NHK交響楽団 + パーヴォ・ヤルヴィ

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年2月27日 19時30分〜22時15分

    NHK Symphony Orchestra, Tokyo
    ピアノ Khatia Buniatishvili
    指揮 Paavo Järvi

    Toru Takemitsu (1930-1996)
     How slow the Wind (1991)

    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
     Klavierkonzert Nr. 3 c-moll op. 37 (1880-02)

    Anton Bruckner (1824-1896)
     Symphonie Nr. 7 E-Dur (1881-83)

    日本のオーケストラのコンサートについて
    何かちょっとでも否定的な事を書くと
    非国民とか言われそうな気がするのだが
    自分の故郷のオーケストラだろうが何だろうが
    オーケストラはオーケストラだし・・・(意味不明)

    まずはプログラムを見て
    ちょっと、このコンサート、長すぎだろ?
    と思っていたのだが
    案の定、ブルックナー終わったら、もう夜の22時過ぎ。

    年配のお客さまが多いので
    みんな、ぞろぞろ帰る。
    年配でなくても、次の日の朝から仕事があって
    しかも夕食も取っている時間がなかった、という
    以前の私みたいな貧乏サラリーマンにも
    この時間設定はキツい。

    このコンサートは
    私の持っているインターナショナル・オーケストラのチクルスと
    パーヴォ・ヤルヴィのポートレートというチクルス2つに重なるので
    会場には、パーヴォ・ヤルヴィのファンも多い。

    しかも、コンサートのポスターに
    一番大きく書いてあったのは
    ピアニストの
    カティア・ブニアティシヴィリの名前だった(怒)

    NHK交響楽団はその下に小さな文字で
    ついでに指揮者のパーヴォ・ヤルヴィも同じく小さな文字で印刷(怒)

    さて、最初の武満徹の作品は約10分。
    はいはい、武満と言えば
    日本の近代の作曲家の中では有名です。
    というか、武満以外にあの時代で有名な作曲家っているのか?
    (あくまでもヨーロッパの知名度に関してです。)

    しかし、NHK交響楽団の「名刺」がわりの曲としては
    ちょっと・・・
    いや、あくまでも繊細で技術的に高くて
    武満がばっちり受けたフランス音楽の影響がバリバリ見えて
    (先学期のドビュッシーの分析を思い出したが
     先生が、まだ成績をつけてくれていない・・・早くして(涙))
    だけど、あ〜、すみません、すごく退屈です。

    せめてもう少し、景気の良い曲はなかったんかい。
    周囲からはため息が聞こえてくるし・・・

    さてベートーベンのピアノ協奏曲3番。
    もともと3番は苦手(すみません)

    ブニアティシヴィリは黒い衣装にピカピカのラメが散りばめられた
    クリスマスの電飾みたいなロング・ドレスだが
    胸はあまり開いていない・・・けど
    やっぱり谷間は美しく見える(すみません、オヤジで・・・)

    だけど、この演奏、ごめん、面白くないっ!
    オーケストラがむちゃくちゃ控えめで音が飛んで来ない。
    まるで、豊胸なお嬢さまの引き立て役として
    嬉々として後ろに引っ込んでいるようなオーケストラ。

    昨日のウィーン交響楽団とシャニなんか
    ブロンフマンと対峙して、タイマン張ってたけど・・・

    ブニ子お嬢さまのピアノも面白くない(すみません)
    いや、そりゃ巧いですよ、技術的には。
    ピアノに覆い被さるような姿勢で
    胸の谷間が(いやもう言うまい)
    聴いている方としては
    そちらの視覚的刺激に目が行ってしまい(以下省略)

    アンコールはシューベルトのアンプロンプチュ。
    (すみません、ツィッターにショパンって書いちゃって(汗))
    だけど、これも、いや、ピアノの音の均等性は見事だけど
    じゃぁ、何かと言われると、ちょっと言葉に詰まる。

    だいたい今年はベートーベン・イヤーだろう!
    ブロンフマンみたいに熱情の最終楽章を弾けとは言わないが
    ベートーベンのピアノ・ソナタの楽章で
    比較的短くて可愛い音楽がたくさんあるじゃないか。
    (あ〜、すみません、わがままな文句言い放題で・・・
     読者諸氏のお気に触ったらお許し下さい。
     ただ、これ、私の個人用メモなので・・・)

    後半のブルックナーに期待。

    しかし、文句じゃないけれど
    オーストリアでブルックナーを演奏するって
    かなりの勇気がないと(以下省略)

    ブルックナーって、オーストリア人のクラオタ(プロの音楽家を含む)にとっては
    オラが村の大先生で
    しかも、敬虔なるカトリック信者であるオラが村の大先生の曲は
    演奏しているうちに
    指揮者も音楽家も聴衆も
    だんだん神がかって行くという
    ありがた〜い、ありがた〜い音楽なのである(たぶん)

    ゆっくり目のテンポで
    この上なく繊細に始まったブルックナーは
    テンポの緩急はあれど
    コンツェルトハウスのデッドな音響のせいもあるのか
    何だか線が細くて
    神々しくもないし、堂々ともしてないし
    しかもオーケストラお疲れなのか
    オーストリアでは聴いた事のないミスが続出したりして
    (以下省略)

    でも途中で何となくオーケストラが目覚めて来たというか
    やっと音が出るようになって
    最終楽章の金管のユニゾンは、やっと響いて来た感じ。

    私自身の個人メモなので好き勝手な事を書いてますので
    どうぞお許し下さい。

    アンサンブルの精密さはスゴイと思う。
    演奏旅行でお疲れだろうに
    (しかも、今の日本の状況って笑い事じゃないし)
    この、むちゃ長いプログラムを弾き切ったのも凄い。
    最後のあたりでは
    「え〜い、これで終わりだ〜、頑張らねば」みたいな
    一種の気迫が鬼気迫って来て
    なかなか聴き応えのあるブルックナーだったと思う。

    ちなみに、指揮者のパーヴォ・ヤルヴィは
    ブルックナーでも全く神がかる事なく
    演奏終わってから固まる事もなく(笑)
    ああ、この人にとっては
    ブルックナーって交響曲であって
    他の数多くの指揮者のように
    ありがたい宗教曲ではないんだなぁ、とつくづく思った。

    ぞろぞろ帰る観客も多かったのだが
    パーヴォ・ヤルヴィのファンは知っている・・・
    必ずパーヴォ・ヤルヴィはアンコールを演奏する筈だ。
    ブルックナーの後にアンコールなんて
    とんでもない!(ありがたい音楽だから(笑))という
    オーストリアの常識は、この人には通用しない筈(良い意味です)

    で、もちろん、こちらはパーヴォ・ヤルヴィの「名刺」
    シベリウスの「悲しきワルツ」
    (始まったとたんに、後ろの年配カップルが
     あら、アンコールまで演奏させられるの?
     可哀想なオーケストラ!と叫んでいた(笑))

    ったくもう、この曲、パーヴォ・ヤルヴィの指揮で
    何回聴いたか、数えられないほどに聴いているが

    これまた見事に
    どのオーケストラで演奏しても
    まごうかたなきパーヴォ・ヤルヴィのワルツ・トリエステになっているのが
    面白いというか、笑っちゃうというか。

    NHK交響楽団が優秀なオーケストラである事は
    間違いのない事実なので
    私が何を感じようと(なにせド・シロートですし(笑))
    どうでも良い、と
    セルフ・ツッコミをする私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    明日は同じコンツェルトハウスで
    クルレンツィスと南西ドイツ放送交響楽団なんだけど
    クルレンツィスも長く聴いていると
    どうなんだろう、と、ちょっとドキドキ。
    (ベートーベンじゃなくて、リヒャルト・シュトラウスとマーラー)

    シカゴ交響楽団 + ムーティ

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      Musikverein Großer Saal 2020年1月14日 19時30分〜21時15分

      Chicago Symphony Orchestra
      Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
      指揮 Riccardo Muti
      ソプラノ Krassimira Stoyanova
      アルト Daniela Barcellona
      テノール Francesco Meli
      バス Riccardo Zanellato

      Giuseppe Verdi (1813-1901)
      Messa da Requiem für Soli, Chor und Orchester

      比較的「雑食系」であると自負はしているものの
      やっぱり、ど〜しても苦手、というものはある。

      その苦手の筆頭
      ヴェルディのレクイエム。

      コンサートで演奏される機会もそこそこあって
      何年か前までは、頑張りましたよ。
      耳慣れすれば何とかイケるんじゃないかと
      CDをヘビー・ローテーションで聴いてみたりとかしたけど
      どうしても好きになれないので諦めた。

      思い出せる限りでも
      ヤンソンスの時とクルレンツィスの時には
      チケットは返してコンサートには行かず。
      (行かないコンサートって意外に記憶に残っていたりする)

      コンツェルトハウスではゲルギエフとウィーン・フィルの
      あの絶品のチャイコフスキーとリムスキー=コルサコフが
      同じ時間に演奏されていたが
      (で、チケットも持っていたけれど)
      何故、今回は、この曲に挑戦しようと思ったかと言うと

      典礼文、ラテン語だよね

      ・・・ってそういう理由(すみません)

      ここ数日、ラテン語の予習・復習をしていないが
      一応、コンサートでラテン語というので
      ちょっとだけでもお勉強になるかもしれない。
      (なりません!)

      いやしかし
      シカゴ交響楽団って
      何て金管が巧いの!!

      あの華々しい輝くような
      力強い金管の音って
      ヨーロッパのオーケストラでは聴けないわ、きっと。

      ソリストも
      よく集めたな、という水準の高さ。

      最初のレクイエムで
      テノールが、すごい声量で
      でも、声を振り絞るように入って来てギョッとしたのだが
      だんだん調子を取り戻したようで
      オペラっぽい美声のテノールを堪能。

      ストヤノヴァのソプラノの美しい事と言ったら・・・

      いや、この曲、オペラじゃない(はずだ)
      この曲は宗教曲、しかもレクイエム(のはずだ)

      ただ、皆さまご存知の通り
      どう聴いたって、このレクイエムは
      オペラに聴こえて来る。

      一番苦手なのが Dies irae の、例のフォルティッシモ。
      オーケストラとコーラスが
      これでもか!とばかりの大音響で迫って来て

      パーカッションの空気の揺れは
      私の胸郭の骨に振動を伝えてくるので
      なんだか息苦しい(所詮、妄想ですが)

      ただ、ヴェルディの音響によるものか
      オーケストラとコーラス、あるいは指揮者の腕かは不明だが
      身体全体に振動が入る不愉快ささえ我慢すれば
      耳を塞ぐほどの不快感はない。

      楽友協会大ホール全体を
      隙間なく包むような感じで
      豊かな音が広がっている、という印象。

      あの貧乏席だと(貧乏席だって高いのだ楽友協会は!)
      声は前に響くので、聴きにくい筈なのだが
      今回の歌手は全員、身体全体が響くタイプのようで
      素晴らしいソロの歌が聴こえてくるのは楽しい。
      いや、レクイエムが楽しいワケはないのだけれど。

      しかしまぁ、
      エステルハージ公じゃないけれど
      ヴェルディ君、キミはいったい何を書いたんだね?
      とか言いたくなる曲だなこれは。

      プログラムには
      本日の演奏はマリス・ヤンソンスに捧げる、と記述があり
      これはレクイエムだし
      終わったら拍手なしに、みんな静かにホールを去るのか
      ・・・と思っていたけれど
      やっぱりブラボー・コールと
      大喝采の嵐だった。
      いいのかそれで?

      音響的には
      身体全体が打ち震える感じ。

      身体に直接来るだけに
      それが快感か、不快感かの区別が微妙だが
      ああいう、音波が直接身体に入ってくる、という体験は
      あまりないので、その意味では面白かったけれど

      やっぱり、この曲、ワタシは苦手です。
      名人揃いのシカゴ交響楽団で
      天下の皇帝ムーティさまが指揮しても
      やっぱり苦手なものは苦手。

      とは言え
      やっぱりムーティがイタリアもの、特にヴェルディを演奏すると
      手練れというか、巧いというか

      ドラマチックな表現が
      この上なく自然に出てきて
      語る力が半端じゃないのはスゴイ。

      でも、正直、また当分、この曲は聴きたくない。
      あまりにドラマチック過ぎる。
      レクイエムとか言いつつ
      死者が全員、大音響にビックリして
      黄泉の国から蘇ってくるような気がするし

      せっかく、永遠の眠りで静かに安息に浸っている死者が
      なんだこれは!と、怒って墓場から出て来そうな気がする。

      あくまでも好みの問題です。
      これ、私の主観的、個人的メモであって
      音楽批評とか、評論とかと全く関係ありませんから。

      だいたい、頭の中で
      チャイコフスキーの交響曲1番が
      スキあらば鳴りそうになるし

      バレエのオネーギンの名シーンの
      フランチェスコ・ダ・リミニも時々頭の中で鳴る上に

      音楽分析の宿題(ひえ〜っ(汗))のドビュッシーが
      ずっとなり続けている(時々チャイコフスキーと融合する)という状態で
      ヴェルディのレクイエムを聴きに行くというのも
      かなり無謀ではあったのだ。

      で、ラテン語の予習・復習は
      結局すっ飛ばして(え〜い、ブログなぞ書かずに教科書に向かえっ!)
      ドビュッシーの分析も
      途中まででクエスチョン・マークが飛び交っている私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      ⇧ こ〜いう感じのレクイエム(笑)

      まぁ、ラテン語の試験は、来学期終わってからだし
      昨日のテストは直前にばっくれたし
      (先生、ごめんなさい!)

      あとは、論文をどうするか、という問題と
      試験が5つあるが
      試験のうち、3つは、1月末じゃなくて2月にも受けられるし
      ・・・そんな事を考えていると
      本当に自分が怠け者になったなぁ、と
      つくづく思う今日この頃・・・

      ピッツバーグ管弦楽団 + マンフレッド・ホーネック2日目

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        Musikverein Großer Saal 2019年11月1日 19時30分〜21時30分

        Pittsburgh Symphony Orchestra
        Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
        指揮 Manfred Honeck
        ソプラノ Christina Landshamer
        アルト Gerhild Romberger
        テノール Werner Güra
        バス Florian Boesch

        Anton Bruckner (1824-1896)
         Symphonie Nr. 9 d-Moll
         Te Deum für Soli, Chor und Orchester

        昨日のショスタコーヴィッチもなかなか新鮮なコンサートで
        (まだメモ書いてません、後で・・・
         註: やっと書いた・・・おヒマな方は こちら をどうぞ)
        今日のブルックナーの9番とテ・デウムは売り切れ。

        オーストリアが祝日なのは嬉しいのだが
        明日の土曜日に仕事があって、金曜日に買い物できないのはツライ。
        しかも、朝からオフィス仕事をしていたら(もちろん自宅で)
        あっという間に時間が過ぎてしまい
        大学関係の事は何も出来ずに終わってしまって
        本当にワタシってアホ(涙)

        買物も掃除も洗濯もできない宗教的祝日ってキライ(号泣)
        ・・・と言いつつ
        夜のコンサートに出かけるワタシ。
        ブルックナーの9番だけ聴いてくれば良いわ、という緩さ。

        さて、そのブルックナーの交響曲9番だが・・・

        何これ??????

        ホーネックが間違いないヘン○イである事は知ってるけど
        出だしのダイナミックから度肝を抜く。
        小節一つ一つのダイナミックが細かく動いて
        ティンパニが強調されていて
        強弱とテンポの動きが激しい。

        ブルックナーと言ったら、大伽藍というか
        基本的に妄想に浮かぶのはカトリックの
        ロマネスクかバロックの教会建築のはずなのに
        このホーネックとピッツバークのブルックナーは

        どう聴いても、ガウディの教会にしか聴こえないんだが・・・

        良い意味では有機的で動きが激しく
        ものすごく極端にエモーショナルで

        あ〜、すみません、時々
        どう聴いても「映画音楽」に聴こえてくるんですけど
        ダダダンダンダンのところなんて
        エイリアンが武器抱えて行進してくるところとか
        以下は自粛する。

        たぶん、間違いなくホーネックは確信犯でやっている。
        とことん、徹底的に考えられた音楽の
        有機的動きが生み出すドラマチックな音楽は
        ヨーロッパの伝統的な演奏では、絶対に聴けない、と断言できる。

        ホーネック(兄)って、もともとウィーンのオーケストラのチェリストだよね?
        そう言えば、亡きアーノンクールもチェリストだったし
        チェリストって、こういう天才が多いのか?

        ホーネック=オーストリア人、という図式は
        このブルックナー聴いたら、ガラガラと音を立てて崩れるだろう。
        こんな、ある意味、ヘンテコなブルックナー
        ヨーロッパの伝統を重視する指揮者なら、絶対に演奏しないし
        ヨーロッパのオーケストラでこれをやったら
        オーケストラのメンバーは全員、指揮者にソッポむいて
        次から絶対に呼ばれなくなるだろう。

        ヨーロッパの伝統音楽を知り尽くして
        そこから意図的に脱却して
        アメリカのオーケストラで、自分の音楽を実践するという
        すごい事をやったな、ヘ○タイ・ホーネック(兄)

        驚いて呆気に取られて終わった後の
        第2楽章が
        これまた、あの、その速度で演奏しますか???という
        むちゃくちゃな速さの上に
        パーカッションの強調があって
        ますます妄想は戦争映画(何故だ?)に傾いてしまう。
        しかも、テンポ速過ぎて、あっという間に終わる。
        時々、ズレてるような気もするけれど、ともかく、あっという間。

        その分、最終楽章のテンポの伸ばし方は・・・絶句。
        徹底的に遅くしながら
        (管が、ま〜、よくぞ付いていったよ)
        しかも、その中でのダイナミックとテンポのチェンジが
        やっぱりむちゃくちゃ頻繁にある。
        もう遅いの何のって、永遠に終わらないんじゃないか、という気がするが
        なのに、ずっと遅くなくて変化に富んでいるので
        ついつい聴き惚れてしまう。

        宗教性とか敬虔な神に対する気持ちとか
        そういうのは一切感じなかった。
        (音楽家と指揮者がどうだったかは知らん)

        ブルックナーが驚いて
        墓から出て来て
        僕、こんな曲を作曲しましたかね・・・と言いそうな感じはする。

        どこでどうなったのかはわからんが
        何故に、そこで、そういう不協和音(ディソナンツ)が出てくる?
        というところが何箇所かあったし
        これって、こういう響(クラスターに近い)だったっけ?
        というところもあった。
        (オーケストラのメンバーが間違えて演奏しているか、と
         一瞬、失礼な事を考えてしまったが
         たぶん、それはない、きっと)

        従来の「ブルックナーはこれ」という先入観を
        見事に吹っ飛ばす演奏だったので
        ホーネック、すごい事してるな、というのはわかるが
        では、これが録音になったら買うか、というと微妙なところ。

        あまりに伝統的な大伽藍ブルックナーとはかけ離れているので
        私みたいな年配の客層には、ちょっとアレルギーの出る人もいそう。

        そんな奇妙なブルックナーの9番の後
        (演奏時間は19時30分から20時45分までだった、かなり長い)
        テ・デウムは宗教曲苦手だし、どうしようか迷ったのだが

        結果的にテ・デウム、聴いて良かった。
        前半と同じく
        あくまでも徹底的にドラマチックに
        聴こえないくらいのピアニッシモから
        鼓膜が破れそうなフォルティッシモまで聴かせてくれて

        歌手がまた巧くて
        ギューラのテノール、声が澄んで美しく伸びるし
        ベッシュのバスは迫力たっぷりで
        ソプラノもアルトも、大袈裟にならず
        あくまでも宗教曲という感じなのにドラマチックに歌ってくれて
        更に、楽友協会の合唱団の巧さには、毎回、舌を巻く。
        本当にこれ、アマチュアの合唱団かよ?ウソだろ、って感じ。

        実はテ・デウムを楽しく聴いたのは
        手元のラテン語のテキストを見ていたせいでもあって
        テ・デウム・ラウダームスとか
        トゥ・レックス・グロリアエ・クリステとか
        (トゥ=二人称単数主格、レックス=男性名称単数主格
         グロリアエ=女性名詞グロリアの単数属格
         クリステ=クリストゥスの呼格)
        続いてトゥ・パトリス(省略)エス・フィリウスとか
        あはは、格や単数・複数くらいはわかるし
        受動形になってる動詞や過去分詞になってるところもわかる。

        あ、マウンティングではございません、すみません。
        ラテン語やって、まだやっと1ヶ月なのだが
        わはははは、まさか典礼文が、少しなりともわかるようになろうとは・・・

        というワケで、テ・デウム
        (ラウダームスまで続けないと意味がない(笑)
         もっとも私はクリスチャンではないので
         ラウダスでも、ラウダートでもラウダーティスでも
         ラウダームントでも構わないが)
        聴いて良かった。
        知らない曲だったので(だって宗教曲避けてるから)
        かえって、ホーネックが、とことんドラマチックに演奏してくれたのも
        先入観なしで楽しく聴けた。

        同僚の学生にノートをまとめてあげる、と約束した
        ラテン語(ルクレチアの陵辱!)を
        まだやっていなくて、ヤバイと思いつつ
        ついつい今日の記録を書いてしまった私に
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        ピッツバーグ交響楽団 + マンフレッド・ホーネック1日目

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          Musikverein Großer Saal 2019年10月31日 19時30分〜22時

          Pittsburgh Symphony Orchestra
          ピアノ Igor Levit
          指揮 Manfred Honeck

          Mason Bates (*1977)
           „Resurrexit“ für Orchester (EA)

          Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
           Konzert für Klavier und Orchester Es-Dur, KV 482

          Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
           Symphonie Nr. 5, op. 47

          遅くなってしまって、2日前のコンサートなので
          ちょっと記憶がかなり薄れているのだが(記憶力ゼロ・・・)

          ピッツバーグ交響楽団とマンフレッド・ホーネックの1日目。
          最初はメイソン・ベイツの新曲のオーストリア初演。

          この今年42歳の作曲家、経歴を読むと
          子供の頃から作曲を開始して
          アーノルド・シェーンベルクの弟子だった先生につき
          16歳の時の作品はコンサートで演奏され
          コロンビア大学で英文学でバチュラー
          ジュリアードの作曲でマスター
          カリフォルニア大学バークレー校で作曲でドクターを取って
          サンフランシスコやオークランドのクラブでDJして稼いでいたという
          天才肌の作曲家で、知識とかもむちゃくちゃありそう(笑)

          で、この「復活」という曲だが
          マンフレッド・ホーネックの60歳の誕生日を記念して
          ピッツバーグ交響楽団が、この作曲家に依頼した曲だそうだ。
          もちろん、初演はこのオーケストラがホーネックと行なった。

          で、この曲、面白い。
          何というか、独りよがりになっていなくて
          ちゃんと伝統的な音楽っぽく聴こえるんだけど

          使ってる作曲技法のバリエーションが半端じゃない!!!

          いや、今日の大学の音楽分析で
          バルトークとカゼラとメシアンにいたく感激して来たから
          ますます感じるのかもしれないけれど
          これだけ様々な作曲技法を1曲にぶち込みながら
          その統一性とドラマを語る力が凄まじい。

          一応、聴きやすいとは言え現代曲なので
          わざとらしい咳き込みや小声でのお喋りが避けられないのがツライが。

          モーツァルトのピアノ協奏曲
          ピアニストはイゴール・レヴィットで
          このピアニストのピアノ、むちゃくちゃ繊細。

          音色が多彩で
          バリバリと弾くのではなくて
          音色の魅力だけで聴かせてしまうところがある。

          カデンツは大きなiPadを譜面台に立てて弾いていたけれど
          誰のカデンツだったんだろう?
          (モーツァルトのカデンツは残っていない。
           かなり技巧的なカデンツだった)

          モーツァルト苦手だし(すみません)
          レヴィットも、ものすごく繊細で
          美しさをとことん追求するタイプなので
          私はちょっと苦手(ワタシ自身が大雑把なので・・・)

          アンコール曲も、派手で技巧的な曲で脅かすのではなく
          本当に繊細に音色だけで聴かせてくれた。

          後半、ショスタコーヴィッチの交響曲5番。

          うははははははは
          ホーネック、派手にぶち噛ませたぜ。
          すごいダイナミックと
          テンポの変化に富んでいて
          語る力がすごい。

          テンポがあまりに自由自在過ぎて
          時々ズレるし
          あまりのピアニッシモに音の取りこぼしもあったし
          アジア系コンマスは
          身体を振り回して情熱的に演奏して
          オーケストラをひっぱって行くのだが
          ただソロは(以下省略)

          ものすごくドラマチックで派手なショスタコーヴィッチ。
          まぁ、5番なんて、そんなものかもしれないが
          普通の演奏に輪をかけて
          ドラマチックさが強調されていて

          ダイナミックスもテンポのチェンジも
          ともかく、すごい頻度である。

          しかも、アメリカのオーケストラらしく
          音もでかい(笑)

          近くにいた女性は時々、耳を押さえていたけれど
          10番はともかくとして
          5番で耳を押さえたくなる、というのは
          どの位の音量でバリバリ弾いたか、推測がつくというものである。

          時々、普通には強調しないところを
          バッチリと出して来るので
          あら、こんなところ、こういう風にも聴こえるんだ
          という新しい発見もあり

          しかも、あれだけ音量を上げながら
          曲の音響そのものが、音の団子にならなかったのは
          さすがにホーネックというか、いや、驚いた。

          かなり長いプログラムだったのだが
          譜面台見たら、他の楽譜が乗っていたので
          アンコールあるか?とドキドキ。

          ありました、しかも
          サティのジムノペディ1番のオーケストラ編曲版。

          誰だ、あれをオーケストレーションした奴は!!

          だって、あまりに素晴らしかったのだ。
          最初のモチーフの後に
          シンバルが最小のピアニッシモで入ってくるんだけど
          これが、背筋ゾクゾクの音響効果で
          ひええええ、こんなのアリ???

          むちゃ楽しかった。
          アメリカのオーケストラなので
          コンサート前に全員が舞台で
          好き勝手なところを練習していて
          ポリフォニーの偶然性現代音楽を聞かされても
          (ジョン・ケージが喜びそうだ(笑))
          それでも、このオーケストラ、面白い
          ・・・というより、ホーネック(兄)が面白いのかも
          と、いたく感激した私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。


          上海交響楽団 + 余隆

          0
            Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年8月25日 19時30分〜21時40分

            Shanghai Symphony Orchestra
            バイオリン Frank Peter Zimmermann
            指揮 Long Yu (余隆)

            Qigang Chen (陳某鋼)(*1951)
             «Wu xing» «Die fünf Elemente» (五行)für Orchester (1998)
            Sergej Prokofjew (1891-1953)
             Konzert für Violine und Orchester Nr. 1 D-Dur op. 19 (1915/17)
            Sergej Rachmaninow (1873-1943)
             Symphonische Tänze op. 45 (1940)

            不勉強で申し訳ないのだが
            中国のオーケストラって、今までライブで聴いた事がなかった。
            今日のコンサートは、昨日や昨々日に比べると
            3分の2以下の観客数で、かなり空き席が目立ったんだけど
            プログラムが地味だから?(笑)← 全然地味じゃないと思うが。

            陳某鋼は中国出身の作曲家だか
            メシアンの最後の弟子で、フランス国籍を取ってフランス在住。
            今回の「五行」という曲、探したらインターネットにあったので
            予習のつもりで聴いたのだが
            雑音は多いし、音は不鮮明だし
            う〜ん・・・確かに現代音楽っぽい響きはするけれど
            よくわからん。

            ところがこれがライブで聴いたら
            全然違う!!!!!

            音の繊細さ、クリアさ、解像度に加えて
            音にものすごい色彩がある。

            フランスで学んだという事がはっきりわかる
            フランス風の色彩の洪水で
            日本で言えば武満徹風の色彩感から
            日本風のウエットさを取り除いて
            純粋な音楽だけにしたような感じ。
            感情とかではなくて
            自然そのものの雄々しさを音楽で表現しているような印象の曲。

            あ〜、だから音楽ってライブで聴かなきゃ意味がないんだわ。
            もっとも、周囲の小声のお喋りが今日は特にひどくて
            あの繊細な音の構築の中に、ひそひそ声が頻繁に混じると
            気が散って(第一、音のバランスが崩れる!)困ったのだが
            まぁ、それ言ったら
            外から聞こえる車のエンジン音やオートバイの爆音
            小型飛行機の騒音とかもあって
            小声のお喋りも、野外コンサートの醍醐味と言えない事もない(やけっぱち)

            プロコフィエフのバイオリン協奏曲1番。
            ロマンティックな第1楽章に
            超絶技巧の第2楽章。
            むちゃくちゃ高音が多い上に
            弾きっぱなしのバイオリニスト。

            ツィンマーマンのバイオリン、巧い。
            いや、プロだから巧くて当たり前・・・とも言えるけれど
            あれだけ弾きっぱなしの超絶技巧で
            しかも、ヘンなタメとかないのに
            なんだかとってもロマンチックで優しい。

            プロコフィエフって聴いていて楽しい作曲家なのに
            一部の曲のみが超有名で
            (ペーターと狼、ロメオとジュリエット・・・)
            他の曲を聴くチャンスが少ないのが難点だが
            バイオリニストいじめみたいな難曲を書いて
            ウハウハする人だったのかしら(妄想気味)

            この曲、バイオリンのソロの時に
            第一バイオリンが弾かないという箇所が結構あるのだが
            コンサート・マスターが
            ものすご〜〜〜〜く真剣な顔で
            ツィンマーマンの弾き方を、じ〜〜っと観察していたのが面白かった。

            この難曲を弾き終えた後
            マイクに向かって
            アンコール聴きたいですか?(笑)
            この音楽祭の音楽監督のブッフビンダー氏は
            美しき青きドナウのピアノ編曲版を作っていらっしゃるのですが
            (確か「ウィーンの夜会」という曲で、ウィンナー・ワルツの現代音楽版の
             素晴らしいピアノ超絶技巧の名曲である)
            残念ながら、バイオリンのバージョンがありません。
            ただ、最近、僕はパガニーニの新しい曲を発見したばかりなので
            このパガニーニのバリエーションを弾きます。

            うおおおおお、パガニーニの超・超絶技巧かよ・・・
            この間のチャイコフスキー・コンクール第1位のバイオリニストに
            ライバル意識を燃やしているとしか思えん(妄想中)

            いやしかし、あそこまでやられたら
            フランツ・リストが、えらく感激して
            テクニック重視の方向に走っちゃったのもわかるし
            ほとんどサーカスの世界というか
            人間技を越えた世界というか

            横で真剣な顔で見ている
            コンサート・マスター氏の顔が
            だんだん引きつって来て
            眉間のシワがどんどん深くなってるし
            (何を見てるワタシ)

            プロコフィエフにパガニーニという
            バイオリニスト超絶技巧の曲を弾いた後で

            ではもう1曲、今度は静かな曲を、と
            バルトークとか弾きだすバイオリニストって・・・(唖然)

            この曲はコンマス氏も(ジッとは見ていたけれど)
            やっとライバル意識丸出しにせずに楽しんでいた模様(だから妄想)

            いや〜、今日のコンサート、面白い。
            昨日みたいな名曲アワーのコンフォート・ゾーンじゃなくて
            なんかもう、プレイヤーの中に溢れる
            競争心という名の火花みたいなものが見える(妄想)

            後半はラフマニノフの交響的舞曲。
            この曲を後半のメインに持って来るのは珍しい。
            でも、名曲だよねぇ・・・(好きですワタシ)

            ティンパニのおじさんの動きが面白くて
            目が離せない。
            パーフォーマンスっぽくて
            (意識してやってるとは思わないが)
            ほとんど踊りになってる(笑)
            こういうプレイヤーって実は好み ♡

            サクソフォンのソロも見事だったし
            会場が野外だから
            どんなに金管が咆哮しても、全然平気。

            で、途中にコンサート・マスターのバイオリン・ソロがある。
            おおおおおっ!!!
            このコンサート・マスター、むちゃ巧い。
            やっぱり、ソリストの奏法を、じ〜っと観察しているだけのことはある。
            (それが巧さの秘訣とか言うのではないと思うが
             熱心な事は良い事だ)

            まぁ、こういう名曲は
            どこのプロオーケストラでも、高い水準で仕上げてくる。
            各所のソロも、しっかり聴かせてくれたし
            アンサンブルもきっちり構成されていて危なげがない。
            怒りの日のモチーフは、あまり不気味には聴こえなかったけれど
            全体的に、泣き節というよりは
            音楽そのものの要素を前面に出した印象を受ける。

            アンコールで、中国のペンタトニックを使った
            弦だけのアンサンブルの曲を演奏。

            またもや周囲が小声のお喋り大会と化す。
            良いじゃん、中国のオーケストラだし
            中国のペンタトニックの曲を持って来るって
            別に不思議な事ではないと思うぞ。

            いやしかし
            このオーケストラのバイオリンのアンサンブルの緻密さと
            音色の統一感には舌を巻いた。
            やっぱりコンマスが熱心だから?
            かどうかはわからないが
            第一バイオリンの演奏が
            まるで1台のバイオリンのような
            全く歪みのない音で聴こえて来たのには驚いた。

            外来オーケストラが来る場合
            アンコールには
            ゲストで来る国の曲を演奏して
            聴衆をノセるタイプのオーケストラと
            自国の曲を持ってくるタイプがあるが

            中国って、やっぱり歴史が長いし
            高い文化があるから
            演奏するなら、中国音楽ですよね(笑)

            いや〜、色々な意味で楽しいコンサートだった。
            これにて連日4回の
            グラーフェネック往復は、今週は終わり。

            来週も、せっせとグラーフェネック通いを予定している私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            来週はまた暑さがぶり返すような予報だが
            基本的に8月初旬で夏は終わった感じ。
            ただ、雷雨が結構あるので、湿度が高いのが
            ちょっと日本みたい・・・

            日本フィルハーモニー交響楽団 + ピエタリ・インキネン

            0
              Musikverein Großer Saal 2019年4月8日 19時30分〜22時

              Japan Philharmonic Orchestra
              チェロ Sheku Kanneh-Mason
              指揮 Pietari Inkinen

              Einojuhani Rautavaara (1928-2016)
               In the Beginning (2015)
              Edward Elgar (1857-1934)
               Konzert für Violoncello und Orchester e-Moll op. 85 (1918-1919)
              Toru Takemitsu (1930-1996)
               Requiem für Streicher (1957)
              Jean Sibelius (1865-1957)
               Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 43

              日本フィルハーモニー交響楽団が
              ヨーロッパ・ツアー中らしい、というニュースを見かけて
              アッと思ってチェックしたら
              楽友協会大ホールで、ジュネス主催のコンサートだった。

              慌ててジュネスでチケット購入。
              ジュネスは若い人のための文化団体だが
              チクルスの会員は、まずは90%以上が大人(年配)と思って良い。
              チクルスは比較的安い上に、プログラムが多彩なので人気がある。

              巧いオーケストラだと思う。
              アンサンブルが揃っていて、ズレがなく、見事だし
              木管・金管のソロが巧いし
              武満徹の時のビオラ首席のソロには、ちょっと涙が出そうになった。

              問題があるとすれば(おおお、偉そう・・・)
              プログラム構成だろう(たぶん)

              だって・・・
              フィンランドのエイノユハニ・ラウタヴァーラ
              英国のエドワード・エルガーに日本の武満徹
              最後の締めがフィンランドのジャン・シベリウスで
              アンコールがシベリウスの「悲しきワルツ」と
              何と2曲めのアンコールでフィンランディア。

              指揮者がフィンランド人だから
              そういう方向に行っちゃったのかもしれないけれど
              あまりにプログラムがフィンランド過ぎる!!
              (いや、文句つける筋合いじゃないが・・・)

              それに全体的に地味で、しかも長い。
              アンコールなしでも終演21時40分くらいだったし
              アンコール2曲で、ばっちり22時まで。
              こちらのオーケストラ、22時までの公演というのは滅多にない。
              (ちなみに22時を過ぎるとホールの人件費が格段にアップするから(笑))

              偶然ではあるのだが
              4月10日水曜日は、コンツェルトハウスで
              ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団が
              ロッタ・ウェンナコスキのオーストリア初演曲と
              チャイコフスキーのバイオリン協奏曲と
              シベリウスの交響曲2番を演奏するのである。
              このオーケストラがアンコールにシベリウス2曲やるなら許せるが

              国粋主義者ではないけれど
              日本のオーケストラ+フィンランド指揮者で
              ウィーンで、あまりにフィンランディアっぽいプログラムだと
              指揮者の良いように翻弄されているオーケストラ
              ・・・みたいな感じがしてしまうのは
              私の偏見と独断と、劣等感(?)の問題なので
              読者諸氏は、あまり深く考えないように。

              だいたい、最初のラウタヴァーラの曲なんて
              いや、オーケストラ巧いし
              インキネンの指揮はあくまでも音色を柔らかく引き出す繊細さはあるけれど
              このプログラムに必要だったのか?

              とは言え、最初に武満の弦楽のためのレクイエムだったら
              最初から雰囲気がど〜んとウエットになるから
              それも考えものだったのかもしれないが。

              エルガーのチェロ協奏曲のチェロのソリストが
              ちょっと見つけモノというか、ビックリ仰天。
              技術的な完璧さはもちろんあって
              それは昨今、どのソリストもみんな完璧なので
              失礼な言い方をすれば、ドングリの背比べなんだけど

              このチェリストの表現力が・・・スゴイ。
              なぜに、チェロのモチーフやメロディが
              こんなにグサグサ、直接感情に突っ込んでくるのだ?

              (しかもエルガーのチェロ協奏曲なんて
               暗くて地味で短調でセンチメンタルで
               テンポ遅いし、ノリがないし、私は普通、好きじゃない(断言))

              またそのチェロのソロに合わせるオーケストラが巧くて
              指揮者が良いのか
              オーケストラのメンバーの耳が良いのか
              ともかく、チェロのソロにピッタリ合わせてくる妙技。
              アンサンブル揃っていて、あまり揺れがないので
              時々、あまりに揃いすぎで平坦に聴こえてくる事はあるが
              (ウィーンのバラバラなオーケストラの音に耳が慣れすぎかも(笑))
              チェロの表現力があまりに凄すぎて
              エモーショナル過ぎて(良い意味で)
              数多い有名なチェリスト聴いているけれど
              何だか不思議な才能を見つけた、っていう感じ。

              後半にチェリストとその彼女らしき若い美人が
              フレムデン・ロージェに入って来たのには驚いたが。
              (ダイレクター・ロジェは、出演者であっても
               ネクタイしてないと入れてくれないのである。
               伝統的ウィーンの不思議な習慣の一つ。
               現在の支配人アンギャンの趣味かもしれないが。
               当のチェリストの舞台衣装は派手な刺繍入りのシャツだった。)

              後半のシベリウス、交響曲2番。
              うううううう・・・・

              いや、演奏は抜群なの。
              どのアンサンブル取っても
              例の2楽章のリズムのスゴイところも
              ファゴットやフルートや
              トランペット(これはすごかった)のソロや
              ホルンの美しさや
              オーボエのソロや
              いや、列記しても意味ないけれど
              インキネンの、割に恣意的に動かすテンポにばっちり着いて
              まぁ、何て巧いオーケストラ、というのはあるんだけど

              シベリウスって楽友協会ホールの音響と合わない!!!(悲鳴)

              ブラームス時代に、音響なんて全く考えず
              音楽の神殿を作るのだ、と張り切ったテオフィル・ハンゼンの建物は
              確かに世界で最も音響の良いホールとは言われるけれど
              それは、せいぜいブラームスの時代までの音楽に言える事である(断言)

              ショスタコーヴィッチとかマーラーとか
              楽友協会の大ホールで聴いたら、時々、拷問になる(ホントです)

              が・・・
              まさかシベリウスよ、お前もか(愕然)

              楽友協会の音響云々の話ではなくて
              もしかしたらバルコン正面とかギャラリーとかの
              ちょっとお高い価格の席なら良かったのかもしれないが
              超貧民席はオーケストラにむちゃくちゃ近いのだ。

              いやもう、バランスが悪くてバラバラに聴こえて来る(涙)
              これは、席が悪いとしか言いようがない。

              こういう曲って、コンツェルトハウスのあのデッドな音響の方が
              ずっと映えるんじゃないだろうか。
              水曜日がちょっと楽しみである。
              (それでヘンに聴こえてくるようなら、私の頭がおかしい)

              シベリウスの悲しきワルツは美しかった。
              あくまでも繊細な指揮に乗って奏でられる
              ウィーンのワルツとは全く違う雰囲気の
              透明感のある素晴らしい演奏。

              ぞろぞろ帰りかけている客に向かって
              あともう1曲、と演奏し出したのが
              フィンランディアだったので椅子からずり落ちそうになったが
              まぁ、このオーケストラ、金管の華やかさもスゴイじゃないの。

              ぐわ〜〜〜んと盛り上げる曲なので
              華やかにホールに鳴り響き
              残った聴衆も大喜びではあった。
              (けど、私の隣の人は、アンコール何?って声を掛けて来たから
               この曲を知っているジモッティは少ないと思う)

              日フィルは明日はまたドイツに移動して
              夜にコンサートがある模様。
              移動が多くて大変だと思うのだが
              健康に気をつけてヨーロッパ演奏旅行を楽しんで欲しい。

              というワケで
              下手くそなオーケストラだったら記事を書かないぞ、と思っていたが
              かなり満足して、23時頃に帰宅した私に
              (だって郊外に住んでいるから、小1時間かかるんです(涙))
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              追記 日フィルのサイトを見ていたら
              今回のヨーロッパ公演についての音楽ジャーナリスト氏の記載があり
              インキネンが故郷フィンランドへの錦を飾る的な意味合いもあるらしい。
              オーストリアと日本も今年国交150年なんですけどね(苦笑)
              ↑フィンランドに負けた(負け惜しみ)

              モントリオール交響楽団 + ケント・ナガノ

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年3月17日 19時30分〜21時50分

                Orchestre symphonique de Montréal
                ピアノ Rafał Blechacz
                指揮 Kent Nagano

                Claude Debussy (1862-1918)
                 Jeux. Poème dansé (1912-1913)

                Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1913)
                 Konzert für Klavier und Orchester A-Dur K 488 (1786)

                Igor Strawinski (1882-1971)
                 Le Sacre du printemps

                同時刻に楽友教会では
                バイエルン放送交響楽団とヤンソンスが
                ドボルジャークの交響曲9番(新世界から)と
                春の祭典、と言う、超弩級のプログラムを演奏して

                コンツェルトハウスでは
                モントリオール交響楽団が首席指揮者のケント・ナガノと
                後半同じく春の祭典。

                春の祭典祭り・・・って、オヤジ・ギャグにもならん(呆)

                もともとコンツェルトハウスのチケットはチクルスで持っていたし
                楽友教会のチケットは超貧民席でも高いので
                コンツェルトハウスに決定。

                オーケストラは開始時間前から舞台にズラッと並び
                しかも開始直前まで各自で練習しているアメリカのオーケストラとは違い
                開演5分前にはぴったり練習を止めて
                時間にルーズなウィーンの聴衆が席に着くのを
                忍耐強く待っている。

                ・・・なんてお行儀の良いオーケストラ(感激)

                コンサート・マスター登場で拍手、音合わせの後に
                ケント・ナガノ登場で
                ドビュッシーの「遊戯」
                (ご存知ニジンスキーの手がけたバレエ・リュスのための音楽で
                 テニスをする男女3人の駆け引きがテーマ)

                うわあああ、このオーケストラ
                何だかフランスの香りがする。
                カナダのオーケストラだよね?
                フランス語圏というのはあると思うんだけど
                音色の柔らかさが非常にフランス的。

                ケント・ナガノの指揮は、とてもクリアで
                各パートやモチーフがしっかり聴こえてくる。
                音の透明感がスゴイ、音の色彩感もスゴイ。

                全音階を取り入れているので
                全体が空に浮かんだような印象があって
                それをまたオーケストラが透明で柔らかいテクスチャーで演奏する。

                うううううん、初演のバレエが評判悪かったらしいが
                ニジンスキーの振付でのバレエを観てみたかった・・・

                続いてモーツァルトのピアノ協奏曲23番。
                ピアニストはラファウ・ブレハッチ。
                ご存知、2005年のショパン・コンクール1位受賞者。
                調べてみたら、私は2014年5月14日にウィーン交響楽団との共演で
                ブレハッチの演奏したベートーベンのピアノ協奏曲3番を聴いている。
                (しかもこの日のコンサートでのアンコールが今日のアンコールと同じ。
                 更に、2014年5月14日のコンサートの後半は「春の祭典」だった(爆笑))

                モーツァルトである(読者はそこでもう私の言いたい事はご存知)
                いやもう、めちゃくちゃ気持ち良く爆睡だが
                音楽はちゃんと頭の中で聴いていて

                このピアニスト、音が端正で何て美しい・・・
                濁ったところが全くない。
                テンポが揺れたり、不要な感情的高ぶりがなくて
                モーツァルトの音楽、という歴史的枠組みの中で
                背筋を伸ばした正統的な音楽が流れて来る。
                ちょっと昔のブレンデルに似てるかも。

                1985年生まれだから、30歳は過ぎているのだけれど
                フワフワの縮れ毛のパーマ(天然?)がキュートで
                昔はショパンに似ている、と言われていたようだが
                遠目からは、ジョルジョーネの絵画に登場する少年のようだ ♡
                カワイイのに髭を生やした誰かとイメージ戦略が違うのだな。

                アンコールは当時と同じくベートーベンのピアノ・ソナタ op.2/3 スケルツォ。
                これも端正でリズミックで、音の一つ一つがクリアで素晴らしい。
                いや、もう、堪能しました。
                モーツァルトでも構いません(失礼)
                このピアニストの音、私、すごく好きかも。
                たぶん、これだけ濁りも衒いもない明晰な演奏だと
                何時間聴いていても疲れないような気がする。

                後半、春の祭典。
                既に休憩が終わる5分前には全員配置について
                舞台上にぎっしり並んだオーケストラが壮観。
                いや、もう、どこかののんびりしたオーケストラと何と言う違い。
                (どちらが良いとは言いませんが・・・)

                久し振りにじっくりと
                コンツェルトハウス大ホールという
                こういう大編成の近代曲に音響的にバッチリ合うホールで
                春の祭典を聴く幸福・・・

                見事な明晰さ。
                各パートがクリアに響いて来て
                大きなダイナミック・レンジなのだが、嫌味がない。

                その分、ストラヴィンスキーの音楽が持つ筈の
                原始的なエネルギーとか泥臭さとかが表面に出て来ずに
                クリアな構造が透けて見えて来て
                まるで巨大な現代建築の設計図を見ているような気分。

                こういうアプローチ、嫌いじゃない。
                特にコンツェルトハウスというデッドな音響空間の中で
                あれだけ立体的に構造を明確に出して来られると
                客席で唸ってしまう。

                それだけ冷徹でクリアな構造でありながら
                時々、弦のアンサンブルの
                あの、ふわん、っていう感じのフランスの音が
                ハートを鷲掴み(笑)

                うわあああ、ケント・ナガノの解釈も好きだけど
                このフランスっぽいカナダのオーケストラ、すごく好き。

                もしかしたらアンコールあるかも・・・と思ったら
                ケント・ナガノがアナウンス
                「ウィーンなのでワルツを演奏します。
                 ただ、ちょっと変わったワルツです」

                ん? シベリウスの悲しきワルツとかかな?

                どっひゃーん!!!!
                こ、こ、こ、これは

                ラヴェルの「ラ・ヴァルス」

                この大曲を、春の祭典演奏した後に
                余裕でアンコールで演奏するか?(普通はあり得ない)

                で、またこれが
                明確でクリアで透明な構築に
                あの、ふわん、というフランスの音が出て
                ああ、もう、これ、たまらん!!!! ♡

                身体は1つしかないから
                同じ時間にコンサートが2つあれば
                選択するしかないのだけれど
                モントリオール交響楽団とケント・ナガノのコンサート
                来て正解だったと思う。

                明日はヤンソンスとバイエルン放送交響楽団の
                別のプログラムのコンサートに行く予定で
                それはそれで非常に楽しみな私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                ボストン交響楽団 + アンドリス・ネルソンス

                0
                  Musikverein Großer Saal 2018年9月11日 19時30分〜21時45分

                  Boston Symphony Orchestra
                  指揮 Andris Nelsons
                  バイオリン Baiba Skride

                  Leonard Bernstein (1918-1990)
                   Serenade nach Platons „Symposion“
                    für Solo-Violine, Streichorchester, Harfe und Schlagzeug

                  Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
                   Symphonie Nr. 4 c-Moll, op. 43

                  ボストン交響楽団とネルソンスの公演は
                  実は昨日はマーラーの交響曲3番だった(あああああ)
                  両公演チクルスに入っていなかったので別購入。

                  ショスタコーヴィッチの交響曲4番は大編成なので
                  舞台が拡張されていて
                  買った席からも少しは指揮者が見える (^^)v

                  アメリカのオーケストラは
                  演奏直前まで、各自が舞台に乗って
                  勝手に好きな部分を練習しているため
                  コンサート前のホールが異様にうるさいのが特徴だが
                  今回の「コンサート前特別大サービス現代音楽」の時間は
                  (すみません、私が勝手にそう名づけているだけで)
                  そんなに神経に触らず、うるさくない。

                  と思っていたら
                  最初は弦とハープと打楽器だけの曲だった(笑)

                  バイバ・スクリデのバイオリンって
                  何回かナマで聴いていると思うのだが
                  すみません、この人のバイオリン、ちょっと私、苦手で (^^;;

                  技術的にはすごいバイオリニストなんだけど
                  音が細すぎて、しかも時々、演歌になるし
                  (すみません、好みの問題です)

                  美人は美人で、すごく美人で
                  ただ、昨今、女性のソリストで美人でない人っているんだろうか?
                  と思うくらい、世に出るソリストは、こぞって美人になってるような気がする。
                  そういう事を言うと、フェミニストの立場からは苦々しいんだけど
                  音楽家も言ってみれば人気商売だし・・・(以下省略)

                  私が楽しみにしていた・・・というよりは
                  非常に恐れていたのが
                  ショスタコーヴィッチの交響曲4番。

                  この曲、私、たぶん、ナマで聴くのは初めてかもしれない。
                  (もし聴いているとしたら
                   ゲルギエフがマリイインスキーとショスタコーヴィッチ全曲を
                   コンツェルトハウスで演奏した時だと思うけれど
                   確か前半はいくつか行かなかったコンサートがあるので定かではない)

                  ショスタコーヴィッチで比較的よく演奏されるのは
                  あの5番と、10番、時々15番、あとは11番と12番くらい。

                  何回も言っている通り
                  ショスタコーヴィッチは楽友協会では演奏して欲しくない。
                  特に10番なんか、高い音がフォルティッシモで続くので
                  ほとんど難聴になりかけるのである。

                  それが、今回は4番!!!
                  最初からピッコロ含む大音響の出だしで
                  ああああ、耳栓持っていくべきだったか・・・と思いきや

                  えっ???
                  最初の、あの甲高い大音響が神経に触らない・・・・

                  何このオーケストラ、むちゃくちゃ巧いじゃないの。
                  しかも、ピッコロがこれまた音が美しく
                  絶対に「叫び声」にならず
                  こんな美しいピッコロ、あったんかいっ????

                  もちろん、フォルテは容赦なく鳴らすのだが
                  耳を押さえたくなる瞬間は全くない。
                  なにこれ、信じられない。

                  もしかしたら、私、歳で耳が遠くなってる???
                  (いや、その可能性は大いにある・・・・(汗))

                  オーケストラのキレが素晴らしい。
                  音の残像が残らず、音がものすごくクリアで
                  解像度が抜群に良い。

                  木管のアンサンブルも最高。
                  音の美しさもさることながら
                  トゥッティのアンサンブルでも音に透明感と
                  色があって
                  あのとんがったショスタコーヴィッチでも
                  不要な硬さがすべて取れていて、ともかく美しい。

                  複雑で規模の大きい第1楽章の聴きどころの
                  例のフガートも
                  演奏の困難さを全く感じさせない。
                  あまりにあっさりし過ぎて
                  「僕ら、こんな難しい箇所だって余裕だもんね〜」と
                  弦のメンバーの心の声が聴こえてくるくらい
                  ともかく、あのフガートの見事な事といったら
                  絶句というか、席で悶絶。

                  音楽そのものも、しっかり締まった美しい構築で
                  非常に現代的で華麗で
                  作曲家の苦悩というよりは
                  大規模で複雑な交響曲、という大伽藍を
                  ばっちり構築して見せたという感じ。

                  第2楽章は短いけれど
                  これは、交響曲5番に使われるモチーフが入ってきたり
                  如何にもショスタコーヴィッチらしい音が散りばめられていて楽しい。
                  (しかも第2楽章は短い(笑))

                  お隣のオシャレしている男女のカップルが
                  途中で飽きたらしく、ゴソゴソしていたと思ったら
                  第3楽章の前に出て行ったのも、まぁ、こういう曲では有り勝ち(笑)

                  第3楽章が、これまた、もう見事としか言いようがない。
                  大編成なのに、バランスが良くて
                  トゥッティの音量も、大きいのに楽友協会の残響からはみ出る事なく
                  しかも、ピアニッシモの美しさが半端じゃない。

                  この曲、全楽章、ピアニッシモで終わるので
                  特に第3楽章の最後のピアニッシモの処理が素晴らしかった。
                  消え入るような(弦のピアニッシモの素晴らしさ!)余韻を残す。

                  ああああ、この曲、長くて聴くのに退屈するかと思ったら
                  すごい演奏じゃないの!!!!
                  何て優秀なオーケストラ!!!!!
                  演奏にスキが全くなくて、ほとんど完璧。
                  如何にも効率技術満点のアメリカのオーケストラという感じ。

                  アメリカのオーケストラが
                  リトアニアラトヴィアの指揮者と
                  (読者のご指摘感謝!!(汗))
                  ソビエト連邦(旧)の作曲家の曲を演奏する
                  ・・・っていうのも、かなりオツな感じだが
                  歴史的な背景とか、そういうものはさておいて
                  音楽として
                  こうやって技術的に欠点のない
                  スカッとする演奏を聴いてみると
                  意外にショスタコーヴィッチって
                  アメリカのオーケストラと合うような気がする。

                  ショスタコーヴィッチそのものが
                  あまりウィーンの聴衆にはウケが良くないので
                  (というより、言った通り、楽友協会だとうるさ過ぎる)
                  なかなか聴く機会はないのだけれど

                  ボストン交響楽団って、スゴイじゃないの・・・
                  客演オーケストラって
                  ついつい、ウィーンのオーケストラより巧いような印象を持つ事が多いけれど
                  このオーケストラ、間違いなく超のつく一流で
                  しかも手抜きがない(これ大事)

                  シーズン最初に、エライ演奏を聴いてしまった。
                  こういう超弩級のコンサートを聴いちゃうと
                  ちょっとワクワクする気分の私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  しかしネルソンスの指揮って
                  昔に比べて、かなり省エネ、あ、いや、無駄がなくなって来た。
                  初めて聴いた時には、まだ20代の可愛い男の子って感じだったけれど
                  中堅になってからは堂々たるオーラも撒き散らしていて好感(萌)

                  フィラデルフィア管弦楽団 + ネゼ=セガン

                  0
                    Musikverein Großer Saal  2018年5月31日 19時30分〜21時50分

                    The Philadelphia Orchestra
                    指揮 Yannick Nézet-Séquin
                    ピアノ Hélène Grimaud

                    Johannes Brahms (1833-1897)
                     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 d-Moll, op. 15
                    Robert Schumann (1810-1856)
                     Symphonie Nr. 4 d-Moll, op. 120
                    Richard Strauss (1864-1949)
                     Don Juan. Tondichtung, op. 20

                    アメリカのオーケストラの公演が続くが
                    フィラデルフィア管弦楽団とネゼ=セガンのコンサートは2回。

                    まずは初日。
                    プログラム構成が面白い。

                    だって、普通、リヒャルト・シュトラウスのドンファン
                    ブラームスのピアノ協奏曲1番、後半シューマンの交響曲4番
                    という感じのプログラム構成に慣れているから。

                    最初から超弩級のブラームスのピアノ協奏曲
                    しかも私の大好きな1番 (^^)v

                    ピアニストはエレーヌ・グリモーで
                    私、このピアニスト、久し振りかも。
                    ショートカットのヘアに簡素なシャツとパンツの軽装。
                    こんなイメージの人だったっけ?
                    (だいたい舞台見えない席ばかりだから、アーティスト見てない)
                    もっとライオンみたいなワサワサした髪の毛の姉妹・・・
                    あっ、すみません、ラベック姉妹と間違えてた ^^;

                    交響曲とまごう最初のド派手なオーケストラの出だしは
                    目一杯の大音響で、荒々しく響かせて
                    途中のオーケストラのピアニッシモのところは
                    止まりそうな位に音量を抑えて、ゆっくりしたテンポ。

                    この曲、大好きなので
                    どんな演奏されてもジーンと来ちゃうのだが
                    グリモーのピアノの力強い事。
                    堂々としてマッチョでステキ ♡

                    オーケストラは最初のマッチョにドッカーンから
                    止まりそうな繊細な音まで出していて
                    うっとりしながら聴いていたら

                    最初のホルンのソロ・・・
                    それ、いったいナニ? と言いたいミス続き(笑)

                    次のフレーズからは持ち直したものの
                    持ち直したのは良いけれど、力一杯の粗さになっちゃって(爆笑)
                    まぁ、そういう事もあります、はい。

                    アンコールはなし。

                    後半、シューマンの交響曲4番。
                    実はこれもすご〜く好き ♡

                    ネゼ=セガンは指揮棒なし。
                    ほとんど拍を取っていなくて
                    曲の表情をつける事に集中しているように見える。

                    だから時々、結構派手に縦線がズレる。
                    ベートーベンの伝統を継ぐ(笑)ドイツ音楽には聴こえない。

                    それに、第2楽章のバイオリンのタララ・タララ・タララってところ
                    (読者の皆さま、ごめんなさい!)
                    3音が聴こえて来なくて
                    木管の四分音符+八分音符のターラ・ターラ・ターラに聴こえて来て
                    ちょっとビックリした。
                    確かにメロディ・ラインは木管に乗っているから
                    そういう解釈もありか・・・
                    でも、何だかイヤに単純に聴こえてしまう。

                    この間のヴェルザー=メストもそうだったけれど
                    意外にアゴーギクが派手で
                    かっちりした形式というよりは
                    ズブズブの感情的なシューマンに聴こえてくる。

                    実は授業でシューマンの音楽評論とか読んでいて
                    あまりに文学的で(=ドイツ語でも日本語でもわからん)
                    ひええええ、ドイツ・ロマン主義って
                    色々な意味で凄い、と感服しているところなので

                    あのシューマンの書いたものを読んでから
                    このネゼ=セガンのズブズブの交響曲を聴くと
                    何となくイメージが交差して
                    そうか、これもアリかも・・・と思えてくる。

                    豪華絢爛なアメリカン・サウンドが爆発したのは
                    最後のドンファンである。

                    いや、あのブラームスとシューマンを弾いていたオーケストラに聴こえない。
                    ほとんど別人オーケストラと化していて
                    キラキラの金管の咆哮が実にゴージャス。

                    そうか、これで最後を締めて
                    ブラボー・コールを狙ったのか(穿ち過ぎかも)

                    しかしこのオーケストラの音色
                    ヨーロッパのオーケストラとかなり違う。
                    しかも、今回のプログラムでは
                    3曲とも、全然違う響きを出して来たので
                    ちょっと驚いた。

                    明日はバーンスタインとチャイコフスキー。
                    ネゼ=セガンが、あれだけロマン派の香りを出してくるなら
                    両方とも、もっとウエットになって面白いかも、と
                    明日が楽しみになっている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    実は昨日はバレエのジゼルを観に行って
                    木本クンのアルブレヒトもマーシャのジゼルも良かったんだけど
                    清香ちゃんのミルタが、ま〜、ホントにぴったりで
                    えらく感銘を受けたのだが、ブログ書いてる時間がない(涙)
                    今日は祝日で1日閉じ篭って仕事してレポートの準備をしていたのだが
                    引退してから1年後、何で、こんなにむちゃくちゃ忙しくなっているのか
                    自分でもワケわからん・・・

                    クリーブランド管弦楽団 + ヴェルザー=メスト

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2018年5月28日

                      The Cleveland Orchestra
                      Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
                      指揮 Franz Welser-Möst
                      ソプラノ Laura Aikin
                      アルト Wiebke Lehmkuhl
                      テノール Norbert Ernst
                      バス Dashon Burton

                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                       Große Fuge B-Dur, op. 133
                       Symphonie Nr. 9 d-Moll, op. 125

                      フランツ・ヴェルザー=メストとクリーブランド管弦楽団の
                      ベートーベン「プロメテウス・プロジェクト」の最終公演。

                      普通だったら、交響曲9番だけでプログラムを組みそうだが
                      最初に、もともと弦楽四重奏曲の大フーガの
                      弦楽オーケストラ版。
                      休憩の後に、ベートーベンの交響曲9番。

                      さて、大フーガだが・・・

                      あらま、この弦のガリガリっぽいマッチョさって
                      この間まで、このオーケストラになかったような気がする。

                      弦だけのアンサンブルだが
                      ともかく元気というか、ガリガリというか
                      ひたすらフォルティッシモで弾きまくっている。
                      原曲が弦楽四重奏曲とは思えない厚い音響。

                      フーガ・・・なんですけどね、確かに。
                      ただ、オルガン曲のバッハとかのフーガとは違って
                      それはベートーベンだし、後期の曲だし
                      とんでもない和声とか対位法が駆使されていて
                      腰据えて分析してみたら面白いかも・・・っとっと、じゃなくて(汗)

                      何故に今日はこのオーケストラ(の弦)
                      むちゃくちゃマッチョで筋肉質で
                      しかも低弦も、えらい勢いで響いてくる。

                      別人オーケストラ???

                      筋肉質マッチョで交響曲9番に繋げようという意図なんだろうな、きっと。
                      だって、交響曲9番の演奏が

                      最初から最後まで
                      かなり大きめの音量で
                      しかもテンポが速くて

                      テンポが速いのは、昨今、どこのオーケストラでもやるけれど
                      この大規模のオーケストラで
                      あの音量で、あのテンポで演奏されると
                      ある意味、すごい迫力。

                      第1楽章の最初の出だしって
                      あんなに音量あったかしらん・・・

                      ヴェルザー=メストの指揮が、また、すごく大袈裟で
                      この指揮者、足が固定されていて上半身だけ動くので
                      ちょっとあやつり人形っぽい動きをするのだが
                      今日は、その上半身の動きが、むちゃくちゃ大きい。

                      前半でガリガリ演奏していた弦は
                      後半でも力一杯のガリガリで攻めてくる。

                      相変わらずテンポの動きも激しくて
                      時々テヌートになったり、拍が詰まって聴こえたり
                      まぁ、それだけダイナミックな演奏とも言えるだろう。

                      でも、第3楽章、私は最も美しいアダージョの一つだと思うんだけど
                      で、確かに誰が演奏しても美しいのだが
                      なんかすごく表面的というか、平坦な印象が残る。

                      最終楽章が、これまた速いテンポで
                      大規模オーケストラ+音量マックス+速いテンポって
                      グイグイ押してくる迫力はあるのだけど・・・

                      バスの第一声は深い声で音量たっぷりで聴こえて来たけど
                      あ〜、その後の音程がちょっと・・・

                      コーラスも、音量を絞らずに入って来て
                      え〜っ、その音量で始めてしまうと
                      後で盛り上がりが辛くないか?と思ったのだが
                      更に音量を上げて上げて上げて

                      うううううん・・・
                      好みの問題ではあるのだけれど
                      コーラスと歌手のソロが入ってからの部分って
                      なんだか演奏がごちゃごちゃしていて
                      解像度ゼロだし
                      歌手の音程は悪いし

                      バスとテノールのソロなんて
                      木管ばっかり響いて来て
                      歌手のソロがほとんど聴こえず
                      あれ?ここって、木管のソロのパートだったっけ、って感じ。

                      カオスな感じの楽章に
                      ますます力の入ったメストが押して押して押しまくるので
                      だから、迫力はスゴイのだが
                      ごめんなさい、何だか「どんちゃん騒ぎ」になってしまって

                      まぁ、プロメテウス祭りと思えば
                      ああいう「どんちゃん騒ぎ」でも良いのかもしれない。

                      音楽評論をやってるつもりは一切ないので
                      記憶力の悪い私が
                      自分の主観的印象のメモを取っているだけ、というスタンスなので
                      専門家の方が、高い席にお座りになって
                      どういう評価を下すかは、私には一切関係ないので

                      それなりに、ああいう大味な感じのベートーベンがあっても良いと思う。
                      あとは、それが好きか嫌いかの好みの問題。

                      最後の音が終わるか終わらないかの時に
                      でっかい声でブラボーを叫ぶのには適していたような気がする。
                      (で、もちろん、待ち構えたようにブラボー叫んだ人もいる)
                      私としては、もう少し、残響を楽しみたいんだけど。

                      ベートーベンの交響曲9番って
                      もともとの作品が、ちょっと超人的なので
                      時々、この曲をベートーベンが作曲していなくて
                      8番で終わっていたら
                      こんなカルト的な扱いをされる作曲家にはならなかったんじゃないか
                      とか、ついつい考えてしまう。

                      この間のウィーン・フィルとネルソンスの時は
                      素直に、あ〜、ベートーベンの交響曲9番ってスゴイ、と思ったのだが
                      今回のクリーブランドとヴェルザー=メストの9番は
                      力一杯に押して押して押して、押しまくって、という印象が強すぎて
                      肩に力が入り過ぎて、ちょっと疲れた。

                      どうもこの後、日本公演もあるようで
                      まぁ、クリーブランド管弦楽団って
                      アメリカのオーケストラの中では非常にヨーロピアンだし

                      いつも冷静・沈着で野心満々で
                      冷たい目で、マジメにあやつり人形の指揮をするメストが

                      唯一、このオーケストラを指揮する時だけは
                      時々、ギョッとする程、情熱的になる事があるので

                      その意味では、クリーブランド管弦楽団とメストは
                      お互いに非常に良い組み合わせだと思う私に
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