ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

Musikverein Großer Saal 2017年6月21日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
Singeverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
指揮 Philippe Jordan
ピアノ Jean-Yves Thibaudet
ソプラノ Anja Kampe
アルト Daniela Sindram
テノール Burkhard Fritz
バス René Pape

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Frantasie für Klavier, Chor und Orchester c-Moll, op. 80
  “Chorfantasie”
 Symphonie Nr. 9 d-Moll, op. 125

ウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンは
今シーズン、ベートーベンの交響曲を演奏して来て
(来シーズンはコンツェルトハウスでまたチクルスをするらしい)
今シーズンの最後は、もちろん交響曲9番
・・・だけだと短すぎるので(笑)合唱幻想曲のオマケ付き。

コンサートは本日と明日で
本当は2回目の方が良くなっているとは思うんだけど
明日はちょっとミーハーになる予定なので(秘密です)

その代わり、歌手の声がちゃんと聴こえるように
今回は清水の舞台から飛び降りるつもりで
(最近、飛び降り過ぎ・・・(冷汗)(^^;;
バルコン・ロジェの45ユーロの席を買った。

どうせ舞台は何も見えないけれど
歌手の声はまっすぐ飛んでくるから音響は良いはず。

合唱幻想曲って、確かこの間、聴いたばっかりだよね。
同じオーケストラでブフビンダーの指揮振りで・・・
(6月3日のコンツェルトハウス。おヒマな方はこちら

オーケストラのメンバー、みんな忙しいから
リハーサルに時間を取られないようにしたのかしら?(邪推)

ジャン=イヴ・ティボーデのピアノは
ブフビンダーの構成のクリアな如何にもゲルマン的な演奏と比べると
構成とかよりは
もっと音の色とか、深みとかが前に出て来ていて
最初のソロの時に
うわあああ、あんなペダルを多用しても音が濁らない
と驚いていたら、和音が重なる部分になったら

このピアノ、ほとんどオーケストラじゃん !(◎_◎;)
すごい色彩感と多重な手触りがあって
いや失礼ながら、もうオーケストラ要らん(ごめん)

音の響きが良い席だったので
ピアノの高音でのトリルが響き過ぎて
ちょっと神経をガリガリやられたけれど
それだけティボーデのピアノの存在感が半端じゃないのである。

オーケストラとコーラスとの一体感が
イマイチだったのは、私の耳がおかしいのだろうが
ピアノの音色があまりに際立っていた、というのもあるかも。

前の2列目に居たカップルは休憩時間の後に戻って来なかったが
まさか、合唱幻想曲を、交響曲9番と思って帰ったんじゃないだろうな。
確かに合唱幻想曲ってメロディ的には、9番の最終楽章に似てるし
まぁ、でもそれは余計なお世話(笑)

さて、メインのベートーベンの交響曲9番。
大規模なオーケストラとコーラス、ソリストが必要なので
演奏される機会は少ないけれど
ちょっと仕事のトラウマで、この曲、冷静に聴けなかった時期もあった。

今日は仕事じゃないけれど
朝から、結構、イヤな事もあって
クサクサしていたので、多分、この曲を聴く体調じゃなかったかもしれない。
(ちょっと睡眠不足もあって・・・仕事じゃありませんが。
 ついでにラブラブの色っぽい話も全くありません)

やっぱり、こういう名曲になると
自分のイメージが決まってしまっているし
本日はいつもの超貧民席ではないので
オーケストラの音の聴こえ方も違う。

舞台から離れている分
音のまとまりは良いのだけれど
パートのクリアさは犠牲になっていて
印象として、中心になる核がグラグラしているような印象。
(はい、これ、個人の好みです)

名曲を演奏して
聴衆にそこそこ印象付けようと思ったら
かなり変わった事をする以外に現代では方法がないわけで

ジョルダンは、テンポだけは超高速で取ったところはあるけれど
(ホルンのソロ、お疲れさまです。かなりギリギリだった)
それ以外の部分は、かなり正統派の奇を衒わない演奏だったと思う。

だからちょっと拍子抜けするほど
ルーチンワークに聴こえて来てしまったりする(すみません)
すごく細かい部分まで真剣に演奏しているのはわかるけれど
いまひとつ、こちらを揺さぶるだけの熱に欠けている
・・・と思っていたら

最終楽章で起きた・・・というか
ルネ・パーぺのバスのソロが鳥肌モノで
あんな声量で(しかもオーケストラとのバランスを崩さず)
あの美声で「おお、友よ」と語りかけて来られたら悶絶する。

テノールのブルクハルト・フリッツが
ものすごく良くて仰け反った。
声は出るし神経触らないし、怒鳴ってないし
どこにも無理がかかっていない。

この人、ヘルデン・テノールだ、と思ったら
やっぱりバイロイトで歌っていた人で
私も2011年3月9日のオペラ座の「ナクソス島のアリアドネ」で
テノール役(バッカス)で聴いて、絶賛していたわ(笑)

ソプラノが多少叫び声になってしまうのは仕方ないけれど
それでも叫びにならないように抑えていたし
この4人が一緒に歌うところが、まぁ、見事で聴き惚れる。

楽友協会の合唱団は優秀だし
いつもの通り素晴らしかったんだけど
ちょっと・・・ごめん、今回は大味だなぁ、という印象。
でも、最後になってオーケストラもノリノリになって来ていたし
拍手のタイミングがちょっと早すぎたのは残念だけど
私の心理状態や体調の関係もあって
あんまり感激しなかったのは、まぁ、仕方がない。
そういう時もある。

ただ、ソリストの4人は、本当に素晴らしかったので
満足している私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい(手抜き記事ですが・・・)



オーストリアは猛暑で
連日30度を越えているけれど
みんな、それにふさわしい、すごい格好(半裸とも言う)で歩いているので
私もタンクトップでうろついております(笑)

ウィーン交響楽団 + リオネル・ブランギエ2回目

日曜日も、時間はちょっと違うけれど
全く同じダブルヘッダーです。
時系列に読みたい方は こちら からどうぞ。

下は夜のコンサートの印象記です。

Musikverein Großer Saal 2017年6月11日 19時30分〜21時20分

Wiener Symphoniker
指揮 Lionel Bringuier
バイオリン Arabella Steinbacher

Sergej Prokofjew (18910-1953)
 Konzert für Violine und Orchester Nr. 2 g-Moll, op. 63
Antonïn Dvořák (1841-1904)
 Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 “Aus der Neuen Welt”

はい、前言撤回。
シロウトだから、何でも言えるんです。
読者の皆さま、よって、こういう人を信用しちゃいけませんよ(笑)

プロコフィエフはまずは置いておいて
後半のドボルザークの「新世界から」

2回目をしっかり聴いてみると
いや、このブランギエという指揮者も
かなりあざとい。

第1テーマを、ものすご〜くゆっくりしたテンポで
ひたすら歌わせるのである。

いや〜、金管、お疲れさまです。
トロンボーンもホルンも、トランペットも
あの速度で吹くのは
普段の3倍くらいの肺活量が必要だったに違いない。

もう見事に遅いテンポが徹底的に遅い。
それでもメロディの失速のギリギリで抑えてはいて
極端に長いボーゲンが、ちゃんとまとまって聴こえるのはすごい。

最初の金管の続けてミスにはちょっとムッとしたけれど(笑)
そこらへん、やっぱりウィーン交響楽団だって
プロの矜持があるから
その後は、しっかりとどでかい音量で演奏してくれた。
・・・しかも、あのとんでもなく鈍いテンポで。

もちろん、遅いテンポだけでは
歌はあるけれどダレるから
アッチェルランドもすごくて
時々、細かいところが潰れそうな位の
今度はむちゃくちゃ速いテンポでブンブン押し捲る。

だから全体が、やっぱり見事にドラマチックになっていて
まぁ、昨日はティーレマンの
あまりにドラマチックなブラームスの陰で霞んだものの
数時間後にこのドボルザークを聴いちゃうと
尋常でないドラマチックな演奏である事が見えてくる。

いや、こいつ、まだ30歳で、このあざとさかよ(褒めてます)
かなり癖があって
最終楽章の木管のメロディなんか
普通とは全く違う印象で響かせていたし
その意味では、この人も一種の天才ではある。

ここまでドラマチックに
しかも熱っぽく(小型ティーレマン?)演奏されちゃうと
ドボルザークがアメリカの土地を新世界として
希望に満ちた交響曲を書いたとか言うのは
全然信じられなくなってしまって
どちらかと言うと
全世界の破滅の後に、最後の木管が長く音を引いて
・・・そして誰もいなくなった

という妄想を掻き立てる。
まぁ、良し悪しは別として(笑)

しかしウィーン交響楽団の音って
芯があるなぁ。
コンサート専門軍団だからかもしれないが
どのホールで演奏しても、音が不要に拡散しないのだ。

あの楽友協会の恐るべき残響の長さにも
ウィーン交響楽団の音は、しっかりと鋭く響く。

それから(すごく失礼なんだけど)
何だか最近、このオーケストラの弦って
むちゃくちゃ良くなってない???

以前は、管楽器は優秀だけど
弦がちょっと弱いという印象があったのに
最近、弦の音がすごく良い。

今回も第2楽章の弦の入ってくる時の美しさ
手触りの柔らかさにゾクゾクして鳥肌がたった。
低弦もしっかり響くし
バイオリンの音があそこまで充実してくると
実に聴きごたえのあるオーケストラだ。

プロコフィエフのバイオリン協奏曲2番は
昨日と同じ印象が強い。
プロコフィエフの薄めのオーケストレーションに
伸び伸びと素直に乗ってくるバイオリンの爽やかな音 ♡

アラベラ・シュタインバッハーのバイオリンの音って
本当に癖がなくて、素直で伸び伸びしていて気持ちが良い。
他のバイオリニストと比べると
ヒラリー・ハーン的系統なんだけど
ヒラリー・ハーンのあの透徹した美しさというより
もう少し庶民寄りの感じ(褒めてます)

アンコールに、ふん、やっぱりバッハかと思ったら
バッハと思わせて違ってたし
(後でサイトにアップされたら追記します。
 ディアス・イラエのモチーフがダブル・ボーゲンで
 ガリガリ演奏されちゃう割に有名な曲だと思う)

昨日より観客のマナーはかなり落ちたけれど
(ピアニッシモのところで後ろで盛大に鼻をかまれたりするとね・・・)
プロコフィエフもドボルザークも名曲だし
(第2楽章の例のメロディが始まると
 あちこちで囁きが聞こえたんだけど
 あれは、知ったかぶり人口が多かったんだろうなぁ(笑))
充実した2時間だった。

引退してしまうと(仕事はあるけど(苦笑))
曜日の感覚が変になって来るのだが
(だいたい、私の持ってるエージェントさん
 土曜日・日曜日にもオフィス開いてるから
 曜日にかまわずメール入って来るし)
明日は月曜日、ちょっと仕事があるから
早起きしなきゃ、というヘンな私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン交響楽団 + リオネル・ブランギエ1回目

土曜日のダブルヘッダー。
時系列で読みたい方は こちら からどうぞ。
下は夜のコンサートの印象記です。

Musikverein Großer Saal 2017年6月10日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Lionel Bringuier
バイオリン Arabella Steinbacher

Sergej Prokofjew (18910-1953)
 Konzert für Violine und Orchester Nr. 2 g-Moll, op. 63
Antonïn Dvořák (1841-1904)
 Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 “Aus der Neuen Welt”

同じコンサート・ホールの
ほぼ同じような席で、夜はウィーン交響楽団のコンサート。

当初はカヴァコスがソリストの予定だったのだが
ご家族にご不幸があったとの事でキャンセル。
プログラム変更でアラベラ・シュタインバッハーが
プロコフィエフのバイオリン協奏曲2番を演奏する事になった。

実はアラベラ・シュタインバッハー、好きなのワタシ。
日本人とのハーフ(あ、今はダブルと言うんだっけ)だけど
素直に伸びる音が気持ち良くて
変な癖のない、すごく正直な音を出すバイオリニスト。

プロコフィエフのバイオリン協奏曲。
オーケストレーションが透明で暑苦しくなくて
何とも爽やかで透明度の高い音楽に
素直に伸び伸びと入ってくるバイオリンのソロ。

あああ、午後にあの暑苦しい厚みのある
まるでソースこってり、脂肪分バンザイみたいな
コテコテのブラームスの交響曲の後に
キュウリの浅漬けを供されたような
爽やかな気分。

やっぱり日本人はお茶漬けと浅漬けだよね(ってワケわからんが)

今日のコンサートはジュネスの一環でもあったようで
割に若い人たちが多かったし
いつもの通り、何せ楽友協会だから
観光客も結構いたのだが

それ以上にうるさ方のオジサン、オバサンが何人か居て
(でもいつもは見ないメンバーなので
 クラオタとかではなさそうな気が・・・)

ジッパーの開け閉めを演奏中にしている
派手な観光客の女性を
ちょっとでも音を立てようものなら
後ろを睨んでイヤな顔をするし

私の後ろの中年男性に至っては
舞台を見ようと床に立っていた女性に
床に立たれると、床が軋むからうるさいので
どこかに座ってくれ、とはっきり言ってた(えらい!)

安いチケットを買って
高い席に直前に移ろうとする人が何人も居たし
観光客は演奏途中で写真やビデオを撮っていたけれど
まぁ、音がしなかったら、もうどうでも良いです(諦観)

楽友協会というホールは
本職の録音技師でも、録音には大苦労するホールなので
シロウトが録画して、後で聴いたら
とんでもない音響しか聴こえて来ないだろう事は想像できるし。

後半はドボルザークの「新世界から」って
この曲、ついこの間、聴いたばかり。
(忘れた方は こちら をどうぞ)

プログラムというのは流行があって
重なる時は重なるので仕方ないのだが

うううう
自分が耳もなければ感受性もなく
音楽に関してはド・シロートである事は
よ〜く知っているんだけど

今回のブランギエの演奏
この間のネルソンスの演奏と、むちゃくちゃ似てる(ような気がする)

いや、そりゃ、曲が同じだから
違っていたら、それはそれで問題なのだが。
でもフレーズの歌わせ方とか
曲の持っている色彩感が
あまりに同じで、ちょっとビックリ。

同じ世代の指揮者だったっけ?と
チラッと調べてみたら
アンドリス・ネルソンスは38歳
リオネル・ブランギエは30歳
(えっ、ネルソンスって、もうアラフォー?と
 ひっくり返りそうになった。
 ドゥダメルだって、もう36歳。私が歳を取る筈だわ・・・)

ブランギエと言えば
チューリヒのトーンハレで首席指揮者やっていて
(2015年3月7日に聴いてる)
つい最近、ブランギエは止めて
パーヴォ・ヤルヴィが次の指揮者になる、というニュースがあったけれど

何かトーンハレとブランギエって問題あったのかしら(邪推)

動きは美しいし
キューや指示もしっかりしていて
ヘンなタメとかはないけれど
それなりにロマン派的なドラマはしっかり出していて
(で、すみません、ネルソンスと似てる・・・)
あっさり系とロマン系のバランスが、とても良い。

オーケストラは、まだちょっと傷があるものの
勢いのある演奏で気持ち良かった。

で、うるさ方が多かったのか
それとも、本当に知っている客が多かったのか
会場が楽友協会とは思えない程の静けさ ♡

第二楽章も、あれだけ静かに集中していたら
こちらも充分に堪能できる。
(終わった後の咳とかお喋りは凄かったが(笑))

最終楽章が終わった時も
ブランギエは腕を上げたまま固まっていて
その間、誰も拍手のフライングはせず

ただ、2人くらいのヒソヒソ話の声は
会場一杯に響き渡ったが(笑)

演奏終わってから、あれだけの長い静寂(お喋り付き)があったのって
本当に久し振り。

いや〜、良いコンサートだったわ。

・・・って、実は明日も行くんですけど(笑)

土曜日と日曜日は
実は全く同じプログラムの繰り返しになるのだが
その事実に気がついたのは
つい最近なので
どうぞお許し下さい(お辞儀)

印象が同じなら
感想記はもしかしたら書かないかも・・・という
怠け者の私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン交響楽団 + ヤクブ・フルシャ

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年6月7日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
バイオリン Frank Peter Zimmermann
指揮 Jakub Hrůša

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 61 (1806)
  (Kadenz : Fritz Kreisler)
César Franck (1822-1890)
 Symphonie d-moll M 48 (1886-88)

数ある交響曲の中で
一番好きなのは、と言われたら
迷わずマーラーの7番と答える私だが
では、二番目に好きなのは、と聞かれたら
セザール・フランクのこの交響曲か
サンサーンスのオルガン付き3番だと思う
(独断・偏見・好みの問題)

ただ、セザール・フランクの交響曲は
ウィーンでは滅多に演奏されないので
(まぁ、サンサーンスのオルガン付きも珍しいが)
実は昨日と今日と両方行く予定だったのだが
まぁ、色々とあって、残念ながら本日だけ(涙)

最初はかの有名なベートーベンのバイオリン協奏曲。
バイオリンのソロが入るまでの前奏が長いのだが

あれ?フランク・ペーター・ツィマーマン
第一バイオリンのパートを一緒に演奏してる・・・(O_O)

いやいつも舞台の見えない貧民席だから
バイオリニストがあの長い前奏の時に
どんな態度で舞台で待ってるか、なんて
考えた事もなかったのだが

あれは第一バイオリンのトゥッティを
ソリストが一緒に演奏する曲なんでしょうか???
(慌ててインターネットでスコア探して見たが
 89小節目の Violin principale から入るようなんだが・・・)

う〜ん、よくわからないけれど
少なくとも手持ち無沙汰のバイオリニストが
イライラ(笑)して待っている舞台シーンより楽しいかも(笑)

この第一楽章のカデンツァが・・・凄かった。
何ですかあれは。
ダブル・ボーゲンで、しかもメロディをパラレルに弾いてるし
しかも音がキレイで澄んでいて
超絶技巧の見本市みたいで、ひっくり返った。

が、それに続く第二楽章が・・・
あああああ、これは天国?

この曲って、こんなに美しかったっけ。
名曲だけど、バイオリンの高音が苦手なので
あまり真剣に聴いた事がなかったのだが(すみません)
まるでこの世のものではないかのような響き
祈りのような、敬虔で、神聖な音楽がホールを満たして
ついつい仰け反ってしまった。

ツィンマーマンは他の楽章でも
ソロのバイオリンが、通常は休んでいるところを
ずっと第一バイオリンのパートをトゥッティで演奏していた。
(あれはオーケストラ的にはやりにくい・・・? よくわからん)

昨日はアンコールにバッハを弾いたようなので
今日もバッハかと思っていたら
何とラフマニノフのプレリュード(フリッツ・クライスラー編曲)
民族音楽っぽい激しい曲を
情熱的に演奏しきって
このバイオリニスト、こんなに巧かったっけ(って失礼な)

フランクの交響曲目当てで来て
ベートーベンのバイオリン協奏曲に感激するとは思わなかった(汗)

コンサートって
時々、こういう予想できないビックリがあるから好き。

後半のセザール・フランクの交響曲。
フルシャは最初の部分のテンポを思い切り遅くして
弱音で丁寧に歌わせる。
ほとんど止まりそうなテンポなのに
緊張感があって

そこから爆発する部分で
突然、音が観客に向かって
すごい勢いで飛んでくる。

この対比はスゴイ。
最初に多少くすんだような色を出しただけに
トゥッティでトランペットが出す明るい音色が
突然襲いかかってくるような感じになって
全体的なスケールがものすごく大きくなってる。

・・・いやしかし
これもワーグナーっぽいな(笑)
(この間、神々の黄昏を聴いてから
 何だか同時代とそれ以降の、ちょっとドラマチックな曲を聴くと
 何でもワーグナーに聴こえて来てしまう(冷汗))

第二楽章の美しいイングリッシュ・ホルンの旋律も
あくまでも節度を保って
ズブズブの感情にならず
透き通った清潔感のある造りで
全体の構成の中に見事にスッポリ収まって
背景に流れる弦の響きも、柔らかくて美しい。

それまでのテーマが複合的に組み合わさる第三楽章
これ、本当に好き ♡
今まで聴いて来たモチーフが自由自在に飛び交って
めくるめくような音響の饗宴。

フルシャはとことんオーケストラの響きにも拘って
強弱のレンジの大きさとテンポの揺れを
見事にコントロールして
若々しい、ちょっと気負いのある
でもエネルギーに満ちた解釈だった。

ウィーン交響楽団が
またこういう指揮者の時って
本当にオーケストラが応えるんだよね(笑)
さすが音楽職人集団というか
よくあの音の色の変化を完璧にこなしたものだ。

この交響曲、2013年3月12日・13日に
同じオーケストラでルイージの指揮で
コンツェルトハウスで聴いているのだが
あの時は、13日にはこの交響曲の前にぶっ倒れて
しかも大雪でオフィスばたばた状態だった記憶が鮮やかなのだが

あぁ、あれから4年以上経ったんだわ・・・と思うと
時の流れの速さにビックリする。

4年以上経っても
まだコンサートやらバレエやらに
ハマりまくっていて終わりが見えない私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ウィーンの天気も
太陽が出れば暑くなり、曇れば寒くなり
時々、すごい強風で大雨が降るという、ワケのわからなさ・・・

ウィーン交響楽団 + ルドルフ・ブッフビンダー

Wiener Konzerthaus 2017年6月3日 15時30分〜17時40分

Wiener Symphoniker
Wiener Singakademie
指揮とピアノ Rudolf Buchbinder
プレトーク Barbara Rett

Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
 Konzert für Klavier und Orchesterd-moll K 466 (1785)
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 c-moll op. 37
 Fantasie c-moll op. 80 für Klavier, Chor und Orchester (1808)

もれなく司会が付いて来る
ウィーン交響楽団のマチネ。
この前に既に2回同じプログラムでのコンサートがあったけれど
行ってない(すみません、何せモーツァルトが・・・)

燦々と晴れて30℃近くまで気温が上がった土曜日の午後
汗だくでコンツェルトハウスの貧民席に行って
最初に司会の女性曰く
ブーフビンダーはさすがに演奏前なので舞台には出て来ませんが
その代わりに、良き友人を呼んでくれました。
皆さまが知っていらっしゃる方です。

・・・って、まさかオットー・シェンクが出て来るとは (O_O)
しかも、この有名人、かなりの皮肉屋で
けっこうスゴイ事を言うので大笑いしてしまったわ。
まぁ、あまりコンサート内容には関係なかったけれど。

さて、今回のプログラムだが
モーツァルトのピアノ協奏曲もベートーベンも
両方ともに短調の曲である。
もちろん超有名曲だから、みんな知ってる曲ではあるが

モーツァルトのピアノ協奏曲20番って
こうやって聴いてみると
意外に激しい曲想だなぁ、って
それ、もしかしたらブッフビンダーの解釈かも。

モーツァルトもベートーベンも
アクセントが強くて
かなり個性的な演奏に聴こえる。

音楽の歴史って、こう繋がってるのか、と
なんとなくストンと落ちる。

ベートーベンのピアノ協奏曲3番の方は
以前もブッフビンダーの弾き振りで
ウィーン・フィルで聴いた事があるのだが

会場も違うので音響が違うのはわかるけれど
オーケストラの音色がかなり違って面白かった。

もちろん好みの問題だけど
コンツェルトハウスのデッドな音響も手伝って
ウィーン交響楽団の方が音のキレが鋭い分
ベートーベンがかなり近代的な曲に響いて来た。

ブッフビンダーもピアノの音色をそれに合うように変えてるし
何ともダイナミックな演奏。

後半がベートーベンの合唱幻想曲。
司会のレットは、珍しい曲なので
ほとんどの方は聴いた事がないでしょうが、と言っていた。

私は聴いた事があるような気がするのだが
まぁ、それこそ幻想かもしれない(笑)

ピアノのソロから始まって
オーケストラの各楽器がピアノと絡まったり
最後はコーラスとのトゥッティで

しかもどう聴いても
交響曲9番のモチーフに酷似してるし(笑)

まとまりのつかない
とっちらかった(笑)習作・・・と言ったら失礼だが
それなりに手探り状態のベートーベンが見えて
面白いと言えば面白いけれど
演奏される機会が少ない、というのはわかるような気がする。

ブッフビンダーのファンが多かったのか
久し振りのコンツェルトハウス
椅子の軋みがなくて
まぁ、靴が床に擦れて隣の人の足元が煩かったけど
きっと、こちらの人は
靴の床ずれの音とか、プログラムを捲る音とかは
音楽とは別の脳部分で処理しているのであろう。
(でければ、グラーフェネックのコオロギの合唱付きクラシックとかに
 あれだけ人気がある理由が理解できない)

来る時には汗ダクの状態だったのに
コンサートが終わったら、外は集中豪雨 💦
傘は持っていたから良いけれど
こちらの雨は・・・傘があっても全くの無駄。

コンツェルトハウスから地下鉄の駅までの短い距離で
ずぶ濡れ状態・・・
(実はコンサート後にちょっと買い物したかったのに無理・・・)

ずぶ濡れのまま帰宅した時には
すっかり晴れ上がって
道路も乾いた状態で
自分だけが盛大に濡れていた私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。

 

ウィーン交響楽団 + パーヴォ・ヤルヴィ

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年5月24日 19時30分〜20時55分

Wiener Symphoniker
指揮 Paavo Järvi

Gustav Mahler (1860-1911)
 Symphonie Nr. 7 e-moll (1904-05)

昨日も同じプログラムだったのだが行けず
残念ながら本日1回のみのコンサート行きとなったが

私、マーラーの交響曲7番って
ものすごくものすごく、ものすご〜く好きなのである 😍
好き過ぎて、どんな演奏でも
最初から最後まで蕩けまくって悶絶しているので
あまり中立的な感想記にはならないと思う(防御線)

だってこの曲って
万華鏡みたいに、人生の全てが詰まっているじゃないですか(妄想)

斬新に次から次にめくるめく贅沢に現れる旋律や
ポリフォニーのオーケストレーションのため息が出るような見事さ。

最初から最後まで、一瞬も飽きさせる事なく
伝統と現代への道筋がはっきり出てくる
贅沢で芳醇な一品で(何かと間違えているかも)

オーケストラと指揮者には大変かもしれないけれど
聴いている方にとっては
その快感に悶えて、悶えまくって、悶絶する作品なのである。

ここ数日、楽友協会で
あの芳醇な音響に耳慣れしてしまうと
コンツェルトハウス貧民席のデッドな音響は
ちょっと不思議な気分にはなる。

だってオーケストラの解像度が非常に良い
・・・というよりは、各パーツが鮮明に響いてきて
かなりドライで
金管の音量に比べると、木管の音量のバランスがちょっと気になる。

まぁ、それはホールのせいなので
プレイヤーが悪いわけではないし
ただの好みの問題、というのもある。

でも、全体的に、あまりウエット感がない。
かなりアッサリ目の仕上げになっていて
マーラーっぽい弦のポルタメントも
ほとんど聴こえて来ないし

マーラーに有り勝ちな
オドロオドロした不気味さが
あまり立ち上って来ない。

舞台が遠いから、そんなもんかなぁ、と思うけれど
音量抑え気味の、透明度の高い演奏。

まぁ、マーラーの場合は
大音響で鳴らせてもピアニッシモに響くというのが
割に私の理想なので、その意味では面白かったかも。

ただ、途中のカウベル・・・う〜ん (ーー;)
パーヴォさんって都会の人?
ほとんど響いて来ない上に
カウベルというよりは、バケツ叩いているような音。

音量抑え気味で演奏していたと思ったら
最終楽章の本当に最後の部分で
鐘が入るところで大爆発した。

ううううう、鐘ばかり聴こえてくる。
・・・というより、鐘、うるさい。
そこまで力一杯叩かなくても・・・

この最後の爆発的音量を目指して
他の部分を抑えていたのかもしれないが
何か突然、最後でどっか〜んとやられると
ちょっと仰け反り返ってしまう。

最後が派手に終われば
会場はブラボーの嵐なので
それはそれで効果的なのかも。

何とも都会的なスタイリッシュな印象がある。
大げさにならず
ヘンに不要な感情を上乗せせず
素直に音楽に語らせる、という感じか。

昨日はドロドロした演奏を
楽友協会という、残響たっぷりのホールで聴いたばかりなので
ドロドロ感が、ますます薄れて聴こえてきた、というのはあるかも。

パーヴォ・ヤルヴィの指揮って
ドイツ・カンマー・オーケストラもそうだったけれど
音の解像度抜群で、透明感があって
割に冷静で(笑)熱苦しくならない。

どちらが良いとかの問題ではなくて
それぞれに面白い (^^)

しかしマーラーの交響曲7番って
いつ何処で聴いても、本当に面白いわ。

もっと頻繁に演奏されないかなぁ、と思いつつ
やっぱりあの大規模オーケストラで
しかも普段使わない楽器のプレイヤーも入れなければならないので
オーケストラにとっては、コストの問題もあるんだろうな、と
ついつい経済観念で見てしまうアホな私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



一つ前の記事で書いたけれど
この後、オフィスに戻って
社員全員に退職のお知らせメールを出したら
夜中の11時過ぎなのに
とある男性マネージャーから返信が戻って来て

最後に書いた私のメールが
「早くベッドに行ってね。仕事より(たぶん)人生にはもっとステキな事がある(はずよ)」
・・・というのが
私の会社のメイラーからの本当に最後のメールになったのには
自分でも笑えたわ。

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

Musikverein Großer Saal 2017年5月18日 19時30分〜21時

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 8 F-Dur, op. 93
 Symphonie Nr. 6 F-Dur, op. 68 “Sinfonia pastrale”

ウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンの
ベートーベン交響曲シリーズのチケットは
実は昨日分を確保していたのだが
オペラ座のバレエが優先したのは昨日書いた通り。

で、急いで次の日のチケットを買った。
こういう時、ウィーン交響楽団の同じプログラムが2日あるのは助かる。

驚いたのは、楽友協会の最初のアナウンス。
今まではドイツ語と英語で
楽友協会にようこそ、コンサートをお楽しみ下さい。
ただし携帯電話とビデオ、録音は禁止です、というものだったのだが

突然、挨拶もなくドイツ語で
携帯電話の使用、録音、録画は禁止です
というアナウンスがあって
続けて英語、スペイン語(らしい。ポルファボールとか言ってたから)
その後に日本語なんだけど
日本語の用件の後に、「皆さまの協力をお願い申し上げます」って
・・・・それ、不要じゃないか?
その後に中国語のアナウンスで終わり。

とは言っても、それだけ様々な言語で言っているにもかかわらず
オーケストラや指揮者が登場する時には
バルコン・ロジェからスマホで盛大に撮っていた人も多かったので
どんなアナウンスしても
どんな国籍でも、無法者というのは居るのである。

私の大好きなベートーベンの交響曲8番。
熱に浮かされたような躁の7番と
あのワケのわからん人智を越えてしまったような9番の間の
古典的な手法に戻った清楚な感じの
クラシックな曲

・・・・と今まで思っていたんだけど

えええええええっ、何ですかこれ???

最初から大音響で(バイオリンのメロディ、潰れてる)
どっか〜んとホール中に響きわたった8番。
清楚もなにもなくて
速めの、いや、すごい速さのテンポで
ガンガンガンと
むちゃくちゃなエネルギーの放出。

8番って、こんな元気な曲だったっけ?
もっとクラシックなハイドンっぽい上品な曲だったのでは・・・

いやもう、ハイドンどころか
ベートーベンらしさ丸出しで
途中でイライラするわ、怒りは外聞も考えずぶちまけるわ
かと思うと、突然、ご機嫌になって
うははは、と大声で笑い出し
途中でニヤニヤしながら、え〜い、ここイタズラしちゃえ

ええ、どうせ私の勝手な妄想ですが(笑)
妄想がバンバン湧いてくるような音楽というのは
私にとってはベストな音楽なの。

メトロノームの第二楽章と
第三楽章をアタッカで繋げて
時々、楽譜に埋もれているピチカートとか
思いがけないメロデイ・ラインを発見しつつ
聴いている私もウホウホしながら
最終楽章に突入。

出だしはまるで交響曲7番のごとく
浮かれたような熱に浮かされたような調子で
あぁ、やっぱりこれ、7番がウケたからこうなったのかなぁ、と
ウホウホしていたら
途中の長調から短調への切り替えし部分で
ワケのわからん背筋ゾクゾク感。
地面が突然割れて、深い溝に落ちるような感覚。
・・・・あぁ、これが次の9番に続くのか
と、ストンと納得してしまった。

恐るべしフィリップ・ジョルダン。
オーケストラのアンサンブルは完璧に揃っているワケではなかったけれど
聴き慣れた曲が見事に新鮮に響く。

8番があまりに爆発的でエネルギッシュだったのに比べると
田園交響曲は
何だかおとなしいというか
まぁ、6番でああいうエネルギーを出す事はあり得ないけど(笑)

で、これ、ホントにウィーンの森だよね(爆笑)
ハイリゲンシュタットか、せいぜいバーデンあたりの
標高600メートル以下の丘陵地帯の風景で

バードガスタインとかインスブルックとか
インナフィアグラーテンとか(うふふ、フラヌイです)
アルプスの標高3000メートル級の山でもないし

ブラームスやマーラーに感じるような
深くて青い湖水を抱えたザルツカンマーグートでもなくて

あくまでも我々ウィーン在住の人間が
ちょっと車で10分、というところにある
のんびりした田舎の、緩い風景。

ウキウキした気分というよりは
えっこらさ、辿り着いたわ、空気が良いなぁ、という
ゆる〜い、ゆる〜い、すごくのんびりした雰囲気。

農民たちの大騒ぎも割に品が良くなっていて
楽しくはやっているけれど
バカ騒ぎまでには至らず

嵐は激しい・・・ものの
いや〜、我々がよく経験する
一転空が掻き曇り、雷雨が、という

なんか笑っちゃうくらい
この演奏、我々の生活と密着してるんですけどっ。

どこかのドイツ人指揮者あたりが
張り切ってやりそうな
大げさでドラマチックな嵐ではないのである。

あくまでも徹底的に
ちまちましたウィーン郊外の森の嵐であって
アルプスに落ちる雷雨ではないし

その後の太陽も
何となくウラウラと、大袈裟にならず
ポカポカしていて温かい。

ここまで見事に日常生活を演奏されてしまうと
正直、ちょっと、あまりにリアルすぎて
感動と言うより、納得というか・・・(苦笑)
別な意味で印象的というか
いや、正直、どう言ったら良いのか悩む。

フィリップ・ジョルダンとウィーン交響楽団の
ベートーベン・チクルスは
来シーズン、コンツェルトハウスでも予定されていて
チクルス買っちゃうと、絶対にバッティングする日が出てくるので
まだチケットを確保してはいないが

この組み合わせのベートーベン交響曲の演奏
俄然、興味が出てきたなぁ、と思っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン交響楽団 + ユッカ=ペッカ・サラステ

日曜日のダブル・ヘッダーです。
時系列に読みたい方は、一つ下の記事からどうぞ。

以下は夜のプログラムの勝手な印象記です。

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年5月7日 20時〜22時10分

Wiener Symphoniker
チェロ Sol Gabetta
指揮 Jukka-Pekka Saraste

Carl Nielsen (1865-1931)
 Ouverture “Helios” op. 17 (1903)
Dmitri Schostakowitch (1906-1975)
 Konzert für Violoncello und Orchester Nr. 1 Es-Dur op. 107
Jean Sibelius (1865-1957)
 Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 43 (1901-02)

前のブーレーズのコンサートの片付けの時間を計算に入れたらしく
通常19時30分開始のコンサートが20時のコンサートになって
ウエブ・サイトでは20時〜21時30分とか記載があったが
21時30分で終わりそうもない事なんか
最初からわかってるじゃないか(笑)
(あまり遅い終了時間を書くと
 来なくなる年配の観客が結構居るから・・・)

楽友協会の大ホールでは
サンクト・ペテルブルク管弦楽団の
ラフマニノフとチャイコフスキーのコンサートがあって
どちらに行こうか散々迷ったのだが
一応、ウィーンに住んでいる身としては
ウィーンのオーケストラ優先という事で・・・

ユッカ=ペッカ・サラステって
エサ=ペッカ・サロネンの同級生らしいのだが
永遠の青年サロネンが日本でも人気があるのに
(で、ウィーンにはほとんど来てくれないのに)
割に地味な指揮者という印象がある。

持って来たのはニールセンとショスタコーヴィッチとシベリウス。
何となくニヤッとしてしまうプログラム構成。

ニールセンのヘリオスは初聴き。
後期の複雑な交響曲より、ずっと後期ロマン派に近いけれど
時々、ニールセンっぽい転調があって面白い。
ホルンを派手に使っていて
金管が巧いと聴き応えがある楽しい曲。

ショスタコーヴィッチのチェロ協奏曲1番には
美人チェリストのソル・ガベッタが登場。

しかもマタニティ・ドレスで!!!
あれだけお腹が大きくなったら
普通の人は休みを取るんじゃないかと思うんだけど
アーティストは産休手当とか出ないだろうし(イケナイ考え方)

情熱的でマスクリンな演奏・・・と言ったら良いんだろうか。
荒々しい音がして、すごく男性的で
う〜ん、う〜ん、う〜ん、ワタシ、所詮シロウトなので
何か音が粗過ぎて、透明感が全くなくて
濁っていて気持ち悪いしオーケストラに埋もれる。

いやいやいや、これこそ好みの問題である。
あの曲を澄んだ透明感のある豊かな音響で弾けと言ったって無理だろ。

終わった後、オーケストラのメンバーが
全員揃って盛大に拍手していたから
きっと、素晴らしいチェロだったのだと思う。

アンコールはカザルスの「鳥の歌」だったんだけど
ウィーン交響楽団のチェリスト3人を伴奏に使って
え〜っと・・・ このオーケストラのチェリストの音の方が
ワタシには美しく響いて来たし
第一、ガベッタ、ソロの部分、ほとんど弾いてない(ような気がした)

まぁ、美人だし、ご妊娠中だし
私、シロウトだし好みの問題だし・・・(うじうじ)

後半はシベリウスの交響曲2番。
ご存知、あの名曲 ♡
でもナマで聴くの、何かすごく久し振り。

しかし・・・
このプログラム構成
最初から最後までホルンの首席出ずっぱりで
演奏しっぱなし(吃驚)
えらくホルンにハードなプログラム構成だな・・・

特別どうのこうのという派手な演奏ではないけれど
堅実にシベリウスの響きを明確に出してくれて
これも金管が良いと、実に映えるチャーミングな曲。

それに、弦の響きがかなり良かった ♡
第3楽章とかの細かいパッセージが重なって行く部分なんか
背筋がゾクゾクする位の快感(どうせヘン○イです)

第3楽章から続けての最終楽章で
盛り上げて盛り上げて
また下がって、また盛り上げて
(短調が繰り返し繰り返しで長調に変わるところ♡)
あんたはブルックナーか、という位に
しつこくしつこくしつこく続くところ
実はものすごく好きだったりするのだが

お隣さんは時計を気にしてました(笑)
まぁ、コンツェルトハウスのプログラム
各曲のだいたいの演奏時間の記載があるから
見ていればわかるんですけどね。

こうやって久し振りに聴いてみると
やっぱり名曲だよね。
シベリウスの交響曲って、なかなか嚼み応えがあるというか
割に難しい部類に入ると思うのだけれど
文句なしに聴いていて満足。
金管、お疲れさまです 😀

今日のコンサートはウィーン交響楽団チクルスだったんだけど
会場がかなり静か ♡
無駄な咳がなくて
まぁ、プログラムを捲ったり
飴の包み紙ガサガサはかなりあったけれど
それでも、周囲のマナーは、かなり良くて
飴の包み紙+ティッシュ・ペーパーのガサガサ音さえ気にしなければ
かなり良い感じで落ち着いて鑑賞できたのは嬉しい。

こういうのはコンツェルトハウスの良さでもあるなぁ。
(あまり観光客は入ってこない傾向があるのだ)

最近、ちょっとイライラする事も多かったんだけど
(今日の交通渋滞とかもあったし(笑))
コンサートの後、爽やかな気分で
シベリウスを歌いながら
ドライブして帰って来た私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン交響楽団 + エンリケ・マッツォーラ

Musikverein Großer Saal 2017年4月26日 19時30分〜21時15分

Wiener Symphoniker
指揮 Enrique Mazzola

Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
 Symphonie Nr. 4 A-Dur, op. 90 “Italienische”
Ottorino Respighi (1879-1936)
 Fontana di Roma
 Pini die Roma

最近、何故かウィーン交響楽団のコンサートに行く機会が多いのだが
同時にウィーン交響楽団のコンサート自体も多いわけで
今回はイタリア人指揮者エンリケ・マッツォーラを迎えてのプログラム。

エンリケ・マッツォーラは
2014年3月に同じくウィーン交響楽団を振っているのだが
調べてみたら、私はこの日は
オペラ座でバレエを鑑賞していたので
今回が初聴きとなる。

オペラなどを数多く振っていて
現代音楽にも積極的に取り組んでいる指揮者との事。

メンデルスゾーンのイタリアは
まぁ、ウィーン交響楽団なら
失礼な言い方だが
指揮者が誰であろうが完璧に演奏しそうな曲ではある。

明るい音色と、切れ味の良い音は
このオーケストラの特徴だし。
だから、素晴らしいのだけれど
別にものすごく感激する・・・というよりは
ちゃんと歌っているけれど
まぁ、普通の演奏だよね・・・と思って
会場を見渡していたら

ロジェの向こう側の1列目に座っている
おじいちゃまが
手を振り回して拍子を取っていて
指揮者より、そのおじいちゃまを見ている方が
何か楽しくて

あぁ、すごく楽しんでるんだわ、と
微笑ましく思っていたら

第1楽章終わったとたんに
大声でブラボーと叫んで拍手し出して

それに釣られた何人もが拍手し出して

まぁ、昔は楽章ごとに拍手していたらしいし
音楽を楽しんでくれたんだなぁ、というのは喜ばしいが
やっぱり集中力が途切れるのよ、音楽家も聴衆も。

続く楽章は、楽章ごとの拍手はなかったものの
いや、巧いですよオーケストラ。
だけど、だから何?という
まぁ、はっきり言えば
かなり凡庸な演奏(すみません)

なのに
またもや演奏が終わった後
腕振り回していたおじいちゃまが
大声でブラボー・コールを連発するので

他の聴衆、かなりシラケ気味。

VIP 席に座っていたので
もしかしたら指揮者の関係者だったのかしらん。
(お父さんとか?)
応援を頑張ったのだろうが
反って逆効果で・・・

まぁでもリズム感も音色も悪くない指揮者だから
レスピーギは期待できるかも・・・

・・・(沈黙)

ピアニッシモの音量を極限まで下げて
楽友協会の残響の豊かさの中で
非常に小さい響きを美しく響かせようという意図はわかる。

リハーサルの時には
そりゃ、世にも美しい音響が出た事でしょうよ、きっと。

しかし楽友協会に客が入ったら、話は違う。

前半のブラボーおじいちゃまは
後半では消えていたし
ついでに前半に居た楽友協会の支配人も消えていたが
(用事があったのかもしれないし、他の理由かもしれない)

椅子はすごい音で軋るわ
演奏中に立って動くアホはいるわ
後ろから小声のお喋りが聴こえてきたり
あまつさえ、スマホから
日本のお隣の国の言葉でアナウンスが聴こえて来たり
後ろでプシュという音が聴こえたので
振り返ってみたらペット・ボトルから何か飲んでるし

楽友協会というとんでもないホールは
そういう雑音を、すべて拾ってしまうのだ。

泉の方も、いや確かに演奏巧いけど
だから何?

更に松になったら
ボルゲーゼのあの高音での大音響で
まずは神経に障った後に

ジャニコロの松のあの最後の部分
音量絞って・・・は良いんだけど
その音量の中に
テープでのナイチンゲールに混ざって
上記のような雑音がたっぷり入っていると
・・・ちょっと泣きたいですワタシ。

アッピア街道は当然の事ながら
大音響で押して来て
トランペットはオルガンの前に立って
(良かった横でなくて・・・)

情緒より何よりも
あの席だと・・・ただ耳が痛い。

かなり世界中のあちこちで引き合いがある指揮者みたいだけど
職人的に巧くオーケストラを操っているのはわかるが
それ以外に、ピカッと光るようなものって
今回のコンサートで、私には聴こえなかったなぁ。

金管と木管は優秀。
クラリネットとフルートが抜群に良くて
管が巧いオーケストラだと
確かにこういう曲は引き立つのだが。

まぁ、私も風邪から完璧に立ち直っている訳ではないし
貧民席だと、どうしても入っている客層が
鉄壁のクラオタ以外の人も、かなりの確率で来るわけで
(マナーさえ守っていれば何も言いませんが)
ただ、それを考慮に入れたとしても
何か、う〜ん、普通の演奏というか凡庸というか

コンサートが良かったら
明日の2回目も行こうか、と考えてはいたのだが
止めておこう(金もないし(笑))と決心した私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 2回目

Musikverein Großer Saal 2017年4月23日 19時30分〜21時15分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 36
 Symphonie Nr. 7 A-Dur, op. 92

売り切れベートーベン・コンサートの2回目。
楽友協会も笑いが止まらんだろう(邪推)

ウィーン・マラソンもあったし
今、何かの医学会議中で
会議事務局が大量にチケットを買っている可能性もあるし(邪推)

今回の風邪は、かなりしつこい。
もう1週間近くなるのに
まだ湿った咳が止まらず
咳する度に鼻を嚼まねばならず
(あぁ、ヨーロッパで良かった)
鼻を嚼むたびに、くっついた鼓膜が剥がれて
突然、周囲の音が聴こえたりする。

そんな事情で
どうも最初の2番は
鼓膜くっつき状態で聴いていたので
どうもよく聴こえていない(ような気がする)

弦があまりに滑らか過ぎて
いや、あの高速テンポで
よくあれだけの数の音符を演奏するな。
(少なくともあの部分の最初はちゃんと聴こえてた。
 後ろの方はちょっと手抜きがあったかもしれないが)

明るい音色のモダンなベートーベンで
古典的とか言うよりも
もっと滑らかで軽い感じの
う〜ん、例えて言えば
コマーシャル・ソングなんかに使っても違和感がないというか

いや、ベートーベンって
何かこう、悩んで哲学的に深くやらないと
コワイ批評家のオジサンたちが何か言いそうなのだが

当時のエンターテイメント音楽だもん、
別にそんな難しく考える事もないと思うんだけど。

ある意味、能天気、と言ったら叱られそうだが
モーツァルトやハイドンの系統を汲んで
底抜けに明るい楽しい音楽として聴ける印象。

これ、ちょうどベートーベンの難聴が進んで
本人、一番辛い時期だった時に作曲されたものだが
そんな逆境の中で
開き直りのハイテンションという

・・・どう考えてもヘンジンだよね(ボソッ)

幕間に思い切り鼻を嚼んだら
鼓膜が離れて、突然、耳が聴こえるようになったので
喜び勇んで7番に突入。

ぎょっ・・・ 😨

ジョルダンがニコニコしている・・・ 😱

いや別にだから、というワケではないのだが
ジョルダンって、ポスターでもパンフレットでも
指揮台に乗っていても
しかめっ面しかしていない(ような気がする)
特にポスターだのブローシャーだのの写真では
睨みつけるような顔しか掲載されていないので

え〜っ、この人
こんな爽やかな笑顔が出来るんかいっ!!!

何か見てはイケナイものを見てしまったような気分。
世にも恐ろしい指揮者ジョルダンの秘密とか(こらこらこらっ)

第1楽章と第2楽章をアタッカで繋げるのは
金曜日と同じ。
当然の事ながら、第2楽章のテンポも速めで
歌うというよりは、あっさり感の多い
すっきりしたモダンな音が出てくる。

第3楽章以降は
もう力任せに突っ走ったというか
タメも何もなく
インテンポに近いすごい速度で
走るわ走るわ・・・

スコア見るつもりで持って来ていたんだけど
見なくて良かった(絶対に置いていかれそう)
とんでもない推進力でグイグイ押して来て
アルコールか何かを
愉快な席で飲みまくってハイになった状態そのもの。

ジョルダンの気持ち良さそうな
滅多に見ない爽やか青年風の笑顔に
最初から最後までギョッとしながら
何か、アレアレアレと思っている間に終わっちゃいました(笑)

ジョルダンのベートーベン
新鮮に響くし面白いし
エンターテイメントの原点に立ち戻ったという印象で
すっきり爽やか
クソ面倒な事は置いておいて
みんなで熱狂して楽しもうじゃないの、という感じか。

6月21日と22日に
同じウィーン交響楽団とジョルダンで
ベートーベンの交響曲9番のコンサートがあるのだが
(幻想合唱曲も演奏される)
何となく想像がつくような
でも、ジョルダンの事だから
もしかしたら、またとんでもない事をやるかも

6月22日は他のコンサートに行く予定なので
1回しか聴けないけれど
ちょっとワクワクしている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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