ペレアスとメリザンド 国立オペラ座(初演)

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    Wiener Staatsoper 2017年6月18日 19時〜22時20分

    Claude Debussy
    PELLÉAS ET MÉLISANDE
    Drame Lyrique in fünf Akten / Text vom Maurice Maeterlinck
    指揮 Alain Antinoglu
    演出・舞台・照明 Marco Arturo Marelli
    衣装 Dagmar Niefind

    アルケル Franz-Josef Selig
    ジュヌヴィエーヴ Bernada Fink
    ペレアス Adrian Eröd
    ゴロー Simon Keenlyside
    メリザンド Olga Bezsmertna
    イニョルド Maria Nazarova
    医師 Marcus Pelz
    ベレアスの父 Andreas Bettinger
    Orchester der Wiener Staatsoper
    Chor der Wiener Staatsoper
    Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

    今シーズンの新作となるドビュッシーのペレアスとメリザンド。
    いや、あの、その、オペラ苦手で普通なら行かないんだけど
    たまたま日曜日の夜、ぽっかり空いていたし
    (あっ、午前中はウィーン・フィルの3回目に行っていましたが
     さすがに3回目になると書く事がなくなるので止めました。悪しからず)

    実はこのオペラ
    2009年の1月22日と25日にウィーン劇場で
    ウィーン放送交響楽団+ビリーのプロダクションで
    ナタリー・デッセイがメリザンドを歌った時に鑑賞している。

    ご存知ワーグナーのアンチテーゼとして
    愛の告白は一言、ジュテームだけ(しかもオーケストラ伴奏なし)
    というのが何となく気に入って
    (別にワーグナー嫌いじゃありませんが
     愛してる、愛してる、愛してる、というのがイヤなので
     ご存知の通り、これでもか、というイタリア・オペラも苦手です)
    どうせ1回だけなら良い席を買っちゃえ

    とは言っても、天井桟敷の立ち見席の前の49ユーロですが f^_^;)

    オペラの場合は私がバレエで愛用している
    ロジェ(ボックス)の後ろは音響が悪いので避ける方が良い。
    舞台がある程度見えるのを期待するなら
    このカテゴリー以下では買わない方が良い。
    (これを無駄遣いに対する自己正当化と言う)

    さて、舞台は黒を色調にした暗い舞台なのだが
    何と、舞台の3分の2がプールになっていて
    本当に水が張ってある。

    これで何日か続けて上演するならわかるけど
    (水は汚れそうだが)
    毎日違う演目で上演しているのに
    このプロダクションがかかる度に
    舞台の上にプール、というか湖というか水溜りを作るわけか(ため息)

    ウィーン劇場の上演の時には
    小さいプール・・・というより
    風呂桶みたいなもので作っていた記憶があるが。

    さすが国立オペラ座(予算が潤沢?)

    で、このプロダクション、すごく良い (^ ^)
    演出も舞台も歌手もオーケストラも素晴らしい。

    手放しで褒めてしまうと、それ以上、書く事がなくなるんだけど
    みんなフランス語が美しく
    (とは言え、私はフランス語は解しないので正確なところはわからん)
    音量のバランスが見事に取れていて
    一部の歌手が声量で飛び出したりする事がない。

    アルケルの深いバスは魅力的だし
    キーンリサイドの DV 男のゴローは
    ちょっとナヨナヨっぽく優男の
    エレードのペレアスとの対比が際立つ。

    イニョルドを演じたマリア・ナザロヴァに感嘆。
    声もキュートで可愛いけれど
    それより何より、あの演技力は何なんですか!!!
    どう見ても少年としか思えない動きで
    最初から最後までの存在感がすごい。

    最後にお父さん(ゴロー)の自殺を止めるシーンがあるのだが
    あそこまで演技が出来ると、この場面が非常に活きる。
    何とこの歌手、最後に花束もらった時にも
    まるで小さな男の子がやるように舞台でジャンプしてた。

    エレードのペレアスが、えらくカッコいい。
    エレードって色々な役を歌っている器用な歌手だが
    私のイメージは
    ウエルテルのあの嫉妬深い、ねっとりした冷血男アルベールなんだけど
    今回は反対に嫉妬されて、(暴力的な)兄にグサッとやられてしまう役。

    恋心を抑えてメリザンドと寄り添うのが
    本当にサマになっていて、ちょっとドキドキする。

    それを察したキーンリサイド演じるゴローが
    どんどん自暴自棄の暴力的になって行くのが
    またこれ、キーンリサイドに合ってるんですよ。

    キャスト見た時には
    え?キーンリサイドもエレードも
    どちらかと言えばハイ・バリトンの声質なのに
    同時に舞台に乗せちゃって大丈夫かしら、と思っていたのだが
    二人とも対比的な兄弟を見事に演じ分けていた。

    ペレアスはテノールの音域もあるのだけれど
    エレードが、またこれを、この上なくチャーミングに歌ってしまうの。

    メリザンド役のオルガ・ベッツメルトナって
    どこかで聴いたか見た記憶があるので探ってみたら
    2012年のヌレエフ・ガラの時のリヒャルト・シュトラウスの
    最後の4つの歌を歌っていて
    引き続き、2014年のバレエの同演目で歌い続け
    ナクソス島のアリアドネでエコーを歌っていた歌手だった。

    ちょっと体格は立派とは言え
    目立つ程ではないし
    後半はどちらにせよ、お腹が大きいから目立たないし
    声は透き通ってキレイで
    あの長い髪のカツラで、かなり魅力的なメリザンドだった。

    ・・・けど、このプロダクション
    こぞって男性役の歌手が素晴らし過ぎる(笑)

    話はメーテルリンクの禁断の愛なんだけど
    ワーグナーのアンチ・テーゼとか言われつつ
    オーケストラなしのジュテームの後
    ジュテーム・オゥシと返した後に

    何だよ、延々とプッチーニばりのラブシーンが続くじゃないの (-_-)

    そこでイチャイチャとラブシーンをしているから
    ゴローに見つけられて殺されちゃうんだわ。自業自得(すみません)

    それに、ご老人のアルケルが
    老人になると、時々若い肌を感じたい時があるのだよ
    このキスは気持ち良いかい

    ・・・って、何なんだ、このエロ老人は!!!

    ゴローが弟虐めで、沼のとんでもないところに連れていくシーンなんか
    本当にあっという間の数分なのに
    わざわざ舞台装置を作っているのも大変だなぁ・・・

    舞台3分の1が水溜り(プール)で
    最初から最後まで象徴的にボートが出てきて
    (ボートとして使ったり、ベッドになったりする便利モノ)
    演出的には、とてもまとまっている。

    エレードとキーンリサイドは
    何回もずぶ濡れになっているけど(お疲れさまです)

    ウィーン国立オペラ座管弦楽団って
    あんなフランスの響きも出せるんですね、ってちょっと驚いた。
    あくまでも透明で繊細な色彩を持って
    歌手の声を潰さず、そっと寄り添う印象。

    もっともこのオペラ
    フランス語をそのまま音楽にしたような曲なので
    美しいメロディで大いに盛り上がる、というものではなくて
    あぁ、これ、フランス語がわかったら
    半分以上演劇になって、面白いだろうなぁ、とつくづく思う。

    そんな繊細な音楽の時に
    前半(約2時間)ずっと
    ヒソヒソ声で話していた観客が居て
    (ヒソヒソ声は非常によく聞こえるのである)

    ドビュッシーであれやられると
    神経をノコギリで切り裂かれるような拷問だったが
    幕間に誰かが係員にご注進になったのか
    後半(約1時間)はヒソヒソ声はなくなったので

    集中して聴けたのは実は幕間の後だけだったという
    ちょっと悔しい私に
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    このプロダクション、本当にものすごく良いので
    チャンスがあれば、あと数回、観ても良いと真剣に考えてます。


    神々の黄昏

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      Wiener Staatsoper 2017年6月5日 16時〜21時40分

      GÖTTERDÄMMERUNG
      Richard Wagner
      Der Ring des Nibelungen : 3. Tag des Bühnenfestspiels
      指揮 Peter Schneider
      演出 Sven-Eric Bechtolf
      舞台 Rold Glittenberg
      衣装 Marianne Glittenberg

      ジークフリート Stefan Vinke
      グンター Markus Eiche
      ハーゲン Falk Struckmann
      アルベリッヒ Jochen Schmeckenbecher
      ブリュンヒルデ Petra Lang
      グトルーネ Regine Hangler
      ヴァルトラウテ Waldtraud Meier
      ノルン Monika Bohinec, Stephanie Houtzeel, Caroline Wenborne
      ヴォークリンデ Ileana Tonca
      ヴェルグンデ Stephanie Hourzeel
      フロスヒルデ Zoryana Kushpler

      Orchester der Wiener Staatsoper
      Chor der Wiener Staatsoper
      Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
      Extrachor der Wiener Staatsoper

      予々、ワーグナーは「引退後の楽しみ」のために聴かないと断言していて
      (だって、夕方16時に始まるオペラにサラリーマンでどうやって行けと?)
      それまで時間はたっぷりある、と思っていたら
      引退してしまったので、もう言い訳が出来ない。

      だから、という訳ではないのだが
      本日は祝日だったし(引退してから関係ないが(笑))
      ちょっとしたご縁で

      本格的ワーグナー初体験・・・ではないけれど
      (間違えてパルシファルのチケットを買った事があるし
       この演出になった時のラインの黄金はゲネプロに潜り込ませてもらった)
      ワルキューレもジークフリートもすっ飛ばして
      一番長く(てしつこい)神々の黄昏に足を運ぶ事になった。

      よって、本日の感想記は
      ワーグナー初体験、超初心者、全然わかりませんという
      恥ずかしい私の個人的な印象記なので
      ワーグナー大好きです、という方は
      どうぞここにてお引き取り下さいませ (_ _)

      6時間近く(休憩2回あったけど)劇場に閉じ込められて
      まずはともかく
      ワーグナーの音楽というのは

      ほら、感動しろ、感動しろ、感動しろ!!!

      と最初から最後まで大声で喚かれているような
      ほとんど暴力的な「感動の押し付け」(笑)

      いや、あの時代に
      あの大袈裟で感動強要の劇伴的映画音楽的
      ほら聴いたか、すごいだろ、というのを何時間もやられたら

      そりゃ、その後の作曲家全員が
      何らかの影響を受けるのは当たり前だわ。

      ワーグナー超初心者とは言っても
      コンサート通いをしていると
      否が応でも、その一部やライトモティーフを聴く機会は結構あって
      特に、故ローリン・マゼールが編曲した
      言葉のないリングと言う、1時間弱の作品は
      リングの聴きどころを巧くまとめてあって
      何回かナマでも聴いたし、CD も持っているので

      まぁ、ライトモティーフくらいはわかる(自慢にならん)
      ストーリーはプログラムの後ろに書いてある。

      ・・・ジークフリートって名前の登場人物って
      みんなアホという属性を持ってるのか?

      いや、この作品でジークフリートって英雄のはずなんだけど
      最初のブリュンヒルデとの絡みで
      あんまり声が出てなかったし
      衣装も普通のシャツにズボンで
      しかも坊主頭で

      どう見てもツッパリの粋がったチンピラにしか見えん・・・
      (ごめんなさいっ!!! 演出の関係だと思います)

      ただこのテノール、楽劇が進むとともに
      声が出るようになってきて
      最後の方は立派な声量で素晴らしく澄んだ高音まで堪能させてくれた。

      対するブリュンヒルデだが
      いや最初、あれ?かなり歳いったオバサンだな、と思っていたのが
      ものすごく強い声で
      オーケストラに負けない声量でずっと歌いっぱなしなのに
      最後のアリアまで、もうむちゃくちゃ立派な上
      途中のハーゲンたちとの会談の時の演技が迫真的で
      すごい説得力。

      悪者ハーゲン、すごく魅力的。
      堂々としてて、声は出るし、美声だし
      まぁ、その分、100%の大悪人には見えず(笑)
      何か背景に避けられない必然性があるんだろうなぁ(妄想)

      登場人物が全員、真っ黒の衣装をつけている中
      唯一、胸元に赤いクリスタルが輝くグトルーネの
      声がスプレットで、すごくキュート ♡

      ブリュンヒルデがドラマチック・ソプラノなので
      グトルーネの可愛いソプラノがますます目立つ。

      グンターがなかなか色男というか
      声は出るし、姿形が結構良くて、イイ男(うふ)

      ジークフリートが殺された後に
      また出てきて、歌うのにはビックリしたし
      (え〜い、これはイタリア・オペラか、早く死ね(笑))

      最後のラインの乙女たちが水泳帽被って(そう見える)
      ヒラヒラ踊って歌う部分なんか
      これ、ナクソス島のアリアドネ?という既視感(笑)

      舞台は暗いけれど
      不思議な感じの絵本を見ているようで
      モダンとは言え、ちょっとオシャレな感じ。
      最後の「ほら感動しろ、感動しろ、もっと感動しろ」と言う
      オーケストラの圧倒的な音楽の時には
      スクリーンにビデオ投影で
      かなり良い感じの仕上がりで
      こういうの、すごく好きかも。

      まぁ、確かに、こういうマッチョな音楽って
      ハマる人はとことんハマるんだろうなぁ。
      初心者のワタクシにしてからが
      やっぱり知っているライトモティーフ出てくると
      何となくワクワクするし
      感心しながらあっという間の6時間弱ではあった。

      観客も割にリキの入った人が多かったようで
      マナーも悪くなかったし
      楽しい(初)ワーグナー体験をして来た私に
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      ムツェンスク郡のマクベス夫人

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        土曜日のダブルヘッダーです。
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        下のは夜のオペラ観賞記です。

        Wiener Staatsoper 2017年4月29日 19時〜22時20分

        Dmitri Schostakowitsch
        LADY MACBETH VON MZENSK
        Oper in vier Akten, Text von Arkadi Preis und Dmitri Schostakowitch
        nach Nikolai Leskow

        指揮 Ingo Metzmacher
        演出 Matthias Hartmann
        舞台 Volker Hintermeier
        衣装 Su Bühler
        振付 Teresa Rotemberg

        Boris Ismailow : Wolfgang Bankl
        Sinowi Ismailow : Carlos Osuna
        Katerina Ismailowa : Eva-Maria Westbroek
        Sergej : Brandon Javanovich
        Axinja : Rosie Aldridge
        Der Schäbige : Herwig Pecoraro
        Verwalter/Polizist : Hans Peter Kammerer
        Hausknecht/Wächter : Manuel Walser
        1. Vorarbeiter : Gerhard Reiterer
        2. Vorarbeiter : Thomas Köber
        3. Vorarbeiter : Martin Müller
        Mühlenarbeiter : Michael Wilder
        Kutscher : Oleg Zalytskiy
        Pope : Jongmin Park
        Polizeichef : Clemens Unterreiner
        Lehrer : Peter Jelosits
        Betrunkener Gast : Franz Gruber
        Sergeant : Oleg Savran
        Sonjetka : Zoryana Kushpler
        Alter Zwangsarbeiter : Ayk Marirossian
        Zwangsarbeiterin : Simina Ivan

        2015年3月14日に鑑賞した
        ショスタコーヴィッチのオペラ
        ムツェンスク郡のマクベス夫人。

        あの時はデノケがタイトル・ロールを歌って
        ストーリーはともかくとして(暗いから)
        音楽的には非常に素晴らしかったので
        もう1度、行く事にした。

        定期公演を終わったウィーン・フィルのメンバーたちも
        ゾロゾロと国立オペラ座に歩いて行く(笑)お疲れさまです。

        演出と舞台、衣装と指揮者は2015年と同じ。
        歌手はかなり変わっている。

        タイトル・ロールを歌った
        エファ=マリア・ウエストブロークはオランダのソプラノで
        多少豊かなお身体ではあるけれど
        不自然という程ではないし
        非常に強い声を持った人で
        更に、メゾに近い厚みのある声がハッキリ響くので
        聴き応え充分で
        アリアも切々と心に響いてくる。

        で、もっと凄かったのが
        ボリス役のバンクル。

        何かますますお身体の厚みは増して
        どう見てもたまごっちみたいに見えるのだが
        もともと声の大きい歌手なのに
        ますます、凄まじい声量で深いバスが聴けて

        嫁に色気を出す義理の父親のスケベ根性が
        実にリアルで素晴らしい(何を誉めてる?!)

        ジノーヴィはテノールだが
        カテリーナやボリスと比べると声量が全然違う。
        まぁ、弱い役ですぐに殺されてしまうので、良しとしよう。

        セルゲイを歌ったブランドン・ジョヴァノービックは
        アメリカの歌手だが
        名前からするとスラヴ系の人か。
        かなり強いテノールの声を持った人で
        ワーグナーのヘルデン・テノールとかイケそう。

        崩れた感じのハンサムでイヤミな男を演じ切っていて
        かなり良い感じ ♡

        オーケストラ・ビットが満杯になる
        大編成オーケストラの上に
        舞台オーケストラの金管が出てくる場面もあって
        (レ○プ・シーンとかね)
        オーケストラ的でシンフォニックな音響を楽しめるのも
        このオペラの良いところ。

        ストーリー的には
        まぁ、ポルノみたいなものだし(爆笑)
        かな〜り日本人としては気恥ずかしいシーンも多いし

        ついでだが
        カテリーナが最後の最後まで
        セルゲイ、セルゲイ、セルゲイ、愛してるわ
        ・・・って
        まるで北の宿から、みたいな女性って
        まず実際には居ませんから(笑)

        こういうのって
        男性の幻想なんだろうなぁ、わっはっは。

        でも、これ、非常に良いプロダクションだと思う。
        モダンな演出ながら
        奇を衒ったところはなくて正統派だし
        ナニのシーンもしっかり歌手にやらせてるし(わはは)
        第2幕のコミカルなシーンも楽しい。

        まぁ、3回目までは観に行かないとは思うが
        (演出が変わったら話は別だが)
        かなり長いオペラなのに
        その音楽の多様性で
        ばっちり聴衆を虜にするショスタコーヴィッチって
        やっぱり天才・・・・と
        いたく感心している私に
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        国立オペラ座 メデア 3回目

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          Wiener Staatsoper 2017年4月19日 19時30分〜21時45分

          Aribert Reimann
          MEDEA
          Oper in vier Bildern
          Auftragswerk der Wiener Staatsoper

          指揮 Michael Boder
          演出・舞台・照明 Marco Arturo Marelli
          衣装 Dagmar Niefind

          メデア Claudia Barainsky
          クレウサ Stephanie Houtzeel
          ゴーラ Monika Bohinec
          クレオン Norbert Ernst
          イアソン Adrian Eröd
          ヘロルド Daichi Fujiki

          Orchester der Wiener Staatsoper

          イースター終わって、今4月の中旬だよね?
          と疑問符が出てくるのは何故かと言うと

          本日、ウィーンは吹雪でした ⛄️

          車が雪でうっすら白くなる程度で
          さすが都市部だから積もるという事はなかったものの
          オーストリアの山岳地帯では
          冬タイヤどころか、スノー・チェーンが必要な地方もあった。

          自宅もオフィスも寒くて
          昨日よりは回復したものの
          まだ咳と鼻水、鼻づまり、その他症状たっぷりの状態で

          自宅に帰っても寒いんだから
          せめて国立オペラ座の暖房の効いている場所で
          音楽聴きながらゆっくり寝よう
          ・・・と思っていた訳ではありません!!!

          だいたい、何を血迷ったのか
          買った席が47ユーロという
          私にとっては貴賓席で
          これは何と8つに分かれたカテゴリーの中で
          上から6番目のカテゴリーなのである。

          すみませんね、貧乏で(開き直り)
          実は7番目のカテゴリーは舞台の3分の1から半分の視界がなくなり
          最後の一番安いカテゴリー(10ユーロ台)は舞台は全く見えない。

          ところが6番目のカテゴリーになったら
          うはははははは ♡ 舞台がバッチリ、全部見える。
          しかも音響も良いようだ。
          (「ようだ」と書いたのは
           実は鼻づまりのために鼓膜がおかしくて
           あんまり音が聴こえないのだよ・・・ああ、悲しい)

          3回目になるメデアだが
          舞台がこれだけはっきりくっきり見えたのは初めてなので
          舞台でいったい何が行なわれているのかが
          初めて納得いった(こらこらこらっ)

          キャストは先日と同じ。
          突出する人も埋もれまくりの人もいなくて
          歌手もオーケストラも、とてもバランスが良い。

          タイトル・ロールのクラウディア・バラインスキーは
          メデアの役柄に本当に合ってる、というより
          正にメデアを体現していて
          声量はあまりないのだが
          美しく通るソプラノに、しっかりしたドイツ語のディクション。
          見た目が小柄で愛くるしくて
          イアソンに惚れてギリシャにやってきて
          不遇に出会って不幸な感じが
          いじらしく、可愛らしく演じられて

          最後にイアソンを捨てて
          独りで金羊毛皮を纏って去っていくところの
          凛とした美しさも好き。

          しかし、このアリベルト・ライマンの音楽
          音楽と言って良いのか、よくわからんが
          何となく耳にはサルヴァトーレ・シャリーノ風の響き。
          (もっともシャリーノより、もっとリズムは見えるし
           特殊奏法はあまり使っていない)

          どちらかと言えば
          音響効果を巧く使った「演劇」って感じかなぁ。
          オーケストラのプレイヤーも
          メロディ演奏と言うよりは
          フラグメント的な音型を、ほんの少し演奏して休んで
          またフラグメントという
          メロディを弾く事に慣れている人だったら
          あれは意外に辛いかもしれない。

          この作品、グリルパルツァーをもとにしているだけに
          演劇的に見事な出来で
          演出も暗喩的な舞台表現を充分に活用していて素晴らしい。

          実は大昔にブルク劇場で
          グリルパルツァーの「金羊毛皮」の演劇版を鑑賞した事がある。
          ただ、この演出、50年代インテリアというか
          何かイヤに日常的(しかも自分の子供の頃)で
          それはもちろん、現代に通じるテーマなので
          演出家に何も言う気はないけれど、ちょっと肩すかしだった。

          このオペラの演出は
          まるで SF 映画のような
          現代でも未来でも、もちろんギリシャでもない
          不思議な空間を作り出していて
          衣装も美しいし
          コルキス人とギリシャ人の区別もきちんとつく。
          (子供がギリシャ化しているところは泣けた)

          ともかく身につまされるオペラで
          男性の野心の犠牲にされる女性の悲劇というか
          国際結婚あるある的な(本当にあったらイヤだが)
          愛に釣られて行っては見たけれど
          異邦人は出てけ、みたいな偏見に囲まれて
          という、まぁ、実際にはそんなにナイのだろうとは思うけれど
          いかにもありそうな感じがミソ。

          異国に暮らす者は苦労してるんですよ、と
          全然苦労していないのに
          ちょっと言ってみたくなるワタクシに
          本日もどうぞ1クリックを
          よろしくお恵み下さいませ。



          さすがにもう3回観たら
          それ以上は観る気にはなれないオペラだが
          金羊毛皮を、またブルク劇場で
          別の演出で上演するなら
          久し振りに行っても良いかなぁ、と思ったのは事実。

          国立オペラ座のトレイラーは下ですが
          これ、タイトル・ロールが初演の時なので、今のキャストと違います。
          バラインスキーの方が、もっとずっとキュートです ♡


          キルヒシュラーガー + キーンリサイド リートの夕べ

          0
            Wiener Staatsoper 2017年1月17日 20時〜22時05分

            SOLISTENKONZERT
            メゾソプラノ Angelika Kirchschlager
            バリトン Simon Keenlyside
            ピアノ Malcolm Martineau

            Franz Schuberg
             Lambertine, D 301
             Der liebliche Stern, D 861
             Der Wanderer an den Mond, D 870

            Robert Schumann
             Er und Sie, op. 78/2
             Schön ist das Fest des Lenzes, op. 37/8
             In der Nacht, op. 74/4

            Peter Cornelius
             Der beste Liebesbrief, op. 6/2

            Hugo Wolf
             Der Knabe und das Immlein, Mörike-Lieder Nr. 2
             Nimmersatte Liebe, Mörike-Lieder Nr. 9
             In der Frühe, Mörike-Lieder Nr. 24
             Auf einer Wanderung, Mòrike-Lieder Nr. 15
             Lebe wohl, Mörike-Lieder Nr. 36
             Elfenlied, Mörike-Lieder Nr. 16
             Der Jäger, Mörike-Lieder Nr. 40
             Bei einer Trauung, Mörike-Lieder Nr. 51
             Begegnung, Mörike-Lieder Nr. 8

            Robert Schumann
             Ballade des Harfners, op. 98/2
             Heiß mich nicht reden, op. 98/5
             So lasst mich scheinen op. 98/9
             Kennst du das Land, op. 98/1

            Franz Schubert
             Der Wanderer, D 489
             Prometheus, D 674
             Suleika II, D 717

            Johannes Brahms
             Ständchen, op. 106/1
             Vor dem Fenster, op. 14/1
             Dein blaues Auge op. 59/8

            Peter Cornelius
             Ich und Du, o.O.

            Johannes Brahms
             Es rauschet das Wasser, op. 28/3

            国立オペラ座で時々やるソリストの夕べ。
            今回はアンジェリカ・キルヒシュラーガーと
            サイモン・キーンリサイドのコンビネーションで
            ドイツ・リートを歌うみたいなので
            ちょっと贅沢してギャラリーの席を購入

            ・・・するじゃなかった(涙)

            オーケストラ・ビットの上が舞台になっているので
            何も見えないし(オペラならその後ろなのであの席は最高)
            別に見えなくても良いんだけど
            照明落とすから暗くなってテキスト読めないし

            まぁでもキルヒシュラーガーとキーンリサイドなら
            ドイツ語は、はっきりくっきり聞こえてくるだろう。

            シューベルトの最初がキルヒシュラーガーだったんだけど

            ・・・?????

            音響の問題?というワケでもなさそうだが
            私の耳がヘンなのか
            (もともとヘンというツッコミもあろうが)
            何か音程が不安定で
            しかもほんの少しポルタメントがかかって
            ちょっと気持ち悪い。

            でもキーンリサイドの歌った
            Der Wanderer an den Mond は
            ちゃんとマトモに聴こえて来たんだけど・・・(悩)

            楽友協会のブラームス・ホールや
            コンツェルトハウスのモーツァルト・ホールで行われる
            ドイツ・リートの夕べは
            だいたいが、ドイツ・リートにむちゃくちゃ詳しい
            コワイ聴衆が来ている事が多いので
            曲と曲の間の拍手なんかしようものなら
            周囲から、すごい勢いでシッシッシッという
            怒りの鼻息が聞こえるのだが

            ここオペラ座ですし(諦め気味)

            まぁ、歌手2人だから入れ替わりがあるし
            ピアニストも時々、拍手無視で弾き出していたが
            ドイツ・リート好きとしては
            1曲ごとの拍手って気になるんですよ(プンプン)

            特に、ピアノの最後の音が消える前に拍手する奴
            今、演奏されているのはオペラのアリアではございません!(怒)

            さて、私はフーゴー・ヴォルフがむちゃくちゃ好きである。
            私の青春時代(中学・高校)は
            フーゴー・ヴォルフとリヒャルト・シュトラウス漬けだったと言える。
            孤立した暗い青春時代だった(らしい)が
            本人、何も気にしていないので(爆笑)

            そのフーゴー・ヴォルフ
            キーンリサイドが Immlein を
            むちゃくちゃチャーミングに歌い上げる ♡

            前のリサイタルのアンコールの時も
            実はこの曲が好きで好きで、と言って歌った曲。

            そこまでは良いのだが・・・

            ツィッターで私をフォローしている方は
            私が意味不明の呟きしたのを見ているかもしれないが

            だって次の曲、Nimmersatte Liebe ですよ?
            それを、何でキルヒシュラーガーが歌うワケ????

            あれは歌詞としては、かなりヤバイというか
            いやドイツ語を解するようになってから
            ひっくり返って驚きまくって真っ赤になった曲だし

            完全に男性目線からのテキストで
            あれを女声で歌われると・・・
            何とも生々しいというか・・・・

            キルヒシュラーガー、結構ヴォルフの曲も CD にしているんだけど
            でも、何でこんなにドイツ語がハッキリしないの?
            So ist die Lieb という歌い出しからして
            本来は Lieb という単語がキモなのに
            ほとんど掻き消えて聴こえて来ないし。

            はいはい、どうせウルサイ客です、すみません。
            でもワタシ、ヴォルフには思い入れがあるの。

            Auf einer Wanderung はキーンリサイド。
            叫び声は使っていないのに
            やっぱりこの人、ドイツ・リートにちょうど合う位の
            太すぎないチャーミングな声で
            ドイツ語ははっきり聴こえてくるし素敵 ♡

            Elfenlied は女声の曲で
            キルヒシュラーガーのテクニックと美声が見事。
            やっぱりこの人の声って、豊かで美しい。
            高音はあまり飛ばないし
            かなり低い方の領域は出ても無理っぽいから
            美声の声域はそんなに広くはないと思うけれど
            中音域の美しさに関しては目を、いや、耳を見張る(耳張る?)

            Der Jäger と Bei einer Trauung はキーンリサイド。
            そりゃ、Der Jäger を女声では歌えないだろう

            と思いつつ
            人称代名詞だけ代えたらイケそうな気もするが(笑)
            昨今、喧嘩して天気悪いのでムシャクシャして
            森の中で銃をぶっ放す女性が居ても良いような気がするし。

            途中でちょっと声の音程が下がったけれど
            あれ、音取りが異様に難しい曲だし
            ピアノと合わせる部分で無理やり合わせて
            自然な感じで聴かせてくれたので満足 ♡

            Bei einer Trauung というあの皮肉な曲も
            暗い色調でまとめて

            最後の Begegnung はメゾソプラノ。
            細かい音型と早口のドイツ語だが、無難にまとまっていた。

            後半のシューマンのバラードの
            キーンリサイドの見事な語り口には舌を巻いた。
            歌詞の一つ一つの単語がクリアに聴こえた上に
            情景や感情が見事に音楽に乗って
            こういうのがドイツ・リートの楽しみなんですよね。

            Der Wanderer も良かったなぁ。
            心からの悲惨な叫びを余すところなく描ききって
            しかも明るめのバリトンだから
            希望のない程に暗くならない絶妙な感じ。

            後半のキルヒシュラーガーは
            音程は安定して来たものの
            何で時々下がり気味に聴こえてくるのか
            それはきっとワタシの耳がオカシイのだが
            歌い出しの子音が、ほんの少しだけ
            下にズレて聴こえるんだけど
            あれは彼女のクセなんでしょうか。
            まぁ、気にする程の事はないのか。
            あれが歌のニュアンスになっている、と言われればそうかもしれないし。

            でキーンリサイドの最初のアンコールが
            うはははははははは
            ヴォルフの「コウノトリの使い」ですよ!!!!

            音楽って言うよりは
            ほとんど語りの世界のコミカルな曲なのだが
            これをもう、見事にこの上ない程のチャーミングさで
            しっかり語ってくれて、うはうは、ヴォルフのファンとしては嬉しい。

            キルヒシュラーガーのアンコールは
            ブラームスの子守唄で(コウノトリに引っ掛けたのね(笑))
            これはしっとりと一番響く中音域で歌ってくれて
            これも至極満足。

            最後に2人で夫婦喧嘩のコミカルな歌を歌って終わり。

            プログラム構成としては
            有名な曲から通向けまで
            まんべんなく、バランスの良い構成だったし
            (で、ちょっと通向けの傾向があるというのもニクいわ)
            オペラ座の音響が多少デッドでも
            ドイツ・リートに関する限りは
            声を張り上げず、ドイツ語がクリアな方が良い。

            キーンリサイド、時々、とんでもない弱音を使っていたけれど
            しっかり、はっきり、聴こえて来たもん。

            キーンリサイドにヴォルフのメリケ歌わせたら良いだろうなぁ、と
            予々思っていたのだけれど
            予想に違わず良かった ♡
            (以前のコンサートの時にリズムに乗り切れなかったところ
             完璧に克服している。やっぱりプロってスゴイわ)

            まぁ、でも、できれば
            ドイツ・リートは1800席のオペラ座ではなくて
            楽友協会かコンツェルトハウスの小ホールが良いなぁ、と
            つくづく思っている私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            またオペラ座のリートの夕べとかに行くなら
            舞台見えないランプ付きの一番安い席を買おう。
            ・・・って、次の機会があれば行く気満々じゃん(汗)

            死の都 国立オペラ座

            0
              Wiener Staatsoper 2017年1月9日 19時30分〜22時

              Erich Wolfgang Korngold
              DIE TOTE STADT
              Oper in drei Bildern frei nach Georges Rodenbachs Roman
              Bruges la morte von Paul Schott
              (eigentlich Julius und Erich Wolfgang Korngold)

              指揮 Mikko Franck
              演出 Willy Decker
              舞台・衣装 Wolfgang Gussmann

              パウル Herbert Lippert *
              マリエッタ/マリー Camilla Nylund *
              フランク/フリッツ Adrian Eröd
              ブリギッタ Monika Bohinec *
              ジュリエッテ Simina Ivan
              ルシエンヌ Miriam Albano *
              ガストン Lukas Gaudernak
              ヴィクトリン Joseph Dennis *
              アルベルト伯爵 Thomas Ebenstein *

              Orchester der Wiener Staatsoper
              Chor der Wiener Staatsoper
              Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
              Wiener Staatsballett
              Kinder der Opernschule der Wiener Staatsoper

              コルンゴルトのオペラ「死の都」の再演。

              舞台が見えるよう
              声もオーケストラも聴こえるように
              結構な散財をしてチケットを買った後に

              キャスト変更(ため息)

              パウルをクラウス・フロリアン・フォークトが歌うと言うので
              あの赤ちゃん声、いや、どでかいボーイ声で
              パウルを歌われたら華やかだろうなぁ、という期待だったのだが

              フロリアン・フォークトはキャンセル。
              ただ、この1回目のみ降りて
              2回目から歌うという話で

              うわあああ、そりゃないだろ 😓

              さて、この演目、大昔に
              有り難くも神々しいオペラ・ファンの友人から
              むちゃくちゃ良い席をいただいて鑑賞した事がある。
              (消えた2008年までの記録のどこかにある筈だが消失)

              その時、見た舞台と同じだから
              脇で舞台の前だけ見える席は避けて
              なるべく舞台の奥まで見える席を購入。

              これから行く方
              あれは舞台の後ろ半分あたりがキモですからね。

              (とは言え、もうチケットほとんど売り切れだから
               買ってる人は既に買ってはいるだろうが)

              しかも休憩1回あるけれど
              前半がむちゃくちゃ長いので
              ちゃんとトイレその他は開始前に済ませておきましょう。

              筋とかについてクドクドと話す気はないので
              すぐに歌手の話をしてしまうが

              ブリギッタを歌ったボヒメッツも実は代役。
              もともとのキャストはジャニーナ・ベッヒレだった。

              ううう、声が飛んでない。
              何か細めの声でメゾよりソプラノっぽいし。
              (ベッヒレより身体は細かったので
               最後のパウルとの抱擁は自然だった)

              リッペルトが最初に歌い出した時には
              高音が出ていなくて
              なんじゃこりゃ?と
              席を蹴っ飛ばして帰ろうかと本気で思った。

              フランクのアドリアン・エレードが唯一マトモというか
              いや、失礼は充分承知ですが。

              だが、心配していたリッペルトが
              途中のアリアから声の調子を取り戻して
              声に艶が出て来た上に

              この人の中間部の声って
              滑らかで美しいじゃないの・・・😌

              しかも調子を取り戻した後の高音も
              声量はともかくとして
              しっかりと会場一杯に響き渡るし
              オーケストラの壁も悠々と越えてくる。

              まぁ、ちょっと一本調子気味なところはあるが
              (他のテノールだって、あれは一本調子になると思う)
              最後の最後まで
              しっかりと、語りかけるように美しく歌ったのには驚いたし
              最後は至極満足。
              さすがリッペルト、良くやった!!!

              確かに長丁場のオペラで歌いっぱなしだし
              最初から飛ばしていたら、後半に声が嗄れるだろう。
              しかも、ずっと高音続きだし
              コルンゴルトのテノール苛め爆発な役だわ。

              マリエッタとマリー役のカミラ・ニュルンドは美人だし
              大柄だし(リッペルトより高いくらい)
              声は通るし美しいし
              あの不思議な二重人格の役には合っていると思うが

              ちょっと色気が足りないかも(すみません)
              いや、以前が色気ムシのデノケだったし(すみません)
              マリエッタもマリーも
              あんまり妖艶なところってなかったなぁ。

              しかしニュルンドも強い声で
              素晴らしいテクニックでの歌唱で
              最初から最後まで引きつけられるのは確か。

              前半はテノールとソプラノばかりが続くので
              何か、幕間には
              自分の喉の奥が上がってしまって
              頭の上半分ばかり熱を帯びたような不思議な気分になる。

              代役とは言え
              調子を取り戻した後
              最後まで、しっかりと声を保ちながら
              あれだけ見事な歌唱を聴かせてくれたリッペルトが
              この公演だけで終わり、というのは
              ちょっと可哀相かもしれない。

              ブラボー・コールを受けたリッペルトは
              おおやったぜ、という感じで手を挙げて
              自分を鼓舞するように抱きしめていたが

              こういう1回こっきりの代役って
              歌手にとっても、大変だと思う。
              ヘンなプライドあったらできないよ。
              (しかもほとんどの客はフォークト目当てだし)

              暗いストーリーとは言え
              心理ドラマばっちりでサスペンス一杯で
              細かい心理の襞を充分に突っついてくるし

              舞台は大袈裟な程にドラマチックになっていて
              (後ろの方で繰り広げられる
               グロテスクな心理シーンが、かなり見もの)

              最後は幻想から醒めて
              立ち直って人生に新しい一歩を踏み出すパウルが
              なかなか爽やかな幕切れともなっていて

              このオペラ、もう一度観たいな ♡

              時間があるとすれば日曜日なのだが
              日曜日には2回コンサートが入っていて
              その後、この長いオペラに行くと考えると

              完璧に寝落ちしそうなので遠慮しておきます(汗)

              オーケストラのコンマスはシュトイデさん。
              さすがにこういうモノを演奏させると
              ウィーン国立歌劇場管弦楽団の艶のある色合いは見事。

              本当に久し振りにオペラ座でオペラを観たら
              やっぱりちょっとグッタリ疲れた私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。




              フィガロの結婚 国立オペラ座

              0
                Wiener Staatsoper 2016年6月25日 19時〜22時30分

                Wolfgang Amadeus Mozart
                LE NOZZE DI FIGARO

                指揮 Cornelius Meister
                演出 Jean-Lois Martinoty
                舞台 Hans Schavernoch
                衣装 Sylvie de Segonzac
                照明 Fabrice Kebour

                アルマヴィーヴァ伯爵 Luca Pisaroni
                伯爵夫人ロジーナ Rachel Willis-Sørensen
                スザンナ Valentina Nafornita
                フィガロ Alessio Arduini
                ケルビーノ Marianne Crebassa
                マルチェリーナ Ulrike Helzel
                ドン・バジーリオ Thomas Ebenstein
                ドン・クルツィオ Peter Joisits
                ドン・バルトロ Sorin Coliban
                アントニオ Mihail Cogotari
                バルバリーナ Annika Gerhards

                Orchester der Wiener Staatsoper
                Chor der Wiener Staatsoper

                私がモーツァルトを苦手としているのは
                別にモーツァルトが好きじゃないとか
                つまらないとか言う理由ではなく

                モーツァルト聴くと反射的に爆睡するから

                というだけの理由(断言)

                この間聴いたルイ・ピサローニがあまりに良かったので
                シーズン最後のフィガロの結婚に行く事にした。

                ・・・もちろんチケットは完売だが
                旅行会社に勤務している身には
                色々と隠し手がある(笑)

                眠り込まないように
                ロジェの3列目の立ったら見える席を
                比較的安くゲット。
                (註 比較的安くというのは手数料含めて30ユーロ以下を言う)

                フィガロの結婚は、以前は国立オペラ座で何回か聴いたが
                (エリーナ・ガランチャを見いだしたのはこのケルビーノだった)
                今回の演出は32回目という事で、この演出は初めて。

                舞台には色々な絵画が下がっていたり、置いてあったり
                照明はちょっと暗いけれど、絵画の動きで舞台の多様性を見せる。

                コンサート・マスターはシュトイデさん。
                オーケストラのメンバーはかなりトラが多い感じ。
                序曲の最初で弦のアンサンブルの乱れがあったものの
                すぐにオーケストラ自身が訂正して
                ピッタリ揃えて演奏したのは、さすがに見事。

                しかし・・・
                ロジェの3列目って、いつもバレエの時に愛用している貧民席だが
                考えてみたら、音響的には、かなり悪い。
                音がくぐもって聴こえるし、響いて来ない(汗)

                その分、小編成のモーツァルトの音楽が
                もっとスッキリと解像度が高く
                室内楽的に聴こえて来るので
                大規模オペラハウスで聴いているというより
                もっと親密な小さなオペラハウスで鑑賞しているような
                親しみ易さが前面に出て来て、そう悪くない。

                フィガロ役は声量はあまりないけれど
                役柄に合った感じだし、演技も巧くて
                時々、オーケストラに声が埋もれてしまうけれど
                まぁ、かなり良い出来。

                スザンナ役はモルダビア出身の美人歌手 ♡
                (名前は t の下にヒゲがあって、a の上にも何か付いているのだが
                 どうしても当該の特殊文字が見つからなかった・・・)

                スタイル良くて、見た目がすごく可愛らしくて
                表情も豊かで演技も巧い。
                やはり声量はそこそこだが
                スープレットだし、声は澄んでいるし
                フィガロとのバランスが抜群。

                で、伯爵夫人ロジーナ。

                ・・・・(沈黙)

                アルマヴィーヴァ伯爵が浮気するのがちょとわかる(すみません)
                かなり、いや、ちょっとスゴイ体型で
                結婚後にかなりお変わりになりましたでしょうか、ロジーナさま。

                いや、すみません、別にふくよかな体型に偏見はないのだが
                この演目に出演している歌手のほとんどが
                スマートなモデル体型な中で
                むちゃくちゃ目立つんですけど。

                最初はお尻の方に詰め物でもしているのかと思ったが
                ピサローニが抱きついても
                後ろの方にも、しっかり中身が詰まっていたみたいだ。

                そこまで見事な体型なので、すごい声かと思ったら
                ううう、ドラマチック・ソプラノって
                ああいう暗い声なんでしょうか。
                イタリア語を歌っているとは思えない
                内に向かった声で
                最初のアリアを悲しみたっぷりに歌ってはくれたのだが
                何かあの体型で、ああ言う感じで歌われても
                あんまり伯爵夫人ロジーナに同情できない。

                (だいたい、この演目、スザンナとロジーナが
                 同じような体型だから、途中のとりかえばや物語になるのだと思う)

                でもプログラム読むと、あちこちで活躍しているようなので
                きっと、優秀な声なのであろう。私の好みではないが。

                お目当てのルカ・ピサローニ。
                うはははは、やっぱり巧い。

                声は伸びるし声量たっぷりだし
                イタリア人だから、レチタティーヴォもお手のもので
                背が高くてスタイル良くて
                舞台でばっちり華があって目立つ。

                伯爵夫人に抱きつくと幅が2倍くらい違うけれど
                背の高さでそれはカバー(笑)

                スザンナをお姫さま抱っこしてたぞ。
                結構筋肉もあるのか、あのバリトンは。

                ケルビーノがまたこれ優秀 ♡
                声も出るけれど、加えて演技の巧さが抜群。
                素晴らしいズボン役。

                ドン・バルトロの圧倒的な美声と声量にひっくり返ったら
                ソリン・コリバンだった。
                この人、本当にスゴイわ。
                コミカルな役も実に巧いし。

                対するマルチェリーナ。
                どこかで見た顔だと思ったら
                確か1回、バレエのマイヤリンクで歌っていた筈。
                硬めの声質のソプラノだが、やっぱり声は抜群に出るので
                ドン・バルトロとのバランスも良いし
                舞台で目立っていて、聴き応えがある。

                脇役のドン・バジーリオとドン・クルツィオが巧くて
                ものすごくキュートなイタリア語で
                ちょっとハートにドッキリ来る。
                こういう脇役が揃っているのは、オペラ座の底力。

                衣装は何とオーストリアの民族衣装のディアンドル(笑)
                スザンナのディアンドル姿がキュートでカワイイ。
                伯爵夫人ロジーナはピンクの民族衣装で
                確かに民族衣装って、ある程度の体型にも合う筈なのだが(以下省略)

                動きがコミカルで楽しくて
                内容をばっちり演技でも見せてくれたので
                ロジェの後ろで、セリフが読めなくても充分に楽しい。

                もちろん、ずっと立って観ていたので寝落ちもなし(笑)
                ・・・と思っていたら
                後半は前のカップルが帰ってしまったので
                (前半からものすごく退屈していた模様)
                前に移動して座っていたら
                やっぱり最後の方のアリアで寝落ちしそうになって焦った。

                こういう演目だと
                来ているのは観光客が圧倒的に多い。
                開演前のロビーなんて、もろに記念写真撮影大会。

                でも、こういうスタンダードな演目で
                あれだけクオリティの高いオペラをやってくれるというのは
                オペラ座の実力って凄いなぁ。

                腕をブンブン振り回して
                ずっと歌手の方を向いて
                オーケストラ無視で指揮していて

                オーケストラも完全に無視していた指揮者は
                いったい誰だろう、と思ったら
                カーテン・コールで舞台に現れたのが
                コルネリウス・マイスターで、ひっくり返った。

                でも、スッキリした室内楽的なモーツァルトで
                声量の違いがかなり大きかった歌手に合わせて
                巧く音楽を作っていたのは賞賛に値する。
                (というよりオーケストラが自分で調整していたかも(笑))
                全員を演奏させるのではなく
                楽器の数を絞っていたし。

                いや〜、むちゃくちゃ楽しかったわ。
                長いオペラなのだが、全然退屈しなかった。

                たまにはモーツァルトのオペラも良いかも
                (ただし立って聴くのに限定、だったら立ち見席か)
                と、ついつい思ってしまった私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                本日のウィーンは33℃まで気温が上がって
                オペラが終わった夜の10時30分でも30℃あったのだが
                夜中に雷雨が来て、17℃くらいまで下がる予想。
                ホントにヨーロッパの天気はワケわからんです。

                皇帝ティートの慈悲 国立オペラ座

                0
                  Wiener Staatsoper 2016年4月7日 19時〜21時30分

                  Wolfgang Amadeus Mozart
                  LA CLEMENZA DI TITO
                  Dramma serio per musica in zwei Akten

                  指揮 Adam Fischer
                  演出 Jürgen Flimm
                  舞台 George Tsypin
                  衣装 Birgit Hutter
                  照明 Wolfgang Goebbel

                  ティート Benjamin Bruns
                  ヴィッテリア Garoline Wenborne
                  セルヴィリア Hila Fahima
                  セスト Margarita Gritskova
                  アンニオ Miriam Albano
                  プブリオ Manuel Walser
                  ベレニーチェ Mosquera Bonilla Maria del Pilar

                  モーツァルトのオペラ、皇帝ティートの慈悲の
                  この演出は
                  最初はミヒャエル・シャーデとエリーナ・ガランチャが歌ったので
                  2012年に2回鑑賞していて

                  その後はモーツァルトだし、ど〜でも良い(すみません)と思っていたが
                  今回の公演はスター歌手ではなく
                  ウィーン国立オペラ座のアンサンブルの歌手だけで
                  かなり良い出来・・・と新聞評に出ていたのと

                  あまり人気がないらしく
                  (スター歌手出ないし、モーツァルトのオペラの中でも地味だし)
                  ミドル・クラスの席があったので
                  思い切って、もう一度、観る事にした。

                  爆睡(こらこらこらこらこらっ!!!)

                  最初から最後まで寝込んでいたら
                  さすがに30ユーロを越える席ではもったいないので
                  何とか寝ずに済んだところもあった(はずだたぶん)

                  指揮はアダム・フィッシャーで
                  オーケストラの音楽が抜群に良い。
                  (まぁ、あれ?みたいな吹き損ねとか当たり損ねはあったけど(笑))
                  こうやって聴いてみると
                  モーツァルトって、やっぱり天才だ(って何を今さら・・・)

                  最初の場面で、ちょっと ギョッ
                  人の肉体的欠点を口に出して言ってはいけないのは
                  充分に承知の上で

                  なんだあのヴィッテリアは?!

                  セスト役のグリツコヴァ(1987年サンクト・ペテルブルク生まれ)が
                  若くて、なかなか顔もキレイで
                  ちょっと小柄でスタイル良くて
                  ズボン吊りを纏った男役がかなりカッコ良くキマっているので

                  ヴィッテリアとのラブシーンが異様・・・

                  どうやって見ても
                  セストがヴィッテリアに惚れてる筈がない
                  セストってもしかしたら○ブ専? いやいやいやいや

                  こういうキャストになると
                  オペラもグッとリアリティが減ってしまう(涙)

                  ならヴィッテリアが天国のような美声かと言えば
                  最初のシーンでは
                  高音出てないし、音程は不安定だし
                  おいおいおいおい、これ、いったいどうなるの、と
                  ド素人なのに失礼な事を考えていたワタシ。

                  その後は寝落ちして記憶がないまま
                  第一幕は終わっていた(恥)

                  いや確か、第一幕でもティートとセルヴィリアと
                  プブリオもアンニオも歌ってたな・・・

                  セルヴィリアは、先日ツェルビネッタで聴いた
                  超美人の若いイスラエル出身のお姉ちゃんで
                  これは声も響いて
                  しかも見た目、やっぱりスタイル良いし美人だし

                  アンニオ役のイタリア人ソプラノも
                  スタイル良くて男役がハマってるし
                  声もかなり出ている上に演技が上手で
                  セルヴィリアとのカップリングは二重丸 ◎

                  第二幕の最初は
                  めちゃめちゃになっているお部屋で
                  コーラスの間に俳優の掃除係が片付けて行くのだが

                  このシーンは、ティートの悩みが、まずはハイライト。

                  で、ティートが
                  セストが裏切った、でもでもでも、裏切る訳がない
                  ・・・と切々と歌い上げるところで

                  アフリカ系のむちゃスタイルの良い女優さんが
                  ミニスカートでティートに絡まるのだが

                  これ、ミヒャエル・シャーデの時には
                  これに続くセストのアリアでセストに「裏切り者」とか
                  貼付けていくシーンでも
                  シャーデの演技だと
                  少なくとも私の記憶では
                  女狂いの、目の据わった、ちょっとオカシイ皇帝
                  という印象があったのだが

                  ブルンスのティート、むちゃマジメ。
                  あまりにマジメ過ぎて
                  絡まっている女優さんが
                  最初から最後まで、見事に無視されていて

                  あらま、何のためにあんな色っぽい女性が出て来たの?
                  という、演出上、全然意味のないシーンになっていた。

                  あっ、というより、あれはもしかしたら
                  ティートは女性に興味がないんですよ
                  でも、セストの事は好きなんですよ
                  という暗喩だったのかしら。

                  調子悪そうだったヴィッテリアも
                  最後の告白のアリアはきちんと歌っていたから
                  まぁ、良しとする。

                  ティート役のブルンスは
                  チョイ役の時に私がスター誕生!と喚いたテノールだが

                  いやこのテノール、声出ますね。
                  声量から言えば、シャーデより出るんじゃないの?

                  リリック・テノールで、声は澄んでいて
                  多少アジリタのテクニックは不完全ながら
                  かなり聴かせるので

                  ああこの人、タミーノとか歌ったら良いかも。
                  いや、オッターヴィオでも良いけど。

                  ギャラリーの席で
                  割に舞台全体が見える席ではあったのだが

                  前で乗り出している人がチラホラ。
                  (乗り出されるとそこから後ろは舞台が見えなくなる)

                  隣の外国人観光客らしい母と娘は
                  娘の方が最初から最後までスマホで
                  何か書いたり、舞台を撮ったりしているし

                  音楽の最中も、あちこちで小声のお喋りが聴こえたり
                  途中で結構派手に携帯電話が鳴ったり

                  まぁ、天井桟敷だからな
                  そういう事もあるだろう。

                  もっとも休憩時間の時に声をかけてきた
                  隣の独りで来ていたオジサンは
                  モーツァルトのオペラのファンだそうで
                  ドン・ジョバンニの新演出が良いとかいう話をして
                  (あれ?オペラ座のドン・ジョバンニって新演出だったっけか)

                  時々、年配の女性のオタクだと
                  とんでもない常連が居たりして
                  話が止まらなくなるのだが
                  さすがに男性だし
                  最近ハマったばかりらしい風情が可愛らしかった(笑)

                  地元の人も来てるのね、と
                  ちょっとホッとした私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  三人姉妹 ペテル・エトヴェシュ 国立オペラ座

                  0
                    Wiener Staatsoper 2016年3月18日 19時〜21時15分

                    TRI SESTRI
                    Péter Eötvös
                    Oper in drei Sequenzen nach Anton Tschechow
                    Libtretto : Claus H. Hennberg und Péter Eötvös

                    指揮(アンサンブル)Péter Eötvös
                    指揮(オーケストラ)Jonathan Stockhammer
                    演出 Yuval Sharon
                    舞台 Esther Bialas
                    照明とビデオ Jason H. Thompson

                    Irina : Aida Garifullina
                    Mascha : Margarita Gritskova
                    Olga : Ilseyar Khayrullova
                    Natascha : Eric Jurenas
                    Tusenbash : Boaz Daniel
                    Verchinin : Clemens Unterreiner
                    Andrei : Gabriel Bernúdez
                    Kulygin : Dan Paul Dumitrescu
                    Doktor : Norbert Ernst
                    Solijony : Viktor Shevchenko
                    Anfissa : Markus Pelz
                    Rodé : Jason Bridges
                    Fedotik : Carlos Osuna
                    Orchester der Wiener Staatsoper
                    Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

                    ペーテル・エトヴェシュのオペラ
                    チェーホフの「三人姉妹」

                    どうしようか散々迷ったんだけど
                    一度は観ておくべきか・・・と行った公演。

                    結構高い席しかなかったのに
                    最後の方になって、30%割引特別提供、とか出てくると
                    ちょっと腹が立ったりして(笑)

                    ただ・・・

                    オペラが始まって10分後
                    前のカップルが退場。

                    ああ、これなら後半は1列目の1席に座って聴けるかも ♡

                    ・・・と思っていたら
                    後半になったら、1列目のあとの2人も退場していて
                    通常買うなら199ユーロの席で鑑賞できる事になった(笑)

                    まぁ、それはともかくとして

                    茶色系の舞台装置に
                    茶色系パステル・カラーの衣装
                    舞台の床の一部が動く方式で
                    色々な舞台装置や人物が動いたり
                    ドアがすべって移動していったり

                    前半で、何か不思議なデジャブがある。

                    強いて言えば、ゴスロリ風、フランス人形風味の
                    人形劇でも観ているような印象。

                    イジー・キーリアンっぽい世界というか
                    不思議の国のアリスのいじけた大人版というか(こらこら)

                    音楽もそれに合わせて、ミニマム・ミュージックっぽく
                    オーケストラ・ビットには
                    弦楽器がそれぞれ1台か2台
                    アコーディオンがプロンプター・ボックスに入っていて
                    エトヴェシュらしい、と言ったら失礼なのかもしれないが

                    すごく雰囲気のある音楽なんだけど
                    でも、でも、でも
                    やっぱりちょっと歌が単調で
                    (意図的に同じシーンを繰り返す部分もあったし)

                    睡眠時間が最近むちゃくちゃ短い日々が続いた私は
                    1列目に座っていても眠ってしまう(汗汗)

                    だいたい、チェーホフの三人姉妹というもとの戯曲だって
                    最初から最後まで、愚痴の連続でしょ?(偏見)

                    愚痴に関しては
                    演劇やオペラで聴かなくても
                    毎日毎日毎日・・・(以下省略)
                    (私だって人を捕まえて愚痴言ってる(自爆))

                    で、あまり話っぽい話はないわけで
                    田舎に閉じ篭った人たちが
                    田舎の悪口を延々と言っている。
                    あんたはトーマス・ベルンハルトか(あ、いえいえいえ)

                    ところが、この愚痴愚痴オペラ
                    歌手はむちゃくちゃ良いのである。

                    女性3人も良かったけれど
                    男性のイジイジしたアンドレイの惨めさとか
                    不思議な演出だから、変なところも多いのだが
                    演技含めて
                    音楽的な水準としては
                    最高のところでバッチリ決まっていて
                    (まぁ、作曲家が指揮台に立ってるから(笑))

                    声だけ聴いているだけでも、かなり幸せ ♡

                    音楽は、まぁ、現代音楽だし
                    トーマス・アデスのような派手なところはなく

                    題材としては、かなり暗いし
                    (あぁ、ハンガリー人ってもともと根暗だったっけ(違))

                    歌われている言葉はどうもロシア語だし
                    別に何が舞台上で起こる、という事はないので
                    かなり地味・・・・ではある。

                    最後に舞台の上で結構な編成のオーケストラが出て来て
                    多少、音楽が派手になるが
                    それだって派手・・・とは言えない程度。

                    これ、何回か観ると面白くなるのかなぁ。
                    歌手は揃っているから声を聴くだけでも確かに楽しいが。

                    あ、そうそう
                    ピンク色の派手なドレスを纏って(途中で一部脱ぐ)
                    すごい声量のカウンター・テノールを歌った
                    Eric Jurenas には、ものすごく萌えました ♡

                    女性歌手が弱く聴こえるくらいの強いソプラノ
                    いや、カウンター・テノールで
                    (でも、メゾ・ソプラノにしか聴こえません!)
                    身体が大柄でごっつい分、ものすごい存在感。

                    でもまぁ、題材が題材なので・・・
                    根暗な人には合うかもしれないけど(以下省略)

                    とは言え、せっかく199ユーロの席に陣取っても
                    やっぱり仕事が忙し過ぎて
                    (だったらオペラにも行くな、とか言われそう)
                    眠くて眠くて眠くて、あぁ、もったいない・・(涙)

                    仕事の山も
                    来週一杯で越えるだろうと
                    楽観的に予測はしているのだが

                    その前に何とか偏頭痛をやっつけないと
                    いや、クシャミも出るから風邪かもしれないけど
                    まぁ、まだ元気で頑張ってる私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                    ナクソス島のアリアドネ

                    0
                      Wiener Staatsoper 2016年3月12日 19時〜21時30分

                      ARIADNE AUF NAXOS
                      Musik von Richard Strauss
                      Text Hugo von Hofmannsthal
                      指揮 Cornelius Meister
                      演出 Sven-Eric Bechtolf
                      舞台 Rolf Glittenberg
                      衣装 Marianne Glittenberg
                      照明 Jürgen Hoffmann

                      序幕
                      侍従長 Peter Matić
                      音楽教師 Jochen Schmeckenbecher
                      作曲家 Sophie Koch
                      テノール Herbert Lippert
                      オフィサー Daniel Lökös
                      ダンス教師 Norbert Ernst
                      カツラ職人 Gerhard Reiterer
                      侍従 Alfred Šramek
                      ツェルビネッタ Hila Fahima
                      プリマドンナ Gun-Brit Barkmin
                      ハーレキン Manuel Walser
                      スカラムーチョ Peter Jelosits
                      トラファルディン Wolfgang Bankl
                      ブリゲッラ Joseph Dennis

                      オペラ
                      アリアドネ Gun-Brit Barkmin
                      バッカス Herbert Lippert
                      ナヤーデ Andrea Carroll
                      ドリアーデ Rachel Frenkel
                      エコー Caroline Wenborne
                      ツェルビネッタ Hila Fahima
                      プリマドンナ Gun-Brit Barkmin
                      ハーレキン Manuel Walser
                      スカラムーチョ Peter Jelosits
                      トラファルディン Wolfgang Bankl
                      ブリゲッラ Joseph Dennis

                      実は先週に久し振りにアリアドネに行こうと思って
                      安いチケットも確保していたのだが
                      突然の仕事の打ち合わせが入ってしまい
                      涙を飲んで・・・

                      ああ、もう、以下、書きたくない。
                      仕方ないです サラリーウーマンの宿命ですから(涙)

                      当初、ダニエラ・ファリーが歌うはずだったツェルビネッタが代役になり
                      バッカスに予定されていたゲルハルト・ジーゲルが降板というニュースは
                      かなり以前に入って来ていたので
                      何とか自分を納得させたものの

                      やっぱり上演されているうちに1回は観に行きたい。

                      だってナクソス島のアリアドネ、好きなんだもん!!!

                      というより、グルベローヴァのツェルビネッタを聴きたくて
                      せっせとオペラ座に通ううちに
                      そのままハマってしまった、というのが正しい。

                      さて、本日、ロジェの一番後ろに
                      ひっそりと座っていた私に
                      「ドイツ語わかる?」と声をかけて来た女性。

                      一番前の列なんだけど
                      彼氏が来るのは後半なので
                      前半だけだけど、良かったら前に座る?

                      うわあああああああっ、ラッキー ♡♡♡♡♡

                      これぞ神さまの贈り物。
                      考えてみれば
                      バレエだったら、ロジェの後ろで立って観ていても
                      全然問題ないのだが
                      オペラだと、ロジェの後ろの席は
                      非常に音響が悪いのであった。

                      というワケで
                      買えば150ユーロくらいする席で、前半を観られたのは
                      日頃の行いが良いから・・・じゃないと思うが(笑)
                      ともかく、ありがとうございます!!!

                      今回が18回目の上演と書いてあったが
                      2012年の前半演劇版のザルツブルク音楽祭で観てから
                      国立オペラ座で6回観ているので
                      今回がこの演出の7回目(ワタシはしつこい)

                      音楽教師のヨッヘン・シュメッケンベッヒャーは
                      この間のオーストリア放送交響楽団で、チェルハを歌った歌手。

                      美声だし、声量あるし
                      しかもドイツ語が美しくて演技力あって
                      ペーター・マティッチの侍従長との掛け合いが面白い。

                      前半の重要人物、作曲家はソフィー・コッシュ。
                      スタイル良くて背が高くて、見た目は男性に見えるし
                      声もよく出る。

                      メゾソプラノに有り勝ちな
                      音によって声の色がガラッと変わるのは
                      まぁ、好みの問題だろうが

                      ドイツ語が何も聞こえて来なかったのは
                      う〜ん、どういうもんだろうな、あれは。

                      総じてリヒャルト・シュトラウスのオペラは
                      ドイツ語が聞こえてこないと、面白さが半減するのだが。

                      この演出は、以前と違って
                      登場人物の出入りがとても緻密に計算されているので

                      カツラ屋がテノールに怒鳴られるところや
                      侍従(アルフレッド・シュラメック、ちょい役だが、すごい深い声!)が
                      作曲家をはなからバカにするシーンや

                      コメディ・デラルテの間にプリマドンナやテノールが
                      音楽教師に八つ当たりするところなどが
                      ちゃんと見えてくるので、かなり爆笑できるし
                      筋も追いやすい。

                      ダニエラ・ファリーの代役のツェルビネッタ、ヒラ・ファヒマ
                      顔立ちのはっきりした若い小柄な女性でスタイル良し。

                      ちょっとトルコ系っぽいかなと思ったら
                      イスラエル出身で、2010年のデビューという経歴なので
                      まだ、ものすごく若い(と思う)

                      序幕では、それほど目立つテクニックは出て来なくて
                      声はキレイだけど、この人、普通のスープレットだよね
                      ・・・と思っていたから、後半ではひっくり返った。

                      例のツェルビネッタのアリア
                      多少アジリタ、しかも下りるところの動きが甘いけれど
                      高音は素晴らしいし、ちゃんと上に当たるし
                      神経に響かない美声で
                      でも、それよりも何よりも

                      ドイツ語が(あの高音で)恐ろしくクリアなのである!!!

                      だいたいソプラノって、声は出ても言葉が聞こえて来ないケースが多いのに
                      この若いソプラノ、声も良いけど、あのドイツ語のクリアさはすごい。

                      そのうち、カプリッチオのマドレーヌを歌ってくれませんか?(本気)
                      コロラチューラで3点F は全く問題ないので
                      今はちょっともったいないだろうが。
                      (レパートリーはもちろん夜の女王である(笑))

                      ベッヒトルフの演出だと
                      ツェルビネッタが歌っている間に
                      むっくりと起きたソプラノ歌手が
                      あちこちで文句をつけて
                      最後に指揮者に「あいつをクビにしろ!」とやるので
                      舞台を観ていると
                      ツェルビネッタのアリアに集中力がなくなるのだけれど
                      いや、思いがけない良い出来だった。

                      ツェルビネッタでブレイクするコロラチューラ多いから
                      (フィアカー・ミリでも良いが)
                      この人もブレイクするかもしれない。
                      美人だし、小柄だし、スタイル良いし、キュートだし
                      ちょっとだけ、華には欠ける・・・かもしれないが
                      それは個人の好みですから(笑)

                      ご本人のサイトは ここ
                      ギャラリーにいくつかオーディオもあるのでどうぞ。
                      (レパートリーにオリンピアがある。聴いてみたいな)

                      さて、後半だが

                      バッカスをあのリリック・テノールが歌って
                      大丈夫なんだろうかと思ったリッペルトも
                      かなり良かった。

                      確かにリリック・テノールなので
                      ヘルデン・テノールとは違う持ち味だが
                      それ言ったら、フローリアン・フォークトのバッカスの方が
                      かなりギョッとした記憶があるので(笑)

                      アリアドネを歌ったグン=ブリット・バークミンは
                      以前、サロメでも聴いているが
                      艶のある乱れのない声で
                      序幕での演技もコミカルだったし
                      オペラでの、暗い低音も、実に暗めの声で見事だった。

                      ・・・で、バッカスとの絡みのところは
                      ロジェの後ろの席でぐったり寝てました(すみません(冷汗))

                      脇役も揃ってたしなぁ。
                      ハーレキンの Manuel Walser が実によろしい。
                      エコーを歌った Caroline Wenborne は、ちょい太めだが
                      声よりはコミカルな演技力に長けていて、目を奪われた。

                      この演出、後半のオペラ部分も
                      前で繰り広げられているオペラより
                      後ろでバタバタやっている歌わない登場人物や
                      俳優さんの動きの方が面白かったりするので

                      もし、これからオペラ座でアリアドネを観ようという方は
                      多少チケットが高くても
                      舞台全部を(後ろの部分の階段を上がった開口部まで)見える席で
                      ご覧になる事をお勧めします。
                      (ギャラリーだと、階段の上あたりが視覚に欠けるかもしれないが
                       あの階段を上り切った奥で
                       音楽教師が妖精役がなかなか来ないのでイライラしていたりするの)

                      指揮のコルネリウス・マイスターは
                      ご存知、ウィーン放送交響楽団の首席指揮者だが
                      もともと21歳の若さでデビューしたのはオペラ舞台だったので
                      まぁ、オペラはお手のものかもしれない。

                      舞台の歌手の声のタイミングもよく掴んでいて
                      若いから、派手に動いて指揮していたけれど
                      オーケストラ・ピットのメンバーはあまり意に介していなかったようだが(笑)
                      コンマスはホーネックさんで
                      その隣がダナイローヴァさんだった。

                      定番のレパートリーにはなったけれど
                      それで緩むところは一切なく
                      あの水準の公演をコンスタントに提供できるというのは
                      う〜ん、国立オペラ座、恐るべし実力。

                      久し振りにオペラを堪能して
                      久し振りに週末に仕事しない、という選択をして
                      すごく幸せな気分に浸っている私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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