ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

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    Musikverein Grosser Saal 2017年11月9日 19時30分〜21時15分

    ORF Radio-Symphonieorchester Wien
    指揮 Cornelius Meister
    ピアノ Steven Osborne
    オンド・マルトノ Nathalie Forget

    Olivier Messiaen (1908-1992)
     Tulangalila-Symphonie
      fuer Klavier und grosses Orchester

    ウィーン放送交響楽団の楽友協会での定期公演だが
    同時にウィーン・モデルン現代音楽祭の一環でもあって
    ゲネラル・パスを持っている人は、当日、チケット引き換え、と記載されている。

    そうか、いつもの超貧民席じゃないところに座れるのだ、と
    ゲネラル・パスを翳してチケット売り場に行ったら
    ウィーン・モデルンのデスクが出来ていた。

    そこでゲネラル・パスを見せたら
    チェックして「はい1枚」って、パッと渡された。

    割り当てられたところがあるんですね?
    で、席は選べないんですね?!(-"-)

    ゲネラル・パスで入手したチケットは
    カテゴリーで言えば
    上から2番目のカテゴリーの席である。
    (座席のカテゴリーはだいたい知っている、常連だから)

    ただ、カテゴリー2の席で
    私が「音の穴」と名付けている部分があって
    いつも音響バッチリの席で聴いているのに
    あのデッドな席ではとても聴けない。

    音響オタクの多い
    ウィーン・モデルンのゲネラル・パス所有者に
    この席を出すか、普通????

    超貧民席に常連2人を見つけたので
    この席要らない?と聞いたのだが
    いや、こちらの方が良い・・・って
    う〜ん、やっぱり常連は一味違う。
    変わり者が多いというか、よく知っているというか ^^;

    私は超貧民席から、ちょっと逃げました。悪しからず。
    あの大編成オーケストラなら
    舞台から離れた方が良い、という判断。
    ついでにかなり空き席もあったので
    ちゃんと係員の許可を得てます(チップもあげたし)

    さて、今年はトゥーランガリラ交響曲の当たり年(笑)
    トーンキュンストラーと佐渡裕が演奏したかと思ったら
    今度はウィーン放送交響楽団とコルネリウス・マイスター。

    簡単に書いちゃうと

    すごいっ!!!!!
    むちゃくちゃスゴイ!!!!!!!

    あの大編成オーケストラで
    オーケストレーションもあれだけ厚いのに
    (たぶん、使ったのは改訂版だとは思うけれど)

    オーケストラのパーツの絶妙なバランス
    徹底的に細かい部分の分析によるものだろうが
    メロディ要素をバラバラにまず分解してから
    ものすごい注意深さをもって、再構築した、としか思えない。

    だって、あの多重層になったテーマが
    団子にもならず、溶け合ってぐちゃぐちゃにもならず
    ものすごい明晰さをもって
    全部聴こえて来て
    私は思わず椅子からずり落ちそうになった。

    はったりを噛ませようと思えば
    いくらでもハッタリが効いてしまう曲なだけに
    オーケストラの音響の爆発を徹底的に抑えて
    ハッタリ一つもなく全体を巧みに聴かせたのはすごい手腕。

    オーケストラもさすがに現代曲に慣れているだけあって
    むちゃくちゃ巧い。
    しかも出てくる色彩感の豊かな事。
    原色からパステル色までホール中に飛び散っている感じ。

    ただ、徹底的に音響に拘った分
    リピートのモチーフが多少なりとも単調に聴こえたのは
    まぁ、仕方ない結果だったかもしれない。

    ピアニストがちょっと、自分が出たがるタイプで
    オーケストラの絶妙なバランスの中で
    ちょっとピアノだけ浮いていた印象はある。
    (まぁ、指揮者もピアニストにはあまり言えなかったんだろう(笑))

    あれだけ音響に拘って音量を絞っていたら
    超貧民席でも良かったかも。
    (と同時に、カテゴリー2の音の穴に座っていたら、と思うと
    ああああ、あそこに行かないで良かった、とホッとした)

    単調に聴こえる、とさっき書いちゃったが
    アモールの場所では
    背筋ゾクゾクの色気もあった。
    (弦のあの微妙なポルタメントの色っぽさって絶句)

    ゾクゾクしっぱなしの1時間半。

    今年のウィーン・モデルン現代音楽祭のテーマは
    頭の中の絵、というものなのだが
    コンサートを聴いている間中
    頭の中に音響の色が
    絶え間なく、浮かんだり動いたり消えたりして
    ものすごく楽しんでしまった私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。

    現在、マックの調整中で
    別の PC で書いているので
    特殊文字が使えないのは、どうぞお許し下さいませ。





    ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

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      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年10月19日 19時30分〜21時40分

      ORF Radio-Symphonieorchester Wien
      ピアノ Khatia Buniatishvili
      指揮 Cornelius Meister

      Thomas Daniel Schlee (*1957)
       Spes unica op. 72 (2009) (ÖEA)
      Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
       Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 b-moll op. 23 (1874-75)
      Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)
       Symphonie Nr. 12 d-moll op. 112 “Das Jahr 1917)

      一応記録だけはしておくけれど
      このコンサート
      まずは地下鉄が大幅に遅れて
      最初の曲には間に合わず
      大音響の時だけ、ちょっと漏れ聴こえるのを
      必死になって、食物のおこぼれを貪ってる感じで聴いていた。

      くそ、実はシュレーのオーストリア初演の曲がお目当てだったのに (ToT)

      よって、その後のチャイコフスキーのピアノ協奏曲と
      ショスタコーヴィッチの交響曲12番では
      ほとんど気絶していた。

      何だか引退後、仕事しているより忙しいような気がする(汗)
      あまりにやる事が多いのと、移動時間がかかるのと
      まぁ、色々ある。
      彼氏が出来たとか結婚したとか、そういう華やかな事でないのは残念だが。

      でウィーン放送交響楽団のコンサート
      なんでこんなに客が入っているんだろう?と思ったら
      これ、主催が半分ジュネスだった。

      ・・・くそ、ジュネスでチケット買ったら
      コンツェルトハウスより安かったかもしれない。
      ついついコンツェルトハウスのサイトで買っちゃったけれど
      これから気をつけよう。

      よって、私より後ろの貧民席(註 私の席も貧民席)には
      若い人たちが多い。
      これは非常に非常に非常に良い事である!!!

      何が人気だったかと言うと
      やはりピアニストのカティア・ブニアティシヴィリであろう。

      いやもう、確かにすごくキレイな人で
      ボディも魅力的、ドレスはマーメイドで、またこれがすごいインパクト。
      確かに目が離せないわ。

      でチャイコフスキーのピアノ協奏曲。
      うはははははは、さすがブニアティシヴィリというか

      何ですかその速いテンポは (O_O)
      ・・・というところが数カ所あって
      いや、気絶して寝落ちしているのだが
      時々オーケストラとズレて、壮絶な断崖絶壁を歩く感じがするので
      そういうところだけ、起きてしまうのだ。

      というか、人間業とは思えないテンポで
      あの超絶技巧を、見事に実に軽く跳ねながら弾いちゃうって
      チャイコフスキーのピアノ協奏曲って
      もっと、なんかこう、悲壮な感じに聴こえる曲じゃなかったっけ?

      というワケで、何とも唖然とする演奏。
      さすがに演奏事故まではいかなかったけれど
      オーケストラのズレは時々あって
      指揮者もオーケストラもお疲れ様です(笑)

      アンコールがリストのハンガリー・ラプソディか何かで
      これもまた超絶技巧、ピアノのフォルテがバリバリの
      女性とは思えないマッチョな演奏だった。

      で、すみません、後半のショスタコーヴィッチ交響曲12番は
      本当に気絶してました。
      最初に奏でられるコントラバスのモチーフが
      繰り返し曲に現れるところしか、記憶にありません。

      いや〜、モーツァルトならともかくとして
      よくショスタコーヴィッチで寝落ちできますね、と
      昔、知り合いに呆れられたけれど
      本当に疲れていて睡眠不足でヘンな食生活しちゃうと
      ショスタコーヴィッチでも充分に熟睡できます(自慢にならん)

      こんなヘンな記録でごめんなさい・・・
      仕事じゃないのに忙しいという言い訳も
      今更通じない事を反省している私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

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        Musikverein Großer Saal 2017年10月14日 19時30分〜21時40分

        ORF Radio Symphonie Orchester Wien
        指揮 Cornelius Meister
        バイオリン Leonidas Kavakos

        Luigi Cherbini (1760-1842)
         Ouvertüre zu “Anacréon”

        Lera Auerbach (*1973)
         NYs : Fractured Dreams. Konzert für Violine und Orchester Nr. 4
          (“Singende Säge von Katharina Micada)

        Alexander Zemlinsky (1871-1942)
         Die Seejungfrau. Symphonische Dichtung nach einem Märchen von
          Hans Christian Andersen

        午後はウィーン・フィルとネルソンスの
        ベートーベン8番・7番の2回目のコンサートだったが
        基本的に金曜日とコンサートの印象は変わっていないので省略。
        (すみません、時間がないの、ホント、まさかこんなに忙しくなるなんて(汗))
        7番の最後でネルソンスがオーケストラをむちゃくちゃ煽るので
        どんどん速くなっていって
        さすがにウィーン・フィルなのでアンサンブルは崩壊しなかったけれど
        スコア見ながら、手に汗握っていたスリリングなコンサートだった。

        低弦がバッチリ効いていて
        ティンパニがすごくて(昨日よりは控え目)
        ダイナミックで男性的でワイルドで力強くて
        ウィーン・フィルの優雅ないつもの音とは違ってビックリするが
        ウィーン・フィルは、これからネルソンスと中国・マカオ公演。
        ・・・日本は入っていないのよね(ブツブツ)

        さて、夜のコンサートはウィーン放送交響楽団。
        プログラム見ていて
        ああああ、また、ツェムリンスキーの「人魚姫」か
        (この曲、割に近年流行りで、よく聴くのである)
        と思っていたら

        ウィーン放送交響楽団友の会から
        コンサート前にこの作品の解説を
        楽友協会の音楽学者が地下のホールで行います、ぜひどうぞ
        ・・・というメールが入ったので行って来た。

        楽友協会総裁からの挨拶の後
        あぁ、この人が、いつもプログラム解説を書いているK博士。
        あのクソ真面目な解説をいつも読んでいてイメージしていたのと
        だいぶ違う・・・(すみません)

        ツェムリンスキー協会の話から始まったが
        この人魚姫という曲
        ツェムリンスキーの代表作の一つで

        第一楽章は a moll なのだそうだが
        最初は a moll に聴こえず、d moll のような仮面を被っていて
        d moll はレクイエムなどに使われる調(ほおお、そうなんですか←無知)
        途中に Es Dur が現れて a moll と絡むのは
        推察の域を出ないが
        当時の恋人(?憧れの人?)のアルマ・シンドラーのイニシャルかも
        (当時はまだアルマ・マーラーではなかった)

        コンサートで聴いてみると
        おおお、確かに最初の出だしは a moll には聴こえない。
        う〜ん、この数小節のマスク、すごく効果的に使われている(感心)

        第一楽章でお城の中に6人のお姉さんがいて
        お姉さんが登場するテーマとか
        (あれはお姉さんだったのか、私は波だとばかり思っていた)
        魔女のところで、脚を生やす薬をもらう部分は
        初稿では、ほとんどアトナールが続くそうなのだが
        それでは聴衆にウケないだろう、と
        作曲家が後で改訂してしまったそうで
        その分、初稿より4分ほど時間が短縮されているとか。

        ああああ、私も、そのアトナールな部分って
        聴いて見たかったなぁ。

        海の泡になって消えたくなかったら
        このナイフで王子さまを殺しなさい、とお姉さま方から言われ
        ナイフを手にするものの
        そのナイフを投げて(落ちる下降音階!!!)
        海の泡と消えるところなんか
        長調と短調の複雑な絡み合い。

        それから私もビックリしたのだが
        ベートーベンの時代から
        ツェムリンスキー時代のウィーンの音楽学校では
        長6度の跳躍は「愛」を表現するそうで

        いや、あはは、考えてみたら
        ベートーベンのリート Ich liebe Dich の最初の2音がそうだし
        アデライーデも途中に4度が入ってはいるけれど
        やっぱり長6度である。

        ・・・う〜ん、色々とあるものだなぁ(ひたすら感心)

        この解説聞いてから
        ツェムリンスキーの「人魚姫」を聴いてみると
        確かに全然理解が変わってくる。
        かなりわかりやすい表現方法なので
        全く事前の知識なしに聴いても、それなりに映画音楽みたいなものだが
        ちょっと話を聞くだけでこんなに違うのか。

        プログラムの、ひたすらマジメな解説と違って
        K博士の話は、ものすごく情熱的で、すごく楽しかった。

        さて、これは後半の話だが
        前半最初の曲はケルビーニ。

        ケルビーニでこんなにオーケストラの編成が大きいのか?!
        第二バイオリン(第一は見えない)だけで14人。
        チェロもコントラバスも10人以上いるようだが・・・

        よって、ケルビーニ、というバロック的な音のイメージと全く違って
        ものすごいドラマチックな音がする。
        (でもよく考えたらケルビーニってモーツァルトより若い)
        アナクレオンって、私のイメージだと
        フーゴ・ヴォルフのあの限りなく静かで美しいリートの
        「アナクレオンの墓」が思い浮かぶのだが
        けっこう劇的な生涯を送った人だったようだ(笑)

        レーラ・アウエルバッハのバイオリン協奏曲は
        ヨーロッパ初演。

        あれ?舞台の上に、ノコギリを2つ持った女性が居る。

        以前、アウエルバッハのオペラに行って
        気に入らなかったので、あまり注目はしていなかったのだが

        「夜」をテーマにした13曲の「夢」(全てアタッカ)
        ・・・なんだけど、やっぱりよくわからん(爆)

        カヴァコスのバイオリンの音は限りなく美しい。
        その後ろでノコギリを弓で弾いているところから出る音色が
        これまた美しい。
        ちょっとシロウト耳には、オンド・マルトノっぽい響きで
        控え目にバイオリンとシンクロして
        現実ではないような不思議な音を出す(夜の夢だから(笑))

        ヨーロッパ初演とのことで
        (もともとはニューヨーク・フィルの委嘱作品)
        作曲家ご本人も来ていらっしゃったようだが
        舞台には登場しなかったので見ていない。

        で、後半の「人魚姫」
        K博士は、この曲はストーリーがあると知らずに聴けば
        交響曲にも聴こえる構成があって
        当時のハンスリックの純粋音楽擁護と
        ワーグナーやリストの交響詩を結び付けるような試み
        と言っていたが

        ストーリー知らなくても
        何となく思い浮かぶ情景は、やっぱり交響詩に近いような気がする。
        (まぁ、それ言ったらメンデルスゾーンの
         イタリアやスコットランドは交響曲か、というのもあるだろうが)

        人魚姫なんて、もともとは
        勝手な片思いの押しかけ女房(ストーカーまがい)の話ではあるが
        美しい女性は、そういう勝手な思い込みの
        自己犠牲に酔っても、涙を誘う話になるのだ、うん。

        これが森のタヌキだったら笑い話にしかならん。
        (バレエのシルフィードも妖精だから良いのである)

        美女だったら
        獣であろうが、人魚であろうが
        地球外生物であろうが(地球外生物の「美女」って何だ?)
        何でも許されてしまうのは
        男性社会だった頃の悪しき慣習だな、とは思いつつ

        私だってイケメンがストーカーになっても
        イケメンなら許しちゃうかも
        ・・・とけしからん事をちょっと考えてしまった私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        あはは、人魚と金魚ではちょっと違いますが f^_^;)

        ウィーン音楽大学指揮科ディプロム試験コンサート

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          Musikverein Großer Saal 2017年6月28日 19時30分〜21時40分

          ORF Radio-Symphonieorchester Wien
          Diplomprüfung Orchesterdirigieren der
          Universität für Musik und darstellende Kunst Wien

          Antonín Dvořák (1841-1904)
          Othello, Konzertouvertüre, op 93
          Dirigent : Laurynas Sadaukas

          Sergej Prokofjew (1891-1953)
          Die Liebe zu den drei Orangen. Suite, op. 33a
          Dirigent : Alexander Znamenskiy

          Richard Strauss (1864-1949)
          Don Juan. Tondichtung nach Nikolaus Lenau, op. 20
          Dirigent : Stephen Lik Hin Lam

          Mieczysław Karłovicz (1876-1909)
          Stanisław i Anna Oświecimowie. Tondichtung, op. 12
          Dirigent : Michał Juraszek

          Maurice Ravel (1875-1937)
          Daphnis et Chloé. Suite Nr 2
          Dirigent : Seungwon Thomas Kim

          ブログをサボっているのは
          病気でもないし
          引退して孤独に悩んで暇を持て余しているワケでもない(笑)
          ただ、そろそろシーズン終わりで
          コンサートが「ない」のである。

          今シーズン楽友協会最後のコンサートは
          いつもの通り、ウィーン音楽大学指揮科のディプロム試験。
          ウィーン放送交響楽団を、指揮者の卵たちが振る楽しいコンサート。

          もっとも、出演するのは
          すでに外国でデビューしていて
          華々しく(かどうかはわからんが)あちこちで指揮していて
          それでもウィーン大学のディプロムを取って
          ハクをつけたい人なので
          学生というよりは若い、あるいは中堅どころの人たちである。

          オーケストラはもともと名人揃いで
          そこそこのレベルはどんな人が指揮台に立っても出してしまうし
          ド・シロートが何か言えるようなものではないのだけれど
          まぁ、これ、個人レベルでの覚書なので・・・(言い訳)

          最初の指揮者はリトアニア出身の29歳。
          18歳でリトアニア国立フィルハーモニーの指揮でデビューしたとか書いてある。
          現代音楽を得意とするらしいのだが
          なんでまたドボルジャークのオテロ序曲?

          しかも今年の試験に登場した指揮者
          みんな、暗譜じゃなくてスコア置いてるんだけど???
          (例外一人あり。後述)

          若くて、写真で見ると顔はかなりイケメンで
          登場すると、やっぱりマスクは甘いのだが
          体型がかなり・・・(以下省略)

          むちゃくちゃ肩に力が入っていて
          指揮棒でテンポだけは出してはいるものの
          各楽器へのキューはほとんど見えないし
          左手の表情もあまりなくて
          なんかもう、頑張ってます、というのが見え見え。

          しかもこの指揮者、お辞儀しないんだけど
          どこか腰でも傷めていたんだろうか(邪推)

          次のプロコフィエフの指揮者はロシア出身の38歳。
          プログラムの写真がヒゲを生やした強面だったけれど
          出てきたら、確かにヒゲはあるが
          かなり愛嬌のあるマスクで、ヒョロヒョロのスタイル。
          3つのオレンジへの恋って、フォルクス・オーパーで観た事はあるけれど
          記憶にあんまり残ってない。
          (歌手が倒れて、代役が舞台の脇で楽譜見ながら歌っていた記憶はある(笑))

          もともとビオラ奏者で、室内楽で活躍した後に指揮に転向。
          指揮振りを見ていても
          すごく楽しんでいる感じが伝わってくる。
          (まぁ、そういう曲でもある(笑))

          前半の最後は香港出身。
          バイオリンから、香港大学で、環境学でバチュラー取って
          更に文学でマスター取ってから2011年以降にウィーン大学の指揮科で研修という
          変わり種というか
          よほどお金持ちのお坊っちゃまなのか(両方だろ)

          既に香港のオーケストラとコーラスの首席指揮者の地位があり
          学業後は大学教授としても教えていて
          香港やマカオ、上海などで活躍しているらしい。

          小柄な身体にエネルギーが満ちた感じで
          やっと派手な動きをする指揮者が登場したわ、という感じ(笑)
          しかも曲も派手だしな(苦笑)

          で、曲が派手で、踊りに踊る指揮者が指揮台に立つと
          楽友協会大ホールでどうなるか、という典型みたいなもので
          え〜い、オーケストラをそんなに力一杯鳴らすなっ。ウルサイ(-.-;)

          推測するに、このリハーサルって
          たぶん、オーストリア国営放送の大ホールでやっているのだろうし
          (音響が全く違う)
          やっぱりこういう派手な曲は大編成オーケストラで
          ガンガン鳴らしたい、というのもわかるんだけど・・・
          コンサート・マスターのソロがほとんど聴こえて来ないというのも
          ちょっと切ないわ(笑)

          後半最初はポーランド出身、もともとバイオリンで
          ポーランドでも指揮を専攻していて、オペラでも歌うらしい。

          他の出演者が、みんなしっかり燕尾服に白い蝶ネクタイだったのに
          この人、黒いシャツに黒いズボンのカジュアルな服装で
          唯一、暗譜で指揮台に登った。

          持って来た曲がミェチスワフ・カロウォーヴィチ。
          ポーランドの音楽を背負う作曲家として
          シマノフスキよりも有望視されていたらしいのだが
          14作品を残しただけで、33歳の若さで
          スキー中に雪崩で死亡という人。

          作品番号12番のオシヴィエンチモフ夫妻、スタニスワフとアンナという交響詩。
          リヒャルト・シュトラウスの影響やワーグナーの影響が見られて
          しかも甘いメロディに華麗なオーケストレーション。
          ポーランド的というよりは
          当時のヨーロッパ全体・・・というよりゲルマン系の影響が強いと思う。
          いやでも、この曲、素晴らしいじゃないの。

          で、こういう珍しい、あまり一般的レパートリーじゃない曲って
          ウィーン放送交響楽団が、異様に張り切るんですよ(笑)
          前半で寝ていたような音色が
          パッと起き上がって、華麗な色彩をホール中に撒き散らし
          フォルテになってもフォルティッシモになっても
          しっかりとホールの音のバランスの中にぴったり収まる。

          曲があまりに素晴らし過ぎて
          指揮振りとかどうでも良くなってしまったので
          指揮の動きはほとんど記憶に残っていない。
          あああ、こういう曲もあったのか・・・
          これを聴けただけで、このコンサートに来た甲斐があった。

          最後はラヴェルの「ダフニスとクロエ組曲2番」
          韓国出身、34歳、バイオリン出身で作曲もするらしい。

          こういう超有名曲は両刃の剣でもある。
          聴衆は知っている曲だから、馴染みもあるけれど
          その代わり、この曲の超名演も、結構な回数を聴いているわけで

          いやもう、オーケストラが疲れ切ってる時に
          この曲かよ、っていうのもあるしなぁ。

          最初の夜明けの部分のバランスというのは
          実に微妙なオーケストラのコントロールを必要とするので
          そりゃ、指揮者だってシロウトじゃないから
          ちゃんとやってはいるけれど
          うううう、このバランス、ちょっと厚すぎて
          透明感に欠ける(ような気がする。偏見かもしれない)

          それに、オーケストラお疲れっていうのもあるけれど
          どうも細かい部分の粗さが気になる。

          だからね、超有名曲だから
          どうしても、聴いている方もむちゃくちゃ耳が肥えてますから・・・

          ソロで聴きごたえのある演奏もあったし
          やっぱり(これだけ疲れていても)このオーケストラ、巧いわ。

          毎年、この「卒業試験」って
          聴くだけで結果はわからないし
          専門家がつけた成績もわからないのがちょっと不満。

          数年にわたって、このコンサートを毎年楽しませてもらっているが
          その中から、突出して出てくる指揮者って
          あんまり聞いた事がないなぁ
          ・・・などと言う事を思ってはいけない(笑)

          と言うわけで、2016年・17年のコンサート・シーズンは終わり。
          楽友協会も、9月末か10月初めまでオサラバである。

          今シーズンのコンサート回数とか
          一度はまとめたい、と思いながら
          まだやっていない怠け者の私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          あとはオペラ座でのヌレエフ・ガラが終わったら
          イム・プルス・タンツ国際コンテンポラリー・ダンス・フェスティバルまで
          ブログは長い長い夏休みに突入。
          日々これこれとか
          オーストリアの生活とかについて書けば良いのだろうが
          ほとんどを書き尽くしてしまったので、ネタがない(自爆)




          イワン雷帝 映画と音楽 ウィーン放送交響楽団

          0
            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年6月23日 18時30分〜22時30分

            ORF Radio-Symhonieorchester Wien
            Wiener Singakademie
            メゾソプラノ Marina Prudenskaya
            バス Aleander Vingradov
            アルト Dietlinde Gattinger, Christa Schwarz, Andrea Zimmermann
            指揮 Frank Strobel

            Sergej Eisenstein (1898-1948)
            “Iwan der Schreckliche I/II” (UdSSR 1944/1958)
            Sergej Prokofjew (1891-1953)
            Musik zu “Iwan der Schreckliche” op. 116 (1942-45/61/2016)

            コンツェルトハウスの大ホールでの「映画と音楽」シリーズは
            今回はセルゲイ・エイゼンシュタインの最後の作品
            「イワン雷帝」の一部(103分)と二部(88分)に
            オーケストラとソリストとコーラスを付けちゃうという
            まぁ、贅沢というか長丁場というか(笑)

            映画に造詣が全くない私でも
            エイゼンシュタインの名前(だけ)は知っている。
            戦艦ポチョムキンとか言う作品があるのも知っているし
            (見た事はない(恥))
            イワン雷帝という映画があるのも知っていた。
            (見た事はなかった(恥))

            開始時間が18時30分と言う事で
            仕事していたら諦めるところだが
            いやもう、リタイアしちゃったからね。
            (ちょっとだけ仕事してるが)

            最貧民席でも20ユーロを超えるチケットだけど
            舞台には大規模オーケストラがずらり真っ黒の衣装で揃って
            大規模コーラスが、またずらり真っ黒の衣装で揃って
            大スクリーンの映画にはドイツ語の字幕もしっかり出てくる。

            映画のテクニカルな事はま〜ったくわからないけれど
            (モンタージュ技法とか、そういう事については完璧無知)
            顔の大写しアップがかなり多くて
            第二部では、まるで歌舞伎のメイクみたいなイワン皇帝が
            ミエを切ったりしていて
            なんか歌舞伎に似てるなぁ、と思ったら
            エイゼンシュタインは歌舞伎のファンだったそうで(爆笑)

            最初の話は
            イワンが皇帝になって
            貴族の反発にもめげず、民衆を味方につけて
            あちこちを征服して行くのだが
            最愛の妻を毒殺され
            いじけて田舎に引っ込んだら
            大衆からモスクワに呼び戻されるという

            まぁ、スターリンのプロパガンダ映画と思えば
            当時のソビエト連邦の感覚だと
            こういう、民衆を味方につけて云々はウケるだろうなぁ。

            でも映像がキレイ、というより
            カメラワークが面白い。
            陰謀している貴族の顔のアップや
            それに対するイワン皇帝のアップが
            その時の感情を、ものすごい印象で伝えて来るし
            白黒ではあるのだけれど(第二部は一部カラーもある)
            衣装やセットがものすごく凝っていて美しい。

            イワン皇帝の人物像も、かなり複雑な表現になっていて
            主人公なのに悪人だか優れた政治家だか、よくわからん。
            第二部では子供時代に他の貴族から
            母親を殺されて、貴族を信用してはいけない、と言われた追想が出てくるし
            第一部の終わりから第二部にかけて
            たった一人で、誰も信頼できず
            友情に飢えた、孤立した人間像も現れてくる。

            イワン雷帝を演じた俳優さんは
            主人公なのに、全然イケメンじゃなくて
            ヒゲをはやしたりして、ますますヘンで
            クルプスキーの方が、ずっとイケメンだったし
            妃のアナスタシアは、すごい美人。

            第二部で
            皇帝の地位を狙うエフロシニアの息子のウラジミールに
            ツァーの衣装を着せ
            エフロシニアの刺客は、イワンだと思ってウラジミールを殺してしまう。
            その後に吐くイワンのセリフが
            「殺人は無罪。この刺客が殺したのは、ただのツァーという名前だ。
             ただのビーバーの毛皮を纏った象徴だったのだ」
            ・・・って、何だかむちゃくちゃ深いんですけど。

            みんなから嫌われている事を自覚して
            なら、本当に The terrible (der schreckliche) になってやる、と
            開き直るシーンも印象的。

            一部カラーで撮っている部分の色彩は
            白黒でずっと見ていた目には、ギラギラしてすごい。
            本当に歌舞伎の世界だわ。

            この頃の俳優さんの「目」のちからも圧倒的。
            信じられないクローズ・アップをしているから
            ますます凄い印象を与える。

            音楽はプロコフィエフ作曲で
            イワン雷帝のテーマが繰り返し現れ
            教会のシーンでは、コーラスのミサ曲が印象的。

            しかしまぁ、名画を鑑賞して
            ナマの迫力たっぷりな演奏を聴いて、というのは
            実に贅沢な時間だなぁ。

            来シーズンは
            オーストリアのローベルト・ラントの無声映画
            ロッテ・ライニガーのアシュメッドの冒険
            ムルナウのタルチュフにトーンキュンストラーというのは食指を唆るし
            カリガリ博士の監督のロベルト・ヴィーネの「薔薇の騎士」も行きたい。
            アベル・ガンスの「私は弾劾する」なんていうのもある。

            まだまだお楽しみはいくらでもあるなぁ、と
            ウハウハしている単純な私に
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            ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

            0
              Musikverein Großer Saal  2017年6月13日 19時30分〜21時30分

              ORF Radio-Symphonieorchester Wien
              指揮 Cornelius Meister
              ソプラノ Anne Schwanewilms

              Antonín Dvořák (1841-1904)
               Holoubek (Die Waldtaube) Symphonische Dichtung, op. 110
              Alban Berg (1885-1935)
               Der Wein. Konzertarie mit Orchester
              Joseph Haydn (1732-1809)
               Symphonie f-Moll, Hob. I:49 “La passione”
              Béla Bartók (1881-1945)
               Kossuth. Symphonische Dichtung, Sz 21

              すごく久し振りな気がするウィーン放送交響楽団。
              プログラムもユニークで
              ドボルザークとアルバン・ベルクにハイドンとバルトークで
              しかも比較的知られていない曲ばっかり。

              舞台が拡張されていて
              すごい数の椅子があるんだけど
              これってどの曲用なのかしら・・・と思っていたら
              ドボルザークもアルバン・ベルクもバルトークも
              大規模オーケストラだった。

              前も後ろも長い黒の衣装で出てきた
              コルネリウス・マイスターが
              おもむろにマイクを持って
              突然、客席に向かって話し出したので
              一体なに? !?(・_・;?

              あるところに女性が居ました。
              若い愛人が出来たので、夫に毒を盛って殺し
              若い愛人と結婚したのですが
              自分が殺した夫の墓にある樹に
              鳩が巣を作って
              鳩の鳴き声に責められて
              自分も自殺してしまいます。

              交響詩「野鳩」のストーリーの説明か。
              ただ、ここ楽友協会なので
              ドイツ語を理解しない観光客が多いと思うんだけど(笑)
              それに、ドイツ語をわかる人でプログラム買った人は
              プログラムに解説がある(プログラム高いので買わない人は多い)

              しかしまぁ、なんという悲惨なストーリーなんだ。
              だいたい、若い愛人が出来たのが女性で
              殺されるのが男性って・・・絶句。
              しかも、野鳩の鳴き声で良心の呵責に悩まされて
              自殺しちゃうって

              それ、全世界の男性の願望じゃないの?
              若い愛人と再婚してウハウハしている女性が
              警察にバレてヤバそうという状況でない限り
              自殺なんかしないわよ
              ・・・・というのは、まぁさておいて

              音楽的には「交響詩」だから
              埋葬行進曲から始まって
              野鳩の鳴き声のオーケストラによる描写が見事。
              心理劇的なドラマチックな要素がたっぷりなんだけど
              ドボルザークらしいメロディックな部分も楽しくて
              オーケストレーションがまた楽しい。

              この曲、バイオリンとチェロだけの部分があって
              そこにビオラが入ってくるところで
              うわああああ
              普段、ビオラなんて、あってもなくても(すみません!^^;
              とか思っていたのに
              ビオラが入るだけで、こんなに音が違うのか、と
              目からウロコの体験。

              自殺してしまった女性はさておいて
              アルバン・ベルクの演奏会用アリア「ぶどう酒」
              (とウィキには書いてあった。ぶどう酒と言うのはワインの事である(笑))
              作曲年代としてはヴォツェックの後
              ルルにかかる頃の後期の円熟した作品で

              オーケストラ編成がデカイ(笑)

              アルバン・ベルクの曲って
              無用にオーケストラ編成は大きいのに
              出て来る音響はあくまでもスリムで

              しかも音響オタクには身悶えする程に素晴らしい。
              12音技法を使ってはいるのだけれど
              ベルクのバイオリン協奏曲でもそうなんだけど
              なんか無調に聴こえて来ないというのは不思議。

              ソプラノのアンネ・シュヴァーネヴィルムスは
              楽譜を持って登場。
              指揮者のマイスターはほとんどを暗譜で振るが
              さすがにこの曲はスコアを手元に残している。

              ・・・で、ドイツ語っぽいモノが聴こえて来たのは
              手元のテキストの最初の2行だけで
              その後、全く全く「言語」っぽいモノが聴こえて来ない。

              この曲、詩としては3篇みたいなんだけど
              途中で止まらず、アタッカで続けられるというのはあるにしても
              普通だったら、どこか何かの単語さえ聞こえてくれば
              あっ、ここだ、とわかる筈なのだが・・・

              それに、指揮者のマイスター
              ソプラノにキュー出してる (O_O)
              ソプラノも必死に指揮者を見てる (¬_¬)

              そりゃ、12音技法だし、結構複雑だし
              続けて歌うわけじゃないから出だしが大変なのはわかるけれど
              見ている方としては、ドキドキしっぱなしで
              出は大丈夫か、とか、ついつい考えてしまう(余計なお世話)

              ドイツ語は全くわからないし
              (何かごにょごにょ言っているのはわかる)
              声は澄んで美しいのだが
              オーケストラの中の一つの楽器みたいな感じで
              演奏会用アリアというよりは
              全体的にソプラノ付き交響詩みたいに聴こえた。

              それよりも何よりも
              指揮者のキューとソプラノの出は
              あれで合っていたのか・・・
              (いやプロだから当然合っているに違いないけれど)
              なんかちょっと危うい感じがしてドキドキしつつ
              まぁ、でも、あれで、
              本当に出を間違えたり、途中で何かカットしたりしても
              聴いてる聴衆、誰もわからんよなぁ、とか
              失礼な事を思ってしまったのは、ごめんなさい。

              後半の1曲目はハイドンで
              これは編成が小さい(同じ大規模オーケストラだったら笑ったけど)
              ノン・ビブラートだけど
              短調を基調にしたドラマチックな曲。

              出てくる音が貴族的というか
              う〜ん、やっぱりウィーンのオーケストラだよね。
              ウィーン放送交響楽団も、しっかりとウィーンの古典はモノにしている。
              ハイドンを聴くと
              本当にこの頃って
              音楽って純粋に楽しみのためだけに消費されたんだなぁ、とわかる。
              ともかく文句なしに聴いていて楽しいのだ。

              最後はバルトークの交響詩「コシュート」
              ご存知の通り、ハプスブルクに立ち向かった
              ハンガリーの英雄を讃えた交響詩。

              オーストリアのハプスブルクを
              こてんぱんにやっつけているけど
              こういう曲、オーストリアで演奏しちゃっても良いんでしょうか?(笑)

              これは本当に大規模オーケストラ。
              舞台がほとんど見えない席だけど
              チェロだけで10本あるみたいだし
              ホルンは4本が2列で、堂々と8本ある。

              最初のトロンボーン(かな?)のコシュートのテーマの提示から始まり
              時々、バンダも使って
              さすがの大規模オーケストラの音響と立体感で
              すごくドラマチック。

              ・・・というより
              ウィーン放送交響楽団って、むちゃ優秀。
              しっかり揃ったアンサンブルで
              正確無比なのに、音に輝きがある。

              音響オタクの指揮者マイスターが
              しっかりとオーケストラをコントロールしているのもあるのだろう。
              ほんと、マイスターって良い意味で職人的。

              最初から最後まで名人の芸を満喫。
              こういうのこそ、ナマで聴いてナンボの世界。

              バルトークの曲とは言え
              リスト音楽院を卒業した22歳の時の初期作品。
              愛国心に燃えた若い情熱的な作品で
              残念ながら悲劇で終わるんだけど
              ストーリーが見えて、聴いていて面白い。
              (オーストリア国歌のおちょくりもある(笑))

              しかしまぁ、こんなマイナーな作品ばかり
              それも、あの高いレベルで
              これだけ様式の違う曲を一晩で演奏してしまうなんて
              ちょっと笑っちゃうくらい優秀なオーケストラ。

              よく知っている曲を聴くのも楽しいけれど
              知らない曲を聴くのも楽しいな、と
              思わせるコンサートに至極満足な私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年5月21日 19時30分〜21時30分

                ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                Damen des MDR Rundfunkchores
                Chorus sine nomine
                ソプラノ Yeree Suh
                アルト Hilary Summers
                バリトン Artur Ruciński
                指揮 Cornelius Meister

                Olivier Messiaen (1908-1992)
                 Un Sourire (1989)
                Pierre Boulez (1925-2016)
                 Le Visage nuptial für Sopran, Alt, Frauenchor und Orchester
                 (1946/47, 1951/52, 1985-89)
                Anton Bruckner (1824-1896)
                 Christus factus est. Motette für gemischten Chor (1884)
                Antonín Dvořák (1841-1904)
                 Biblische Lieder op. 99
                  (Bearbeitung für Bariton und Orchester vom Komponisten und von
                   Vilém Zamánek) (1894/95, 1929)

                久し振りにウィーン放送交響楽団のコンサートのチケットを買ったのは
                メシアンとブーレーズに惹かれたのが理由。

                最初のプログラムでは
                まずブルックナー、その後ブーレーズで
                後半がメシアンに続けてドボルザークになっていたが

                プログラム冊子に挟まれた1枚の紙に
                指揮者のマイスターの芸術的意向により
                メシアン、ブーレーズ、ブルックナー、ドボルザークの順序に変更とあって

                おお、マイスター、よくやった。
                ・・・というより
                普通、そういう順序と思うんだけど?

                メシアンの曲は
                モーツァルト記念の年に作曲され
                モーツァルトの「微笑み」を描きたかったそうで
                最後はトナールで終わる曲だが

                うはははは、この曲、何か凄いデジャブ感がある。
                メシアンのトゥーランガリアあたりに多用されている
                フランス印象派的なスケールを
                弦楽器が弱音で奏でて
                一区切りついたら
                突然、パーカッションと管楽器の激しい掛け合い。
                その後、また弦の弱音に戻っての繰り返しって

                これ、チャールス・アイヴスの
                答えのない質問にものすごく似てるんですが (^◇^;)

                いやでもメシアンっぽいと言えば
                すごくメシアンの特徴が出ていて
                プログラムの説明にあった通り
                最後はトナールの長調に持って行って見事に収めている。

                さすが手練れの、あっ失礼、巨匠の作品だ。

                ブーレーズの「婚礼の顔」
                何回も改訂されている作品らしい。

                アルトとソプラノ、女声コーラスにオーケストラ。
                オーケストラも舞台一杯に広がっている大規模編成。
                オルガン・バルコンにまでパーカッションが乗ってる。

                これがまた、何とも面白い作品だった。
                ブーレーズらしいインストルメンタルな透明感はあるのだけれど
                それよりも、女声コーラスの使い方が興味深い。

                アルトは容赦なく低い声を強要されているのだが
                このアルト、見た目はちょっとスゴイ感じに見えるが(詳細省略)
                声は太めの低音がバッチリ聴こえてくる実力。

                ただオーケストラ編成がむちゃくちゃ大きいだけに
                アルトもソプラノも、女声コーラスも
                フランス語・・・らしきものを歌ってはいるのだろうが
                歌詞は何にも聴こえて来なかった(笑)
                フランス語わからないから全然気にならんが。

                しかしこの曲、かなり肉声的なイメージがある。
                ブーレーズって人間不在の透明感があると思っていたのだが
                この曲を聴くと
                何だやっぱり人間、しかも男性=オスだったのね、って感じ。
                時々、妙に色っぽくなるし
                悶えたくなるし
                まぁ、そういう作りだし内容なんだろうけれど
                ちょっと意外な感じがした。

                さてお目当てのメシアンとブーレーズを
                前半で聴いてしまったので
                後半は別にど〜でも良いか、と思ったのだが

                ブルックナーのモテットは
                コーラスが素晴らしかった。
                作品としては、まぁ、ブルックナーですし(笑)
                しっかりした構成と対位法を駆使して
                バッチリ宗教性もある(=聴いていて、何となくありがたい気分)

                ドボルザークの「聖書の歌」は
                原語のチェコ語で、歌ったのはポーランド生まれのバリトン歌手。

                いや、これが実に良くて・・・
                ヘンに声を張り上げるタイプではなく
                実に自然に無理のない発声をする。

                細めの声質なのに柔らかく
                声量がないように聴こえるのに
                しっかり天井桟敷の貧民席まで
                オーケストラの壁を破って、声が聴こえてくるという
                非常に珍しいタイプ。

                チェコ語のテキスト見ながら聴いていたのだが
                まぁ、エルハチェックは多少誤魔化している感があるけれど
                私もチェコ語は理解できないから
                チェコ人が聴いて、ギョッとするかどうかはわからない。

                しかしこうやって最後にドボルザークが入ると
                やっぱりドボルザークってメロディ・メーカーで
                しかもこの作曲家の転調の見事去って、他に類を見ないわ。

                最後の「雪やコンコン、霰やコンコン」も久し振りに聴いて
                近代音楽を目当てに行ったのに
                最後のバリトンの美声にウットリして
                帰ってくる羽目になった私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                ウィーン放送交響楽団 + マルクス・シュテンツ

                0
                  Musikverein Großer Saal 2017年1月28日 19時30分〜22時

                  ORF Radio Symphonieorchester Wien
                  指揮 Markus Stenz
                  ピアノ Gabriela Montero

                  Richard Wagner (1813-1883)
                   Vospiel und Verwandlungsmusik (1. Akt) aus “Parsifal”
                  Edvard Grieg (1843-1907)
                   Konzert für Klavier und Orchester a-Moll, op. 16
                  John Adams (*1947)
                   Harmonielehre

                  楽友協会大ホールというのは
                  ウィーンでは国立オペラ座と同じく
                  完璧なる観光箇所と化していて

                  それは別に良いし
                  チケット買って、ちゃんと音楽を聴きに来てくれるなら
                  別に何も言いたくないが

                  コンサートやオペラに来るのに
                  汚い履き潰したズック靴(スポーツ・シューズとは口が裂けても言えない)に
                  パジャマですかそれ、という、すごい格好をした人たちが
                  大量に来て
                  コンサートの間にお喋りしたり
                  スマホを弄くったり
                  ガタガタ音を立てて移動したり
                  ピアニッシモの演奏の最中に
                  ドアを開けて(しかも音を立てて)出ていったりするのは
                  やっぱり、ちょっと腹が立つという
                  寛容さのカケラもない今日この頃のワタシです。

                  まぁ、仕方ないんですよ
                  ここ、観光地ですから(ため息)

                  ウィーン放送交響楽団とマルクス・シュテンツのコンサート。
                  この間のオーストリア国営放送の大ホールで
                  パルシファルと
                  ジョン・アダムスの第2楽章+第3楽章は聴いた。

                  けど、何でそれにグリークのピアノ協奏曲が入ってるわけ?

                  パルシファルとジョン・アダムスの「和声学」に
                  共通点があるのは、この間の話でよ〜く理解できたけど
                  途中に、あの名曲(でポピュラー)なグリークが入るなんて
                  やっぱり、こういう名曲(でポピュラーなもの)をプログラムに載せないと
                  客が入らない、という判断なんだろうか。

                  パルシファルの序曲と変身だが
                  いやいやいや
                  やっぱりパルシファルって
                  何か聖なるモノというか

                  何せこのオペラ、季節モノですから
                  今年も3月30日から4月16日まで6回しか上演しないし
                  これが上演されると
                  ああ、イースターだぁ、という気分になる。
                  (今年のイースター・マンデイは4月17日。毎年変わる)

                  オーケストラの音がキレイ。
                  この間のホールの時には
                  真っ正面にいたせいもあるけれど
                  金管がかなり鋭く聴こえて来たのだが
                  楽友協会のホールでは、この程度なら大丈夫。

                  しかも弦のアンサンブルが揃っていて音色が美しい。
                  ただ、あまりワーグナーっぽく
                  大袈裟でドラマチックに鳴り過ぎないのは
                  オペラ・オーケストラではないウィーン放送響の響きだからかも。
                  割に冷静というか
                  ふん、我々、ワーグナーで熱くなる程
                  単純じゃないわよ、という感じ(独断・偏見)

                  さて、グリークのピアノ協奏曲なんだけど
                  私はこれを聴くと
                  必ず、子供の頃のテレビ・ドラマか何かのオープニングを思い出す。
                  (同世代の方、ありましたよね、これ。
                   2時間番組の何か最初だか終わりだかで・・・)

                  非常に力強いピアノで
                  オーケストラに埋もれず響いてくる。

                  第2楽章の弦のアンサンブルの音色が凄かった。
                  この指揮者、フォルテよりピアノ部分の音の出し方が巧い。
                  (フォルテは鳴らし過ぎの感がある)

                  さて、曲が終わった後だが
                  このピアニスト、客席に向かって
                  何か英語で言ってる。
                  (席が後ろなので聞こえない(涙))
                  何かテーマを出してくれたら
                  即興演奏するから、とか言っているようで

                  何かのテーマ(バッハっぽい)を弾き出してから
                  即興演奏・・・かなり長い。
                  確かに凄い才能だとは思うけれど
                  現代音楽っぽい部分は全くなくて
                  テーマを展開されたり、ぶっちぎったり
                  あくまでもトナールの中で演奏されていく、というのは

                  あなたベートーベン時代のピアニストですか?
                  あ、名前はチェルニーさん?
                  すみません、リストさんのご関係者?

                  私は、現代音楽擦れしたイヤな客なので
                  (自分は何もできないクセに、人に文句垂れるのは好きという
                   救い難いキャラです、すみません)
                  サーカス的に、すごいな、即興・・・とは思っても
                  音楽的に擦れ擦れになっていて
                  現代音楽も好き、というイヤな奴なので
                  普通にエンターテイメントとして
                  何か聴いた事のあるメロディを繋げて繋げて展開させて、というのは
                  あまり・・・面白くない。

                  途中でぶっ飛んで現代音楽のアトナールの世界に入って
                  遊んで転んで、何喰わぬ顔してトナールに戻ってくる
                  ・・・とかだったら大喜びなんだけど(すみません、文句多くて)
                  (だから割にファジル・サイとか好きです)

                  こういう即興演奏したピアニスト
                  過去にも聴いた事がある、と調べてみれば
                  同じピアニストを2009年5月16日に聴いてるわ(笑)

                  しかもこの人、たぶん、即興がむちゃくちゃ好き。
                  続けて、もう一曲、即興やって
                  とうとう、前半が終わったのが20時50分。

                  ワタクシは本日は
                  後半のジョン・アダムスを聴きたくて
                  それ「だけ」のために
                  マイナス4℃の外に出て楽友協会に来ているのに

                  聴きたくもないグリークのピアノ協奏曲の後に
                  即興演奏2曲も聴かせられて
                  いや、サービス精神満々で、そりゃ良い事なんだけど
                  これ、コンサート終わるの22時になっちゃうじゃない(涙)
                  (↑ コンサートはできれば休憩挟んで2時間で終わって欲しい)

                  幕間の後に
                  何でこの人たち、ここに居るの?という観光客は
                  半分以上いなくなって(賢明、賢明)

                  楽しみにしていた、ジョン・アダムスの「和声学」

                  自慢しちゃうが
                  この楽友協会に今日来ている聴衆の中で
                  プロとセミプロ(=音楽を専門に学業した人)以外で
                  この曲を、10回くらい聴いてから来ました、というのは
                  たぶん、私以外にはいないんじゃないかと思う。
                  (意外にいたらどうしよう・・・・(笑))

                  大編成オーケストラで
                  大音響で始まるこの曲の圧倒的な面白さって
                  ミニマル・ミュージック的なリズムの繰り返しに
                  ジョン・アダムスに特有の
                  長いボーゲンでの不思議なメロディが重なっていって
                  突然、思いがけないところに飛ばされてしまうところにある(と思う)

                  ワーグナーのパルシファルが頭にあるからかもしれないが
                  第2楽章の前の最初の楽章にしてからが
                  既に非常にワーグナーっぽい感に満ちてるじゃないの。

                  ただ、この指揮者
                  楽友協会の音響を知ってか知らずか
                  容赦なくオーケストラを鳴らすので
                  時々、むちゃうるさくなる。

                  金管の音が大きいのは当たり前の事で
                  それが大編成で迫ってくる部分で
                  巧くバランス取らないと
                  他のパートが全然聴こえなくなってしまうじゃないの。

                  第2楽章のアンフォルタスの傷は
                  大音響があまりなくて
                  指揮はリズムを取るのに徹しているのだが
                  ソロの楽器がとても良くて

                  甘くならず、でもペーソスに満ちて
                  グッと掴まれる気分。

                  ああ、そう言えばこのオーケストラ
                  何ヶ月か前にジョン・アダムスのドクター・アトミックを演奏したんだっけ。

                  あの曲も金管の長いソロがあって
                  何とも悲哀に満ちた良い感じだったんだよね。

                  第2楽章から第3楽章へはアタッカで続けたのだが
                  第2楽章の最後のピアニッシモのところで
                  何故か客席から、結構大きな話し声が聞こえてきて
                  ちょっとシラケた、というか
                  オーケストラに動揺が走る。

                  アタッカで続けた第3楽章は
                  この曲の中では、最もリズミカルな章なのだが
                  その分、オーケストラも指揮者もタイヘン。

                  聴く方は全然タイヘンじゃないのだが
                  ぜいぜい言いながら(比喩です)
                  必死に演奏しているオーケストラを聴いているだけで
                  何となく必死さが伝わって来て、ちと疲れる。

                  最後は盛り上がって盛り上がって終わる・・・はずなんだけど
                  ちょっとオーケストラが息切れした(笑)

                  指揮者がずっとスコアに目を落としつつ
                  変拍子を正確に振っていて
                  オーケストラは指揮者なんかハナから無視で
                  崩壊しそうなリズムを
                  見事に崩壊せず、しっかりと抑え切って
                  こういうところって、ウィーン放送交響楽団の凄いところ。

                  ただ、ワタシとしては
                  既にこの曲、ハード・ローテーションで聴いていたので
                  録音以上の立体的な音響とか
                  録音で潰れている部分の音のクリアさとか
                  そういうモノを期待して行ったんだけど

                  今の録音技術って、ものすごく優れているのか
                  もともと私には芸術性もリズム感も、聴く耳も
                  ついでに感受性もないので何も感じなかったのか
                  別にこれなら、録音で聴いただけでも良かったかも。

                  いや、これ、時々現代音楽に有り勝ちな現象で
                  スタジオ録音の方が良かったかも、というのがある訳で
                  ウィーン放送交響楽団の演奏は見事でした(たぶん)

                  まぁ、変に期待を抱き過ぎっていうのもあっただろう(反省)

                  しかしジョン・アダムスの曲って
                  聴けば聴く程、魅力的というより
                  不思議な曲だなぁ。
                  単純なようでいて複雑
                  ドライなようでいてウエットという
                  相反する要素を、ギッシリ詰め込んで
                  一筋縄ではいかない。
                  ついつい、聴きたくなる魔力がある。

                  終わって出たらマイナス5℃くらいになっていて
                  まぁ、その分、自宅でも外でも
                  暖房はガンガン効いているので
                  あまり寒さを感じていない私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  そう言えば
                  私は「パルシファル」と読んでしまうし
                  実際、パルシファルと言ってしまうのだが
                  これはオーストリア訛りで
                  ドイツのドイツ語であれば
                  パルジファルと発音する
                  ・・・んだと思う。オーストリア人、みんなパルシファルと言っている(笑)

                  ウィーン放送交響楽団 + マルクス・シュテンツ

                  0
                    ORF Radio Kulturhaus Großer Sendesaal 2017年1月26日 19時30分〜20時50分

                    ORF Radio-Symphonie Orchester Wien
                    指揮 Markus Stenz
                    Klassische Verführung

                    数ヶ月に1回
                    オーストリア国営放送の放送ホールで行なわれる
                    クラシックへの誘い・・・というより

                    字義通りに訳したら

                    「クラシックな誘惑」(=伝統的誘惑?)

                    洒落のつもりかもしれないけれど
                    オーストリア人のジョークのセンスって(以下省略)

                    ウィーン放送交響楽団友の会に入っているお陰で
                    届くニュース・レターに
                    マルクス・シュテンツ指揮で
                    パフシファル序曲と
                    ジョン・アダムスの和声学は
                    どこに共通点があるか

                    なんて書いてあって
                    あっ、これ、面白そう♡
                    即サイトに入ったら、ガラガラで
                    席は選び放題。

                    今やどのサイトにもある
                    Print@home を利用して正規料金で1枚買った後

                    ニュース・レターをもう一度最後まで読んだら
                    抽選で2名さまご招待と書いてあって

                    あっ、しまった(汗)

                    でも私、体質的に懸賞とか賭けに当たった事がないので
                    まぁ、良いかと思っていたら

                    その2日後に
                    同じウィーン放送交響楽団友の会から
                    会員にはチケット50%割引、というメールが入ってきて
                    一瞬、失神しそうになった。
                    (だってチケット27ユーロですよ、27ユーロ!!!
                     半値だったら13ユーロ50セントの得。
                     外食1回できる・・・というかオペラ1回行けるじゃん(号泣))

                    前置きが長かったので
                    これで今日は終わりにする
                    ・・・と書ければ
                    読者はホッとするだろうが

                    しつこいのよ、ワタシ。
                    ついでに、これ、自分の記憶力のなさを補うものなので(言い訳)

                    さて、50%割引まで打ったというのに
                    ホールはかなりガラガラで
                    私がチケット買った時ほどガラガラではなかったので
                    それなりに友の会の人が買ったとは思うんだけど
                    私が座った後ろの方の席はガラガラ。

                    ライブ放映かと思ったら
                    (それにしては時間があまり厳密じゃない)
                    ライブじゃなくて収録だったみたい。

                    パルシファルとワーグナーの話があって
                    指揮者が出て来て

                    ワーグナーは
                    ちょっとでも心のある人なら
                    心の中に大いなる感動を呼び起こす音楽です

                    と、のたまわった。

                    パルシファルという楽劇
                    シーズンものだし、一度は観ておくべきかと
                    ずいぶん昔にチケット買ったら
                    間違えてえらく高いチケットを買ってしまって
                    国立オペラ座に行った事がある。

                    パルシファルがパルシファルだと明かされるまでに
                    いったい何時間待たせるんだ!!!と
                    あまりの長さに気が遠くなった事と

                    クンドリ役のデノケの胸がしっかり見えた事と
                    クリングゾル役のバンクルが半裸になって
                    歌うたびにお腹に書かれた十字架が
                    異様に動くのから目が離せなかった、という記憶しかない。

                    アホです、どうせ。感受性ないし(開き直り)

                    リングやトリスタンとイゾルデからは逃げまくっているが
                    これは、短縮バージョンとか
                    色々とコンサートで取り上げられる機会も多いので
                    まぁ、ライトモチーフとかは多少なりとも聴いている。

                    パルシファルはその後、逃げまくって
                    全く聴いていなかったので
                    序曲と変身の場面(そんなのありましたっけ?)を続けて聴いても

                    いや、「心のない」冷たい人間だからかもしれないが
                    ホールが小さいので
                    ああああっ、金管がウルサイですっ!!!
                    としか感じなかったので、ごめんなさい(お辞儀)

                    しかし小さなホールで大編成オーケストラで
                    しかも後ろの席だったので
                    真っ直ぐ飛んでくるトランペットが
                    まるで矢のように突き刺さって
                    聖剣の刺さったアンフォルタス・・とは言いませんが(笑)

                    パルシファルの後
                    また司会の2人が出て来て
                    ジョン・アダムスの解説。

                    ジョン・アダムスの「和声学」の第2楽章
                    ちゃんとタイトルが「アンフォルタスの傷」とついている。

                    和声学はシェーンベルクの12音技法に行く直前の著作だそうで
                    ジョン・アダムスはシェーンベルクの技法に対決するもの
                    あるいは、全く反対の解決を提示しようとして
                    この和声学という曲を作曲した、という話が出て

                    ワーグナーのパルシファルのアンフォルタスの傷は
                    芸術家が持つコンプレックスという深い傷を象徴し
                    更に途中でマーラーの交響曲10番のモチーフを取り上げている
                    という話は、かなり納得できるところ。

                    和声学の第2楽章の演奏。
                    ホールが小さいのに大編成オーケストラで
                    しかもかなりすごい音量と言うのは
                    残念ながら、音響効果としては、あまり良くない。

                    トランペットのソロは良かったんだけど
                    全体の音響に丸さが欠けていて
                    鋭くなってしまうので
                    でかい音、という印象だけが残ってしまう。
                    (特にマーラーもどきの大音響が・・・)

                    良いんだもん
                    このコンサート、ちゃんと楽友協会でのチケットは持ってるし
                    楽友協会の大ホールで聴いたら
                    絶対に全く違う印象になる事はわかっている。

                    最後に第3楽章の演奏までしてくれて
                    (まぁ、これは派手に終わる)
                    ラジオ番組収録なら1時間くらいか、と思っていたら
                    幕間なしに、しっかり1時間30分、聴かせてくれたので
                    チケット入手の時の怒りは忘れてしまった(笑)

                    ジョン・アダムスについて
                    どんな解説を聞いても、いつも
                    フィリップ・グラス、スティーヴ・ライヒと共に
                    ミニマル・ミュージックの創始者と言われているが

                    フィリップ・グラスの作品や
                    スティーヴ・ライヒの作品も知ってるけれど
                    ジョン・アダムスの作品って
                    他の2人とは全然違うように思えるんだけど。

                    グラスのようなモチーフの繰り返しも
                    あまり目立たないし(時々はある)
                    ライヒのようなリズムずれ感もないし
                    かなりロマンティックな
                    長いボーゲンでのメロディがテンコ盛りだし。

                    ミニマル・ミュージックだと
                    グラスも好きだし(バレエでも使われている)
                    (日本では一時リラックス・ミュージックとして流行ったらしい)

                    スティーヴ・ライヒはローザス・ケースマイクルがよく使っていて
                    ミニマル・ミュージックの最初の曲と言われる
                    テリー・ライリーの in C は
                    時々、無性に聴きたくなる時がある。

                    そんな訳で、割に聴き慣れているジャンルだと思うんだけど
                    ジョン・アダムスの曲って
                    その中でも特殊な感じがする。
                    (第一、聴いていても全然リラックスしない(笑))

                    ジョン・アダムスの「和声学」は
                    マイクル・ティルソン・トーマスと
                    サンフランシスコ交響楽団の Keeping Score シリーズの DVD を買った時
                    アメリカ音楽の CD を一緒に買った中に入っていたので
                    ハード・ローテーションで聴いてはいたのだが

                    何せ記憶力ゼロなので(涙)
                    (まぁ、あの曲を暗記できる程聴いても
                     何か良い事があるとは、あまり思えないけど(笑))

                    本コンサートは土曜日。
                    指揮者から「心がない聴衆」とか思われないためにも
                    ちょっとパルシファルの序曲と変身(そんなのあったっけ?)を
                    どこかで引っ張り出して
                    少しは予習しておこうと
                    堅く決心している私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。





                    ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2016年11月27日 11時〜13時

                      ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                      指揮 Cornelius Meister
                      チェロ Harriet Krijgh

                      Brett Dean (*1961)
                       “Komarov’s Fall” für Orchester
                      Dmitrij Kabalewskij (1904-1987)
                       Konzert für Violoncello und Orchester Nr. 1 g-Moll, op. 49
                      Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                       Symhonie Nr. 3 D-Dur, op. 29

                      ウィーン放送交響楽団の定期
                      珍しくも日曜日の11時から。

                      プログラム見た時には
                      チャイコフスキーの交響曲か、と何も考えずにタカを括っていたら
                      え? 3番? 3番って、聴き込んでないぞ・・・と
                      直前に焦り狂ったら

                      ツィッターのバレエ・オタク仲間から
                      バランシンのダイヤモンドの音楽です、と教えてもらった(笑)

                      最初のブルット・ディーンの曲は
                      ソユーズ1号のウラジミール・コマロフのケースをテーマにしたもの。

                      以前のグラーフェネックの時に聴いた時も
                      このディーンと言う作曲家って
                      音楽で語る力がむちゃくちゃ強いな、と思ったが
                      (以前は「12人の怒れる男」を音楽で語っちゃった)

                      このコマロフのケース
                      あまりに表現がリアルすぎて、ちょっと背筋が寒くなる。

                      宇宙空間に放り出されたような
                      ほんの少しの弦の微音から始まる曲は
                      コマロフの絶望、妻との交信から
                      最後の大気圏突入まで
                      まるで一遍の映画を見ているかのようにドラマチック。

                      すごいな、ここまでやると
                      音楽の範疇を越えているかもしれない。
                      (ちゃんと音楽です(笑)
                       響きが実に精密に計算されている。たいしたものだ)

                      さてチェリストのハリエット・クリーフだが
                      1991年生まれ、今年26歳の若手なのに
                      何故か今シーズンから
                      楽友協会で自分のチクルスまで持っているという

                      何か後ろに大きな力でも・・・(邪推)

                      カバレスキのチェロ協奏曲については
                      ノーコメント。
                      そりゃ、巧いですよ。
                      でも初聴きだし、何か感じるほどのモノも(以下省略)

                      アンコールの1曲目が
                      ダブル・トリプルボーゲンを多用した
                      技術的には難しい曲を、軽々と弾いてくれたから
                      そりゃ、すごい人だと思う。
                      美人だし金髪だしスタイル良いし(笑)

                      さて、最後のチャイコフスキーの交響曲3番。
                      バランシンのジュエリーのうちのダイヤモンド。
                      (既に頭の中はオーケストラじゃなくてバレエになってる(笑))

                      マリイインスキーの公演が
                      オーストリア国営放送との共同で
                      公開されているので
                      バレエ・ファンの方は是非ご覧下さい。



                      30分以上あるので、ご覧になる方は覚悟して(笑)

                      ウィーン放送交響楽団は技巧のあるプロフェッショナル集団で
                      現代音楽から映画音楽まで何でも演奏しちゃうので
                      チャイコフスキーの割にマイナーな曲も楽々。

                      しかも指揮のコルネリウス・マイスター
                      またもや暗譜だよ(驚愕)
                      この人、チャラチャラして見えるけれど
                      実はものすごい才能がある上に努力家だよね。

                      派手で華があって
                      チャイコフスキーらしいメロディがあちこち一杯で
                      実にゴキゲン、最初から最後まで楽しい曲で
                      ついでに頭の中にバレエまで出現するとあれば
                      これはもう、最高の時間。

                      派手な曲なので
                      どうしても多少なりともニュアンスが欠けていて
                      一本調子になったり
                      音の重なりが、ちょっとお団子になっちゃったり
                      でも、それがチャイコフスキーの良いところでもある。

                      ちょっと粗かったなぁ、と思わせるところはあったけれど
                      リハーサルの時間だって限られているだろうし
                      ウィーン放送交響楽団って
                      後にも先にも1回しかコンサートないし
                      (これは本当に残念。
                       他のオーケストラみたいに
                       同じプログラムで少なくとも2回、できれば3回あれば
                       ずいぶん演奏のクオリティも変わってくると思う)
                      ちゃんと聴かせる華やかな演奏になっていたから
                      至極満足 ♡

                      お昼をガッツリ食べて
                      これから、またもや楽友協会に向かう私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      このコンサートで最も印象的だったのは
                      やっぱり最初のディーンの曲だった。
                      現代音楽、時々、こういうのがあるから止められない。

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