ウィーン・コンサート・フェライン + フィリップ・モラール

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    Musikverein großer Saal 2018年12月17日 19時30分〜21時40分

    Wiener Concert-Verein
    指揮 Philippe Morard
    バイオリン Renaud Capuçon

    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
     Symphonie D-Cur KV 385 „Haffner-Symphonie“ (1782)
    Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
     Konzert für Violine und Orchester e-Moll op. 64 (1844)
    Antonín Dvořák (1841-1904)
     Romanze für Violine und Orchester f-Moll op. 11
    Franz Schubert (1797-1828)
     Symphonie Nr. 3 D-Dur D 200

    今年のオーケストラ・コンサートは
    昨日の3連発で終わり・・・の筈だったのだが
    友人から誘われて(友人の友人が行けなくなったとかで)
    またもや楽友協会に行って来た。

    しかも、いつもの超貧民席ではない。
    かなりカテゴリーの上の方で、音響も抜群、舞台も見える。
    行けなくなった友人の友人には同情するが
    その分、しっかり聴いて来た(笑)

    しっかり聴いたので、しっかり印象も正直に書いちゃう。

    この室内オーケストラは
    ウィーン交響楽団のメンバーで構成されていて
    今回もヨーロッパ演奏旅行で、昨日はスイスでコンサートして帰ったばかり。
    オーケストラのウエブ・サイトは ここ
    指揮者はスイス出身でサイトは こちら
    サイトに出ている写真と、後ろから見る印象がかなり違うが
    まぁ、人の見た目について書くのは止めよう。
    (と言いつつ、しょっちゅう書いてますが f^_^;)

    モーツァルトのハフナー交響曲
    出だしでテンポ合わず、不安定でフニャフニャして
    えええ、何これ、シロウトじゃあるまいし・・・とか
    ついつい偉そうな事を考えてしまったが
    途中から流石にプロで、演奏も落ち着いて来た。

    室内オーケストラって、楽友協会の音響に良く合う。
    ブラームス時代に建てられたホールだから
    ウィーン・クラシックを室内オーケストラで演奏するには
    理想的なホールなんだなぁ、とつくづく思う。

    モーツァルト爆睡体質だが
    最近、睡眠時間も長いので(冬休みだし(笑))
    モーツァルトって基本、楽しい音楽だし
    ・・・はい、以下省略。

    メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲は
    ルノー・カピュソン登場。
    名曲アワーで、これも楽しい。

    第2楽章はバイオリンがよく歌っていたけれど
    あのテンポの第3楽章は流行なのかしら。
    ともかく速い、むちゃくちゃ速い速度でガンガン弾くので
    パッセージがオーケストラと合わず
    最後で無理やり合わせました感が強い。
    時間制限があるワケじゃないし(それともあるのか?)
    サーカスじゃなくて、音楽が聴きたかったなぁ。

    後半のドボルジャークは、すごく良かった。
    オーケストラもバイオリンも、とてもカンタービレに歌う曲で
    バイオリンとオーケストラの息がぴったり合って
    小品ながら、緻密に仕上がっていて
    これが今日、一番良かったかもしれない。

    シューベルトの交響曲3番。
    これ、ナマで聴く事はあまりない(ような気がする)
    18歳の時の習作ではあるけれど
    シューベルトらしい和声があちこちに見えて
    モチーフの処理の仕方も巧み。
    室内オーケストラ+ウィーン・クラシックの
    楽友協会での音響の良い部分が聴けた。

    ただ、このオーケストラ、ちょっとアンサンブルが甘い。
    それとも、私の今回の席が舞台から離れた場所で
    音響が違うのかもしれないが
    細かい部分のパッセージの潰れがあったり
    微妙なズレも時々ある。

    第一バイオリン、巧いんだけど
    音質がかなり金属的で甲高い。
    木管は控えめ過ぎで、音が飛んで来ない。

    それともリハーサルの時間が足りなかったのか
    過酷な予定の演奏旅行から戻ってお疲れだったのか

    アンコールに「フィガロの結婚序曲」が演奏されたのだが
    あれ?
    あれあれあれ?
    こういう超高速でアクセントの強い演奏って
    クルレンツィスとムジカエテルナの演奏そっくり・・・

    ただ、クルレンツィスとムジカエテルナの演奏の方が
    精密度はずっと高くて
    それだけに、アンサンブルの粗さが目立ってしまった。
    これもリハーサル不足なのかしら。

    指揮者はよく動いてキューを出しているけれど
    オーケストラのまとめ方や独自の解釈について
    個性が強いというタイプではないのかも。

    まぁ、どシロウトが何言うか、と言われれば
    反論は何もございませんが。

    これで本当にオーケストラ・コンサートは終わり。
    毎日のようなコンサート通いも
    ちょっと休憩。

    ただ、昨日書いた通り
    オペラもバレエもあるので
    2019年になる前に
    まだ数回はよろしくお付き合い下さい。

    毎年懲りない私に
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    ヴィーナー・アカデミー管弦楽団 + ハーゼルベック

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      Musikverein Großer Saal 2018年11月4日 19時30分〜21時30分

      Orchester Wiener Akademie
      Wiener Singakademie
      指揮 Martin Haselböck
      ソプラノ Sumi Hwang
      アルト Stephanie Houtzeel
      テノール Steve Davislim
      バス Florian Boesch

      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
       Ouvertüre „Die Weihe des Hauses“, op. 124
       Tremate, empi, tremate. Terzett mit Begleitung des Orchesters, op. 116
       Symphonie Nr. 9 d-Moll, op. 125

      古楽器を使うピリオド奏法のオーケストラのトップの一つ
      ハーゼルベックの率いるヴィーナー・アカデミー管弦楽団。

      私のブログに滅多に登場しないのは
      なかなか行けるチャンスがないからであって
      ピリオド奏法や古典的な演奏が嫌いだから、という訳ではない。
      (だってバレエやモダン・オーケストラ、現代音楽で
       既にカレンダーはいつも満杯状態である)
      コンツェントゥス・ムジクスだって時々は行っていた。
      アーノンクール亡き後は行ってないけど。

      今回のコンサートでまず目が行ったのが
      歌手陣である。
      うっふっふ、私の好きな男性歌手が2人!!!

      コンサート前に、大学の教授が
      ベートーベンについての解説を行う、というのも魅力的。
      (この教授のベートーベンの講義、行きたかったのだが
       他の授業とどうしても重なってしまうので、泣く泣く諦めた)

      さて、ベートーベンの交響曲9番の初演だが
      今はなきケルントナー劇場で
      献堂式序曲(とウィキでは訳されていた)と
      ミサ・ソレニムスからの曲と共に初演された。

      第2回目のレドゥーテンザールでの演奏の際に一緒に歌われた
      作品番号116番は
      ウィキでは「不信心な者よ、おののけ」と訳されているが
      歌詞から想像すると
      バスの奥さんのソプラノがテノールと本気の浮気して
      別れ話をしているようにしか思えないのだが・・・

      この3重唱が面白くて
      韓国出身のソプラノの声が非常に強くて素晴らしい。
      ベッシュの厚みのある低いバリトンは
      オーケストラに埋もれそうな音域ではあったが
      裏切られた夫(かどうかは不明)の怒りをワイルドに表現。
      ダヴィスリムのテノールは、昨今、ますます巧くなった。

      さてしかし、メインはベートーベンの交響曲9番である。
      色々な意味で、ここ数年、この交響曲を思い起こすだけで
      蕁麻疹が出そうなアレルギーがあった。

      昨年から、私は気楽な引退老人になったのだが
      アレルギーが治るまでに、結構な時間がかかって
      たぶん、まだ完璧に治ったとは言えないような気もする。

      それに、この曲、最終楽章で、だいたい、どの演奏を聴いても
      バスの出だしは大音量でないといけないというので
      何だか無理っぽい歌手も多かったし
      テノールのソロが息絶え絶えだったり
      ソプラノの高音が叫び声のヒステリーになったり
      コーラスのソプラノもついでに全員、集団ヒステリーと化したり
      まぁ、もちろん皆さま、世界的に有名な歌手と合唱団がほとんどなので
      良い演奏ではあるのだろうが

      ソプラノの絶叫、苦手なんですワタシ。

      さて、このオーケストラは古楽器オーケストラである。
      奏法もピリオド奏法で、ノンビブラートである。
      よって、出てくる音がモダン・オーケストラとは違う。

      今や情報過多になって、何でも聴いている聴衆が
      どんどん要求水準を上げて
      目新しい音楽体験を血なまこになって探すものだから
      色々と奇抜な事をする人たちが現れてくるし
      現代音楽なんて、その最たるものではあるのだが

      古楽器オーケストラの響きも
      かなり変わった響きで、新しい発見が多い。

      もちろん、ピリオド奏法、初めてではないのだが
      曲の構成がはっきり見えるし
      時々、思いがけない音響があったりして気が抜けない。
      (パーカッションが足音に聴こえたりする)

      問題の?最終楽章だが
      あああああっ、すごく無理のない声・・・

      バスの出だしも美しく
      テノールのソロも美しく
      ソプラノも神経に触らず
      コーラスのソプラノも充分に高音に余裕がある。

      ううう、古楽器オーケストラで
      ピッチが20ヘルツくらい違うだけで(推測値)
      こんなに印象が変わるんだわ・・・

      何だか思いがけなく感激してしまった。
      もちろん、今回は張り切って
      割に高い席を購入した、という理由もある。
      (だって歌が入るから、オーケストラの後ろは避けたかったんだもん)
      やっぱり、高い席の音響は良い。
      いやもう、実に良い。特にソロとコーラスの声が最高。

      だからと言って
      いつも高い席を買うには
      年金がちょっと、いや、だいぶ足りない私に
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      いや、アカデミー、ちょっと再発見って感じ。
      実は数年前のリスト・イヤーの時に
      このオーケストラで、リストの聖エリザベートのオラトリオを聴いて
      バケツのようなパーカッションに耐えられずに出て来た記憶が・・・
      良い悪いの判断はともかく
      古楽器って、思いがけない音もしますよね(笑)


      ホーフムジーク・カペレ + ムーティ

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        Musikverein Großer Saal 2018年10月21日 11時〜12時50分

        Wiener Hofmusikkapelle
        指揮 Riccardo Muti
        ソプラノ Genia Kühmeier
        アルト Daniela Pini
        テノール Werner Güra
        バス Adrian Eröd

        Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
         Symphonie C-Dur, KV 338
        Nicola Porpora (1686-1768)
         Salve Regina für Alt, Streicher und Basso cntinuo F-Dur
        Antonio Salieri (1750-1825)
         Magnifcat für vierstimmigen Chor und Orchester C-Dur
        Franz Schubert (1797-1828)
         Messe G-Dur, D 167 für Soli (Sopran, Tenor, Bass),
         vierstimmigen Chor, Orchester und Orgel

        ホーフムジーク・カペレという比較的、地味に見える名前がついている
        このアンサンブルのメンバーはウィーン・フィルのメンバーである。
        で、合唱団は、かの有名なウィーン少年合唱団である。

        通常は日曜日の9時15分からホーフブルク宮殿のチャペルで
        ミサをやっているのだが
        年に数回(1回だけかも)ホーフブルクのミサはオルガンに任せ
        (よって、この日のホーフブルク・チャペルのミサのチケットは安い(笑))
        楽友協会でコンサートを行う。

        プログラム見てお分かりの通り
        レパートリーは宗教曲が中心。
        (他の曲もいくらでも演奏できるだろうが
         ヨハン・シュトラウスのワルツとか演奏するのだったが
         アンサンブルの名称が変化する)

        コンサート・マスターはホーネックさん ♡

        最初は宗教曲ではなくモーツァルトの交響曲第34番ハ長調。
        苦手なモーツァルトなのに

        あああああ、何という美しさ・・・
        バイオリンの透明感と絶妙なアンサンブルの
        解像度は高いのに、空気に溶けるような高雅さ。
        司教のため、というよりは
        一般的当時の特権階級の趣味の良さに沿って
        中期のモーツァルトが(24歳)円熟した技術を使って
        途中の転調が、モーツァルトらしさ満載で

        どの和音を通じて、どうなって転調しているのか
        分析したくて分析したくて・・・
        (まだ全然わかっていなくて、普通の音楽学生みたいに
         自動的にサブドミナントとかダブル・ドミナントとか
         全然出て来ないんです。もちろん、自分がアホだから(涙))

        モーツァルト聴くと自動的に熟睡、という普段の症状も忘れ
        トニカ・ドミナント、あっ、次の和声は一体何だ
        そこの転調、どうやった・・・なんて
        天上の響きの音楽を聴きながら、頭の中で考えているのが
        何となく悲しい・・・

        この段階を越えると、少しは音楽を理解できるようになるんだろうか???

        次の曲はニコラ・ポルポラの作品。
        イタリア後期バロックの作曲家で
        ナポリ、ローマ、ヴェネツィア、ドレスデン、ウィーンからナポリに戻る。
        ウィキで調べたら、ナポリは当時スペイン領。
        あ〜、それで神聖ローマ帝国の皇帝カール6世とも関係があったのか。
        ハイドンもポルポラに師事していたらしい。

        サルヴェ・レジーナはアルトのソロが入る。
        (が、多分これ、もともとは男声のカストラート用だろう。
         カトリック教会のアンティフォナの一つだし)

        アルトは当初、ベルナーダ・フィンクが予定されていたが
        ジャンプ・インでダニエラ・ピニ。

        メゾ・ソプラノらしいけれど
        いや、低い声が厚めの美声で素晴らしい。
        声は前に飛ぶタイプらしく
        超貧民席で舞台の後ろだと音響はあまり良くなかったと思うけれど
        それでも声の質の良さは充分に伝わって来る。

        後半はサリエリのマニフィカト。
        サリエリって、モーツァルトに比べて
        ついつい軽く見られがちだが
        当時の作曲技法に基づいて、とても美しい曲を書いたんだなぁ。

        いやムーティが指揮台に立つと
        ともかく、何でもかんでも、その美しさが際立つ。
        何なんだろう、この美学。
        音楽性? センスの良さ? 経験の差?
        どの音楽も、徹底的に美しく提示してくる指揮者の音楽は
        通俗的な言葉で悪いけれど、本当に天国的。

        最後はフランツ・シューベルトのミサ。
        あああああ、もう、完璧な美しさ。
        ソプラノのキューマイヤーの澄んだ高音も素晴らしい。
        エレードのバスも、とてもはっきりと聴こえて来た。
        途中で寝落ちしていたのかもしれないが(すみません)
        ギューラのテノールは、あまり聴こえて来なかったなぁ。

        ウィーン少年合唱団のコーラスも良い。
        もともと皇帝マキシミリアンが宗教曲のために作った合唱団だから
        本来のレパートリーの一つになるわけで、素晴らしい響き。

        日曜日の午前中から
        宗教曲苦手なのに、カトリックのミサと同じ宗教曲聴いて
        グッタリするかと思っていたのだが
        小2時間、ともかく、徹底的な美の世界に連れて行かれて
        至福の時間だった。

        レコードも CD もラジオも何もない時代に
        こんなに美しい音楽をミサで聴けるんだったら
        カトリック教会の意義ってスゴイよなぁ・・・と
        関係ない事をチラチラ考えてしまった私に
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        ヨーロピアン・ユニオン・ユース・オーケストラ + ノセダ

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          Schloss Grafenegg Wolkenturm 2018年8月23日 19時30分〜21時50分

          European Union Youth Orchestra
          ピアノ Rudolf Buchbinder
          指揮 Gianandrea Noseda

          Edvard Grieg (1843-1907)
           Konzert für Klavier und Orchester a-Moll op. 16 (1868)
          Pjotr Iljitsch Tschaikowski (1840-1893)
           Symphonie Nr. 5 e-Moll op. 64 (1888)

          ヨーロッパ・ユニオン・ユース・オーケストラの
          グラーフェネックでの最終公演は
          指揮者にジャナンドレア・ノセダを迎え
          ピアノはグラーフェネック音楽祭の芸術監督で
          いつも花束持って、美人のソリストとほっぺにチューしている
          ルドルフ・ブッフビンダー。

          まだまだ暑いので、野外音楽堂でのコンサートである。
          この間は、音響悪くない・・・と思っていたけれど
          席の位置のせいか
          あるいは風向きなのか
          何だか今日は音が飛んで来ない感じがする。

          しかも雑音がものすごく気になる。
          外のオートバイの爆音、時々飛ぶプライベートな飛行機の音に加えて
          なにせこの音楽祭、芝生チケットというものがあって
          ピクニック気分で来られるので
          今日は子供二人が、向こうの芝生の上を
          コンサートの最中、駆けずり回って
          時々、奇声をあげている・・・(絶句)← 親はコンサートを聴いているらしい。

          グリーグのピアノ協奏曲と言ったら
          名曲中の名曲で、誰でも知っている。

          ブッフビンダーは71歳とは言え、現役のバリバリで
          骨太で華麗なピアノの音なんだけど
          風向きのせいか、席の位置のせいかはわからないが
          何だか、オーケストラがものすごく不安定に聴こえてくる。
          あんな難曲を、安定した手のポジションでよく弾くなぁ、と
          感心して見ていたのだが
          ミスタッチとは言わないけれど、一部に当たり損ねがあったり
          いや、でも、もしかしたら、そういう曲なのか(←私のうろ覚えかも)

          このフェスティバルに来ている人は
          基本的には全員ブッフビンダーを知っていて
          多かれ少なかれファンなので

          何と、何と、何と
          いつも絶対にアンコールしないブッフビンダーが
          アンコールを2曲。

          しかも最初のアンコールが
          ヨハン・シュトラウスのパスティッチオ!!!!

          これ、確か最後に聴いたのが
          プレートルとウィーン交響楽団の最後のコンサートの時だった。
          洒脱でヴィルトゥオーゾ的要素が散りばめられていて
          なのに、人を脅かすようなものではなくて
          あくまでもウィーン風に、軽くチャーミングに
          ドイツ語で言うなら、とことんゲミュートリッヒ。

          いやもう、こういうモノを弾かせたら
          ブッフビンダーに敵うピアニストはいないだろう。

          これ聴いたら、グリーグなんて別にどうでも(失礼!)と思っちゃったけれど
          何と、その後に、もう1曲、バッハを演奏。
          右手と左手がずっと交差している面白い曲で
          これはクラシック的にバロック的に
          あくまでも正確で端正で、唸ったわ、私。
          ブッフビンダー、オーケストラとの共演じゃなくて
          リサイタルやったら、また聴きに行かなくちゃ・・・

          後半のチャイコフスキーの交響曲5番。
          これも名曲で、みんな知ってる・・・・けれど

          私の体調か、席の位置か、風向きか
          ともかくわからんのだが
          やっぱりオーケストラが不安定に聴こえてくる。

          ノセダの指揮を見ていると
          とても歌わせるイタリア人だなぁ、とは思うのだが
          時々、リズムと指揮の動きが一致しなくて
          (いや、それはそれで、そういう指揮法なのだろうが)
          ちょっと船酔いみたいにクラクラくる。

          別に私の体調、悪くない筈なんだけど
          でも、もしかしたら
          夏休みの宿題を大いにサボっているのが原因かも・・・

          将来有望な若いメンバーたちのユース・オーケストラなので
          技術的にどうのこうの、というのはなかったんだけど
          いまいち、乗り切れなかったのは
          自分が悪い。

          これ、個人的メモであって
          音楽批評でも何でもないので
          ウソを書くわけにいかないので・・・
          すみません、読者の方々はお目汚しですのでご放念下さい。

          今週は木・金・土・日と連続で
          往復約140キロのドライブをする予定の私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          この暑さも今日が最後らしい。
          ザルツブルク郊外では豪雨で道路が閉鎖されて孤立地帯が出来たり
          何だか、本当に変な気候。

          ヨーロッパ・ユニオン・ユース・オーケストラ + マンフレッド・ホーネック

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            Schloss Grafenegg Wolkenturm 2018年8月4日 20時〜22時40分

            KLANGRAUSCH UND OPERN-DUETTE

            European Union Youth Orchestra
            指揮 Manfred Honeck
            バリトン Thomas Hampson
            バスバリトン Luca Pisaroni

            Richard Strauss (1864-1949)
            Suite aus der Oper „Der Rosenkavalier“ op. 59 (1911/1944)

            Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
            „Non più andrai“ - Arie des Figaros aus der Oper „Le nozze di Figaro“ (1786)
            „Hai già vinta la causa ! … Vidrò mentre io sospiro“
            Rezitativ und Arie des Conte Almaviva aus der Oper „Le nozze di Figaro“

            Giuseppe Verdi (1813-1901)
            „Restate! Presso alla mia persona“
            Szene und Duett Rodrigo - Filippo aus der Oper „Don Carlo“ (1867/1884)

            Guiseppe Verdi
            „Perfidi! … Pietà, rispetto, amore“
            Rezitativ und Arie des Macbeth aus der Oper „Macbeth“ (1847)

            Gioachino Rossini (1792-1868)
            „Si, vi sarà … Deh ti ferma“
            Rezitativ und Arie des Assur aus der Oper „Semiramide“ (1823)

            Vincenzo Bellini (1801-1835)
            „Il rival salvar … Suoni la tromba“
            Duetto Sir Giorgio - Sir Riccardo aus der Oper „I Puritani“ (1835)

            Ottorino Respighi (1879-1936)
            „Pini die Roma“ (1924)

            グラーフェネックのサマー・コンサートのシリーズは
            既に6月末から始まっているのだが
            8月中旬からのグラーフェネック・フェスティバルが
            ゴリゴリのクラシックなのに比べて
            比較的ポピュラーや親しみ易いプログラムなので
            年金生活でお金もないし(笑)今年はちょっとサボっていた。

            ただ、その中で
            ピサローニとハンプソンが歌って
            マンフレッド・ホーネックが指揮するコンサートだけ目を引いた (^^)v

            毎年グラーフェネックで活躍する
            ヨーロピアン・ユニオン・ユース・オーケストラの
            若々しいイキの良い音も楽しみ。

            メイン・コンサートの前に
            プレリュードというミニ・コンサートもあったのだが
            これ、数年前から、冷房の効いたライトシューレのホールじゃなくて
            お城の中庭で行われるようになって
            開始時間には、中庭の3分の1くらいに
            まだ、ガンガン日光が当たっている。

            で、本日の気温、32℃とかなんですけど(怒)
            そんな気温で太陽の当たる、しかも風通しの悪いお城の中庭で
            クラシックの室内音楽、聴きたくない(すみません)
            それに、開始時間に、鳥が鳴きまくってウルサイのだ(経験済み)

            ヨーロッパの猛暑は、来週の木曜日くらいまで続く予想で
            もちろん、日本の猛暑とは比べものにならないけれど

            でも、でも、でも
            こちらは、何処に行っても「冷房」なるモノがないのだ。
            時々、新型の地下鉄や市電に冷房入っている時もあるが
            冷房の効いていない、ムッとした暑さの車両も多い。

            車の冷房をガンガン効かせてグラーフェネックまでドライブして
            外に出たら、うわああ、夜の7時過ぎで、まだ32℃で
            ムッとする暑さである。プレリュード行かなくて良かったわ。

            20時からのコンサート。
            オーケストラのメンバーも指揮者も
            黒の上着を着て、暑そう・・・
            観客はそれなりの涼しい格好をしているが。

            コンサート前に、主催者のブッフビンダーがマイクを持って登場。
            あ? プログラム変更? それとも、誰かがキャンセル?
            ブッフビンダーだと気付いた観客から拍手。

            「演奏せずに拍手をもらう、というのは
             なかなかオツなものですが
             プログラムに変更はありません。
             出演者も全員来ています。
             ただ、トーマス・ハンプソンが
             ここ数日、夏風邪をひいた、と聴衆に伝えて欲しいとの事」

            こういうアナウンスって、不要な事も多いのだが
            確かにハンプソン、時々調子が悪そうだった。
            (それでも、あの、人間とは思えぬ声量は健在だったが)

            ユース・オーケストラとは言え
            音楽大学で専攻しているプロの卵たちなので、アマチュアとは言えない。
            ただ、オーケストラの人数は、かなり多い(特に弦が)

            野外音楽堂だから
            大規模オーケストラでも、残念ながら音の響きは
            あちこちに散ってしまう。
            悪い音響ではないのだが
            いつも楽友協会ホールなどで聴き慣れている耳には
            ちょっともどかしい感じ。
            (それとも、私、歳とともに、耳が遠くなったんだろうか。
             ・・・可能性としてはアリだな)

            真面目にしっかり指揮者の指示通りに演奏するユース・オーケストラで
            バラの騎士組曲で、ホーネックの自由自在のヘン◯イ振りが発揮されると
            非常に楽しい。むちゃくちゃ楽しい。

            リヒャルト・シュトラウス、こんなに美しいワルツを
            オックス男爵のために書いたんだなぁ、とか
            なんだか久し振りにバラの騎士、オペラ座で観たくなってしまった。

            最初のフィガロはピサローニ。
            ピサローニが出て歌いだしたとたん
            オーケストラの音量だの何だのが、頭からぶっ飛んだ。

            イタリアの最高級モード雑誌のモデルでも充分通用するスタイルを
            白いシャツと黒のスーツで包み
            大声を張り上げる事なく
            モーツァルトにふさわしい軽快さで
            滑らかで艶やかな美声・・・

            観て良し・聴いて良しの至福な時間 ♡

            次のアルマヴィーヴァはハンプソン。
            もともとハンプソンって、人間とは思えない声量があるんだけど
            夏風邪で少し抑えてるのかしら。
            でも、野外会場でも堂々と響いてくる声は立派。

            途中で、何かあって
            指揮者に指示して、もう一度繰り返させていたけれど
            さりげなく、悪びれず、実に自然に歌い直しちゃうところとか
            さすがにベテランの域。
            指揮者もオーケストラも、突然の変更によくついていった。

            ドン・カルロのロドリゴとフィリッポのデュエット。
            あ〜〜〜、イタリア語、習っておけば良かった。
            (というより、今からやれ、って話だが・・・)

            舞台上で、コンサート形式なのに
            2人ともオペラっぽく演技始めちゃうし
            ハンプソンは声に多少ムラがあって
            上の方が出にくいようだが
            迫力たっぷりで
            声量ばっちり、声ばっちりで
            見た目も派手(=太ってないけどともかく大柄)な2人は絵になる。

            どの位「大柄」かと言うと
            ハンプソンとピサローニは同じ位の背なのだが
            その横に指揮者のホーネックが並ぶと
            ホーネックの頭が、2人の肩のあたり・・・

            後半はヴェルディのマクベスから。
            これはハンプソンの出し易い声の範囲だったようで
            かなり声は響いていて素晴らしかった。

            ロッシーニをピサローニ。
            会場はこの頃になると(夜の10時)さすがに暗くなって
            手元のテキストも全く見えないけれど
            声の良さと姿の良さと
            わざとらしくない、さりげない演技で魅せてしまう。

            ベッリーニの清教徒のデュエットは名曲で
            ぐわ〜〜っと盛り上がるので、ドラマツルギー的には最良の選択。

            手元テキスト全く見えない状態だが
            ライトとかつけてテキストを見ているような人は一人もいない。
            ・・・この聴衆(年配数多し)って
            もしかしたら、オペラ座常連とか、そういう層の人たちが多いとか???

            ばっちり歌ってくれたので大満足していたら
            何と、アンコールあり!!!!

            ・・・イタリア・オペラに詳しくないので(涙)
            ただ、あの早口言葉はロッシーニかしら???
            でも、ドン・パスクワーレとか言っていたような気もするので
            ドニゼッティかもしれない(すみません、無知で・・・)

            二人が揃って実に楽しそうに
            イタリア語の早口言葉を歌うのがチャーミング。
            こちらも楽しくなって、聴衆も拍手喝采。
            いや、すごいサービス精神だわ。
            この義理の親子、関係が上手く機能しているんだろうなぁ。
            (って、個人的な事情に興味はありませんが(笑))

            大いに盛り上がって
            普通だったら、ここでコンサートは終わりだろう。

            しかしユース・オーケストラは疲れ知らず(かもしれない)
            その後にレスピーギのローマの松。

            個人的好みから言えば、ローマ三部作だったら
            祭りか泉の方が好きなんだけど(すみません、あくまでも好み)

            豊かな緑に囲まれた広大な公園の中の野外ホールで
            ローマの松、音楽と自然が一体化してる・・・(←妄想)

            多少気温も落ちてきて
            いわゆる「爽やかなヨーロッパの夏」的な湿気のなさで
            この空気の中のレスピーギのローマの松って
            なんだかむちゃくちゃ合ってるわ。

            ただ、何人かのご年配の方々が
            途中で席立って帰り出したのには参ったが。
            (しかも演奏中である。
             更に、あの曲、途中はものすごいピアニッシモが続くのだ)
            まぁ、夜20時開始で、ローマの松演奏開始時点で
            夜の10時過ぎていたから
            早く寝たいという健康上の理由のある年配の方々もいらっしゃるだろう。
            (ただ、できればあのピアニッシモの時にゴソゴソして欲しくない)

            例のテープで流れる鳥の鳴き声だが
            コウロギの鳴き声と相まって不思議な雰囲気(笑)

            アッピア街道は、会場の真ん中に金管を置いて
            あれは、きっと、前の方の高級席の人たちには
            かなり立体的に響いただろうなぁ。

            私は雨天の時にホールに席がある一番安い席だったけれど
            比較的正面で、最初の金管が後ろから響いた時には
            音響空間が突然立体と化して、背筋がゾクゾク。

            技術的には完璧で巧いし
            ホーネックがよくオーケストラを統率していて
            音楽的にも楽しく聴かせてもらって
            さて、帰ろうと思ったら

            アンコールで、またバラの騎士組曲の最後の乱痴気ワルツ!!!(爆笑)
            しかも、この曲、オーケストラのメンバーが
            もう楽しそうに弾くこと。
            若いエネルギー、弾けまくり (^^)v

            コンサート終了22時40分。
            オーケストラ・メンバーはその後
            ライトシューレ・ホールで
            レイト・ナイト・セッション。

            これに行った観客も多かったようだが
            レイト・ナイト・セッションって
            準備にかなり時間がかかって
            ホール内は立ちっぱなしで
            友人とでも一緒なら楽しいだろうが
            一人だと待っている時間を持て余すので・・・

            ヨーロッパの猛暑はまだまだ続きそうだが
            日本に比べればまだマシ、と
            自分に言い聞かせている私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団 + ユロフスキ

            0
              Musikverein Großer Saal 2018年4月3日 19時30分〜21時40分

              Gustav Mahler-Jugendorchester
              指揮 Vladimir Jurowski
              バイオリン Lisa Batiashvili

              Sergej Prokofjew (1891-1953)
               Violinkonzert Nr. 2 g-Moll, op. 63

              Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
               Symphonie Nr. 8 c-Moll, op. 65

              16歳から27歳までの年齢制限のあるユース・オーケストラで
              たぶん、数あるユース・オーケストラのトップかトップに近いところにあるのが
              亡きクラウディオ・アバドが1986/87年にウィーンで設立した
              このグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団であろう。

              毎年この時期にヨーロッパ演奏旅行をするが
              今回は3月27日のドレスデンを皮切りに
              ルクセンブルク、ポルデノーネ、ウィーン、ヴロツワフ
              ドレスデンに戻り(会場が違う)、ハンブルク、フランクフルト
              マドリッド、アリカンテ、リサボンでコンサート。

              プログラムはソリストと指揮者の関係もあって
              プログラムA は1914年〜18年の作品というテーマで
              ルトスワフスキ、シマノフスキ、ドビュッシー
              プログラムB は1939年〜45年の作品テーマで
              バルトークかプロコフィエフに、このショスタコーヴィッチの交響曲8番。

              うああああ、怒涛のプログラム。
              あのキュートな(?)プロコフィエフのバイオリン協奏曲2番はともかく
              ショスタコーヴィッチの交響曲8番を聴くには
              まずは心の準備を整えてからでないと無理。

              何故かコンサートは立ち見席に至るまでほとんど満杯。
              私の持っている超貧民席のあたりは
              スマホを持ったどこかの国の若い方々がびっしり。

              まずはプロコフィエフ。
              リサ・バティアシュヴィリのバイオリンは
              ともかく細かい音まで、すべてが超美しい。
              しっかり芯の通った、濁りのない美音がホールに鳴り響くと
              これは、かなりの快感。

              オーケストラがこれまた、わっはっは。
              だって、このメンバーたちって
              2500人のオーディションから選ばれた精鋭ばかり。

              もちろん全員が音楽家を目指す音楽大学の学生なので
              演奏に全く緩みがない。

              メンバーにしてみれば
              このオーケストラでの演奏歴は就職にも有利だし
              来ている誰かがスカウトしてくれる・・・かもしれないし

              将来の職業に直結するのだから
              全員が、ともかく、めちゃくちゃ真剣。

              指揮のウラディーミル・ユロフスキは
              私のイメージでは若い指揮者という感じだったのだが
              もう45歳になったのか(びっくり)
              (私はもともとお父さんのミハイル・ユロフスキのファン(笑))

              大袈裟な身振りはなく
              一つ一つの音を真剣に、最小限の動きで明確なキューを出す。
              それに応えるオーケストラの正確性が見事で
              これも快感・・・

              アンコールが超絶技巧の、何だかわからないけれど
              (もちろんバッハではございません)
              最初から最後までダブルボーゲンで、一つの弦でメロディを弾くという
              離れ技で弾いた、時々ペンタトーニックの入る曲は
              何だったんだろう?(後でチェックしておこう)

              前半はウキウキとプロコフィエフの楽しい世界を満喫して
              さて後半・・・これこそ、超弩級、心の準備なしでは聴けない名曲。

              ・・・演奏完璧なんだけど
              いやもう、この曲、ともかく暗い。

              木管のソロなんか、言葉にできない程の美しさだし
              途中で音響的な爆発は何箇所もあって
              すごい迫力だが
              基本的には鬱々として
              ロシア的なウエットな暗さが全体を支配する。

              第1楽章で周囲のどこかの国の観光客は
              全員、途中からスマホをいじり出して
              ゲームしている若い人もいるが
              (音が出なければ文句は言いませんワタシ)
              途中で眠りこけて(眠るのには反対しませんワタシ)
              手で持っているスマホが
              床に、むちゃくちゃ派手な音を立てて落ちる
              ・・・というのが、曲の最中で何回も何回もあった(ああああ)

              ユロフスキ、まだ若いのに
              この非常に難しい曲を
              技術的には完璧に
              ウエットな部分には、ある程度の客観性を持ちながら
              ピアニッシモとフォルティッシモを思い切り出して
              オーケストラのバランスとしても見事な絵を描いてくれた。

              いやしかし、こういう曲をユース・オーケストラに演奏させるって
              若い音楽家難聴促進協会とか言うモノでもあるのか。

              聴いている方も難聴になりそうな部分が多い。
              特にショスタコーヴィッチの、あのすごい高音でのフォルティッシモは
              楽友協会で、ためらいなく本当にフォルティッシモで演奏されると
              耳が痛いどころの騒ぎじゃなくて
              爆弾が耳の傍で爆発したような凄さがある。

              もちろん高音のフォルティッシモだけではなくて
              ティンパニのドロドロからオーケストラのトゥッティというのも
              ユニソノでの容赦のないフォルティッシモもあって
              隣のおばさん、時々、ショックで身体がビクッとしていたもんなぁ。

              どこにフォルティッシモがかかるか位は
              頭の中でわかっているから良いけれど
              それでも、あれだけ鳴らされると
              聴いているだけでビックリする。

              やっぱり当時のソビエト連邦政府のご意向を忖度して
              フォルティッシモでガンガン最大限にオーケストラを鳴らせて
              市民の戦争バンザイ、ソビエト共産主義バンザイの意識の高揚を
              意図して、一種の「大音響による麻痺」的な
              ロック・コンサートみたいな効果だったんだろうなぁ。

              (まぁ、ご存知の通り、この曲、あまりの暗さに
               初演時の評判は良くはなかったらしい)

              持てる限りのモチーフを組み込んで
              複雑に絡ませ、展開させて行く
              ショスタコーヴィッチの作曲技法の見事さには唸る。

              この曲、あまり演奏回数が多くはないので
              (5番とか10番はよく演奏されるが・・・
               ワタクシ的には9番とか12番とか15番が好き)
              ナマで聴く機会も少ないだけに

              やる気のある若いメンバーのオーケストラで
              リキの入った真剣な演奏を聴けたのは
              耳が痛かろうが
              スマホ落としの音がピアニッシモの時に会場に響きわたろうが
              最初から最後まで圧倒的で素晴らしかったし

              ショスタコーヴィッチって
              何という天才で複雑で面倒な作曲家なんだ
              という再認識もさせてくれた(皮肉ではございません)
              (いや、ほんと、この作曲家って暗いんですよね基本的には。
               それを共産主義バンザイみたいに作ろうとするから
               ますますヘンな裏のある
               爆発しながら泣いてる、みたいな曲が出来るわけで)

              ちょっと色々と仕事であって
              (仕事してるんかいっ!)
              落ち込みも激しい時に
              こういう、人の心情を高揚させるのか
              思い切り落ち込ませるのか
              割に中途半端に人類の救済テーマもあったりする曲を聴くと

              何となく複雑な気分になっている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              ユース・オーケストラなので
              その関係者も若い人が多かったのか
              会場の咳き込みはほとんどなかったのは幸い。
              (その分、スマホ落としのすごい音が目立ったが)

              つい数日前まで気温マイナス〜とか言っていたのに
              本日は日中20℃近くまで気温が上がって
              嬉しいけれど、あっという間に「暑い〜」とかになるんだろうなぁ。

              カメラータ・ザルツブルク + テオドール・クルレンツィス

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年1月13日 19時30分〜21時50分

                Camerata Salzburg
                バイオリン Gregory Shss, Andrey Baranov
                チェンバロ Florian Birsak
                ピアノ Per Rundberg
                メゾソプラノ Ann Hallenberg
                指揮 Teodor Currentzis

                Alfred Schnittke (1934-1998)
                 Concerto grosso Nr. 1 für zwei Violinen, Cembalo,
                  präpariertes Klavier und Streichorchester (1976/77)
                Gustav Mahler (1860-1911)
                 Kindertotenlieder für eine Singstimme und Orchester (1901-04)
                Frank Martin (1890-1974)
                 Petite Symphonic Concertante (1944/45)

                話題沸騰と言って良いのか
                一時のとんでもない(ワケのわからない)熱狂は醒めたようだが
                それでも今、絶対に面白い指揮者テオドール・クルレンツィスのコンサート。

                過去数回はクルレンツィスの手持ちのムジカ・エテルナと聴いたのだが
                もともとクルレンツィスのウィーンでのデビューは
                このカメラータ・ザルツブルクだったのだ。
                2016年10月5日に貧民席でひっくり返っていた私の記事は こちら

                クルレンツィスが出るというのに
                今回は天井桟敷貧民席 及び 準貧民席に意外に空き席が目立って
                コンサート開始直前に、超から準への民族大移動があった(笑)
                ・・・私は超貧民席ベストをチクルスで押さえたので移ってません。

                何でこんなにチケット売れてないんだろう、と思ったが
                いや、確かに、このプログラムでは・・・

                マーラーの亡き子を偲ぶ歌はともかくとして
                最初がアルフレート・シュニトケの30分くらいの曲。
                後半のメインがフランク・マルタンって
                ワタクシ的にはウハウハのプログラムなのだが
                ベートーベンとかモーツァルト好きだと、方向性違うし。
                (観光客らしき何人かも、前半のシュニトケとマーラーの後は
                 戻って来ませんでした。あ〜あ、マルタン、カッコいいのに)

                さて、アルフレート・シュニトケの合奏協奏曲1番。
                チェンバロが後ろ、プレペアド・ピアノが下手(しもて)
                バイオリンのソリスト2名が真ん中。
                ソリスト1名はカメラータ・ザルツブルクのコンサート・マスター。

                うううう、シュニトケ、ものすごく好き!!!!

                プレペアド・ピアノの不思議な音色(トナールです)で始まる
                この合奏協奏曲って、何ともバロック。
                何せコンツェルト・グロッソという題名だし
                もろにバロックの仮面を被りながら
                近代音楽としての性格が、ちらちら顔を出す。

                躍動感溢れるスッキリとした味。
                次から次へと現れるバロックと近代音楽、時々無調という
                油断していると足元から攫われるような
                聴いている方も一瞬たりとも気が抜けない。

                途中でタンゴまで出て来ます(笑)
                シュニトケの映画音楽からの引用らしい。

                バイオリン2台のソロが、鳥肌立つほど素晴らしくて
                チェンバロも魅力的。
                あ〜、こういう油断してるとバッサリという曲
                最初から最後まで、ひたすら楽しく聴けちゃうじゃないの。

                舞台変換があってから
                マーラーの「亡き子を偲ぶ歌」は
                何とソリストがメゾ・ソプラノ。

                これが何とも言えず、凄かった。
                バリトンで聴く事の多い曲だが

                何とも繊細で透明感のある世界がホールに広がって行って
                これは、メゾ・ソプラノで歌ってこその世界か。

                ヘンにズブズブにはならず
                ものすごく細かい部分に拘って音を作っていて
                あの、押し込められた悲しみに満ちた感情が
                押し付けがましくなく
                ただ、もう、単純に「そこ」にあるという印象で

                いかん、1曲目から涙出そう。

                何だこの繊細な透明感は・・・
                今までバリトンで聴いていても
                あ〜、私、子供いないしなぁ、わからんよね、とか思っていたのに
                メゾで歌われて
                これだけ透明感のある仕上がりになると
                グイグイ迫ってくるのか、う〜ん。

                後半、フランク・マルタンの小協奏交響曲。
                これもピアノとチェンバロが入ったストリング。

                ああああっ
                カメラータ・ザルツブルクのバイオリンとビオラが立ってる!!!

                ムジカ・エテルナでは全員が立って演奏するので
                その分の躍動感が半端じゃないのだが
                カメラータの弦楽奏者も立ったまま演奏できるのか。
                (いや、考えてみればバイオリンのソナタとか
                 ピアノ伴奏でその横に立って演奏するんだもんね。
                 バイオリンやビオラがいつも舞台で座っている、というのは
                 私の習慣による偏見でしかない)

                ストラヴィンスキーの火の鳥を思い起こさせるようなテーマから
                躍動的になるとショスタコーヴィッチみたいな感じ。

                すみません、マルタンはフランス語圏スイス生まれなので
                ロシアとは関係ないと思うんだけど ^^;

                いやもう、この曲、むちゃカッコいいのである。
                管楽器とハープの絡みもすごく良いし
                ピアノがまた、ものすごくチャーミングで素敵。
                ピアニストが真剣に指揮者やコンサート・マスターを睨みながら
                身体を揺らして演奏している様に悶える。

                この曲も無調ではなくちゃんとトナール。
                しかも、メロディはかなり後期ロマン派的なところがあって
                古典的なストラクチャーで
                まぁ、何て聴かせる曲 ♡

                しかも大げさにしようとしたら
                いくらでも出来そうな曲なんだけど
                あくまでも解像度と透明感が全面に出てきて
                曲想がロマン的になっても、重くならないのは
                指揮者の手腕なんだろうなぁ。

                バリバリの現代音楽ではなく
                バリバリの古典でもなく
                シュニトケとマーラーとマルタンのプログラム構成は
                聴いている方に取っては、ものすごく楽しい。

                立って演奏している弦楽器のプレイヤーたちも
                ムジカエテルナほど踊りはしないが
                やっぱり起立して演奏する事による躍動感って
                間違いなく音楽にも出てくる。

                クルレンツィスって確かに「鬼才」なんだけど
                簡単に言えば、音楽が好きで好きで好きで
                好きすぎてむちゃくちゃ細かいところまで拘ってしまうタイプに見える。

                デビューしたころのアンドリス・ネルソンスと似たような感じ。
                指揮台なしで、舞台の上で踊りまくるのも
                スタンド・プレイとか全然関係なくて
                ともかく、好きです、好きです、ものすごく好きです、という
                音楽に対するものすごく熱いコールをしている印象を持つ。

                ひどい風邪をひいてしまって
                だいたい、今日の朝、何でこんなに静かなんだ、と思ったら
                鼓膜がくっついていただけだったという
                (コンサートに行く最中に唾飲み込んで、何とか戻しました)
                コンサート最中の咳は頑張って我慢したけれど
                引退後の最初の冬
                どんなに暖房入れても17℃以上にはならないという
                (その代わり、夏はむちゃくちゃ快適)
                自宅にずっと居るとヤバイ事に気がついて
                せいぜい大学の図書館に出入りしよう、と
                固く決心した私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                ・・・いや実は大学の図書館に行っても
                結局は勉強というより、自分のコンピュータで仕事しちゃったりするので
                なんだか申し訳ないんですよねぇ(言い訳)
                こちらの図書館、仕切りがないから、隣の人が何しているかモロにわかるし。

                リンツ・ブルックナー交響楽団 + デニス・ラッセル・デイヴィス

                0
                  Musikverein Großer Saal 2016年10月22日 15時30分〜18時40分

                  Bruckner Orchester Linz
                  バイオリン Christian Altenburger
                  指揮 Dennis Russel Davies

                  Richard Strauss (1864-1949)
                   Rosenkavalier Suite op. 59 (1944)
                  Alban Berg (1885-1935)
                   Violinkonzert “Dem Andenken eines Engels” (1935)
                  Johannes Brahms (1833-1897)
                   Sinfonie Nr. 4 in e-Moll (1885)

                  ブルックナー・オーケストラは
                  オーストリア第3の都市、リンツのオーケストラ。
                  (第2の都市グラーツにもオーケストラあるんだけど
                   今ひとつパッとしないというか。
                   いや、侮辱だったらごめんなさい)

                  指揮者のデニス・ラッセル・デイヴィスは
                  ビリーの前にウィーン放送交響楽団の首席指揮者だった人で
                  広いレパートリーで非常に正統的で
                  マジメで誠実な音楽作りをする指揮者だと思う。

                  楽友協会でのコンサートとは言え
                  楽友協会主催ではなくて、ジュネスのコンサート。
                  お陰でチケットが(比較的)安い。
                  (若者だと更にその半額である)

                  でも楽友協会の大ホール、空き席が目立つ(涙)
                  お陰でちょっと良い席に移ったんだけど
                  それによって定位置観測が出来ず

                  うううう、やっぱり高い席って音が良い。
                  (註 一部の高い席を除く)
                  音が丸く柔らかく豊かに響いてくる。

                  という訳で多少贔屓目になった可能性はあるけれど
                  しかし、このオーケストラ、むちゃ優秀じゃないか!!!

                  バラの騎士組曲は
                  わっはっは、やっぱりオーストリアのオーケストラだよ。
                  色っぽくて艶っぽい。
                  考えてみれば、このオーケストラ
                  リンツの歌劇場のオーケストラだった。
                  そりゃ、オペラとか慣れてる筈だわ。

                  アルバン・ベルクのバイオリン協奏曲。
                  バイオリニストのクリスティアン・アルテンブルガーは
                  ウィーン音楽大学教授。
                  ウィーン音楽大学とジュリアードで学んだ人で
                  コンサート歴もかなりある。
                  (ズービン・メータに気に入られたらしい)

                  で、この人のバイオリン ♡
                  すみません、最初からハートマークで。
                  だって、何とも滑らかというか
                  音が澄んでいて
                  強靭だけど力が入っていないので

                  アルバン・ベルクのこのバイオリン協奏曲と
                  何て合ってるの。
                  むちゃくちゃ美しい上に音が伸びて
                  感傷的にならず理性的で
                  体幹のぶれない背筋がしっかり伸びた気持ち良さ。

                  この曲、一時ヘビー・ローテンションで聴いていたけれど
                  どんなに調性があるように聴こえても
                  やっぱり基本、12音音楽だから
                  頭に残っていなくて(恥)

                  こんな音楽を全部暗譜するって
                  どういう頭の構造に(あ、いえいえいえ)

                  感情ズブズブの泥沼が全くなくて
                  これだけ理性的に教科書みたいに模範的な演奏って
                  私の好みとしては、ものすごく好き ♡

                  後半のブラームス、交響曲4番。
                  うわわ〜っ
                  そりゃ、いつもの貧民席じゃない、というのはあったとしても
                  最初から最後まで
                  とことん正統的、伝統的な演奏。

                  恐ろしい事に
                  最初から最後まで
                  おバカな音楽音痴の私の頭の中で鳴っている
                  ブラームスの4番と寸分違わず一致したってどういう事?

                  豊かな厚みのあるオーケストラの音
                  激しさと諦観の揺れ。
                  細かい部分で気になるところがなかった訳ではないけれど
                  何かもう、実に正しい理想通りの音楽を聴いちゃった、という感じ。

                  田舎のオーケストラとか侮ってはいけない。
                  このオーケストラ、すごく水準が高い。

                  指揮者のデニス・ラッセル・デイヴィスとは
                  2002年からだから、もう14年になるし
                  このコンサートを聴いている限りでは
                  デイヴィスのオーケストラ・ビルダーとしての才能は
                  素晴らしいと思う。

                  今回はプログラムが好みだったので行ったのだが
                  このオーケストラも追っかける価値はありだな・・・

                  芳醇なオーケストラの香りに包まれて
                  ものすごく満たされた気分でホールを後にした私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                  カメラータ・ザルツブルク + テオドール・クルレンツィス

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2016年10月5日 19時30分〜21時40分

                    Camerata Salzburg
                    ピアノ Alexander Melnikov
                    指揮 Teodor Currentzis

                    Richard Wagner (1813-1883)
                     Siegfried-Idyll (1870)
                    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 C-Dur op. 15 (1795-98)
                    Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
                     Symphonie Nr. 4 A-Dur op. 90 “Italienische” (1833)

                    ザルツブルクのカメラータが来るというので
                    知り合いの絶世の美女がウィーンに来るかと思い
                    チケットを買ったのに
                    彼女は降り番で(涙)お目にかかれず一緒に飲めず残念。

                    プログラムの最初に
                    突然、指揮者のテオドール・クルレンツィスについての記述。
                    最もユニークで、最もエキサイティングな指揮者・・・とか書いてある。

                    しかも、見た目のユニークさに加えて
                    妥協を許さない、ずば抜けた演奏をして
                    聴き慣れた曲が、突然、緊張感を持った
                    全く違った曲に聴こえてくるのをお楽しみ下さいって

                    コンサート聴いてから
                    あははは、これ、プログラムの最初に書いておいて
                    良かったですね(笑)と、つくづく思った。

                    だって途中で抜ける人、少しだけど居たんだもん。

                    いや、それもわかる。
                    だって、本当に本当に本当に
                    これ、本当にあの曲?という程に

                    悪く言えば奇を衒う
                    良く言えば実に新鮮で不思議な演奏だったのだ。

                    ワタクシ的な好みから言うと
                    こういう、正統派からかけ離れたところにある演奏は
                    それが説得力を持って響いてくるかが好みの別れるポイントだが

                    ある意味、アーノンクールみたいなもので
                    そうか、この人はこういう演奏したかったんだ
                    で、それもアリだな・・・と言う
                    確信犯の説得力は充分にあった。

                    ジークフリート牧歌はワーグナーだし
                    今まで聴いて、いつもクソ退屈だったので(すみません)
                    日頃の睡眠不足を取り返すために寝よう、と思っていたら

                    ひえええええええっ
                    これ、ワーグナーの(聴き慣れた)響きと全然違う(汗)

                    カメラータが小編成の室内オーケストラという事はあるけれど
                    大規模オーケストラでダラダラ演奏されるのと全く対極的で
                    室内オーケストラの透明感を活かした上で
                    更に一部のフレーズでは演奏する楽器の数も絞って

                    ううう、ワーグナーの音じゃなくて
                    この極限まで絞ったピアニッシモの透明感は
                    ドビュッシーだろう・・・みたいな印象。

                    しかもタメが凄いし、テンポ揺らすし
                    ゲネラル・パウゼが長いし

                    こういう演奏、どこかで聴いた事がある、と思ったら
                    ポゴレリッチの恣意的な演奏と
                    ちょっと似ている感じがする(偏見です、偏見)

                    カメラータのメンバーは燕尾服着用で白い蝶ネクタイだが
                    指揮者は、ストレッチで細い足にピッタリした
                    黒(かグレーっぽい)のジーンズ着用。

                    更に上着は、どう見ても幼稚園のスモックを
                    後ろ前に来ているとしか・・・

                    袖が膨らんでるし、しかも手首で絞ったその先はフリルだし。

                    何故か靴だけはエナメルのピカピカ光った黒い靴を着用(笑)
                    とあるバイオリニストも舞台衣装はユニークだが
                    この指揮者の舞台衣装のユニークさはその上を行く。

                    髪型は後ろのうなじの剃り後も瑞々しく
                    左右非対称のストレート・ヘアが、坊ちゃん顔にかかって

                    指揮姿は常時、両足を広げてバレエのプリエ。
                    指揮棒は持たず、指揮台もなく
                    自在に動き回って的確なキューと
                    見事なうねりやアクセントを全身のダンスで表現。
                    (いや、バレエ・ダンサーじゃないんだけど
                     でもあの足の細さはバレエやっても映えるかも。
                     多少がに股気味だけど(笑)アンドゥオールと思えば)

                    ワーグナーの後
                    ベートーベンのピアノ協奏曲第1番。
                    ピアニストはアレクサンドル・メルニコフ。

                    ピアノの位置が、普通の協奏曲と違う!!!
                    指揮者と対向位置にばっちりピアニストが座る形。
                    古楽のチェンバロの位置だよ、あれは。

                    で、メルニコフがジッと指揮者を見ながら
                    演奏している様子は
                    あああ、もしかしたらこの2人、デキてる(いやいやいやいや)
                    という妄想が暴走する程、メルニコフの視線が・・・(以下省略)
                    (註 指揮者は背中からしか見えないので指揮者の視線の方向は不明)

                    オーケストラがベートーベンの最初の音を出したとたん
                    あれっ? なにこれ、同じオーケストラ????

                    だってワーグナーと音が全く違うじゃないか。
                    ベートーベン的な鋭いアクセントがキレの良い硬質な音で響いて
                    元気で活き活きしていて
                    小規模オーケストラというのもあるけれど
                    割に古楽に近い乾いた音響で
                    でも、容赦のない大音響で攻めてくる。

                    うははははは、確かにこれも聴いた事のない響きになってるわ。
                    この間のウィーン・フィルとブッフビンダーの演奏が
                    我々聴衆には馴染みの深い正統派の解釈だとすると

                    こちらはヤンチャ坊主の若いベートーベンが
                    暴れまくっているような印象がある。

                    ピアノの面白い位置もあるけれど
                    更にピアノの蓋が完全に取り去られているので
                    小規模オーケストラの中から
                    ピアノの音がクリアに響いてくるのだが

                    オーケストラとピアノのバランスが絶妙にステキ。
                    ピアニストが無理やり力一杯に叩いてるという感じはないのに
                    一つ一つの音が明確に、しかもオーケストラに絡まって
                    こういう素晴らしいバランスを聴かされると
                    どんなに目新しい不思議な解釈でも
                    圧倒的な説得力を持つのだ。

                    メルニコフのピアノは
                    自分が自分が、というところがなくて
                    きちんと自己主張をしながらも
                    オーケストラという様々な楽器の集合体と
                    あくまでもアンサンブルとして絡まってくるのが凄い。

                    ペダルを多用せず
                    第2楽章の音色など
                    どちらかと言えば古楽的な柔らかい
                    モダン・ピアノとは思えないセピア色を出していて実に魅力的。

                    度肝を抜かれて、あれあれあれと思いつつ終わった前半の後
                    後半のメンデルスゾーンのイタリア。

                    オーケストラの音色はベートーベンと良く似ていて
                    弦はほとんどビブラートを使わず
                    乾いた感じの樹に近い音色。

                    大編成オーケストラでビブラート多用のメンデルスゾーンと全く違う。
                    でも、その古楽器に近い音色で演奏されるイタリア交響曲が
                    ちゃんと大音響を出しながらも
                    そこから受け取る透明感が凄い。

                    テンポは比較的伝統的な設定を使っていて
                    タメとかほとんどなくて
                    疾走しつつ
                    その中で各パートがクッキリと浮かんで来る。

                    エネルギーの溢れるイタリアだけど
                    大編成オーケストラほどの広大感にはやはり欠ける。

                    大編成オーケストラのモダンな我々が聴き慣れたイタリアより
                    メンデルスゾーン時代の
                    舗装されていない道路を馬車で走っているようなイメージ。

                    だから第3楽章の、波の間を船が行き交う様が
                    現代の客船じゃなくて
                    昔の帆船が呼応し合っている様子が目に浮かぶ。

                    最終楽章は超高速ですっ飛ばし
                    これはちょっと力だけで押し切った印象が強かった。

                    確かに、いつもの「イタリア」とは全く違うテイスト。
                    この演奏が CD になったら聴くか、と言われたら
                    これは録音では正直あまり聴きたくない。
                    侮辱でも批判でもないのだが
                    ああいう、古楽器的臨場感のある演奏って
                    メンデルスゾーン時代と同じように
                    ナマでしか聴けない、というのが正しいような気がする。

                    この変わったユニークな指揮者は
                    来年1月にウィーン交響楽団に登場。
                    その後、3月と4月には手持ちの MusicAeterna と客演が予定されている。

                    才能ある若い指揮者は多いけれど
                    このテオドール・クルレンツィスは
                    才能というよりは、一種の鬼才だろう。
                    ともかくユニークな人で
                    ユニーク過ぎて、まだ消化し切れていないから
                    来年のコンサートが楽しみ ♡

                    チケット売り出し初日をカレンダーにメモしている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    で、いったいこの指揮者、どういう音楽作り?と興味を持った方のために
                    ソニーから出ているコパチンスカヤとの視聴版のクリップを貼っておく。



                    かなり不思議な音だと思う(笑)
                    サワリだけなのでちょっと残念。

                    コンツェントゥス・ムジクス + ステファン・ゴットフリート

                    0
                      日曜日のトリプル・コンサートです。
                      時系列に読みたい方は
                      11時からのウィーン・フィルは ここ
                      15時30分からのトーンキュンストラーは ここ

                      下は夜のコンサートの記録。

                      Musikverein Großer Saal 2016年4月17日 19時30分〜21時30分

                      Concentus Musicus Wien
                      Arnold Schoenberg Chor
                      指揮 Stefan Gottfried
                      ソプラノ Julia Kleiter
                      アルト Bernarda Fink
                      テノール Michael Schade
                      バス Gerald Finley

                      Im memorial Nikolaus Harnoncourt (1929-2016)

                      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                       Symphonie g-Moll, KV 550
                       Requiem d-Moll, KV 626

                      ニコラウス・アーノンクールが創設した
                      コンツェントゥス・ムジクスのこのコンサートは
                      昨年10月にアーノンクールが振って
                      ベートーベンを演奏する筈だったコンサートの代替え公演である。

                      アーノンクールのベートーベン聴きたくて
                      チケット買ったのに
                      突然引退して、しかもその後
                      ほとんどすぐに亡くなってしまったアーノンクールは

                      2001年と2003年に
                      ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの指揮台に立っているが

                      2001年の時なんて
                      指揮者が発表されたとたん
                      いったいそれは誰ですか? という
                      エージェントからの問い合わせが相次いで

                      ほとんど知られていなかったアーノンクールは
                      日本マーケットでは、かなり無視されていたのである。

                      古楽はあまり聴かなかったけれど
                      アーノンクールは当時、ウィーン劇場でオペラを振ったり
                      ウィーン・フィルのコンサートにも登場していたので

                      アーノンクールなら何やっても良いし
                      アーノンクールのコンサートやオペラに行くと
                      今までと全く違った、あれ?という視点があるので
                      ともかく面白かったのだ。
                      (で、エージェントさんには、良い指揮者ですよ!って宣伝したのに・・・)

                      さて、このアーノンクールの追悼コンサートだが
                      最初はベートーベンじゃなくてバッハをやります、と通告があり
                      ふ〜ん、バッハだったらチケットを再販に出そうかしら?と思っていたら

                      今度はモーツァルトのト短調交響曲にレクイエム?!

                      モーツァルト、苦手なのにヤバイよこれ、と思って
                      プログラムを見て

                      あまりの歌手陣の豪華さに
                      あ、やっぱり行こう(ミーハーですからワタシ)

                      結果、無理して日曜日の3回目のコンサート
                      行って良かった(感涙)

                      ちょっとあの感動を書くのも
                      何だか恐れ多いような気がする。

                      モーツァルトのト短調交響曲。
                      ううう、すごいダイナミック・レンジ。
                      特に金管がむちゃくちゃ聴こえてくるし
                      強弱の差が異様に激しくて

                      ああ、確かにアーノンクールなら
                      これやったかもしれない・・・

                      モダン・オーケストラで聴く
                      あくまでも滑らかで美しい40番とは対極にある演奏。
                      ゴツゴツしていて、激しくて
                      内なるやるせなさが
                      恥ずかしくなる程、ガンガン表面に出て来て

                      熟睡どころの騒ぎじゃありません 😨

                      何だこの40番は・・・という驚きの前半の後に
                      後半は豪華歌手陣による
                      モーツァルトのレクイエム。

                      ・・・・・・・(沈黙)

                      クラシック・ファンとは言っても
                      好みにむちゃくちゃ偏りのある私。

                      ええ、どうぞここでバカにして下さい
                      モーツァルトのレクイエムって聴いた事がなかった(自爆)

                      そりゃ、映画アマデウスとか、色々とあって
                      ラクリモーザとかのメロディは知っていたけれど

                      何となく、ヴェルディのレクイエムと混同していて
                      (註 ヴェルディのレクイエムは何回かナマで聴いてから
                         とうとう耐えられなくなって、ナマ聴きは止めました)
                      きっと、ああいう曲なんだろう、と
                      今まで何の疑問も持たずに信じ切っていて
                      ずっと避けていたのである(アホかワタシは)

                      澄み切ったドラマチックなメロディに
                      アーノルド・シェーンベルク合唱団の素晴らしいコーラスに
                      あくまでも美しく入ってくるソプラノのユリア・クライター
                      そのソプラノに重なって入ってくるベルナーダ・フィンクの深いアルト

                      美声のジェラルド・フィンリーのソロと絡まる
                      チャーミングでニュアンスの深いミヒャエル・シャーデのテノール

                      こ、こ、こ、これはこの世の天国?!
                      いや、レクイエムだから悲しみなんだけど
                      もう、現世から一つ世界を出てしまって
                      ここに描き出される世界こそ
                      ベックリンの「死の島」だろう
                      (って何で午前中を思い出してる?!)

                      正確に言えば、ジュースマイヤーが手を入れたものだが
                      ともかく、何と言うか、これ、ものすごい傑作・・・
                      (すみません、今さらこんな事を・・・)

                      呆気に取られて、ひたすら聴き入ってしまい
                      しかも、演奏中、無駄な咳、ほとんどなかったし
                      曲と曲の間でも、聴衆の静かな事。

                      ウィーンのコンサートでこんなに静かで雑音がないなんて
                      100年に1回くらいじゃないのか?!(いや、すみません。でも本当です)

                      あの、どの音でも拾ってしまう楽友協会で
                      あれだけの静けさって
                      正直、今まで経験した事がない。

                      その完全なる静寂の状態で鳴り響く
                      透徹した、この世のものではない
                      オーケストラとコーラスとソリストの響き・・・

                      最後の Lux aeterna の後
                      長い長い長い沈黙(しかも無駄な音一つない)

                      そして、音楽家も聴衆も
                      一言も喋らず
                      静かにホールを立ち去ったのである。

                      素晴らしい!!!!!!!!

                      たまに空気読めない観光客あたりが
                      こういうコンサートの時でも
                      ブラボー・コールを叫んだり
                      拍手をし出したりするのだけれど

                      今日のレクイエムは
                      音楽家も聴衆も、揃って、みんな彼岸の世界に行っていた。

                      これこそレクイエム、死者を悼み、敬い
                      それぞれにアーノンクールに思いを寄せ

                      天国のアーノンクールも喜んでいるに違いない。

                      これが出来てしまうウィーンって
                      やっぱりやっぱりやっぱり素晴らしい、と
                      本気で思った。

                      もともと10月の代替え公演というのもあって
                      ほとんどの人はコンツェントゥス・ムジクスの
                      チクルス常連客だろうと思うけれど

                      私の隣にグループで来ていた
                      とある国の若い男の子たちも
                      雰囲気に完全に圧倒されていて
                      (最後の静寂で唯一、椅子が軋んだのは私の隣の男の子だった)
                      きっと、彼らにとっても忘れ得ぬ体験になっただろう。

                      いかん、モーツァルトって
                      爆睡音楽だと言うイメージが強かったのに
                      爆睡しないで聴けちゃった・・・(汗)

                      という、モツレク聴いたのが初めてという
                      クラシック初心者の私に
                      どうぞお叱りの1クリックをお恵み下さい。



                      プログラムには
                      オーストリア大統領のメッセージや
                      オットー・ビーバ館長による
                      アーノンクールの業績も掲載されていた。

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