ミヒャエル・シャーデ + イェンドリック・シュプリンガー

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    Wiener Staatsoper 2020年6月18日 19時30分〜20時45分

    テノール Michael Schade
    ピアノ Jendrik Springer

    Ludwig van Beethoven
     „An die ferne Geliebte“

    Franz Schubert
     „Blumenbrief“
     „Der Fischer“
     „Die Forelle“
     „An den Mond“
     „Täglich zu singen“
     „Ständchen“
     „Adelaide“
     „Der Musensohn“

    Richard Strauss
     „Allerseelen“
     „Nichts“
     „Heimliche Aufforderung“

    Ludwig Gruber
     „Mei Muatterl war a Weanerin“

    Franz Lehár
     „Gern hab’ ich die Frau’n geküsst“

    アンコール

    Ludwig van Beethoven
     „Der Kuß“

    Richard Strauss
     „Morgen“

    インターネットのライブ中継
    24時間は見られるはずなので
    「はっぱは、いつも好き勝手な事を書いているが
     実はウソつきなんじゃないか」
    と、普段、秘かに思っていらっしゃる方、
    自分の目で見て聴いて
    私のウソを確かめるチャンスです(違!)
    なお、始まるのは28分過ぎくらいから(その前はコマーシャル)

    1800人くらい入るオペラ座で100人の観客
    座れない席は外してしまう、という徹底さ。
    しかも、チケットは100ユーロ!!!!

    私が100ユーロ出したのは
    売り切れだったクリスティアン・ティーレマンの「影のない女」と
    残念ながらコロナでキャンセルになってしまった
    ヌレエフ・ガラくらいである(貧乏だから)

    でも、私は長年のシャーデのファンである。
    ミスター残念の、あのソット・ヴォーチェは
    歴代のテノール歌手の中でも特筆すべき美しさだと思う。

    プログラム構成、よく考えてあるな、というのが第一印象。
    ベートーベン・イヤーだから、まずは遥かな恋人。
    シューベルトの有名な曲や珍しい曲を集めた後
    リヒャルト・シュトラウスの有名曲(少なくとも私は全部知ってる)
    ウィーン・リートの「私のお母さんはウィーンっ子」(笑)
    最後にレハールのオペレッタ「パガニーニ」から
    僕は女たちによくキスをした(定訳は知らないがインターネットで出て来た訳)

    いやもう、舞台に近い席なだけに
    反響よりも、直接、舞台からの音波が鼓膜に届く。
    よって、実はものすご〜〜〜く細かい音程のズレとか
    (すごく細かいです、普通だったら気がつかない)
    声の色の変わり方とかが、ものすごくクリアに聴こえてくる。

    オペラ座の観客数が少ない事で
    音響は通常の観客数よりも、ずっと反響が長い。
    その分、音は豊かに聴こえて来て
    シャーデの甘いテノールがむちゃくちゃ魅力的 ♡

    しかしこの人、本当に何というか根っからの役者で
    遥かなる恋人のチクルス一つを取っても
    非常にドラマチック。
    ドイツ・リートの端正さとか、何処いったという感じで
    優しいところは、とことん甘く、優しいソット・ヴォーチェで
    激しいところは、伝統的ベートーベンみたいな激情を持って
    (この頃、ベートーベンでも何でも、
     割りにクールな演奏が多いような気がするのだが
     シャーデは、徹底的にドラマチックに歌う)
    確かにこの曲、変化が激しいのだが
    シャーデの声にかかると、その変化が10倍くらいに聴こえる。

    シューベルトの曲、いくつか初聴きだったので
    1ユーロ(定価は90セント)の手元の歌詞を見たいのだが

    オペラ座って、何故、リートの夕べの時も
    観客席の照明を落としちゃうの???
    老眼鏡使っても、全然、プログラムの字が見えません(涙)

    ただ、シャーデのドイツ語は、とてもクリアなので
    詩はよく聴こえてくる。

    それに・・・
    シャーデがいちいち、身体で表現しちゃうので f^_^;

    Der Fischer の語りは見事だった。
    歌詞もわかるけれど、シャーデの表情と身体の動かし方を見ていると
    ドイツ語が分からなくても、ドラマチックなストーリーはわかる(はず)
    有名な Die Forelle も手取り足取り・・じゃなかった
    ともかく、音楽と詩での語りが凄い。

    Die Forelle の後、シャーデが
    「普通の詩の An den Mond ではありません。
     次の曲も、印刷してあるより
     こちらの方が詩が美しいと思います」
    と喋った後の曲は、知らないリートだったが
    いやもう、美しい。実に美しい(歌詞も音楽も)
    (後でインターネット配信で歌詞を見ていたら
     An den Mond は全く違う歌詞だったし
     Täglich zu singen はプログラムの歌詞よりもっと長かった)

    Ständchen は有名だし、みんな知ってるが

    次の Adelaide って・・・
    シューベルトも Adelaide に作曲してたんかいっ!
    私はベートーベンしか知らなかったが

    ベートーベンと比べるとすごく面白い。
    ドイツ語そのものの持つイントネーションが
    作曲家によって、どのように変わるか。
    もちろん、シューベルトがベートーベンの曲を知っていた可能性は高いが
    繰り返し Adelaide のニュアンスが2曲ともに似ていて
    うわあああ、これ、こういうのを研究した論文もありそう。
    (以前、まだ私がゼミに参加出来なかった頃に(参加には条件がある)
     ドイツ・リートについて、ゲルマニスティックと音楽学との
     共同ゼミがあったのだが、参加できなかったのが悔やまれる)

    Der Musensohn も軽く歌い上げて
    茶目っ気一杯、チャーミングさ満杯でドラマチックで甘い ♡

    リヒャルト・シュトラウスは
    Allerseelen で始めたので
    ああああああ、切ない、切な過ぎる、涙出てくる、すみません。
    でも、そのしんみりした空気を吹き飛ばす Nichts! は
    観客への語りかけも(大袈裟だけど)カワイイ。
    何せ、最後が Ich, und ihr, und alle? ですからね。
    オペラ歌手で、とことん役者のシャーデ向きの曲だ。

    Heimliche Aufforderung は
    私の大好きな大好きな大好きな曲で
    (ただし自分で歌おうとしても男声の曲なので無理(涙))
    最初のパーティ気分から
    バラ園での背徳的な秘密の(以下省略)
    しかも秘密のモゴモゴ(恥ずかしくて書けない)の後に
    もっとすごいゴニョゴニョが暗喩されているので
    若い頃の私は、もう、興奮(以下自粛)

    シャーデの前半と後半の歌い分けも見事で
    私もババアにはなったけれど
    若い頃を思い出してしまったわ。
    こういう素敵な思い出が人生にあれば良かったのに(あ〜、あはは)

    Mei Muatterl war a Weanerin を歌う前に
    観客に向けて、手を動かして
    「僕がこれをやったら、皆さん、一緒に歌って良いんですよ〜」(笑)
    そりゃ、ウィーンっ子だったら
    あるいは、私のようにウィーンに長く住んでいたら
    この曲は充分に知っている。

    続けて
    「まぁ、こういう曲をドイツ人2人が演奏するのも・・・
     観光の時代ですね〜」(わっはっは、ワケわからん)

    でも、他のドイツ人、しかもオーストリア在住歴があまりない人も
    こういうリートを、オーストリア訛りじゃないドイツ語で歌ってますし
    シャーデはオーストリアでは宮廷歌手の称号もあるし
    かなり長い間、ずっとオーストリアで活躍していたから
    歌詞も、正統ウィーン訛り・・・とは言えないけれど
    かなりオーストリアっぽくて、これはこれで味がある。

    それに歌っていて、むちゃくちゃ楽しそうだし。
    この曲、意外に語りがあるんですよね。
    ただ、途中の、本来はセリフで語るところはさすがに飛ばしたけど。

    Gern hab’ ich die Frau’n geküsst の前に短いスピーチ。
    このご時世、誰にもキスは出来ないけれど
    歌では出来ます、という事で

    うわあああ
    この曲がものすごく印象的だった。

    たぶん、正統派オペレッタ・ファンにはウケないと思う。
    だって、ソット・ヴォーチェ使いまくりの
    ともかく愛に溢れて美しいというか
    オペレッタのアリアというより
    限りなくドイツ・リートに近い歌唱。

    そうか、この曲って、こういう歌い方もあったのね、と
    ちょっと、いや、かなりビックリした。

    正統派オペレッタ・ファンの方の意見を聞いてみたいものだ。
    (わかってますね、Yさん、メールお待ちしております(笑))

    アンコールで
    キス・・・なので、ベートーベン・イヤーで
    やっぱりキスで行きましょう

    って、この曲、よく知ってるぞ。
    もう、むちゃくちゃ笑える曲で
    読者もよくご存知とは思うけれど

    キスする、と言ったら
    彼女は、叫ぶわよ、と言った。
    でもキスをした。
    彼女は叫んだ・・・けど
    ずっと後になってから

    という、しかも最後の「後になって」の繰り返しが
    ベートーベンのしつこさが爆発する楽しい曲で
    シャーデの表現力(声、歌唱、身体表現)が
    むちゃくちゃ活きる。

    最後の最後に
    希望をなくしてはいけない
    明日はまた来る(意訳)
    ・・・と言ったとたんに
    あ〜、これはアレが来るな、と思ったら大当たりでした。

    たぶん、その最後のスピーチだったと思うんだけど
    長年、オペラ座で歌って来て
    パミーナを火や水の上で運んだり
    喋らない女を喋るようにさせたり
    ルネ・フレミングやアンナ・ガーブラーに
    オペラでは言葉が大事なんだ、と説得したり

    わっはっはっは
    キミキミ、フレミングやガーブラーの時は
    フラマンだったよね?
    エレードを持ち上げなくても宜しい(わかる人はわかる)

    しかし、このジョークをわかった人って
    会場に何人居たのかしら。

    シャーデの印象的な役としては
    エリーナ・ガランチャを寛容に許した皇帝って言うのもあったけど。

    100人限定とは言え、100ユーロだし
    かなり年配の方々は、やはりウイルスが怖いから来ないし
    何だか不思議な聴衆のバランスで
    シューベルトのリート間に拍手のフライングがあるかな、と
    思っていたら
    最初はうまく繋げたのでともかくとして
    やっぱりリート間拍手がなかったワケではないが

    あの位なら、あまり気にならない。
    まぁ、ドイツ・リートを好んで聴く、という人ばかりが
    集まった訳ではなさそうだが
    シャーデの家族もカナダから来ていたらしいし(本人談)
    如何にもオペラっぽいシャーデの表現力は
    手元の歌詞が暗くて読めなくても
    充分に楽しさが伝わってくるリサイタルだった。

    インターネット・ライブは明日までは見られるので
    私も、もう一度、コンピュータで見て
    あのソット・ヴォーチェを堪能しよう (^^)v

    皆さまも、はっぱのウソを見破るために
    ぜひ、インターネット配信をご覧下さい。
    ちなみに、オペラ座の大判振る舞いで6月末まで無料です。

    ウイルスのせいで、連日連夜の音楽ライフは
    残念な事になってはいるのだが
    普段座れない、お高級席で
    歌手のすぐ近くでリートを聴くという
    贅沢なチャンスがあるというのも
    悪くはないわ、と、楽観的に考える私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    オーケストラ音楽大好きだし
    音響オタクっぽいところはあるんだけど
    私の音楽のルーツは実はドイツ・リートにあるので
    やっぱりドイツ・リートを聴くと楽しい ♡

    国立オペラ座 エレクトラ

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      Wiener Staatsoper 2020年2月12日 19時30分〜21時20分

      Richard Strauss
      ELEKTRA
      Tragödie in einem Akt von Hugo von Hofmannsthal

      指揮 Semyon Bichkov
      演出 Uwe Eric Laufenberg
      舞台 Rolf Glittenberg
      衣装 Marianna Glittenberg
      照明 Andreas Grüter

      クリュテムネストラ Waltraud Meier
      エレクトラ Christine Goerke
      クリュソテミス Simone Schneider
      エギスト Norbert Ernst
      オレスト Michael Volle
      オレストの老僕 Marcus Pelz
      クリュテムネストラの腹心の侍女 Simina Ivan
      クリュテムネストラの裾持ち Zoryana Kushpler
      若い召使い Thomas Ebenstein
      老いた従者 Dan Paul Dumitrescu
      占い師 Donna Ellen
      侍女 Monika Bohinec, IMargarita Gritskova, Ulrike Helzel
             Lydia Rathkolb, Ildikó Raimondi
      召使い Seçil Ilker, Maria Isabel Segarra, Jozefína Monarcha, Dymfna Meijts,
      Zsuzsanna Szabó, Karen Schubert

      Orchester der Wiener Staatsoper
      Chor der Wiener Staatsoper
      Komparserie der Wiener Staatsoper

      週末に1週間分のチケットを確認しておくのだが

      何故にまた、エレクトラ?
      しかも、バルコン2列目という
      私にとっては贅沢な席が出て来た・・・

      何を考えて、こんな席を買っちゃったんだ?
      しかも、エレベータ演出のエレクトラは5年前に観ている。
      (私も忘れていたが、こちらの記事)

      あの時は最初のシーンの女性の裸体というのに興味があって
      あ、いやいや、別にそういうワケでは(汗)

      つらつら考えるに
      どうもこのチケットの私の(買った時の心境での)狙い目は
      クリュテムネストラのワルトラウト・マイヤーと
      オレストのミヒャエル・フォレだったに違いない。
      (指揮者のセミョン・ビシュコフは無視か、というツッコミはなしで)

      さて、あ〜、あの演出かよ、と
      ちょっとうんざりしながら行ったエレクトラだが

      ・・・いや、すごかった。
      ちょっと驚いた。はい、色々な意味で・・・

      舞台下手(しもて)には
      シャワー・スペースがあって
      裸体の女性が(ボディには赤いインク)立っていて
      侍女たちが、ホース持って来て
      水をぶっかけたりするという
      インパクトのあるシーンから始まるのだが

      エレクトラ登場

      ・・・(沈黙)

      人の体型とかについて
      コメントしてはいけない事はよくわかっている。
      けど
      舞台は見た目も含めてだから(言い訳)
      真っ黒な
      布を2枚重ねて袖を付けました・・・みたいな
      (そう単純なものではないのだろうが)
      そこらへんのノミの市で50セントくらいで売られていそうな服で
      現れたエレクトラのふくよかさに
      ギョッとしたのは、まぁ、たぶん、私だけではないと思う。

      そりゃエレクトラって
      リヒャルト・シュトラウスのソプラノ虐め趣味が
      爆発したような作品だから
      あれを最初から最後まで歌うとなると
      能力も気力も、記憶力も必要だろうが
      同時に体力が必要な事は、よ〜〜〜〜くわかるんですが。

      が、その後にクリュソテミスが
      ぶりっこのレース振り振りの
      しかも身体の前に
      もふもふバッグを下げて出て来た時は
      ・・・もっと衝撃的だった。

      言いたい事は察して下さい。
      ソプラノ歌手のふくよかな体型は
      まぁ、そういうものなんだけど
      でも、その体型に、あのぶりっこフリフリ・ドレスは・・・
      街で会ったら
      ちょっと危険な人に見えるかもしれない、いや、絶対に避けて通りたい。

      オペラとしては
      ほとんど動きがなく
      エレクトラとクリュソテミスの掛け合いがあって
      クリュテムネストラがエレベータで登場。

      車椅子に乗っているんだけど
      途中で車椅子から立って、かなり動きながらのモノローグ。
      立って歩けるのなら
      小道具で車椅子は不要じゃないのか(と細かい事に文句(笑))

      ワルトラウト・マイヤーのメゾの美声・・・
      それに、この人、スタイル良くて
      クリュテムネストラのドレスは
      如何にも貴族が好んで着るような
      キラキラのAラインのロング・ドレスに
      宝石の装飾ネックレスも着けていて

      エレクトラが貧乏人ドレスで
      クリュソテミスがぶりっ子フリフリなのに
      クリュテムネストラだけが
      如何にもオペラちっくな豪華衣装となっていて
      見た目や立ち振る舞いと美声が華を添えて
      何だか、とっても魅力的なクリュテムネストラ。
      アガメムノンを殺して
      娘のエレクトラの恨みを買うような人物に見えない(笑)

      エレクトラの恨み節が続くオペラだが
      オレスト登場で
      突然、会場の緊張が高まる。

      ミヒャエル・フォレのオレストが
      ううう、期待通りというより
      期待を上回る素晴らしさ!!!!!

      だいたいエレクトラもクリュソテミスも
      ドイツ語で歌っている筈なのだが
      全くドイツ語に聞こえて来なくて
      (それはあの高音領域で作曲した作曲家が悪いと思うが)

      それに比べると、ワルトラウト・マイヤーは
      ちゃんとクリュテムネストラのセリフ内容がわかったけれど

      ミヒャエル・フォレのオレストに至っては
      ドイツ語の細かい部分まで
      くっきり、はっきり聞こえてくる上に
      ま〜、なんという美声・・・・(うっとり)

      歌手だから、体型が大柄なのは普通だけど
      ミヒャエル・フォレが衣装の一部を脱いで
      パンクのお兄ちゃん風の肩出し衣装になったところでの
      肩の盛り上がった筋肉の美しさ(何を見てる?)

      ええええっ、ミヒャエル・フォレって60歳???
      ワルトラウト・マイヤーが64歳だから
      クリュテムネストラ4歳の時の息子がオレスト
      ・・・というのは冗談だけど
      フォレの筋肉隆々の鍛えた上腕を見ると
      母親・息子としても
      あまり違和感はない(まぁ、一緒のシーンはないし)

      年齢の事を言うと
      大変失礼な事は重々承知だが
      エレクトラ役は51歳
      クリュソテミスは48歳。
      才能も経験もある
      今、現在、聴くべき
      もっともノッている歌手を押さえた公演。

      体型、見た目、不思議な衣装はともかくとして
      エレクトラとクリュソテミスだが
      オペラが進むに連れて
      どんどん、その存在感を増して
      声の艶も増して
      ドラマチックな要素も増して

      貧乏人のアッパラパーとか
      白のレースのフリフリドレスとか
      だんだん、どうでも良くなっていくという
      不思議な現象に囚われてしまった。

      特にエレクトラの迫力と言ったら
      オレストとの掛け合いのあたりからの迫力は圧倒的で
      いや、ホント、こういう娘に当たったら
      お母さん可哀想(クリュテムネストラが魅力的過ぎたので)

      リヒャルト・シュトラウスの音楽も
      この時期は、実にドラマチックで尖っていて
      カプリッチオとかアリアドネから入った私には
      エレクトラはちょっとワイルド過ぎた時期が長かったのだが

      何回か聴いてみると
      いや、スゴイ音楽だわ・・・
      細かい部分まで徹底的に考慮された音楽構成と
      そのドラマチックな表現力に脱帽する。

      この間は見逃したと思う最終シーンの
      エレクトラの死だが
      出て来た多数の俳優さんが
      エレクトラを上に担いで持って行った(爆笑)
      ・・・重かったでしょうね(とか言ってはいけない)

      その凄い音楽に加えて
      オーケストラが、オーケストラが、オーケストラが・・・
      ううう、何でこのオーケストラ
      こんなに素晴らしいんだろう?
      音の艶、色気、尖り具合はちょっと円やかだが
      ものすごい色彩感があって
      オーケストラの音楽だけで聞き惚れてしまう。

      リヒャルト・シュトラウス・ファンの皆さまには
      そんな事わかってるぜ、という
      当たり前の事ばかりだと思うのだけれど
      久し振りに行ったエレクトラ
      演出は、まぁ、アレだけど(前の方が絶対に良かった)
      音楽的には徹底的に堪能できて
      やっぱり良いチケットを買うと違うなぁ・・・

      節約生活とか言ってるくせに
      絶対に実行できない意志の弱い私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      エレクトラとクリュソテミスが
      カーテン・コールで素に戻って
      輝くような嬉しそうな笑顔でブラヴァを浴びていたのが
      とてもチャーミングで魅力的だった。

      ローエングリン@国立オペラ座

      0
        Wiener Staatsoper 2020年1月19日 17時〜21時30分

        Richard Wagner
        LOHENGRIN
        Romantische Oper in drei Akten
        指揮 Valery Gergiev Michael Güttler
        舞台 Wolfgang Gussmann
        照明 Franck Evin
        ドラマツルギー Werner Hintze

        ハインリヒ王 Ain Anger
        ローエングリーン Piotr Beczała
        エルザ Cornelia Beskow
        フリードリヒ・テルラムント Egils Silinš
        オルトルート Linda Watson
        伝令 Boaz Daniel
        ブラバントの貴族 Wolfram Igor Derntl, Martin Müller
        Johannes Gisser, Jens Musger
        小姓 Kyoko Nukumi, Kaya Maria Last, Barbara Reiter, Dymfna Meijts

        Orchester der Wiener Staatsoper
        Chor der Wiener Staatsoper
        Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
        Extrachor der Wiener Staatsoper
        Ballettakademie der Wiener Staatsoper
        Komparserie der Wiener Staatsoper

        この演出のローエングリン、実はずっと気になっていた。
        理由は簡単で

        ワタシが民族衣装フリークだから。

        男性の革の半ズボンと、ナマ足の脹脛にコウフンする訳ではないが
        自分で着るのも好き、見るのも好き。

        2014年のプレミエの時には
        クラウス・フローリアン・フォークトが
        正式な民族衣装の花婿の服を見事に着こなしていて
        その写真がウエブ・サイトにあって悶絶していたのである。
        プログラム買ったら、その写真が掲載されていて
        それを見ながら、1日3回は悶絶できそう(どうせヘン○イです)

        自分で着る方に関しては
        ディアンドルは普段着では使えないけれど(持ってる事は持ってる)
        トラハテンの上着は愛用していたのだが

        とある日、コンツェルトハウスのコンサートの時に
        上品な老婦人から「よくお似合いよ」と言われて

        それが
        日本人が民族衣装を着てるんじゃねえよ
        という意味の、遠回しな皮肉である事くらいは
        こちらで暮らしていればわかる。

        お客さまのアテンドとか
        日本に一時帰国する時とかは堂々と着るけれど
        そんなわけで、あまり日常的に着用できない
        (しかもウィーンではあまり見かけない)
        民族衣装、ディアンドルとトラハテンが
        思い切り見られる
        ・・・・・という、
        すみません、ただ、それだけの理由だったんですが(汗)

        さて、幕があく前に
        支配人のメイエールがマイク持って登場。
        思わず客席から起きるため息。
        ・・・いったい、誰がキャンセルになったんだ?

        メイエール曰く
        指揮者のゲルギエフが到着していません。
        これがもう遅刻2回目で
        舞台裏には600人のスタッフと歌手
        観客席には2300人の観客の皆さまを
        待たせる事は出来ないので
        ミヒャエル・ギュットラーが指揮をします。

        そこで観客席から挙がった歓声は何だったのか不明だが
        ゲルギエフのヒラヒラ指揮が多かれ少なかれ問題だったらしいので
        結果的には良かったのかもしれない。

        民族衣装フリークにはたまらん舞台シーンで
        多大な人数のコーラス全員が民族衣装。
        あ〜、私も堂々と着たいよ〜。

        エルザが白鳥のデコイを抱いて登場する。
        白鳥のデコイ?

        で、騎士って
        確か白鳥に乗って登場するんじゃなかったでしたっけ???

        コーラスや俳優さんの大人数に囲まれて
        白鳥のデコイが肩より上で支えられて
        その人混みが引くと

        床に転がっているのは

        白いパジャマ(長い上着のみ)を着て、素足のペチャワ・・・

        どう見ても
        病院から脱走して来た糖尿病患者・・・

        少なくとも、特別デザインのカッコいい民族衣装を期待していたのに
        タイトル・ロールの登場が
        白の上だけのパジャマでナマ足で素足・・・(絶句)
        ふくらはぎは日焼けしていて、足首から下は白い(何を見てる?)

        それでなくても、エルザの最初の衣装も
        どう見ても白い病院着なのに(しかも素足です)・・・(涙)

        舞台は、どこかの田舎のガストハウス(居酒屋)の1室で
        机も椅子も、何処のガストハウスからレンタルしてる?という感じで
        その意味では、むちゃリアルなのだが

        あまりに日常生活に密着し過ぎていて
        田舎の素朴なおじちゃん、おばちゃんたちが
        呑みに集まっている雰囲気しか出て来ないので

        ドイツの王さまが来てもエルザが王女さまだとしても
        貴族じゃなくて、そこらへんの農民のおじちゃん、おばちゃんにしか見えん。
        (農民が悪いとは言ってません!)

        舞台変換は一切なし。
        決闘の舞台も、机を並べて、その上で闘うだけ。

        第2幕のアントウェルペン城内という設定も
        椅子や机が乱れて置いてあるガストハウスそのまま。

        礼拝堂に向かうエルザのシーンも
        ハインリヒと騎士の丁々発止のシーンも
        全部、居酒屋の中・・・

        正直言うと、この2幕、むちゃくちゃ冗長。
        舞台変換もないし、動きもないし
        エルザとオルトルートが、ずっとお話しているシーンが長い。

        第3幕はご存知の通り
        例のあの曲で景気良く幕が開いて
        結婚行進曲があって

        やっと2人になれたね、という騎士の衣装は
        民族衣装の上着がないっ!!!
        ただのシャツかいっ!!!!
        (だからフリークなんですってば)

        出会ってから、やっと2人っきりになれたね、というシーンで
        延々とラブソングを歌うのか、この2人は(謎)
        他にやる事があるんじゃないのか(あ、失礼)

        ここでエルザがむちゃウザくなる。
        こういう女、居るよね
        聞かない事を条件とする契約を締結して結婚したのに
        結婚したとたん、やっぱり知る権利があるとか
        むちゃを言い出すタイプ。

        ついでに、このタイプは男性にも居る。
        鶴の恩返しという話もある事だし。

        ああ、やだ、やだ
        契約違反もイヤだけど
        結婚したとたん、あなたのためを思ってるのよ、という
        理解し難い理由で、自分に何でも知る権利があると思っている人。

        あ、いやいや
        ワーグナーに文句つけていてどうする・・・

        身分を明かして去っていく時のローエングリンが
        「あぁ、白鳥が迎えに来た」って

        後ろの(居酒屋の)机の上に
        白鳥のデコイがポツンと・・・

        なんか、ほとんどパロディに見えて来たわワタシ。

        最後に弟が現れるシーンも
        人混みが引くと
        床にパジャマ(上着のみ)の男の子が倒れているという・・・
        しかも、エルザの事を怖がって後退りしてるじゃないの。
        (バレエ学校の子供だな、きっと)

        更に、エルザは死なない。
        弟、いや、子供を怖がらせたままの状態で
        舞台の真ん中で仁王立ち。

        エルザ役のコルネリア・ベスコフは
        ものすごい声量の、金属的な印象を受ける硬い感じのソプラノで
        声量が凄くて、声が硬いだけに
        むちゃ気の強いエルザになっていて
        騎士のベチャワのリリックな声を圧倒しているところがある。

        この人、このまま結婚したら
        騎士の愛情を良い事に
        旦那をコントロールしまくりの実権握りっぱなしの
        すごくコワイ奥さまになりそう(妄想中)

        最後に死ななくて、舞台ど真ん中で
        怯えている子供を前に仁王立ちするので
        あ〜、これは、弟の摂政として
        しっかり実権を握って国を率いていく
        自立した女性の(以下省略)

        どちらにせよ、ここでエルザが死なないと
        話が全く違って来るのだが(それが演出家の目的かもしれないが)

        エイン・アンガーのハインリヒ王が秀抜。
        美声で堂々としていて落ち着いていて
        あの奇妙な民族衣装でも、王さまという気品が漂う。

        テルラムントも、第2幕の最初のシーンでは
        これまた、白いパジャマを着せられていて

        民族衣装にコストがかかったので
        よほど、他の衣装の予算がなかったのか
        まさか自前ではないだろうな・・・

        テルラムント役のエギルス・シリンスは
        ラトヴィア出身で、名前の n は特殊文字(下にニョロがつく)
        58歳でラトヴィア国立オペラの総監督が
        ここに出稼ぎに来ているとは(笑)

        でも、この人、声も出るし
        演技も出来るので
        あの、ヨレヨレになるテルラムント役が非常に合ってる。

        リンダ・ワトソンのオルトルードも優秀。
        この人も、ものすごい声量のある人だが
        もともと倍音多目の美声だし
        時々ヒステリックになる感情的な役をうまく演技していてマル。

        で、ペチャワですよ、ペチャワ!
        いや、こんなに声の美しいテノールと思っていなかった。
        ヘルデン・テノールというよりは
        リリック・テノールだな。
        声を張り上げて強靭な高音も出すが
        本領発揮は甘いラブソングだろう。

        よって、あんまり凛々しいという感じはないけれど
        (初演のフォークトだったら、もっと凛々しくなかっただろうと推測する)
        エルザとがっしり組んで、抱いてキスして
        被さられて(エルザから)というのが

        視覚的にはバランスが取れて
        とても絵になるカップルになっている。
        (やっぱりある意味、オペラも見た目が大事)

        で、オーケストラが巧かったよ〜(感涙)
        舞台オーケストラの金管もむちゃくちゃ良くて
        白鳥テーマの弦のフルフルの繊細さとか
        オペラになると、何故、こんなに豹変するかねこのオーケストラは。

        民族衣装に釣られて4時間30分オペラ座に篭ってしまったが
        久し振りにワーグナー聴いて(いつもは避けてる)
        あぁ、これも一種の映画音楽だなぁ
        (当時、映画はなかったが)
        ただ、5時間の映画って、誰も見ないよなぁ
        もう少し、こう、進行を短縮化したら良かったんじゃないだろうか
        ・・・とか
        またもや、妄想の世界に入り込みそうな私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        ・・・あまりにツッコミどころが多いので
        かえって楽しかったのだが
        帰路でツィッター見ていたら
        市電で一駅乗り越して、雨の中をトボトボ歩いて帰りました。
        よって・・・きゃ〜っ、明日の授業の準備が出来てません(冷汗)

        オルランド(オルガ・ノイヴィルト)プレミエ

        0
          Wiener Staatsoper 2019年12月8日 19時〜22時20分

          ORLANDO
          Olga Neuwirth
          Eine fiktive musikalische Biografie in 19 Bildern
          リブレット Catherine Filloux und Olga Neuwirth

          指揮 Matthias Pintscher
          演出 Polly Graham
          ビデオ Will Duke
          舞台 Roy Spahn
          衣装 COMME des GARÇONS
          ヘアスタイリング Julien D’ys
          マスク COMME des GARÇONS, Stephen Jones
          照明 Ulrich Schneider
          ライブ・エレクトロニック&サウンド・デザイン
          Markus Noisternig, Gilbert Nouno, Clément Counuau, Olga Neuwirth
          音響演出 Julian Aléonard
          動作演出 Jenny Ogilivie
          ドラマツルギー Helga Utz

          Orlando: Kate Lindsey
          Narrator: Anna Clementi
          Guardian Angel: Eric Jurenas
          Queen/Purity/Friend of Orlando’s child: Constance Hauman
          Modesty: Margaret Plummer
          Sasha/Chatity: Agenata Eichenholz
          Shelmerdine/Greece: Leigh Melrose
          Dryden: Marcus Pelz
          Addison: Carlos Osuna
          Duke: Wolfgang Bankl
          Pope: Christian Miedl
          Orlando’s Child: Justin Vivian Bond
          Putto: Emil Lang
          Doctor 1: Wolfram Igor Derntl
          Doctor 2: Hans Peter Kammerer
          Doctor 3: Ayk Martirossian
          Orlando’s Girlfriend/Leadsängerin: Katie La Folle
          Leadsängerin: Ewelina Jurga
          Two Actresses: Selina Ströbele, Antoanetta Kostadinova
          Tutor: Andreas Patton
          Russian Sailor: Felix Erdmann
          Boat’s Captain: Michael Stark
          Children’s Father: Tvrtko Štajcar
          Officiant: Massimo Rizzo
          Financée: Katharina Billerhart
          Servant: Florian Glatt
          Cameraman: Robert Angst
          Band: Lukas Niggli (Schlagzeug), Edmund Köhldorfer (E-Gitarre),
          Annemarie Herfurth (Synthesizer), Martina Stückler (Altsaxophone)

          Orchester der Wiener Staatsoper
          Synthesizer: Florian Müller, Thomas Bartosch
          Chor der Wiener Staatsoper
          Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
          Chorakademi der Wiener Staatsoper
          Opernschule der Wiener Staatsoper
          Komparserie der Wiener Staatsoper

          マスコミの前宣伝には
          ウィーン国立オペラ座で、初の女性作曲家の作品上演とあったが
          ヨハンナ・ドーデラーが既に2作品
          子供のためのオペラを上演しているのは無視って何なんだろう。

          オーストリアの女性作曲家のオルガ・ノイヴィルトは
          音楽を聴いても、あるいはインタビュー等を聞いても
          上から目線の、ものすごく気取ったインテリで

          ワタシ、賢いし、すごいの、ふんっ
          ワタシの良さをわからない人はみんなアホ
          ・・・という雰囲気がプンプンするので
          (すみません、私の妄想です)

          何故に、この作曲家ばかり取り上げられて
          演奏回数も多くて、マスコミへの露出も多いのか
          私には(たぶん他の人にも)今ひとつよくわからないのだが
          まぁ、きっと、どこかで強力なコネでもあるのだろう(邪推)

          さて、このオルランドという作品だが
          全体的な印象としては

          オペラというより、演劇作品
          音楽の引き出しはむちゃくちゃ多い
          ただし、引き出しは多くても、ほとんどがパクリ
          最後の30分は上から目線の説教
          しかも、その「ありがたいお説教」にキリスト教の要素たっぷり

          舞台には金がかかっている
          舞台装置は最小だが、ビデオが優秀
          コム・デ・ギャルソンの衣装は最高(←実はこれが目当てだった)

          歌手は全員、マイクを付けて
          ライブ・エレクトロニックが入る。

          中核をなすのは語り手の女性で、この人は歌わない。
          かなりのセリフを喋る。
          セリフや歌詞は、すべて英語。

          1598年に生まれたオルランドという詩人が
          女王さまの愛人になって遺産をもらい
          恋して失恋して
          人生イヤになって寝たら
          男性から女性になってしまい
          英国のインテリ男性社会で
          女性だというだけで認められず

          第一次世界大戦でカメラマンと知り合って
          カメラマンはオルランドがもともと男性だと看破し
          オルランドも、カメラマンは男性だけど女性だと看破し
          でも裏切られて

          第二次世界大戦でユダヤ人の虐殺があり
          その後、デジタルの世界になってから
          オルランドの小説や詩は、電子書籍にはウケないと言われ

          オルランドの子供はジェンダー・ノン・バイナリーで
          (ワケがわからん)
          自分を隠さず生きれば良いと主張。

          世界は、自分が一番、自分が一番(どこかの大統領のおちょくりだろ)になり
          オルランドはそれに対して反対の詩を書いて
          世界がおかしくなっていけば行くほど
          オルランドは詩作に没頭し
          子供たちが、環境破壊に反対の運動をして
          人間は、どの人間でも人間らしく生きるべきだ、と
          観客への説教が延々と続き
          天使が降りてきて、またもやありがたい説教をして
          その後も、オルランドは誰の中にも存在し
          人間は強制的に他人に従う必要がないとか
          だらだらと、延々と説教が続く。

          あ〜、もう、本当に最後の30分は苦痛だった。
          芸術家が、あからさまに説教たれるのは、私は大嫌いなのだ。
          個人的好みであるから仕方ないけれど
          あからさまに上から目線で
          偉そうに喋るなら
          どこかの放送局主催の「青年の主張大会」に行くか
          自分で政治家になるか
          宗教の教祖になればよろしい。

          しかもクリスマス前とは言え
          あれだけキリスト教の要素が入ってくると
          宗教的な「強制」にはアレルギーの出る私には
          ちょっと耐えられません。
          (キリスト教が悪いとか、芸術のキリスト教的要素が悪いとは言ってません。
           メシアンも好きだし、ミサ曲もちゃんと聴きます。
           ただ、ああやって強制されちゃうと反発するんです)

          芸術って、そういうものじゃないでしょ。
          説教するよりは
          芸術の持っている力で、観客を圧倒して
          観客そのものが自分自身で
          何らかの結論に辿り着く道を指し示すものではないのか。
          まぁ、あくまでも個人的見解だから
          お偉い作曲家の先生さまから
          偉そうに人生の指針を30分にわたって説得されて
          ははぁ、参りました、と頭を下げて満足する人もいるだろう、きっと。

          音楽的な引き出しが多いと書いたが
          確かにこのオペラに使われている音楽は多彩である。

          教会旋法や、グレゴリア聖歌っぽい作曲技法を駆使したり
          いわゆる古典派やクラシックの技法やモチーフのバリエーション
          クロス・オーバーで、ロックやポピュラーのイミテーション
          最後の方にヴァレーズまで出て来て、ちょっと笑った。

          ライブ・エレクトロニックの技術のマスターも、まぁ、見事ではある。
          しかも、同時代の作曲家のパクリまでやっていて
          ベルンハルト・ラングとか、苦笑してるんじゃないだろうか。

          様々な音楽的技法をマスターしている事を
          これでもか、とぶつけて来るのは
          大いにゲッソリするんだけど
          音楽技法まで知らない人には、だから何って感じだろう。
          (ちょっと知ってると、「ほら見ろ、ほら聴け」が煩い)

          音楽的には多様で多彩なパクリの連続。
          これも一種のオリジナリティではある。

          ヨハネス・マリア・シュタウドの現代オペラと比べると
          シュタウドは、あくまでもシュタウドという作曲家の中に居て
          その意味では、最初から最後までシュタウドで
          多様性には欠けるので
          オルガ・ノイヴィルトの、このパクリの方が多様性や緊張感はある。

          ビデオを使った背景は優秀。
          このチェンジで、舞台そのものに飽きが来ない。
          衣装も絢爛豪華で、原色を多用しているので華やか。

          最後の、あの上から目線の
          お偉い説教シーン(約30分)だけなかったら
          そこそこ面白いオペラだったのになぁ。

          相変わらず観光客の多い国立オペラ座で
          愛用のロジェの後ろはオペラの時は音響が悪いので避けて
          結構な値段の(51ユーロ!)ギャラリーに逃げたのだが

          周囲の観光客が、現代オペラと知らず
          休憩の後にごっそり帰った後に
          立ち見席にいた観客がどんどん入って来て
          (本当は禁止だ、値段が違う!)
          周囲のお喋りも結構あったし
          (音楽が雑音要素も多いし、ハウリングもあったので
           お喋りの雑音も音楽に混ざってしまう・・・)
          最初に子供連れの家族が立ち見に居たのにも驚いたが
          (3歳か4歳の子供を連れて、現代音楽オペラに来る人は理解不能)

          若い人が初めて観るオペラとしては
          クロスオーバーだし、意外に楽しいんじゃないだろうか。
          人生に対する教訓も大いに含んでいる事だし(苦笑)

          新聞評がどうなるか、ちょっと楽しみだが
          そこに、また
          国立オペラ座で史上初の女性作曲家のオペラ、と書かれたら
          ヨハンナ・ドーデラーの名誉のためにも
          私はクレームを挙げたい、と
          本気で思っている私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          大学で現代女性作曲家の講義シリーズがあって
          ヨハンナ・ドーデラーも講義に何回か来たのである。
          まぁ、この人も割に上から目線の偉そうな人なのだが(笑)
          ちなみに、かの有名な小説家の、姪御さんです。

          真夏の夜の夢 ベンジャミン・ブリテン

          0
            Wiener Staatsoper 2019年10月13日 19時〜22時

            Benjamin Britten
            A MIDSUMMER NIGHT’S DREAM
            Oper in drei Akten / Text von Benjamin Britten, Peter Pears

            指揮 Simone Young
            演出 Irina Brook
            舞台 Noëlle Ginafri-Corbel
            衣装 Magali Castellan
            照明 Jean Kalman
            振付 Martin Buczko, Théo Touvet
            児童合唱指導 Johannes Mertl

            Oberon: Laurence Zazzo
            Tytania: Erin Morley
            Puck: Théo Touvet
            Theseus: Peter Kellner
            Hippolyta: Szilvia Vörös
            Lysander: Josh Lovell
            Demetrius: Rafael Fingerlos
            Hermia: Rachel Frenkel
            Helena: Valentina Nafornitā
            Bottom: Peter Rose
            Quince: Wolfgang Bankl
            Flute: Benjamin Hulett
            Snout: Thomas Ebbenstein
            Sung: William Thomas
            Starveling: Clemens Unterreiner
            Cobweg: Emil Lang
            Peaseblossom: Niklas Rudner
            Mustardseed: Mihail Savenkov
            Moth: Fabio Ringer
            Exotic Child: Ramtin Geretschläger
            Blockflötenensemble: Linus Kölpl, Laurenz Zoglauer, Anna Barnas,
            Karin Hageneder, Fabian Lucas Holzer, Stefan Tokár

            Orchester der Wiener Staatsoper
            Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
            Opernschule der Wiener Staatsoper
            Wiener Staatsballett

            今シーズンの新プロダクション、ベンジャミン・ブリテンの
            「真夏の夜の夢」 今回で4回目の上演だが
            新聞評もベタ褒めだったし
            初演に行った大学の同僚(お達者倶楽部)が
            「すごく良かった」と絶賛していたので
            期待して行って(しかも、かなりお高い席を奮発)

            いや〜〜〜、むちゃくちゃ良かったです !!!!

            舞台がともかく楽しい。
            歌手としての能力だけではなくて
            ちゃんと歌って演技できて、見た目もハマった歌手を揃えていて
            舞台芸術としての完成度が非常に高い。

            プログラム買ったら
            普通、後ろに日本語のあらすじが記載されているのだが
            今回のプログラムはあらすじの記載は全くなし
            ・・・と思ったら
            あら、もしかしたら、ドイツ語版と英語版のプログラムがあるのね?
            (プログラム表紙下のところに「ドイツ語」って書いてある)

            まぁ、シェークスピアの「真夏の夜の夢」だから
            話は誰でも知っているので、別にあらすじ、不要だけど(笑)

            オーケストラ編成はとても小さい。
            出てくる音楽も、とても室内楽的な繊細な音楽なのだが
            いや〜、ベンジャミン・ブリテン、凄いわ。

            ブリテンの音楽って、ある程度、耳に慣れるまでに
            かなりかかったのだが(イアン・ボストリッジに感謝)
            オペラ音楽としては
            確かウィーン劇場でのルクレチアの陵辱にはハマって
            数回、観に行った事があったっけ。

            で、室内楽的なオーケストラなんだけど
            音楽がむちゃくちゃ楽しい。
            音楽による情景の描写とかが、いちいちハマっている上に

            演出家と指揮者が良いのだろうと思うけれど
            歌手の仕草が、音楽にピッタリ合っているのだ。
            これは驚いた。歌手が歌いながらする仕草と
            音楽の情景が完璧に一致する、という経験は初めてである。

            オベロンはカウンター・テノール。
            立派な体格の髭もじゃ男性が、高いテノールで歌うと
            最初はギョッとするが
            カウンター・テノールなのに堂々としていて
            オペロンの風格があるんだよね〜。ちょっと惚れてしまうかも。

            タイタニアのキュートさも素晴らしいし
            その存在感で目立ちまくっていた
            ボトム(ピーター・ローゼだ!)も魅力的。

            パック役は歌手ではなく、俳優さんだと思うんだけど
            新聞評では「アクロバット」と書いていたけれど
            アクロバットよりは、アクロバット・ダンサーだろう。

            パック役にしては、身長が高いのだが
            その大柄さを全く感じさせず
            舞台でトンボ飛んだり、すごいジャンプをしたり

            しかも、声がものすごく通るし、英語がクリアで
            舞台の端や、ソファを動かしたりしているシーンでも
            存在感が大きくて
            でも、やっぱり妖精で(笑)

            ああいう芸達者な役者さんが1人居ると
            演技が下手くそな歌手が居ると悪目立ちするのだが
            今回の配役、どの歌手も、むちゃくちゃ演技が出来て
            木偶の坊が一人も居なかったのには舌を巻いた。

            プロモーション・ビデオの出来が良いので
            下に貼っておく。



            惜しむらくは、このオペラ、音楽があれだけ室内楽的だと
            ウィーン国立オペラ座は会場としては、少し大き過ぎる印象を持つ事と

            日本語の字幕が・・・
            調子悪かったのかもしれないが
            時々、出なくなったりする上に
            何だかすごく省略されていて、あの日本語字幕だと、よくわからないシーンが多い。
            (まぁ、喋られたり歌われたりしているのは英語だから
             それでもある程度はわかるのだが)

            ちょっと今、仕事も勉強も発表も
            突然、何から何まで、どっさりと降って来て
            こんなブログ書いてる時間もない、という状態なので
            役の名前とか、日本語にしていないけれど
            どうぞお許し下さい。

            そんな時間がない(冷汗)という時に限って
            来週は毎日ナイト・ライフを入れているワタシって
            いったい何なんだろう、と
            自分で呆れている私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            なにせ今学期は朝8時からの授業が週3回(6時起床)
            1日3コマとか4コマとか入れているので
            自分でもワケわからなくなっている状態・・・(冷汗)
            なのに、再来週には先学期の講義の試験が(以下省略)

            今日の午前11時にはウィーン・フィルとティーレマンで
            またブルックナー8番聴いて来たけれど
            それについて、何か書いてる時間がない・・・
            (まぁ、3回目なので、もう読者も飽きてるだろう・・・)

            ナクソス島のアリアドネ 国立オペラ座

            0
              Wiener Staatsoper 2019年10月8日 19時30分〜22時15分

              ARIADNE AUF NAXOS
              Oper in einem Akt nebst einem Vorspiel
              Musik : Richard Strauss
              Text : Hugo von Hofmannsthal

              指揮 Michael Boder
              演出 Sven-Eric Bechtolf
              舞台 Rolf Glittenberg
              衣装 Marianne Glittenberg
              照明 Jürgen Hoffmann

              プロローグの登場人物
              執事 Hans Peter Kammerer
              音楽教師 Jochen Schmeckenbecher
              作曲家 Kate Lindsey
              テノール Stephen Gould
              兵士 Oleg Zalytskiy
              ダンス教師 Thomas Ebenstein
              カツラ職人 Wolfgang Igor Derntl
              召使い Marcus Pelz
              ツェルビネッタ Hila Fahima
              プリマドンナ Adrianne Pieczonka
              ハーレキン Samuel Hasselhorn
              スカラムーチョ Carlos Osuna
              トラファルディン Peter Kellner
              ブリゲッラ Leonardo Navarro

              オペラの登場人物
              アリアドネ Adrianna Pieczonka
              バッカス Stephen Gould
              ナヤーデ Maria Nazarova
              ドリアーデ Svetlina Stoyanova
              エコー Ileana Tonca
              ツェルビネッタ Hila Fahima
              ハーレキン Samuel Hsselhorn
              スカラムーチョ Carlos Osuna
              トラファルディン Peter Keller
              ブリゲッラ Leonardo Navarro

              Orchester der Wiener Staatsoper

              好きなものは好きなので
              年に1回くらいは、どうしても観たくなるオペラが
              普通にスタンダード・レパートリーとして上演される
              国立オペラ座って、好き ❤
              (本当はカプリッチオの方がもっと好きなのだが
               さすがにこれはスタンダード・レパートリーは無理(笑))

              安定のクオリティというか
              いわゆる「スター歌手」というのではないし
              ヴェルディやプッチーニと比べると
              「普通の」観光客にウケの良い演目でもないので
              チケットが比較的入手し易かったのか
              周囲がみんな観光客で

              それは良いんだけど
              ちょっと辟易する事もあって

              オペラ・パートの最初の、あの繊細な室内楽的メロディに
              レジ袋のガサガサ音と「何買ったの?」とか言う(外国語なので理解不能)
              年配の女性同士のお喋り声が混じったら
              どんな気分か、想像してくれ。

              この年配カップル、女性の方がずっと喋っていて
              何回注意しても無理なので、もう諦めて
              最後の方で、あら少し静かになったか、と思ったら
              男性のイビキが聞こえて来た。
              ・・・お疲れだったんでしょうね(ため息)

              隣の若いお兄ちゃんとお姉ちゃんが
              オペラの間に盛大なラブシーンを繰り広げていても
              スマホでずっとビデオを撮っていても
              気にし出したら
              せっかく30ユーロ以上の席を奮発したのに
              もったいない。

              この演出(2012年〜13年のシーズンから)での上演は28回目。
              私は、この演出でオペラ座で観るのは9回目(しつこい)

              ヒラ・ファヒマは、すっかりツェルビネッタの役をモノにしたようだ。
              オペラ・パートのアリアでは
              いつも通り、音符と音符の解像度はあまりないけれど
              こちらも聴いているうちに、ファヒマの歌唱に慣れて来ちゃった(笑)

              最初の頃は声量がない、とか書いているが
              このオペラ、別に声量なくても
              いわゆる、伝統的オペラというか
              コロラチューラの超絶技巧をバロック的に楽しんでも良いと思うので
              オーケストラは音量を抑えて(もともと室内楽編成だし)
              すごく楽しく聴いた。(この歌手、ドイツ語もハッキリしているし)

              作曲家のケイト・リンジーが素晴らしかった。
              まだ39歳だし、これからも伸びるだろうが
              演技も巧いし、見た目も美しくて男性役ピッタリだし
              声量もある、ドイツ語もちゃんと発音している。

              シュメッケンベッヒャーの教師役も何回も聴いたが
              この人も堂々とした声量があって
              教師役にハマっているが

              この大声量のシュメッケンベッヒャーと対峙して
              ケイト・リンジーの作曲家役、全く聴き劣りしないし
              ツェルビネッタに惚れるところとか
              何だかすごくリアルだし
              最後のシーンでは、本当にキスしてる(ように見える)(笑)
              見た目のバランス(背の高さ)とかも絵になっていて素敵。

              テノール+バッカス役のステフェン・グールドが抜群。
              いや、本当にこの人、ヘルデン・テノールそのものって感じ。
              あれだけ長いシーンで
              堂々と会場中に響き渡る美声・・・
              アリアドネが惚れちゃうのもわかるわ。

              侍従長は、今まではずっとペーター・マティッチだったが
              残念ながら、あんなにお元気だったのに
              突然亡くなってしまったので
              今回はハンス・ペーター・カンマーラー。

              美しいバリトンの声で
              ほんの少しだけウィーン風の洗練さ(=いやらしさ(笑))もある。
              マティッチと比べたらいかんのだが
              堂々としていて
              嫌味ったらしくて(褒めてます)
              存在感は抜群だった。
              (後半では、舞台の後ろで動いているのだが
               バッカスが横で歌い出して、ひっくり返るところを
               本当にひっくり返っていた(痛かったんじゃないのか・・・))

              オーケストラはホーネックさんがコンマス。
              あ〜、もう、本当に
              これだけ熟知しているオーケストラの紡ぎ出す
              リヒャルト・シュトラウスの音楽は
              天上の響きで
              何でこのオーケストラ、こういう曲を演奏させると
              実に艶っぽい響きになるんだろう?

              このオペラって
              モーツァルトで始まってワーグナー(のパロディ)で終わる、と
              私の好み的に理解しているんだけど
              最初の序幕部分の音楽構成の巧みさは
              何回聴いても驚くし
              私はこの序曲が始まると、反射的にウキウキして来て
              何かが起こる、という期待感がたまらない。

              全然「感想文」になっていないのだが
              本当に本当に楽しかった。
              この演出、後半の後ろ部分での演技が多すぎて
              ちょっと、くどい部分はあるのだが
              (何回も書いているが、このオペラを観るのであれば
               ちゃんと舞台の後ろの方までバッチリ観える席でないと
               半分以上、損をするぞ。あの舞台の奥のドタバタは楽しい)
              そこらへんは、何回も見て
              ここで何が行われるか的な事は把握しているから大丈夫。

              あと1回くらい観に行っても良いかなぁ、と
              真剣に考えている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              本当にもう一度行くなら、立ち見席でも良いかなぁ。
              今日の立ち見席、途中で帰る人も多く
              平土間の立ち見席なんか、最後は3分の1も埋まってなかったし
              ギャラリーとか、かなり空いていた感じだった。
              (音はギャラリーの方が良い。舞台は知ってるから別に見なくても・・・)

              影のない女@国立オペラ座

              0
                Wiener Staatsoper 2019年6月10日 17時30分〜22時

                DIE FRAU OHNE SCHATTEN
                Musik von Richard Strauss
                Oper in drei Aufzügen / Text von Hugo von Hofmannsthal

                指揮 Christian Thielemann
                演出 Vincent Huguet
                舞台 Aurélie Maestre
                衣装 Clémence Pernould
                照明とビデオ Bertrand Couderc
                ドラマツルギー Louis Geisler

                皇帝 Stephan Gould
                皇后 Camilla Nylund
                乳母 Evelyn Herlitzius
                魔界の使者 Wolfgang Bankl
                魔界の守り主 Maria Nazarova
                若人の声 Benjamin Bruns
                鷹の声 Maria Nazarova
                上からの声 Monika Bohinec
                バラク Wolfgang Koch
                バラクの妻 Nina Stemme
                片目の男 Samuel Hasselhorn
                片腕の男 Marcus Pelz
                せむし Thomas Ebenstein
                召使い Ileana Tonca, Mariam Battistelli, Szilvia Vörös
                生まれていない者たちの声 Ileana Tonca, Mariam Battistelli, Virginie Verrez,
                Szilvia Vörös, Bongiwe Nakani
                ソロ Ileana Tonca, Mariam Battistelli, Virginie Verrez, Szilvia Vörös,
                Bongiwe Nakani, Zoryana Kushpler

                Orchester der Wiener Staatsoper
                Chor der Wiener Staatsoper
                Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
                Opernschule der Wiener Staatsoper
                Komparserie der Wiener Staatsoper

                ウィーンにティーレマンがご降臨になると
                はなからチケットは全て売り切れである(断定)

                コンサートに関しては
                以前ほどではないけれど
                さすがオペラ、しかもリヒャルト・シュトラウスとなれば
                (ワーグナーとリヒャルト・シュトラウスしか振らないが)
                何公演あっても、すべて売り切れ。

                たまたま良き友人が、チケットあるけど行けない、というのを聞きつけて
                きゃ〜っ、チケット、譲って下さい!!!という
                ラッキー・チャンス。
                本当に有り難うございました ❤

                清水から3段跳びくらいでジャンプした価格で
                こんな良い席でオペラを観た事はありません、というお席 (^^)

                座ったままで、舞台全部見えるし
                オーケストラ全部見えるし
                ティーレマンも見えるし
                ティーレマンの前のスコアまで(オペラ・グラス使うと)ばっちり見える。

                (いつも、どんな貧民席なんだよ、とツッコミ入りそうだが
                 良いんです、身分相応というものはわかっておりますので)

                しかしプログラムを見て、どっひゃーん!!!
                17時30分開始で22時まで。
                月曜日、授業が17時30分まであるじゃん、どうしよう?と思っていたら
                本日は聖霊降臨祭の月曜日で祝日だった \(^^)/

                さて「影のない女」
                すごい大昔にオペラ座で一度観た事はあるが
                いったい、何だこりゃ?と、ま〜ったく理解できず
                (当時は字幕がドイツ語と英語しかなかった)
                皇帝?皇后?そこに染物屋のオヤジとオバンに
                鷹が出て来たりとか
                メルヘン?のようだが、ともかく理解不可能、という印象しかない。

                30分前に行われる作品解説を聞いてみた。
                解説者によると、このオペラは何でもアリなんだそうで
                エレクトラとかバラの騎士とかナクソス島のアリアドネとか
                ともかく何でも入っているらしい。

                演出の意図は、やっぱりこれはメルヘンで
                心理劇とか、隠された意図は、観て聴けばわかる(らしい・・・)
                各登場人物が、それぞれの課題をこなす事によって
                新しい段階に進む、というのが中心テーマらしい。

                ふ〜ん・・・

                さて舞台だが
                メルヘン? どこがメルヘン???

                最初は湖か何かの上に浮いたパヴィリオンで
                その後は、後ろが岩っぽい舞台設定で
                最初から最後までモノトーンで暗い。

                皇后の衣装は真っ赤
                バラクの妻の衣装は真っ青

                ・・・これって、もしかしたら聖母マリアの隠喩か(?)

                ストーリーは皆さまご存知だと思うので
                くどくどは書かないけれど

                何ですかこれは!
                正しい家族計画物語なのか
                不妊の物語なのか
                産めよ殖やせよのテーマなのか

                うわあああ
                結婚したら子供を産め、という
                どこかの国の政治家のメッセージみたいな話じゃないの。
                (誤解があるとは思いますが、個人印象記なのでご勘弁を)

                適齢期で結婚して
                正しく子供を産んで
                健全な家庭を築いている方々は
                何も問題なく鑑賞できるだろうが

                私みたいに
                モテず、結婚も出来ず、子供も出来ずの人生を過ごしてしまうと
                これは、これは、これは

                精神的に異常にキツイ。

                というより、何だよ、この時代錯誤な
                しかも女性蔑視(女性は子供を産む機械かっ!)の世界は!!!(怒)

                こんなオペラがいまだに上演されている事が信じられない。
                信じられないのだが

                いや、ちょっと、これ
                音楽がものすごく素晴らしいじゃないの。

                題材は嫌悪すべき物であるとしても
                それにくっついた音楽が
                確かに解説の時間で言われた通り
                リヒャルト・シュトラウスらしいモチーフが
                見事なオーケストレーションで演奏されてしまうと
                音楽だけで、ノックアウトされそう。

                バラクの妻のニナ・シュテメが、実に素晴らしかった。
                共感を呼ぶような役ではないのだが
                (だってさ、専業主婦で甘えるんじゃねえ!とか言いたくなっちゃうので)
                皇后のカミーラ・ニュルンドと共に
                第二幕での歌合戦(じゃないけど(笑))
                お互いに譲らず、ドラマチック・ソプラノのプライドを賭けてのシーンは
                本当にタンホイザーの歌合戦・・・あっ、違う(汗)

                ヘルリツィウスの乳母も、声は低音域まで伸びるし
                ドイツ語はちゃんとドイツ語に聞こえる。演技も巧い。
                (ニュルンドとシュテメはドイツ語にはあまり聞こえなかったけど
                 まぁ、あれだけ周波数の高い領域では無理というものだ)

                ステファン・グールドの皇帝は、歌う部分は少ないが
                この人も声量あるし、声は伸びるし
                堂々としていて皇帝の風格があるし、素晴らしい。

                バラク役のヴォルフガング・コッホは
                圧倒的な声量はないのだが
                バラクって、そういう役どころだし
                何とも優しそうな役作りで共感できる。

                ・・・いや、だからストーリーはまた別で
                バラクだって
                「若い妻を守って、子供が出来たら、何人でも飢えさせないように
                 頑張って仕事するのが僕の責任」って
                そりゃ、理想的なお父さん像ではあろう。

                だけどね、良い人だから愛する、という単純構造には
                現実はなってませんから(断言)

                真面目に仕事して良い人だけど
                退屈で生理的にも受け付けない。
                だけど、その収入で生きてる(専業主婦)私にも自己嫌悪
                ・・・というのがバラクの妻の初期状態である。

                現代だったら、女性の自立⇨離婚の道まっしぐら。

                それが、途中で、バラクの人の良さに打たれて
                やっぱりこの人の子供が欲しい、となってしまう
                バラクの妻って、何なんだこれは。

                あ〜、すみません。
                ストーリーについて書き出すと
                怒りで指が震えて、とんでもない事まで書いちゃいそうなので止めます。

                音楽の素晴らしさについつい耳が行っちゃうので
                ほとんど退屈しないけれど

                短二度で繰り返される「鷹」って何の象徴なんだろう?
                途中のシーンで出てくる多数の戦死者が横たわっているシーンって
                演出家は何を考えていたんだろう?
                乳母は、母親の悪口を子供に吹き込む姑の象徴かな、とか
                (あ〜、すみません・・・)
                考えてみれば、カイコバートという名前は煩雑に出てくるものの
                カイコバートそのものはオペラには登場しないのは何故なんだろう、とか

                まぁ、様々な謎のあるオペラで
                だからこそ、飽きが来ないのかもしれない。

                そういう不思議な謎がなかったら
                「夫婦は愛し合って、たくさん子供を作りましょう。
                 でも、人の犠牲まで強要しての不妊治療は止めましょう」
                っていう、非常に不愉快で、かなり単純で
                異様に生々しい時代錯誤の女性蔑視だけになってしまうからな、きっと。

                歌手は揃ってるし
                音楽は、ともかく素晴らしい(思い切り強調)
                オーケストラのメンバー、誰一人、手抜きしてないし
                いや〜、こういう音楽だと
                国立オペラ座管弦楽団=ウィーン・フィルというのも納得できる。
                (すみません、普段、バレエしか行かないので(以下省略))
                弦の響きの豊かさ
                シュトイデさんのバイオリンのソロの泣きたくなる位の美しさ。
                チェロのソロは、スキャンダルから不死鳥のように生還したノイジさん。
                金管も木管も、パーカッション(比較的出入りは激しい)も抜群。

                ティーレマンの熱心な信奉者が多いので
                登場するたびにブラボー・コールが飛ぶ。
                (お隣の男性が大声で叫ぶので、耳が痛くなった(笑))

                ティーレマンも音楽にはご満悦だったようで
                終演後、コンマスと握手かと思いきや
                抱き寄せてハグしていた(迷惑そうだった(笑))

                こんな(売れ残り子ナシの)女性にとって
                失礼で不愉快な話はない訳で
                (まぁ、1914年〜17年の話だ、100年前の話なのだ!
                 時代が違う! って言うか、100年前に生まれていなくて良かった)
                もう二度と行く気はないけれど

                あんなに良い席でオペラを観る事も
                たぶん、二度とないだろう、という私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                ただ、考えてみれば、4時間30分というオペラなので
                時間単位で割ってみたら(時給?笑)
                そんなにむちゃくちゃ高い、というワケではないかもしれない。
                それ言ったら、ブルックナー1曲とかの楽友協会の方が
                分割りにしたらお高いわ(すみません、ケチで f^_^;)

                国立オペラ座 椿姫

                0
                  Wiener Staatsoper 2019年2月1日 19時30分〜22時

                  Giuseppe Verdi
                  LA TRAVIATA
                  Melodramma in drei Akten
                  Text von Francesco Maria Piave

                  指揮 Marco Armiliato
                  演出 Jean-François Sivadier
                  舞台 Alexandre de Dardel
                  衣装 Virgine Gervaise
                  マスク Cécile Kretschmar
                  照明 Philippe Berthomé
                  振付 Boris Nebyla

                  ヴィオレッタ・ヴァレリー Ekaterina Siurina
                  フローラ・ベルヴォア Zoryana Kushpler
                  アニーナ Donna Ellen
                  アルフレード・ジェルモン Saimir Pirgu
                  ジョルジョ・ジェルモン Ludovic Tézier
                  ガストン Carlos Osuna
                  ドゥフォール男爵 Sorin Coliban
                  ドビニー侯爵 Clemens Unterreiner
                  グランヴィル医師 Ayk Martirossian
                  ジュゼッペ Dritan Luca
                  使者 Hiro Ijichi
                  フローラの召使い Roman Lauder
                  助手 Christoph Nechvatal

                  「オペラ行かない?」のお誘いに乗って
                  いつも売り切れの、かの名作オペラ「椿姫」に行って来た。

                  実はこの新演出、興味があったんですよ。
                  2011年のシーズン開幕に
                  ナタリ・デッセイ出演という事で
                  本当にナタリ・デッセイ用に作られた演出だったらしい。

                  デッセイは2011年の新シーズン開幕に7回出演して
                  その後はウィーンのオペラには出演していない。

                  というわけで
                  ナタリ・デッセイのための演出を
                  ナタリ・デッセイが歌ったトレイラーがあるので
                  どうぞご覧下さいませ。



                  青を基調にした、倉庫のような舞台で
                  舞台装置はほとんどなし。
                  衣装も、最初のヴィオレッタの衣装だけ
                  青でペチコートが赤という衣装だが
                  男性歌手の衣装は普通の背広でコートだし
                  バロック風の椅子とかもなくて(倉庫の椅子はある)
                  華やかな1850年代の貴族社会+娼婦の妖しげなエロスの世界とは
                  舞台装置も衣装も、かなり程遠いところにある。

                  かてて加えて、バレエ・ファンであれば
                  椿姫と言えば、ジョン・ノイマイヤーか
                  あるいは、こちらの絵柄が頭にデフォとして入っているわけで・・・
                  ⇩ 1分7秒のところからご覧下さい。
                  (音楽はリストだけど、ストーリーは椿姫)



                  そりゃ、ヴェルディの「椿姫」と言えば
                  クラシック・ファンとかじゃなくても
                  音楽はむちゃくちゃ有名だし、アリアはみんな知ってるし
                  もちろんストーリーも有名。

                  デッセイの回の後、様々な歌手と指揮者が取っ替え引っ替え上演して
                  今回で61回目の上演になるけれど

                  これだけ舞台が簡素だと
                  あとは、音楽の素晴らしさと
                  出演者の魅力でしか見せられない。

                  バレエじゃないから、オペラだから
                  見た目よりは声が出る方が優先されるのは、よ〜くわかる。

                  しかも私の歌の先生が言っていたが
                  このヴィオレッタの役は
                  最初のスープレットと、後半のドラマチックを
                  1人の歌手が歌わねばならないため
                  ものすご〜〜〜〜〜〜い才能と、自由自在な声と
                  むちゃくちゃ体力が必要な役のナンバー・ワンなのだそうで

                  あ〜、はい、もう、言いたい事は察して下さい。

                  序曲の時から
                  下手(しもて)にヴィオレッタが召使いと座り
                  上手(かみて)にアルフレッドが立っている。

                  あ〜、ヴィオレッタのソプラノ
                  あれだけエラ張っていて、顔がむちゃくちゃ大きくて
                  しかも顔が首と肩にめり込んでいるスタイルって
                  声の共鳴には良いんだろうなあ・・・羨ましい。

                  なのに、最初のアリアであんまり声が飛んで来ない。
                  一瞬、席が悪いのか
                  歳のせいで耳が遠くなったのか・・・

                  アルフレードも、ヴィオレッタを熱烈に恋する青年というよりは
                  妖しげな趣味(ナントカ専)の中年にしか(あっ、すみませんっ汗)

                  主人公2人とも、ともかく、頑張ってはいる。
                  ものすご〜〜〜く頑張ってる。
                  必死に声を張り上げているのがわかるし
                  後半のドラマチック部分は、かなり良い感じになっていて

                  まぁ、時々あるような
                  お母さんと息子のラブシーンとか言う
                  気恥ずかしい絵にはなっていなかった。
                  (ちょっと妖しげなカップルではあったが)

                  だけど、ワタシ、公衆の面前でのラブラブ行為には
                  非常な偏見を持っているので
                  (心理的に言えば、本当は自分がやりたい!)
                  なんかもう、あちこちでガバッと抱きついたりキスしたりって
                  恥ずかしくて見ていられない。
                  (これが、私がオペラを苦手とする大きな要因である。
                   バレエは良いの。出てくるダンサーたちがあまりに美しいので
                   現実の世界とは思えないから(笑))

                  唯一、ピカッと輝いていたのがお父さんジェルモンで
                  堂々とした上品なマント姿で
                  (しかもよく見ればそんなに歳取ってなくてハンサム ♡)
                  何とも滑らかで美しくて
                  切々と語りかけるジェルモン・・・

                  うわあああ、この歌手だけ、格が違うわ・・・
                  と思ってキャスト表見たらリュドヴィク・テジエであった。
                  多少、体躯がたっぷり目になったけれど
                  声は飛んでくるし、美しいし、優しくてジェルモンお父さんばっちりだった。

                  実はオーケストラが非常に良かったので驚いた。
                  (いや、驚いてはいけない、天下のウィーン・フィルである(汗))
                  いつもバレエしか観ていないので
                  オペラになると、こんな繊細な美しい音を出すのかこの人たちは
                  ・・・大変に失礼な発言ではあるが、どうぞお許し下さい。
                  オーケストラの音だけ聴いていても良かったかもしれない。

                  途中に出てくる短いバレエのシーン。
                  男性バレエ・ダンサー3人だったのだが
                  主役級を踊ったダンサーは
                  フォルクス・オーパー所属のサムエル君ではないか。
                  (なんでそんなところだけ見てるんだ、ワタシは)

                  最後のヴィオレッタの死のシーン
                  ご存知、ここだけ「セリフ」が入るのだが
                  (これ、大変だと思うぞ。歌声の時の声帯の位置から
                   話し声の位置に戻すって至難の技。
                   セリフはほとんど聞こえなかった(けれど、それは理解できる))
                  そのまま、ルルベで立って、ソプラノが舞台の前の方に移動して来て

                  一瞬、私は
                  あ、これって、ヴィオレッタが突然元気になって
                  そのまま生きてアルフレードとハッピー・エンドか

                  ・・・と妄想してしまいました。
                  (ソプラノ女史、なかなかご立派な体型ですし)

                  舞台の前の方でルルベから美しく(これは見事)
                  舞台の上に倒れこんで照明が落ちて幕。
                  ちっ、ハッピー・エンドじゃなかったのか。
                  (そういう演出、あっても良いような気がするが
                   それやったら、ただのパロディになってしまふ・・・)

                  観客のマナーに関しては
                  ちょっと色々と言いたい事はあるんだけど
                  あまり悪口を書くと
                  自分の品性が疑われてしまうので止めておく。
                  できれば上演中のお喋りとイビキは避けて欲しいとは思う(笑)

                  椿姫と言えば、やっぱり音楽は素晴らしいので
                  ああいう、骨格だけ、みたいな舞台装置と衣装は
                  ちょっと残念ではある(しかも舞台暗いし)

                  でも、良き友人と
                  情け容赦なく歌手のコキおろしをしながら
                  鑑賞した椿姫、非常に楽しかった。
                  こういう機会がないと
                  なかなかこう言う演目に行かないし・・・

                  むちゃくちゃ現代演出にしてしまうのだったら
                  フォルクス・オーパーでやっていた
                  ピエロ・バージョンがむちゃくちゃ良くて
                  (最後に抱き合って歌うシーンが抱き合わない)
                  あれは、できればもう一度観てみたいものだ、と
                  本気で思った私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  アンドレア・シェニエ

                  0
                    Wiener Staatsoper 2019年1月6日 19時〜21時50分

                    Umberto Giordano
                    ANDREA CHÉNIER
                    Dramma istorico in vier Akten
                    Text von Luigi Illica
                    指揮 Frédéric Chaslin
                    演出 Otto Schenk
                    舞台 Rolf Glittenberg
                    衣装 Milena Canonero

                    Andrea Chénier : Gregory Kunde*
                    Carlo Géraud : Luca Salsi*
                    Maddalena di Coigny : Tatiana Serjan*
                    Bersi : Virginie Verrez*
                    Gräfin di Coigny : Lydia Rathkolb*
                    Madelon : Zoryana Kushpler
                    Roucher : Boaz Daniel
                    Pietro Fléville : Igor Onishchenko*
                    Fouquier Tinville : Alexandru Moisiuc
                    Mathieu : Wolfgang Bankl
                    Der Abbé : Benedikt Kobel
                    Ein „Incroyable“ : Thomas Ebenstein
                    Ein Haushofmeister : Markus Pelz
                    Dumas : Markus Pelz
                    Schmidt : Markus Pelz

                    Orchester der Wiener Staatsoper
                    Chor der Wiener Staatsoper
                    Bühnenchor der Wiener Staatsoper
                    Opernschule der Wiener Staatsoper
                    Komparserie der Wiener Staatsoper

                    何でまた新年早々からイタリア・オペラを観に行ったかと言うと
                    特別25%割引・・・というのに釣られた(だけ)

                    オペラだと、ロジェの後ろの音響が最悪なので
                    ギャラリー(天井桟敷)に逃げるのだが
                    更にそこで舞台がそこそこ見える席で
                    割引有効で32ユーロなら
                    まぁ、普段見ないイタリア・オペラも時々は良いかも・・・

                    ・・・・しまった。
                    これ、ヴェリズモ・オペラであった(←ものすご〜〜〜く苦手)

                    有名なオペラだし
                    オペラ座のスタンダード・ナンバーで
                    今日で112回目の公演なので
                    プログラムも昔のフォーマットでコンパクトで
                    いつもの大判プログラムより1ユーロ安い。
                    (まぁ、バラの騎士とかよりはプログラムは新しい、念の為)

                    キャスト表みたら
                    何ですか、この星*の数は!!!
                    (*はその役の国立オペラ座でのデビューである)
                    主要人物が全員、今日が初舞台ですか。

                    で、初舞台なのに全員、中年(あるいはそれ以降)???!!!

                    普段、バレエの舞台で
                    若くてピチピチの見た目良き男女の美しい動きを堪能しているので

                    あ〜、はい、すみません、それ以上は言いません。
                    オペラとバレエでは、その性格が違うのだから
                    舞台に中年の恰幅の良い男女が登場するのがオペラである(たぶん)

                    舞台そのものは、ほとんど装置がなくて
                    小物(と言っても荷馬車とか机とかソファ)と
                    後ろの幕の変化で対処。

                    登場人物がえらく多い。

                    最初のパーティのシーンの前の
                    ジェラルドの独白(アリアとも言うらしい)で
                    うわ〜〜〜、すごい声量。

                    バリトンの深い見事な声が
                    天井桟敷にバンバン飛んで来て
                    自分の身分に対しての恨み辛みのグチグチが
                    情熱的に、劇的に、激情的に、熱苦しく
                    すごいエネルギーで歌われる。
                    (すみません、もうここで、ワタクシ、疲れ始めている有様で・・・)

                    パーティの場面の登場人物が異様に多く
                    全員が、パリの革命直前の貴族の衣装をお召しになっていて
                    あ〜、舞台装置に使う予算を
                    衣装に使い切ったな・・・(邪推です、邪推)

                    演出はオットー・シェンクなので
                    非常に伝統的で、奇を衒ったところや
                    ヘンな読み替えは一切ない。

                    伝統的演出に基づいて
                    歌手のアリアは、しっかり仁王立ちで
                    教科書通りの姿勢で
                    手を広げて歌う。

                    マッダレーナが、やっぱり恰幅の良いおばさまで
                    まぁ、スタイルと年はともかくとして
                    低音が暗い・・・
                    もしかしたら、これはロシア人か、と思ったら大当たりだった。

                    ネトレプコもそうだけど
                    何故にロシア人ソプラノの低音って暗いんだろう・・・と
                    予々不思議に思っていたのだが
                    私の歌の先生の話では
                    もともとスラブ系言語の発音がそういうものだとか(ほんとか?)
                    ↑例証がないので本当かどうかは不明。

                    アンドレア・シェニエ役が
                    また恰幅のよいおじさんで
                    あ〜、もう、出てくる人物が
                    みんな恰幅が良い。

                    最後の方でアンドレア・シェニエとマッダレーナが
                    ガバッと抱きつくシーン(何回もある)など
                    遠目に見ても、肉と肉がぶつかり合っての大迫力。

                    すみません、イタリア・オペラをバカにしているわけでも
                    優秀な歌手の方を貶めているわけでもございません。
                    お許しくださいまし・・・

                    30分後(1幕後)で休憩1回。
                    第2幕はシェニエとルーシェの密会で
                    シェニエが
                    「知らない女性が僕に手紙をくれる。
                     私はやっと愛を知ったのだ。」とか歌い出すのだが
                    どうも、そこらへんがよくわからん。

                    ラブレターもらって恋に陥ちるって
                    これは平安時代の話なのか?(激しい勘違い)

                    その手紙の作者マッダレーナと会って
                    突然激しい恋の炎に捉えられる2人

                    ・・・ここらへんから、もう私にはワケわからん展開になる。

                    恰幅が良い男性2人が剣を振るって
                    ジェラールが倒れるところなんかは
                    かなり巧く演技していて
                    やっぱりオペラ歌手だなぁ・・・と
                    ヘンなところに感銘を受けたが。

                    ここでまた休憩
                    (休憩2回だから、第3幕と第4幕は続けて演奏する)

                    ジェラールのアジ演説で
                    給料とか宝石とか、なけなしの金を出す市井の女性たちと
                    息子を戦争で失って、最後の息子を
                    「若いけれど立派に死ねます」と差し出す母親。
                    う〜っ、これは戦時中を思い起こさせる。
                    ヴェリズモ・オペラだから、リアルなのだ、きっと。
                    詩人と貴族の娘のワケわからん恋愛はあまりリアルに見えないのに
                    こういうところだけ、ヘンにリアル。

                    ジェラールの苦悶のアリア。
                    この演目、アリアというか、ソロが多いな。
                    アリアというには、あまり完美なメロディとかはなくて
                    まるでバラードを聴いているような気分だが。

                    現れたマッダレーナに
                    憧れていた、と告白するジェラール。

                    マッダレーナが、もう私は身体がボロボロで
                    私の身を犠牲にしてシェニエを救えるのであれば
                    どうぞご自由に、と言うのに対して

                    「おお、何と崇高な愛!」と感激して
                    シェニエを救うのに全力を尽くします、と誓うジェラール。

                    もう半分死んでいるようなものです、と儚げに言うマッダレーナの
                    たくましい体つき(あっ、すみません!)

                    このロシアのソプラノ、最初は太い暗い声でビックリしたけれど
                    ここら辺の「儚げ」な声は、消え入りそうな細いソプラノ。
                    うはははは、これは意外に聴かせるじゃないの。

                    最終シーンでは
                    シェニエのアリアが聴かせどころの上に
                    マッダレーナが、自分が死刑囚の身代わりになると言って
                    2人で高音張り上げて(張り合ってる(笑))
                    愛は勝つ・・・みたいな長々としたデュエット。

                    ありがたい事に、死刑台への馬車に
                    2人で意気揚々と(そうしか見えない)乗り込むところで終わるので
                    死ぬ、死ぬ、死ぬ的な長いアリアがなくて助かった。

                    2人でガバッと抱きついて
                    愛のアリアを延々と歌うところはあったけれど
                    2人とも、比較的中年っぽいし
                    2人とも恰幅が良いので
                    お母さんと息子とかにならずに
                    割にカップルとしては絵になってたし
                    高音の張り上げもすごかった。

                    イタリア・オペラだから、というのではなくて
                    やっぱりヴェリズモ・オペラって、苦手だわ。
                    リアルかと思うと
                    こんなのあり得ないだろ、という恋愛沙汰が入ってくるし
                    ジェラールも、もうちょっと悪役に徹して
                    スカルピアみたいになれば良いのに
                    身体を差し出すマッダレーナにほだされてしまうし

                    まぁ、他の男の命を救うために
                    私を抱いて良いのよ、とか言われても萎える男性はいるかも。

                    いやいやいや
                    これ、オペラだから・・・

                    でも、やっぱりオペラだったら
                    私はヴェリズモじゃなくて
                    夢の世界の方が良い(好みの問題です)

                    ヴェルディもプッチーニも実は苦手なのだが
                    (ヴェルディの場合はイタリア万歳もテンコ盛りだし)
                    ベッリーニとかドニゼッティ
                    ロッシーニも楽しくて好き・・・という事は
                    やっぱりヴェリズモが苦手なんだわ、ワタシ。

                    当分、ヴェリズモ・オペラは
                    いくら傑作と言われようが
                    避けておこう、と心から思った
                    ゲイジュツのわからない私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    この演目、先シーズンはカウフマンが歌ったので
                    チケットが取れなかったのだが
                    今シーズンは何故かチケットがかなり余っている様子。
                    恰幅の良いテノール氏、かなり声は飛んで来るし美声だし
                    ジェラールの深いバスが(多少暑苦しいとは言え)私は気に入った。
                    (でももう行きません、たぶん・・・(笑))

                    ヨハネス・マリア・シュタウド Die Weiden

                    0
                      Wiener Staatsoper 2018年12月20日 19時〜22時

                      DIE WEIDEN
                      Johannes Maria Staud - Durs Grünbein
                      Oper in sechs Bildern, vier Passagen, einem Prolog,
                      einem Vorspiel und einem Zwischenspiel

                      指揮 Ingo Metzmacher
                      演出、ドラマツルギー、アドバイザー Andrea Moses, Thomas Wieck, Moritz Lobeck
                      舞台 Jan Pappelbaum
                      衣装 Kathrin Plath
                      照明 Bernd Purkrabek
                      ライブ・エレクトロニック SWR Experimentalstudio
                      (Michael Acker, Sven Kestel, ビデオ Arian Andiel)

                      レア Rachel Frenkel
                      ペーター Tomasz Konieczny
                      エドガー Thomas Ebenstein
                      キティ Andrea Carroll
                      テレビのレポーター Sylvie Rohrer
                      クラッハマイヤー Udo Samel
                      レアの母親 Monika Bohinec
                      レアの父親 Jörg Schneider
                      ペーターの母親 Donna Ellen
                      ペーターの父親 Alexandru Moisiuc
                      デマゴーグ・森の番人 Wolfgang Bankl
                      フリッツィ Katrina Galka
                      フランツィ Jeni Houser
                      避難民 Vitan Bozinovski
                      水死体 Selina Ströbele
                      カメラマン Gregor Buchhaus
                      舞台上のハルモニウム Thomas Lausmann

                      Orchester der Wiener Staatsoper
                      Chor der Wiener Staatsoper
                      Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
                      Komparserie der Wiener Staatsoper

                      国立オペラ座の委嘱作品、ヨハネス・マリア・シュタウドの新作オペラ
                      Die Weiden 訳せば「牧場」の
                      最後の上演に何とか間に合って行って来た。

                      プレミエ(初演)を観た同僚や
                      その後に行った同僚が
                      口を揃えて「微妙」と言っていた割には
                      絶対に1回は観ておくべき、と強調していて
                      それ以上になると、口を噤んでしまったのだが

                      実際、鑑賞してみると
                      ああ、うん、まぁ、確かに・・・(笑)

                      リブレットは、牧場・・・というより
                      この場合は河畔の沼地みたいなところだと思うのだが
                      都会出身の女性と
                      牧場ないしは沼地出身の男性のラブ・ストーリー(最後は破綻)に
                      沼地出身の人たちの
                      よそもの排斥主義とか
                      デマゴーグによる排他的愛国心の煽りとか
                      「故郷」概念に疑問を呈したり(これ、最近、流行なのかもしれない)
                      異郷の人間との交流をどうするか、とか

                      沼地で人間が鯉に変わっていく、という
                      不条理劇を装いながら
                      何故か、内容そのものは
                      観ていて、ちょっと辟易するくらいに現実性を帯びている。

                      デマゴーグ登場に加えて
                      学識者の教授のスピーチ等を
                      テレビ局が女性アナウンサーとカメラで追いかけたり
                      その女性アナウンサーが
                      沼地での川の氾濫のレポート中継とか

                      人間が鯉に変わっていくという場面では
                      舞台全員(コーラス)が鯉の仮面を被ったり
                      人物の声がライブ・エレクトロニクスで水に溺れるようなエコーが入ったり

                      非現実の世界と、現実世界が
                      絶え間なく交流していくような感じで
                      不条理劇というよりは
                      現実批判をしようとすると
                      あまりに直裁的になってしまうし
                      かと言って、現実批判を風刺するのは難しいので
                      不条理にしちゃえ、みたいな感じなのかなぁ。

                      作曲家のシュタウドとリブレット作家の
                      短いインタビューのクリップが国立オペラ座のサイトにあるが
                      シュタウド曰く
                      オペラだから、やっぱり次に何が起こるのか
                      ワクワクしながら観るというのが正しい、というのには納得した。
                      確かに、次に何が登場するのか
                      さっぱりわからん。
                      ついでにストーリーも全く意味不明だけど(笑)

                      音楽はよく考えられていて面白い。
                      多様なスタイル(スイング等もあり)を自由自在に使って
                      飽きさせない。
                      セリフもかなり多い。
                      (出演者も歌手だけじゃなくて、俳優さんも居る。
                       水死体役は最初から最後まで死体である(笑))

                      場面転換の際に降りる幕に投影されるビデオが
                      とても良く出来ていたと思う。
                      (最初はたぶんニューヨークか何かの都会の景色が
                       ズームされていくビデオで始まって
                       「牧場」の場面になると、様々な川を下ったりする)

                      バレエと違ってオペラの場合
                      音響の関係上、私はロジェ(ボックス)は避けるのだが
                      (ボックスはクソ高い1列目なら良いが、後ろは悲惨な音響)
                      今回は・・・ううう、ロジェの一番安い席を買っておけば良かった。
                      だって、途中で退場する人も多く
                      休憩の後、ロジェみたら、空になってるロジェまであった・・・

                      天井桟敷ギャラリー(それだって40ユーロ以上!)の席は
                      舞台はだいたい見えるし
                      音もはっきりくっきり飛んでくる。

                      歌手陣はものすごく優秀。
                      それぞれの存在感もバッチリある。
                      ラブラブ・カップル(最後は両方とも破綻)が2組登場するのだが
                      女性歌手も男性歌手も、それぞれの役柄をしっかり把握していたし
                      脇役ながら、それぞれの父親・母親の歌と演技も巧い。
                      (キャラクターが比較的、類型的なものだったけれど
                       それだけに役柄の対比がしっかり見えた)

                      やっぱり高い席はそれだけの事はある・・・

                      ^^; いやいや、年の最後に贅沢に慣れてしまってどうする?
                      と思いつつも
                      最後の贅沢を満喫した(内容はともかくとして)私に
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