ウィーン・フィル + ズービン・メータ 2回目

0
    2024年3月17日 15時30分〜17時45分

    Musikverein - Großer Saal
    Wiener Philharmoniker
    指揮 Zubin Mehta
    ピアノ Martha Algerich

    Maurice Ravel (1875-1937)
    Konzert für Klavier und Orchester, G-Dur

    Anton Bruckner (1824-1896)
    Symphonie Nr. 7, E-Dur, WAB 107

    メータとアルゲリッチ2日目。
    本日はオーストリア国営放送ラジオ1番で
    ライブ放送がある。

    ・・・だから
    昨日のような、ド派手なアンコールはないだろう
    (放送時間の関係もあるだろうし)
    と推測していたのに

    何と、またもや
    ラヴェルの最終楽章をもう1回
    アンコールで演奏したのにはひっくり返った。

    しかも昨日よりオーケストラが巧くなってる(笑)
    土曜日はアタアタしていた第3楽章の木管・金管も
    ズレなくピアノにしっかり絡まって来て

    いやその疾走感と言ったら
    快感と言う言葉はこのためにある。

    その後はバッハのイギリス組曲3番からのガボット。
    いやすみません、バッハ知らなくて
    スカルラッティかな、と思っていたら
    後でラジオを聴いたら、曲目をアナウンスしてくれていた。

    アルゲリッチの弾いたアンコールの動画が
    過去のものだがあったので、貼っておく。
    音の立ち方とクリアさの素晴らしさに
    どうぞ驚いて下さいませ 😀



    さて、ラヴェルのピアノ協奏曲については
    昨日、散々書いたし
    今日のオーケストラの性能が
    かなりアップして
    快感でドキドキ。
    まだ、火曜日・水曜日に
    あと2回聴けると思うと幸せでたまらない ❤️

    後半のブルックナーの交響曲7番。
    好きな曲ではあるし
    ズービン・メータ(御歳87歳)の指揮を見ていたけれど

    でき過ぎだよこれ・・・

    座った状態での指揮で
    指揮棒は使っていて、暗譜。

    メータの指揮は
    必要な指示は全てする
    不要な動きは一切しない
    と言うのに尽きる。

    目立とうとか
    ヘンな事をやろうとか
    モダンに現代的に演奏させようとか
    そういう類の雑念が全くなくて

    純粋に
    ブルックナーの7番って
    これだよね
    ・・・と思ってしまう演奏。

    ゆっくり目のテンポに乗る
    長いボーゲンで描き出されるメロディ・ライン。
    教会のオルガンの音に似ていながら
    オーケストラの音響を最大に活かした
    深みのある厚い音色。

    前半が自由奔放、洒落っ気たっぷりの
    ユーモアと華やかさに満ちた雰囲気だったのに

    後半は突然変わって
    敬虔で、齟齬のない
    正統的で真面目で
    徹底的に美しいブルックナー・・・

     お洒落でユーモアあって
     自立していて、共稼ぎもOKで
     自由で奔放な女の子を好きになって
     結婚したら

     子供を作るという目的以外の
     イチャイチャは許されず
     聖処女っぽくなってしまって
     食事ごとにお祈りを強要されるんですが
     どうしたら良いでしょう?

    と、どこかの掲示板に
    書き込みがありそうな雰囲気。

    聴衆としても切り替えが難しい 😓

    本日はオーストリア国営放送ラジオ1番で
    ライブがあって
    休憩中にメータにインタビューしていたのだが
    メータ自身も
    このコンビネーションは
    アルゲリッチの希望でない限りは
    やらないだろう、と言っていたから

    指揮者としても切り替えが
    困難だっただろう事は想像がつく。
    (でもブルックナーは
     オーストリアに来てから知って
     名だたる名指揮者で聴いて
     大好きになったような事は言っていたから
     やっぱりブルックナーを演奏したかったんだろうなぁ)

    ラジオのインタビューで
    若い頃は
    楽友協会やオペラ座の立見席に
    チケットなしで潜り込んで
    ウィーンに感謝してる、という
    危ない言及もあったが(爆笑)

    今は若い人向けに
    チケットを安く放出しているし
    潜り込みは出来なくなっているから(たぶん)
    ちゃんとチケット買って
    行って下さい・・・

    とラジオを聞きつつ
    ついつい祈る気持ちになった私に
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    ウィーン・フィル + ズービン・メータ 1回目

    0
      2024年3月16日 15時30分〜17時45分

      Musikverein - Großer Saal
      Wiener Philharmoniker
      指揮 Zubin Mehta
      ピアノ Martha Algerich

      Maurice Ravel (1875-1937)
       Konzert für Klavier und Orchester, G-Dur

      Anton Bruckner (1824-1896)
       Symphonie Nr. 7, E-Dur, WAB 107

      今日から4日間は
      メータとアルゲリッチ祭り(笑)
      87歳と82歳のカップリングである。

      しかもラヴェルのト長調ピアノ協奏曲 🥳  と
      ブルックナーの交響曲7番のカップリングなんて
      プログラムで見たことないぞ。

      ラヴェルのピアノ協奏曲。
      うわああああ
      アルゲリッチのテンポが速いし
      打鍵が強い。
      オーケストラ、もろ押され気味で
      必死について行ってる印象。

      舞台が見えない貧民席(納得済み)なので
      ここからピアニストも見えずに
      ただただ、ひたすら音響だけを聴いていると

      ピアニストに腕が4本くらいあるんじゃないか・・・
      現実的に考えたら
      1人じゃなくて2人でピアノ弾いてない?

      だって、ピアノの音色のバリエーションが凄いのだ。
      いや、音色の豊かさは時々聴くけれど
      同じフレーズの中(要は手が2つ)で
      どれだけ違う音色を出してるの、この人 🤯

      第2楽章の哀愁に満ちたソロも良かったけれど
      最終楽章の、最高速の
      疾走感溢れる演奏には呆気に取られる。
      管楽器のプレイヤー、むちゃくちゃタイヘン。

      うはははは
      本当にこの腕が4本か5本ありそうなピアニストが
      82歳って、嘘だろ、としか思えない。
      魔女か妖精か
      なんかそういう人外のモノのような気がする。

      ピアノが緻密で
      打鍵が強くて
      一つ一つの音が立ちまくって
      全体的な流れがイキイキしていて
      音色がその時々でとんでもなく変化する。

      こんなハードな曲を演奏した後の
      アンコールはないだろう、と思っていたら

      何と、第3楽章を初めから丸ごと
      アンコールで弾いた・・・
      (ぎゃ〜っ、木管・金管さん、お疲れさまです)

      うおおおお
      なんだこれ、本当に人間技か、と
      ほとんど呆れてひっくり返っていたら

      なんと
      ラヴェルの「水の戯れ」

      おいおいおいおい
      どういう体力・・・・

      これがまた絶品で
      ピアノの音色、特に高音の色が素晴らしい 😭

      もう、何か、前半で
      お腹いっぱいになってしまい
      ブルックナーの交響曲7番
      どうでも良い気分(すみません)

      本当に前半で集中力を使い果たしたので
      ブルックナーの交響曲7番
      いや、素晴らしい演奏だったし
      ブルックナーの中でも好きな曲だし
      楽しかったんだけど
      前半の印象が強烈すぎた。

      まだ明日の日曜日定期
      月曜日の楽友協会主催のコンサートに
      火曜日には会場を変えてコンツェルトハウスで
      同じプログラムが3回続くので
      ワクワクしている私に
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      ウィーン・フィル + フランツ・ヴェルザー=メスト 2回目

      0
        2024年2月25日 11時〜12時50分

        Musikverein - Großer Saal
        Wiener Philharmoniker
        指揮 Franz Welser-Möst

        Paul Hindemith (1895-1963)
         Konzert für Blasorchester, op. 41

        Richard Strauss (1864-1949)
         Sinfonische Fantasie aus
         Die Frau ohne Schatten, o. Op., AV 146

        Arnold Schönberg (1874-1951)
         Variationen für Orchester, op. 31

        Maurice Ravel (1875-1937)
         La Valse
         Poème chorégraphique pour Orchestre

        昨日も左右に照明器具が取り付けられ
        楽友協会の窓は雨戸?で閉じられて
        ああ、収録があるんだな。
        もちろん本日も同じく収録。

        薄いけれど多少太陽は出て来ている日曜日に
        ブルックナーとかならともかく
        ヒンデミットやシェーンベルクは
        ・・・まぁ、必ず来る常連さんを除いては(以下省略)

        よって、本日も一見さんが多い。
        どんなプログラムでも
        天下のウィーン・フィルさまの音響を
        ニューイヤー・コンサートの会場
        楽友協会の黄金のホールで聴けるというのは
        観光客のアトラクションとしては最適だろう。

        ヒンデミットだけど
        2回目を聴いてみると
        そこそこ面白い・・・というか

        同じ列の若いカジュアルな服装の男性が
        声を抑えて大笑いしているし

        昨日もやはり近くの
        若いア⚪︎⚪︎系観光客グループのメンバーが
        大笑いしていたので

        やっぱり面白いんだろうなぁ。
        確かに、伝統的な軍隊行進曲っぽいモノが
        とんでもないオーケストラ構成と
        聴き慣れない和声のクラスターで演奏されたら
        面白いよね、たぶん。

        軍隊のブラスバンド用の曲である事に間違いはないので
        現代音楽祭で初演されたとは言え
        一応、軍隊ブラスバンド演奏用・・・だと思う、たぶん。
        だから、行進曲の基本からは
        ほとんど外れていない・・・はずだ、知らんけど。

        途中、埋葬行進曲も出て来て
        これはリズムとか和声から
        即、埋葬行進曲だ、とわかるんだけど
        やっぱり、この分類が明確なのは
        西洋文化圏に毒されているからだろうなぁ。

        影のない女だけど
        リヒャルト・シュトラウスの艶やかな響きは
        やっぱりウィーン・フィルの良い面が生きると思う。

        後半のシェーンベルク。
        出だしの色彩感が何故かフランス音楽っぽく聴こえる。
        私の感性、もともとおかしいけど
        最近、ますますヘンになっている自覚はある・・・

        12音技法って
        1つの音列から4つバリエーションが出来て
        それが12音ある=全部で48の音列があるわけで
        それを組み合わせてって事なんだろうけど

        12音をすべて平等に扱うという
        テオドール・アドルノが絶賛した技法において
        ついでに全部の和声が
        不協和音である必要性はあったのか?

        12音を「平等」に扱うのであれば
        協和音と不協和音だって平等に扱ったら良いんじゃないの。
        48の音列で、完全5度とかで重ねたら
        協和音も平等に扱われるようになるのでは?
        ・・・いや、それ、ルネサンスの作曲技法だろ(自爆)

        不協和音だって嫌いじゃないけれど
        徹底して協和音を排斥した音楽って
        やっぱり聴くのに疲れるわ。
        さすがにこの曲、3回聴いていたら
        神経やられてたかもしれない。

        最後のラヴェルが・・・凄まじかった。

        速めのテンポで飛ばし切って
        ウィーン・フィルとは思えないワイルドな
        場合によっては粗いと思われかねない音響で

        ヴェルザー=メストはオーケストラを
        ひたすら煽り続けているし

        最後、おいおい、そこまで音量アップしちゃって良いのか
        本当に最後のところのフォルティッシモどうするの
        と思っていたら
        そのまま無理やり最後まで音圧マックスで突き進む。

        すごく不思議なのだが
        ラヴェルのこの演奏
        途中のティンパニは
        ヒンデミットの曲を思い浮かばせるし
        シェーンベルクの曲の持つ色彩感が
        あちこちに顔を出す。

        最後の曲で
        その前の曲の総まとめをしているような
        音楽史的には
        ここから来ているんだよ、って言われているような
        何故、このプログラム構成になったのか
        思い込みではあるけれど
        ストンと目から鱗が落ちたような気分。

        う〜ん・・・
        何だか、また新しい窓が開いたような気がする。
        ただの思い込みではあるけれど。

        ライブで会場に居ないと
        あの圧倒的な音響は感じられないかもしれないが
        オーストリア国営放送ラジオ1番で
        ライブ放送があったようで

        せっかく購入したソフトで
        ラジオの録音が出来なくなって
        (以前は出来たのだ、何故だ?
         orf.at はサポートしている筈なのに)
        今回のラジオ放送もDL出来ず
        ちょっと悔しい思いをしている私に
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        今年から受信料を(テレビ・ラジオがなくても)
        強制的に全世帯から払わせているオーストリア国営放送は
        ラジオ・テークもテレビ・テークも
        視聴期間を1週間から28日にしたようだが
        それでもせこい(怒)

        DLは出来ないものの
        同時録画は可能なので
        ずっと放送を流しつつ録音してみたが
        時間がかかるし、むちゃくちゃ面倒だ、ぷんぷん。
        サポート・センターに連絡してみよう。

        ウィーン・フィル + フランツ・ヴェルザー=メスト 1回目

        0
          2024年2月24日 15時30分〜17時25分

          Musikverein - Großer Saal
          Wiener Philharmoniker
          指揮 Franz Welser-Möst

          Paul Hindemith (1895-1963)
           Konzert für Blasorchester, op. 41

          Richard Strauss (1864-1949)
           Sinfonische Fantasie aus
           Die Frau ohne Schatten, o. Op., AV 146

          Arnold Schönberg (1874-1951)
           Variationen für Orchester, op. 31

          Maurice Ravel (1875-1937)
           La Valse
           Poème chorégraphique pour Orchestre

          ウィーン・フィルの定期公演らしからぬ
          プログラム構成なので
          (金曜日は楽友協会主催での
           同プログラムのコンサートあり)
          周囲が一見さん・・・というより
          観光客ばかり(楽友協会あるある)

          多少の椅子のガタガタ音や
          荷物を激しく床に落としたりはあったし
          ずっとスマホを見たり
          隣の人と小声で喋ったりは
          もう仕方がない事と諦めるしかない。
          「音楽の都ウィーン」の
          「ウィーン・フィルのコンサート」の
          宿命でもある。

          今回のプログラムの曲目解説には
          指揮者のフランツ・ヴェルザー=メストが
          各曲にコメントを投稿しているのが興味深い。

          さて、私も知らない曲がズラリと並んだが
          今や情報過多の時代で
          予習しようと思ったら
          いつでも何処でも聴けるのは有り難い。

          耳慣れしないように
          2つ以上のバージョンを交互に聴いたりしていたけれど
          ヒンデミットとシェーンベルクに関しては
          予習は、かなり無駄だった(自分のアホさもある)

          ヒンデミットの曲は面白い。
          管楽器の曲なので
          私の席では、かなりすごい音圧で響いて来るから
          ちょっとうるさい(特に最初のトゥッティ部分)

          楽友協会の音響なので
          多少の団子状態
          しかも2度の重なりも多いので
          ほとんどクラスターになっているけれど
          それがまた、興味深い音響の色を生み出している。

          ヒンデミットはこの曲で
          伝統的な軍隊音楽に
          現代音楽とクラシック音楽の技巧を
          ミックスしたかった、とプログラムにあったが

          確かにクラシックな技法を使っていて
          途中の掛け合いは
          あら、これフーガじゃん 😀

          ポリフォニーに近い部分もあって
          ちょっとアイヴスみたいな風味もあるし
          管楽器編成でありながら
          音色が次々に変わって行くのも楽しい。

          ヴェルザー=メスト曰く
          ヒンデミットはユーモアを持って
          この曲を作曲している・・・との事だが
          確かにユーモアっぽい箇所も聴こえて来る。

          ヒンデミットとヴェルザー=メストって
          ユーモアと対極に位置する人かと思っていたが(すみません)

          「影のない女」のファンタジーは
          私も知らないし
          予習もしていない(ごめんなさい)

          リヒャルト・シュトラウスのオペラの音楽が
          オペラ座のオーケストラ・ピットからではなく
          コンサート・ホールの舞台から聴こえて来るって
          不思議な感じがする。
          影のない女は何回か鑑賞したけれど
          ストーリーが何とも生々しくて(以下省略)

          後半の最初は
          シェーンベルクの作品31番。
          1926年〜28年に12音技法で作曲されたもの。

          12音技法だから
          機械的でワケわからんと思ったら大間違いで
          何これ
          なんか、むちゃくちゃエモーショナルなんだけど(笑)

          12音の音列が頭に入ったら
          もっと楽しいのかもしれないが
          そこまで私、頭良くないし(言い訳)
          でも、4度の繰り返しは
          比較的目立つ(耳立つ?)

          確かにオーケストラのバリエーションだ。
          12音技法とは言え
          セリエにはなっていないので
          繰り返すリズムが出現したりするし
          それを別にしても
          シェーンベルクの浄夜を彷彿とさせる
          ロマン的な部分が立ち昇って来る。

          ラヴェルのラ・ヴァルスが凄かった(笑)
          まぁ、あの速めのテンポで
          しかもフォルテ部分になると
          ヴェルザー=メストが
          オーケストラを凄まじく煽る。

          政治的な意図とかはなくて
          純粋に音楽的に
          ウインナー・ワルツを踊る人たちの
          影が激しく動いている躍動感。
          現実なのか悪夢なのか
          境界線のない不気味な世界なのに
          その幻想がむちゃくちゃ美しい。

          時々、ひょいと現れる
          チャーミングでノーブルな表現って
          ウィーンのオーケストラならでは、ってところ。

          プログラム構成からして
          上級者向け、としか言いようがないが
          これ、アメリカへの演奏旅行に持って行くのよね。
          マーラーとかブルックナーならともかく
          このプログラムのチケット
          売れるんだろうか?
          (って、別に私が心配する事ではない(わはは))

          一見さん=観光客の多かったコンサートだったが
          明日の日曜日定期はどうだろう?
          常連さんたち、来るだろうか?

          耳慣れしていない音楽だけに
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          ウィーン・フィル + フランツ・ヴェルザー=メスト

          0
            2024年2月22日 19時30分〜21時

            Wiener Konzerthaus - Großer Saal
            Wiener Philharmoniker
            指揮 Franz Welser-Möst

            Gustav Mahler (1860-1911)
             Symphonie Nr. 9 (1909-1910)

            実はこのメモ
            書き始めたのが
            コンサートの2日後で・・・

            よって、生々しい第一印象というわけではない。

            って言うか
            どう書いて良いのか
            何かもう、戸惑うばかりで
            2日経っても、まだ消化できていない。

            いつもの通り
            スコアは持ち込んだものの
            この曲でスコアが私に必要なのは
            最後の1ページだけ。
            (いつ終わるのかスコアがないと
             全くわからないので
             精神的に不安定になるのである)

            ヴェルザー=メストは
            椅子に座っての指揮。
            後で知り合いが
            転んで足を怪我した、と言っていたが
            真偽は不明。

            第一楽章の演奏開始から
            なんだか異様な雰囲気・・・

            ホルンの音色だけが
            突出して聴こえて来て
            バラバラのフラグメントが降ってくる。

            音楽としての求心力がなくて
            すべての要素が
            好き勝手な方向に走っていく印象。

            中心点とか中心線がないので
            その不安定で不気味な感じは
            聴いていて鬼気迫る
            ・・・というより、これ、かなり怖い 😱

            パートごとのバランスが
            恐ろしく悪く聴こえて来るのは
            指揮者の意図と
            ホールの音響のせいだと思う。

            パート同士のバランスという概念そのものが
            中心点があっての話になるので
            もともと最初から
            収束力のない音楽であれば
            フラグメントが空間に散って行くのは
            それなりの意味があるのだろうとは思う。

            もしかしたら
            最初からスコアに頭を突っ込んで
            視覚と一緒に聴いていたら
            分析的に見つつ聴いていたら
            そのクリアさに唸っていたかもしれないけれど

            音響だけの事実を
            聴覚だけで聴いていると
            視覚の引っかかりというか
            精神的な止まり木がないので

            ともかく
            ひたすら
            不安で押しつぶされそうな
            根拠のない恐怖に圧倒される。

            それをヴェルザ=メストが
            上半身だけ、激しい動きで
            指揮しているくせに
            めちゃくちゃ冷静に振っているのも怖い。

            ウェーベルンが
            この曲を怖がった、って話
            こう演奏されたら、納得するわ。

            その分、最終楽章の
            あのキッチなメロディで
            救いがあるかと思ったら
            これは、かなりあっさりと演奏されて
            カタルシスというよりは
            え、これで良いんですか?
            と、肩透かしにあったような気分。

            どうしても噛み砕けなくて
            消化も出来ない不安感で
            個人メモもどうやって書こうか
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            ウィーン・フィル + フィリップ・ジョルダン 4回目

            0
              2024年1月14日 19時30分〜21時30分

              Wiener Konzerthaus - Großer Saal

              Wiener Philharmoniker
              指揮 Philippe Jordan
              ソプラノ Nicole Car

              Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
               Ouvertüre „Meeresstille und glückliche Fahrt“, op. 27

              Ernest Chausson (1855-1899)
               Poème de l’amour et de la mer, op. 19
               für hohe Singstimme und Orchester

              Benjamin Britten (1913-1976)
               „Four Sea Interludes“ aus der Oper „Peter Grimes“, op. 33a

              Claude Debussy (1862-1918)
               La Mer
               Drei symphonische Skizzen für Orchester

              4回目の同じプログラムである。
              聴く方も(多少)うんざりしているが

              演奏する方はもっとうんざりしているだろう、と

              舞台に揃った
              ウィーン・フィルのメンバーの表情を見ると
              妄想に駆られてしまう。

              認識バイアスがかかっているのは承知の上(笑)

              まぁ、それでもプロ中のプロなので
              頑張って演奏するぞ(多少うんざりだが)
              という雰囲気は伝わってくる(ような気がする)

              コンツェルトハウスも満杯。
              ただ、私の知り合いの、そこそこクラオタ倶楽部の数人は
              ジュネスでのリハーサルを聴きに行っていたりしていて
              このプログラム、初めてではないらしい。

              さて、本日は音響が全く違う。
              楽友協会のオーケストラに近い
              ダイレクト波がガンガン鼓膜を刺激する場所から

              コンツェルトハウスの超貧民席
              舞台から一番遠い
              ダイレクト波ではなく
              聴こえるのはほとんどが反響という場所での鑑賞。

              もちろん、残響も楽友協会とコンツェルトハウスでは
              大いに違う(コンツェルトハウスの方が残響時間は短い)

              メンデルスゾーンの静かな海と幸せな航海は
              コンツェルトハウスの音響の方が
              やはりスッキリと聴こえて来る上に
              前半の弦のアンサンブルの柔らかさ、美しさが
              際立って聴こえて来る。

              楽友協会(の、あの貧民席)では
              あまり聴こえて来なかった低音の弦が
              かなりはっきりと聴こえて
              下を支えていたのが面白かったし

              風が吹き出す時の切り替えのテンポも
              残響が被らず、かなり良い感じ。

              ・・・だけど、やっぱりジョルダン、テンポが速いよ。
              躍動感はあるけれど
              多少、アンサンブルが粗くなりそうになるのは
              これはもう、あの速さじゃ仕方ないだろうな。

              あと、やっぱりティンパニは明らかに鳴らし過ぎ。
              楽友協会は実質的にティンパニの真上だったのだが
              コンツェルトハウスで舞台から離れても
              やっぱりティンパニの音の響き方が大きい。

              ソロの部分はいくら鳴らしても良いけれど
              他の部分も同じような音量だと
              場合によってはマスキング現象も起こりそう。

              ショーソンの「愛と海の詩」は
              コンツェルトハウスでのこれまでの演奏回数が
              たった3回 😅

              そりゃ、みんな、耳慣れしていないわけだよ(笑)

              楽友協会の声楽には不向きな席で
              もやもやしたソプラノを聴いていたのが
              嘘のように

              コンツェルトハウスの舞台の正面で
              声が通る方向に座っていると
              ニコル・カーのソプラノの素晴らしい声が
              オーケストラと絶妙に混ざって
              オーケストラの壁を楽々と飛び越えて
              席に届くのは楽しい。

              コンツェルトハウスが良いのは
              どんなに音圧の低い音でも
              ちゃんと最後の席まで届く事で
              中間部のピアニッシモの美しさには
              ちょっと背筋がゾクゾクした。

              ただ、このホールも
              あくまでも「コンサート・ホール」であって
              講演会用の音響ではないので
              子音の失われる割合はかなり高い。
              もともとフランス語わからないから良いんだけど(笑)

              ブリテンのピーター・グライムスも
              楽友協会で聴くより
              音響的にはコンツェルトハウスの方が良い。
              無駄な音の重なりがなくて
              各パートがクリアに聴こえてくるのが嬉しい。

              ところで、ピーター・グライムスには
              鐘が使われるんだけど
              かなり高い鐘のところに
              普通の「椅子」が置いてあって
              プレイヤーが「椅子」によじ登っていたんだけど
              足台とかは使わないの?
              椅子だと、安定性が悪いと思うのだが。

              まぁ、余計なお節介ではある。
              (でも椅子に靴のまま乗る、という事が
               日本人としては理解の範囲外なのよ)

              ドビュッシーの海も
              このホールの方がスッキリ響いて
              繊細な部分がよく聴ける。

              楽友協会の音響もすごく好きだし
              ダイレクト波の迫力も、ものすごく好きなのだが
              曲によっては
              コンツェルトハウスの音響の方が
              有利に響く事ってあるなぁ・・・

              もっとも、この間、書いた通り
              このプログラム
              オーストリア国営放送ラジオ1番の録音が
              たぶん、一番優れものではないかと思う。

              ウィーンは気温が低いと言うよりは
              冬に毎日、風が強い都市なので
              コンサートの後に、強い風に吹かれながら
              市電の駅まで歩く、たった5分で
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              明日は20時までの授業なので
              コンサートに行けないし
              明後日は現代音楽で
              その後も劇場が続くので
              なんだか「クラシックのコンサート」の数が
              異様に少ないような気がする・・・

              ウィーン・フィル + フィリップ・ジョルダン3回目

              0
                2024年1月14日 11時〜13時

                Musikverein - Großer Saal

                Wiener Philharmoniker
                指揮 Philippe Jordan
                ソプラノ Nicole Car

                Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
                 Ouvertüre „Meeresstille und glückliche Fahrt“, op. 27

                Ernest Chausson (1855-1899)
                 Poème de l’amour et de la mer, op. 19
                 für hohe Singstimme und Orchester

                Benjamin Britten (1913-1976)
                 „Four Sea Interludes“ aus der Oper „Peter Grimes“, op. 33a

                Claude Debussy (1862-1918)
                 La Mer
                 Drei symphonische Skizzen für Orchester

                同じコンサートの3回目だが
                音楽は時の芸術
                ナマの、人間の音で聴く限り
                同じものは一つもなく
                その「時」で消え去ってしまうという
                考えてみれば
                何という贅沢な芸術なんだ・・・
                (生花とか茶道もそうかもしれない。
                 時代にそのまま残そうという芸術には
                 絵画や彫刻、文学なんかもあるけど)

                新年明けてからの最初の定期のせいか
                VIP席にすごい数の招待客が居て
                お上品な方々が、高級お洋服で
                ご挨拶しまくっている様は
                ああ、ウィーンだな、と思う。

                さて、メンデルスゾーンだけど
                出だしの弦のアンサンブルの「静けさ」は良いけれど
                後半の風が吹き出すあたりへの変換時に
                あまりに音圧を上げたまま
                アッチェルランドで音の速度を上げるので
                残響と次の音が混じってしまって
                音の濁りが出てしまい

                嵐の表現力は凄いとは思うのだが
                どこもかしこも一つ一つが大袈裟過ぎる。
                3回目だが
                どう聴いても、戦艦の海戦にしか聴こえない。

                ところで、この時代って
                そろそろ蒸気船じゃなかったのかなぁ
                と、調べてみたら
                1886年時点のロイド資料で
                GT.100トン以上の船は、世界中で
                帆船1200万トン、汽船1000万トンだったとの事で
                やっぱり帆船が多くて
                風って大事だったんだ・・・

                こういう曲を聴く時に
                (あるいはモトになったゲーテの詩を読む時に)
                背景情報って必要だなぁ。
                曲の聴き方というより印象がガラッと変わる。

                それでも海戦(帆船である)にしか聴こえないのはともかく(笑)

                オーストリア・ラジオ放送1番でライブがあったので
                後で聴き直してみると

                会場で爆音で聴こえて来た大仰な表現が
                録音技師の素晴らしい匙加減で
                なかなか素晴らしい演奏に聴こえて来るのには苦笑。

                ウィーンの録音技師の優秀な事、脱帽 🙇

                いやマジに、会場で聴く音楽と
                録音とは、全く別物だと思う。

                ショーソンの曲なんか
                ラジオで聴くと
                ニコル・カーの声が
                誰ですかこの人?
                驚くほど違うし

                フランス語のディクションなんか
                会場の残響ありありと録音では
                全く、まったく、ま〜ったく違う。

                録音でも聴こえる声のヴィブラートが
                会場で聴いているともっと凄くて
                声の輪郭が全部グチャクチャになっていたのが
                録音マイクを通すと
                こんなにくっきり、はっきり聴こえるとは・・・

                (それは楽友協会の音響の特色で
                 子音が失われる AL con が大きいので
                 言語理解が非常に難しいホールなのだ。
                 録音は子音喪失する前の残響の少ないところに
                 マイクを置いているので、ちゃんと聴こえるのだよ)

                こと、ショーソンに関しては
                ナマと録音では
                録音の方が100倍くらい良い。


                (いったい、どんな酷い席で聴いたんだよ
                 と言われるかもしれないけれど
                 ナマも録音も、それなりの良さがあるって事)

                だって、私、後で録音聴いて
                自宅でひっくり返ってたもん。

                ここまで来ると詐欺みたいなもんだな。
                というより、録音技師の腕か。

                いや、会場の音楽が酷い、というワケじゃないけど
                わざわざ会場まで出掛けて
                ナマで聴く意味があったのか、と問いたくなる。

                同様にブリテンもドビュッシーも
                楽友協会で
                恐ろしい残響の長さのホールで
                大音響でオーケストラを鳴らすので

                現実にホールで聴いていると
                音は潰れるわ、被るわ
                耳が痛くなる程の箇所もあったのだが

                録音、最高じゃん!!
                こんな良い演奏を聴いているとは
                ホールの中では思えませんでした。
                お前の耳が悪いんだろう、というツッコミは覚悟してますが。

                ところで
                え、そんな良い収録なら
                私もオーストリア国営放送のラジオで聴いてみよう、と思われた方
                ドビュッシーの「海」の前に
                不思議な間があって

                ジョルダンが何か言って
                その後
                演奏が始まったら
                また中断して

                という事故があるのだが

                演奏前に
                会場に派手に携帯電話が鳴り響き
                (しかも、かなり長い間鳴っていた)
                ジョルダンが「大丈夫、気にしないで」と
                舞台からスピーチした途端に
                また同じメロディが鳴って

                携帯電話、切った、と理解して
                演奏を始めたら
                また同じメロディが鳴った

                という不祥事によるもので
                面白い事に
                会場中に鳴り響いた携帯電話の音は
                マイクでは拾われていない。


                実は私の席のすぐ近くの
                ウィーン・フィル定期の常連のお客さまだったのだが

                携帯電話をどうやって止めるのかわからず
                結局、演奏中断の時に
                携帯電話を持って、会場から退場。
                (その後もホールの外で
                 同じメロディが鳴っていた(笑))

                マイクが拾う音には
                かなりの選択性があるのだな、と
                実際、経験してみてわかった次第。

                ジョルダンが録音を意識して
                技師と相談して
                ああいう
                ホールで聴くより、録音の方が100倍良い
                という演奏をしたかどうかは不明だが

                長年にわたって
                音楽はその場でナマで聴いてなんぼ
                という私の確信が
                グラグラしてしまう体験となった。

                ホールの音響についての研究も進んではいるけれど
                マイクや音響操作の技術の方が
                ずっと進歩しているので
                将来は
                ナマのコンサートより
                自宅で録音を聴く、という傾向に
                なって・・・

                行かないわよ、わっはっは
                と笑い飛ばしつつ
                何となく不安感も抱かえる私に
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                聴きたい方は
                1週間は ここ(前半)と ここ(後半) で聴けます。
                (スタート・ボタンを押して下さい。
                 もしかしてジオブロックが掛かっていたらごめんなさい。
                 私の知る限りではテレビテークはジオブロックはあったけど
                 ラジオはなかったかと思います)

                オーストリア国営放送は今年から
                オーストリアに住む全世帯から
                テレビやラジオがある、ないに拘らず
                視聴料を取る事になったので
                (ウチにはテレビもラジオもない!!!)
                我々の強制的に取り立てられる視聴料で
                みなさん、どんどんラジオを聴いて下さい。

                ウィーン・フィル + フィリップ・ジョルダン 2回目

                0
                  2024年1月13日 15時30分〜17時30分

                  Musikverein - Großer Saal

                  Wiener Philharmoniker
                  指揮 Philippe Jordan
                  ソプラノ Nicole Car

                  Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
                   Ouvertüre „Meeresstille und glückliche Fahrt“, op. 27

                  Ernest Chausson (1855-1899)
                   Poème de l’amour et de la mer, op. 19
                   für hohe Singstimme und Orchester

                  Benjamin Britten (1913-1976)
                   „Four Sea Interludes“ aus der Oper „Peter Grimes“, op. 33a

                  Claude Debussy (1862-1918)
                   La Mer
                   Drei symphonische Skizzen für Orchester

                  席はちょっと違うし
                  私のコンディションも違う。

                  10時から3時間(途中休憩あり)の
                  音響物理の授業は
                  内容全く理解できず

                  ただ、物理学者が
                  何でも数式で計算しちゃうのは
                  すごいな、と
                  目を丸くしてあっけらかんとしていただけで

                  中学・高校で
                  もっと数学と物理をやって置けば良かった、と
                  反省しきり。
                  (一応、高校の物理入門とか
                   色々と読んではいるんだけど(言い訳))

                  授業の後、学生(試験期間中!)で満杯の
                  国立図書館で色々やって(勉強したとは言わない)
                  デモで閉鎖されたリング通りを
                  体感温度マイナス7℃(風が強いのだここは)で
                  楽友協会まで徒歩で移動。

                  ウィーン・フィルの定期公演だが
                  ホールは満杯。
                  さすがに「ウィーン・フィル」の名前は
                  プロモーションのモットーとしては大きい。
                  いや、素晴らしいオーケストラですけどね。

                  メンデルスゾーンは鳴らし過ぎ。
                  特に私の席はティンパニの上なので
                  パーカッションばかり聴こえてくる上
                  弦も大音量で(もちろん最初は適度な音量だが)
                  なんかもう、音楽がごちゃごちゃになってしまい

                  しかも嵐のところの表現が
                  ともかく大袈裟でドラマチックで
                  最後の下降音階のチェーンが続くところで

                  どう考えても、この船、沈んだよね?

                  としか聴こえて来ないのは
                  私の感受性のなさ
                  ないしは勝手に妄想力の不要な量による。
                  だって、幸せな航海というより
                  戦艦2隻が戦って
                  1隻沈没した、バンザイっていう妄想が・・・

                  もちろん、私の席が悪いのである。

                  音響物理の教授が
                  直接波が好きで舞台の近くに座りたい人と
                  反響まで含めて、多少曖昧になろうとも
                  全体を聴きたくて、舞台から離れたところに座る人がいる

                  って、今日の授業で言ってたけど
                  いや、席の選択って
                  舞台からの距離ではなく
                  その人の経済力で決まるのですよ教授。

                  ものすごく苦手なショーソンは無視する。
                  ソプラノのニコル・カーは
                  あちこちの新聞評で絶賛されているけれど
                  私の席はオーケストラの反対側
                  歌手の後ろなので
                  こと、歌手の声に関しては
                  ほとんど聴こえて来ないのである。

                  ブリテンは、そこそこ楽しかった。
                  (すみません、個人メモです!)
                  やっぱりオペラ座のオーケストラ・ピットからの音響と
                  コンサート・ホールの音響では
                  恐ろしい違いがある。

                  この曲もかなり音量を上げて
                  うるさい程に聴こえてくるけれど
                  メンデルスゾーンの海戦序曲(なにそれ?)よりマシ。
                  もともと美しい透明感のある曲だし
                  ここまで音圧が集中する楽友協会より
                  コンツェルトハウスの音響の方が絶対に合いそう。

                  ドビュッシーの「海」が一番良かった。
                  ブリテンでも、細部に拘り過ぎて
                  全部のパートを出そうとするあまり
                  かえってゴチャゴチャのゴタ混ぜになった部分が
                  あったような気がするが
                  ドビュッシーは
                  音量を抑えて
                  透明感を保ちながら
                  ドラマを演出する意図が良く見えた(ような気がする)

                  明日の11時からのウィーン・フィルの定期は
                  オーストリア国営放送ラジオ1番で
                  ライブ放送されるけれど
                  私は相変わらず会場に居る予定。

                  録音技師によるフィルター通した方が
                  あまりに長い残響とか
                  音が割れそうなティンパニの連打とかの音圧が
                  うまく調整されて
                  美しく響くような気がする私に
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                  ウィーン・フィル + フィリップ・ジョルダン 1回目

                  0
                    2024年1月11日 19時30分〜21時30分

                    Musikverein - Großer Saal

                    Wiener Philharmoniker
                    指揮 Philippe Jordan
                    ソプラノ Nicole Car

                    Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
                     Ouvertüre „Meeresstille und glückliche Fahrt“, op. 27

                    Ernest Chausson (1855-1899)
                     Poème de l’amour et de la mer, op. 19
                     für hohe Singstimme und Orchester

                    Benjamin Britten (1913-1976)
                     „Four Sea Interludes“ aus der Oper „Peter Grimes“, op. 33a

                    Claude Debussy (1862-1918)
                     La Mer
                     Drei symphonische Skizzen für Orchester

                    やっと新年気分も終わって
                    オペラじゃなくてコンサート・ライフが戻って来た、と
                    大喜びしていたのだが

                    今日の楽友協会主催のコンサートを皮切りに
                    土曜日・日曜日のウィーン・フィルの定期公演
                    月曜日のコンツェルトハウスのコンサートまで

                    同じプログラムのコンサートを
                    続けて4回、聴く羽目になろうとは 😱

                    ウィーン・フィルは
                    明日もソワレで同じプログラムを演奏するので
                    通算、5回続けて同じコンサート。
                    メンバーは、こういうのには慣れていると思うけど

                    実は私、このプログラム構成は
                    あまり好みじゃなくて(ごめんなさい)

                    「海」がテーマと言う
                    非常にクリアなドラマツルギーだが

                    この真冬の時期
                    最高気温がマイナス3℃とか言う時に
                    オーストリアには存在しない「海」
                    凍えて溺死しそうな気がする・・・

                    メンデルスゾーンだって
                    こんな地味な曲じゃなくて
                    せめて洞窟でもやってくれれば良いのに。
                    (文句の多い客ですみません)

                    メンデルスゾーンのテクスチャーは美しい。
                    やっぱりウィーン・フィルの弦のアンサンブルの
                    ノーブルさは特筆すべきだと思う。

                    嵐に遭って
                    あっ、沈没した!と思ったら
                    (だってジョルダン、
                     あの部分を、ものすごく劇的にやるんだもん)
                    何もなかったような顔で
                    華やかに港に到着しちゃうと言う
                    (すみません、私にはそう聴こえるのです)
                    不思議な曲だが

                    弦のアンサンブルの美しさ
                    明るさに満ちた輝かしい金管の響き

                    フィリップ・ジョルダンは
                    ますます磨き上がったイケメンになってるし
                    たぶん、自分でも自覚あるんだろうな
                    って言う指揮振りだけど
                    まぁ、指揮が面白い、と言う事も別段ない。

                    でもこの曲は
                    さすがに楽友協会の音響には
                    間違いなく最も適したテクスチャーだと思う。

                    で、エルネスト・ショーソンの「愛と海の詩」

                    ・・・勘弁して下さい 🙇‍♀️

                    世の中で私が苦手な曲の一つなんです。
                    (もう一つはヴェルディのレクイエム)

                    通常は単純接触効果で
                    頑張って何回かヘビロテで聴けば
                    何となく馴染むものなのだけれど
                    この曲は、もう、何回聴いてもダメなんです。
                    私の貧弱な頭脳では
                    ストラクチャーは見えて(聴こえて)来ないし
                    掴みどころのない音色の絨毯が
                    無限に広がっている感じで・・・

                    今回、4回聴いたら、少しは慣れるんだろうか・・・

                    ニコル・カーのソプラノは美しいけれど
                    フランス語、全然わからないし
                    (あの声域での歌唱だったら、
                     どんなソプラノでも絶対に無理)
                    テキスト見ていてさえも
                    何処を歌ってるんだか、よくわからない。

                    何とか耐えて、幕間の後
                    ブリテンのピーター・グライムス。

                    美しい曲なんです、確かに、うん。
                    ピーター・グライムスは
                    オペラ座で何回か鑑賞する機会もあったので
                    このインターリュードもオーケストラ・ピットからの音で
                    聴いてはいるのだけれど
                    コンサート・ホールで聴くと
                    音の響き方が違うのが面白い。

                    しかし、こういう曲になると
                    楽友協会は響き過ぎ、と言う印象は否めない。

                    ジョルダンは細心の注意力を持って
                    音の解像度を極限まで上げて来ているが
                    それがかえって、高周波の音をクリアに
                    会場に響かせる事にもなっている。
                    ・・・いや、美しいんですけどね。
                    ちょっと耳が痛くなりそうな箇所も。
                    あ、でも、かなり少なかったとは言える、うん。

                    ピーター・グライムス、ともかく暗いオペラだしな・・・
                    (って関係ないか)

                    最後はドビュッシーの「海」だけど
                    もう、この頃になると
                    私も全身、ずぶ濡れとしか言いようのない
                    グッタリ疲れた精神状態になってしまって
                    ごめんなさい、感受性が死んでますので
                    どうぞお許し下さい。

                    明日は私は別のところに行ってしまうが
                    週末から月曜日まで
                    悪くすれば
                    物好きなこのブログの読者は
                    4回にわたり
                    同じプログラムの個人メモを読まされる羽目に・・・

                    もしかしたら、少しづつ
                    印象も変わって行くかもしれないし
                    同じ事の繰り返しになるようなら
                    個人メモは公開しませんので
                    どうぞお許しあれ、と
                    最初から謝っておく私に
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                    このメモ書き始めて
                    幸せな航海より
                    洞窟を、と書いたところで
                    ついつい
                    ベンガルの洞窟、と書こうとしてしまい
                    あれ?ベンガルってガンジス川だ💦
                    と焦った・・・(笑)

                    もちろん、書きたかったのは
                    フィンガルの洞窟です・・・
                    (スコットランドだ、ガンジス川じゃない)

                    ウィーン・フィル + ソキエフ サン=サーンス&プロコフィエフ

                    0
                      2023年10月20日 11時〜13時30分(公開ゲネプロ)
                      2023年10月21日 15時〜17時
                      2023年10月22日 11時〜13時

                      Musikverein - Großer Saal
                      Wiener Philharmoniker
                      指揮 Tugan Sokhiev
                      ピアノ Lang Lang

                      Camille Saint-Saëns (1835-1921)
                       Konzert für Klavier und Orchester Nr. 2, g-moll, op. 22

                      Sergej Prokofjew (1891-1953)
                       Symphonie Nr. 5, B-Dur, op. 100

                      ウィーン・フィルの土曜日・日曜日定期公演だが
                      実は金曜日の11時からの
                      ジュネス主催の公開最終リハーサルにも行っているので
                      通算3回聴いた事になる。
                      (良いんだもん、このプログラム好き❤️)

                      ウィーン・フィルは
                      昨日のベートーベン&ブラームスのプログラムも含めて
                      これからアジアへの演奏旅行。
                      その意味では
                      アピールし易いプログラムかな、と言う感じはする。

                      しかもピアニストがランランだし・・・
                      確か、かなり長期間にわたって
                      肩か何かの問題で
                      なかなかコンサートに現れなかったし
                      一時期の人気は
                      マスコミに騒がれたと言う理由も大きいだろうが
                      センセーショナルだった事を覚えている聴衆も多そう。

                      ゲネプロのチケットは
                      舞台に近い半分はクローズされているので
                      一番安いのが天井桟敷の席なのだが
                      ジュネスは若い人を対象とした機関なので
                      若い人は10ユーロ(確か27歳未満)
                      それ以上の年齢の人は41ユーロ 😱

                      図書館でスコアを探したら
                      サン=サーンスのピアノ協奏曲2番のスコア
                      あるんですけど・・・ デジタルだけで・・・😅

                      ありがたくDLはさせて貰ったけど
                      コンサート会場に持ち込めない。
                      130ページをプリント・アウトする気もないし
                      iPad は持ってない(涙)

                      ただ、プロコフィエフの交響曲5番は
                      ポケット・スコアが
                      とある図書館(ウィーン大学ではない)にあった。バンザイ。

                      さてゲネプロは
                      普通にコンサートっぽく1回通して演奏するだけか
                      と思っていたら
                      (観客も普通のコンサートと同じく
                       最後で大喝采の拍手をする)
                      喝采の後に
                      ソキエフが細かい部分の手入れを始めて
                      ランランもちょこちょこピアノ弾くし
                      曲は頭の中に入っているから
                      どこを演奏しているかはわかるけれど
                      いかんせん、舞台から遠すぎて
                      指揮者の指示が全く聞こえない(涙)

                      プロコフィエフも1楽章の後に
                      細かい手入れがあり
                      2楽章の演奏後も然り。
                      これはスコアを持っていたから
                      練習番号さえ聞こえて来れば良いのだが・・・
                      一部しか聞き取れず、ううう、残念。

                      かなり時間超過になっているようで
                      3楽章は演奏しながら、指揮者がオーケストラに
                      何か言っていて(聞こえません・・・)
                      4楽章は、なんかえらい速さでそのまま通して
                      演奏終わったら、13時30分。

                      コンサート・マスターには何か言っていたけれど
                      最後はオーケストラ・メンバーも
                      飽き飽きしていた様子が伝わってくるし
                      演奏途中で帰る観客もかなり居た。
                      たぶん、13時にランチの予約を入れている人たちだろう。

                      同じプログラムで当日にソワレもあった(行ってません)
                      土曜日・日曜日の定期コンサートだけど

                      サン=サーンスのピアノ協奏曲の
                      最初のソロが・・・

                      うわああああ、出た。
                      派手なアピール大爆発。
                      ねっとりしたテヌートとリタルダンドと
                      ダイナミックの激しい動きで
                      ゲネプロの時のあっさり感が恋しい 😢

                      そりゃ、ランランにしてみたら
                      復活戦でもあって
                      ここでアピールして人気を取り戻さねば
                      と言うのもあるだろうし
                      アジア公演でのウケを狙った仕様でもあるだろう。

                      (土曜日も凄かったけれど
                       日曜日が、またあれに輪をかけて凄かった。
                       第1楽章、あまりにねっとり演奏し過ぎて
                       テンポ遅くて止まるかと思ったし
                       全体的な焦点がズレた)

                      第1楽章のねっとり満載アピールの後の
                      第2楽章と最終楽章の
                      ものすごい速度が、また派手にアピールする。
                      情感とかは第1楽章でたっぷり聴かせて
                      (あれを「情感」と言うのかはともかくとして)
                      2楽章・3楽章はテクニックを見せつけて
                      ともかく叩こうって感じ。

                      時々、え?ランランって、あんな綺麗な音を出したっけ?
                      と思わせるところがゲネプロではあったんだけど
                      本公演になったら
                      ペダル使いも派手だし
                      アピール度を意識したテクニック重視の演奏で
                      (いや、テクニック重視はキライじゃないけど)
                      これ、サン=サーンスというよりは
                      どう聴いてもラフマニノフに聴こえて来るのは何故だ。
                      (いや、ワタシの感受性がおかしい)

                      ここまで徹底してアピール度を上げると
                      それはそれで、演奏としては面白い、と考えれば
                      ランランの起用は正解ではあろう。
                      (私の好みとしては
                       サン=サーンスならエジプトの方が好きだが
                       エジプトでのウケより、2番の方が派手だろう、きっと)

                      プロコフィエフの交響曲5番。
                      これこそ、情感とかよりは
                      ガンガン鳴らして、ガンガン演奏できそうな曲で
                      いやもう、スコア見てると
                      マジにゴキゲンな曲。

                      金管で紡ぎ出すテーマとか
                      ともかく美しいし
                      スコア見てると
                      モチーフのバリエーションとか
                      展開の仕方に加えて

                      ほとんど無理やりの転調とか
                      クラスターだろこれ、という音符の
                      不協和音の厚い重なり方や
                      時に複雑怪奇になるリズムの扱い方が
                      めちゃくちゃ楽しい。

                      (しかも読者はご存知の人が多いと思うが
                       このスコア、移調楽器がないんですよ 😀
                       移調楽器だらけのマーラーのスコアなんかより
                       ずっと追い易い)

                      ウィーン・フィルのノーブルなエレガンスが
                      引き出される曲とは言わないけれど
                      ともかく爽快で愉快至極。

                      最終楽章の最後あたりの
                      はちゃめちゃ感が楽しいのなんの。

                      日曜日は4時間半ほどの睡眠時間で
                      早朝にサウナに入ってから行ったので
                      スコア見ながら寝落ちしないように
                      最大限の努力はしたものの

                      最終楽章の最後の、はちゃめちゃ部分で
                      あまりに眠くて
                      カウント数え損ねて
                      スコアにおいて行かれたアホな私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。
                       
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                      楽友協会の残響が長いので
                      ペダルの使用が多いピアノの音響が
                      多少、濁って聴こえる部分もあったが
                      あれは、他のコンサート・ホールだと
                      もっと美しく響くと思う。

                      日本の読者の方々で
                      コンサート行かれる方
                      どうぞお楽しみ下さいませ❤️

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