国立オペラ座 椿姫

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    Wiener Staatsoper 2019年2月1日 19時30分〜22時

    Giuseppe Verdi
    LA TRAVIATA
    Melodramma in drei Akten
    Text von Francesco Maria Piave

    指揮 Marco Armiliato
    演出 Jean-François Sivadier
    舞台 Alexandre de Dardel
    衣装 Virgine Gervaise
    マスク Cécile Kretschmar
    照明 Philippe Berthomé
    振付 Boris Nebyla

    ヴィオレッタ・ヴァレリー Ekaterina Siurina
    フローラ・ベルヴォア Zoryana Kushpler
    アニーナ Donna Ellen
    アルフレード・ジェルモン Saimir Pirgu
    ジョルジョ・ジェルモン Ludovic Tézier
    ガストン Carlos Osuna
    ドゥフォール男爵 Sorin Coliban
    ドビニー侯爵 Clemens Unterreiner
    グランヴィル医師 Ayk Martirossian
    ジュゼッペ Dritan Luca
    使者 Hiro Ijichi
    フローラの召使い Roman Lauder
    助手 Christoph Nechvatal

    「オペラ行かない?」のお誘いに乗って
    いつも売り切れの、かの名作オペラ「椿姫」に行って来た。

    実はこの新演出、興味があったんですよ。
    2011年のシーズン開幕に
    ナタリ・デッセイ出演という事で
    本当にナタリ・デッセイ用に作られた演出だったらしい。

    デッセイは2011年の新シーズン開幕に7回出演して
    その後はウィーンのオペラには出演していない。

    というわけで
    ナタリ・デッセイのための演出を
    ナタリ・デッセイが歌ったトレイラーがあるので
    どうぞご覧下さいませ。



    青を基調にした、倉庫のような舞台で
    舞台装置はほとんどなし。
    衣装も、最初のヴィオレッタの衣装だけ
    青でペチコートが赤という衣装だが
    男性歌手の衣装は普通の背広でコートだし
    バロック風の椅子とかもなくて(倉庫の椅子はある)
    華やかな1850年代の貴族社会+娼婦の妖しげなエロスの世界とは
    舞台装置も衣装も、かなり程遠いところにある。

    かてて加えて、バレエ・ファンであれば
    椿姫と言えば、ジョン・ノイマイヤーか
    あるいは、こちらの絵柄が頭にデフォとして入っているわけで・・・
    ⇩ 1分7秒のところからご覧下さい。
    (音楽はリストだけど、ストーリーは椿姫)



    そりゃ、ヴェルディの「椿姫」と言えば
    クラシック・ファンとかじゃなくても
    音楽はむちゃくちゃ有名だし、アリアはみんな知ってるし
    もちろんストーリーも有名。

    デッセイの回の後、様々な歌手と指揮者が取っ替え引っ替え上演して
    今回で61回目の上演になるけれど

    これだけ舞台が簡素だと
    あとは、音楽の素晴らしさと
    出演者の魅力でしか見せられない。

    バレエじゃないから、オペラだから
    見た目よりは声が出る方が優先されるのは、よ〜くわかる。

    しかも私の歌の先生が言っていたが
    このヴィオレッタの役は
    最初のスープレットと、後半のドラマチックを
    1人の歌手が歌わねばならないため
    ものすご〜〜〜〜〜〜い才能と、自由自在な声と
    むちゃくちゃ体力が必要な役のナンバー・ワンなのだそうで

    あ〜、はい、もう、言いたい事は察して下さい。

    序曲の時から
    下手(しもて)にヴィオレッタが召使いと座り
    上手(かみて)にアルフレッドが立っている。

    あ〜、ヴィオレッタのソプラノ
    あれだけエラ張っていて、顔がむちゃくちゃ大きくて
    しかも顔が首と肩にめり込んでいるスタイルって
    声の共鳴には良いんだろうなあ・・・羨ましい。

    なのに、最初のアリアであんまり声が飛んで来ない。
    一瞬、席が悪いのか
    歳のせいで耳が遠くなったのか・・・

    アルフレードも、ヴィオレッタを熱烈に恋する青年というよりは
    妖しげな趣味(ナントカ専)の中年にしか(あっ、すみませんっ汗)

    主人公2人とも、ともかく、頑張ってはいる。
    ものすご〜〜〜く頑張ってる。
    必死に声を張り上げているのがわかるし
    後半のドラマチック部分は、かなり良い感じになっていて

    まぁ、時々あるような
    お母さんと息子のラブシーンとか言う
    気恥ずかしい絵にはなっていなかった。
    (ちょっと妖しげなカップルではあったが)

    だけど、ワタシ、公衆の面前でのラブラブ行為には
    非常な偏見を持っているので
    (心理的に言えば、本当は自分がやりたい!)
    なんかもう、あちこちでガバッと抱きついたりキスしたりって
    恥ずかしくて見ていられない。
    (これが、私がオペラを苦手とする大きな要因である。
     バレエは良いの。出てくるダンサーたちがあまりに美しいので
     現実の世界とは思えないから(笑))

    唯一、ピカッと輝いていたのがお父さんジェルモンで
    堂々とした上品なマント姿で
    (しかもよく見ればそんなに歳取ってなくてハンサム ♡)
    何とも滑らかで美しくて
    切々と語りかけるジェルモン・・・

    うわあああ、この歌手だけ、格が違うわ・・・
    と思ってキャスト表見たらリュドヴィク・テジエであった。
    多少、体躯がたっぷり目になったけれど
    声は飛んでくるし、美しいし、優しくてジェルモンお父さんばっちりだった。

    実はオーケストラが非常に良かったので驚いた。
    (いや、驚いてはいけない、天下のウィーン・フィルである(汗))
    いつもバレエしか観ていないので
    オペラになると、こんな繊細な美しい音を出すのかこの人たちは
    ・・・大変に失礼な発言ではあるが、どうぞお許し下さい。
    オーケストラの音だけ聴いていても良かったかもしれない。

    途中に出てくる短いバレエのシーン。
    男性バレエ・ダンサー3人だったのだが
    主役級を踊ったダンサーは
    フォルクス・オーパー所属のサムエル君ではないか。
    (なんでそんなところだけ見てるんだ、ワタシは)

    最後のヴィオレッタの死のシーン
    ご存知、ここだけ「セリフ」が入るのだが
    (これ、大変だと思うぞ。歌声の時の声帯の位置から
     話し声の位置に戻すって至難の技。
     セリフはほとんど聞こえなかった(けれど、それは理解できる))
    そのまま、ルルベで立って、ソプラノが舞台の前の方に移動して来て

    一瞬、私は
    あ、これって、ヴィオレッタが突然元気になって
    そのまま生きてアルフレードとハッピー・エンドか

    ・・・と妄想してしまいました。
    (ソプラノ女史、なかなかご立派な体型ですし)

    舞台の前の方でルルベから美しく(これは見事)
    舞台の上に倒れこんで照明が落ちて幕。
    ちっ、ハッピー・エンドじゃなかったのか。
    (そういう演出、あっても良いような気がするが
     それやったら、ただのパロディになってしまふ・・・)

    観客のマナーに関しては
    ちょっと色々と言いたい事はあるんだけど
    あまり悪口を書くと
    自分の品性が疑われてしまうので止めておく。
    できれば上演中のお喋りとイビキは避けて欲しいとは思う(笑)

    椿姫と言えば、やっぱり音楽は素晴らしいので
    ああいう、骨格だけ、みたいな舞台装置と衣装は
    ちょっと残念ではある(しかも舞台暗いし)

    でも、良き友人と
    情け容赦なく歌手のコキおろしをしながら
    鑑賞した椿姫、非常に楽しかった。
    こういう機会がないと
    なかなかこう言う演目に行かないし・・・

    むちゃくちゃ現代演出にしてしまうのだったら
    フォルクス・オーパーでやっていた
    ピエロ・バージョンがむちゃくちゃ良くて
    (最後に抱き合って歌うシーンが抱き合わない)
    あれは、できればもう一度観てみたいものだ、と
    本気で思った私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    アンドレア・シェニエ

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      Wiener Staatsoper 2019年1月6日 19時〜21時50分

      Umberto Giordano
      ANDREA CHÉNIER
      Dramma istorico in vier Akten
      Text von Luigi Illica
      指揮 Frédéric Chaslin
      演出 Otto Schenk
      舞台 Rolf Glittenberg
      衣装 Milena Canonero

      Andrea Chénier : Gregory Kunde*
      Carlo Géraud : Luca Salsi*
      Maddalena di Coigny : Tatiana Serjan*
      Bersi : Virginie Verrez*
      Gräfin di Coigny : Lydia Rathkolb*
      Madelon : Zoryana Kushpler
      Roucher : Boaz Daniel
      Pietro Fléville : Igor Onishchenko*
      Fouquier Tinville : Alexandru Moisiuc
      Mathieu : Wolfgang Bankl
      Der Abbé : Benedikt Kobel
      Ein „Incroyable“ : Thomas Ebenstein
      Ein Haushofmeister : Markus Pelz
      Dumas : Markus Pelz
      Schmidt : Markus Pelz

      Orchester der Wiener Staatsoper
      Chor der Wiener Staatsoper
      Bühnenchor der Wiener Staatsoper
      Opernschule der Wiener Staatsoper
      Komparserie der Wiener Staatsoper

      何でまた新年早々からイタリア・オペラを観に行ったかと言うと
      特別25%割引・・・というのに釣られた(だけ)

      オペラだと、ロジェの後ろの音響が最悪なので
      ギャラリー(天井桟敷)に逃げるのだが
      更にそこで舞台がそこそこ見える席で
      割引有効で32ユーロなら
      まぁ、普段見ないイタリア・オペラも時々は良いかも・・・

      ・・・・しまった。
      これ、ヴェリズモ・オペラであった(←ものすご〜〜〜く苦手)

      有名なオペラだし
      オペラ座のスタンダード・ナンバーで
      今日で112回目の公演なので
      プログラムも昔のフォーマットでコンパクトで
      いつもの大判プログラムより1ユーロ安い。
      (まぁ、バラの騎士とかよりはプログラムは新しい、念の為)

      キャスト表みたら
      何ですか、この星*の数は!!!
      (*はその役の国立オペラ座でのデビューである)
      主要人物が全員、今日が初舞台ですか。

      で、初舞台なのに全員、中年(あるいはそれ以降)???!!!

      普段、バレエの舞台で
      若くてピチピチの見た目良き男女の美しい動きを堪能しているので

      あ〜、はい、すみません、それ以上は言いません。
      オペラとバレエでは、その性格が違うのだから
      舞台に中年の恰幅の良い男女が登場するのがオペラである(たぶん)

      舞台そのものは、ほとんど装置がなくて
      小物(と言っても荷馬車とか机とかソファ)と
      後ろの幕の変化で対処。

      登場人物がえらく多い。

      最初のパーティのシーンの前の
      ジェラルドの独白(アリアとも言うらしい)で
      うわ〜〜〜、すごい声量。

      バリトンの深い見事な声が
      天井桟敷にバンバン飛んで来て
      自分の身分に対しての恨み辛みのグチグチが
      情熱的に、劇的に、激情的に、熱苦しく
      すごいエネルギーで歌われる。
      (すみません、もうここで、ワタクシ、疲れ始めている有様で・・・)

      パーティの場面の登場人物が異様に多く
      全員が、パリの革命直前の貴族の衣装をお召しになっていて
      あ〜、舞台装置に使う予算を
      衣装に使い切ったな・・・(邪推です、邪推)

      演出はオットー・シェンクなので
      非常に伝統的で、奇を衒ったところや
      ヘンな読み替えは一切ない。

      伝統的演出に基づいて
      歌手のアリアは、しっかり仁王立ちで
      教科書通りの姿勢で
      手を広げて歌う。

      マッダレーナが、やっぱり恰幅の良いおばさまで
      まぁ、スタイルと年はともかくとして
      低音が暗い・・・
      もしかしたら、これはロシア人か、と思ったら大当たりだった。

      ネトレプコもそうだけど
      何故にロシア人ソプラノの低音って暗いんだろう・・・と
      予々不思議に思っていたのだが
      私の歌の先生の話では
      もともとスラブ系言語の発音がそういうものだとか(ほんとか?)
      ↑例証がないので本当かどうかは不明。

      アンドレア・シェニエ役が
      また恰幅のよいおじさんで
      あ〜、もう、出てくる人物が
      みんな恰幅が良い。

      最後の方でアンドレア・シェニエとマッダレーナが
      ガバッと抱きつくシーン(何回もある)など
      遠目に見ても、肉と肉がぶつかり合っての大迫力。

      すみません、イタリア・オペラをバカにしているわけでも
      優秀な歌手の方を貶めているわけでもございません。
      お許しくださいまし・・・

      30分後(1幕後)で休憩1回。
      第2幕はシェニエとルーシェの密会で
      シェニエが
      「知らない女性が僕に手紙をくれる。
       私はやっと愛を知ったのだ。」とか歌い出すのだが
      どうも、そこらへんがよくわからん。

      ラブレターもらって恋に陥ちるって
      これは平安時代の話なのか?(激しい勘違い)

      その手紙の作者マッダレーナと会って
      突然激しい恋の炎に捉えられる2人

      ・・・ここらへんから、もう私にはワケわからん展開になる。

      恰幅が良い男性2人が剣を振るって
      ジェラールが倒れるところなんかは
      かなり巧く演技していて
      やっぱりオペラ歌手だなぁ・・・と
      ヘンなところに感銘を受けたが。

      ここでまた休憩
      (休憩2回だから、第3幕と第4幕は続けて演奏する)

      ジェラールのアジ演説で
      給料とか宝石とか、なけなしの金を出す市井の女性たちと
      息子を戦争で失って、最後の息子を
      「若いけれど立派に死ねます」と差し出す母親。
      う〜っ、これは戦時中を思い起こさせる。
      ヴェリズモ・オペラだから、リアルなのだ、きっと。
      詩人と貴族の娘のワケわからん恋愛はあまりリアルに見えないのに
      こういうところだけ、ヘンにリアル。

      ジェラールの苦悶のアリア。
      この演目、アリアというか、ソロが多いな。
      アリアというには、あまり完美なメロディとかはなくて
      まるでバラードを聴いているような気分だが。

      現れたマッダレーナに
      憧れていた、と告白するジェラール。

      マッダレーナが、もう私は身体がボロボロで
      私の身を犠牲にしてシェニエを救えるのであれば
      どうぞご自由に、と言うのに対して

      「おお、何と崇高な愛!」と感激して
      シェニエを救うのに全力を尽くします、と誓うジェラール。

      もう半分死んでいるようなものです、と儚げに言うマッダレーナの
      たくましい体つき(あっ、すみません!)

      このロシアのソプラノ、最初は太い暗い声でビックリしたけれど
      ここら辺の「儚げ」な声は、消え入りそうな細いソプラノ。
      うはははは、これは意外に聴かせるじゃないの。

      最終シーンでは
      シェニエのアリアが聴かせどころの上に
      マッダレーナが、自分が死刑囚の身代わりになると言って
      2人で高音張り上げて(張り合ってる(笑))
      愛は勝つ・・・みたいな長々としたデュエット。

      ありがたい事に、死刑台への馬車に
      2人で意気揚々と(そうしか見えない)乗り込むところで終わるので
      死ぬ、死ぬ、死ぬ的な長いアリアがなくて助かった。

      2人でガバッと抱きついて
      愛のアリアを延々と歌うところはあったけれど
      2人とも、比較的中年っぽいし
      2人とも恰幅が良いので
      お母さんと息子とかにならずに
      割にカップルとしては絵になってたし
      高音の張り上げもすごかった。

      イタリア・オペラだから、というのではなくて
      やっぱりヴェリズモ・オペラって、苦手だわ。
      リアルかと思うと
      こんなのあり得ないだろ、という恋愛沙汰が入ってくるし
      ジェラールも、もうちょっと悪役に徹して
      スカルピアみたいになれば良いのに
      身体を差し出すマッダレーナにほだされてしまうし

      まぁ、他の男の命を救うために
      私を抱いて良いのよ、とか言われても萎える男性はいるかも。

      いやいやいや
      これ、オペラだから・・・

      でも、やっぱりオペラだったら
      私はヴェリズモじゃなくて
      夢の世界の方が良い(好みの問題です)

      ヴェルディもプッチーニも実は苦手なのだが
      (ヴェルディの場合はイタリア万歳もテンコ盛りだし)
      ベッリーニとかドニゼッティ
      ロッシーニも楽しくて好き・・・という事は
      やっぱりヴェリズモが苦手なんだわ、ワタシ。

      当分、ヴェリズモ・オペラは
      いくら傑作と言われようが
      避けておこう、と心から思った
      ゲイジュツのわからない私に
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      この演目、先シーズンはカウフマンが歌ったので
      チケットが取れなかったのだが
      今シーズンは何故かチケットがかなり余っている様子。
      恰幅の良いテノール氏、かなり声は飛んで来るし美声だし
      ジェラールの深いバスが(多少暑苦しいとは言え)私は気に入った。
      (でももう行きません、たぶん・・・(笑))

      ヨハネス・マリア・シュタウド Die Weiden

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        Wiener Staatsoper 2018年12月20日 19時〜22時

        DIE WEIDEN
        Johannes Maria Staud - Durs Grünbein
        Oper in sechs Bildern, vier Passagen, einem Prolog,
        einem Vorspiel und einem Zwischenspiel

        指揮 Ingo Metzmacher
        演出、ドラマツルギー、アドバイザー Andrea Moses, Thomas Wieck, Moritz Lobeck
        舞台 Jan Pappelbaum
        衣装 Kathrin Plath
        照明 Bernd Purkrabek
        ライブ・エレクトロニック SWR Experimentalstudio
        (Michael Acker, Sven Kestel, ビデオ Arian Andiel)

        レア Rachel Frenkel
        ペーター Tomasz Konieczny
        エドガー Thomas Ebenstein
        キティ Andrea Carroll
        テレビのレポーター Sylvie Rohrer
        クラッハマイヤー Udo Samel
        レアの母親 Monika Bohinec
        レアの父親 Jörg Schneider
        ペーターの母親 Donna Ellen
        ペーターの父親 Alexandru Moisiuc
        デマゴーグ・森の番人 Wolfgang Bankl
        フリッツィ Katrina Galka
        フランツィ Jeni Houser
        避難民 Vitan Bozinovski
        水死体 Selina Ströbele
        カメラマン Gregor Buchhaus
        舞台上のハルモニウム Thomas Lausmann

        Orchester der Wiener Staatsoper
        Chor der Wiener Staatsoper
        Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
        Komparserie der Wiener Staatsoper

        国立オペラ座の委嘱作品、ヨハネス・マリア・シュタウドの新作オペラ
        Die Weiden 訳せば「牧場」の
        最後の上演に何とか間に合って行って来た。

        プレミエ(初演)を観た同僚や
        その後に行った同僚が
        口を揃えて「微妙」と言っていた割には
        絶対に1回は観ておくべき、と強調していて
        それ以上になると、口を噤んでしまったのだが

        実際、鑑賞してみると
        ああ、うん、まぁ、確かに・・・(笑)

        リブレットは、牧場・・・というより
        この場合は河畔の沼地みたいなところだと思うのだが
        都会出身の女性と
        牧場ないしは沼地出身の男性のラブ・ストーリー(最後は破綻)に
        沼地出身の人たちの
        よそもの排斥主義とか
        デマゴーグによる排他的愛国心の煽りとか
        「故郷」概念に疑問を呈したり(これ、最近、流行なのかもしれない)
        異郷の人間との交流をどうするか、とか

        沼地で人間が鯉に変わっていく、という
        不条理劇を装いながら
        何故か、内容そのものは
        観ていて、ちょっと辟易するくらいに現実性を帯びている。

        デマゴーグ登場に加えて
        学識者の教授のスピーチ等を
        テレビ局が女性アナウンサーとカメラで追いかけたり
        その女性アナウンサーが
        沼地での川の氾濫のレポート中継とか

        人間が鯉に変わっていくという場面では
        舞台全員(コーラス)が鯉の仮面を被ったり
        人物の声がライブ・エレクトロニクスで水に溺れるようなエコーが入ったり

        非現実の世界と、現実世界が
        絶え間なく交流していくような感じで
        不条理劇というよりは
        現実批判をしようとすると
        あまりに直裁的になってしまうし
        かと言って、現実批判を風刺するのは難しいので
        不条理にしちゃえ、みたいな感じなのかなぁ。

        作曲家のシュタウドとリブレット作家の
        短いインタビューのクリップが国立オペラ座のサイトにあるが
        シュタウド曰く
        オペラだから、やっぱり次に何が起こるのか
        ワクワクしながら観るというのが正しい、というのには納得した。
        確かに、次に何が登場するのか
        さっぱりわからん。
        ついでにストーリーも全く意味不明だけど(笑)

        音楽はよく考えられていて面白い。
        多様なスタイル(スイング等もあり)を自由自在に使って
        飽きさせない。
        セリフもかなり多い。
        (出演者も歌手だけじゃなくて、俳優さんも居る。
         水死体役は最初から最後まで死体である(笑))

        場面転換の際に降りる幕に投影されるビデオが
        とても良く出来ていたと思う。
        (最初はたぶんニューヨークか何かの都会の景色が
         ズームされていくビデオで始まって
         「牧場」の場面になると、様々な川を下ったりする)

        バレエと違ってオペラの場合
        音響の関係上、私はロジェ(ボックス)は避けるのだが
        (ボックスはクソ高い1列目なら良いが、後ろは悲惨な音響)
        今回は・・・ううう、ロジェの一番安い席を買っておけば良かった。
        だって、途中で退場する人も多く
        休憩の後、ロジェみたら、空になってるロジェまであった・・・

        天井桟敷ギャラリー(それだって40ユーロ以上!)の席は
        舞台はだいたい見えるし
        音もはっきりくっきり飛んでくる。

        歌手陣はものすごく優秀。
        それぞれの存在感もバッチリある。
        ラブラブ・カップル(最後は両方とも破綻)が2組登場するのだが
        女性歌手も男性歌手も、それぞれの役柄をしっかり把握していたし
        脇役ながら、それぞれの父親・母親の歌と演技も巧い。
        (キャラクターが比較的、類型的なものだったけれど
         それだけに役柄の対比がしっかり見えた)

        やっぱり高い席はそれだけの事はある・・・

        ^^; いやいや、年の最後に贅沢に慣れてしまってどうする?
        と思いつつも
        最後の贅沢を満喫した(内容はともかくとして)私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        ナクソス島のアリアドネ

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          Wiener Staatsoper 2018年9月10日 19時30分〜22時

          ARIADNE AUF NAXOS
          Oper in einem Akt nebst einem Vorspiel
          Musik : Richard Strauss
          Text : Hugo von Hofmannsthal

          指揮 Patrick Lange
          演出 Sven-Eric Bechtolf
          舞台 Rolf Glittenberg
          衣装 Marianne Glittenberg
          照明 Jürgen Hoffmann

          プロローグの登場人物
          執事 Peter Matić
          音楽教師 Jochen Schmeckenbecher
          作曲家 Sophie Koch
          テノール Herbert Lippert
          兵士 Oleg Zalytskiy
          ダンス教師 Thomas Ebenstein
          カツラ職人 Won Cheol Song
          召使い Marcus Pelz
          ツェルビネッタ Hila Fahima
          プリマドンナ Adrianne Pieczonka
          ハーレキン Rafael Fingerlos
          スカラムーチョ Jinxu Xiahou
          トラファルディン Wolfgang Bankl
          ブリゲッラ Pavel Kolgatin

          オペラの登場人物
          アリアドネ Adrianna Pieczonka
          バッカス Herbert Lippert
          ナヤーデ Maria Nazarova
          ドリアーデ Svetlina Stoyanova
          エコー Olga Bezsmertna
          ツェルビネッタ Hila Fahima
          ハーレキン Rafael Fingerlos
          スカラムーチョ Jinxu Xiahou
          トラファルディン Wolfgang Bankl
          ブリゲッラ Pavel Kolgatin

          Orchester der Wiener Staatsoper

          シーズン開始になったら
          普段の私なら
          楽友協会の超貧民席にどっしり座って
          音の洪水に、心の中で歓喜の叫び声をあげながら
          溺れているところ・・・の筈なのだが

          何故か今シーズンはオペラ座のオペラで幕開けとなった(わはは)
          さして理由はないのだけれど
          というより、後で楽友協会でボストン来てるじゃん、と気がついた時には
          早々と(6月に!)アリアドネのチケットを買っていたのである。

          前置きが長いけれど
          バレエはお気に入りの席が、根性で早起きすれば
          かなりお得なお値段で入手できるのだが
          こと、オペラになると話が違ってくる・・・

          舞台が見えない席でも別に構わないのだが
          バレエで愛用の席は、音響がむちゃくちゃ悪くて
          オペラの時に、あの貧民席を買うと
          後で欲求不満の度合いが半端じゃないのは経験済み。

          たまたま、久し振りにアリアドネ観たいな〜とサイトに入った時に
          34ユーロで、舞台全部見えて、音響効果抜群そうな席があったのだ。
          (滅多に空いていない。ラッキーだった (^^)v)

          当初の予定では
          バッカスをステファン・グールド
          ツェルビネッタをダニエラ・ファリーが歌う予定だったのだが
          直前になってキャンセル情報が入り
          ヘルベルト・リッペルトとフィラ・ファヒマがジャンプ・イン。

          この演出のナクソス島のアリアドネ
          2012年にシュトゥットガルト版をザルツブルク音楽祭で観て
          その後、オペラ座で7回観てるわ・・・(あっはっはっは・・・f^_^;)
          よって、今回は8回目。オペラ座の上演回数は今日で25回目。

          演出も舞台もよく知っている・・・筈なんだけど
          実はこの演出、舞台上で見るところが多過ぎる。

          序幕で作曲家とツェルビネッタが恋仲になり
          オペラの後に舞台上で大々的にキッスして終わるのだが

          ナクソス島のアリアドネ上演の間中
          後ろの「観客席」で座っている俳優さんたちの動きが面白いのだ。

          演出上、最初のコメディ・デラルテのソネットは
          作曲家が書いた曲になっていて
          (作曲家が歌手に向かって指揮をしている)

          ツェルビネッタの歌も一部楽譜を渡して歌ってもらっているという
          オペラ・セリアとコメディの対立というよりは
          その2つが混合するというシーンをいくつか演出している。

          背景の俳優さんたち(プロローグの執事を含む)が
          後ろから歌手が登場すると驚いてひっくり返ったり

          ツェルビネッタを探している男性4人組に
          席から立って「お〜い、あっちだ、あっち、気がつかんのかいっ!」と
          方向を示したり(気がつかないので怒って座る)

          途中で召使いが飲み物を運んで来て
          美しい女性に囲まれた「ご主人」がレディに飲み物を渡して
          自分も取った後に
          執事が1杯飲み干して、ついでに2杯目も飲んでしまい
          召使いが呆れ返って戻る時に
          作曲家が「僕にも飲み物ちょうだい」とやって冷たく断られたり

          アリアドネが悲しみと嘆きを歌っている途中で
          居眠りしていたり

          ツェルビネッタの歌のエコーを(3人は後ろの席に座っている)
          最初は音楽教師が、よしよし、よくやったと後ろを振り返って褒めるのだが
          2回目になると「もう良い、うるさい、やり過ぎだ、止めろ」と怒り
          エコーがふてくされてしまったり

          ともかく本筋と全く関係のないところで
          むちゃくちゃ遊んでいる。

          だから、この演出は、舞台が見える席の方が楽しい。
          (というより、どこを観ていたら良いのか戸惑うかもしれないけれど)
          望むらくは舞台の奥まで見える席だが
          (ギャラリーだと高過ぎて完全に奥までは見えない)
          それは私のような貧民には高過ぎて手が出ない(自爆)

          さて演出についてはこの位にして
          この演目で執事と言ったら
          もうペーター・マティッチ以外に考えられないわ。
          当年81歳、まだまだお元気で声も通るし
          あの、イヤミたっぷりの鼻高々な執事のプロローグでの演技もさることながら
          オペラでの観客席での数々のコミカルな演技がたまらないです(笑)

          音楽教師役のシュメッケンベッヒャーは、何回か聴いた事があるが
          この人、本当に声量あるし
          ドイツ語がクリアで、執事との掛け合いが見事で
          (執事は語りだから、歌のドイツ語がクリアでないとヘンな事になる)
          演技は巧いし、音楽教師の役にぴったりで惚れそうになる。

          作曲家を歌ったソフィー・コッシュも何回か聴いた。
          この人も声量あって、見た目が美しく、男装の麗人という感じで
          作曲家の役にぴったり。
          惜しむらくは、ドイツ語があまりクリアじゃないんだけど
          それでも、以前よりは、ずっとドイツ語のディクテーションがはっきりして来た。
          スマートな身体で動きも軽やかなので
          若々しい新人の作曲家役に本当に合う。

          ダンス教師も割に良かったけれど
          もうちょっと愛される洒落っ気が欲しい。
          演出通りに、出入りする時にちょっと踊ったりしているんだけど
          その動きが「ダンス教師」には見えないぎこちなさで(笑)

          ツェルビネッタのファヒマはスタイル良いし美人だし
          2016年に同じくツェルビネッタを歌った時には
          ドイツ語がクリアで素晴らしい、と思ったけれど

          う〜ん、この歌手陣に入っちゃうと
          声量のなさが劇的に目立つ。

          コロラチューラだから別に驚くような声量はなくて良いんだけど
          36人のオーケストラにぼろ負けしてるし
          コメディ・デラルテの歌手と絡むと声が聴こえなくなる事がある。

          例のツェルビネッタのアリア
          2016年も下降音階のアジリタが不明確、と書いているが
          その弱点は克服されていない。
          (巧く誤魔化す技術は身についているからよしとしよう)
          音程は正確で、あれだけちゃんと歌えるというのは
          感嘆すべき事なのだろうが

          声に表情がなくて
          目一杯の感じが伝わって来て
          聴いていて、あまりに単調で疲れるんですよ。

          あ〜、すみません
          ワタクシ、ツェルビネッタはグルベローヴァで聴いていた世代ですから。

          今回の公演で、群を抜いて巧かったのは
          ピエツォンカのアリアドネ!!!!

          他の歌手のレベルから見たら(聴いたら)、一人だけ格が違うって感じ。
          最初のアリアドネのアリアからして
          全く無理していない発声で
          3人の妖精が声を目一杯張り上げていたのに対して
          余裕綽々の弱音が、オペラ座の隅々までクリアに響き渡る。

          ソプラノの声質なのに、ちゃんと低音も美しく響いて
          ドイツ語はあくまでもクリアで無理がなくて

          しかもその表現の豊かな事!!!!
          声の表情が多彩で
          絶望したアリアドネから、バッカスと出会っての変貌まで
          実にリアルに美しく歌い上げる。

          ソプラノ体型っぽくはあるんだけど(極端ではない)
          それでも舞台を動く身体の軽さは充分あるし
          プロローグの時の演技もとても巧かったし
          顔の表情も豊かで
          決して、ものすごい美人とは言えないのに
          ものすごく魅力的なアリアドネで(しかも見た目も・・・演技が巧い!)

          だいたいアリアドネのオペラ部分って
          ワーグナーのパロディっぽくて
          時々眠くなるんだけど
          今回の公演では、ピエツォンカのアリアドネがあまりに魅力的で
          眠くなるどころの騒ぎじゃなかった(何のこっちゃ?)

          リッペルトは何回もこの役を歌っていて
          確かにこのテノール、ワーグナーっぽいテノールで
          張り上げて張り上げて張り上げての連続で大変なので
          あれだけ、ちゃんと高音をあの声量で歌ってくれれば満足。
          (私が聴いた中ではヨハン・ボータがベストだった。
           ステファン・グールド、聴きたかったなぁ・・・)

          小編成オーケストラは
          ダナイローヴァとシュトイデ、ソロはシュトイデが奏でていた。
          途中でビオラのソロがあるんだけど
          これが鳥肌立つほどの美しさ・・・

          やっぱりリヒャルト・シュトラウスは
          オペラ座オーケストラは巧い。
          ちょっと鳥肌立つほどうまい。
          (バレエの時と何という違い・・・とは言いませんが←言ってるけど)

          いやしかし、ピエツォンカ、本当に素晴らしい。
          掛け値なく素晴らしい。
          アリアドネって役が、あんなに魅力的に見えるなんて・・・

          というわけで
          ゆっくりながら、やっとシーズン開始が嬉しい私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          大学は10月から始まるし
          もう歳だし、年金生活でお金ないし(苦笑)
          あまりめちゃくちゃナイト・ライフは入れないようにしているけれど
          それでもプログラム見ちゃうと後先考えずにチケット買っちゃうので
          連日連夜とは言わないけれど、それに近いものが(以下省略)

          カプリッチオ 国立オペラ座

          0
            Wiener Staatsoper 2018年5月20日 19時〜21時30分

            Richard Strauss
            CAPRICCIO
            Konversationsstück für Musik
            Text von Richard Strauss und Clemens Krauss

            指揮 Michael Boder
            演出・舞台・照明 Marco Arturo Marelli
            衣装 Dagmar Niefind
            振付 Lukas Gaudernak

            伯爵夫人 Anna Gabler
            伯爵 Morten Frank Larsen
            フラマン Michael Schade
            オリヴィエ Adrian Eröd
            ラ・ロッシュ Wolfgang Bankl
            クレロン Angelika Kirchschlager
            ムッシュ・トープ Peter Jelosits
            イタリアの女性歌手 Daniela Fally
            イタリアの男性歌手 Pavel Kolgatin
            若い女性ダンサー Natalie Salazar
            若い男性ダンサー Samuel Colombet
            執事 Marcus Pelz
            召使い Franz Gruber, Michael Wilder, Martin Müller, Hermann Thyringer
            Wataru Sano, Oleg Zalytskiy, Burkhard Höft, Jens Musger
            Orchester der Wiener Staatsoper
            Wiener Staatsballett
            トリオ バイオリン Daniel Froschauer チェロ Raphael Flieder
            チェンバロ Kristin Okerlund

            2日続けてのオペラ座でのオペラ鑑賞となったが
            私が40年以上愛し続ける(笑)オペラ、カプリッチオ。
            今シーズンも何回か上演されるのだが
            残念ながら、他のものと重なってしまって
            今回は今日の公演だけ。

            オペラ座の無料の雑誌の中で
            ミヒャエル・シャーデのインタビューがあったけれど
            そこで、この演出の初演が2008年で、10年前、と言うのを読んで

            ひええええええ
            確かに10年前だわ・・・

            このブログの前が消えてしまって記録がないのだが
            2008年10月2日に5回目を鑑賞していて
            全部数えると、今回が13回目。
            オペラ座での上演回数が今回で16回だから
            まぁ、ほとんど観て来た(皆勤賞ではないが(笑))事になる。

            キャストはほとんど変わっていない。
            オペラ座でのマドレーヌ役は、ずっとフレミングが歌って来て
            今シーズンはミュンヒェン出身のアンナ・ガーブラーに変わった。

            伯爵はマルクス・アイヒェが予定されていたのだが
            病気でのキャンセルで、モルテン・フランク・ラルセンがジャンプ・イン。
            (プログラムに別刷りの紙が入っていたので、本当に直前だったんだと思う)

            さて、マドレーヌ役だが
            う〜ん・・・・・・ (ーー;)

            いや、この役、ともかく難しいので
            一応、ドイツ語は比較的クリアに発音していて
            音程も合っている、というだけで
            満足すべきなのかもしれないけれど

            華がない・・・

            貴族の伯爵令嬢で
            しかも若い未亡人で
            作曲家と詩人に熱烈に片思いされている超美人
            ・・・という役柄なんだけど

            顔が怖くて、いつも睨まれているような感じ、というのはともかく
            声の艶が今一つなくて
            最後のモノローグ、いや、確かにものすごく大変なのはわかるけれど

            ほとんど息切れしていて
            1ワードごとに息継ぎしていたり、フレーズが切れたり
            マジメにドイツ語の完璧な発音を目指して
            一生懸命に歌っているのはわかる。
            わかるんだけど、それがあまりに真剣で余裕がなくて
            聴いていて
            うわああああ、頑張ってるな、というのがミエミエで
            ちょっと手に汗を握ってしまったりする。

            ジャンプ・インしたラルセンは
            ワタクシ的にイケメン・ナンバーワンの筈が
            何ですか、そのメイクは・・・というメイクで
            イケメンが完全に隠されてしまって
            ワケのわからんコミカルなおじさんになっていたのが
            実に残念(個人の好みですが)
            以前にも歌っていた事があるし
            コミカルな演技も
            クレロン口説きもなかなかキマっていて
            同時に、自分を色男と思っている
            徹底的にスベった貴族のカンチガイお坊ちゃまの感じは良く出ていた。

            シャーデとエロードは
            ずっと歌いこんで来た常連メンバーなので
            まぁ、この2人は、現時点では最高のフラマンとオリヴィエだろう。

            キルヒシュラーガーのクレロンも
            ツンケンのプライドの高さと
            伯爵を手玉に取ろうとするズル賢さと
            色気たっぷりの、実にイヤな女優を演じていて
            この歌手も、10年経っても、全然変わらんな(笑)

            ただ、今回、何がビックリして感激したかと言って

            バンクルが歌ったラ・ロッシュ!!!!!!

            もともとバンクルの声量って、ものすごいものがあって
            他を圧倒するのだけれど

            10年前にバンクルのラ・ロッシュを聴いた時には
            まだ声が若くて
            老練な劇場支配人の貫禄に追いついていなかったのが

            今回は、ラ・ロッシュそのもの!!!
            理想的なラ・ロッシュって、これじゃないか、という位
            全体の中で圧倒的な存在感。

            私の大好きなラ・ロッシュの
            ものすごく長いモノローグの見事さと言ったら
            ソプラノ歌手でなくても感激して泣きたくなる程で

            いやもう、こんなラ・ロッシュを舞台で聴けるなんて
            ああああ、生きてて良かった・・・(感涙)

            10年待って声が熟した感じ。
            圧倒的な声量に加えて、ラ・ロッシュの老獪さが滲み出ていて
            あ〜、ラ・ロッシュ、本当に好き!!! ♡
            若造の作曲家や詩人なんか、束になっても
            この魅力にはかなわないわ(偏見)

            間奏曲のホルンのソロも抜群。
            最後のホルンのソロも抜群。

            もちろん最初の室内楽部分も妙なる美しさ。
            舞台上のトリオも実に素晴らしい。

            同時にミヒャエル・ボーダーの指揮がものすごく巧かった。
            この作品、8重唱とか
            イタリア歌手のアリアの後に
            被せて始まるというものすごく難しい部分とか
            気を抜いていてちょっとでもズレると
            完璧に音楽崩壊になる恐ろしい作品なのだが

            ズレそうになっても
            慌てず騒がず、巧くオーケストラを操ったのは大したものだ。

            伯爵令嬢マドレーヌに色気がなかったのは残念だが
            (その意味では、フレミングはドイツ語は酷かったけれど
             貴族令嬢、しかも若い未亡人という雰囲気と
             ムンムンする色気はあった)
            キャストはしっかりしているし
            音楽的にもしっかりまとまっていて
            久し振りのカプリッチオ、堪能した。

            2時間30分休憩なしというのは
            トイレの近い女性(特に私みたいな年配女性)には
            ちょっと辛いんだけど

            ラ・ロッシュが圧倒的だし
            (退場時のウンチクと、退場のシーンの演出がニクい程、キマっている。
             大昔に一度だけ装置が動かなかった事はあったけれど
             今日はタイミングまでバッチリだった)
            オーケストラ、こういう曲だと張り切って
            艶っぽい音色でバッチリ聴かせてくれるし
            主要歌手はドイツ語もクリアで
            聴いていて、本当に楽しい。

            字幕は日本語もあって
            まぁ、8重唱の時は字幕に全部出すのは無理だけど
            (ドイツ語だって一部しか出てない)
            ちゃんとストーリーもわかる、という話なので
            このインテリな、オペラを廻るメタフィジカルなオペラ
            絶対にオススメ。

            難しいと思われる演出も
            舞台も実に巧く作ってあるので
            時間さえ合えば、何回でも観たいのだが

            5月24日も27日も
            夜は別の予定が入っているし

            来シーズンはカプリッチオの上演はないので
            また、当分の間、観られないと思うと
            ものすごく残念なような
            もうこれ以上観なくても良いだろう、と思う気持ちと
            複雑に絡み合っている私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            ドン・パスクワーレ

            0
              Wiener Staatsoper 2018年5月19日 19時30分〜22時

              Gaetano Donizetti
              DON PASQUALE
              Dramma buffo in drei Akten
              Text von Giovanni Ruffini und Gaetano Donizetti

              指揮 Frédéric Chaslin
              演出 Irina Brook
              舞台 Noëlle Ginefri-Corbel
              衣装 Sylvie Martin-Hyszka
              照明 Arnaud Jung
              振付 Martin Buczko

              ドン・パスクワーレ Roberto De Candia
              エルネスト Antonio Siragusa
              マラテスタ Adam Plachetka
              ノリーナ Danielle de Niese
              公証人 Wolfram Igor Derntl
              バトラー Eduard Wesener, Tobias Huemer
              家政婦 Waltraud Barton

              Orchester der Wiener Staatsoper
              Chor der Wiener Staatsoper
              Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
              トランペット Gerhard Berndl

              滅多にオペラには行かない私だが
              友人もウィーンに来た事だし
              ドン・パスクワーレなら愉快な筈だし
              舞台半分見えないけれど、まぁ、それ程高くない席もあったので
              久し振りにバレエ以外の演目でオペラ座に行った。

              オーケストラ・ピットを見たら
              管楽器が、いつもと反対側の上手(かみて)に居て
              安い席なので、下手(しもて)は見えないが
              どうも下手(しもて)には弦楽器があったらしい。

              さてドニゼッティのドン・パスクワーレ。
              序曲の時から舞台は開いていて
              舞台上にはバーのレイアウト。

              ドン・パスクワーレのロベルト・ディ・カンディアは
              日本でも歌っているようだ。
              プロフィールの写真に載っているよりも
              若々しくて
              (いや、本当はあの役、70歳だから若くてはいけないのだが)
              コミカルな演技がとても巧い。

              バリトンの声はよく通って
              あまり低めではないので
              本来はこういう年寄り役向きではないのかもしれないが
              さりげない演技が巧くて、よく役にハマっていた。

              ノリーナのダニエル・デ・ニース
              オーストラリア出身のエキゾチックな容姿のソプラノ歌手。

              まぁ、この人が魅力的 ♡
              コロコロ変わる表情と、軽い動きとフットワークで
              修道院出の清らかな乙女が
              悪女に豹変するのが、これまたキュート。

              悪妻になったノリーナの後半部分は
              舞台装置は変わっていないのだが
              椅子や床や、バーのカウンターの上の置物とか
              全部、ショッキング・ピンクになっている。

              バーカウンターのショッキング・ピンクの馬の置物、可愛い(笑)
              いったい何処で、ああいう悪趣味な・・・
              いや、ちょっと変わった小物を見つけてくるんだろ。

              エルネスト役のシラグーサも、ちゃんと声は出ているし
              高音が一部弱いところはあっても
              見た目もイケメンだし、役に合ってるし
              演技も出来るし、ちゃんと声も出ていて素晴らしい。

              まぁ、こういう演目だから
              演出が極端にコミカルで
              類型的に漫画っぽくて
              良い意味でも悪い意味でも
              場末の芝居小屋・・・みたいな安っぽい感じがするのは否めないが

              でもこのドン・パスクワーレって
              そこまで極端に芝居小屋っぽい演出にしないと
              ストーリーがあまりに残酷すぎるというのはある。
              (70歳老人に詐欺を働く話だからな・・・)

              でもイタリア語の早口言葉の応酬みたいな
              楽しいデュエットもあったし
              ドニゼッティってやっぱり面白い。

              たまに、こういうオペラ・ブッフォを観に行くのも
              悪くないな、と思っている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              チェネレントラ 国立オペラ座

              0
                Wiener Staatsoper 2018年2月16日 19時〜22時15分

                LA CENERENTOLA
                Dramma Giocoso in zwei Akten
                Musik von Gioachino Rossini
                Text Jacobo Ferretti

                指揮 Jean-Christophe Spinosi
                演出 Sven-Eric Bechtolf
                舞台 Rolf Glittenberg
                衣装 Marianne Glittenberg
                照明 Jürgen Hoffmann

                ラミーロ王子 Maxim Mironov
                ダンディーニ Alesso Arduini
                ドン・マニフィコ Paolo Rumetz
                アンジェリーナ(チェレネントラ) Isabel Leonard*
                クロリンダ Ileana Tonca*
                ティスペ Margaret Plummer*
                アリドーロ Luca Pisaroni*

                Orchester der Wiener Staatsoper
                Chor der Wiener Staatsoper
                Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

                滅多にオペラには行かない私だが
                先日のシャイーとミラノ・スカラ座フィルハーモニーの
                コンサートの後で
                めちゃくちゃロッシーニとか聴きたくなったら

                私の友人から

                2月にチェレネントラでピサローニが歌いますよ

                ・・・という悪魔の囁き(笑)

                一般発売は既に始まってしまった後で
                私の手が出る価格帯のチケットなんか残ってないだろうと
                試しにサイトを見てみたら

                キャンセルチケット(手数料2ユーロ加算)で1枚だけ
                ミドル・クラスの価格帯のチケットがあって

                あ〜、これは神さまが私に恵んで下さったチャンスかも
                (ただの贅沢の言い訳)

                2015年に既に鑑賞している演出だから
                舞台見えない席でも良かったのだが
                そういう貧民席は空いていなかったのである。

                オペラ座の貧民席も
                バレエなら、ここ!という決定版があるのだけれど
                バレエ決定版の超貧民席は、実は音響は最悪。
                よって、オペラに行く時には、その席は絶対に避けるべし。

                という事で贅沢決定 (^^)v
                舞台も見えるし、音は良いし、いやもう楽しい楽しい。

                2015年と指揮者もキャストも総替え。
                後でキャスト表を見たら
                何と、あのスピノジが指揮台に立っていた。

                いや〜、歌手は揃ってるし音楽はゴキゲンだし
                演出も面白いし、文句なく楽しいオペラ。

                ラミーロ王子のミロノフが意外に良くてビックリ。
                細め体型だから、メガネ男子がばっちり合っていて
                無理のない高音が非常に良く通る。
                声量はそんなにないけれど、あそこまで高音を出してくれたら大満足。
                しかも身体が軽いだけに、動きも美しいし演技も巧い。

                タイトル・ロールのイザベル・レナードが、これまた抜群。
                地味な役柄だけど、時々、むちゃ弾けてキュート。
                素晴らしいスタイルで、舞台上での動きも美しい。

                ラミーロ役のミロノフとの姿のバランスが良くて
                本当に一目惚れカップル(=地味同士(笑))に見える。

                今回、ウィーンのオペラ座での役デビューになるピサローニ。
                脇役ではあるのだが
                うううう、何て存在感があって絵になる歌手なんだ。

                出てくるだけで、そこにオーラが輝いている。
                しかも、あの美声・・・(うっとり)

                だいたい、あの、絨毯をそのまま背広にしました、みたいな
                すごい洋服を、あんなにカッコよく着こなすなんて
                この人、モデルの才能もあるんじゃないだろうか。

                歌うシーンが少なくて、かなり残念なんだけど
                あの姿で歌い出すと、まぁ、何と魅力的 ♡

                歌詞の訳は、ばっちり日本語で出てくるので
                何を歌っているのかその場でわかるから
                ストーリーも自然に入って来て
                オペラの楽しみってこれなんだなぁ、とつくづく思う。

                ところでこの演出
                車会社の社長御曹司の話にはなっているけれど

                「あの女性を絶対に探すんだ」というアリアで
                後ろに地図が広げられて
                それが行ったり来たり回転したりするのだが

                オペラ・グラスで、その地図をよく見ると

                あれ?

                もちろんイタリア語なので私にはわからないが(教養ゼロ)
                「ボンゴレの海」とか「ニンニク島」とか書いてある・・・
                で、そんなイタリア語の中に
                唐突に「ジャズ・カフェ」とかあるのはいったい何?

                キャストは全く違うけれど
                どういう演出か、ちょっと見たい、と思われる方がいらっしゃれば
                国立オペラ座のクリップを是非どうぞ。



                久し振りのオペラもなかなか楽しいじゃないか
                と思いつつ
                オペラまでハマったら
                生存率が急激に下がる。
                (だいたい引退してから、
                 オフィスに1日中居て一銭も使わないのと違って
                 日中外出していると時間潰しにコーヒーハウスとか
                 ともかく、むちゃくちゃ費用がかかるのだ。やれやれ)

                でもやっぱりコミカルなオペラ
                しかもラブストーリーで
                それが絵としても成立する舞台って良いよね〜と
                感激している私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                オペラ座舞踏会オープニング最終リハーサル

                0
                  Wiener Staatsoper 2018年2月7日 19時〜21時

                  Generalprobe Wiener Opernball 2018

                  記事が全くなくて
                  ワタクシが倒れているか
                  あまりに大学の試験の成績が悪くて
                  落ち込んでいるのではないか、と心配して下さる方が
                  いるのかどうかは別として(笑)

                  今週は旧エネルギー週間で、学校が一斉に休み。
                  以前のエネルギー危機だった頃に
                  学校の暖房を節約しましょう、というので1週間の休みを作ったら
                  その後も、そのまま学期休みになってしまったという週。

                  学校が休みなので
                  オーケストラのメンバーも家族持ちだったら
                  みんな子供とスキーに行っちゃうので
                  コンサートがほとんどないのである!!!(超怒)

                  夜のスケジュールが全くないので
                  今週、一時帰国しちゃおうかしら・・・と考えていたら
                  母親から「こんな寒い時に帰って来なくても」とか言われてしまい
                  ついでにお金もないので止めた。
                  (引退してからどんどんお金が出て行く・・・(涙))

                  だいたい、現代は、書籍は電子書籍で買えてしまう。
                  今までは一時帰国の間に200冊とか平気で買っていったんだけど
                  (もちろん宅急便で送った・・・ものすごい費用がかかったわ)
                  電子書籍で買えてしまうものについては
                  紙の書籍は不要だし
                  考えてみたら、日本に一時帰国する理由がなくなってしまったのだ。
                  ・・・すみません、非国民で f^_^;

                  前置きが長くて申し訳ない。

                  唯一、この週に予定していたのが
                  オペラ座舞踏会の最終リハーサル見学。
                  もちろんチケットは必要だが
                  昨年引退してから入会したバレエ・クラブで申し込みが出来るのだ。

                  大昔にチケット・オフィスで買って行った時には
                  ギャラリーの席で、舞台の部分は見えても
                  平土間で何しているか、さっぱりわからなかった記憶がある。

                  バレエ・クラブの席は
                  何と、ロジェである。きゃ〜〜〜〜っ \(^o^)/
                  安い席(でも30ユーロ!)だったので後ろの方だが
                  立てば見える。私はそれで充分に満足。

                  19時から、ダラダラと始まったリハーサル。
                  最初はデビュッタントの行進と
                  最後のデビュッタントの集団ダンスのリハーサル。

                  このオペラ座のデビュッタントというのは
                  確か18歳〜23歳だか24歳だかの年齢制限があって
                  人数が多いので、左回りワルツのオーディションで良い成績を収めれば
                  デビュッタントに入る事も出来るが

                  最初に出てくるのは、各界の名士たちの娘・息子である。
                  オペラ座舞踏会のテレビ中継を見ていると
                  アナウンサーが、ちゃんと、1列目のどこどこに
                  政治家ダレダレのご子息が、とか
                  貴族の家系のご令嬢とか、大企業の社長の子供とか
                  事細かに説明してくれる(私には興味はない)

                  もちろん、舞踏会の本番ではないので
                  服装は、男性は黒っぽい背広上下
                  女性は白いブラウスに黒のスカート。
                  本番の際は、男性は燕尾服に蝶ネクタイ
                  女性は白いロング・ドレスで、頭にお揃いのティアラが付く。

                  それでも、あれだけの人数が揃って
                  横向いたり、回転したり、しゃがんだり手を上げたり
                  身体の方向を変えたりすると、壮観だ。

                  その後は、最終リハーサルに入り
                  また、デビュッタントの行進、そして両脇に整列。

                  そして・・・

                  これがお目当!!!!というバレエ・シーン。
                  今年の振付はエノ(ペチ)が担当していて
                  最初のバレエ学校のバレエ・ダンサーの卵たちの踊りは
                  女性が男性のお尻を蹴ったりして、かなりユーモラス。

                  その後は、国立バレエ団のダンサーによるシーン。

                  ああああああっ!!!!
                  最初に出て来たのは
                  産休から戻ったオルガさま!!!!! ⭐⭐⭐

                  オルガとローマン
                  もう一組のカップルは、マーシャ(マリア)とヤコブ。

                  ・・・ヤコブは今シーズンでプリンシパルになるな、きっと。

                  アリーチェやニキーシャ、ナターシャも居るし
                  期待の新星マディソンもフランチェスコと組んでいる。

                  ああああああ、でも、オルガさまだ、オルガさま!!!
                  私はまだオルガさまが10代の頃から追い掛けているし
                  途中で同じくオルガさまのファンになった友人は
                  残念ながら若くして、重病であっという間に天に召されてしまったし
                  ともかく、オルガさまに関しての思い入れというのは
                  中途半端じゃないの(きっぱり)

                  やっと戻って来て下さったのね 😂

                  しっかり見えるので
                  他のダンサーも見ようとは思うのだが
                  オルガさまに視線が釘付けになってしまう。

                  バレエの後は
                  テノール歌手、パヴォル・ブレスリックと
                  ソプラノのダニエラ・ファリーの歌。

                  両方ともマイク付けてるし
                  この2人でメリー・ウィドウとか聴いても
                  別に何?という感じだし
                  ロジェの他の人たちは、歌っている時も
                  大声で息子だの孫だのの話をしているし(苦笑)

                  最後にデビュッタントたちが
                  リハーサルでやった壮観なグループのライン・ダンスをして
                  (あれをライン・ダンスとは言わないだろうが
                   まぁ、揃って色々とやるものと思って下さい)
                  左回りのワルツ、続けて「美しき青きドナウ」のワルツ。

                  時々、既に疲れまくって
                  端っこで踊っていないカップルもいるけど(笑)
                  上手い男性は、左回り・右回りを絶妙に取り入れて
                  見事に女性をリードしながら踊っているケースもある。

                  そんなこんなで、21時まで
                  それなりの雰囲気(会場には既に花飾り等は準備されている)を
                  楽しませてもらった。

                  どのシーンでも写真やビデオを撮っている人が多かったけれど
                  ワタクシは写真もビデオも嫌いだし
                  第一、肖像権侵害だろう、と思っているので
                  写真その他はございません。どうぞ悪しからず。

                  来週から、また、ほとんど毎日コンサートの生活が再開するので
                  どうぞお見捨てなく
                  ・・・と言い訳している私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  いや先週はマイスキーとジャニーヌ・ヤンセンのコンサートも行ったんだけど
                  試験(しかもこれは本当にむずかった)の後で
                  ぐったり疲れて、コンサートの間熟睡していたので
                  何の記録も残せなかったの。ごめんなさい。
                  (ついでだが、その試験の結果はまだ出ていない)

                  舞踏会はウィーンの冬の風物詩で
                  ドレスとお金があって
                  パートナーがいれば
                  素晴らしい体験になる。
                  (若い頃は元カレとよく行った)
                  今や、その3点セットとは全く関係ない人生になってしまったので
                  舞踏会からも縁遠くなっちゃった・・・残念と言えば、すごく残念。


                  国立オペラ座「連隊の娘」ドニゼッティ

                  0
                    Wiener Staatsoper 2018年1月16日 19時〜21時45分

                    Gaetano Donizetti
                    LA FILLE DU RÉGIMENT
                    Opéra comique in zwei Akten
                    Text von Jules Henri Vernoy und Alfred Bayard

                    指揮 Evelino Pidò
                    演出・衣装 Laurent Pelly
                    舞台 Chantal Thomas
                    照明 Joel Adam
                    振付 Laura Scoyyi

                    マリー Sabine Devieilhe
                    トニオ John Tessier
                    ベルケンフィールト侯爵夫人 Donna Ellen
                    シュルピス Carlos Álvarez
                    オルタンシウス Marcus Pelz
                    伍長 Konrad Huber
                    クラッケントルプ公爵夫人 Marjana Lipovšek
                    農民 Dritan Luca
                    公証人 François Roesti

                    Orchester der Wiener Staatsoper
                    Chor der Wiener Staatsoper
                    Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

                    ドニゼッティの「連隊の娘」
                    ・・・って、普通、私が好んでいくオペラではないのに
                    今回、何故、チケットを買ったかと言うと

                    30%割引!!!という宣伝メールに釣られた ^^;

                    いや、あはは、よっぽど売れてないんですね。
                    だったら、少し贅沢して、バルコンの正面に近い席を。
                    (ここで、じゃぁ、ベストの席を、にならないのが悲しい貧民の性(さが)
                     バルコン席だって、30%割引後も、結構なお値段だったのだ)

                    この演出になってから26回目の公演と書いてあったが
                    実は私、この演出、既に最初の頃に見た事があるのだ。

                    2007年4月だったから
                    残念ながら、ブログ記事が全部消えてしまった時代の事だが
                    マリーがナタリー・デセイ、トニオをフローレスが歌って
                    クラッケントルプ公爵夫人役で、モンセラート・カバリエが出演していた。

                    ↑そのキャストだったら30%割引にはならない(笑)

                    その後、同じ演目をクロースター・ノイブルクの夏の音楽祭で
                    修道院中庭ではなく、天候不順でバーベンベルガー・ホールで観ている。
                    その時はマリーはダニエラ・ファリーが歌っていた。

                    さて、今回の公演のマリー役は
                    フランス人ソプラノのサビーヌ・ドゥヴィエル。
                    トニオはカナダのテノール、ジョン・テシエ。

                    ドニゼッティがパリに移住してから初めて書いたオペラ。
                    成立は1840年。

                    この年号が幕の模様に書いてあって
                    時はナポレオン時代・・・という前提のはずなのに
                    何で既にウィーン会議が終わった後の1840年?
                    その時にチロルでフランス人との戦争ってあったっけ?
                    ・・・とおバカな事を上演中、ずっと考えていたのはワタシです。
                    (だから、作品成立年代を、聴衆が作品の一部として見る幕に書くのは止めて(涙)
                     時代背景だと思っちゃうから・・・)

                    まぁ、フランス人向けのフランスばんざいモノで
                    だいたいチロルの田舎のお兄ちゃんが
                    流暢にフランス語を話すとかありえないし(以下省略。チロルの方、ごめんなさい)

                    で、この主役の2人
                    演技はコミカルだし、しっかり踊ったり振付もこなす。

                    コロラチューラのテクニックもバッチリで
                    すごいハイ・ソプラノで
                    (こういうハイソプラノって、確かにフランス人が多い)
                    見事に転がるし
                    身体は柔らかくて、動きも美しく
                    「小娘」っぽいソプラノの声の質とバッチリあった
                    小柄でスマートな可愛らしい体型。

                    テノールも、同じく声の質がハイテノールで
                    高音も、張り上げるとかの力任せではなく
                    無理のないところで、しっかり音程ピッタリで見事にキマったし
                    見た目もちゃんと「若者」で、舞台として絵になっている。

                    ・・・なのに
                    この2人、悲しい程にオーラがない。

                    いや、失礼な言い方なのは承知の上だし
                    こちらは既にデセイ・フローレスで観ちゃったというのもあるから
                    音楽的にはすごく高い水準だったとは思うんだけど

                    ドゥヴィエルは明るさが足りなくて
                    暗い曲(ああ、みんなさよ〜なら)はバッチリ合うのに
                    連隊の曲なんか、軽くちゃんと歌っているのに明るいオーラがないし

                    テシエは演技がちょっとデクノボウで
                    どう見ても、マリーのために命を張って
                    連隊で勲章をもらうだけの努力をしたとは見えない。

                    ・・・すみません、シロウトが文句つけ放題で f^_^;

                    クラッケントルプ公爵夫人は
                    この演出では、後半登場の時に1曲、軽いナンバーを歌う事になっていて
                    今回出てきた往年の名歌手
                    マルヤーナ・リポフシェクが歌ったのは
                    たぶんミュージカル「南太平洋」の曲だと思う。

                    英語だけど、もちろんこの部分は字幕が出ないので
                    一部の観客がザワザワしたのは、まぁ、仕方ないか(笑)

                    しかしまぁ、ミュージカル・ナンバーを
                    この上なく美しいソプラノで歌ってくれちゃって
                    ミュージカルには聴こえなかったし
                    ついでに歌詞が英語というのも、ほとんど分からず仕舞いだが
                    さすがに往年の名歌手だけあって
                    その存在感は圧倒的。

                    シュルピス役のカルロス・アルバレジはさすがの貫禄。
                    役も完璧にモノにしていたし、ユーモアたっぷりで聴かせてくれた。

                    オーケストラは小編成で
                    管楽器がいつものような舞台の下手(しもて)ではなく
                    反対側に位置していたので、私の席からは見えず
                    序曲でフラフラしていた金管はいったい誰だ?
                    と思ったけれど、プレイヤーは見えないまま(笑)

                    ストーリーとしては楽しいし
                    音楽はキュートだし
                    コーラスも、かなりコミカルな振付があって笑えるし
                    楽しい舞台ではあるから
                    スタンダードにオペラを楽しむ、という意味では
                    ステキな舞台だったと思う。

                    お隣に座った同年輩の女性とお話していたら
                    私と同じく、デセイとフローレスの回をご覧になっていたそうで
                    病膏肓の同じ趣味の人がここにも居た、と
                    (お互いに)ちょっと嬉しくなった私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    お隣の女性とは
                    ドン・カルロスのフランス語バージョンの
                    コンヴィチュニーの演出についても
                    熱い語りを繰り広げたのだが
                    こういう話が出来る人が居るのもウィーンの良いところ ❤

                    ついでだが、この間の音楽史の講義の時に
                    ベッリーニは作曲家としての自覚があって
                    ものすごくイヤな鼻持ちならない奴で

                    ベッリーニと比べたら
                    ドニゼッティの手紙は
                    抱きしめてキスしたくなる、と
                    教授が熱烈に語っていたのを思い出した(笑)

                    ルル 国立オペラ座

                    0
                      Wiener Staatsoper 2017年12月15日 18時30分〜22時30分

                      Alban Berg
                      LULU
                      Oper in drei Akten
                      Orchestrierung des 3. Aktes komplettiert von Friedrich Cerha
                      指揮 Ingo Metzmacher
                      演出 Willy Decker
                      舞台・衣装 Wolfgang Gussmann

                      ルル Agneta Eichenholz
                      ゲシュヴィッツ公爵夫人 Angela Denoke
                      劇場クローク・母親 Donna Ellen
                      ギムナジアスト・グルーム Ilseyar Khayrullova
                      医者・警察・教授 Konrad Huber
                      画家・黒人 Joerg Schneider
                      シェーン博士・切り裂きジャック Bo Skovhus
                      アルヴァ Charles Workman
                      シゴルヒ・老人 Franz Grundheber
                      調教師・アスリート Wolfgang Bankl
                      王子・執事・公爵 Carlos Osuna
                      劇場支配人・銀行家 Alexandru Moisiuc
                      15歳の子 Maria Nazarova
                      絵画の買い手 Bongiwe Nakani
                      ジャーナリスト Manuel Walser
                      召使 Ayk Martirossian
                      Orchester der Wiener Staatsoper
                      Buehnenorchester der Wiener Staatsoper

                      アルバン・ベルク未完のオペラ(フリードリヒ・チェルハが追補)のルルが
                      今シーズン、オペラ座で上演されるので
                      ともかく行かねば・・・と
                      ワタクシ的にはかなり高い席(40ユーロ近く)を注ぎ込んで
                      天井桟敷で聴いて来た。

                      いやあああ、良かったです。
                      18時30分〜22時30分という上演時間にはちょっとビビるが
                      冗長という感じはほとんどなくて
                      歌手陣も演出も舞台も、見事にキマっていた。

                      舞台がどういう感じかは
                      オペラ座のサイトにあるので、ぜひご覧下さい。

                      舞台は二層に分かれていて
                      上の階段のところには、俳優さん(だろうと思う、コーラスじゃなかった)が登場。
                      歌手も時々、上に移動して
                      梯子で下まで降りて来る。

                      オペラが始まる前に
                      舞台中央の梯子の上に
                      ものすごくスタイルの良い女性が
                      下着姿で股乗りになって、微動もしないので

                      あら、バレエ・ダンサーでも持って来たのかしら
                      ・・・と思っていたら
                      驚くなかれ、これがルル役のソプラノ歌手だった!!!(+_+)

                      この悪女だか何だかよくわからんルルの存在感がスゴイ。
                      その肉体の魔力に魅せられる男性たちの滑稽さ。

                      シェーン博士のスコフスが、また見事にこの役に合っている。
                      ルルの最初の結婚相手は
                      浮気場面を見て、あ〜っと叫びながら降りて来て
                      その場で心臓発作で死んでしまう役。
                      (男性は一人で数役をこなすので後でまた登場する)

                      後釜に座った画家のテノールのシュナイダーは
                      たまごっち体型だが声は出る。
                      それに、あのコミカルな役はたまごっちの方がリアル感(笑)

                      対してアルヴァは、優男のイメージだが
                      これが歌手のチャールス・ウォークマンとピッタリ合っている。

                      バンクルは相変わらず、すごい声量で深いバスだし
                      グルントヘーバーって、もう80歳なんだけど
                      あの深いバスが、まだ充分に、いや充分以上に通るって
                      いやもう、信じられない人だ。歳を全く感じさせない。

                      他の歌手も、脇役まで含めて
                      演技達者で、動きもあって
                      演劇的に見ても退屈しない。

                      上とか下で動くかなりの数の俳優さんたちが
                      かなり効果的に使われていて、これは上手い。

                      下賤な言い方をしてしまうと
                      いわゆるデバガメみたいな退廃感が漂っていて
                      最後の切り裂きジャックのシーンでは
                      最も効果的な使い方をされていた。

                      のだが・・・

                      ご存知、国立オペラ座では今シーズンから
                      手元の画面で、歌詞の対訳を見る事ができて
                      嬉しい事に日本語もある。

                      最初は、わっはっは、わかりやすいぞ・・・と
                      日本語を見ていて
                      ばっちり翻訳が見られて嬉しかったのだが

                      第三幕の翻訳
                      あれ、何ですか????
                      グーグル翻訳か何かで自動翻訳して
                      その後、誰も手を入れていないとか????

                      まず翻訳がヘン。
                      誤字・脱字もある。
                      直訳で内容的に何かおかしい、という部分に加えて

                      女性のセリフが男性言葉になっていて
                      アルヴァ(男性)のセリフがお姉言葉になってますが・・・(絶句)

                      最初の辺りの翻訳は
                      ああ、巧く訳されているなぁ、と感心するところもあっただけに
                      最後の手抜きはちょっと残念。

                      歌手陣のドイツ語はかなりクリアなので
                      聴いていればドイツ語でも理解できるけれど
                      (で、そのドイツ語の内容と日本語の翻訳が直訳になり過ぎて
                       かなり苦笑した部分が・・・)
                      できれば、最後まで気を抜かずに
                      ちゃんとした翻訳にして欲しかったと思う。
                      (でないと、最後の内容、さっぱりわからんです)

                      結構な空き席があって
                      立見席の人がみんな黙って移動していたが
                      (途中で帰った観客も多かったし・・・長いからね)
                      私は貧民席(ただし最貧民席ではなく)で立見席の前で
                      後ろで、間奏曲になると、ずっと小声でお喋りしている人が
                      何人も居て
                      (時々誰かがシッ!と怒っていたが、また次の間奏曲の時に始まる)
                      え〜い、間奏曲はお喋りの時間じゃないぞ!!!

                      アルバン・ベルクの曲って
                      オペラの言葉に寄り添い
                      きちんとドイツ語のイントネーションを音楽に組み込んだ上で
                      12音技法も使っているとは言え
                      実に音楽的に響くのは奇跡みたいなものだなぁ。
                      (例のバイオリン協奏曲なんかもそうだけど)

                      次の国立オペラ座は、オペラではなく
                      またバレエ、しかも、かなり続けて行く予定の私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      あと1週間ちょっとでクリスマスって
                      まだ信じられない気分だけど

                      プライベート用に使っている MacPro が本日動かなくなってしまい
                      修理に出しているので
                      仕事用のウインドウス機を使って書いて
                      何だか違和感。
                      でも、数日でこれで慣れてしまうと
                      Mac が戻った後、また違和感との闘いかな(笑)

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