ウィーン交響楽団 + エンリケ・マッツォーラ

Musikverein Großer Saal 2017年4月26日 19時30分〜21時15分

Wiener Symphoniker
指揮 Enrique Mazzola

Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
 Symphonie Nr. 4 A-Dur, op. 90 “Italienische”
Ottorino Respighi (1879-1936)
 Fontana di Roma
 Pini die Roma

最近、何故かウィーン交響楽団のコンサートに行く機会が多いのだが
同時にウィーン交響楽団のコンサート自体も多いわけで
今回はイタリア人指揮者エンリケ・マッツォーラを迎えてのプログラム。

エンリケ・マッツォーラは
2014年3月に同じくウィーン交響楽団を振っているのだが
調べてみたら、私はこの日は
オペラ座でバレエを鑑賞していたので
今回が初聴きとなる。

オペラなどを数多く振っていて
現代音楽にも積極的に取り組んでいる指揮者との事。

メンデルスゾーンのイタリアは
まぁ、ウィーン交響楽団なら
失礼な言い方だが
指揮者が誰であろうが完璧に演奏しそうな曲ではある。

明るい音色と、切れ味の良い音は
このオーケストラの特徴だし。
だから、素晴らしいのだけれど
別にものすごく感激する・・・というよりは
ちゃんと歌っているけれど
まぁ、普通の演奏だよね・・・と思って
会場を見渡していたら

ロジェの向こう側の1列目に座っている
おじいちゃまが
手を振り回して拍子を取っていて
指揮者より、そのおじいちゃまを見ている方が
何か楽しくて

あぁ、すごく楽しんでるんだわ、と
微笑ましく思っていたら

第1楽章終わったとたんに
大声でブラボーと叫んで拍手し出して

それに釣られた何人もが拍手し出して

まぁ、昔は楽章ごとに拍手していたらしいし
音楽を楽しんでくれたんだなぁ、というのは喜ばしいが
やっぱり集中力が途切れるのよ、音楽家も聴衆も。

続く楽章は、楽章ごとの拍手はなかったものの
いや、巧いですよオーケストラ。
だけど、だから何?という
まぁ、はっきり言えば
かなり凡庸な演奏(すみません)

なのに
またもや演奏が終わった後
腕振り回していたおじいちゃまが
大声でブラボー・コールを連発するので

他の聴衆、かなりシラケ気味。

VIP 席に座っていたので
もしかしたら指揮者の関係者だったのかしらん。
(お父さんとか?)
応援を頑張ったのだろうが
反って逆効果で・・・

まぁでもリズム感も音色も悪くない指揮者だから
レスピーギは期待できるかも・・・

・・・(沈黙)

ピアニッシモの音量を極限まで下げて
楽友協会の残響の豊かさの中で
非常に小さい響きを美しく響かせようという意図はわかる。

リハーサルの時には
そりゃ、世にも美しい音響が出た事でしょうよ、きっと。

しかし楽友協会に客が入ったら、話は違う。

前半のブラボーおじいちゃまは
後半では消えていたし
ついでに前半に居た楽友協会の支配人も消えていたが
(用事があったのかもしれないし、他の理由かもしれない)

椅子はすごい音で軋るわ
演奏中に立って動くアホはいるわ
後ろから小声のお喋りが聴こえてきたり
あまつさえ、スマホから
日本のお隣の国の言葉でアナウンスが聴こえて来たり
後ろでプシュという音が聴こえたので
振り返ってみたらペット・ボトルから何か飲んでるし

楽友協会というとんでもないホールは
そういう雑音を、すべて拾ってしまうのだ。

泉の方も、いや確かに演奏巧いけど
だから何?

更に松になったら
ボルゲーゼのあの高音での大音響で
まずは神経に障った後に

ジャニコロの松のあの最後の部分
音量絞って・・・は良いんだけど
その音量の中に
テープでのナイチンゲールに混ざって
上記のような雑音がたっぷり入っていると
・・・ちょっと泣きたいですワタシ。

アッピア街道は当然の事ながら
大音響で押して来て
トランペットはオルガンの前に立って
(良かった横でなくて・・・)

情緒より何よりも
あの席だと・・・ただ耳が痛い。

かなり世界中のあちこちで引き合いがある指揮者みたいだけど
職人的に巧くオーケストラを操っているのはわかるが
それ以外に、ピカッと光るようなものって
今回のコンサートで、私には聴こえなかったなぁ。

金管と木管は優秀。
クラリネットとフルートが抜群に良くて
管が巧いオーケストラだと
確かにこういう曲は引き立つのだが。

まぁ、私も風邪から完璧に立ち直っている訳ではないし
貧民席だと、どうしても入っている客層が
鉄壁のクラオタ以外の人も、かなりの確率で来るわけで
(マナーさえ守っていれば何も言いませんが)
ただ、それを考慮に入れたとしても
何か、う〜ん、普通の演奏というか凡庸というか

コンサートが良かったら
明日の2回目も行こうか、と考えてはいたのだが
止めておこう(金もないし(笑))と決心した私に
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ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 2回目

Musikverein Großer Saal 2017年4月23日 19時30分〜21時15分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 36
 Symphonie Nr. 7 A-Dur, op. 92

売り切れベートーベン・コンサートの2回目。
楽友協会も笑いが止まらんだろう(邪推)

ウィーン・マラソンもあったし
今、何かの医学会議中で
会議事務局が大量にチケットを買っている可能性もあるし(邪推)

今回の風邪は、かなりしつこい。
もう1週間近くなるのに
まだ湿った咳が止まらず
咳する度に鼻を嚼まねばならず
(あぁ、ヨーロッパで良かった)
鼻を嚼むたびに、くっついた鼓膜が剥がれて
突然、周囲の音が聴こえたりする。

そんな事情で
どうも最初の2番は
鼓膜くっつき状態で聴いていたので
どうもよく聴こえていない(ような気がする)

弦があまりに滑らか過ぎて
いや、あの高速テンポで
よくあれだけの数の音符を演奏するな。
(少なくともあの部分の最初はちゃんと聴こえてた。
 後ろの方はちょっと手抜きがあったかもしれないが)

明るい音色のモダンなベートーベンで
古典的とか言うよりも
もっと滑らかで軽い感じの
う〜ん、例えて言えば
コマーシャル・ソングなんかに使っても違和感がないというか

いや、ベートーベンって
何かこう、悩んで哲学的に深くやらないと
コワイ批評家のオジサンたちが何か言いそうなのだが

当時のエンターテイメント音楽だもん、
別にそんな難しく考える事もないと思うんだけど。

ある意味、能天気、と言ったら叱られそうだが
モーツァルトやハイドンの系統を汲んで
底抜けに明るい楽しい音楽として聴ける印象。

これ、ちょうどベートーベンの難聴が進んで
本人、一番辛い時期だった時に作曲されたものだが
そんな逆境の中で
開き直りのハイテンションという

・・・どう考えてもヘンジンだよね(ボソッ)

幕間に思い切り鼻を嚼んだら
鼓膜が離れて、突然、耳が聴こえるようになったので
喜び勇んで7番に突入。

ぎょっ・・・ 😨

ジョルダンがニコニコしている・・・ 😱

いや別にだから、というワケではないのだが
ジョルダンって、ポスターでもパンフレットでも
指揮台に乗っていても
しかめっ面しかしていない(ような気がする)
特にポスターだのブローシャーだのの写真では
睨みつけるような顔しか掲載されていないので

え〜っ、この人
こんな爽やかな笑顔が出来るんかいっ!!!

何か見てはイケナイものを見てしまったような気分。
世にも恐ろしい指揮者ジョルダンの秘密とか(こらこらこらっ)

第1楽章と第2楽章をアタッカで繋げるのは
金曜日と同じ。
当然の事ながら、第2楽章のテンポも速めで
歌うというよりは、あっさり感の多い
すっきりしたモダンな音が出てくる。

第3楽章以降は
もう力任せに突っ走ったというか
タメも何もなく
インテンポに近いすごい速度で
走るわ走るわ・・・

スコア見るつもりで持って来ていたんだけど
見なくて良かった(絶対に置いていかれそう)
とんでもない推進力でグイグイ押して来て
アルコールか何かを
愉快な席で飲みまくってハイになった状態そのもの。

ジョルダンの気持ち良さそうな
滅多に見ない爽やか青年風の笑顔に
最初から最後までギョッとしながら
何か、アレアレアレと思っている間に終わっちゃいました(笑)

ジョルダンのベートーベン
新鮮に響くし面白いし
エンターテイメントの原点に立ち戻ったという印象で
すっきり爽やか
クソ面倒な事は置いておいて
みんなで熱狂して楽しもうじゃないの、という感じか。

6月21日と22日に
同じウィーン交響楽団とジョルダンで
ベートーベンの交響曲9番のコンサートがあるのだが
(幻想合唱曲も演奏される)
何となく想像がつくような
でも、ジョルダンの事だから
もしかしたら、またとんでもない事をやるかも

6月22日は他のコンサートに行く予定なので
1回しか聴けないけれど
ちょっとワクワクしている私に
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ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 1回目

Musikverein Großer Saal 2017年4月21日 19時30分〜21時15分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 36
 Symphonie Nr. 7 A-Dur, op. 92

いやもう失礼な言い方なんだけど
不況に強いベートーベンというか
今回のウィーン交響楽団のチケットも売り切れ満員御礼。

ウィーン交響楽団は
来シーズンも、今度はコンツェルトハウスで
またもやベートーベン全曲チクルスを予定しているのだが
ベートーベンって人気なんですね(特に観光客に(笑))
7番はともかくとして
2番なんて、滅多に演奏されない曲なんだけど。

ジョルダンは
ウィーン交響楽団というモダン・オーケストラの音質を活かして
ピリオド奏法とかではなく
あくまでもモダンなベートーベンを目指しているようだ。

モダンでシンプルでスッキリしたベートーベンを目指すなら
リピート省略しても、とか思っちゃったけれど
リピートの省略はなし。

まだ完全に風邪は治らず
何がイヤかって、鼓膜が張り付いている感じで
音が聴こえ難いという、一番困る状態だから
私の脳内での音響処理が悪かったという可能性は大いにあるとして

あくまでも正統派で攻めてきた2番では
管がかなり目立って
その分、弦、特に第一バイオリンが
かなり痩せて聴こえてくる。

あの細かいパッセージを完璧に演奏してはいるので
音符の潰れは一切なくて
透明感はあるのだけれど
今ひとつ、弦の膨らみに欠けているような感じ。
(あくまでも主観です。耳がおかしかったせいかも)

その分、管がえらく巧くて、解像度抜群。
舞台は全然見えないけれど
どの楽器が演奏されているのか
見えなくても、しっかりわかる。

これ、スコア見ながら聴いてみたいな・・・

後半はのだめカンタービレ・・・じゃなかった
言わずと知れた7番。

この曲、えらく景気が良くて
ロックンロールかパンクかディスコ・ミュージックで(言い過ぎ)
音楽的内容が濃いとか言う曲じゃないと常々思っているのだが

こんなに聴き慣れてしまっている曲が
う〜ん、またもや、何故か新鮮に響くってど〜いう事?

で、ベートーベンってお茶目というか面白いというか
2番の出だしも、7番の出だしも
ほとんど同じじゃん!!!(爆笑)
(こじつけですけどね。でも最初に一発ドカンって・・・)

タメがなくて、リズムの不安定な揺れもなく
すごく調子よく、ノリにノッて
リピート全部ありの第1楽章の後に
アタッカで第2楽章。

ほおおおお、これ続けて演奏されると
第1楽章のリズムと違うのに
何故か一環して聴こえて来て
集中力も欠けないし、楽しいじゃないの。

第2楽章もセンチメンタルにならず
速めテンポでグイグイ攻めて来る。
文句なく楽しい。

この聴き慣れた7番なのに
メロディのボーゲンが、あっ、と思わされる箇所がいくつかある。

う〜ん、こういうモノを探してくる指揮者も凄いが
うっしっし、とニヤニヤしつつ(かどうかは知らんが)
こういうモノを楽譜に隠すベートーベンという
変人ナンバーワンのオジサンの凄さを
今さらながら思い知らされる。
(イケズ、根性悪、しかも天才(笑))

クラシック音楽が
「クラシック」という枕詞をつけられていない時代の
フリーのヒットメーカーが
ばっちり一般ウケを狙って書いた曲
・・・というと
何か高尚じゃなくて言葉が悪いんだけど

でもそれが本来の音楽のあり方だよね?

ウィーン交響楽団って多才だなぁ。
この間、ジャズっぽいインターナショナルな音楽を演奏したかと思えば
今回は古典をモダンで見事に演奏しちゃうし。
オーケストラの音色のバリエーションの多彩さというなら
今、このオーケストラがウィーンではベストかもしれない。

ベルリン・フィルのような
縦線ピッタリ揃ったスポーツカーみたいなガリガリではなくて
ちょっとウィーンらしい緩さ・・・というより
そこはかとなく匂う「優しさ」というのもあって
この雰囲気、やっぱり好きだわ。

早いところ、この風邪を完全に直さないと
音がヘンに聴こえて来ていたらイヤだしな、と
真剣に考えている私に
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ベートーベンの交響曲チクルスって
何回も色々なオーケストラと指揮者で聴いて来たけれど
それでも飽きないのは何故だろうなぁ。
やっぱり、レベルの高いエンターテイメントだからだろうか(違うかも)

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 2回目

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年4月16日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan
ピアノ Jean-Yves Thibaudet

“Frühling in Wien”

Leonard Bernstein (1918-1990)
 Ouvertüre zu “Candide” (1956)
George Gershwin (1898-1937)
 Konzert für Klavier und Orchester F-Dur (1925)
 An American in Paris. Symphonische Fantasie (1928)
Leonard Bernstein
 Symphonic dances (West Side Story) (1957)

昨日とプログラムは一緒だが
今日はテレビが入っていない。
花飾りだけは舞台の後ろと前と
オーケストラの横のところに残っている。

本日も貧民席だが
(私に他のどの席を買えと?)
ライトも当たらず、普通に普通のコンサートでありがたい。

オーケストラを見ると
あれ?昨日とフルート首席が変わってるぞ。
2015年シーズンから入ったイタリアの美人フルーティスト。
昨日はお休みか病欠だったのかしら。

まぁ、誰がメンバーであろうが
ウィーン交響楽団は徹底的なプロの音楽職人集団(笑)

ビッグバンド的なノリの良さでカンディードの後
ガーシュインのピアノ協奏曲では

ティボーデのピアノが・・・ううう、ステキ ♡
これは好みが分かれるかもしれないが
アメリカンというよりは
徹底してヨーロピアン。

幕間後に演奏された
パリのアメリカ人的に
ガーシュインのジャズが
ヨーロッパの洒落たチャーミングな洗礼を受けたかのような
クセのない透明な響きで泥臭さは一切なし。

徹底的に音響に拘った部分もあって
不思議なピアノの、ピアノとは思えない音を出したりする。

ううう、この人のピアノで
サンサーンスのエジプトをナマで聴きたい、と
呟いたら、パリでもう2回演奏しているそうで

お願い、ウィーンでもやって!!!!

指揮者とピアニストの
何となく妖しげで妄想を呼び起こしそうな連弾。
(いかん、腐女子の道はコンサート・ホールでは御法度よっ)

後半のパリのアメリカ人。
ジョルダンって、あれかしら
今回はもう節操なく、オーケストラのトゥッティで
バランスだの理性だの取っ払って
景気よく出来るだけの大音響出しちまえ、みたいな気分?(邪推)

いやまたこれが気持ち良いんだわ。
もちろんシンフォニー・オーケストラだから
細かい部分の処理まで見事で
その意味では崩れた部分はなくて
きっちりと構造は見せてくれたのだが

ちょっと信じられない程にハイな演奏で
むちゃくちゃ楽しかったです ♡

さて最後のシンフォニック・ダンス。
いや、今日、日曜日でしたし
朝8時のサウナの後に
思い立って久し振りに
ロバート・ワイズ監督の
ウエスト・サイド・ストーリーを観てしまった。

あれ、振付がジェローム・ロビンスなんですよ。
(ジェローム・ロビンスの「コンサート」は
 来期国立バレエ団のプログラムに入った。バンザイ!!!)

いやもうカッコいいの何のって
主人公のトニーは全然踊らないけど
リフを始めとするジェット団のダンスが見事。

それはともかくとして
ロメオとジュリア的ラブストーリーに涙しながら観ちゃったので
コンツェルトハウスでの感情移入が・・・(以下省略)

だって、あのシンフォニック・ダンスって
最後が本当に臨終のシーンじゃないですか。

え〜い、普通、こういう組曲にしたら
盛り上がって終われば良いのに・・・
(ロメオとジュリアの組曲なんか
 もとのストーリー完璧に無視だし)

と涙しながら勝手に文句つけつつ
コンサート会場を後にした私に
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いやホント、今日は車で行って良かった。
(コンサートの後に地下鉄・市電は心理的に辛い時がある)

サマー・タイヤに代えて
ブレーキ交換とかランプ交換とかしてもらって
払った550ユーロ(日本円で約6万5千円くらい)のうち
部品代金は150ユーロもせず
後は全部人件費って、日本じゃ考えられないかも(笑)

サマー・タイヤには代えたけれど
オーストリアの山岳地の一部では雪だそうです。
ウィーンも寒いし天気悪いし・・・イースターって何か毎年そういう感じ(苦笑)

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 1回目

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年4月15日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan
ピアノ Jean-Yves Thibaudet

“Frühling in Wien”
Das TV-Osterkonzert der Wiener Symphoniker

Leonard Bernstein (1918-1990)
 Ouvertüre zu “Candide” (1956)
George Gershwin (1898-1937)
 Konzert für Klavier und Orchester F-Dur (1925)
 An American in Paris. Symphonische Fantasie (1928)
Leonard Bernstein
 Symphonic dances (West Side Story) (1957)

聖金曜日は一日仕事して
何と夜はご近所さんサウナで酔っ払って
(註 私だけではなかった(笑))
何で金曜日の夜に来られたの?と聞かれ

だって聖金曜日ですよ?
国立オペラ座もフォルクス・オーパーも
楽友協会もコンツェルトハウスも
全部閉まってます(笑)

というワケで
コンサート枯れのシーズンを経て
やって来たのは
恒例の「ウィーンの春」のコンサート。

コンツェルトハウスの大ホールに入ると
舞台の前も後ろも
カメラの入る部分(舞台上3ヶ所か4ヶ所)に
華やかなピンクとオレンジの花飾りが
山盛りになっていて

・・・こういう花の山盛りのコンサートって
何年か前にも「春のコンサート」とか銘打って
楽友協会で聴いた事がある、という
不思議なデジャブに駆られたら
ありましたよ、2015年の「ウィーンの春」コンサート。
おヒマな方は こちら をどうぞ。

今年もテレビの収録があって
しかも放映が4月17日のイースター・マンデーの朝10時25分。
まぁ、本当にイースター・コンサートなんですね。
(再放送4月23日20時15分。ARTE では6月18日18時25分)
2年前と同じで、テレビないから見られませんが(笑)

ウィーンの春、と銘打ったコンサートで
何でバーンスタインとガーシュインなんだか
私にはよくわからん。
2015年はぶつ切りだったがシューベルトだったのだが
まぁ、聴く側にしても
いつもモーツァルトだのシューベルトだのベートーベンだのよりは
時々は景気良くジャズっぽいものを聴くのも一興。

個人的好みとしては
シューマンの交響曲1番を聴きたいんだけど
(最近、シューマンの交響曲は流行らないのか演奏されない(涙))

毎年イースターってあまり天気が良くなくて
まぁ、その意味でもジャズっぽいコンサートは
気分が上向くかも。

ギョッ 😦

何ですかこのオーケストラの大編成は???
舞台一杯に広がるプレイヤーの群れ。
普通、イースター休暇って
クリスマスと同じように
皆さん、故郷に帰るんじゃないんでしょうか(謎)
テレビ収録があるから、ボーナスでも出るんだろうか?
・・・とか下賎な事を考えるワタシ(すみません)

しかもフルートの首席に座っているのは・・・
(以下省略。こういうの、日本人だと目敏いから
 誰かが気がついて大騒ぎしそうだが
 あのプレイヤー、もともとウィーン交響楽団のメンバーだったし)

キャンディード序曲。
しっかり締まった景気の良い演奏 ♡

ガーシュインのピアノ協奏曲は、ひたすらゴキゲン。
ティボーデのピアノが冴えて
リズム感も凄くて

でも面白いのがカデンツァで
これ、ガーシュインじゃなくて
ドビュッシーですか?って音色になってる(爆笑)

オーケストラも時々
ジャズではなくて
シンフォニーになってしまうのが
ちょっと微笑ましいというか、楽しいと言うか。

鳴り止まぬ拍手にアンコールやるよね、と思って
でも、ここでショパンとか弾いたら許さん、と考えていたら
何と、ティボーデとジョルダンの連弾!!!
しかもビリー・ストレイホーンとデューク・エリントンの「トンク」

うははははは
ジョルダンも忙しいだろうに
よくぞ、これをティボーデと練習したわ(感心)
ハンサム2人が手を交差させながら
ゴキゲンなジャズを弾く姿は
耳にもステキだが、眼福でもある(何となく妖しげだし(爆笑))

後半のパリのアメリカ人。
こういう容赦なくオーケストラを鳴らす曲の醍醐味は
コンツェルトハウスならではの楽しみ。
トランペットの首席が張り切る事 ♡

最後はバーンスタインのウエスト・サイド・ストーリーの
シンフォニック・ダンス。
名曲ですよ、これは。
途中で涙出て来たもん。
オーケストラもノリノリだし
ちゃんと指鳴らしも、マンボもやって
あのハチャメチャの乱拍子のルンバも見事。

う〜ん、こういうのは
超一流と言われている他のオーケストラではできんだろう。
(いや、出来るんだろうけど、リハーサルの時間がないだろうあそこは)

ウィーン交響楽団って
名人揃いの職人軍団と常々思っているのだが
ピリオド奏法の受難曲から
こんなジャズまで、隙なくこなせてしまうって
やっぱりすごい。

風邪を引いている人が多かったのか
あるいはテレビ関係で、音楽に興味のない人が多かったのか
結構、静かなところでの咳き込みが頻繁だったんだけど
すごく楽しめるコンサートだった。

ただ、貧民席の横に照明が付いていて
赤になったり黄色になったり
最後の列の私の場所に、しっかり当たって
コンサートの間中、眩しかったのには参ったわ。
カメラは客席は向いていなかったんだから
あんなところに照明を付ける必要はあったのか
オーストリア国営放送に聞いてみたいところではある。

明日はイースターの日曜日。
明後日は祝日で
これからヨーロッパは春の祝日が多いシーズンになる。

けど、もう少し天気が良ければなぁ、と
ちょっと残念に思っている私に
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1回目・・・と書いた通り
実は明日も同じコンサートに行く予定(笑)
受難の季節も過ぎて
これから、ガンガン、コンサートやらバレエやらに通うつもりです。

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

今週は土・日曜日ともダブル・ヘッダー。
時系列に読みたい方は
もう一つ下の記事からお読み下さい。

こちらは夜のコンサート。
計らずも、午後のコンサートと同じ曲を
違うホール・違うオーケストラ・違う指揮者で聴くという
面白い体験でした。

Konzerthaus Großer Saal 2017年3月18日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan
ピアノ François-Frédéri Guy

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Ouverture c-moll zu “Coliolan” op. 62 (1807)
Béla Bartók (1881-1945)
 Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 Sz 119 (1945)
Ludwig van Beethoven
 Symphonie Nr. 6 F-Dur op. 68 “Pastorale” (1807-08)

夜はウィーン交響楽団で
またもや後半はベートーベンの交響曲6番「田園」(笑)

オーケストラのマネージメントって
別に何を考えている、というワケでもないのかしら。

さて、最初はコリオラン序曲から。

コンツェルトハウスの大オーケストラ向けのデッドな音響に
あの勇壮なメロディがキッチリ響くと
すごくマッチョで筋肉質、硬質で透明な音が響き渡る。

切れ味の鋭いウィーン交響楽団の持ち味が活きる。
男性的なのに、無駄に熱くはならず
音の重さがこの上ないバランスで決まっていて
スタイリッシュに聴こえてくるのはジョルダンの持ち味か。

バルトークのピアノ協奏曲3番。
ソリストはフランソワ・フレデリック・ギー。
ちょっと見た目が不思議なヒッピーみたい。
(写真はご本人のサイトからダウンロード。
 クリックで(すごく)大きくなります)



で、これが、これが、これが
ちょっと凄かった(汗)

出だしだけは知ってるけれど
聴き込んでもいない曲なのに
この人のピアノの音、ものすごい色彩感。
次から次に色が変わって
めくるめく色がホールに飛び散るような印象で
何ですか、このピアニスト 😨

呆気に取られて引き摺り込まれて
あっという間に曲が終わっちゃった。
まさかバルトークの協奏曲で
こんな色彩の洪水に溺れるとは思ってもみなかった。

前半で頭がボーッとしてしまって
気を取り直して
後半の「田園」は
ウィーン・フィルのコンサートの時と同じく
スコアに頭を突っ込む事にした。
(どうせ天井桟敷で前が一杯で舞台は見えません)

・・・面白い ♡

ジョルダンは最初のリピートもちゃんと演奏。
さすがにウィーン・フィル+楽友協会という音響とは違って
最初の弦にうっとり、という事はなかったけれど

ジョルダン、時々、フォルテで長く続くフレーズに
膨らみを持たせていて
(え?そんなの楽譜に書いてない、って感じでビックリ)
それが、何とも音楽的に響いてカッコいい。

ホールのデッドな音響の影響もあるけれど
音が全体的にスッキリしていて
爽やかなハイリゲンシュタットあたりの
夏の空気を彷彿とさせて
周囲の空間の空気が澄んでくるような気分になる。

第2楽章で、また椅子からずり落ちそうになった。
ビオラとチェロ、コントラバスの音色が違う。
あれは、ノンビブラートでやらせたのか
中間の音と低音が実に柔らかく
くもった感じで聴こえて来るので
それに乗せるメロディ・ラインの美しい事。

ううう、やるじゃん、ジョルダンとウィーン交響楽団 ♡
なんかちょっと、このメロディを甘く歌わせるところで
涙ウルウルになって来てしまうような状態(アホですどうせ)

農民たちの大騒ぎは
きゃ〜〜〜っ、何ですかそのテンポ。

ウィーン・フィルの演奏より、心持ち早めで
木管がキレイに響くんだけど
クラリネットのあの下降音階
誤摩化した?とは言わないが
ウィーン・フィルの時には、くっきりはっきり聴こえて来たのが
割にボケて聴こえて来たけれど
まぁ、そんなのは好みの問題である(断言)

嵐の部分、迫力たっぷりなんだけど
やっぱり楽友協会との音響の差があって
ウィーン・フィルの音のような脅かすような芝居がかった雰囲気はゼロ。

あくまでも冷静にスタイリッシュに
聴いていて気持ちが良い、というよりは
ホールの音響のせいで
自分はガラス窓のある家から
外の嵐を見て、逃げ惑う農民を見ているような

ある意味、ちょっとノーブルな感じの演奏だったかも。

押し付けがましくない。
ちゃんと主張はしているのだけれど
熱情の嵐に巻き込むというよりは
もう少し距離を置いて、現代的にクールにしてみました、ってところか。

ちゃんとフォルテはフォルテで
無駄にフォルティッシモにしていなかったというのも見事。

何とも新鮮で ♡
トラディショナルというよりはモダン。
オーケストラの持っている音が違うから
ウィーン・フィルと比べられないけれど
ネルソンスよりは、もっと客観的で
ウィーン・フィルの伝統的な演奏に比べると現代的で
スッキリ爽やか。

多少の傷がなかった訳ではないし
弦のアンサンブルの揃い方はウィーン・フィルの方が上だが
こういう、爽快感のある演奏、私は好きだ。

明日、日曜日の11時から
またこのコンサートあるんだけど
ウィーン・フィルも同じプログラムで11時から楽友協会。

う〜ん 😖
ウィーン・フィルのチケットは持っているんだけど
今日のウィーン交響楽団のコンサートを聴いちゃったら
ちょっと明日はウィーン交響楽団に行きたいような気分。
(バルトークのピアノ協奏曲も抜群だったし)

でもお金もないし
持っているチケットを無駄にしたくないし(ケチ)
ウィーン・フィルのドボルジャークと田園だって
明日、もう一度聴いたら
また違う印象になるかもしれないし・・・

ウィーン交響楽団が昼の公演じゃなくて
(日曜日11時のコンサートは
 もれなくバーバラ・レットのお話会が付いて来るのもウザい)
夜のコンサートをやってくれるんだったら
もう一度、このコンサート行きたいんだけど(涙)

どれが上とか下とか言うのではなくて
それぞれのオーケストラやホールの持ち味で
同じ曲でも、これだけ印象が変わってくるという

だから音楽って面白い、と
本気で考えてしまう私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

Musikverein Großer Saal 2017年3月8日 19時30分〜21時30分
Musikverein Großer Saal 2017年3月9日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Phlippe Jordan

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symhphonie Nr. 4 B-Dur, op. 60
 Symphonie Nr. 5 c-Moll, op. 67

ウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンの
ベートーベン・チクルスと名付けてはいるが
今シーズンに全曲演奏する訳ではないようで
先日1番と3番
今回が4番と5番で
3月にバルトークのピアノ協奏曲3番との組み合わせで6番を予定。

ちっ、私の好きな2番と8番は無視か・・・
(9番はまぁ、どうでも良い。すみません、色々とね・・・)

3月は仕事がむちゃくちゃ忙しい時期で
でも昨年と比べたらまだマシと自分に言い聞かせつつ
何とかやってる状態なので
昨日と本日の感想を一緒に書くが
まぁ、同じコンサートの似たような記録を残すよりマシかも。

読者ご存知の通り
つい先日、優等生でパーフェクトなオーケストラを聴いた後で
ウィーン交響楽団を聴くと

・・・・(沈黙)

巧い・下手は全く関係ない。
音楽的にどれが上とか、そんな恐ろしい事を言うつもりもない。

昨日のコンサートの時には
うはははは、えらく粗い演奏だなぁ
どこかのオーケストラだったら完璧に揃える
速いパッセージのアンサンブルも
勢いに任せて、え〜い、やっちまえ、みたいなところがあって

それがまたえらく魅力的っていうのは何故なんだ?!

ベートーベンの交響曲なんて
CD でも Youtube でも
ついでにナマでも、イヤという程聴いている筈なのだが

今回のコンサートは、すごいエネルギーなのだ。

ここ数年流行っている
ピリオド奏法による小編成のアッサリ感は全くなく

かと言って
いわゆる過去の巨匠たちがやったような
(あるいは現代でも数人居るが(笑))
思い入れたっぷりのアゴーギクたっぷりの
大編成オーケストラのどっか〜んという
ほら見ろ俺さまたちを聴け、というのでもない。

勢いでぶっ飛ばし、すっ飛ばし
あちこちをなぎ倒して
周囲を完全に巻き込みながら
すごい速さで駆け抜けていく
イタズラ小僧みたいな印象。

だから、聴いていると
ウキウキしてくるし楽しいし
奇を衒っているところは全くないのに
自然に身体が反応してしまう。

2日目はスコアに頭を突っ込んで
4番の2楽章で時々瞬間睡眠に襲われて
スコアに置いてきぼりを喰らわされたりして
(ベートーベンなら、まだ追い掛けられる)
結局、第3楽章から最終楽章までは
ぐったり寝落ちしていた
・・・ような気がする。頭の中で音楽は鳴っていたけれど。

5番の第3楽章の255小節目から始まる
最終楽章の前の
タタタ・タ タタタ・タ という箇所の響きが
信じられない気味悪さで
こんな演奏、初めて聴いた。
どこをどうバランス取ったら、あんな音になるんだろう?

気味悪いというよりは
ほとんど現代音楽かこれは、というパッセージの後に
爆発するような最終楽章が
これまた、凄まじいスピードで駆け抜ける。

スコア見ていても
リズムが微妙にズレかけた箇所とか
おい、なんだその音、っていうソロも
なかった訳ではないのだが
(99,9999% のソロは見事でした)

多少の傷はあっても
アンサンブルの緻密さは優等生オーケストラに負けても
その「揺れ」が
とんでもないエネルギーを発散する。

オーケストラのメンバーが全員揃って
身長も体重も同じで
首の角度もすべて揃えて
右向け右、とやるより

多少向け方が上だったり下だったり
個性の強い芸術家たちが集まって
それぞれの音を響かせながら
それぞれの個性を尊重しながら
多少の揺れをモノともせずに
ぶつかり合う個性を
指揮者が、自分の個性を出しつつまとめた、という感じ。

だから、音に味がある。
完璧性だけを競うのだったら
楽譜をコンピュータに入れて
正確に読ませたら、そこで事は足りてしまうわけで

強烈な個性のぶつかり合い
音の揺れ
ほんの少しの傷
というような物が
ものすごく人間臭い(笑)

で、それはたぶんベートーベンの曲には
非常に合う。
ヤケッパチみたいな
庶民バンザイみたいな
破天荒なベートーベンが

ほらほらほら、面白いだろ、これ
と、ニヤニヤ舞台を見ているような気分になる。

5番は第2楽章から最終楽章まで
アタッカで通したけれど
それだけ緊張感も続いて
音楽的なまとまりがよく聴こえて来た。

アンコールにエグモント序曲 ♡
(この間の1番・3番の時はコリオラン序曲だった)

いやしかし、凄いなこのオーケストラと
フィリップ・ジョルダンって・・・

この間の優秀なオーケストラと
対極的なところに立っているような印象だが
(両方とも一流のプロなので、巧いのであって
 技術的にどうのこうの言っているのではない)
音楽がイキイキしていて
ひたすら人間的で
すごくオーガニックで

ついでにイタズラ小僧で悪ガキ(爆笑)

1日目は指揮者のジョルダンを見ていたのだが
この長身のイケメン指揮者
指揮台の上で
全身使って(上半身だけではない!)
踊るわ踊るわ
身体中から音楽を発散している。

何ともチャーミングで魅力的なコンサート。
こういう演奏を聴くと
やっぱりベートーベンって名曲だなぁ、と思うと同時に
色々な解釈を許す余地のあるクラシックって
聴き飽きないし

時々、こういう目の醒めるようなビックリもある。

多少睡眠不足でも
(コンサートの間、寝てるから(汗))
こういう時間を持てるって
ものすごく幸せな事だと
しみじみ思う私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



しかし、このオーケストラ
この間、マジメにピリオド奏法で
ヨハネの受難曲とか演奏してたオーケストラだよね?
カメレオンみたいなオーケストラだな(誉めてます)

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年3月5日 15時30分〜18時05分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan
ビオラ・ダ・ガンバ Christophe Coin, Lucas Schurig-Breuß, Elisabeth Wiesbauer
ガンバ Hubert Hoffmann
オルガン Reinhard Führer
チェンバロ Johannes Maria Bogner
コーラス Wiener Singakademie
エヴァンゲリスト Werner Güra
キリスト Adrian Eröd
ソプラノ Genia Kühmeier
アルト Elisabeth Kulman
テノール Daniel Behle
バスバリトン Florian Boesch

Johann Sebastian Bach (1685-1750)
 Johannespassion BWV 245 (vor 1724)

宗教曲は好みではないのだが
クラシック・ファンを自称する身としては
年に1回だけ聴かねばならないものに
バッハの受難曲がある。
(まぁ人によってはワーグナーのパルシファルという人もいるだろうが)

ウィーン交響楽団がフィリップ・ジョルダンで
ヨハネの受難曲を演奏する、というのも珍しい。
普通、受難曲と言えば
古楽器の小編成アンサンブルで
それこそ、コンツェントゥス・ムジクスとか
ヴィーナー・アカデミーあたりのお得意曲だと思うのだが。

オーケストラは小編成。
よく見れば、フルート奏者はトラヴェルソ持ってるし
真ん中にチェンバロ、その横にオルガン
後半になれば、ビオラ・ダ・ガンバが揃って
モダン・オーケストラなのに
見事に古楽器オーケストラに化している。

こういう芸当、トーマス・コープマンが登場してから
このオーケストラ、完璧に出来るようになったのは凄いな。

一般的にはマタイの受難曲の方が有名で
演奏される機会も多いのだが
マタイの受難曲は・・・ともかく長いので
ちょっと短いヨハネの受難曲の方が有り難い(笑)

その代わりに、やっぱりマタイと比べると
音楽的にはストイックな感じがする。

エヴァンゲリストのヴェルナー・ギューラは
以前もエヴァンゲリストで聴いたけれど
体つきに全く似合わない
本当に繊細で美しい、透明で濁りのない高音を出す。

あまりに声が美しすぎて
しかも甲高い声をすごい声量で張り上げるのではなく
本当にバロック的に
まるで教会か小さな貴族のホールで聴いているような
声量を感じさせない声なのに
貧民席のギャラリーの後ろまで
見事に響いて来て、神経に障らず
聴き惚れちゃいました。

ただ、その分、あまりドラマチックにはならない。
あくまでも語り手としての端正さがある。
(ただ、一ヶ所だけコロコロと激情に駆られる部分は凄かった)

エレードのイエスは
これまた、見事にマジメ、むちゃマジメでクソ真面目。

いや、そりゃ、真面目に歌うパートである事はわかるが
エレードの声の質って
バリトンよりはテノールに近いから
マジメなんだけど、あまり威厳はない。

鬼才のフローリアン・ベッシュが
とんでもないピラトスを歌うんじゃないか、と
ちょっと期待していたのだが
これは声の質から言って
堂々として、でも迷いがあってというピラトス像で
とんでもない、というワケではなかった(こらっ)

キューマイヤーのソプラノも澄んだキュートな声だし
もう1人のテノールのダニエル・ベーレも
はっきりしたドイツ語で、美しい声で歌ってくれて

う〜ん、全体的に非常にこじんまりと纏まった感じの
ヨハネの受難曲になった。

出来は非常によろしい。
古楽器オーケストラ的なヨロヨロもあって
それに
コーラスがすごく巧くて

そりゃ、これ聴いたら
ユダヤ人って何だ、という
結構な憎悪に駆られるわよね。

一番活き活きしていたのが
ユダヤ人たちの情景を描いたコーラスだったりして(笑)

しかし毎回バッハの受難曲を聴くたびに
その斬新でドラマチックな音楽に圧倒される。
あの時代の、あの音楽技法の枠組みの中で
あんな近代的で前衛的な音楽技法が出来るという事に
いつも打ちのめされてしまう。

ほら、バッハって
何となく、あのピアノのインヴェンションとかのイメージが
強いじゃないですか。
ピアノの先生と赤鉛筆持って
ここのモチーフが、こちらに来て云々というのが
たぶん、私の記憶にある最初の音楽分析だったと思うのだが
(ちなみに、13歳くらいの時で、それ以降は何もやってません)

クソ面倒な数学的音楽を書く人、というイメージが強いのに
こういう曲を聴くと
(まぁ、ロ短調ミサなんかもそうなんだけど)
ドラマチックな構成に
ひっくり返りそうになる。

コラールは美しいし
その間のストーリーは劇的な展開だし
まぁ、一種の宗教オペラというか(言い過ぎ)

とまれ、今年もちゃんと受難曲聴いて来ましたので
キリスト教の神さまも
どうぞ私をお見捨てなく、よろしくお願いします・・・って
ワタシ、多神教だから、何人神さまが居ても気にしないので
(あっ、キリスト教信者の皆さま、ごめんなさい)

今年の義務が終わったような気がするコンサートというのも
まぁ、珍しいかもしれないけれど
何となくスッキリした気分で
会場を後にした私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



くだらない話だが
以前、何かの折りに
「ヨハネの情熱」という翻訳を見た事があって爆笑した。
確かに Passion はパッションだけどね。

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

久し振り?に
日曜日のダブルヘッダーです。
時系列に読みたい方は、まず こちら からどうぞ。
下は夜のコンサートです。

Musikverein Großer Saal 2017年2月26日 19時30分〜21時20分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 1 C-Dur, op. 21
 Symphonie Nr. 3 Es-Dur, op. 55 “Eroica”

実はこのコンサート
昨日の土曜日と今日の日曜日にあって
本当は2回行く予定にしていたのである。

1週間に1回、週末にチケットを纏めてバッグに入れるのだが
あれ? 土曜日のコンサートのチケットがなくて
日曜日のコンサートのチケットが2枚???

げげげげげ〜っ 😱

私、カレンダーに間違えた日付を書いて
土曜日のコンサートじゃなくて
日曜日のコンサートのチケットをダブルで買っちゃったのか。

時、既に遅し
土曜日のコンサートのチケットは売り切れ。

日曜日の2枚目を楽友協会にリセールで持っていった時に
土曜日のチケット、まだないかなぁ、と聞いたら
申し訳なさそうに、売り切れなのよね、と言われてしまった(涙)

何故にウィーン交響楽団のコンサートが
2回続けて売り切れなんだっ!!!
(いや、すみません、失礼な言動を・・・)

さて、2回目のコンサートになる本日のベートーベン。
フィリップ・ジョルダンが
ウィーン交響楽団と、これから行なう
ベートーベン・チクルスの1回目。
(ウィーン・フィルとティーレマンみたいに
 チクルスにはなっていないが)

バッグにスコアを突っ込んで
会場に到着してからも
スコア見ようか、指揮者をガン見しようか悩んだのだが
まず1番はスコアとにらめっこ。

うわ〜、すごいぞ、この1番。
弦のニュアンスが豊かな事。
しかもアンサンブルがピッタリ揃って
何とも混じりっけのない、すごく透明な音色なのに

何てベートーベンらしいというか
この曲そのものは
まだモーツァルトやハイドンの影響が強いとは言え
そんな伝統的な作りの中でも

ベートーベンらしいワイルドな破天荒さが
あちこちに顔を出して
悪戯っ子がニヤニヤしながら
あちこちを元気一杯で駆け回っているような印象。

ティンパニを強めに出して
速めテンポのノリの良い演奏なのだが
一点の曇りもない揃った弦の透明な美しさに
茶目っ気のある木管や金管が大暴れして

ひえ〜っ、これはたまらん!!!
何か身体中をくすぐられている感じがする。

ちょっと笑っちゃうというか
スコア見ていても面白いんだけど
繰り返しの時はスコアから目を離して
音に集中すると、もっと跳ね返りで面白いし。

スコア見ながら
時々、天井を虚ろな目つきで見上げながら
ニヤニヤ独りで笑っているアジア人というのも
かなり不気味な存在かもしれない(すみません)

イケメンのジョルダンのお姿も拝見したいが
スコアを手に
目から耳から、という
身悶えする程の快感も捨て難く
(どうせヘン○イです)

後半のエロイカも
スコアに頭を突っ込む事にした。

第一楽章のダカーポの前で
グッとテンポを落とすというアゴーギクは珍しかったが
アクセントの付け方が絶妙で
息をつく暇もないほど
駆け足で全身を持って行かれる気分。

何と言うダイナミズム。
モダン・オーケストラでの演奏なのに
ピリオドの小編成のごとくにスッキリ軽く
イヤミがなくて華やかで

あぁ、ベートーベンって
当時のヒットメーカーだったんだよなぁ、って
ひたすらエンターテイメントと納得してしまう。

第2楽章の埋葬行進曲も
ちょっとあれ?と思う程に
思い込みだの、重たい精神性だのがない。
純粋に音楽として
丁寧で、軽く、モダンなのに大袈裟感がない。

何とも言えず、爽やかなのだ。
こんなベートーベンってあったっけ?
聴き慣れた曲なのに、何て新鮮に響くだんろう。

第3楽章からはスコアを閉じて
イケメン指揮者を拝見。
(あの楽章、速すぎてスコア見てもついていけないだろうし(笑))

正に疾走、小気味が良い。
しっかり丁寧に歌わせているのに
出てくるエネルギーの量が半端じゃなくて

1番もそうだったけれど
ちょっと笑っちゃうほどに
ベートーベンのイタズラ風味や
うはは、とニヤニヤ笑いながら
あちこちに翻弄するトリックを仕掛けているのが聴こえて来る。

例のホルンのパッセージの見事だった事。
惚れ惚れするわ。
ウィーン交響楽団、もともと管は名人揃いだし
それに、今回みたいに鉄壁のアンサンブルの弦が加わると
このオーケストラも時々、異様に無敵になる(笑)

この曲のハチャメチャな最終楽章
実は大好き ♡
ベートーベン得意のバリエーションが
これも息をつく暇もなく
次から次へと
まるでヤケッパチみたいに華やかに
極彩色の紙芝居でも見ているかのよう。

今さらベートーベン?と思っていたけれど
やっぱりベートーベンって凄い。

というより
これだけ手垢のついた古典作品を
ウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンが
手垢を擦り落として
ピカピカの新鮮な状態で
でも、根本的な部分の音響の美しさとか構成は
そのままのオリジナルな形で
見事に聴かせてくれたのがむちゃ嬉しい。

それだけに昨日、聴き損ねたのが残念(涙)

アンコールにプロメテウスが演奏されて
これもモダン・オーケストラなのに
すっきりした音を響かせてくれて
ものすごくお得な気分で
楽友協会を後にした私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン交響楽団 + 佐渡裕

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年2月21日 19時30分〜21時30分

Wener Symphoniker
指揮 Yutaka Sado
ピアノ Alice Sara Ott

Edvard Grieg (1843-1907)
 Konzert für Klavier und Orchester a-moll op. 16 (1868)
Nikolai Rimski-Korsakow (1844-1908)
 Scheherazade. Suite symphonique op. 35 (1888)

仕事でも驚きの災難続きなのだが
まさか私が買ったコンサートまで災難続きとは 😱

チクルスで持っていたのは昨日分なのだが
昨日分は友人に譲って、今日の分を別に購入。

最初は
指揮がクリヴィーヌでピアノがティボーデの予定。

ティボーデがキャンセルして、アリス・サラ・オットに変更。
クリヴィーヌがキャンセルして、ミッコ・フランクに変更。

更にその後
コンツェルトハウスからのアナウンスによれば
ミッコ・フランクが最終リハーサルの時に倒れてキャンセル。

結局、佐渡裕氏が急遽の代役で指揮台に立つ事になった。

ミッコ・フランクの指揮で演奏する予定だった
エイノユハニ・ラウタヴァーラの曲はキャンセル(涙)

グリークのピアノ協奏曲とシェヘラザードというプログラム
私の好みじゃないし(すみません、偏ってますんで)
仕事は今むちゃくちゃな状態なので
行こうかどうしようか散々迷ったのだが

昨日行った知り合い(プロ)が
良かったですよ、というメールをくれたのと
もう仕事する気力もなかったので(何と言う言い訳)

で、行ってみたら
このコンサート、思っていたよりずっと良かった 😀

アナウンスによると
オーケストラのメンバーの何人かも倒れたらしく
どこぞからトラを持って来たという話だが

グリークのピアノ協奏曲
ピアノの音がクリアに存在感を主張していて
すごくチャーミング。

この曲を聴くと
どうしても日曜サスペンス劇場か何かの
テレビ番組を連想するのは仕方ないとして
(第二テーマのところで、スポンサーは・・という
 アナウンスまで頭に響いてくるのである)

美人でスタイル良くて
スマートな体つきをまるでレオタードのように見せる
銀色の衣装を纏った裸足のピアニストは
見た目もチャーミング。

鉄壁のテクニックなのだが
それをこれ見よがしに誇示する事もなく
男性と聴き間違うばかりの強いピアノの音で
しかも、遅めテンポの堂々とした印象で
じっくりと攻めてくる。

出てくる男性的でゲルマン的な音と
見た目の華奢なスタイルのギャップに
悶える、というのはアリなんでしょうかね(笑)

演奏後に指揮者に抱きついたり
カーテン・コールで走って出て来たりという
キャピキャピな
如何にも私ってカワイイでしょ、というマナーは
私はあまり好きではないが
年配のお客さまにはむちゃくちゃウケそう。

でもマナー云々よりも
音楽が期待以上に骨太で
しっかり聴かせてくれたので
日曜か火曜サスペンス2時間特集よりも
ずっと音楽的に最初から最後まで楽しめた。

後半のシェヘラザード。
これ、同じテーマが延々と続くので
時々、辟易するのだが

これがまたドラマチック ♡
楽友協会でやったら絶対に許さん、という
大音響を容赦なく鳴らせて
品も外聞もない程に徹底的にドラマチックな作り方。

よってお話が目の前に彷彿とする位の
語りのある音楽になっているのだ。

コンマスのシェヘラザードは
あまり色気は感じなかったが(笑)←男性で色気っていうのもね
弱いかと思うと凛とした感じにもなって
良い感じで聴かせてくれて
でも、それ以外のドラマチック部分がものすごい迫力。
主人公はシェヘラザードじゃなくて
アリババの盗賊(なんてここに居たっけ?)か何かかと思ってしまう位。

ここまで大音響でオーケストラを鳴らせると
気持ち良いわ(註 コンツェルトハウス大ホール限定(笑))

色々と困難のあったコンサートだが
危機を乗り越えて
きちんと音楽を語ってくれた
指揮者、ピアニスト、オーケストラに感謝。

佐渡裕氏もほとんどリハーサルなしの状態で
指揮台に立ったんだろうなぁ。大変だっただろう。

ミッコ・フランク氏、早く元気になってね。

自宅に戻って
他のチケットを見ていたら
とんでもない発見をして
冷汗かいている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



冷汗の原因だが
間違えた日付のコンサート・チケットを買っていた 😨
買ったと思った日付のコンサートは既に売り切れ。
神さまが
あまりコンサートばかり行くな、と
私を叱っているのかもしれない(そんなアホな)

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