トーンキュンストラー + キタエンコ

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    Schloss Grafenegg Wolkenturm 2018年9月7日 19時〜21時30分

    Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
    ピアノ Yeol Eum Son
    指揮 Dmitrij Kitajenko

    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
     Konzert für Klavier und Orchester d-Moll KV 466 (1785)
    Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)
     Symphonie Nr. 7 C-Dur op. 60 „Leningrader“ (1941)

    グラーフェネックまでドライブして
    車を降りようとしたら・・・・土砂降りの雨 ☔

    だったら今日はオーディトリウムのホールでのコンサートだわ、と
    荷物(コート、座布団などなど)を持たずに車から降りて
    傘で会場に向かったのだが
    野外音楽堂からはリハーサルの音が聴こえて来る。

    あら、お気の毒、これからホールに全楽器移動かしら。

    でも、いつまでたっても
    会場はオーディトリウム、という告知がない・・・

    18時45分に鳴り響く開場のベル。
    (ベルというより、ベートーベン交響曲3番第3楽章のホルンだが・・・)
    え???
    確かに雨はかなり小降りにはなっているけれど
    今日のコンサート、予定通り、野外音楽堂ですかっ!!! (o_o)

    私と同じく、急いで車に荷物(コート、座布団等)を取りに
    パーキングに急ぐ人もちらほら・・・

    恐れていた通り
    椅子の上は、まだ濡れているし
    (仕方ないから、そのまま上に座布団敷きました・・・)
    椅子の下には、小さな水溜りが出来ていて
    バッグを置けない状態。

    もちろん椅子の下にはビニールのレインコートは入っているけれど
    レインコートの入っている袋がびしょびしょ。

    この時点では、もう、小降りの雨も止んでいたのだが
    ビニール・コートを出して着る人たちも多い。

    最初はモーツァルトのピアノ協奏曲20番。
    例の有名な短調の協奏曲で、私でも知っている。

    ピアニストは韓国出身のソン・ヨルム。
    小柄な身体だが、タッチは強い。
    かと言って、男性的というわけでもなくて
    とても良いバランス。

    ・・・でも知っている曲でも
    モーツァルトなので、瞬間的に自動的に爆睡しました。
    ごめんなさい。

    アンコールにモーツァルトのソナタ K545 の第一楽章(の一部)
    これも、誰でも知っている曲だが

    このピアニストのタッチが面白い。
    スタインウェイのコンサート・グランドが
    まるでピアノフォルテのように響く。
    軽いタッチで、音の粒が揃っていて
    面白い装飾音符の付け方。

    さて、幕間の後はショスタコーヴィッチのレニングラード。

    キタエンコはショスタコーヴィッチは得意だから
    これは期待できる。

    演奏そのものは非常に情熱的で力強くて
    緊張感もずっと保たれていて面白かったのだが

    あ〜、ブルックナーの5番より
    しつこい曲がここにあった・・・

    今まで、ショスタコーヴィッチの7番って
    そんなにしつこいとは思っていなかったんだけど
    久し振りにナマで聴いてみると
    いや〜、もう、しつこい、しつこい(笑)

    この曲、本当に爆発的な力を持つ。
    キタエンコもオーケストラを最大限に鳴らせて
    その迫力たるや、圧倒されて言葉がない。

    わかったぞ、何が何でもこのコンサートを
    野外音楽堂でやりたかった理由が(笑)
    あのボリュームで、ホールで聴いたら
    コンサート後に難聴になっていただろう、きっと。

    その意味で野外音楽堂でのショスタコーヴィッチは
    思い切り大きな音で
    輝く金管のアンサンブルで
    しつこく、しつこく、しつこく(笑)
    ピアニッシモから、とんでもないフォルティッシモまで

    それに最初から最後までの集中感や緊張感が素晴らしい。
    キタエンコって良い指揮者だと思うし
    見事に正確な技術で、ばっちり演奏したオーケストラも凄い。

    全く手抜きしていないし
    全員が力一杯演奏しているのがよくわかって
    曲想や、曲に籠められたショスタコーヴィッチの感情が
    ダイレクトに聴衆に伝わって来る。

    う〜ん、名演・・・
    ホールで演奏されるより良かったような気がする。
    (ホールの貧民席はオーケストラの真上だし(笑))

    最後まで雨は降らなかったし
    比較的温暖な気温だったし
    (オーケストラは温度の高低が激しいと大変だなぁ、と思うけれど)
    野外音楽堂で、あれだけの力強さを
    音を分散させる事なく演奏しきった指揮者とオーケストラに脱帽。

    まぁ、確かに共産主義バンザイのプロパガンダみたいな曲だし
    しつこさには、時々、げっそりもしたけれど(笑)

    当時のソビエト連邦の社会状況なんかも
    ちょっと音楽から窺える気がして
    楽しかった私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    トーンキュンストラー + 佐渡裕

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      Schloss Grafenegg Auditorium 2018年8月25日 19時30分〜22時30分

      Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
      ソプラノ Patricia Petibon
      メゾソプラノ Elisabeth Kulman
      テノール Peter Kirk
      チェロ Leonard Elschenbroich
      司会 Christoph Wagner-Trenkwitz
      指揮 Yutaka Sado

      Leonard Bernstein (1918-1990)

      Ouvertüre zur Operette „Candide“ (1956)

      „On the Waterfront“ Symphonische Suite für Orchester (1955)

      „Three Meditaions“ aus „Mass“ (1971)

      Drei Tanzepisoden aus dem Musical „On the Town“ (1944)
      Nr. 1 „The Great Lover Displays Himself“

      „I can cook, too“ aus dem Musical „On the Town“

      „Lucky to be me“ aus dem Musical „On the Town“

      Drei Tanzepisoden aus dem Musical „On the Town“
      Nr. 2 „Lonely Town“

      „Oh happy we“ aus de Operette „Candide“

      „I am easily assimilated (Old Lady’s Tango)“ aus der Operette „Candide“

      „Glitter and be gay“ Arie der Cunegonde aus der Operette „Candide“

      „Waltz“ aus dem Divertimento für Orchester (1980)

      „Ohio“ aus dem Musical „Wonderful Town“ (1953)

      Konzert Suite Nr. 1 für Sopran, Tenor und Orchester
      aus dem Musical „West Side Story“ (1957/1992)
      „Maria“, „One Hand, one Heart“, „Somewhere“, „Balcony Scene“

      ハッピー・バースディ レオナード・バーンスタイン

      ・・・とか言っても、私、個人的にバーンスタイン知らんし
      私がウィーンに来てからだって
      バーンスタイン指揮のコンサートってあった筈なんだけど
      こちらに来てから15年くらいは
      ともかく仕事・仕事・仕事でコンサートとか全然行ってなかったし(汗)

      バーンスタインの愛弟子の佐渡裕氏にとっては
      特別なコンサートなんだろうなぁ、感慨深いだろう。

      ウエスト・サイド・ストーリーはワタシも好き。
      バーンスタインの交響曲は、ナマで何回か聴いてはいるし
      バーンスタインのミサだって
      センパー・デポでとんでもない演出で観たし聴いた(面白かった)
      キャンディードはフォルクス・オーパーでコンサート形式で聴いた。

      ・・・とは言え、そう頻繁に演奏されるワケではない。

      キャンディード序曲・・・いや、この曲知ってるけど
      佐渡裕氏の指揮から出てくるオーケストラの音は
      力一杯の大音量で
      あ〜、こういう音だったら
      室内のオーディトリウムじゃなくて
      野外音楽堂で演奏されたら、絶対にウケたのに。

      天候悪くてホールで残念と思ったのは初めてかもしれない。

      クリストフ・ワーグナー=トレンクヴィッツが司会。
      ともかく、この人、話が面白い(昔からいつも面白い)
      バーンスタインの話を
      バーンスタインはニューヨーカーで
      それはベートーベンとかマーラーがウィーンっ子というのと同じ(爆笑)とか
      オペラ座のプラーヴィーとのエピソード絡みで聞かせたり
      プラーヴィー知ってる世代には楽しい話。
      (観客が、ほとんど私以上のご年配なので・・・)

      Mass のチェロのソロ弾いた若いチェリスト
      レオナルト・エルシェンブロイヒのチェロの音が美しい・・・

      後半、トレンクヴィッツの解説付きで
      On the Town からの曲。

      最初の I can cook, too はエリザベト・クルマン登場。
      ミュージカルなのでマイク付きだが

      あ〜〜〜〜〜
      クルマンのメゾソプラノ、ご存知の通り
      ものすごい美声なの。
      クラシック的な発声法が生来のごとく自然に美声が出て
      ビロードのような厚みのある温かい手触りの声が

      ミュージカルに全然合ってないんですけどっ!!!!

      マイク付けても、声があまりに美しすぎて
      大音量のオーケストラにモロに埋もれてるし
      喉開いて鼻に抜けるクラシック発声で、声が浮いてるし

      ミュージカルのしかもアルトのパートって
      私の独断・偏見で言っちゃえば
      多少ハスキーな地声で、クラシックみたいに声を被せず
      マイク通してガリガリ聴こえてくるような感じが好みなので
      こんなにクラシックに歌われても・・・

      こういう感じで
      テノールのカークもソプラノのペティボンも歌ったら
      ど、ど、ど、どうしよう・・・(不安)

      ところが、やっぱりマイク付けて出てきたイギリスのテノール。
      あらま、この人、ミュージカルでも違和感のない声だわ。
      声量はどうなのかは不明だが(マイク付いてるから)
      高音もしっかり出して、しかも英語の発音キレイだし。

      次のキャンディードでは一番有名な曲(だろうと思う)のデュエット。
      出て来たパトリシア・ペティボン
      ・・・すごいカッコしてる。ヘンなメガネかけて
      何だか最初から役にすっぽりハマっている上

      ペティボン、マイク付けてない・・・
      相手のテノールはマイク付き。

      ちょっと待て、ペティボンってクラシックのソプラノだよね?
      声量すごいだけじゃなくて
      クラシックの発声から
      ミュージカル的な地声っぽいアニメ声まで
      すべての声の色を使い分けていて

      しかも、声だけじゃなくて、全身で演技していて
      テノールとの掛け合いもユーモラス。
      テノールもミュージカル経験ありそうで
      ノリノリで演技していて、掛け合い漫才みたい。

      だから、と言ったら失礼なのだが
      その後の、美声のクルマンのオールド・レディス・タンゴが
      声が美しすぎてオーケストラに埋もれて浮きまくっている上に
      オーケストラ独奏の時のクルマンの動きって
      タンゴじゃなくて・・・ハワイのフラダンスっぽい・・・
      いや、オールド・レディだから、それで良いんだろうか(疑)

      え〜い、オペラやクラシック・リートとミュージカルって
      演技もダンスも、発声法も違うんだよ〜〜〜(たぶん)
      いくら大物でキャッチ・アイとは言え
      ちょっとクルマン、浮きまくり。

      しかもその後のクネゴンデのアリアで出てきたペティボンが
      小物を使って、コンサート・マスターをしつこく弄くり回し

      マイクなしで、しかもアニメ声で
      更に、このアリア、クラシック的なソプラノ部分も多いのに
      見事に声を自然に使い分けて

      アリアで語り、表情(泣いて笑って)がスゴイし
      声がまたスゴイし、あまりに見事なアリア。

      コンサート・マスター、ソロの途中に
      ペティボンに膝に乗られたり、抱きつかれたり
      頭に王冠置かれたりでお疲れ様です(笑)

      しかしすごいな、ペティボン・・・

      ワンダフル・タウンの「オハイオ」でペティボンとクルマンのデュエット。
      その後、お待ちかね、ウエスト・サイド・ストーリーからの名曲の数々。

      テノールのカークのマリアが・・・巧かった。
      これはリリック・テノールとしてはたまらん曲だろうが
      切々と、熱い喜びを持って、高音まで神経に触らず歌い上げたのは見事。
      短い曲だかソプラノの Somewhere は
      ワタクシ的には最も名曲だと思っているので、胸がジーン・・・

      アンコールで、やっぱりウエスト・サイド・ストーリーの
      シンフォニック・ダンスだろう・・・と思っていたら
      いやいや、しっかりキャンディードからの曲で
      しかも、また歌手3人出てきて歌ってる。
      (すごいサービス精神)

      歌手がまだ舞台に居る状態で
      テノールが足だけで踊りながら
      指揮者に「ほら、あれをやりなよ」みたいな合図を送って
      最後は、もちろんながら、マンボで終わり(笑)

      マンボの間、テノールは踊りまくり
      ペティボンも踊っている横で
      クルマンが戸惑った様子で立っていたのが
      かわいそうと言えばかわいそうだったんだけど。

      トレンクヴィッツの解説が長めだったのも原因ながら
      22時30分まで、たっぷりバーンスタインの
      オペレッタやミュージカルを堪能させてもらって
      ノリノリで実に面白かった。

      こういうコンサートなら野外音楽堂の方が良かったかも。
      とは言え、ここ数日は夏も終わりで
      雨もパラパラ降って、気温も20℃切っていて
      夏の後には、すぐに冬が来るヨーロッパ(笑)

      佐渡裕氏が、ご自分とバーンスタインについて語ったビデオが
      トーンキュンストラーの Youtube サイトにある。
      (音声はドイツ語が被るので聞きにくいかも・・・)
      ご興味ある方はどうぞ → ここ

      トレンクヴィッツの解説の中で

      バーンスタインは孤独だった
      孤独すぎて、周囲に人がいないと耐えられないほどだった

      というエピソードを聞いて
      いつも大物と一緒の人懐っこいバーンスタイン像の後ろに
      そういう救いようのない孤独があったんだなぁ、と
      なんとなく、ストンと心に落ちた私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      トーンキュンストラー + 佐渡裕/齋藤有香理

      0
        Schloss Grafenegg Wolkenturm 2018年8月17日 19時30分〜21時

        Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
        ソプラノ Anna Samuil
        テノール Christian Elsner
        バリトン Lucas Meachem
        少年合唱 Wiener Sängerknaben
        コーラス Wiener Singverein
        指揮 Yutaka Sado
        指揮 Yukari Saito

        Benjamin Britten (1913-1976)
        „War Requiem“ für Sopran, Tenor, Bariton, Chor, Knabenchor,
        Ensemble und Orchester op. 66 (1961/62)

        2018年グラーフェネック・フェスティバルのオープニングは
        ブリテンの戦争レクイエム。

        コンサート前の18時からライトシューレで
        シューベルトの弦楽五重奏(D956) 2. Satz Adagio を
        Atalante Quartett が演奏し
        ブッフビンダーの挨拶
        低地オーストリア州州知事のミクル・ライトナーのスピーチ
        俳優のヨゼフ・ローレンツがウィルフレッド・オーエンの詩をドイツ語で朗読
        その後、フランツ・フラニツキー、アンドレアス・コール
        メルセデス・エッヘラーとマルレーネ・ストレールヴィッツでの
        公開討論会という催物。

        2018年は、第一次世界大戦終焉の1918年と
        オーストリアがドイツ・ナチスに併合された1938年の記念の年だから。

        ブッフビンダーが
        音楽家として、平和のために何ができるか
        音楽は感情と知識で演奏するものであって
        感情だけでは良い音楽にならない
        と、淡々と語ったのが非常に印象的。

        フランツ・フラニツキーは1986年から1997年まで
        オーストリア連邦の首相で、社会党の党首だった事もある。
        私の記憶には非常に強く残っている人で
        オーストリア自由党との確執や
        ベルリンの壁崩壊後のオーストリアの舵取りを見事にした政治家だった。

        アンドレアス・コールも国民党の政治家として長く活躍した人。
        エッヘラーは緑の党でヨーロッパ議会議員の過去を持つ女優さんで
        ストレールヴィッツはフェミニストの立場で著作や映画監督として活躍。

        それぞれに、色々な立場の意見を述べて面白かったのだが
        オーストリアの政治家として初めて
        オーストリアのナチスだった過去と向き合わねばならない旨の発言をした
        フラニツキーが、1918年から1938年までの間のオーストリアについて
        あまりの経済的困窮状態で、1938年のナチスの併合を歓迎する他に
        オーストリアが当時取る道はなかっただろう、と発言したのが印象的。

        同時にエッヘラーからは
        1920年代の女性事業家が書いた本の一部が提示された。
        経済的な困窮は、何かが間違っているのではないか、という
        非常に聡明な勇気のある発言を興味深く聞いた。

        本当の討論になるためには
        あまりに時間が足りなくて、かなり残念。

        その後、本コンサートはブリテンの「戦争レクイエム」

        実は、こういう作品があるのは知っていたのだが
        ちょっと注意深く避けてまして(ごめんなさい)
        まずは宗教曲だし
        しかもレクイエムだし
        (私はヴェルディのレクイエムがむちゃくちゃ苦手なのである)
        その上、かなり長い曲で
        比較的苦手なブリテンという
        聴いておきたい、とか言う気が一切なかったんです(恥)

        舞台一杯に詰め込まれた大編成オーケストラ
        その後ろには100人以上のコーラス
        下手(しもて)には、アンサンブル
        そして、舞台下手(しもて)の観客席の横のところに
        ウィーン少年合唱団。

        手元のテキストが見えるように、という配慮か
        今回は客席も比較的明るくなっている。

        で・・・ちょっと思いがけなく感動してしまった。

        大編成オーケストラは佐渡さんが指揮して
        アンサンブルは齋藤有香理が指揮。
        ウィーン少年合唱団のところには、別の指揮者が立つ。

        齋藤有香理の指揮姿が美しい。
        キビキビした動きで優雅で明確。
        今回はアンサンブルだが
        大編成オーケストラやウィーン少年合唱団との兼ね合い
        アンサンブルで歌うバリトンとテノールとのバランスと絡みなど
        見事に決めていて
        これは、すごい指揮者が出て来たものだ。

        ほとんど3箇所に分かれていて
        しかもウィーン少年合唱団とは、かなりの距離があるので
        指揮者同士の連携が巧く行かないとずれる可能性が大きいのだが
        これが巧くハマっていて
        あの長大な曲を最初から最後まで緊張感を持って聴かせたのは素晴らしい。

        テノールは途中、ちょっと調子を崩したけれど
        最後の、ほとんどアカペラのソロの時
        上からヘリコプターの爆音が聞こえたのをものともせずに
        正確な音程で歌ったのは・・・・うわああ、やっぱりプロってすごい。

        バリトンが素晴らしかった。
        英語のテキストのクリアさもさることながら
        透明な美声で音楽の表情を
        感情に溺れることなく歌って、ちょっと唸ったわ、私。

        ウィーン楽友協会合唱団、今回は大人数で舞台に乗ったが
        もともと巧いコーラスなのだが
        今回も素晴らしい。
        オーケストラに埋もれる事なく
        ニュアンスを見事に出して
        コーラスがこの曲を引っ張っていったような印象まで与える。

        ブリテンらしい抑制の効いた音楽だが
        音楽のニュアンスの多様さに圧倒される。

        何となくエルガーのゲロンティアスの夢と雰囲気が似ていて
        この上なくドラマチックなのに
        レクイエムらしい慎ましさと敬虔さに満ち溢れていて

        ・・・ちょっと涙出てきちゃった。

        中に挟まるオーエンの詩が、これまた感動的、というより
        考えさせられる内容が文学的に詰まっていて
        特にオフェトリウムでのアブラハムの詩は
        心をぐっさり刺す。

        第一次大戦末期1918年に25歳の若さで
        終戦の7日前に戦死したオーエンの
        実体験に基づいた詩が
        ブリテンのこの上なく繊細な音楽と一緒に歌われると
        ヘンに感情的な叫びにならないだけに
        ひときわ心を打つ。

        喰わず嫌いしていてごめんなさい、と
        本気で反省して
        また機会があれば、ぜひ聴きたいと切望している私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        トーンキュンストラー + 佐渡裕

        0
          Musikverein Großer Saal 2018年4月8日 15時30分〜17時50分

          Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
          指揮 Yutaka Sado
          バイオリン Emmanuel Tjeknavorian
          ソプラノ Carolyn Sampson
          語り手 Ruth Brauer-Kvam
          コーラス Wiener Singverein (Leitung Johannes Prinz)
          少年合唱団 Wiener Sängerknaben (Leitung Gerald Wirth)

          Ludwig van Beethoven (1770-1827)
           „Leonore“ Ouvertüre Nr. 3 op. 72b (1806)

          Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
           Konzert für Violine und Orchester A-Dur KV 219 (1775)

          Leonard Bernstein (1918-1990)
           Symphonie Nr. 3 für Chor, Knabenchor, Sprecher, Sopran und Orchester
           „Kaddish“ (1963/1977)

          午前中のウィーン・フィルの定期を聴いてから
          午後は久し振りにトーンキュンストラーの日曜定期へ。

          日曜の午後定期は全公演のチクルスを数年にわたって持っていたのだが
          今シーズンは試験だの何だので行けない事が多くて
          何回かコンサートに行き損ねてしまった。

          よって、何だか久し振りのトーンキュンストラー。

          ベートーベンのレオノーレ序曲。
          オーケストラの編成が大きい。
          力一杯のダイナミックさと
          極端な音量のレンジの幅
          自由自在なアゴーギクで
          大巨匠時代の演奏を思い起こされるような
          エネルギーに満ちた佐渡さんの音楽造り。

          で、次のモーツァルトのバイオリン協奏曲。
          さすがに編成は小さくして、すっきりしたクラシックだが
          このバイオリンのソリスト
          技術的にはもちろん巧いんだけど
          音が伸びないし
          (後でプログラムみて、ストラディヴァリと書いてあって驚いた、ほんとかよ?)
          音色に艶がなくて、ともかく真面目っぽい響きで
          あ〜、すみません、ワタクシ、もちろん素人だから
          自分が感じた主観的な感想しか書けないけれど
          巧いんだけど、学生の発表会みたいな印象。

          コンマスと一緒にモーツァルトのロンドをアンコールに演奏したところなんかは
          オーケストラにもウケようとする人懐っこさがあって良いのかもしれない。
          (まぁ、あの音でバッハの無伴奏とかアンコールで弾かれたら
           ケッとか思った可能性は多いにある・・・)

          後半がバーンスタインの交響曲3番「カディッシュ」
          大編成オーケストラに混成合唱
          オルガンの前にはずらっと揃ったウィーン少年合唱団。

          トーンキュンストラーって、本当に最近、資金が潤沢だな。

          普段、偉そうな事を言っている私だが
          この交響曲3番カディッシュは予習して来なかった(汗)
          語り手がオーソライズされたドイツ語版を語るところに
          コーラスとオーケストラが入る。

          バーンスタインのユダヤ教、宗教賛歌かと思っていたら
          これ、すごいテキスト・・・・(驚愕)

          第2部で、モロに「神」に喧嘩売ってる。
          カトリックのミサ曲みたいに
          ただただ、神さま万歳ではなくて
          テキストの一つ一つのセンテンスが
          ものすごい重さを持って聴くものに突き刺さってくるのに加えて
          エネルギーに満ちたオーケストラとコーラスの
          とんでもない音楽が聴衆に襲いかかってくる。

          うわああああ
          これ、聴いていて、ものすごく辛い。

          確かにユダヤ教であれキリスト教であれ
          アジア的な仏教や、日本の神道とは全く違った「契約の神」概念で
          どんなに信仰深い信者であっても
          この「神」ないしは「神概念」との絶え間ない戦いの歴史がある。
          哲学者も神学者も、み〜んな唯一絶対の「神」と戦っている。

          実は大学時代に私も戦った事がある。
          戦って悟り?を開いた友人はカトリック信者になったが
          おバカで根性なしの私は
          実証主義から言語哲学の方に滑って行って
          結局は、偽っぽいけれど、伝統的神道に落ち着いたので
          今になって、こういう「神との(マジメで真剣な)闘い」を聴くと
          精神的にものすごくズキズキする。

          爆発的エネルギーを撒き散らすオーケストラやコーラスも凄いが
          この作品の持っている、恐ろしいまでの「喧嘩腰」に
          罪と罰概念や絶対唯一存在の、人間の極端に対峙する「神」を持つ思想に
          正面から向き合わされてクラクラする。

          こんな作品、よく演奏できるな・・・

          バーンスタインの愛弟子の佐渡マエストロだから
          当然、この曲の哲学的・人道的・道徳的・宗教的内容は
          しっかり理解しているとは思うけれど
          日本人として、あれを理解した上であの曲を演奏できるというのは
          信じられない程の事だと思う。

          聴いてる私は、第2部の喧嘩腰になる頃から
          もう、精神的に追い詰められてしまって辛くて辛くて・・・

          音楽的には圧倒的なエネルギーを持った
          素晴らしい曲だとは思うのだが
          ごめんなさい、もう、この曲
          よほど私の精神状態に変化がない限り
          もう2度と聴きたくないです(本気)

          こういう曲は神学的にしっかりと自分の土台を持った人でないと
          とても消化しきれません・・・・(涙)

          聴きながら
          あ〜、ユダヤ教もキリスト教も
          ともかく、その手の唯一絶対の一神教の信者の人たちって
          たいへんなんだなぁ、としか思えなかった。

          この感想記を書き起こすのだって
          実は一苦労だった。
          (日付は変えてあるけれど、2日ほど消化する時間が必要だった)

          聴いていて、音楽的要素以外のところで
          ものすごく痛くなる曲って
          シェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」なんかもそうだな。
          (でもシェーンベルクは機会があればまた聴きたい)

          ユダヤ人としての自分の複雑な心理的不安定さと
          バーンスタインは、こうやって闘ったのか・・・と
          音楽だけではなく、人間バーンスタインの
          ものすごくナマなところが見えて来て

          あ〜、天才ってスゴイ・・・けれど
          辛い人生でもあったんだろうなぁ、と
          お節介な事まで考えてしまった私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          月曜日の試験の後に
          トーンハレのコンサートに行くつもりだったのだが
          まぁ、色々と事情があって行けず
          次のコンサートは水曜日。
          試験結果は次の日に出て、なんとか合格しました。ホッ f^_^;

          トーンキュンストラー + 佐渡裕

          0
            Musikverein Großer Saal 2018年2月25日 15時30分〜17時30分

            Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
            指揮 Yutaka Sado
            ピアノ Evgeni Bozhanov

            Benjamin P. Weinzelberg (*1999)
             „Heroic Dreamscape Fantasy“ (2016)

            Ludwig van Beethoven (1770-1827)
             Konzert für Klavier und Orchester Nr. 5 Es-Dur op. 73 (1809)
             Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 36 (1801/02)

            面白いプログラムだった。

            最初のベンジャミン・ヴァインツェルベルクは、1999年生まれの18歳!!!
            プログラムの経歴を読むと
            ケンブリッジのハーバード大学の学生で
            ジュリアード・プレ・スクールの作曲専攻の上
            声楽家とピアニストとしてもあちこちで賞をもらってデビューしていて
            グラーフェネックの作曲コンクールで1位になった作品がこれ。

            あ〜、いわゆる天才ですね。
            いるんですよね、こういう、どう考えても脳の造りがハナから違う人が。

            で、この作品、ベートーベンのエロイカのモチーフを使ったという事だが
            聴いていて、何だかデジャヴがあると思ったら
            ルチアーノ・ベリオのシンフォニアとちょっと似ている。

            背景に出てくるメロディとリズムが
            マーラーの聖アントニウスとソックリで
            そこにエロイカのメロディが乗って来て
            ある意味のパスティーシュだが
            何となくの既存感はあるものの面白い構成の曲。

            ベートーベンのピアノ協奏曲5番に登場したピアニストは
            エフゲニー・ボジャノフ。
            1984年ブルガリア生まれ。2010年のショパン・コンクールで4位。

            何だかこのピアニスト、すごく面白い。
            わざとしているのかどうか不明だが
            手の動きがいちいち演劇的で
            弾いていない時でも振り上げたり、メロディ取ったり
            しかも、最初のベートーベンの左右の手の和音で
            左手をスタッカートで持って来たのには度肝を抜かれた。

            それ以外でも、何ですかその運指?という右手と左手の交互の使い方
            いちいち上げたり鍵盤の上の空間で踊らせる手とか
            あ〜、なんか、ものすごく変わったピアニスト。

            右手の使い方が非常に面白い。
            だって、この人の指、平たいんですよ
            しかも人差し指・中指・薬指を思い切り平たくして上に持ってくる。
            あの手の状態で、よくまぁ、ああいう音を出せるもんだ。

            というワケで
            上から運指とかばかり見ていたので
            あんまり音楽を聴いていなかった。ごめんなさい。

            ともかくユニークな音楽をするピアニストだし
            演劇的で大げさな動きをするので
            ついつい目が引きつけられてしまう。

            アンコールはショパン・・・だろうな、これは。
            左手のピアノの音が素晴らしい。
            ショパンをアンコールで弾く奴はキライだが
            これに関しては許す(わっはっは、偉そう)

            幕間の後のベートーベン交響曲2番。

            非常にエネルギッシュな演奏で
            先日、ウィーン交響楽団+フィリップ・ジョルダンと聴いたばかりの
            同じ曲とは思えなかった。

            情熱的で力一杯で
            エロイカ以前の、まだハイドンの影響が残る古典曲の色合いは
            すっかりなくなって
            後年のベートーベンのエネルギッシュな部分が
            エモーショナルに演奏される。

            こういうポジティブなエネルギーに満ちた演奏は
            佐渡裕さんの得意とするところだろう。

            色々な意味で非常に面白いコンサートだった
            ・・・・というところで
            本日もまた、1クリックをぜひよろしくお恵み下さい。


            トーンキュンストラー + ロレンツォ・ヴィオッティ

            0
              Musikverein Grosser Saal 2018年1月28日 15時30分〜17時20分

              Tonkuenstler-Orchester Niederoesterreich
              指揮 Lorenzo Viotti
              ソプラノ Marysol Schlit

              Erich Wolfgang Korngold (1897-1957)
               "Sursum Corda!"
                Symphonische Ouvertuere op. 13 (1919)
              Gustav Mahler (1860-1911)
               Symphonie Nr. 4 G-Dur (1899-1901)

              11月終わりの大学の試験が重なって
              トーンキュンストラー・オーケストラのコンサートを
              数回サボった後の久し振りのコンサート。
              (いや、あの、来週も試験が続くんだけど(汗))

              27歳の若き指揮者、ロレンツォ・ヴィオッティは
              以前、代役でウィーン交響楽団のコンツェルトハウス公演で
              マーラーの交響曲1番で鮮烈なデビューをした指揮者として
              私の記憶に刻み付けられているけれど

              今回のマーラーの交響曲4番で
              ワタシは、またもやぶっ飛んだ。
              いや、信じられない。すごい指揮者だよ、これは。

              最初はコルンゴルトのアメリカに行く前の作品で
              当時作曲していた「死の都」のテーマも使って
              その後の映画音楽に直接つながるハリウッド的な曲。

              いやぁ、派手だわ。
              すごい厚いオーケストレーションで
              絢爛豪華で、メロディが次から次に現れて
              一瞬たりとも退屈させないサービス精神の塊みたいな曲。

              1920年の楽友協会で、作曲家自身が指揮者として初演された時には
              あまりに先鋭的過ぎる、と酷評されたようだが
              リヒャルト・シュトラウスだって、この位派手なオーケストレーションしてるし
              多少の不協和音は使っていても
              基本的に伝統的トナールだし
              どこが先鋭的に聴こえたんだろう、とちょっと不思議。

              コルンゴルトは、その後、アメリカ合衆国で
              ハリウッドで活躍してからウィーンに戻ったものの
              ウィーンでヒットを飛ばす事なく
              長い間、ナマで演奏される機会もなかったけれど

              やっと最近、有名なバイオリン協奏曲や
              オペラ「死の都」も演奏されるようになったし
              こういう曲も聴けるようになったのは嬉しい。

              休憩後のマーラー、交響曲4番。
              失礼ながら、別に何も期待していなかったのだが
              (オーケストラの皆さま、ごめんなさい!!!)

              トーンキュンストラーって
              指揮者によって、ものすごく化けるオーケストラだった 💦

              若い指揮者にしては珍しく
              ヴィオッティの指揮の動きには無駄がない。
              オーケストラに任せるところは、何の指示もせずに任せて
              肝心な部分だけ的確な指示を出してくる。

              まるで巨匠か大家のようではないか。
              27歳でこの指揮法を取るなんて、ちょっと信じられないタイプ。

              しかもマーラーのあの交響曲のポリフォニーが
              何という解像度で聴こえてくるのだ (+_+)

              細かい部分の隠れたメロディが
              絶妙な音量で浮き出して来て
              スコアが見えるような解像度。

              しかもオーケストラが巧いぞ。
              というより、メンバーの気合がスゴイ。
              こんなにこのオーケストラ、巧かったっけ?(って失礼な)

              このオーケストラの首席指揮者は
              以前、「ベルリン・フィルじゃないから」とか言った事があるが
              ベルリン・フィルのあの冷たいマシン的な正確さはないとしても
              ウィーンのローカルな音をしっかり残しながら
              技術的にも、ここまで演奏できたら
              このオーケストラ、たいしたもんじゃないの。

              確かに、時々アンサンブルが平坦になる事はあるんだけど
              でも弦の音色も美しいし
              木管も金管も、無傷とは言わないが
              非常に美しい音色を出していて、時々、うっとりしてしまう。

              首席指揮者が変わってから
              オーケストラのデフォルトの音量が大きくなったような気がするんだけど
              それでもヴィオッティは抑えるところはしっかり抑えて
              しかもポルタメントの扱いとかが
              オーケストラの血に入っているようなウィーンの世紀末の香り。

              歌わせる部分は、ちょっとイタリアンなカンターレか、ってところもあったけれど
              イヤミないし、あれだけ歌わせてくれたら見事なものだ。

              若々しくて透明感があって歌う演奏だっただけに
              マーラーの苦さとか皮肉とかはあまり前面には出て来なかったけれど
              アダージョの美しさには唸ったし
              (相変わらず咳き込みがスゴイけどさ、この会場は(怒))
              最終楽章のソプラノも、声はキレイなんだけど
              あまり声量がないところを
              実に巧みにオーケストラの音量を調整して
              見事に歌とオーケストラを溶け込ませていたのには驚いた。

              いや、このヴィオッティという指揮者、タダモノじゃないぞ。
              いったいどういう才能なんだか・・・
              末恐ろしいというか、早熟というか
              これでベストのところなのか
              あるいは、これからどういう方向に伸びて行くのか
              また楽しみな指揮者が出来た。
              長生きせねば(ってそういう問題じゃないか)

              あまりにマーラーの4番が良かったので
              もし、もう一度、楽友協会で演奏するんだったら
              潜り込もうと思ったんだけど
              月曜日にサンクト・ペルテンでの最終コンサートで終わりみたい。

              月曜日はシャイーが楽友協会に来ちゃうので(チケット確保済み)
              サンクト・ペルテンに行けないのが
              ものすごく残念・・・・と泣いている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              トーンキュンストラー + オロスコ=エストラーダ

              0
                Festspielhaus St. Pölten 2017年12月18日 19時30分〜21時15分

                Tonkünster-Orchester Niederösterreich
                指揮 Andrés Orozco-Estrada
                ソプラノ Catherine Foster, Heidi Melton, Sunhae Im
                メゾソプラノ Janina Baechle, Kelly O’Conner
                テノール Robert Dean Smith
                バリトン Jochen Schmeckenbecher
                バス Günter Groissböck
                コーラス Wiener Singverein (Leitung Johannes Prinz)
                Slowakischer Philharmonischer Chor (Leitung Jozef Chabroñ)
                児童コーラス Gumpoldskirchner Spatzen (Leitung Elisabeth Ziegler)

                Gustav Mahler (1860-1911)
                 Symphonie Nr. 8 in zwei Sätzen
                  für großes Orchester, acht Solisten,
                  zwei gemischte Chöre und Knabenchor (1906/07)

                ウィーンの楽友協会では
                日曜日の午後と、火曜日・水曜日の夜に
                同じプログラムでのコンサートがあった(ある)けれど

                日曜日はバレエに行っちゃったし
                火曜日・水曜日は別のプログラムだし

                マーラーの交響曲8番。
                大規模オーケストラにコーラスだのソリストだの山ほど必要で
                あまりに費用がかかり過ぎるため(それだけではないと思うが)
                ほとんど演奏されない曲で
                私の記憶でも、コンツェルトハウスでウィーン交響楽団とルイージ
                楽友協会で、バレンボイムとブーレーズが
                ベルリン・シュターツカペレを率いて
                マーラー交響曲全曲を演奏した時だけだと思う。

                両方とも、ものすご〜く大昔の話である。

                ただ、マーラーの交響曲の中で
                この8番と大地の歌が、私はかなり苦手で
                今回は遠慮しておこう・・・と思ってはいたのだが

                サンクト・ペルテン祝祭劇場でのコンサートがあって
                ほとんど完売なんだけど、まだ1席だけ
                比較的安い席がある!と、ついつい・・・f^_^;)

                夕方の交通渋滞に巻き込まれ
                ウィーン市内を出るのに、えらく時間を取られて
                盛大にスピード違反しながら
                何とかギリギリにサンクト・ペルテンに到着して席に着いたら

                隣の人と顔を見合わせて

                あ???

                居たよ、ここにも、大学の同僚(お達者クラブ)(^o^)

                まぁ、それはともかくとして

                舞台にぎっしり並んだ大規模オーケストラの後ろに
                何段あるのか、数えたくもないほどギッシリと
                コーラス用のベンチシートが並ぶ。

                隣の同僚曰く
                普通のトーンキュンストラーのコンサートはガラガラなのに
                今日は何でこんなに満杯なんだろう・・・
                と舞台を見て
                児童合唱団が乗っているのを見て
                あ、わかった、あの子供たちの両親・兄弟・親戚一同が・・・
                と、ボソッと呟いていた(笑)

                お久し振りのオロスコ=エストラーダ。
                相変わらず若々しいが
                4日後には40歳の誕生日を迎えるそうだ。
                (コンサートの後にアナウンスがあった)
                誰かのようにキャリアになったら絶対に戻って来ない指揮者も居るが
                オロスコ=エストラーダは時々、こうやって
                古巣のオーケストラの指揮台に立ってくれるのは嬉しい ♡

                第一部の Hymnus : Veni, creator spiritus だが

                うわぁぁぁ
                音が大きい・・・のは仕方ないにしても
                音の響きが固い。

                いつも楽友協会の残響バリバリのホールで聴いているからかもしれないが
                このサンクト・ペルテン祝祭劇場だって
                音響効果は悪くないし
                残響が多少デッドなだけに
                コンツェルトハウスと同じように
                大規模オーケストラの曲には向いているはずなんだけど・・・

                オーケストラとソリストがバラバラで聴こえてくるし
                コーラスとのバランスがイマイチで
                確かにあれだけコーラスの最後の列が離れた所にあると
                このタイミング合わせって、ものすごく大変かもしれない。

                ソリストは、結構なビッグネームを揃えたじゃないの。
                確かに声は響いてくる
                けれど、コーラスとソリストに比べて
                オーケストラの音の厚みがない。
                いや、これでオーケストラも音の厚みを出したら
                それでなくとも会場一杯に
                ものすごいデシベルで鳴っている
                鼓膜が破れそうな音量が、もっと大きくなって
                ・・・・それはそれで問題だろう。

                この曲を演奏するのに
                理想的なホールってないんだろうか?
                いやしかし、これ、楽友協会のいつもの席で聴いていたら
                耳が潰れるんじゃないだろうか・・・
                いや〜、良かった、サンクト・ペルテンのコンサート・ホールで。

                第一部ではコーラスもむちゃくちゃ張り切って歌ってるし
                ソリストは声を張り上げるし
                それはそれで非常に美しいのだが
                聴いていて、ちょっと疲れるし

                大音響なので
                隣の人は、すごい音を立ててプログラムを捲るし
                途中でバッグから水出して飲んでるし
                左後ろからは、普通の声でのお喋りが聞こえてくるし
                (大音響でも、何故かお喋りの声ははっきり聞こえる)
                飴を出すシャカシャカ音も入ってくるし。

                ・・・う〜ん (ーー;)

                ところが、第二部のファウスト博士のシーンになったら
                音響が落ち着いて来て
                (ただの耳慣れの可能性はある)
                全体のまとまりも出て来て
                ストーリーを紡ぐ流れも、きちんと表情を持って出て来た。

                ソリストが素晴らしい。
                テノールが真っ赤な顔で必死に歌っているけれど
                声は美声で、はっきりと聴こえて来る。
                グレートヒェンは、バルコニーの脇に立ち
                最後にホール全体に美声のソプラノを響かせて
                確かに「救い」の印象を残した。

                しかしこの曲、こうやって久し振りに聴いてみると
                大地の歌に出てくるモチーフ、そのまま使ってるじゃないか。
                途中で、8番を聴いているのか
                大地の歌を聴いているのか、ちょっと混乱気味になった。

                最後のあたりのコーラスが素晴らしかった。
                だいたい私は大音響でガンガンやられるより
                時々マーラーがやる、弱音での囁くようなコーラスが好き。

                音響云々はさて置いて
                やっぱりこの曲、マーラーの存在感がすごい。

                まぁ、妄想だけど
                アルマに対してのすがりつくような愛情とか
                溢れるばかりの不思議な情熱が
                聴くものを捉えて離さない。

                曲そのものの持つエネルギーの容量が凄まじくて
                隣のおばちゃまが、ものすごく退屈して
                途中からバッグをゴソゴソしたり身体を動かしたりしても
                あまり気にならず
                最後の最後は、ちょっと涙ぐんでしまう位に
                心の底にずっしりと響いて来た。

                苦手な曲だし
                第一部はバランスが悪くて、チッとか思っていたのに
                結局、最後で

                あああ、車飛ばして聴きに来て良かった 😂

                隣の同僚も、後半の方が良かった、と言っていた。
                良いクリスマスをね、また大学で (^^)v

                しかしあの人数
                楽友協会の舞台によく乗ったな
                (日曜日にコンサートがあった)
                明日・明後日の楽友協会のコンサートも
                あの大人数が舞台に乗るのか、と
                行かないんだから余計なお世話な事を
                ついつい考えてしまう私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                トーンキュンストラー + ロベルト・トレヴィーノ

                0
                  Musikverein Großer Saal 2017年10月22日 15時30分〜17時

                  Tonkünstler-Orchester Niederöstrreich
                  指揮 Robert Trevino

                  Gustav Mahler (1860-1911)
                   Symphonie Nr. 7 (1904-05)

                  この記事を書く前に
                  謝っておかねばならない・・・

                  このコンサート、多分、聴いた後、すぐに印象を書いていたら
                  ちょっとは違っていたかもしれないのだが

                  その後、バリバリのアメリカンの
                  透明感に満ちたとんでもないマーラーを聴いちゃったので
                  ちょっとコンサートの印象が変わってしまった可能性がある。

                  トーンキュンストラーは最近景気が良くて
                  今シーズンはマーラーの7番・3番・8番を予定している。

                  マーラーの交響曲7番と言えば
                  私の知っている交響曲の中で
                  好きな交響曲ナンバー・ワンの地位。

                  よって、どんな演奏されても
                  頭の中で多少バイアスがかかって
                  喜びにうち震える曲・・・だったはずなんだけど。

                  トーンキュンストラーは以前
                  サンクト・ペルテン祝祭劇場で
                  ドイツのダンス・カンパニーの伴奏でこの曲を演奏しているから
                  演奏そのものの水準としては悪くはない(はずだ)

                  だけど、指揮者の腕か何かわからないけれど
                  オーケストラのバランスが悪すぎる。

                  バンダで演奏される管や、カウベルが
                  あんなに平面的に、立体感が欠けて聴こえてきたのは初めてだし

                  管楽器をあれだけ鳴らしているのに対して
                  バイオリンの音がものすごく痩せて聴こえてきて
                  全体のバランスが悪い。

                  その上、最終楽章を目一杯鳴らすのは良いけれど
                  目一杯鳴らし過ぎて
                  鐘やカウベルが、全く聴こえて来なかったのには仰け反った。

                  普通、2人がかりで叩く鐘って
                  オーケストラのトゥッティを破って聴こえてくる筈なんだけど・・・
                  舞台で叩いているのは見えるのだが
                  他の音にかき消されて全然聴こえて来ない。

                  曲のテンポが遅くなる部分では
                  ロマンティックにしようとしているのはわかるのだが
                  完璧に上滑りしてしまっていて
                  ロマンティックどころか、平面的で表情がなくなってしまう。

                  う〜ん、これはちょっと期待ハズレ。
                  いや、この曲、好きだから良いんだけど
                  ここまで音が団子になってしまって
                  上滑りしていると、ちょっと居たたまれない感じ。

                  技術的にはマスターしている筈なので
                  これは指揮者の能力の問題かなぁ・・・

                  自分では何もできない癖に
                  文句だけは多いなワタシ、というのは思うけれど
                  怖いもの知らずの、ド・シロートの印象記という事で
                  どうぞお許し下さい。

                  ついでに1クリックもよろしくお願いします m(_ _)m


                  トーンキュンストラー + 佐渡裕 1回目

                  0
                    Musikverein Großer Saal 2017年10月8日 15時30分〜17時

                    Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                    指揮 Yutaka Sado
                    ピアノ Roger Muraro
                    オンド・マルトノ Valérie Hartmann-Claverie

                    Oliviert Messiaen (1908-1992)
                     Turangalîla-Symphonie
                      für Klavier, Ondes Martenot und Orchester (1946-48)

                    全国の皆さま!!!
                    ウィーンに定住してから32年
                    やっと、やっと、やっとこの曲を
                    ナマでウィーンで聴ける時代がやって来たとは・・・

                    20世紀最高傑作の一つ、メシアンのトゥーランガリラ交響曲!!!
                    今シーズン、トーンキュンストラーと佐渡裕のコンサートに加えて
                    11月9日には
                    何故かウィーン・モデルン現代音楽祭の一環として
                    ウィーン放送交響楽団も、この曲を演奏する予定。

                    トーンキュンストラーのピアニストは
                    何とロジャー・ミュラロ!!!

                    いや、今日はエクスクラメーション・マークが多いが
                    トーンキュンストラー、最近景気が良いのか
                    オフィスは市内の一等地に引っ越すわ
                    ミュラロをピアニストとしてウィーンに招聘するわで
                    まぁ、すごいわ・・・

                    さて私の貧民席はオーケストラに非常に近い場所である。
                    「現代音楽」(笑)のコンサートなので
                    トーンキュンストラーは、かなりメール等で宣伝してはいた。
                    (チケット持ってるコンサートに今更割引とか言われても面白くない)

                    そんなわけで、比較的空き席があったので
                    係員の人に許可を取って
                    ちょっと離れた席に座らせてはもらったが

                    ・・・やっぱり音が大きい(汗)

                    トゥーランガリラは大編成だし
                    管楽器やパーカッションの数も多いので
                    楽友協会のあの音響ではどうだろう、と懸念していたが
                    やっぱりオーケストラに近いところだと、すごい音量。

                    エネルギーの塊が、ものすごい速度で
                    正面から飛んで来て衝突しているような気分。

                    あまりにエネルギーが大き過ぎて
                    メロディ・ラインが全く聴こえて来ない。

                    まぁ、あの曲にメロディ・ラインがあるかについては
                    色々な意見があるだろうが
                    今まで聴いた CD では
                    音響の中にトナールでのラインが聴こえていた・・・ような気がする。

                    佐渡裕氏は、こういうエネルギッシュな曲は好きそうだし
                    とても合うような気がする。
                    エネルギーの発散からすれば
                    楽友協会の中を、とんでもないエネルギーが満たす感じ。
                    ・・・だが
                    これ、やっぱり、できるだけオーケストラから離れた席の方が良さそう。
                    (かと言って、幕間なしだから動く訳に行かない >_<)

                    聴こえて来るのが大音響の塊だけで
                    中の構成が全然聴こえて来ないし
                    何だか全部が埋もれているような感じで・・・
                    オーケストラ全員が必死になって、すごい音量で演奏するので
                    エレメント同士の掛け合いが全然わからない・・・

                    ミュラロのピアノがすごい。
                    もうこのピアノの色彩感だけで
                    このコンサートに来て良かったと思わせるくらい
                    カデンツァでの音色の煌めきが圧倒的。
                    背筋がゾクゾクする。

                    エネルギッシュな部分は
                    指揮者がオーケストラを思い切り鳴らすので
                    音量も大きいし
                    オーケストラも必死で演奏していて
                    音そのものは、かなりの団子状態で聴こえて来てしまうのだが
                    その中に秘められた熱い思いというのは、充分に伝わって来る。

                    この曲、もともと
                    時々、えらくエロチックになる部分がある筈なんだけど
                    いや、う〜ん、ピアニッシモの部分の音色はそれなりにキレイとは言え
                    あまりエロチックとか言うのは感じないなぁ。
                    まだ演奏に余裕がないのか
                    (今日のコンサートは1回目)
                    あるいは、最初から「エロチック」というような
                    不道徳な要素は排除しているのか・・・

                    明日の夜はサンクト・ペルテンでのコンサートだが
                    残念ながら行けないので
                    火曜日に、2回目を聴きに行く予定だが
                    (で、できれば席はできるだけ離れたところに逃げたい)
                    その時に、演奏に慣れて来れば
                    思いがけない色っぽさが出て来る・・・・かもしれない(笑)

                    金管楽器が頑張っていて
                    トロンボーンなんか、ものすごく迫力の音を
                    素晴らしいアンサンブルで出していて魅力的で惚れる。

                    しかし、若しかしたらこの曲って
                    楽友協会の、あの残響たっぷりのホールでは
                    聴いてはいけない曲なのかもしれない、と言う気もしている。
                    (音の焦点がぼけすぎる)

                    全部のパートがフォルテで聴こえて来て
                    ホールの音が濁ってしまうと
                    ちょっとアレアレアレ、という状態になってしまうのだ。
                    まぁ、全員が必死なのはよくわかるが・・・

                    オーケストラを見ていると
                    一部のメンバーに、この曲は楽しそうだ。
                    特に木管・金管が、大変そうだが嬉しそうに演奏していたな。
                    パーカッションも、すごく張り切っていたし。

                    帰宅してから
                    あんなにメロディ・ラインの聴こえない
                    大音響の塊だっただろうか、と自信がなくなったので
                    (記憶としてはブダペストでイヴァン・フィッシャーで聴いた時には
                     ホールの音響がデッドでクリアに聴こえたせいかもしれないが
                     私の記憶に近い音響がしていた筈・・・)
                    今、ラトルの CD を聴き直しているんだけど
                    これはこれで、えらく色っぽい(笑)

                    ラトルの CD の録音は
                    それぞれの楽章の構成が見えるような
                    各エレメントがキレイに浮き出しているけれど
                    これはやっぱりホールの特質の違いなのかも・・・・

                    まぁ、次のコンサートで
                    もしかしたら、また感想変わるかもしれないので
                    それまで待とう、と
                    偉そうな事を言っている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    トーンキュンストラー + ブラッド・ラブマン

                    0
                      Schloss Grafenegg Auditorium 2017年9月2日 19時15分〜21時30分

                      Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                      メゾソプラノ Waltraud Meier
                      指揮 Brad Lubman

                      Brad Lubman (*1962)
                       “Reflections” für Orchester (2016)
                        Uraufführung. Auftragswerk des Grafenegg Festivals

                      Gustav Mahler (1860-1911)
                       Fünf Lieder nach Gedichten von Friedrich Rückert (1901/02)
                        Blicke mir nicht in die Lieder !
                        Ich atmet’ einen linden Duft
                        Um Mitternacht
                        Ich bin der Welt abhanden gekommen
                        Liebst du um Schönheit

                      Johannes Brahms (1833-1897)
                       Symphonie Nr. 1 c-Moll op. 68 (1876)

                      グラーフェネックに連日連夜
                      往復150キロをドライブしているアホな私(笑)
                      今日は雨ではなかったものの
                      気温がぐっと下がって曇りで
                      午後早くに「本日はオーディトリウム(ホール)で」と告知があった。

                      ちっ、昨日トライしたんだけど
                      席の変更が無理だったから
                      モロにオーケストラの真上じゃん・・・

                      と思ったら
                      あらま、結構な空き席があって
                      同じカテゴリーの後ろの方の人が
                      揃ってギャラリー正面(ガラガラ)に移動して
                      ちょっとだけだけど、オーケストラ真上からは移動できた。バンザイ。

                      考えてみたら、このコンサート
                      グラーフェネック・カード所有者にご招待状が来てたコンサートじゃないの。
                      貧民席チケット買っていたし
                      ご招待席だと、どんな席になるかわからないから無視してたんだった (^_^;)

                      今回のコンポーザー・イン・レジデンスのブラッド・ラブマンは
                      アメリカの指揮者+作曲家。
                      今回の新作、レフレクションスは本日が初演。

                      で、これが意外と面白い曲で
                      ミニマム・ミュージックじゃないんだけど
                      リズム(しかもかなり複雑な変拍子)がクールでスタイリッシュ。

                      しかも、引用ではないのだが
                      マーラーっぽかったり、ショスタコーヴィッチ風だったり
                      ストラヴィンスキーだったりの部分があって
                      次に何が出てくるか、ちょっとワクワクする。

                      アトナールなんだけどトナールに聴こえてくるし
                      パッチワーク風に、予想もしない方向に曲想が変化していくし
                      リズム感が爽快で
                      やっぱりパーカッションのお兄ちゃんたちが
                      異様に張り切ってる(笑) すごく楽しそうだ。

                      こういう曲なら再演も聴きたいなぁ、と思うのだが
                      現代音楽というのは残念ながら一期一会が原則(笑)

                      ウィー◯・◯ィルのメンバーとかが作曲したものだけは
                      定期公演で何回も取り上げられるケースはあるけれど。

                      ゴキゲンな現代曲の後は
                      本日のメイン・イベント(?)
                      ヴァルトラウト・マイアーの登場。

                      ヴァルトラウト・マイアーと言えばワーグナーを連想してしまうのだが
                      何でワーグナー歌ってくれないの?・・・とか思っても
                      まさかリングから一部だけを抜き出すワケにはいかんだろ。

                      マーラーだったら角笛でも、と思ったけれど
                      角笛はこの間のゲルネと被るので避けたんだろうか。

                      リュッケルトの詩による5つの歌と言えば
                      これも実は私の青春時代の歌(暗い青春時代(笑))

                      いやまぁ、何て美しい低音・・・
                      下の音が、全部、ちゃんと被ったベルカントなんだもんなぁ。

                      こういう声は、本当に生まれつきの身体によるところが多いので
                      持って生まれた楽器の良さと
                      それを鳴らす訓練の賜物で
                      ああああ、こういう声の持ち主(の身体)が羨ましい。

                      ドイツ人だし、ワーグナー歌いだから
                      ドイツ語のディクションは完璧かと思っていたら
                      声の質に厚みがあるだけに、言葉はあまり明確には出て来ない。

                      Blicke mir nicht in die Lieder ! なんて
                      声の美しさ、あんまり関係ない、というより
                      これドイツ語が音楽をブチブチに切ってしまうので
                      こういう美声の持ち主にはもったいない。
                      次の Ich atmet’ einen linden Duft の方がメロディックだから
                      こちらの方が声の美しさは目立った。

                      Um Mitternacht の中間部で
                      (オーケストラが歌のメロディと全く違ったところを演奏して
                       かなり暗くて、ちょっと無調に近いところね)
                      ありゃあああ、ソプラノの音程がズレてるように聴こえる・・・(汗)
                      かなり微妙なズレ方で
                      歌手は指揮者に目でコンタクトしているようなのだが
                      いや、指揮者、全然歌手見てないし
                      第一、ズレたってオーケストラをどうのこうの出来ないわよ。

                      まぁ、すぐに基音のクラリネットが出てくるので
                      そこでズレに聴こえた音程は直ったし
                      あの部分、どちらにせよ、ものすごく複雑な音程だから
                      私の耳がおかしかったのかもしれないし
                      (まぁ、皆さんプロだから、多分、私がおかしかったんだろうきっと)

                      あまりに美声で、ともかく低音が美し過ぎて
                      その分、一部の高音で多少の掠れがあったんだけど
                      Ich bin der Welt abhanden gekommen も
                      あんまり暗くならない。
                      もともと、こういうアホみたいな孤独感に悩むのは
                      女性ではない、という事かなぁ(すみません)

                      最後の Liebst du um Schönheit あたりが
                      声の美しさが最も活かされていた感じ。
                      (指揮者、金管を思い切り鳴らせやがった・・・(笑))

                      しかし、この美声、いつまでも聴いていたい気分にさせる。
                      あの低音の深い響きって、どうやったら、ああいう風に出るんだろう・・・

                      今日は空席が目立った事もあるし
                      マイアー目当てで来ている客はかなりのクラオタだろうから
                      聴衆のマナーは良くて拍手のフライングもなし。

                      ブラームスの交響曲1番なんて
                      何でこのプログラムで取り上げたんだろうと思うが
                      たぶん、トーンキュンストラーのスタンダード・レパートリーだし
                      (オロスコ・エストラーダでも佐渡さんでも演奏している筈)
                      初演曲にリハーサル時間を取られるから
                      後半は演奏し慣れた曲を選択したんだろうな、とついつい邪推。

                      スタンダードな名曲なんだけど
                      この指揮者、リズム感が抜群に良くて
                      何とも締まった感じの演奏になっている。

                      トーンキュンストラーは
                      佐渡裕音楽監督のもとで
                      事務局も旧市街の一等地に美しいオフィスをオープンしたし
                      (あ、関係ないか(笑))
                      良い意味で、自分たちに自信がついて来た感じがする。

                      引っ込み思案なところがなくなって
                      思い切ってバッチリ前面に音を出して来て
                      歯切れの良さと潔さが、なかなか気持ち良い。

                      音もでっかいし(笑)

                      名曲アワーで、音量マックスで
                      各楽器のソロが見事。
                      (正直、入団した時に何じゃこりゃ、と思っていたプレイヤーが
                       どんどん伸びて素晴らしい名人になっていくのを
                       実際に見て聴いていられるというのは
                       クラオタとしては最高の贅沢だと思う)

                      グラーフェネック通いは
                      まだちょっと続くので
                      どうぞよろしくお付き合い下さいませ。

                      もう夏は終わったのね・・・と
                      ちょっと寂しい気持ちになっている私に
                      (ただ、コンサートが野外でなければ嬉しい)
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



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