ウィーン放送交響楽団 + オールソップ

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    Radio Kulturhaus Wien Großer Sendesaal 
    2020年10月21日 19時30分〜20時30分

    Gustav Mahlers Blick auf Schumann
    Schumanns Symphonie Nr. 3 Es-Dur op. 97 „Rheinische“
    mit Instrumental-Retuschen von Gustav Mahler

    ORF Radio-Symphonieorchester Wien
    指揮 Marin Alsop

    司会・解説 Christoph Becher, Teresa Vogl

    熱心な読者はご存知の通り
    楽友協会で予定されていたロイヤル・ストックホルム管弦楽団のキャンセルで
    大急ぎでプログラムを調べていたら

    ラジオ・クルトゥーア・ハウスでの
    Klassische Verführung クラシックへのお誘いで
    ウィーン放送交響楽団のコンサートがあった \(^^)/

    題名でお分かりの通り
    ローベルト・シューマンの交響曲3番ラインに
    グスタフ・マーラーが手を入れた曲の演奏。

    最初にウィーン放送交響楽団のインテンダントのベッヒャーと
    文化担当アナウンサーのテレサ・フォーゲルが、曲の解説。

    普段だったら、あ〜、もう知ってる事だから別に、と
    斜に構えてしまうのだが

    2000カ所も加えたマーラーの加筆箇所のいくつかを
    オーケストラの演奏付きで聴かせてもらえるなんて・・・

    まずはシューマンのオリジナル
    その後、何処を変えたかについての説明があって
    マーラーの編曲版。

    うわあああ、しかも、こういう断片を
    オーケストラのライブで聴けちゃうなんて(感涙)

    音楽の才能ゼロ、記憶力はほとんどゼロ
    感受性ゼロの私なのだが
    確かに解説聞いてからマーラー版を聴くと
    あ、あは、あはは、ここか 💡

    モチーフの繰り返しを
    木管から金管に移して強調したり
    強弱記号やフェルマータでニュアンスを弄ったり
    ホルンに弱音器を付けて演奏させてみたり

    マーラー自身は、曲を変えようというのではなく
    もっとクリアに、効果的に、というのを狙ったようだ。

    当時はリヒャルト・ワーグナー全盛期で
    ワーグナーのコテコテのオーケストレーションに
    音楽家が、みんな大騒ぎしていた時期なので
    (少ない例外もいます(笑))

    シューマンのオーケストレーションが
    あまりに素朴だろう、という事で
    現代の(=その時代の)聴衆の好みに変えるという意図があったらしい。

    演奏される機会は珍しいのだが
    実は私は何年か前に
    シャイーとゲヴァントハウス・ライプチヒが
    楽友協会で、このマーラー編曲版のシューマンを
    全曲演奏したのを聴いた事があり

    その時、あまりに面白かったので
    CDも買っちゃったりして f^_^;

    シューマンのオリジナルのスタディ・スコアは持っているが
    マーラーの編曲版までは、もちろん持ってない。
    (マーラーの版権は、まだ消えていない)

    耳だけで違いがわかる程、音楽的能力は持っていないが
    時々、オリジナルと違う箇所が目立ったりすると

    わっはっは、マーラーが真剣に遊んでいる

    ・・・いや、本人はきっと遊んでいると思っていなかったと思うけど
    これ、とんでもなく楽しい作業だったのではないか。
    手を入れながら、ニヤニヤ満足そうに楽譜を見ている
    マーラーの顔が思い浮かぶようだ(妄想爆発中)

    第1楽章、第2楽章、最終楽章(2つの部分に分かれるけど)
    いくつかの部分を、解説付きで
    シューマン版、マーラー版を聴いた後

    最後にマーラー編曲版シューマンの交響曲3番を通しで演奏。

    オーストリア国営放送の大ホールは
    実は、かなり音響が良い。
    (そりゃ録音用ホールだから悪いわけがないんだけど)

    観客は、年配のクラシック通みたいな人が多くて
    多少の年配カップルに有り勝ちな小声のお喋りはあるけれど
    咳とかする人いないし、全体的にマナーは良い。

    COVID-19予防の規制で
    隣の席は空いているし
    このホールの椅子はレザーで、ふかふかで
    幅も広い上に、座るところも深くて
    もちろん、全く軋るなどの雑音もない。

    いやもう、すみません、これ、天国だわ ♡
    (あまりに天国過ぎて、第1楽章の途中で意識不明になった。
     オーケストラから見えていたかも・・・ごめんなさい)
    しかも、やっぱりマーラーの編曲版、絶対に面白い。
    途中で、ついついニヤニヤしてしまう。

    ウィーン放送交響楽団の次のコンサートは
    楽友協会でヘンツェのオーストリア初演曲と
    シューマンの交響曲4番。
    (楽友協会のサイトには記載されていないが
     これも、マーラーの編曲版。
     知らない人が来たら、びっくりするかも(笑))

    オールソップは手元に紙を用意して
    インタビューにドイツ語で答えていて
    「こういう編曲版を演奏する、というのは
     どう思いますか?」と聞かれ
    「私はヘンデルのメシアのジャズ版を指揮した事もあります。
     その時々の聴衆や社会的な要素で、音楽が変わる事もあると思います。」
    との事。(メシアのジャズ版って何だ?それ、聴いてみたい(笑))

    有名な音楽に手を加えるなんて
    中世の頃から、みんなやっていたし
    ベートーベンだって、人のモチーフ使って
    バリバリの自分の変奏曲を作曲しているし
    版権のなかった頃はやりたい放題だったし

    それにオリジナルも残り
    マーラー版も残り
    そのうち、ジャズ・バージョンとか(いやそりゃ無理だろ(笑))
    それも、時代の流れとしては面白い。

    日本大使館からのメールによれば
    21日15時の時点で24時間で2411名の新規感染者
    ウィーンで、前日比で+692名。
    入院患者数、集中治療室での患者もどんどん増えていて
    死亡数は925名になった。

    お隣のチェコは24時間で12000人の新感染者が出て
    このままだと、11月初旬に医療崩壊が起きる危険性があるとの事で
    明日、10月22日からロックダウンに入る。

    オーストリアも、感染者の数はどんどん増えていて
    いったい、どこで感染するのか
    (家庭内とかプライベートが多いらしいが)
    もう、本当にワケがわからなくなって来ている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    この Klassische Verführung って、1時間で収めているので
    ラジオで放送するのかと思っていたんだけど
    ラジオテークで見つからない・・・
    見つかったら、もう一度、聴いてみたい。
    聴き比べ(しかもナマのオーケストラで)って滅多にないチャンスだし。

    ウィーン放送交響楽団 + オールソップ

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      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年10月16日 19時30分〜21時30分

      ORF Radio-Symphonieorchester Wien
      指揮 Marin Alsop

      Hans Werner Henze (1926-2012)
       Los Caprichos. Fantasia per orchestra (1963)

      Gustav Mahler (1860-1911)
       Symphonie Nr. 5 (1901-02)

      久し振りのウィーン放送交響楽団。
      楽友協会ではウィーン・フィルとゲルギエフが
      演奏しているはずだが
      それは土曜日・日曜日・月曜日に行くから良いのである(わはは)

      オールソップの誕生日なので
      オーケストラが、演奏前にハッピー・バースディでもやらないかな
      ・・・と思っていたけれど、やらなかった。

      後でチェックしたら
      オーストリア国営放送ラジオ1番でライブで放送していたので
      あ〜、そりゃハッピー・バースディは無理だわ(笑)

      さて、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェが
      フランシスコ・デ・ゴヤの絵画シリーズ
      Los Caprichios のうち、何枚かの版画を題材とした曲。
      コンツェルトハウスで演奏されるのは初めて。
      全部で9タイトルあるが、継ぎ目なしで演奏される。

      舞台上には大編成オーケストラ。
      ピアノもチェレスタもある。

      なのに、出て来る音が、すごく繊細。
      透明感があって、解像度が高い。
      ヘンツェって、もっとコテコテしたオーケストレーションじゃなかったっけ?
      (ペンデレツキと間違えているかもしれない・・・)

      絵そのものは見ていないので
      (くそ、こういうのは本来は予習すべきかも)
      音楽が語る内容そのものは
      私の主観的偏見で、むちゃ歪められているとは言え
      色彩感がすごくて(註 もとになったのは版画なので色はない)
      音楽の中にドラマがあって

      絵は、色彩と構成と質感による
      静的な世界だけれど
      音楽はリズムと周波数と、音色と
      時間の流れで作られる動的な世界で

      その意味では、音楽が表現できる範囲って
      絵画よりも大きいような気がする。
      って、だからこそ、映画音楽のような
      静的な絵が連続する事によって
      音楽と同じ「時の流れ」を手に入れたものに
      音楽がよく合うわけだ。

      妄想に駆られながら
      そんなアホな事を考えていたのだが

      絵を題材にした音楽作品って
      結構あるんだけど(まぁ、有名なのはムソルグスキーだが)
      絵の表現と、音楽表現とが
      何か一致する法則とか言うのはあるんだろうか(ないだろう(笑))
      時代ごとに分けて考察するなら
      いくつかの曲を選んで
      絵の分析と一緒に音楽分析して比べたらどうだ?(意味がない、たぶん)

      でもヘンツェの音楽が、こんなに美しいとは知らなかった。
      交響曲のCDとか持ってるはずなので
      (すみません、まだ聴いてません・・・・)
      ちょっと、きちんと聴いてみよう。

      さて、幕間が終わって
      観客が席に着いて
      オーケストラも準備万端で舞台上に揃っているのに
      いつまで経っても、会場の照明が暗くならない・・・

      何故、こんなに待たせるんだろう、と
      不審に思っていたが
      帰宅して、ラジオのオン・デマンドを聴いてみたら
      幕間に、延々とヘンツェの話をしていて
      ご丁寧にヘンツェの作品の
      他のオーケストラでの演奏を流したりしていた。

      ・・・誰だ、こんな脚本を書いたのは。
      まぁ、放送交響楽団というのは
      本来、ラジオ放送のためにあるので
      ライブのラジオ放送に合わせなければならないのは
      至上命令なのは仕方がないが。

      マーラーの交響曲5番。
      マーラーそのものが、かなり久し振りな気がする。
      (オーケストラが大編成だから・・・)

      遅めのテンポで、重苦しい感じでの埋葬行進曲。
      ここまで重苦しい印象って、珍しい。
      一歩一歩を引き摺るかのような歩みで
      低音が強めに響いて、陰鬱な悲しみが圧倒的だが

      音楽的には、各パートの解像度が非常に高く
      ポリフォニーがクリアに聴こえて来るのが面白い。
      オーケストラ内のバランスが抜群に良いのだ。
      ポリフォニーを効かせても、印象がバラバラにならず
      メロディ・ラインの繋がりが滑らか。

      これ、面白い。
      まるで、マーラーの交響曲5番を
      全て分解して、パーツに分けた後に
      各パートを磨いてピカピカにして
      レゴのように、再編成したような印象を受ける。

      かと言って、透明感やポリフォニーのみの強調で
      冷たい分析的な感じがするかと言うと
      重いリズムや、激しいダイナミック
      徹底的に考えられて計算され尽くしたような
      絶妙のアゴーギグで
      曲そのものに秘められた感情が
      しっかり湧き上がって来るように感じる。

      スコアの隅々まで
      徹底的に、理性的に読み解いているだろう、これは。
      その理性的な音楽の作り方は
      聴衆にもわかるのだが
      理性によって、理性では割り切れない感情まで
      音楽に乗せてくるところには息を飲んだ。

      愛も、悲しみも、慟哭も
      ここまで計算され尽くして表現できるのか・・・
      しかも、計算尽くなのに
      それを感じさせない、と言うか
      メタな部分に自分はしっかりと留まって
      客観的観点を失わないところまで、よくわかる。

      そんな風に感心して聴いちゃう自分もヘンだけど
      私がヘンなのは、今に始まった事ではない(開き直り)

      何回も何回も聴いた曲だけど
      こんなに新鮮に聴こえてくるのは珍しい。

      オールソップ、やっぱり好き。
      すごく理性的でありながら
      その理性を隠し通せるだけの賢さがある。

      コンツェルトハウスは、観客数を制限していて
      席のチェックまでしているし
      ウィーン放送交響楽団のチクルスに来る客層は
      比較的、現代音楽慣れしている人たちが多いので
      本日の客席マナーは、かなり良かった。

      咳き込みもないし、みんな静かで
      かなり集中して聴いていて
      雰囲気としても最高だし
      マーラーの交響曲の音響は
      コンツェルトハウスの大ホールに徹底的に合っている。

      もともとはベートーベンの交響曲9番を予定していたコンサートらしいが
      いやいや、ヘンツェとマーラーで良かった。
      (というより、ベートーベンの9番だったらチケット買ってないかも)

      日本大使館からのメールだと
      本日の新感染者数1737名、うちウィーンが514名。
      インスブルックとその周辺
      低地オーストリア州と高地オーストリア州の一部の
      コロナ信号が赤になり
      地域によってはシャットダウンに近い措置を取っているところも出た。

      ウィーンは、まだコンサートもオペラも演劇も
      観客数を絞って続いてはいるし
      政府としては、できる限り、ロックダウンは避けたい方向だが

      いつまた、突然の劇場閉鎖になるかはわからないので
      せっせと通っているコンサートの
      一回、一回が愛おしいし、楽しい・・・

      マスク着用したままで
      コンサートを聴くのにも
      何となく慣れてきて
      化粧もアイメイクしかしなくなってしまった私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      ウィーン放送交響楽団 + オールソップ (公開リハーサル)

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        ORF Radiokulturhaus Großer Sendesaal 2020年10月7日 19時〜19時50分

        ORF Radio Symphonie-Orchester Wien
        指揮 Marin Alsop

        Jorge Enrique López: Disparates (2004-2006)
        Kaija Saariaho: Chimera (2019)

        Öffentliche Probe

        ウィーン放送交響楽団友の会の会員になっているのは
        もちろん、オーケストラを応援したい、という
        真面目な意図もあるのだが

        それよりも、時々ご招待が来る
        このオーケストラのリハーサルが楽しみだから
        という動機の方が強い。

        今回はウィーンで行われるコンサートのリハーサルではなく
        グラーツでのコンサートで演奏される
        現代音楽の新曲のリハーサル。

        このご招待の良いところは
        ゲネラル・プローべではなく
        本当に本当にオーケストラのリハだという事。
        よって、指揮者の指示もちゃんと出るし
        曲が出来上がっていくプロセスを
        しっかりと体験できる。

        通常だったら、知らない曲のプローべは意味がないので
        少なくとも音源探して、聴き込んで
        指揮者の言う事を一言も聞き逃すか、と言う
        悲壮な決心で行くのだが

        今回は現代音楽なので
        どこを探しても音源はないし
        スコアの入手も不可能。

        COVID-19 のせいで、人数制限が厳しいのだが
        現代音楽の時に喜んで来る人は少ないので
        席にかなり余裕はあった。
        もちろん、通常と違って、席は指定で
        名前と席を書いた紙が用意されていた。

        さて、ハバナ生まれでオーストリア国籍の作曲家ロペスの作品も
        私の読者には、既にご存知の人も多い、カイヤ・サーリアホの作品も
        ベートーベンをテーマにしたものである。

        ベートーベンをテーマと言うなら
        ヴィドマンのアレグロ・コン・ブリオは何回も演奏されているが
        今日の作品は、私は普通のコンサートで聴いた事はない。

        まずはロペスの作品から。
        最初は、如何にも普通のトナールのベートーベン・メロディから。
        あ〜、アルフレッド・シュニトケ風味なのね(笑)

        ただ、シュニトケよりも急速にアトナールに移動する。
        アトナールというよりは
        たぶん、これ、ベートーベンのモチーフの断片化ではないか
        と思うのだが
        それは楽譜を前にして、分析しなければ結果はわからない。
        (分析しようにも、シロウトに楽譜は入手できないので
         ちょっと分析できそうな事を書いちゃったが
         私の能力では、間違いなく無理です・・・)

        作曲技法として、ウィキの記述によれば
        カールハインツ・シュトックハウゼンと
        イアニス・クセナキスの影響を受けているようなので
        断片化と再編成については、たぶん、そう間違ってはいないと思うけど。

        最初のあたりにオールソップが細かい手を入れて
        フルートの音色のバランスなどを確認したりしてから
        通しで演奏した(と思う、聴き方が間違っていなければ)

        サーリアホの作品は1分くらいの作品との
        簡単な解説があって
        オールソップが観客の方を向いて
        「今日、初めてリハーサルする曲なんです」

        プロって凄いな、と思うのは
        こういう「初めて演奏する作品」が
        最初から、既に形になっているところ。

        で、今度はサーリアホらしい
        パステル色の音の雲の中に
        ベートーベンの交響曲1番(だよね?2番かもしれないけど)の
        フラグメントが
        ヒョコっと顔を出したり隠したり

        あっ、だからタイトルがキメラなんだ!!!
        と後で自宅で調べてみて、ストンと納得。

        ロペスもサーリアホも
        ベートーベンをネタにして
        思い切り遊んでないかこれ?(笑)

        ざっと通して、何と1時間を切ってリハーサル終了。
        時間目一杯、喋ってやる指揮者も居る中で
        オールソップの指示は簡素で明確なので
        確かに非常に効率が良い。

        リハーサル時間が短い指揮者は
        オーケストラのメンバーには絶対にウケが良い(と思う)

        コロナ前は、その後、スパークリング・ワインが振る舞われたが
        私は、このスパークリング・ワインのお振舞いには
        参加した事はないので
        (1人でアルコール飲んだって意味ないし・・・)
        今回はコロナの関係で懇親会はありませんって言われても

        だいたい、懇親会と銘打っていたけれど
        オーケストラのメンバー、リハの後はさっさと帰るので
        あまりスパークリング・ワイン飲んで
        観客とお喋りする人はいなかったよ?
        (家族や知り合いが来ていたら別だけど
         今、私、残念な事にこのオーケストラに知り合いはいない)

        この「友の会限定」の公開リハーサル
        夜の予定を目一杯入れている私は
        なかなか行く機会がなかったのだが
        久し振りに聴けて面白かった。

        現代音楽なので
        前の席で、しょっちゅうクスクス笑っている
        年配のお2人連れもいらしたけれど
        笑えるのも、音楽鑑賞の一つの方法だから
        (というか、実は私もちょっと吹き出しそうになったりしていたので)
        色々な鑑賞方法があるよね、と思った私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        ウィーン放送交響楽団 + オールソップ

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          Schloss Grafenegg Wolkenturm 2020年8月21日 19時30分〜20時30分

          ORF Radio-Symphonieorchester Wien
          ソプラノ Camilla Nylund
          指揮 Marin Alsop

          Samuel Barber (1910-1981)
           „Knoxville, Summer of 1915“ op. 24 (1947)

          Robert Schumann (1810-1856)
           Symphonie Nr. 3 Es-Dur op. 97 „Rheinische“ (1850)
           Arrangement: Gustav Mahler

          幸運な事に天気は落ち着いていて
          30℃を越えていても、湿気が低いので
          そこそこ快適。
          野外コンサートには最適な日。

          ウィーン放送交響楽団、お久し振り ♡
          友の会設立時からのメンバーなんだけど
          割りに聴くチャンスが少なくて
          オールソップの首席指揮者就任以降
          ほとんどお目にかかっていない(ごめんなさい)

          オーストリアは厳しい入国制限を課しているが
          ビジネスであれば入れるので
          オールソップが来てくれて嬉しい。

          さて、本日は比較的、地味なプログラム。
          カミラ・ニュルンドだって超有名には違いないけれど
          サミュエル・バーバーは
          私の知っている限りでは、ほとんどこちらでは演奏されないし
          されるとしても、例の有名なアダージョくらい。

          コンサート前にオールソップがマイクで挨拶。
          私の国の曲を皆さまの前で演奏できるのは嬉しい、と
          ちゃんとドイツ語でアナウンスしたのには好感が持てる。
          続けて、カミラ・ニュルンドが、歌詞と内容の説明。

          プログラムが週末1サイクル(3回〜4回分)をまとめたものなので
          残念ながら歌詞がプログラムに記載されていないので
          ちょっとした解説は助かる。

          英語だし、ソプラノだからほとんど歌詞は聞き取れないが
          ノックスヴィルの夏に
          少年が周囲の風景や音を感じ取って
          様々な事を考え始める、というような内容らしい。

          バーバーって意外に近代の作曲家なのに
          旋律が綺麗だし、音楽がとことん繊細で
          たぶん、アメリカ的文化背景があると
          郷愁を誘うような音楽なんだろうなぁ。
          夏の夕暮れの野外コンサート会場と
          こんなに雰囲気的に合う音楽も珍しい。う

          ニュルンドの声も美しい。
          オーケストラと混じって
          出しゃばる事もなく、強すぎる自己主張もなくて
          全体が、夕暮れの自然の空気の中に溶けていくようだ。

          どっか〜んと派手な仕掛けはない分
          地味な印象は否めないが
          オーケストラの音色も、透明感と
          空気を感じさせる軽さがあって
          野外会場のドライな音響の中では
          ああいうロマン派的な和声は不利だったと思うけれど
          その分、音楽のクリアさが前に出て美しかった。

          シューマンの交響曲3番「ライン」は
          今回はグスタフ・マーラー編曲版。

          プログラムに、オールソップが
          マーラーが手を入れた版は
          あちこちがさらにクリアになり
          作曲家2人が絡まって
          マーラーの手が入った事によって
          世紀末の作品としても解釈できる
          というような内容が記載されていた。

          悲しいド・シロートなので
          シューマン原典版の楽譜が頭の中に入っているワケでもないし
          マーラーだって、音響を補強したりしているのが中心で
          音楽そのものを変えている訳ではないから
          詳しく原典とマーラー版の比較を
          聴覚だけで云々できないので、悪しからず・・・(言い訳)

          マーラー版のシューマンは
          大昔、シャイーがライプチヒと楽友協会で
          全曲演奏した事があって
          あの時には、音色の違いにひっくり返っていたが
          (で、後でCDも買っちゃったという・・・)

          ドライな音響の野外音楽堂で
          しかも超安席なので、舞台正面ではなくて
          一番端の席なので
          音響として理想的とは言えないけれど

          オールソップの指揮だと
          確かに、シューマンとマーラーが
          一緒に曲の中に居るのがわかるような気がする。
          シューマンなんだけど
          音色がマーラーっぽいというか
          まぁ、所詮はシロウトの印象に過ぎないが
          残響が少ない分、全体がかなりクリアに聴こえて来て
          これはこれで面白い。

          いつも熱いコンサート・マスターが
          本日は、ますます熱い(笑)
          オーケストラって、本当に音出してなんぼというか
          何せ3月中旬から
          果たして大規模オーケストラを聴ける日が来るのか、と
          聴衆としても心配だったんだけど
          やっぱり大規模オーケストラのアンサンブルが聴けるのは
          有難いというか楽しいというか
          やっぱり音楽って、これよ、これなのよ、って感じ。

          オーストリアの新感染者も
          毎日300人くらいづつ増加していて
          うち、20〜25%くらいは
          外国で休暇を過ごした人が持って来ているんだけど
          (セルビア、コソヴォ、クロアチアあたりが中心らしい)

          休暇から戻った人には
          ウィーン市では無料のPCR検査を実施している。
          今年の休暇は外国に行かず
          オーストリアで過ごしましょう、とか盛んに言っていたけれど
          やっぱり、みんな、故郷に帰ったり(バルカン系出身の人が多い)
          海に行きたい(クロアチア大人気)とかで
          どんどん休暇に行って
          税金で賄っている無料のPCR検査を受けている状態だが

          だからと言って
          自分は我慢している(あるいは経済的にその余裕がない)のに
          危険を冒して外国で休暇取って
          ウイルス持ち込んで税金で検査してもらってる奴が多い・・・
          とか言う不満は、全く市民から聞こえて来ないのも
          オーストリア人の、ある意味、大らかなところなのかもしれない。

          明日の天気が夕方から崩れそうで
          果たしてコンサートできるのかちょっと心配だが
          グラーフェネック音楽祭が行われて
          本当に良かった ♡ と
          有難い気分で一杯の私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          派手さがほとんどない感じのプログラムなので
          本日は空き席もかなり目立ったけれど
          その分、本当に音楽好きな人が集まった感じ。
          こう言う、親密な感じのコンサート、すごく好きかも。

          ウィーン放送交響楽団 + マリン・オールソップ

          0
            Musikverein Großer Saal 2020年2月23日 11時〜13時10分

            ORF Radio-Symphonieorchester Wien
            指揮 Marin Alsop
            ソプラノ Julianne Banse

            Robert Schumann (1810-1856)
             Symphonie Nr.1 B-Dur, op. 38 „Frühlingssymphonie“
              Fassung mit Instrumentalretuschen von Gustav Mahler

            Hans Werner Henze (1926-2012)
             Nachtstücke und Arien nach Gedichten von Ingeborg Bachmann
              für Sopran und großes Orchester
               I. Nachtstück I
               II. Aria I, „Wohin wir uns wenden im Gewitter der Rosen“
               III. Nachtstück II
               IV. Aria II, „Mit schlaftrunkenen Vögeln“
               V. Nachtstück III

            Robert Schumann
             Symphonie Nr. 2 C-Dur, op. 61
              Fassung mit Instrumentalretuschen von Gustav Mahler

            ウィーン放送交響楽団に関しては
            友の会が出来た時からの初代会員なのだが
            チクルス持っていた時には
            他のコンサートとバッティングする日が多くて
            まぁ、ゲスト・オーケストラとかの時と違って
            バラバラでもコンサートのチケットは買えるだろう、と
            チクルスを解約してしまったのだ、ごめんなさい。

            まぁ、放送交響楽団は放送局がバックについているので
            超貧乏席しか買わない観客1人の動向なんてどうでも良いわけだが(笑)

            ウィーン放送交響楽団はベルトランド・ド・ビリーの後
            コルネリウス・マイスターが首席指揮者になって
            その後、何と恐ろしい事に
            1シーズン、首席指揮者なし、という状態があって
            やっと、今シーズン(昨年秋)から
            マリン・オールソップが首席指揮者になった。

            ・・・なのに
            今までオールソップとRSOのコンサートに行っていないという
            友の会メンバーとしては有り得ない(すみません)

            先週木曜日にオーストリア放送局のホールで
            このコンサートのプローベがあって
            友の会会員限定のご招待で
            シューマンの交響曲1番のプローベ(1時間)を聴いて来たのだが

            プローベの前のご挨拶で
            「今回はシューマンのマーラー編曲版です。
             1番に関しては、マーラーは音まで変えてしまいました。
             1番をよくご存知の方は、すぐにお気づきになるでしょう」

            ・・・気付かね〜よ 😠

            後でツィッターで聞いたら
            さすがクラオタ満載のツィッター、
            すぐに何人かからお返事を頂き
            自宅で聴き比べしたら、すぐにわかった(笑)

            プローベの際には
            オールソップは友の会会員に、ドイツ語で(!)ご挨拶をして
            リハーサルそのものは、英語と時々ドイツ語(小節数とか)
            指示がとても明確でわかりやすく
            指揮者がどういう音楽をしたいのか、はっきりわかる。

            さて、本日のコンサート。
            マーラーが音を変えたのは、最初のファンファーレだけ(笑)

            言われてみればすぐにわかるのだが
            出だしの音が長3度低い。
            ただ、その後、すぐに弦楽器で3度高い音が演奏されるので
            ほとんど違いが意識に上らない(のはワタシだけかもしれない(恥))

            シューマンの交響曲1番+2番
            ものすごくスッキリした透明感のある仕上がりで
            マーラーっぽいと邪推していたところはなし。

            オーケストレーションが多少違うのはありだろうが
            それにしても、特に2番の、あのスッキリ加減には驚いた。
            (だいたい2番って第一楽章の最後のところとか
             オマエはいつからベートーベンになった?っていう位
             しつこいじゃないですか。
             それがしつこく聴こえないというのもすごい)

            あくまでも中心になる音をクリアに集めて
            シューマンの音楽の中心になる部分が
            実にクリーンで驚いた。

            オールソップって、動きが激しい。
            歳とともに、指揮者の動きって鈍くなると思っていたのだが
            (で、オールソップって私と同じ年代で
             私は既に老人と化して、身体がだるい・・・(爆))
            この年代で、若い指揮者のように
            一つ一つのテンポを間違いなく
            しかも速い部分も速い動きで振れる指揮者って珍しい。

            見ていて、多少、動きが煩い感じはあるけれど
            適当に動かしているわけではなくて
            ちゃんと一つ一つの動きが納得できるので
            見ていてもクラクラしないし
            かえって気持ちが良いくらい。

            しかもシューマン(マーラー版)暗譜ですか・・・
            シューマンのオリジナルならともかくとして
            マーラー版って・・・

            途中に挟まれたヘンツェの「夜の音楽」が素敵だった。
            「春」の交響曲の後に、突然「夜」になって
            しかもリアルな時間で言えば、ちょうど12時お昼。

            風が強くて雲の動きが激しくて不安定な天気なので
            「春」の後に、突然「夜」を聴くのも、ちょっと不思議な気分。

            というより、このヘンツェの「夜」は
            やっぱり夜のコンサートで演奏して欲しかったなぁ。
            アヴァンギャルドじゃなくて
            ちゃんとトナールでありながらモダンで
            ヘンツェにありがちな(と偏見で私が思っている)
            厚みの優った重い音ではなくて
            あくまでも透明感のあるインストルメンタルが魅力的。

            ユリアンネ・バンセは見た目も美しいソプラノで
            すごくステキな深いブルーのグラデュエーションの
            肩の開いたロング・ドレスで
            あ〜、もしかしたら、この衣装で舞踏会とか行ってました?(笑)
            って感じだったけれど、すごく美しかった。

            でも声が細すぎて(席も悪い)
            歌っているのは聴こえてくる・・・けど
            ドイツ語が、まったく、まったく、ま〜ったく理解不可能。
            手元のテキスト見ていてもドイツ語に聞こえて来なかったのは
            もしかしたら、私の文学音痴のなせる技かもしれないが。

            ええ、インゲボルク・バッハマンと言えば
            今でも有名な文学賞の名前なので
            名前だけは知ってますが・・・

            試しにちょっと翻訳をトライしてみると

             薔薇の嵐の中で我々は何処に行くのか
             棘の夜は明け、葉の雷が
             林の中をこんなに静かに
             我々を川に導いて行く。
             薔薇が火をつけたものが消えると
             いつも雨が我々を川に誘う。ああ、遠い夜よ。
             しかし1枚の葉が我々に当たって
             我々を波に乗せて、河口まで連れて行く。
                (文責ゼロですっ!)

            ドイツ語で読んでみて意味不明だったので
            日本語に訳してみたら、もっと意味不明になった(涙)
            こういうのがわかる人
            ないしは、あらステキとか思える感受性を備えた人間には
            私は、どうしても、どうしてもなれないのでご勘弁下さい。

            ブンガクもわかるようにならないと
            本来は私がこよなく愛する
            ドイツ・リートの世界もわかんないんだろうなぁ、と
            つくづく自分の才能のなさに呆れている私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            しかし、いわゆる伝統的なドイツ・リートの歌詞って
            ゲーテにせよ、リュッケルトとかミュラーとか
            今で言えばシンガー・ソング・ライターのノリで
            失恋を恨みがましく詠っていても
            そんなに無茶に難しい抽象表現は
            使っていないような気がするんですけどね。


            ウィーン放送交響楽団 + ヤクブ・フルシャ

            0
              Musikverein Großer Saal 2019年10月10日 19時30分〜21時50分

              ORF Radio-Symphonieorchester Wien
              指揮 Jakub Hrůša
              バイオリン Emmanuel Tjeknavorian
              アコーデオン Fanny Vicens

              Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
               Konzert für Violine und Orchester Nr. 1, a-Moll, op. 77

              Bernd Richard Deutsch (*1977)
               Phaenomena. Musik für Akkordeon und Orchester (UA)
               Auftragswerk der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien

              Witold Lutosławski (1913-1994)
               Konzert für Orchester

              ウィーン放送交響楽団の楽友協会でのチクルスは
              今年は購入しなかった、ごめんなさい。
              売り切れってあり得ないし
              よく他のコンサートと重なったりしたので
              その時々で買っても良いか、という判断。
              設立当時からの、友の会会員としては
              ちょっと後ろめたい気分ではあるのだが、お許しあれ。

              さて、このコンサートだが
              ウィーン放送交響楽団チクルスの1回目のコンサートと同時に
              エマニュエル・チェクナヴォリアンのチクルスのコンサートでもある。

              アルメニア系で、お父さんはイラン生まれ。
              父親のロリス・チェクナヴォリアンは
              ウィーンで指揮法を学び、
              テヘランで音楽資料館館長を務め、ミネソタで活躍し
              その後、イラン革命の後はオーストリアに移住。
              アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者としても活躍。

              息子のエマニュエルはウィーン生まれのオーストリア国籍。
              1995年生まれの24歳。
              2015年のシベリウス・コンクールで上位に入賞。
              指揮法も父親に師事して、すでに指揮者としてもデビューしているらしい。

              何故に、この若いバイオリニストが
              楽友協会で自分のチクルスを持っているのか不思議だが
              (クラシック専門のラジオ放送局でも自分の番組を持っているらしいし)
              まぁ、音楽ファミリーの色々なコネクションもありそう
              ・・・と、嫉妬に満ちた暗い下卑た考えに至るワタシだが

              いやしかし、このバイオリニスト、巧いぞ。
              楽器は1698年のストラディヴァリウスとの事だが
              このバイオリンが、嫌味のない澄んだ音で
              伸びの良い明るい音を存分に出す。

              まぁ、ショスタコーヴィッチだから曲想は暗いんだけど
              バイオリンの音があまりに美しすぎて悶絶。

              第2楽章の複雑なリズムとオーケストラとの絡みも
              技術的に優れているので、余裕で演奏するし
              また、それにぴったり合わせるオーケストラのプレイヤーも
              さすが、近代・現代を得意としているオーケストラだけある。

              しかしまぁ、ほとんどソロ楽器弾きっぱなしという
              ハードな曲で
              ショスタコーヴィッチらしい暗いメランコリーから
              グロテスクなスケルツォに
              エネルギーの爆発する最終楽章まで
              一気に強靭で美しい音で弾いた若きヴィルトゥオーゾは

              何回も拍手喝采に釣られて舞台に登場したが
              なかなかアンコール弾いてくれそうにない。

              それでも諦めずに拍手し続ける聴衆って
              エマニュエル・チェクナヴォリアンのチクルスを買ったお客さまが多いから?
              あのハードな協奏曲の後でアンコール?と思ったけれど

              ご本人も、何回かのコールの後
              「僕はもう弾きたくないんですが」(笑)と前置きして
              アルメニアの民謡を演奏。
              これがまた、メランコリーでしっとりしていて美しかった。

              休憩の後、ヘルムート・ドイチュの新曲の初演。
              アコーデオンとオーケストラのための音楽で
              アコーデオンはマイク付き。
              (でないと音がオーケストラに埋れてしまう)

              これが面白かった。
              アコーデオンって、あんなに音色の豊かな楽器だったのか。

              というより、私が無知で、アコーデオンの音色を知らないので
              えっ?今の音、オーケストラの楽器? 
              それにしては聴き慣れない・・・とか思うと
              思いもつかないアコーデオンの音だったりするのである。

              リズムの使い方も巧みだが
              それよりも、オーケストラの多彩な音色と
              アコーデオンの思いもつかなかった音色で
              音響の多彩さをとことん楽しめる曲になっている。

              この曲のオーケストラには
              チェンバロまで入っていて
              たぶん、チェンバロもマイクで補強しているような感じだが
              (小さなマイクロフォンがチェンバロの弦の左右にあった。
               ・・・もしかしたら録音用か?)

              ただ、チェンバロ、全くというほど、聴こえて来ない。
              途中でほとんどソロ・パートみたいな部分だけ
              ほんの少し聴こえては来たけれど
              チェンバロを入れる事によって出ている音響効果って
              聴いている側としては、意識してもわからなかったのが
              ちょっと残念だったかも。

              続いてルトワフスキのオーケストラのための協奏曲。
              わっはっはっはっは
              実際に聴いてみると
              ルトワフスキ、バルトークの同名の曲を
              むちゃくちゃ意識してるだろ(笑)

              ポーランドの民謡のメロディを多用しているので
              現代音楽(近代音楽か?)としては聴きやすいけれど
              フルシャは、メロディ・ラインというよりは
              ドイチュの新曲と同じように
              音響の多彩さを、とことん引き出してくる。

              こういう曲になると
              オーケストラの各プレイヤーの技量が必要だが
              現代曲や近代曲においての
              ウィーン放送交響楽団の「巧さ」が
              ルトワフスキで最高に活きてくる。

              ドイチュの新作の音の多彩さの後で
              また違った意味でのオーケストラの音響の多様性を
              とことん聴かせてくれる、というのは
              音響ファンのワタシには至福の時間 ♡

              かなり渋い「通」向けのプログラムではあったけれど
              最初から最後まで
              豪華絢爛な音響の祭典という感じで
              一部聴衆にはむちゃくちゃウケていた。

              こういうプログラム構成だと
              保守的な年配のクラシック層よりも
              もう少し若い層に(聴いてくれれば、だけど)アピールすると思う。

              オーケストラという複合楽器(笑)が持つ
              音響のパレットを
              とことん満喫して、満足至極な私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              ウィーン放送交響楽団 ウィーン音楽大学指揮科ディプロム試験

              0
                Musikverein Großer Saal 2019年6月27日 19時30分〜21時40分

                ORF Radio Symphonieorchester Wien
                Orchesterkonzert und Diplomprüfung
                Orchesterdirigieren der Universität für Musik und darstellende Kunst Wien
                Studierende von Simeon Pironkoff und Johannes Wildner

                Igor Strawinsky (1882-1971)
                 Suite aus dem Ballett „Der Feuervogel“ (Fassung 1919)
                  Dirigent: Luiz de Godoy (Konzertdarbietung)

                Camille Saint-Saëns (1835-1921)
                 Symphonie Nr. 3 c-Moll, op. 78 „Orgelsymphonie“
                  Dirigentin: Yeojin Kim

                Silvestre Revueltas (1899-1940)
                 La noche de los Mayas
                 als „Symphonische Suite“ bearbeitet von José Yves Limantour
                  Dirigent: David Ricardo Salazar

                ウィーン音楽大学(正式名称は音楽及び表現芸術大学だが)の
                指揮科のディプロム試験。
                例年、ウィーン放送交響楽団が犠牲(あ、失礼)になって
                指揮者の卵たちが腕前を披露する。
                まぁ、卵とは言え、既にあちこち(主に地方)で活躍している人ばかりなので
                100%学生という訳ではなく、ある程度の職業訓練を積んだ人ばかりだが。

                最初のストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲は
                試験ではなく、コンサート、と書いてあったので
                きっと、試験を受ける人が少なかったために
                どこかの教授の秘蔵っ子でも出して来たに違いない。

                それにしても、何だかオーケストラの響きが薄い。
                わざとやっているのだろうけれど
                金管・木管は目立つのだが、それに対する弦のバランスが
                楽友協会の音響効果にも拘らず、あまり良くない(ような気がする)
                久し振りの楽友協会で、私の耳がおかしくなっている可能性が高い。

                この曲を聴くと
                実はまだ、フォルクス・オーパーでの
                焼き鳥バージョンというか
                スーパーマーケットの悲劇というか
                そういうバレエのプロダクションがあったので
                (国立バレエ団のアンドレイ・カイダノフスキーの振付だったと思う)
                ついつい、ミーシャの悪の大王とかが目の前に浮かんで来る(いかん・・・)
                視覚的刺激というのは、意外に長く残るものだ(すみません)

                私が楽しみにしていたのは
                これも久し振りのサンサーンスの交響曲3番。
                サンサーンス、好きなんですっ!!!!♡♡♡♡♡
                なのに、ウィーンでは滅多に演奏されない。
                (一時期、楽友協会のオルガン修築完成後は
                 よくこのオルガン交響曲が演奏されたが
                 ほとぼりが醒めると、誰も演奏しない(涙))

                で、ものすご〜〜〜く楽しみにしていたのだが
                ええ、ワタシの耳がおかしいんです、きっと!!!
                でもね、でも、でも、でも

                どうやって指揮したら
                この曲、こんなに平凡で平坦で退屈極まりない曲になるんですか?!

                所詮、ド・シロートの私の個人的メモなので
                もしかしたら、世紀の名演奏だったのかもしれない。

                オーケストラは巧いし
                ちゃんと演奏しているし

                だけど、ただマジメにスコアを舞台に乗せましたって感じで
                (指揮者は韓国人の女性だが、暗譜で振っていた)
                アゴーギクほとんどなくて
                フォルテとピアノの強弱しか聴こえて来ない・・・

                音楽に色も表情もない。
                最初の、あのフルフルした不安感も全くなくて
                (リズムが正確に刻まれているな、という印象はある)
                もっと酷かったのが、第1楽章のあのオルガンが入って来た後の
                あの、この世とは思えない美しいメロディの展開が
                すみません、どうしてもゲーム音楽の劇伴にしか・・・
                (あ〜、ごめんなさい、所詮はシロウトの個人的偏見です!)

                第2楽章は、テンポが速いので
                それなりに盛り上がるんだけど
                アップ・テンポの軽さもあまりなくて
                全体的に、本当に表情の欠けた、のっぺりした演奏。

                念の為に言っておくけれど
                私、女性指揮者に対しての偏見はありませんから(断言)
                それどころか、この世界では
                女性指揮者が出てくるのは
                男性指揮者の何倍もの才能と努力が必要という事がよくわかるので
                プロの女性指揮者の優秀さは、すごくわかっているつもり。

                だから、登場した時のオーラがない、とか
                指揮の動きもずっと同じで、手を振り回しているだけとか
                別にそんな事はど〜でも良いの。
                出てくる音楽さえイキイキしていれば(極論)

                ヘンに思い入れのある好きな曲だけに
                ちょっと失望(すみません、勝手な感想です)

                今日のウィーンの日中の温度も30℃を越えて
                ともかくむちゃくちゃ暑かったのだが
                楽友協会は、オルガンのパイプを冷やすために
                (でないと音がおかしくなるそうだ)
                普段に増して、ガンガン冷房を入れていて
                用意の良い私は(笑)一応上着を持って来ていたので助かった。

                後半はコロンビア出身の指揮者による
                メキシコの作曲家、シルベストレ・レブエルタスの曲。

                おおおお、珍しい。
                こういう曲、滅多にウィーンで演奏されない。

                マヤ族の夜という映画のための音楽だそうで
                映画のストーリーは
                マヤ族の女性が白人と恋をして妊娠して
                白人が殺されて、女性も自殺する、という
                (だって、プログラムにはそう書いてあった)
                まぁ、ロメオとジュリエットのメキシコ版ですかね。

                ただ、映画音楽の側面はあまり聴こえて来ない。
                メキシコの指揮者が、この音楽から交響詩っぽく4楽章を作ったもので
                本当に「交響詩」みたいに聴こえて、構成もしっかりしている。

                しかも音楽が面白いの。
                メキシコの音楽が入っているのだろうが
                伝統的ヨーロッパ音楽にないような
                (少なくともこの時代には珍しい)和音やリズムがテンコ盛り。

                簡単にラテンのゴキゲンなリズム、というのではなく
                もっと複雑でクラシックの手の入った
                かなり聴きごたえのある、がっしりした
                歯ごたえたっぷりの曲(ヘンな例えですが・・・)

                最終楽章のメキシコの楽器による
                9人のパーカッショニストのアンサンブルが見事だったわ。
                (法螺貝まであった。チューバにかき消されてほとんど聴こえなかったが)
                ティンパニ奏者がヒマそうにしている後ろで
                木琴が規則的な4拍子のリズムを刻みながら
                他の楽器が、3拍子で演奏したり、他のリズムで入って来たり
                ポリ・トナリティじゃなくて、ポリ・リズムかい(笑)

                パーカッション・アンサンブル・ソロの演奏の間は
                後ろ向いてアンサンブルを鑑賞している弦のプレイヤーもいたし
                この、ワールド・ミュージックっぽいパーカッションのパート、面白い。

                滅多に聴くチャンスのない面白い曲で
                クラシックの技法というよりは
                かなりオーセンティックなメキシカンの要素が入っていて
                (ヨーロッパの偏見的な「ラテン」じゃなくて)
                うわ、こういう曲を理解するには
                やっぱりうちの学部の「世界の音楽シリーズ」講義も
                聞かねばならんのか・・・と、マジメに考えてしまった。

                これにて今シーズンのコンサートは終了。
                もちろん、まだ、最後に
                世界のバレエ・ファンが待ち構えている(かどうかは不明だが)
                ヌレエフ・ガラというものがある・・・

                試験3つをばっくれたので(秋に追試)
                自分が怠けた、という反省は
                ものすご〜〜〜くしているんだけど
                (あぁ、心が痛む・・・)
                まぁ、あの、その、うはは・・・
                と、ごまかして、自分の怠け心を
                ついつい許してしまう、緩い私に
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                ソフィア・グバイドリーナ記念コンサート

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                  日曜日のダブル・・・というか
                  下記のコンサートを2つとすればトリプルなのだが
                  時系列に読みたい方は、まずは ここ からどうぞ。
                  以下は夜のコンサート(2つ)です。

                  Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年6月16日 18時〜19時

                  Windkraft - Kapelle für Neue Musik
                  アルト Noa Frenkel
                  指揮 Kasper de Roo

                  Erkki-Sven Tüür (*1959)
                   In the Memory of Clear Water für großes Blasorchester (1990)

                  Wolfgang Rihm (*1952)
                   Et nunc II, Komposition für Bläser und Schlagzeug (1992/1993)

                  Sofia Gubaidulina (*1931)
                   Stunde der Seele. Poem für großes Blasorchester und Mozzosopran (1974/2004)

                  Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年6月16日 20時30分〜21時50分

                  ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                  バイオリン Vadim Repin
                  指揮 Andres Mustonen

                  Sofia Gubaidulina (*1931)
                   Märchenpoem für Orchester (1971)

                  Franz Schubert (1797-1828)
                   Symphonie Nr. 7 h-moll D 759 „Unvollendete“ (1822)

                  Sofia Gubaidulina
                   Dialog: ich und Du, Konzert für Violine und Orchester Nr. 3 (2018)

                  2つのコンサートを一緒に書いてしまうが
                  コンツェルトハウスが行った
                  ソフィア・グバイドリーナ記念コンサートの一環。
                  昨日も2つコンサートがあった。

                  国立オペラ座のバレエをほったらかして
                  タダ券が出た(要は全く売れていない・・・)というので
                  いそいそとコンツェルトハウスに出没。
                  自由席で、確かに、平土間でもバルコンでも50%くらいの稼働率。

                  最初のコンサートは面白い事にブラス・バンド。
                  途中でコントラバスが2台入ったけれど、基本的にブラスの曲。

                  エストニアの作曲家、エリッキ=スヴェン・トゥールは初めて聴く。
                  アルヴォ・ペルトに並んで知られた作曲家、とプログラムに記載があったが
                  ペルトの曲とは全く違う方向の曲想。

                  ブラスだけの音なのだが、その音が面白い。
                  どこが「清い水の思い出」なのかは、さっぱりわからないけれど
                  ブラスの重なりだけで、こんな音色が出るのか、とビックリする。
                  (だから分析したい、とか思ってしまう悪い癖)
                  時々、人の声のように聴こえる部分もあって面白い。

                  リームの曲は
                  プログラム解説によれば、音楽には場所がなく
                  よって、hic はない・・・って
                  hic はラテン語で「今」とか「この」って意味だよね。
                  hic et nunc で hic がなくて nunc だけなので
                  曲の名前が Et nunc なのだそうだが
                  nunc というのもラテン語で、今、という意味らしく

                  ・・・あああああ
                  やっぱりラテン語ってヨーロッパの教養のうちなんだわ(汗)
                  2年間、逃げ回っていたけれど
                  腰を据えてやるしかなさそう・・・

                  リームらしく、何だか頭脳的なものばかりが先だった感じの
                  割に理屈っぽく聴こえる曲だった。
                  無教養な私は、それ以外に何を言えよう(恥)

                  グバイドリーナの「魂の時間」は
                  ロシアの詩人、マリーナ・ツヴェターエワの詩を使ったもので
                  最後にメゾソプラノが
                  ドイツ語で、その詩を歌う。

                  詩のテキストはプログラムに記載されていたが
                  私のドイツ語能力が足りず、内容がさっぱりわからん。

                  無理やり、私の乏しいドイツ語力で、字面だけ訳してみると

                  魂の深い時間、深い・・・夜
                  (夜の魂の巨大な足並み)

                  その時間にお前は空間を完成する、お前の魂空間を。
                  おお、魂は寺を、お前を活性化させる。

                  (以下省略)

                  全然わかりません・・・(涙)
                  もう、理解の範囲外です・・・(涙)

                  しかしグバイドリーナの曲って、ロマンがあるなぁ。
                  現代音楽とは言っても
                  訳のわからん音列が続くだけではなくて
                  私のようなシロウトにもちょっと推察できるような
                  音楽的ストーリーが見える(ような気がする)

                  次のコンサートまでに
                  ばったり会った大学の同僚(お達者倶楽部(笑))をコーヒーに誘って
                  20時30分からウィーン放送交響楽団のコンサートへ。

                  グバイドリーナのメルヘン・ポエムは
                  これ、聴いた事があると思う。

                  プログラムに、チョークが主役で
                  お城や、庭や、海や太陽を描けると思っていたチョークが
                  文字や数字ばかり描かされて絶望し
                  小さくなってしまったので捨てられて
                  闇の中で死んだと思っていたら
                  男の子が拾って、アスファルトの道路に
                  お城や、庭や、海や太陽を描いてくれて
                  チョークは幸せに打ち震えて、美しい世界に溶け込んでなくなる
                  ・・・というストーリーが書いてあったが
                  このストーリー、読んだ事がある。
                  (2005年にウィーン交響楽団がフェドセイエフの指揮で初演しているから
                   たぶん、その時に、その場に居たのだと思う)

                  この曲、本当に可愛らしい。
                  欲求不満のチョークの不幸から、闇の中
                  その後、お城や庭や・・・で、美しい世界での消滅まで
                  何ともしっかりわかる音楽ストーリーになってる。

                  もともとラジオ番組の劇伴としての依頼を受けた曲だそうで
                  その意味では、非常にわかりやすい。

                  で、その後に、何故にシューベルトの未完成交響曲が
                  突然入ってくるのか、わからなかったが
                  呟きで、玄人の方から
                  グバイドリーナはネオロマンの作風だから選択は正しい
                  というご指摘を頂いた。

                  さて、そのシューベルトの未完成交響曲だが

                  ・・・これが、ものすごく異様な音楽だった。

                  遅めのテンポで、ともかく歌わせるというか
                  その歌い方が、何とも不気味で
                  リタルダンドが多くて
                  フェルマータなんか、どこまで伸ばすんですか、という状態。
                  (ホルン、お疲れさまです。よく息が続いたものだ)

                  ロマン派、というよりは
                  そこを越えて、ともかく背筋がゾクゾクする程に異様な世界。
                  デフォルメされている、とんでもないところに連れて行かれそうで
                  ギョギョギョ、この指揮者、何者?と驚いて聴いていたのだが
                  さすがに、あの1楽章、リピートも多いので
                  あそこまで異様な演奏されると、ちょっとお腹一杯にはなる。

                  第2楽章を、あのテンポでやられたらヤダな、と思っていたが
                  これは、少し速めのテンポを取って
                  ただ、途中の部分は、やっぱりタメタメ。

                  こういう解釈もありか。
                  あまり一般ウケはしそうにないが
                  現代音楽を聴きたくて集まって来ている聴衆には
                  耳新しくて、現代音楽に通じるところがあって
                  面白かったのではないかと思う。

                  普通に演奏される未完成だったら退屈だったが
                  ちょっと辟易するくらいの強烈な個性の演奏で
                  確かに、めったやたらと印象には残る。

                  最後はグバイドリーナのバイオリン協奏曲。
                  マルティン・ブーバーの本に触発されたものとの事だが
                  哲学的な本らしいので、私にはさっぱり・・・

                  大編成オーケストラ(106楽器)に
                  ヴァディム・レーピンのバイオリン・ソロ。

                  これもメロディらしきものが多用されていて
                  音色の変化がとても多彩で
                  面白いと言えば面白いのだが

                  レーピンのバイオリンのソロ
                  1秒ごとに音を出していくだけで
                  あんまり技巧とか必要なさそうだし(違うかもしれない)

                  出てくる音は、澄んでいて
                  オーケストラから浮き上がって
                  (しかも、そのソロの音をオーケストラが受け取って行くのが快感)
                  あまりの美しさに声も出ないけれど
                  ただ、1分間に60のタクトで音を弾いていくだけ
                  ・・・みたいな印象で

                  それって、大いなる才能の無駄遣いとか(以下省略)

                  各コンサートは休憩時間なしの約1時間。
                  こういう短いプログラムのコンサートって
                  集中できるし、飽きも来なくて助かる。

                  特に、無料ご招待だったのが気に入った
                  ・・・とか言ってはいけないんだろうな、と思う私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  時々、チケット割引とか無料ご招待とか
                  ご案内が来ないわけではないのだが
                  だいたい、そういう案内が来た時には
                  当該のコンサートを正規料金で購入しているケースが多いので
                  ちょっと今回は権利を行使できた、っていう喜びがあったのだ。
                  ケチなだけじゃん、とか突っ込まないで下さいまし。

                  ウィーン放送交響楽団 + スザンナ・マルッキ

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年6月14日 19時30分〜21時20分

                    ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                    ソプラノ Petra Lang
                    指揮 Susanna Mälkki

                    Alexander Zemlinsky (1871-1942)
                     Sinfonietta op. 23 (1934)
                     Sechs Gesänge nach Texten von
                      Maurice Maeterlinck op. 13 (1910-13/21)
                        Die drei Schwestern
                        Die Mädchen mit den verbundenen Augen
                        Lied der Jungfrau
                        Als ihr Geliebter schied
                        Und kehrt er einst heim
                        Sie kam zum Schloss gegangen

                    Béla Bartók (1881-1945)
                    Konzert für Orchester Sz 116 (1943)

                    最近、コンツェルトハウスに行く機会が多いのだが
                    「良かったら、席を変えられますよ?」と
                    係員に声を掛けられる事も多くなった。

                    そんなにチケット売れてないのか・・・
                    コンツェルトハウスの経営、大丈夫なのかしら(余計なお世話)

                    ウィーン放送交響楽団は
                    先シーズンでコルネリウス・マイスターが去った後
                    来シーズンにマリン・オルソップが首席指揮者に就任するまで
                    首席指揮者なし、という1年だったわけだが
                    その分、様々な指揮者が登場して
                    観客側からは、それはそれなりにバリエーションのあるシーズンだった。

                    スザンナ・マルッキ ♡
                    すみません、この間の Im Klang で
                    この指揮者に惚れちゃいました。

                    この人の指揮もキレが良い。
                    最近の若い指揮者(まぁ、マルッキ若いと言っても50歳だが(笑))
                    クリアでモダンな指揮の人が多いような印象がある。
                    時代がそうなっているのかもしれないが。
                    (まぁ、対照的な指揮者もいないワケではないけど)

                    ギャラリーの席は30%程度か。
                    席替えを拒んだ(笑)人が残っていると思う。
                    私はジュネス枠で、舞台がバッチリ見える席で
                    しかも、実はこの席、音響的には抜群なのだ。

                    前半はすべてツェムリンスキーの曲。
                    マーラーと3歳違いのツェムリンスキーは
                    あまり演奏される機会がないだけに貴重。
                    主観的な印象ではあるけれど
                    後期ロマン派の直後の時期の音楽って
                    あまり聴く機会がないような気がする。

                    ワタクシ的には
                    エゴン・ヴェレスとか
                    エルヴィン・シュルホフとか(まだ実演を聴いた事がない!)
                    ボフスラフ・マルティヌーとか
                    フランツ・シュミットの作品の演奏を望む!!!
                    ・・・いや、自分の好みです、すみません。

                    シンフォニエッタは、続けて演奏されたリートのモチーフを使った曲。
                    伝統的な手法に、近代的な和声が入り混じる。

                    たまたまコンサートの後に
                    いつも出会う大学の同僚にばったり会ったのだが
                    ツェムリンスキーのオーケストレーションってスゴイよね
                    というので盛り上がった。

                    続いての歌曲はメーテルリンクの詩によるもので
                    ドイツ語の歌詞なのだが
                    あ〜・・・
                    何だかドイツ語の内容がよくわからん・・・
                    ちょっと見、メルヘンちっくな感じがするのだが
                    文法的にナニこれ、という部分も多くて
                    散文的な性格の私には
                    ブンガクの高尚な内容は、ま〜ったくわかりません。

                    「死」がテーマみたいなのだが
                    だいたい最初の「3人姉妹」からして
                    3人姉妹が死に場所を探して森と海と街に行く話で
                    森が未来を見せて、海が過去、街が現在を示すって
                    (たぶん、そういう内容ではないかと・・・)
                    ともかく、全然わかりません。
                    (というか、3人姉妹って、メルヘンならまだ若いイメージなんだろうが
                     これが、90歳前後の3人姉妹だったら
                     思い浮かぶ情景が、全く違うよね?)

                    Als ihr Geliebter schied なんか
                    私の理解できる範囲では
                    彼女の恋人が別れた時、彼女は泣いたが
                    彼が戻って来たら、既に他の彼氏がいた
                    ・・・って話のように読めるのだが。
                    (最後の節が「死を見た」って、しかも彼も死ぬだろうとか
                     別れた彼氏が戻って来て殺人して自殺する話???)

                    もちろん、詩とか物語は
                    当時の社会的コンテクストの中で解釈されるべきものだろうが
                    だいたいメーテルリンクの童話でさえ
                    私はよくわからんのであって(これ以上書くと自爆する)

                    多少エンディングで金管と声が被さるところはあるけれど
                    これもオーケストレーションが見事で
                    ソプラノの声を潰していない。
                    ペトラ・ラングのドラマチックな強い声が
                    不思議なメルヘンを語っていく。

                    ただ正直言って
                    今、こういう暗い音楽、聴きたくない・・・
                    確かに、第一次世界大戦とか第二次世界大戦とか
                    時代的に「死」がもっと身近にあった社会的背景があるけれど
                    精神的に参っている状態で、こういう曲を聴くと
                    ますます気分は落ち込むし、泥沼にはまりそう。

                    ハマった泥沼からは
                    後半のバルトークが救ってくれる(笑)

                    バルトークのオーケストラのための協奏曲だって
                    最晩年のバルトークが、この曲を書くという意欲で
                    白血病をものともせずに全エネルギーを注ぎ込んだわけで
                    (違っていたらごめんなさい)
                    死にかけた作曲家の、この最後の燃えるようなエネルギーって
                    聴いていると、私にも力をくれるような気がする。

                    こういう曲は、ウィーン放送交響楽団は巧いのだ。
                    バルトークらしいドライな部分と
                    途中の胸の痛くなるようなエレジーと
                    ノスタルジックな部分も含めて
                    ただ、基本的には、客観的な距離を保った
                    熱くならない、すっきりした演奏。

                    後半がこの曲で良かった(笑)
                    単純は私は、これでスッキリ。

                    ツェムリンスキーとバルトークという
                    オーケストレーションに関しては抜群の2人の曲で
                    オーケストラの音色の変化が
                    すごく楽しかった。

                    世の中では、楽友協会の音響ばかり褒められているけれど
                    楽友協会の、あの長い残響が美しく響くのは
                    せいぜいが、ブラームスとかの時代までの曲で(極論)

                    1900年代の初期以降の
                    大規模オーケストラの曲に関しては
                    私は(楽友協会の貧民席より)コンツェルトハウスの方が良いと思う。

                    まぁ、もちろん楽友協会だって
                    お高いお席は音響が違うのだろうが。
                    (現代音楽祭以外で座った事がない)

                    来シーズン、ウィーン放送交響楽団は
                    やっと首席指揮者のオルソップを迎えて
                    なかなか面白いプログラムのシリーズを予定していて
                    10月の就任コンサートで
                    レラ・アウアーバッハの初演作品の演奏があるらしい。
                    (後半はヒンデミットの画家マティス)

                    来シーズン開始は10月なのだが
                    国立オペラ座の10月のチケットなんか、もう発売が始まっているし
                    なんだか時間の経つのが異様に早いような気がする私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    そろそろ本当にシーズン終わりで
                    7月には、ぱったりと音楽ライフが絶えてしまう・・・(涙)
                    今年のイム・プルス・タンツは
                    システムが変わって、パーフォーマンス・カードがなくなったし
                    毎年、ワケのわからんダンスに、合計数万円以上払って来たけれど
                    今年はカードもなくなって割引効かないから
                    手当たりばったりには行かない事にした。

                    ウィーン放送交響楽団 + ライアン・ウィッグルスワース

                    0
                      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月11日 19時30分〜21時55分

                      ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                      バリトン Simon Keenlyside
                      指揮 Ryan Wigglesworth

                      Ryan Wigglesworth (*1979)
                       Locke’s Theatre (2013) EA
                        The First Music
                        The First Music (double)
                        Rustic Music
                        Rustic Music (double)
                        Curtain Music
                        Curtain Music (double)

                      Jean Sibelius (1865-1957)
                       Acht ausgewählte Lieder in Bearbeitungen für Singstimme und Orchester
                        Kaiutar op. 72/4 (1915)
                        Illalle op. 17/6 (1898)
                        Im Feld ein Mädchen singt op. 50/3 (1906)
                        Aus banger Brust op. 50/4 (1906)
                        Die stille Stadt op. 50/5 (1906)
                        Svarta rosor op. 36/1 (1899)
                        Kom nu hit, död op. 60/1 (1909; Fassung für Singstimme, Streichorchester und Harfe 1957)
                        Var det en dröm? op. 37/4 (1902)
                      Bearbeitung für Singstimme und Orchester von Jussi, Jalas, Ernest Pingoud,
                      Leif Segerstam, Simon Parmet, Ivar Hellman

                      Sir Edward Elgar (1857-1934)
                       Falstaff. Symphonische Studie c-moll op. 68 (1913)
                        I. Fallstaff and Prince Henry
                        II. Eastcheap - Gadshill - The Boar’s Head. Revelry and sleep -
                         Dream Interlude: „Jack Fallstaff, now Sir John, a boy, and page to
                         Thomas Mowbray, Duke of Norfolk“
                        III. Fallstaff’s march - The return through Gloucestershire - Interlude:
                         Gloucestershire. Shallow’s orchard - The new kind - The hurried ride to London
                        IV. King Henry V’s progress - The repudiation of Fallstaff, and his death

                      Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
                       Auszüge aus der Musik zu „Ein Sommernachtstraum“
                        Nr. 1: Scherzo. Allegro vivace
                        Nr. 7: Notturno. Con moto tranquillo
                        Nr. 9: Hochzeitsmarsch. Allegro vivace

                      コンツェルトハウスに行ったら
                      チケット・チェックの係のおじさんが
                      私の前の人に
                      「チケット変更できますから、ロビーの受付に行かれたら?」
                      と言ってるのを聞いて
                      えっ?今日ってそんなに観客が少ないの?

                      ギャラリー、ガラ空きで、ギャラリー席、全部で30人くらいしかいない(汗)
                      プログラム担当のおばさまによれば
                      今日は1000人くらいしか入ってない(キャパシティは1700人)との事。

                      でも今日のチケットは
                      貧民席愛用者の垂涎の的の席なのだ。
                      ガラガラの前の方より、こちらの方が音響的に良いのである。
                      (負け惜しみに聞こえるだろうが
                       席変えて、バルコンの後ろとかパルテレの後ろになったら
                       音響的には目(耳)も当てられない・・・)

                      作曲家で指揮者のライアン・ウィッグルスワースと
                      ウィーン放送交響楽団のコンサートだが
                      そろそろイースター休みに入って
                      故郷に帰る人も多いんだろうなぁ。
                      (それでも、こんなにガラガラなんて・・・)

                      私がチケットを買ったのは
                      サイモン・キーンリサイドに釣られたからだが
                      まさか本日もシベリウスの曲を聴く事になるとは思ってもみなかった。

                      さて、ウィッグルスワースの曲は
                      オーストリア初演なんだけど

                      なにこれ?
                      バロック音楽じゃないの、しかもノンビブラート。
                      あれあれあれ? もしかしたらこの作曲家
                      シュニットケ方式(と私が勝手に呼んでいる)の人かしら。
                      ・・・と思ったら
                      これ、1621年〜1677年に激動の時代を生きた
                      イングランドの作曲家マシュー・ロックをテーマにしてるんだわ。

                      よって、バロック的な劇音楽が流れて
                      (シェークスピアの「テンペスト」に基づくらしい)
                      その後のダブルが・・・あ〜、これが現代音楽ね。
                      バロック音楽の下地はチラチラ見える(聴こえる)けれど
                      現代音楽で、バロックで、劇場音楽で
                      なんだか何でもあり、という面白い作品。

                      シベリウスの歌曲は
                      フィンランド語とドイツ語の歌曲の中から
                      8曲をオーケストレーションしたもの。
                      オーケストレーションした人については
                      1曲づつ書くとスペースの無駄なので
                      下にまとめて書いてありますので、悪しからずご了承下さい。

                      さてサイモン・キーンリサイド登場。
                      昔はイケメンでクールな感じだったけれど
                      オペラみたいなメイクはなしで舞台に立つと
                      小柄な人だし、やっぱり顔見ると、歳取ったなぁ、という感じ。

                      しかし、声がむちゃくちゃ通る。
                      フィンランド語でも全く大丈夫(さすがに暗譜ではなかった)
                      加えて、声が美声で、倍音たっぷりでホールによく響いて
                      オーケストラの音に全く埋もれていないのには驚いた。

                      この間のリートの夕べは、やっぱり調子悪かったのか?
                      それとも、小ホールで本当の弱音を出すのはキツイけれど
                      大ホールで朗々と歌う分には問題ないって事?

                      あれだけ張りのある美声のバリトンで
                      大ホールに過不足なく響いて
                      しかもドイツ語のリートは、ちゃんと発音もしっかりしていて
                      ドイツ語がしっかり聴こえてくる ♡

                      これだけ声量があって、しかも美しいって
                      やっぱりこの人、大ホールかオペラ向きの歌手なのかなぁ。

                      ますます人が減ったように見える後半の始めに
                      指揮者がマイク持って、指揮台から聴衆に向かって
                      ドイツ語でご挨拶・・・

                      と思ったら、僕ができるドイツ語はこれだけです(笑)

                      英語で続けた曲目解説。
                      エルガーは、この作品を、自分の最高傑作だと言っていて
                      オーケストレーションなども素晴らしいのですが
                      最初にヘンリーのモチーフ、ファルスタッフのモチーフを聞いて下さい。

                      とオーケストラにそれぞれのモチーフを演奏させて
                      どういうストーリーか、というのを話してくれた。

                      ファルスタッフが寝てしまって夢を見る部分もあるのだが
                      そこに出てくるファルスタッフのモチーフは
                      まだファルスタッフの腹も出ていなかった若い頃のものだそうだ。
                      (自分の腹(出てないよ?(笑))を撫でていたのがちょっと可愛い)

                      全部で40分くらいの曲だけど
                      この上なくドラマチックに演劇的に精密に作られた音楽で
                      オーケストレーションも確かに素晴らしい。
                      それぞれのシーンも、何となく想像はつく。
                      ウィッグルスワースがしっかり説明してくれた
                      3つのモチーフも、ストーリー理解の助けになる。

                      この指揮者で作曲家のウィッグルスワースって
                      劇場音楽が好きなんですね。

                      最初に演奏した自分の作品もそうだし
                      このエルガーのファルスタッフも
                      最後のメンデルスゾーンの真夏の夜の夢も
                      何だか、すごく楽しそうに指揮してる。

                      確かに一般ウケしそうなプログラムではないのだが
                      いわゆる劇場音楽の今昔、という感じの構成で
                      ユニークで面白いコンサートだった。

                      ウィーン放送交響楽団は
                      楽友協会とコンツェルトハウスで、それぞれのチクルスがあるが
                      コンツェルトハウスのチクルスの方が
                      プログラムがちょっと尖っていて(笑)面白い。

                      よほどスターが出るというのではない限り
                      会員発売開始の時にしっかりチェックすれば
                      割に良い席を買えるので
                      来シーズンもちゃんとチェックしておこう。



                      このコンサートの一部は
                      4月23日19時30分から
                      オーストリア・ラジオ放送局1番にて放映される。
                      1週間はオン・デマンドでインターネット・ラジオで聴けます。
                      全部じゃないだろうけど、どれをラジオで取り上げるんだろう・・・

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