ウィーン放送交響楽団 + マリン・オールソップ

0
    2024年3月15日 19時30分〜21時

Musikverein - Großer Saal
    ORF Radio-Symphonieorchester Wien
    指揮 Marin Alsop

    Gustav Mahler (1860-1911)
     Symphonie Nr. 9 D-Dur

    ウィーン放送交響楽団とオールソップが
    マーラーを演奏する、と言うなら
    行かない、という選択肢はない(笑)

    最近、楽友協会のチケットはよく売れている。
    チケットの値段は急激にアップはしているのだが
    その代わり
    14歳から29歳までの若人には
    むちゃくちゃ安くて良いオファーをしているのだ。

    え〜い、シニアにもオファーをくれ。
    係の人も
    こんなに来ているのに
    何の割引もないの?ってビックリしてるのに(笑)

    さて、この曲は
    ご存知の通り
    私は最終楽章は必ずスコア持ち込み。
    (アホなので、スコア見てないと
     どこで終わるのかわからず
     精神的に不安定になってしまう)

    オールソップ、ウィーンの聴衆に人気あるなぁ。
    どこのコンサートでも
    彼女が登場すると
    最初からブラボーが掛かったりする。

    女性指揮者の道を開いて来た人だし
    映画のドキュメンタリーを作ったりという
    セルフ・マネージメントにも長けているという理由もあるが

    ワタクシ的には
    この世代の「戦った女性指揮者たち」というのは
    本当に勉強熱心で優秀な人が多いと思う。
    (最近は「女性枠」で、まぁ、色々(以下自粛))

    この間のマーラーでも思ったのだが
    ウィーン放送響とオールソップのマーラーは
    解像度が非常に高くて緻密。

    各パートが紡ぐ糸が
    様々な色と太さで
    まるで極彩色の厚地の絨毯の
    織り目を見ているような気分になる。

    同時に、満ち溢れるエネルギーの奔流。
    オールソップの動きも情熱的で
    バーンスタインの弟子・・・って
    あまり関係ないか。

    バーンスタインのような
    思い入れたっぷりのケレン味てんこ盛りではなく
    (あっ、バーンスタイン・ファンの皆さま、ごめんなさい)
    もっとモダンな
    曲とワンクッション置くような
    分析的な部分での処理が非常に巧い。

    しかも、ものすごいエネルギーの奔流。
    この曲、よくマーラーの白鳥の歌とか言われて
    死を覚悟した(あるいは予感した)
    マーラーの最後の諦観と言われる事が多いが

    この溢れるエネルギーを持った曲の
    どこに「死」の予感があるのよ(個人的印象です)
    って言うか、ひたすら元気じゃん。

    流れるように溢れ出す音楽性とエネルギー
    皮肉に満ちたレンドラーは
    遅めに始めた、と思ったら
    見事にテンポをコントロールして
    中弛みのない緊張感をそのまま持続させて
    硬めの音響が非常に皮肉っぽい
    締まった筋肉質な演奏。

    第3楽章の奔放さも素晴らしい。
    コントロールは効いているけれど
    爆発するような鋭い響きが快感だし
    どこが「白鳥の歌」なんだ、こんなにエネルギッシュなのに。

    この曲、1910年に作曲され
    グスタフ・マーラーは1911年5月18日に亡くなって
    死後の1912年6月26日に初演された
    って言うのも「伝説の誕生」の理由なんだろうなぁ。

    名だたる音楽家や音楽評論家が
    こぞって「死の予感」に言及している上

    マーラーの解釈に大いなる影響を及ぼした
    指揮者メンゲルベルクのメモも残っているし

    現代の音楽学者も解釈学傾向のある人は
    (ご存知コンスタンティン・フローロス)
    「死の予感」を
    マーラーのスコアへのメモから読み取っている。

    だけど、曲そのものを聴く限り
    マーラーらしい
    尖った皮肉やシニカルさが山盛りで
    迫り来る死に怯えてるとか
    人生に別れを告げている、とか感じないんだけど
    それってワタシの感受性のなさなのか。
    (そうですきっとごめんなさい)

    最終楽章に
    キッチュなアダージョを使うのは
    他の交響曲でもあるので
    観客ウケ狙いの戦略とも思えるけれど

    その前の3楽章が
    元気で
    はちゃめちゃのエネルギー放出だったので
    その分
    フラット山盛りの変ニ長調の
    厚みのある和声の美しさにジーンとする。

    何だかヘンな陶酔感というか
    色気というか
    えらく艶っぽく聴こえて来るのは
    私の妄想が暴走しているからか・・・(ごめんなさい)

    もちろん、マーラーはこの曲を書いている時に
    死を意識して、その予感に怯えたかもしれないし
    (それ言うなら、マーラーの交響曲って
     全部がそうじゃないの?・・・8番は例外として)
    どういう意図と意味を込めて作曲したかは
    聴衆にはわからない。

    よく、最後の ersterbend (死にいくように)が
    引用されるけれど
    スコアには(少なくとも私の持ってるスコアには)
    ersterbend は
    最後の1音にだけ書いてあって
    他の場所には見つけられない。
    (要は、最後の音は
     消えいるように伸ばしてね、って事じゃないの?)

    どえらい大物たちが
    死の予感だの、生からの訣別だのを
    声高々に主張しているので
    聴衆としては
    そう言う意味合いで聴くのが
    正しい聴き方、と洗脳されちゃうけれど

    まぁ、多様性の世界が許容される
    今日この頃なのはありがたい、と
    ひたすら開き直るワタシに
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。

    人気ブログランキング
    人気ブログランキング

    個人的な好みではあるけれど
    この間のウィーン・フィルと
    フランツ・ヴェルザー=メストの
    摩訶不思議なコンサートより
    ストンと納得できる演奏だったと思う。
    良し悪しについてはノーコメント。

    ウィーン放送交響楽団 + マリン・オールソップ

    0
      2024年1月29日 19時30分〜21時40分

      Wiener Konzerthaus - Großer Saal
      ORF Radio-Symphonieorchester Wien
      ソプラノ Louise Alder
      指揮 Marin Alsop

      Claude Debussy (1862-1918)
       Prélude à l’après-midi d’un faune (1892-94=

      Maurice Ravel (1875-1937)
       Shéhérazade (1903)
        Asie
        La flûte enchantée
        L’indifferént

      Gustav Mahler (1860-1911)
       Symphonie Nr. 4 G-Dur für großes Orchester und
       Sopran-Solo (1892, 1899-1901)

      ラジオ放送予定2月18日午前11時3分 国営ラジオ1番

      結論 フランス音楽の夕べ(マーラー含む)

      プログラムを事前にチェックした時に
      ああ、シェヘラザードか、と簡単に思っていたら
      ぎゃ、ラヴェルのシェヘラザードだった💦
      (曲を全く知らないわけではないが・・・ ⇦ 言い訳)

      牧神の午後への前奏曲は
      新しいフルートのプレイヤーが入団すると
      どこのオーケストラでもこれを演奏するので
      もういったい、何回聴いたやら・・・

      しかも、昨今のプレイヤーは
      みんな、例外なく巧いんですよ。
      でなきゃオーディション受からんだろ。
      だから、フルートが巧くても
      もう特に感動はしない擦れた客と化しているが

      でもこの曲、注意深く聴いてみれば
      フルートのソロより
      ホルンの方が難しくない?
      (エコー?だよねあれ。
       で、その柔らかなピアニッシモの音色って
       あんな音がホルンで出るんかいっ!
       って言う程に素晴らしくて
       ちょっと呆気に取られてた)

      さて、実は本日のコンサート
      エジプト出身のソプラノ
      ファトマ・サイードのチクルスでもあったのだが
      ご本人は病気のためキャンセル。
      ジャンプ・インしたのが
      英国出身のルイーズ・オルダー、37歳。

      どこかで聞いた名前だ、と調べたら
      2021年と22年に
      国立オペラ座の「バラの騎士」のソフィー役で聴いている。
      (特別、熱狂した記憶はない。
       キュートで可愛い印象はある)

      ラヴェルのシェヘラザード。
      あっと驚くオーケストラの繊細さ・・・

      まるでスーラの点描画のように
      パステル色の色彩の細かい点が
      ホール中をヒラヒラと
      蝶のように飛び交って
      あちこちにオーロラのような色彩を醸し出す。

      そこに入ってくる
      リリカルなソプラノの美声が
      音量的には、ちょっと異質なほどに大きくて
      オーケストラの音量が
      音楽に必要な極限まで絞られているので
      最初は声ばかり目立って驚いた。

      が、さすがオペラ歌手と言うべきか
      オーケストラの音楽をしっかり聴いて
      ちゃんと自分の声の印象を変えて来る。

      フランス語なので
      私はディクションについてはさっぱりだが
      エゾチックなアジアの曲における
      ラヴェルの表現力とオーケストレーションに圧倒され

      フルートの描く
      ほとんどエロチックな力に溢れた生命讃歌と
      日本の「間」の文化のような静けさに魅了され
      つれない人の感情表現と語りに夢中になる。

      でもやっぱりアジアだよ、アジア ♡
      アジアの各地の情景までが
      音楽になって
      徹底的に透明感のある
      スッキリした響きで耳に入ってくる喜び。

      巧いオーケストラが
      コンツェルトハウスの音響を徹底的に活かして
      ここまで透明感に満ちた演奏が出来るって
      観客にはウハウハ嬉しい。

      後半、マーラーの交響曲4番。
      舞台見えない(というか少しだけ見える)席なので
      自宅からスコア持ち込み。

      (本当は指揮者用の一番新しいスコアもあるけど
       さすがに指揮者用の大型スコアを持って行くのは
       いくら周囲を気にしていない私でも恥ずかしい 😣)

      スコア見てたせい・・・とは思わないんだけど
      何ですか、何なんですか、この解像度の高さ 😳

      4番はマーラー自身が
      今までの路線から離れて
      フォルティッシモも使わず(まぁ、ffくらいはある)
      トロンボーンも使わず
      比較的小編成のオーケストラで書いた曲なんだけど

      オールソップは
      本当にフォルティッシモを注意深く避け

      しかもスコア見てるとよくわかるのだが
      マーラーが書いた
      各パートによって違う強弱記号を
      見事なまでに再現しているので

      この曲の多重構造が
      見事に浮かび上がってくる。
      主要メロディが潰れる事なく
      加えて他のラインも出てくるので

      時々、圧倒的なポリフォニーになって
      スコアの視覚的刺激と
      耳から入ってくる聴覚刺激の混在が
      不思議に一致して
      (ダイナミック記号、テンポ書き込み含む)
      クラクラするほどの陶酔感。

      スッキリした透明感に満ち溢れて
      大編成オーケストラなのに
      まるで室内音楽でも聴いているような気分。

      でも、ちまちまとまとまった感じはしない。
      第2楽章のテンポ設定などは
      かなり遅くて
      音楽が途切れるか・・・と心配したけれど
      メロディの動きは滑らかなラインで届く。

      曲想が変わる部分には
      ほんの少しの「間」を置いて
      (フェルマータの指定がある場合もあるし)
      不自然にならない直前のところでの処理の見事さ。

      オールソップの徹底的なスコアの読み方に
      聴いていて、唸るばかり・・・

      この間の観客を入れたショスタコーヴィッチでは
      全く指示を出さず
      オーケストラに任せての放任タイプかと思ったら
      全然違うじゃないの。
      頭の中にスコアの指示が全て入っていて
      それを忠実に再現できる
      完璧な能力を持った人だった・・・💦
      (きっと指揮者って
       みんなそう言う能力がある人だとは思うけれど
       あそこまで徹底してスコアが音になると
       あまりの快感に酔いしれるばかり)

      前半にフランス音楽の透明感を満喫したら
      後半のマーラーも
      ほとんどフランス風味に聴こえる・・・(主観)

      もちろん、こちらの気分によるものなので
      本当に私が会場で陶酔していたような音楽だったのかは
      それぞれの鑑賞者によっても違うだろうし
      会場でのナマの音響と
      録音が違う事は承知しているけれど

      2月にラジオでの放送があるから
      それは絶対に聴きたい、と
      堅く決心している私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。

      人気ブログランキング
      人気ブログランキング

      ウィーン放送交響楽団 + マリン・オールソップ(公開リハーサル)

      0
        2024年1月22日 19時〜20時

        ORF Radio Kulturhaus

        RSO - Radio Symphonieorchester Wien
        指揮 Marin Alsop

        Öffentliche Probe
        Dmitrij Schostakowitsch: Symphonie Nr. 5 d-Moll op. 47 (1937)

        ウィーン放送交響楽団友の会という組織があって
        これは、2010年に就任した
        コルネリウス・マイスターが始めたもので

        その前のベルトラン・ド・ビリーの時代に
        ウィーンには数多いオーケストラがあるし
        オーストリア国営放送の資金難もあるし
        オーケストラ運営を止めちゃおう、という
        存在の危機があった事を踏まえたファンクラブである。

        その「経営難」のオーストリア国営放送は
        とうとう今年から
        1世帯につき
        1ヶ月に3000円ほどの視聴料を
        強制的に取るようになった。
        テレビもラジオもないワタクシからも、である💢

        実はその前に
        オーストリア国営放送集金人に騙されて
        払う必要のない料金を
        10年以上も払わされたという黒歴史があり
        (今考えても腑が煮え繰り返る)

        何が何でも自宅にテレビもラジオも入れず
        受信料も払わないという選択をして来たので
        受信料払わない分
        ウィーン放送交響楽団友の会で支援しよう
        ・・・と長期間にわたって会員だったのだが

        強制的に受信料を取られる(しかもテレビもラジオもない)状態で
        更にオーケストラに会費を払うのか・・・と
        ちょっと考慮中ではあるのだが。

        でも、この会、非常にクレバーで
        会費を払うための払い込み用紙と共に
        会員証が同封されて送られて来てしまうのだ。

        友の会の催物の一つに
        オーケストラのリハーサルにご招待というのがあって
        これも、先代のコルネリウス・マイスターが始めたもの。

        マリン・オールソップも継続してくれていて
        有難い催物ではあるけれど
        ほとんど日時が合わず(夜のカレンダー詰まっている)

        今回も、これ知らなかったら
        ムーティとシカゴ響のコンサートに
        行っていたかもしれない。

        (ちなみに、シカゴ響は思いの外売れていなかった模様。
         私は見逃していた事もあるけれど
         今の経済状況で、一番安い席34ユーロは無理💦
         それでもティーレマンとウィーン・フィルの時の
         36ユーロよりは安いけど・・・どういう値付け?)

        ラジオ・クルトゥーアハウスは満杯の客。
        年配が多いのは、まぁ、クラシックあるある。
        現代音楽の時には聴衆も少ないのだが
        ショスタコーヴィッチの交響曲5番は
        誰でも知っている名曲だしね。

        担当者のご挨拶の後
        オールソップがマイクを持って
        次のコンサートは
        バーンスタインとショスタコーヴィッチで
        ニューヨーク・フィルは
        ソビエト公演の時に
        この曲をバーンスタインの指揮で演奏し

        思想が違っていても
        音楽を愛する心に変わりはない、と主張した
        というような事を
        一生懸命、ドイツ語で説明してくれた。

        研究所図書館からポケット・スコアを借り出して
        (自分で買う気はない(笑))
        膝に乗せてスコアを追っていたけれど

        途中、一度も止まる事なく
        第一楽章の後に
        少しいくつかの指摘をオーケストラにしていただけで
        結局、全部通して演奏しちゃった・・・

        ゲネプロと変わりないじゃん。
        マイスター時代には
        楽章を一つだけ取り上げて
        結構、あちこちに手を入れていたのだが。
        (で、熱心な観客としては
         手を入れて、ほ〜、そうやるか、と
         音楽が変わるのを聴きたいのである)

        ド・シロートだから好き勝手な事を言っちゃうが
        スコア記載のスラーが
        すべて無視されていて
        というよりは
        全部がスラーで続いているような感覚。
        それだけに、キレの鋭さは失われている。

        その分、強弱の付け方や
        ピチカートなどの鋭さで補っているので
        弦の際限なく続くスラーの上に
        メロディが鋭く乗っている印象があり
        柔らかい部分と
        硬い部分が
        絶妙に入り混じった面白い演奏になっていた感じ。

        スケルツォのテンポが
        私の知っている演奏と比べて
        ものすごく遅く
        その分
        ドン・ドンと低音で響くリズムが
        ともかく重くて
        あらら、こういう解釈あったんだ、と
        ちょっと新鮮。

        あれだけテンポを落とされると
        スコアを追って行くのも楽。
        (って、そういう問題じゃないが)

        意外や意外に、この重いテンポだと
        ショスタコーヴィッチの怒り?が伝わってくるような印象。

        泣き節第3楽章は・・・美しい・・・
        このオーケストラ、本当に巧いなぁ。
        泣き節とは言え
        オールソップの指揮は
        それ程までしつこくなっていなくて
        すごく素直に響いてくるのも嬉しい。

        ホールが小さいせいもあるけれど
        満杯の観客は
        さすがに「友の会」会員なので
        ともかく、むちゃくちゃ静か。
        普通のコンサート・ホールなら
        こんなに静かな聴衆はあり得ないだろう。
        有難い🙏

        最終楽章も遅めのテンポで始めたので
        ええええっ?と思って
        いったい、どこからテンポを上げるんだろう、と
        スコア見ながら考えていたのだが

        まぁ、何て自然に
        音楽に寄り添って
        うま〜くテンポをアップさせた。
        (もうこれが、目が点になるくらい巧妙。
         しかも、その微妙な変化に
         一瞬たりとも遅れず
         アンサンブルを合わせて来たオーケストラも凄い)

        小ホールで静かな観客で
        技術的にはベストのランクのオーケストラで
        トゥッティのユニソノ聴いたら
        失神する程の恍惚感に捕われてしまう(どうせヘ⚪︎タイです)

        演奏終わったら
        ぴったり20時って・・・(リハーサル終了時間)
        まさか終了時間に合わせたのではないだろうが
        このリハーサル、本当に数秒違わず始まって終わる。

        その後、ロビーで
        無料のスパークリング・ワインが振る舞われて
        いつも1人の私は、さっさと帰って来ちゃうのだが
        今回は知り合いを誘ったので
        どんどんスパークリング・ワインを飲んで
        (何故か注ぎに来てくれる・・・何て親切❤️
         隣に美人が居ると🉐)
        3杯飲んだら
        ちょっとフラフラになって帰宅した私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。

        人気ブログランキング
        人気ブログランキング

        このプログラムの本コンサートは
        楽友協会で行われるのだが
        私は、すっかりコンツェルトハウスだと思い込んでいて
        (コンツェルトハウスのチクルスは買ってる)
        あ、コンツェルトハウスのチケット持ってるから良いわ
        ・・・と安心していたら違った、という
        悲惨な状況にはなったのだが
        その意味では、今日、しっかり聴かせて貰ったので助かった。

        ショスタコーヴィッチじゃなくて
        バーンスタインの交響曲2番のリハーサルだったら
        良かったのに・・・とは一瞬思ったけど(笑)





        ウィーン放送交響楽団 + マリン・オルソップ

        0
          2023年10月4日 19時30分〜21時40分

          Wiener Konzerthaus - Großer Saal
          ORF Radio-Symphonieorchester Wien
          マルチ・パーカッション Vivi Vassileva
          指揮 Marin Alsop

          Randall Smith (*1991)
           Blue Bongo Fever Dream (2023) UA

          Friedrich Cerha (1926-2023)
           Konzert für Schlagzeug und Orchester (2007-08)

          アンコール Gregor A. Mayrhofer: Plastic Bottle Cadenza

          Igor Strawinski (1882-1971)
           Le sacre du printemps.
           Bilder aus dem heidnischen Russland (1911-13)

          今シーズンに購入した
          コンツェルトハウスのウィーン放送交響楽団のチクルス。
          1回目は満席で
          舞台の後ろのオルガン・バルコンまで満席。

          ・・・何だこれ?

          と思ったら
          このコンサート
          パーカッシブ・プラネットと
          グレイト・タレントのチクルスも兼ねていた。

          最後のチクルスはともかくとして
          パーカッシブ・プラネットは
          この間引退した天才パーカッショニストの
          マルティン・グルービンガーの人気で
          持っていたようなものだと思ったのだが
          意外と、そのままチクルスをキープした人が多かったようだ。

          その意味では
          マルティン・グルービンガーの業績は大きい。
          (私はデビューの時から追いかけていたけれど
           自分にも厳しいけど、他人にも容赦がないのを
           一度、舞台で見てから、ちょっと・・・)

          ランダル・スミスの曲は
          コンクールでの優勝作品の初演。
          ジャズとの融合を目指した
          オーケストラ作品。

          まるで、玉手箱のように
          様々なジャズの要素が詰まっていて
          何が出てくるかワクワクする気分。
          (もちろん、ジャズの要素もあるけれど
           基本的にはバリバリの現代音楽ではある)

          チェルハのパーカッションのための協奏曲は
          マルティン・グルービンガーのために作曲されて
          ご本人が初演した曲だが

          エネルギーの爆発と
          爆発の間に挟まる静寂の音楽の対比が
          ものすごく印象的。

          初演時のグルービンガーとの録音もある。
          30分ちょっとの曲で
          パーカッションが中心になるにもかかわらず
          ぶんちゃっちゃの単純なリズムを越えて
          複雑な絡み合いが・・・難しい 😓

          プログラム記載の内容によれば
          複雑な数字を分解してどうのこうの、と言う
          作曲のプロセスがあったようだが
          作曲技法に通じていないので
          言われても、ま〜ったくわかりません。

          それに数字を分解して音楽に落とし込んだとしても
          それが聴衆に聴こえる、と言うものではないし。

          って言うか、これ、そういう数学的技術が
          本当に聴覚で認知できる人がいるんだろうか?

          クセナキスなんかも数学と音楽の絡み合いをやってるけど
          数学理論で作られた「建築物」は
          見た目で、何となく、ふ〜ん、そうなのか、凄いな
          と思えるような気がするんだけど

          音楽の中に数学理論を見つけろ、と言われたら
          少なくとも、私は聴覚では無理。
          楽譜を手に取ってひたすら分析すれば
          納得できるのかもしれないが
          それに何の意味が???

          ・・・と思ってしまってはイケナイんだろうなぁ。

          理解できずとも
          自分の美学の中で楽しめれば良いのだろうが
          いや、そりゃ、聴いていて面白いのは確かだけど

          舞台上の真紅の、肩出しのボディコン・ドレスを着た
          スタイルの良いパーカッショニストの動きが見えたら
          きっと、もっと面白いのではないかと思うが
          (貧民席なので舞台の一部しか見えず
           舞台の前の方のパーカッショニストは
           一部しか見えなかった)

          それ言うと、ルッキズムだとか
          女性蔑視だとか
          色々と反発が出そうだけど

          同時に、CDのカバーや
          舞台登場時の服装や
          優秀な技術を持った若手が
          少ない地位を競い合う中で
          どうしても見た目(特に聴衆ウケが必要な場合)は
          これまでに増して重要になって来ていそう
          と言う
          矛盾した傾向にある事を考えると

          ポリティカル・コレクトネスとか
          ルッキズムとかの中に
          割りに偽善的な匂いを感じるのは
          私の根性が悪いからなんだろうな、きっと。

          まぁ、音楽とは関係ないし
          キュートなパーカッショニストのアンコールは
          ミネラル・ウォーターのボトル2本での曲で
          これは見た目も面白くて
          リズム的な構築も面白いし
          演奏している方は大変だ、とは思うんだけど
          満面の笑顔で
          演奏できるのが楽しくてたまらない、と言う
          ハッピー気分を撒き散らしてくれたので
          観客も大喜び。

          後半はストラヴィンスキーの春の祭典で
          これはもう、古典だよね。

          今、聴いても新鮮な印象はあるし
          こう言うトナールとアトナールの混じった曲って
          (あるいは協和音と不協和音の混じった曲って)
          トナールの部分に戻ると
          何となく、ホッとするんですよ。

          12音技法やセリエも
          音のシークエンスを
          覚えられる人なら良いんだろうけど

          ほら、ある規則によって子音と母音で
          自分の知っている言語で
          意味のある単語を覚えたり
          文脈の中で認識したりするのに比べて

          アルファベット26文字を
          母音・子音に関係なく
          ある規則によって並べて
          知悉している言語に連想できない
          言語話者にとって意味のない文字の連なりを
          覚えなさい、と言われても・・・
          (もともと記憶力ないし・・・)

          いや、話がズレた 🙇

          前半の曲が2曲とも
          ものすごいエネルギーを内包していただけに
          クラシックなストラヴィンスキーのエネルギーは
          まだ「音楽的」というか「古典的」というか

          身も蓋もなく悶えるようなワイルドさは
          たぶん、初演当時の社会では感じられたのだろうが
          すでに社会的習慣が変わった現代では
          やっぱりクラシックだなぁ、という印象がある。
          (お行儀が良いって言ったら失礼だけど
           オーケストラにも指揮者にも
           やっぱりクラシックの背景を色濃く感じるのだ。
           まぁ、主観ですけど)

          最近、よほどヒマなのか(ごめんなさい引退老人です😓)
          余計な妄想や余計な考えにすっ飛んでしまう事が多くて

          まさかボケの前兆じゃないだろうな・・・
          と、戦々恐々としている私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。

          人気ブログランキング
          人気ブログランキング

          前兆・・・どころか
          もう完璧にボケてるだろう、という説もあるだろうが
          それは勝手に無視させて頂きます。


          ベチャワ・リサイタル(ウィーン放送交響楽団 + ボエーミ)

          0
            2023年9月10日 19時30分〜21時45分

            Wiener Konzerthaus - Großer Saal

            Great Voices
            テノール Piotr Beczala
            指揮 Marco Boemi
            オーケストラ ORF Radio-Symphonieorchester Wien

            Giuseppe Verdi (1813-1901)
             Sinfonia zu „Nabucco“ (1841)
             Oh! Fede negar potessi … Quando le sere al placido
              Rezitativ und Arie des Rodolfo aus „Luisa Miller“ (1849)
             Se quel guerrier io fossi … Celeste Aida
              Rezitativ und Arie des Radamès aus „Aida“ (1871)
             Sinfonia zu „La forza del destino“ (1862)
             La vita è inferno all’infelice - O tu che in seno agli angeli
              Szene und Arie des Alvaro aus „La forza del destino“

            Stanisłav Monuiszko (1819-1872)
             Cisza dokoła, noc jasna, czyste niebo
              Szene und Arie des Stefan aus „Straszny Dwór“ (1864)

            *** Pause

            Giacomo Puccini (1858-1924)
             Recondita armonia
              Arie des Cavaradossi aus „Tosca“ (1900)
             Intermezzo sinfonico aus „Manon Lescaut“ (1893)

            Umberto Giordano (1867-1948)
             Come un bel dì di maggio
              Arie des Chénier aus „Andrea Chénier“ (1896)

            Pietro Mascagni (1863-1945)
             Mamma, quel vino è generoso
              Szene des Turiddu aus „Cavalleria rusticana“ (1890)
             Intermezzo aus „L’amico Fritz“ (1891)

            Giacomo Pucchini
             Nessun dorma
              Arie des Calaf aus „Turandot“ (1924)

            アンコール
            Georges Bizet:
            La fleur que tu m'avais jetée »Hier an dem Herzen treu geborgen«
            (Blumenarie des Don José aus »Carmen«)
            Giacomo Puccini:
            E lucevan le stelle »Und es blitzen die Sterne«
            (Arie des Cavaradossi aus »Tosca«)

            昨年11月24日に予定されていて
            キャンセルになった公演が、やっと実現 ❤️

            ところで、以前、ベチャワって
            Beczała って
            ポーランドの特殊文字で書いてなかったっけ?
            ご本人のサイトにも
            何故かウィーン国立オペラ座のサイトにも
            ł じゃなくて l になってるんだけど・・・

            まさか名前の発音も
            ベチャワから、べチャラとかに変わってないだろうな 😯

            それはともかくとして
            今回のプログラム
            正に名曲アワーで
            オペラが苦手な私でさえ
            知っている曲がズラズラ並ぶ。

            それだけ
            歌手にとってもスタンダードなアリアで
            マジメなベチャワが
            自信を持って歌えるレパートリーで
            プログラムを組んでいるのがわかる。

            オーケストラはウィーン放送交響楽団というのも
            かなり珍しい。
            でも、最近はウィーン劇場などで
            オペラも演奏しているし
            もともと、巧いオーケストラなので
            オペラの序曲も
            バッチリ聴かせてくれる ♡

            トロンボーンのアンサンブルの美しさ
            木管のソロ(オーボエやらフルートやらクラリネットとか)も
            ものすごく美しくて、惚れ惚れしながら聴いちゃう。

            指揮者のマルコ・ボエーミは初聴きだが
            (ウィーン国立オペラ座では振った事はない)
            如何にも「職人」的な指揮者で
            歌手をよく見てタイミングを測っていて
            しっかりと声に合わせて来る。

            コンツェルトハウスでのオーケストラの音って
            こんなに大きかったっけ?
            この間も感じたけれど
            グラーフェネックの野外音楽堂に
            耳慣れしちゃったのかワタシ?
            (そのうち、コオロギが鳴いていないとイヤ
             とか言い出したらどうしよう?)
            まさかコンツェルトハウスで
            マイクを使っているとは思えないんだけど
            あのホール、もっと音響はデッドだったはずなのだが・・・

            ルイーザ・ミラーのロドルフォから
            張りのある高音が伸びて来るベチャワだが
            なんだか、ずいぶん、力が入っているような気がする。

            ラダメスのアリアは有名なので
            私も中学生の時から知ってるけど
            これは、弱音も充分に取り混ぜて
            高音のピアニッシモも絶妙に美しい。

            ベチャワの魅力って
            歌っている時には
            役に入り込んで
            難しい表情や悲しい表情を見せて
            歌っている時にも
            乱れないイケメンのマスクが

            歌い終わったとたんに
            歯医者さんか歯磨き粉の広告にあるような
            美しい白い歯並びを見せて
            輝くような笑顔を撒き散らし
            客席に目線を飛ばし
            流し目で色気を振り撒くという・・・

            ご本人のオフィシャル・サイト
            ホームに掲載されている写真でさえ
            美しい流し目が・・・

            オーケストラ曲と交互に演奏されて
            ベチャワの出入りも1曲ごとだけど
            指揮者も1曲ごとに
            ドヤ顔でお辞儀して
            オーケストラを立たせて
            下手(しもて)に入って
            また出てくる、という繰り返しが
            ちょっとウザい印象はある。

            けど、時間的にはそれでバランス取れていたし
            出たり入ったりの繰り返しは
            観客の手は痛くなるけれど(拍手が・・・)
            ダラダラ続く感じは避けられたので
            一つのやり方ではあるな、とは思った。

            前半最後のポーランドの作曲家
            スタニスワフ・モニューシュコのアリアが素晴らしかった。
            ポーランド語で
            シュトローフェン・リートのように
            ピアノとシロフォン?で繰り返し演奏される
            短い間奏曲を挟んで
            切々と語りかけるバラードのようなナラティブ。

            声に無駄な力も入っていなくて
            楽しんで歌っている様子がわかる。
            オーケストレーションも面白いし
            こういう隠れたローカルな名曲を聴けるのは嬉しい。

            後半も名曲揃い。
            カヴァレリア・ルスティカーナのアリアの
            あの「情けなさ」って
            ベチャワにしか出せない雰囲気があるなぁ。
            (何のこっちゃ?)

            こんな超弩級のテノールのアリアばかりって
            歌い慣れているとは言え
            歌手にも大変な負担がかかっていると思うんだけど
            前半の最初の
            目一杯、力の入った歌唱から
            無駄な力が抜けて来た印象はある。

            それに、やっぱり歌っている時の
            役に入った苦悩の表情から
            歌い終わっての、輝くような笑顔のギャップに
            観客としては、ひたすら悶えてしまう。

            観客へのサービス精神かもしれないし
            その意味では
            自分のギャップ萌えの効果を自覚した
            あざとい感じとかも言えるかもしれないけど
            いやもう、あの笑顔見ちゃったら
            そんなこと、どうでも良いです(おいおいおい)

            最後にトゥーランドットのアリアとは・・・
            これは観客もノリノリだわ。

            でもでもでも
            流石にあのアリア
            最後のハイC で
            ほんの少しの疲れが・・・
            (音程から声のクオリティまで
             完璧なんだけど
             声がオーケストラにちょっと沈んだ)

            アンコールの1曲目は
            バラの花を持って登場・・・

            ならアレだな、アレ、と思っていたら
            案の定、アレだった(笑)

            カルメンのホセは
            ガランチャと国立オペラ座で
            あの、情けな〜い情けな〜いホセを聴いたので
            (褒めてます)
            その思い出がよみがえって楽しい。
            しかしまぁ、本当に魅力的な情けないホセ(笑)

            2曲目は何を歌うのか
            ちょっと指揮者+オーケストラと
            話していたので
            予定が変わった可能性も・・・
            (私の邪推では
             たぶん、3曲アンコールを用意していて
             最後のトゥーランドットで力を使い果たしたので
             2曲にしよう、と話していたのではないかと・・・)

            トスカのカヴァラドッシの最後の
            切々たるアリア
            心に染みるわ。
            プッチーニ、本当にメロディ・メーカー ♡

            最後の最後まで
            観客サービスで
            輝く笑顔と流し目で
            客席の年配婦人たちを(私を含む)
            ノックアウトした後に

            コンツェルトハウスのロビーで
            サイン会までしたらしい。
            (告知されていた紙に
             ベチャワとボエーミのサイン会、と書いてあって
             あの、ドヤ顔の指揮者まで
             サイン会に出てくるの?(笑))

            サイン用のCDを買っている人も居たけれど
            有名人のサインに興味がないので
            さっさと幸せ気分でコンサート・ホールを後にした私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。

            人気ブログランキング
            人気ブログランキング

            ウィーン放送交響楽団 + ゴットフリート・ラーブル

            0
              2023年8月18日 19時30分〜21時50分

              ORF RadioKulturhaus
              Großer Sendesaal

              ORF Radio-Symphonieorchester Wien
              チェロ Anna Livineko
              バリトン Matija Meic
              指揮 Gottfried Rabl

              „Julius Bürger: Vertrieben und wiederentdeckt“

              Julius Bürger (1897-1995)

               Adagio für Streichorchester (1978)
               Konzert für Violoncello und Orchester (1932)

               Legende (1919)
               Stille der Nacht (1923)
                Orchesterlieder für Bariton und symphonisches Orchester

               Eastern Symphony (1931)

              もちろん最初はグラーフェネックのコンサートに行く予定で
              他のコンサートと一緒に申し込んだのだが
              一番避けたい席しかオファーが来なかったので
              (音響最悪な席)
              オファーは受けず
              天気が良かったら
              安い席を買って行けば良い、と思っていたら

              ウィーン放送交響楽団友の会から
              このコンサートへの無料ご招待が来たので
              即、こちらに決定。

              現代音楽が聴ける🎵 と思って行ったら
              半分当たり、半分はずれ(笑)

              音楽のみならず
              映像やダンス、演劇なども扱う
              ウィーン音楽大学だが
              (正式名称はウィーン音楽・表現芸術大学)
              この大学に置かれている
              亡命音楽家研究所 Exilarte の主催で
              ユリウス・ビュルガーが取り上げられた。

              ウィーン2区に生まれ
              ウィーン大学で哲学を専攻している時に
              グイード・アドラー (1855-1941) と
              エゴン・ヴェレス (1885-1974) の薫陶を受け
              音楽アカデミー(ウィーン音大の前身)で
              フランツ・シュレーカー (1878-1934) のもとで作曲を専攻。

              名歌手レオ・スレザック (1873-1946) の伴奏者として生計を立て
              のち、ベルリンやカールスルーエで研鑽を積んでいる時に
              ブルーノ・ヴァルターの目に止まり
              指揮の勉強を開始。

              1927年にはオットー・クレンペラーのアシスタントを経て
              指揮者、アレンジャー、作曲家として
              ベルリンの Funkstunde (ドイツ最初の放送局)で活躍するが
              1933年にナチスのユダヤ人政策のために馘首される。

              作曲家、アレンジャーのキャリアと
              卓越した英語力で
              ロンドンのBBCに
              プログラム編成及び作曲家としての職を得るが
              契約ベースだったため
              英国国籍を取れず
              ロンドン・ブリュッセル・ウィーン・パリを
              行き交う生活となった。

              1938年、ウィーンに戻る予定の道すがら
              フランスにて
              オーストリアの首相がヒットラーに会う、と言う
              新聞記事を読み
              旅行を中断してフランスのリヴィエラに向かい
              同年3月12日に
              ドイツのオーストリア併合のニュースを聞いてパリに戻った。

              その後、英国での職を失い
              アメリカ合衆国に亡命を申し込み
              1939年3月25日に
              英国から船でアメリカ合衆国に旅立って6日後に到着。

              アメリカで家族を救うために奔走して
              兄弟姉妹のうち3人は救う事が出来たものの
              兄弟4名と母親はホロコーストの犠牲になった。
              (もう1名いた兄弟の行方は現在でも不明)

              1944年にアメリカ国籍を取得。
              ブロードウェイで指揮者として活躍。
              1949年からはメトロポリタン歌劇場にて
              指揮のアシスタント、ガラ・パーティでの指揮や伴奏
              プロンプター・ボックス
              歌手の養成に至る業務をこなしつつ
              作曲も続けて
              メトで初演されたバレエ曲や
              ラジオ放送のための曲などを発表。
              ディミトリ・ミトロプーロスのメトでのデビューは
              ビュルガーの作曲したバレエ曲、ヴィットーリオだった。

              1969年にメトロポリタン歌劇場を去った後
              ビュルガーは作曲に打ち込み
              1984年、87歳の時に
              カール・フィリップ・エマニュエル・バッハのテーマによる変奏曲(1945)が
              インディアナ州大学現代音楽フェスティバルにて第一位の賞に選ばれ
              1984年に初演された。

              1994年にベルリンを訪問。
              (1933年に去ってから初めての訪問)
              シモーネ・ヤングの指揮のもとに
              ベルリン放送交響楽団が
              ビュルガーのオーケストラ曲を演奏。

              プログラムに詳細に記載されているだけでも
              華々しい履歴なのだが
              多くの楽譜や手稿は
              妻のロゼ・ビュルガーの遺産管理のために
              弁護士のローランド・ポールが自宅を訪問し
              ビュルガーの話を聞いて感銘を受け
              ビュルガーの音楽を再発見しようと尽力しなければ
              どこかの屑籠に捨てられてしまっていたかもしれない。

              ウィーン生まれのユリウス・ビュルガーの音楽が
              やっとウィーンに戻って来た、と考えると
              感慨深いものがある。

              最初のアダージョ以外はオーストリア初演。
              8月25日(金曜日)19時30分から
              オーストリア・ラジオ放送1番にて
              このコンサートが放送されるので
              どんな音楽なんだろう、と思う方は
              ぜひお聴き下さい。

              で・・・
              どんな音楽か、というと・・・

              和声的には、時々モダンだが調性は保たれていて
              それ以外は超コンサバ(良い意味でも悪い意味でも)

              ラジオなどのために作曲していた人なので
              メロディ・ラインは美しく
              かなり聴きやすい。

              フランツ・シュミットを
              もうちょっとだけモダンにしてみました・・・
              主観的にはそういう印象。

              ホールは満杯。
              20世紀の音楽で比較的伝統的ではあるから
              現代音楽が好きではない人も
              楽しく聴けそうな音楽だけど
              正直、私の好みからすると
              ちょっと伝統的過ぎる、と言うより
              新しい作曲方法として
              びっくりする、と言うものではない。

              久し振りの大編成オーケストラで
              しかもラジオ・クルトゥーア・ハウスのホールは
              比較的小さいので
              音量が、かなり凄い。
              (グラーフェネックの野外の薄い音に
               耳が慣れてしまっている😅)

              バリトンの歌手、素晴らしい美声なんだけど
              声量がすごくて・・・(以下省略)

              チェロ協奏曲の第2楽章は
              強制収容所にて亡くなった
              お母さまに捧げた曲なのだそうだ。
              切ないメロディが美しいし、やりきれない。

              ヘンにセンチメンタルにはならないし
              耳に心地よいメロディ・ラインでありながら
              時々、ハッとするような和声が聴こえるのが面白い。

              まだ発掘されたばかりの作曲家なので
              (発掘って言い方も失礼だが)
              音源もない。
              (唯一、ルツェルン交響楽団、アクセルロッドの指揮で
               シュレーカーとその学生たちと言うタイトルのアルバムに
               バリトンのリート2曲が入っている。
               なお、このアルバムでは
               シュレーカー、ビュルガーとクルシェネクが聴ける)



              私の場合
              単純接触効果が大きいから
              (ついでに飽きるのも早い😅)
              これからどう取り上げられていくかで
              私の好みも変わって行くんだろうな、きっと。

              ナチスの犠牲になって
              亡命して
              忘れ去られそうになっていた作曲家や
              その作品を現代に取り戻そうと努力している
              この研究所の活躍には感謝しかない。

              でも、だったら私の好きなエルンスト・クルシェネクとか
              フランツ・シュレーカーも
              ナマのライブで聴いた事がないし

              もう少し、この時代の音楽家を頻繁に取り上げて
              ナマでのオーケストラ演奏を聴いてみたい・・・と
              切に願う私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。

              人気ブログランキング
              人気ブログランキング

              ウィーン放送交響楽団 + トーマス・アデス

              0
                2023年6月5日 19時30分〜21時30分

                Musikverein - Großer Saal
                ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                指揮 Thomas Adès
                ピアノ Kirill Gerstein

                Thomas Adès (*1971)
                 „Tower“ for Frank Gehry.
                 Fanfare für 14 Trompeten

                Benjamin Britten (1913-1976)
                 „Young Apollo“ für Klavier, Streichquartett
                 und Streichorchester, op. 16
                  (Streichquartett:
                   第一バイオリン Łucja Madziar
                   第二バイオリン Ririko Sonnleitner
                   ビオラ Mario Gheorghiu
                   チェロ Julia Schreyvogel)

                Thomas Adès
                 Concert für Klavier und Orchester

                *** Pause ***

                Thomas Adès
                 „The Exterminating Angel Symphony“ für Orchester
                  Entrances
                  March, Feroce, con vigore
                  Berceuse
                  Waltzes

                Leoš Janáček (1854-1928)
                 Sinfoniette für Orchester

                月曜日一コマの授業が休講になったので
                朝からずっと図書館閉じ籠り。
                論文読んだり仕事したり、調べものしたり
                逃げてる課題もあるけど(冷汗)何という贅沢な時間 ♡

                あまり贅沢だったので
                コンサートに遅刻しそうになって
                雨の中、ギリギリで会場に駆け込んだ
                ぜいぜいぜい Orz (←懐かしの絵文字😆)

                オルガンの前に
                ズラッと揃ったトランペット・プレイヤー14名。
                うち、女性は1名だけ。
                (男女平等とか言い出すつもりはないのでご心配なく)

                トーマス・アデスのファンファーレが
                楽友協会大ホールに高々と響き渡る。

                この曲だけに
                トランペット奏者14人を集めたのか(驚)
                ・・・と思っていたけど
                最後に理由がわかった(後述)

                トリオールを基本にしているけれど
                最初に聴こえてくるのが、間違いなくカノンの技法。
                月曜日の授業で、即興で歌っているカノン 🤣 (違うってば)

                その後、バスでのラインがメロディックに聴こえて
                その上の声部がメリスマになっていたり
                トリオールの復元があったり
                音の響きとしては
                少しリゲティやスペクトル派の影響も聴こえて面白い。

                舞台の上には弦楽器とピアノ。
                ゲルシュタインの楽譜は iPad で
                指揮台の前の譜面には
                伝統的な紙の楽譜が乗っている。
                (ゲルシュタインの譜めくりは
                 どうも足でやっていたようだ)

                同じイギリスの作曲家だから、って理由かもしれないけど
                ベンジャミン・ブリテンのアポロ
                何てカッコいい曲なんだ 😍

                予習(ただ Spotify で聴いただけ💦)した時には
                全く知らなかったけれど
                この曲、弦楽四重奏とピアノの掛け合いなのね。
                他の弦楽器は一部、主役で出てくるけれど
                それ以外は背景になる音響に徹している。

                私が最初に、あ、ブリテン良いかも、と思った
                イルミナシオンとか
                ピーター・グライムスの間奏曲をちょっと連想させる
                澄んだ透明感のある音で
                アポロだから?かもしれないけれど
                とても明るくてエネルギッシュ。
                輝かしいピアノの華やかな音色も素晴らしい。

                ひっくり返ったのが
                次のアデスのピアノ協奏曲。
                フルオーケストラとピアノで
                これが、作曲技法の展覧会みたいで・・・

                最初はアデス特有の
                ちょっとジャズっぽい
                トナールで耳に入りやすいのだが
                実はとんでもなく複雑な事をしてるでしょ
                という曲者(笑)

                でも途中で突然ラフマニノフっぽくなったりして
                ゴキゲンな第1楽章の後に
                今度は、何とも深い
                祈りのコラールのような第2楽章に入る。

                音楽的フィギュア(モチーフ?モットー?)を
                繰り返し使って
                ピアノ・ソロの1音1音が深くて
                ここは、まるでクルタークのような感じ。

                ピアノ・ソロに、微量のゴングが重なって
                倍音を増幅するところなんか
                背筋がゾクゾクするわ(音響オタクだから)

                オーケストラが2度のため息を演奏する中
                音楽はどんどん深く潜り込んで行く。

                ・・・と思ったら
                最終楽章が・・・

                えっ?これ、聴いた事ある・・・
                って感じの
                もうモロにわかる
                ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調のパロディ(爆笑)

                いや、もちろん違うんだけど 😅
                でもね、絶対にあれは、ラヴェルを下敷きにしてると思う。
                アデスさま、ワタクシ、シロウトですから
                変な事を言っていたら、ごめんなさい。

                しかし、何という面白い曲なんだ。
                音楽史が見えるし
                コラージュぽい使い方もあって
                この曲、分析したら
                様々なモノが見えて来そう。

                誰か分析の授業をしてくれないかなぁ。
                いや、人任せにする前に
                学生なんだから、自分でやれ、って言われそうだが。

                ゲルシュタインのアンコールは
                数日前に生誕100年を迎えて
                アデスも影響を受けたリゲティの曲を
                とアナウンスがあって
                リゲティのエチュード(何番だかは聞き逃した)

                ゲルシュタインのピアノ、素晴らしい ♡
                強いし、キレがあってシャープで
                ピアノ=打楽器という特性が存分に活かされるのに
                ソロの部分での深い深い音色の追求もあって
                際立つ技術と音楽性には圧倒される。

                前半だけで、もう嬉しくて嬉しくて仕方ないという
                多幸状態に陥っていた私だが

                後半が、まさかの、もっと凄かった状態。
                いや、もう、信じられない。

                アデスのオペラ「皆殺しの天使」
                映画は 1962年だが
                2016年にザルツブルク音楽祭で初演されたもの。
                (チッ、行けば良かった・・・
                 結構チケット売れてて入手できなかったんだよね・・・)

                この作品をもとに
                2020年に、いくつかのオーケストラからの委嘱作品として
                作られた4楽章構成のシンフォニー。

                第1楽章の入場で、パーティにお客さまが集まって来て
                トナールの聴きやすい曲ではあるんだけど
                最後にドアが閉まるところの
                さりげない不気味さが迫力。(本当にさりげないのだが)

                第2楽章の「行進曲」
                いや、これ、驚きます、マジに。
                ジョン・ウィリアムスっぽくて
                ダース・ベイダーが大量に会場を襲うかと思った。

                子守唄の第3楽章の後
                最終楽章はワルツの断片。

                ヨハン・シュトラウスのワルツ、というよりは
                リヒャルト・シュトラウスのバラの騎士っぽい。
                ワルツという「明るい」音楽を使っているくせに
                これは、かな〜りコワイ。
                お上品なワルツという陶器が
                暴力的に投げられて
                あちこちで残骸と化すイメージ。

                ううう、ほんと、この曲を聴きながら
                何故、私はザルツブルクでこのオペラを観なかったんだろう
                ・・・と後悔すること、しきり 😭

                さて、最後がヤナーチェクのシンフォニエッタ。
                何故、今日のプログラムの最後がこの曲なんだろう
                という疑問は

                オルガンの前にズラッと揃った
                金管楽器のプレイヤーを見て納得(笑)

                後でプログラムを読んだら
                アデスの最初のファンファーレは
                敬愛するヤナーチェクのシンフォニエッタに倣って
                14本のトランペットを使ったそうだ。

                このシンフォニエッタが・・・

                絶品!!!!!!

                アデスは暗譜で指揮をしているが
                最初の輝かしいファンファーレの後
                演奏の主役がオーケストラに移ってから

                オーケストラの立体感の素晴らしさ
                パートの絡みや構成が
                見事にくっきりと聴こえて来て

                その透明感は
                まるで、前半のブリテンの音楽のようだ。
                チェコの泥臭さみたいなものが全くなくて
                洗練されて美しく
                緊張感溢れて、緩んだところが全くない。

                しかもアデスの音楽作りが
                はっきりわかる。

                この人、頭の中で
                曲の全ての構造を理解して
                自分の作りたい音響を、はっきりと把握しているので
                指揮に迷いがなくて、クリアなのだ。

                音量はすごいけれど
                普段だったら
                「楽友協会大ホールでこの音の大きさはなし💢」
                と言っている私でさえ
                あれだけの音の大きさでも
                迫力にこそ聴こえ
                うるさいとは一瞬も思わなかったという奇跡。

                それだけ主張がはっきりしていて
                納得できて、説得力があって
                音楽に濁りがなく、迷いがなく
                クリアで構築がしっかりしていて

                しかも、信じられないんだけど
                感動的・・・なのである(驚愕)

                アデスって作曲家だよね?
                指揮が専門職じゃないよね?

                歴史的、技術的な作曲技法を完璧に身につけて
                その知識で指揮をすると
                こんなに凄い音楽が出来ちゃうのか

                ・・・というよりも
                リズム感や音楽性に優れていて
                耳が良くて
                楽譜と音楽が脳内で直結して
                それをオーケストラに表現させるのに
                技術的な示唆も(だって自分で作曲してるから)
                間違いなく的確に出来る人なんだろうなぁ。

                ものすごく濃密な2時間で
                こういう「体験」が出来るから
                コンサート行きが止められないのだ、と
                久方に、つくづく思った私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。

                人気ブログランキング
                人気ブログランキング

                昨日のコンサートは
                ネルソンスとランラン人気で満席だったが
                今日はかなり空き席が目立って残念。

                ワタクシ的には
                神さまが昨日の分の不満を
                ほら、これで美味しいものでもお食べ
                ・・・って
                世界でも滅多にない
                素晴らしいゴージャスで美味な料理を
                提供してもらった気分なのだが(笑)

                チケット入手が困難で
                2015年には1回しか見られなかった
                アデスのオペラ The Tempest が
                アデスの指揮で来年5月に再演されるのが
                待ち遠しいばかり・・・

                ウィーン放送交響楽団 + マリン・オルソップ

                0
                  2023年3月23日 19時30分〜21時45分

                  Musikverein - Großer Saal
                  ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                  指揮 Mrin Alsop
                  ピアノ Igor Levit

                  Tanja Elisa Glinsner (*1995)
                   „BlurRed“ für Orhester

                  Hans Werner Henze (1926-2012)
                   Tristan. Préludes für Klavier, Tonbänder und Orchester
                    I. Prolog
                    II. Lamento
                    III. Praeludium und Variationen
                    IV. Tristans Wahnsinn
                    V. Adajio, Burla I, Burla II, Ricercare I, Burla III, Ricerare II
                    VI. Epilog

                  Béla Bartók (1881-1945)
                   Konzert für Orchester

                  オーストリア国営放送の経営難のため
                  ウィーン放送交響楽団を解体すると言う案が
                  クラシック・ファン 及び 文化人の大顰蹙をかっていて
                  今日が記者会見だったのだが

                  結果として
                  オーストリアの全世帯から
                  税金として受信料(月々3000円くらい)を徴収する
                  という案が採用された。
                  テレビもラジオも持っていないんだけど
                  払わされるんかい・・・ちっ。

                  だったらテレビテークやラジオテークを
                  過去1週間だけじゃなくて
                  全データにいつでもアクセスできるようにして欲しい。

                  それはともかくとして
                  解体されるかも、と言うニュースが広まっているため
                  今日のコンサートは満杯。
                  (でもまぁ、それだけの理由じゃなくて
                   観光客が多い・・・というのもある)
                  オーケストラが登場したとたんに
                  応援・声援の大拍手。

                  最初は、この間のリハーサルの時に聴いた曲だが
                  楽友協会大ホールで聴くと
                  まず音の広がり(空間感覚)が全く違って
                  奥行きがあるし
                  音の色彩感も、小ホールである放送ホールと
                  全然違って、呆気に取られる。

                  この曲、途中で
                  ポルタメントを多用して
                  生物の鳴き声とか
                  自然界の音響を再現している
                  (と思われる)ところが長く続くのだが

                  あれ? 全部、鳴き声の模倣って下降音階?

                  いや、確かに
                  ミャ〜 って鳴く猫は → ↓ に聞こえるよね?
                  鳥の鳴き声は
                  ホーホケキョで、ケは上昇するけど基本的には下降?
                  音楽に使われているカッコウの鳴き声も
                  全部3度か4度(マーラー)だったような気がする。

                  という事は
                  自然界の人間以外の動物の鳴き声は
                  すべてラメント?
                  ・・・なんてアホな事を考えてしまった私だが

                  ウチの猫は上昇音階で鳴きます、という方がいらしたら
                  教えて下さい。(犬でも鳥でも馬でも構いませんが)

                  しかしホールの音響によって
                  ここまで曲の印象が変わるのは面白い。
                  空間感覚のなせる技なのだろうが
                  やっぱりオーケストラは
                  音響の良い大ホールで聴くと印象が違う。

                  次のヘンツェの曲が
                  ちょっと凄まじくて・・・

                  ヘンツェって、かなりの偏見があって
                  (最初に聴いたのが「午後の曳航」だったので)
                  今まで、ほとんど聴いていなかったのだが

                  ピアノのソロから始まる曲で
                  レヴィットのピアノが「深い」(としか言えない、語彙がないから)
                  どこまで潜るの・・・って冷汗が出るほど
                  世界の底まで潜って行く。
                  そこにオーケストラが入って
                  ピアノを救い出しに行く(ように聴こえる)のだが
                  その格闘のドロドロ感がたまらん・・・

                  透徹した世界、というより
                  謎に満ち溢れた世界に迷い込んで
                  不思議の国のアリスになってしまったような気分。
                  でも、なんだか、ともかく深いのだ。
                  瞑想というのともまた違って
                  ヘンツェの各楽章の名前が示す通り
                  バロック時代に倣ったものだろうという想像はつくが
                  (バロック的なダンス要素もあるけれど
                   途中にブラームスの引用とかあってビックリする。
                   たぶん、知っている人が聴いたら
                   他の引用(ワーグナーとか?)もあるかもしれない)
                  緻密な構成に加えて
                  とんでもなく深淵な世界を垣間見るようで
                  鳥肌が立つほど、ゾッとするのが魅力的。

                  音楽を聴いた、というよりは
                  哲学を聴いた・・・って感じがする。
                  何なんだろう、この感じ。
                  後で時間のある時に Spotify で聴いてみるか。
                  覚悟して聴かないと
                  またヘンな世界に迷い込むかもしれない。

                  前半に超貧民席に入ってきた団体は
                  演奏中に立ったり(椅子のガッタンという音が響き渡る)
                  席を移動したりで顰蹙モノだったが
                  幕間に写真を撮りまくってから退場。

                  後半のバルトークは
                  研究所図書館からポケット・スコアを借りて
                  見ながら聴いていたのだが

                  すごいな・・・
                  オーケストラが本気で演奏しているのがよくわかる。
                  (いや、いつも本気である事は存じ上げておりますが)

                  巧い、巧すぎる・・・😳
                  もともと巧いオーケストラだけど
                  バルトークのこの曲は
                  各パートに聴かせどころがたっぷりで
                  もう最高 💘

                  ウエットにならない
                  すっきりしたモダンな感じの締まった演奏で

                  それだけに、技術の確かさと
                  音のクリアさ、各楽器のパートの素晴らしさと
                  それを支える他の楽器の力強い音響が
                  ホールに響く迫力は
                  鬼気迫る圧倒的な納得力を撒き散らす。

                  うわあああ
                  ヘンツェも凄かったけど
                  バルトーク、掛け値なしに素晴らしい。

                  オーケストラ・スコアだが
                  ・・・けっこう、難しい(汗)
                  シロウトだし、いや、言い訳にならんが
                  やっぱりこの曲
                  スコアにメロディ・ラインを蛍光ペンで
                  書き込んでおかないと
                  時々迷子になる。いや、ちゃんと戻っては来るけど・・・
                  (古いスコアなのでボロボロだし
                   ページが捲りにくくて・・・(言い訳))

                  アフタートークがあるのを失念して
                  (バルトークに超興奮していたのもあるけど)
                  市電に乗ってから、しまった💦と思ったのだが
                  時、既に遅しで

                  自宅の Spotify で
                  今日聴いたヘンツェを聴きながら
                  レヴィットの深い世界に片足突っ込んでいる私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  人気ブログランキング

                  ヘンツェのトリスタンは
                  Spotify でライプツィヒ・ゲヴァントハウスで
                  ピアニストはイゴール・レヴィット
                  指揮はフランツ・ヴェルザー=メストで
                  2022年に出た録音がある。

                  この録音でも、ともかく深いレヴィットのピアノは聴こえるが
                  これをナマで聴く迫力って
                  録音で聴いても、充分に想像できると思うので
                  お時間のある方はぜひどうぞ。

                  ウィーン放送交響楽団 + マリン・オルソップ(リハーサル)

                  0
                    2023年3月16日 19時〜20時

                    ORF Radiokulturhaus - Großer Sendesaal
                    ORF Radio-Symphonieorchester
                    指揮 Marin Alsop

                    Öffentliche Probe Freund/in Exklusiv

                    Tanja Elisa Glinsner (*1995)
                     BlurRed (2019)

                    Béla Bartók (1881-1945)
                     Konzert für Orchester op. BBB123 (SZ 116) (1943)

                    ウィーン放送交響楽団友の会の
                    会員限定のリハーサル見学(その後のスパークリング・ワイン付き)は
                    時々ご招待が来るのだが
                    私の夜の予定は基本的にほとんど詰まっているので
                    なかなかチャンスがない・・・のだが

                    今回は比較的早くご案内が来たので
                    急いで予約。

                    ご招待には、バルトークのオーケストラのための協奏曲しか
                    記載がなかったのだが

                    行ってみたら
                    若いオーストリア人作曲家の曲の演奏があって
                    うはははは、バンザイ、こういうの好き 💘

                    ご存知ウィーン放送交響楽団は
                    2024年に解体されてしまう可能性もある。
                    (反対の署名運動は こちら から
                     Vorname に下の名前
                     Nachname にファミリー・ネーム
                     メール・アドレスを入れて
                     その下に郵便番号
                     郵便番号は日本はどうするかは不明だが
                     JP 000 0000 とかで入れておけば
                     日本からだと言うのがわかるだろう)

                    このオーケストラがなくなると
                    オーストリアでのオーケストラの現代曲の初演の数が
                    絶対的に少なくなりそうなので、非常に困る。
                    伝統的なプログラム(観客を呼べる)だけではなく
                    初演曲や意欲的なプログラム構成を行なって
                    くそ難しそうな現代曲を
                    朝飯前さっ、て言う感じでこなしてくれるオーケストラなので
                    ともかく、なくなって欲しくない。

                    グリンスナーの曲のタイトルは
                    そのままブルーとレッドを混合したもので
                    世界に終焉が来て、新しい世界になって
                    一体、その終焉は何だったんだ、と考察して
                    空虚なオクターブになった後
                    やっぱり答えはわからない、と終わるらしい(作曲家の説明による)

                    チャールス・アイヴズの「答えのない質問」かな?

                    音楽に哲学的内容を含ませる、と言う風潮は
                    たぶん、歴史的には戦争という要素が
                    大きな影響を与えていると思うのだが
                    シリアスでないと現代音楽じゃない、みたいなのは
                    実はあまり好きじゃない。
                    (だったらポップスを聴け、という反論は覚悟しているけど
                     私、ハーレークイン・ロマンとか好きなんだけど
                     それじゃダメなんですかね)

                    最初にガツンと大音響が来て
                    それから静かな内省的な音楽になり
                    途中でオクターブがあって
                    という、作曲家の説明通りにシナリオが進む。
                    作曲技法としては目新しいものはない(ような気がする)し
                    ワタシ好みの雑音やマイクロトナールも
                    目立つほどには使われていない。

                    3月23日の楽友協会のコンサートでも演奏されるから
                    もう一度、聴くチャンスはある。

                    その後にバルトークのオーケストラのための協奏曲。
                    普通、リハーサルって
                    途中で止めたり
                    指揮者が何か文句をつけたりすると思っていたら

                    この曲、もう完成してるじゃん。

                    オーケストラにしてみれば
                    演奏し慣れた曲だろうし
                    あとは指揮者のテンポ指示に従っていれば
                    形になってしまうのかもしれない。

                    第3楽章だけ途中で止めて
                    (リハーサル時間の関係だと思う)
                    結局、通しで演奏しちゃって
                    曲そのものは、手慣れた演奏で安定している。

                    一緒に行った若い学友は
                    研究所からスコアを借りて持って来ていた(賢い)
                    いや、ワタシもスコアを買っちゃおうか
                    すごく迷ったんだけど

                    楽友協会の来シーズンのチクルスを6つほど買ってしまい
                    (本当はオーケストラのコンサート・チクルス全部欲しい🤤)
                    銀行口座が、ちょっとタイヘンな事になっているので

                    本コンサートの時には
                    研究所図書館から、私も借りて行こう、と
                    固く決心する私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    人気ブログランキング

                    ウィーン放送交響楽団 + ニコラス・コロン

                    0
                      2023年3月2日 19時30分〜21時15分

                      Wiener Konzerthaus - Großer Saal
                      ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                      Wiener Singakademie (Einstudierung: Heinz Ferlesch)
                      メゾソプラノ(天使)Sasha Cooke
                      テノール(ゲロンティウス)Michael Schade
                      バスバリトン(司祭・死の天使)Roderick Williams
                      指揮 Nicolas Collon

                      Edward Elgar (1857-1934)
                       The Dream of Gerontius
                       von Kardinal Newmann
                       für Mezzosopran, Tenor, Bass, Chor und Orchester op. 38
                       (1899-1900)

                      2009年にウィーン・フィルとサイモン・ラトル
                      コジェナにスペンス、クヴァストホフで
                      楽友協会で2回鑑賞していた
                      エドワード・エルガーの「ゲロンティアスの夢」

                      滅多に演奏されない曲だし
                      ミヒャエル・シャーデが歌うし
                      危機に瀕しているウィーン放送交響楽団は
                      貧民席でもチケット売れたら少しは助けになるだろうし・・・

                      休憩なしの約2時間の上演。
                      舞台上に一杯広がった大規模オーケストラに
                      大規模コーラスがズラッと並んで壮観。

                      最初から大音響で
                      (貧民席の一番後ろは残響の関係で
                       最も音量が大きくなっているのではないかと推測する)
                      私が苦手な「死」のモチーフに
                      苦しみとか色々な要素がどんどん出て来て
                      とことんドラマチック。

                      シャーデのゲロンティウス
                      やっぱり、このテノールのソット・ヴォーチェは凄い。
                      って言うか
                      あんな小さな声で歌っているのに
                      ホールの最後の列までクリアに響いてくるのが奇跡的。

                      でも、今日のコンサートの白眉は
                      メゾソプラノのサーシャ・クックである!!!!!!

                      アメリカやニュージーランドとかで歌っているけれど
                      ヨーロッパでの演奏のプランはほとんどないようで
                      よくこの歌手をウィーンに呼んで来た!!!!!!!

                      声量も抜群だけど
                      ものすごい美声で
                      しかも、声域が広くて
                      低音から高音(これが美しい💘)まで

                      むらのないビロードのような
                      強靭だけど強すぎない
                      なんというか、こう、弓を程よいところで張ってる感じ?
                      あ〜、自分のボキャブラリーのなさが悲しい。

                      ともかく、素晴らしいメゾソプラノである。
                      ガランチャを聴いた時以来の衝撃かもしれない。

                      メゾの歌う天使は
                      かなり歌うところも多いのだが

                      美声に加えて
                      サーシャ・クックの英語のディクションが
                      ものすごくクリアで

                      本当に英語が聴こえて来るし
                      しかも、英語の内容までわかる!!!!

                      今日の感想記は
                      エクスクラメーション・マークが多過ぎだけど
                      でも、あの驚きをどうやって表現するのか
                      アホな私にはわからない。

                      いや悪いけど
                      ミヒャエル・シャーデが完全に霞んだ・・・
                      もちろん、繊細な歌唱は素晴らしいし
                      ピアニッシモからフォルテまでの表現力は凄いんだけど

                      サーシャ・クックの天使は、圧倒的なんだもん。

                      カトリックのキリスト教の
                      エルガーが表現したような
                      恐ろしい裁判の場に出るのはイヤだけど
                      あんな美声の天使が導いてくれるなら
                      カトリックへの帰依も考えても良い(冗談です)

                      バスバリトンのロデリック・ウィリアムズも素晴らしかった。
                      堂々として美声で
                      聴いていて発声に無理がないので
                      気持ち良い。
                      (ウィリアムズもシャーデも58歳という同年齢なんだ。
                       調べてみて気がついた・・・)

                      オーケストラは巧いし
                      コンツェルトハウスの音響は
                      大音響でもびくともしないし
                      コーラスの大迫力もあって
                      指揮者はよく動くし

                      死んで、カオスを通って
                      恐ろしい裁判(?)を受けて
                      たぶん、天国に昇天?
                      ・・・カトリックじゃないから
                      よくわかんないけど
                      そんなストーリーだよね、きっと(すみません)

                      でもでもでも
                      ともかくはサーシャ・クックだ 💘

                      ご本人のサイトを見ていたら
                      ジョン・アダムス(好きですワタシ)の
                      ドクター・アトミックの2008年のメトロポリタン・オペラで
                      ジェラルド・フィンリーと歌っているではないか。
                      Youtube にアリアがアップされていて
                      声もディクションも見た目も
                      素晴らし過ぎる💘💘💘
                      (後半はジェラルド・フィンリーの素晴らしい歌唱と
                       うっとりする程のラブシーンが楽しめます!!!)

                      誰がサーシャ・クックをウィーンに招聘したのか
                      わからないけれど
                      いや、よくやった!!!!!!!!

                      あの天使を聴けたのは
                      滅多にない幸運と言えよう ♡

                      ウィーン放送交響楽団のコンサートは
                      必ずオーストリア国営放送ラジオ局での放送があるから
                      アップされたら絶対に聴く!(長いけど・・・(笑))

                      すみません、興奮しまくっちゃって 😅

                      でも、こういうのがコンサートの醍醐味だ、と
                      確信している私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                      人気ブログランキング

                      ニューヨークのメトロポリタンとか
                      ニュージーランドでは活躍しているようだが
                      ヨーロッパでのスケジュールは記載されていない。
                      このメゾソプラノ、ウィーンのオペラ座でも聴きたいなぁ・・
                      でも、ニューヨーク・メトのギャラに比べると
                      ウィーンのギャラは非常に低いらしいので無理か・・・😓

                      calendar
                           12
                      3456789
                      10111213141516
                      17181920212223
                      24252627282930
                      31      
                      << March 2024 >>
                      PR
                      ★コンタクト・メイル★
                      メイルはこちらへ
                      ブログランキングに1クリックお願いします
                      selected entries
                      categories
                      archives
                      recent comment
                      recommend
                      links
                      profile
                      search this site.
                      others
                      mobile
                      qrcode
                      powered
                      無料ブログ作成サービス JUGEM