ブルックナー・オーケストラ・リンツ + マレフ・ヤノフスキ

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    2024年3月8日 19時30分〜21時

    Musikverein - Großer Saal
    Bruckner Orchester Linz
    指揮 Marek Janowski

    Anton Bruckner (1824-1896)
     Sinfonie Nr. 5 B-Dur WAB 105 (1875-76; rev. 1877/78)

    ブルックナーの名前を冠した
    リンツのオーケストラは
    今回は85歳のマレク・ヤノフスキを指揮者に迎え
    ブルックナーの交響曲5番のオリジナル演奏。

    ブルックナー自身は
    1894年4月9日に
    グラーツで
    フランツ・シャルクの指揮で行われた
    この交響曲の初演には
    健康上の理由で立ち会っていないので
    実際にブルックナー自身が
    楽譜が音楽になるのを聴く機会はなかった。

    ただ、シャルクはブルックナーの楽譜に
    大いに手を入れて
    (短くしたり勝手に声部を足したり引いたり)
    最初の印刷も
    シャルクの手の入った楽譜になってしまったらしい。
    (プログラム記載による。
     ブルックナーの楽譜の版については
     あまりにあり過ぎて
     それを研究している学者も数多く居る)

    今回はブルックナーのオリジナル楽譜による演奏。

    実はこのメモを書いている時点で
    既に数日を経過しているので
    細かい事は書けないが
    (まさか評論家のように
     演奏途中でメモ取れないしなぁ・・・)

    圧倒的な演奏だった、という
    強い印象が残っている。

    というか、長いんですよ、この曲(笑)
    長いというより、しつこい(爆笑)

    でも、そのしつこさがクセになる 😅
    ブルックナーの内的宇宙に
    否が応でも巻き込まれてしまう感じ?

    ブルックナー・オーケストラ
    オーケストラの名前に負けず
    さすがにブルックナーを演奏させると
    むちゃくちゃ巧い。

    ブルックナーで重要な金管軍団(笑)が
    ともかく素晴らしい。

    厚みのある深い音響構築なのに
    透明さを失わず
    ちゃんとストラクチャー(コントラプンクト)を
    しっかり刻み出して来る。

    で、ともかく長い。
    ともかくしつこい。
    ・・・でも、それが良いの ❤️

    時間の経過が
    コンサート・ホールの中だけ
    違っているような不思議な感覚。

    ブルックナーの曲って
    意外に親しみやすいメロディに溢れているし
    繰り返しは似たようでいて
    楽器の構成(=音色)が全部違うし
    こういう細かいところでの展開と
    交響曲の構成の素晴らしさと
    コントラプンクトの扱い方の見事さに唸る。

    ところでこの間
    マーラー・ファンと
    ブルックナー・ファンは相容れない
    という話を友人としていたんだけど

    確かにマーラーの音楽は
    伝統に基づいているというよりは
    ヘンに革新的で前向きで
    突然、ヘンテコになっちゃうのだが

    ブルックナーは
    伝統バンザイ、コントラプンクト万歳
    カトリックの神さま大好き
    教会音楽大ファン・・・て印象ではある。
    (だから、和声とかメロディで言うなら
     ヘンテコなマーラーより
     ブルックナーの方がトラディショナルで美しい)

    音楽性も感受性もないし
    来るもの拒まず、去るもの追わずのワタシは
    音楽に関しても
    あまり食わず嫌いがなくて(全然ない、とは言わない)
    ブルックナーの陶酔感も好きだし
    マーラーの無限の宇宙も大好物である。

    いや〜、でも久し振りに
    伝統的、正統的なブルックナーに酔ったって感じ。

    このオーケストラの首席指揮者の
    ポッシュナーのブルックナーも好きなので
    本当はリンツまで行きたいような気もするが

    夜のカレンダーが隙なく埋まっている、という
    アホなワタシに
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    エリーナ・ガランチャ リサイタル

    0
      2024年1月23日 19時30分〜21時55分

      Wiener Konzerthaus - Großer Saal
      The best of Elīna Garanča

      Wiener KammeroOrchester
      メゾソプラノ Elīna Garanča
      指揮 Karel Mark Chichon

      Hector Berlioz (1803-1869)
       Ungarischer Marsch (La damnation de Faust op. 24) (1846)

      Charles Gounod (1818-1893)
       Où suis-je? … Ô ma lyre immortelle (Arie aus „Sapho“) (1851)

      Jules Massenet (1842-1912)
       Méditation (Thaïs) (1894)

      Camille Saint-Saëns (1835-1921)
       Mon coeur s’ouvre a ta voix … Réponds à ma tendresse (Arie der Dalila)
       Danse bacchanale
        aus: Samson et Delila op. 47 (1877)

      Charled Gounod
       Me voilà seule enfin - Plus grand, dans son obscurité
       (Arie aus „La reine de Saba“) (1862)

      *** Pause ***

      Francisco Asenjo Barbieri (1823-1894)
       Canción de Paloma (El barberillo de Lavapiés) (1874)

      Ruperto Chapí y Lorente (1851-1909)
       Romanza de Socorro (El barquillero) (1900)

      Ernesto Lecuona (1895-1963)
       Malagueña (Andalucía) (um 1923-28)
       (Bearbeitung: Karel Mark Chichon)

      Heitor Villa-Lobos (1887-1959)
       Ária (Cantilena) (Bachianas brasileiras Nr. 5) (1938)
       (Bearbeitung: Karel Mark Chichon)

      Johann Strauß (Sohn) (1825-1899)
       Ouverture zu „Der Zigeunerbaron“ (1885)

      Drei neapoletanische Lieder:

      Stanislao Gastaldon (1861-1939)
       Musica proibita (1881) (Bearbeitung: Karel Mark Chichon)

      Francesco Paolo Tosti (1846-1916)
       Non t’amo più (1884) (Bearbeitung: Karel Mark Chichon)
       Marechiare (1886) (Bearbeitung: Karel Mark Chichon)

      アンコール

      Ruperto Chapí: Carceleras (Romanze aus »Las hijas del Zebedeo«)
      Jacques Offenbach: Cancan (Orphée aux enfers)
      Carlos Gardel: El dia que me quieras (Bearbeitung: Karel Mark Chichon)
      Georges Bizet: L'amour est un oiseau rebelle »Die Liebe ist ein wilder Vogel«
       (Habanera der Carmen aus »Carmen«)

      同じ時間に
      近くの楽友協会では
      シカゴ交響楽団とムーティが
      私の大好物のプロコフィエフの交響曲5番を
      演奏している上

      実はウィーン・モデルン現代音楽祭の
      芸術監督が行なっている実習の授業も
      大学であるのだが

      ガランチャさまを聴く機会は逃せない(きっぱり)
      授業もサボり
      ムーティのチケットは友人に引き取ってもらい
      ウキウキして満杯のコンツェルトハウスに出向くワタシ。

      いやステキ ♡
      舞台の向こう側のオルガン・バルコンまで
      ぎっしり入った観客は
      全員が(たぶん)エリーナ・ガランチャの崇拝者。
      コンサートの最中に
      無駄な雑音をたてる人は誰もいなくて
      こんな聴衆が静かなコンサートなんて
      ウィーンで年間数回しかない(断言)

      私は定期公演の年間まとめ買いする時に
      申し込んであったのだが
      安くて良い席は、他のチクルスの人が買っているので
      残念ながら
      前のお客さま(複数)が
      ちょっと身体を傾けたりすると
      お顔の半分くらいが
      豆の大きさの3分の1くらいで
      見えるかな、見えないな、という
      微妙な席ではあったのだが

      別に顔を見るために行っているんじゃないし
      (ルサンチマン)
      声を聴くにはベストの席だ。

      こういうコンサートは
      全部が歌ではなく
      最初はオーケストラ曲
      その後、1曲ごとに
      アリアがあってオーケストラ曲があって
      という繰り返し。

      指揮台に立つのはご夫君で
      オーケストラは
      ウィーン室内管弦楽団
      ・・・って
      どこが「室内」(Kammer)?
      弦の数なんか
      通常のオーケストラより多いよ?

      その大規模オーケストラで
      ガランチャの夫君の指揮で

      ううう、鳴らし過ぎ。
      コンツェルトハウスだから
      多少の音圧は何とかなるけど
      何故に、あんなに力一杯の大音響で
      オーケストラを鳴らすわけ?

      このホール、音響が良いので(残響が長い)
      小さな音量でも
      最後列まで充分に届くのに
      コンツェルトハウスで
      耳を塞ぎたくなる大音響って
      (現代音楽を除く、ちなみに現代音楽の時は
       入口で耳栓をくれる)
      初めてかもしれない。

      まぁ、エネルギーに満ち溢れている指揮
      ・・・とは言えるかもしれない。

      ガランチャさま、黒とシルバーのドレスでご登場♡
      オーケストラのトゥッティを
      軽々と越える伸びのある美声は
      低音領域でも
      その威力は衰えず

      そのビロードのような(キッチュな表現だけど)
      滑らかなリボンのような声が
      会場に広がると
      背筋がゾクゾクする快感。

      貧民席なので
      (それでも入手できたのはラッキー。
       定期公演の申し込みと一緒に申し込んでいた)
      舞台はオーケストラのパーカッションの一部しか見えず
      ガランチャさまのお姿は
      前の観客(複数)が
      ちょっと身体を動かしたりしたタイミングで

      まるで望遠鏡の狭いレンズから
      華のかんばせの一部だけが
      チラッと見える
      ・・・で、次の瞬間
      前の人の頭と交代する

      という状況ではあるのだが
      お声を鑑賞しに来ているので
      お姿が見えなくても
      妙なる美声が聴こえれば、とりあえず満足。

      とか言いつつ
      ついつい、小さな窓(人の頭と頭の間)から見える
      お美しいお顔に心を奪われ
      どういう内容を歌っているのかは
      ど〜でも良い・・・(すみません)

      タイスの瞑想曲って
      何故か、この類のコンサートでは
      必ず演奏される曲で(ため息)

      美しい曲だし
      いつも演奏しているから
      オーケストラには慣れた曲なんだけど
      あ〜、これは言ってはならぬ、我慢する(お察し下さい)

      サン=サーンスのサムソンとデリラからのアリアと
      オーケストラ曲の後
      グノーのアリアで前半は終わり。

      ともかくオーケストラの音量が
      インストルメンタルになると飛び切り大きくて
      指揮者の動きも、ド派手。
      (これも時々、前のお客さまの頭(複数)の間から
       チラッと見える)

      後半に登場したガランチャさまは
      ヒラヒラの大きな飾りを肩周りにつけた
      真っ赤なドレスで登場。

      下がるイヤリングの赤いダイヤモンドが眩しい。
      この間、ウィーンの宝飾店のウエブ・サイトを見ていたので
      あのクラスのイヤリングが
      数千万円相当と言うのは簡単に推測がつく。

      そういう素晴らしい宝飾品を身につけて
      ガランチャさまの品は
      ますます上がれど
      洋服やアクセサリーに負けない存在感。

      お声にもますます磨きがかかり
      お得意のスペインやナポリの曲を
      もう見事なアジリタを繰り広げて
      低音の美しさに加え
      全く無理のない、抜ける高音も
      この上ない強靭さで

      ああもう、自分の語彙のなさが悲しい。
      あれだけの舞台上の存在感
      あれだけの美声に声域の広さ
      どこをどう取っても
      乱れのない美声に
      アジリタの妙技と
      徹底的な音感の良さ
      歌の表現の表情の豊かさ

      それを、一切の「苦労」や「努力」を見せず
      天性の才能のように
      楽々と観客に伝えてくるのが凄すぎる。

      正直、声楽に関しては
      身体が楽器、と言うのが99%なので
      素晴らしい歌手と
      妙なる美声を堪能できるかどうかは
      時の運(そういう体型の人が生まれた時代)も大いにあって
      その意味では
      ガランチャを聴ける時代に生まれて
      本当にラッキー。

      しかも、ガランチャ、今、47歳。
      40代は歌手の声が最も良いコンディションの時代。
      いや、あはは、結構大昔から聴いてはいるんだけど。
      最初にケルビーノ聴いて
      (たぶん、2006年か2007年)
      ひっくり返って
      すごいメゾが居る!!!!って
      友人に喚きまくっていた頃からだもん、わはは。

      アンコールも数曲歌ってくれて
      (途中でオーケストラのみのアンコールもあり(笑))
      最後にカルメンで締めくくり。

      プログラムに
      「コンサートの後にロビーにて
       CDへのサイン会を行ないます」と書いてあったので
      CD販売所に行って
      一番新しいCDはどれ?と聞いて購入し

      ワクワクしながら
      終演後、待つこと40分。
      美しいカラフルな上着にお着替えになって
      全く隙のない完璧なメークアップで
      ご夫君の指揮者と登場したガランチャさま。

      サインの列は・・・
      100人くらい居たのかなぁ・・・
      遅い時間だし(老人はみんな早く帰りたい)
      CD買うのも勿体無い、という人も多いので
      (私ももっぱらストリーミングのサブスクなので
       CDは買わないで、ストリーミングからDLしてる(笑))
      すごく並んでいるなぁ、と思っていたけれど
      サインが始まれば流れ作業でスイスイ。

      「日本に熱烈なファンが居て」と言った途端
      ご夫君と口を揃えて
      6月に東京でコンサートするわよ
      という情報を得て

      「日本の熱烈なファン」の友人に
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      東京のサントリー・ホールで
      メトのオーケストラと
      6月25日・27日にガランチャさまご出演。
      6月26日はオロペーサさまが歌う(私、オロペーサも好き♡)

      一番高い席で4万円(どひゃーん)だが
      今の換算レートなら250ユーロ。

      オペラ座の高めの席(ベストではない!)と考えれば
      そこそこの値段かもしれない。
      ・・・あ、私は買いませんし行きませんよ。
      今、航空運賃だけで往復最低1800ユーロとかだし😢

      ブルックナー・オーケストラ + マルクス・ポッシュナー

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        2024年1月13日 19時30分〜22時10分

        Musikverein - Großer Saal

        Bruckner Orchester Linz
        指揮 Markus Poschner
        モデレーション Tarek Leitner

        Bruckner-Moment
         mit Tarek Leitner, Markus Poschner und
         dem Bruckner Orchester Linz

        Anton Bruckner (1824-1896)
         Sinfonie Nr. 4 Es-Dur „Romantische“ WAB 104 (1878-80)

        楽友協会のサイトを見て
        ああ、ブルックナーの4番だけなら
        早く帰れる、と思っていたら
        最初の1時間(!)が
        プレトークの時間だった。
        (音楽の例付きで・・・)

        若い人へのプロモーションっぽい傾向があって
        会場は若い人が多い。
        (しかも前に置いたチケットを見たら
         タダ券だった。
         あの席は私が買うと100ユーロ近い😤)

        ブルックナー生誕200年という事で
        生誕150年のシェーンベルクと並んで
        様々な催物がなされているが

        ブルックナーの名前を頂いた
        高地オーストリア州のオーケストラが
        ブルックナーを演奏するのは
        まぁ、自然な成り行きとも言えよう。

        ジャーナリストが出て来て
        ブルックナーの交響曲3番初演の際の
        とんでもない不評とかの話が聞けて
        (後で、本当かどうか調べてみよう・・・)
        割りに面白かったのだが

        周囲の若者たちは
        スマホ見たり、お喋りしたり
        途中で出て行ったり
        色々と自由に過ごしている模様。

        1時間のトークの後に休憩で
        そりゃ、その後に交響曲4番の演奏だから
        終演は22時を過ぎる。
        8番じゃなくて良かった・・・

        私はマルクス・ポッシュナーのファンである。
        すごく良い指揮者だと思う。

        マチネのウィーン・フィルの
        ものすごい音圧に耐えた後
        周囲のお喋りや椅子のガタガタで
        弦のトレモロが全く聴こえなかったので
        突然ホルンが響いた時には驚いたが
        (トークの時にはホルンが裏返ったが
         さすがに本番は見事なソロ❤️)

        バランスの良い
        鳴らし過ぎないオーケストラの音量で
        丁寧に紡ぎ出されるブルックナーの音色は
        何というか
        田舎の風景に
        ポッと花が咲いたような感じ。

        空気の暖かさが違うというか
        やっぱり田舎が良いよね、って
        妄想の世界に入り込みつつ

        中間部のテンポがグッと落とされて
        この上なく繊細な短調の響きが
        ヘンに垢抜けていないのが
        素朴ですごく良い感じ。
        ・・・まぁ、ちょっとあざといか、って感じはあるが。

        第1楽章の終わった後に拍手。
        あの静かな第2楽章の後でも拍手。
        ・・・まぁ、仕方ないでしょう。
        って言うか
        普段、コンサートに来ない人が来てる、と思えば
        それはそれで、喜ぶべき事ではある。

        演奏中のヒソヒソ声のお喋りや
        堂々とスマホを出してライン(こちらではワッツアップ)していたり

        舞台に向けてビデオで録音している人や
        演奏中にペットボトルからゴクゴク水を飲んでいたり

        不思議な観客が多かったけれど
        それはそれで
        普段コンサートに来ない人が(以下省略)

        第2楽章の訥々とした
        ちょっと田舎くさい感じがとても好き。
        ポッシュナーの指揮から出る音楽って
        ブルックナーであっても
        絶対に爆発しない。

        エネルギーは充分に感じるのだが
        謙虚な抑制というか
        大袈裟にしたら恥ずかしいじゃん、って感じの
        内省感があって
        仰々しさとか派手な感じがない。

        第3楽章のホルンが素晴らしい。
        これも、ほら聴け聴け、俺さまを聴けって感じではなく
        どうですか、このメロディ
        悪くないですよね、ね、ね、って言う
        押し付けがましさゼロの印象で好感が持てる。

        好き嫌いはともかくとして
        ブルックナーって
        ある意味、オーストリアのど田舎のおっちゃんで
        色々とギョッとするエピソードはあるものの
        変わり者ではあるけれど
        どこか憎めない朴訥な感じが
        曲にも出ている・・・と私は思っている。
        (まぁ、派手派手しく演奏すれば
         それなりにイケイケになる曲ではあるから
         そういう演奏になる場合も多いけれど)

        ティー⚪︎マンがウィー⚪︎・⚪︎ィルと演奏するのと
        全く違う(と私は感じる)
        もっと素朴な田舎の響きで
        マチネのメンデルスゾーンと比べても
        押し付けがましさがなくて
        何だか、ポッと心の中が温かくなる。

        昨年は現代音楽祭の時に
        事情があって、現代音楽を聴けなかったので
        現代音楽欠乏症、という自覚はあったけれど
        加えて、ブルックナー成分も足りなかったようだ。

        もちろん、第3楽章の後にも
        拍手のフライングはあったのだが

        最終楽章が終わった後
        指揮者が固まって

        ついでに、ホールの観客全員が
        気迫に呑まれて固まって

        指揮者が力を抜くまで
        拍手が出なかったという面白い現象に遭遇。

        聴いていて本当に思ったんだけど
        ブルックナーの交響曲って
        不思議な陶酔感がある。

        我慢して(してないけど)長い繰り返しを聴いていると
        最後にどこか、とんでもない場所に
        連れ去られてしまうというか・・・

        指揮者もオーケストラも
        演奏しながら、神がかって来るんだけど
        逆らおうとしても
        ついつい聴衆も乗せられてしまうというか

        いえいえ
        ブルックナーの陶酔感に
        逆らうつもりはございません、と
        深くお辞儀(作品にか?)する私に
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        オルフェオ・バロック管弦楽団 + ミヒ・ガイグ

        0
          2023年12月20日 19時30分〜21時

          Wiener Konzerthaus - Großer Saal

          L’Orfeo Barockorchester
          Collegium Vocale Salzburg
          Michi Gaigg
          „Weihnachtsoratorium“

          Johann Sebastian Bach (1685-1750)
           aus dem Weihnachtsoratorium BWV 248 (1734-35)
           Teil I/II/III

          指揮 Michi Gaigg
          ソプラノ Shira Patchornik
          アルト Margot Oitzinger
          テノール James Gilchrist
          バスバリトン Alexander Grassauer

          季節モノというなら
          この時期でないと演奏できない
          バッハのクリスマス・オラトリオ🎄

          今日は長丁場だ✌️ と
          コンサート前にケーキを2つ食べて
          英気を養って(謎)行った会場で
          プログラム買ったら

          あれ?
          第一部から第三部までしか演奏しないの?
          しかも、幕間なしで続けての演奏?

          めちゃ短いプログラムになってる 😅

          いや、そりゃ、その後の内容は
          新年とかだから
          本当にクリスマス、というなら
          3部だけ、というのは論理的ではあるのだが・・・

          オルフェオ・バロック管弦楽団は
          オーケストラの名称からすると
          おフランスあたりのアンサンブルかと思うのだが

          いえいえいえ
          1996年にリンツで結成されたアンサンブルで
          リンツのブルックナー音楽大学でも教えているという
          バリバリのオーストリアのアンサンブルである。

          だったらオルフェオとかにフランス語の定冠詞付けず
          デア・オルフォイスとか・・・
          (以下自粛)

          季節モノのオラトリオは
          華やかだし、楽しいし
          知ってるメロディてんこ盛り。

          バロック奏法による
          訥々とした、でも、気品のあるアンサンブルも良い。

          この音響、トーマス教会とかで聴いたら
          どんな感じがするんだろうなぁ。
          次にライプチヒに行く機会があったら
          絶対にトーマス教会に行って来よう。
          (イースターの時はオペラ座を優先してしまった(汗))

          コーラスも少人数だが、良い感じ。

          文句でも何でもないんだけど
          エファンゲリストのテノールのソロで
          ひっくり返りそうに・・・

          え?この人、マイク付けてる?
          って感じの
          声量がスゴイのだ。

          いや、声量すごくても別に良いんだけど
          オーケストラやコーラスや
          他の歌手から
          エファンゲリストだけ浮いてるよ 😱

          声量のあるテノールではあるけれど
          声はバロック音楽に合う
          透明感溢れるリリック。

          でもでもでも(文句ではありません)
          あまりの声の大きさに
          ドイツ語のディクションがクリアじゃない。

          声量は昨今のオペラとかでは
          一番重要で
          声が大きければ勝ち、みたいな風潮があって
          それを考えれば
          とんでもない才能なんだけど

          エファンゲリストが出てくるたびに
          ドキドキしてしまうのは(声が飛び出るので)
          ちょっと違うような気がする・・・

          ソプラノとアルトは
          宗教曲に合うな、という声量と声の質。
          バスバリトンが美声で
          ドイツ語のディクションもクリアで
          一番聴かせてくれた、という感じ。

          コンツェルトハウスの大ホールは
          大規模オーケストラの音響にも耐えるし
          こういう比較的小規模のアンサンブルも
          しっかり音を拾って響くのは素晴らしい。

          できればやっぱり
          こういう曲はプロテスタントの教会で
          聴きたいような気もする。

          カトリックの多いオーストリアでは
          プロテスタントの教会は少ないんだけど
          ブルゲンラントあたりまで行ったらどうだろう?

          と、ついつい考えてしまう私に
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          来年3月には
          やはり季節モノで
          マタイ受難曲が演奏されるのに気がついて
          急いでチケットを確保 😓
          見逃すところだった。

          2月・3月のチケットは
          販売開始しているものも多くて
          「来年の事を言うと鬼が笑う」という
          日本の諺を考えると

          私の横では
          鬼が毎日、大笑いしているはずだ。

          ファン・ディエゴ・フローレス + ブルックナー・オーケストラ・リンツ

          0
            2023年6月19日 19時30分〜21時50分

            Wiener Konzerthaus - Großer Saal

            テノール Juan Diego Flórez
            オーケストラ Bruckner Orchester Linz
            指揮 Christopher Franklin

            Domenico Cimarosa (1749-1801)
             Il matrimonio segreto (1792)
              Ouvertüre
              „Pria che spunti in ciel l’aurora“
              Arie des Paolino

            Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
             Così fan tutte (1790)
              Ouvertüre
             La clemenza di Tito (1791)
              „Del più sublime soglio“
              Arie des Tito
              „Se all’impero, amici Dei“
              Arie des Tito

            Gaetano Donizetti (1797-1848)
             Robert Devereux (1837)
              Ouvertüre
             Lucia die Lammermoor (1835)
              „Tombe degli avi miei … Fra poco a me ricovero“
              Rezitativ und Arie des Edgardo

            *** Pause ***

            Georges Bizet (1838-1875)
             Carmen (1875)
              Prélude Nr. 1

            Edouard Lalo (1823-1892)
             Le roi d’Ys (1888)
              „Puisqu’on ne peut flechir …
              Vainement, ma bien aimée“
              Rezitativ und Arie des Mylio

            Georges Bizet
             La jolie fille de Perth (1867)
              „Elle est là … A la voix d’un amant fidèle“
              Rezitativ und Arie des Henri Smith

            Gaetano Donizetti
             La favorite (1840)
              „La meîtresse du roi … Ange si pur“
              Rezitativ und Arie des Fernand

            Giuseppe Verdi (1813-1901)
             Un giorno di regno (1840)
              Ouvertüre
             Un ballo in maschera (1859)
              „Forsa la soglia attinse … Ma se m’è forza perderti“
              Rezitativ und Arie des Riccardo
             Luisa Miller (1849)
              „Oh! Fede negar potessi … Quando le sere al placido …
              L’ara o l’avello“
              Rezitativ und Arie des Rodolfo

            アンコール
            Ernesto de Curtis: Tu ca nun chiagne
            Salvatore Cardillo: Core negrato »Das unbekannte Herz«
            Tomás Mendéz: Cucurrucucú paloma
            Giuseppe Verdi: La donna è mobile (Arie des Duca aus »Rigoletto«)
            Giacomo Puccini: Nessun dorma! »Niemand schlafe!« (Arie des Kalaf aus »Turandot«)

            隣のモーツァルト・ホールでは
            昨日の現代音楽シリーズの続きをしているのだが
            大好きな現代音楽も
            フローレスの魅力には勝てない(ただのミーハー)

            とうとうウィーンも夏となり
            30℃を越える太陽燦々の1日で
            コンサート前に図書館でぐっすり眠り
            (勉強した、とかミエで嘘はつきません、自慢にならん)
            さてコンツェルトハウスに行こうとしたら
            市電がトラブっていて

            歩いて走って、階段を駆け上って
            ギリギリで到着。ぜいぜいぜい 😮‍💨

            グレート・ヴォイスのシリーズだが
            天気が良いからか、あちこちに空席が目立って
            始まる直前に大量の民族移動(笑)

            私も隣の席が空いていたので
            ちゃっかりそちらに移動。
            (結局、その席の人は最後まで出現せず
             カテゴリー同じ席だし
             舞台が見えてラッキー 👍)

            リンツのブルックナー・オーケストラが
            優秀な事は知っている。

            が、今日、私が聴きに来たのは
            フローレスのテノールの美声であって
            オーケストラがメインではないし
            更に、オペラの序曲とか
            ごめんなさい、あまり興味がなくて。
            (もともとオペラの序曲というのは
             観客が入って来る時のBGMだった筈だ・・・)

            高価なプログラムを買ったものの
            オペラのレチタティーヴォとアリアなんて
            内容があってなきが如しで
            特に、イタリア語やフランス語を知らない
            無教養な私には意味がない。
            (だったら買わなきゃ良いんですけど
             ついつい買っちゃうんですよね・・・)

            というワケで
            フローレスとオーケストラだけが
            半々くらいのプログラムだが

            フローレスが魅力的 ♡
            リリック・テノールだから
            声量が圧倒的というのではないけれど
            オーケストラのトゥッティになっても
            フローレスの声は、ちゃんと聴こえて来る。

            各オペラの役どころをきちんと把握して
            表情や、ほんの少しの身体の動かし方で
            悲劇的な内容(たぶん、別れとかそういう感じ?)を
            しっかりと表現してくれるので
            歌詞の内容を読まなくても
            何となくシチュエーションは想像がつく。

            プログラムが高いので
            買わなかった人が多かった可能性はあるが
            レチタティーヴォの後に
            必ず拍手が起こってしまい
            歌手もオーケストラも
            アリアに行きたくて戸惑っているのに
            なかなか空気を読まない聴衆が多い(笑)

            前半がイタリア語のアリア。
            悲劇的内容を悲壮に歌い上げてから
            拍手の時にニコッとする
            フローレスの笑顔のチャーミングさ・・・

            観客も年配のお洒落した女性が多いのだが
            (私はお洒落はしていないが
             まぁ、年配の女性というカテゴリーには入るな)
            そりゃ、女性のハートを鷲掴みだわ。

            輝かしい高音に
            柔らかなピアニッシモの
            限りない優しさを撒き散らす中音域の美声と
            どこまで息が続くの?というほどの
            フレージングの滑らかさと美しさ・・・

            あぁ、幸せ ☺️

            フローレスのリサイタルの楽しみの一つは
            アンコールのギターでの弾き語り❤️

            ナポリの民謡が2曲。
            プログラムのテーマ(愛と喪失)に従って
            どちらかと言うと悲劇的なメロディでの
            切々とした歌唱の後

            出ました、ククルクク・パロマ
            いや、定番で嬉しいんだけど
            出だし歌った途端に
            拍手して音楽をかき消すのは止めて欲しいんだけど
            心情はわかるし
            嬉しい事を表現したいのもわかるんだけどさ・・・



            (2019年のミラノ公演の動画6分ちょっとだけど
             録音状態が悪くないし
             見たことある人がたくさんいます(笑))

            途中の例の長音伸ばしのところも
            途中で笑ったり拍手したりの人が多すぎて・・・
            悪いけど、静かにあの美しいピアニッシモを聴けないのか💢
            (とは言え、途中で笑いと拍手で掻き消されたので
             たぶん、その間に1回息継ぎしたのではないか、と
             そこはかとない疑惑・・・)

            ギターの椅子が片付けられたので
            終わりか、と思ったら
            オーケストラ伴奏で
            ラ・ドンナ・モビレ(これも観客大喜び)を歌い
            何と最後にネッスン・ドルマ・・・

            うわああああ(と心の中で叫ぶ以外にどうしろと?)

            ただのミーハーの年配おばさんと化して
            幸せ一杯になって
            あぁ、本当に生きてて良かった、というより
            フローレスと同時代に居て良かった。

            昔のトラバドゥールとか吟遊詩人とかも
            もしかしたら、こういう魅力で
            同時代の観客を魅了していたのかなぁ、と
            ついつい時代にも思いを馳せてしまう私に
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            カメラータ・ザルツブルク + フィニガン・ダウニー・ディアー

            0
              2023年5月23日 18時30分〜20時45分

              Wiener Konzerthaus - Großer Saal
              Camerata Salzburg
              ピアノ Yulianna Avdeeva
              指揮 Finnegan Downie Dear

              Ludwig van Beethoven (1770-1827)
               Ouverture „Zur Namensfeier“ op. 115 (1809-15)

              Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
               Konzert für Klavier und Orchester A-Dur K 488 (1786)

              アンコール Johann Sebastian Bach:
              Rondeau (Partita Nr. 2 c-moll BWV 826)

              Franz Schubert (1797-1828)
               Symphonie Nr. 8 C-Dur D 944 „Große C-Dur Symphonie“ (1825-28)

              プログラム見てお分かりの通り
              コテコテの伝統的クラシックのプログラムは
              「シンフォニー・クラシック」というチクルスで
              それぞれ2回公演があるうちの1回は
              何故か19時30分じゃなくて18時30分開始。

              授業早退・・・🙇‍♀️

              何故に私がこんなコテコテのクラシック・コンサートの
              チケットを買ったかと言うと
              シューベルトの長い方のハ長調交響曲を聴きたかったから。

              だってだってだって
              最近、全然、この曲、ライブで聴いてない。

              というより、最近シューベルトの交響曲って
              流行が終わったのか、ほとんど演奏されていなくて
              聴くのはマーラーばっかりで・・・
              いや、マーラー好きですけど💦

              ピアニストのユリアンナ・アヴデーエワは
              日本でもお馴染みの
              2010年ショパン・コンクールの優勝者。

              だけど、何故、最近
              ピアノ協奏曲と言えば
              すべてモーツァルトなの? 😮‍💨
              なんか、これも流行り廃りがありそうだけど
              モーツァルト聴くと条件反射的に爆睡するんですワタシ。

              さて
              最初のベートーベンの作品番号115
              演奏会用序曲「命名祝日」って
              いったい、何ですかこれは。

              7分くらいの曲なのだが
              プログラムの記載では
              コンツェルトハウスで1921年(!)3月6日に
              1回だけ演奏された事があるという
              超珍しい曲。

              で・・・
              あの、あの、あの・・・
              オーケストラも指揮者も
              正しく演奏しているとすれば
              (オーストリア国立図書館音楽コレクションに
               ベートーベンの直筆楽譜があるらしい)
              なんかこれ

              ベートーベンさん、色々間違ってません????

              とんでもないクラスターっぽい不協和音は出てくるし
              何故か飛び出す楽器の音はあるし
              難聴のベートーベンが
              適当にやけっぱちに書いたとは思えないのだが
              もしかしたらあまりに自筆譜の解読が困難で(ベートーベン先生に失礼)
              コピイストが間違えた?とも思える(コピイストに失礼)

              ともかく、何故か、完全にぶっ飛んだ曲なのである。
              というか、少なくとも私にはそう聴こえるというだけなので
              ぶっ飛んでいるのは私だけかもしれないが(すみません)

              モーツァルトは完璧寝落ち。
              カメラータ・ザルツブルクの弦って
              もちろん、室内オーケストラなので数は少ないが
              なんだか、ものすごく繊細で優しい音を出す。
              あまりに心地良さすぎる・・・ごめんなさい。

              キラキラのラメの散った
              黒いドレスのアヴデーエワのアンコールは
              バッハだったんだけど
              モーツァルトでは発揮出来なかった
              超絶技巧を、ここで弾いちゃうわ、という感じの
              実に元気な速いテンポの
              爽快でスッキリしたバッハだった。
              歴史的にオーセンティックな解釈とは言えないかもしれないけど。

              楽しみにしていた後半のシューベルト。
              日本だとグレートとかって
              大袈裟な副題が付くけれど
              ご存知の通り
              シューベルトには、もう1曲、ハ長調の交響曲があるので
              短い方のハ長調を Klein 小さい、と呼び
              その比較の関係で
              長い方のハ長調を Groß 大きい、と呼んでいるだけで
              偉大な、とか言うコノテーションは一切ない。

              演奏時間約50分。
              確かに長いし
              同じモチーフの繰り返しが多いけれど
              リピートにしてもバリエーションになっているし

              ここ4回ほど
              続けてアルヴォ・ペルト(ミニマル・ミュージック!)を聴いていたので
              リピートは、ま〜ったく気になりません。
              (記憶力衰退?・・・)

              指揮者のフィニガン・ダウニー・ディアーは
              2020年のバンベルクでの
              マーラー国際指揮者コンクールの優勝者。
              (過去にはカーチュン・ウォンやシャニ、ドゥダメルなどがいる)

              シューベルトのこの交響曲
              結構、締まった音楽にするのは難しいのだが
              うまくテンポやダイナミックスのバリエーションつけて
              退屈せずに、すごく楽しく聴けた♡

              面白かったのは
              この室内オーケストラ
              トロンボーンとトランペットが古楽器だ。
              音が柔らかくて
              音響の中にうまく混ざって、とても良い感じ。

              あと、オーボエが
              たぶん、ウィーンのオーボエじゃない。
              (ホルンも普通のダブルホルンでウィンナー・ホルンじゃない)

              だから、オーボエの音色が
              ウィーンのオーケストラの音色と違って
              キュートなアニメ声になっている。
              (良し悪しではありません、何でもありよ、最近は)

              フィニガン・ダウニー・ディアーの指揮には
              気取ったところも奇妙なところもなくて
              (コンツェルトハウスの舞台見えにくい貧民席だから
               思い切り印象が間違っている可能性はある)
              そこそこ正統派な音楽を作る指揮者に見える。
              久し振りのシューベルトだし
              堪能させて頂きました 🙏

              コンクール優勝の後
              2年以上にわたるコロナに当たっちゃって
              不遇を囲って来たのだろうから
              これから活躍する指揮者かもしれない。

              何せ、コテコテのクラシック・コンサートだから
              集まる聴衆も、年配のお上品な方々が多くて
              お召し物もマナーもよろしくて
              無駄な咳き込みとかが全くなく
              本当にストレス・フリー。

              ノーブル・ソサイエティって
              こういう感じ・・・って言うのが
              このシンフォニー・クラシックのチクルスの
              素晴らしいところだと確信を持って言える 👍

              そんなノーブルなご年配の聴衆の中で
              モーツァルトで寝落ちしたワタシは何なのよ
              ・・・とセルフ・ツッコミして落ち込んでいる(え?)私に
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              ブルックナー・オーケストラ・リンツ + マルクス・ポッシュナー

              0
                2023年5月1日 15時30分〜17時30分

                Musikverein - Großer Saal
                Bruckner Orchester Linz
                指揮 Markus Poschner
                バイオリン Thomas Gould
                パーカッション Bernhard Schimpelsberger

                Johannes Berauer (*1979)
                 NoWhere NowHere, Concert for Violin,
                 World Percussion and Orchester (Uraufführung)
                  Alap - Carousel - Soul Kitchen

                Maurice Ravel (1875-1937)
                 La Valse, poème chorégraphique

                Igor Strawinsky (1882-1971)
                 Le sacre du printemps,
                 Tableaux de la Russie païenne en deux parties

                今、私が最も注目している指揮者
                マルクス・ポッシュナーが
                首席指揮者を務めるブルックナー・オーケストラの
                楽友協会でのコンサート。

                本日はメイデイで
                ヨーロッパは祝日。
                観光客は多いんだけど
                コンサートそのものは
                今日はそんなに観客は入っていない。

                プログラムには
                (なんと無料だ!ブルックナー・オーケストラ太っ腹)
                最初がラ・ヴァルスで
                その後、初演曲と書いてあったが
                指揮者がマイク持って登場して

                ゲネプロの時に考えて
                最初に初演曲、それからラ・ヴァルス、とアナウンス。
                初演曲は、インド音楽の影響を強く受けたもの
                ・・・という解説があったけど

                インド音楽???? 😳

                いや、普通に音楽だけど???
                不協和音もほんの少ししか出て来ないし
                多少のペンタトニックを使ってはいるのだろうが
                エキゾチックな感じはほとんどしない。

                ワールド・パーカッションという事で
                不思議なパーカッションが揃っていて
                パーカッショニストはマイクを着けて
                時々、歌っているのだが

                これ、バイオリニストが巧すぎる。

                音色の伸びが素晴らしいし
                オーケストラのトゥッティの中でも響くし
                フラジオレットでさえ
                ピカピカに響いて聴こえて来る。

                それに比べると
                マイク装着して歌っていても
                パーカッションが地味。
                鐘とか、ほとんど聴こえて来ない。

                オーケストラに埋もれるパーカッションという
                これは新しい作曲技法なんだろうか?

                パーカッションと言えば
                マルティン・グルービンガーという
                ド派手な天才が居るからな。
                スタッフのあまりの取り扱いの酷さに
                ファンだったのが、すっかり醒めたけど
                グルービンガーの派手さに比べたら
                この曲のパーカッションは
                その3%くらいの効果しかない。

                まぁ、それでも第2楽章は
                多少ジャズっぽい要素が入って
                ノリは良かったのだが
                現代音楽初演曲ワクワクという感じではない。

                まぁ、こういうのはあくまでも好みの問題だから。

                アンコールにバイオリニストが
                バッハの無伴奏曲を演奏して
                そこにパーカッションが絡まる、というのをやったのだが

                バイオリン巧すぎ・・・

                何ですか、このバイオリニスト、凄いじゃないですか。
                パーカッションは
                途中の早いパッセージでは
                それなりの効果はあったものの
                すみません、これ、パーカッションなしで
                このバイオリニストだけの演奏で聴きたかったです。
                (言いたい放題だが、個人メモだから良いのである)

                さて、パーカッションを片付けて
                ラヴェルのラ・ヴァルス。

                演奏回数の多い曲ではあるけれど
                ポッシュナーとブルックナー・オーケストラの演奏は
                ウィンナー・ワルツを強調していない。

                ちょっと肩透かしを喰らうほどの軽さと透明さ
                フランス音楽であることが強調されて
                ウィーンっぽいイヤミやしつこさが
                すっぱり抜けている。
                不要で大袈裟なタメとかが一切なくて
                音楽が非常にスムーズに流れていく感じ。

                では、それが軽いか、というと
                ちゃんと内包するエネルギーは出て来るのだ。
                人によっては
                あまりのアッサリ感に驚くかもしれないけれど
                誇張のない表現なので
                心地よく聴けるし
                音楽以外の不要な意味付けを考えずに済む。

                音楽以外の不要な意味付けの排除と言えば
                最後の終わり方にドッキリ。

                この最後のドドドド・ドンという部分
                指揮者によっては、そこに重点を置いて
                まるで第一次世界大戦の悲惨さを思い起こさせたりするのだが
                超高速で、音の切れ目もわからないまま
                ものすごく軽く終わって、呆気に取られたワタシ。

                でも、この終わり方、悪くない、というより
                一つ一つのパートがクリアに出てくるけれど
                情に溺れないフランス的「音楽」からは
                この終わり方しかあり得ないだろう、と納得させられる。

                うわ〜、これ、後半の「春の祭典」が楽しみ ❤️

                この演奏が・・・
                凄い、すごい、👍 素晴らしい。
                ものすごく緊張していた
                ファゴットの1番(そりゃ緊張するわ)の
                素晴らしいソロから始まったサクレは

                あれだけ複雑怪奇な楽譜なのに
                木管と金管の音が
                ものすごくクリアに聴こえて来る、という魔法 🪄

                こんなにオーケストラと指揮者の技量が
                ド・シロウトにもわかってしまう曲はないもんなぁ。

                本当はもう少し
                ド・シロウトの私も
                楽譜を手にして分析(の真似事)しながら
                きちんとお勉強すれば良いのだろうが
                (言ってないでやれば?とセルフ・ツッコミ)

                しかし、とにもかくにも
                オーケストラ優秀だし
                細かい部分の音が全く潰れていなくて
                パズルの細かい部分が
                ピッタリ挟まるように埋められて行く快感で
                何だか背筋がゾクゾクする。

                ラ・ヴァルスもそうだったんだけど
                エネルギーやワイルドさに欠けるところはないけれど
                不必要な誇張がなくて
                無駄な力の入った力みもなくて

                悪く言えば分析的に
                ザッハリッヒなのかもしれないが
                私、こういう演奏
                すごく自然に音楽が流れて好きだ。

                演奏後に
                コンサート・マスターに抱きつく指揮者(笑)
                いや、実は途中で
                え?っていう箇所もあったので(演奏ミスではないと思う)
                コンサート・マスターが
                何かで指揮者を助けたんだろうな、って気はする。

                リンツの田舎のオーケストラ、と侮ってはいけない。
                いや、侮ってないけど(すみません)
                僕たち超一流だから、と思っているオーケストラでも
                リハーサルなしのバレエ公演などに
                この曲を演奏させられると
                うおっ、という程(以下省略)

                それを考えると
                きっちり、マジメに、誠実に
                クリアにプロとしてのプライドを掛けて
                しっかりした演奏を聴かせてくれて
                ブルックナー・オーケストラの皆さま、
                本当にありがとうございました 🙏

                ポッシュナー、本当に実力ありそう。
                昨年はバイロイト音楽祭で
                トリスタンとイゾルデも振っているし
                52歳の中堅指揮者だけど
                経験も積んで、技術も音楽性もあって
                ブルックナー・オーケストラだけにとどまらないと思うので
                機会のあるうちに、追いかけて、どんどん聴こう・・・

                と、向こうには迷惑であろう決心を新たにする
                迷惑な老人の私に
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                最近、金欠のワタクシは
                ダブルやトリプルの場合は
                もっぱら国立図書館に行っているのだが
                日曜日にも開館している国立図書館は
                さすがにオーストリアの祝日は閉館。

                カフェに入って
                コーヒーとミネラル・ウォーターで
                日本円にしたら、1300円って
                やっぱり物価、高いよね〜(涙)

                クラング・フォールム + シルヴァン・カンブルラン

                0
                  2022年6月8日 20時30分〜22時

                  Museumsquartier Halle G

                  KRAANERG

                  コンセプト Emmanuelle Huynh, Caty Olive
                  芸術監督・振付 Emmanuelle Huynh
                  音楽 Iannis Xenakis
                  指揮 Sylvain Cambreling
                  アンサンブル Klangforum Wien
                   フルート Vera Fischer
                   オーボエ Markus Deuter
                   クラリネット Olivier Vivarès, Bernhard Zachhuber
                   ファゴット・コントラファゴット Lorelei Dowling
                   ホルン Christoph Walder, Julia Pesendorfer
                   ドラム Anders Nyqvist, David Schmidt
                   トロンボーン Ivo Nilsson, Stefan Obmann
                   バイオリン Gunde Jäch-Micko, Sophie Schafleitner,
                   Jacobo Hernandez Enriquez, Annette Bik,
                   Judith Friedl, Paolo Vuono
                   ビオラ Dimitrios Polisoidis, Francesca Piccioni
                   チェロ Benedikt Leitner, Andreas Lindenbaum
                   コントラバス Javad Javadzade, Aleksi Ruonavaara
                  ダンサー Jérôme Andrieu, Lucie Collardeau,
                  Élodie Cottet, Théo Le Bruman
                  照明・ビデオ・舞台 Caty Olive

                  ウィーン芸術週間の一環で
                  イアニス・クセナキスの曲の演奏があって
                  20時までのプロゼミ(ゲスト参加)はあるけれど
                  開演が20時30分だったら
                  そりゃ行くわよ、ワタシ。
                  (ちなみに、プロゼミの先生は明日行く、と言っていた)

                  フランスのダンサー、エマニュエル・ユエンのコンセプト。
                  舞台には下手(しもて)に弦、上手(かみて)に管楽器。
                  白い4段の雛壇に
                  白い服を着た、クラング・フォールムのメンバーが座る。

                  ダンサーは4名で黒い服。
                  腕と足(ズボンは長いので足首から下だけ)が見える。
                  舞台の照明も白黒のみだが
                  音楽に合わせて
                  床の白黒のラインが変化する。
                  (オリジナル・コンセプトの
                   ヴァザルリのオプ・アートを継承していると思う)

                  もともと、この KAANERG という曲は
                  ローラン・プティの振付のバレエ曲だったのだが
                  振付が不評で(プティでもそういう事があるのか、びっくり)
                  1972年に最後の上演があった後
                  ずっと忘れられていたらしい。

                  曲はテープと室内オーケストラの編成で約75分。
                  実際に舞台で演奏される部分と
                  テープで流される部分が混在している。
                  ただ、テープの部分もオーケストラでの演奏なので
                  Spotify で聞いてみると
                  テープと演奏の区別が、かなりつき難い。

                  現代音楽(というか、クセナキスだから近代と言うべきか)が好きな方は
                  下からどうぞ。



                  実際に演奏されるのを聴くと
                  もちろん、音の方向性もあるし
                  テープでのオーケストラ編成が大きい事と
                  舞台での音楽家(指揮者含む)の動きで
                  どういう構成になっているのかがわかって楽しい。

                  さてダンサーだが
                  最初はプレイヤーの中に隠れている。
                  振付が非常に巧みに出来ていて

                  テープでの演奏の時には
                  移動も動きも大きく

                  実際の舞台上のオーケストラ演奏の時は
                  固まっていたり
                  舞台の上で横たわっていたり
                  あるいは、動く場合でも
                  4人が固まっての緩慢な動きで

                  ダンサーの動きや足音が
                  実際のオーケストラ演奏の邪魔にならないように
                  細心の注意が払われているのが素晴らしい。

                  まぁ、クセナキスの音楽は
                  割りに最初から最後までボリューム高めなので
                  あまり雑音は気にならないが。
                  (それに、こういうコンサートに来る観客は
                   絶対に雑音(咳とかお喋り)は出さないので有難い)

                  エネルギッシュで
                  同じような感じに聴こえるようでありながら
                  多彩な音色と多様なリズム。
                  音響だけ、でありながら
                  とても「音楽」に聴こえる不思議。

                  もちろん、こちらも
                  クセナキスがもともと建築家で
                  数字を作曲の基本に置いているのを知っているから
                  思い込みもあるんだけど
                  それでも、この緻密に、数学的に作られたであろう
                  音響空間は
                  数学や建築という、徹底的に理性が勝つはずのものに
                  人間が「美」や「情熱」という感情を持ってしまう、という
                  人間の心理の一面を突きつけられているようだ。

                  指揮のシルヴァン・カンブルランの動きも面白い。
                  振付の一種なのか
                  それとも本当に指揮として必要なのかはわからないが
                  ゲネラル・パウゼの時に
                  俯いて、両手を羽根のように広げて
                  そこで固まる、というのは初めて見た。
                  (後ろからのシルエットが美的に舞台に溶け込む)

                  最後は完全にテープになる時に
                  ダンサーの動きと同調して
                  ゆっくりと床に屈み
                  そのまま指揮台で横たわり
                  照明も落ちて
                  その後、最後のテープのみの部分の演奏になる。

                  約1時間半の公演で
                  正直、似たような音響の繰り返しはあるから
                  途中で退場する人も数人居たし
                  ちょっと眠くなりそうな部分もないわけじゃないけれど
                  舞台の繊細な白黒の照明の微かな動きと
                  ダンサーの動きと
                  音響だけなのに、音楽的に聴こえる音楽で
                  洗練されたファッション雑誌のような
                  その「カッコ良さ」に圧倒された作品だった。

                  クセナキスの作品だから
                  自宅から耳栓を持って行った方が良いのかなぁ、と
                  真剣に考えた私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。
                  (なお、音量のバランスは素晴らしく(テープ・実演両方)
                   耳栓は全く必要ありませんでした(笑))


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                  この個人メモのカテゴリーだが
                  クセナキスを「現代音楽」に入れるのは
                  ワタクシ的には違和感があるので
                  オーストリアのオーケストラ(室内アンサンブルだけど)に分類。
                  まぁ、「現代音楽」って何?という定義の問題ではあるけど(笑)

                  ウィーン・アカデミー管弦楽団 + ハーゼルベック

                  0
                    2022年3月26日 19時30分〜21時50分

                    Musikverein - Großer Saal
                    Orchester Wiener Akademie
                    Herren des Singvereins der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien

                    指揮 Martin Haselböck
                    オルガン Jeremy Joseph
                    バリトン Manuel Walser
                    語り手 Florian Boesch

                    Johann Sebastian Bach (1685-1750)
                     Fantasie und Fuge e-Moll für Orgel, BWV 537

                    Gustav Mahler (1860-1911)
                     Kindertotenlieder nach Gedichten von Friedrich Rückert
                     für eine Singstimme und Orchester

                    Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
                     Symphonie Nr. 5 d-Moll, op. 107, „Reformationssymphonie“

                    Arnold Schönberg (1874-1951)
                     A Survivor from Warsaw“ für Sprecher, Männerchor und Orchester, op. 46

                    Johann Sebastian Bach
                     Ich habe genug. Kantate für Bass, Oboe, Streicher und Basso continuo, BWV 82

                    古楽オーケストラのヴィーナー・アカデミーには
                    珍しいプログラム構成だが
                    現在、楽友協会とオーストリア映画博物館の共同主催で
                    行なわれている
                    ミヒャエル・ハネケの映画フェスティバルの一環。
                    (映画博物館での上映の後
                     その内容に基づいた音楽プログラムのコンサートという主旨)

                    室内オーケストラだが
                    舞台の上には、他の楽器(バイオリンやらチェロやら)が置いてあり
                    ハーゼルベックのご挨拶で
                    曲によって、楽器を替える必要があるのです、との事。
                    バッハは 415Hz で、その他の曲は 440Hz での演奏。
                    いやもう、ホントにお疲れさまです。

                    コンサート前に上演された映画が
                    子供がテーマだったらしく(私は観てません、すみません)
                    素晴らしいオルガン・ソロの後に(楽友協会のオルガンってステキ♡)
                    マーラーの「亡き子を偲ぶ歌」

                    もともと、フローリアン・ベッシュが
                    歌も語り手も兼ねる予定だったのだが
                    何らかの理由で、語り手のみ(マイク付き)となって
                    スイスのバリトン歌手が
                    マーラーとバッハにジャンプ・イン。

                    このバリトンのドイツ語、全然わからない・・・💦

                    柔らかでリリックな美声には違いないのだが
                    声量が圧倒的に足りないのに加えて
                    ドイツ語単語出だしの子音がほとんど聴こえないので
                    ごにょごにょ、もごもごになってしまって
                    それが、オーケストラの響きと混じってしまい
                    プログラムの歌詞を見ていてさえ、違和感がある。

                    え〜い、うるさいババァで申し訳ないんだけど
                    フィッシャー=ディースカウで育った世代は
                    ドイツ語のディクションには厳しい耳を持っているので
                    ここで色々と吠えていても
                    読者の皆さまは気にしてはいけません。

                    ベルリンのリートのコンクールで第一位だったりの
                    華やかな経歴のある歌手だし
                    確かに、発声に無理のない、滑らかな美声だから
                    小規模な響きの良いホールで
                    ピアノ伴奏で
                    シューベルトとかモーツァルトを歌ったら
                    かなり聴かせるバリトンではないか、と思う。

                    メンデルスゾーンの宗教改革交響曲は
                    初演の時に散々で
                    メンデルスゾーンが自信を失ってしまった
                    いわく付きの交響曲だが
                    (よって、楽譜も死後出版)

                    音楽分析の授業で扱った事があって
                    ドレスデンのアーメンも
                    私はワーグナーではなくて、この曲で知った(笑 例外的だよね)

                    室内オーケストラで演奏されると
                    イメージがちょっと違うけれど
                    でも、メンデルスゾーン時代は
                    ライプチヒ・ゲヴァントハウスも
                    1944年に焼失する前のシューボックスだったし
                    同じような響きだったのかも、と思うと感慨深い。

                    最も楽しみにしていた
                    シェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」

                    フローリアン・ベッシュの語りが
                    ・・・英語のはずなんだけど
                    ドイツ語にしか聞こえない・・・💦

                    ベッシュって言ったらドイツ・リートのイメージなので
                    私の頭の中がバグっている。

                    ただ、その分
                    途中のオリジナルのドイツ語の
                    ナチスの将校の怒鳴り声のリアルさが・・・

                    こわいよ、この曲、って言うよりも
                    一幕の演劇?

                    音楽が劇伴以上の迫力で迫ってくるし
                    ベッシュの英語、というより
                    ドイツ語での将校の恐ろしさが(怒鳴り声が・・・)
                    あまりに真に迫っていて

                    最後のユダヤ人のコーラスになっても
                    そのまま席で身体が凍りついたまま・・・

                    コーラスが終わると
                    すぐにオルガンのソロに突入し
                    指揮者とベッシュは
                    こっそりと姿を消して

                    強張った身体と精神を
                    浄化するかのような
                    静かなオルガン・ソロを聴いている間に
                    また指揮者とバリトンのマヌエル・ヴァルザーが舞台に登場。

                    続けて、バッハのカンタータ「我は満ち足れり」の演奏。
                    アリアの時のバリトンのドイツ語は
                    相変わらず、もごもごしていてわからないし
                    声量を抑えているのか
                    もともと声量ないのかは不明だが
                    声とオーケストラが混じり合って
                    声が聴こえて来ないのだが

                    レチタティーヴォの時には
                    美声が、そこそこわかるドイツ語で響いて来たので
                    やっぱりこのバリトン、小ホールのピアノ伴奏歌唱向きかもしれない。

                    バッハのカンタータが最後で良かった 😌
                    気持ちも落ち着いて
                    平和な気分になった。

                    2時間ちょっとのコンサートで
                    感情ジェットコースターみたいなプログラムで
                    苦手な教会音楽系の多い夕べだったけれど

                    ものすごい充実感があって
                    その意味では
                    よく考えられたプログラム構成だ、と
                    ひたすら感心して帰宅した私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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                    余計な話だが
                    このカンタータ Ich habe genug って
                    初めて聴いた時には
                    Ich habe es genug と勘違いしてしまい
                    (Ich habe es genug って、日本語に訳すと
                     「あ〜、もう、うんざり」って感じ・・・😅)
                    バッハはいったい、ナニを作曲したんだ?と思っていた(アホですみません)

                    ウクライナ犠牲者のためのチャリティ・コンサート

                    0
                      2022年3月22日 19時30分〜21時15分

                      Musikverein - Großer Saal
                      BENEFIZKONZERT
                      für die vom Krieg in der Ukraine
                      betroffenen Menschen

                      Concentus Musicus Wien
                      Orchester Wiener Akademie
                      ORF Radio-Symphonie Orchester Wien
                      Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                      Wiener Symphoniker

                      Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien

                      指揮 Patrick Hahn
                      ピアノ Kirill Gerstein
                      バイオリン Gidon Kremer
                      ピアノ Matthias Samuil
                      ソプラノ Christiane Karg
                      メゾソプラノ Lena Belkina
                      テノール Michael Schade
                      バスバリトン Luca Pisaroni

                      Mychajlo Werbyzkyj (1815-1870)
                       Schtsche ne wmerla Ukrajina
                       (Noch sind der Ukraine Ruhm und Freiheit nicht gestorben)
                       Ukrainische Nationalhymne

                      Mieczysław Weinberg (1919-1996)
                       Konzert für Violine und Orchester g-Moll, op. 67: 3. Adagio

                      Igor Loboda (*1956)
                       „Requiem“ für Violine solo.
                       Den Opfern des Ukraine-Konflikts 2014 gewidmet

                      Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
                       Verleih uns Frieden gnädiglich. Choralkantate

                      Claude Debussy (1862-1918)
                       Berceuse héroïque
                       Pour l’Œuvre du „Vêtement du blessé“

                      Frédéric Chopin (1810-1849)
                       Fantasie f-Moll, op. 49

                      Valentin Silvestrov (*1937)
                       Aus dem Vokalzyklus „Stille Lieder“:
                        Nr. 6: Welt, leb wohl, leb wohl, du harte
                        Nr. 17: Wenn gelbe Wogen schlägt das Korn in weiter Runde

                      Felix Mendelssohn Bartholdy
                       Ich harrete des Herrn. Duett mit Chor aus der Symphonie
                       Nr. 2 B-Dur, op. 52. „Lobgesang“

                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                       Symphonie Nr. 9 d-Moll, op. 125:
                       Schlussatz mit Vokalsoli und Chor („An die Freude“)

                      チケットには
                      ウクライナのためのチャリティ・コンサートと書いてあるけれど
                      正式には
                      ウクライナ戦争に巻き込まれた人々のためのチャリティ、である。

                      5つのオーケストラの有志メンバーやソリスト
                      楽友協会やスタッフは無償。
                      売り上げは1千5百万円ほどで
                      これは全て、人道的援助のために寄付される。

                      楽友協会支配人と
                      ウクライナ出身の
                      トーンキュンストラーのコンサート・マスターのスピーチの後

                      やはりウクライナ出身のメゾソプラノが登場し
                      ウクライナ国歌の演奏。
                      プログラムにはウクライナ語とドイツ語の翻訳が記載されていて
                      歌詞を初めて読んだが
                      激動の歴史を物語る内容なのだなぁ・・・

                      これを歌った
                      ウクライナ出身のメゾ・ソプラノの歌手だが
                      もともと、この曲のオーケストレーションって分厚いんだけど
                      それにしても
                      全く声が通ってこないし、声量ないし

                      指揮者が、むちゃくちゃオーケストラの音量は落としているものの
                      聴こえてくる声はビブラート多めで
                      しかも上ずってるし・・・

                      プログラム記載によれば
                      ウィーン国立オペラ座のアンサンブルのメンバーを経験していたり
                      ウィーン劇場でも歌っているらしいので
                      素晴らしい人なのだろう、きっと。

                      ほら、チャリティという事で
                      いつもの超貧民席じゃなくて
                      ちょっとお高い(約2倍ほどする)席を買ったから
                      いつもの席の音響と違うし
                      私の耳が慣れていない、という可能性もある。

                      ギドン・クレーメルが真っ白な衣装で登場。
                      ワインベルクだけど、アダージョで
                      ・・・雰囲気が暗い。

                      続いてソロ曲で
                      ジョージアの作曲家のレクイエム。
                      ・・・雰囲気が暗い。

                      ソロ曲でピアニッシモが多くて
                      時々、特殊奏法の、妙なる繊細な響きなのに
                      後ろの人が
                      ずっと音を立ててプログラムを弄っているのが
                      ものすごく気になるんですけど(涙)
                      ・・・ご本人は雑音を立てている自覚はないんだろうなぁ。

                      メンデルスゾーンの合唱カンタータの後
                      直前に「健康上の理由」でキャンセルしたキーシンに代わって
                      ゲルシュタインがドビュッシー2曲と
                      ショパンの幻想曲。

                      ・・・雰囲気が暗い。

                      ショパンの幻想曲では、ちょっと雰囲気は上向いたけれど
                      技巧をひけらかすアクの強さは全くなくて
                      淡々と演奏している印象。

                      ウクライナの作曲家
                      ヴァレンティン・シルヴェストロフの2つの歌曲は
                      国歌を歌ったメゾと、ピアニストでの演奏。
                      相変わらず上ずった印象を与える
                      メゾとは思えない細い声なのだが

                      いや、きっと、私が買った
                      ちょっと高級なお席の音響が
                      貧民席の音響と違うからなのだろう、きっと。
                      (ただ、私の普段の愛用席は、オーケストラの音響は良いが
                       歌手が入ると(声は前に飛ぶので)バランスが悪い。
                       その観点からは、今回の席の方が
                       声は聴こえるはずなんだけど・・・)

                      メンデルスゾーンの Lobgesang からの
                      合唱団と、ソプラノ・メゾのデュエット。
                      ソプラノのカルグが声を抑えて
                      メゾを引き立てようとしているのがわかる。
                      チャリティだしね・・・

                      最後は、シャーデとピサローニが加わって
                      ベートーベンの交響曲9番、最終楽章。

                      あ〜、うんうん、チャリティだからね・・・

                      ピサローニの第一声は素晴らしい。
                      やっぱり、声が出る人が歌うと
                      ちゃんと聴こえてくる(笑)
                      ドイツ語は少し怪しいけれど
                      あの朗々とした深い美声を聴けるのは
                      ものすごく嬉しい💘

                      ピサローニ、オペラ座で最近歌ってないけど
                      またオペラで聴きたいなぁ、と思わせる。

                      (調べてみたら、ドレスデンでフィガロの結婚の
                       タイトル・ロールを歌ってるじゃないの。
                       しかも4月のイースター時期にも公演が・・・
                       あっ、ダメだ、私のカレンダーが重なっている💦)

                      シャーデだけど
                      もともと怒り肩タイプではあるけれど
                      あれだけ肩が上がっていて
                      よく、あの声が出せるな・・・
                      って言うか
                      よく聴こえてくるテノールなんだけど
                      ずいぶん声が硬くない?

                      カルグは相変わらず
                      ウクライナ出身のメゾを盛り立てようと
                      声量をかなり落としている。

                      う〜ん・・・
                      この曲って
                      こんな行進曲に聴こえる曲だったのか
                      ・・・というのは、個人的な好みの問題なので
                      あくまでも個人メモです。
                      チャリティ・コンサートですから・・・

                      ウクライナ情勢については
                      政治の専門家ではないので偉そうな事は言えないけれど
                      遅かれ早かれ、結果は出ているようなものなので
                      現時点では、私には
                      かなり暗いシナリオしか見えない。

                      何も出来る事はないので
                      面はゆいばかりだが
                      最悪の方向に行かないように
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                      様々なオーケストラのメンバーが集まって
                      本当に苦労したんだろうなぁ、というのが
                      よ〜〜〜〜くわかる演奏で
                      出演者の皆さま、お疲れさまでした・・・

                      なお、コンサートの客席は本当に満杯だった。

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