クリーブランド管弦楽団 + ヴェルザー=メスト

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    Musikerein Großer Saal  2018年5月26日 19時30分〜21時15分

    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
     Ouvertüre zum Trauerspiel „Coriolan“ c-Moll, op. 62
     Symphonie Nr. 8 F-Dur, op. 93
     Symphonie Nr. 5 c-Moll, op. 67

    クリーブランド管弦楽団とヴェルザー=メストの
    ベートーベン「プロメテウス」プロジェクト3日目。

    このオーケストラ、最初からずっと
    とても「柔らかい」という印象があるのだけれど
    今日のベートーベンも、何だか非常に「柔らかい」

    コリオランは、まぁ、ダイナミックでなければいけない曲だから
    多少は弾けてはいたけれど
    しかし、何ともお行儀が良いオーケストラではある(あくまでも印象です)

    今日は正しいスコアを持って来たので
    8番はスコアに頭を突っ込んでみた。

    で・・・
    8番って・・・・

    こんなに響きが厚かったっけ???

    弦が柔らかいのは、最初からわかっていたけれど
    低弦があまり響いて来ないし
    私の偏見上、頭にイメージとして入っている
    比較的古典的クラシックな、すっきりした音楽というよりは

    厚みのある音響で
    しかもテンポが前のめり・前のめりで
    ガンガン押して来て
    ダンス音楽・・・になっているのは別に構わないんだけど

    6番でもあった
    小節最後の拍が微妙に短くなる(=前のめり)ので
    最後の拍だけ潰れてしまって
    船酔いみたいなグラグラ感。

    スコア見ていて
    何でここで、普通に聴いていたら目立たない
    木管だけが目立ってるんだろう、という箇所があって
    後で舞台が見えるところに座っていた友人に聞いたら
    木管の人数を2倍にしていたそうだ。

    ふ〜ん・・・

    大学の同僚も来ていたが
    幕間に感想を聞いてみたら
    お行儀良すぎ、とか言っていた。

    スコア見ていると、やっぱり音楽そのもに集中できないかも、と
    5番は音楽だけに集中してみたが

    やっぱり弦が何だか柔らかすぎて
    そこに、むちゃ巧い木管・金管が乗る、という感じ。

    しかも、あの5番でも
    メストの前のめりの不安定なテンポで
    ワタクシ的には、ベートーベンはガッチリと固まっているはずのものが
    伸びたり縮んだりが激しくて

    あれ〜、そこでアッチェルランドかける?
    と、椅子からずり落ちそうになるところも結構あった。

    ヴェルザー=メストの特色なんだろうか。
    意図的にやっているのはわかるから
    解釈の問題だし、良い悪いという事ではないし

    変人好きだから、一風変わったベートーベンって
    嫌いじゃないんだけど
    あの船酔い感覚は、ちょっといただけない・・・

    明日はベートーベンはお休みして
    マーラーだから、ちょっと頭をスイッチしよう。

    最終日の9番はチクルスで持っているので
    やっぱり船酔いするか
    ちょっと怖いもの見たさ(聴きたさ?)で
    楽しみな私に
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    クリーブランド管弦楽団 + ヴェルザー=メスト

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      Musikverein Großer Saal 2018年5月25日 19時30分〜21時30分

      The Cleveland Orchestra
      指揮 Franz Welser-Möst

      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
       Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 36
       Symphonie Nr. 6 F-Dur, op. 68 „Sinfonia pastorale“
       Leonoren-Ouvertüre Nr. 3, op. 72a

      クリーブランド管弦楽団2日目。
      1日目のプレッセの評は(有料記事)私が感じたのと同じような印象で
      かなり好意的な記事。
      まぁ、フランツ・ヴェルザー=メストと言えば
      久し振りのオーストリア人指揮者なので
      あまり悪い事は書かないだろう・・・という贔屓目はあるだろうが(笑)

      突然話が飛ぶが(すみません)
      今日は朝から図書館に閉じ籠ろうと思っていたら
      仕事のメールがバンバン入って
      結局、午前中ずっと自宅で仕事。

      さて、どうせ何も見えない席だから
      昨日と同じようにスコアに頭を突っ込もうと
      スコア入れて大学に行って
      ワケわからん19世紀の音楽批評関係の文献で
      どこを取ってもベートーベン万歳で、げっそり。

      で、楽友協会に入ってプログラム買ったら
      え?今日って2番と6番???
      焦って違う日のプログラムを見ていたらしく
      私のバッグに入っているのは5番と8番。

      何のためにスコア持って来たんだか・・・
      むちゃくちゃショックを受けて臨んだコンサート。

      ただ、クリーブランド管弦楽団って
      他のアメリカのオーケストラと違って
      開演前の舞台での各自の音出しが、ほとんどない。
      (あったのかもしれないが、神経に触らない)

      他のアメリカのオーケストラだと
      廊下に居ても、不協和音と現代音楽のフラグメントが
      大音量で聴こえるので非常に不愉快なのだが
      その意味では、このオーケストラ、アメリカのオーケストラの中では例外的。

      2番は、昨日に比べると、ちょっとワイルド味が増して
      速めテンポでグイグイ押してくる。

      こういうのを聴くと
      あ〜、ベートーベンって、やっぱり基本、ダンス音楽だなぁ、というか
      ロックだよ、ロック(断言)
      身体が音楽に合わせて踊りたくなる。

      今回はしっかりリピートあり。
      昨日3番で最初のリピート省略したので
      (3番ではよく省略される)
      今日も省略するかと思っていたんだけど
      でも2番のリピート、そんなに長いフレーズじゃないし
      緊張感保ったままだったので満足。

      ああ、でもスコア見たかったな。
      何故、私がスコアを持ち込むかと言うと
      カクテル・パーティ現象に似たような現象で
      スコア見てると、普段聴き逃すようなフレーズが
      目と耳から入ってくる事があって、これが面白いから。

      特に、6番なんて
      基本的には同じパターンの繰り返しだから
      スコア見てないと、ちょっと退屈するんですよ(こらこらこら)

      後半の6番、これもリピート全部あり。
      だけど、最初のフレーズで
      弦の最後のところのアンサンブルとテンポが乱れがち。

      きっちり構成されたベートーベンを
      もっとメロディっぽく長いフレーズで演奏しようという意図かもしれないが
      あのパターンの最後のところを
      だら〜っと演奏されると、実は気持ち悪い。

      船酔いになりそうな気分。
      (田園で船酔いって・・・止めてくれ・・・)
      最初のパートの繰り返し部分が終わる位まで
      ちょっと、本気で気持ち悪かったが

      その後は耳が慣れたのか
      それともアンサンブルが直ったのか
      だんだんパターンもクリアになって来て落ち着いた(ホッ)

      で、この6番で特筆すべきは
      木管・金管の巧さ!!!
      まぁ、一流オーケストラ、どこでも木管・金管は巧いのだが
      オーケストラ内でのバランスも見事だし
      柔らかい女性的な弦と仲良くしつつも
      主張するところはバッチリ外に出て来て
      見事なソロを聴かせてくれる、というのに惚れた。

      昨日の柔らかい演奏のチャーミングさも残しながら
      モダン・オーケストラで
      すっきりした透明感のある音を
      細かい部分まで拘っているのに大袈裟にならない
      ノーブルで洗練されたクールなニュアンスで聴かせてくれる。

      いや〜、手垢のバリバリ付いたベートーベンの交響曲
      最近の指揮者は手を変え、品を変え
      様々な解釈で聴かせてくれるじゃないの。

      というより、ベートーベンの交響曲って
      それだけ、解釈の幅が広いんだろうか。
      スコア見ていても、それほどむちゃくちゃ複雑ってワケでもないと思うんだが。
      (ちなみに、ベートーベンのスコアは私のようなド・シロウトでも
       何とか読めます)

      変に大袈裟に勇壮でもなく
      柔らかさと緊張感のバランス
      マッチョなところ・・・は少ないけれど
      古典的な輪郭と、ロマンティスム漂うチャーミングな部分が
      ベストのバランスで溶け合っている感じ。

      人によっては柔らか過ぎるという印象もあるだろうが。
      (ベルリン・フィルとラトルは、もっとマッチョだった。
       ウィーン交響楽団とジョルダンも
       今回のクリーブランドと比べると、もっとダイナミックだった)

      最後にレオノーレ。
      うはははは、プログラムの組み方が巧い。

      6番って、あんまり「ブラボー」で終わらないから
      最後にレオノーレで、ばっちり明るくして
      速めテンポと音量上げて
      (でもバランスは良いし、うるさくならないのはヴェルザー=メストの腕か)
      聴衆をノセて、盛り上げて終了という
      見事なドラマツルギーではある。

      新聞評では、フランツ・ヴェルザー=メストが
      哲学的に解釈したベートーベンとか書いてあったような気がするが

      音楽が哲学的・・・って
      私みたいなアホには、よくわからん。
      (カントは音楽は主観、と言っていたんじゃなかったっけ?)

      最近、色々と音楽について考える機会があって
      (まぁ、ヘンな学問に足を突っ込んでいるのもあるが)
      根本的に自分の感受性がおかしいんじゃないかと
      前から思っていたけれど、ますます確信を得るようになって

      音楽=哲学とか、美学だとか芸術だとか聞くと
      ちょっと蕁麻疹が出そうな状態に陥っている私に
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      だから、もともと感受性ゼロで
      スペクトル楽派の「音響」だけ、いや極端に言えば
      場合によっては雑音だけで快感に悶える私が
      「音響」じゃなくて「音楽」を扱うところに
      足を踏み込んだのが基本的な間違いだったのではないかと・・・

      クリーブランド管弦楽団 + ヴェルザー=メスト

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        Musikverein Großer Saal 2018年5月24日 19時30分〜21時15分

        The Cleveland Orchestra
        指揮 Franz Welser-Möst

        Ludwig van Beethoven (1770-1827)
         Ouvertüre zur Ballettmusik „Die Geschöpfe des Prometheus“, op. 43
         Symphonie Nr. 1 C-Dur, op. 21
         Symphonie Nr. 3 Es-Cur, op. 55, „Eroica“

        クリーブランド管弦楽団とフランツ・ヴェルザー=メストによる
        「プロメテウス・プロジェクト」と銘打った
        5回のコンサートでベートーベンの交響曲全曲演奏。

        5月27日だけ行けない(4番と7番にエグモント・・・ちょっと残念)

        だって、同日、ブダペスト祝祭管弦楽団が
        グスタフ・マーラーの交響曲2番をコンツェルトハウスで演奏するんだもん。
        (ついでに同じ日に国立オペラ座では「カプリッチオ」だ。
         何故、こういうものが重なるわけ?(号泣))

        さて、そのプロジェクト初日は
        プロジェクト名称通りのプロメテウスと
        交響曲1番に3番。

        最初のプロメテウスにビックリ。
        え〜〜〜〜??? 音が柔らかい。

        通常、アメリカのオーケストラでベートーベンとか言うと
        もっと無駄に力強い、楽友協会にふさわしくない音をイメージしてしまうが

        だいたい、このオーケストラ
        始まる前に舞台で音出ししている、その音がうるさくない。

        (愛読者の方はご存知の通り、アメリカのオーケストラって
         コンサート始まる前に、全員が舞台の上で
         好き勝手なところを音出ししているので
         うるさいし、ポリフォニーの不協和音の現代音楽で
         まるでゴミだらけの台所を見ているような気分になって不愉快なのだ)

        プロメテウスの音楽も、あくまでも音が澄んでいて
        輪郭ははっきりしているのに、ノーブルで柔らかい。

        続く交響曲1番。
        輪郭だけしっかり出して
        同じような柔らかい響きで
        ほとんど女性的と言っても良いほどに
        まるで羽のような軽さでのチャーミングな演奏。

        あれあれあれ
        ベートーベンって、もっとマッチョでゴツいイメージだったのだが
        この優しさ・・・というより
        ノーブルで軽くてチャーミングで洗練された演奏って
        ものすごく魅力的じゃないの。

        いやしかし、この音色で
        後半の3番を演奏したら
        偏見はないんだけど、オネエになってしまうではないか・・・

        大丈夫でした(笑)

        音色はあくまでも柔らかくチャーミングだが
        (これ、もともとのオーケストラの持っている色なんだろうか?)
        大袈裟になり過ぎない節度を持ったダイナミックさで

        あくまでも冷静な、この上なく美学的な
        すっきりしたエロイカ。

        一部のリピートは省略していたので
        締まりの良い、ハキハキした演奏になっていた。
        (リピート全部やると、エロイカは確かに冗長になる)

        しかもさすが超一流オーケストラの一つ。
        各楽器のソロがむちゃくちゃ巧い。
        どんなに速度が速くても、正確に美しい音色で
        楽友協会ホールの音響の中で
        最も美しく響く音量で演奏されるので、腰が抜けた。

        コンサート行く前は
        あああああ、またベートーベンだ(げっそり)と思っていたのだが

        私の持っている堅苦しいベートーベンの偏見を
        軽く殴りつけて、全部ぶっ壊して

        あくまでもスマートに
        ノーブルな洗練を持って
        ほら見たか・・・って感じで
        さりげなさ満杯で演奏して
        聴衆を自分たちのフィールドに取り込んだ感じかなぁ。
        気がついたらやられてました、という印象。

        これからのコンサートが俄然楽しみになって来た私に
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        ヒューストン交響楽団 + オロスコ=エストラーダ

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          Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年3月15日 19時30分〜22時

          Houston Symphony
          バイオリン Hilary Hahn
          指揮 Andrés Orozco-Estrada

          Leonard Bernstein (1918-1990)

          Three dance episodes (On the Town) (1945)
          The great lover displays himself. Allegro persante
          Lonely twon : Pas de deux. Andante
          Times Square : 1994. Allegro

          Serenade (1954)
          Phaidros - Pausanias. Lento - Allegro marcato
          Aristophanes. Allegretto
          Eryximachos. Presto
          Agathon. Adagio
          Sokrates - Alkibiades. Molto tenuto - Allegro molto vivace

          Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)

          Symphonie Nr. 5 d-moll op. 47 (1937)

          アンコール
          Johann Sebastian Bach : Partita Nr.1 h-moll BWV 1002
          für Violine solo (5. Satz : Sarabande)
          Edward Elgar : Variations on an original theme „Enigma“ op. 36
          Variation IX : Nimrod

          お久し振りのオロスコ=エストラーダが
          2014年から音楽監督を務めている
          ヒューストン交響楽団とゲスト公演。

          アメリカのオーケストラ、時々客演で来るけれど
          ヒューストン交響楽団は初めて。

          アメリカ音楽のバーンスタインと
          ソビエト連邦(当時)のショスタコーヴィッチの組み合わせとはね(笑)

          最初は、バーンスタインのミュージカル「オン・ザ・タウン」からのダンス3曲。

          あああああ、ばんざ〜い!!!!
          本日は楽章間拍手がない(感涙)

          小作品だが(全体で約10分ほど)
          金管のリズム感が笑っちゃうほど素晴らしい。
          いや、こういうのって
          本当にアメリカのオーケストラがお得意とするところなんだろうなぁ。

          指揮者のオロスコ=エストラーダのリズム感も抜群だし
          この指揮者は、リズムの指示が非常に巧みなので
          こういう曲、むちゃくちゃ聴かせるわ。

          2曲目で黒に銀のドレスで登場したヒラリー・ハーン。
          お腹が大きい・・・
          あら、いつ赤ちゃんが・・・

          マタニティ・ドレスでも美しい。
          本当にこのバイオリニスト、お人形さんみたいに綺麗。

          バイオリンの音が
          澄んでいる、というより
          溢れ出る清潔感。
          汚れたものが一切ない純粋感。

          ヒラリー・ハーンの音って
          正に貴族の深窓の令嬢、という気品がある。
          混じり気なしの純粋さの印象がものすごく強い。

          バーンスタインとは言え
          割に正当なクラシック曲で
          プログラムによればエロスを表現する・・・らしいのだが
          ヒラリー・ハーンの澄んだ音色だと
          エロスというより、天上のソフィアかアガペだわ、これは。

          チェロのソロとの絡みが、ものすごく美しかった。
          けれど、指揮者、曲の後でチェロのプレイヤーを立たすの
          忘れていて、ちょっとかわいそう。
          (意図的なものではなく、たぶん、本当に忘れていただけだと思う)

          アンコールのバッハの無伴奏バイオリンのパルティータが
          うわあああああ、素晴らしい。
          ここでも、あの透き通った純粋さが際立って
          鳥肌が立つくらいの天上の美しさ ♡

          ヒラリー・ハーン聴いただけで
          もう大満足 (^^)v

          後半はショスタコーヴィッチの交響曲5番。

          ご存知共産主義万歳の景気の良い曲・・・と言って良いのか
          ショスタコーヴィッチって、当時の政府に迎合するために
          景気の良いフレーズを大いに使ってはいるのだが
          基本的には、ロシア的な鬱の人だと思う。

          オロスコ=エストラーダは
          この曲の思想的な部分とかはさて置いて
          音楽的な美しいメロディ・ラインを歌わせる。

          だから大袈裟にならず
          あくまでも音楽としてのラインが提示されるので
          無駄な力がかからず
          端正な音楽が、程よい感情を伴って聴衆に届く。

          何も目立つ事はしていないのに
          見事に音楽になっているのに驚嘆する。

          バーンスタインでむちゃ巧かった金管が
          あれ?という部分は多少見受けられたんだけど(笑)
          冷戦時代は遠くなりにけりだから
          ソビエトの作曲家だから、という偏見はないと思う(爆笑)

          時の運というものはあるけれど
          オロスコ=エストラーダの指揮者としての
          抜群の才能と実力というのは
          間違いなく光っている。

          アンコールが
          エルガーのエニグマからのニムロッド。

          これがまた素晴らしい音で
          ホールを柔らかく満たす天国のような
          平和を希求するような
          愛情に満ちた音響が広がって

          うわあああ、ニムロッドって
          久し振りに聴くと
          しかも、これだけ柔らかいバランスの取れた丸い音響で聴くと
          やっぱり名曲だったんだわ、と

          アンコールに感激して
          友人とビール飲みながら
          真夜中近くまで盛り上がった私に
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          慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ + 大河内雅彦

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            Musikverein Großer Saal 2018年3月4日 19時30分〜21時20分

            Wagner Society Orchestra Keio University Tokyo
            指揮 Masahiko Okochi

            Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
             Capriccio Italien Phantasie für Orchester op. 45

            Hiroshi Ohguri (1918-1982)
             Phantasie nach Volksweisen aus Osaka

            Johannes Brahms (1833-1897)
             Quarett für Klavier, Violine, Viola und Violoncello Nr. 1 g-Moll. op. 25
              gesetzt für großes Orchester von Arnold Schönberg

            招待券もらっちゃったし
            ちょっと昔の仕事の関係もあるし
            (今は引退したから、全く関係ないのだけれど)
            悪口は書けないし
            アマチュア団体の記事は基本的に書かない事にしているのだが

            エージェントさんから
            正直な感想を、と言われたし
            (社交辞令を社交辞令に取らない人なのワタシ)

            え〜い、誰が読んでるかわかんないけど
            もし気分を害する方がいらしたら、ごめんなさい!!!

            慶應義塾大学の学生オーケストラ、ワグネル・ソサィエティーは
            4年に1回、ヨーロッパ演奏旅行をする。
            プラハ、ミュンヒェン、ウィーン、ブダペストが、いつものルート。
            プラハとミュンヒェン、ウィーンとブダペストで
            指揮者とプログラムが変わる。

            4年前か8年前は、確かマーラーの交響曲だった記憶があって
            ウィーンからマイカーにバナナ140本とか
            ミネラル・ウォーター140本とか積んで
            他の都市に持って行った記憶があるが
            あれは違うアマチュア・オーケストラだったかもしれない。

            しまった、余計な事を書いた ^^;

            私の知り合いで
            日本のアマチュア・オーケストラで活躍している天才がいるが
            日本のアマオケの方がずっと巧い、と
            コンサートの時にポロッと言う時があって

            ええええ、まさか。
            それって大袈裟に言ってるんだよね
            と思っていたけれど

            今回の慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラを聴いたら
            あ〜、プロオケよりアマオケの方が巧いって
            マジメに言っていたんだ、と、目から鱗が落ちた。

            オーケストラは大編成だから
            楽友協会のホールに似つかわしくない大音響が出てしまうのだが
            チャイコフスキーのイタリア奇想曲から

            うわっ
            このオーケストラ、巧い・・・

            指揮の大河内雅彦氏は、実は初聴き。
            以前は大河内マエストロが下練習をして
            他の指揮者が振っていたと思う。

            (と言うより、仕事だと、のんびりコンサート会場で
             聴衆になって聴いているなんて贅沢は出来なかったわよ(笑))

            クセのないニュートラルな音楽を作る人という印象。
            技術的にしっかりオーケストラを訓練しているので
            出てくる音楽は申し分ないが
            アクがない分、多少、音楽が単調になる時がある。

            特にこの曲、チャイコフスキーが同じメロディの繰り返しを書いていて
            楽譜に忠実に音は出てくるのだけれど
            ニュアンスが少なくて冗長に聴こえる。

            ただ、チャイコフスキーの場合
            感情ダダ漏れになってしまう可能性があるから
            ある程度のところで割り切って
            あくまでもニュートラルに演奏、というのは
            感情ズブズブのアクばっかりの演奏より良かったかもしれない。

            大栗裕の「大阪俗謡による幻想曲」が素晴らしかった。

            俗謡とは言っても、お祭りの時のリズミックなメロディ等が多用されていて
            同時に、それが現代音楽作曲技法で見事に変容されているから
            日本の音階やリズムが使われているとは言え
            ちょっとエキゾチックな香りのする現代曲と言った方が良いと思う。

            クールジャパン云々で外国にアピールするなら
            こういう曲を、もっと演奏するべきだ(極論だけど断言する!)
            もともとベルリン・フィルの演奏のために作曲された曲だし
            その意味ではヨーロッパのオーケストラにも違和感はない筈。

            パーカッションが大活躍だが
            こういうリズミックなパーカッションって
            プレイヤーは絶対に好きだと思うぞ(笑)

            後半はブラームスのピアノ四重奏曲第1番の
            シェーンベルク編曲版。

            ああああ、これ、以前も聴いた事があるけれど
            何とも不思議な味のする音楽なんだよねぇ・・・
            (↑ 実はあまり好みではない)

            前半の2曲では音量レベルが大きすぎて
            特に大栗の曲で、高音が多くて耳が痛くなりそうだったのだが

            ブラームス+シェーンベルクになったら
            音量がヨーロピアンと化した。
            楽友協会の音響に、柔らかくピッタリ嵌ったのには驚いた。

            ああ、この指揮者
            ヨーロッパで学んだ事を活かしているんだなぁ。
            音の響きに、ウィーンらしい香りがある。

            シェーンベルクの管弦手法よりも
            ブラームスのメロディ・ラインを前に出して来る。
            前半で伺えた、ニュートラルなアクのない真っ直ぐな音楽が
            ブラームスで温かく柔らかく膨らんで
            オーケストラなのに
            ビーダーマイヤー時代の、しっとりした家庭音楽に聴こえてくる。

            楽章間拍手は盛大にあったものの
            まぁ、これ、ほとんどが招待客と、一見の観光客だから
            それは仕方ないだろう。
            (でもね、ワタシのようなクラオタも来ている可能性はある(笑))

            アマチュア・オーケストラだから
            特定の曲を長期間にわたって練習できる、というのはあるけれど

            このオーケストラのメンバーの学生さんたちって
            ほとんどプロに近い技量の持ち主ばかりじゃないか。

            きっと子供の頃から演奏していて
            才能を惜しまれつつも
            あまりの頭の良さに
            音楽家にするより一流大学を出て
            一流企業に就職するなり独立するなりして
            音楽は趣味で楽しむ方が、という人ばかりだろう。

            あ〜、以前にも書いたけれど
            (ツィッターだったかもしれない)
            天は二物を与えず
            って、絶対にウソですから。

            あれはルサンチマンに満ちた誰かが自分を慰めるために言ったので
            私の周囲なんか
            二物どころか、数十物を当たり前のように持っている人が
            わんさか居る。

            というより、一つの事に秀でた人は
            実は他の事にも秀でている、というのが事実だと思う。

            弦楽器なんか、絶対に全員、子供の頃から英才教育というタイプだわ。
            ボウイングもビブラートも見事だもん。

            管楽器プレイヤーも同じタイプかなぁ。
            中学・高校で吹奏楽やオーケストラをやって
            音楽大学に行けば?と先生に言われたけれど
            成績が抜群に良いので、別の勉強をして楽器は趣味にします
            というタイプだろう。

            このオーケストラ、入るのに厳しいオーディションとかあるんだろうか。
            いや、あるだろうな、きっと。
            で、ヘタクソだと虐められるとかディスられるとか
            体育会系とかで、毎日の激しい練習に耐えなければ
            あんなに技術的に高い演奏って出来ないんじゃないか?

            ・・・ただの妄想です、妄想。

            楽器に習熟するためには
            練習時間1万時間、という基準があって
            (これは1日4時間、毎日練習して7年、と思って下さい)
            大学生って、そんなに毎日、練習の時間があるんだろうか?

            日本には、学生オーケストラ以外にも
            市民のアマチュア・オーケストラやオペラ団体が数多くあって
            みんな技術的に高い演奏をするらしいが

            忙しいサラリーマンが
            どうやって練習の時間をひねり出すんだろう???
            (私もサラリーマン時代は割に忙しかったけれど
             日本のサラリーマンの忙しさって尋常じゃないし)

            アンコールにワーグナーのローエングリン第3幕への前奏曲。
            元気で明るくて華やかで
            金管の艶が素晴らしいし
            ワーグナーらしいニュアンスも充分で聴きごたえバッチリ。

            これからの日本の未来を担う
            超一流大学の若人たちのオーケストラ。
            アマチュア・オーケストラ、油断ならんわ、と
            色々な才能のある、天から数十物をもらった若い人たちを見ながら
            幸せな気分になったコンサート。

            招待券だから褒めてるワケではございません
            と本気で言っている私に
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            日本の大学は卒業シーズンだろうが
            こちらの大学は明日から夏学期開始です 😅

            クリーブランド管弦楽団 + フランツ・ヴェルザー=メスト

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              日曜日のダブルヘッダーです。
              時系列に読みたい方は、もう一つ下の記事からどうぞ。
              (もっとも下の記事は大いに夜のコンサートの印象の影響を受けてます・・・)

              Musikverein Großer Saal 2017年10月22日 19時30分〜20時55分

              The Cleveland Orchestra
              指揮 Franz Welser-Möst

              Gustav Mahler (1860-1911)
               Symphonie Nr. 6 a-Moll, “Tragische”

              昨日の春の祭典で
              ちょっと覚悟はしていたものの
              予想通りのマーラー6番。

              巧いし、各パートが全部聴こえてくるし
              一部、ミスとかはあったけれど
              見事に完璧なオーケストラのバランスで

              こんなに感情的にコミットメントしないマーラーって
              滅多に聴かないような気がする。

              ものすごく速いテンポで入った第一楽章から
              やっぱりこのオーケストラ、巧い。
              音の締まり方が違う。
              (すみません、ここで午後のトーンキュンストラーが霞んでしまいました)

              とことんクリアな完璧な弦のアンサンブルに
              程よい音量で乗ってくる管楽器。
              スコアが透けて見えるように
              どのパートを取っても
              マーラーが仕掛けたポリフォニーが全部見事に聴こえてくる
              (ような気がする)

              スコアをコンピュータにぶち込んで
              最も理想的なバランスで演奏させたような印象。
              ゲーム音楽?
              とまでは言い過ぎと思うけれど

              この不思議な感じを何と表現して良いのやら。
              昨日の「春の祭典」で心の準備をしておいて良かったわ。

              で、昨日と同じように
              感情的な揺れや語りかけは一切ない。
              見事に聴衆に語りかけてこない
              「完璧な音楽を目指しています」と
              オーケストラと指揮者で完結してしまっている。

              スポーツ競技かそれは(いやいや、言い過ぎ (^^;;)

              このオーケストラの優秀さと
              音響の美しさと、バランスの見事さには
              最初から最後まで舌を巻いた。

              まぁ、傷がなかったとは言わんが(笑)
              特に一番最後のトゥッティが
              今ひとつ決まらなかったのは、ちょっと残念。
              (ほんの少し各パートがずれたのである)

              しかし一番驚いたのは
              カウベルの部分だった。

              あれ、カウベルですか?
              何だかガラスか何か、あるいは風鈴みたいな
              カウベルの無骨さが全くない音が聴こえてきて

              ちょっと現代音楽のスペクトル派への架け橋的
              あるいはもっと卑属な言い方をしてしまえば
              数年前まで大流行だった、リラックスするための環境音楽の響き。

              確かにこういう名曲は演奏される機会も多いので
              あまり正統的に演奏してしまっても
              目立たないため
              有名になりたい指揮者は、色々と工夫を凝らすのはわかるが

              正確無比とバランスの完璧さと
              音響バランスを徹底的に追求して
              全く重さのない
              とことん軽いコンピュータ音楽の方向に動くとは
              思ってもみなかった。

              確かに、これ、あり?と思わせてはいるので
              その意味では、滅多に聴けない音色だったし
              面白かったし、楽しませてもらったが

              感動って何でしたっけ?(笑)

              マーラーの交響曲って
              時々、自分の心の準備が出来ているかいないか関係なく
              否が応でも感情を揺すぶられて
              イヤイヤイヤと言っている間に
              突然、感情がぶっ飛んで大波に翻弄される事があるんだけど

              どこが悲劇的?とついつい思ってしまって
              聴く方もとことん分析的に聴けるマーラーって
              ある意味、感情的な負担がないから楽と言えば楽かも(こじつけ)

              う〜ん、好き嫌いはかなり分かれそうだな。
              こういう感情にコミットメントしない音楽
              もともと、そういう現代音楽が好きな私は
              ああ、こういうアプローチもありか、と思って
              感心しながら聴いていたけれど
              マーラーに思い入れがある人には耐えられなかったかも。

              という訳で本日のマーラー・マラソンは終了。
              ここ数日で枯れ葉が道路を覆うようになって
              あぁ、冬が来るんだわ、と鬱々しかけている私に
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              クリーブランド管弦楽団 + フランツ・ヴェルザー=メスト

              0
                Musikverein Großer Saal 2017年10月21日 19時30分〜21時20分

                The Cleveland Orchestra
                指揮 Franz Welser-Möst

                Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                 Streichquartett a-Moll, op. 132 chorische Aufführung
                Igor Strawinsky (1882-1971)
                 Le Sacre du Printemps

                クリーブランド管弦楽団の客演。
                先週はヤナーチェックのオペラを
                新聞記事によれば映画と一緒に演奏していたようだが
                残念ながら聴く機会を逃した。
                (まぁ、私の購入する貧民席からは映画は見えなかっただろうから
                 行かなくて良かったとも言える)

                ベートーベンの弦楽四重奏曲を
                「コーラスの演奏」って何なんだ?
                一瞬、クリーブランド合唱団とかか、と思ったけれど
                いえいえいえ、もちろん弦楽で
                四重奏曲のパートを複数の弦の奏者が演奏する、という形式。

                ・・・そんな事をする理由がイマイチわからないんだけど。
                やっぱりオーケストラで演奏してしまうと
                もともと、もっとスッキリした響きだった筈の曲が
                何だかちょっと厚みが増す。

                弦はぴったり揃って、完璧なアンサンブルなので
                思っていたよりもボッテリした響きではないけれど
                それでも、かなりの違和感がついて回る。

                その中で、第三楽章だけは
                一部、教会旋法を使ったコラールの形式になっていて
                これは複数の弦で演奏する響きが非常にハマった。
                何とも美しい響きがホールを満たして行って
                あぁ、ベートーベンが大病から回復して
                神に感謝、という心情がよくわかる。

                不思議なものを聴いてしまったなぁ、と思ったが
                後半の「春の祭典」の方が
                実はもっと不思議だった。

                アメリカのオーケストラって
                通常、ものすごくマスキュリンで力強くて
                ガンガン演奏するイメージが強いのだが

                この春の祭典、不思議な事に
                全く力強さとかエネルギーを感じない。

                スコアが見えそうな
                ものすごい透明感を持って
                一つ一つのパートが全部聴こえて来るのである。

                メロディっぽい部分で通常は聴こえて来ないポリフォニーが
                見事に浮き出して、ちゃんと聴こえてくる。

                その透明感と室内楽的な「全部聴かせてやろう」の影で
                この曲が本来持っている筈の
                土着のワイルドさとか、エネルギーとかが見事に犠牲になっている。

                ヴェルザー=メストも、オーケストラの音を極限まで抑えているのだ。
                どんなにフォルテになっても
                絶対にうるさくならず、楽友協会ホール一杯にはならない。

                だから不思議な浮遊感がある。
                とことん軽い。

                同時に「正確無比」の演奏で
                情緒とか、感情とか、その手のモノが全て欠けていて

                いやこれ、スコアをそのまま
                完璧なバランスでコンピュータで演奏したような感じがする。

                冷たい、と言えばそうなんだろうけれど
                変に熱くならない分
                音楽としての完成度は非常に高い。
                沈着冷静、ポリフォニー完璧、オーケストラの楽器のバランス完璧な
                教科書記載の模範演奏に聴こえてくる。

                もともとヴェルザー=メストって
                最初に聴いた時から
                野心満々の、技術的には非常に高い能力を持つ
                でも、何だか音楽が好きなのか何なのか
                よくわからん指揮者で

                クリーブランド管弦楽団とだけは、かなり相性が良さそうで
                時々、え?この人、こんなエモーショナルな音楽も出来るんだ
                と思った事もあるけれど

                「春の祭典」そのものが
                近代音楽で、単純にエモーショナルとは言えない曲である事を考えても
                あの完璧な「冷たさ」は不思議だ。

                まぁ、それを冷たさと言うか
                スタイリッシュと言うかは好みの問題で
                聴きながら、エサ・ペッカ・サロネンを思い浮かべてしまった。
                (サロネン・ファンに後ろからグッサリ刺されるかもしらん・・・)

                さすがにホールを知り尽くしたヴェルザー=メストが
                楽友協会ホールの音響に合わせて
                オーケストラの響きを極限まで抑えたのは凄いと思うし
                その中で、あれだけ各パーツが全部クリアに聴こえて
                バランスとしては最高の演奏だったので
                音響として聴けば素晴らしい演奏だったと思うんだけど

                やっぱり「春の祭典」には
                多少のエネルギーの爆発は欲しいです・・・

                明日はマーラーの交響曲6番がプログラムに載っているのだが
                今日みたいに
                最初から最後まで、ひたすら冷静に演奏されたら
                ちょっとイヤかも、と
                ついつい思ってしまった私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                ピッツバーグ交響楽団 + マンフレッド・ホーネック 2日目

                0
                  Schloss Grafenegg Auditorium 2017年8月31日 19時30分〜21時40分

                  Pittsburgh Symphony Orchestra
                  バイオリン Rainer Honeck
                  指揮 Manfred Honeck

                  John Adams (*1947)
                   Lollapalooza (1995)
                  Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                   Konzert für Violine und Orchester G-Dur KV 216 (1775)
                  Gustav Mahler (1860-1911)
                   Symphonie Nr. 1 D-Dur (1888-1909)

                  **** 訂正 ****

                  読者の皆さま、ごめんなさい!!!
                  私はず〜っと、何の疑いもなく
                  ホーネック兄弟は
                  ライナー(バイオリニスト、ウィーン・フィルのコンサート・マスター)が兄で
                  マンフレッド(指揮者、もともとチェリストだったっけ?)が弟だと思っていたのですが
                  友人から、マンフレッドが兄で、ライナーが弟との指摘をもらいました。

                  ・・・見た目が見た目が見た目が・・・(失礼!!!!)

                  というワケで急いで下の記録、兄と弟を訂正させていただきました。
                  どうぞお許し下さい!!!

                  **************

                  ピッツバーグ交響楽団とマンフレッド・ホーネックの2日目は
                  朝から雨で
                  午後の早い時間に
                  コンサートは屋内のホールになりました、と告知。

                  うええええ、あの力強い音量バッチリのアメリカのオーケストラを
                  またもや、オーケストラの真上で聴くのか(ちょっとげっそり)

                  コンサート前にダメもとで
                  舞台から離れたところに席を代えられないかどうか聞いてみたのだが
                  それでなくても結構高いチケットなのに
                  追加で50ユーロ払えば平土間に席があるって

                  ・・・それ無理だから (^^;;

                  まぁ、今回は顔の方向に声が飛ぶバリトンではなく
                  いつも妙なるバイオリン・ソロを
                  オペラ座のオーケストラ・ピットや
                  ウィーン・フィルのコンサートで聴かせて下さる
                  天才ライナー・ホーネックとの兄弟コンビ・コンサート。

                  最初のジョン・アダムスの「ロラパルーザ」は
                  1995年に指揮者のサイモン・ラトルの40歳の誕生日のための曲。
                  (当時、ラトルはシティ・オブ・バーミンガムだった)
                  題名は、アメリカ合衆国の俗語で、すげ〜、とか言う意味らしい。

                  あらま、この曲、キュートだわっ ♡
                  もともとジョン・アダムスの曲って好きなんだけど
                  (イヤミがないし聴いていて楽しいし)
                  このオーケストラのリズム感とバッチリ合ってるし
                  金管・木管・パーカッションが
                  真剣なんだけど、すごく楽しそう。

                  この曲、パーカッショニストには刺激的だろうなぁ。
                  聴いている方も、変拍子に釣られてウキウキしてしまう。

                  オーケストラの真上から見ているので
                  バイオリニストは頭頂と楽譜しか見えないが
                  舞台後方の木管やホルン、パーカッションやコントラバスは
                  よく見える(ここら辺は平土間からでは見えない)

                  この曲、同オーケストラはこの後、ロンドンのプロムスでも演奏する。
                  ゴージャスなアメリカン・サウンドで、このゴキゲンな曲
                  最初に観客をノリノリにさせよう、って事かな。

                  モーツァルトのバイオリン協奏曲。
                  私が大好きで(バイオリンの音が)尊敬するホーネックの音色。
                  透明で上品で、中庸で、ともかくウィーン・クラシックを体現って感じ。
                  ホーネック(弟)って、本当に音楽に気品がある。
                  兄が時々、とんでもない事をやらかす(今回も)と対照的かも(笑)

                  ・・・天上の音楽とともに
                  天井桟敷のオーケストラの真上で
                  ぐっすりと熟睡したのは私です
                  (ごめんなさい (⌒-⌒; )

                  さて、私が楽しみにしていたのは
                  後半のマーラーの交響曲1番である。

                  ホーネック(兄)がマーラーを指揮すると
                  突然、ウィーンのヘ◯タイ指揮者に化す事はよく知っているし
                  そのあまりのヘン◯イ振りのマーラーに惚れて
                  CD まで買って持っているのもワタクシです。

                  ところが、本日の聴衆・・・ちょっと問題かも・・・

                  このコンサート、9月10日のオーストリア国営ラジオ1番で
                  午前11時3分から放送の予定なので
                  音響技術者がどこまであれを訂正するか
                  ワタクシ的にはちょっと興味津々なのだが

                  ご存知、最初のあのピアニッシモの弦
                  ホーネックは注意深く
                  会場が静かになるまで待って指揮棒を振った途端に

                  すごい咳き込みの声が・・・

                  しかも、一人が咳き込んだら
                  自分も咳して良いだろう・・・と思う人も多かったのか
                  最初のあのピアニッシモ部分で
                  客席からは咳き込みのパレード(比喩です)が聞こえてくる有様。

                  同時に「あら、咳できないわ、ヤバいわ」と思った人がいたのか
                  咳き込みに加えて、のど飴の包み紙を開ける音があちこちから・・・

                  演奏している方も気が散りそうになったと思うのだが
                  (プロだからそれでも集中している)
                  聴いてる方はたまったもんじゃなくて
                  携帯電話は鳴らないけれど
                  いつまた、誰が咳き込むか、気が気じゃなくて・・・
                  (で、本当に複数の人が、ずっと第一楽章で咳をしていた)

                  そんな感じで聴いているこちらが集中力を欠いていたので
                  ヘ◯タイ・ホーネックの棒にしては
                  意外にマトモなマーラーの1番の第一楽章かも・・・

                  まぁ、思い切りピアニッシモにしたりとか(咳が咳が咳が・・・)
                  思い切りフォルティッシモにしたりとかはあったけれど
                  それはマーラーの場合はほとんどのオーケストラがやる事だし。

                  第一楽章終わったとたん
                  盛大な拍手・・・

                  出た、グラーフェネック名物、楽章間拍手!!!

                  最近、ウィーンからのうるさ方も多いので少なくなったのだが
                  今日はスポンサーの御招待客が多かったのであろう。
                  (平土間のベスト・シートの辺りの拍手が一番大きかった)

                  クラシックのコンサートに初めて行く人が
                  マーラーの交響曲1番
                  しかもホーネックのヘン◯イ的解釈で
                  音量が盛大なアメリカのオーケストラ・・・
                  (ちょっとかわいそうかもしれない。まぁ、インパクトはあるだろうが(笑))

                  第二楽章で、ホーネックのヘ◯タイ振りが爆発。
                  最初のコントラバスとチェロを
                  あんなにバリバリ・ガリガリ、タメを持って演奏させるのは
                  世界広しと言えどもホーネックだけだろう。

                  続くバイオリンのメロディ・ラインも、すごいタメタメで
                  ああもう、本当に何て癖のある演奏なんだ・・・

                  ホーネックのこの第二楽章の演奏を聴いていると
                  いやこれ、実はワルツなんだよね、ってちょっとビックリする。
                  (あっさりと演奏されると、4分の3拍子とか意識に上らないし)

                  しかも、この「ワルツ」が
                  まぁ、何ともイヤミったらしいウィーン風で

                  人を翻弄して、嘲って、面白がっていながら
                  表面では社交的に慇懃無礼っていう
                  何という、あざとい演奏なんだ(確信犯)

                  あの中間部の力の抜け方も
                  いやらしいまでにウィーン風で
                  善かれ悪しかれ、愛憎両方の相反した気持ちを持つ
                  ウィーンっ子たち
                  ないしはあまりに滞在が長すぎて
                  ちょっとウィーン化したかもしれない私にはズキズキくる。

                  いやらしいなぁ、と反発しながら
                  心の中では、あぁ、これ、ウィーンあるあるネタだ、とか
                  感心してしまったりして(笑)

                  第二楽章の後にも少し拍手が出たが
                  さすがに周囲からシッシッと注意が入って大拍手にはならず

                  第三楽章で、ティンパニがこの上なく注意深く
                  ピアニッシモで出たとたんに
                  ティンパニの音と全く同じリズムで咳した人
                  あなた、音楽的リズム感ありますね、と
                  ついつい感心しちゃったわよ(イヤミです)

                  この埋葬行進曲も
                  マーラーの相反する矛盾がボロボロと出て来て
                  お葬式だよね、悲しんでるんだよね?
                  でも、もしかして心の底で嘲笑ってます?
                  というのと同時に

                  若い方はご存知ないだろうが
                  日本の大昔にあった「チンドン屋」が目に浮かんでくる。

                  チンドン屋って、来ると子供心にはワクワクするんだけど
                  親から言わせれば下品で貧乏でカワラ乞食で
                  (すみません、職業に貴賎はないので貶める意図は全くありません)
                  これも、そこはかとなく貧しさの陰鬱な影を纏って
                  それでも一種のエンターテイメントとして
                  妖しげな雰囲気があったなぁ、という事まで思い出して来る。

                  この音楽の醸し出す雰囲気が
                  タイムスリップを引き起こすかのような気分。
                  戦後すぐの、まだ非衛生的で、みんなが貧しくて
                  一抹の寂しさが漂っていた頃の時代を
                  嘲笑に満ちて見ている誰かが居る・・・

                  アタッカで入った最終楽章は

                  まぁ、色々な意味で・・・凄かったです(笑)

                  息も付かせず、力任せで聴衆を引き摺り回した。
                  すごいエネルギーの爆発で
                  ヘンタイ指揮者、ここにあり!(いや違うかも)

                  ああ、私、ホーネックの
                  こういう確信犯のしっちゃかめっちゃかが好き!!!
                  このやんちゃ振りはホーネックならでは。
                  (もう一人、パッパーノあたりだったらやりそうだが(笑))

                  もう、こんなヘンタイ120%の演奏を聴かされたら
                  嬉しくて苦笑するしかないです。
                  (そこら辺、マーラーだから矛盾していて良いのである)

                  書き忘れていたけれど
                  木管も金管も、各所で盛大にベルアップしていたし
                  最終楽章の最後で
                  ホルン軍団は、全員起立でした(爆笑)

                  しかしこの大音響の爆発
                  耳が痛くなる音量だったけど
                  ロック・コンサートに行ったわけじゃないよね・・・
                  視覚的にも、かなり派手ではあったのだが
                  (特に上から全体を見ていると)

                  痛い耳に優しいアンコールは
                  ヨハン・シュトラウスの Die Libelle (op. 204)

                  何故わかったかと言うと
                  私のオペラ・グラスとして使っている
                  10倍の望遠鏡で、真下にいる第二バイオリンの楽譜が見えたから(笑)

                  さすがにでっかく Die Libelle と書いてあればわかるわ。

                  もう一曲、これはまたマーラーに輪をかけて激しい
                  F なんとかポルカ。
                  この F の部分が望遠鏡でもどうしても見えなかった・・・
                  この曲も爆弾みたいな曲で激しく爆発して、ちょっと笑えた。

                  ホーネック、プロムスにこの2曲をアンコールで持っていくつもりかしら。
                  まぁ、プロムスで
                  あの劇的、徹底的にウィーンのいやらしさを出したマーラーを
                  大音量でやったら、かなりウケるかもしれないわ (^o^)

                  ついこの間まで日中30℃だったのに
                  明日は13℃〜17℃・・・ (T . T)
                  とうとう夏も終わったのね、と、ちょっと悲しい私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  ランキングへのバナーはアンコール曲にちなんで・・・
                  Die Libelle = トンボ です 🎵

                  ピッツバーグ交響楽団 + マンフレッド・ホーネック 1日目

                  0
                    Schloss Grafenegg Auditorium 2017年8月31日 19時30分〜22時

                    Pittsburgh Symphony Orchestra
                    バリトン Matthias Goerne
                    指揮 Manfred Honeck

                    Antonín Dvořák (1841-1904)
                     “Rusalka Fantasy” Orchestersuite aus der Oper “Rusalka”
                      (Zusammenstellung : Manfred Honeck, Bearbeitung : Tomás Ille)

                    Gustav Mahler (1860-1911)
                     Lieder aus “Des Knaben Wunderhorn” für Bariton und Orchester
                      Rheinlegendchen
                      Wo die schöne Trompeten blasen
                      Das irdische Leben
                      Urlicht
                      Das Antonius von Padua Fischpredigt
                      Revelge
                      Der Tamboursg’sell

                    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                     Symphonie Nr. 7 A-Dur op 92 (1811-12)

                    日中は気持ち良く晴れていて暑かったのに
                    夕方グラーフェネックに到着する頃には
                    怪しげな黒い雲が空に出て来ていて

                    まだ降ってはいないのだけれど
                    途中で会場を変えるリスクを避けたいと言う事で
                    今回は最初からオーディトリウムでのコンサートになった。

                    野外音楽堂ヴォルケントゥルムからの楽器の移動が大変そうで
                    19時15分開始予定のコンサートは15分ほど遅れて開始。

                    これ、来年のシーズンには申し込みの時に絶対に言うつもりだが
                    外の会場の時に真っ正面でなくても全然構わないので
                    屋内になった時に
                    モロにオーケストラの上って席
                    あと数回のコンサート、みんなそれなんだけど
                    来シーズンは、もう絶対に「オーケストラの真上」はイヤ(涙)

                    だいたい野外コンサート用の大編成オーケストラで
                    しかも、もともと元気一杯で音量のあるアメリカのオーケストラが
                    あの音響の良いホールで
                    力一杯演奏したら、どんな音が出るか・・・

                    最初のルサルカ・ファンタジーで
                    耳塞いで出て行こうかと本気で思いました(涙)

                    ルサルカ、美しいメロディがテンコ盛りだし
                    ホーネックが選びに選んだナンバーのパレードは
                    ドボルジャークってハリウッド映画の音楽家でも良かったんじゃないの
                    と思わせるような、豪華絢爛、感情たっぷり
                    メロドラマたっぷりの編成になっていて

                    あの音響を吸収できる席だったら
                    どんなに聴き映えがしたか(うううう、悔しい!!!)

                    しかしまぁ、派手にアレンジしたわね、ホーネック弟は・・・

                    マーラーの「子供の不思議な角笛」からのリートを歌ったのは
                    マティアス・ゲルネ。

                    ・・・涙

                    だって、ゲルネの声って
                    本当にあの人の身体の前面にしか飛ばないんだもん。

                    というより、正確に言えば、顔の向きに飛ぶ声なので
                    こんなオーケストラの真上の席だと
                    ゲルネの頭の上の地肌だけ見えて
                    声が聴こえにくい。

                    顔の向きに声が飛ぶので
                    まぁ、下向きに歌ったりすればもっと聴こえないけれど
                    時々、ほんの少し、こちらサイドを見て
                    ちょっと顔を上げると、むちゃくちゃ声が飛んでくる。

                    何年か前から、もうバリトンというよりは
                    ほとんどバス的な低音と声の色で(バリトン領域はもちろん出る)
                    あまりに倍音たっぷりの深い美声なので
                    ドイツ語そのもののテキストは、あまりクリアに聴こえて来ない
                    ・・・けれど、あまりに美声だから許す(笑)

                    最初の Rheinlegendchen の後に拍手が出てしまって
                    かなりギョッとしたのだが
                    次の Wo die schönen Trompeten blasen の後は
                    拍手しだした人を、ゲルネが手をかざして「止めて」のサイン。
                    (だいたい、Rheinlegendchen はともかくとして
                     Wo die schönen Trompeten blasen の後に拍手できないと思うのだが)

                    で、このトランペットの鳴り響く場所が
                    ゲルネが、美声で情感籠めて
                    しかも女の子のところは
                    実に美しい弱音のファルセットで、すごく自然で
                    ううううう、あまりに美し過ぎる。

                    マーラーの曲って
                    本当に時々、真剣に彼岸の世界へ飛ぶ。
                    なにあの透明感と、リアルさを徹底的に排除した幽玄の世界は!!!

                    ドラマツルギーとして
                    トランペットの幽霊の後に
                    子供を餓死させる母親の歌で
                    その後に Urlicht というのは巧いなぁ。
                    まぁ、愛があってもお腹は膨れないが(関係ない)

                    Urlicht をじっくりと歌い上げた後
                    (ちょっとオーケストラがアレ?って言うのはあったけど(しかもあの曲で!)
                    本来、しっかりドイツ語で「語れる」歌手なら
                    途中で、客席から笑い声が出るかもしれないアントニウスも
                    歌詞は全く何を歌ってるのかわからなかったので
                    (時々、単語らしきものは聞こえてくるし
                     声は美しいし、ちゃんと音程もリズムも合っている)
                    観客も、まぁ、内容分からず、笑いもせず
                    シリアスに真面目に聴いていたので結果的には良かったかもしれない。

                    ただ、その後の太鼓持ち(落語でも宴会でもありません)の歌2曲は
                    ちょっと暗くて似ている歌が続いたって感じ。
                    それでなくても声が低くて音質も暗いので
                    異様に陰気になって終わったのも何かなぁ。

                    他にも景気の良い曲は数曲あるので
                    カッコウとナイチンゲールとかを歌ってくれたら良かったのに
                    (というのは、私のただのワガママですが f^_^;

                    顔の方向と一緒にあちこちに飛ぶ低音の美声も良かったけれど
                    (席が後ろだったら、もっと良かったのに)
                    ホーネックの指揮するオーケストラの伴奏が

                    うわ〜っはっはっは
                    ホーネックのマーラーって、確信犯的変態なのは良く知っているが
                    まさか角笛のオーケストラで、ここまでやるとは・・・

                    特にアントニウスの間奏が
                    ひええええ、何ですかそれ、のレベルで
                    リズムもアクセントも
                    むちゃ皮肉に尖っていて

                    ああいうのをウィーンっ子以外の指揮者がやったら
                    モロにイヤミに聴こえるだろうが
                    (同じオーストリアの指揮者でも
                     あーいうのはフランツ・ヴェルザー=メストはやらない
                     ・・・というより、(たぶん)できない)
                    ホーネックがやるとヘン◯イでも説得力がある。

                    さて、後半はベートーベンの交響曲7番。
                    今日のコンサート、結構、空席があって
                    貧民席の人も他のところに移動していたりしたので
                    空いた貧民席の後ろの方に、私もお引越し。
                    (さすがにカテゴリーの上の空席に移動するだけの勇気はない)

                    で、ベートーベンの交響曲7番と言ったら
                    のだめカンタービレだし
                    聴き慣れている曲だし・・・・と思っていたら

                    ぎょっ
                    ホーネックのヘ◯タイって、マーラーだけじゃなくて
                    ベートーベンでも出るのか・・・

                    いわゆるカクカクした構成のしっかりしたベートーベンじゃなくて
                    なんか緩いというか
                    メロディックというか(7番でか?!)
                    細かい音型の部分で
                    音量落とし過ぎで、グニャっとしか聴こえて来ない部分もあるし

                    巧く言えないのがもどかしいんだけど
                    普段聴いている7番と、全然印象が違う。

                    ただ元気に、浮かれて踊っている曲かと思ったら
                    なんだか全然違った曲に聴こえて来て
                    ちょっと1回では消化し切れないような気分。

                    ううううん、こんな7番のアプローチあり?
                    チアキ君もビックリじゃないのか
                    (すみません、のだめに拘っていて)

                    コンサート後、外はやっぱり雨になっていて
                    8月の最終日の日中の「夏」(=28℃湿気なし)も終わり。
                    明日9月からの天気予報は最高温度が20℃を切るようで

                    本日を持って正式に会社を辞めて
                    (オフィシャルには今まで休暇だった(笑))
                    鍵もガレージも社員証も全部返して
                    スッキリ、サッパリしている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    もっとも、仕事そのものはフリー・ランサーで続けるので
                    時々はオフィスに行きます(爆笑)
                    自分のガレージのスペースがなくなってビジター用になるのと
                    会社のドアを開けてもらわなければならないので
                    (もと)同僚たちには
                    私を見たら、鍵開けてね、逃げないでね、と念を押して来ました。

                    トロント交響楽団 + ピーター・ウンジャン

                    0
                      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年5月16日 19時30分〜21時50分

                      Toronto Symphony Orchestra
                      Wiener Singakademie
                      ソプラノ Carla Huhtanen
                      バイオリン Maxim Vengerov
                      指揮 Peter Oundjian

                      Pierre Boulez (1925-2016)
                       Le Soleil des eaux für Sopran, gemischten Chor und Orcheser (1947-65)
                      Johannes Brahms (1833-1897)
                       Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 77 (1877/78)
                      Béla Bartók (1881-1945)
                       Konzert für Orchester Sz 116 (1943)

                      コンツェルトハウスの国際音楽祭の一環のコンサートで
                      あっ、ブーレーズがある!と気が付いた時には
                      貧民席は残っておらず
                      同じギャラリーでも比較的前の方の高いチケットを買ったのだが

                      う〜ん、ブーレーズ1作品で演奏時間10分。
                      しかも、みんな(たぶん)ヴェンゲーロフのファン(かもしれない)で
                      ブラームスのバイオリン協奏曲を聴きに来ている感じの聴衆の層。

                      よって
                      えええええっ、そのタイミングで咳するか、とか言うのが多かったけれど
                      まぁ、それはもう言わない事にする(諦めの境地)

                      さてブーレーズのカンタータ「水の太陽」は
                      1947年の作品なので
                      あの名曲、ル・マルトー・サン・メートルより以前の作品だが

                      ル・メルトー・サン・メートルを思わせる要素が多い。
                      ソプラノ・ソロが入る事もあるけれど
                      インストルメンタルのきっちりした骨組みの構成が
                      ル・マルトー・サン・メートルや
                      その後の傑作、プリ・スロン・プリなんかを思い起こさせる。

                      ブーレーズの曲を聴くたびに
                      その透明な音色感は
                      ほとんど人間不在を感じさせるのに
                      そんな透徹した人間の生臭さのない音楽なのに
                      人間の声を多用しているって、ものすごく不思議。

                      まだ澄んだソプラノの声だけであれば
                      オーケストラの一部に溶け込む事も出来るのだが

                      この「水の太陽」って、第二部で混声コーラスが入って
                      しかもこのコーラス部分
                      時々、かなり荒い目のシュプレッヒ・シュティメが入る。

                      音楽そのものと相反する
                      生っぽいコーラスの人間臭い叫び声って不思議な雰囲気。

                      まぁ、正直言うと
                      実はコレだけのために高い席を買っちゃったのだが
                      ブーレーズの曲って
                      周囲の咳や、バッグを探るゴソゴソ音とか
                      飴の包み紙のシャカシャカ音とかなしの
                      スタジオ録音の方が良いかもしれないなぁ。
                      (もちろん、ナマで聴けば、それなりの立体感は出てくるけれど)

                      ヴェンゲーロフのブラームス。
                      う〜ん、実は私、昔からあまりヴェンゲーロフとは合わないのだが

                      このバイオリニスト
                      以前は、もっと演歌調の歌わせ方をしてませんでした?

                      席が席だったのでデッドな音響だったのは確かなんだけど
                      以前に聴いた時のようなヤンチャ感に欠けていて
                      よって、以前のような
                      好き嫌いは別としてのキラキラ感がなくなって
                      何か巧いけれど、普通の真面目なバイオリンになっちゃった印象。

                      音には厚みと深みがあって
                      如何にもブラームスだぞ!と響くのだが

                      何せ最近の私のお気に入りは
                      例のコパチンスカヤなので
                      (すみません、比べる方が間違いです)

                      幕間の後は
                      バルトークのオーケストラのための協奏曲。
                      好きなんですよ、私、この曲。

                      ・・・・だけど
                      う〜〜〜ん、私の耳がおかしいのだろうし
                      コンサートの後に久し振りに残業予定という
                      精神的な圧力もあったし

                      昨日、ミュンヒェン・フィルという
                      名人オーケストラを聴いてしまったばかりで

                      オーケストラ、いや、そりゃ国際的なオーケストラで
                      水準は高いのだろうが
                      (で、金管、とっても巧かったけど)
                      何か、ちょっと、私のイメージと違う。

                      だって第二楽章のスケルツォ
                      ファゴットがあのテンポに付いていくのに
                      かなり苦労していたというか・・・
                      (かなり早めテンポですっ飛ばした)

                      エレジーも、思い入れがなくて
                      アッサリとタメなしで
                      バルトークがアメリカという遥かな外国の土地で
                      故郷のハンガリーやオーストリアに思いを寄せた
                      という感傷が、ま〜ったく感じられない。

                      オペレッタからの引用も
                      ただ「おおお、楽しいわ」とか演奏されては
                      何か違う(と私は思う、私が間違っているかもしれない)

                      でもこれは、指揮者のピーター・ウンジャンの解釈によるのかも。
                      みんなプレイヤーは一生懸命だし必死だし
                      好意的に見れば、おお、頑張っとるのう、とは思う。

                      何ともカナダっぽい、とか言ったらイケナイのだろうが
                      (だって偏見だもんね)
                      キレイに演奏するけれど、それ以上のものは・・・という印象。
                      (もしかしたらブラームスも
                       オーケストラがそういう感じだったからかもしれない)

                      オーケストラのアンコールも演奏したみたいだけど
                      (後で SMS でエルガーのエニグマのニムロッドという情報が入っていた)
                      ともかく、バルトークの演奏が終わったのが21時50分。

                      慌ててオフィスに戻って
                      残った仕事に取り掛かって
                      (締め切り、明日だと思っていたら今日だった・・・時差の関係で(汗))
                      真夜中前には帰れないだろうなぁ、と思っていたら
                      1時間で何とか片付いてしまい

                      うわ〜、ワタシって
                      実は事務処理仕事の天才だったのかしら
                      ・・・と、アホな事を考えつつ(ハイになってる)
                      真夜中前に帰宅できた私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。




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