国立オペラ座 メデア 3回目

Wiener Staatsoper 2017年4月19日 19時30分〜21時45分

Aribert Reimann
MEDEA
Oper in vier Bildern
Auftragswerk der Wiener Staatsoper

指揮 Michael Boder
演出・舞台・照明 Marco Arturo Marelli
衣装 Dagmar Niefind

メデア Claudia Barainsky
クレウサ Stephanie Houtzeel
ゴーラ Monika Bohinec
クレオン Norbert Ernst
イアソン Adrian Eröd
ヘロルド Daichi Fujiki

Orchester der Wiener Staatsoper

イースター終わって、今4月の中旬だよね?
と疑問符が出てくるのは何故かと言うと

本日、ウィーンは吹雪でした ⛄️

車が雪でうっすら白くなる程度で
さすが都市部だから積もるという事はなかったものの
オーストリアの山岳地帯では
冬タイヤどころか、スノー・チェーンが必要な地方もあった。

自宅もオフィスも寒くて
昨日よりは回復したものの
まだ咳と鼻水、鼻づまり、その他症状たっぷりの状態で

自宅に帰っても寒いんだから
せめて国立オペラ座の暖房の効いている場所で
音楽聴きながらゆっくり寝よう
・・・と思っていた訳ではありません!!!

だいたい、何を血迷ったのか
買った席が47ユーロという
私にとっては貴賓席で
これは何と8つに分かれたカテゴリーの中で
上から6番目のカテゴリーなのである。

すみませんね、貧乏で(開き直り)
実は7番目のカテゴリーは舞台の3分の1から半分の視界がなくなり
最後の一番安いカテゴリー(10ユーロ台)は舞台は全く見えない。

ところが6番目のカテゴリーになったら
うはははははは ♡ 舞台がバッチリ、全部見える。
しかも音響も良いようだ。
(「ようだ」と書いたのは
 実は鼻づまりのために鼓膜がおかしくて
 あんまり音が聴こえないのだよ・・・ああ、悲しい)

3回目になるメデアだが
舞台がこれだけはっきりくっきり見えたのは初めてなので
舞台でいったい何が行なわれているのかが
初めて納得いった(こらこらこらっ)

キャストは先日と同じ。
突出する人も埋もれまくりの人もいなくて
歌手もオーケストラも、とてもバランスが良い。

タイトル・ロールのクラウディア・バラインスキーは
メデアの役柄に本当に合ってる、というより
正にメデアを体現していて
声量はあまりないのだが
美しく通るソプラノに、しっかりしたドイツ語のディクション。
見た目が小柄で愛くるしくて
イアソンに惚れてギリシャにやってきて
不遇に出会って不幸な感じが
いじらしく、可愛らしく演じられて

最後にイアソンを捨てて
独りで金羊毛皮を纏って去っていくところの
凛とした美しさも好き。

しかし、このアリベルト・ライマンの音楽
音楽と言って良いのか、よくわからんが
何となく耳にはサルヴァトーレ・シャリーノ風の響き。
(もっともシャリーノより、もっとリズムは見えるし
 特殊奏法はあまり使っていない)

どちらかと言えば
音響効果を巧く使った「演劇」って感じかなぁ。
オーケストラのプレイヤーも
メロディ演奏と言うよりは
フラグメント的な音型を、ほんの少し演奏して休んで
またフラグメントという
メロディを弾く事に慣れている人だったら
あれは意外に辛いかもしれない。

この作品、グリルパルツァーをもとにしているだけに
演劇的に見事な出来で
演出も暗喩的な舞台表現を充分に活用していて素晴らしい。

実は大昔にブルク劇場で
グリルパルツァーの「金羊毛皮」の演劇版を鑑賞した事がある。
ただ、この演出、50年代インテリアというか
何かイヤに日常的(しかも自分の子供の頃)で
それはもちろん、現代に通じるテーマなので
演出家に何も言う気はないけれど、ちょっと肩すかしだった。

このオペラの演出は
まるで SF 映画のような
現代でも未来でも、もちろんギリシャでもない
不思議な空間を作り出していて
衣装も美しいし
コルキス人とギリシャ人の区別もきちんとつく。
(子供がギリシャ化しているところは泣けた)

ともかく身につまされるオペラで
男性の野心の犠牲にされる女性の悲劇というか
国際結婚あるある的な(本当にあったらイヤだが)
愛に釣られて行っては見たけれど
異邦人は出てけ、みたいな偏見に囲まれて
という、まぁ、実際にはそんなにナイのだろうとは思うけれど
いかにもありそうな感じがミソ。

異国に暮らす者は苦労してるんですよ、と
全然苦労していないのに
ちょっと言ってみたくなるワタクシに
本日もどうぞ1クリックを
よろしくお恵み下さいませ。



さすがにもう3回観たら
それ以上は観る気にはなれないオペラだが
金羊毛皮を、またブルク劇場で
別の演出で上演するなら
久し振りに行っても良いかなぁ、と思ったのは事実。

国立オペラ座のトレイラーは下ですが
これ、タイトル・ロールが初演の時なので、今のキャストと違います。
バラインスキーの方が、もっとずっとキュートです ♡


キルヒシュラーガー + キーンリサイド リートの夕べ

Wiener Staatsoper 2017年1月17日 20時〜22時05分

SOLISTENKONZERT
メゾソプラノ Angelika Kirchschlager
バリトン Simon Keenlyside
ピアノ Malcolm Martineau

Franz Schuberg
 Lambertine, D 301
 Der liebliche Stern, D 861
 Der Wanderer an den Mond, D 870

Robert Schumann
 Er und Sie, op. 78/2
 Schön ist das Fest des Lenzes, op. 37/8
 In der Nacht, op. 74/4

Peter Cornelius
 Der beste Liebesbrief, op. 6/2

Hugo Wolf
 Der Knabe und das Immlein, Mörike-Lieder Nr. 2
 Nimmersatte Liebe, Mörike-Lieder Nr. 9
 In der Frühe, Mörike-Lieder Nr. 24
 Auf einer Wanderung, Mòrike-Lieder Nr. 15
 Lebe wohl, Mörike-Lieder Nr. 36
 Elfenlied, Mörike-Lieder Nr. 16
 Der Jäger, Mörike-Lieder Nr. 40
 Bei einer Trauung, Mörike-Lieder Nr. 51
 Begegnung, Mörike-Lieder Nr. 8

Robert Schumann
 Ballade des Harfners, op. 98/2
 Heiß mich nicht reden, op. 98/5
 So lasst mich scheinen op. 98/9
 Kennst du das Land, op. 98/1

Franz Schubert
 Der Wanderer, D 489
 Prometheus, D 674
 Suleika II, D 717

Johannes Brahms
 Ständchen, op. 106/1
 Vor dem Fenster, op. 14/1
 Dein blaues Auge op. 59/8

Peter Cornelius
 Ich und Du, o.O.

Johannes Brahms
 Es rauschet das Wasser, op. 28/3

国立オペラ座で時々やるソリストの夕べ。
今回はアンジェリカ・キルヒシュラーガーと
サイモン・キーンリサイドのコンビネーションで
ドイツ・リートを歌うみたいなので
ちょっと贅沢してギャラリーの席を購入

・・・するじゃなかった(涙)

オーケストラ・ビットの上が舞台になっているので
何も見えないし(オペラならその後ろなのであの席は最高)
別に見えなくても良いんだけど
照明落とすから暗くなってテキスト読めないし

まぁでもキルヒシュラーガーとキーンリサイドなら
ドイツ語は、はっきりくっきり聞こえてくるだろう。

シューベルトの最初がキルヒシュラーガーだったんだけど

・・・?????

音響の問題?というワケでもなさそうだが
私の耳がヘンなのか
(もともとヘンというツッコミもあろうが)
何か音程が不安定で
しかもほんの少しポルタメントがかかって
ちょっと気持ち悪い。

でもキーンリサイドの歌った
Der Wanderer an den Mond は
ちゃんとマトモに聴こえて来たんだけど・・・(悩)

楽友協会のブラームス・ホールや
コンツェルトハウスのモーツァルト・ホールで行われる
ドイツ・リートの夕べは
だいたいが、ドイツ・リートにむちゃくちゃ詳しい
コワイ聴衆が来ている事が多いので
曲と曲の間の拍手なんかしようものなら
周囲から、すごい勢いでシッシッシッという
怒りの鼻息が聞こえるのだが

ここオペラ座ですし(諦め気味)

まぁ、歌手2人だから入れ替わりがあるし
ピアニストも時々、拍手無視で弾き出していたが
ドイツ・リート好きとしては
1曲ごとの拍手って気になるんですよ(プンプン)

特に、ピアノの最後の音が消える前に拍手する奴
今、演奏されているのはオペラのアリアではございません!(怒)

さて、私はフーゴー・ヴォルフがむちゃくちゃ好きである。
私の青春時代(中学・高校)は
フーゴー・ヴォルフとリヒャルト・シュトラウス漬けだったと言える。
孤立した暗い青春時代だった(らしい)が
本人、何も気にしていないので(爆笑)

そのフーゴー・ヴォルフ
キーンリサイドが Immlein を
むちゃくちゃチャーミングに歌い上げる ♡

前のリサイタルのアンコールの時も
実はこの曲が好きで好きで、と言って歌った曲。

そこまでは良いのだが・・・

ツィッターで私をフォローしている方は
私が意味不明の呟きしたのを見ているかもしれないが

だって次の曲、Nimmersatte Liebe ですよ?
それを、何でキルヒシュラーガーが歌うワケ????

あれは歌詞としては、かなりヤバイというか
いやドイツ語を解するようになってから
ひっくり返って驚きまくって真っ赤になった曲だし

完全に男性目線からのテキストで
あれを女声で歌われると・・・
何とも生々しいというか・・・・

キルヒシュラーガー、結構ヴォルフの曲も CD にしているんだけど
でも、何でこんなにドイツ語がハッキリしないの?
So ist die Lieb という歌い出しからして
本来は Lieb という単語がキモなのに
ほとんど掻き消えて聴こえて来ないし。

はいはい、どうせウルサイ客です、すみません。
でもワタシ、ヴォルフには思い入れがあるの。

Auf einer Wanderung はキーンリサイド。
叫び声は使っていないのに
やっぱりこの人、ドイツ・リートにちょうど合う位の
太すぎないチャーミングな声で
ドイツ語ははっきり聴こえてくるし素敵 ♡

Elfenlied は女声の曲で
キルヒシュラーガーのテクニックと美声が見事。
やっぱりこの人の声って、豊かで美しい。
高音はあまり飛ばないし
かなり低い方の領域は出ても無理っぽいから
美声の声域はそんなに広くはないと思うけれど
中音域の美しさに関しては目を、いや、耳を見張る(耳張る?)

Der Jäger と Bei einer Trauung はキーンリサイド。
そりゃ、Der Jäger を女声では歌えないだろう

と思いつつ
人称代名詞だけ代えたらイケそうな気もするが(笑)
昨今、喧嘩して天気悪いのでムシャクシャして
森の中で銃をぶっ放す女性が居ても良いような気がするし。

途中でちょっと声の音程が下がったけれど
あれ、音取りが異様に難しい曲だし
ピアノと合わせる部分で無理やり合わせて
自然な感じで聴かせてくれたので満足 ♡

Bei einer Trauung というあの皮肉な曲も
暗い色調でまとめて

最後の Begegnung はメゾソプラノ。
細かい音型と早口のドイツ語だが、無難にまとまっていた。

後半のシューマンのバラードの
キーンリサイドの見事な語り口には舌を巻いた。
歌詞の一つ一つの単語がクリアに聴こえた上に
情景や感情が見事に音楽に乗って
こういうのがドイツ・リートの楽しみなんですよね。

Der Wanderer も良かったなぁ。
心からの悲惨な叫びを余すところなく描ききって
しかも明るめのバリトンだから
希望のない程に暗くならない絶妙な感じ。

後半のキルヒシュラーガーは
音程は安定して来たものの
何で時々下がり気味に聴こえてくるのか
それはきっとワタシの耳がオカシイのだが
歌い出しの子音が、ほんの少しだけ
下にズレて聴こえるんだけど
あれは彼女のクセなんでしょうか。
まぁ、気にする程の事はないのか。
あれが歌のニュアンスになっている、と言われればそうかもしれないし。

でキーンリサイドの最初のアンコールが
うはははははははは
ヴォルフの「コウノトリの使い」ですよ!!!!

音楽って言うよりは
ほとんど語りの世界のコミカルな曲なのだが
これをもう、見事にこの上ない程のチャーミングさで
しっかり語ってくれて、うはうは、ヴォルフのファンとしては嬉しい。

キルヒシュラーガーのアンコールは
ブラームスの子守唄で(コウノトリに引っ掛けたのね(笑))
これはしっとりと一番響く中音域で歌ってくれて
これも至極満足。

最後に2人で夫婦喧嘩のコミカルな歌を歌って終わり。

プログラム構成としては
有名な曲から通向けまで
まんべんなく、バランスの良い構成だったし
(で、ちょっと通向けの傾向があるというのもニクいわ)
オペラ座の音響が多少デッドでも
ドイツ・リートに関する限りは
声を張り上げず、ドイツ語がクリアな方が良い。

キーンリサイド、時々、とんでもない弱音を使っていたけれど
しっかり、はっきり、聴こえて来たもん。

キーンリサイドにヴォルフのメリケ歌わせたら良いだろうなぁ、と
予々思っていたのだけれど
予想に違わず良かった ♡
(以前のコンサートの時にリズムに乗り切れなかったところ
 完璧に克服している。やっぱりプロってスゴイわ)

まぁ、でも、できれば
ドイツ・リートは1800席のオペラ座ではなくて
楽友協会かコンツェルトハウスの小ホールが良いなぁ、と
つくづく思っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



またオペラ座のリートの夕べとかに行くなら
舞台見えないランプ付きの一番安い席を買おう。
・・・って、次の機会があれば行く気満々じゃん(汗)

死の都 国立オペラ座

Wiener Staatsoper 2017年1月9日 19時30分〜22時

Erich Wolfgang Korngold
DIE TOTE STADT
Oper in drei Bildern frei nach Georges Rodenbachs Roman
Bruges la morte von Paul Schott
(eigentlich Julius und Erich Wolfgang Korngold)

指揮 Mikko Franck
演出 Willy Decker
舞台・衣装 Wolfgang Gussmann

パウル Herbert Lippert *
マリエッタ/マリー Camilla Nylund *
フランク/フリッツ Adrian Eröd
ブリギッタ Monika Bohinec *
ジュリエッテ Simina Ivan
ルシエンヌ Miriam Albano *
ガストン Lukas Gaudernak
ヴィクトリン Joseph Dennis *
アルベルト伯爵 Thomas Ebenstein *

Orchester der Wiener Staatsoper
Chor der Wiener Staatsoper
Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
Wiener Staatsballett
Kinder der Opernschule der Wiener Staatsoper

コルンゴルトのオペラ「死の都」の再演。

舞台が見えるよう
声もオーケストラも聴こえるように
結構な散財をしてチケットを買った後に

キャスト変更(ため息)

パウルをクラウス・フロリアン・フォークトが歌うと言うので
あの赤ちゃん声、いや、どでかいボーイ声で
パウルを歌われたら華やかだろうなぁ、という期待だったのだが

フロリアン・フォークトはキャンセル。
ただ、この1回目のみ降りて
2回目から歌うという話で

うわあああ、そりゃないだろ 😓

さて、この演目、大昔に
有り難くも神々しいオペラ・ファンの友人から
むちゃくちゃ良い席をいただいて鑑賞した事がある。
(消えた2008年までの記録のどこかにある筈だが消失)

その時、見た舞台と同じだから
脇で舞台の前だけ見える席は避けて
なるべく舞台の奥まで見える席を購入。

これから行く方
あれは舞台の後ろ半分あたりがキモですからね。

(とは言え、もうチケットほとんど売り切れだから
 買ってる人は既に買ってはいるだろうが)

しかも休憩1回あるけれど
前半がむちゃくちゃ長いので
ちゃんとトイレその他は開始前に済ませておきましょう。

筋とかについてクドクドと話す気はないので
すぐに歌手の話をしてしまうが

ブリギッタを歌ったボヒメッツも実は代役。
もともとのキャストはジャニーナ・ベッヒレだった。

ううう、声が飛んでない。
何か細めの声でメゾよりソプラノっぽいし。
(ベッヒレより身体は細かったので
 最後のパウルとの抱擁は自然だった)

リッペルトが最初に歌い出した時には
高音が出ていなくて
なんじゃこりゃ?と
席を蹴っ飛ばして帰ろうかと本気で思った。

フランクのアドリアン・エレードが唯一マトモというか
いや、失礼は充分承知ですが。

だが、心配していたリッペルトが
途中のアリアから声の調子を取り戻して
声に艶が出て来た上に

この人の中間部の声って
滑らかで美しいじゃないの・・・😌

しかも調子を取り戻した後の高音も
声量はともかくとして
しっかりと会場一杯に響き渡るし
オーケストラの壁も悠々と越えてくる。

まぁ、ちょっと一本調子気味なところはあるが
(他のテノールだって、あれは一本調子になると思う)
最後の最後まで
しっかりと、語りかけるように美しく歌ったのには驚いたし
最後は至極満足。
さすがリッペルト、良くやった!!!

確かに長丁場のオペラで歌いっぱなしだし
最初から飛ばしていたら、後半に声が嗄れるだろう。
しかも、ずっと高音続きだし
コルンゴルトのテノール苛め爆発な役だわ。

マリエッタとマリー役のカミラ・ニュルンドは美人だし
大柄だし(リッペルトより高いくらい)
声は通るし美しいし
あの不思議な二重人格の役には合っていると思うが

ちょっと色気が足りないかも(すみません)
いや、以前が色気ムシのデノケだったし(すみません)
マリエッタもマリーも
あんまり妖艶なところってなかったなぁ。

しかしニュルンドも強い声で
素晴らしいテクニックでの歌唱で
最初から最後まで引きつけられるのは確か。

前半はテノールとソプラノばかりが続くので
何か、幕間には
自分の喉の奥が上がってしまって
頭の上半分ばかり熱を帯びたような不思議な気分になる。

代役とは言え
調子を取り戻した後
最後まで、しっかりと声を保ちながら
あれだけ見事な歌唱を聴かせてくれたリッペルトが
この公演だけで終わり、というのは
ちょっと可哀相かもしれない。

ブラボー・コールを受けたリッペルトは
おおやったぜ、という感じで手を挙げて
自分を鼓舞するように抱きしめていたが

こういう1回こっきりの代役って
歌手にとっても、大変だと思う。
ヘンなプライドあったらできないよ。
(しかもほとんどの客はフォークト目当てだし)

暗いストーリーとは言え
心理ドラマばっちりでサスペンス一杯で
細かい心理の襞を充分に突っついてくるし

舞台は大袈裟な程にドラマチックになっていて
(後ろの方で繰り広げられる
 グロテスクな心理シーンが、かなり見もの)

最後は幻想から醒めて
立ち直って人生に新しい一歩を踏み出すパウルが
なかなか爽やかな幕切れともなっていて

このオペラ、もう一度観たいな ♡

時間があるとすれば日曜日なのだが
日曜日には2回コンサートが入っていて
その後、この長いオペラに行くと考えると

完璧に寝落ちしそうなので遠慮しておきます(汗)

オーケストラのコンマスはシュトイデさん。
さすがにこういうモノを演奏させると
ウィーン国立歌劇場管弦楽団の艶のある色合いは見事。

本当に久し振りにオペラ座でオペラを観たら
やっぱりちょっとグッタリ疲れた私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。




フィガロの結婚 国立オペラ座

Wiener Staatsoper 2016年6月25日 19時〜22時30分

Wolfgang Amadeus Mozart
LE NOZZE DI FIGARO

指揮 Cornelius Meister
演出 Jean-Lois Martinoty
舞台 Hans Schavernoch
衣装 Sylvie de Segonzac
照明 Fabrice Kebour

アルマヴィーヴァ伯爵 Luca Pisaroni
伯爵夫人ロジーナ Rachel Willis-Sørensen
スザンナ Valentina Nafornita
フィガロ Alessio Arduini
ケルビーノ Marianne Crebassa
マルチェリーナ Ulrike Helzel
ドン・バジーリオ Thomas Ebenstein
ドン・クルツィオ Peter Joisits
ドン・バルトロ Sorin Coliban
アントニオ Mihail Cogotari
バルバリーナ Annika Gerhards

Orchester der Wiener Staatsoper
Chor der Wiener Staatsoper

私がモーツァルトを苦手としているのは
別にモーツァルトが好きじゃないとか
つまらないとか言う理由ではなく

モーツァルト聴くと反射的に爆睡するから

というだけの理由(断言)

この間聴いたルイ・ピサローニがあまりに良かったので
シーズン最後のフィガロの結婚に行く事にした。

・・・もちろんチケットは完売だが
旅行会社に勤務している身には
色々と隠し手がある(笑)

眠り込まないように
ロジェの3列目の立ったら見える席を
比較的安くゲット。
(註 比較的安くというのは手数料含めて30ユーロ以下を言う)

フィガロの結婚は、以前は国立オペラ座で何回か聴いたが
(エリーナ・ガランチャを見いだしたのはこのケルビーノだった)
今回の演出は32回目という事で、この演出は初めて。

舞台には色々な絵画が下がっていたり、置いてあったり
照明はちょっと暗いけれど、絵画の動きで舞台の多様性を見せる。

コンサート・マスターはシュトイデさん。
オーケストラのメンバーはかなりトラが多い感じ。
序曲の最初で弦のアンサンブルの乱れがあったものの
すぐにオーケストラ自身が訂正して
ピッタリ揃えて演奏したのは、さすがに見事。

しかし・・・
ロジェの3列目って、いつもバレエの時に愛用している貧民席だが
考えてみたら、音響的には、かなり悪い。
音がくぐもって聴こえるし、響いて来ない(汗)

その分、小編成のモーツァルトの音楽が
もっとスッキリと解像度が高く
室内楽的に聴こえて来るので
大規模オペラハウスで聴いているというより
もっと親密な小さなオペラハウスで鑑賞しているような
親しみ易さが前面に出て来て、そう悪くない。

フィガロ役は声量はあまりないけれど
役柄に合った感じだし、演技も巧くて
時々、オーケストラに声が埋もれてしまうけれど
まぁ、かなり良い出来。

スザンナ役はモルダビア出身の美人歌手 ♡
(名前は t の下にヒゲがあって、a の上にも何か付いているのだが
 どうしても当該の特殊文字が見つからなかった・・・)

スタイル良くて、見た目がすごく可愛らしくて
表情も豊かで演技も巧い。
やはり声量はそこそこだが
スープレットだし、声は澄んでいるし
フィガロとのバランスが抜群。

で、伯爵夫人ロジーナ。

・・・・(沈黙)

アルマヴィーヴァ伯爵が浮気するのがちょとわかる(すみません)
かなり、いや、ちょっとスゴイ体型で
結婚後にかなりお変わりになりましたでしょうか、ロジーナさま。

いや、すみません、別にふくよかな体型に偏見はないのだが
この演目に出演している歌手のほとんどが
スマートなモデル体型な中で
むちゃくちゃ目立つんですけど。

最初はお尻の方に詰め物でもしているのかと思ったが
ピサローニが抱きついても
後ろの方にも、しっかり中身が詰まっていたみたいだ。

そこまで見事な体型なので、すごい声かと思ったら
ううう、ドラマチック・ソプラノって
ああいう暗い声なんでしょうか。
イタリア語を歌っているとは思えない
内に向かった声で
最初のアリアを悲しみたっぷりに歌ってはくれたのだが
何かあの体型で、ああ言う感じで歌われても
あんまり伯爵夫人ロジーナに同情できない。

(だいたい、この演目、スザンナとロジーナが
 同じような体型だから、途中のとりかえばや物語になるのだと思う)

でもプログラム読むと、あちこちで活躍しているようなので
きっと、優秀な声なのであろう。私の好みではないが。

お目当てのルカ・ピサローニ。
うはははは、やっぱり巧い。

声は伸びるし声量たっぷりだし
イタリア人だから、レチタティーヴォもお手のもので
背が高くてスタイル良くて
舞台でばっちり華があって目立つ。

伯爵夫人に抱きつくと幅が2倍くらい違うけれど
背の高さでそれはカバー(笑)

スザンナをお姫さま抱っこしてたぞ。
結構筋肉もあるのか、あのバリトンは。

ケルビーノがまたこれ優秀 ♡
声も出るけれど、加えて演技の巧さが抜群。
素晴らしいズボン役。

ドン・バルトロの圧倒的な美声と声量にひっくり返ったら
ソリン・コリバンだった。
この人、本当にスゴイわ。
コミカルな役も実に巧いし。

対するマルチェリーナ。
どこかで見た顔だと思ったら
確か1回、バレエのマイヤリンクで歌っていた筈。
硬めの声質のソプラノだが、やっぱり声は抜群に出るので
ドン・バルトロとのバランスも良いし
舞台で目立っていて、聴き応えがある。

脇役のドン・バジーリオとドン・クルツィオが巧くて
ものすごくキュートなイタリア語で
ちょっとハートにドッキリ来る。
こういう脇役が揃っているのは、オペラ座の底力。

衣装は何とオーストリアの民族衣装のディアンドル(笑)
スザンナのディアンドル姿がキュートでカワイイ。
伯爵夫人ロジーナはピンクの民族衣装で
確かに民族衣装って、ある程度の体型にも合う筈なのだが(以下省略)

動きがコミカルで楽しくて
内容をばっちり演技でも見せてくれたので
ロジェの後ろで、セリフが読めなくても充分に楽しい。

もちろん、ずっと立って観ていたので寝落ちもなし(笑)
・・・と思っていたら
後半は前のカップルが帰ってしまったので
(前半からものすごく退屈していた模様)
前に移動して座っていたら
やっぱり最後の方のアリアで寝落ちしそうになって焦った。

こういう演目だと
来ているのは観光客が圧倒的に多い。
開演前のロビーなんて、もろに記念写真撮影大会。

でも、こういうスタンダードな演目で
あれだけクオリティの高いオペラをやってくれるというのは
オペラ座の実力って凄いなぁ。

腕をブンブン振り回して
ずっと歌手の方を向いて
オーケストラ無視で指揮していて

オーケストラも完全に無視していた指揮者は
いったい誰だろう、と思ったら
カーテン・コールで舞台に現れたのが
コルネリウス・マイスターで、ひっくり返った。

でも、スッキリした室内楽的なモーツァルトで
声量の違いがかなり大きかった歌手に合わせて
巧く音楽を作っていたのは賞賛に値する。
(というよりオーケストラが自分で調整していたかも(笑))
全員を演奏させるのではなく
楽器の数を絞っていたし。

いや〜、むちゃくちゃ楽しかったわ。
長いオペラなのだが、全然退屈しなかった。

たまにはモーツァルトのオペラも良いかも
(ただし立って聴くのに限定、だったら立ち見席か)
と、ついつい思ってしまった私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



本日のウィーンは33℃まで気温が上がって
オペラが終わった夜の10時30分でも30℃あったのだが
夜中に雷雨が来て、17℃くらいまで下がる予想。
ホントにヨーロッパの天気はワケわからんです。

皇帝ティートの慈悲 国立オペラ座

Wiener Staatsoper 2016年4月7日 19時〜21時30分

Wolfgang Amadeus Mozart
LA CLEMENZA DI TITO
Dramma serio per musica in zwei Akten

指揮 Adam Fischer
演出 Jürgen Flimm
舞台 George Tsypin
衣装 Birgit Hutter
照明 Wolfgang Goebbel

ティート Benjamin Bruns
ヴィッテリア Garoline Wenborne
セルヴィリア Hila Fahima
セスト Margarita Gritskova
アンニオ Miriam Albano
プブリオ Manuel Walser
ベレニーチェ Mosquera Bonilla Maria del Pilar

モーツァルトのオペラ、皇帝ティートの慈悲の
この演出は
最初はミヒャエル・シャーデとエリーナ・ガランチャが歌ったので
2012年に2回鑑賞していて

その後はモーツァルトだし、ど〜でも良い(すみません)と思っていたが
今回の公演はスター歌手ではなく
ウィーン国立オペラ座のアンサンブルの歌手だけで
かなり良い出来・・・と新聞評に出ていたのと

あまり人気がないらしく
(スター歌手出ないし、モーツァルトのオペラの中でも地味だし)
ミドル・クラスの席があったので
思い切って、もう一度、観る事にした。

爆睡(こらこらこらこらこらっ!!!)

最初から最後まで寝込んでいたら
さすがに30ユーロを越える席ではもったいないので
何とか寝ずに済んだところもあった(はずだたぶん)

指揮はアダム・フィッシャーで
オーケストラの音楽が抜群に良い。
(まぁ、あれ?みたいな吹き損ねとか当たり損ねはあったけど(笑))
こうやって聴いてみると
モーツァルトって、やっぱり天才だ(って何を今さら・・・)

最初の場面で、ちょっと ギョッ
人の肉体的欠点を口に出して言ってはいけないのは
充分に承知の上で

なんだあのヴィッテリアは?!

セスト役のグリツコヴァ(1987年サンクト・ペテルブルク生まれ)が
若くて、なかなか顔もキレイで
ちょっと小柄でスタイル良くて
ズボン吊りを纏った男役がかなりカッコ良くキマっているので

ヴィッテリアとのラブシーンが異様・・・

どうやって見ても
セストがヴィッテリアに惚れてる筈がない
セストってもしかしたら○ブ専? いやいやいやいや

こういうキャストになると
オペラもグッとリアリティが減ってしまう(涙)

ならヴィッテリアが天国のような美声かと言えば
最初のシーンでは
高音出てないし、音程は不安定だし
おいおいおいおい、これ、いったいどうなるの、と
ド素人なのに失礼な事を考えていたワタシ。

その後は寝落ちして記憶がないまま
第一幕は終わっていた(恥)

いや確か、第一幕でもティートとセルヴィリアと
プブリオもアンニオも歌ってたな・・・

セルヴィリアは、先日ツェルビネッタで聴いた
超美人の若いイスラエル出身のお姉ちゃんで
これは声も響いて
しかも見た目、やっぱりスタイル良いし美人だし

アンニオ役のイタリア人ソプラノも
スタイル良くて男役がハマってるし
声もかなり出ている上に演技が上手で
セルヴィリアとのカップリングは二重丸 ◎

第二幕の最初は
めちゃめちゃになっているお部屋で
コーラスの間に俳優の掃除係が片付けて行くのだが

このシーンは、ティートの悩みが、まずはハイライト。

で、ティートが
セストが裏切った、でもでもでも、裏切る訳がない
・・・と切々と歌い上げるところで

アフリカ系のむちゃスタイルの良い女優さんが
ミニスカートでティートに絡まるのだが

これ、ミヒャエル・シャーデの時には
これに続くセストのアリアでセストに「裏切り者」とか
貼付けていくシーンでも
シャーデの演技だと
少なくとも私の記憶では
女狂いの、目の据わった、ちょっとオカシイ皇帝
という印象があったのだが

ブルンスのティート、むちゃマジメ。
あまりにマジメ過ぎて
絡まっている女優さんが
最初から最後まで、見事に無視されていて

あらま、何のためにあんな色っぽい女性が出て来たの?
という、演出上、全然意味のないシーンになっていた。

あっ、というより、あれはもしかしたら
ティートは女性に興味がないんですよ
でも、セストの事は好きなんですよ
という暗喩だったのかしら。

調子悪そうだったヴィッテリアも
最後の告白のアリアはきちんと歌っていたから
まぁ、良しとする。

ティート役のブルンスは
チョイ役の時に私がスター誕生!と喚いたテノールだが

いやこのテノール、声出ますね。
声量から言えば、シャーデより出るんじゃないの?

リリック・テノールで、声は澄んでいて
多少アジリタのテクニックは不完全ながら
かなり聴かせるので

ああこの人、タミーノとか歌ったら良いかも。
いや、オッターヴィオでも良いけど。

ギャラリーの席で
割に舞台全体が見える席ではあったのだが

前で乗り出している人がチラホラ。
(乗り出されるとそこから後ろは舞台が見えなくなる)

隣の外国人観光客らしい母と娘は
娘の方が最初から最後までスマホで
何か書いたり、舞台を撮ったりしているし

音楽の最中も、あちこちで小声のお喋りが聴こえたり
途中で結構派手に携帯電話が鳴ったり

まぁ、天井桟敷だからな
そういう事もあるだろう。

もっとも休憩時間の時に声をかけてきた
隣の独りで来ていたオジサンは
モーツァルトのオペラのファンだそうで
ドン・ジョバンニの新演出が良いとかいう話をして
(あれ?オペラ座のドン・ジョバンニって新演出だったっけか)

時々、年配の女性のオタクだと
とんでもない常連が居たりして
話が止まらなくなるのだが
さすがに男性だし
最近ハマったばかりらしい風情が可愛らしかった(笑)

地元の人も来てるのね、と
ちょっとホッとした私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


三人姉妹 ペテル・エトヴェシュ 国立オペラ座

Wiener Staatsoper 2016年3月18日 19時〜21時15分

TRI SESTRI
Péter Eötvös
Oper in drei Sequenzen nach Anton Tschechow
Libtretto : Claus H. Hennberg und Péter Eötvös

指揮(アンサンブル)Péter Eötvös
指揮(オーケストラ)Jonathan Stockhammer
演出 Yuval Sharon
舞台 Esther Bialas
照明とビデオ Jason H. Thompson

Irina : Aida Garifullina
Mascha : Margarita Gritskova
Olga : Ilseyar Khayrullova
Natascha : Eric Jurenas
Tusenbash : Boaz Daniel
Verchinin : Clemens Unterreiner
Andrei : Gabriel Bernúdez
Kulygin : Dan Paul Dumitrescu
Doktor : Norbert Ernst
Solijony : Viktor Shevchenko
Anfissa : Markus Pelz
Rodé : Jason Bridges
Fedotik : Carlos Osuna
Orchester der Wiener Staatsoper
Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

ペーテル・エトヴェシュのオペラ
チェーホフの「三人姉妹」

どうしようか散々迷ったんだけど
一度は観ておくべきか・・・と行った公演。

結構高い席しかなかったのに
最後の方になって、30%割引特別提供、とか出てくると
ちょっと腹が立ったりして(笑)

ただ・・・

オペラが始まって10分後
前のカップルが退場。

ああ、これなら後半は1列目の1席に座って聴けるかも ♡

・・・と思っていたら
後半になったら、1列目のあとの2人も退場していて
通常買うなら199ユーロの席で鑑賞できる事になった(笑)

まぁ、それはともかくとして

茶色系の舞台装置に
茶色系パステル・カラーの衣装
舞台の床の一部が動く方式で
色々な舞台装置や人物が動いたり
ドアがすべって移動していったり

前半で、何か不思議なデジャブがある。

強いて言えば、ゴスロリ風、フランス人形風味の
人形劇でも観ているような印象。

イジー・キーリアンっぽい世界というか
不思議の国のアリスのいじけた大人版というか(こらこら)

音楽もそれに合わせて、ミニマム・ミュージックっぽく
オーケストラ・ビットには
弦楽器がそれぞれ1台か2台
アコーディオンがプロンプター・ボックスに入っていて
エトヴェシュらしい、と言ったら失礼なのかもしれないが

すごく雰囲気のある音楽なんだけど
でも、でも、でも
やっぱりちょっと歌が単調で
(意図的に同じシーンを繰り返す部分もあったし)

睡眠時間が最近むちゃくちゃ短い日々が続いた私は
1列目に座っていても眠ってしまう(汗汗)

だいたい、チェーホフの三人姉妹というもとの戯曲だって
最初から最後まで、愚痴の連続でしょ?(偏見)

愚痴に関しては
演劇やオペラで聴かなくても
毎日毎日毎日・・・(以下省略)
(私だって人を捕まえて愚痴言ってる(自爆))

で、あまり話っぽい話はないわけで
田舎に閉じ篭った人たちが
田舎の悪口を延々と言っている。
あんたはトーマス・ベルンハルトか(あ、いえいえいえ)

ところが、この愚痴愚痴オペラ
歌手はむちゃくちゃ良いのである。

女性3人も良かったけれど
男性のイジイジしたアンドレイの惨めさとか
不思議な演出だから、変なところも多いのだが
演技含めて
音楽的な水準としては
最高のところでバッチリ決まっていて
(まぁ、作曲家が指揮台に立ってるから(笑))

声だけ聴いているだけでも、かなり幸せ ♡

音楽は、まぁ、現代音楽だし
トーマス・アデスのような派手なところはなく

題材としては、かなり暗いし
(あぁ、ハンガリー人ってもともと根暗だったっけ(違))

歌われている言葉はどうもロシア語だし
別に何が舞台上で起こる、という事はないので
かなり地味・・・・ではある。

最後に舞台の上で結構な編成のオーケストラが出て来て
多少、音楽が派手になるが
それだって派手・・・とは言えない程度。

これ、何回か観ると面白くなるのかなぁ。
歌手は揃っているから声を聴くだけでも確かに楽しいが。

あ、そうそう
ピンク色の派手なドレスを纏って(途中で一部脱ぐ)
すごい声量のカウンター・テノールを歌った
Eric Jurenas には、ものすごく萌えました ♡

女性歌手が弱く聴こえるくらいの強いソプラノ
いや、カウンター・テノールで
(でも、メゾ・ソプラノにしか聴こえません!)
身体が大柄でごっつい分、ものすごい存在感。

でもまぁ、題材が題材なので・・・
根暗な人には合うかもしれないけど(以下省略)

とは言え、せっかく199ユーロの席に陣取っても
やっぱり仕事が忙し過ぎて
(だったらオペラにも行くな、とか言われそう)
眠くて眠くて眠くて、あぁ、もったいない・・(涙)

仕事の山も
来週一杯で越えるだろうと
楽観的に予測はしているのだが

その前に何とか偏頭痛をやっつけないと
いや、クシャミも出るから風邪かもしれないけど
まぁ、まだ元気で頑張ってる私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。




ナクソス島のアリアドネ

Wiener Staatsoper 2016年3月12日 19時〜21時30分

ARIADNE AUF NAXOS
Musik von Richard Strauss
Text Hugo von Hofmannsthal
指揮 Cornelius Meister
演出 Sven-Eric Bechtolf
舞台 Rolf Glittenberg
衣装 Marianne Glittenberg
照明 Jürgen Hoffmann

序幕
侍従長 Peter Matić
音楽教師 Jochen Schmeckenbecher
作曲家 Sophie Koch
テノール Herbert Lippert
オフィサー Daniel Lökös
ダンス教師 Norbert Ernst
カツラ職人 Gerhard Reiterer
侍従 Alfred Šramek
ツェルビネッタ Hila Fahima
プリマドンナ Gun-Brit Barkmin
ハーレキン Manuel Walser
スカラムーチョ Peter Jelosits
トラファルディン Wolfgang Bankl
ブリゲッラ Joseph Dennis

オペラ
アリアドネ Gun-Brit Barkmin
バッカス Herbert Lippert
ナヤーデ Andrea Carroll
ドリアーデ Rachel Frenkel
エコー Caroline Wenborne
ツェルビネッタ Hila Fahima
プリマドンナ Gun-Brit Barkmin
ハーレキン Manuel Walser
スカラムーチョ Peter Jelosits
トラファルディン Wolfgang Bankl
ブリゲッラ Joseph Dennis

実は先週に久し振りにアリアドネに行こうと思って
安いチケットも確保していたのだが
突然の仕事の打ち合わせが入ってしまい
涙を飲んで・・・

ああ、もう、以下、書きたくない。
仕方ないです サラリーウーマンの宿命ですから(涙)

当初、ダニエラ・ファリーが歌うはずだったツェルビネッタが代役になり
バッカスに予定されていたゲルハルト・ジーゲルが降板というニュースは
かなり以前に入って来ていたので
何とか自分を納得させたものの

やっぱり上演されているうちに1回は観に行きたい。

だってナクソス島のアリアドネ、好きなんだもん!!!

というより、グルベローヴァのツェルビネッタを聴きたくて
せっせとオペラ座に通ううちに
そのままハマってしまった、というのが正しい。

さて、本日、ロジェの一番後ろに
ひっそりと座っていた私に
「ドイツ語わかる?」と声をかけて来た女性。

一番前の列なんだけど
彼氏が来るのは後半なので
前半だけだけど、良かったら前に座る?

うわあああああああっ、ラッキー ♡♡♡♡♡

これぞ神さまの贈り物。
考えてみれば
バレエだったら、ロジェの後ろで立って観ていても
全然問題ないのだが
オペラだと、ロジェの後ろの席は
非常に音響が悪いのであった。

というワケで
買えば150ユーロくらいする席で、前半を観られたのは
日頃の行いが良いから・・・じゃないと思うが(笑)
ともかく、ありがとうございます!!!

今回が18回目の上演と書いてあったが
2012年の前半演劇版のザルツブルク音楽祭で観てから
国立オペラ座で6回観ているので
今回がこの演出の7回目(ワタシはしつこい)

音楽教師のヨッヘン・シュメッケンベッヒャーは
この間のオーストリア放送交響楽団で、チェルハを歌った歌手。

美声だし、声量あるし
しかもドイツ語が美しくて演技力あって
ペーター・マティッチの侍従長との掛け合いが面白い。

前半の重要人物、作曲家はソフィー・コッシュ。
スタイル良くて背が高くて、見た目は男性に見えるし
声もよく出る。

メゾソプラノに有り勝ちな
音によって声の色がガラッと変わるのは
まぁ、好みの問題だろうが

ドイツ語が何も聞こえて来なかったのは
う〜ん、どういうもんだろうな、あれは。

総じてリヒャルト・シュトラウスのオペラは
ドイツ語が聞こえてこないと、面白さが半減するのだが。

この演出は、以前と違って
登場人物の出入りがとても緻密に計算されているので

カツラ屋がテノールに怒鳴られるところや
侍従(アルフレッド・シュラメック、ちょい役だが、すごい深い声!)が
作曲家をはなからバカにするシーンや

コメディ・デラルテの間にプリマドンナやテノールが
音楽教師に八つ当たりするところなどが
ちゃんと見えてくるので、かなり爆笑できるし
筋も追いやすい。

ダニエラ・ファリーの代役のツェルビネッタ、ヒラ・ファヒマ
顔立ちのはっきりした若い小柄な女性でスタイル良し。

ちょっとトルコ系っぽいかなと思ったら
イスラエル出身で、2010年のデビューという経歴なので
まだ、ものすごく若い(と思う)

序幕では、それほど目立つテクニックは出て来なくて
声はキレイだけど、この人、普通のスープレットだよね
・・・と思っていたから、後半ではひっくり返った。

例のツェルビネッタのアリア
多少アジリタ、しかも下りるところの動きが甘いけれど
高音は素晴らしいし、ちゃんと上に当たるし
神経に響かない美声で
でも、それよりも何よりも

ドイツ語が(あの高音で)恐ろしくクリアなのである!!!

だいたいソプラノって、声は出ても言葉が聞こえて来ないケースが多いのに
この若いソプラノ、声も良いけど、あのドイツ語のクリアさはすごい。

そのうち、カプリッチオのマドレーヌを歌ってくれませんか?(本気)
コロラチューラで3点F は全く問題ないので
今はちょっともったいないだろうが。
(レパートリーはもちろん夜の女王である(笑))

ベッヒトルフの演出だと
ツェルビネッタが歌っている間に
むっくりと起きたソプラノ歌手が
あちこちで文句をつけて
最後に指揮者に「あいつをクビにしろ!」とやるので
舞台を観ていると
ツェルビネッタのアリアに集中力がなくなるのだけれど
いや、思いがけない良い出来だった。

ツェルビネッタでブレイクするコロラチューラ多いから
(フィアカー・ミリでも良いが)
この人もブレイクするかもしれない。
美人だし、小柄だし、スタイル良いし、キュートだし
ちょっとだけ、華には欠ける・・・かもしれないが
それは個人の好みですから(笑)

ご本人のサイトは ここ
ギャラリーにいくつかオーディオもあるのでどうぞ。
(レパートリーにオリンピアがある。聴いてみたいな)

さて、後半だが

バッカスをあのリリック・テノールが歌って
大丈夫なんだろうかと思ったリッペルトも
かなり良かった。

確かにリリック・テノールなので
ヘルデン・テノールとは違う持ち味だが
それ言ったら、フローリアン・フォークトのバッカスの方が
かなりギョッとした記憶があるので(笑)

アリアドネを歌ったグン=ブリット・バークミンは
以前、サロメでも聴いているが
艶のある乱れのない声で
序幕での演技もコミカルだったし
オペラでの、暗い低音も、実に暗めの声で見事だった。

・・・で、バッカスとの絡みのところは
ロジェの後ろの席でぐったり寝てました(すみません(冷汗))

脇役も揃ってたしなぁ。
ハーレキンの Manuel Walser が実によろしい。
エコーを歌った Caroline Wenborne は、ちょい太めだが
声よりはコミカルな演技力に長けていて、目を奪われた。

この演出、後半のオペラ部分も
前で繰り広げられているオペラより
後ろでバタバタやっている歌わない登場人物や
俳優さんの動きの方が面白かったりするので

もし、これからオペラ座でアリアドネを観ようという方は
多少チケットが高くても
舞台全部を(後ろの部分の階段を上がった開口部まで)見える席で
ご覧になる事をお勧めします。
(ギャラリーだと、階段の上あたりが視覚に欠けるかもしれないが
 あの階段を上り切った奥で
 音楽教師が妖精役がなかなか来ないのでイライラしていたりするの)

指揮のコルネリウス・マイスターは
ご存知、ウィーン放送交響楽団の首席指揮者だが
もともと21歳の若さでデビューしたのはオペラ舞台だったので
まぁ、オペラはお手のものかもしれない。

舞台の歌手の声のタイミングもよく掴んでいて
若いから、派手に動いて指揮していたけれど
オーケストラ・ピットのメンバーはあまり意に介していなかったようだが(笑)
コンマスはホーネックさんで
その隣がダナイローヴァさんだった。

定番のレパートリーにはなったけれど
それで緩むところは一切なく
あの水準の公演をコンスタントに提供できるというのは
う〜ん、国立オペラ座、恐るべし実力。

久し振りにオペラを堪能して
久し振りに週末に仕事しない、という選択をして
すごく幸せな気分に浸っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


テンペスト トーマス・アデス(国立オペラ座)

Wiener Staatsoper 2015年10月18日 19時30分〜22時


Thomas Adès (“1971)

THE TEMPEST

Oper in drei Akten - Text von Meredith Oakes


指揮 Graeme Jenkins

演出 Robert Lepage

舞台 Jasmine Catudal

衣装 Kym Barrett

照明 Michel Beaulieu

ビデオ David Laclere

振付 Crystal Pite


プロスペロー Christopher Maltman

エアリエル Audrey Luna

キャリバン Thomas Ebenstein

ミランダ Stephanie Houtzeel

トリンキュロー David Daniels

ファーディナント Pavel Kolgatin

ナポリ王 Herbert Lippert

アントーニオ Jason Bridges

ステファノー Dan Paul Dumitrescu

セバスチャン David Pershall

ゴンザーロー Sorin Coliban


Orchester der Wiener Staatsoper

Chor der Wiener Staatsoper


トーマス・アデスのオペラ、テンペストは

先シーズンにプレミエで

この時は作曲家のトーマス・アデスが直々に指揮棒を取った。


シーズン変わって、グレアム・ジェンキンスが指揮

初演メンバーの時はプロスペローをアドリアン・エロードが歌ったが

今シーズンはクリストファー・モルトマン。

指揮者とプロスペロー以外のキャストの変更はなし。


・・・と言うより

これ、特にエアリエルのキャスト変更って無理だろ?!


日曜日だったので19時からの簡単な解説に間に合って

Dr. Andreas Láng の情熱溢れた話を25分ほど聞いたのだが


作曲家自身、このエアリエルは歌える歌手がいないだろ、と思ったらしい。

が、そこは作曲家なので

歌える歌手がいるかどうかは、作曲家の問題ではない、と割り切ったそうで(笑)


実際、蓋を開けてみたら

あれを歌える歌手がいるんだもん。スゴイわ、う〜ん・・・


さて、お話はご存知シェークスピアのテンペスト。

ご存知、とか言っちゃったが

文学的素養ゼロの私は

わざわざ、ちくま文庫で、テンペスト買って読んだ(恥)


弟にミラノ大公の地位を奪われ

娘と孤島に流されたプロスペローは


何せミラノ出身なので

まずは孤島にオペラ劇場を建てる(爆笑)


ただ、長期間にわたってその孤島に住んでいるので

ミラノ的なマントを肩から羽織っているものの

身体には熱帯的な刺青をたくさんして

それなりに現地の文化を取り入れている模様。

(インテリで世界に対して広がった意識の持ち主

 ・・・だけど、何となくカワイイんですよ、これが)


モルトマンはさすがにイギリス人なので

英語の発音が非常にクリアで

美声だし響くし、発音クリアだし

ちょっと濃いめの顔が、何故か刺青風とピッタリ合ってるし

半分土着になっても品はあるし

プロスペローの役どころにピッタリで萌える ♡


舞台は、プロスペローの建てたオペラ劇場が中心になって進んで行く。

最初の忙しない恐ろしい嵐を象徴する序曲で

オペラ座のシャンデリアに絡み付く

銀色のダンサーは国立オペラ座のダンサーかな

しかしまぁ、あんなに危険な役をよくやるわ


・・・と思っていたら

これが、何とエアリエル役のオードリー・ルナだった!!!!


エアリエル登場のコロラチューラ・ソプラノのアリアは

あの、その、あのあのあの

いや、あれ、聴いてもこの世のものとは思えないですよマジに。


あのアリア聴いちゃったら

ツェルビネッタなんて初心者向けかい、とか思っちゃうわ(失礼!)


しかもこのエアリエル

舞台のあちこちに現れて

ずっと、正に妖精しているのである。


上の部分に乗っかって足を出したり動いたり

手や足を細かく動かしてみたり

妖精と言ったら可憐な存在の筈なのだが

ちょっと邪悪な部分も入った

この世のものではない魔界の存在を

どんなシーンでも、どこかの影に居て

リアルな場面に隙間を作って、魔界に連れて行ってくれる。


あの身体の柔らかさと動きは

正しくダンサーだね(断言)

クラシック・バレエの素養もありそうだが

どちらかと言えばモダン・ダンスかコンテンポラリー系。


あれだけのコロラチューラを見事にこなし

更にプロのダンサー顔負けの身体の柔軟性と身のこなしが出来るって

いったい、天はアナタにいくつの才能を上げたんでしょう・・・とか

言いたくなるが、あれは当然、本人の努力も並々ならぬモノがあるだろう。


普通のコロラチューラだったら絶対無理という

このオードリー・ルナも凄いが


それ以外の歌手も揃っている ♡


ステファニー・ホーツェールのミランダは

最初は乙女ちっくに

ファーディナントとの邂逅の後は恋する乙女になって

声量あるし、チャーミング。

この人、もともとメゾなので、低音もちゃんと聴こえてくるし。


キャリバン役のトーマス・エーベンシュタインは

最初にオペラ座の係の人が出て来て

「風邪ひいてて声が出ないかも」という警告があったけれど

最初は声を出し辛そうだったが

だんだん調子を上げて来て

演技は巧いし、表情豊かだし

最後の不思議な終わり方のソロも決まった。

(これについては後述)


ステファノーはカウンター・テノール

相方のトリンキュローのバリトンとの掛け合いが見事。


ナポリ王(テノール)のリッペルトも良かったし

チョイ役のアントニオとセバスチャンもかなり声が出て良い感じ。


ファーディナントのテノールは

如何にもテノールらしいハイ・テノールのリリック系で

ホーツェールより身体も顔も小さいけれど

役柄から言ったら、ちょっと頼りない王子で構わないので

あれはあれで良いのだ、きっと。


味があって良かったのがゴンザーロ役のコリバン。

テノールの多い歌手の中で唯一のバス。

すごく良い人(プロスペローを助けたりしていた)の

忠実な侍従役がピッタリ合って

不思議な登場人物が多い中で

一人、とてもリアルな役柄を見事に演じていた。


舞台は第1幕がオペラ座の一部で

第2幕が森の中。

ここでのファーディナントとミランダのラブシーンが素敵で

最後に海に向かって降りて行く場面なんて

海のビデオが、まぁ、実によく出来ていて感激した。


後半の幕が開くと

オペラ座の裏舞台みたいになっていてビックリするが

これが、どんどん変わって来て

ライティングがまた絶妙で(これは美しい)


最終シーンは、何とオペラ座の内部になってしまう。


結局、この物語、オペラ座で上演されるオペラという

メタ・オペラみたいな性格になっているのか。


で、終わり方がね・・・

あれ、ハッピー・エンド・・・ではないような気がする。

最後のアリアは勝ち誇ったプロスペローではないし

第一、プロスペローは、全然勝ち誇っていない。


原作と違うのは

ファーディナントとミランダが恋に落ちるのが

エアリアルに命じてそういう風にプロスペローが仕掛けた訳ではなく

プロスペローは、娘がファーディナントと恋に落ちたのを見て

ああ、自分は娘も失ったのか、嘆くところ。


最後、オペラ座の舞台のところに

船着き場の艀みたいなものが出て

登場人物がすべて去った後

独りになったキャリバンのアリアに

舞台じゃなくて、どこか外から聴こえてくる

エアリアルの歌声が重なって行く。


不思議な終わり方である。

復讐心に燃えたプロスペローも幸せそうじゃないし。

まぁ、息子が生きているのを知ったナポリ王と

恋におちてしまったミランダとファーディナントは幸せなのだろうが。


ある意味、何重にも絡まった複数の層が出てくるような演出。


音楽そのものは、一応、現代音楽ではあるのだが

話される英語にバッチリ音楽が寄り添っていて

しかも、最初の嵐のような激しい曲想から

話が進んで行くにつれ、微妙に曲調が変わってくるという


いや、よく出来てるわ、音楽も舞台も(驚嘆)

また、それを音楽+演技として完璧に舞台に乗せてしまった歌手も凄い。


今シーズンは、今日の上演が千秋楽。

う〜、これ、先シーズンから話題になっていて

私の友人も、もう1回くらい観たい、と言っていたのに

これで終わりか・・・


もっとも、エアリアル役を歌える

(というより、歌って、あの踊りと身体の柔らかさを備えた)歌手って

今、ウィーン国立歌劇場のアンサンブルの中には、いないだろう。


そのオードリー・ルナは

2016年ザルツブルク音楽祭で

やはりトーマス・アデスのオペラ Leticia Maynar の初演に出演するらしい。


ザルツブルク音楽祭はチケット高いし

旅費もかかるから遠慮しているけれど

トーマス・アデスの初演があってルナが歌うなら

(現代オペラならチケットも余ってる可能性あるし)

行っても良いな、と今から計画してしまう私に

どうぞ1クリックをお恵み下さい。





チェネレントラ 国立オペラ座

Wiener Staatsoper 2015年9月23日 19時〜22時15分


LA CENERENTOLA

Dramma Giocoso in zwei Akten

Musik von Gioachino Rossini

Text Jacobo Ferretti


指揮 Michael Güttler

演出 Sven-Eric Bechtolf

舞台 Rolf Glittenberg

衣装 Marianne Glittenberg

照明 Jürgen Hoffmann


ラミーロ王子 Benjamin Bruns

ダンディーニ Gabriel Bermúdez

ドン・マニフィコ Pietro Spagnoli

アンジェリーナ(チェレネントラ) Margarita Gritskova

クロリンダ Hila Fahima

ティスペ Juliette Mars

アリドーロ Marco Vinco

Orchester der Wiener Staatsoper

Chor der Wiener Staatsoper

Bühnenorchester der Wiener Staatsoper


イタリア・オペラは観ない、と心に誓ってから数年。

チェレネントラは大昔、別の劇場で観て

その長さに辟易して、退屈しまくったので

今回のプロダクション(今日が25回目の上演)も

別に行く気はなかったのだが


何か、この公演、ヘンにチケットが余ってるみたいなんだけど・・・


舞台から離れたロジェの3列目が空いているのを見て

ついついクリックしてしまい


ただ仕事が溜まって溜まって

もう止めておこうかなぁ、とは思いつつ

まぁ、途中で出て来ても良いし、と思って行ったら


あら、これ、すごく良いじゃん(ビックリ)


以前の音楽監督のお気に入り、ベヒドルフの演出で

舞台の後ろに上下2段のドア(好きだよね、ベヒドルフ、こういうのが)

現代演出で

ラミーロ王子が、イタリアの車の大会社の社長みたいな設定。


で、何が良かったかと言って

出てくる歌手、み〜んな優秀で

しかも、ものすごい芸達者!!!!


ラミーロ王子役のベンジャミン・ブルンスというテノールは

2011年のビリー・バッドのチョイ役の時に

(万が一、気が向いて読みたい方は ここ です)

な、な、なんだ、この凄いテノールは、とひっくり返った歌手。


その後、だんだん主役級を歌うようになって来ていたのは知っていたが

何せ、その頃からオペラを避けるようになったので

なかなか聴く機会がなかった。


私が、メガネ男子に弱いというのはさて置いて

このブルンスの演技が抜群に巧いのである。


白い童顔にメガネかけて、可愛いんだけど

その表情の表現が、まぁ、クルクル見事に変わって

まるでコミックを目の当たりにしているかのよう。

(褒め言葉か貶し言葉かわからん発言だが、誉めてます)


更に、ドン・マニフィコ役もメガネをかけて

これがまた、お父さん役にむちゃくちゃハマる。

しかも、この人もコミカルな演技が上手くて

表情も仕草も、ドン・マニフィコになりきっている上に

何か、むちゃ笑えるキャラ。


ダンディーニ役は、ハンサムとは言えないけれど

味のある顔をしていて

ラミーロ役のブルンスの童顔と良い対照をなしている。


で、チェレネントラ役のメゾが素晴らしい ♡

見た目も華麗で可愛くて、スタイル良くて

お姉さん2人も、一人はちと太めとは言え、普通だし

アリドーロも堂々とした演技でキマっていたし


その意味では、視覚的には非常に満足の行く出来。

コミカルな演劇として見ても違和感がない。


ただ、オペラは見た目だけではないのだが


また、この歌手たちの技巧と声がずば抜けているのである。

まるでイタリア語早口大合戦(笑)


ラミーロのテノールは、澄んだ甘い声で

しかも演技と同じく、声にも充分な表情があって

これは聴き惚れますよ、皆さん!!!


チェレネントラのメゾも

低音域が響くし、滑らかで厚みのある美声で

もちろん加えて高音も美しく出るし

アジリタは軽々とこなすし

演技の上手さと相まって、これはかなりスゴイし

とても魅力的 ♡


ドン・マニフィコ役のバリトンの声も

如何にも悪役(でも徹底的には悪役にならない)っぽい声の表情で

このバリトンも実に聴かせる。


ワタクシ的にはアリドーロのバスが

あまり響かなくてちょっと残念だったが

だいたい、ロジェの奥なんて

音響的には最悪な場所なのに

あれだけ、最も残念な出来のアリドーロにしても声が飛んで来たのは


ものすごいスターはいないけれど

この公演、むちゃ良い歌手が揃ってません????


演技が上手いから、コミカルで笑っちゃう場面がいくつもあるし

声が良くて、アンサンブルが良くて

イタリア語早口言葉の響きが楽しくて


ついつい、あまりの音楽の良さに

疲れているのに最後まで夢中で観てしまったわ・・・


これが国立オペラ座のアンサンブルの実力だとしたら

ひょっとしてワタクシはとんでもない都市に居るのかもしれない(汗)


ロッシーニの音楽はご存知の通り

最初から最後まで楽しいゴキゲンな音楽で

聴かせどころは山ほどあるし


演出も、オールドタイマーの車が出てきたり

ガソリン・スタンドがあったり

上には車の会社の社長の脇に変な国旗があったり

男声コーラスが神父だの女性(男性の女装です)だったり

時々、ワケわからなくなるものの


最後のチェレネントラが家族を許す場面なんて

実に巧く演出したなぁ、と脱帽。

(最初の場面のバケツとタワシが出てくる。

 このシーンは大笑いできるし、演劇的にはかなり自然な流れになっている)


いや、これだけの出来なら

(で安いチケットで悪くない席がまだ余っているようなら)

もう1度くらい観に行っても良いかも、とまで思わせる出来。


何にも期待しないで行ったのだが

13ユーロで、笑える演技とゴキゲンな音楽と

素晴らしい声を堪能する3時間になった。


もちろんその後、オフィスに帰って仕事しました

という、かわいそうな私に

(何処がだ?あれだけ楽しんでおいて(爆))

 どうぞ1クリックをお恵み下さい。




あ、忘れてた。意外に衣装もカラフルで素敵でした。

金使ってるわね、という感じ(笑)

男性の衣装が洒落ていて、ちょっと真似したい位。

(男性の真似してどうする?(自爆))


国立オペラ座 エレクトラ

Wiener Staatsoper 2015年4月4日 20時〜21時50分


Richard Strauss

ELEKTRA

Tragödie in einem Akt von Hugo von Hofmannsthal


指揮 Mikko Franck

演出 Uwe Eric Laufenberg

舞台 Rolf Glittenberg

衣装 Marianna Glittenberg

照明 Andreas Grüter


クリュテムネストラ Anna Larsson

エレクトラ Nina Stemme

クリュソテミス Ricarda Merbeth

エギスト Norbert Ernst

オレスト Falk Struckmann

オレストの老僕 Wolfgang Bankl

クリュテムネストラの腹心の侍女 Simina Ivan

クリュテムネストラの裾持ち Aura Twarowska

若い召使い Thomas Ebenstein

老いた従者 Marcus Peltz

占い師 Donna Ellen

侍女 Monika Bohinec, Ilseyar Kharullova, Ulrike Helzel

       Caroline Wenborne, Ildikó Raimondi

召使い Younghee Ko, Secil Ilker, Kaya Maria Last, Jozefina Monarcha

         Sabine Kogler, Zsuzanne Szabó


通常、オペラにはあまり行かないし

女声が苦手なワタクシとしては

女性ばっかり出てくるエレクトラは苦手な筈なのだが

ついつい行ってしまうエレクトラ・・・(汗)


1幕で短い、というのもあるが(汗汗)


今回は新演出による3回目の上演。

友人からの話では


最初に4人の女性が、ハダカで血だらけで舞台に立っている


・・・・というので(それが理由かよ!)

売り切れだったチケットを

チケット・オフィスから何とか入手して

一番安い席で行って来た。

(とは言え、チケット・オフィスだったので

 結局、3倍くらいの値段になってしまったが)


指揮はミッコ・フランク

歌手陣もむちゃくちゃ揃っているし

これは、ハダカの女性云々がなくても期待できるはず、うん。


幕が開いて

血塗れのハダカの女性は

どうも舞台の下手に立っているようなのだが

ワタクシの安い席からは見切れてしまって

何も見えないじゃないか!!!!(怒)


いやいやいや、安い席を買って

ハダカの女性が見えない、と怒る謂れはない(自爆)

それに、別にハダカの女性を観に行ったワケではない(はずだ)

(↑ あんたはオヤジか、と言われても仕方がないなこれは)


エレクトラは何故か黒いダブルのズボン・スーツ。

舞台上手には

昔のウィーン大学にあったようなオープンなエレベータ。


最初のシーンでの侍女の場面に

既にかなり優秀な歌手が潜んでいるぞ。


音楽が最高 ♡

いや、リヒャルト・シュトラウスのオペラの中でも

最も先鋭的というか

うう、この音楽、本当に面白い。


それに、またミッコ・フランクのもとで演奏する

国立オペラ座管弦楽団が巧い。

コンマスはホーネックさんで

その隣にダナイローヴァ女史が座っている。


う〜ん、このオーケストラって

こんなに巧かったっけ。

(何か最近、バレエで気の抜けたような演奏が続いたので

 リヒャルト・シュトラウスで別人に化けるのが不思議である)


エレクトラ役のニーナ・シュテメ、素晴らしい。

ダブルのズボン・スーツがかなり似合わないし

(例によって体型が体型ですし)

どう見ても、おばさんにしか見えないけれど


それ言ったら、妹のクリュソテミスを歌った

リッカルダ・メルベースだって

どう観たって、可憐で弱々しい妹には見えず

白い清純な服装がちょっとアレで

(しかも最初に前に抱いている毛皮のバッグは何なんだ?)

見た目だけならおばさんにしか見えないけれど


まぁ、クリュテムネストラが婆だから

娘たちも中年になっている、と考えれば

そんなに不自然ではない(はずだ。若い姉妹とは書いていないはずだし)


・・・というか、別に見た目はどうでも良い(かも)


リッカルダ・メルベースはもともとリヒャルト・シュトラウスは巧いし

歌えば歌う程、声に艶が出てくるタイプ。

美声だし、強いし、あんまり可憐じゃないけれど

お姉さんのエレクトラに負けないだけの存在感がある。


で、クリュテムネストラだが

実は私、このクリュテムネストラが大好きで

いや〜、本当に何かの間違いで歌手になっていたら

絶対に歌ってみたい役だわ、これ。


アンナ・ラルソンは、ものすごく背が高い。

シュテメと並ぶと頭一つ以上違う。

(シュテメだって小柄とは言えない)


でも、この人、スタイルは良いので

真っ白な老婆のメイクして

キラキラの衣装を着て(これがカッコいい!!!)

エレベータから降りて、車椅子に乗って

あの複雑な心理劇を歌うと

うははは、むちゃくちゃ絵になる。

演技も巧いし、声ももちろん出るし、役柄にハマっている。


クリュテムネストラって

私の中ではアグネス・バルツァがデフォルト。

アグネス・バルツァのクリュテムネストラは

もう、スゴイ迫力で、当代随一で

(コワイんですよ〜、ちょっと汚れ役が入って)

あの凄さに比べてはいけないのだが

演技の巧さと相まって、アンナ・ラルソンのクリュテムネストラは

かなりバルツァの気味悪さに近い。


オレストのファルク・シュトルックマンも見事。

最初の語り口の深い声が、実に素晴らしい。


・・・が、シュトルックマンも、かなりのお歳で(以下省略)

いや、お歳を感じさせない豊かな深い美声だから

聴いている分には大満足だし


僕はオレストだ!と告白した後に

黒いパンクのお兄ちゃんみたいな衣装になるのは

筋肉質の立派な身体だから、割に合っているが

ちょっと若さに無理が・・・


そのシーンで、エレクトラも

(その前に上着だけは脱いでいるが)

下のズボンを脱いで

オペラに有り勝ちの上下黒のキャミソールになる。


ううう、見た目だけを考えると

このオペラ、何故か中年・老年の出演者ばっかり。


で、オレストの殺人劇の後のシーンの時に

上手のエレベータの中に

血塗れの人形コレクションが入って

動いたりするのは、ものすごく滑稽で


前にいた観光客、ものすごく笑ってたもんなぁ・・・

あれは、ちょっと悪趣味というか、アホだ。


エギストの殺人場面も何かよくわからないし

エレクトラが死ぬシーンも、なんかバタバタしている間に

よくわからないまま終わってしまったし

(それとも、私が見えない下手で何かやったんだろうか?)


ああ、そう言えばヘンな演出と言えば

比較的最初の方で

何故か本物の犬が数匹

本当に吠えながら舞台を横切っていったのは

何だったんだろう????


音楽的には最高水準 ♡

歌手もオーケストラも最高水準 ♡♡♡


演出最悪(笑)


これだったら、以前の演出の方が

ずっと美しかったし(舞台も幻想的で)

衣装も綺麗だったし

(今回はシンプルな衣装の中で

 クリュテムネストラの衣装だけが派手だった)

筋ももっと解り易いように提示されていたのに。


エレクトラの演出ですごく良かったのは

ウィーン劇場の版で

これも血塗れの女性が出てくるのだが(ハダカではない)

舞台はシンプルなのに、すごく印象的だった。

あれ、またやらないかな・・・


とまれ、ハダカの女性が見られなくても

演出が、かなり酷くても

(最後にバレエ・ダンサーが大量に出てくるのも

 全然筋と合ってなくて、滑稽過ぎてワケわからん)

音楽的には最高の体験をさせてもらった。


あの素晴らしさはラジオの放送じゃわからんだろ。

わっはっは(同時にライブ・ストリーミングとラジオをやっていたのだ)


いや、たまにはオペラも行くべきかなぁ、と

ついつい思ってしまった私に

どうぞ1クリックをお恵み下さい。



・・・って言うか

これ以上、オペラに行く回数増やしたら

それでなくても財布の底が抜けているのに

破産一直線だろう・・・(冷汗)



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