ウィーン交響楽団 + ラハブ・シャニ

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月20日 19時30分〜21時40分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Lahav Shani
    バイオリン Renaud Capuçon

    >>Frühling in Wien<<
    Das TV-Osterkonzert der Wiener Symphoniker

    Paul Dukas (1865-1935)
     L’apprenti sorcier „Die Zauberlehrling“.
      Symphonische Scherzo nach Johann Wolfgang von Goethe (1897)

    Maurice Ravel (1875-1937)
     Tzigane. Rapsodie de concert für Violine und Orchester (1924)

     Daphnis et Chloé
      Fragments symphoniques, deuxième série (1913)

    Ernest Chausson (1855-1899)
     Poème op. 25 für Violine und Orchester (1896)

    Maurice Ravel
     La Valse. Poème choréographique pour orchestre (1919/20)
      Mouvement de Valse viennoise

    アンコール
    Jules Massenet: Méditation (Thaïs)
    Johann Strauß (Sohn): Frühlingsstimmenwalzer op. 410
    Johann Strauß (Sohn): Furioso-Polka op. 260

    昨日の金曜日はカール・フライタークで
    イエス・キリストが十字架上でお亡くなりになり
    よって、夜はコンサートもオペラも劇も何もない。

    本日土曜日は、ユダヤ教では安息日なので
    墓の中のイエス・キリストが
    せっせと活動停止した細胞を(たぶん)再生している(と思われる)日で
    そんな日にコンサートしちゃって良いのか・・・とは思うのだが

    まぁ、世の中、ビジネスですから(笑)
    ウィーン交響楽団の「ウィーンの春」コンサートは
    テレビ中継があるので
    舞台に花が飾られている。
    (さすがにコンツェルトハウスのホールは広いので
     ニューイヤー・コンサートの楽友協会みたいな華やかさはない)
    明日4月21日のコンサートはフィデリオでライブ
    オーストリア国営放送テレビ3番では20時15分から開始。
    カッティングした「ベスト・オブ」は22日の朝10時45分から放映予定。

    という事は、本日はゲネプロかい(笑)→ テレビ・カメラは入っている。
    しかも、このコンサートのチケット
    最貧民席で40ユーロを越えるという強気設定。
    同じ日に国立オペラ座でバレエがあったので
    そっちの方がコスト的には助かったかも。
    (しかも今日のキャスト、ちょっと涎モノだったのだ、くっ・・・)

    まぁ、買っちゃったものは仕方ない(苦笑)
    しかも、ウィーンらしからぬ、フランス一色プログラムで
    ポール・デュカスの「魔法使いの弟子」
    ラヴェルの「ツィガーヌ」に「ダフニスとクロエ」
    休憩の後はショーソンの「詩曲」
    最後にラヴェルの「ラ・ヴァルス」

    ・・・こんなプログラム構成、誰も反対しなかったんかい?!

    いや、オーケストラの色彩という意味では
    徹底的に楽しめる構成ではある (^^)
    有名曲ばっかりだし。

    デュカスの魔法使いの弟子は
    木管のソロの楽しさが爆発する。
    かなり解像度を上げて
    こういう曲を、解像度を上げると
    コンツェルトハウスのホールの音響にはぴったりハマる。

    ラヴェルのツィガーヌはルノー・カピュソンが登場。
    名人芸の最初の長いソロが素晴らしい。

    コンサート・マスター、ソロの間、目を瞑っていたのは
    聴き惚れていたのか、居眠りしていたのかわからないが。

    ラヴェルという作曲家、本当に引き出しが多い。
    エキゾチックな曲を書いても
    ジプシー音楽を、しっかり自分の枠内に取り込んで
    しかも冒険的な試みも多くて、ホントにワケわからん作曲家だ。

    続いてラヴェルのダフニスとクロエ第2組曲。
    あれは出だしが非常に難しいのだが

    シャニは徹底的に分析的に出して来た。
    オーケストラの色彩感というよりは
    緻密に編まれた、音の絨毯の一つ一つの糸を提示してくる感じ。
    ラヴェルのスコアを、とことん解剖して
    パーツに分けて、それをまた精密に編み込んだ印象。

    その分、あまり、いや、全然、色気がない。
    分析的・理論的アプローチであって
    時々、すごく元気良くボリュームを上げるんだけど
    リズムが時々、跳ね上がってしまって
    クロエは、そんな元気なキャピキャピ女子じゃないわい
    ・・・というのは、私の偏見だが

    まぁ、若いカップルの話なので
    元気が良いのは良い事だ(ってワケわかりませんが)

    調子良く終わる曲なので
    聴衆もノリノリで幕間に行く。こういう構成、好きだな。

    ショーソンの「詩曲」については
    私は不勉強なので何も言わない。
    (ショーソン、なかなか私には響いて来なくて
     愛と海の詩だけは聴き込んだ事があるけれど
     どうも、ちょっと苦手)
    カピュソンのバイオリンはよく響くし美しい。

    さて、ここでカピュソンのアンコール・・・と思ったら
    シャニも指揮台に乗って
    演奏されたのがタイスの瞑想曲って
    正に名曲アワーではないか。

    しかし、やっぱりフル・オーケストラで聴いてみると
    (ほとんどの部分が弦で、第一バイオリンのパートは
     カピュソンがソロで弾いている感じだが)
    名曲ではあるなぁ。

    最後はラヴェルの問題作「ラ・ヴァルス」
    ウインナー・ワルツ・・・ではあるのだろうが
    まるで死の舞踏だし
    アポテーゼなのかアンチテーゼなのか
    いつもわからなくなってしまう曲。

    多少大きめのボリュームで
    やはりパート同士の解像度が抜群に良い。
    良すぎて、オーケストラの音のミックスによる色彩感には
    多少欠けるような気がするし
    時々、リズムを叩きつけるような感じで振るので
    エネルギッシュではあるけれど
    またもや、ワルツを踊っている人がジャンプしているような感じ。

    ほとんどタメがなくて
    (これはダフニスとクロエの時も)
    音楽の流れとしては中断せずに続いていく感じはするが
    あまりワルツっぽくないし
    中間の、あの蕩けるような甘いメロディも
    比較的分析的に冷静に響く。

    しかしウィーン交響楽団の木管と金管って優秀だなぁ。
    新人メンバーも結構いたが、すごく巧かった。

    それに比べ耳鳴りのような(以下省略)

    これで終わりかと思ったら
    シャニが指揮台に立って

    おおおおおおおっ
    ヨハン・シュトラウス2世の「春の声」とは・・・
    「春のコンサート」と銘打っているから
    これは納得できる選択なのだが

    何故、そんなにズレまくるんですかっ!!!(涙)

    ド・シロートの根拠ない憶測としては
    ウィーンっぽくウィーンのオーケストラっぽく
    弾きなれたタイミングで弾いちゃったプレイヤーと
    指揮者の意図とアインザッツをしっかり守ろうとしたメンバーで
    あれ、という部分が・・・

    いや、これ、絶対に明日のライブ放送の時には治ってるから。

    こういう、ちょっとズレたワルツって
    まぁ、ウィーンらしい、と言えば
    こんなにウィーンらしい緩さも、滅多にコンサートでは聴けないので
    その意味、貴重だったかも(でもやっぱりあれだけズレると気持ち悪い)

    それで終わりかと思っていたら
    最後にド派手なポルカを一発噛ませて(笑)
    元気なシャニには結構楽しかったんじゃないだろうか、この曲。

    チケット高かったけど
    舞台の花代?かもしれないし

    イースター休暇時期に仕事しなければならない
    オーケストラ・メンバーの割増料金だったかもしれないし
    (そういうモノがあるのかは私は知らない)

    テレビで放映して下さい、と
    オーケストラがテレビ局に袖の下を払った・・・とは思えないし

    ルノー・カピュソンのギャラが高かったからなのか
    あるいは、コンツェルトハウスが
    観光客狙いで、このチケット料金でも
    観光客が買うだろうという(年末・年始の第九と同じ)目論見だったのか

    割にギャラリーの貧民席は空いていたので
    高いチケットの方が売れたのかなぁ、と
    無駄な事をついつい考えてしまう私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    土曜日なので買い物に行ったのだが
    気温は25度まで上がり
    夜のコンサート終了後も20度くらいで
    コートをクロークに預けなくて済んだ。
    これで1ユーロ50セント得した・・・って
    どこまでケチや(セルフツッコミ)

    ウィーン交響楽団 + ラハブ・シャニ

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      Musikverein Großer Saal 2019年4月3日 19時30分〜21時40分
      Musikverein Großer Saal 2019年4月5日 19時30分〜21時40分

      Wiener Symphoniker
      指揮 Lahav Shani
      ピアノ Kirill Gerstein

      Johannes Brahms (1833-1897)
       Symphonie Nr. 3 F-Dur, op. 90
      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
       Konzert für Klavier und Orchester d-Moll, KV 466
      Franz Liszt (1811-1886)
       Les Préludes. Symphonische Dichtung

      4月3日分の感想も書き始めてはいたのだが(汗)
      5日に2回目を聴いちゃったので、それも含めてまとめて書く。

      日刊新聞プレッセの批評には
      かなり酷い事が書かれていたようだが
      (最近、プレッセの記事がブレンドルで読めなくなって
       月に10ユーロ以上払わないと記事が読めないので
       全部の記事は読めていない)
      3日に聴いた時には
      おおお、すごいゲルマンなプログラムという印象が先に立って
      しかも週の途中の水曜日で、ほとんど気絶してたような気がする。

      ブラームスの交響曲3番。
      比較的演奏回数が少ない曲なので
      ナマで聴けるのは非常に嬉しい。

      だが、第1楽章、何だか拍子がはっきりしない。
      いや、この時代になると
      リズムを拍子から意図的にずらすというのは
      かなり頻繁に行われているので
      ブラームスもそういう事をやってはいるけれど
      それでも、ベートーベンやブラームスに関しては
      リズムが拍子から逸脱していても
      ある程度のメトルムは感じられるものと理解していたが
      (私の理解が違っている可能性は大いにある)
      何だか、くにゃくにゃして
      シャキシャキ聴こえて来なくて、ちょっと船酔いしそう。
      (ヘンな言い方になるのは、私の言語能力の問題で 💧)

      第2楽章は丁寧に歌わせているのだが
      丁寧過ぎて、時々、音楽の流れが途切れてしまい
      フラグメントを聴いているような気分。

      まぁ、主観的印象なので
      私の体調によるところも大きいが・・・

      しかしこのオーケストラ、管楽器が抜群。
      ホルンのソロとか、聴き惚れてしまうし
      木管のソロも、どれを聴いても絶品。

      その分、バイオリンのカン高さが目立つ。
      まぁ、その前に他のオーケストラばかり聴いていたから
      というのもあるけれど
      この鋭さって、近代曲だと活きるのだが
      メロディたっぷりの曲だと、ちょっと残念。

      後半はモーツァルトのピアノ協奏曲20番。
      モーツァルトとは思えないデモーニッシュな短調の曲。
      (ところで、あのカデンツァはモーツァルトのオリジナル?
       だったらスゴイ。ものすごく先鋭的で近代的)

      キリル・ゲルスタインのピアノが、くっきりはっきり
      一つ一つの音がしっかり立ってクリアで
      非常に古典的で端正なのに
      デモーニッシュさのエモーションも
      しっかり演奏に見え隠れしている。

      しかしこの曲、本当にモーツァルトとは思えない。
      ロマン派っぽくて、エモーションたっぷりで
      技巧的な難しさも詰まっていて
      でも、やっぱりモーツァルトっぽく
      正統的トラディショナルな部分もある。

      ゲルスタインの3日のアンコールはシューベルト
      5日のアンコールはドボルジャーク(の多分リスト編曲版)

      アンコールのセンスは抜群に良い人だな。
      3日ではウィーンのクラシックに繋げ
      5日ではリストに繋げた(かどうかは不明だが)
      全体のプログラムをちゃんと把握していて
      独りよがりになっていないプレイヤーって好感が持てる。

      最後はフランツ・リストのレ・プレリュード。
      読者諸氏はご存知の通り
      この音楽、ナチス時代のマスコミ・ニュースの
      開始音楽として使われていたために
      戦後、かなり長い間、演奏される事がなかったという
      かわいそうな曲。
      (いったん音楽に連想がくっついてしまうと、なかなか取れない。
       サンサーンスの白鳥が響くと、私が帰宅したくなるのと同じである(笑))

      第二次世界大戦終焉後、74年過ぎて
      やっと生々しい記憶も薄れて来た、という事かもしれない。

      フランツ・リストの曲って
      現在演奏されるのは、ほとんどがピアノの超絶技巧曲で
      ピアノ協奏曲は時々舞台に乗るけれど
      他にあまり演奏されないじゃないですか(プンプン)

      このレ・プレリュード、モチーフだけ聴いたら
      ほとんどの人が、あ、あれね、と知っていると思うのだが
      非常にメロディックというか
      まるでオペラのアリアのようで
      聴きやすいし耳に残りやすいモチーフで
      これがバリエーションになったりファンファーレが加わったり
      最後は行進曲になって華やかに終わる。

      いやわはは、ワーグナーだのう(意味不明発言)
      豪華絢爛な音楽による絵巻物で
      メロディも響きもゴージャス。

      厚みのある絢爛豪華な響きは
      楽友協会の音響と非常に合う。
      いやもう、合いすぎて、バロック・ロココの世界に
      どっぷり溺れそう。
      (バロック・ロココとは音楽様式として違うけれど
       美術的印象からすると、正にロココ的(主観))

      キッチュと言うなら、そうなのかもしれないが
      何も考えずに、こういう美しい曲想と
      ゴージャスなオーケストラの響きに
      どっぷり浸かるのは、なかなかに悶絶・失神の世界でもある。

      こういう曲になるとウィーン交響楽団の良さがますます活きる。
      ホルンのこの上なく美しいソロに身悶えできるし
      金管楽器のファンファーレに鳥肌たつし
      オーケストラの響きに身体ごと持って行かれるような快感。

      こういう、最後にカタルシスがある曲って
      スカッとしてスッキリするわ(笑)

      2回目にも行けて良かった。
      金曜日の夜に、スッキリ爽やか、というのは
      かなりウキウキして
      なかなか良いじゃないの、と
      ウキウキ気分で会場を後にした私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      ウィーン交響楽団 + ヴァルチュハ Im Klang

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        Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年3月28日 18時30分〜20時

        „Im Klang“
        Wiener Symphoniker
        指揮 Juraj Valčuha
        ピアノ Alexander Gavrylyk
        司会 Theresa Vogl

        Sergej Rachmaninoff (1873-1943)
         Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 fis-moll op. 1
        Sergej Prokofiew (1891-1953)
         Symphonische Suite aus der Oper
         „Die Liebe zu den drei Orangen“ op. 33b (1919; Suite 1924)

        コンツェルトハウス大ホールの平土間の椅子を全部取っ払って
        指揮者の周り360度全方向にオーケストラを配置して
        オーケストラのメンバーの間にダンボールのボックスを置いて
        そこに観客が座る、という
        まぁ、オーケストラと指揮者には悪夢みたいな(笑)催物の
        „Im Klang“
        直訳すると「響きに入って」という感じかな。

        最初の公演から、これが行われると毎回行って居るのだが
        最初は(知られていなかったので)少なかった観客が
        回を重ねる毎に、どんどん増えて行って
        とうとう、現在では
        オーケストラ・メンバーの人数の2倍から3倍の観客が
        オーケストラの中に座っている・・・という感じで
        (実際はそんなに居ないのかもしれないが、そう見える)

        コンツェルトハウス、ちょっと、これ
        人数制限してくれませんか???(本気)

        最初の頃はホールに入って
        係の人に「ビオラって何処ですか?」と聞いてから席を選んでいたが
        今や、ホールが空いたとたんに
        ど〜んと駆け込み、迷う時間など与えられずに
        適当に席に陣取らないと、あっという間に座るところがなくなる。

        いや、なくなりはしないんだけど(人数分のボックスはある筈)
        指揮者から、ものすご〜く遠いところとか
        トランペットの前とか、ホルンの後ろとか・・・(以下省略)

        内声楽器のところに座りたい私としては
        ビオラか第2バイオリンの真ん中が理想なのだが
        今回は、指揮者にもピアニストにも近いところの
        チェロの首席の後ろに陣取る事にした。

        目の前に指揮台もあるし
        目の前にピアノも(鍵盤ばっちり見える)あるし
        目の前にチェロの首席の背中もあるし(笑)
        後ろはチェロの2番手の2人だし
        まぁ、ステキな席 ♡

        めっちゃ疲れていたのだが
        まさかオーケストラの間に陣取って寝落ちする訳にいかんし
        大丈夫か、と自分でも心配だったのだが

        チェロの譜面がプレイヤー2人の間から、しっかり見える!!!

        まずはプロコフィエフの3つのオレンジの恋の
        一番有名な曲の断片を演奏してから
        司会者が出て来て、指揮者にインタビューしたりして
        ラフマニノフのピアノ協奏曲。
        有名な2番とか3番じゃなくて
        17歳の時に作曲した1番(マイナーな曲だ)

        ピアニストのガヴリリュク・・・って
        発音しにくい名前だなぁ(笑)
        16歳で浜松国際ピアノ・コンクールで優勝した経歴の持ち主なので
        日本でもよく公演をしているピアニストのようだ。
        以前、一度だけ聴いた記憶がある。
        若いのに、ちょっと頭髪が寂しい男性だが
        何だか可愛らしい風貌で

        なのに、弾きだすと、これがスゴイ。
        テクニックは完璧、強いピアノのタッチで
        こういうのをヴィルトゥーゾというのか、という感じ。
        かと言って、テクニックのひけらかしだけではなくて
        タッチやペダリングの細かいところまで徹底的に拘っている。

        チェロの譜面は見ていて面白いし
        チェロの首席が時々右肩から
        後ろのチェリストを気にしているのがわかる(笑)
        目を横に向ければ
        目にも止まらない速さで(手の残像が目に残る)
        ピアニストがガンガン弾いてるし
        その横では、指揮者のヴァルチュハが激しく動いている。

        更に他の観客席を見ると
        目をキラキラさせて指揮者を見つめている男性もいて
        あ〜、そういう事ね、とか勝手に腐女子的に納得したり(笑)

        もちろん、オーケストラは空間的にもバラバラで
        これだけプレイヤーの間の距離があくと
        所詮、音速は1秒340メートルぽっちの遅さなので
        ある程度の音のズレはどうしても生じてしまう。

        けれど、別にそういう事は関係ない。
        だいたい、チェリストの中に陣取っているので
        聴こえてくるのはチェロの音が中心である。

        いやん、でも、これ、すごく楽しい(笑)
        普段聴衆として、客席でオーケストラを見ているだけなので
        中に入ると、全く別の体験である。

        プロコフィエフの3つのオレンジの恋については
        ストーリーの説明とともに、各曲の断片が演奏された。
        ストーリーはむちゃくちゃだそうで(プロコフィエフが書いたらしい)
        実はこのオペラ、フォルクス・オーパーで1度鑑賞した事がある筈だが
        歌手が直前病気キャンセルで
        脇でジャンプ・インした歌手が譜面台見ながら歌っていた、という記憶しかない。

        ストーリーを断片演奏とともに聞いて
        コンサート・マスターが途中の曲の特殊奏法について説明して
        (こういうのが、シロウトの私には面白いのである)
        その後、通しの演奏で約15分。
        これも、チェロの楽譜が目の前で
        楽譜を追っていると、ともかく面白い。

        オーケストラは360度に散らばっているので
        思いがけないところから
        木管や金管が聴こえてくる(もちろん微妙にズレて(笑))のが
        普通のコンサートでは聴けない醍醐味である。
        (プレイヤーは悪くない、音が秒速34メートルなのが悪い)

        次の日、3月29日も
        @Friday という、コンサート終わった後
        ロビーで別のコンサートという催物に行ったのだが
        ちょっとその前に、ものすごく集中した3時間を過ごしたので
        すみません、このコンサートの間は
        ほとんど気絶してました。
        (@Friday って、チケット結構高かったのに・・・)

        でも „Im Klang“ で
        オーケストラに混じって聴いた音楽がとても楽しかったので
        貧民席(それでも高かった)から舞台を見ても
        ちょっと親しみが湧いたりしていたので
        それで良いか・・・と自分を納得させている私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        ウィーン交響楽団 + グスターボ・ヒメノ 1回目と2回目

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          Musikverein Großer Saal 2019年3月22日 19時30分〜21時30分
          Musikverein Großer Saal 2019年3月24日 19時30分〜21時30分

          Wiener Symphoniker
          指揮 Gustavo Gimeno
          チェロ Harrit Krijgh

          Henri Dutilleux (1916-2013)
           Métaboles
          Camille Saint-Saëns (1835-1921)
           Konzert für Violoncello und Orchester Nr. 1 a-Moll, op. 33
          Robert Schumann (1810-1856)
           Symphonie Nr. 2 C-Dur, op. 61

          すみません、すみません、すみません。
          以前は根性でその日のうちにブログ書いていたのだが
          最近、体力・気力その他の衰えで(その他=知力・・・)
          いや、そんなの言い訳だけど 💦

          金曜日と日曜日に行ったウィーン交響楽団のコンサート、
          2回分、まとめて自分用にメモっておく。

          ウィーン交響楽団とグスターボ・ヒメノのコンサートに
          2回も行った理由は
          デュティユーのメタボールのナマ・オーケストラ演奏!!!

          だいたいフランス音楽の演奏が少ないウィーンで
          現代音楽コンサートでもないところに
          しかもシューマンとのコンビネーションでデュティユーが出てくるなんて(感涙)

          このメタボールって傑作だと思う。
          リズムやメロディの変化が多く、多様性に目、いや、耳を奪われるので
          一瞬たりとも飽きる事なく聴いてしまうという見事な作曲の手腕。
          基本的には4度の繰り返しのバリエーションなのだが
          その中でメロディもリズムも絶えず変化していく。

          アトナールっぽい部分もあるけれど
          かなり明確なトナール部分も多くて
          現代曲(近代曲?)にしては、非常にエモーショナルで
          まるで後期ロマン派の音楽を聴いているような
          ワクワク感があるのだ。

          一言で言い表すと、むちゃ「カッコイイ」のである(笑)
          リズムやスペクトルの変化がすごい。
          スペクトルの色彩感がすごい。

          こういう曲って、もっとちゃんとスコア読んで
          それなりにパーツに分けて分析したら
          実はもっと面白いんじゃないかしら・・・
          ↑ 確かに毒されているんだけど
          最近、耳からの刺激で感情に触るという音楽以外に
          目から入って頭に入る、というものがある事に気がついてしまって(わはは)

          第一、この曲だって、ほとんどソナタ形式というか
          ロンド形式というか(どちらだ?(笑))
          比較的古典的な様式を使っているのは
          最後のあたりでよ〜くわかるのだ。

          各パートのソロも良いし
          ヒメノの指揮は輪郭がはっきりして
          音楽の中の要素をしっかり引っ張って出してくる。

          あ〜、カッコイイわ、悶えるわ。

          周囲の観客の反応は知らない(笑)
          ただ、次のサンサーンスのチェロ協奏曲が始まったら
          ホッとしている人が周囲に数人(爆笑)

          ハリエット・クリーフのチェロ、初聴きではないと思うが
          サンサーンスのチェロ協奏曲、最初からオーケストラ+ソロで
          チェロがオーケストラに埋もれず
          埋もれないのに、ちゃんと独立して聴こえて来る。

          しかも、この人の音、厚みがあって
          透明な音で、音量かなりあるのに、出しゃばりもせず
          かと言ってオーケストラにも埋もれず
          まるで美声のバリトンのように歌う。

          金曜日の方がソロは響いていて
          日曜日はちょっと埋もれがちだったけれど
          私の聴く耳の問題かもしれない。

          アンコールの前に2日間ともに
          とてもキュートな声で(アニメ声だよあれは!)
          ウィーンの楽友協会で弾くのは、いつもとても嬉しい体験です。
          子供の頃にウィーンで暮らした時代の思い出に、バッハのシャコンヌ
          ・・・というような挨拶。
          (ご存知、声は前に飛んで来ないので聞き取りにくいのだが
           割に周波数が高かったので、ある程度は聞き取れた)

          嫌味のない素直に歌うチェロのバッハ。
          う〜ん、ヨハン・セバスティアン・バッハの作品の和声も
          実はスゴイんだよね・・・というか
          ほんと、この作曲家の作品って、何でもありだわ。

          後半、シューマンの交響曲2番。
          まぁ、名曲だし、こういうスタンダードな曲は
          誰が振っても似たような感じになる(というか、ならないと困る(笑))

          第1楽章後に大きな拍手。
          第2楽章後にも大きな拍手。
          何と、金曜日は第3楽章の後にも拍手(さすがに日曜日は第3楽章の後はなかった)

          指揮者が苦笑いしていたけれど
          最近、私、楽章間拍手に関しては見解を変えた。

          それだけ、クラシック音楽を聴いた事のない人たちが
          ウィーン音楽の都、やっぱり楽友協会には行かなくちゃ、と
          予習もなにもなく、クラシックを聴いた事もなく
          楽友協会(なりオペラ座なり)に入って
          頑張って20分の現代音楽を聴いて

          (途中でスマホやってる人も貧民席では多いが
           まぁ、お喋りさえしなければ。
           ピアニッシモのところでペットボトルを音を立てて開けて
           水をゴクゴク飲んだ人もいるけれど
           きっと、病気や体調の関係で、あのタイミングで飲まないと
           身体が持たないのだ、と理解することにする)

          サンサーンスで美人のチェリストを聴いて
          シューマンの交響曲聴いて
          あ、これ、すごく良いかも、と、ようつべなり何なりで
          ちょっと自宅でも聴いてみようかな・・・ってなったら

          もしかしたら、そこからクラシック音楽に目覚めて
          ハマる人も出てくるかもしれないではないか。
          誰だって最初のコンサート、という体験はあるので
          それが早いか遅いかは、関係ないし。

          だから、舞台のオーケストラや指揮者も
          そういう未来の層=自分たちのメシのタネが
          今、楽章間拍手をしている人たちの中に居るかもしれない、というのを
          ちゃんと意識して、きちんと演奏しましょう (^^)

          初心者でもベテランでも
          たぶん、演奏の良し悪しって、それなりに直感的にわかると思うの。
          もちろん、批評のプロとか
          コンサート通いのオタクとかと聴き方は多少違うかもしれないけれど
          でも、誰でも鑑賞眼(あ、耳か?)はあるし
          これから好きになって聴く人には
          まだまだ素晴らしい世界が広がってるし (^^)v

          シューマンの交響曲2番の第3楽章の管楽器のソロが
          それぞれ素晴らしくて、座席で悶えまくってた。
          惜しむらくはウィーン交響楽団って
          第一バ(以下省略)・・・ いや、ちょっと時々、音が鋭すぎて。

          シューマンのこの曲は
          最後にどっか〜ん!と盛り上げて終わるので
          聴いていて、ともかく元気になる曲だし
          時々、聴きたくなる曲の一つで
          ともかく、元気になった私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          楽章間拍手については
          楽友協会の人が、他のオーケストラのコンサートの時は
          もっとスゴイよ、と笑いながら話してくれたが
          まぁ、楽友協会だからね・・・(笑)
          コンツェルトハウスは比較的ジモッティの常連が多いから少ないかもしれない。

          ウィーン交響楽団 + ヤクブ・フルシャ

          0
            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年3月10日 19時30分〜21時40分

            Wiener Symphoniker
            チェロ Narek Hakhnazaryan
            指揮 Jakub Hrůša

            Ludwig van Beethoven (1770-1827)
             Symphonie Nr. 1 C-Dur op. 21 (1799/1800)

            Edward Elgar (1857-1934)
             Konzert für Violoncello und Orchester e-moll op. 85 (1918/19)

            Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)
             Symphonie Nr. 9 Es-Dur op. 70 (1945)

            来週、発表を入れてしまったのに
            金曜日と土曜日に集中講義があって
            調べ物とまとめをしなければならないのに
            コンサートなんかに行ってる時間があるのか?と問われれば
            実はない筈なのだが

            時間はある、なしではなく「作る」のであって
            それが仕事が忙しいとか言うのであればともかく
            大学の講義もコンサート通いも
            両方とも「趣味」なので・・・(色々言い訳)

            実は午後も、なかなか面白い体験ではあったのだが
            それについては書きません。

            ウィーン交響楽団とヤクブ・フルシャに
            チェリストのナレク・アフナジャリャン。

            この、名前が読みにくいチェリストは
            その名前のあまりの発音の困難さのために(笑)記憶に残っている。
            2012年にグラーフェネックで聴いていた。
            しかも、ヒゲのなかったダニイル・トリフォノフと一緒に。

            さて、バレエなら、ワケのわからん妄想を繰り広げて
            独りで身悶えしていても、あまり問題はないのだが
            こと、コンサートになったら

            ああああ、とうとう病状が・・・
            いや、病気じゃないんですけど
            1年半にわたって
            例証・例証・例証と言われ続けて来て
            しかも、まだ全然わからないんだけど
            和声分析とか、楽曲分析とかに悩まされていると

            ううううう、あ〜、音楽を素直に聴けないようになってしまった
            (ような気がする)

            よく知っている筈のベートーベンの交響曲1番にしても
            これを、このように
            モダン・オーケストラで
            ただ、ビブラートは少なくして
            このテンポで、このダイナミックで、この音量で演奏する
            その根拠は何なんだろう
            ・・・・って、そ〜いう事を考え始めると
            たぶん、世界は終末(少なくとも私にとっては・・・)

            聴きながら
            あ〜、この和声分析を・・・とか考え始めたら
            まさに、ヘンな学問を始めてしまって、混乱真っ最中と言えよう。

            交響曲第1番なんて
            仕事している時代に、スコア持って頭の中に叩き込んだ曲なのに
            久し振りに聴いてみると
            うわあああ、ベートーベンって意外にしつこい。

            提示部から展開部があって
            展開部から元のモチーフに戻った後に
            またしつこく展開して転調したりしていて
            初期の交響曲はモーツァルト風で、って、どこがだよ。
            あのしつこいベートーベンの人格が、既にバッチリ出てるじゃないの。

            などと言う事を考えながら聴いていたら
            全然、素直に楽しめない(自業自得)

            アフナジャリャンは、もう30歳になったのか。
            でも、まだ若く見えるし、可愛い(笑)
            以前は、何だか動きが激しい、自己陶酔型と思ったけれど
            今回は貧民席なので、ほとんど舞台が見えない。

            エルガーのチェロ協奏曲は私は聴き込んでいないので
            その意味では、何も考えずに楽しく聴けた。

            グラーフェネックの時にも、音が大きい(ビブラートが多い?)と思ったが
            この人のチェロ、ものすごく響く。
            何だか、普通のチェロより、もっと音が響くような気がする。
            音量が大きいし、音の色彩が鮮やかで、よく響いて来て
            チェロの音色って、こんなにキレイだったっけ?と思わせる。
            ヘンに感傷的に泣かず、中立で美しいメロディ・ラインがくっきりと出る。

            知らない曲の方が素直に楽しめるって、何なんだ(涙)

            アンコールはカタルーニャの民謡「鳥の歌」
            ここで聴かせてくれた和音(ひえ〜、チェロってああいう音が!)と
            濁らない微かなピアニッシモが美しかった。

            後半、ショスタコーヴィッチの交響曲9番。
            ご存知、9番というので、みんなが期待していたら
            期待をひっぱたくような第1楽章で
            これは比較的、和声的にもそう複雑な処理はしていない
            (ような気がする。もしかしたらしているかもしれない)
            陰鬱な第2楽章とかあるけれど
            全体で30分に満たない軽い作品なので
            (本当は軽くないのだろうが)
            割に(周囲の観客も)ノリノリで聴けたし

            ファゴットのソロがむちゃくちゃ素晴らしくて
            客席で身悶えしてしまった。

            ウィーン交響楽団って、やる時はやる、というか
            木管・金管が張り切る時には
            驚くべき名人芸を聴かせてくれるので好き。

            しかしまぁ、指揮者というのは
            楽曲分析して、スコアの中に秘められた秘密を
            すべて事前に学習してから指揮台に立つんだろうなぁ。
            もちろん、この部分をどう演奏するか、などについては
            学術論文とか、歴史的例証とかを探り出して
            ちゃんと例証しながら演奏していて
            恣意的に、ここはこういう感じだから、こうしちゃえ
            というのはあり得ないのであろう。

            あ〜、指揮者って、とんでもない職業だわ。

            楽曲分析の単位は
            シェーンベルクの曲で、何とか通ったので
            今学期はダブル・ドミナントとかジャーマン・シックスで
            頭を悩ます必要はないのだけれど
            意外に面白いのでハマってしまい
            不要な単位なんだけど、別の楽曲分析のクラスに顔を出しているのだが
            まさか、コンサートに行って
            こんな状態になるなんて思わなかったわよ(怒)

            来週の発表は内耳の構造についてなのだが
            ヘア・セルという細胞を
            髪の毛のように細い細胞、と思い込んでいたら
            日本語訳に、有毛細胞とあって
            あ〜っ、ヘア・セルって、髪の毛が生えた細胞だったのか
            と、椅子からずり落ちそうになった私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            ちなみに蝸牛内のコルチ体にある
            このヘア・セルが持っている毛の事をググったら
            日本語では不動毛(ふどう・け)と出て来たのだが
            ふどう・け、とか言われても全然わからん。

            ウィーン交響楽団 + アラン・アルティノグル

            0
              Musikverein Großer Saal 2019年2月27日 19時30分〜21時20分

              Wiener Symphoniker
              Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
              指揮 Alain Altinoglu
              メゾソプラノ Nora Gubisch
              ピアノ Denis Matsuev

              Franz Liszt (1811-1886)
               Von der Wiege bis zum Grabe
                 Symphonische Dichtung nach einer Zeichnung von Michael Zichy
               Konzert für Klavier und Orchester Nr. 2 A-Dur

              Sergej Prokofjew (1891-1953)
               Alexander Newskij, Kantate für Mezzosopran, Chor und Orchester, op. 78

              何とも変わったプログラム構成だと思う。
              いや、私が無知なだけかもしれないが、
              フランツ・リストの交響詩、乳母車から墓場まで(って訳すのか?)とか
              プロコフィエフのカンタータ、アレクサンドル・ネフスキーなんて
              今まで数多く行ったコンサートでも一度も聴いた事がないと思う。

              中に挟まれて超有名なのが、リストのピアノ協奏曲2番(笑)
              しかもソリストがデニス・マツエフ。

              さて、フランツ・リストの交響詩は
              70歳の時にハンガリーの画家のスケッチにあった
              乳母車・存在への戦い・墓 というタイトルに触発されたものらしい。
              ピアノ曲として作曲され
              オーケストレーションの時には厚い音響を避けた
              ・・・とプログラムには書いてあったが

              う〜ん、この作品、ちょっと退屈(すみません)
              やっぱりこれは、やりたい放題やって来て
              名声も金も女性も、持てるだけ持って
              僧籍に行った70歳にならないと、この境地にはなれない。
              これはもう、人生そのもののクオリティが違うので
              この曲の境地になれ、と言われても私には無理(断言)

              ピアノ協奏曲2番は
              これは、リストの名人芸・超絶技巧たっぷりの華やかな曲。

              マツエフのピアノが最初からむちゃ凄い。
              オーケストラの後ろの席=ピアノの蓋が開いている反対側で
              最初からオーケストラを圧する音量で聴こえてくるって何?
              どうやったら、グランド・ピアノから
              あれだけの音量が出せるのか
              打鍵の強さだけではないのだろうが
              ともかく、異様に強いピアノ。

              マフィアの親分の、親分より強面の息子が
              大笑いしながら戦車に乗って
              周囲を蹴散らしながら暴走して行くイメージ(褒めてます)

              テクニックあるから
              こういう曲、弾いてて楽しいんだろうなぁ
              ・・・少なくとも、そう見える。
              悩んで内省的になって弾いているようには見えない。
              ヤクザの若頭がドスを振り回しているようにも見える(褒めてます)

              最初はモロ負けしていたオーケストラも
              だんだん、勢いを取り戻して来て
              途中からピアノとオーケストラの丁々発止の勝負になったのも
              仇同士の一騎打ちを見ているような気分になる。

              すみません、今ちょうど、室町時代の時代小説の
              百姓一揆の話を夢中になって読んでいるところなので
              連想するのが、どうしても物騒な方向に行くのはお許し下さい。

              リストとかラフマニノフは
              これから先、私に奇跡が起こって
              ピアノが弾けるようになったとしても
              物理的に演奏が不可能な曲だから
              こういう、むちゃくちゃ強いピアニズムに憧れる。
              どんなに音が大きくても
              一つ一つの音の粒が見事に揃って
              濁らず、宝石のように煌めきながら
              ホールの中に散らばっていく感じが快感。

              最初の地味なリストと対比的。
              それが意図であれば、確かにピアノ協奏曲の華やかさは目立った。

              後半は合唱団が舞台に上り
              (註 私の超貧民席からは舞台は見えません)
              プロコフィエフのカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」
              1938年にボリショイ劇場で大成功を収めた
              エイゼンシュタインの映画の劇伴からのカンタータだそうだ。
              映画音楽そのものは
              1939年のヒットラーとスターリンの独露不可侵条約の時に上演禁止になり
              1941年にドイツが契約を破って攻めて来た時には
              カルト的な映画として、意気高揚のために上演されたそうだが
              終戦後、ドイツでは何年も上演禁止になっていて
              その間に音楽も散乱。
              2003年にプロコフィエフのオリジナル・スコアが発見されて
              ドイツの指揮者フランク・シュトローベルが再構築。
              (この人、映画の音楽の再構築の専門家だと思う)

              カンタータは音楽が散乱する事もなく
              何回か楽友協会でも演奏されて来たらしい。
              (ただ、プログラム記載の最後が1983年であって
               私はまだその頃、オーストリアには住んでいなかった)

              こういう前置きが長いというのは
              曲について、どういう感想を持ったら良いのか
              今ひとつ定かでない時で
              なんだか不思議な曲なのだ。

              プエロコフィエフ自身が
              13世紀の時代の話なので、その頃の音楽的雰囲気を
              現代の聴衆にも伝えられるようなモチーフを、と考えたのはわかるが
              それ、13世紀???ですか
              いや、そりゃ、13世紀のロシア音楽がどういうものだったのかは
              私はわからない(というより、たぶん、誰もわからない)

              1200年代と言ったら
              私が習った限りでは、フランスでアルス・アンティクア
              モダール・ノテーションという
              ワケのわからん記譜法がやっと出て来たあたりの時代。
              (モダールが6種類もある。暗記したけどテストには出なかった(笑))

              だから、なんかやたらに変わった和声やメロディが登場して
              転調はプロコフィエフらしいところが垣間見えるのだが
              ドラマチックなんだけど、ちょっとワケわからん。

              第3曲目のプスコフの十字軍の歌詞は
              ラテン語で、一応、詩篇には出てくるらしいのだが
              意味をなさず
              プロコフィエフがカトリックを揶揄したものではないかと
              プログラムに書いてあった。

              同じくラテン語(っぽい歌詞)の氷上の戦いは
              戦いの様子を表現していて
              これは最初に凍った湖の見事な音楽的描写から始まるのだが
              カトリックと正教の戦いがどんどん激しくなり
              二・ホ・ヘ(=ドレミで言えば、レ・ミ・ファ)の3音の和音とか
              増四度の和音(悪魔の和音です(笑))とかが登場して
              かなりギョッとする。

              氷上の戦いに続く死の原野のメゾソプラノは
              舞台の上のオルガン・バルコンから歌ったが
              声が全体に響くタイプの
              深い美声のメゾ・ソプラノで
              ロシア系かな?と思ったら、フランス人だった。
              でも、この厚みのある柔らかいメゾ、感動した。
              悪魔の和音とか聴いちゃった後なので、ますますかもしれないが
              激しい争いの後の死者を悼む歌として
              哀れになり過ぎず、感傷に流されず
              温かみのある美声でのソロは、心を癒してくれる。

              最後はプスコフ入場の讃歌の合唱で
              鐘がガンガン鳴り響いて
              楽友協会の音響で、オーケストラに近いと
              かなりうるさい。難聴になりそう(笑)

              耳慣れない曲だったからかもしれないが
              奇妙な感じだったにもかかわらず
              エネルギー溢れる、ロシア正教バンザイの讃歌で
              何回か聴いたら面白いかもしれない。

              楽友協会合唱団って、人数頼みのところがあるにせよ
              ともかく巧いし、ドラマチックにバッチリ聴かせてくれたし
              アルティノグルは、自分でも歌いながら
              最後は感極まって泣きそうになりながら指揮していた。
              (オペラにのめり込みそうなタイプである)

              明日と3月1日に同じコンサートが行われる。
              私はもう行かないが
              いや、ちょっともう1回くらい聴いても良いんじゃないかと
              悪魔が囁いてはいるのだが

              そういう囁きには負けないぞ、と
              何故か全力を尽くして対抗している私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              風邪はだんだん回復して
              咳き込みも少なくなって来たので
              もうバイキンの塊ではない・・・はずだ、きっと。
              でも、勉強しようとすると頭痛が(それを怠け病と言う)

              ウィーン交響楽団 + ニコライ・シェプス=ズナイダー

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年2月22日 19時30分〜21時40分

                Wiener Symphoniker
                バイオリン・指揮 Nikolaj Szeps-Znaider

                Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                 Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 61 (1806)

                Johannes Brahms (1833-1897)
                 Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 73 (1877)

                ウィーン交響楽団のコンサートだが
                バイオリンと指揮がニコライ・シェプス=ズナイダー???
                (最近、ダブルネームになったのは何故なんだろう・・・)

                プログラムによれば、最近、指揮者として目覚めた?らしく
                シカゴ、ニューヨーク、ロンドン、デトロイト等で指揮をして
                ドレスデンのセンパー・オーパーやハンブルクの国立歌劇場でのデビューが
                決定しているらしい。

                う〜ん・・・

                いや、ソリストが指揮をやりたい、という気持ちはわかる。
                で、実際にやってるソリストも居る(結果は様々だが)

                言ってはいけない事なのだろうが
                ソリストとして第一線に立てるだけの才能があって
                更に加えて、ソリストになる才能には欠けるかもしれない人でも
                もしかしたらなれるかもしれない指揮者という領域に
                踏み込んで来なくても良いじゃないか(ただの嫉妬)

                最近、「天は二物を与えず」とか言う諺は
                ま〜ったく当たっていない、と、つくづく思うので
                多くの天才・秀才たちは
                二物どころか、十物以上、平気で所有しているのだ。
                で、二物どころか一物もない私のような(以下省略)

                バイオリン協奏曲のソロを勤めながら
                ついでに指揮しちゃおう、というのは
                指揮者のギャラも、ソリストのギャラに加えて、僕に頂戴
                ・・・という感じなんだろうか。
                何だか、本日はかなり僻みっぽい気分(すみません)

                だけど、ベートーベンのバイオリン協奏曲だよ?
                まぁ、オーケストラのメンバーには周知の名曲だろうが
                それにしても、指揮者なしで大丈夫なんだろうか。

                ブッフビンダーがベートーベンのピアノ協奏曲を
                指揮者なしでウィーン・フィルと演奏した事もあるが・・・

                結果的には、オーケストラ、よくやった・・・という印象。

                だって、ズナイダー、ソロが始まっちゃうと
                もう自分の世界だけに閉じこもってしまって
                キューとか目配せとか、どうでも良くなってる感じだし。

                しかも本日の超貧民席には
                クラシック・コンサートというものに生まれて初めて来た
                としか思えない若い観光客の方々がいらして
                最初のドイツ語・英語のアナウンスなどは全く聞かず

                スマホで写真撮りまくり、ビデオ撮りまくり(途中で飽きてやめる)
                もちろん演奏中にヒソヒソ声で笑ったりキスしたりしてるし
                まぁ、キスするとか、もたれ掛かるとかはともかくとして
                お喋りだけはあまりに酷いので
                途中で「静かにお願い」と注意はしたが

                10分とたたないうちに、またもや始まる小声でのお喋りで
                じっとしていられないようなご病気を患っていらっしゃるのかもしれないので
                もう諦めて、雑音は心から締め出して音楽に集中。

                で、こういう時には、もちろん出る「楽章間拍手」

                ベートーベンのバイオリン協奏曲の第一楽章の後の拍手で
                平土間の人が、ズナイダーに何か言ったらしく
                ズナイダーが「僕も」とドイツ語で答えているのが聞こえて来たが
                何に反応したのかは不明。

                で、続く第2楽章。
                おおおおおおい、ズナイダーど〜した???
                なんだか音程がずり上がってる。

                集中力を切らしたような感じ。
                もちろん、本人も気がついて体勢を立て直して
                途中から不安定感はなくなったが

                この第2楽章、ちょっとちょっと
                これ、指揮者なしで合わせるって
                オーケストラがむちゃくちゃ大変なんじゃないの???

                だって弦全員のピチカートとかあるじゃないですか。
                チェロのプレイヤーが
                ソリストに邪魔されて見えないコンマスを
                何とか脇から覗き込もうと必死になってたのまで見えるし。

                ズナイダーは自分のソロに夢中になってる。
                いや、確かに、このバイオリニスト、ものすごく巧い。
                音も太く細くを自由自在に使い分けて
                クールなところと、清純なところと、甘えん坊的音を繰り出してくるし
                そりゃ、バイオリン・ソロとして聴いていれば
                素晴らしいとは思う。

                だんだんテンポが遅くなってくるオーケストラが
                いつ止まるんだろう・・・とか、ついつい考えてしまわなければだが。

                オーケストラ、さすがにプロだから
                ぴったりバイオリンにつけたけれど
                (各パートのトップが大活躍、コンマス大活躍)
                しかし、何ともスリルたっぷりで
                心臓に悪い!!!
                (何も考えずに聴いていれば良いのは確かなんだけど
                 ついつい・・・)

                ハラハラ・ドキドキのベートーベンとか
                スリリングではあるんだけど、できれば避けたい。

                ズナイダーが
                今日は全部二長調の曲なので、ニ短調の曲を、と
                バッハのパルティータのアンコール。

                後半はブラームスの交響曲2番(もちろんズナイダー指揮で暗譜だった)
                有名な1番とか4番じゃなくて、2番というところが好感だが(笑)

                あああああ・・・
                いや、この曲も結構有名なので
                オーケストラは指揮者なしでも演奏しちゃうと思うのだが

                最初のホルンのアンサンブルで
                音を外すのは・・・
                いや、ウインナー・ホルンって難しいのは知ってはいる。
                ただ、この冒頭で蹴つまずくのは・・・

                でもって、やっぱりアインザッツが甘い。
                ベートーベンの時も甘かったが
                ブラームスだともっと目立つ。

                だってズナイダーのアインザッツ
                シロウト目だって見えないもん。

                暗譜で指揮している意気込みは買うけれど
                ただ腕を振り回していれば良いというものでは・・・(極論)

                ウィーン交響楽団がスタンダードに演奏できるブラームス
                という感じで、それ以上のものは感じられなかった。

                それにオーケストラのメンバーも
                お金持ち(才能持ち?)のおぼっちゃまに
                ちょっと付き合ってやるわい、やれやれ
                みたいな感じが漂っていたような・・・(主観的印象です!)

                まぁ、プロだから、恥ずかしい演奏はしていないのだが
                (ホルンの首席は、最初の2回ほどのミスの後に立ち直った)
                オーケストラのバランスとしては
                弦だけが良くて
                後は無視されていたので
                時々、ボコボコになって響いてくる。

                ワタクシ的な印象を言えば
                趣味で指揮するのは構わないけれど
                指揮者として聴きたいか、と言われれば微妙。
                やっぱりバイオリンだけ弾いていて欲しい・・・という感じだった。

                よくソリストが、その楽器を弾けなくなったら指揮、というパターンがあるが
                (ご存知、超有名歌手がオペラ振って
                 オーケストラ全員が苦笑い、というのも過去にあった)
                指揮って、かなり長い時間を、絶え間なく踊り続けねばならないので
                途中、ちょこちょこ休めるソリストよりも
                もっと体力的にハードな職業だと思うんですけどね。

                同じコンサートは日曜日の午前11時からも行われるが
                私は同時刻に別のコンサートがあるので
                今日のチケットを買って行ったのだが

                ズナイダーのバイオリンは美しかったので
                まぁ、良かった事にしよう(笑)

                長々と逃げていた論文を一つ書き上げて
                多少はさっぱりした気分になって
                さて、週末は遊びまくるぞ、とワクワクしている私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                ちなみに、ブラームスの交響曲2番でも
                楽章間拍手は盛大に起こっていたし
                ビデオ撮影、小声のお喋り、イチャイチャもあり。
                ただ、前に若いカップル2組いたけれど
                1組の方は、途中からお喋りやめて
                割に真剣に聴いていたのが、ちょっと嬉しかったりして(笑)

                ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 2回目

                0
                  Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年2月16日 19時30分〜22時10分

                  Wiener Symphoniker
                  Wiener Singakademie
                  Opernschule der Wiener Staatsoper
                  メゾソプラノ(マルガレーテ)Kate Aldrich
                  テノール(ファウスト)Saimir Pirgu
                  バス(メフィストフェレス)Alexander Vinogradov
                  バスバリトン(ブランダー)Edwin Crossley-Mercer
                  指揮 Philippe Jordan

                  Hector Berlioz (1803-1869)
                  La damnation de Faust
                  Dramatische Legende in vier Teilen op. 24 (1846)
                  Konzertante Aufführung in französischer Sprache

                  コンサート開始前に総裁がマイク持って舞台に登場。
                  歌手の変更については、昨日は何もアナウンスがなかったので
                  なんか、いや〜〜〜な予感・・・ 

                  総裁曰く

                   今日のファウストの劫罰は、1880席は全て売り切れ。
                   舞台には、ざっと220人のオーケストラとコーラス。
                   昨年、メフィストフェレス役のミヒャエル・フォレがキャンセルし
                   ダルカンジェロが代役となったところ
                   プローベ開始の時点でダルカンジェロがキャンセル。

                   フローリアン・ベッシュがメフィストフェレスを歌えるので
                   ベッシュがメフィストフェレス役を歌う事になっていたのが
                   ベッシュがコンサート当日の朝にキャンセル。

                   昨日、ベッシュの代役として
                   メフィストフェレスを歌ったナフエル・ディ・ピエーロは
                   今日の朝起きたら、声が出なくなっていたと連絡が入りました。

                   私どものスタッフがすぐに動いて
                   本日の朝、アレクサンダー・ヴィノグラードフに連絡し
                   お昼過ぎにハンブルクからウィーンに飛んで来てもらいました。

                  ・・・いや、すごいわ、コンツェルトハウスって(唖然)
                  こういう絶体絶命の危機って、どの劇場にもあるのだけれど
                  よくぞまぁ、この演目のメフィストフェレスの代役を見つけたものだ。

                  で、このアレクサンダー・ヴィノグラードフがむちゃくちゃ良かったのである。
                  昨日のナフエル・ディ・ピエーロより、正直言って、ずっと良かった。

                  ロシア人のバスだが
                  まずは暗めの美声で、声量があって、ばっちりホールに響く。

                  その上、自分のレパートリーとして、ほとんど完全に掌握していて
                  手元にキンドルみたいなタブレットを持って
                  時々見るものの、基本的にはオペラちっくに
                  しっかり観客を向いて、演技もしながら歌っている。

                  ファウスト役のピルグの甘い声は昨日と同じだが
                  テノールも、このバスが入って来たら
                  バスの美声と声量に釣られて
                  2人で丁々発止のファウストとメフィストフェレスになって
                  この絡みがもう見事で・・・

                  うう〜ん、歌手が1人違うと
                  ここまで変わっちゃうのか、全員が・・・って感じで驚いた。

                  友人からの情報で
                  この間、メトロポリタン・オペラで歌っていた・・・というので
                  調べてみたら、確かに先週、ビゼーのカルメンでエスカミーリョ役
                  3月にハンブルク歌劇場のナブッコ出演予定なので
                  たまたまハンブルクに居たのか。
                  レパートリー情報には、グノーのファウストのメフィスト役もある。
                  うわあああ、これもめっちゃ合ってそうだわ。

                  見た目は痩せ型の地味なおじさんで
                  いったい、どこからそんな声が、という迫力あるバス。
                  ファン・サイトが「ダーク・ハニー・バス」と名付けているのが頷ける。

                  オーケストラの反応も良かったし
                  昨日、ちょっと不調だったオーボエのソロも
                  本日は実に素晴らしい出来だったし
                  最後のコーラスのバランスも良くなっていた。

                  このコンサート、ウィーン交響楽団チクルスなのだが
                  いつも遅れてくるおばさま3人組は、日曜日なのでキャンセルしたらしく
                  周囲が割に常連じゃない人で埋まっていた。

                  昨日の方がマナーが良くて
                  みんな咳も我慢して、ピアニッシモの部分が堪能できたが
                  今日は、数人、咳をする人がいて
                  数人が咳をし出すと、みんなが咳こむので
                  季節柄、仕方ないとは言え、ちょっと残念ではあった。
                  (私はひたすら我慢します、念の為・・・)

                  メゾ・ソプラノも、今日は声の張り上げも目立たず
                  (張り上げなくてもホールが音を拾う事がわかったみたい)
                  マルガレーテとファウストの愛のシーンが
                  めちゃくちゃ甘くて素敵だった。
                  (咳さえもう少し少なかったら、もっと良かったのに・・・(涙))

                  ファウストとメフィストフェレスのダイアローグは
                  書いた通り、メフィストフェレスの美声と声量に釣られて
                  ピルグのテノールも張りのある美声で丁々発止の勝負となって
                  聴き応え抜群の緊張感のあるシーンとなった。

                  しかしこの曲、何回聴いても面白いわ。
                  例の有名なハンガリー行進曲もだが
                  幽霊のダンスとか
                  マルガレーテの家の周りを鬼火が飛び交うところとか

                  ファウストが書類にサインする時の
                  あの緊張感に満ちた、ただの1音だけの沈黙に続いて
                  地獄落ちの馬が駆けるところとか

                  最初から最後まで
                  超ぶっ飛びのオーケストレーション。

                  そういう悪魔的ぶっ飛びシーンの音楽は
                  むちゃくちゃ面白いくせに
                  最後のマルガレーテの昇天の時の音楽が
                  やっつけ仕事というか、もういいわ、と思ったのか
                  それとも、こういう真面目な音楽を作曲する気はなかったのか
                  最後の最後ですっとぼけの、お退屈音楽となってしまって
                  これは、ベルリオーズ独特の皮肉かよ、とまで思ってしまう。

                  いや〜、でも、楽しかった (^^)v
                  たぶん、コンツェルトハウスとしては最悪の状況だったと思うけれど
                  コンツェルトハウス、よくやった!!!って感じ。

                  同じコンサート2回、と思っていたら
                  また違う感じのコンサートになって
                  それはそれで、かなりお得感があって満足、という
                  せこい私に、どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 1回目

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年2月15日 19時30分〜22時10分

                    Wiener Symphoniker
                    Wiener Singakademie
                    Opernschule der Wiener Staatsoper
                    メゾソプラノ(マルガレーテ)Kate Aldrich
                    テノール(ファウスト)Saimir Pirgu
                    バス(メフィストフェレス)Nahuel Di Pierro
                    バスバリトン(ブランダー)Edwin Crossley-Mercer
                    指揮 Philippe Jordan

                    Hector Berlioz (1803-1869)
                    La damnation de Faust
                    Dramatische Legende in vier Teilen op. 24 (1846)
                    Konzertante Aufführung in französischer Sprache

                    かなり以前から楽しみにしていて
                    明日のチケットはもともとチクルスで持っているのだが
                    もう1回、今日の分もわざわざ購入していた
                    ベルリオーズの「ファウストの劫罰」なのだが

                    もともと、メフィストフェレス役はミヒャエル・フォレが予定されていて
                    フォレがキャンセルしたのでイルデブランド・ダルカンジェロが代役になり
                    しかも、そのダルカンジェロが当日直前に病気でキャンセル。
                    加えて、ブランダー役のフローリアン・ベッシュも病気でキャンセル。
                    35歳のブエノス・アイレス出身のバスと
                    フランス出身のバスバリトン2名が
                    コンツェルトハウスでのデビューとなった。

                    まぁ、オペラみたいに歌手でチケット買う訳ではなく
                    私は、この「ファウストの劫罰」を聴きたかったので
                    どうでも良いとは言わないが(以下省略)

                    この作品、1回だけナマで聴いた記憶があるので
                    調べてみたら
                    2013年2月22日トゥルーズ・キャピトルとソヒエフで聴いていた。
                    (すご〜くおヒマな方、記事はこちらです)

                    天井桟敷の超貧民席で舞台は見えないので
                    今回は最初から最後までリブレットを見ていたのだが

                    あ???

                    ファウスト、全然、悪人じゃないじゃん。
                    メフィストフェレスからマルガレーテを紹介されて
                    (というより、マルガレーテの家に忍び込んで
                     マルガレーテが「トゥーレの王」を歌うところを
                     カーテンの裏側から聴いているという・・・(絶句))

                    恐るべきストーカーのはずなのに
                    マルガレーテも恋に堕ちて
                    ファウストと会いたいばかりに
                    ファウストからもらった睡眠薬をお母さんに飲ませていたら
                    量を間違ってお母さんを殺してしまい
                    (まぁ、そこらへんワケわからん。リブレットはベルリオーズ作です)

                    メフィストフェレスが
                    マルガレーテが殺人容疑で逮捕された
                    救いたかったら、この書類にサインしろ、と言われて
                    ホイホイ、サインしちゃって

                    どっか〜ん、ファウストは地獄落ち。
                    マルガレーテは救われて天国へ。

                    ゲーテの話と全然違うじゃないか!!!😡

                    しかし、ベルリオーズの音楽、恐るべし・・・
                    リブレットに頭突っ込んでいると
                    フランス語の詩の内容にぴったり合わせて
                    見事な音楽の変容があって

                    ぶっ飛びのオーケストレーションに
                    とんでもない和声の移行があって
                    時々、単音のメロディ・ラインは
                    どう聴いたって100年後の無調だよね。

                    一つ一つのシーンの情景描写が、実にリアルで
                    ほとんど後期ロマン派のリヒャルト・シュトラウスの世界。

                    もともとオペラではなく
                    コンサート上演として考えられていて
                    オペラでもあり、オラトリオでもあり
                    コンサート形式で聴きながら
                    音楽による描写で、聴衆の頭の中の妄想を
                    最大限に掻き立てるように作られている。
                    (ちょっとバッハのマタイ受難曲とかと似てる。
                     そんな事を言うと、バッハのファンに殴られる可能性は大いにあるが)

                    テノールのサイミール・ピルグって
                    国立オペラ座のアンサンブルに居たような覚えがあって
                    以前、オペラ座の何かで聴いたような気がするのだが

                    こんなに甘い声の魅力的なテノールだったっけ????

                    いやもう、何と言うか、うはうはうは(混乱中)
                    ともかく、むちゃくちゃ声がチャーミング。

                    しかも、高い声まで、自然に透き通った美声だし
                    ピアニッシモで歌っても声が天井桟敷まで飛んでくる上に
                    そのソット・ヴォーチェの甘さには
                    ちょっと体感的にとろけそうになっちゃった。

                    マルガレーテが突然惚れても、全然不自然じゃない。
                    舞台見てないからわからないけれど
                    あの声なら、どんな体型だろうが、私は(たぶん)惚れる。

                    声のコントロールがしっかりしているので
                    表現力も素晴らしい。
                    倦み疲れたファウストから
                    恋に堕ちてのマルガレーテとのデュエット
                    最後に追い詰められて地獄行きの書類にサインする時の
                    ドラマチックな表現力まで
                    どのシーンを取っても魅力的で惹きつける。

                    ピルグに比べると
                    メフィストフェレス役のディ・ピエーロはちょっと弱い。
                    (まぁ、今日明日の代役だから仕方ないというのもあるかもしれないが)
                    弱いというのは
                    もともとの声の質が、どちらかと言うとバリトンの声域で
                    あまり低音の迫力がないのである。
                    それと、表現力が今一つで
                    声は美しいのだけれど、悪人のアクが全くなくて
                    ただ歌っているだけで、役になっていないような印象を受ける。

                    以前のトゥルーズの時のメフィストフェレスが
                    かなり悪役だった印象が強く残っているのもあるんだけど。

                    バスのエドウィン・クロスリー・マーサーは
                    フローリアン・ベッシュの代役だが
                    歌う部分はそれ程多くない(酒場の場面だけ)
                    目立つ、という程ではないけれど
                    メフィストフェレス役より声が低くてドスが効いている(笑)

                    マルガレーテはメゾ・ソプラノなんですね。
                    いや、ゲーテのグレートヒェンのイメージがソプラノなので
                    (註 グレートヒェンはマルガレーテの愛称なので同じ人物である)
                    マルガレーテ役が歌った時には
                    暗めの低い声で、ちょっと驚いた。
                    ファウストのテノールがあくまでも甘いリリック声なので
                    マルガレーテがお母さんっぽく聴こえちゃって(汗)
                    ドラマチックなメゾ・ソプラノだったけど。

                    しかし、めちゃくちゃなストーリーだが
                    音楽の面白さで聴かせてしまうし
                    ともかくテノールの甘い声がたまらない・・・

                    ドラマチックに最初から最後まで・・・と思ったら
                    何だか一番最後のマルガレーテの天国行きのシーンが
                    中途半端というか、ホントにそれ天国かよ?みたいな感じで
                    最後のカタルシスがあまりなくて、不思議な終わり方(笑)

                    いや、ベルリオーズって
                    どこからどこまで、ぶっ飛んでいるんだか(爆笑)

                    明日、もう一度、同じコンサートに行く予定で
                    リブレットは時々見るくらいで何とかなりそうだから
                    明日は歌手の見た目もちゃんとチェックして来よう。

                    ベルリオーズはロリオもハラルドも好きだけど
                    このファウストは、ともかく予習なくても
                    そのまま聴いても、目一杯楽しめる演目なので好き、という
                    怠け者(予習がイヤ)の私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    ウィーン交響楽団 + フランソワ=グザヴィエ・ロト

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2019年1月20日 19時30分〜21時30分

                      Wiener Symphoniker
                      指揮 François-Xavier Roth
                      ビオラ Antoine Tamestit

                      Hector Berlioz (1803-1869)
                       Harold en Italie, op. 16
                       Symphonie in vier Sätzen mit Solobratsche

                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                       Symphonie Nr. 3 Es-Dur, op. 55, „Eroica“

                      ウィーン交響楽団の楽友協会のシリーズは
                      実は土曜日の分を持っていたのだが
                      バレエと重なる事がわかったので
                      早めに楽友協会のチケット売り場で
                      何とか次の日のコンサートに変更してもらった。
                      (同じチクルスでAとかBとかがあれば可能らしい。
                       同じコンサートでもチクルス違いだと、冷たく断られる)

                      ビオラという、地味な楽器は
                      何せ世の中にびよらジョークが堂々とまかり通っている位だが
                      私が聴いたことのあるびよりすとは3人居て
                      これが、今井信子さんと、タベア・ツィンマーマンと
                      このアントワン・タメスティ・・・というのは
                      ちょっと贅沢すぎる(笑)

                      アントワン・タメスティを初聴きしたのは
                      同じフランソワ=グザヴィエ・ロトと
                      ロンドン交響楽団で2017年4月24日。

                      その際に書いた指揮者の印象が
                      2年近くなっても、全然変わっていないので
                      読み返してみて大笑いした。
                      (大笑いしたい方、よろしければ こちら です。

                      多少、頭頂部がお寂しくなられて(言いたい事は察して下さい)
                      背広にネクタイも変わらず
                      あの時の記載のような「部長」というよりは
                      万年係長だが(すみません)

                      この係長、目立たず地味なのに
                      実はむちゃくちゃ仕事が出来てしまう・・・というイメージ。

                      さて、すごく楽しみにしていた
                      イタリアのハロルド。

                      この曲、実は CD で聴くと
                      やっぱりどうしてもソロのビオラが沈んでしまうのだが
                      あ〜、もう、何ですか、このタメスティのビオラの音の美しさは!!!

                      ハープと絡む最初のソロの
                      あまりに芳醇で美しい音色に、むちゃくちゃうっとり ♡

                      オーケストラは大編成で
                      ロトが、またこの大編成オーケストラを容赦なく鳴らせる。

                      しっちゃかめっちゃかなベルリオーズの音楽って
                      時々、ぶっ飛びすぎていて、実はすごく好き。
                      (CDだとわからないが、途中で
                       バイオリンとビオラが一斉にギターないしはウクレレと化す)

                      多少バタバタしている感じは
                      曲の構成やオーケストレーションから来ているのだが
                      ウィーン交響楽団の音を、よく引っ張り出して
                      迫力たっぷり。

                      タメスティのビオラの音を潰さずに
                      実に美しいビオラの音を堪能させながら
                      オーケストラの推進力とエネルギーを
                      最大限に発揮させる手腕。

                      最終楽章で
                      ビオラを無視しまくって
                      オーケストラがバリバリ演奏するところ
                      ものすごく好きなんだけど

                      ここでビオラが退場し
                      第一バイオリン、第二バイオリン、チェロから
                      それぞれ1人づつが退場し

                      最後のフレーズの前に
                      この4人が、舞台の、たぶん端っこの方で四重奏。
                      (舞台見えないので、どこでやったかは不明)
                      この音がまた美しくて悶える。

                      「マエストロのリクエストで」というアナウンスで
                      アンコール1曲。
                      いや、本当にビオラの音色って美しいわ。

                      後半はベートーベンのエロイカ。
                      オーケストラ編成が少し変わるが
                      弦の数は変わらないモダン編成。

                      ところが、出てくる音が
                      ベルリオーズと全く違うのでビックリ。

                      比較的、伝統的な演奏で(リピート全部あり)
                      奇を衒ったところはないのだが

                      各パートのクリアさが抜群。
                      非常に分析的に
                      モチーフの繋がりを、バッチリ聴かせてくれるのが面白い。

                      スコア持っていくのを忘れたんだけど
                      スコアなくても、まるでスコアが見えるような感じがする。

                      オーケストラもこの曲は慣れているはず・・・だけど
                      時々バタバタしたのは(以下省略)

                      例のホルンのところ
                      とても美しくアンサンブルが揃っていて
                      首席がちょっとだけ(2箇所)ほんの少し音がズレたけれど
                      あれはウインナー・ホルンだったら許容範囲だと思うのだが
                      指揮者は終演後にホルンを立たせず無視したのが
                      ちょっとかわいそう。
                      (ホルン奏者、最後はやけっぱちで指揮者に拍手してた(笑))

                      木管は素晴らしかった。
                      ウィーン交響楽団って、管楽器には良いプレイヤーが多い。
                      問題があるとすれば、バ(以下省略)
                      (だって、この交響曲も四重奏があるじゃないですか。
                       ○○○○○が他のプレイヤーの音を聴かずに
                       先走っちゃったので、ちょっとあれはね・・・・)

                      生まれ年33年の違いはあっても
                      ベルリオーズはベートーベンが好きだったし
                      ほとんど同時代の
                      やんちゃ坊主2人の組み合わせのコンサートは
                      はっちゃけていて、とても楽しかった。

                      さて、来週から試験週間で(冷汗)
                      まぁ、単位取れなければ取れなくても良いか
                      ・・・と開き直りつつ
                      1月末には少なくとも晴れやかな顔になりたい私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      たしか学部の要綱には
                      同じ試験を3回までは受けて良いと
                      書いてあった筈だ・・・

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