ウィーン交響楽団 + ラハフ・シャニ

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年3月2日 19時30分〜21時20分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Lahav Shani
    ピアノ Martha Argerich

    Sergej Prokofjew (1891-1953)
     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 C-Dur op. 26 (1917-21)

    Sergej Rachmaninoff (1873-1943)
     Symphonische Tänze op. 45 (1940)

    ウィーン交響楽団のコンツェルトハウスのチクルス。
    今回はマルタ・アルゲリッチが登場!!!!

    ・・・って、ちょっと待て。
    アルゲリッチって1941年生まれ=今年78歳。
    マウリツィオ・ポリーニより1つ上って・・・(絶賛絶句中)

    だって、プロコフィエフのピアノ協奏曲3番。
    超絶技巧もそうだけど
    あの、分裂症気味の、絶え間なく変化する曲想を
    ものすごい多彩さで
    しかも、あの力強さ(絶賛驚愕中)

    力を入れているようには全然見えないし
    別に上腕がボディ・ビルダーのようになってる訳じゃないし
    ピアノの鍵盤を叩く(失礼!)のに体重かけてるわけでもなくて
    手首はあくまでも柔らかく

    望遠鏡、いや、オペラ・グラス(汗)で
    天井桟敷から前の観客の隙間を狙って手元を覗き込んでも
    何故、あの華奢な身体で
    あの強靭なピアノの音が出るのか、謎としか言えない。

    曲想一つ一つ(しかも目まぐるしい変化)に
    色があって
    その多彩さと緊張感の素晴らしさ。

    オーケストラがちとタジタジとなっていた感はあるが
    今日が初日で、明日も同じプログラムでコンサートがあるので
    明日は、もう少し頼り甲斐があるに違いない。

    この間のブロンフマンの時もそうだったけれど
    シャニは自分自身がピアニストだから
    ピアノ協奏曲に関しては
    オーケストラを抑えるところと爆発させるところを
    充分にわきまえながらも
    ピアノに妥協するとか、お世辞たっぷりで持ち上げるとか言うのが
    一切聞こえて来ない。

    どちらかと言うとピアニストを信頼して
    ピアノの音響に挑んでいくようなオーケストラの音を作るので
    ピアノとオーケストラの掛け合いの面白さが
    手に汗を握る格闘技・・・あっ、違います、すみません(💦

    アンコールはあるかな?と思っていたら
    何とピアノ椅子がもう一つ出て来て
    ラハフ・シャニとの連弾!!!!!!

    指揮者との連弾って
    私の記憶ではバレンボイムがやっていたのは覚えているが
    以前もアルゲリッチって、アンコールで連弾やったような記憶が
    うっすらとある。

    最初の曲がペンタトニックと音響スケールが多用されて
    これはドビュッシー?あるいは異国情緒から言うとラヴェルか。
    (ラヴェルのマ・メール・ロワだったらしい)

    いやしかし、シャニってピアノが巧い。
    というか、アルゲリッチと拮抗して弾いていて
    2人の音響が混ざるところで
    音が光になってホールに飛び散っている感じになって
    こういう楽しみがあるからコンサート通いが止められないのだ。
    鳴り止まぬ拍手に、もう1曲、ラヴェルの同じシリーズから弾いて
    観客も大満足。

    うううう、明日の2回目のコンサートのチケットも
    確保しておくべきだった。
    (もうペーパーがヤバイ事になっているので
     明日の夜はペーパー書きます・・・・・)

    後半のラフマニノフの交響的舞曲。
    うはははは、この曲、好きなのだワタシ。

    オーボエがちょっとミスした以外は
    やっぱり最強の管楽器軍団で(わはははは)
    サックスのソロもコールアングレのソロも
    哀愁を帯びて、本当に美しかったし

    金管の輝かしさや
    弦の厚みのあるアンサンブルも
    コンツェルトハウスのデッドな音響にもかかわらず
    豊かに響いて

    新しく入った女性のコンサート・ミストレスのソロが巧い。
    このコンサート・ミストレスが入ってから
    ウィーン交響楽団の音が、ちょっと引き締まった感じがする。
    (妄想かもしれない)

    全体的に大袈裟にせず
    ドロドロの感じには欠けるけれど
    洗練されて、すっきりしたサウンドになっている。

    こういう音楽の作り方、ワタシは嫌いじゃない。
    ヘンにドラマチック過ぎないのが、とても好感が持てる。

    この交響的舞曲は
    3月4日の19時から
    コンツェルトハウスの平土間の席を全部外して
    オーケストラの中に
    観客が混ざって良いという
    Im Klang でも演奏される。

    ああああああ、Im Klang って
    始まった時から、ず〜っと行っているのだが
    (第二バイオリンやチェロの近くに座るのが好き)
    3月4日は・・・
    絶対に見逃せない公演が入っているのだよ(涙)

    日中に学校用の公演で Im Klang をやるみたいだが
    子供の中に混ざるワケにはいかんし
    第一、学校が予約しているだろうから入れてくれないだろうし

    それに、今日から新学期が始まって
    またもや、詰め込み過ぎでオタオタしていて
    日中は全然時間がありません・・・という悲しい私に
    (はい、自業自得です、すみません)
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    例の副産物ではあるのだが
    会場での咳き込みが少なくなって、実に快適なコンサート鑑賞。

    大学からは、状況に鑑み
    風邪の症状とかある学生は
    出席義務のある授業には出なくて宜しい。
    各講座の教授にも、そういう場合には
    出席日数の制限を緩めるよう、通達を出したとのメール。

    ラテン語補習コースの学生が
    この機会を逃さず、全部の講義に風邪と言う理由で欠席して
    3月の試験の準備をする、と堂々と言っていたけど

    趣味で通っている大学の授業を
    試験のために休む気はま〜ったくない。
    というか、試験は3月じゃなくて
    やっぱり6月にしよう(で不合格だったらどうする・・・(汗

    ウィーン交響楽団 + ラハフ・シャニ

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      Musikverein Großer Saal 2020年2月26日 19時30分〜21時15分

      Wiener Symphoniker
      指揮 Lahav Shani
      ピアノ Yefim Bronfman

      Sergej Rachmaninov (1873-1943)
       Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 d-Moll, op. 30
      Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
       Symphonie Nr. 9 Es-Dur, op. 70

      こういう短めのコンサートって好き ♡

      ウィーン交響楽団の楽友協会チクルスは
      実は会員で持っているチケットは明日なのだが

      日本の皆さまはご存知の通り
      (あるいは外国在住で日本生まれの皆さまもご存知の通り)
      明日はコンツェルトハウスで
      NHK交響楽団のコンサートがあるのだ。
      (いや〜、もう、タイミング的に
       ヨーロッパ演奏旅行に出られて良かったね、という感じ・・・)

      会員発売開始日を狙って楽友協会のチケット・オフィスに駆けつけて
      お願い、2月27日のチケット、26日のチケットに変えて!
      チクルス違いだと冷たく断られるのだが
      同じだったので、何と偶然にも、27日と同じ席を26日にゲット (^^)v

      さて、ラフマニノフのピアノ協奏曲3番。
      最近、超有名な2番より、こちらの方が演奏回数が多いような気がする。
      シャニは何と譜面台なしの暗譜で指揮。
      (ショスタコーヴィッチの9番も暗譜で指揮。びっくり)

      ブロンフマンのピアノ、この間も書いたけれど
      力強いのに、繊細になるところは、とことん繊細になる。
      ラフマニノフの出だしが、とても優しい。

      ただ、もともと力のあるピアノを弾く人なので
      第1楽章のカデンツァが圧巻。

      悪いけど、オーケストラ本当に要らん、というほどの
      煌くような色彩感に
      インペリアル・グランドの機能をとことん追求した
      音響の饗宴というか
      うおおおお、何なんだそれは、と
      座席でひたすら身悶え(ヘンな人)

      ラフマニノフやリストのピアノ協奏曲って
      ピアニストが超絶技巧で弾きっぱなしという
      とんでもない曲なのだが

      ピアニスト自身が
      ほら、聴いて、聴いて、ボクの音楽♡という

      いや、確かに大変だとは思うのだが
      何となく楽しいというか
      ラフマニノフ自身も、この曲を弾きながら
      自分でも楽しんで
      聴衆にも楽しんで欲しいな〜って思っていたんだろうなぁ(妄想爆発)

      この時代の音楽としては
      変に凝った転調とか、あまりしていないし
      その意味では、割に素直で(すみませんラフマニノフさま)
      聴き易いと言ったら失礼だが

      聴いていて、無理がなくて
      ロマンティックで美しいメロディのテンコ盛り。
      盛り上がるところは派手に盛り上がるし
      感情をゆさゆさ揺さぶられて
      心地よい気分に任せて堪能できる
      本当に「音楽」らしい音楽ではある(言ってる事が自分でもわからん)

      リストの場合は
      ふん、弾けるもんなら弾いてみろ
      みたいなところがあるんだけど(笑)

      ラフマニノフって、間違いなく超絶技巧なのに
      作曲者が素直というか
      リストみたいなオレオレ感がなくて、本当に楽しい。

      しかしまぁ、ブロンフマンのスタミナって凄いわ。
      時々汗を拭いてたけれど
      だいたい、ほとんど弾きっぱなしで
      一瞬の緊張の緩みもなく、最初から最後まで
      まさに聴衆を圧倒した、という印象。

      ブラボー・コールも盛んに出ていたし
      平土間ではスタンディング・オベーションもチラチラ。

      なのに、ブロンフマンって、ニコッともしないのが
      超絶ツンデレで、その無愛想さもチャーミング(身びいき)

      で、アンコールで何を弾いたと思います?
      ラフマニノフの後のアンコールですよ?

      ベートーベンのピアノ・ソナタ「熱情」の最終楽章!!!!
      出だしを聴いた時に、仰け反った。
      ラフマニノフの後に、これ弾くか???

      しかも超早いスピードで
      こんなフレーズ、簡単よ〜って
      いやいや、あれ、簡単じゃないですから(汗)

      それだけ早くても
      音の一つ一つが、きちんと立っていて
      一音たりとも疎かにしない技術と

      あれだけ音符があると、ゴツゴツしそうなところを
      実に滑らかに、メロディを前面に出して
      (特に最後のあたりで、おおっ、そこがオルゲル・プンクトか
       ってところがあって驚いた)
      こういうアパッショナータもありか、と
      目から鱗が落ちる感じ。

      ああ、もう、どうにでもして(違!)
      今年がベートーベンの記念の年で良かった・・・(違!)

      後半、ショスタコーヴィッチの交響曲9番。
      途中で悲壮な感じのアダージョが入るとは言え
      ベートーベンの9番のアンチテーゼみたいな曲で

      うおおおお、金管・木管が巧い!!!!
      ラフマニノフの時もそうだったが
      (ピアノ・ソロに絡まる妙なるフルートのソロとか)
      ショスタコーヴィッチだと
      むちゃくちゃ活きるウィーン交響楽団の
      無敵艦隊・・・じゃなくて
      無敵の管楽器軍団(笑)

      ラハフ・シャニのリズム感が、また、むちゃくちゃ良い。
      この人の指揮、若いのに
      無駄なキューやリズムの指示が全くなくて
      省エネ指揮というか
      ソロの楽器の部分は、本当に奏者を信頼して任せている感じ。
      ただ、トゥッティの出だしの部分には
      しっかり前々拍くらいから指示を出しているという
      31歳とは思えない老獪な指揮をする。

      でも、音楽そのものは躍動感に満ちていて
      オーケストラとも上手くやってる感じがある。
      たぶん、本当に重要な部分だけを
      重点的にしっかりオーケストラに突っ込んで
      それ以外のところは、オーケストラに任せている印象が強い。
      ウィーン交響楽団もプロなので
      ある程度、手綱を緩めて演奏させた方が
      良い面が出るケースが多いのだが
      シャニはそこらへん、本当に上手く操っていて驚く。

      いや〜、実に楽しいコンサートだった。
      音楽そのものの完成度も
      技術的な隙のなさも、聴きどころだったけれど
      割に純粋に楽しく聴けるという曲が2つだったのも
      楽しさの理由の一つ。

      隣の国イタリアで発症が出ているウイルスだが
      オーストリアにも入って来たようで
      チロルの方で2名が見つかり

      ウィーンの国際連合でも疑わしいケースが出たというので
      国連はいったん閉鎖されて
      疑わしいケースは検査されて陰性。

      ただ、国連は閉鎖が望ましいという事で
      職員たちは、大多数が「おおお、わはは、やった!休みだ!」と
      帰ってしまったらしい。(あくまでもウワサです)
      (あそこはオーストリアではなく治外法権だけど
       やっぱり休み(有給でしかも休暇を消化する必要もない)となれば
       休まないサラリーマンはオーストリアには(たぶん)居ない)

      ウィーンの小学校で、先生がやっぱり疑わしいと言う事になって
      小学校の周囲はテープが貼られて立ち入り禁止になったり
      (陰性とわかってから立ち入り禁止は解除)

      例のウイルスを何とか食い止めるために
      流行になる前に、ウイルス対策万全の病院をオーストリア中に準備して
      行政府は朝8時頃からミーティングしている模様。
      (註 こちらは朝が早いので、朝7時からとか8時からのミーティングも
       普通にある。その代わりに仕事仕舞いも早い(役所なんか朝7時〜14時とか))

      ただ、ほとんどのオーストリア人はパニックにもならず冷静で
      インフルエンザの方が恐いよね・・・って
      まぁ、そうなんですけどね(笑)

      何とかウイルスのお陰かどうかはわからないが
      コンサートの最中に激しい咳き込みをする人が減って
      雑音の少ない状態で音楽を聴けるのは
      非常に喜ばしい副産物だと思っている私に
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      ウィーン交響楽団 + アンドレス・オロスコ=エストラーダ

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        日曜日のダブルヘッダー
        時系列に読みたい方は、まずは こちら から。
        下は夜のコンサートの個人メモです。

        Musikverein Großer Saal 2020年2月23日 19時30分〜21時45分

        Wiener Symphoniker
        指揮 Andrés Orozco-Estrada
        バイオリン Leonidas Kavakos

        Ludwig van Beethoven (1770-1827)
         Konzert für Violine und Orchester D-Dur, op. 61
        Antonín Dvořák (1841-1904)
         Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 „Aus der Neuen Welt“

        ウィーン交響楽団は同じコンサートで
        まぁ、だいたい3回のコンサートを行うので
        同じプログラムのコンサートが
        22日・23日・24日とあって

        何と・・・チケット完売 😲
        ・・・いや、そんなに驚いてはウィーン交響楽団に失礼だが(汗)

        ウィーン交響楽団も
        「来シーズンの首席指揮者の登場!!!」と
        張り切って宣伝していたし
        プログラムが名曲アワーでみんな知っている曲だからなぁ。

        オロスコ=エストラーダは私にはお馴染みの指揮者で
        2009年から2014年にはトーンキュンストラーの首席指揮者を勤めて
        オーケストラの水準を信じられない程に引き揚げた手腕は
        よく知っている。

        現在42歳・・・という事は
        31歳の頃から、すごい指揮者が出た!と喚いていて
        ウィーン・フィルにジャンプ・インしたコンサートも聴いてるし
        最後のトーンキュンストラーのコンサートの時には
        CD持ってサイン貰いに行った(ワタシとしては非常に珍しい)

        よって、今回はチクルスのコンサートだけにして
        (経済的にも厳しいし)
        金曜日のコンサートには行かなかったのが悔やまれる・・・

        ベートーベンのバイオリン協奏曲。
        バイオリン苦手だから、そこまで聴き込んではいないけれど
        演奏回数が多いので、何となく頭には入っているが

        第1楽章のオーケストラの出だしから
        ・・・何だか、とても柔らかいというか
        ベートーベンって、もっと、カチンとした感じじゃなかったっけ?
        これ言うとジェンダー・スタディの人に殴られそうだが
        とことん女性的というか、優しい音楽で
        ベートーベンらしからぬベートーベン(偏見)

        凄い超絶カデンツァが入ったけれど
        第1楽章の後
        まだ客席のザワザワが収まらないうちに
        (オロスコ=エストラーダ、よくわかってる(笑))
        第2楽章が始まって

        これが・・・
        おおおおおお、天上の音楽ってこれかも・・・

        いやもう、その美しさと言ったら・・・
        そうか、この第2楽章の準備としての
        あの優しい第1楽章だったのなら、とても納得が行く。
        このアダージョを曲の中心に据えて
        徹底的な天上の美に聴衆を誘うつもりだったのか。

        いやもう、ベートーベンって
        無骨なイメージがあるけれど
        こんなに美しかったのか
        (時々緩徐楽章で、むちゃ美しいのは知っているが)
        何だよこれ、もう、何だか反則(言ってる自分もワケわからん)

        カヴァコスのバイオリンはいつもの通り
        抜群の美しさを誇るけれど

        カデンツァが、かなりサーカス・・・
        あれはオリジナル・カデンツァですか?
        (ほら、ワタシ、知らないので 汗)
        第2楽章から第3楽章に入るところで
        ダブル・ボーゲンだかトリプル・ボーゲンだかの
        超絶技巧のカデンツァなんてあったっけ?(すみません)

        確かに、むちゃくちゃ映えるカデンツァで
        技術的にも難しいんだろうなぁ、と
        シロウトにも思わせる凄まじさがあって
        派手で、ちょっとキミはリストかね、みたいな感じで
        おおおお、っと驚くという意味では

        観客に対するサービス精神抜群なのか
        ほらほら、僕の超絶技巧、すごいでしょ、という自慢なのか
        よくわからんが
        別にわからんでも良い(笑)

        オロスコ=エストラーダが
        ものすごい注意力を払って作り出した
        ベートーベンとは思えない美の世界とは
        ちょっと相容れないような気もするけれど
        オロスコ=エストラーダの世界が
        あまりに透明すぎてアピール力に欠けると考えれば
        派手な超絶技巧のカヴァコスと、うまく補い合ったと言える。

        あれだけ超絶技巧で弾き続けると
        さすがのカヴァコスも疲労困憊らしく
        (舞台見えないのでわからない)
        アンコールはバッハの無伴奏パルティータ。
        これは、ベートーベンのワイルドな演奏と対照的に
        徹底的に音の美しさに拘っていた。

        後半、ドボルジャークの新世界。
        オロスコ=エストラーダが得意そうな曲(笑)だが
        果たしてその通り。

        こういう曲になると
        ウィーン交響楽団の抜群の金管・木管楽器軍団が
        むちゃくちゃ巧いので
        聴いていて、そのスカッとした気持ちの良さが半端じゃない。

        ともするとサラリーマン軍団になりがちなオーケストラなのだが
        (すみません、サラリーマンを貶めるつもりはございませんし
         義務感だけでも、しっかり職人集団として結果を出すという
         素晴らしい長所でもある)
        音楽全体が活き活きしていて
        緊張感が最初から最後まで続いて

        ドボルジャークの方は
        もちろん緩徐楽章のコールアングレのソロも素晴らしかったが
        どちらかと言えば
        もっと力強い、新世界のワイルドさを前面に押し出した感じ。

        しかも、かなりの音量でオーケストラを鳴らしているのに
        楽友協会大ホールの音響を知り尽くした指揮者は
        メロディ・ラインを美しく刻み
        どんなにワイルドになっても、音が団子にならない(これ大事)

        オーケストラが最初から最後まで
        緊張感を保って
        しかも(音から聞くと)何だか嬉しそうに演奏していたのが印象的。
        (超貧民席なので舞台は見えません、すみません。
         よって、出てくる音から独断で判断してます)

        オロスコ=エストラーダがオーケストラを巧く率いて
        手中にして指揮しているのがよく聴こえる。
        きっと、あの邪気の全くないニコニコ顔で
        指揮台で派手に踊ってオーケストラをその気にさせたんだろうなぁ。
        (だから舞台見てません、すみません、推察です)

        もともと抜群のリズム感の持ち主で
        音のバランス感覚も群を抜いているし
        オレオレもなくて、音楽好き好きが伝わってくる上に
        あちこちのオーケストラに揉まれて
        一回り大きくなって戻って来てくれた、という嬉しさ。

        この歳になると
        若手指揮者でデビューから追いかけてます、という人が
        どんどん世界の檜舞台に立って活躍するので
        あ〜、ワタシも歳を取ったんだなぁ、とか思う一方
        まだまだ、精神的には若いつもりでいる(要は成長してない)私に
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        ウィーン交響楽団 + エンリケ・マッツォーラ

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          Musikverein Großer Saal 2020年1月30日 19時30分〜21時30分

          Wiener Symphoniker
          指揮 Enrique Mazzola
          ピアノ Jasminka Stančul

          Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1947)
           Ouvertüre „Die Hebriden“, op. 26
           Konzert für Klavier und Orchester Nr. 2 d-Moll, op. 40

          Antonín Dvořák (1841-1904)
           Symphonie Nr. 7 d-Moll, op. 70

          ワタクシは本日はむちゃくちゃ気が立っている。
          子育てしているライオン並み
          いや、子育てライオンもワタシに恐れをなして後退りするかも。

          ものすごくテンションが高く、イライラが最高潮というか
          ともかく、非常に機嫌が悪い。
          いや、ホント、こういう時って
          家族とか友人とか、周囲に気を使わなければならない人が
          全くいなくてバンザイである。
          この状態で話しかけられようものなら
          躊躇なく噛み付きます。

          友人も家族もいないので
          噛み付く対象は
          当然の事ながら指揮者となる。

          何だか見たような名前・・・というか
          スーパー・マーケットにマッツォーラという
          とうもろこしの芯から取る植物油があるのだが

          よく見たら、スーパーのオイルはZが一つで
          この指揮者には2つあるので
          オイル精製工場の御曹司というワケではなさそうである。

          で、この指揮者、どこかで見た事があるのだが・・・
          プログラムによれば、イタリア出身のオペラの指揮者らしく
          現代音楽の指揮者としても
          あちこちのオーケストラで振っているらしい。

          最初がメンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」
          本来のタイトルは「ヘブリディース諸島」

          先学期にメンデルスゾーンのプロゼミを取ったので
          この曲は隅々まで(大袈裟)知っている。
          スコアを前に何回も聴いたし、分析もしたし
          同僚の発表にいちゃもんをつけられるよう
          ひたすら曲と向き合った数日という過去がある。
          たった数日かい、というツッコミは却下する。
          (レポートはルイ・ブラス序曲だったから。
           しかし、ルイ・ブラスはコンサートで演奏されたのを
           聴いた事がない)

          ・・・(沈黙)

          なんか、音楽が揃ってないんですけど。
          アインザッツが甘いのは、まぁ、あるあるだとしても
          何故に曲の流れが、こんなに悪いの?

          ヘブリディーズ諸島ですよ
          海に囲まれているんですよ
          音楽そのものだって
          海の情景を表現するかのような
          メロディ・ラインがあるんですけど

          それが何故そんなにブチギレで登場するのか・・・
          ヘンな低音にアクセントを置くので
          時々、音楽が尻もちついてるような感じだし
          この指揮者、ダイナミックばかり考えて
          リズム感がないんじゃないの。

          いくら学問の海の波打ち際で
          チャプチャプ遊んでいるとは言え
          ド・シロウトですから
          プロの音楽家に文句をつける気はありませんが
          (と言いつつ、つけてるんだけど
           これ、個人的なメモなので
           営業妨害じゃありませんから。
           ついでに、指揮者の個人的な事には全く興味がないので
           名誉毀損ではございません、念の為)

          ドラマチックに描こうとしているのは
          何となくわかるのだ。
          確かに情景の表現とか
          強弱の激しいドラマに満ちた音楽なんだけど

          そこまでドラマチックにしなくても・・・(呆)

          メンデルスゾーンは良いところのお坊っちゃまなので
          自分の属する有産階級のインテリな層のなかで
          わかる人にだけわかれば良い、とか思っていた節がある。

          だから、そんなにドラマチックに
          ルバートたっぷりで
          時々、音楽が止まりそうになるような
          ブチギレのリズムで演奏しなかったんじゃないかと思う。

          あくまでも個人的感想です。
          プロの指揮者とプロのオーケストラにしてみたら
          けっ、シロウトが何を言う、と
          鼻で笑われるような感想だが
          あくまでも個人的メモなので・・・

          続いてはメンデルスゾーンのピアノ協奏曲2番。
          熱心な読者の方々は
          私を遥かに上回るクラシック・オタクだったり
          専門家だったりするのでご存知かもしれないが
          この曲、滅多にウィーンで演奏されない。

          ヤスミンカ・スタンチュルは
          ものすごく強い華やかなピアノを
          ファツィオーリで演奏するピアニストで
          強靭な技術に裏打ちされた強いタッチが
          私は大好きである。

          だけど
          うううう、しまった
          第2楽章の途中で寝落ちしてしまった。
          あの華やかな第3楽章では、さすがに目が醒めたけれど
          あんなに楽しみにしてたのに・・・
          ううう、一生の不覚・・・(で、ますますイライラする悪循環)

          アンコールが
          ベートーベンのピアノ・ソナタ14番、作品番号27-2 の第一楽章。
          言わずとしれた、月光ソナタ。

          しかも、かなり速い速度で
          サクサクとスタイリスティックに
          すごくすっきりと
          ドロドロの感情とか
          不要な感情移入のない
          さっぱりした高級お茶漬け風味的なベートーベン。

          それって、感情的に濃い
          指揮者へのアンチ・テーゼですか?
          ・・・と言うのは、私の深読みだが、個人メモなので
          侮辱ではございません。どうぞお許し下さい。

          いや、でも、う〜ん、ああいうベートーベンはありなのか。
          ベートーベン・イヤーだから
          今年はベートーベンを聴くチャンスが増えそう。

          後半はドボルジャークの交響曲7番。
          もう、私のこの個人メモを読んでる人には
          言いたい事は全部わかるはず。

          途中でヴェルディのオペラでも聴いているような気分に・・・

          オーケストラはこういう曲は巧い。
          だから、オーケストラだけで何とかなっているけれど

          私の妄想世界では
          この指揮者、何とかしてくれ、とため息つきつつ
          演奏しているウィーン交響楽団という図式が出来上がっている。
          (すみません、あくまでも妄想です、事実とは違います、たぶん)

          きっと、この指揮者、
          オペラ(特にイタリア・オペラ)を振らせたら
          ものすごく巧いのかもしれない。

          ドボルジャークの交響曲の最終楽章が終わったら
          指揮者は感極まって指揮台の上で
          そのままのポーズで固まった。

          そんな事、関係のない聴衆が
          最後の音が消えた瞬間に拍手してくれたので
          拍手を浴びても、まだ、壇上で
          感極まって固まっている指揮者、という
          珍しいものを見てしまったわ。
          (ついでに、早く帰りたかったので
           凝固している指揮者をほったらかして
           すぐに席を立ったのはワタクシです、ごめんなさい)

          何とか最後の試験は終わったし
          成績はともかくとして
          今日の3つの試験には、何とか合格したと思うので
          (この間の不合格試験は3月に追試がある)
          イライラも少しは収まっては来ているのだが

          私の八つ当たりの対象にされた
          指揮者さまへは、本当に申し訳ない
          (とか言いながら、何でまた、こんな指揮者を呼んじゃったんだ?という
           一抹の疑問は残る。
           ウィーン交響楽団を指揮した最初のコンサートの時も
           私の個人メモでは、あまり良い事は書いていない)

          明日からコンサートは長いお休みに入る。
          来週はウィーンの学校は学期休みで
          ウィーンの人はこぞってスキーだの休暇だのに
          子供連れで出かけるのだ。

          大学の2019年・20年冬学期も明日で終わり。
          3月からの時間割は既に組んであるという
          計画だけは作るのが好き(遂行するかどうかは別問題)という私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          イライラの原因は
          ものすご〜くたくさんあり過ぎて
          書こうと思ったら、むちゃくちゃ長くなったので省略します。

          ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

          0
            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年1月21日 19時〜20時30分

            Wiener Symphoniker
            ピアノ Nicholas Angelich
            指揮 Philippe Jordan

            Ludwig van Beethoven (1770-1827)
             Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 G-Dur op. 58 (1805-1806)
             Symphonie Nr. 5 c-moll op. 67 (1804-1808)

            1月11日のベートーベン・マラソンの一部を使って
            1月12日にはピアノ協奏曲4番と交響曲6番のコンサート
            そして、本日は同じピアノ協奏曲4番と、交響曲5番で
            @7シリーズのコンサート。

            夕方7時に開始して(通常は午後7時30分開演)
            途中の休憩なしに通しで演奏して
            その後、コンツェルトハウスのフォワイエのベートーベン像の前の舞台で
            観客が立ってワイン飲みながらワイワイ喋っている中で
            (しかもフォワイエの残響はかなりあるから響く)
            クラシック以外の音楽を聴こうというコンサート。

            すみません、私は雑音の中で音楽を聴くのが好きじゃないので
            フォワイエでのコンサートはいつも失礼させてもらっている。

            で、この@7って、まとめ買い以外ではギャラリーの貧民席を売らないので
            バルコンの席がえらく高い・・・
            けれど、まぁ、舞台は全体が見渡せるので
            たまには贅沢も良いか(破産街道驀進中)

            ピアノ協奏曲4番は、これで3回目の鑑賞。
            もちろん、音楽というのは、その場で消えるという
            ものすごく贅沢な芸術なので
            同じ演奏は2つとないけれど
            まぁ、良く知ってる曲だし、むにゃむにゃむにゃ

            それよりも交響曲5番である。
            1月11日に聴いた時も
            あれ?と思うほど良い演奏だったのだが

            うわあああ
            何だかデビューした頃のジョルダンの爽快感がある。

            アタッカで演奏された5番は
            テンポを特別速くしている訳ではないのに
            疾走感があって
            緊張感がずっと続いて

            スッキリしていてドロドロがないのが
            スタイリッシュでモダンで
            古い慣習の垢をすっかり除いて
            ピカピカになったベートーベンを聴いている気分。

            これ、確かにジョルダンのデビューの時の感覚と同じだ。
            (この指揮者、そこから成長してない、というつもりではありません)

            ジョルダンが弱音フリークである事は有名な事実だが
            (オーケストラの金管は非常に苦労しているという話がちらほら)
            ベートーベンでも、音を抑えるところを徹底的に抑えていて
            それがまた、コンツェルトハウスのホールに巧く響く。
            オーケストラ・メンバーは大変だろうが
            聴いている方にとっては、絶妙のダイナミックスを満喫できる。

            ただ・・・
            普段、舞台見えない席なのであまり気にならなかったが

            ジョルダンのプリエ満載の指揮振りって
            時々、かなり滑稽になるんだけど・・・

            指揮者にしては背が高いので
            身体を縮めるのはその前から見ているけれど
            今回、お高い席で舞台全体が見えて
            指揮者も後ろからバッチリ見えると

            あのしゃがみ具合が・・・
            苦味走ったイケメンでプロモーションしている
            そのイメージを完璧にぶち壊しているというか
            これ言うと顰蹙買いそうだが
            クルレンツィスの指揮振りを彷彿とさせて
            ちょっとコミカルというか・・・

            指揮者は別に指揮台で踊るのが仕事じゃないから
            どんな指揮振りでも
            出てくる音楽が良ければ、それで良いんだけど
            舞台が見える席だとついつい・・・

            ジョルダンも6月を最後に
            ウィーン交響楽団の首席から
            ウィーン国立オペラ座の音楽監督として行ってしまうので
            この指揮を見られるのも6月まで、と思えば
            それはそれで楽しいかも。

            しかし楽友協会のコンサートの時は
            あそこまでの深いプリエとかしないもんなぁ
            ・・・まぁ、楽友協会の舞台が狭過ぎて
            あんなにしゃがんだら
            絶対に第一バイオリンかチェロと衝突するだろうし。

            音楽聴きに行ったのに
            ついつい舞台が見える席だと
            ヘンなものばかり見てしまう、けしからん私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            ウィーン交響楽団 + ジョルダン

            0
              日曜日のダブルヘッダーです。
              時系列に読みたい方は、まずは ここ から。
              下は、午後のコンサートです。昨日の超長いコンサートからの抜粋(笑)

              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年1月12日 15時30分〜17時30分

              Wiener Symphoniker
              ピアノ Nicholas Angelich
              指揮 Philippe Jordan

              Ludwig van Beethoven (1770-1827)
               Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 G-Dur op. 58 (1805-1806)
               Symphonie Nr. 6 F-Dur op. 68 „Pastorale“ (1807-1808)

              ウィーン交響楽団の今日のコンサートは
              昨日の短縮版である(笑)

              ウィーン・フィルのコンサートの後に
              友人と天丼とかを腹一杯食べてしまったので

              ・・・眠いです(自爆)

              ベートーベンのピアノ協奏曲4番は
              大昔のピアノ譜を持って
              (確か中学の時に無謀にも挑戦して、あっさり挫折)
              交響曲6番はオーケストラ・スコアを持って
              貧民席に向かうワタシ。

              このコンサート・シリーズは
              日曜日の11時とかが多くて
              ウィーン・フィルの定期コンサートと重なるのだが
              さすがに、今日は
              昨日23時までのコンサートでお疲れ
              ・・・と言う理由かどうかは定かでないが
              15時30分からになったので
              私もチケットを買って行く事が出来た。

              で、このシリーズは
              ジャーナリストのバーバラ・レットの
              ありがたい(?)お話がコンサートの前にある。

              とは言え、トーンキュンストラーなどが行っているような
              別室での30分の詳しいプレトークではない。
              しかも、何だか、今回のこの「解説」は
              両方の曲ともに
              1808年12月22日ウィーン劇場でのコンサートで初演されて
              ピアノ協奏曲4番はベートーベン自身がピアノを弾いた
              ・・・というだけで終わっちゃった。

              その後、指揮者とピアニストが出てくるのがちょっと遅れたら
              隣のおばさまが
              「レットの喋りが今日は短かったから、きっと戸惑ってるのよ」(笑)

              さて、ベートーベンのピアノ協奏曲4番。
              昨日も聴いたけれど
              ピアニストはニコラス・アンゲリッチという名前のアメリカのピアニスト。
              1970年生まれの50歳だけど
              ・・・あ〜、何だか非常に落ち着いていて歳上に見える。
              (と隣のおばさまも言っていた)
              出て来る時の足元も何だか、たよりなくて
              お疲れなのか、お顔もちょっと白っぽくて(そういう家系かも)
              どうみても60歳後半みたい。
              (悪口ではございません)

              経歴を読むと、かなり立派な天才児なんだけど
              デビューしたのが比較的遅いみたい。
              名前がマルタ・アルゲリッチと似ているのだが
              全く関係ない(笑)

              すごく繊細なピアノである。
              だから4番にはとても合っている。
              ピアノ譜を見ていると
              速いパッセージだと、やっぱり指が滑ってるな
              って感じがする時があるけれど
              音の粒は揃っているので、滑らかで美しい。

              でも、時々、寝落ちしそうになるんですけど(汗)

              いや、良い演奏だったと思う。
              派手すぎず、堅実でマジメな演奏で
              その意味では、アピール度は、かなり低いな。
              スター性とか言う感じでもないし
              だから比較的遅く出て来たのかもしれないけれど
              こういう、マジメな感じの
              背筋がピタッと伸びたピアニストって
              割に現代では珍しいかもしれない。
              (ちょっとブレンデル的な印象がある)

              アンコールはなし。
              隣のおばさまが
              ベートーベンの時にはアンコールはないのが通例らしいわよ
              ・・・と言ったんだけど
              どうも、演奏中に観客の一人が心臓発作で倒れたらしく
              (後半の最初にレットが出て来て
               救急車で運ばれて命に別状はない、と報告。
               貧民ご愛用の天井桟敷からは、何もわからなかった)
              それでアンコールがなかったのね、と
              隣のおばさまは、一人で納得していらっしゃった。

              後半、ベートーベンの交響曲6番「田園」
              コンツェルトハウスのデッドな音響もあるのだろうが
              あまり音が飛んで来ない。

              いや、良いんですよ、パストラーレだし。
              でも、嵐のあたりのピッコロとか
              もう少し、強めに出して来ても良かったような気がする。
              楽友協会だと、ピッコロ強く演奏されると
              耳を塞ぎたくなるが
              コンツェルトハウスなら、多少、大袈裟にやっても大丈夫なのに。

              ジョルダン、フレーズをかなり膨らませている。
              楽譜にクレッシェンドもデクレッシェンドの指示もないけれど
              膨らませる事で出てくる躍動感というのはある。

              しかしベートーベンって本当に面白いわ。
              これまで、様々なオーケストラや
              様々な指揮者が、必ずベートーベンの交響曲に挑戦して来て
              世の中で、これだけ演奏回数の多い作曲家も少ないと思うのだが
              (毎日やってる観光客向けコンサートで演奏される
               モーツァルトとかヨハン・シュトラウスは別として(笑))

              どの指揮者が、どのオーケストラで演奏しても
              まずは、それはそれなりの演奏になってしまう、という事。
              楽譜の精密さがスゴイのだ、きっと。
              無駄な音符がなく、必要な音符に欠けるところがない。

              パストラーレなんて、5番と同じく
              第1楽章なんて、あんな小さなモチーフの
              端的に言っちゃえば、ただの繰り返しなのに・・・

              音量が低かっただけに(コンツェルトハウスの音響のせいもある)
              嵐の迫力があまりなかったし
              同じ理由で、農民の馬鹿騒ぎも
              あまり羽目外して大騒ぎという感じではなかったけれど

              その分、節操の効いた
              古典的ですっきりした6番に仕上がったという感じか。
              午前中の熱血ゲルギエフの、うごめくような
              濃い目の味付けと対照的に
              あっさり上品に仕上げました、という印象。

              ベートーベン2020年はまだまだ続く。
              これからオペラ座では、レオノーレの初版の上演もあるし
              (チケット高くて入手できず・・・)
              一部のコンサートの指揮者が変更になって
              もう「クルレンツィス・チクルス」とは言えない
              ベートーベンの交響曲全曲シリーズもある。

              ベートーベン交響曲全曲のシリーズは
              大昔のクリスティアン・ティーレマンの時に
              1つのコンサートに3回、スコア持って通ったし
              確か、その後、ベルリン・フィルとラトルも
              ベートーベン全曲を楽友協会で演奏した。

              ベートーベンが、当時のイタリア音楽(ロッシーニ!)に対抗して
              ドイツ音楽は崇高だ、というプロパガンダのために
              社会音楽的に利用された、という研究はかなり進んでいるのだが

              そういうプロモーションはあったとしても
              ベートーベンって、やっぱり面白い作曲家だと思う。

              4番のスコアを見つつも
              やっぱり途中で眠くなって
              (天丼のせいと、昨日の睡眠不足がたたってる)
              寝落ちするとスコアに置いていかれるし
              いや、ちゃんと追いつきますけど(汗)
              これがマーラーとかブルックナーなら
              完璧にアウトだわ、と
              くだらない事を考えていた私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              ブルックナーのスコア持参の恐ろしいところは
              寝落ちして、次のフレーズを見つけて待っていると
              フレーズの繰り返しが多いので
              (オーケストレーションは変わる)
              違うフレーズのところにページが行っていると
              もうそこで、迷子になって一貫の終わり、というところ(笑)

              ウィーン交響楽団 + ジョルダン ベートーベン1808

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年1月11日 18時〜23時

                Wiener Symphoniker
                Wiener Singakademie
                ソプラノ Jaquelyn Wagner
                ソプラノ Miriam Kutrowatz
                アルト Anke Vondung
                テノール Allan Clayton
                テノール Franz Gürtelschmied
                バスバリトン Hanno Müller-Brachmann
                ピアノ Nicholas Angelich
                指揮 Philippe Jordan

                Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                22 Dezember 1808 Theater an der Wien

                 Symphonie Nr. 6 F-Dur op. 68 „Pastorale“ (1807-1808)
                 Ah perfido! Szene und Arie für Sopran und Orchester op. 65 (1795-1796)
                 Gloria (Messe C-Dur op. 86 für Soli, Chor und Orchester) (1807)

                 Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 G-Dur op. 58 (1805-1806)
                 Symphonie Nr. 5 c-moll op. 67 (1804-1808)

                 Sanctus und Benedictus (Messe C-Dur op. 86 für Soli, Chor und Orchester) (1807)
                 Fantasie für Klavier H-Dur op. 77 (1809)
                 Fantasie c-moll op. 80 für Klavier, Chor und Orchester (1808)

                記念の年というのは商業的には目玉だから
                確かに今年はベートーベン生誕250周年で大騒ぎしているのはわかる。

                モーツァルトの記念の年はオーストリアあげてのお祭りだったのに
                ハイドンの記念の年はブルゲンラントは張り切ったけれど
                あまりインパクトがなくて
                マーラーなんか2年続けての記念の年だったのに
                何だかやってるのかやってないのか
                よくわからん年で終わってしまった。

                ルードヴィッヒ・ファン・ベートーベンは
                今ではドイツ連邦共和国の領地になっているボンで生まれたが
                当時のボンはケルンの管轄にあり
                ケルンの大司教は、マリア・テレジアの一番下の息子
                太っちょのマックスだったので
                ベートーベン=ドイツ人、という短絡的な決めつけはあり得ない。
                だいたい、当時、国籍なんて概念はなかった。

                去年までは、そんなに騒いでないかなぁ、という感じだったのが
                蓋を開けてみれば

                ウィーン市のウエブ・サイト ここ
                (これは市民用らしく、何故かドイツ語しかない)
                ウィーン市観光局は日本語でのサイトを作っているし
                もちろん、世界的に有名なウィーン音楽大学でも
                ベートーベン・イヤーのサイトがある。
                ウィーン市内の博物館ハウス・デア・ムジークでは
                ボンの生家と協力しての催物を行うようで、英語サイトがある。
                他にも何か見つけたような記憶があるのだが
                見つけたら、またアップします。当面は上記でお許し下さい。

                もちろん、ドイツはドイツで、あちこちでお祝いをしているようだ。

                ウィーン交響楽団のコンツェルトハウス・チクルスの最初のコンサートは
                ベートーベン・マラソン(笑)と私は名付けたのだが
                1808年12月22日にウィーン劇場で行われたコンサートの再現。

                プログラムの記述によれば
                ピアノ協奏曲4番はベートーベン自らピアノを弾いたのだが
                ウィーン劇場の内部はくそ寒かったらしく
                オーケストラのメンバーも、歌手も
                その前からゾロゾロとキャンセル続きで練習もままならず

                しかも、ベートーベン自身が、ファンタジーでトチって
                最初から演奏しなおしたとか
                かなり悲惨なコンサートだったらしい。
                (もちろん収益もほとんどなかった)

                現代からしてみたら、記念的コンサート・プログラムなので
                18時から開始して、19時からの1回目の休憩が1時間。

                ここで事前に予約していた人たちは
                ベートーベン・ディナーなるものを楽しんだらしい。
                20時から第2部、20分の休憩の後に最後の演奏があって
                終了時間23時という、全部で5時間のプログラム。
                ワーグナーだね、これは(笑)

                まずは交響曲6番。
                その後、ソプラノのレチタティーヴォとアリアが15分。
                コーラスが出て来て、ハ長調ミサからグローリア。

                1時間の休憩の後
                ピアノ協奏曲4番、続けて交響曲5番。

                20分の休憩後に
                ハ長調ミサのサンクトゥスとベネディクトゥス
                ピアノ・ソロのファンタジー
                最後に合唱幻想曲で盛り上がって終わり。
                (というか、交響曲5番の後に帰った人も結構居た)

                ベートーベンばかりのプログラムだが
                これが意外に面白かった。

                特に、交響曲4番と5番を一緒に聴いてみると
                当時のベートーベンの作曲技法がよく見えてくる(ような気がする)

                短いモチーフとも言えないようなフレーズを
                しつこくしつこく、しつこく展開させて
                ほとんど力技で
                どや!見たかっ! と押しまくるベートーベンの凄まじさ。

                あ〜、こういう人とは個人的にはお付き合いしたくないわ。
                ルドルフ公とかリヒノフスキーとかロプコヴィツとか
                よく、こういう人のパトロンとしてお付き合いできたな。

                決裂したのはエステルハージである。
                ご存知、ハ長調ミサは、エステルハージの依頼によって
                アイゼンシュタットのベルク教会(ハイドンの霊廟がある)で
                初演されたは良いものの

                ベートーベンくん、君はいったい何を書いたんだね?という
                エステルハージ公の発言は
                ベートーベンをえらく怒らせて
                結局、献呈はキンスキーにしたという
                いわく付きの曲。
                (両方からお金もらったんだろうか・・・貰ったんだろうなぁ)

                ニコラウス・エステルハージは、本当にこの曲が気に入らなかったらしい。
                グローリアとサンクトゥスやベネディクトゥスを聴くと
                いや、そりゃ、確かに
                それまでずっとハイドンの曲を聴いていた人が
                ベートーベンのこの曲を聴いたら、ちょっとひっくり返るだろう。

                上品なブイヨンかポタージュを召し上がっていた貴族に
                はい、カレー粉を入れてみましたが、如何です?って感じ(笑)
                (激しく誤解があるがツッコミはなしで・・・)

                当時はそれなしではあり得なかった
                ソプラノ歌手のレチタティーヴォとアリアだが
                わっはっは、すみません、この作品、初めて聴くけど
                ちょっと何ですかそれは的なツッコミがしたくなった。
                ベートーベンさん、ごめんなさい。
                まぁ、ベートーベン・イヤーでなければ聴けない曲だろう、わっはっは。

                情景描写で、フォーム的に、それまでの交響曲とは一線を画する6番も
                構成美という意味では他に類を見ない5番も
                それなりに古典様式に則っているのだが

                これが、最後のファンタジーになると
                もう、フォームむちゃくちゃ
                ベートーベン、好きなようにやってる感が凄い。

                ピアノのファンタジーなんか
                最初の部分のモチーフ、モロにモーツァルトじゃないの。
                まぁ、変奏曲を得意としていた人なので
                それはそれでアリだと思うし、楽しかったが。

                合唱幻想曲は
                ベートーベンの作品の中では比較的演奏回数は少ないはずだが
                何故か、私は、何回もコンサート・ホールで聴いている。
                意外に好きなのかね、オーストリア人は。

                大規模でソリスト6人必要だし
                最初はピアノのソロが延々と続いて
                オーケストラが入って
                その後にコーラスでもりもりと盛り上げる曲で

                読者の皆さまはよくご存知の通り
                交響曲9番の原型みたいな感じに聴こえる曲。

                この曲も古典的なフォームからはすっかり離れて
                ベートーベンやりたい放題で
                多少、冗長ながら、やりたい放題万歳気分が聴こえて
                ちょっと微笑ましくなる。

                だって交響曲5番も6番も
                あるいはこの幻想合唱曲も
                聴衆に向かって

                感動しろ
                ほら、感動しろ
                見たか、ほら、もっと感動しろ
                って、どや顔で言ってるベートーベンが見える感じがするんだもん。

                不思議な事に、これだけベートーベンを続けざまに聴いても
                全く飽きないし、面白い。
                耳慣れしている曲だから、というワケでもなくて
                きっちりした古典的な交響曲と
                やけっぱちの(すみません)アリアと
                必死になって実用ミサ曲を書いたのに
                エステルハージに滑りまくった曲と
                やりたい放題の奔放なファンタジーが
                すごく良い感じで混ざっているからかもしれない。

                実はこのコンサートの前に
                楽友協会でウィーン・フィルの定期があって
                ゲルギエフが、いつにも増して
                指揮棒なしで手をブルブルという
                濃いコンサートに行ったのだが

                明日、日曜日も同じコンサートがあるので
                個人メモはその時にまとめて書く。
                (このゲルギエフとウィーン・フィルの同じプログラムのコンサートは
                 1月14日にコンツェルトハウスでも行われるが
                 私はこの日はちょっと違うプログラムに行く予定)

                国立オペラ座では
                エノのオネーギン(タチヤーナはニナ、オルガがナターシャ)をやっていて
                何故、エノのオネーギンに来ないの?と
                バレエ・ファンの顰蹙を買っているが

                月曜日に、どうしてもエノのオネーギンを観たくて
                やっぱりラヴェルの試験はや〜めた!
                (試験は19時15分まで。
                 オネーギンは19時30分からなので間に合わない)

                ・・・って、要は勉強不足に
                何か他の理由をつけて、サボりたいだけのアホな私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                第2部の交響曲5番の後では
                えらく会場が盛り上がって
                平土間ではスタンディング・オベーションになっていた。
                フィリップ・ジョルダンもウィーン交響楽団で
                最後のシーズンだし
                きっと、熱狂的なファン(おばさま方)が居るのかもしれない。
                でも、確かに5番は名演だったよ。

                ジョルダンとウィーン交響楽団のベートーベン全曲CDが
                特別価格20ユーロとかでの案内がメールでどこかから来ていたが
                ベートーベンの交響曲全集って
                何種類持っているのか、自分でもわからないし
                スコアも全部持っているので、遠慮しておきます。
                ジョルダンの顔が悪魔になっているジャケットもちょっとコワイし(笑)

                ウィーン交響楽団 + クシシュトフ・ウルバンスキ 2回目

                0
                  Musikverein Großer Saal 2019年12月20日 19時30分〜21時35分

                  Wiener Symphoniker
                  指揮 Krysztof Urbański
                  チェロ Kian Soltani

                  Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                   Ouvertüre zur Oper „Le nozze di Figaro“, KV 492
                  Witold Lutosławski (1913-1994)
                   Konzert für Violoncello und Orchester
                  Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                   Symphonie Nr. 4 f-Moll, op. 36

                  2日前に行ったコンサートだが
                  ウィーン交響楽団は同じプログラムを3回演奏するので
                  昨日も同じ曲を演奏していた。
                  私は行ってません、悪しからず。

                  モーツァルトのフィガロの結婚
                  楽しい曲だけど
                  ついつい聴きながらフォームの分析を始めてしまい
                  あ〜、これ、ABAに見えながら、ロンドじゃん
                  ・・・とか考え始めると、もう末期というか(すみません)

                  さて、ルトスラフスキのチェロ協奏曲の前に
                  チェリストがチェロなしで舞台に出現。

                  ??? と思っていたら
                  聴衆に向けて、曲目解説を始めた。

                  ルトスラフスキの音楽言語に詳しい方もいらっしゃるとは思いますが
                  まだ、あまり知らない、という方のために、ちょっとお話させて下さい。

                  うむ、なかなか好感の持てる喋りである。
                  ルトスラフスキなんて知らないでしょ?という上から目線でないのが良い。

                  チェロは個人、オーケストラが集団で
                  チェロは、集団に向かって、一生懸命、合わせようとしたり
                  戦ったりするのですが、いつも負けます(ここで笑い声)

                  途中、一箇所だけ、弦のアンサンブルと呼応するところがありますが
                  それも長くは続かず、集団の圧力に負けそうになりますが
                  最後はチェロの音域すべてを使って
                  個人としてのチェロが勝利したような印象を残します。

                  ・・・これも巧い解説の仕方だ。
                  勝利した、と断定するのではなく
                  あくまでも可能性として示唆するだけ、という

                  このチェリスト、音楽だけではなくて
                  かなり頭脳明晰と思う。

                  しかし、こんな解説しなきゃならん程
                  昨日の演奏はウケなかったのかしら?
                  (2日前の初日は、結構、ブラボーも飛んでいた)

                  だいたい、この内容、チェリストがプログラムに書いているんだけど
                  まぁ、プログラムは買わない人も読まない人もいるだろうな。

                  私は2日前に聴いた時から
                  コンセプトがあまりに明確過ぎて驚いたが。
                  書いた通り、隣のおばさまも、警察に捕まるみたい、と言っていたから
                  音楽そのものが語る内容は、非常に明確である。

                  幕間に係員と話していたら
                  年配の女性客2人が「これはサイコ・テロだ、聴いていられない」と
                  会場から出ていったらしいが

                  確かにサイコ・テロかもね(笑)

                  個人と集団の相克が、あまりにリアル過ぎて
                  当時のポーランドの社会的状況を考えた方が良いのかもしれない。

                  ただ、現在だって、この個人対集団の図式は当てはまるわけで
                  もしかしたら、このチェリストも
                  個人対社会で、ものすご〜〜〜く苦労して来たんじゃないか
                  ・・・と思わせる部分が多い。

                  私だって30年以上、異邦人としてここで暮らして来て
                  人種差別とか、まぁ、鈍感だからあまり感じないけれど
                  確かに実際、ちゃんとそういう個人対集団の対立はあるし
                  その意味では、あの慟哭して絶望して
                  ため息ついて、やり場のない怒りを撒き散らすチェロは
                  かなり心に刺さる。

                  ついでに、チェロを虐める集団のオーケストラにも
                  腹が立つ(こらこら)
                  特に、トランペットやトロンボーン、ホルンなんか
                  悪役も良いところじゃないか。
                  聴いているだけで、ちょっと憎たらしくなってくるので
                  やっぱりこの曲、私には、心情的にものすごい語りかけがある。

                  チェリストの雄弁さが影響しているんだろうなぁ。
                  泣きそうな顔で、感情的に演奏する人って
                  あまり好みではないのだけれど
                  この曲に関しては、ものすごく共感。
                  ある意味、ソリストの魂の形が見える・・・
                  と言ったら大げさかもしれないが。

                  いや〜、こんな暗い曲
                  2回も聴いたらやってられないかと思ったら
                  突き刺さって感動するなんて、ちょっとやられた、って感じ。

                  ウィーン交響楽団のチェリストを巻き込んで
                  ショスタコーヴィッチの映画音楽のアンコール。
                  こういう協力を得られるというのは
                  チェリストの人徳なのかもしれない。

                  さて、後半のチャイコフスキーの交響曲4番。
                  これは、前半で悪者になっていた
                  金管軍団の名誉回復の曲だな(笑)

                  ウルバンスキの指揮が
                  何だか最初の頃に比べると
                  もっと自由自在になっていて
                  というか、ほとんどリズム取ってないし
                  オーケストラに任せるところは徹底的に任せている印象。

                  しかしこの指揮者の下半身って美しい(すみません)
                  ウルさま、とか愛称を付けて、称賛してファンになる人が
                  いるんじゃないだろうか(邪推)
                  (ちなみに、私が「さま」を付けて呼ぶのは
                   ウィーン国立バレエ団のオルガさまのみです。
                   彼女は舞台の上では、あまりに神々しくて
                   もう「さま」なしでは呼べません・・・)

                  年配女性の「サイコ・テロ」発言だが
                  チャイコフスキーだって、かなりの「サイコ・テロ」じゃないの?

                  いや、それ言ったら
                  ベートーベンこそ、最初のサイコ・テロ首謀者で

                  続いて、様々なサイコ・テロが出現して
                  ドヴォルジャークとかチャイコフスキーとかが出た後で
                  ワーグナーという、サイコ・テロの大御所が出て来て

                  その後、グスタフ・マーラーと言うサイコパスが登場し
                  (あ〜、マーラー・ファンのみなさま、ごめんなさい。
                   私、マーラー大好きですけど
                   時々、どう聴いてもサイコパスにしか聴こえないので)
                  シェーンベルクという
                  実は大情熱家でサイコパスになりそうだった作曲家が
                  あまりに頭良過ぎて
                  理論に走る音楽を書いてくれたお陰で
                  現代音楽は、12音技法とか
                  頭で聴く音楽という、あまりサイコに関係ない方に走った
                  ・・・ような気がするのだが

                  前半のルトスワフスキ聴いちゃったら
                  簡単にそうとも言えないような気がして来た。

                  芸術そのものが
                  感動なり人間の感情に触れるものを目指す限りは
                  どちらにせよ、どういう音楽だって
                  サイコ・テロには違いない(極論)

                  最近、悪い癖で
                  何を聴いても
                  特に多少なりとも知っている曲を聴くと
                  スコア持って、分析してしまいたくなるのだが
                  いや、今回のチャイコフスキーも
                  モチーフの移調とか、かなり気になっているのだが

                  いやいや、それはともかくとして
                  3回目でダレるかと思ったら
                  バランスの良い、締まった感じの
                  体幹がしっかりしているような印象の
                  素晴らしい演奏だった。

                  木管のソロ、すごくチャーミング。
                  全体的にニュアンスに富んだ無理のないバランスで
                  盛り上げるところは盛り上げて
                  優しい部分はとことんチャーミング。

                  しかし指揮者って
                  こういう曲、最初から最後まで
                  しっかり分析して
                  バランス考えて臨むのか・・・すごいな。

                  ウルバンスキはルトスワフスキ以外は暗譜での指揮。
                  確か、この人、記憶力がずば抜けていると
                  どこかでチラッと聞いた記憶があるのだが
                  移調楽器も含めて
                  スコアが全て頭の中に入っているのは羨ましい。

                  さて、これにて私の2019年のコンサート・ライフは終わり
                  ・・・なんだけど
                  この後はウィーン国立バレエ団の「海賊」が待っている ♡

                  もっとも、年末・年始は私も仕事があるから
                  「海賊」全公演の制覇は出来ないが・・・
                  まぁ、仕事があるのは有り難い事なのだろうが
                  仕事全部ほったらかして
                  ひたすら遊びたい、という
                  怠け者の私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  クリスマス前にバレエ公演があるので
                  まだ、みなさまに良いクリスマスを、と言うまでには
                  少し時間があります。どうぞお付き合い下さいまし。

                  ウィーン交響楽団 + クシシュトフ・ウルバンスキ

                  0
                    Musikverein Großer Saal 2019年12月18日 19時30分〜21時20分

                    Wiener Symphoniker
                    指揮 Krysztof Urbański
                    チェロ Kian Soltani

                    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                     Ouvertüre zur Oper „Le nozze di Figaro“, KV 492
                    Witold Lutosławski (1913-1994)
                     Konzert für Violoncello und Orchester
                    Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                     Symphonie Nr. 4 f-Moll, op. 36

                    この歳になってくると
                    鮮烈なデビューをした若手指揮者が
                    どんどん中堅になって来て
                    え?あの人、もうそんなに歳だったっけ?と
                    驚く事があるのだが

                    私の記憶に「若い指揮者」として
                    登録されていた指揮者と言えば

                    フィリップ・ジョルダンが45歳
                    あまりウィーンに来てくれないのだが
                    ヤニック・ネゼ=セガンとダニエル・ハーディングが44歳で同じ歳。

                    若いイケメン・ボーイのイメージのヴァシリー・ペトレンコが
                    ユライ・ヴァルチュハと同じで43歳。
                    アンドレス・オロスコ=エストラーダがトゥガン・ソキエフと同じ42歳
                    アンドリス・ネルソンスは41歳
                    ミッコ・フランクが40歳

                    ピエタリ・インキネンとコルネリウス・マイスターが39歳
                    グスターボ・ドゥダメルとヤコブ・フルシャが38歳

                    クシシュトフ・ウルバンスキ 37歳
                    ロビン・ティチアーティ 36歳
                    サントゥ=マティアス・ロウヴァリ 35歳
                    リオネル・ブランギエ 34歳

                    ミルガ・グラジニーテ=ティーラは33歳

                    ロレンツォ・ヴィオッティ(29歳)が
                    今のところ、私が聴いた事のある中で
                    最も若い指揮者かもしれない。

                    ついでに、テオドール・クルレンツィスは
                    若い反逆児、アンファン・テリブルのイメージが強いが
                    ご本人の年齢は47歳。
                    同じく1972年生まれにはウラディーミル・ユロフスキと
                    クリスティアン・ヤルヴィ(パーヴォ・ヤルヴィの弟)がいる。

                    48歳クラブは結構居て(1971年生まれ)
                    キリル・ペトレンコ、ダン・エッティンガー
                    クリスティアン・アルミンクに
                    フランソワ=グザヴィエ・ロト

                    30代後半とか、40代になった指揮者の多くを
                    20代のデビューの時に聴いているワタシとしては
                    何だか複雑な気分ではある。

                    まぁ、それはさておいて
                    今回のウィーン交響楽団は
                    クシシュトフ・ウルバンスキ(37歳)の登場。

                    この人も若く見える。
                    いや、外見について何か言うのは失礼なのだが
                    黒の蝶ネクタイを締めて
                    燕尾服じゃないけれど、洒落たデザインの上着で
                    細身のズボンの姿は
                    どう見ても、高級ファッション誌のモデルにしか見えない。

                    プログラム最初がフィガロの結婚序曲って
                    華やかに楽しく始めようという目的かな。
                    細かい弦楽器の刻みが、潰れずによく出ていて
                    推進力があって気持ちが良いし
                    クルレンツィスほど尖ってない(笑)

                    次がヴィトルト・ルトスワフスキのチェロ協奏曲。
                    ソリストのキアン・ソルタニはペルシャ系だが
                    オーストリアのブレゲンツ生まれで
                    リヒテンシュタインなどで学んでいた1992年生まれの27歳。

                    最初の数分はチェロのソロが続く。
                    オルゲルプンクトの途中に
                    突然のメロディが入ったかと思うと
                    またオルゲルプンクトに戻っていく。
                    (註 オルゲルプンクトは日本語では持続低音と訳されているようだが
                     「低音」とは限らず、バスにて同じ音が繰り返される事を言う)

                    オーケストラが入ってくる・・・というより
                    チェロのソロに突然アタックしてくる金管の咆哮。
                    チェロはずっと弾き続けで
                    そこに、オーケストラの一部の楽器が絡まってくる。
                    木管だったり、金管だったり、ピアノだったりして
                    トゥッティになるのは、かなり後になってから。

                    チェリストのコメントがプログラムに記載されていたが
                    個人(チェロ)と社会(オーケストラ)の相克と解釈されていて
                    本当に、この曲、そういう風にしか解釈できない。

                    ある意味、ものすごく政治的な曲である。
                    ルトスワフスキ自身は
                    あまり政治にかかわっていなかったという記憶があるのだが
                    当時の政治状況に
                    息苦しさを感じていたのだろうなぁ、と
                    誰が聴いても推測できるような曲だ。

                    チェロの自由への渇望と
                    それを阻止するオーケストラの対立
                    チェロの叫び、号泣、ため息。
                    やりきれない焦燥感に満たされて
                    聴いていると、胸が痛くなる。

                    休憩時間の後に
                    隣のおばさまが
                    「何だかオーケストラが入ってくると
                     警察に捕まった気分になるので
                     あまり好きじゃない」と言っていたけれど
                    確かに、この個人と社会の対決はリアルである。

                    重苦しい曲だが
                    政治的主張を、これだけ芸術にしてしまったのはスゴイ。

                    チェリストがアンコールする前に
                    ドイツ語で挨拶したとたん
                    会場から驚きの声、というか、ちょっと笑い声。

                    面白い現象だ。
                    チェリストははっきりしたイラン系(ペルシア系)の顔立ちだが
                    経歴を読むと、ずっとドイツ語圏で育って来ているのだが
                    やはり見た目で、ドイツ語を話すと違和感、と思われるのかもしれない。

                    大学の授業で、副専攻としてドイツ語学を取っているのだが
                    外国語としてのドイツ語、という授業で
                    移民の国としてのオーストリアの子供へ言語教育の授業もあって
                    多言語環境で育つ子供へのドイツ語教育の問題を扱っていて
                    その中に、子供のアイデンティティの問題も入ってくる。
                    ドイツ語圏で生まれ育っても
                    やっぱり見た目で判断される、という現象はあるのだなぁ、と
                    実際に目の当たりにした気分だ。

                    アンコールは、ウィーン交響楽団のチェリストたちと
                    ショスタコーヴィッチの映画音楽からのメロディ。
                    チェリスト曰く
                    シリアスな曲だったので、ちょっと軽めのアンコールです
                    という事だったが、そう「軽い」ワケでもなかったよ(笑)

                    後半はチャイコフスキーの交響曲4番。
                    やっぱり名曲で

                    ホルン、巧っ!!!

                    いや、ホルンだけじゃなくて
                    他の木管も金管も、抜群に良かった。
                    オーボイスト、入団した時には、えっ?とか思ったが
                    (どこかの縁故らしい)
                    巧くなったなぁ・・・(感慨深い)

                    ウルバンスキの指揮の動きを面白く見ていたが
                    ルトスワフスキの特殊なリズム感覚の曲を聴いた後なので
                    私のメトルムがおかしくなっている感じがする。
                    このチャイコフスキーの4番って
                    意外や意外にリズムがかなり複雑なのでは???

                    無理のないテンポで
                    歌わせるところはとことん歌わせ
                    オーケストラの理想的なバランスを取りながら
                    オーケストラに任せるところは任せて
                    自然にメロディ・ラインを作っていくウルバンスキ。
                    あくまでも伝統的な枠内に収まっていて
                    情緒と理性のバランスが良い。

                    同じプログラムをもう1回聴くつもりなので
                    その時には、また印象が変わるかもしれないが
                    だったら、もう一度、個人メモを書けば良いわ、と
                    思っている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    価値観は色々とあるので
                    何かを唯一のものとして称賛だけするのも好きじゃないし
                    何かの良し悪しの判断をする気も一切ないのだが
                    面白い事に、音楽心理学入門講義の時に
                    自分の好きな音楽を拒否されると
                    感情的に反発するケースが多いという話になって

                    ・・・えっ?そうなんですか???

                    私にとっては、納豆が好きか嫌いか、というレベルの話なので
                    自分の芸術性ゼロと、ゼロに限りなく近い感受性に
                    ちょっと呆れた体験ではあった(墓穴掘ってる・・・)


                    ウィーン交響楽団 + カリディス 2回目

                    0
                      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年12月15日 11時〜13時15分

                      Wiener Symphoniker
                      指揮 Constantinos Carydis
                      ソプラノ Regula Mühemann

                      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                       Kassation Nr. 1 G-Dur K 63 „Finalmusik“ (Andante) (1769)
                       Ruhe sanft, mein holdes Leben
                         (Arie der Zaïde aus „Zaïde“ K 336b) (1779-80)
                       Ouvertura zu „La Betulia liberata“. Arizione sacra in due parti K 74c (1771)
                       Exsultate, jubilate. Motette für Sopran F-Dur K 158a (1773)

                      Ottorino Respighi (1879-1936)
                       Fontana di Foma (1916)
                       Pini di Roma (1924)

                      しつこいワタシは
                      同じプログラムのコンサートに通うのが好きなのだが
                      だいたい、同じ演奏というのは2度とないし
                      何回か聴いてみると
                      演奏そのものの変化もわかって面白い。

                      日曜日のコンサート・シリーズは
                      有名な司会者がコンサート前に出て来て
                      あまり役にたたない話をするのだが
                      (すみません)
                      モーツァルトがイタリアに行った時の手紙を
                      ウィーン交響楽団のメンバーに読ませるとか
                      後半のレスピーギにかこつけたドラマツルギーだろうが
                      モーツァルトの内容的には
                      前半とは全く関係がない(笑)

                      貧民席も比較的空いていて
                      隣のおばちゃまが
                      「何故、こんなに空席があるの?
                       みんな、風邪引いてるのか
                       買い物でも行ってるのかしら?」
                      ・・・まぁ、日曜日なので買い物はできませんが。
                      (例外 クリスマス・マーケット)

                      前半のモーツァルトは昨日と同じ印象。

                      ところが後半のローマの泉と松が・・・

                      うわあああ
                      これ、昨日と同じオーケストラか?!(すみません)

                      木管のソロがむちゃくちゃ巧い。
                      クラリネットの首席が大活躍だが
                      これが、もう、むちゃくちゃ巧い。

                      オーボエのソロも哀愁に満ちて
                      澄んだ音で美しく
                      コールアングレのソロには涙が出そうになった。

                      それに、バンダだとばかり思っていたホルン。
                      バンダじゃないじゃん!!!(驚愕)

                      どうやったら、あんな、遥か彼方から響いてくるような
                      ピアニッシモを4人揃って出せるんだろう???

                      昨日気になったところが、すべて見事に解決されて
                      (何だったんだ昨日は。ゲネプロか?)
                      技術的水準が上がると

                      ホールに飛び散る色彩感が凄い。

                      最初の司会のお姉さまが
                      レスピーギのオーケストレーションは凄い、という話をしていて
                      確かに、レスピーギのオーケストラの扱い方の巧みさに唸る。

                      それをまた、最上のバランスで響かせた指揮者も
                      ある意味すごい。
                      この人、もともとオペラ畑の人なんだけど
                      本当にバランス感覚に優れた指揮者だわ。

                      オーケストラ・メンバーはかなりの人が耳栓をしていて
                      (そりゃそうだろう、あれを耳栓なしで演奏するなんて
                       正気の沙汰じゃない)
                      という事はオーケストラ・バランスの調整は
                      ひとえに指揮者の責任になってくるわけで
                      (まさか指揮者が耳栓するワケにいかんもんなぁ。
                       大変な職業ではある)
                      それを考えると
                      今日の演奏は、ものすごい名演だったと思う。

                      最後のアッピア街道も
                      昨日と同じくオーケストラを目一杯に鳴らせて
                      ホルン4本ともベルアップさせていたけれど
                      見事な立体感で
                      観客席で悶えてしまう。

                      ウィーン交響楽団って
                      1回目と2回目の演奏水準に差が(以下省略)

                      プロの矜恃というか
                      ・・・いや、だったら最初から、この演奏しろよ、と
                      突っ込みたい時もあるんだけど(笑)
                      このオーケストラを聴くなら
                      2回目が狙い目だな。
                      まぁ、ほとんどのオーケストラがそうだけど。
                      (可哀想なのはウィーン放送交響楽団で
                       1回しかコンサートない上に
                       放送交響楽団だから、必ず録音があって
                       そこでミスしようものなら
                       末代まで笑われるだろうという・・・・)

                      あ〜、朝から良いものを聴いてしまったわ ♡

                      こういうのがあるから
                      同じプログラムのコンサートに足を運ぶのが
                      止められないのだ。
                      自分ながらアホだが。

                      あと2日で冬休み!!!
                      仕事している訳ではないのに
                      今学期、10月から、ずっと走り続けていた感じがあって
                      (いや、ホント、自分でも今学期はよく勉強してると思う。
                       研究所図書館のスタッフが「毎日だわね」と微笑んでいた)
                      ちょっと休憩できるか、と思うだけで
                      嬉しい私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。
                       


                      しかし、ピアニッシモの、この上なく美しいソロのところで
                      絶対に大声の咳が入るというのは
                      ウィーンあるあるなんだろうか?
                      咳している本人は何も考えてはいないのだろうが・・・

                      明日はマーラーの交響曲9番だけど
                      最後の5分で、また、ああいう、すごい咳が入ると
                      ものすご〜くイヤかもしれない・・・

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