パリ管弦楽団 + トーマス・ヘンゲルブロック

Musikverein Großer Saal 2017年5月30日 19時30分〜21時40分

Orchestre de Paris
指揮 Thomas Hengelbrock
メゾソプラノ Kate Lindsey

Maurice Ravel (1875-1937)
 Daphnis et Chloé. Suite Nr. 2
Joseph Canteloube (1879-1957)
 Chants d’Auvergne für Gesang und Orchester
  Pastourelle, Oï Ayaï, Brezairola, Lou Boussu, La Delaïssádo
  Uno Jionto Pastouro, Lou Coucut
Modest Mussorgskij (1839-1881)
 Bilder einer Ausstellung. Orchesterfassung von Maurice Ravel

パリ管弦楽団の2日目のコンサートは
指揮者が違う (o_o)
まぁ、指揮者2名でヨーロッパ公演と言う方式もあるけれど
割に珍しいパターンではないのだろうか(が、よくわからん)

しかも、平土間にも空き席が目立ってるし
立ち見席もかなり余裕がある。

・・・まぁ、わかるんだけどさ。
だって、展覧会の絵って、ううう、またかよ、って感じだし(笑)

さて、ダフネとクロエ、組曲2番。
う〜ん、微妙・・・(好みの問題です)

だって音が厚いんだもん。
昨日のマーラーでの透明感は何処に?と驚いたくらい
ボッテリとした感じの音響で
パステル色ではあるのだが
絵の具を盛り上げた油絵のような印象を受ける。

ピアニッシモの繊細なフレーズになると
かなり「おフランス」的な品の良さのある
美しい音響が立ち上ってくるのだが

ヘンゲルブロック、オーケストラ鳴らし過ぎ(という勝手な印象)
まぁ、それは指揮者というアーティストの解釈なので
一聴衆(しかもド・シロート)がどうのこうの言うべきではないけれど
あんな重たい感じの
まるでワーグナーかそれは、というラヴェルって珍しい。

大音響で終われば、すかさず飛ぶブラボーの声。
(何故だ? まぁ、確かにジャジャジャーン 即ブラボーって言いやすいけど)
きっと、素晴らしかったのでしょう。
(↑ 無理やり大音響にして聴衆をノセるのはロックだと思い込んでる私)

不勉強で無教養の私は
ジョゼフ・カントルーブという作曲家の作品は初めて耳にする。
オーベルニュ民謡に管弦楽法をまとわせた、とウィキには書いてある。

そのオーベルニュ民謡を歌ったケート・リンジー。
プログラムにはメゾソプラノと書いてあったけれど
声がものすごく細くて、ほとんどソプラノじゃないのかこれは。

いや、私の超貧民席は、声を聴くのには最も適していない場所なので
そこで聴いて、どうのこうの書くのは見当違いも甚だしいのだが
声は澄んでいて美しいけれど
声の質にバリエーションがなくて
歌の表情が何も出て来なくて、なんとも単調。

こういう「美しい(だけ)の声」は
教会音楽とかに合うんじゃないだろうか。

2曲目とか、最後のカッコウとかでは
身振り手振りも入れて、オペラちっくに歌おうとしていたけれど
そうすると、声(とフランス語?)が埋もれてしまう。

すみません。
超貧民席は方向が違うから聴こえないんです。
あれは正面の席で表情見ながら聴かないと意味がなかったわ。

後半の展覧会の絵は、貧民席からちょっと脱出。
ダフニスとクロエのあの音量で演奏されたら
ちょっとヤバイかもしれない、という判断(しかも席かなり空いてたし)

うううう、展覧会の絵って
もう、イヤというほど聴いてるからなぁ。

音量は席を代わったので、良いバランスで聴こえて来たけれど
何か非常に不思議なリズムというか
リズムとフレーズが、時々、グニャっと崩壊する印象がある。

キレがないというか
ごにゃっとしてしまって、時々、ちょっと気持ちが悪い。

そりゃ、グノームとか、そういうちょっと下がったポルタメントで
オドロオドロしさを出してはいるんだろうけれど

すみません、なんかあまり妄想の浮かばない演奏で
(いや、私の感受性のなさがいけないのである)
カタコンベとかあまりに単調で寝落ちしそうになったし
キエフの大門も、う〜ん、いやそりゃ大音響バンザイではあるけれど
(ありがたい事に舞台から離れたので大音響はバランス良く聴こえる)

なんでまた、この曲をウィーンに持って来たのか
ちょっと理解に苦しむ(ラヴェルの編曲だからか?)

フランス・プロという事だったら
もっと他に組み方があったんじゃないか、という気もするが
それは私の好みの問題なので f^_^;)

サン=サーンスとか、フランクとか(いや、だから ^^;
いや、ラヴェルでもドビュッシーでも良いけど(笑)

でもこのオーケストラの響き
昨日も思ったけれど、すごく品がある。
我々が偏見っぽく独断しちゃうような
フランスっぽいフワフワ感というのは
以前に比べて減っているけれど
(オーケストラのグローバル化か)
何とも洗練された、上品で甘い香りがするのは
オーケストラの特徴なんだろうなぁ。

今日は気温が上がって32度までなったけれど
真夜中、突然の嵐っぽい風の音を聞きながら
そろそろ寝るか、という私に
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パリ管弦楽団 + ダニエル・ハーディング

Musikverein Großer Saal 2017年5月29日 19時30分〜21時5分

Orchestre de Paris
Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
指揮 Daniel Harding
ソプラノ Christiane Karg
アルト Wiebke Lehmkuhl

Gustav Mahler (1860-1911)
 Symphonie Nr. 2 c-Moll

ちょっと個人的感想とか書く前に
ブチギレて良いですか?

って聞かなくてもブチ切れるんだけど
楽友協会、もうイヤです(本気)
昔から椅子や床の軋みは酷かったけれど
高い会費を取って、楽屋口を美しくしたり
廊下に作曲家の胸像を置いたりする前に

あの軋む椅子を何とかして下さい!!!!(超怒)

それでなくても最近、ここの貧民席の聴衆の層が悪くなっている。
(たぶん、立見席とかもっと酷くなってるかも)
ただ黄金のホールを見たい観光客は
静かに聴いていてくれれば
ずっとスマホを弄っていても気にはならないが

突然立ち上がると椅子がガタンと音をたてるし
すごく繊細なバンダが響くと乗り出すので
(何も見えないってば!)
椅子がすごい音をたてて軋むし

いつも見かけるモグリのおじさんが横に立って
でっかい身体を揺するたびに
私の耳元には、床の軋る音しか聞こえて来なくなる(涙)

しかもピアニッシモの時に
足音たててドアを乱暴に開け閉めして出ていく
どこかの国の観光客がいるし(号泣)

・・・ブチ切れ終わり(唐突)

さてマーラーの交響曲2番は
ウィーンでも滅多に演奏される曲ではないので
私の記憶ではコンツェルトハウスでのベルリン・フィルとラトル
その前がベルリンのシュターツカペレとピエール・ブーレーズ(!)
・・・いったい何年前になるんだろう。

ダニエル・ハーディングという指揮者は
私が何回か聴いた時は
ものすごく繊細な室内楽的表現をする人だった。
しかも、記憶によれば
いつも普通の背広にネクタイで
どこかのお坊ちゃんサラリーマンみたいな指揮者だった。

今回は、おおおおおっ
すごいぞ、燕尾服で、白の蝶ネクタイまでしてる (o_o)
雰囲気がお坊ちゃんサラリーマンじゃなくて
ちゃんと指揮者になってるじゃないの。

低弦をしっかり鳴らして
フォルティッシモもしっかり出すけれど
いったいどういう魔法なんだかわからないが
パート毎の解像度が抜群に良くて
バランスが絶妙で
全部のパートがしっかりと聴こえて来るのに
音響に無理がない・・・というより

どんなに鳴らしても透明度が失われず
フォルティッシモであってもうるさくならない。
・・・楽友協会という、とんでもない音響のホールで
この見事なバランスは、いや、う〜ん、あり得ない (-_-)

確かにこの表現力
ちょっと脇道にズレたら
また「室内楽的チマチマ」になっちゃいそうだが
さすが老練になって来て(と言ったら失礼なんだけど)
リズムの揺れと強弱のレンジで
ダイナミックさをとことん「室内楽的」に取り入れて
凄まじい程の「音の立体的空間」の広さを表現してしまった感じ。

第二楽章のレンドラーは
独特のリズムで演奏してたな。
通常の「ウィーンらしさ」と全く違って面白かった。
ああいうレンドラーもありか、う〜ん。

アントニウス(すみません第三楽章です(笑)から最後まで
全てアタッカで続けた指揮者とオーケストラの体力に脱帽。

実はあの魚に説教する聖アントニウスの楽章は
ワタクシ的に印象が強いのが
ルチアーノ・べリオの「シンフォニア」で(わはははは)
なんかすごく懐かしく思い出しちゃった(すみません関係なくて)

アルトのヴィープケ・レームクール!!!!
すごいです、この人!!!!!!!

舞台見えない席だったのだが
(よって、アルトが入ったら、全員が
 椅子をギシギシいわせて舞台を覗き込もうとして
 もう本当に勘弁してくれ状態)
指揮者の横とかコンマスの横ではなかったので
コーラスに近い辺りに居た可能性が高くて
通常、背中しか見えない(声は前に飛ぶので聴こえない)のだが
今回は下から、ものすごく魅力的なアルトが
上に立ち上って来て
しかもドイツ語のディクションもしっかりしていて
雑音さえなければ、至福の時間 ♡

あんなに素晴らしい Urlicht って、もうもうもう感激するだけだわ。
(註 雑音さえなければ)

怒りの日の不気味さはあまりなくて
(ほら、透明度の高い室内楽的扱いだったから)
それだけに、次の、あのミステリアスなピアニッシモでの合唱が
ゾクゾクするような快感(註 雑音さえなかったら)

楽友協会の合唱団って、もう呆気に取られる程上手い。
素晴らしい。手放しで褒めても良い。

最初から最後までの緊張感も保っていたし
私が周囲の雑音にブチ切れていなければ
名演だったと思う。
(だってバンダがピアニッシモで鳴ってる時に
 椅子や床の軋み音でバンダが聴こえないって
 かなり異様な状況だと思うよ、ホント)

明日は同じオーケストラだが
指揮者も変わって(こういうの珍しい)
プログラムも変わる。

椅子の軋みが演奏を台無しにしないよう
祈るような気持ちの私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ついでに拍手のタイミングも早すぎたし
楽友協会の客層って、どんどん悪くなってるような気がする。
コンツェルトハウスの方がチケットは安いけれど
最近は客層が良い(し、椅子も(それほど)軋らない)

ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 + ネルソンス 2日目

Musikverein Großer Saal 2017年5月26日 19時30分〜21時40分

Gewandhausorchester Leipzig
指揮 Andrís Nelsons
ソプラノ Kristine Opolais

Antonín Dvořák (1841-1904)
 Othello. Konzertouvertüre, op. 93
 “Měsíčku na nebi hlubokém” (Lied an den Mond)
  Arie der Rusalka aus der Oper “Rusalka”, op. 114
 “Když mne stará matka ypívat” (Als die alte Mutter mich noch lehrte singen) op. 55/4
 Polonaise aus der Oper “Rusalka”, op. 114
Bedřich Smetana (1824-1884)
 “Dobrá! Já mu je dám - Jak je mi”.
  Arie der Milanda aus der Oper “Dalibor”
Antonín Dvořák
 “Ó, marno, marno to je!”
  Arie der Rusalka aus der Oper “Rusalka”, op. 114
Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 “Aus der Neuen Welt”

ライプヒチ・ゲヴァントハウスのゲスト公演2日目。
ドボルザーク・プログラムに
何故かスメタナが1曲あるが
これは歌手の都合での曲の選択なんだろうか。まぁ、良いけど。

ソプラノ歌手のクリスティーネ・オポライスは
ネルソンス夫人だ、という情報は後で入手。
(だってプログラムにはそんな個人的な事は書いてないし)

知っていたら、ちゃんと舞台を覗き込んで
どんな女性だか見たかったのに(ただのミーハー)

そりゃググれば美しい写真は山ほど出てくるけれど
ネルソンスだって太ったし、頭髪は後退しているしヒゲ生やしたし
いや、私は音楽を聴きに来ているのであって
別に指揮者とか歌手とかの見た目を鑑賞しに来ている訳では (¬_¬)

ドボルザークのオテロ序曲(インストルメンタル)
うううう、弦の響きがすごく柔らかで
まるでタンポポの綿毛みたいに
ふわふわと纏わり付いてくる・・・と思った途端に
鋭いドラマチックな音色になったりして

う〜ん、ネルソンスの今回のコンサートで
昨日と今日、ともかく驚いたのは

そのオーケストラの音色の豊かさ。

昨日も弱音から強音までのレンジの広さに驚いたけれど
音量だけではなくて
緻密に作られたそれぞれの楽器の音色の組み合わせの妙に
信じられない位のオーケストラの色彩感が
ホール全体に立ち上る。

さてルサルカの有名なアリアとか
かの有名な「母が教えた歌」とか
なんかすごくテンポの速いスメタナのアリアとか

・・・これ、チェコ語だよね?
手元にテキストあるから見てるけど
どこを歌っているのか、さ〜っぱりわからない (・・;)

普通は少しだけでも聞き取れる筈なのだが
あの子音の多いチェコ語で
ま〜ったく子音が聞こえて来ないのも不思議。

声量はあるし、強靭な声質で素晴らしいと思うのだが
ただ私、オペラ苦手だし
ソプラノ苦手だし・・・(言い訳)

途中に入ったルサルカのポロネーズが
凄まじい音量で
元気と言えば元気・・・なのだろうが
これだけは、オーケストラの色彩感はなかったなぁ。
(あまりに最初から最後まで力任せだった)

後半のドボルザークの交響曲「新世界から」
これが、思っていたよりずっと良くてビックリした (o_o)

楽器のパートごとのバランスの絶妙なコントロールで
出てくる音の(しつこいけれど)色彩感が半端じゃない。

特に第二楽章のあの美しさって
悶えてしまう・・・・
甘やかで、でもドライで
限りない空間を感じさせる弦に乗るイングリッシュ・ホルン。
郷愁と言うよりは
もっと直裁的な、広い広い草原に
誰もいない景色で夕陽が沈んでいくような印象。

途中の管の掛け合いが、またもう見事で
ここだけ、「お〜い、一人じゃ寂しいよ、こっちにおいで」と
誰かが声をかけてくるような気分。

そして、また一人で景色を見ている最後のあたりが
自然の静けさを感じさせて
一瞬、レスピーギのローマの松の
あの鳥が出てくるかと錯覚する位。

出て来たのは鳥ではなくて
観客の咳き込みだったけど (TT)

第三楽章のリズム感の良さはネルソンスならではか。
隣の人が足と手で踊るので
椅子が揺れて困ったが
(しかも前の席を、指輪付きの手で叩くので音が出る(涙))

それもまぁ、わかる・・・(けど許せない)
あのドッカンと決まるところの抜けの良さが実に快感。

最終楽章だけ
かなり個性的な解釈をしていて
ちょっとあざといと言うか、
そこまでウエットにやるか?と違和感はあったが

それでも全体的には
色彩感の溢れる、ニュアンスに満ちたすごい演奏だった。

ネルソンスのセンスの良さもあるのだろうが
あれだけの音色の違いを
見事に出したオーケストラにも脱帽。

良い音楽を満喫したなぁ、と
月並みだけど、すごく楽しかった私に
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ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 + ネルソンス 1日目

Musikverein Großer Saal 2017年5月25日 19時30分〜21時40分

Gewandhausorchester Leipzig
指揮 Andrís Nelsons

Franz Schubert (1797-1828)
 Symphonie Nr. 7 h-Moll, D 759, “Unvollendete”
Anton Bruckner (1824-1896)
 Symphonie Nr. 4 Es-Dur, “Romantische” Fassung 1878-1880

ドレスデンに続いてライプチヒ・ゲヴァントハウスの客演。
同じ時間帯にシェーンブルン宮殿の庭では
ウィーン・フィルのサマー・コンサート(入場無料)が行われているはず。

髪の毛が後退した分
何故かヒゲを生やしたネルソンスは
ちょっと肥満から回復した?

デビューの頃の「かわいい美少年」とはかなり変わったけれど
ますます音楽性に磨きがかかった上
老練さまで身につけて来た、と思わされたコンサート。

シューベルトの「未完成」のニュアンスがすごい。
細かい部分まで徹底的にニュアンスを作り込まれて
一瞬たりとも気が抜けない。

そんなピアニッシモありですか?という
音量を徹底的に落として
しかも澄んだ音響に拘って
それがまぁ、自由自在な畝るような音楽になって

聴き慣れた「名曲」とは一線を画す演奏になっている。

ネルソンスの今までのイメージって
天真爛漫、という感じだったのだが
かなり変わって来た感じ。

天性のセンス、月並みな言い方だけど音楽性が
ずば抜けている。

確かにグローバル化の進む現代では
飛び抜けた才能のある人しか舞台には立てないけれど
ネルソンスはまさしく飛び抜けたセンスの持ち主だ。

未完成の第二楽章なんて
ダラダラ演奏していたら、ただ退屈な曲になってしまうのに
あくまでも優しい表情を崩さないまま
芯に一本、きちんとした線が入っていて
それを取り巻く音楽が、ものすごく繊細なジェリーみたい。

すごいモノを聴いちゃった、とワクワクしつつ
後半はブルックナーの4番。

・・・なんか最近、これも流行りだよね?

ところが、これがまた凄かった。

このオーケストラ、何て弦が強いの!!!
金管が咆哮しても、全く後ろに引っ込まない
強靭な音で管に真っ正面から対抗して来て
大音響の金管と強い弦のバランスが絶妙で悶絶しそう。

シューベルトでも聴いたニュアンスの深さはそのままに
ブルックナーらしい「ありがたみ」と
底の深い、厚みのある強靭さが加わっている。

しかも、まぁ、これはブルックナーのオーケストレーションに依るのだろうが
あの楽友協会で、あれだけ大音響で鳴らして
うるさいと感じる瞬間がゼロ。

ピアニッシモはとことん音を抑えて
いやもう、あんなピアニッシモの管
まず他のオーケストラでは聴けないわ。

ピアニッシモでほとんど聴こえない位まで
音量を落としている部分にも
ちゃんとニュアンスがあるって、どう言う事?(o_o)

最終楽章が、ちょっと聴き慣れないフレーズが多くて
いつもの4番より長めだったような印象があるが
ブルックナーの交響曲って、色々な版があって
シロウトの私にはわからないので、そ〜いうもんなんだろう(逃げ)

強弱の幅広いレンジと
注意深いフレージングのニュアンスで
最初から最後まで、すごい緊張感が続いて

しかも音響のバランスが(弦の力強さ!)理想的で
ああ、もう、こんな聴き慣れたはずの曲に
こんなに夢中になるなんて
ネルソンスって、天真爛漫だけじゃなかったのね。

明日はドボルザークとスメタナのプログラム。
あまり良い席ではないのだけれど
(貧民席ではあるが・・・)
ドボルザークの「新世界より」を
ネルソンスがどう料理するか
ちょっとワクワクしている私に
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ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 + ティーレマン 2日目

Musikverein Großer Saal 2017年5月23日 19時30分〜21時35分

Sächsische Staatskapelle Dresden
指揮 Christian Thielemann
ソプラノ Renée Fleming

Richard Strauss (1864-1949)
 Vier letzte Lieder für Sopran und Orchester
 Eine Alpensymphonie, op. 64

ティーレマンとドレスデン管弦楽団のコンサートに行くなら
やっぱりリヒャルト・シュトラウスのプログラムであろう
・・・とみんなが思ったのかはわからないが
ともかく、かなり以前からこのコンサートは売り切れ状態。

私はチクルスで持っていたのでセーフ。
いつもの席に陣取って、ティーレマンを拝見。

ルネ・フレミングは
以前にオペラ座でカプリッチオ追っかけをしていた時に
何回も聴いたし
何を血迷ったか、楽友協会でのリサイタルまで行った。

相変わらずスタイル良いし美女で
高音がとても美しい。

席が席なので(歌声は前に飛ぶ)
あまり声量がなく聴こえて来るのは音響のせいで仕方ないのだが
それでも、高音になると
細く澄んだ声が響いて
この歌手の高音の美しさって、やっぱりすごい。

・・・が、同時に
ルネ・フレミングのドイツ語の歌詞は
ま〜ったく理解できない。
膝下にテキスト広げて聴いているのにもかかわらず
一体、何処を歌っているのか、さっぱりわからん。

まぁ、声の美しさでカバーしちゃうから良いのか。
(あまり良くない)

で、オーケストラの音色の見事なこと。
リヒャルト・シュトラウスの晩年の作に特有な
ロココ回帰のレース編みのような繊細な音色が
透明な解像度を持って
何とも細やかに楽友協会ホールに広がっていく体験は
至福の時で、背筋ゾクゾクして鳥肌がたつくらい気持ちが良い。

このオーケストラ聴くだけで満足だわ。
ソプラノの何を歌っているのかわからない声も
まぁ、オーケストラに溶け込めば
純粋に音として聴くのなら、こんなに美的な満悦感も珍しい。

オーケストラの音を抑え気味にして鳴らしていた指揮者だが
次のアルプス交響曲では、絶対に鳴らすだろうなぁ、と思っていたが

目一杯鳴らしました(笑)

しかしティーレマンって
私が好きな指揮者ではないのだけれど
(相変わらず仰け反ってるし偉そうだし)
リヒャルト・シュトラウスとかブルックナーは巧いんだよね。
(ワーグナーはもっと凄そうだが
 ワーグナーのコンサートの時は逃げたので聴いていない)

アルプス交響曲も、響きの作り方が絶妙で
あれだけ複雑なオーケストレーションの作品でありながら
パートのバランスが実に良い・・・というより
全てのパートが、かなりクリアに響いて来るだけに
時々、おおおお、音符が多すぎる、と感じる部分はあるが

それでも情景の描き方の巧みさには脱帽する。

この曲、オーケストラによっては
アルプスのド・田舎の景色を知らんだろ、こいつらは
と思う事があるのだけれど

ドレスデンって田舎なんですか(って失礼な(笑))

妙にリアルなカウベルの鳴らし方とか
アルプスの鳥の鳴き声とか空気とかの表現が絶妙。

で、途中で、アルプスの山が
結構な魔の山に化けるシーンもあって
これ、禿山の一夜だったっけ?という印象が沸々・・(妄想)

オーケストラを容赦なく鳴らすので
特に木管の高音部の鋭い音が耳を直撃して
ウインド・マシーンは全然聴こえて来ないし
難聴になりそうな音量で
描く嵐は見事なのだが

いやもうダイナミックな大嵐ですね。
都会の近くの森とかで
我々が日常生活で経験する嵐とは全く違う
まるで映画の特殊撮影でも見ているような大胆さ。

こういう演奏を聴いちゃうと
ティーレマン命、という位にファンになる人が居るのも
何となくわかる気がする。

見た目は尊大で
ふんぞり返っていて偉そうなんだけど(笑)

以前、オペラ座でのナクソス島のアリアドネの時にも
(舞台見えない席を何とか入手して音楽だけ聴いていた)
あんな至福な時間は滅多にない、という位
クリアで繊細で、音の艶がすごくて

う〜ん、こういうドロドロした曲の扱い
感情的になっているように見えて
緻密な計算で綿密な音楽を作っているのがわかる。

というワケで
1日目は途中でバックれたけれど
2日間のティーレマン祭りは終わり。

明日は楽しみにしているコンサートがあるし
その後はライプチヒ・ゲヴァントハウスが来る (^^)

毎年この時期は
身体がいくつか欲しいと思う程に
音楽的には充実していて、嬉しい私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



楽友協会のコンサート前のアナウンス
一度、アッと思った
味も素っ気もない5ヶ国語でのアナウンスは
評判が良くなかったのか
さすがにやり過ぎと思ったのか
また、丁寧なドイツ語と英語のアナウンスに戻っていた(笑)

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 + ティーレマン 1日目

Musikverein Großer Saal 2017年5月22日 19時30分〜20時5分

Sächsische Staatskapelle Dresden
指揮 Christian Thielemann
ピアノ Daniil Trifonov

Gabriel Fauré (1845-1937)
 Prélude aus der Schauspielmusik zu Maurice Maeterlincks
 “Pelléas et Mélisande”, op. 80
Maurice Ravel (1875-1937)
 Konzert für Klavier und Orchester G-Dur

(すみません、後半はシェーンベルクのペリアスとメリザンドでしたが・・・)

ドレスデン管弦楽団とティーレマンの公演は
2日続けて別のプログラムで予定されていて
この日の後半はシェーンベルクの「ペリアスとメリザンド」作品番号5番だったのだが

すみません、前半でちょっと理由があって
ばっくれました (^^;;

もともと最初の曲は
グバイドリーナの新曲だった筈なのに
結局、楽譜が間に合わず、フォーレの曲になったとの但し書き。

・・・昔々、ティーレマンのベートーベン・チクルスがあった時も
9番の前に、現代作曲家の新作初演が予定されていて
その楽譜が間に合わなかった、というケースがあったが
何か、ティーレマンが指揮すると作曲家が恐れをなす、とか(邪推)

さてそのフォーレだが
うわああああ、何と言うフランス風味の一つもない
がっしりしたゲルマン系の音 😓

いや、それがオーケストラの持ち味と言うものだろうが
フォーレにはどうやっても聴こえない。

ピアニストのトリフォノフは最初からピアノのところに座っていて
ゲルマン風味のフォーレの後
聴衆から拍手が出る暇もなく(聴衆が呆気に取られていたのもある)
そのままラヴェルのピアノ協奏曲ト長調に突入。

第一楽章が、何かすご〜く重い感じがするのは
私の偏見だろうが
超絶技巧バッチリの
可愛かった筈のトリフォノフが
何だか顎を取り囲むようにヒゲを生やして

以前の可愛いイメージの方が良かったのに。
(いや別にピアニストの見た目なんてどうでも良いが(汗))

何か、やっぱり重心がかなり下にあって
どっかん・どっかん、としたラヴェルで
ラヴェルって、こんなんだったかなぁ。
私の耳がオカシイかも。

第三楽章はノリの良いリズムで
このキレの良さはなかなかステキ。

オーケストラの音が硬質な感じで
フランスっぽさ、と言うニュアンスがあまりなくて

かなり好き嫌いが分かれそうな演奏ではある。

ウィーンの聴衆は
ティーレマン大好き♡という人が多いので
こういうゲルマン的な響きも好きなのかも・・・

後半のシェーンベルクを聴き逃したのは
ちょっと、いや、かなり残念な気もするけれど

まぁ、次の日が
完璧売り切れのリヒャルト・シュトラウス・プログラム。

(実はリヒャルト・シュトラウス聴いてから
 この勝手な感想記を書いているので
 臨場感に欠けていたら、ごめんなさい ^^;

というワケで
次の日に続く・・・・というより
これから、次の日の勝手な感想記を書こうとしている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ミュンヒェン・フィル + ゲルギエフ

Musikverein Großer Saal 2017年5月15日 19時30分〜22時

Münchner Philharmoniker
指揮 Valery Gergiev

Claude Debussy (1862-1918)
 Prélude à l’après-midi d’un faune
Franz Schubert (1797-1828)
 Symphonie Nr. 4 c-Moll, D 417 “Tragische”
Hector Berlioz (1803-1869)
 Roméo et Juliette, op. 17 Ausschnitte
  1. Introduction
  2. Roméo seul : Tristesse - Bruit lointain de bal et de concert
   - Grande fête chez Capulet
  3. Scène d’amour
  4. Scherzo : L Reine Mab ou la Fée des songes
  5. Roméo au tombeau des Capulets
Maurice Ravel (1875-1937)
 Boléro

ミュンヒェン・フィルと
ワークホリックのゲルギエフのコンサートは
昨日も別プログラムであったのだが
ご存知、私は白鳥の湖に浮気したので行けず
本日のコンサートだけ行く事にした。

幕内弁当みたいなプログラムだが(笑)

最初の牧神の午後への前奏曲は
まぁ、ウチの木管優秀ですよ、というご挨拶で
いや、本当に優秀だった。

ワタクシ的にはフルートよりも
続いて入ったオーボエが魅力的な音だったなぁ。

シューベルトの交響曲4番。
ミュンヒェン・フィルの音も
如何にも「中央ヨーロッパ的」という感じ。
ちょっと土臭くて、素朴で、厚みがある。

ただ、今日のコンサートで一番強烈だったのが
幕間の後のベルリオーズだった。

いや、最初、プログラムにベルリオーズと書いてあったので
あぁ、また幻想交響曲かよ、とげっそりしたのだが
さすがゲルギエフ、そんな当たり前の曲ではなくて
ロメオとジュリエットの抜粋とは・・・

以前にも聴いた事はあったかもしれないが
この曲が、ともかく凄かった。

ベルリオーズの狂気と先鋭的な部分が
容赦なく、しかも、徹底的な説得力とエネルギーで
聴いているとドラマチックな世界に取り込まれてしまって

ポピュラーな映画音楽と紙一重・・・(笑)

ベルリオーズのとんがったところは
容赦なくガリガリ演奏するので
もうこれが面白いったらありゃしない。
語り口の巧みさでストーリーの中に
ぐいぐい引き込まれてしまうって

ゲルギエフって、やっぱりもともとオペラ畑の指揮者だなぁ
・・・と、ヘンに納得してしまう。

ベルリオーズという作曲家って
ともかく、あの時代にしては
ぶっ飛び方が異様な人だと思うけれど
その、とんでもないぶっ飛びを
実に巧みに表現してくれて
むちゃくちゃ楽しかった。

聴き慣れた曲をじっくりと
自分の頭の中の曲と比べながら聴くのも良いが
知らない曲で、ここまで楽しく演奏してくれると
コンサートの醍醐味って、これかも、と思ってしまうわ。

終わった時点で既に21時30分を過ぎていたが
ワークホリックなゲルギエフは
最後にラヴェルの「ボレロ」を持って来た。

これこそ名曲中の名曲・・・というより
子供の頃からレコード(あっ、今は CD かストリーミングですね)で
名演奏と呼ばれるものを何回も聴き
ついでにコンサートでも名演奏を山ほど聴き

私にとっては忘れられないのが
ジョルジュ・プレートルの、あのリズムずれボレロなんだけど

さすがにあのリズムずれはプレートルしか出来ない
というよりは、他の指揮者はあんな邪道、絶対にやらんだろ(笑)

ゲルギエフってスゴイ、と思ったのは
最初から最後まで
テンポを全く変えず、ほとんど揺れのない状態で
最後の盛り上がりまで一気に持って行った事。

最後のあたりになると
興奮して(かどうかわからんが)
多少のテンポ・アップが出てくる事が多いのだが
見事に同じテンポで演奏したのに
しっかり盛り上がって

更に、無駄な音響の団子状態にならず
あくまでも透明感を失わずに
各楽器のパートを見事に活かしたのには脱帽。

この曲は
ともかく各楽器のソロが完璧でないと
何せ聴衆も耳が肥えているから(笑)
ちょっとでもミスしたら
後々までの語り草になってしまう、という
まぁ、プレイヤーにとっては腕の見せ所、みたいな曲なので

ミュンヒェン・フィルの皆さま
見事な演奏でした ♡ お疲れ様です。

久し振りの楽友協会って
周囲の雑音もスゴイけれど(笑)
まぁ、人が入るコンサートだから
仕方ないかも、と、諦めの境地に達してしまった私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ロンドン交響楽団 + フランソワ=グザヴィエ・ロト

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年4月24日 19時30分〜21時55分

London Symphony Orchestra
ビオラ Antoine Tamestit
指揮 François-Xavier Roth

Claude Debussy (1862-1918)
 Prélude à l’après-midi d’un faune (1892-94)
Béla Bartók (1881-1945)
 Konzert für Viola und Orchester Sz 120 (1945)
  Rekonstruktion : Tibor Serly (1901-1978)
Anton Bruckner (1824-1896)
 Symphonie Nr. 4 Es-Dur “Romantische” (1873-74/78-80)

この人も、見た目だけを言うなら
どこかの中小企業の
目立たないけれど、実はデキる部長、に見えてしまう
フランソワ=グザヴィエ・ロト。

ご本人のウエブ・サイトから拝借
© François Sechet



このお写真も、どうみても指揮者というより
「ほう、今年の売り上げ業績は良いねぇ」
・・・と言っている経営者にしか見えない。
(↑ 誉めてます。私、こういうタイプ、好きなんです)

写真と同じく
ビジネス・スーツ姿にネクタイ締めて
ロンドン・シンフォニー・オーケストラの客演。

しかもプログラム盛り沢山というか・・・長いよ、これ。
最初に「牧神の午後への前奏曲」を持って来たのは
自分の音楽のルーツに加えて
名人フルーティストの紹介かな。

このフルートのソロが
何とも「風」を感じさせる素晴らしさ ♡
これは、優秀なフルート奏者が居て
初めて引き立つ曲だから
ウィーン交響楽団なんかは
首席フルート奏者が変わると、必ず演奏するのだが
フルートという楽器の息吹を
何とも情緒的に、しかも淡々と
美しい音色で聴かせてもらって満足。

さて次の曲は何とバルトークで
しかもビオラ協奏曲・・・なんて、初めて聴く。

バルトーク未完の絶筆で
ビオラ部分以外のオーケストラはほとんど楽譜がなく
ハンガリー出身のシェルイ・ティボールによって補筆されたもの。

ビオラのソロはアントワン・タメスティという
1979年パリ生まれのプレイヤーで

えええええええっ!!!!
何ですか、何なんですか、この音色は!!!!!

信じられない。
ビオラって音程不安定で
音があまり伸びず
何処に入っても埋もれて埋もれまくって
どんなに巧い奏者が弾いても
ど〜しようもない楽器(すみません)
・・・というイメージだったのだが

何という音色の美しさ ♡

しかもバイオリンみたいに神経に響く高音ではなく
チェロよりもっと優雅で慎み深い。

オーケストレーションの薄さもあるかもしれないが
ビオラの音が沈まない。
何とも澄んだ優雅な音で
バルトークっぽくない歌うメロディが客席に届いて来る。

悶絶・・・

いや実はビオラのソロって
コンサート以外の時に
時々、聴く事があるのだが
すごく巧い人でも
やっぱりバイオリンと比べると
不安定で地味で
まぁ、それを狙っての事だろうと思うから
それはそれで良いんだけど

コンサートでこういうビオラ聴いちゃうと
もともと、ビオラという楽器そのものが
不安定で地味な楽器だ、という事を忘れてしまうじゃないの。

こういう天才的なビオラって
この間のタベア・ツィンマーマンとか
大昔、ライブで聴いて椅子から転げ落ちそうになった
今井信子さんとか
コンサート・ホールで、こんなスゴイ演奏ばかり聴いたら
ビオラってバイオリンやチェロに負けない魅力的な楽器とか
ついつい思ってしまう危険性があるぞ。

私みたいなド・シロートの聴衆に
ここまで水準の高いビオラのソロを聴かせて
他のビオラ奏者はヘタクソ、とか誤解してしまったら
どうしてくれる?(関係ないが)

アンコールはバルトークの小曲を
コンサート・マスターとの重奏で演奏して
これも実にゴキゲン。
コンサート・マスターのバイオリンとタイマン張ってる
すごいビオラの音だった。

ドビュッシー、バルトークと続いて
後半がブルックナーの交響曲4番。
比較的短い曲ではあるけれど
それだって1時間以上はかかる。

舞台の上のオーケストラの並びが面白い。
上手(かみて)の奥にトロンボーン、チューバとトランペット。
第二バイオリンでその後ろにビオラ。
真ん中後ろに木管とホルンで
下手(しもて)には第一バイオリン、その横がチェロ。
下手(しもて)後ろにコントラバス。

いつも聴いているオーケストラ構成と全く違って
下手(しもて)のコントラバスと
上手(かみて)のトロンボーンが低い音で呼応する。

私の席はチクルスの人ばかりの貧民席なのだが
左右と後ろが女性ばかりで
この女性軍団、コンサートが始まっても
いつも平気で小声でお喋りしているので

最初の出だし
指揮者のロトはとんでもないピアニッシモで
弦がほとんど聴こえない状態で
(周囲は聴こえないので、まだ演奏が始まっていないと思って
 小声でお喋りを続けている)
突然ホルンのソロが入ったのでギョッとした。
(ついでに周囲の女性軍団もギョッとしていた)

舞台の配置を見た時に薄々想像はしていたけれど
徹底的に音響に拘って拘って拘ったブルックナー。

LSO って、聴くたびに思うのだが
弦のアンサンブルが完璧で見事で
しかも、あの大人数の弦になったら
厚みがあって、しかもアンサンブル完璧で
(ビオラのトゥッティのソロの部分の美しさ!!!)
惚れ惚れする音響の美しさ。

なのに・・・
まぁ、私の耳が悪いのだろうが

管が不安定で・・・(涙)

ホルンの裏返りは時々ある事だけど
このホルンの首席
巧いのかヘタクソなのか判断に迷う。

最初のソロの時に
あっ、音程下がってる 😱 と思ったのは
シロウト耳の私が悪いのかもしれないけれど
その後も
絶妙に素晴らしいピアニッシモを聴かせてくれたかと思ったら
次の瞬間、何それ?というひっくり返りをやるし

それでなくても、この4番は
ホルンが突出して巧くないとイケナイ曲なのだよ(偏見)

最初にキラ星のごとくのソロを吹いたフルートと
それに負けずにキラキラの音を出したオーボエは良かったけれど
クラリネットもトランペットも
え?みたいなところがあって
(はいはい、私の耳が悪いんです。
 決してオーケストラへの悪口ではございません)

弦が美しい音を出しているだけに
管が入るところで、ずっとドキドキしていたのは
心臓に悪い(謂れのない文句)

音量のレンジは最大限で
これはコンツェルトハウスだと聴き映えがする。
極限まで落としたピアニッシモの時に
かなり声付きの咳が客席から聞こえて来たのは仕方ないとして

後ろの年配女性が
時々、飴の包み紙シャカシャカ
ティッシュペーパーのビニールをシャカシャカした後
ピアニッシモの時に、すごい音で鼻を嚼んで
更に携帯電話を鳴らした時には殺意が湧いたが。

だってブルックナーのピアニッシモって
一番緊張する時じゃないですか。
その後に、またフォルテでモチーフが演奏される、という
緊張感に満ちた時に
学校の授業の終わりのような
キンコン・カンコンのベルが響いたんですよ、今日は!!!

徹底的に音響に拘った(だろうと思われる)のに
管の不安定さが、ちょっとそれを崩しかけ、という印象だったが

私の偏見である事は前提として
LSO の管の人って
別にブルックナー好き、という訳ではなさそう。

ウィーンのオーケストラだと
ブルックナー、大好き、好き好き好き ♡ という
金管奏者が山ほどいる(と聞いた事がある)ので
ブルックナーがプログラムに入ると
みんなが、やりたい、やりたい、と言うらしいのだが

LSO の管の人たちって
プログラムに乗ってるから演奏してます、という
かなり醒めた感じではあった。

そこら辺りが
やっぱりウィーンとロンドンの差ですかね(笑)

オーケストラ編成からして
ウィーンで聴き慣れたブルックナーとは
一味違った感じで
最近の若い指揮者がやるような
透明感のある重力のないブルックナーではなくて
低音がズンズン、すごく良い感じで響く
地に足のついた聴き応えのあるブルックナーだったのは確かだが。

長いコンサートだったけれど
最近、色々と新鮮なブルックナーを聴くチャンスがあって
ちょっと楽しくなった私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ローザンヌ室内管弦楽団 + ベルトランド・ド・ビリー

Musikverein Großer Saal 2017年4月2日 19時30分〜21時30分

Orchestre de Chambre de Lausanne
指揮 Bertrand de Billy
オルガン Olivier Latry

Maurice Ravel (1875-1937)
 Le tombeau de Couperin
Françis Poulenc (1899-1963)
 Konzert für Orgel, Streichorchester und Pauken g-Moll
Joseph Haydn (1732-1809)
 Symphonie D-Dur, Hob.I:104 “Salomon”

夜のコンサートのチケットを買ったのは
ベルトランド・ド・ビリーが
久し振りに指揮台に立つのを知ったから。

ローザンヌのオーケストラを聴くチャンスなんて
滅多にないけれど
プログラムの前半はフランスもの。
後半にハイドンがあるけれど
これはウィーン古典派を得意とするビリーらしい選択。

クープランの墓
音色が明るくて透明感があって
まごう事なきフランス語圏のオーケストラ ♡

ぴったり揃った気持ちの良いアンサンブルに
ラヴェルの色彩豊かな色が弾ける。

本来、フランスの曲には
楽友協会の厚みのある音響は
あまり合わないような気がするが

そこら辺はホールの音響を知り尽くしたビリーの手腕か
響かせ過ぎず、スッキリと音をまとめたのは見事。

舞台の配置換え。
大きなオルガンのコンソールが舞台に置かれて
プーランクのオルガン協奏曲。

・・・腰が抜けた。

オルガンがすぐ横にある事を考えると
(正確に言えば、オルガン・パイプがすぐ横と言った方が良いか)
音響的には、ベストの席ではなかっただろうとは思うのだが
圧倒的なオルガンの音色がホール一杯に響いて
圧巻・・・と言うより
最初から最後まで唖然としているうちに終わっちゃった。

指揮者のビリーがほとんどソリストを見ず
ソリストが弾きながら左に顔を傾けて
ビリーの指揮を見ていたのが印象的(笑)

ド・ビリーって
ウィーン放送交響楽団が存続の危機にあった時の首席で
現代音楽専門みたいなあのオーケストラに
しっかり在任中に古典を叩き込んで
オーケストラのレベルを格段にアップさせた指揮者なのだが

出来るだけに
フランスの独裁者とかも言われていたようだし(笑)
その後、ウィーンの国立オペラ座で
オペラの短縮バージョンにとことん逆らって
初演の直前に指揮をほっぽり出して
オペラ座と喧嘩して出ていったのは有名で

その意味では、完璧主義者ではあるんだろうなぁ。

オルガンのアンコールが2曲。
これこそ、抜けた腰がもっと抜けて
失神しそうになった。
何ですかあれは。
あんな音がオルガンって出るんですか?という
こうやって聴いてみると
パイプ・オルガンというのは
とんでもない楽器ではないかとつくづく思う。

後半はハイドンの交響曲104番。
言わずとしれたロンドン・シンフォニーのザロモン・セットの一つ。

うはははははは
後期のハイドンの交響曲って
もう、めちゃくちゃ面白いです。

同じようなテーマが出てくるかと思えば
微妙に違っていて
ビックリする展開をしてくるし
最終楽章に至っては
スラブ系(調べてみたらクロアチア民謡?)のスケールが出てきて
度肝を抜くし

これこそ、当時のエンターテイメント。
みんなが、きゃ〜、面白い〜と叫ぶ楽しい曲。

こういう曲もビリーは巧い。
活き活きとしたリズムと
室内楽的な透明感があるのと同時に
オーケストラも観客も巻き込んで
ほら、楽しいよ〜
チャーミングでしょ
ここでイタズラしちゃうから驚いてね
・・・という感じの語り口が素晴らしい。

で、またオーケストラのメンバーが
最初から最後まで
全員で身体を動かしノリノリで演奏しちゃうので
ほとんどこれはディスコ音楽ではないか(違)という印象。

ハイドンってつまらないと思われている傾向があるのは知っているが
後期のロンドン・セットは
ともかく、外国人への「ウケ」だけ狙って作曲されているので
(他の曲だって、エスターハージーへの「ウケ」狙いではある)
職人作曲家の本領発揮で
こういうのが楽しい音楽だよね ♡
(18世紀に生きていたら、もっと楽しかったかもしれないが)

独裁者だろうが何だろうが
やっぱりビリーって
レパートリーも広いし
何でも指揮できるという
稀な才能を持つ
この人も、良い意味での「職人」なのかもしれない。

ニコニコしながらコンサート会場を後にした私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


グスタフ・マーラー・ユース・オーケストラ + ハーディング

Musikverein Großer Saal 2017年3月31日 19時30分〜21時45分

Gustav Mahler Jugendorchester
指揮 Daniel Harding
バリトン Christian Gerhaher

Hector Berlioz (1803-1869)
 Les Nuits d’été, op. 7
  für eine Singstimme mit Begleitung von kleiem Orchester
    Villalle
    Le Spectre de la rose
    Sur les Lagunes (Lamento)
    Absence
    Au Chmetière (Clar de Lune)
    L’lle inconnue
Anton Bruckner (1824-1896)
 Symphonie Nr. 5 B-Dur

グスタフ・マーラー・ユース・オーケストラの
イースター公演ツアー。
ロレンツォ・ヴィオッティとダニエル・ハーディングで
リサボン、マドリッド、ルクセンブルク
パリ、バルセロナ、ザラゴザ、フェレーラ、ウィーン
最後がフランクフルトの公演。

それぞれにプログラムも指揮者も変わるけれど
今年のウィーンは
エクトル・ベルリオーズとブルックナー。

・・・・って、いったいどういう組み合わせなんだか(笑)

スタンダード・プログラムでは
アルバン・ベルク、シューベルトにブルックナー5番。
ベルリオーズにはシェーンベルクとシューマンの2番だったみたいなんだけど。

それはともかくとして
ゲルハーヘルの歌うのが
ベルリオーズの、しかも私の全然知らない曲で
歌うテキストは・・・恐ろしくもフランス語(当たり前)

題名だってよくわからんが(題名の翻訳はなかった)
ニュイとか言うのは夜の筈だし
エテとか言うのは夏だった筈(すみません・・・)

鉄壁のクラオタの皆さまはご存知かもしれない。
ウィキの記載はこちら

で、これが、これが、これが
むちゃくちゃ素晴らしかった ♡♡♡

ゲルハーヘルのバリトンの美声もため息モノだが
この人、ドイツ語を歌わせても、ものすごく言語がキレイなのに
フランス語のディクションの美しさ
フランス語のニュアンスを活かした歌い方。

もう、いったい、何なんですか、この人は。
言語に対する音楽性の感覚が
半端じゃなく優れていて
フランス語全然わからなくても
その美しさに悶絶しそう。

しかもオーケストラ伴奏が
これまた徹底的に繊細で
何と美しい ♡

ハーディングの徹底的な室内楽的透明さが
この上ない美声の美しいフランス語の
ゲルハーヘルの音楽の語りを
柔らかく優しく包んで
声とオーケストラのバランスが絶妙。

信じられない。
ベルリオーズって、こんな美しい繊細な曲を書いていたのか。
これ、録音で聴いてみても
これだけふくよかな立体感のある演奏を聴いてしまうと
どれを聴いても、聴き劣りしてしまうだろう。

あああああ、至福の時間 ♡

こんなに美しいリートを聴いてから
後半のブルックナーの交響曲5番なんて
何か無粋だわ、もう帰ろうかしら。

いや、でも楽友協会のチケット高いし
最後まで聴いて行こう・・・と思って聴いたのが

うおおおおお
すごいよ、このブルックナー(仰天)

信じられないピアニッシモのピチカートで
どの楽章も始まるという
ざわざわした聴衆とギシギシ鳴る椅子の楽友協会で
こんな曲、演奏しても大丈夫か・・・という曲なのだが

さすがハーディング
しかもユース・オーケストラ(プロのタマゴの優秀なプレイヤー)を
しっかり手の内にして
徹底的に室内楽的透明感を持ったブルックナー。

こういうブルックナー、どこかで聴いた事があるぞ、と思ったら
ロビン・ティチアーティで聴いたブルックナーと
非常に印象が似ている。

でもティチアーティよりハーディングの方が老練だ。
ドラマチックになる部分は
透明性を保ちながら、しっかり攻めてくる。

ただ、どの和音にも、どのフレーズにも
全く濁りがない。
途中で弱音になる部分では
聴こえるか聴こえないかくらいまで落として
音楽が空気に溶けて
天上に向かって立ち昇って行くかのような音響を醸し出す。

重力のないブルックナー。
荘厳というよりは、徹底的に美しい。
最終楽章の金管の鋭い部分のソロも
鋭いというよりは、際立って透明のまま客席に飛んでくる印象。

金管のアンサンブルのソロも、あまりに美しく響いて
もうその音響だけで失神しそうな気分。

久し振りにブルックナーを聴くと
やっぱり凄いなぁ、と、ついつい胸が熱くなってしまう。
聴いている者をねじ伏せるような力があるのだが
ハーディングの手にかかると
力でねじ伏せられるというよりは
気がついたら、床に組み伏されてました、しまった(笑)

変に力の入った劇的な演奏ではなく
かと言って、淡々と演奏しているのではなく
そこら辺のバランス感覚が絶妙。

ハーディングって
まだ背広に細いネクタイで
指揮台に立っても
ただの普通のお兄ちゃん、という感じで
全くカリスマとか威厳を感じないのだが(好みです好み)

ちょっと頭の中で
フィリップ・ジョルダンみたいに
コンサートには必ず美しい燕尾服を着て
しっかり蝶ネクタイ付けてくるハーディングを思い描いたら

・・・・合わない(ボソ)

というより、ハーディングがあの燕尾服の格好をしたら
ちょっとコワイかも(みなさまも想像してみて下さい)

しかし、どう見ても普通のそこら辺のお坊ちゃんという感じのハーディングが
徹底的に透明感に拘ったブルックナーの
隠れた迫力と言ったら、もうタダモノではない。

コンサートの後
何だかフラフラになりながら
会場を後にした私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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