サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団 + パッパーノ

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年5月16日 19時30分〜21時50分

    Orchestra dell’Accademia Nazionale di Santa Cecilia - Roma
    バイオリン Lisa Batiashvili
    指揮 Sir Antonio Pappano

    Modest Mussorgski (1839-1881)
     Ivanova noch’na Lïsoy gore „Eine Nacht auf dem kahlen Berge“ (1867)
    Béla Bartók (1881-1945)
     Konzert für Violine und Orchester Nr. 1 Sz 36 (1907/08)
    Nikolai Rimski-Korsakow (1844-1908)
     Scheherazade. Suite symphonique op. 35 (1888)

    パッパーノとサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の客演2日目。
    プログラムが地味?なのか
    天井桟敷の貧民席の前の方に、結構な空き席が目立つ。
    (後ろの超貧民席はクラオタで満杯だが(笑))
    ベルがなってオーケストラが入り始めると
    大規模な民族移動が起こるのは、どこでも同じ。

    ムソルグスキーの「禿げ山の夜」は
    ・・・まぁ、そんな感じか。
    もともと元気なオーケストラだし・・・

    バルトークは、ちらっとプログラムを見た時に
    オーケストラのための協奏曲かと見間違えたのだが
    バイオリン協奏曲1番だった。

    プログラムの記述によれば
    バルトークが恋に浮かれて作曲し
    完成したら失恋して、引き出しの中に仕舞い込んで
    死後かなり経った1958年に出版したものらしい。

    恋??????
    どこが???????

    美しいメロディ・ラインの曲なのだが
    恋の情熱とか、何にも感じませんが。
    これで恋していた状態、というのなら
    バルトークとはお友達にはなれない(偏見)

    バティアシュヴィリは、いつもの通り
    美女でスタイル良くて
    ゴールド・ベージュのロング・ドレスも上品で
    見た目を言ったらイケナイらしいが
    しかし昨今、バイオリニストというのは
    舞台の見た目が美しいと
    プロモーションがし易いのではないか、と
    つくづく思うわ。

    バイオリンの音は透明で
    低音の力強さもなかなかなのだが
    何せ、どう考えても「恋」になっていない曲で

    「恋」どころか、徹底的に根暗な曲だし
    たぶん初めて聴く曲なので、何も言えない。

    アンコールやるかな?と観客がずっと拍手していたら
    ドボルジャークの交響曲9番、第2楽章。
    ご存知「家路」なんだけど
    そのイングリッシュ・ホルンをバイオリン・ソロで演奏。

    いいのか、これ。
    オーケストラのオーボエ奏者にケンカ売ってる
    ・・・ワケじゃないよね?!

    意外や意外に、バイオリンの音が哀愁を帯びて
    ニュアンスも深く
    そうか、これ、イングリッシュ・ホルンじゃなくて
    バイオリンでもイケそうじゃない、と思った事は秘密(言ってるけど)

    前半終わって、割に地味だなぁ、と言う感想は
    周囲の年配のおばちゃまたちが
    「もっと楽しいコンサートだと思ったのに」とか
    友人同士で呟いていた事からも正当化される(だろう、きっと)

    後半がリムスキー・コルサコフのシェヘラザード。

    シェヘラザード????

    前半、確かバイオリン協奏曲を演奏してたよね?
    それって、もしかしたら

    前半のソロのバイオリニストにケンカ売ってる??(邪推)

    ・・・・・たぶん、誰も何も考えていない(笑)

    このシェヘラザードが絶品だった!!!! ❤

    パッパーノの指揮って
    アインザッツが時々不明確で甘いので
    オーケストラの音楽も
    あまり、キリッとしたところはないのだが

    その分、音楽を語らせたら、こんなに雄弁な指揮者は珍しい。

    ちょっと偉そうな感じのコンサート・マスターは
    昨日、メガネを忘れて出て来た、という
    ちょっと(偉ぶっている割には)おっちょこちょい、というのはバレているが
    シェヘラザードのソロがむちゃくちゃ巧い。

    バイオリンの音色(良いバイオリン使ってるなぁ・・・)も
    その深いニュアンスも抜群で
    シェヘラザードが非常に人間臭い。
    でも、その人間キャラが、決して甘いだけではなくて
    自分の運命を受け入れて最善を尽くす誠実さとか
    聡明でありながら、時には女の子のように華奢になったり

    ええ、聴いてる方の妄想です、わかってます。
    でも、その妄想の起爆剤になるソロって
    滅多に聴けるものではないの。

    この曲、あちこちで木管や金管のソロが入るのだが
    そのソロのプレイヤーたちが

    「私、好きなように演奏するから
     指揮者は私の事はほっておいてね」
     (妄想ですが、意外に当たっているのではないかと・・・)

    で、またそのソロが見事に歌うんですよ。
    でしゃばりのイヤミはなくて
    本当に歌ってるの。
    しかも、むちゃくちゃ楽しそうに歌ってるの。

    大げさに演奏しているワケではないのに
    シェヘラザードの語る物語が目の前に浮かんでくる。
    勇壮な話や、プリンスとの恋物語が
    この上なくドラマチックに語られて
    いやもう、聴いていて楽しいのなんの。

    (ついつい余計な事を書いてしまうと
     この千夜一夜物語って、有名な話の他は
     と〜んでもないエロ話が多く
     すごくえっちなので
     若かりし頃の私は、岩波文庫で
     発行されている全巻をウハウハ悶えつつ読んだ事がある。
     今は完訳全13巻で出ているようだ。
     昔はもっと一冊が薄くて、もっと巻数が多かったような記憶。
     時々、駄作もあるけれど、ともかく面白いです)

    演奏時間45分くらいだったと思うが
    もう楽しくて楽しくて
    時間の経つのもあっという間で
    しかも、この「語り」が終わってしまうのが残念で
    もっと、もっと、聴いていたい、と思わせる演奏。

    パッパーノって徹底的にオペラの指揮者なんだろうなぁ。
    音楽を歌わせて、語らせて
    その美しさと情熱を観客に届けようとするタイプ。

    金管奏者が何人か舞台に登場したので
    あっ、これはアンコールを演奏するな・・・と待っていたら

    アミルカレ・ポンキエッリの「ラ・ジョコンダ」からのダンス音楽 \(^^)/

    わっはっはっはっは
    ウィーンの超コンサバな年配の聴衆にウケる曲を
    よくご存知で(笑)

    サービス精神バリバリの
    歌うオーケストラと指揮者
    ますますファンになってしまった私に
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    コンサート後に
    バティアシュヴィリとパッパーノのサイン会があったようだが
    パッパーノだけサインもらって
    バティアシュヴィリを無視するワケにもいかないので
    サイン会には参加せず、さっさと帰って来ました(笑)
    しかし、これだけビッグネームになっても
    サイン会やるのか、パッパーノは!!!(驚愕)←やっぱりサービス精神

    サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団 + パッパーノ

    0
      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年5月15日 19時30分〜21時

      Orchestra dell’Accademia Nazionale di Santa Cecilia - Roma
      指揮 Sir Antonio Pappano

      Gustav Mahler (1860-1911)
       Symphonie Nr. 6 a-moll (1903/04)

      このオーケストラもパッパーノも好きなんだけど
      この長いオーケストラの名称は
      正直、勘弁して欲しい(笑)

      2008年秋からのこのブログでも
      ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団と書いてあったり
      サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団と書いてあったりする。
      (↑自分が悪い事を人のせいにしようとする老害)

      2013年4月8日に、同じオーケストラと指揮者で
      同じ曲を、ただ、楽友協会で聴いた時に興奮ぶりは
      当時の記事でわかるし、記憶力ゼロなのに、いまだに記憶に鮮明だ。

      コンツェルトハウスでの演奏なので
      今回は音量にリミットを掛ける必要もない。
      もう、ガンガン演奏して下さい!!!(笑)

      オーケストラ登場でメンバーが揃った後に
      コンサート・マスターが出て来て挨拶する方式のオーケストラだが
      コンマス出て来て、お辞儀して、座ってから
      慌てて、また立って舞台裏に駆け込んだ。
      メガネを忘れたらしい。

      客席から失笑が出たけど
      なんか、そういう人間的なミスって
      ちょっと微笑ましくてチャーミング(笑)

      主観的な印象ではあるのだが
      このオーケストラ、音が明るい。

      出だしから
      とっても元気が良くて
      悲劇とか、暗い予兆とか
      そういう不吉なものはすべて取っ払い

      マーラーのこの交響曲で
      ほらほら、ワーグナーだ、ヴェルディだ、プッチーニもあるよ
      という(あくまでも主観です!)
      サービス精神溢れた
      ドラマチックなオペラを見せてもらった感じがする。

      金管の強調が激しく
      第1楽章でも、金管のモチーフが
      隠されているものが、すべて前に出てくる感じで
      その分、モチーフ的な統一性が聴こえて面白い。
      (ただ、もう、これでもか、これでもか、という繰り返しなので
       多少、しつこいというか、濃い、という感じはある)

      金管はガンガン鳴らすくせに
      カウベルの扱いが、全楽章を通して、とてもエレガント。
      あ〜、それ、オーストリア・アルプスじゃなくて
      やっぱりオペラの舞台のサンタンジェロ城とか・・・

      頭の中が、トスカと化してきたり
      マーラーの行進曲がアイーダの行進曲と重なったり
      これは独断と偏見に満ちた
      正しい鑑賞方法ではない、というのは
      理性ではわかるけれど
      いったん走り出した妄想は暴走するばかり。

      第2楽章の歌い方は
      まさにイターリアンで(だから偏見+妄想)
      甘いメロディのところの歌わせ方が
      ばっちりプッチーニになっている(だから偏見+妄想)

      コンツェルトハウスは、比較的、年配のクラオタが多いので
      今日はかなり客席が静かで
      第2楽章で、咳をこらえていたご年配の方々が
      咳したり、小声で喋ったりしていて
      会場がまだザワザワしているのに
      容赦なく指揮棒を振り下ろすパッパーノ。

      楽章間の時間をほとんど取らなくても
      演奏時間は90分だから
      あまりゆっくり幕間を取ると
      年配のお客さまがトイレに行きたくなるかも
      ・・・とパッパーノが考えていたかどうかは不明。

      全体のテンポも、比較的速めで押したんだけど
      まさか、オーケストラ・メンバーもトイレに行きたくなるだろう
      ・・・とパッパーノが考えていたかどうかは不明。

      元気の溢れる明るい音色のマーラーは
      時々、キッチュなくらい甘くなる
      美しいメロディの断片と共に
      どこが悲劇?という感じではあるのだが

      ただ、時々、ゾッとするような不安感とか
      突然、足もとに底のない穴があいたようなフレーズはあった。

      今の精神状態で
      暗くて恐ろしいマーラーの6番とか聴いちゃったら
      タイヘンな事になりそうなので(ならないか(笑))
      このローマのシンフォニー・オーケストラが
      勢いの良い(時々勢い良すぎてあれっ?というところも(笑))
      元気で明るいヴェルディ・プッチーニ風味のある演奏を
      (註 あくまでも主観的印象です!)
      コンツェルトハウスの大ホールで
      金管・木管、ハンマー含むパーカッションや
      腹の底に響いてくる低弦含めて
      目一杯の音量で演奏してくれたのは
      とても楽しかった。

      ハンマーはオルガン・バルコンに設置して
      最終楽章の2回の時だけ
      パーカッショニストが上に登り
      寸分違わぬ見事なタイミングで
      どしん!というハンマーの音を響かせたのは
      聴覚だけではなく、視覚的にも感激した。

      マーラーの6番を「楽しんで」は本来はイケナイのだろうが
      でも、それがオーケストラやパッパーノの持ち味で(主観)
      妄想を爆走させながら、90分を満喫した私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      5月とは思えないほどに気温が低く(最高気温10度以下)
      雨は降るし、寒いし暗い(涙)

      サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団とパッパーノは
      明日はムソルグスキー、バルトーク、リムスキー=コルサコフの名曲アワー。
      できれば、このオーケストラとパッパーノで
      レスピーギとか聴けたら、本当は最高なんだけど(笑)

      マリイインスキー管弦楽団 + ゲルギエフ

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        Musikverein Großer Saal 2019年5月14日 19時30分〜21時20分

        Mariinsky Orchester
        ソプラノ Anna Netrebko
        指揮 Valery Gergiev

        Giuseppe Verdi (1813-1901)
         Ouvertüre zur Oper „Nabucco“
         La luce langue. Arie der Lady Macbeth aus der Oper „Macbeth“
         Sinfonia aus der Oper „Aida“
         Ritorna vincitor! Arie der Aida aus der Oper „Aida“
         Triumphmarsch aus der Oper „Aida“

        *** Pause ***

        Giuseppe Verdi
         Ouvertüre zur Oper „La forza del destino“
         Pace, pace, mio Dio. Arie der Leonora aus der Oper „La forza del destino“

        Igor Strawinsky (1882-1971)
         Suite aus dem Ballett „Der Feuervogel“ (Fassung 1919)

        何故にマリイインスキー・オーケストラのコンサートが
        売り切れなのか謎だったのだが

        あ〜、アンナ・ネトレプコが歌うからか(納得)

        私はたまたま年間チクルスの一環で持っていたのだが
        一般発売の際のチケット代は、結構高かったらしい。

        ネトレプコ・ファンの方には夜道でグッサリ刺されるかもしれないが
        私がネトレプコすごい、と思ったのは
        記録が消えたので定かではないが
        2007年のオペラ座の「マノン」で
        ナマ足+黒のキャミソールで
        男性ならずとも鼻血ドバ、という演目だけで・・・
        (当時はスタイル抜群のキャピキャピ・ギャルだった)

        ネトレプコは相変わらず
        「世の中の女性で私が一番色っぽい」というオーラを放ちながら
        黒のレースのロング・ドレスで舞台に登場。

        マクベスのアリアは、低音が多いので
        もともと持っているロシア的な、暗い、太い声の低音が響いて
        いや、そりゃ、暗い曲だからそれで良いし
        声は出てる(もともと声量がスゴイから)けど
        別にこんな暗い曲、ソプラノらしからぬ暗い太い声で聞かんでも・・・

        アイーダはちょっと良くなって
        まぁ、声は出てる、というより、もともと声がデカイ。
        だいたいオペラ苦手なので
        更にそこからアリアをぶった切って歌われても
        どうもよくわからないのだが
        でも、だいたい、イタリア語には聞こえない(ような気がする)
        モニョモニョという言葉らしきものに
        ものすご〜〜く強い声がくっついてくる感じ。

        後半は「運命の力」からのアリア。
        しっかりドレスは変えて
        肩から腕、胸の谷間までバッチリ見える
        黒のラウンド・スカートのロング・ドレス。
        (花嫁さんが着るようなパニエ入りのドレスの黒いもの、という感じ)

        あれっ? 最初のハープ伴奏でのソロの高音、かなり上擦ってるけど・・・
        (ハープ奏者が一生懸命、これよ、これ、って
         音量を上げて聴かせるようにしていたようだが
         いや、歌手なんて、陶酔して歌っていたら聴きませんよ、伴奏なんて(笑))

        ただ、途中からは音程も合って(ほっ)
        ピアニッシモの高音を
        よくぞまぁ、息が続くものだと唖然とさせるほどに伸ばして
        大きな強靭な声でドラマチックに歌い上げた。

        ・・・全部で3曲、時間にして、約12分ほど(たぶん)
        それでホールを満杯にするんだから
        ネトレプコ人気もたいしたものだ。

        確かに魅力的な歌手ではあるんだよなぁ。
        多少お歳は召したし、スタイルもお変わりになられたが
        美人だし、チャーミングだし
        放つオーラの強さはまだまだ健在。

        さてしかし、ネトレプコ目当てで行った訳ではない私は
        合間に演奏されるヴェルディの序曲と間奏曲の見事さに
        実は唸っていた。

        このオーケストラ、こうやってオペラを演奏すると
        やっぱりオペラ付きのオーケストラだ、という事がよくわかる。
        その音が鳴るだけで
        オペラ座の木の香りというか
        これから楽しい楽しいオペラが始まる、というワクワク感とか

        交響曲とかほどに精密さを要求されない
        すごく良い意味での、ちょっとした緩さとか
        とても良い感じで音から聴こえて来て
        楽友協会がオペラ座と化している。

        ゲルギエフは爪楊枝を持って
        爪楊枝の動きは全く知覚できず
        周囲の指のブルブルがすごいけれど
        オーケストラは、まるで独自の生き物のように
        ブルブルでも間違いない音楽を繰り広げている。

        ロシアとは言え
        サンクト・ペテルブルクという
        ヨーロッパの文化を満喫しながら発展した
        洗練された貴族の味に
        オペラのオーケストラ曲が息づいて

        コンサート・マスターのソロなんて
        うああああ、こういうのが
        オペラにおけるコンサート・マスター・ソロなのよ、と
        ついつい、今のどこかの超有名なオーケストラの
        まだ公表されていないみたいだけど
        次のコンサート・マスター候補の
        オペラ座(バレエ)での硬いソロと比べてしまう。
        (すみません、そりゃ、他のコンマスがやれば
         こういう音になるんですが
         最近、あのオケも人員不足のようで・・・むにゃむにゃ)

        前半最後のアイーダの勝利の行進なんかも
        変にコンサートっぽい交響詩断片にならず
        あくまでもオペラの中の付随音楽というキャラクターに留まったのは
        もう見事としか言いようがない。

        さて、帝政ロシア風味の、とことん洗練されたヴェルディの後
        私が楽しみにしていたのは
        ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲。

        ヴェルディの後にストラヴィンスキーってプログラムの組み方
        オーケストラのメンバーから
        私たち、何でも完璧に演奏できますけど、それが何か?
        とか言われている感じだわ(笑)

        で、この「火の鳥」の素晴らしかった事と言ったら!!!!(感涙)
        もう、何て巧いオーケストラ!!!!!

        技術だけじゃなくて
        ロシアの色が存分にあって
        音のバランス、オーケストラの音色、リズム感
        木管のソロ(出しゃばらず、でも存在感バリバリ)

        最後の部分の前の、弦のトゥッティのピアニッシモの美しさに打たれて
        客席で悶絶していたのは私ですが
        全身、鳥肌たつような音色。
        もう、あんなに繊細で美しいピアニッシモ、初めて聴いた。
        (いつもザワザワの聴衆も息を呑んで静まり返っていた・・・)

        録音してスペクトグラムで倍音と周波数の分析をしたい
        ・・・と思うのが、本来は正しい大学生のあり方だろうが

        あんな美しい音響に全身浸かってしまったら
        理論だの学術だの音楽心理学だのは
        どこかにすっ飛んで行ってしまって

        ただ、ただ、客席で腰を抜かして、
        嬉々として恍惚の人と化すだけである。

        こんな素晴らしい「火の鳥」を演奏できるオーケストラ
        いったい、マリイインスキーとゲルギエフ以外、どこにある?
        さすがロシアの超一流オペラ座付きオーケストラ。
        (「火の鳥」だって、もともとはバレエだ!)

        マリイインスキーとゲルギエフは
        ありがたい事に比較的こちらでも聴く機会が多いのだが
        以前のグラーフェネックのチャイコフスキーのバレエも素晴らしかったし
        今回の「火の鳥」も唖然とするほどの素晴らしさだったし

        ゲルギエフの爪楊枝付きの指揮は
        私のシロウト目で見ても
        アインザッツが全然わからないのだが
        (音楽的に興奮するほど、指のブルブルが激しくなる)
        これだけの音をオーケストラから出せるというのは
        やっぱり凄いわ、と
        改めてゲルギエフのファンになった私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        ヘルシンキ・フィルハーモニー交響楽団 + マルッキ

        0
          Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月10日 19時30分〜21時50分

          Helsinki Philharmonic Orchestra
          バイオリン Pekka Kuusisto
          指揮 Susanna Mälkki

          Lotta Wennäkoski (*1970)
           Flounce (2017) EA

          Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
           Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 35 (1878)

          Jean Sibelius (1865-1957)
           Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 43 (1901-02)

          重なる時は重なるというか(笑)
          今週はシベリウス・ウィークとでも言う感じ。

          ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の
          オーケストラ・トラックがコンツェルトハウスの前にどん!
          ツィッターでは挙げたけれど
          まだ見ていない方のために出しておこう。



          上の周波数かな?と思うところが
          人の名前?作品の名前?
          フィンランド語なのでよくわからないけれど
          全部アルファベットになっている。

          最近、女性指揮者も増えては来ているが
          それでもまだ数は少ない。
          その中で、私はスサンナ・マルッキは非常に好きな指揮者の1人。
          (以前はよく現代音楽を振っていたので(笑))

          最初の曲はフィンランドの女性作曲家が
          ロンドンのプロムスのラスト・ナイトのために作曲した
          5分ほどの小曲だが

          現代音楽には珍しいリズミック(もちろん変拍子(笑))な
          軽快で、むちゃカッコいい曲で、景気良くてチャーミング。
          作曲家の意図とは違う受け取り方かもしれないけれど
          マルッキのキレの良い指揮の動きと合っていて
          すごく楽しい曲だった (^^)v

          チャイコフスキーのバイオリン協奏曲のソリストの
          ペッカ・クーシスト
          あ〜、黒のTシャツの上に黒のシャツを前をはだけて着て
          よれよれ(に見える)の黒のズボンで
          ブロンドの髪の毛がチョンマゲ・・・(絶句)

          本人の顔本のシンボルにもチョンマゲ髪になっているので
          ご興味ある方はどうぞ(笑)
          いや、驚いた。なんだかとてもフリーダムな人なのね?

          音が細めで、時々、あれっ?という部分があって
          不思議な解釈をするバイオリニストで
          しかも技術的にちょっと弱いのでは?と思っていたら

          演奏後に本人舞台の上から客席に向かって
          ものすごく通る美声で
          完璧な英語で
          ドイツ語できないので、フィンランド語より英語の方が
          みなさんには良いですよね?ってアナウンスを始めてしまい
          左腕の故障があった事を開示。
          (んな事、今、言われても・・・(笑))
          アンコールに弾いたフィンランドの民謡は秀抜。
          軽やかでリズミックで、ちょっと泥くさい部分も残してチャーミング。

          一見、どうみても不良中年にしか見えないのだが
          (列車にこの人が座っていたら、私は隣の席は避けるよ、きっと)
          アナウンスのユーモアに満ちた美しい英語に惚れたわ。

          後半がシベリウスの交響曲2番。
          よりによって、2日前に聴いたばかり(笑)
          コンツェルトハウスの方が音響的には良いんじゃないか、と
          密かに期待していたのだが

          あああああっ
          ホルンが魔の位置にある。
          (ギャラリーだけの現象かもしれないのだが
           舞台下手(しもて)の後ろにホルンが並ぶと
           ホルンの音が何故かものすごく大きく聴こえてくるのだ。
           よって在ウィーンのオーケストラは
           あの位置にホルンは絶対に置かない)

          マルッキの指揮はキレが良いだけに
          メロディよりも、もっとリズムが前面に出て来て
          時々、曲が飛び跳ねているような印象を残す。

          シベリウスの交響曲はこのオーケストラが
          ほとんど初演しているので
          その意味、地元の(ほとんど唯一の)大作曲家の作品という事で
          頑張って演奏しているのだが
          正直、技術的な面だけ言えば日フィルの方が・・・(以下省略)

          読者の皆さまは
          あ〜、またシロウトが的外れな事を言ってるわ、と思って下さい。

          聴き慣れているはずの交響曲なんだけどなぁ。
          シベリウスってナマでの演奏回数が少ないし
          (ちなみにコンツェルトハウスでは今まで17回演奏されたそうだ。
           たった17回ですよ?! 
           チャイコフスキーのバイオリン協奏曲は124回だ!)
          その意味で、どうしても録音で聴く回数の方が多いから
          ナマで聴いた時のバランスが
          耳逆らいしてしまうんだろうか。

          アンコールに、これまた予想通り
          シベリウスの「悲しきワルツ」(爆笑)

          まぁ、オーケストラ・マネージメントは
          他のホールのプログラムチェックとかまではしないだろう。
          そこまでマーケティングできるオーケストラは
          たぶん、私の知っている限りではない、と思う。
          (だってしょっちゅう同じ曲が同じ時期にぶつかるんだもん)

          珍しい体験ではあったけれど
          なかなか面白い体験でもあった(詳細省略(笑))

          マルッキのキレの良い明確な指揮が魅力的。
          また現代音楽を振りにウィーンにも来てくれないかなぁ、と
          密かに期待している私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。


          コレギウム1704 + ヴァツラフ・ルクス マタイ受難曲

          0
            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月7日 18時〜21時30分

            Collegium 1704
            Collegium Vocale 1704
            テノール(エファンゲリスト) Eric Stoklossa
            バス(イエズス)Jan Martiník
            指揮 Václav Luks

            Johann Sebastian Bach (1685-1750)
             Matthäuspassion BWV 244

            音楽ファンのこの時期の季節ものと言えば
            ワーグナーのパルジファルである事は重々承知だが
            オペラ座のパルジファルのチケットは
            超貧民の私には、高すぎて買えない(汗)

            この時期のもう一つの季節モノは
            言わずと知れたバッハの受難曲。
            その年によって、ヨハネだったりマタイだったりするけれど
            今年はマタイ受難曲をコンツェルトハウスで鑑賞する事にした。

            下らない話で有名だと思うんだけど
            受難曲はドイツ語で Passion と書くのだが
            ヨハネ受難曲を、ヨハネの情熱、と訳した人が、昔はいた。

            閑話休題。

            コレギウム1704というグループは私は初聴きだが
            プラハの古楽器オーケストラとコーラスで
            ドイツとも関係が強いらしい。
            (まぁ、1700年代って、プラハはドイツ語圏ではあったのだ)

            途中で会ったお達者倶楽部の大学の同僚が
            僕の若い頃は大編成オーケストラと大編成コーラスだったので
            古楽器オーケストラが楽しみ、と言っていたけれど

            オーケストラ35名+指揮者
            コーラス28名
            エファンゲリストとイエズス以外のソロは
            すべてコーラス・メンバーでカバーという
            バッハの初演時とほとんど変わりない人数での編成。

            コンツェルトハウスの大ホールだと
            聴き映えがしないんじゃないか、と思っていたら
            これがとんでもないアンサンブルだった。

            いやもう、巧いの ♡

            昔、楽友協会のコンツェントゥス・ムジクスと
            アーノンクールでのマタイ受難曲聴いた事があるけれど
            あの時のコンツェントゥス・ムジクスの
            不安定感(まぁ、それはそれで良かったんだけど)と違って
            古楽器なのに、ばっちり安定感があって
            大ホールなのに、澄んだ音できっちりと響く。
            各楽器のソロも抜群に巧い。

            そして、エファンゲリストのエリック・ストクロッサ(と読むのか
            それともシュトクロッサかしら)
            ドイツ語圏には珍しいハイテノール。
            時々、カウンター・テノールかと思わせる程の音色で
            高音のピアニッシモを歌わせると、背筋がゾクゾクする甘い声。

            以前聴いた、若い頃のミヒャエル・シャーデのような
            表現力の幅はないけれど
            実に甘いハイテノールで
            しかもドイツ語のディクションが非常に美しい。
            (もともとドレスデン聖十字架合唱団メンバー)

            語り手として最初から最後まで
            一点の乱れもなく
            どの音域も透明感のある甘いテノールで歌いきって
            過不足なく語ってくれて
            むちゃくちゃ魅力的。

            イエズス役のテノールも
            淡々と美しい声で、イエズスらしい威厳があって素晴らしい。

            普通はソリストを呼んでくる他の役
            アルトやバス、テノール、ユダやピラトゥス役は
            コーラスのメンバーが舞台の前に降りて来て歌うのだが
            これがまた、コーラス・メンバーとは思えない巧さ。

            ばっちりプロのメンバーのコーラスだから
            この人数でコンツェルトハウスで歌っても
            音量的にも音楽的にも、全く問題はないのか。

            コーラスの歌詞のドイツ語のクリアさは
            今一つだったけれど
            不満と言えばそれだけ。

            休憩1回含めて、3時間30分の
            密度の濃い時間。

            午前中にモダン・オーケストラの
            あまりに元気過ぎるベートーベンに
            ちょっと辟易していた耳には
            小編成の受難曲の、端正で淡々として
            なのに、深いところで深いエモーションが見え隠れする
            古楽器オーケストラの音色が心地良い。

            というより、バッハのマタイ受難曲って
            やっぱりスゴイ(まぁ、今更なんですが・・・f^_^;)
            旋律の美しさ、現代的なドラマツルギー
            複雑な和声の絡みに
            様々な楽器の特性を活かした、それぞれのソロ曲の伴奏。

            宗教曲は苦手なのだが
            (ミサ曲とか、どうしても好きになれない)
            こと受難曲に関しては
            プロテスタントのオペラ・・・としか私には思えない。
            (誤解があるのは承知です、ごめんなさい)

            イエス・キリストの受難の様を
            系列的に描いていくところがストーリーを追えて面白いし
            その間のピラトスやユダ、ユダヤ人の反応とかが
            音楽的に(すごいドラマチック!)描かれると同時に
            プロテスタントらしいコラールが
            美しくその間に響いて来て
            もう胸が一杯になってしまう。
            (私はキリスト教信者ではございません。念の為。
             ただし基本的に多神教(節操がない、とも言う)なので
             キリストもありかとは思っている)

            バッハの凄さというのは
            本当に音楽的に、しっかり研究した人でないと
            わからないのだろうが

            音楽ド・シロートの私でも
            感激しちゃうくらいで
            だいたい、1729年初演って
            今から300年近く前の
            平賀源内とかが生まれた頃の曲に
            全く時代の違う我々が感激できちゃうというのもスゴイ。

            楽友協会でのマタイ受難曲は
            4月9日火曜日にヴィーナー・アカデミーとハーゼルベックで演奏される。
            (17時45分からの曲目解説は私が尊敬する教授が担当する・・・)
            けれど、この日は実は他の予定が入っていて・・・(汗)

            季節モノなので、1回聴いたら来年までナシという位が
            ちょうど良いと思う(言い訳)

            何だか自分でも思いがけない程感激して
            涙と鼻水が途中で出て来て
            バッグからティッシュ・ペーパーを取り出すタイミングに
            えらく苦労した私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            コンツェルトハウスって
            超貧民席だと、このクラスのパーフォーマンスが
            20ユーロ以下で聴けちゃうというのもありがたい。
            (天井桟敷は音響抜群で、席を選べば舞台もある程度は見える)

            ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 + ゲルギエフ

            0
              Musikverein Großer Saal 2019年3月31日 19時30分〜21時40分

              Münchner Philharmoniker
              指揮 Valery Gergiev

              Wolfgang Rihm (*1952)
               „Transitus III“ für Orchester (Österreichische Erstaufführung)
              Anton Bruckner (1824-1896)
               Symphonie Nr. 4 Es-Dur, „Romantische“ Fassung 1877-1880

              夜はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とゲルギエフの
              2回目のコンサート。

              昨日のコンサートは売り切れだったのに
              今日のコンサート、何故にこんなに空席が????

              クラヲタのウィーンっ子にしてみたら
              現代音楽のリームは聴きたくないし
              (だいたい年配は一部を除いて現代音楽はキライである)
              おらが国のブルックナーを
              近いとはいえ、バイエルンのオーケストラが
              ロシアの指揮者と演奏するなんて・・・・・って言う事かしら(憶測)

              さてヴォルフガング・リームの新曲は
              ミュンヘン・フィルの委嘱作品で
              ついこの間3月22日にミュンヘンのガイスタイクのホールで
              同じメンバーで初演されたばかりの出来立てホヤホヤの曲。

              プログラムには
              いつもプログラムを(小難しく書く)クローネス氏が
              張り切って7ページにわたって曲目解説を書いている。

              舞台見えないからわからないけれど
              解説によれば、木管とトランペット、トロンボーンにパーカッションは
              通常のオーケストラの3倍の人数で
              ホルンは4本、バスチューバ、ハープ
              弦楽器の奏者の数も多くなっているらしい。
              (舞台見えないから、本当のところは不明)

              その後に作品解説が3ページ
              まるでトーンザッツの授業のような
              専門用語をずらずら並べて続くんだけど
              読んでもわからない(自爆)

              ともかくこの耳で聴くしかない。

              大規模オーケストラとは思えない
              比較的薄い音響構築で
              出だしだけ聴くと
              なんかちょっとブーレーズの初期作品みたい。

              でも、音楽がどんどん発展して行く。
              発展して行くのだが
              音響そのもののスリム感はそのまま保持されていて
              しつこさがない。

              2度、トリトノスの4度、7度などの不協和音の中に
              ちゃんと協和音も入って来て
              複雑な和声の構成なのに
              ちゃんと「音楽」に聴こえてくる。

              しかもダイナミックやテンポの変化が絶妙で
              現代音楽にありがちな
              冷たいまでの素っ気なさというのがなくて
              微妙に感情の琴線に触れてくるのだ。

              つたない言葉で無理やり表現しようとすれば
              「有機的」というのがピッタリ来る。
              音楽が生きて蠢めいている感じがする。

              リーム面白いじゃん!
              いや、以前からリーム時々聴いていたけれど
              やっぱりすごい作曲家だと思う。
              30分弱の1楽章構成の曲だけど
              聴き惚れている間にあっと言う間に時間が経った印象。

              後半はブルックナーの4番。
              ブルックナーの交響曲の中では
              最も演奏頻度が高い。

              最初のソロのホルンが
              ものすご〜いピアニッシモで出て来て
              あまりのピアニッシモに音が擦れて
              (裏返った訳ではない)
              ちょっとギョッとして

              こんな感じなら
              おらが村のブルックナー先生は
              やっぱりオーストリアのオーケストラの方が良いじゃないの
              ・・・とか不遜な事を考えつつ聴いていたら

              指揮者もオーケストラも見えないんだけど
              第1楽章で、結構、内声がズレるところがあって
              時々、気持ち悪い・・・

              ゲルギエフの爪楊枝+指と腕ブルブル指揮からは
              どうみても
              出だしはオーケストラ・メンバーの自主性を最大限に尊重します
              って感じで

              自主性を尊重されてもオーケストラは困るだけだろうが
              そこらへん、一流オーケストラは
              そうか、任せてくれるのか
              では、各自で勝手にやってしまおう

              ・・・と思うかどうかはシロウトの私にはわからないが

              第1楽章の後半からズレは全くなくなって
              最後のフォルティッシモのホルンのソロなんか
              も〜、聴き惚れちゃったわ。

              曲が進むにつれ
              ブルックナーの場合は
              演奏している方も、聴いている方も
              だんだん、神がかってくるのだが(笑)

              ゲルギエフ、ロシア的なウエットさも充分に残しつつ
              持ち前のドラマツルギーでブルックナーを構築して来るので
              まるで絵巻物を見ているような気分になってくる。

              バイエルン王家とハプスブルクは親戚だから
              (関係ないか・・・)
              文化的にも近いのもあるかもしれないけれど
              如何にもドイツのオーケストラ
              でも、オーストリアに近いバイエルンなので
              北ドイツのような四角四面のマジメさが先に立つ事もなく
              ちょっと緩い感じのところが
              ブルックナーのオーケストラの和声にピッタリあって

              ブルックナーの4番って
              やっぱり、やっぱり、やっぱり
              ワーグナーだわ・・・じゃなかった
              劇的で神々しくて、でもドラマチック。

              ゲルギエフって、どういう指揮者なんだか
              今ひとつ掴めないところもあるんだけど
              ともかく音楽をオーケストラで語らせたら
              自然に嫌味なくドラマチックにしちゃう人なのね。

              ジモッティが少なかったので
              楽章間拍手とかあるかと思っていたら
              第1楽章の後に1人だけ1回叩いた人がいただけで
              その後は、客席も比較的静かに
              (咳は時々入ったし、私の超貧民席エリアでは
               演奏中に席から立って前に行ったり、席に戻ったりの人はいたけれど)
              全員が集中して、クライマックスまで一気という感じ。

              終わった後の拍手も
              ちゃんと指揮者が力を抜くまでみんな待っていた。
              というより、聴衆全員が
              天国に飛んでいたかもしれない(笑)

              少なくとも、私は天国に飛びました。
              この世ならぬ美しい楽園で
              筋肉隆々の天使と戯れていたような気がする。
              (どういう妄想?!)

              いや〜、ぐったり疲れていたけれど
              このコンサート、来て良かった ♡

              週末、宿題もせず
              遊びまくった私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              今日は天気が良くて太陽燦々で暑いくらいで
              日中の気持ちの良さと行ったら、これも天国でした (^^)v

              ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 + ゲルギエフ

              0
                Musikverein Großer Saal 2019年3月30日 19時30分〜21時40分

                Münchner Philharmoniker
                指揮 Valery Gergiev
                ピアノ Rudolf Buchbinder

                Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                 Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 b-Moll, op. 23
                Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
                 Symphonie Nr. 5, op. 47

                ベートーベンの交響曲の後は
                ゲルギエフ率いるミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団で
                ロシアの名曲アワー(笑)

                チャイコフスキーの超有名なピアノ協奏曲に
                ショスタコーヴィッチの超有名な5番という
                超弩級な組み合わせ。もちろんチケットは完売。

                チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番。
                ピアノはルドルフ・ブフビンダー。
                もう70歳を過ぎていらっしゃるはずだが
                強靭でクリアなピアノのタッチには全く衰えがない。

                オーケストラは容赦なく鳴らしてくるのに
                そこに埋もれず
                ピアノの蓋と反対側の私の超貧民席にも
                強い明確なタッチが響いて来る。

                男性的・・・というと、昨今のジェンダー・スタディからは
                一斉にブーが出そうだが
                豪快で雄大で、マッチョなのに質実剛健。

                チャイコフスキーの音楽って
                時々、ズブズブに感傷的でロマンチックになるのに
                そのロマンチックを飲み込むほどの明晰さ。

                なのに、冷徹にはならず
                清濁併せ呑むという感じのスケールの大きさで
                感情に溺れず、なのに、しっかりエモーションはある。

                ピアニストとして長いキャリアを持って
                ある程度の年齢にならんと、あれは無理だろう。
                浄化されたエモーションの純粋な形、みたいな香りがする。

                良い意味での男の色気というか(穿ち過ぎ?)
                いや、私がババアになったので
                70歳過ぎの人に魅力を感じるから・・・かもしれない(ウソ)

                後半はショスタコーヴィッチの交響曲5番。
                イメージとしては
                共産主義バンザイ、スターリン・バンザイ的な曲に思われがち。
                たしかに、あの問題作、ムチェンスク郡のマクベス夫人の後に
                この交響曲で救われた、というイワク付きの曲だけど

                ゲルギエフのこの交響曲へのアプローチって
                まぁ、見事・・・
                こういうのって、ロシア人しか出来ないかも、と
                ついつい思ってしまう。

                相変わらず指をブルブルと震わせて
                右手の人差し指と親指の間には爪楊枝様のものは見えるけれど
                それ以外の中指・薬指・小指は絶えず震わせていて
                加えて左手は全部の指が絶え間なく震えているという
                常人には真似できない指揮法(イヤミは言ってません)

                この5番という交響曲
                勇壮に元気良く
                ひたすら共産主義バンザイでも演奏できてしまうと思うのだが
                ゲルギエフは、この曲を、とことん歌わせる。

                爆発するべきところで、無駄に爆発しない。
                感情的ではあるのに、抑えた感情を、ひたすら溜めて
                普通だったら、フォルティッシモの部分で爆発させるのに

                ゲルギエフの爆発は
                耐えきれずに「泣き叫ぶ」のである。

                慟哭、という単語が最も当てはまると思う。
                時々、むずがった赤ちゃんかも、と思えるほどに
                心の深いところから
                抑えきれずに出てきてしまう
                あの、言語に出来ない「やり切れなさ」の焦燥感。

                やり切れなさの焦燥感は
                バイオリンがユニソノで力一杯慟哭しても
                その後のカタルシスはない。

                一見(一聴?)元気で勇壮な曲なのだが
                そのカラ元気の後ろに、恐ろしい程の闇がある。

                個人として何もできない、厚く、大きな壁を
                叩いても、打ち破ろうとしても不可能で
                喚き、泣き叫び、そして諦められないままに
                また仮面に戻って、あくまでも元気さを装うという
                なんだかもう、聴いていて、やるせない。

                第3楽章の、あの慟哭の後の美しいメロディは
                本来なら天国なのだろうが
                天国と見せかけた地獄なのかもしれない。
                ゲルギエフとミュンヘン・フィルのこの第3楽章、
                稀に見る(聴く)名演だったと思う。

                私も感極まって悶絶していたが
                いつも見かけるモグリのお姉ちゃんなんか
                前で立って泣いてたもんなぁ・・・
                (コンタクト・レンズにゴミが入っただけという可能性もあるが)

                この曲、実は私にとっては謎の曲で
                マイケル・ティルソン=トーマスが
                キーピング・スコアのシリーズで
                この曲の終わり、長調で押して来て
                でも、最後の終わり方に何か感じませんか?という
                問題提起をしているのだが

                確かに、短調で演奏されて来て
                最後に長調に転調するものの

                最後の和音って・・・実質的には一音だけなんですよ。
                最後の転調でニ長調に持って来て
                盛り上げて盛り上げて・・・と思うと
                最後の最後で、ものすご〜〜〜い肩すかしを喰らう。

                その辺を別に深く考えずに
                盛り上げて盛り上げてスターリン万歳で終わる演奏も多いし
                それはそれで、元気な5番の側面を出しているので
                まぁ、そういうものか、とも思うけれど。

                ショスタコーヴィッチの曲は
                基本的には、嘆いて悲しんで、泣き喚いて諦めてという
                割に典型的ロシアの
                ウエットで、果てしなく嘆き悲しむタイプの曲が多いと思う。

                本当は嘆いて嘆いて、また泣いて、という曲ばかり
                作曲したかったんじゃないかと思うのだが(偏見です)
                スターリンのせいで
                時々は勇壮な曲を書かないと
                自分も逮捕される、という不安があったんじゃないですかね。

                まぁ、恣意的な推測に過ぎないけれど
                ゲルギエフのこの「勇壮な」5番の演奏を聴いていると
                全く「勇壮」ではなく
                めそめそ嘆き悲しんで
                焦燥感に手足をバタバタさせて泣き喚いている面が
                非常に強く聴いている方に伝わってくる。

                しかしまぁ、あのブルブル指揮法で
                よくオーケストラがアインザッツを理解する事ができるものだ。
                というか、アインザッツなんかほとんど見えないじゃん。

                ほんの少しのズレはあったにせよ
                あのブルブルでアンサンブルをピッタリ揃えたミュンヘン・フィルって
                実に優秀である。
                (フルート首席、むちゃ巧かった。あの長い息は常人じゃないわ)

                ゲルギエフだと、ついついマリイインスキー・オーケストラと思ってしまうが
                本日はミュンヘン・フィルだったので
                泥臭さがなく、温かみのある洗練されたオーケストラの音だった。
                (まぁ、実は時々マリイインスキー的に響いた部分もあったけど(笑))

                明日のゲルギエフとミュンヘン交響楽団は
                リームのオーストリア初演曲とブルックナー。
                また楽しませてもらおう (^^)v

                コンツェルトハウスも楽友協会も
                来シーズンのプログラムが発表になって
                できれば(金があれば(笑))全部買い占めたいという
                欲望と戦いつつ
                銀行口座の残金を見てため息をつく私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                フランス国立管弦楽団 + アラン・アルティノグル

                0
                  Musikverein Großer Saal 2019年3月27日 19時30分〜21時40分

                  Orchestre National de France
                  指揮 Alain Altinoglu
                  ピアノ Katia Labèque, Marielle Labèque

                  Pascal Dusapin (*1955)
                   Uncut. Solo Nr. 7 für Orchester

                  Max Bruch (1838-1920)
                   Konzert für zwei Klaviere und Orchester, op. 88a

                  George Bizet (1838-1875)
                   L’Arlésienne. Suite Nr. 2
                    1. Pastrale. Andante sostenuto assai - Andantino
                    2. Intermezzo. Andante moderato
                    3. Menuett. Andantino quasi allegretto
                    4. Farandole. Allegro deciso - Allegro vivo e deciso

                  Albert Roussel (1869-1937)
                   Bacchus et Ariane. Suite Nr. 2 aus der Ballettmusik op. 43

                  またもや遅れ遅れの印象記アップでごめんなさい。
                  (アップ時間は変えてあるけれど、もう3日くらい過ぎてる・・・(汗))

                  フランス国立管弦楽団とアラン・アルティノグルのコンサートは
                  前日の3月26日はレヴィットのピアノでベートーベンのピアノ協奏曲4番。
                  ラヴェルのマ・メール・ロワに、ストラヴィンスキーの火の鳥組曲。

                  で、今日27日のプログラムが
                  パスカル・デュサパン、マックス・ブルッフ、ビゼーに
                  アルベール・ルセールって
                  ・・・通好みとも言えようが、前日に比べると、あまりに地味(絶句)

                  当然、ベートーベン・ラヴェル・ストラヴィンスキーには負けて
                  会場の空席もそこそこあるし、立見席もそんなに混んでいない。
                  貧民席はカジュアルな観光客の写真スポットと化す。

                  パスカル・デュサパンの曲は、それ程長くはないが
                  それなりに面白かった。
                  (聴きながら色々と考えたと思うのだが、3日経つと覚えていない)

                  マックス・ブルッフの2台のピアノのための協奏曲は
                  ラベック姉妹登場。
                  2人とも黒のレースのドレスで
                  色っぽい・・・のだろうか、何だか魔女みたい(すみません)

                  だいたいピアノ2台の協奏曲って
                  たぶん、音楽史上、そんなにレパートリーがないんじゃないか。
                  マックス・ブルッフはこの曲はオルガン用に作曲したらしいのだが
                  アメリカに帰るピアニストのために、ピアノ2台に編曲したらしい。
                  (プログラムに書いてあったけれどうろ覚え)

                  ・・・ごめんなさい、退屈です(涙)
                  そりゃ、超一流オーケストラで才能ある新進指揮者(もう中堅か)が
                  世界的に有名なピアノのデュオと演奏しているのだから
                  演奏が悪いはずはないのだが

                  マックス・ブルッフって
                  バイオリン協奏曲は時々演奏されるけれど
                  他の曲って、あまり聴かないし
                  マジメな、如何にもドイツ人、ドイツ音楽
                  伝統的作曲技法バンザイという感じで(偏見です)
                  古臭いと言うイメージが拭いきれない。

                  アンコール1曲、これはまだサイトには記載されていない。

                  休憩時間に何人が帰った人も居る。
                  (楽友協会一応見て写真撮ったから気が済んだ人たちかも)

                  幕間の後の最初が
                  唯一「有名」なビゼーの「アルルの女」
                  この曲、こちらのコンサートでは滅多に聴かないのだが
                  私の小学校だか中学校だかの音楽の授業で
                  必ず鑑賞させられた曲で(何故、この選択なのか謎である)
                  子供の頃から親しんでいるのに加えて

                  バレエで「アルルの女」っていうのがあるの!
                  (ローラン・プティ振付で2012年〜14年の間に10回観た!)
                  よって、この音楽を聴くと
                  キリルのフレデリとか、マーシャのヴィヴェットの
                  自動的な脳内再生が開始されるのである。

                  このフランス国立管弦楽団の音って面白い。
                  もちろん、会場も違うし席も違うので
                  ホールの音響の影響が充分ある事は承知の上で
                  私が偏見として持っている
                  いわゆる、ゆるふわの「おフランスの音」ではなくて
                  もっと鋭い、輪郭のはっきりした
                  インターナショナルな明るい音色を持っている(ような気がする)

                  でも、時々、フォルティッシモのところで
                  フッと一瞬、おフランスの香りが出てくるところもあって
                  なかなか油断がならないオーケストラではある(笑)

                  最後がルセールなんですけどね。
                  プログラムの組み方にちょっと文句つけたい。
                  ルセールの音楽って
                  まぁ、ちょっと現代的な不思議な和声はあったとしても
                  やっぱり伝統的な音楽で
                  しかも、ルセールの音楽って
                  本当に本当に本当にウィーンでは滅多に演奏されない。

                  だから、幕間の後、最初にルセールやって
                  最後にビゼーやったら、割に聴衆もノッたと思うんですけどね。

                  それは主催者の意向とか指揮者の芸術的意図があるのだろうから
                  まぁ、良いんですけど・・・(ぶちぶち)

                  ただ、アルティノグルは最後に
                  舞台から観客に向かって大きな声でユーモア交えてのスピーチ。
                  バレエ音楽を演奏したので
                  アンコールにやっぱりバレエ音楽、でもフランスじゃなくて
                  ロシアの作曲家の曲を演奏します。

                  アンコール「火の鳥」でした(笑)
                  前日にコンサートで演奏してるじゃん。
                  使い回しですか。

                  と思って、前日の26日のアンコール見たら
                  ビゼーのアルルの女のファランドールだった(爆笑)

                  見事な使い回しで非常にエコ(指揮者にもオーケストラにも)
                  これは、なかなかクレバーである(本気)

                  早く感想を書いておかないと
                  時間とともに新鮮な記憶が遠ざかって行くのだが
                  今学期は火曜日・水曜日・木曜日の3日が
                  うわああああ、と悲鳴をあげたい程に
                  それぞれ「頭を使う」授業なのである。
                  (今まで使ってなかったかと言われればそれも戸惑うけど)

                  いや、すみません、ここで愚痴ってどうする?
                  好きでやっているのに・・・ ^^;

                  という訳でやっと書きました。
                  これから、28日・29日の分もまとめて書くぞ、と
                  堅く決心している私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  バイエルン放送交響楽団 + マリス・ヤンソンス

                  0
                    Musikverein Großer Saal 2019年3月18日 19時30分〜21時50分

                    Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
                    指揮 Maris Jansons
                    オルガン Iveta Apkalna

                    Hector Berlioz (1803-1869)
                     Le Carneval Romain. Ouvertüre, op. 9

                    Fancis Poulenc (1899-1963)
                     Konzert für Orgel, Streichorchester und Pauken g-Moll

                    Camille Saint-Saëns (1835-1921)
                     Symphonie Nr. 3 c-Moll, op. 78, „Orgelsymphonie“

                    正直に告白してしまうと
                    今回のコンサートのお目当ては
                    後半のサンサーンスのオルガン交響曲で
                    実はそれ以外はどうでも良い(すみません)

                    ただ、プーランクのオルガン協奏曲の後の
                    アンコールのソロが素晴らしかった(感涙)
                    オルガンって、ああいう残響たっぷりのホールで聴くと
                    天から、何か荘厳でとんでもなく美しいものが降ってくる気分になって
                    神々しくも有難い気分になる。

                    さてサンサーンスの交響曲第3番。
                    楽友協会のオルガンの修築が終わった時には
                    よく演奏されていたのに
                    最近、またもや無視されていた曲なので
                    ワタシは嬉しい 😂

                    バイエルン放送交響楽団の音は
                    輪郭がはっきりしていて力強く
                    やっぱりドイツのオーケストラだね(笑)
                    もっとも、サンサーンスとかフランクは
                    当時のフランスの作曲家としては
                    比較的、ドイツの伝統的交響曲に近いので違和感はない。

                    久し振りにナマで聴くサンサーンスの素晴らしい事・・・
                    最初の不安を煽るような細かいメロデイの後に
                    オルガンが入ってくるところで、空気が変わる。

                    第1楽章の後半部分のテンポは、溜めて溜めて
                    ものすごくゆっくりのテンポだったのだが
                    フレーズが長く続いて、一瞬たりとも緩む事がない。

                    聴いていて思ったのだが
                    ヤンソンスはフレーズの歌わせ方が絶妙なのだと思う。
                    パートがクリアで正確で、すべてがはっきりしているのもあるけれど
                    それ以上に、全体的な音楽の流れを、最初からしっかり構築してあって
                    全曲を演奏する中での各フレーズのバランス
                    フレーズの有機的繋がりを、分断する事なく演奏していく。

                    だから全体的に非常に「音楽的」に聴こえる。
                    あくまでも「音楽」であって
                    分析でも技術の自慢でもない。

                    聴いている方としては
                    歌うフレーズがそのまま直接感情を鷲掴みにするので
                    毒されたワタシ(笑)も、そのまま「音楽」という「船」にゆらゆら揺られて
                    指揮者とオーケストラの赴くところに
                    そのまま付いて行きますって感じ。
                    何も考えずに、音楽の流れに身を任せてしまって大丈夫だよ
                    って言われているような気分になる。

                    これって、ある意味、肉体的な快感に限りなく近い。
                    (まぁ、精神的な快感ではあるのだが)
                    音楽って、こういうものだったっけ、と
                    なんだか久し振りに素直に堪能した感じ。

                    アンコールでボッケリーニのメヌエット(笑)
                    さすがに、客席から騒めきが出た(まぁ、まさか、の騒めきではある)
                    これもまた、フレージングの巧さで魅了する。

                    なんと、その後に、もう1曲。
                    民俗音楽的に聴こえるゴキゲンな曲で
                    各楽器の名人芸ソロが次から次に出てくる。
                    これ、どこかで聴いた事があるんだけど
                    バイエルン放送交響楽団のアンコール・レパートリーだったっけ?
                    後で楽友協会のサイトに記載されたら調べてみよう。

                    ヤンソンス、最後の方は、かなり顔が真っ白だったけれど
                    大丈夫なのかしら・・・(余計な心配)

                    バイエルン放送交響楽団も巧いオーケストラだわ。
                    音が外向きというか、明るい感じがして
                    ドイツのオーケストラではあるのだけれど
                    比較的陽気な音がするのは、バイエルンだから、という私の偏見のせいかも(笑)

                    やっとサンサーンスのオルガン交響曲を
                    久し振りにナマで聴けて、本当に嬉しい。
                    楽友協会もコンツェルトハウスもオルガンがあるのだから
                    この曲、もっと演奏して欲しいわ。
                    ついでにフランクの交響曲も宜しく(笑)

                    最近はやっとそうでもなくなって来たものの
                    ウィーンではフランス音楽はなかなか演奏されないのが
                    ちょっと寂しい私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    エーテボリ管弦楽団 + サントゥ=マティアス・ロウヴァリ

                    0
                      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年2月26日 19時30分〜21時50分

                      Göteborger Symphoniker
                      マルチパーカッション Martin Grubinger
                      指揮 Santtu-Matias Rouvali

                      Andrea Tarrodi (*1981)
                       Liguria (2012)
                      Kalevi Aho (*1949)
                       Sieidi. Konzert für Schlagzeug und Orcheter (2010)
                      Jean Sibelis (1865-1957)
                       Symphonie Nr. 5 Es-Dur op. 82 (1915-19)

                      さてこのオーケストラ、どういう名称なのか
                      サイトを当たってみると
                      エーテボリ交響楽団、イェーテボリ交響楽団、ヨーテボリ交響楽団
                      ウィキの都市名の記載はヨーテボリ、イェーテボリ、イエテボリ、エーテボリ

                      ・・・あ〜、もう知らん(やけっぱち)
                      今までヨーテボリと書いて来たのだが
                      大勢はエーテボリになったようなので、エーテボリ管弦楽団と書く。

                      さて、このエーテボリ管弦楽団
                      2007年〜12年にドゥダメルを首席指揮者にした後
                      2017年からは、当年33歳のフィンランド出身の指揮者
                      サントゥ=マティアス・ロウヴァリが首席指揮者になっている。

                      ただ、このコンサートのチクルスは
                      実はパーカッシブ・プラネットという名称。

                      実際はマルティン・グルービンガーのファンのチクルスであって
                      たぶん、このコンサートに来ている人の90%は
                      マルティン・グルービンガー目当て。
                      (もちろん私もグルービンガーの名前でチケットを買った。
                       しかもこのチクルス、ジモッティが多いので、
                       安いチケットは売り切れで、結構なお値段の(以下省略))

                      最初の曲はストックホルム生まれの女性作曲家
                      アンドレア・タロディの曲。
                      イタリアのチンクエテッレの旅行の際の印象を音楽にしたもの。

                      演奏時間約10分ほどの曲だが
                      この曲、すごく素敵。
                      海と波のトポスを、絶妙なオーケストラの音響の絨毯の上で繰り広げ
                      各島の情景を叙情的に歌い上げて
                      音楽で描く絵巻物みたいな感じ。

                      録音なので、実際にコンサートで聴く立体感はないが
                      2017年プロムスの英国初演の演奏を見つけたので
                      ご興味ある方はどうぞ(全部で13分弱で、演奏の動画はなし。音だけです)



                      こういう音楽を聴くと
                      たぶん、後世に残る現代音楽というのもあるのだろうなぁ、と思う。
                      (この曲が残るかどうかはわからないが)
                      ちゃんと、聴衆に聴かせる音楽になっている(と思う)。
                      私としては、かなり好きな部類に入る。

                      さて2曲目で、お待ちかねマルティン・グルービンガー登場。
                      もちろん盛大な拍手。

                      演奏されたのはカレヴィ・アホの Sieidi という曲で
                      コンツェルトハウスでの今までの演奏回数は3回。

                      ・・・うち2回は私、ちゃんと行ってるわ(爆笑)
                      ウィーン交響楽団とオスモ・ヴァンスカでの初演(2015年6月18日)と
                      2018年1月18日にピアノとパーカッションに編曲した同作品を聴いている。

                      野生的で原始的なエネルギーに満ち溢れた曲。
                      マルティン・グルービンガーはパーカッショニストだけではなく
                      優れたパーフォーマーなので
                      動作の一つ一つが絵になっていて、カッコいい。
                      聴いてよし、見てよし、というパーフォーマンスである。

                      舞台上手(かみて)からずらっと並んだ打楽器を
                      次から次へと移動しつつ
                      オーケストラ内の3人のパーカッショニストとの絶妙な合いの手
                      加えてオーケストラの反応がこれまた良い事。

                      以前聴いた時には、休みなしの40分が長い上に
                      盛り上がっても終わりにならず
                      結局はピアニッシモで終わる、と文句つけていたが

                      よく見ていれば
                      マルティン・グルービンガーは
                      舞台上手(かみて)から、各楽器を順に演奏していって
                      下手(しもて)の端にある打楽器から
                      またもや、今度は上手(かみて)に移動していって
                      最後は、最初に叩いた小太鼓で終わる、という順番になっている。
                      ちゃんと、右から左、左から右のパーフォーマンスになっているんですね。
                      舞台が見えない貧民席だと、それがわからなかったのか・・・(反省)

                      天井桟敷でも、一部舞台が見えて
                      その移動がわかって鑑賞していると
                      オーケストラとパーカッションの兼ね合いとかも面白いし
                      横溢するエネルギーもすごい。
                      グルービンガーもチャーミングだし
                      今回は退屈どころか、最後まで楽しく聴けた。

                      アンコールに何やるかと思ったら
                      指揮者を巻き込んで、マリンバに3人
                      その脇にパーカッション2人で
                      実にご機嫌な曲を演奏してくれた。
                      (コンツェルトハウスのアンコール・サービスからのお知らせは未だ来ていない)

                      指揮者のロウヴァリは、パーカッショニスト2人に囲まれているが
                      ちょっと待て、この指揮者、パーカッションやってただろ?!
                      途中で隣のグルービンガーの肘まで突っつくという
                      細かい芸まで見せて
                      マレットの使い方から何からバッチリじゃないの。
                      (後で調べてみたら、やっぱりもともとパーカッショ二ストだったらしい。
                       そりゃそうだろう、でなければ、いくらアンコールだってあれは無理)

                      さて、マルティン・グルービンガーのファンとしては
                      前半が終わったら、別に後半のシベリウスの交響曲5番は
                      オマケみたいなもので、どうでも良い筈なのだが

                      前半で(特に最初の曲で)耳にした
                      オーケストラのあまりの巧さに
                      ちょっと後半のシベリウスが楽しみになって来た。

                      指揮者のロウヴァリ、ふわふわ頭の可愛い男の子。
                      遠目だと、何となくベニスに死すの美少年に見えない事もない。
                      この美少年(かもしれない指揮者)の動きが素晴らしい。

                      珍しく肩から上で振る指揮ぶりで
                      ボードブラが綺麗・・・とか言うのは見当違いだが(笑)
                      シロウト目で見ていても、指揮の動きが的確なのだ。
                      しかも、非常にキレが良い。
                      オーケストラも、指揮者の動きに合わせてキレの良い音を出す。

                      シベリウスの交響曲5番は
                      私にとっては、まだ難解な曲で
                      (自閉症的に聴こえて、内部完結しているような印象がある)
                      何回聴いても、まだワケわからん曲の一つなのだが

                      無駄な力は入っていないのに
                      オーケストラの出す透明感がすごい。
                      各パートの解像度が抜群なのに
                      バラバラではなく、有機的な繋がり感が濃くて
                      音にニュアンスがある。

                      しかもまぁ、オーケストラの巧い事。
                      だいたい客演オーケストラって
                      普段聴いている地元のオーケストラより巧く聴こえるのだが
                      トゥッティ全員のアンサンブルの揃い方が半端じゃない。
                      だからキレの良い音が出るのと同時に
                      聴いていて、来るべきところに、ぴったりのタイミングで
                      来るべき音が来るので気持ち良い。

                      あの曲の最後の部分のトゥッティが
                      ぴったり寸分違わぬタイミングで全部演奏された時には
                      私もついついブラボー叫びたくなったくらい。

                      この美少年(に見える)指揮者、ちょっとタダモノではない。
                      若くは見えるが、33歳だそうだから、中堅に入るのか。

                      アンコール演奏するかな?とちょっとしつこく座席に居たら
                      観客に向かってドイツ語(らしきもの?)を話したけれど
                      コンツェルトハウスの大ホールの音響は
                      よほど静かでない限り(このタイミングでは観客が動き始めている)
                      全く聞こえません(涙)
                      シベリウスという単語は聞こえて来たので
                      あれかな?と思ったら
                      アレでした(笑)

                      パーヴォ・ヤルヴィのアンコールの定番「悲しきワルツ」
                      当然、パーヴォ・ヤルヴィの演奏が私のスタンダードになっているのだが
                      (あれだけ頻繁に聴かされるとね(笑))

                      ロウヴァリの「悲しきワルツ」・・・すごいわ。
                      細かい部分の処理によるニュアンスの深さ
                      音楽的なラインの美しさ
                      パーヴォさんの解釈がどうのこうのじゃないけれど
                      パーヴォ・ヤルヴィとは全く違った印象で聴こえてくる。

                      グルービンガー目当てで行ったコンサートなのに
                      思いがけない拾い物をした気分(すみません「拾い物」で 💦)
                      この指揮者、ちょっと注目に値するかも。

                      若い指揮者の活躍は楽しい。
                      彼らが「巨匠」と呼ばれるようになるまで
                      私は生きていないだろうが(笑)

                      とか言う人に限って
                      意外に100歳過ぎまで生きるかも・・・と
                      ちょっと希望(え?)も持っている
                      厚かましい私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



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