱり、天性の楽器(身体)がないとね。

      シュルピスのカルロス・アルバレジは
      2018年にも同じ役で聴いていて
      これはもう、手慣れたもので、演技も声も抜群の安定感。

      クラッケントルプ公爵夫人には
      オーストリアではお馴染みのマリア・ハップルがご登場。
      オルタンシウスとのやり取りの中で
      チラッとドイツ語を挟んだりして爆笑できる。
      (観光客がいないワケではないけれど
       まぁ、来ている人のほとんどはジモティである)

      ミュージカル・ナンバーは・・・何だっけ
      すみません、私、ここは無知なのでお許しあれ。
      テキストは英語で、有名な曲だった。
      (もちろん、このナンバーはマイクで歌っている)

      マリア・ハップル、もともと女優さんだし
      最後の舞台袖から
      ヒステリー起こして怒鳴るところが
      迫真的で、ものすごく笑えた。
      こういう細かい部分のリアルさって、すごく好き。

      トニオ役のハビエル・カマレナ!!!!

      この間、愛の妙薬で突然のジャンプインだったが
      この人、すごく有名な人なのね(っていまさら何を・・・)

      熱狂的ファンが居るようで
      第一幕最後の、例のアリアの時
      バルコン席の1列目の人が
      メキシコの国旗のどでかい奴を垂らして
      大声援を送っていた。

      いや、すごいわ、このテノール。
      声量もむちゃくちゃあるけれど
      声の張り、一点の曇りもない澄んだ高音。

      何回もあるハイCも、ピカピカ光るような
      甘く澄んだ声で
      いやん、これこそ、イタリアン・テノール。
      (イタリアンじゃないけど
       いわゆるイタリア・オペラの
       リリック・テノールそのものって感じ)

      アリアの後の拍手が止まない。
      全然、拍手が止まない。
      ブラボーは禁止の筈なんだけど
      続け様にブラボー・コール。

      いつまで経っても拍手が止まない・・・と思っていたら
      あれ?

      え?ちょっと、ちょっと、ちょっと・・・
      あのアリアをリピートして、もう一度歌ってくれた。

      この間のフローレスにも驚いたが
      大拍手に応じて、大曲アリアを2回歌っちゃうテノールが
      何と、ここにも居た・・・(仰天)

      カマレナって、ちょっと小太りなんだけど
      マスクはものすごくキュートで童顔で
      歯並びの良い白い歯が眩しくて
      笑うと、またむちゃくちゃ可愛い。

      アーチボールドも
      田舎娘、という感じの役にハマったけれど
      カマレナの、純朴なトニオ役もばっちりハマっていて
      この2人がカップルになると
      とても自然な感じで無理がない。

      しかも2人ともオーラをバリバリに出していて
      そのオーラが、輝くように明るいので
      観て、聴いている観客にも
      明るいオーラが直撃して
      ともかく、舞台が楽しい。

      マジメな人間なので(どこが?)
      ついつい、音楽は楽しみ、というよりは
      眉間にシワ寄せて、難しく聴いたりするのが
      何だか偉そうで好きなのだが
      (自慢できるし、ほら、私、承認欲求が強いので)

      こういう、何も考えずに
      ただ、笑って楽しんで
      若い人たちのラブストーリーにニコニコするのも
      悪くないなぁ・・・

      ストーリーのアホらしさとか
      ご都合主義とか、それ無理だろ、とか
      時代考証むちゃくちゃじゃん、というのはさて置いて

      オペラ・コミックは
      音楽が楽しくて
      登場人物が輝いていて
      ピカピカしながら
      超絶技巧で、美しい声を聴かせてくれるというのは
      最高の贅沢だわ、と
      改めて思った私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      エレクトラ@国立オペラ座 2回目

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        Wiener Staatsoper 2020年9月22日 20時〜21時50分

        Richard Strauss
        ELEKTRA
        Text von Hugo von Hofmannsthal
        Tragödie in einem Aufzug

        指揮 Alexander Soddy
        演出 Harry Kupfer
        舞台 Hans Schavernoch
        衣装 Reinhard Heinrich

        クリュテムネストラ Doris Soffel
        エレクトラ Ricarda Merbeth
        クリュソテミス Camilla Nylund
        エギスト Thomas Ebenstein
        オレスト Derek Welton
        オレストの従者 Marcus Pelz
        クリュテムネストラの侍女 Anna Nekhames
        クリュテムネストラの裾持ち Stephanie Maitland
        若い召使 Robert Bartnek
        老いた召使 Dan Paul Dumitrescu
        見張り Donna Ellen
        5人の侍女たち Monika Bohinc, Noa Beinart, Margaret Plummer,
        Regine Hangler, Vera-Lotte Boecker
        6人の召使 María Isabel Segarra, Seçil Ilker, Kaya Maria Last, Jozefína Monarcha,
        Karen Schubert, Sabine Kogler

        Orchester der Wiener Staatsoper
        Chor der Wiener Staatsoper
        Komparserie der Wiener Staatsoper

        9月19日に観たエレクトラと同じ(脇役にはちょっと変更あり)
        だが、音楽がその瞬間だけのものである事を考えれば
        「同じ」パーフォーマンスというのはあり得ないけれど

        細かい違いまでわかる程、耳(と頭)は良くないので悪しからず。

        今回も何故か(私にとっては)お高い席で
        バルコンの一番奥。
        ちょっと脇だけど、舞台は全体が見えるし
        隣が柱で1人だけの着席なので
        ぼっちで来ても国立オペラ座に迷惑がかからない
        最適の席ではある。

        が、この間のギャラリーと音響が違う(当たり前)
        ギャラリー(天井桟敷)は、上に多少余裕があるので
        音が抜ける感じがするのと
        下からの音波が直接響くと同時に
        左右の壁からの反射が届くので
        音量も大きいし、クリアに響いて来るのだが

        バルコンの席って、バルコンそのものの天井が低く
        奥まっているために平土間からの反響が届きにくいのか
        割りに籠った感じの柔らかい音がする。

        リヒャルト・シュトラウスのエレクトラって
        オペラの中でも「尖った音響ナンバー・ワン」(私的比)なので
        ギャラリーで聴くと、その尖り方が快感だが(その手の趣味?)
        バルコンの音響だと、尖ったところが多少、丸みを帯びて
        それはそれで、神経がささくれだって疲れている時には
        バルコンの柔らかい音響の方が良いかもしれない。

        註 私の神経はささくれだってません(笑)
          やっと最後の宿題を提出したばかりだったし。

        ちょっと気がついた事を何点か。

        この演出と舞台で使われる「幕」って
        歌舞伎の幕・・・だと思う。

        上からパタッと落ちる幕の使い方は
        ヨーロッパのオペラでは観た事がないが
        日本の歌舞伎では、効果的に使われているので
        クプファーが意図的に使ったのだろう、と推察できる。

        この演出、「血」は使っていない、と書いたが
        最後にオレストが
        アガメムノンの頭の上に立って
        手を上げているシーンでは
        腕に血がついていた。
        (まぁ、あの程度、シャワーで簡単に流せるけど)

        この間、大学の先生と
        現代における音楽は、心地よいだけじゃない
        みたいな話をしていて
        それを考えると
        現代音楽だけではなく
        このリヒャルト・シュトラウスの音楽だって
        「心地よい」わけじゃないなぁ。

        というより
        聴き慣れていないと
        エレクトラの音楽って
        かなり神経に障りません???
        (リヒャルト・シュトラウスのファンの皆さま
         ごめんなさい)

        しかも歌手はソプラノ多いし
        でも、エレクトラのメルベートと
        クリュソテミスのニュルンドの
        同じソプラノなのに、音色の違いが面白い。
        (もちろん、そのように作曲されている、と言うのもある)

        神経に障る不協和音の連続の中に
        クリュソテミスの協和音のアリアがあったり
        オレスト登場の時の金管の和声が美しかったり

        リヒャルト・シュトラウスの音楽って面白い。
        大編成オーケストラの
        豪華絢爛な響きを
        協和音、不協和音含めて
        徹底的に楽しめるのは、エレクトラの凄いところではある。

        (あ〜、ワタシ、ちなみにサロメも好きです。(短いし)
         もちろん、アリアドネやカプリッチオはもっと好きだが
         この2つは割りに伝統的な方向に走ってるし。
         バラの騎士も好きだけど、ちょっと長すぎる(すみません))

        ギャラリーとは違う音響だったけれど
        むちゃくちゃ楽しめたので
        まぁ、当分、もうエレクトラは良いか・・・(笑)

        かなり手抜きだけど
        個人メモなのでお許し下さい
        ・・・という怠け者の私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        オペラじゃなくて
        器楽系のコンサートに行きたいのだが
        やっと今週末から、コンサートが始まる予定。

        愛の妙薬@国立オペラ座 フローレス登場

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          Wiener Staatsoper 2020年9月21日 19時30分〜22時

          Gaetano Donizetti
          L’ELISIR D’AMORE
          Text von Felice Romani
          Melodramma giocoso in zwei Akten

          指揮 Bertrand de Billy
          演出 Otto Schenk
          舞台・衣装 Jürgen Rose

          アディーナ Pretty Yende
          ネモリーノ Juan Diego Flórez
          ベルコーレ Clemens Unterreiner
          ドゥルカマーラ Nicola Alaimo
          ジャネッタ Johanna Wallroth
          トランペット吹き Alfred Gaal
          ドゥルカマーラの家来 Nichael Burggasser

          Orchester der Wiener Staatsoper
          Chor der Wiener Staatsoper
          Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
          Komparserie der Wiener Staatsoper

          私のツィッターをしつこくフォローしている人は
          (いるのか、そんな人?)
          私がこの演目に行った経緯はご存知かもしれないが

          本当は今日はコンツェルトハウスで
          南西ドイツ放送交響楽団とクルレンツィス
          バイオリンのソロはコパチンスカヤという
          むっちゃワタシ好みのプログラムに酔っていたはずだったのだ。

          先週金曜日の午前中に
          国立オペラ座からのメールが入って来て

          皆さ〜ん、21日の「愛の妙薬」に
          フローレスがジャンプ・インします!!!!

          何っ!!!!と慌てて自分の予定表を見たら
          同じ時間にクルレンツィス+コパチンスカヤという
          ワタクシ的に絶対に外せないコンサートがあったので
          ちっ、フローレスのネモリーノ聴きたかったなぁ、と
          スマホを閉じたのがお昼ころ。

          市内に用事があったのでバタバタしていて
          地下鉄乗ってスマホでメールをチェックしていたら

          南西ドイツ放送交響楽団はウィーンに来られないので
          キャンセルです

          というコンツェルトハウスからのメール。

          何ですって????

          慌てて地下鉄降りて
          スマホで(PC出すところがなかった)
          国立オペラ座のサイトに入り
          フローレスの愛の妙薬の安席を探す。

          同じ事を考えていた人が何人か居たらしく
          確保した、と思ったチケットを一瞬で取られたりしたが
          (それは向こうも同じだったかもしれない)
          ともかく、舞台は半分見えないけれど
          何とか、端っこの方だったが36ユーロの席を確保。

          36ユーロだってワタシには高い(貧乏だから)
          でも、フローレスのネモリーノが4500円でナマ聴きできるんだから
          この位は出す。
          (もっと高い席しかなかったら諦めてました、そこまで根性はない)

          ドイツはウィーンを危険地域に指定したので
          チョン・ミョンフンとドレスデン管弦楽団の
          土曜日のコンサートもキャンセルになった。
          (ウェイティングに入れて、楽友協会の窓口で
           散々ごねて、安いチケット入手したのに・・・・(涙))

          いつものキャスト表だけ買えるところに行ったら
          キャスト表だけは売り切れ、と言われて

          ジモティでオペラしょっちゅう来てる人が
          フローレス狙いで来たな、というのがバレバレ。

          劇場通いジモティが多いのは
          休憩時間になると、迷う事なく
          目的の場所に移動する人が多い事からもわかる。
          誰もウロウロしていない(笑)

          指揮がお久し振りのベルトランド・ド・ビリー。
          前監督メイエールとローエングリーンで激しく喧嘩して
          もうオペラ座では指揮しない、と断言した人だが
          今シーズンは、例のフランス語版ドン・カルロスを振る。
          (むちゃ変な演出の上、全部で5時間という長丁場のオペラで
           私はこれに行ってから徹底的にヴェルディが苦手になった)

          後のキャストは、この間と同じ。
          プリティ・イェンデのアディーナ
          クレメンス・ウンターライナーのベルコーレ
          ニコラ・アライモのドゥルカマーラ
          この間の出来も素晴らしかったので今回も楽しみ。

          いや、でも、もう、フローレス最高。
          最初から最高。
          あの、明るい音色の一点の曇りもない
          瑞々しい張りのある甘いテノールは
          最初のアリア聴いた時から
          (舞台下手(しもて)半分見えないので
           ネモリーノの姿は見えないけど)
          もう、観客一同、メロメロである。

          ウンターライナーのベルコーレが
          益々磨きがかかって、かなりカッコイイ。

          見た目も堂々として
          スポーツマン的なスタイル(筋肉質)の大柄な人だから
          軍人ベルコーレの役柄にとっても合っているし
          無理のない発声で、堂々と強いバリトンを響かせてくれて
          フローレスやアディーナとの絡みの演技も巧かったし
          女ったらし、だけどアディーナはちょっと本気だったかな、という
          プライドの高さをチラチラさせながら
          ちょっと虚勢も張っちゃうところが、とてもチャーミング。

          フローレスは、ともかく、むちゃくちゃ魅力的。
          演技が巧くて
          酔っ払って踊ったりとか
          (この踊りが、バレエ的ジャンプしちゃったりするのである!)
          アディーナに対して照れ隠しで引っ込んじゃうところとか
          ともかく、素朴で純粋で、でもちょっと意地っ張りで

          既に前半で、客席から、何回も笑い声があがる。
          これぞオペラ・コミックの正しいあり方(笑)

          実際、こんなウジウジした男が居たら
          アディーナでなくても、ちょっとあっち行け、と思うけれど
          フローレスがやると、可愛いのである。

          しかも、あの甘い声で歌うと、もっと可愛いのである。
          語彙不足だから、可愛いとかキュートとしか言えないが
          それ以外に、あの魅力をどう表現しろと?

          第2幕の白眉のアリア Una furtiva lagrima については
          敢えて書かない。
          ともかく、あの素晴らしいテノールを聴けるというのは
          神さまが与えて下さる幸福のヒエラルキーで言えば
          最上級に近い喜び。

          聴いてない人、ごめんなさい。
          でも、あのアリアをフローレスで聴くと
          全身に鳥肌が立つというか

          だいたい、今日、オペラ座に来ている人の大半は
          これを聴きに来ているわけで
          会場の静けさ、観客の固唾を飲んでいる集中力
          (ファゴットとハープ、緊張しただろうな(笑))
          針が落ちても聞こえる位の静けさの中に響く
          最上級のテノールの甘い声。

          うおおおおおお
          ブログなんて、どうせリア充自慢が多いんだから
          書いちゃうけど
          これを聴けるというのは、もう、もう・・・(以下自粛)

          さあ、大変!!!!
          アリア後の拍手が全く鳴り止まない。
          フローレスもお辞儀したりしているけれど
          熱狂した観客の拍手は一向に止まない。

          そしたら・・・

          ええええええええええええっ!!!!

          Una furtiva lagrima を、最初から、もう一回!!!!!!
          何これ、アンコールでもう一度アリア全部歌う歌手って・・・(感涙)
          それでなくてもネモリーノって歌うところ、かなり多いのに・・・(驚愕)

          あ〜、このアリアを、あの甘い声で
          しかも2回も堪能できるなんて・・・

          2回目の拍手の時
          ブラボーの代わりに、誰かが大声でグラーチェと叫び
          その後、他の誰かがグラーシアスとスペイン語で叫んでた。

          ・・・こういうの、ブラボーより良いよね ♡

          しかしまぁ、何とサービス精神に溢れたテノールなんだ!!!
          ウィーン国立オペラ座のギャラは、そう高くないらしいのに
          (だからみんな、有名になると、こぞってメトに行ってしまう)
          我々ジモティ(たぶん、耳だけは肥えてる)を楽しませてくれて
          本当に本当にありがとう!!!

          さて、ウケにウケたフローレスのアリアの後の
          アディーナが、鬼気迫る歌と演技を繰り広げたのは面白い。

          歌手のプライドの張り合い?というか
          この間より、ダイナミックさも強弱も
          歌の表情も、もとから巧いアジリタも
          ますます精密度を増して

          このオペラの主役はワタシなのよ
          アディーナなのよ
          ネモリーノに負けるもんですか(激しく妄想中)

          いや〜、こういう意地の張り合い、すごく好き。
          1人の有名歌手に、他の歌手もみんな引きずられて
          スゴイ名唱を聴けちゃうとか
          こういうのが、ナマのライブの楽しみですね。

          9月は例年になくオペラに行っているが
          オーケストラのコンサートが少ないし
          ドイツのオーケストラはウィーンに入って来られないし
          この後も、いったい、どうなるのか
          さっぱり予想がつかないし

          10月からの大学の授業も
          いくつかは既にデジタル授業、という連絡が入って来ていて

          まさか、この騒ぎがこんなに長く続くなんて
          (しかも秋になってから感染者増えてるし)
          思ってもいなかった私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。




          エレクトラ@国立オペラ座

          0
            Wiener Staatsoper 2020年9月19日 20時〜21時50分

            Richard Strauss
            ELEKTRA
            Text von Hugo von Hofmannsthal
            Tragödie in einem Aufzug

            指揮 Alexander Soddy
            演出 Harry Kupfer
            舞台 Hans Schavernoch
            衣装 Reinhard Heinrich

            クリュテムネストラ Doris Soffel
            エレクトラ Ricarda Merbeth
            クリュソテミス Camilla Nylund
            エギスト Thomas Ebenstein
            オレスト Derek Welton
            オレストの従者 Marcus Pelz
            クリュテムネストラの侍女 Anna Nekhames
            クリュテムネストラの裾持ち Stephanie Maitland
            若い召使 Robert Bartnek
            老いた召使 Dan Paul Dumitrescu
            見張り Donna Ellen
            5人の侍女たち Monika Bohinc, Noa Beinart, Margaret Plummer,
            Regine Hangler, Vera-Lotte Boecker
            6人の召使 Seçil Ilker, Jung Won Han, Kaya Maria Last, Jozefína Monarcha,
            Sabine Kogler, Zsuzsanna Szabó

            Orchester der Wiener Staatsoper
            Chor der Wiener Staatsoper
            Komparserie der Wiener Staatsoper

            最初から最後まで、ソプラノが舞台で独りで
            ヒステリックに喚き散らすオペラなのだが
            (エレクトラ・ファンの皆さま、ごめんなさい)

            休憩なしの2時間弱だし
            エギストはあっさり殺されるし
            クリュテムネストラの殺人場面は2回の迫真的な悲鳴だけだし
            (実は、ここ好き。悲鳴だけのリアルさというのがある)
            エレクトラの死は、まぁ、オペラの伝統に則って死ぬ死ぬアリアがあるが
            それほど長くはないし

            このオペラの大きな魅力の一つは、大編成オーケストラの迫力。
            このご時世、いつ、
            こういう大編成オーケストラを聴けなくなるか分からないので
            オーケストラ・ピットにぎっしり詰まったプレイヤーを見ていると
            感無量である。
            ご存知、最初から凄い音量だしね。

            シーズン・オープンの何回かは
            フランツ・ヴェルザー=メストが指揮したが
            落ち着いたところで、37歳イギリス出身の指揮者に変更。

            エレクトラの先シーズンまでの「新演出」は
            裸の女性が血塗れでシャワーを浴びている下手(しもて)で
            上手(かみて)に、ドアのないエレベータがあって
            中に色々なものが入っていて動くという
            ちょっとワケ分からんもので

            他の演出としては、血だらけの壁の上の方に
            血だらけの女性が座っているウィーン劇場版とか
            似たような感じのザルツブルク音楽祭版とか

            ・・・なんだかんだ言っても
            意外に観ているオペラなんだよね(何故だ?)

            今シーズンは以前のハリー・クプファーの演出のリバイバル。
            アガメムノンの巨大な像の下半身が、左足で地球?を踏んでいて
            アガメムノンの頭は下手(しもて)に転がっている。

            この演出、以前から好きだった。
            舞台そのものは暗くて、舞台変換も(多少の照明以外)何もないし
            出演者はアガメムノンの下半身から垂れている縄に捕まって
            あっちにゆらゆら、こっちにゆらゆら
            (アガメムノンに執着しているか、絡めとられているか
             そんな感じを出したいのではないかと思う)
            最初に、動物の骨とか肉を分けているシーンがあるけれど
            その後は舞台では、ほとんど変化はない。

            何が良いかと言って
            「血」が全然出て来ない。
            よって
            あの衣装、後から洗うの大変だろうなぁ とか
            赤いインク塗れの舞台の掃除する人は大変だろうなぁ とか
            下世話な心配しなくて済む(余計なお世話)

            舞台が簡素な分、音楽に耳が集中できる。
            リヒャルト・シュトラウスが
            最も「尖って」いた頃の
            あの圧倒的に暴力的な大音響の世界に没頭できる。

            メルベートのエレクトラが圧巻。
            出ずっぱり、歌いっぱなしなのに
            オーケストラの大音響の壁を悠々と越えて
            無理していないのに強いソプラノが
            観客席の隅々まで届く。

            歌えば歌う程に、艶を増す声で
            最後の死のシーンの時の、あの色っぽさは何なんだ。

            ニュルンドのクリュソテミスがまたキュートで
            圧倒的個性のエレクトラの合わせ鏡みたい。
            そう考えてみると
            エレクトラとクリュソテミスが
            相反したキャラクターでありながら
            姉妹である意味がちょっとわかるかも(深読み妄想)

            クリュテムネストラ役は
            私の中ではアグネス・バルツァの印象が強過ぎるのだが
            ドリス・ゾッフェルが素晴らしかった。

            ちょっと調べてみたら72歳ですって???
            声量もあるし
            低音の、あのクリュテムネストラ特有の話し声みたいな
            あまり美しく歌ってはいけない(と私は思っている)部分の
            声の使い方が巧みで、唸った。
            最後のシーンの舞台裏からの2回の悲鳴が見事で
            (これ重要!)
            背筋ゾクゾクしてむちゃ快感(なんかおかしな世界に・・・)

            オレスト役の歌手デレク・ウェルトンって
            どこかで見たぞ・・・と思ったら
            今年のザルツブルク音楽祭のエレクトラで
            あの垢抜けないフィッシャーマン・セーターを着て
            人の良さそうな素朴で間抜けな(ごめんなさい)オレストを歌った人だ。
            (ザルツブルク音楽祭のエレクトラはオーストリア国営放送で放映した)

            衣装が違うと、オレスト、カッコイイじゃないか!
            (ワタクシの好みとしては、エギストがアホっぽいだけに
             唯一の「英雄」としてのオレストは、カッコ良くあって欲しい)
            美声だし、見た目美しいしスタイル良いし
            いや〜ん、こういうオレストなら大歓迎。

            9月のオペラ座のチケット販売が開始された時に
            え〜っ、クプファー演出版エレクトラの再演だ、というので
            チケットを(清水寺から転落気味で)買ったのは記憶にあるが
            チケットをプリント・アウトしてみたら
            エレクトラ、2回も行く事になっていて

            しかも、ロジェの安席(音が悪い)じゃなくて
            ギャラリーやバルコンに逃げているので
            2回とも、なんだ、このお高い席は、というチケットなんだけど

            今日のエレクトラの出来を見たら
            あ〜、あと、もう1回、このエレクトラを観られる ♡

            演出や舞台装置が、へんに出しゃばって来ないので
            音楽に集中できる、という利点は、既に書いたけれど

            ウィーン国立歌劇場管弦楽団って
            リヒャルト・シュトラウス慣れしているというか
            何故、このオーケストラは
            こういう「妖しげな」リヒャルト・シュトラウスを演奏させると
            世紀末の、あの熟した、
            腐る一歩手前の背徳的な音を出すんでしょうか。

            歌手もすごく良いけれど
            オーケストラもそれに負けないというか
            歌手の声量としゃかりきに戦っているようなところもあって
            (勝負は引き分け)
            そこらへんの有音だけど無言の絡みが実に面白かった。

            オーストリア、特にウィーンの、感染者数の増加に従い
            お隣ドイツは16日からウィーンに渡航制限を課したため

            南西ドイツ放送交響楽団とクルレンツィスのコンサートはキャンセル
            ドレスデン管弦楽団とチョン・ミョンフンのコンサートもキャンセル

            チケットを確保して楽しみにしていた私としては
            ちょっと踏んだり蹴ったりの気分だが

            ともかく、今のところ、まだ文化生活はある!
            何とか中止にならず、そのまま続いてくれるよう
            祈るばかりの私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            愛の妙薬@国立オペラ座

            0
              Wiener Staatsoper 2020年9月14日 19時30分〜22時

              Gaetano Donizetti
              L’ELISIR D’AMORE
              Text von Felice Romani
              Melodramma giocoso in zwei Akten

              指揮 Evelino Pidò
              演出 Otto Schenk
              舞台・衣装 Jürgen Rose

              アディーナ Pretty Yende
              ネモリーノ Javier Camarena
              ベルコーレ Clemens Unterreiner
              ドゥルカマーラ Nicola Alaimo
              ジャネッタ Johanna Wallroth
              トランペット吹き Alfred Gaal
              ドゥルカマーラの家来 Nichael Burggasser

              Orchester der Wiener Staatsoper
              Chor der Wiener Staatsoper
              Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
              Komparserie der Wiener Staatsoper

              愛の妙薬なんて何年振りかで
              微かな記憶だと、フローレスがネモリーノ歌う時には行った。
              調べてみたら、2009年4月8日だった。

              同じ演出で255回目の公演だそうだが
              今回は歌手の(ほとんど)総入れ替えで
              ほとんどが役のデビューか
              国立オペラ座デビュー。

              特に、アディーナ役のプリティ・イェンデは
              オペラ座のニュースに大々的に取り上げられていて
              鳴り物入りのデビューである。

              舞台開始前にスタッフがマイクを持って立つ。
              (たいていの場合、代役のアナウンスか
               歌手が調子が悪い、という警告か)

              コロナ・ウイルスの関係で
              今回の舞台、2名のキャスト変更が余儀なくされました。
              ネモリーノはハビエル・カマレナ(予定はリパリット・アヴェスティヤンだった)
              指揮はエヴェリーノ・ピド(もともとはジャコモ・サグリパンティ)
              なお、本日からの規制のため
              幕間での飲食は予約して席を取った方のみに許されています。

              何故にコロナ・ウイルスの関係なんだ、と思ったら
              ウィーン私立音楽大学のオペレッタ科で行った公演で
              現時点で24名のクラスターが発生し
              公演を鑑賞した国立オペラ座のスタッフも感染したため
              このスタッフとコンタクトのあったアーティストは隔離となったらしい。

              ザルツブルク音楽祭もグラーフェネック音楽祭も
              クラスターなしで上手く言ったのだが
              とうとう、クラシック界にもクラスターが発生したか・・・
              (しかも、またもや若い人たちの間で・・・)

              このオペラ、最初から
              メインの歌手に短いアリアがあって
              その意味では、しょっぱなから歌手のクオリティがわかる(笑)

              前評判に違わず
              プリティ・イェンデのソプラノが、ものすごくチャーミング
              ・・・というか、むちゃくちゃ可愛い。

              アニメ声と言ったら褒め言葉にはならないので止めるが
              無理して大声を出している印象が全くないのに
              自然でキュートな甘い声が、とても通って会場に響くし
              「叫んで」いる感じがないので
              ソプラノなのだが、聴いていて頭痛がしない。

              しかも、テクニックが素晴らしい。
              ドニゼッティのメリスマ、アジリタの音程感の良さ
              声の色を巧く使い分けて、ビブラートの使い方も見事。
              夜の女王とは言わないが
              3点cくらいは、叫び声にならない圧倒的な美声で聴かせる。
              ものすごく魅力的。

              これだけ歌える人ならロッシーニなんか映えるだろうなぁ。
              夢遊病の女とか、場合によってはルチアなんかも・・・
              持っている雰囲気が明るいので
              オペラ・コミックの方が役柄的には合いそうだが。

              ネモリーノにジャンプ・インしたハビエル・カマレナも良い。
              甘い声で、かなり声量はあるし
              コミカルな演技にとても合っている。
              (あ〜、言いたい事は察して下さい)
              ちょっと見た目、とっちゃん坊やみたいな可愛いマスクで
              愛嬌があって、それに相応する甘いテノール。
              ちょっと頑張って張り上げてるな、というのはあったけれど
              総じて、非常に聴き応えあり。

              ネモリーノのアリアも
              ちょっと大声過ぎ・・・だけど
              イタリアのオペラのアリアにドイツ・リートは求めていないので
              あれだけ高い声も華やかに聴かせてくれれば最高。

              本人、代役というのでかなり緊張したのではないかと思う。
              カーテン・コールの時に大喝采浴びて
              下を見て感激のあまり、かなり長い間、顔を上げなかった。
              (泣いていたのかもしれないが、よくわからん)

              ドゥルカマーラ役のニコラ・アライモは
              立派な体格のバリトンで、ドゥルカマーラ役のイメージにはぴったり。
              怪しげな感じはあまりなかったけれど
              登場人物が、皆、愛すべき役になっているので
              それはそれでバランスが取れていて良かった。

              ウンターライナーのベルコーレも堂々としていて
              こいつ、アディーナへの愛のために身を引く、というよりは
              最初から最後まで自信過剰の女たらしじゃないのか(笑)
              (ご本人はパーティのスピーチの通訳をさせて頂いた事もあって
               飾らないお人柄の親しみやすい方だと言うのは存じてますが)

              伝統的な演出で、奇を衒ったところもないし
              ヘンに現代的な置き換えもないので
              最初から最後まで、楽しく観ていられるのは有難い。

              しかしこう言うオペラ・コミックを観ると
              確かにメロディ・メーカーとしてのドニゼッティはスゴイ。

              ここ数日、ウェーベルンの音列とマトリックスに
              散々、悩まされて来た(で、まだ全部は終わっていない)時に
              こういう、楽しいオペラを聴くというのは気分転換になる。

              オペラ座は、他人同士は1つ席は空けてあるとは言え
              それでも入っている観客の数は少ないし
              椅子が置いてある立ち見席なんて、ほとんどガラガラ。

              観光客がいない(ないしは少ない)というのは
              ウィーンの文化事業に、こんなに打撃を与えるものなのか・・・

              公演終了後に帰ってニュースを見たら
              コロナ信号が、一部の地域で
              黄色だったのがオレンジになっていて(1つ危険度がアップ)

              オレンジになったら、屋内の催物の観客数が
              むちゃくちゃ制限されて
              オペラも演劇も、コンサートも全部キャンセルになるか、と思ったら

              信号で示されるのは
              あくまでもアドバイスであって
              今のところは、催物や学校に変更はない
              ・・・って、あのコロナ信号って、だったら何か意味があるんでしょうか?

              まぁ、何とか今のところは
              オペラもコンサートも続けて行われるようだが
              クラシックにもクラスターが発生した現在
              どうなるのか予想がつかず

              実はかなり心配している私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              そのウェーベルンの宿題だが
              どうやってもワケわからないので
              半分くらいまでやって、ともかくその分だけ先生に送った。
              後半と分析に関してはどうしよう・・・

              と言いつつ、明日から3日程、遊びに行って来ます。
              もちろん、この状態で外国には行けないので国内ですが。

              ところでネモリーノとアディーナのストーリーって
              オペラあるあるの、好きあってるけど告白できない系なのだが
              ネモリーノが、どうしてもアディーナから告白されたい・・・って
              隠されて抑圧された征服欲の問題ではないかと思うのだが
              オペラなんだから、そこまで考えなくても良いのかもしれない。
              けど、ああいう抑圧された欲望を持つ男性って
              後々、かなりコワイぞ。アディーナ、大丈夫か?(余計なお世話)


              シモン・ボッカネグラ@国立オペラ座

              0
                Wiener Staatsoper 2020年9月12日 19時〜21時50分

                Giuseppe Verdi
                SIMON BOCCANEGRA
                Text Francesco Maria Piave & Arrigo Boito
                Melodramma in einem Prolog & drei Akten

                指揮 Evelino Pidó
                演出 Peter Stein
                舞台 Stefan Mayer
                衣装 Moidele Bickel

                シモン・ボッカネグラ Plácido Domingo
                フィエスコ Günter Broisböck
                パオロ Attila Mokus
                ピエトロ Dan Paul Dumitrescu
                ガブリエーレ・アドルノ Najmiddin Mavlyanov
                アメーリア Hibla Gerzmava
                大尉 Carlos Osuna
                女中 Patricia Nolz

                Orcheser der Wiener Staatsoper
                Chor der Wiener Staatsoper
                Extrachor der Wiener Staatsoper
                Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
                Komparserie der Wiener Staatsoper

                通常、9月なんて、まだ注目すべきコンサートもないシーズンで
                オペラ座も、オープン・ディ(もちろん今年はない)の後は
                わざわざオペラなど観に行かないのだが

                何せ3月から飢えに飢えまくっていて
                オペラ座の発売が8月中旬に始まった時には
                何の考えもなく、チケットを買い込んだ結果

                音に飢えるのではなく、本当に飢えそうである(苦笑)

                普通のコンサートの4回分くらいを注ぎ込んで
                何故に、苦手とするイタリア・オペラ、しかもヴェルディを
                買い込んでしまったかと言うと

                プラシド・ドミンゴ(79歳)を聴くチャンスも
                そろそろ最後じゃないか、というミーハー的な興味(だけ)

                天井桟敷の一番上の席だが(ここは結構、値段は高い)
                バレエと違って、オペラの場合
                ロジェ(ボックス席)の後ろ(超安)は音響が悪過ぎる。

                さて、国立オペラ座の監督は
                今シーズンからボグダン・ロシュチッチに代わって
                色々な面での新しさが目につく。

                もちろん、この状況下であるからして
                システムでチケットを購入する時には
                隣は1席空ける方式でやったらしいが

                1人で来る人は少ないので
                2人や3人、4人以上が一緒に座っているところが目立つし
                私の前の席は
                どうもシステム・トラブルで1席空けていなかったらしく
                警察とオペラ座のスタッフがバタバタやっていた
                (が、1幕終わって休憩の時にバタバタして
                 結局、後半の、アリアの拍手の後に席替えさせたって
                 全然、意味ないと思うんですけど)

                立ち見席はない代わりに
                椅子が置いてあって
                椅子があるなら立ち見じゃないじゃん。
                しかも、ちゃんとディスプレイもあるし
                この立ち見席、どうやったら買えるんだろう・・・
                (後で見つけました、次はコレでトライしようっと・・・)

                入場する際に、チケットに記載された名前のチェックのために
                身分証明書(写真のついたパスポートか運転免許書)を出すのは
                フォルクス・オーパーでも同じ。
                よって、チケットの譲渡は不可能。

                まずは今シーズンの緞帳。



                そう悪くはないと思う。

                プログラムのレイアウトも少し変更になって
                プログラムの定価が5ユーロ80セント
                チップ入れて6ユーロか7ユーロって感じか。
                1ユーロ値上がりした(たぶん・・・・あまり買わないので・・・)
                キャスト表は赤字の入った2色印刷。
                プログラムもキャスト表も、紙のクオリティが以前とは違う。

                以前のプログラムには
                後ろの方に、フランス語・ロシア語・日本語でのあらすじが記載されていたが
                今日のプログラムは最初の方に英語とドイツ語の筋書きのみ。

                ヴェルディのオペラ「シモン・ボッカネグラ」
                恥ずかしながら初聴き(すみません、オペラ苦手で)
                ヴェルディ苦手だし(言い訳にならん)

                舞台装置は簡素で、時々、本当に何もない舞台になるけれど
                シンプルだけど効果的な使い方で、気の散るような余計なものがなく
                ゴテゴテしているより、好きだわ、これ。

                プラシド・ドミンゴ出演だと、立ち見席(じゃなくて椅子だけど)まで
                一杯かと思ったら、そんなに入っていない。

                席でのデジタル表示でのセリフの訳は日本語も残っているし
                (中国語もあった)
                セリフの上に、登場人物の名前を書いてくれたのは素晴らしい!!
                先シーズンまでは、セリフの訳はあっても
                誰が歌っているのか不明だったので(まぁ推測は出来るが)
                人物名が表示に入ったのは有難いサービスである。

                ドミンゴの声は
                ううう、相変わらず若々しい。
                もともとテノールだった人だから
                バリトン役でも、声の色がテノールに近く
                その意味では、年寄りシモンじゃなくて
                プロローグでの、まだ若い頃のシモンのイメージが一番近い。

                ただ、以前にドミンゴを聴いた時のように
                キャ〜っ、何故、この人、こんなに声量があるの?
                という突出した感じで響かなかったのは

                昨今の歌手って
                みんな、物凄い声量なんですよ・・・

                今回の公演も
                歌手全員の声量が凄まじい。
                音響効果の良い天井桟敷のど真ん中で聴いたせいもあるのだろうが
                (オーケストラもものすごく良く聴こえた)
                フィエスコもパオロもピエトロもガブリエーレ・アドルノも、声がでかい。
                アメーリアに至っては
                見た目もちょっとネトレプコに似てるけど
                ほとんど金属的な感じに響く高音の、すごい声量。

                声が大きいだけに
                ガブリエーレ・アドルノのテノールは
                フォルテで歌いっぱなしのヘルデン・テノールみたいだった。
                (大味・・・とは言いたくないけど、あまり甘さはない。ともかく強い)

                ドミンゴは最初の方こそ
                ちょっとプロンプターの助けを借りたりとかしていたけれど
                あの歳で、あれだけの若々しい張りと声量のある声で
                タイトル・ロールを歌ったのはすごいと思う。

                声量むちゃくちゃある歌手が揃って
                ドミンゴの声量と張り合っていたので
                バランスは取れていたと思う。

                (でもまあ正直に言えば
                 別にプラシド・ドミンゴじゃなくても良いかも。
                 あっ、ドミンゴ・ファンの皆さま、ごめんなさい)

                セクハラ疑惑とか、まぁ、色々とある歌手だけど
                79歳で、オペラのタイトル・ロールを
                演技を交えて、ちゃんと張りのある輝かしい声で
                全く衰えを見せずに歌い切ったのには脱帽する。

                ヴェルディ苦手なんだけど
                音楽的には素晴らしいなぁ(何をいまさら)
                特にこの演目、金管なんかの使い方が派手だし
                ドラマチックで、聴かせどころも多いし
                死ぬ死ぬアリアはあるけれど、そんなに長くない。
                (しかも死んだ、と思ったらまた大声で歌う、という事もないし)

                かと言って、突然、オペラに目覚めた、という事はありません(笑)

                だいたい本日は本当に(私にとっては)高いチケットを買ったので
                良い席(=音響抜群、舞台は全部見える、周囲のマナーが悪くない)であれば
                それなりに、何だって楽しめるだろう。
                ただ、いつもこんなお席に行くんだったら
                今までのナイト・ライフの数を半分くらいに減らす必要があるが。

                実は8月に衝動的に買った9月のオペラのチケット
                まだあるので(汗)
                今月は国立オペラ座通いの回数が少し増えます。

                ただし、話題になった蝶々夫人のチケットは買ってませんので
                悪しからず(笑)

                オーストリアの新感染者数は爆発的に増えていて
                特に若い人たちの間での感染が多く
                みんな簡単に考え過ぎで規則(マスク着用)守らないし
                オペラ座やコンサートでも
                いつクラスターが発生するか・・・ぶるぶるぶる

                考えてももう仕方ないし
                なるようになるさ、と考えざるを得ない私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                今年3月のオペラ座クローズから
                ライブ配信が無料になったが
                今シーズンも無料配信するようだ。
                URL変更になって ここ
                登録が必要で、アーカイブはないけれど
                現時点でエレクトラの鑑賞はできそう。

                ミヒャエル・シャーデ + イェンドリック・シュプリンガー

                0
                  Wiener Staatsoper 2020年6月18日 19時30分〜20時45分

                  テノール Michael Schade
                  ピアノ Jendrik Springer

                  Ludwig van Beethoven
                   „An die ferne Geliebte“

                  Franz Schubert
                   „Blumenbrief“
                   „Der Fischer“
                   „Die Forelle“
                   „An den Mond“
                   „Täglich zu singen“
                   „Ständchen“
                   „Adelaide“
                   „Der Musensohn“

                  Richard Strauss
                   „Allerseelen“
                   „Nichts“
                   „Heimliche Aufforderung“

                  Ludwig Gruber
                   „Mei Muatterl war a Weanerin“

                  Franz Lehár
                   „Gern hab’ ich die Frau’n geküsst“

                  アンコール

                  Ludwig van Beethoven
                   „Der Kuß“

                  Richard Strauss
                   „Morgen“

                  インターネットのライブ中継
                  24時間は見られるはずなので
                  「はっぱは、いつも好き勝手な事を書いているが
                   実はウソつきなんじゃないか」
                  と、普段、秘かに思っていらっしゃる方、
                  自分の目で見て聴いて
                  私のウソを確かめるチャンスです(違!)
                  なお、始まるのは28分過ぎくらいから(その前はコマーシャル)

                  1800人くらい入るオペラ座で100人の観客
                  座れない席は外してしまう、という徹底さ。
                  しかも、チケットは100ユーロ!!!!

                  私が100ユーロ出したのは
                  売り切れだったクリスティアン・ティーレマンの「影のない女」と
                  残念ながらコロナでキャンセルになってしまった
                  ヌレエフ・ガラくらいである(貧乏だから)

                  でも、私は長年のシャーデのファンである。
                  ミスター残念の、あのソット・ヴォーチェは
                  歴代のテノール歌手の中でも特筆すべき美しさだと思う。

                  プログラム構成、よく考えてあるな、というのが第一印象。
                  ベートーベン・イヤーだから、まずは遥かな恋人。
                  シューベルトの有名な曲や珍しい曲を集めた後
                  リヒャルト・シュトラウスの有名曲(少なくとも私は全部知ってる)
                  ウィーン・リートの「私のお母さんはウィーンっ子」(笑)
                  最後にレハールのオペレッタ「パガニーニ」から
                  僕は女たちによくキスをした(定訳は知らないがインターネットで出て来た訳)

                  いやもう、舞台に近い席なだけに
                  反響よりも、直接、舞台からの音波が鼓膜に届く。
                  よって、実はものすご〜〜〜く細かい音程のズレとか
                  (すごく細かいです、普通だったら気がつかない)
                  声の色の変わり方とかが、ものすごくクリアに聴こえてくる。

                  オペラ座の観客数が少ない事で
                  音響は通常の観客数よりも、ずっと反響が長い。
                  その分、音は豊かに聴こえて来て
                  シャーデの甘いテノールがむちゃくちゃ魅力的 ♡

                  しかしこの人、本当に何というか根っからの役者で
                  遥かなる恋人のチクルス一つを取っても
                  非常にドラマチック。
                  ドイツ・リートの端正さとか、何処いったという感じで
                  優しいところは、とことん甘く、優しいソット・ヴォーチェで
                  激しいところは、伝統的ベートーベンみたいな激情を持って
                  (この頃、ベートーベンでも何でも、
                   割りにクールな演奏が多いような気がするのだが
                   シャーデは、徹底的にドラマチックに歌う)
                  確かにこの曲、変化が激しいのだが
                  シャーデの声にかかると、その変化が10倍くらいに聴こえる。

                  シューベルトの曲、いくつか初聴きだったので
                  1ユーロ(定価は90セント)の手元の歌詞を見たいのだが

                  オペラ座って、何故、リートの夕べの時も
                  観客席の照明を落としちゃうの???
                  老眼鏡使っても、全然、プログラムの字が見えません(涙)

                  ただ、シャーデのドイツ語は、とてもクリアなので
                  詩はよく聴こえてくる。

                  それに・・・
                  シャーデがいちいち、身体で表現しちゃうので f^_^;

                  Der Fischer の語りは見事だった。
                  歌詞もわかるけれど、シャーデの表情と身体の動かし方を見ていると
                  ドイツ語が分からなくても、ドラマチックなストーリーはわかる(はず)
                  有名な Die Forelle も手取り足取り・・じゃなかった
                  ともかく、音楽と詩での語りが凄い。

                  Die Forelle の後、シャーデが
                  「普通の詩の An den Mond ではありません。
                   次の曲も、印刷してあるより
                   こちらの方が詩が美しいと思います」
                  と喋った後の曲は、知らないリートだったが
                  いやもう、美しい。実に美しい(歌詞も音楽も)
                  (後でインターネット配信で歌詞を見ていたら
                   An den Mond は全く違う歌詞だったし
                   Täglich zu singen はプログラムの歌詞よりもっと長かった)

                  Ständchen は有名だし、みんな知ってるが

                  次の Adelaide って・・・
                  シューベルトも Adelaide に作曲してたんかいっ!
                  私はベートーベンしか知らなかったが

                  ベートーベンと比べるとすごく面白い。
                  ドイツ語そのものの持つイントネーションが
                  作曲家によって、どのように変わるか。
                  もちろん、シューベルトがベートーベンの曲を知っていた可能性は高いが
                  繰り返し Adelaide のニュアンスが2曲ともに似ていて
                  うわあああ、これ、こういうのを研究した論文もありそう。
                  (以前、まだ私がゼミに参加出来なかった頃に(参加には条件がある)
                   ドイツ・リートについて、ゲルマニスティックと音楽学との
                   共同ゼミがあったのだが、参加できなかったのが悔やまれる)

                  Der Musensohn も軽く歌い上げて
                  茶目っ気一杯、チャーミングさ満杯でドラマチックで甘い ♡

                  リヒャルト・シュトラウスは
                  Allerseelen で始めたので
                  ああああああ、切ない、切な過ぎる、涙出てくる、すみません。
                  でも、そのしんみりした空気を吹き飛ばす Nichts! は
                  観客への語りかけも(大袈裟だけど)カワイイ。
                  何せ、最後が Ich, und ihr, und alle? ですからね。
                  オペラ歌手で、とことん役者のシャーデ向きの曲だ。

                  Heimliche Aufforderung は
                  私の大好きな大好きな大好きな曲で
                  (ただし自分で歌おうとしても男声の曲なので無理(涙))
                  最初のパーティ気分から
                  バラ園での背徳的な秘密の(以下省略)
                  しかも秘密のモゴモゴ(恥ずかしくて書けない)の後に
                  もっとすごいゴニョゴニョが暗喩されているので
                  若い頃の私は、もう、興奮(以下自粛)

                  シャーデの前半と後半の歌い分けも見事で
                  私もババアにはなったけれど
                  若い頃を思い出してしまったわ。
                  こういう素敵な思い出が人生にあれば良かったのに(あ〜、あはは)

                  Mei Muatterl war a Weanerin を歌う前に
                  観客に向けて、手を動かして
                  「僕がこれをやったら、皆さん、一緒に歌って良いんですよ〜」(笑)
                  そりゃ、ウィーンっ子だったら
                  あるいは、私のようにウィーンに長く住んでいたら
                  この曲は充分に知っている。

                  続けて
                  「まぁ、こういう曲をドイツ人2人が演奏するのも・・・
                   観光の時代ですね〜」(わっはっは、ワケわからん)

                  でも、他のドイツ人、しかもオーストリア在住歴があまりない人も
                  こういうリートを、オーストリア訛りじゃないドイツ語で歌ってますし
                  シャーデはオーストリアでは宮廷歌手の称号もあるし
                  かなり長い間、ずっとオーストリアで活躍していたから
                  歌詞も、正統ウィーン訛り・・・とは言えないけれど
                  かなりオーストリアっぽくて、これはこれで味がある。

                  それに歌っていて、むちゃくちゃ楽しそうだし。
                  この曲、意外に語りがあるんですよね。
                  ただ、途中の、本来はセリフで語るところはさすがに飛ばしたけど。

                  Gern hab’ ich die Frau’n geküsst の前に短いスピーチ。
                  このご時世、誰にもキスは出来ないけれど
                  歌では出来ます、という事で

                  うわあああ
                  この曲がものすごく印象的だった。

                  たぶん、正統派オペレッタ・ファンにはウケないと思う。
                  だって、ソット・ヴォーチェ使いまくりの
                  ともかく愛に溢れて美しいというか
                  オペレッタのアリアというより
                  限りなくドイツ・リートに近い歌唱。

                  そうか、この曲って、こういう歌い方もあったのね、と
                  ちょっと、いや、かなりビックリした。

                  正統派オペレッタ・ファンの方の意見を聞いてみたいものだ。
                  (わかってますね、Yさん、メールお待ちしております(笑))

                  アンコールで
                  キス・・・なので、ベートーベン・イヤーで
                  やっぱりキスで行きましょう

                  って、この曲、よく知ってるぞ。
                  もう、むちゃくちゃ笑える曲で
                  読者もよくご存知とは思うけれど

                  キスする、と言ったら
                  彼女は、叫ぶわよ、と言った。
                  でもキスをした。
                  彼女は叫んだ・・・けど
                  ずっと後になってから

                  という、しかも最後の「後になって」の繰り返しが
                  ベートーベンのしつこさが爆発する楽しい曲で
                  シャーデの表現力(声、歌唱、身体表現)が
                  むちゃくちゃ活きる。

                  最後の最後に
                  希望をなくしてはいけない
                  明日はまた来る(意訳)
                  ・・・と言ったとたんに
                  あ〜、これはアレが来るな、と思ったら大当たりでした。

                  たぶん、その最後のスピーチだったと思うんだけど
                  長年、オペラ座で歌って来て
                  パミーナを火や水の上で運んだり
                  喋らない女を喋るようにさせたり
                  ルネ・フレミングやアンナ・ガーブラーに
                  オペラでは言葉が大事なんだ、と説得したり

                  わっはっはっは
                  キミキミ、フレミングやガーブラーの時は
                  フラマンだったよね?
                  エレードを持ち上げなくても宜しい(わかる人はわかる)

                  しかし、このジョークをわかった人って
                  会場に何人居たのかしら。

                  シャーデの印象的な役としては
                  エリーナ・ガランチャを寛容に許した皇帝って言うのもあったけど。

                  100人限定とは言え、100ユーロだし
                  かなり年配の方々は、やはりウイルスが怖いから来ないし
                  何だか不思議な聴衆のバランスで
                  シューベルトのリート間に拍手のフライングがあるかな、と
                  思っていたら
                  最初はうまく繋げたのでともかくとして
                  やっぱりリート間拍手がなかったワケではないが

                  あの位なら、あまり気にならない。
                  まぁ、ドイツ・リートを好んで聴く、という人ばかりが
                  集まった訳ではなさそうだが
                  シャーデの家族もカナダから来ていたらしいし(本人談)
                  如何にもオペラっぽいシャーデの表現力は
                  手元の歌詞が暗くて読めなくても
                  充分に楽しさが伝わってくるリサイタルだった。

                  インターネット・ライブは明日までは見られるので
                  私も、もう一度、コンピュータで見て
                  あのソット・ヴォーチェを堪能しよう (^^)v

                  皆さまも、はっぱのウソを見破るために
                  ぜひ、インターネット配信をご覧下さい。
                  ちなみに、オペラ座の大判振る舞いで6月末まで無料です。

                  ウイルスのせいで、連日連夜の音楽ライフは
                  残念な事になってはいるのだが
                  普段座れない、お高級席で
                  歌手のすぐ近くでリートを聴くという
                  贅沢なチャンスがあるというのも
                  悪くはないわ、と、楽観的に考える私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  オーケストラ音楽大好きだし
                  音響オタクっぽいところはあるんだけど
                  私の音楽のルーツは実はドイツ・リートにあるので
                  やっぱりドイツ・リートを聴くと楽しい ♡

                  国立オペラ座 エレクトラ

                  0
                    Wiener Staatsoper 2020年2月12日 19時30分〜21時20分

                    Richard Strauss
                    ELEKTRA
                    Tragödie in einem Akt von Hugo von Hofmannsthal

                    指揮 Semyon Bichkov
                    演出 Uwe Eric Laufenberg
                    舞台 Rolf Glittenberg
                    衣装 Marianna Glittenberg
                    照明 Andreas Grüter

                    クリュテムネストラ Waltraud Meier
                    エレクトラ Christine Goerke
                    クリュソテミス Simone Schneider
                    エギスト Norbert Ernst
                    オレスト Michael Volle
                    オレストの老僕 Marcus Pelz
                    クリュテムネストラの腹心の侍女 Simina Ivan
                    クリュテムネストラの裾持ち Zoryana Kushpler
                    若い召使い Thomas Ebenstein
                    老いた従者 Dan Paul Dumitrescu
                    占い師 Donna Ellen
                    侍女 Monika Bohinec, IMargarita Gritskova, Ulrike Helzel
                           Lydia Rathkolb, Ildikó Raimondi
                    召使い Seçil Ilker, Maria Isabel Segarra, Jozefína Monarcha, Dymfna Meijts,
                    Zsuzsanna Szabó, Karen Schubert

                    Orchester der Wiener Staatsoper
                    Chor der Wiener Staatsoper
                    Komparserie der Wiener Staatsoper

                    週末に1週間分のチケットを確認しておくのだが

                    何故にまた、エレクトラ?
                    しかも、バルコン2列目という
                    私にとっては贅沢な席が出て来た・・・

                    何を考えて、こんな席を買っちゃったんだ?
                    しかも、エレベータ演出のエレクトラは5年前に観ている。
                    (私も忘れていたが、こちらの記事)

                    あの時は最初のシーンの女性の裸体というのに興味があって
                    あ、いやいや、別にそういうワケでは(汗)

                    つらつら考えるに
                    どうもこのチケットの私の(買った時の心境での)狙い目は
                    クリュテムネストラのワルトラウト・マイヤーと
                    オレストのミヒャエル・フォレだったに違いない。
                    (指揮者のセミョン・ビシュコフは無視か、というツッコミはなしで)

                    さて、あ〜、あの演出かよ、と
                    ちょっとうんざりしながら行ったエレクトラだが

                    ・・・いや、すごかった。
                    ちょっと驚いた。はい、色々な意味で・・・

                    舞台下手(しもて)には
                    シャワー・スペースがあって
                    裸体の女性が(ボディには赤いインク)立っていて
                    侍女たちが、ホース持って来て
                    水をぶっかけたりするという
                    インパクトのあるシーンから始まるのだが

                    エレクトラ登場

                    ・・・(沈黙)

                    人の体型とかについて
                    コメントしてはいけない事はよくわかっている。
                    けど
                    舞台は見た目も含めてだから(言い訳)
                    真っ黒な
                    布を2枚重ねて袖を付けました・・・みたいな
                    (そう単純なものではないのだろうが)
                    そこらへんのノミの市で50セントくらいで売られていそうな服で
                    現れたエレクトラのふくよかさに
                    ギョッとしたのは、まぁ、たぶん、私だけではないと思う。

                    そりゃエレクトラって
                    リヒャルト・シュトラウスのソプラノ虐め趣味が
                    爆発したような作品だから
                    あれを最初から最後まで歌うとなると
                    能力も気力も、記憶力も必要だろうが
                    同時に体力が必要な事は、よ〜〜〜〜くわかるんですが。

                    が、その後にクリュソテミスが
                    ぶりっこのレース振り振りの
                    しかも身体の前に
                    もふもふバッグを下げて出て来た時は
                    ・・・もっと衝撃的だった。

                    言いたい事は察して下さい。
                    ソプラノ歌手のふくよかな体型は
                    まぁ、そういうものなんだけど
                    でも、その体型に、あのぶりっこフリフリ・ドレスは・・・
                    街で会ったら
                    ちょっと危険な人に見えるかもしれない、いや、絶対に避けて通りたい。

                    オペラとしては
                    ほとんど動きがなく
                    エレクトラとクリュソテミスの掛け合いがあって
                    クリュテムネストラがエレベータで登場。

                    車椅子に乗っているんだけど
                    途中で車椅子から立って、かなり動きながらのモノローグ。
                    立って歩けるのなら
                    小道具で車椅子は不要じゃないのか(と細かい事に文句(笑))

                    ワルトラウト・マイヤーのメゾの美声・・・
                    それに、この人、スタイル良くて
                    クリュテムネストラのドレスは
                    如何にも貴族が好んで着るような
                    キラキラのAラインのロング・ドレスに
                    宝石の装飾ネックレスも着けていて

                    エレクトラが貧乏人ドレスで
                    クリュソテミスがぶりっ子フリフリなのに
                    クリュテムネストラだけが
                    如何にもオペラちっくな豪華衣装となっていて
                    見た目や立ち振る舞いと美声が華を添えて
                    何だか、とっても魅力的なクリュテムネストラ。
                    アガメムノンを殺して
                    娘のエレクトラの恨みを買うような人物に見えない(笑)

                    エレクトラの恨み節が続くオペラだが
                    オレスト登場で
                    突然、会場の緊張が高まる。

                    ミヒャエル・フォレのオレストが
                    ううう、期待通りというより
                    期待を上回る素晴らしさ!!!!!

                    だいたいエレクトラもクリュソテミスも
                    ドイツ語で歌っている筈なのだが
                    全くドイツ語に聞こえて来なくて
                    (それはあの高音領域で作曲した作曲家が悪いと思うが)

                    それに比べると、ワルトラウト・マイヤーは
                    ちゃんとクリュテムネストラのセリフ内容がわかったけれど

                    ミヒャエル・フォレのオレストに至っては
                    ドイツ語の細かい部分まで
                    くっきり、はっきり聞こえてくる上に
                    ま〜、なんという美声・・・・(うっとり)

                    歌手だから、体型が大柄なのは普通だけど
                    ミヒャエル・フォレが衣装の一部を脱いで
                    パンクのお兄ちゃん風の肩出し衣装になったところでの
                    肩の盛り上がった筋肉の美しさ(何を見てる?)

                    ええええっ、ミヒャエル・フォレって60歳???
                    ワルトラウト・マイヤーが64歳だから
                    クリュテムネストラ4歳の時の息子がオレスト
                    ・・・というのは冗談だけど
                    フォレの筋肉隆々の鍛えた上腕を見ると
                    母親・息子としても
                    あまり違和感はない(まぁ、一緒のシーンはないし)

                    年齢の事を言うと
                    大変失礼な事は重々承知だが
                    エレクトラ役は51歳
                    クリュソテミスは48歳。
                    才能も経験もある
                    今、現在、聴くべき
                    もっともノッている歌手を押さえた公演。

                    体型、見た目、不思議な衣装はともかくとして
                    エレクトラとクリュソテミスだが
                    オペラが進むに連れて
                    どんどん、その存在感を増して
                    声の艶も増して
                    ドラマチックな要素も増して

                    貧乏人のアッパラパーとか
                    白のレースのフリフリドレスとか
                    だんだん、どうでも良くなっていくという
                    不思議な現象に囚われてしまった。

                    特にエレクトラの迫力と言ったら
                    オレストとの掛け合いのあたりからの迫力は圧倒的で
                    いや、ホント、こういう娘に当たったら
                    お母さん可哀想(クリュテムネストラが魅力的過ぎたので)

                    リヒャルト・シュトラウスの音楽も
                    この時期は、実にドラマチックで尖っていて
                    カプリッチオとかアリアドネから入った私には
                    エレクトラはちょっとワイルド過ぎた時期が長かったのだが

                    何回か聴いてみると
                    いや、スゴイ音楽だわ・・・
                    細かい部分まで徹底的に考慮された音楽構成と
                    そのドラマチックな表現力に脱帽する。

                    この間は見逃したと思う最終シーンの
                    エレクトラの死だが
                    出て来た多数の俳優さんが
                    エレクトラを上に担いで持って行った(爆笑)
                    ・・・重かったでしょうね(とか言ってはいけない)

                    その凄い音楽に加えて
                    オーケストラが、オーケストラが、オーケストラが・・・
                    ううう、何でこのオーケストラ
                    こんなに素晴らしいんだろう?
                    音の艶、色気、尖り具合はちょっと円やかだが
                    ものすごい色彩感があって
                    オーケストラの音楽だけで聞き惚れてしまう。

                    リヒャルト・シュトラウス・ファンの皆さまには
                    そんな事わかってるぜ、という
                    当たり前の事ばかりだと思うのだけれど
                    久し振りに行ったエレクトラ
                    演出は、まぁ、アレだけど(前の方が絶対に良かった)
                    音楽的には徹底的に堪能できて
                    やっぱり良いチケットを買うと違うなぁ・・・

                    節約生活とか言ってるくせに
                    絶対に実行できない意志の弱い私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    エレクトラとクリュソテミスが
                    カーテン・コールで素に戻って
                    輝くような嬉しそうな笑顔でブラヴァを浴びていたのが
                    とてもチャーミングで魅力的だった。

                    ローエングリン@国立オペラ座

                    0
                      Wiener Staatsoper 2020年1月19日 17時〜21時30分

                      Richard Wagner
                      LOHENGRIN
                      Romantische Oper in drei Akten
                      指揮 Valery Gergiev Michael Güttler
                      舞台 Wolfgang Gussmann
                      照明 Franck Evin
                      ドラマツルギー Werner Hintze

                      ハインリヒ王 Ain Anger
                      ローエングリーン Piotr Beczała
                      エルザ Cornelia Beskow
                      フリードリヒ・テルラムント Egils Silinš
                      オルトルート Linda Watson
                      伝令 Boaz Daniel
                      ブラバントの貴族 Wolfram Igor Derntl, Martin Müller
                      Johannes Gisser, Jens Musger
                      小姓 Kyoko Nukumi, Kaya Maria Last, Barbara Reiter, Dymfna Meijts

                      Orchester der Wiener Staatsoper
                      Chor der Wiener Staatsoper
                      Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
                      Extrachor der Wiener Staatsoper
                      Ballettakademie der Wiener Staatsoper
                      Komparserie der Wiener Staatsoper

                      この演出のローエングリン、実はずっと気になっていた。
                      理由は簡単で

                      ワタシが民族衣装フリークだから。

                      男性の革の半ズボンと、ナマ足の脹脛にコウフンする訳ではないが
                      自分で着るのも好き、見るのも好き。

                      2014年のプレミエの時には
                      クラウス・フローリアン・フォークトが
                      正式な民族衣装の花婿の服を見事に着こなしていて
                      その写真がウエブ・サイトにあって悶絶していたのである。
                      プログラム買ったら、その写真が掲載されていて
                      それを見ながら、1日3回は悶絶できそう(どうせヘン○イです)

                      自分で着る方に関しては
                      ディアンドルは普段着では使えないけれど(持ってる事は持ってる)
                      トラハテンの上着は愛用していたのだが

                      とある日、コンツェルトハウスのコンサートの時に
                      上品な老婦人から「よくお似合いよ」と言われて

                      それが
                      日本人が民族衣装を着てるんじゃねえよ
                      という意味の、遠回しな皮肉である事くらいは
                      こちらで暮らしていればわかる。

                      お客さまのアテンドとか
                      日本に一時帰国する時とかは堂々と着るけれど
                      そんなわけで、あまり日常的に着用できない
                      (しかもウィーンではあまり見かけない)
                      民族衣装、ディアンドルとトラハテンが
                      思い切り見られる
                      ・・・・・という、
                      すみません、ただ、それだけの理由だったんですが(汗)

                      さて、幕があく前に
                      支配人のメイエールがマイク持って登場。
                      思わず客席から起きるため息。
                      ・・・いったい、誰がキャンセルになったんだ?

                      メイエール曰く
                      指揮者のゲルギエフが到着していません。
                      これがもう遅刻2回目で
                      舞台裏には600人のスタッフと歌手
                      観客席には2300人の観客の皆さまを
                      待たせる事は出来ないので
                      ミヒャエル・ギュットラーが指揮をします。

                      そこで観客席から挙がった歓声は何だったのか不明だが
                      ゲルギエフのヒラヒラ指揮が多かれ少なかれ問題だったらしいので
                      結果的には良かったのかもしれない。

                      民族衣装フリークにはたまらん舞台シーンで
                      多大な人数のコーラス全員が民族衣装。
                      あ〜、私も堂々と着たいよ〜。

                      エルザが白鳥のデコイを抱いて登場する。
                      白鳥のデコイ?

                      で、騎士って
                      確か白鳥に乗って登場するんじゃなかったでしたっけ???

                      コーラスや俳優さんの大人数に囲まれて
                      白鳥のデコイが肩より上で支えられて
                      その人混みが引くと

                      床に転がっているのは

                      白いパジャマ(長い上着のみ)を着て、素足のペチャワ・・・

                      どう見ても
                      病院から脱走して来た糖尿病患者・・・

                      少なくとも、特別デザインのカッコいい民族衣装を期待していたのに
                      タイトル・ロールの登場が
                      白の上だけのパジャマでナマ足で素足・・・(絶句)
                      ふくらはぎは日焼けしていて、足首から下は白い(何を見てる?)

                      それでなくても、エルザの最初の衣装も
                      どう見ても白い病院着なのに(しかも素足です)・・・(涙)

                      舞台は、どこかの田舎のガストハウス(居酒屋)の1室で
                      机も椅子も、何処のガストハウスからレンタルしてる?という感じで
                      その意味では、むちゃリアルなのだが

                      あまりに日常生活に密着し過ぎていて
                      田舎の素朴なおじちゃん、おばちゃんたちが
                      呑みに集まっている雰囲気しか出て来ないので

                      ドイツの王さまが来てもエルザが王女さまだとしても
                      貴族じゃなくて、そこらへんの農民のおじちゃん、おばちゃんにしか見えん。
                      (農民が悪いとは言ってません!)

                      舞台変換は一切なし。
                      決闘の舞台も、机を並べて、その上で闘うだけ。

                      第2幕のアントウェルペン城内という設定も
                      椅子や机が乱れて置いてあるガストハウスそのまま。

                      礼拝堂に向かうエルザのシーンも
                      ハインリヒと騎士の丁々発止のシーンも
                      全部、居酒屋の中・・・

                      正直言うと、この2幕、むちゃくちゃ冗長。
                      舞台変換もないし、動きもないし
                      エルザとオルトルートが、ずっとお話しているシーンが長い。

                      第3幕はご存知の通り
                      例のあの曲で景気良く幕が開いて
                      結婚行進曲があって

                      やっと2人になれたね、という騎士の衣装は
                      民族衣装の上着がないっ!!!
                      ただのシャツかいっ!!!!
                      (だからフリークなんですってば)

                      出会ってから、やっと2人っきりになれたね、というシーンで
                      延々とラブソングを歌うのか、この2人は(謎)
                      他にやる事があるんじゃないのか(あ、失礼)

                      ここでエルザがむちゃウザくなる。
                      こういう女、居るよね
                      聞かない事を条件とする契約を締結して結婚したのに
                      結婚したとたん、やっぱり知る権利があるとか
                      むちゃを言い出すタイプ。

                      ついでに、このタイプは男性にも居る。
                      鶴の恩返しという話もある事だし。

                      ああ、やだ、やだ
                      契約違反もイヤだけど
                      結婚したとたん、あなたのためを思ってるのよ、という
                      理解し難い理由で、自分に何でも知る権利があると思っている人。

                      あ、いやいや
                      ワーグナーに文句つけていてどうする・・・

                      身分を明かして去っていく時のローエングリンが
                      「あぁ、白鳥が迎えに来た」って

                      後ろの(居酒屋の)机の上に
                      白鳥のデコイがポツンと・・・

                      なんか、ほとんどパロディに見えて来たわワタシ。

                      最後に弟が現れるシーンも
                      人混みが引くと
                      床にパジャマ(上着のみ)の男の子が倒れているという・・・
                      しかも、エルザの事を怖がって後退りしてるじゃないの。
                      (バレエ学校の子供だな、きっと)

                      更に、エルザは死なない。
                      弟、いや、子供を怖がらせたままの状態で
                      舞台の真ん中で仁王立ち。

                      エルザ役のコルネリア・ベスコフは
                      ものすごい声量の、金属的な印象を受ける硬い感じのソプラノで
                      声量が凄くて、声が硬いだけに
                      むちゃ気の強いエルザになっていて
                      騎士のベチャワのリリックな声を圧倒しているところがある。

                      この人、このまま結婚したら
                      騎士の愛情を良い事に
                      旦那をコントロールしまくりの実権握りっぱなしの
                      すごくコワイ奥さまになりそう(妄想中)

                      最後に死ななくて、舞台ど真ん中で
                      怯えている子供を前に仁王立ちするので
                      あ〜、これは、弟の摂政として
                      しっかり実権を握って国を率いていく
                      自立した女性の(以下省略)

                      どちらにせよ、ここでエルザが死なないと
                      話が全く違って来るのだが(それが演出家の目的かもしれないが)

                      エイン・アンガーのハインリヒ王が秀抜。
                      美声で堂々としていて落ち着いていて
                      あの奇妙な民族衣装でも、王さまという気品が漂う。

                      テルラムントも、第2幕の最初のシーンでは
                      これまた、白いパジャマを着せられていて

                      民族衣装にコストがかかったので
                      よほど、他の衣装の予算がなかったのか
                      まさか自前ではないだろうな・・・

                      テルラムント役のエギルス・シリンスは
                      ラトヴィア出身で、名前の n は特殊文字(下にニョロがつく)
                      58歳でラトヴィア国立オペラの総監督が
                      ここに出稼ぎに来ているとは(笑)

                      でも、この人、声も出るし
                      演技も出来るので
                      あの、ヨレヨレになるテルラムント役が非常に合ってる。

                      リンダ・ワトソンのオルトルードも優秀。
                      この人も、ものすごい声量のある人だが
                      もともと倍音多目の美声だし
                      時々ヒステリックになる感情的な役をうまく演技していてマル。

                      で、ペチャワですよ、ペチャワ!
                      いや、こんなに声の美しいテノールと思っていなかった。
                      ヘルデン・テノールというよりは
                      リリック・テノールだな。
                      声を張り上げて強靭な高音も出すが
                      本領発揮は甘いラブソングだろう。

                      よって、あんまり凛々しいという感じはないけれど
                      (初演のフォークトだったら、もっと凛々しくなかっただろうと推測する)
                      エルザとがっしり組んで、抱いてキスして
                      被さられて(エルザから)というのが

                      視覚的にはバランスが取れて
                      とても絵になるカップルになっている。
                      (やっぱりある意味、オペラも見た目が大事)

                      で、オーケストラが巧かったよ〜(感涙)
                      舞台オーケストラの金管もむちゃくちゃ良くて
                      白鳥テーマの弦のフルフルの繊細さとか
                      オペラになると、何故、こんなに豹変するかねこのオーケストラは。

                      民族衣装に釣られて4時間30分オペラ座に篭ってしまったが
                      久し振りにワーグナー聴いて(いつもは避けてる)
                      あぁ、これも一種の映画音楽だなぁ
                      (当時、映画はなかったが)
                      ただ、5時間の映画って、誰も見ないよなぁ
                      もう少し、こう、進行を短縮化したら良かったんじゃないだろうか
                      ・・・とか
                      またもや、妄想の世界に入り込みそうな私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      ・・・あまりにツッコミどころが多いので
                      かえって楽しかったのだが
                      帰路でツィッター見ていたら
                      市電で一駅乗り越して、雨の中をトボトボ歩いて帰りました。
                      よって・・・きゃ〜っ、明日の授業の準備が出来てません(冷汗)

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