ブダペスト祝祭管弦楽団 + イヴァン・フィッシャー

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年5月27日 19時30分〜21時10分

    Budapest Festival Orchestra
    Wiener Singakademie
    指揮 Iván Fischer
    ソプラノ Christina Landshamer
    メゾソプラノ Elisabeth Kulman

    Gustav Mahler (1860-1911)
     Symphonie Nr. 2 c-moll für Sopran, Alt, Chor und Orchester
     „Auferstehungs-Symphonie“ (1888-1894)

    グスタフ・マーラーの交響曲2番と言ったら
    オーケストラの人数は多いし、コーラスも多いし
    ソリストも必要なので、演奏される機会は非常に少ない。

    コンツェルトハウスのプログラムで
    イヴァン・フィッシャーが
    自分のブダペスト祝祭管弦楽団とマーラーの交響曲2番を演奏するのを見て
    会員発売開始の日をカレンダーに書き込んで貧民席ゲット。
    18ユーロ以下で、こういうコンサートを聴けちゃうって
    ホント、ウィーンって素敵な都市 ♡

    コンサート開始前に
    コンツェルトハウスの支配人がマイク持って出て来た。
    えっ?もしかしたら、誰かキャンセル?代役?
    それとも歌手が風邪ひいてるから、ひどい声でも我慢しろってアナウンス?

    と思ったら
    「指揮者のイヴァン・フィッシャーの意向で
     第1楽章終了後に、いったん指揮者は引っ込んで、数分の休みを取ります。
     これはスコアに書いてある事で、実際にはあまりやらないのですが
     みなさまは座席に座ったままでお待ち下さい」

    あ、そういうのなら歓迎。
    確かに、あの超弩級の第一楽章の後は数分でも脳に休みが欲しいし。

    イヴァン・フィッシャーという指揮者
    私は以前から、ものすごく好き。

    バルトークの青髭公のコンサート形式公演で
    俳優さんをちょっと使って、面白い演出をしてしまったり
    中国の不思議な役人では
    スコアのト書きを、コンサート・ホールの上の字幕で見せてくれたり
    ブダペストにトゥーランガリア交響曲を聴きに言った時も
    マジャール語だったからさっぱりわからなかったけれど
    コンサート前に、(たぶん)熱くトゥーランガリア交響曲について
    プレトークをしていた。

    イヴァン・フィッシャーの音楽は
    私が今まで聴いた印象では、とてもマジャール(笑)
    熱くて情熱的で、ちょっとクセがあって
    (ブラームスのマジャール風味は今でも忘れられない名演だった)
    そのクセっぽいところが、いちいち、私のツボにハマるのだ。

    今回のマーラーの交響曲2番も
    のっけから、来た〜〜〜っ! って感じ。
    最初から、あの音量で攻めてくるとは・・・

    しかも、低弦の力強さって、いったい何???
    普通にチェロ8本、コントラバス8本だよね???
    何でそんなに力強い音が出ちゃうんですか。

    ものすごいダイナミック・レンジで
    第1楽章の持っている悲劇性が
    ロマンティックでマッチョに締まったクッキリした音で
    各楽器パートの解像度は高いし
    オーケストラのバランス良くて
    時々、ハッとするような表現があって
    あ〜、クリーブランドのベートーベン、袖にして良かった(こらっ!)

    コンツェルトハウスはジモッティが多いので
    第1楽章後、指揮者が引っ込んでも(アナウンスあったし)とても静か。

    5分ほど、脳を沈静化(笑)させてから
    この上なく繊細な第2楽章。
    ああああ、美しい・・・
    ワルツなんだけど、これは意図的にウィーンのワルツにせず
    3拍目にアクセントを置いて
    ちょっと重めの感じが
    過去と現在の狭間を行ったり来たりしている感じで
    すごくワタシ好み。

    魚に説教するアントニウスは
    (すみません、でも読者はわかりますもんね)
    途中のクラリネットのソロが立って吹いたり
    視覚的にも面白い仕掛けあり。

    クルマンの、この上なく深い美声で歌われる Urlicht に
    涙がジワッと出てくる。

    その後の、あの混乱と悲劇と、そこから天国にいく音楽は
    あああああ、もう、何と言ったら良いのか
    ティンパニ連打のあの部分、すごく好きなのだが
    最初を、デシベル最強近くまで引き上げて
    次を少し落として、という細かいニュアンスの作り方
    いやもう、見事で息を飲む。

    Misterioso のコーラスが、ちょっとイマイチ。
    いや、コーラス人数多いし、巧いんですけど

    ただ、楽友協会のコーラスだったら
    もう少し極端にピアニッシモで入って来ただろうなぁ。
    コンツェルトハウスの音響の関係もあるし
    コーラス板付で、最初の発声がアレ、というのも大変なのはわかるのだが

    でもね、あのアカペラで歌ってソプラノ入った後で
    オーケストラが入って来たら、3分の1くらい音が下がっていた
    というのは、ちょっと(笑)
    (オーケストラ入った時に、ちょっと笑いそうになった・・・)
    さすがにその後のアカペラからオーケストラ入るところはキマったが。

    で、Misterioso なんだけど
    コーラスのメンバー、全員、座ったままで歌ってるんですよ。

    え〜?何で?
    いやそりゃ確かに、立ち上がると音がするから
    その前に立ち上がる雑音を避けるためというのもわかるけれど
    コーラス、立って歌わないと声出ないんじゃないの?

    ・・・と思っていたら

    やられた!!!!!!

    最後のコーラスのところで
    パートごとに
    バスが立ち上がり、テノールが立ち上がり
    メゾが立ち上がり、ソプラノが立ち上がり

    ああああ、これこそ復活・・・

    イヴァン・フィッシャーの演出だったのなら
    もう、脱帽です。

    オーケストラの管のベルアップとかはあるけれど
    このコーラスの時間差での復活
    視覚的に、ものすごい効果で

    それまでもバンダでの管楽器のあまりの巧さや
    空間感覚から不思議な時間感覚に翻弄されて
    現世にいるのか、すでに来世なのか
    時間と空間を飛び回っていた奇妙な感覚はあったんだけど

    最後のコーラスの「復活」で
    じんわり涙が出て来て

    ああああああああ・・・(絶句)

    イヴァン・フィッシャーって
    指揮者として、あるいはオーケストラ・ビルダーとしても
    超一流のすごい人なんだけど
    それに加えて
    音楽を如何に聴衆のところに届けるか、という
    絶え間ない努力をしている人だと思う。

    鳥肌立ったまま、感激に打ち震えて
    呆然状態でホールを去った私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    ロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団 + ダニエレ・ガッティ

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      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年5月14日 19時30分〜21時40分

      Königliches Concertgebouworchester Amsterdem
      指揮 Daniele Gatti
      ピアノ Daniil Trifonov

      Sergej Prokofjew (1891-1953)
       Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 C-Dur op. 26 (1917-1921)
      Gustav Mahler (1860-1911)
       Symphonie Nr. 1 D-Dur (1888)

      グラモフォンのオーケストラ・ランキングでは
      何故かわからないが(すみません)いつも一位に輝いている
      ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が
      ヤンソンス退任の後2016年から首席になったダニエレ・ガッティと客演。

      インターナショナル・オーケストラのチクルスでチケットは買っているのだが
      今日はほとんど満席の上に
      オーケストラの向こう側のオルガン・バルコンにまで観客が居る。

      これは、きっと、ダニール・トリフォノフ人気だな・・・
      (って、オーケストラとガッティには失礼だが(笑))

      そのダニール・トリフォノフだが
      現在27歳という若さで
      以前コンクールでのし上がってコンサートに登場し始めた頃には
      童顔の、本当に可愛らしい「男の子」だったのに

      ご存知、その後、最近音楽家に流行しているヒゲをたくわえて
      あのキュートなお顔を隠している。

      髪の毛は長めにして、ちょっとボサボサで
      盛大にヒゲを生やして

      ピアノに向かって前傾姿勢で
      背中を丸くして、被さるように弾いていると
      音楽を聴かずに、ただ視覚だけの情報だったら
      ものすごく失礼だけど、浮浪者にしか見えません(爆)

      その変人のピアニストのテクニックのすごい事 (・・;)
      いやもう、この人の技術って、何なんですか。

      プロコフィエフのピアノ協奏曲3番と言えば
      プロコフィエフの作品の中でも、最も私好みの一品だが
      ピアノの音は、あくまでもクリアで
      一つ一つの音がすべて強くはっきり聴こえて来るのに
      全体としては、全く無理のない
      まるで羽が飛んでいるかのような浮揚感と軽さ。

      うわああ、やっぱりプロコフィエフって
      こういう、さりげない感じでモダンに弾いてくれると
      むちゃくちゃ素敵でチャーミングで
      ズブズブしたところがなくて、すごくワタシ好み。

      この疾走感と、すごい技術に裏付けされた軽さ
      絵画で言えばマレーヴィッチあたりのモダン性。

      ショパン・コンクールやチャイコフスキー・コンクールでの実績の人なのだが
      ズブズブのウエットさと対極的なモダン性まで
      曲によって出してくる、というのは、すごい才能だわ。

      アンコールがやはりプロコフィエフの小品で
      これがまた見事。
      ホールを満たす豊かな音量の中で
      やはり一つ一つの音がクリアに響く。

      トリフォノフの超絶技巧に腰が抜けたが
      後半はマーラーの交響曲1番。

      極端にピアニッシモの出だしだったのに
      始まったとたんに大きな音量で咳した人が居て
      1人咳し出すと、みんながするんですよ、ここは(怒)
      ついでに飴の包み紙の音とか
      バッグを開ける音とか

      舞台からこの上もないピアニッシモの響きが上がってくるのに
      周囲の雑音が、オーケストラの音量が少ないだけに気になって(涙)

      指揮者ガッティって
      イタリアンだから、というイメージはあるけれど
      もう少し、元気な音楽作りをする人じゃなかったっけ?

      何だか色調が暗い。
      いや、別にマーラーだから明るくしなくても良いんだけど
      印象としては、屈折していて、内向的で
      これ以降の交響曲に出てくる
      矛盾に満ちた不思議な世紀末の暗さを先取りしたような感じがする。

      ロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団
      ホームベースのコンセルトヘボーの音響に合わせた音色が
      コンツェルトハウスの音響には、よく合っていて
      バンダとのバランスも抜群。
      交響曲のニュアンスも、よく伝わって来て
      ちょっとだけ傷がなかったワケではないけれど
      熱演だったし、素晴らしかった。

      ただもう、え〜っと、読者の皆さまは呆れ返ると思うけれど
      聴覚の演習を取っていて
      こういう素晴らしい音楽を聴きながら
      ついついマスキングの事を考えてしまったり
      蝸牛管基底膜の電位移動とか

      あ〜、いかん、ちょっと毒されてる 💦

      6月の発表準備だけ出来れば
      (テーマはフェーズ・ロッキングだが
       それがいったい何なんだか、まだ全然わかってない)
      基底膜の波動理論とかもあった筈で
      もう、自分でもワケわからん状態の私に
      どうぞ同情の1クリックをお恵み下さい。


      シュターツカペレ・ベルリン + バレンボイム

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        Musikverein Großer Saal 2018年5月10日 19時30分〜21時40分

        Staatskapelle Berlin
        Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
        指揮 Daniel Barenboim
        ソプラノ Anna Prohaska
        メゾソプラノ Marianne Crebassa
        メゾソプラノ Anna Lapkovskaja
        語り手 Maria Furtwängler

        Richard Wagner (1813-1883)
         Vorspiele und Karfreitagszauber aus „Parsifal“

        Claude Debussy (1862-1918)
         Le Martyre de Saint Sébastien
          Musik zum Mysterienspiel von Gabriele D’Annunzio
          für Sprecherin, Vokalsolisten, Chor und Orchester
          (Partiturausgabe von Pierre Boulez und Eiko Kasaba)

        シュターツカペレ・ベルリンの客演最終日。

        今日はキリスト昇天祭でオーストリアは祝日。
        受難の季節と復活祭時期にしか演奏されないパルジファルを
        コンサート・ホールでキリスト昇天祭に聴くというのも
        なかなかオツなものではあるが

        全部ドビュッシーでプログラム組んだのに
        ここだけリヒャルト・ワーグナーが入るって、何なんだ?!

        パルジファル苦手なので
        というより、ワーグナーとあまりマトモに向き合った事がない。
        (引退したら・・・とか言っていたんだけど
         引退してみたら、仕事している時より時間がないなんて
         そんな状況、考えてもみなかった)

        さすがにドイツの、しかもオペラ座付きのオーケストラなので
        堂々としたドイツっぽい音楽は得意だと思うんだけど
        すみません、パルジファル序曲ともう一つ
        息が長くて、うううう寝落ちしそうになるじゃないか・・・
        (ああああ、ごめんなさい!!!)

        ドビュッシー中心でやるなら
        後半の聖セバスティアンの殉教だけでも良かったんだけどなぁ。

        さて、その聖セバスティアンの殉教。
        しかも交響的断章じゃなくて
        ちゃんと5幕の作品なんて、滅多にナマで聴けるチャンスはない。

        だいたい、何でドビュッシー?と思っていたら
        知り合いが「今年、没後100年ですよね?」って

        バーンスタインの生誕100年は
        ウィーンでもあちこちで取り上げられているが
        ドビュッシーはオーストリアではどうも無視されているらしい。

        フランス語の語りが入る。
        マイクでの語りなので
        すごくすごくすごく残念なのだが
        フランス語がわからないのに加えて

        私の居る超貧民席は、マイクの音声だと
        ホールのエコーが聞こえてしまって
        特に周波数の高い子音が、1つの音に聞こえず
        2つにズレて耳に入ってくる(涙)
        (500マイクロセカンドを超えてしまったのだな・・・)

        しかも、このエコー、楽友協会の音が乱反射するので
        子音によっては方向性がズレて、時々、すぐに耳の傍で子音の破裂音が爆発する。
        (誰かが周囲でお喋りしているのか、とギョッとする)

        ただ、ドビュッシーの音楽が圧倒的。
        様式的には、ペンタトニックを多用すると同時に
        ルネッサンス的なポリフォニーを駆使して
        オーケストラやコーラスの色彩が、まるで滝のようになだれ込んで来る。

        もちろん劇伴だから(だって劇音楽だもん、劇伴でしょ?)
        情景が目に浮かぶような部分も多い。

        焼けた石の上を歩いて怪我せず、そこに白百合が咲くとか
        異教の空間に入って(これがもう、ものすごく薄気味悪く音楽で描かれる)
        破壊するとか、女の子が現れて死ぬとマリアが出現するとか
        第3幕は王さまが登場するので
        最初の音楽はトランペット中心の金管のファンファーレとか。

        ただ、セバスティアンの拷問を直裁的に表現するような
        残酷な部分は音楽的にはほとんど出て来ない。
        すべてが物語的にうまく隠されている。
        (ドビュッシーらしい奥ゆかしさだ ←妄想です)

        最後の昇天の音楽がまた美しくて・・・

        セバスティアンは第4章で矢によって殺される事になっている。
        聖セバスティアンと言えば、絵画の世界では
        必ず体中に矢が突き刺さった表現になっているのだが

        実はセバスティアンは矢で死んではいない(回復している)
        まぁ、別にどうでも良い話だが
        ガイド試験を受ける時に、セバスティアンが矢で死んだと言ったら
        不合格だからね(笑)

        小1時間の曲で
        オーケストラの曲の演奏中に語り手が話す部分も多く
        (オーケストラの曲の合間に、子音のエコーを聞くのは辛かった(涙))
        途中、ソロやコーラスが次々に演奏されるのだが
        音楽のバリエーションの範囲が本当に広い。

        圧倒的な音楽の情報量で
        ルネッサンスのポリフォニー、ワーグナー的な厚い和声もあれば
        レース編みのような繊細な部分に
        アジアチックなペンタトニックの神秘的な響きまで
        色彩感に満ち満ちていて

        ドビュッシーの作曲技法って、こんなに天才的だったんだ、と
        聴きながら呆気に取られてしまった。

        あああ、ペリアスとメリザンドの時も思ったんだけど
        この曲、フランス語がわかったら
        今の200倍くらい、楽しめたんだろうなぁ・・・(涙)

        だったらフランス語習えば?という声も聞こえてくるが
        他の事でむちゃくちゃバタバタしていて
        ・・・と言い訳ばかりしている怠け者の私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        シュターツカペレ・ベルリン + バレンボイム

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          Musikverein Großer Saal 2018年5月9日 19時30分〜21時40分

          Staatskapelle Berlin
          Damen des Singvereins der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
          指揮 Daniel Barenboim
          ソプラノ Anna Prohaska
          メゾソプラノ Marianne Crebassa

          Claude Debussy (1862-1918)

           La Damoiselle élue
            Poème lyrique für zwei Frauenstimmen, Frauenchor und Orchester

           Trois Nocturnes
            Symphonisches Triptychon für Orchester und Frauenchor

           Troid Ballades de François Villon
            für Mezzosopran und Orchester

           La Mer
            Drei symphonische Skizzen fuer Orchester

          シュターツカペレ・ベルリンとバレンボイムの
          ドビュッシー祭り(笑)2日目。

          知らない曲ばかり・・・(例外は「海」だけ・・・f^_^;))

          最初の「選ばれし乙女」ってカンタータだけど
          初めて聴く。
          夜想曲は1回くらいは聴いた事があると思うけれど
          フランソワ・ヴィヨンの3つのバラードなんて
          ピアノ伴奏版でも聴いた事がない。

          よって、どうのこうの偉そうな事は言えないけれど
          この間の、ものすごく明るい輪郭のはっきりしたドビュッシーより
          前半は、割にドビュッシーらしくなっていたような気がする。

          選ばれし乙女の語り手のメゾソプラノが
          すごい声量で、抑えてはいたけれどギョッとした。
          女声合唱団はウィーンの楽友協会合唱団で
          相変わらず実に巧い。

          ソプラノのアンナ・プロハスカの声はあくまでも澄んでいて
          張り上げる事なく、清純な乙女(だろうと思う)が美しい。

          ドビュッシーって、こういう曲も書いているんですね。
          自宅で作品一覧見てたら、その多さにクラクラ来た。
          (だいたいあんまりフランスものってウィーンで演奏されないし)

          夜想曲は、ドビュッシーらしい和声が生きている曲だが
          あ〜、最初の曲って「雲」ですよね?
          ううう、主観的印象だと、またもや輪郭がはっきりし過ぎて
          何故に「雲」のようなテクスチャーを感じられないのか
          私の耳がおかしくなっているのかもしれない。

          シレーヌは、幕間に会った知り合いが
          女声合唱の歌い手がオーケストラの中に入り込んでいたとの事。
          貧民席(舞台見えず)からは
          女声合唱が割にバラバラに聴こえて来たのはそのためか。
          平土間とかバルコン正面とかだったら
          きっと音響効果は抜群だっただろう。
          (すみません、高い席は買えませんので・・・ふん)

          フランソワ・ヴィヨンの3つのバラードは
          メゾソプラノのマリアンヌ・クレバッサがソロ。
          (舞台見えないけれど、写真で見るとすごい美人)

          最初の曲でも思ったんだけど
          このメゾソプラノの声量、スゴイんですけど。
          しかも厚みのある強い声で

          ワーグナー聴いてるみたい・・・(妄想暴発)

          オペラのレパートリーとしては
          ケルビーノ、セスト、メリザンドあたりのようだが
          声に厚みがあって強い響きがあるので
          グレの歌とか歌ったら合いそう(妄想爆発中)

          最後にやっと知っている交響詩「海」

          ・・・知ってる?って
          この曲って、こういう曲だったっけ???

          モトが北斎の絵だから、輪郭線がはっきりするのはともかく
          このドラマチックさ・・・
          1曲目の最後なんて、耳を押さえたくなる衝動に駆られる音量だし
          2曲目は、波がキラキラというよりは
          波の間から、突然出現する大ダコ・・・きゃ〜っ、という
          これは恐怖映画の劇伴か?(だから妄想爆発してます)

          ドビュッシーの、あの柔らかいテクスチャーと
          極端に違う、硬いドラマチックでマッチョな演奏で
          ここまで熱く、力一杯演奏されてしまうと
          聴いている方は
          へへ〜っ、お代官さま、参りました。
          大ダコでもサメのジョーズでも、もう、お好きなように
          ・・・とか言いたくなる、ものすごく新鮮な「海」

          もともとのオーケストラの持っている色彩もあるんだろうけれど
          きっとこれは、熱いバレンボイムの確信犯だわ。

          ウィーンでドイツのオーケストラで
          ドビュッシーの知られざる曲を徹底的に聴けるなんて
          音楽世界のグローバル化を感じる私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          ぶっとんだバナーですみません(笑)
          明日5月10日はオーストリアの祝日。
          水曜日も授業がなくて、明日も授業がないので
          ・・・・ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ宿題と発表の準備に(以下省略)

          シュターツカペレ・ベルリン + バレンボイム

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            Musikverein Großer Saal 2018年5月7日 19時30分〜21時30分

            Staatskapelle Berlin
            指揮 Daniel Barenboim
            ピアノ Martha Algerich

            Claude Debussy (1862-1918)
             Prélude à l’après-midi d’un faune
             Fantaisie für Klavier und Orchester
             Images für Orchester
               Gigues
               Rondes de printemps
               Ibéria
                I. Par les rues et par les chemis, Assez animé
                II. Les parfums de la nuit. Lent et reveur
                III. Le martin d’un jour de fête. Dans un rythme de marche lointaine,
                  alerte et joyeuse

            シュターツカペレ・ベルリンとその音楽監督ダニエル・バレンボイムの
            今年の楽友協会への客演は
            3回あって、全部違うプログラム。

            オーケストラ大変・・・(余計なお世話)

            ワーグナーがチラッと入っている以外は
            全作品、クロード・ドビュッシー。
            (バレンボイムが何を考えたのかは、よくわからん)

            その初日は、ピアニストのアルゲリッチを迎えて
            オール・ドビュッシー・プログラム。

            牧神の午後への前奏曲って
            とあるウィーンのオーケストラが
            フルート奏者が入団すると、お目見えで演奏するので
            何故かよくナマで聴く曲。

            この曲はフルートとホルンと他の木管がヘタだったら
            目も当てられない事になるので
            プロの矜持としては完璧を期すだろう。

            で、すごく巧いんだけど
            いや、ホントに優秀なオーケストラなんだけど

            これ、ドビュッシーだよね?
            ワーグナーとかじゃなくて・・・

            牧神、全然寝てないし・・・(←妄想爆発)

            その他の妖怪も、あちこち飛び跳ねてる上に
            太陽の光が煌々と照っていて
            まるで密林のような暑さ(←妄想暴発)

            牧神の午後への前奏曲って
            こんなに元気な曲だったっけ・・・

            ドビュッシーのピアノ協奏曲なんて
            そんな曲があるのを初めて知った。
            ほとんど演奏されていないだろう、少なくともウィーンでは。

            アルゲリッチのピアノの強さと言ったら
            こんなに強いピアノを弾ける人って
            男性でも居ないような気がする。

            で、オーケストラの音色の輪郭が
            強いピアノに煽られて、ますますはっきり、くっきりして
            どう聴いても
            私の偏見で持っている、ぼわ〜んとした印象派的な
            ドビュッシーの雰囲気にならない。

            後半の「管弦楽のための映像」も同じような印象。
            確かにそういう曲だ、と言えばそうなんだけど
            あまりに手触りがゴツゴツしていて
            音の輪郭線が強くて

            イベリアだって
            イベリアというよりは
            リオデジャネイロ?という色彩感。

            音色がクリアではっきりしているだけに
            パステル色の薄ぼんやりしたところが全くなくて
            最初から最後まで、ものすごい陽光の下という感じ。

            すみません、妄想炸裂してます・・・

            前半のドビュッシーのピアノ協奏曲の後のアンコール。
            絶対やるぞ・・・と思っていたら
            やっぱり、バレンボイムとの連弾だった(笑)

            バレンボイムが「エジプトです」とアナウンスしていて
            高音はメロディ・ラインが入るけれど
            低音部分はイヤに簡単そうだなぁ(勘違い)
            バレンボイムとアルゲリッチ、どっちを弾いているんだろう?
            (超貧民席なので、舞台は全く見えません(笑))

            たまたまコンサート後に友人に会ったので聞いてみたら
            やっぱりバレンボイムが高音部を弾いていたそうだ(爆笑)

            「エジプト」が何の曲だかはわからないが
            (以前、ブロンフマンが犠牲になったシューマンのシリーズでないのは確か)
            そのうち、楽友協会のサイトに掲載されるだろう。

            ドビュッシーのイメージとは大いに違う(と私が感じた)
            このコンサートは
            5月13日11時3分からオーストリア国営放送局1番(ラジオ)で放送がある。
            まぁ、録音だと録音技師の腕があるから
            ライブで聴くのとはまた違った印象になるとは思うが。

            バレンボイムとアルゲリッチは
            5月11日に
            シューマンのドビュッシー編曲版と
            ドビュッシーのピアノ版(牧神の午後への前奏曲もあり!)で
            2人のリサイタルを開くのだが

            私は5月11日は
            大学の教会で、ルードヴィッヒ・ゼンフル(1490?-1543) のコンサートに
            講義が終わった後に駆けつける予定なので
            楽友教会には行きません(笑)

            あと2回のシュターツカペレ・ベルリンとバレンボイムの
            ドビュッシー(最終日はちょっとだけワーグナー)のコンサートには
            行く予定の私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            5月11日のゼンフルのコンサートだが
            大学のウチの学部の主催で19時開演なのに
            必須の講義が19時まで予定されていて
            ・・・10分ほど早く終わらんかなぁ。
            (一応、講師には、この件、言ってみよう)
            入場無料。古楽にご興味あるウィーン在住の方は是非どうぞ。

            ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 + ネゼ=セガン

            0
              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年4月28日 19時30分〜22時

              Rotterdam Philharmonic Orchestra
              指揮 Yannick Nézet-Séguin
              ピアノ Yuja Wang

              Joseph Haydn (1732-1809)
               Symphonie f-moll Hob. I/49 „La Passione“ (1768)

              Sergej Rachmaninoff (1873-1943)
               Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 g-moll op. 40 (1926)

              Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
               Symphonie Nr. 4 f-moll op. 36 (1877-1878)

              チクルスになかったコンサートだが
              ユジャ・ワンがどんな格好で出てくるか興味があって
              貧民席最終列(立ったら見える)を購入。

              ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団は
              大昔、ネゼ=セガンが就任した頃に聴いていて
              あまりポジティブな印象はなかったので
              ユジャ・ワンが出なかったらチケットは買わなかったかも・・・

              という人も、かなり多かっただろうと思うのだが
              天井桟敷の席は満杯である。

              ハイドンの La Passione
              パシオーネと聞けば
              パッション=情熱だと思っていたら
              いやこれ、受難曲の方のパッションだった。
              (後世の人が、短調だしキリストの受難を思い起こす
               というので、この名前を付けたらしい)

              そう言えば、昔、どこかで
              ヨハネの情熱、という記述を読んで爆笑した事があったっけ。
              ・・・あんまり人の事を笑えないな、私も。

              オーケストラの音はキレが良い。
              最近、どこのオーケストラも指揮者もそうなんだけど
              小編成で弦はノンビブラート奏法。

              モダン・オーケストラだけど
              古典的な雰囲気を出そうというのが
              現代のスタンダードになってしまっていて
              どこのオーケストラも、どの指揮者も同じような奏法を取るので
              そろそろ、奇抜な事をして目立ちたい指揮者が
              ビブラートたっぷりのハイドンとか聴かせてくれる日が
              来るかもしれない。
              (来たら爆笑してしまいそうだが)

              ラフマニノフのピアノ協奏曲4番。
              ラフマニノフのピアノ協奏曲で有名なのは2番で
              さすがに2番はあまりにポピュラー過ぎとは言え
              滅多に演奏されない4番とはね・・・

              オーケストラが舞台に揃って音合わせも終わっているのに
              指揮者もピアニストも登場しない・・・・と思ったら
              指揮者だけが舞台に登場。

              うううう、悪い予感・・・

              ネゼ=セガンが英語で
              大丈夫、ユジャ・ワンは来ていますし
              ちゃんと演奏もします。
              ただ、彼女は非常に痛みが激しいので
              私から皆さまに理解していただくよう話して欲しいと言われました。

              ・・・痛み????

              どこの、とは言わなかったし
              腱鞘炎だったら、ラフマニノフとか絶対に弾けないし
              腕に湿布とかもなかったから、どこが痛いのかは最後まで不明だったが。

              青のキラキラのラメのロング・ドレスで
              肩はばっちり空いて
              ついでに背中は全部空いているので
              美しい背中は腰に近いところまで見えるし
              前はバストをゆるく囲むようなデザインで
              相変わらず色っぽいのだが

              スリットは入っていなかった(笑)

              ミニスカートか、あるいはチャイナ・ドレスの
              腰までスリット入ったドレスかと思ったら
              美しい背中は見せた代わりに
              おみ足は隠されていて、とても残念。

              なにをオヤジと化してセクハラ発言してるんだ
              と思われる向きもあろうが
              ユジャ・ワンはそれが一つのマーケティング・ポイントだから許して下さい。

              調子悪いとか指揮者にわざわざアナウンスさせたのに
              ピアノのテクニックは相変わらず鉄壁。
              もう、この人、超人としか思えないわ。
              運動神経が常人と違うわ。

              安定度が抜群で、音の一つ一つに緩みがなくて
              オクターブ連打も何のその。
              あそこまで上から強い打鍵で
              楽々と叩いているように見えると
              調子悪そうだけど、すごい、としか思えない。

              協奏曲終わったら逃げるように舞台裏に引っ込んで
              聴衆も、一応拍手はするけれど
              体調悪そうだし、アンコールないだろうし
              どうしようかなぁ、と戸惑いつつも拍手をしていたら

              え?アンコール弾くの?

              リスト編曲版、シューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン」

              ものすごく均質な音の中でメロディをさり気なく生かし
              シュトローフェン・リート的な繰り返しの処理の見事さ
              大袈裟にならないビーダーマイヤー的感情の爆発

              いや、ユジャ・ワン、テクニックも凄いけれど
              私が驚くのは、その見事な音楽のセンス。
              (同じ中国に技術の凄いのは他に居るけれど・・・(笑))

              後半はチャイコフスキーの交響曲4番。

              幕間に金管が練習していて
              あの出だしの後、長三度とかの和音で下がってくると
              シリアスなチャイコフスキーがお笑いになってしまう。
              なんてお茶目なホルンとトランペット・・・と
              幕間についつい微笑ましく思ったが

              思ったより演奏が良くてビックリした。

              舞台にずらっと並んだオーケストラは
              何だかバイオリンとビオラの数が
              むちゃくちゃ多いような気がする。
              (コントラバスは8台だったが、それは普通だし
               チェロもそんなに多くなかったと思うんだけど
               第一バイオリンと、対抗位置の第二バイオリンの人数が
               なんだか異様に多い(舞台から遠すぎて数えられないけど))

              管楽器が目立つ曲なので
              これだけ弦のメンバーが多いと
              管楽器と弦楽器のバランスが非常に良い。

              弦楽器のアンサンブルも均等に美しい響きだし
              管楽器が不自然に飛び出す事もなくて、すごく良い感じ。

              ネゼ=セガンは、溜めるところはとことん溜めて
              ロマンチックにドラマチックに押して来る。

              第3楽章の弦のピチカートも
              あれだけ弦の人数がいると、ものすごく美しい。
              極限まで音量を絞っても、あんなに綺麗に響いてくるとは。

              ねっとりとしたロシア風のウエットさと
              モダンな洗練された部分とのバランスが良くて
              ダイナミック・レンジが広くて
              音楽として、とても楽しく鑑賞できた。

              ネゼ=セガン、ロッテルダム・フィルと
              かなり巧く関係を保っているような感じ。
              お互いの信頼がバッチリ出来て来ているのが見えて
              オーケストラのレベルもアップしたし
              指揮者もオーケストラもハッピーなのがわかる。

              アンコールは・・・
              出だしを聴いたとたん
              客席から笑い声と拍手が起こって
              中断する有り様になったけれど

              ヨハン・シュトラウス2世の
              ピチカート・ポルカなんか演奏するから(爆笑)

              いや〜、もう、絵に描いたようなサービス精神。
              演奏する方も聴いている方もハッピーな気分。
              ネゼ=セガン、やるじゃん!!!

              ちょっと今、大学のプロゼミで
              小論文を書かねばならず
              それが「クラシックは教養のある人が学んで
              その教養を伸ばすもの」みたいな
              (19世紀初頭のものです、念の為)
              クラシック音楽って修行かよ?という論文なのだが

              音楽なんて楽しければそれで良いんじゃないの?と
              ついつい小論文に余計な事を書きそうで
              自分で自分が怖い私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 + ネルソンス

              0
                Musikverein Großer Saal 2018年4月22日 19時30分〜21時30分

                Gewandhausorchester Leipzig
                指揮 Andris Nelsons
                ピアノ Yefim Bronfman

                Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                 Konzert für Klavier und Orchester Nr. 5 Es-Dur, op. 73
                Johannes Brahms (1833-1897)
                 Symphonie Nr. 4 e-Moll, op. 98

                午前中、ウィーン・フィルでブラームスの交響曲1番を聴いて
                夜はゲヴァントハウス・オーケストラでブラームスの交響曲4番。

                ・・・なんか、すごく贅沢。

                ブロンフマンのベートーベンのピアノ協奏曲。
                この間、ウィーン・フィルとオロスコ=エストラーダでは
                3番を弾いていた(4月7日と8日)
                今回はオーケストラと指揮者を変えて5番。

                しかしこのピアニスト、本当にうまいわ。
                いや、現代のピアニスト、テクニック的にはみんな完璧だけど
                このベートーベンの5番って、かなり難しいのに
                細かい音型からダイナミックなフォルティッシモに至るまで
                音の粒が見事に揃っていてクリアに響いて来るのはすごい。

                いわゆるヴィルトゥオーゾの系列で
                派手なテクニックを、これでもか、と詰め込んでいる曲だが
                それが、ここまでダイナミックに演奏されると
                安定性が抜群なので
                華やかな事この上ないし
                何ともマッチョで筋肉質でかっこいい。

                客席が静まらないうちに弾き出したアンコールが
                ショパンのエチュード10の3、ご存知「別れの曲」

                これがまた、音の一つ一つが見事に立ってクリアに響き
                別れとかの感傷的なウエットさが全くない美しさ。
                (いやだから、別れの曲とか言ってるの日本だけだったりして)
                中間部の激しい部分の美しさと言ったら悶絶モノだった。

                さて後半のブラームス、交響曲4番。

                最初からウエットなニュアンス満載。
                かなり幅の広い恣意的なアゴーギクを使い
                まるで呼吸そのものを音楽にしようとするような感じ。

                交響曲4番って晩年の作品じゃなかったっけ?
                まぁ、1884年〜1885年にかけての作曲だから
                51歳から52歳にかけての作品なので
                引退年齢を越えたワタクシ的には
                あんまり老年だの老人の諦観だの円熟だの言いたくないのだが

                しかし、この泣き叫ぶようなブラームスってどうよ?

                第一楽章なんか
                大の男が駄々をこねて泣き喚いているような印象なんだけど。

                ブラームスらしい厚みのある和声は
                オーケストラの音に充分に活かされていて
                その意味では深い音でダイナミックな演奏になっているんだけど

                ちょっと大袈裟というか
                ダイナミック過ぎて
                感情表現過多っぽくって
                その分、時々、音が荒れて聴こえるところがあって
                いや、それはマッチョなダイナミックと言えば
                ポジティブに取れない事はないけれど

                う〜ん、いわゆるウィーン的伝統のクラシックとは違うよねぇ。
                ・・・・と思っていたら
                案の定、例のプレッセには酷評が乗って
                コテンパンに書かれていた(笑)

                何を書かれても
                出てくる指揮者は出てくるんですよ、うん。

                やんちゃ坊主のネルソンスらしいブラームスではあった(たぶん)
                こういう、元気で自分のやりたい事をしっかり知っている若い指揮者
                これからがとても楽しみだ。

                という事でやっぱり手抜きですが
                どうぞ1クリックをお恵み下さいませ。


                ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 + パッパーノ

                0
                  Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年4月21日 19時30分〜21時50分

                  The Orchestra of the Royal Opera House
                  バリトン Christian Gerhaher
                  指揮 Sir Antonio Pappano

                  Richard Strauss (1864-1949)
                   Metamorphosen. Studie für 23 Solostreicher AV 142 (1945)

                  Frank Martin (1890-1974)
                   Sechs Monologe aus „Jedermann“
                     (Fassung für Bariton und Orchester) (1943-1944/1949)

                  Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)
                   Acht britische und amerikanische Volkslieder (1943)

                  Edward Elgar (1857-1934)
                   Variations on an Original Theme „Enigma-Variationen“ op. 36 (1989-1899)

                  私の大好きな指揮者アントーニオ・パッパーノが
                  英国ロイヤル・オペラのオーケストラと客演。

                  なのに、私はむちゃくちゃ疲れている。
                  仕事じゃないので誰も同情してくれないし
                  自業自得なんだけど(汗)

                  朝から仕事して、午後はずっと講義で
                  しかも1週間、ずっと睡眠不足で
                  もうこのコンサートは寝る、と決めて行ったので

                  リヒャルト・シュトラウスのメタモルフォーゼンは本当に寝てました。
                  あああ、音楽家の方々、音楽ファンのみなさま
                  パッパーノさま、ごめんなさい。

                  フランク・マルタンの曲は
                  ゲルハーヘルさまの美声をもう一度聴くチャンス ♡
                  12音技法を使った、不思議な曲で
                  音の構成がものすごく美しい。
                  ゲルハーヘルさまの声も、ドイツ語も美しい。

                  感想それだけかい、と自分でも突っ込みたくなるけれど
                  正直、本当にそれだけです。
                  フランク・マルタンという作曲家
                  もう少し聴き込んでみたい。

                  ショスタコーヴィッチの英国とアメリカの民謡集。
                  これもゲルハーヘルさまの、美しいバリトン付き ♡
                  ショスタコーヴィッチって、こんな曲も書いているんだ、とびっくり。
                  もともとの英国やアメリカの民謡を
                  オーケストレーションしたものだから
                  近代音楽とかではなくて
                  ものすごくわかりやすい美しいメロディ。

                  楽しみにしていたエドワード・エルガーの「エニグマ」
                  ううう、やっぱり良いわ、この曲、すごく好き。

                  だいたいがオペラを演奏するオーケストラって
                  音に艶があって、とてもカンタービレに歌うのが面白い。
                  コンサートだけやっているオーケストラと音の質が違う。

                  アンコールにエルガーの「愛の挨拶」
                  うはははは、チャーミングな曲を持って来るなぁ。

                  という事で、むちゃくちゃ疲れていたのに
                  寝落ちしながらでもオーケストラの音楽を聴くと
                  元気が出てしまう。

                  手抜き記事でごめんなさい。

                  こんな記事でもクリックしてやるか、という
                  優しい読者の方、どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  ムジカ・エテルナ + テオドール・クルレンツィス

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年4月18日 19時30分〜21時40分

                    MusicAeterna
                    ピアノ Alexander Melnikov
                    指揮 Teodor Currentzis

                    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 c-moll op. 37 (1800-1802)
                      Kadenz : Ludwig van Beethoven

                    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                     Ouverture zu „Le nozze di Figaro“ K 492 (1785-1786)

                    Ludwig van Beethoven
                     Symphonie Nr. 7 A-Dur op. 92 (1811-1812)

                    奇妙で奇抜で
                    古楽器使ったオーケストラなのに
                    じゃぁ、本当にピリオド奏法の歴史的演奏をするかと言えば
                    研究成果に基づいたオリジナル(に近い)音楽という訳でもなく

                    そこまでクラシックで奇抜な事をやっちゃって良いのか?
                    と思いつつも
                    その音楽のあまりの魅力に
                    いったん虜になったら抜けられないという鬼才クルレンツィス。

                    コンツェルトハウスのチクルスの最後のコンサート。
                    夏のザルツブルク音楽祭では
                    クルレンツィスとムジカ・エテルナが
                    ベートーベンの交響曲全曲を演奏するのだが
                    あまりの人気爆発(怖いものみたさ・・・とも言う(笑))のため
                    チケットは全く入手できなかった。

                    舞台の上を見たら
                    開場しているのに、まだ調律師さんが舞台にいる。

                    ・・・・というより
                    調律しているその楽器は
                    ハンマー・クラヴィーアではないか (O_O)

                    ベートーベンのピアノ協奏曲3番って
                    私は別に名曲だと思わないんだけど
                    何故かナマで聴く機会が多いのだが

                    モダン・ピアノじゃなくて
                    どこかのインペリアル・グランドとかじゃなくて
                    昔の、しかも音量が少なくて不思議な響きのする
                    ハンマー・クラヴィーア???

                    オーケストラ編成は小さい(そりゃそうだろう)
                    ムジカ・エテルナは、普通、立って演奏できる楽器は
                    全員、起立したままの演奏だが
                    ベートーベンのピアノ協奏曲は、弦のメンバーも座っている。

                    クルレンツィスの音楽作りは
                    相変わらず、まるで弾力のあるボールが飛び跳ねているような
                    ものすごいリズム感と不思議なアクセントに満ちている。

                    メルニコフのピアノ、いや、ハンマー・クラヴィーアが入ると
                    実に不思議な音がする。

                    しかもメルニコフ、装飾音符入れてるし・・・
                    これ、ハインリヒ・シフがリサイタル時に
                    モーツァルトのソナタに自由自在に装飾音符を入れていたけれど
                    ベートーベンでもありかい。
                    (あまり目立った入れ方はしていなかったけれど
                     時々、ほんのちょっと、あ?という部分の装飾がある(笑))

                    ハンマー・クラヴィーアの音が軽い分
                    全体にリズム感に満ちていて、躍動感のある第一楽章の後

                    第二楽章って、緩徐楽章で、最初がピアノのソロ。
                    うわあああ、ハンマークラヴィーアって、こういう音が出るんだ。
                    何とも郷愁に満ちた、古典的で秘密の香りに満ちていて
                    妖しげな色気がある。

                    無理やり例えてみれば
                    恥じらいのある若い女性が
                    遠慮深くて、ちょっと一歩引いて・・・なのだが
                    時々、ちらっと妖しげな色気が覗くというか

                    日本で女性問題が取り沙汰されている時に
                    (本当は女性問題じゃなくて男性問題だろ)
                    こんな「恥じらいのある乙女」とか書いたらいけないのだろうが
                    印象としてはそういう感じなので
                    世の中の女性の皆さま、どうぞこの危ない表現をお許し下さい。

                    タッチが軽いせいか
                    最初は、ちょっとハンマークラヴィーアが走ってしまうところもあったし
                    現代で、わざわざベートーベンのピアノ協奏曲を
                    モダン・ピアノじゃなくて
                    ハンマー・クラヴィーアで演奏する意味はあるのか?とは思ったけれど

                    確かにあの響きで演奏されると
                    聴き慣れて、ちょっとゲッソリしている曲が
                    驚くような不思議な世界になって新鮮ではある。

                    ハンマー・クラヴィーアを移動させて
                    弦のプレイヤーの椅子(チェロは除く)を取っ払って

                    フィガロの結婚の序曲。

                    あ〜、もうこれはクルレンツィスとムジカ・エテルナの名刺みたいなもので
                    まぁ、この音楽的センス、躍動感、疾走感、リズムと強弱の生き生きした絡み。
                    モーツァルトで反射的に爆睡する私でも
                    このクルレンツィスとムジカ・エテルナは寝ていられない。

                    なんでもう、こんなポピュラーに近い
                    演奏され尽くした曲が
                    こんなに生き生きしちゃうんだ?!

                    何回も聴いたら、そろそろ、その奇抜さに飽きが来るかと思ったけれど
                    全然、飽きが来ない、というより、聴けば聴くほどにハマる。

                    後半のベートーベンの交響曲7番。
                    オーケストラは立った状態での演奏で

                    わっはっはっはっは
                    これ、笑う以外にどう反応して良いのかわからん。

                    もう凄いです。
                    そんなアクセントのつけ方で?みたいな部分がテンコ盛り。
                    比較的、まともな(笑)テンポで始めたのだが
                    中間部から、やっぱりグッと速度を上げて来て
                    ムジカ・エテルナのプレイヤーたちが
                    舞台の上で、演奏しながら、ほとんど踊っているような印象。

                    あ、コンマスと、第二バイオリンのトップは
                    し〜っかり踊ってました(笑)しかも、むちゃ楽しそうに。

                    弦楽器のボーイングが面白い。
                    他のオーケストラとは全く違う。
                    (何が違うかはうまく表現できない、ごめんなさい。
                     バイオリンとか弾く人ならすぐにわかると思うんだけど)

                    センスの良さが、ともかく抜群で
                    アクセントやテンポ、バランスが
                    こんなに逸脱していても、それが実は正解じゃないか
                    というところで、ピタリと嵌ってくるのだ。

                    チェロなんか、最終楽章では
                    コル・レーニョで弾いてた部分まで(笑)

                    リピート全部ありの演奏で
                    普通だったら、たぶん退屈する。

                    第二楽章が実はすごく不思議で
                    これは私の睡眠不足による脳内妄想という可能性はあるが
                    最初のホルン、続く低弦のアンサンブルに
                    微妙な音程の差があるように聴こえて来た。

                    しかもその低弦のアンサンブルの音量を
                    徹底的に抑えて
                    それ、何デシベル?(ヒソヒソ声レベル)という
                    お陰で会場はさすがにシーンとしたが
                    聴こえるか聴こえないかのレベルの音量で
                    周波数の少ない低音を出されると
                    その音程の認識に、私の機能不足の脳が反乱したのかもしれないが
                    低弦アンサンブルにビオラ、バイオリンが入るところでも
                    微妙な音程のズレが聴こえて来て
                    いや、何とも不思議な、めちゃくちゃ妖しげな世界。

                    これもまた
                    こんなベートーベンの交響曲7番
                    聴いた事がありません、という
                    独特の音楽世界。

                    普通、目立とうとする指揮者が
                    奇抜な演奏しようとすると
                    テンポを信じられないほどアップさせるか
                    訳のわからんところに隠されたポリフォニーを出すか
                    強弱を徹底的に大袈裟にして
                    最後はぐわ〜んと音量をクレッシェンドしてテンポを速める
                    ・・・くらいの事は日常茶飯事で起こるけれど

                    クルレンツィスとムジカ・エテルナって
                    そんな単純なあざとさでは説明がつかない。

                    何回か繰り返して、いつも書いているけれど
                    いわゆる我々聴衆が期待する「クラシック」の枠内には
                    全く収まらない、とんでもない演奏をするのに

                    その奇妙な、枠から飛び出した音楽が
                    ただの「やりたい放題」ではなくて
                    ものすごい説得力を持って
                    しかもあざとさとか、有名になりたい野心とか
                    そりゃ、きっとあるんだろうけれど
                    そんな俗物的な事を感じさせず
                    聴衆を「音楽の力」でねじ伏せて
                    非常に心地よく
                    子供が無心に遊んでいるかのような
                    徹底的に楽しい境地まで連れて行ってくれる。

                    こういう解釈
                    歴史的解釈でもないし
                    モダンな解釈でもないし
                    いったい、どう名付けて良いのか
                    音楽学学者も困るだろうなぁ(笑)

                    明日の夕方はゲスト講演で
                    音楽の解釈研究の歴史についての話が聞ける予定なので
                    ちょっと、こういう奇妙な指揮者の解釈について
                    研究者がどう言うか、聞いてみたいような気がする私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    このオーケストラのメンバー
                    本当にアスリートっぽい人たちで
                    音楽家というのが、全身を使っての芸術を伝えるというのが
                    よ〜くわかる。

                    バーミンガム市民交響楽団 + ミルガ・グラジニーテ=ティーラ

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2018年4月4日 19時30分〜21時40分

                      City of Birmingham Symphony Orchestra
                      指揮 Mirga Gražinytė-Tyla
                      ピアノ Rudolf Buchbinder

                      Richard Wagner (1813-1883)
                       Vorspiel zur Oper „Tristan und Isolde“

                      Robert Schumann (1810-1856)
                       Konzert für Klavier und Orchester a-Moll, op. 54

                      Raminta Šerkšnytė (*1975)
                       „Fires“ für Orchester

                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                       Symphonie Nr. 5 c-Moll, op. 67

                      バーミンガム市民交響楽団の音楽監督の
                      ミルガ・グラジニーテ=ティーラは
                      2012年にザルツブルク音楽祭の指揮者コンクールで優勝している。
                      (2010年はアクハムで、2015年はロレンツォ・ヴィオティ。
                       この2人は何回か指揮台で見た事がある)

                      最近、女性指揮者に注目しているワタシ。
                      だって、まだまだ昔ながらの偏見の多い社会に
                      切り込んでいく女性たちって
                      そこらの男性より、ずっと優秀・・・だと思う。

                      プログラムは伝統的と言えばあまりに伝統的な名曲に加えて
                      同じくリトアニアの現代作曲家 Raminta Šerkšnytė が
                      バイエルン放送交響楽団の委嘱作品として作曲し
                      2012年にミュンヒェンでマリス・ヤンソンスが初演した曲を持って来た。

                      最初のトリスタンとイゾルデ。
                      指揮姿を見ようとしたら
                      前の人が身を乗り出して、何にも見えない(ちっ (ーー;))
                      スカートじゃなくてズボン着用だけど
                      上着はピンク系のポンチョの半袖で
                      長く美しい腕がよく動いているようだ。
                      (途中で見るのは諦めた)

                      オーケストラのバランスが良い。
                      伝統的と言えば伝統的で
                      やっぱりワーグナーって
                      感情に直に触れてくる、正に映画音楽だよねぇ。

                      シューマンのピアノ協奏曲はブッフビンダーがソリスト。
                      これはオーケストラ+指揮者は
                      大御所のブッフビンダーに合わせるしかないでしょう(笑)

                      淡々と叙情的に、まさにこれぞシューマンという感じ。
                      最初、ちょっと調子悪いかな?というのはあったけれど
                      第3楽章の軽やかさは素晴らしかった。

                      シューマンのこのピアノ協奏曲
                      実は第2楽章の出だしがむちゃくちゃ好き ♡

                      なんか、このフレーズって
                      キュートな子供が、自分の好きなものを持って
                      私のところに喜び一杯に駆けて来て
                      ほら、見て、見て
                      ・・・・・って言われているような感じ。
                      (バレエだとナターシャのイメージにぴったり(笑))

                      まぁ、それはともかく
                      幕間の後の Ramina Šerkšnytė の Fire という曲は
                      ベートーベンの交響曲5番を意識して作曲されたとか。

                      最初の Misterioso の部分は
                      リゲティとスペクトル楽派とストラヴィンスキーを混ぜたような感じ。
                      音響が多彩で、多重的で
                      しかも音響空間の使い方が抜群に巧い。

                      あんなに空間を利用した作品って
                      コンピュータ作品(マイクが20箇所くらいある奴)くらいしか知らないぞ。

                      ともかく曲が立体的でビックリする。
                      しかも使っている手法は
                      我々がよく知っているリゲティやスペクトル楽派だし
                      トナールが適度に入っていて
                      そこに不自然にならない程度のマイクロトナール。
                      違和感がなくて、ものすごく耳に馴染む。

                      後半の Con brio になるとリズミックな要素が前面に出て来て
                      これも、ものすごく面白い。

                      録音あったら欲しいくらいだが
                      しかし、これだけ立体感のある曲は
                      録音にすると平面的になっちゃうかもしれないなぁ・・・

                      作曲家も会場に来ていて
                      盛大な拍手を浴びていた。
                      (現代作曲家でのこの喝采は珍しい)

                      続いてのベートーベンの交響曲5番には

                      度肝を抜かれた!!!!!!

                      ええええええええっ!!!!
                      これ、ありですかっ!!!!!!!

                      こういう手垢のついた名曲は
                      普通に演奏しても、誰も感心しないので(笑)
                      色々な指揮者とオーケストラが
                      色々と仕掛けをして来るのはよくわかるけれど

                      最初からものすごい超スピードで
                      フェルマータ完全無視。
                      更に、その後の19小節目からの3小節を
                      ・・・えっ?アッチェルランドしてる??? (O_O)

                      帰宅してからベーレンライターのスコアを見てみたら
                      ベートーベンは1817年に二分音符=108のメトロノーム表示をしている
                      との但し書きがあって

                      いや、二分音符=108は絶対に無理だろうが
                      四分音符=108くらいの速さで演奏してるよ、このオーケストラ。

                      で、もっと面白いのが
                      普通はこの曲、最初のモチーフの タタタ・ターン というのが
                      繰り返し現われてテーマとして処理されている・・・と
                      少なくとも小学校だか中学校だかで習うのだが
                      ミルガ・グラジニーテ=ティーラは
                      このタタタ・ターンを中心に持って来ないのである。

                      木管に時々現れるメロディ・ラインを全面的に強調して
                      (普通はタタタ・ターンに気を取られて聴衆は聴いていない)
                      その上に耳にもつかぬ速さで演奏されるタタタ・ターン。

                      木管のメロディ・ラインが
                      太い電線のように曲に通っていて
                      その上を、タタタ・ターンという
                      小さな閃光を伴う爆発が(小だったり大だったり)続いている感じ。

                      だから聴いていると、かなり不安定である。
                      アンサンブルは揃っているのだろうが
                      多少とっちらかった感じで
                      普段のベートーベンに見えて(聴こえて)来る
                      曲の構築が見えて来ない(メロディ・ラインがメインだから)
                      よって、音響そのものも、整理がついていない感じで
                      バランスが悪く、音の粗い印象が目立って透明感がない。

                      ・・・というより、これ、そういうのが
                      指揮者の意図なのかもしれない。

                      この第1楽章で度肝を抜かれてしまい
                      第2楽章以降の印象が残ってない(こらっ!)

                      全曲を通じて扱われるタタタ・ターンが
                      曲の後ろにこっそり隠れて
                      (時々、俺、ここに居るぞ!と顔を出す)
                      普段、後ろに引っ込んでいるメロディが前に出てきた感じ。

                      奇妙なベートーベンは数多く聴いて来たけれど
                      ミルガ・グラジニーテ=ティーラのこのベートーベン
                      今までの奇妙さの中でも、1、2を争うんじゃないかなぁ。

                      古典曲の解釈って
                      昨今、いったいどこまで行ってしまうんだろう???

                      良い悪いというのはカント的に言えば好みの問題なので
                      これを好きというか嫌いと言うか、人によって極端に分かれそう。
                      ワタクシ的には、もう1回くらい聴いてみたいな、と思わせる。
                      まだ消化できていない感じがするのだが
                      あれを消化しちゃったら
                      人生観が変わるような気がしないでもない。

                      アンコールにこれまたものすごく面白い曲を持って来て
                      (現代音楽っぽいけど民謡の要素がむちゃ入ってる)
                      指揮台の上で、まるで鞠のように跳ねるわ踊るわ
                      すごいリズム感の持ち主だわ、この人。

                      オーケストラのメンバーを褒め称えるのに
                      オーケストラの真ん中に跳ね回って入って
                      破顔したくしゃくしゃの笑顔で
                      長い腕をリズミカルに振り回すのがチャーミング。

                      チャーミングだけじゃ生きて行けない世界で
                      これだけの実力があったら
                      これから、どんどん出てくるだろう。

                      古典曲のこの人の解釈も
                      もっと聴いてみたいし
                      現代曲の時のオーケストラの扱いが見事だったので
                      そういう作品も聴いてみたい、と思わせる
                      実力派のチャーミングな指揮者。

                      次から次に若い才能が世に出て来て
                      まぁ、この人たちが巨匠と呼ばれる歳までは生きていないけれど
                      これから、活躍していくに連れ
                      どういう音楽的ビックリを提供してくれるのか
                      考えるだけでワクワクして来る私に
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