リンツ・ブルックナー交響楽団 + デニス・ラッセル・デイヴィス

Musikverein Großer Saal 2016年10月22日 15時30分〜18時40分

Bruckner Orchester Linz
バイオリン Christian Altenburger
指揮 Dennis Russel Davies

Richard Strauss (1864-1949)
 Rosenkavalier Suite op. 59 (1944)
Alban Berg (1885-1935)
 Violinkonzert “Dem Andenken eines Engels” (1935)
Johannes Brahms (1833-1897)
 Sinfonie Nr. 4 in e-Moll (1885)

ブルックナー・オーケストラは
オーストリア第3の都市、リンツのオーケストラ。
(第2の都市グラーツにもオーケストラあるんだけど
 今ひとつパッとしないというか。
 いや、侮辱だったらごめんなさい)

指揮者のデニス・ラッセル・デイヴィスは
ビリーの前にウィーン放送交響楽団の首席指揮者だった人で
広いレパートリーで非常に正統的で
マジメで誠実な音楽作りをする指揮者だと思う。

楽友協会でのコンサートとは言え
楽友協会主催ではなくて、ジュネスのコンサート。
お陰でチケットが(比較的)安い。
(若者だと更にその半額である)

でも楽友協会の大ホール、空き席が目立つ(涙)
お陰でちょっと良い席に移ったんだけど
それによって定位置観測が出来ず

うううう、やっぱり高い席って音が良い。
(註 一部の高い席を除く)
音が丸く柔らかく豊かに響いてくる。

という訳で多少贔屓目になった可能性はあるけれど
しかし、このオーケストラ、むちゃ優秀じゃないか!!!

バラの騎士組曲は
わっはっは、やっぱりオーストリアのオーケストラだよ。
色っぽくて艶っぽい。
考えてみれば、このオーケストラ
リンツの歌劇場のオーケストラだった。
そりゃ、オペラとか慣れてる筈だわ。

アルバン・ベルクのバイオリン協奏曲。
バイオリニストのクリスティアン・アルテンブルガーは
ウィーン音楽大学教授。
ウィーン音楽大学とジュリアードで学んだ人で
コンサート歴もかなりある。
(ズービン・メータに気に入られたらしい)

で、この人のバイオリン ♡
すみません、最初からハートマークで。
だって、何とも滑らかというか
音が澄んでいて
強靭だけど力が入っていないので

アルバン・ベルクのこのバイオリン協奏曲と
何て合ってるの。
むちゃくちゃ美しい上に音が伸びて
感傷的にならず理性的で
体幹のぶれない背筋がしっかり伸びた気持ち良さ。

この曲、一時ヘビー・ローテンションで聴いていたけれど
どんなに調性があるように聴こえても
やっぱり基本、12音音楽だから
頭に残っていなくて(恥)

こんな音楽を全部暗譜するって
どういう頭の構造に(あ、いえいえいえ)

感情ズブズブの泥沼が全くなくて
これだけ理性的に教科書みたいに模範的な演奏って
私の好みとしては、ものすごく好き ♡

後半のブラームス、交響曲4番。
うわわ〜っ
そりゃ、いつもの貧民席じゃない、というのはあったとしても
最初から最後まで
とことん正統的、伝統的な演奏。

恐ろしい事に
最初から最後まで
おバカな音楽音痴の私の頭の中で鳴っている
ブラームスの4番と寸分違わず一致したってどういう事?

豊かな厚みのあるオーケストラの音
激しさと諦観の揺れ。
細かい部分で気になるところがなかった訳ではないけれど
何かもう、実に正しい理想通りの音楽を聴いちゃった、という感じ。

田舎のオーケストラとか侮ってはいけない。
このオーケストラ、すごく水準が高い。

指揮者のデニス・ラッセル・デイヴィスとは
2002年からだから、もう14年になるし
このコンサートを聴いている限りでは
デイヴィスのオーケストラ・ビルダーとしての才能は
素晴らしいと思う。

今回はプログラムが好みだったので行ったのだが
このオーケストラも追っかける価値はありだな・・・

芳醇なオーケストラの香りに包まれて
ものすごく満たされた気分でホールを後にした私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。




カメラータ・ザルツブルク + テオドール・クルレンツィス

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2016年10月5日 19時30分〜21時40分

Camerata Salzburg
ピアノ Alexander Melnikov
指揮 Teodor Currentzis

Richard Wagner (1813-1883)
 Siegfried-Idyll (1870)
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 C-Dur op. 15 (1795-98)
Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
 Symphonie Nr. 4 A-Dur op. 90 “Italienische” (1833)

ザルツブルクのカメラータが来るというので
知り合いの絶世の美女がウィーンに来るかと思い
チケットを買ったのに
彼女は降り番で(涙)お目にかかれず一緒に飲めず残念。

プログラムの最初に
突然、指揮者のテオドール・クルレンツィスについての記述。
最もユニークで、最もエキサイティングな指揮者・・・とか書いてある。

しかも、見た目のユニークさに加えて
妥協を許さない、ずば抜けた演奏をして
聴き慣れた曲が、突然、緊張感を持った
全く違った曲に聴こえてくるのをお楽しみ下さいって

コンサート聴いてから
あははは、これ、プログラムの最初に書いておいて
良かったですね(笑)と、つくづく思った。

だって途中で抜ける人、少しだけど居たんだもん。

いや、それもわかる。
だって、本当に本当に本当に
これ、本当にあの曲?という程に

悪く言えば奇を衒う
良く言えば実に新鮮で不思議な演奏だったのだ。

ワタクシ的な好みから言うと
こういう、正統派からかけ離れたところにある演奏は
それが説得力を持って響いてくるかが好みの別れるポイントだが

ある意味、アーノンクールみたいなもので
そうか、この人はこういう演奏したかったんだ
で、それもアリだな・・・と言う
確信犯の説得力は充分にあった。

ジークフリート牧歌はワーグナーだし
今まで聴いて、いつもクソ退屈だったので(すみません)
日頃の睡眠不足を取り返すために寝よう、と思っていたら

ひえええええええっ
これ、ワーグナーの(聴き慣れた)響きと全然違う(汗)

カメラータが小編成の室内オーケストラという事はあるけれど
大規模オーケストラでダラダラ演奏されるのと全く対極的で
室内オーケストラの透明感を活かした上で
更に一部のフレーズでは演奏する楽器の数も絞って

ううう、ワーグナーの音じゃなくて
この極限まで絞ったピアニッシモの透明感は
ドビュッシーだろう・・・みたいな印象。

しかもタメが凄いし、テンポ揺らすし
ゲネラル・パウゼが長いし

こういう演奏、どこかで聴いた事がある、と思ったら
ポゴレリッチの恣意的な演奏と
ちょっと似ている感じがする(偏見です、偏見)

カメラータのメンバーは燕尾服着用で白い蝶ネクタイだが
指揮者は、ストレッチで細い足にピッタリした
黒(かグレーっぽい)のジーンズ着用。

更に上着は、どう見ても幼稚園のスモックを
後ろ前に来ているとしか・・・

袖が膨らんでるし、しかも手首で絞ったその先はフリルだし。

何故か靴だけはエナメルのピカピカ光った黒い靴を着用(笑)
とあるバイオリニストも舞台衣装はユニークだが
この指揮者の舞台衣装のユニークさはその上を行く。

髪型は後ろのうなじの剃り後も瑞々しく
左右非対称のストレート・ヘアが、坊ちゃん顔にかかって

指揮姿は常時、両足を広げてバレエのプリエ。
指揮棒は持たず、指揮台もなく
自在に動き回って的確なキューと
見事なうねりやアクセントを全身のダンスで表現。
(いや、バレエ・ダンサーじゃないんだけど
 でもあの足の細さはバレエやっても映えるかも。
 多少がに股気味だけど(笑)アンドゥオールと思えば)

ワーグナーの後
ベートーベンのピアノ協奏曲第1番。
ピアニストはアレクサンドル・メルニコフ。

ピアノの位置が、普通の協奏曲と違う!!!
指揮者と対向位置にばっちりピアニストが座る形。
古楽のチェンバロの位置だよ、あれは。

で、メルニコフがジッと指揮者を見ながら
演奏している様子は
あああ、もしかしたらこの2人、デキてる(いやいやいやいや)
という妄想が暴走する程、メルニコフの視線が・・・(以下省略)
(註 指揮者は背中からしか見えないので指揮者の視線の方向は不明)

オーケストラがベートーベンの最初の音を出したとたん
あれっ? なにこれ、同じオーケストラ????

だってワーグナーと音が全く違うじゃないか。
ベートーベン的な鋭いアクセントがキレの良い硬質な音で響いて
元気で活き活きしていて
小規模オーケストラというのもあるけれど
割に古楽に近い乾いた音響で
でも、容赦のない大音響で攻めてくる。

うははははは、確かにこれも聴いた事のない響きになってるわ。
この間のウィーン・フィルとブッフビンダーの演奏が
我々聴衆には馴染みの深い正統派の解釈だとすると

こちらはヤンチャ坊主の若いベートーベンが
暴れまくっているような印象がある。

ピアノの面白い位置もあるけれど
更にピアノの蓋が完全に取り去られているので
小規模オーケストラの中から
ピアノの音がクリアに響いてくるのだが

オーケストラとピアノのバランスが絶妙にステキ。
ピアニストが無理やり力一杯に叩いてるという感じはないのに
一つ一つの音が明確に、しかもオーケストラに絡まって
こういう素晴らしいバランスを聴かされると
どんなに目新しい不思議な解釈でも
圧倒的な説得力を持つのだ。

メルニコフのピアノは
自分が自分が、というところがなくて
きちんと自己主張をしながらも
オーケストラという様々な楽器の集合体と
あくまでもアンサンブルとして絡まってくるのが凄い。

ペダルを多用せず
第2楽章の音色など
どちらかと言えば古楽的な柔らかい
モダン・ピアノとは思えないセピア色を出していて実に魅力的。

度肝を抜かれて、あれあれあれと思いつつ終わった前半の後
後半のメンデルスゾーンのイタリア。

オーケストラの音色はベートーベンと良く似ていて
弦はほとんどビブラートを使わず
乾いた感じの樹に近い音色。

大編成オーケストラでビブラート多用のメンデルスゾーンと全く違う。
でも、その古楽器に近い音色で演奏されるイタリア交響曲が
ちゃんと大音響を出しながらも
そこから受け取る透明感が凄い。

テンポは比較的伝統的な設定を使っていて
タメとかほとんどなくて
疾走しつつ
その中で各パートがクッキリと浮かんで来る。

エネルギーの溢れるイタリアだけど
大編成オーケストラほどの広大感にはやはり欠ける。

大編成オーケストラのモダンな我々が聴き慣れたイタリアより
メンデルスゾーン時代の
舗装されていない道路を馬車で走っているようなイメージ。

だから第3楽章の、波の間を船が行き交う様が
現代の客船じゃなくて
昔の帆船が呼応し合っている様子が目に浮かぶ。

最終楽章は超高速ですっ飛ばし
これはちょっと力だけで押し切った印象が強かった。

確かに、いつもの「イタリア」とは全く違うテイスト。
この演奏が CD になったら聴くか、と言われたら
これは録音では正直あまり聴きたくない。
侮辱でも批判でもないのだが
ああいう、古楽器的臨場感のある演奏って
メンデルスゾーン時代と同じように
ナマでしか聴けない、というのが正しいような気がする。

この変わったユニークな指揮者は
来年1月にウィーン交響楽団に登場。
その後、3月と4月には手持ちの MusicAeterna と客演が予定されている。

才能ある若い指揮者は多いけれど
このテオドール・クルレンツィスは
才能というよりは、一種の鬼才だろう。
ともかくユニークな人で
ユニーク過ぎて、まだ消化し切れていないから
来年のコンサートが楽しみ ♡

チケット売り出し初日をカレンダーにメモしている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



で、いったいこの指揮者、どういう音楽作り?と興味を持った方のために
ソニーから出ているコパチンスカヤとの視聴版のクリップを貼っておく。



かなり不思議な音だと思う(笑)
サワリだけなのでちょっと残念。

コンツェントゥス・ムジクス + ステファン・ゴットフリート

日曜日のトリプル・コンサートです。
時系列に読みたい方は
11時からのウィーン・フィルは ここ
15時30分からのトーンキュンストラーは ここ

下は夜のコンサートの記録。

Musikverein Großer Saal 2016年4月17日 19時30分〜21時30分

Concentus Musicus Wien
Arnold Schoenberg Chor
指揮 Stefan Gottfried
ソプラノ Julia Kleiter
アルト Bernarda Fink
テノール Michael Schade
バス Gerald Finley

Im memorial Nikolaus Harnoncourt (1929-2016)

Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
 Symphonie g-Moll, KV 550
 Requiem d-Moll, KV 626

ニコラウス・アーノンクールが創設した
コンツェントゥス・ムジクスのこのコンサートは
昨年10月にアーノンクールが振って
ベートーベンを演奏する筈だったコンサートの代替え公演である。

アーノンクールのベートーベン聴きたくて
チケット買ったのに
突然引退して、しかもその後
ほとんどすぐに亡くなってしまったアーノンクールは

2001年と2003年に
ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの指揮台に立っているが

2001年の時なんて
指揮者が発表されたとたん
いったいそれは誰ですか? という
エージェントからの問い合わせが相次いで

ほとんど知られていなかったアーノンクールは
日本マーケットでは、かなり無視されていたのである。

古楽はあまり聴かなかったけれど
アーノンクールは当時、ウィーン劇場でオペラを振ったり
ウィーン・フィルのコンサートにも登場していたので

アーノンクールなら何やっても良いし
アーノンクールのコンサートやオペラに行くと
今までと全く違った、あれ?という視点があるので
ともかく面白かったのだ。
(で、エージェントさんには、良い指揮者ですよ!って宣伝したのに・・・)

さて、このアーノンクールの追悼コンサートだが
最初はベートーベンじゃなくてバッハをやります、と通告があり
ふ〜ん、バッハだったらチケットを再販に出そうかしら?と思っていたら

今度はモーツァルトのト短調交響曲にレクイエム?!

モーツァルト、苦手なのにヤバイよこれ、と思って
プログラムを見て

あまりの歌手陣の豪華さに
あ、やっぱり行こう(ミーハーですからワタシ)

結果、無理して日曜日の3回目のコンサート
行って良かった(感涙)

ちょっとあの感動を書くのも
何だか恐れ多いような気がする。

モーツァルトのト短調交響曲。
ううう、すごいダイナミック・レンジ。
特に金管がむちゃくちゃ聴こえてくるし
強弱の差が異様に激しくて

ああ、確かにアーノンクールなら
これやったかもしれない・・・

モダン・オーケストラで聴く
あくまでも滑らかで美しい40番とは対極にある演奏。
ゴツゴツしていて、激しくて
内なるやるせなさが
恥ずかしくなる程、ガンガン表面に出て来て

熟睡どころの騒ぎじゃありません 😨

何だこの40番は・・・という驚きの前半の後に
後半は豪華歌手陣による
モーツァルトのレクイエム。

・・・・・・・(沈黙)

クラシック・ファンとは言っても
好みにむちゃくちゃ偏りのある私。

ええ、どうぞここでバカにして下さい
モーツァルトのレクイエムって聴いた事がなかった(自爆)

そりゃ、映画アマデウスとか、色々とあって
ラクリモーザとかのメロディは知っていたけれど

何となく、ヴェルディのレクイエムと混同していて
(註 ヴェルディのレクイエムは何回かナマで聴いてから
   とうとう耐えられなくなって、ナマ聴きは止めました)
きっと、ああいう曲なんだろう、と
今まで何の疑問も持たずに信じ切っていて
ずっと避けていたのである(アホかワタシは)

澄み切ったドラマチックなメロディに
アーノルド・シェーンベルク合唱団の素晴らしいコーラスに
あくまでも美しく入ってくるソプラノのユリア・クライター
そのソプラノに重なって入ってくるベルナーダ・フィンクの深いアルト

美声のジェラルド・フィンリーのソロと絡まる
チャーミングでニュアンスの深いミヒャエル・シャーデのテノール

こ、こ、こ、これはこの世の天国?!
いや、レクイエムだから悲しみなんだけど
もう、現世から一つ世界を出てしまって
ここに描き出される世界こそ
ベックリンの「死の島」だろう
(って何で午前中を思い出してる?!)

正確に言えば、ジュースマイヤーが手を入れたものだが
ともかく、何と言うか、これ、ものすごい傑作・・・
(すみません、今さらこんな事を・・・)

呆気に取られて、ひたすら聴き入ってしまい
しかも、演奏中、無駄な咳、ほとんどなかったし
曲と曲の間でも、聴衆の静かな事。

ウィーンのコンサートでこんなに静かで雑音がないなんて
100年に1回くらいじゃないのか?!(いや、すみません。でも本当です)

あの、どの音でも拾ってしまう楽友協会で
あれだけの静けさって
正直、今まで経験した事がない。

その完全なる静寂の状態で鳴り響く
透徹した、この世のものではない
オーケストラとコーラスとソリストの響き・・・

最後の Lux aeterna の後
長い長い長い沈黙(しかも無駄な音一つない)

そして、音楽家も聴衆も
一言も喋らず
静かにホールを立ち去ったのである。

素晴らしい!!!!!!!!

たまに空気読めない観光客あたりが
こういうコンサートの時でも
ブラボー・コールを叫んだり
拍手をし出したりするのだけれど

今日のレクイエムは
音楽家も聴衆も、揃って、みんな彼岸の世界に行っていた。

これこそレクイエム、死者を悼み、敬い
それぞれにアーノンクールに思いを寄せ

天国のアーノンクールも喜んでいるに違いない。

これが出来てしまうウィーンって
やっぱりやっぱりやっぱり素晴らしい、と
本気で思った。

もともと10月の代替え公演というのもあって
ほとんどの人はコンツェントゥス・ムジクスの
チクルス常連客だろうと思うけれど

私の隣にグループで来ていた
とある国の若い男の子たちも
雰囲気に完全に圧倒されていて
(最後の静寂で唯一、椅子が軋んだのは私の隣の男の子だった)
きっと、彼らにとっても忘れ得ぬ体験になっただろう。

いかん、モーツァルトって
爆睡音楽だと言うイメージが強かったのに
爆睡しないで聴けちゃった・・・(汗)

という、モツレク聴いたのが初めてという
クラシック初心者の私に
どうぞお叱りの1クリックをお恵み下さい。



プログラムには
オーストリア大統領のメッセージや
オットー・ビーバ館長による
アーノンクールの業績も掲載されていた。

グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団 + アクハム

Musikverein Großer Saal 2016年3月30日 19時30分〜21時40分

Gustav Mahler Jugendorchester
指揮 David Afkham
バイオリン Frank Peter Zimmermann

Béla Bartók (1881-1945)
 Konzert für Violine und Orchester Nr. 2 h-Moll, Sz 112
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 3 Es-Dur, op. 55 “Eroica”

ウィーンに拠点を置くグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団のコンサート。
実は昨日もあったのだが
しかも違うプログラムだったのだが(涙)
バルトークとベートーベンというので同じだろうとチェックしていなかった。

まぁ、彼氏モドキをあまりに放置し過ぎていたので
昨日予定を開けて、一応会った・・・ので
義理は果たしたし(こらこら)
しかも向こうは歯医者に行って注射打たれて
夜の9時には独りでベッドに倒れ込んでいて
何だかお持たせ付きの夕食だけご馳走に(以下省略 汗)

昨日はリゲティのロンターノまで演奏したようで(涎)
うううう、何で見逃していたのか・・・
ああ、もう仕方ないので言うまい。

さて本日はバルトークのバイオリン協奏曲2番から。
さすが楽友協会で
周囲はスマホにカメラで、演奏中もずっとスマホを弄っている
どこかの国の若い観光客が大量に居るけれど

もう演奏中にスマホを弄ろうが
ラインやっていてもツィートしていても
更には勝手に録音していても
雑音さえたてなければ構いません(諦めの境地)

最初の音が、何かオーケストラの音が柔らか過ぎて
ダラダラっと出て来て
え? これ、こんな曲だったっけ?
バルトークってもう少し切れ味が良かったと思うんだけど。

バイオリンのソロもオーケストラに沈みがちな上
ポリフォニーはまぁ良いとしても
あれだけオーケストラとバイオリン・ソロがチグハグに聴こえてくるのも
それがバルトークよ、と言われればそうなんだろうが
何だこれは・・・と、すごく不思議な気分。

ところが、第1楽章後半のカデンツァで
バイオリニストが化けた(としか思えませんワタシには)
音が突然活き活きとホール中を飛び回るようになって

そうなれば、曲そのもののノリも違って来て
続く第2楽章の繊細な美しさ、特に後半はハートに直撃。

オーケストラ(と指揮者)はすごく元気だが
それはそれで良い。
バイオリニストも別に元気じゃないワケではないし
(多少お悩みタイプ(笑))
第3楽章なんかは
オーケストラに負けるものかという気迫が凄くて
かなり良い感じのオーケストラとソリストの決闘。

最初の調子の悪さは何だったの、という程
アンコールは超絶技巧のダブル・アンド・トリプル・ボーゲンの曲を
さらっと弾いちゃって
あらニクいわ、このバイオリニスト(笑)

気持ち良く聴いた後の後半は
ベートーベンの交響曲3番「エロイカ」

この曲、私の気分次第で
とんでもなく面白くなったり、つまらなくなったりする
油断ならん曲なのだが

あはははは、今日は面白かった ♡

さすがに腕自慢のユース・オーケストラで
このプレイヤーたちは、みんなプロの卵である。

そりゃ、プロのオーケストラと違って
就職活動に必死(あらすみません)
人数の多い弦でも大変なのに
金管・木管となれば
オーケストラのポジションに空きがなければ就職できないという
とてつもなく狭き門。

ここで上手く演奏して置けば
もしかしたらスカウトあるかもしれない
・・・というプレイヤーの妄想の世界に突入(アホですどうせ)

フルート、オーボエ、腕自慢ばっちり輝いて
クラリネットは先走り過ぎ(笑)
ホルンは、例のアンサンブルを
ここぞとばかり完璧に輝かしい音で吹き捲くる。

いやいやいや、むちゃ楽しいわ(妄想全開)

途中で、あ、そこを強調すると
そういう風に音楽が繋がるのか、とストンと納得した部分もあったし
オーケストラのプレイヤーに全く手抜きがないだけに
指揮者対プレイヤーの真摯な対決がよく見える(笑)

アマチュアというには上手過ぎる学生オーケストラだが
技術的な隙はプロのオーケストラに比べても少ないし
みんなが必死だから
その緊張感と言ったら
そこらへんのプロ・オーケストラが尻尾を巻いて逃げそう(爆笑)

第1楽章は速めのテンポでグイグイ押し
第2楽章の埋葬行進曲は、とことん丁寧に
最初から最後まで緊張感を保って
(あまりの緊張感に、あんなに長く聴こえた第2楽章も珍しい)
第3楽章と第4楽章はアタッカで続け
第4楽章の変奏曲の元気な事 ♡

いやサッパリ爽やか、若い力バンザイという
考えてみればベートーベンがこの曲を作曲したのは
34歳の時。
気難しくて世間を超越したジジイというよりは
もっと血気走った、成熟期の作品だから
難しい顔して哲学しなくても良いのである(断言)

オーケストラのメンバー
みんな就職口があれば良いね(本心です)

久し振りにフル・オーケストラを舞台で聴いて
何となく興奮の収まらない私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン室内管弦楽団・カメラータ ザルツブルク + ステファン・フラダー

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2016年3月15日 19時30分〜21時30分

Wiener KammerOrfhester
Camerata Salzburg
指揮 Stefan Vladar

Johann Sebastian Bach (1735-1782)
 Symphonie D-Dur op. 18/3 für Doppelorchester (1781)
Christian Cannabich (1731-1798)
 Symphonie C-Dur für zwei Orchester (um 1775)
Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
 Symphonie Nr. 6 h-moll op. 74 “Pathétique” (1893)

ウィーン室内管弦楽団と
ザルツブルクのカメラータが共演と言うので
ついつい買っちゃったチケット(笑)

ウィーン室内管弦楽団は紛れもないウィーンのオーケストラだが
何と言うか、他の大規模オーケストラに比べて、かなり地味な存在。
コンツェルトハウスでチクルスは持っているのだけれど
クラシックをレパートリーにしている関係上
(ワタシは本当は近代・現代音楽が好き)
あまり行こうという気にはなれなかった。

時々、伴奏では聴いたな。
確かノイマイヤーの「椿姫」の時は
ウィーン劇場のオーケストラ・ビットに入っていたし
誰かテノール歌手のリサイタルの時も舞台に上がっていた。

ピアニストのステファン・フラダーが首席指揮者。

で、今日は疲れもあるから
ついつい、イヤな事を書いてしまうので

気分悪くなりたくない方は
どうぞここにてお引き取りをお願いします。

申し訳ないけれど
ド素人のワタクシ的には
ピアニストあがりの指揮者はあんまり・・・(偏見)

そういう謂れのない偏見を持っている事は自覚した上で
実は最近、フラダーとウィーン室内管弦楽団の演奏を
他のところでちょっと聴いた時に
(これは仕事だからここには書けない)

は?

という印象があって
おかしいなぁ・・・ いや、そんな筈が?と首を捻っていたのだが。

コホン、前置きが長過ぎる。

前半はバッハとクリスティアン・カンナビヒの曲。
しかも、両方ともダブル・オーケストラと銘打っていて
左右対称に、すべての楽器が並ぶ。
(コントラバス2台づつ右左とか
 大昔のトランペットが2本づつ、右左とか)

ああ、これ、平土間とかの高い席で聴いたら
きっと、もっと面白いんだろうなぁ、とは思いつつ
天井桟敷は音がかなり響いてくるので
それはそれで面白かった。

クリスティアン・カンナビヒなんて滅多に聴けません(笑)
マンハイム楽派と言えば、当時はヨーロッパ内でもブンブン言わせていたわけで
その頃の音楽と思えば
あぁ、時間が余った金持ちの貴族のお楽しみだわね、わっはっは。

すみません、グッスリ寝ました(ごめんなさい!!!)
これ、モーツァルトより効くかもしれない。
とても楽しく聴ける。
というより、当時は新鮮だったんだろうなぁ、こういうのが。

まぁ、それはそれとして
後半は室内オーケストラなのに
チャイコフスキーの「悲愴」を持って来た。
(だからカメラータから応援団が来たんだろうか、よくわからん)

チャイコフスキーの悲愴と言えば
名曲中の名曲で、どのオーケストラでも取り上げるから
今まで、ナマで何回聴いたかわからない曲だが

あの、すみません何ですかこれ。

ごめんなさい。
プロのオーケストラだし
しかも知り合いが演奏しているオーケストラだし
私が疲れていて耳がどうかしているのかもしれないけど

縦線はズレるは
アンサンブル揃ってなくて
弦の細かい部分が潰れてるし

それから敢えて言わないけれど
あの○○○軍団、何とかしてくれ、音下がってるよ。

指揮者の動きは激しくて
腕をブンブン振り回しているけれど
後ろから見ると
自己陶酔して勝手に踊っているようにしか見えない。

ご存知、盛り上がって盛り上がる第3楽章も
叩き付けるような粗さが目立って
いや、そりゃ、もう、みんな元気(笑)
またアンサンブルずれて、なんだそれ、というフレーズはあったが。

当然、第3楽章の後で出る拍手を避けようとしたのか
アタッカで繋ごうとして
手を広げて、でもゲネラル・パウゼを取ってしまった指揮者。
ああああああ、アタッカで繋げるなら
そのタイミングというものがあって
そこでパウゼ取ったらいかん・・・

多少の拍手が残っている間に指揮棒を振り上げたけれど
何かちょっと滑稽というか
不器用だなぁ、この指揮者(すみません!!!)

腐ってもプロオケだから
ド素人がどうのこうの言える筈はないのだが
う〜ん・・・(悩)

普段、日常的にさりげなく聴いているオーケストラが
どんなに優秀なんだか、ちょっと意識してしまったわ。

あれで良しとするなら
フラダーは申し訳ないが
オーケストラ・ビルダーとしては
ワタクシ的にはちょっと受け入れ難い。

休憩時間に
若くてパンクみたいな
破れたジーンズ履いた、トサカ頭のお兄ちゃんとかがかなり居て
ということは、これ、若人のためのジュネスの一環なのかもしれない。

でコンツェルトハウスの良さは
(特に天井桟敷、かなり席空いてたし)
どこかのホールみたいに
音楽を聴きに来るんじゃなくて写真撮りに来る観光客が少なくて
地元の人が多くて
しかも若い人が多いと、無駄な咳とかが少なくて(笑)

いや、周囲の雑音ほとんどゼロという
ウィーンでは信じられない環境で音楽を聴けた、というのはスゴイ。

演奏の良し悪しなんて
ド素人の耳逆らいかもしれないのだから
読者の皆さまは、私の意見を正しいと思ってはいけない。

仕事上の地獄は実はまだ終わらず
でも、地獄には仏も居るのが、とてもありがたい ♡

3月一杯は我慢の子(笑)
そんな状態で明け方まで仕事を強いられても
コンサートには行きます、というアホな私に
どうぞお励ましの1クリックをお恵み下さい。



アップの時間は意図的に変更してあります。
ああああ、明け方5時だよ。まぁ、2時間ちょっとは寝られるわ(笑)

クアサロン サロン・オーケストラ・アルト・ウィーン

Kursalon Wien 2015年9月3日 20時15分〜22時


Salonorchester Alt Wien


Johann Strauss

 Vergnügungszug, Polka (schnell), op. 281

 Freuet Euch des Lebens, Walzer, op. 340

Franz Lehar

 “Meine Lippen, sie küssen so heiss” aus der Operette Guiditta

Johann Strauss

 Künstlerleben, Walzer, op. 316

Wolfgang Amadeus Mozart

 "Dalla sua pace la mia dipende" aus der Oper “Don Giovanni”

Johann Strauss

 Stürmisch in Lieb’ und Tanz, Polka (schnell), op. 393

Wolfgang Amadeus Mozart

 Rondo alla turca aus der Klaviersonate A-Dur, KV 331

H.D. Lumbye

 Champagner Galopp, op. 14

Franz von Suppé

 Leichte Kavallerie, Ouvertüre

Wolfgang Amadeus Mozart

 “Là ci darem la mano” aus der Oper “Don Giovanni”

 Eine kleine Nachtmusik, KV 525 (1. Satz)

Johann Strauss

 Duett aus der Operette “Wiener Blut”

 An der schönen blauen Donau, Walzer op. 314

アンコール

Radetzky-Marsch

Anton Karas

 Thema aus der Film “Der Dritte Mann”


「音楽の都ウィーン」に来たからには

コンサートに行きたい、というグループ御用達の

クアサロンのコンサートに出かけたのは

もちろん、ご招待です、すみません。


グループのシリーズを予約している関係もあって

しかも、このクアサロンでのコンサート

以前に視察に行ったのが、もう10年位前だったので

今回は良いチャンスというので出かけてみた。


イメージ・ビデオはこちら。




何せご招待だから、クソミソに貶す事は出来ないが

そういう事情はともかくとして

意外や意外に楽しめちゃったという事実がある。


そうなのよ、「音楽の都」に来たとしても

普段クラシックに興味のない場合は

突然、ウィーン・フィルとかでブルックナーとか聴いたり

国立オペラ座に5時間閉じ込められてワーグナーを鑑賞したり

そんな苦行をする必要はないではないか(断言)


ご招待だから、まずはレストランのテラスの席で

(あ、私一人じゃなくて、会社単位で10人スタッフが来た)

いつもグループに出している3コースの選択メニュー。


レストラン内は雰囲気があって、とても良い感じ。

もちろん来ているのは事前予約の観光客グループばかりだが(笑)


1階のシュトラウス・ホールとシューベルト・ホールは

主に催物に使って

コンサートは、そこから更に2階分、階段を昇ったランナー・ホール。

約500人まで入れるそうだが

見事に満杯だったのは、セールスが良いからだろうなぁ。


ご招待客なので、前から2列目。

わはは、こんな良い席、座らないわよ、普通は(←あくまでも貧乏人)


オーケストラはサロン・オーケストラなので

第一バイオリンと第二バイオリン、ビオラがそれぞれ2名。

チェロとコントラバスが1名づつで

ピアノとフルート(ピッコロ持ち替え)

クラリネットとホルンとトランペットにパーカッション。


第一バイオリンのトップが立って

ドイツ語と英語でご挨拶。

このトップがおじいちゃまなのだが

すごくチャーミングで可愛い。


本当に昔の典型的なウィーンのホテルマンという感じで

英語も巧いし、ニコニコとともかく嬉しそうなのである。


2曲目のワルツに出て来た2名の踊り手。

あぁ、適当にワルツ踊るのかと思ったら

これが本格的なバレエでビックリ。


オーケストラの前にある舞台は非常に狭いのだが

そこを最大限に使って

ワルツは踊るわ、ジャンプはするわ(さすがにバレエ・シューズだが)

女性のリフトまであって、目が点になった。


プログラムには「歌はアナウンスします」と書いてあるだけだったが

レハールの Meine Lippen, die kuessen so heiss は

私だってよく知ってる(自慢にはならない)


出てきたソプラノ歌手、何せほとんど目の前だし

スタイル良くて、胸が大きくて、顔立ちも派手で

見栄えはするし、声も、最後は最高音まで出した。

すごいフォルティッシモで出したので

がなっているようにしか聴こえなかったが

舞台に近い席なので、後ろだったら、またちょっと違ったかも。


しかしこの曲、アレンジしたのは誰だ?!

何で途中で歌手がカスタネットを叩くようになってるの?

(オリジナルではないと思う、たぶん)


ヨハン・シュトラウスのワルツの後

また「アナウンスによる歌1曲」とあって

出て来たのが、テノールで

ドン・ジョバンニの有名なアリア。


・・・・モーツァルトって難しいですね(ボソッ)


だいたい歌手の巧さって、ピアニッシモでわかる、と

頑に思い込んでいる私なので(以下省略)


モーツァルトのトルコ行進曲も

室内オーケストラ用にアレンジされているので

不思議な感じに響く。


演奏そのものは思ったより悪くない。

アンサンブルが小さいのだが

さすがに毎日、同じような曲目を演奏しているせいか

割にまとまっていて、かなりの水準にある。


いや、でも演奏の巧さどうのこうのはともかくとして

昔のプレイヤーって、今より技術的にはかなり劣る筈なので

現代のプロが集まっている集団は、それなりに凄いし


ヨハン・シュトラウスの頃のイメージとして

何となく、あぁ、こういうものだったんだろうなぁ、と納得。


こういう音楽をウィーン・フィルが

ニューイヤー・コンサートで演奏するけれど

あの方々が、ヨハン・シュトラウスとかランナーを演奏するって

1年に1回、年末と新年だけだろうし


それに比べると、このオーケストラ

毎日毎日演奏しているわけだから、雰囲気としては上かもしれない。

(ちょっと緩いところが、また、何ともゲミュートリッヒなのである)


最後のシャンパン・ワルツでは

バレエ・ダンサーが酔っ払いのキュートなダンスを見せてくれて休憩。


休憩の後、誰でも知っているズッペのメドレーみたいな後に

やはり「アナウンスによる歌」が入るが

さっきのテノールとソプラノが出て来て

ドン・ジョバンニの二重唱。


あれ? この男性、テノールじゃなかったっけ?

で、この曲、ツェルリーナとドン・ジョバンニ(バリトン)の曲だと思うんだけど。

まぁ、テノールと言っても、バリトン歌えない事はないのか。

(ドミンゴがテノールからバリトンに変わった例もあることだし)


そこそこ演技もしながらのモーツァルト。

ううううう

モーツァルト苦手というのはあるけれど

しかし、こうやって聴いてみると

モーツァルトって、本当に本当に本当に難しい。

(それ以上は言わない)


アイネ・クライネ・ナハトムジークは第1楽章のみの演奏で

しかもかなりアレンジされていて

オリジナルに比べると、かなりキッチュというか

いやモーツァルトって難しいです(すみません、しつこくて)


ウィーン気質のデュエットはプログラムに記載されていて

2人の声の張り上げ合いを聴いた後に

美しき青きドナウも、アレンジが凄かったが

まぁ、あれはどうアレンジしても聴かせてしまう名曲である。

もちろん、ここにもバレエ・ダンサーが入る(定番ですね、これは)


拍手万雷でスタンディング・オベーションで

そこに入るラデツキー行進曲(笑)

終わると、またもやスタンディング・オベーションで

アントン・カラスの「第三の男」(もちろんアレンジ版)


あれだけ拍手浴びて、観客が大喜びすれば

プレイヤーも嬉しいだろう、きっと。


プログラムはいつも一緒ではなく

オーケストラ・プレイヤーも全部で50人くらい居るそうなので

その日によって変わるようだが


最初に書いた通り、エンターテイメントとしては

かなりクオリティも高いし

退屈させずに、ウィーンっぽい雰囲気やチャームがあって

よく考えられたプログラムだと言って良い。


こういうエンターテイメントもありだし

意外に楽しませてもらったというのは

お世辞ではなく言っておこう。


観光客向けの、こういうコンサートは

クアサロンだけではなくて、他にも色々あって

結構、競合もあるんだろうなぁ、と

世知辛い事をついつい考えてしまった私に

どうぞ1クリックをお恵み下さい。




カメラータ・ザルツブルク + ジョン・アクセルロッド

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年1月13日 19時30分〜22時35分


Camerata Salzburg

指揮 John Axelrod

マルチ・パーカッション Martin Grubinger

パーカッション Manuel Hofstätter


Charles Ives (1874-1954)

 The Unanswered Question (1908, revidiert ca. 1930-35)

Avner Dorman (*1975)

 Spices, Perfumes, Toxins ! (2006)

Leonard Bernstein (1918-1990)

 “West Side Story” (1957)

   Prologue - Tonight - Somewhere - Cool - America

Zoltán Kodály (1882-1967)

 Tänze aus Galánta (1933)

Astor Piazzolla (1921-1992)

 Street dance tango (1987)

 Leonora’s song (1987)

 Libertango (1974)

Wolf Kerschek (*1969)

 Jazz Suite (2012)

 Balkan Grooves (2012)


ザルツブルクのカメラータと

人気沸騰のマルチ・パーカッショニスト、マルティン・グルービンガーの

ヨーロッパ演奏旅行の最後のコンサート。


昨日の朝、ハンブルクから飛んで来たらしい。

で、今日のコンサートの後、ザルツブルクに帰るって

かなりハードなスケジュールなのでは?


コンツェルトハウスのチクルス、パーカッション・プラネットは

若い人から年配まで、地元の人に人気があるので

気がついた時には、安いチケット全くなし。

とは言え、会員割引で30ユーロ程の席をゲット。


おおお、やっぱり舞台が良く見える。

(いったい、いつもどういう席にいるワケ?セルフ突っ込み)


絶世美女フルーティストも舞台の上に居て

わはは、10倍のオペラ・グラスならぬ

バードウオッチング用の望遠鏡だと、よく見える。


(絶世美女フルーティストについては ここ (共同執筆)と

 こちら の美しい写真のブログからどうぞ)


コンサートの前に出て来たのは

真っ赤なホッペの、いつもキュートなマルティン・グルービンガー。


「ヨーロッパ演奏旅行をカメラータとして来て

 今日が11回目の最後のコンサートなので

 好きな曲を、プログラムに全部ぶち込んでしまいました。

 最初のチャールス・アイヴスの「答えのない質問」は

 会場の絶対的な静寂が必要です。よろしく」


・・・あのね、ウィーンの聴衆に

会場の絶対的な静寂なんて、要求できると思っていたら

アナタはまだウィーンの事を全く知らない(断言)


舞台に出て来たのは、木管奏者と指揮者のみ。

しかも、会場の照明が落ちて、舞台まで暗くなって


バンダで響いて来たのが

あのお馴染みの弦の音・・・なんだけど


いや、確かに、マルティンは

ピアニッシモであればある程、効果的とか言っていたが

あれは、あまりにピアニッシモ・・・


で、もちろん、そのピアニッシモの弦の演奏中に

プログラムを落とす音はするわ

椅子が倒れる音はするわ


咳にクシャミに

私の隣の女性は、何故かずっと

チリンチリン音がするネックレスを弄くってるし

(無意識だと思うの。だけど、そのネックレス弄らないでくれ(涙))


金管の例の不思議なメロディも

何処で演奏してるか、さ〜っぱりわからん。

でも、これは美しく音が伸びて聴こえてきて


それに答えるハチャメチャな木管も

弦がほとんど聴こえない状態なので

そこそこ(初めて聴く人には)ショックだった・・・と思うけれど


弦と木管のバランスが、私の好みじゃないっ!!!

やっぱり、あれは、いくらピアニッシモとは言っても

ちゃんと弦が後ろにベールのようにまとわりつくのが良いのである。


こんな曲から始めるのか、このコンサートは(ぷんぷん)


ところが次のドルマンの曲

これ、意外に長くて、演奏時間30分とプログラムに書いてあったけど


え? もう30分経っちゃったの?


バリエーションに満ち満ちていて

パーカッショニスト2人+オーケストラのパーカッションで

リズムのノリは良いし

色々なイメージが浮かんでは消え、浮かんでは消え


あれだけイメージと妄想を掻き立てられたというのは

もしかしたら、私、寝落ちしてた?(そこはかとなく疑惑)


いや、この曲、良いじゃん、と思っていたら

前半の最後の

バーンスタインのウエスト・サイド・ストーリーで


やられました!!!!


ウエスト・サイド・ストーリー、スゴく好きと言うのは別にして

この編曲、誰がやったの?

何か、スゴイんだけど。


プロローグはまぁ、カッコいいけど普通とか思っていたら

トゥナイトになったら

パーカッションで繋ぎながらメロディを多重に弄くっていて

うはははは、見事に聴かせる。


途中でオーケストラ全員が

指を鳴らしてリズムを取り始めたら

指揮者のアクセルロッドが観客席に向かって

ほら、指を鳴らして下さい!!!って奨励し出して


ええ、私、ラデツキー行進曲とかでは

シラッとして拍手する人を横目で見てますが


指鳴らしの前に、もうノリノリのリズムで

身体が動くのを無理やり止めていたので

うははは、やっと指だけにせよ、動かして良いのか、ばんざい。


最後のアメリカでノリノリノリで終わって

観客大感激、飛び交うブラボー・コール。


これで既に21時・・・


後半、ゾルタン・コダーイのガランタ舞曲。


うはははは、コンサート・マスターのソロの泣き節 ♡

アナタ、ジプシーの血入ってます?(いや、マジメに聞きたい)


コンサート・マスターのソロは、その後も出てきたが

嬉しくなっちゃう位の泣き節というか、浪花節というか

ウエットでロマンティックで、メロメロになりそう。


ガランタ舞曲は舞曲なのだが

コンマスのソロで、何ともロマンティックな

しかも、民族色の強い

割に泥臭い感じの曲になって

それがまた、何かすごくチャーミング。


ああ、君たち、やっぱりバルカンのオーケストラかね?

(いや違う、違うけれど、

 バルカンの血って、オーストリアの何処かにあると思う)


隣の女性のネックレス弄りには参ったが

(だって演奏中、ずっとチリンチリンと鳴ってるんです)


次は、アストア・ピアソラだ、うはははは、たまらんわ。


クラシック好きの人が聴くジャズはガーシュインだが

クラシック好きの人が聴くタンゴはピアソラです(断言)


で、これがまた、リズム ノリノリ 🎶


指揮者のアクセルロッドって

指揮ダンスも巧いが

指揮なしのただのダンスを踊らせても

あのリズム感覚だったら、抜群じゃないんだろうか?


で、最後はケルシェクの現代音楽。


わ〜っはっはっはっは

現代音楽と思っちゃいかん。

めちゃくちゃ楽しい。


読者の皆さまは、私が楽しいとか言っても

他の人には退屈する曲だろう、と思っていらっしゃるかもしれないが

これは違うよ ♡


ジャズ・スイートは

本当に過去のジャズ曲のメロディをコラージュしてるし

しかも、途中で

トランペットやトロンボーンやホルンが

ソロを高々と歌い上げ

それに乗って、オーケストラ・メンバーが身体を左右に動かしたり


だいたい、金管が客席から行進して登場とか

それ、クラシックのコンサートとちゃいますがな。


途中で「はい、一緒に拍手」というところもあったけれど

これも、身体がノリノリになっていたので

(隣のおばあちゃま、ずっと指を動かしてたもん(笑))

観客全員、大喜びで手拍子。


いやはや、これこそ

ミュージック・エンターテイメントの最高峰に近い。


(だから、これ、クラシック・コンサートじゃないよ。

 コレで初めてクラシック聴いた、という人もかなり居そうだが

 間違った先入観を持たないように・・・)


もちろん、マルティンのパーカッションの技術と音楽性は

天才にしか出来ない素晴らしさだが


マルティンのお父さんが、もう、ちょっと爆笑人物(最高の褒め言葉)

(註 マルティンのお父さんはカメラータのパーカッショニスト)


途中でパーカッション持って、舞台の前方に出て来て

指揮者の隣で、見事なダンス(これが爆笑)を披露してくれて

マルティンも良いけれど

パパ・グルービンガーの剽軽さ、チャーミングさは比類がない。


それにこのオーケストラのオーボエとクラリネット

むちゃくちゃ巧いぞ・・・(唖然)

あの2人のソロになると

会場の空気が変わるくらい

特にオーボエの澄んだあの音色の魅力的な事 ♡


乗りに乗って吹き捲くったトランペット、カッコいいし

トロンボーンのソロもむちゃカッコいいし


絶世美女フルーティストは

楽器持ち替えで大変だったようだが

素晴らしいピッコロのソロを聴かせてくれたし

(うはは、あんな天才を知り合いに持ってるなんて(笑))


ものすごく長いコンサートで

(だって終わったの、夜の22時30分過ぎてた)

その後、オフィスに23時に行って

また深夜まで残業していた辛さはあるけれど


でも、このコンサート、行って良かった。


楽しいだけで、マーラーとかブルックナーとかの後みたいに

悩みと落ち込みはないし

あんまり音楽について、難しいコトを考えるというモノではなかったけれど


でも、本来、音楽というのは

悩むためにあるものではなかったハズだ!


とウキウキしながら、疲労困憊で帰宅して

ご飯食べたら元気になって

明け方に長いブログを書いているアホな私に

どうぞ1クリックをお恵み下さい。



指揮者のアクセルロッドは7月に NHK 交響楽団を振るようだが

行って損はないと思う。すごい指揮者です。


アップの時間は意図的に変えてありますが

今、明け方2時36分です。もう寝なければ・・・(冷汗)

明日(いや今日)も朝から仕事ですっ!


エリーナ・ガランチャ ウィーン室内管弦楽団

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2014年10月15日 19時30分〜21時40分


Wiener Kammerorchester

指揮 Karel Mark Chichon

メゾソプラノ Elína Garanča


“Meditation”


Johann Sebastian Bach (1685-1750)

Air aus der Orchestersuite Nr. 3 D-Dur BWV 1068

Bearbeitung : Karel Mark Chichon


Charles Gounod (1818-1893)

“Repentir” (1894)

Bearbeitung : Karel Mark Chichon


Jean Sibelius (1865-1957)

Finlandia op. 26 (1900)


Vladimir Vavilov (1925-1973)

Ave Maria (1970) Giulio Caccini zugeschrieben

Bearbeitung : Karel Mark Chichon


Giuseppe Verdi (1813-1901)

Ouverture der Oper “La forza del destino” (1862)

“Pace, pace” Arie der Leonore aus dem 4. Akt der Oper “La forza del destino”


Amilcare Ponchielli (1834-1886)

Danza della Ore aus dem 3. Akt der Oper “La Giocconda” (1876)


Gaetano Donizetti (1797-1848)

“Que faire … Sol adoré de la partrie”

Arie der Zayda aus dem 2. Akt der Oper “Dom Sébastien, roi de Portugal” (1843/45)


Pietro Mascagni (1863-1945)

Intermezzo aus der Oper “Cavalleria rusticana”

“Voi lo sapete, o mamma”  Romanze der Sanutuzza aus der Oper “Cavalleria rusticana”


Georges Bizet (1838-1875)

Menuett (L’arlésienne. Suite Nr. 2) (1872)

Farandole (L’arlésienne. Suite Nr. 2)

“Les tringles des sistres tintaient” 

Arie aus der Carmen aus dem 2. Akt der gleichnamigen Oper “Carmen” (1873/74)


もちろんこのコンサートの主役は

エリーナ・ガランチャである。


この CD と同じ題名のコンサートで

当然 CD のプロモーションなのだろうが

ただ、入っている曲を全部歌う訳ではなく

歌ったのは前半3曲、後半3曲、プラス、アンコール1曲だけ。


それだけ!!!


しかも、メディテーションと銘打っていながら

何で途中にシベリウスのフィンランディアなんて演奏されちゃうわけ?


ヴェルディの「運命の力」の序曲だって

別にコンツェルトハウスで聴かなくてもかまわない曲だし(すみません)

ヴェルディ苦手だし

更に、何故か「運命の力」だけに縁があって数回観に行っているし


その上、最後のこのレオノーレのアリアって

ソプラノのアリアじゃないか。


いや、歌えるんですよ、ガランチャは。

でも、さすがに最後の高音の部分は

声の質からオーケストラに紛れ込んでしまっていたし

別にソプラノの曲をメゾで聴こうという気もないし。


後半もラ・ジョコンダとか景気の良い曲で始まって

続いてドニゼッティのアリア。


かなり暗い色調の曲で

良いんですけど、私、イタリア語わからないし

オペラのストーリーに入り込んでいる訳ではないので

景気の良いオーケストラの曲の後に

突然、落ち込まれて、何か悩まれても

ああ、良い声だなぁ、とは思うが

だから何?の状態になってしまうのだ。ごめんなさい。


マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲の後も

またもや、ソプラノの歌。


あれですかね、あんなに有名になってしまって

しかもメゾの声の質だけど、声域が広くて

ソプラノ領域も出るようだと

やっぱり歌手って、思い切り声を張り上げたくなるんですね、きっと。


最後のカルメンも、すごいスピードで

私、こんなに声が転がるんですよ、うっふん。


ああそうですか。


ガランチャは美人である。

顔が大きくて、ちょっと男顔で、目鼻立ちがクッキリしていて

多少歳取った感じは否めないけれど

それでも美人である事に変わりはないし


CD のジャケットとかプログラムとか見ると

美人で売ってるようにしか見えない。



まぁ、ウィーン交響楽団が

イケメンの指揮者を迎えて

ジョルダンの見た目で売ろうとしているのと基本的には同じかも(違)


声量のある人だし

どんなに張り上げても、声の質が安定している上に

技術的にスゴい事を平気でやってしまうのだが


何か、チロルのヨーデル聴いてるような気分(すみません)


リートの夕べとかだったら聴き応えがあったのかもしれないが

オーケストラと相互の歌謡ショーみたいなコンサート

やっぱり、何か欲求不満が残る。


オペラ歌手はオペラの中で見た方が良い、と

改めて思ってしまった私に

どうぞ1クリックをお恵み下さい。






カメラータ・ザルツブルク + アクセルロッド

Konzerthaus Großer Saal 2014年5月17日 19時30分〜22時


Camerata Salzburg

パーカッション Martin Grubinger

指揮 John Axelrod


Nanuel de Falla (1876-1946)

 Danza ritual del fuego

 Suite Nr. 1 “El sombrero de tres picos” (1916-19)

Iannis Xenakis (1922-2001)

 Okho (1989)

Peter Eötvös (*1944)

 Speaking Drums. Vier Gedichte für Schlagzeug solo und Orchester (2012/13)

Wolf Kerschek (“1969)

 Suite Mediterranée. Eine Mittelmeerkreuzfahrt für Multipurcussion und Orchester


カメラータ・ザルツブルクと

天才パーカッショニストのマルティン・グルービンガーのコンサート。


いやいや、わっはっは

実はペートル・エトヴェシュの「スピーキング・ドラムス」は

ドイツで演奏された際のバイエルン放送のクリップがあって

とても楽しみにしていた。


ドイツ語だが、内容は非常に面白いので、ぜひどうぞ。




さて、最初は何故かマニュエル・デ・ファリャのダンス曲。

「恋は魔術師」の中から1曲と、有名な「三角帽子」

すっきりしたイヤミのないノリの良い演奏。


オーケストラが舞台からはけると

現れたのは3人のパーカッショニスト。


ヤニス・クセナキスの音楽は

いつだかウィーン・モデルンで重点的に取り上げられたので

かなり聴いたのだが

作品が音楽というよりは数学理論っぽくて

ちょっと苦手。


でも、この曲は面白い。

ドラム3つ+3人のリズムが

最初は一緒で、どんどん3人がバリエーションになっていき

最後はまたユニソノに戻る14分くらいの曲。


リズムのズレなら、スティーブン・ライヒあたりの得意技だが

ライヒほどに前衛的(=ハチャメチャ(笑))ではなくて

ちゃんと「リズム」に聴こえてきて違和感も不可解感も少なく

これなら音楽として楽しく聴ける。


ちょっと違うけれど、日本人としては祭り太鼓を聴いてる感じかなぁ。


さて、エトヴェシュのスピーキング・ドラム。

これ


名曲!!!!!!


何か日本でもエトヴェシュとマルティン・グルービンガーで初演されるらしい。

(調べてみたら情報は ここ )


↑マーラー管弦楽団で演奏したクリップがリンクされていたけれど

日本人って予習が好きだよね?(笑)

もっとも、もう消えてるが(爆笑)


こういう曲は予習もあまりせずに聴いた方が面白い(断言)


ともかく驚いたのは、エトヴェシュのこの作品、

雑音のワケのわからん集大成ではなく

本当に音楽になっている事。


別にトナールだのアトナールだのの話ではなく

音楽の構成が実に緻密なのだ。


グルービンガーが叫ぶ言葉と(サンスクリット語らしい)

その言葉に呼応したリズムが演奏されると同時に

オーケストラが、その言葉のイントネーションを

しっかり音楽として提示して来る。


もちろん視覚的な楽しさもあるけれど

これは「音楽作品」として聴いても

現代音楽や前衛音楽が苦手な人でも楽しめる曲だと思う。


後世に残るとすれば、こういう曲だろう(きっぱり)


ただ、これは、やっぱりマルティン・グルービンガーという

天才パーカッショニストの存在があってこその曲かもしれない。


1983年生まれ…と言う事は30歳は越したのか・・・

鮮烈なデビューの頃から知っているけれど

この人、30歳を越しても

どう見ても、ほっぺたの赤いチェリー・ボーイ(あっ、すみません)


ボーイッシュな初々しさと

天才的な技術と、身体の柔らかさ。

パーカッションってアストリートだよね。


バレエ・ダンサーも40歳くらいになると

かなり衰えてくるけれど

マルティンは40歳になっても50歳になっても

若々しく活動していそうな雰囲気。


お父ちゃんグルービンガーのキャラも好き ♡

一緒に演奏しているけれど(やっぱりパーカッションなのである)

パパ・グルービンガーって

何とも面白い、力の入っていない自然で天然っぽいキャラ(笑)


これから日本での初演を実際に見られる人は幸せだ、うん。


後半のヴォルフ・ケルシェックの曲は

「地中海クルーズ」


いや、もう楽しいの何のって大笑いですよ。

ラヴェルのボレロから始まって

スペインに寄港し

フランスではビゼーの「アルルの女」になり

イタリアのタランチュラを堪能してから

ギリシャで民謡を聴いて

トルコで肉屋のダンスになり

途中で風は吹くし、船は揺れるし


でとうとう嵐に巻き込まれて

シリアに行ってしまって


ぶぶぶぶぶぶっ・・・

オーボエのソロが、まともに中近東で

いや、オーボイスト、すごいやるじゃん!!!(笑)


イスラエルまで回って、ヨーロッパに帰ってくるのだが


そんな事を書いても、読者には想像もつかんだろう(すみません)


このヴォルフ・ケルシュは、もともとオーケストラのアレンジなどの専門家で

ジャズも映画音楽も、オーケストレーションも手がけている人なので


有名なメロディ(例えばボレロとか)のコラージュの間に

色々な、それらしき民謡などを挟んでしまうのが

むちゃくちゃ巧いのである。


知ってるメロディや、ギリシャのダンス音楽とか

中近東のメロディが交差するけれど

そのアレンジが、ものすごく自然で

しかもその中にクルーズの海の波や風や嵐まで入ってくるので


音楽というよりは、映画を観ている感じ。


いや、こういう音楽って

ガチガチのクラシックの聴衆にとっては異端なんだろうが

結構、凝ったトリックも使ってあるから

ゴリゴリのクラシック・ファンにとっても楽しいし

普段クラシックを聴かない人でも、楽しめる曲。


既存のメロディを多用しているので

オリジナリティという意味では

ガチガチのクラシック界では異端かもね。

(まぁ、ルチアーノ・ベリオもシンフォニアでやってるから(笑))


指揮者もノリノリ

パーカッションのマルティン・グルービンガーも

その他のパーカッショニストたちも

(シリアあたりの風景で4人が揃ってリズムだけで演奏する部分で

 中近東っぽい楽器を目にも止まらぬ速さで叩いていたプレイヤーが

 もう、むちゃ巧くて、楽しくて、目がテン)

オーケストラのメンバーも

みんな、夢中になって

スペインからフランス、イタリアにギリシャ

(あ、イタリアでは、カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲が美しかった)

さらには中近東に至るまで

楽しい楽しい40分の地中海クルーズを聴衆に味わわせてくれた。


こういうのを聴いちゃうと

クラシック・クラシックしたマジメなコンサートより

こういうプログラムの方が面白いなぁ、と

本気で思ってしまう私に

どうぞ1クリックをお恵み下さい。







コンツェントス・ムジクス + アーノンクール

Musikverein Großer Saal 2014年4月5日 18時30分〜21時55分


Concentus Musicus Wien

Arnold Schoenberg Chor

Wiener Sängerknaben

指揮 Nikolaus Harnoncourt

エファンゲリスト、テノール1 Michael Schade

バス(イエス) Florian Boesch

ソプラノ1 Christine Schäfer

ソプラノ2 Marina Janková

アルト1 Bernade Fink

アルト2 Elisabeth von Magnus

テノール2 Mauro Peter

バス1 Christian Immler

バス2 Gerald Finley


Johann Sebastian Bach (1685-1750)

 Matthäus-Passion, BMW 244


宗教曲は苦手だし

古楽も別にそんなに好きというワケでもないし

ずっとチェックしていなかったのだが

チラッと見た楽友協会のサイトで

ひっくり返ったのは


歌手陣の豪華さ!!!!!


もちろん、その時点で既にチケットはほとんど売り切れ。

なのに、1枚だけ、平土間後方の

段が上になっているところの真ん中のブロックに1席だけ空きが・・・


チケットの値段85ユーロ(ギョッ)


私のコンサートやオペラやバレエの予算は

30ユーロ以下なのだが

何せ、豪華歌手陣の名前を見てしまった上に

1枚しか残っていなかった、という誘惑に逆らい切れず


ああ、神さま、お許し下さい。


土曜日の18時30分〜22時の公演で

偏頭痛がちょくちょく顔を出そうとしている上に

大腸が過敏になっていて

始まる前にも、こりゃヤバイかも、という状況の中で


あああああああっ

行って良かった!!!!!!!!!!! ♡♡♡


アーノンクールは、よたよたと舞台に出てくるし

指揮台のところには椅子が置いてあるけれど

いったん振り出したら、むちゃくちゃ元気。


オーケストラとコーラスは右と左に分かれていて

(オルガンも二台、右と左にある)

私のような良い席だと、左・右の音の移動の面白さがわかる。


古楽だから

オーケストラの音色は暗めでピッチも低く

普段、モダン・オーケストラで聴くような音量とは全く違う。

しかも、いつもはオーケストラのすぐ傍で聴いているのが

今回は平土間の後ろなので

全く違う印象になるのは仕方がない。


違う印象=ヨタヨタした感じ。

(そりゃ、楽器はガットだし、古いし、ピリオド奏法だし(笑))


さて、宗教曲が苦手なのは

ミサ曲に、何の妄想の余地もないからだが

その意味では

受難曲というのは

妄想もなにも、ともかく、あれは宗教的オペラなので

とっても、とっても面白いのである。

(ちょっと違うかもしれないが。キリスト教の皆さま、お許し下さい)


ミヒャエル・シャーデのエファンゲリスト。

語りかけるようなファルセットなのに

何で、もう、あの人、あんなに美しく響くんだろう(驚愕)

本当に本当に小声で歌って、いや、語りかけているのだが

その音色の美しさには、ゾクッとする。


ちょっと残念だったのは

アリアが終わって、エファンゲリストに入る時に

どうしても、観客がザワザワしたり咳したりするのだが

そのままザワザワ状態でアーノンクールがキューを出すので

シャーデの弱音が、時々、完全な形で響かなかった事くらい。


ああ、シャーデさま、

ワタクシはあなたの奴隷です(違うだろっ!)


歌っていない時でも

シャーデは身体を動かして、リズムに乗っているので

ついつい、私の身体も動きそうになる。


次にひっくり返ったのは、フローリアン・ベッシュのバス。

イエス・キリスト役で出てくるのだが


この人、こんなに美しく歌えたんだっけ?!


ベッシュのイメージというのは

シューベルトの冬の旅の異様な暗さとか

この間のミサ曲のバスのソロが

オペラ的悪役代官だった、とか言うイメージだったので


あの清く正しく美しいイエス・キリストの声を聴いて

えっ? 別人じゃないのか? と椅子から転げ落ちそうになった。


シェーファーのソプラノも素晴らしいが

ベルナーダ・フィンクのアルトの滑らかさは快楽に近い。


マウロ・ペーターは

ミヒャエル・シャーデのテノールに比べると

まだ若いし、声の艶にも欠けるが

第二部では、あの汚れのない若々しいテノールを

存分に聴かせてくれた。


あまり出番はなかったけれど

ジェラルド・フィンレイのバスの美しさも素晴らしい。


クリスティアン・イムラーはノーチェックだったが

真面目で端正なバスで

ユダ、ペトルス、ポンティフェックス、ピラトスを好演。


で、また、コーラスが良い ♡

コーラスも左右に分かれていて

各ソリストの立っている側のオーケストラとコーラスが入るのだが

ううう、情景が思い浮かぶような繊細な表現が完璧。


現代でナマで聴ける

たぶん、最高峰のマタイの受難曲だろう、これは。


長い曲なのだが(1回休憩が入る)

ストーリーの語りと

それに付随する劇的な音楽と

(バッハって凄いな、時々、異様に現代的にもなる)

声の美しさに聴き惚れて

唖然としている間に終わっちゃった、という感じ。


で・・・ですね。

これ以降は無駄話なのだが


プロテスタントの受難曲って

イエス・キリストが死んだところで終わっちゃうのが

何とも私には欲求不満なの。


プロテスタントの教義では

イエス・キリストが十字架に架けられて

天に召された時点で

神さまの意志が成就した、という事になっているので

イエス・キリストが亡くなった金曜日が

一番大事な祝日であって

受難曲も、神の意志が成就したところで終わってしまうのだが


別にカトリックの影響は受けてない筈だし

クリスティアンでもない、普通の人間のワタクシ的には

面白いのは

土曜日はユダヤ教の安息日なので何も出来ず

日曜日に墓に行ってみたら、死体がなくて

イエス・キリストが復活して

みんなに姿を見せた、というところが

やっぱりキリスト教のキモではないかと思うのだが。


受難曲の中でも

ユダヤの人たちがイエスを死刑にしようとしたり

ユダがキリストを裏切ったり

ペトロがイエスを知らないと3回言って

鶏が鳴いて反省したり

色々と劇的な出来事はあるのだけれど


キリスト教で劇的な出来事と言えば

やっぱりイエス・キリストの復活だったりするワケで


オペラちっくに音楽付き宗教演劇にするなら

日曜日に墓に行った複数のマリアたちが

墓に死体がない、と驚き慌てるところとか

キリスト復活で姿を表すところとか


トマスが「信じられないから傷口に指を突っ込ませろ」と言ったとか

(私、このエピソード、好きなんです。

 物事を疑ってかかる実証主義のトマスは偉いと思う)


そこら辺まで音楽劇にして欲しかった。

(もっとも、それやったら、上演時間がワーグナーになってしまう)


いやいや、でも、高い席に座ったら

周囲の人たちのマナーは良いし

音は素晴らしいし、舞台はバッチリ見えるし

右左に動く音の響きも充分に楽しめたし


やっぱり高い席って良いな・・・(こらっ!!!)


贅沢に慣れないように注意しよう、と

こっそり自分に言い聞かせている私に

どうぞ1クリックをお恵み下さい。




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