ウィーン・フィル + オロスコ=エストラーダ

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    Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年9月8日 19時〜21時10分

    Wiener Philharmoniker
    バイオリン Leonidas Kavakos
    指揮 Andrés Orozco-Estrada

    Antonín Dvořák (1841-1904)
     «Die Mittagshexe»
       Symphonische Dichtung für großes Orchester op. 108 (1896)
    Erich Wolfgang Korngold (1897-1957)
     Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 35 (1937-39/1945)
    Antonín Dvořák
     Symphonie Nr. 9 e-Moll op. 95 «Aus der Neuen Welt» (1893)

    グラーフェネック夏の音楽祭の最終公演は
    ウィーン・フィルとオロスコ=エストラーダが
    ロンドンのプロムスで演奏したプログラムを持って来た。

    チケットも高い。
    悪天候でホールに席のある一番安いカテゴリーで45ユーロ。

    天候がここ数日不安定で、昨日は大雨。
    今日も日中は太陽が出たけれど
    夕方には雨の予報。

    17時過ぎにチェックしてみたら
    「本日は予定通り、野外音楽堂で行います」
    ・・・って、本気か???

    夕方の気温、20℃切ってるし、風も強い。
    グラーフェネックに到着したら、小雨がパラパラ。
    直前にホールに変更になるか、と思っていたら
    野外音楽堂でのコンサートを断行。

    案の定、最初のドボルジャークの「真昼の魔女」の途中で
    かなりの雨が降って来た。

    観客全員(1500人くらい?)が
    椅子の下のビニールの使い捨てレインコートを
    ガサガサと開けて着用し始める。

    ビニールですよ?
    レジ袋みたいなものですよ?
    それを1000人以上が一斉に開けて着込むんですよ?

    ・・・どういう激しい雑音が発生するか想像つきます???
    もちろん演奏中です!!!

    あまりの雑音の激しさに
    指揮者のオロスコ=エストラーダが振り返って観客を見る。

    観客は立ったり、座ったままだったりだが
    ともかく、みんなレインコートを袋から出して広げていて
    それだけなら良いけれど
    当然ながら「これ、どうやって着るの?」とか
    「雨ってイヤね」とか
    それを機会に嬉々として周囲とお喋りする人も多い。

    しつこいようだが、演奏中です。

    ほとんど全員が着用するのに、約10分くらい。
    この間、オーケストラは舞台上で演奏を続けている。
    フォルテのトゥッティはともかくとして
    中間部のピアノは、雑音に掻き消されて、ほとんど聴こえない。

    しかも、みんな着終わった後でも
    ビニール・コートに落ちる雨の音がバラバラバラ・・・

    ちょっとこれ、1曲めが終わったら
    屋内のホールに会場を移すケースじゃないのか???

    いえいえいえ・・・
    次のカヴァコスがソロを弾いた
    あの、限りなく美しいコルンゴルトのバイオリン協奏曲は
    そのまま続けて野外で演奏。

    周囲はみんなビニールのレインコートを着用しているので
    ちょっと動くとレジ袋のガサガサ

    動かなくても、ちょっと風が吹いたりすると
    風で動いたビニールが衣装と擦れてガサガサ

    絶え間ないレジ袋のガサガサ音を背景に
    あんなに美しいコルンゴルトのバイオリン協奏曲を聴く羽目になるなんて。

    もちろん、いつもの付属品である
    外からの車の騒音や
    上空からの飛行機の騒音にも不足はない。

    耳元で隣の人のビニールがガサガサ音を出している状態で
    クラシック音楽を聴くというのが好きな人が居たらお目にかかりたいものだ(怒)

    この曲だって
    ホール内で聴いたら、妙なるバイオリンの美しい音に
    ブラボー・コールの嵐になったと思うのだが
    (最初の曲の時は、どうも指揮者が振り向いてイヤな顔をしたらしく
     珍しく客席の一部からブーが出た)
    小雨になったとは言え、レジ袋の雑音と一緒に聴いていたら
    バイオリンの音だって楽しくない(断言)

    なんだか、えらくヒステリックな硬質な音に聴こえて来て
    コルンゴルトに必要な甘さに欠けている。
    (あくまでも雑音が混ざった状態での個人的印象)

    アンコールにアルハンブラ。
    これ、カヴァコスの定番の一つだけれど
    この曲、ギターで聴いた方がずっと良いのに
    ただ超絶技巧だけ見せたいがために
    こんなバイオリンではムリムリな曲をムリに演奏するって
    何か意味があるのかしら・・・

    前半終わって、さすがにホールに会場変更かと思ったら
    そのまま野外でコンサート続行。
    途中でまた雨が降って来たので
    コートでしのいでいた私も、幕間にビニールを被る事にした。

    後半の前に、音楽監督ブッフビンダーが舞台に登場。

    「天気予報官と電話で話したところ
     大雨になるのは22時くらいから、という事でした。
     ウィーン・フィルのメンバーは
     最終コンサートのドボルジャークを
     野外で演奏する事を快く承知してくれました。
     指揮者のオロスコ=エストラーダも野外で続行してくれるそうです。
     感謝します」

    ・・・ちょっと待て、聞き捨てならぬ失礼な発言じゃないか、これ!!!

    オーケストラは良いですよ、屋根の下で濡れる事はないんだから。
    ただ、こんな悪天候で、寒くて小雨の時に
    ビニールまで被って、コンサートを聴いている聴衆にこそ
    主催者は感謝すべきじゃないの?

    ウィーン・フィルさまさまが演奏なさってくれるから感謝で
    聴衆は畏まって、雨の中をウィーン・フィルさまさまの演奏を聞けってか??

    ちょっと私の怒りが爆発していたので
    冷静に演奏を聴いていられるような精神状態ではなかったのだが

    ホールだったらともかくとして
    ウィーン・フィルって、別にものすごく巧いオーケストラじゃないじゃん。
    (これ言うと、夜道でぐっさりかも・・・)

    アンサンブル揃ってないし
    アインザッツが時々ずれるし
    楽器のソロだって
    他のオーケストラに比べて
    名人がうおおおおおっ、というソロを聴かせてくれるワケでもないし。

    唯一、第2楽章の最後のあたりの
    弦楽の室内楽的な部分は、さすがに美しかったが。

    22時から雨とか言った(とブッフビンダーが主張していた)予報官は
    無能だったらしい(断言しちゃう)

    最終楽章の途中から大雨になった。

    ビニールは被っているから濡れはしないけれど
    ビニールに当たる雨音が、かなりスゴイ。

    雨のバラバラバラという音と
    ビニールのレインコートのガサガサ音を背景に
    クラシック音楽を聴くのが趣味という人が居たら
    お目にかかりたいものだ。

    グラーフェネックの最終日のコンサートは
    そんなワケで、最悪も最悪
    これで良く聴衆が我慢するな、とマジに思った。
    (私は怒り心頭に発していたが)

    こういう事をされるんだったら
    来年からもう行かないよ?(本気)

    ここ数日、車で到着する時に
    地元の人たちが
    「騒音反対、車の音反対」というデモをやっている。
    周囲何キロにもわたって、お城以外に建物は何もないし
    このお城でコンサートをする事による
    低地オーストリア州への経済効果は非常に大きいと思うのだが
    (お城内部には、地元のワインを集めたヴィノテークもある)

    騒音(どこで聴こえるの?)反対の人たちは
    この音楽祭がなくなった事による
    低地オーストリア州の税収の減少については
    自分たちでそれを補う代案はあるんでしょうね?
    (ほとんど八つ当たり・・・)

    あまりのひどい状況でのコンサートと
    雨とビニールの雑音で意識を持っていかれたにしても
    正直、演奏の水準として満足の行くものではなかったし
    あんな大雨と寒さの中で
    音楽を聴かされる、というのは

    全 く 楽 し く な い ! ! ! !

    とりあえず、今年のグラーフェネックは終わった。
    週末ごとに往復140キロのドライブをする必要もなくなった。

    来年、行くかどうかは未定。
    今日はブッフビンダーの発言に
    かなり怒っているので
    冷静になれない私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    ウィーン・フィル + ズービン・メータ

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      Musikverein Großer Saal 2019年6月16日 11時〜13時

      Wiener Philharmoniker
      指揮 Zubin Mehta
      カウンターテノール Bejun Mehta

      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
       Symphonie A-Dur, KV 201
       „Ombra felice - Io ti lascio, e questo addio“,
         Rezitativ und Arie (Rondo) KV 255
       „Vadasi, oh ciel! - Già dagli occhi il velo è tolto“.
         Rezitative und Arie des Farnace aus „Mitridate, Rè die Ponto“, KV 87
       „Cara, lontano ancora“.
         Arie des Ascanio aus „Ascanio in Alba“, KV 111

      Igor Strawinsky (1882-1971)
      Le Sacre du Printemps

      日曜日11時からのコンサートだが
      ウィーン・フィルの定期公演ではなく
      楽友協会主催のコンサート。
      チケットは(何せウィーン・フィルなので(笑))完璧売り切れ。
      ・・・とは言え、この季節になると
      直前に楽友協会のチケット・オフィスに
      何人か「余りチケット」を持って立っている人がいるので交渉次第。

      さて、ウィーン・フィルと大御所のズービン・メータ、御歳83歳。
      前半のモーツァルトは立って、後半のストラヴィンスキーは椅子の上から。

      ところで、このプログラム、いったい何じゃ?
      モーツァルトの交響曲29番に
      カウンター・テノール用のレチタティーヴォとアリアを3曲。
      登場するべジュン・メータは
      現代のカウンター・テノールの中では
      最も素晴らしい歌手と、私は思っているので
      才能のない親戚音楽家を大御所が特別に出してやる感はゼロ。

      べジュン・メータ、よくウィーン劇場のバロック・オペラには出ているのだが
      最近、ウィーン劇場に行かないので、久し振りに聴く事になった。
      (チケットが高くて、舞台が見えない)

      モーツァルトの交響曲は、
      あ〜、これがウィーン・フィルのお上品な響きなのね、という感じ(笑)
      あくまでも上品、ノーブル、上流階級の
      ある意味、ちょっとイヤミなくらいウィーン貴族っぽい仮面の印象。
      でも、こういう曲って
      やっぱり伝統のあるオーケストラの底力を感じる。

      べジュン・メータは・・・
      あ〜、もう、やっぱりむちゃくちゃ巧い。

      この人、声量も半端じゃないのだが
      (ウィーン劇場で他の歌手と一緒に聴くとぶっ飛ぶ)
      楽友協会の音響は、別に張り上げなくても聴こえるし
      モーツァルトのオペラは、うまく声を盛り上げるように作られていて
      ヴィブラートからアジリタから、難なくこなした上に
      声の色も自由自在に変える。

      だいたい私、コンサートで、オペラのアリアだけ聴くのは好きじゃない。
      オペラは、全体のストーリーの中で聴いてこそ
      その部分のレチタティーヴォとかアリアが活きるので
      そこだけカットされても感情的な移入が出来ないのだが
      (かと言って、モーツァルトのオペラを聴く気はあまりない・・・)

      内容とかはともかくとして
      べジュン・メータの美声だけで「聴かせて」くれちゃったわよ。

      さて、そんなモーツァルトの後
      後半がストラヴィンスキーの「春の祭典」???

      国立オペラ座のバレエ公演で
      ノイマイヤーの「春の祭典」を上演していた時に
      ウィーン・フィルの「春の祭典」を何回も聴いていて
      ちょっとトラウマなんですが(すみません)

      メータは座ってはいるけれど
      前に譜面台はない。

      確かに私が愛用するオペラ座のバレエの時の席は
      音響的には最悪ではあるのだが

      ホントにこれ、同じオーケストラ?!

      あ〜、すみません・・・
      バレエの時の演奏は
      実は指揮者が悪いんじゃないかと思っていたが
      当たらずと言えども遠からずか(勝手に納得)

      だってファゴットのソロに続く
      あの木管のアンサンブルの箇所の精密さと言ったら・・・

      メータの変拍子の指示が、ものすごくわかりやすい。
      シロウトでもわかる位に、はっきりしている。
      オーケストラが弾きやすいかどうかは不明だが。

      あの精密さと厚みのある音を聴いていたら
      連想するのは、アンリ・ルソーの絵画。

      細かく厚みのある精密な筆で描かれたジャングル。
      あくまでも筆はクリアで大時代的なノスタルジーで
      描かれた絵は不思議な世界に飛んでいる、という音楽。

      普通なら、いったんバレエで使われた曲を聴くと
      ついつい反射的にバレエの舞台を思い浮かべてしまうのだが
      メータの「春の祭典」は
      あまりに徹底的に純粋に「音楽」になっていて
      ノイマイヤーの振付があまり頭に浮かんで来ない(すみません)

      もともと「春の祭典」ってバレエ音楽だったはずなのだが
      この曲、こうやってコンサートで聴いてみて
      ここまでパートがクリアで
      上昇と下降の対比などまで、はっきりと浮かび上がってきて
      パート同士のバランスが抜群で
      音楽的に自然な流れを作って(変拍子なのに!)
      精密に、しかも距離取り過ぎの冷たさもなく演奏されると
      う〜ん・・・・
      ちょっと唸って、脱帽するしかない。

      メータ恐るべし・・・

      大げさに指揮棒を振り回すのではなく
      的確な指示を、正確な拍子で与えて
      ほんの少しの動きで音楽の表情を描き出す技。
      こういうのは、確かに老成しないと出来ない技術かもしれない。

      強い個性で強烈で熱烈なファンの多い指揮者と比べると
      大家(たいか)ではあるのだけれど
      巨匠、という一括りで
      あまり突出して目立つ、という人ではないと思っていたが
      すごい指揮者だわ・・・やっぱり「巨匠」だわ・・・

      しかしまぁ、ウィーン・フィルも
      バレエとオペラとコンサートで
      指揮者によってもだけど
      見事に別人オーケストラと化すなぁ、と
      深く感じ入った私に
      どうぞ本日も1クリックをお恵み下さい。


      ウィーン・フィル + マリス・ヤンソンス ウィーン最終公演4回目

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        Musikverein Großer Saal 2019年6月2日 11時〜13時10分

        Wiener Philharmoniker
        指揮 Mariss Jansons

        Robert Schumann (1810-1856)
         Symphonie Nr. 1 B-Dur, op. 38 „Frühlingssymphonie“
        Hector Berlioz (1803-1869)
         Symphonie fantastique, op. 14

        4回目、ウィーンではラストのコンサート。
        たぶん、耳慣れしてきたせいもあるだろうが
        シューマンの響きが
        かなりすっきりしたような感じ。
        多少、オーケストラとして音量を抑えたんだろうか。

        そうなると、ウィーン・フィルの弦の響きが
        非常に美しい。
        テンポも、たぶん、昨今の指揮者のテンポが早すぎるので
        巨匠としては、この遅めのテンポの方が
        スコアの音符を、しっかりとすべて聴かせるという意味で
        理想的なのかもしれない。

        後半の幻想交響曲。
        たしかに遅めテンポだが
        この間も思ったけれど
        ともかく楽譜に忠実。

        一つの音も取り逃がさず
        勢いに乗せて突っ走るところがなく

        ある意味、スコアが透けて見えるような演奏。
        しかも、今回はほとんど完璧に近い。

        う〜ん・・・
        好みの問題はあるかもしれないが
        確かに、これだけスコアそのままの完璧な演奏になると
        ベルリオーズの「完成形」かもしれない。

        音のクリアさ、パートの解像度
        音の響きの美しさには唸るけれど
        まぁ、それが感動かどうかは別物で
        こればかりは主観的な好みの問題が入る。

        私の超貧民席は舞台は全く見えないのだが
        最終楽章の後に
        普通だったら、ブラボーとか叫ぶ人が居て
        あの派手なエンディングでは
        間髪を入れずに大拍手が起こる・・・はずなのに

        誰も拍手しないし・・・
        しかも拍手が始まっても微妙な雰囲気だし

        あの演奏に観客全員が呑まれたんだろうか、と思っていたら
        会場から出たところで遭遇した友人が
        「ヤンソンス、大丈夫?」

        友人曰く
        ずっと楽章間で汗をダラダラかいていて
        最終楽章の途中から
        身体が傾いて
        それでも指示は出していたけれど
        終わったとたんに
        ビオラの首席に抱き抱えるように連れて行かれて
        その後、団長が慌てて楽屋に入っていたらしい。

        うわあああ、そんな事があったのか。

        そんな究極の状況で
        あの演奏を繰り広げたオーケストラのメンバーも凄い。
        最後まで振った指揮者も凄い。

        5月がずっと10℃とかが続いて、雨が続いた後
        今日は日中、30℃近くまで急激に上がったので
        たぶん、会場も暑かったんだろうなぁ。

        観客は、それなりの暑さ対策の服装で行けても
        指揮者は例の黒い上下だし・・・

        というより、ヤンソンスの服装が、あまりに「伝統的」だ。
        もっとも、クルレンツィスとかラトルみたいに
        黒のシャツ1枚と細身のズボンとか言うヤンソンスは想像できないわ。

        続報はないし
        カーテン・コールはなかったようだが
        同じプログラムで、6月4日はパリ、5日はハンブルク公演で
        これに関しては変更の情報はないので
        一時的に調子を悪くなさっただけだと考えておこう。

        ハードな職業だし
        この急激な気温の上下は
        普通の人だって、身体に負担が大きい。
        私も偏頭痛が出て痛み止めを飲んでいるのだが
        痛み止めのお陰で、坐骨神経痛も少し楽(笑)

        何回か聴いてみると
        印象が様々に変わるし
        良いところも、主観的にあまり好きでないところも
        浮き彫りになってくるのが面白い。

        マリス・ヤンソンスは来シーズンのプログラムにも
        登場しているし
        ちょっと調子を崩されただけなら良いのだが。
        一刻も早い回復を祈る気分の私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        ウィーン・フィル + ヤンソンス 2回目と3回目

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          Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年5月31日 19時30分〜21時40分
          Musikverein Großer Saal 2019年6月1日 15時30分〜17時40分

          Wiener Philharmoniker
          指揮 Mariss Jansons

          Robert Schumann (1810-1856)
           Symphonie Nr. 1 B-Dur, op. 38 „Frühlingssymphonie“
          Hector Berlioz (1803-1869)
           Symphonie fantastique, op. 14

          とりあえず(笑)2回目と3回目である。
          省略もここに極まれりだが
          まぁ、個人的メモだし、それで良いのである(開き直り)

          コンツェルトハウスでの同じプログラムだが
          シューマンは・・・ほとんど気絶状態だった。

          幻想交響曲は、これではヤバイと
          気を入れて聴いていたのだが
          楽友協会の音響と違うので
          かなりのフォルティッシモもよく聴こえて
          それなりに、この曲、聴き映えがするなぁ。
          (それだけかいっ!)

          ウィーン・フィルの土曜日定期公演。
          木曜日祝日で、長い週末に出かけた人も多いらしく
          あまり周囲に常連さんがいないのは、ちょっと寂しい。

          さてシューマンの「春」だが
          やっぱり、音が厚い。

          あまりにコテコテした重厚な音なので
          それはまぁ、さすがにウィーン・フィルの弦の
          あの、何とも言えない芳醇な響きなのだが
          そこまで音量上げて弾かなくても・・・

          出だしの金管は、さすがにバッチリ決まったし
          その後の導入部の演奏は
          1日目に多少のズレが気になったのが、すっかり直って
          アンサンブルは精密に美しく聴こえてきたものの

          全体的にテンポを遅めに取っているせいか
          なんだか、やたらと重いのだ。

          お風呂の中の音響みたい・・・
          (楽友協会あるある)
          多少は耳慣れして来たし
          アンサンブルも良くなっていたので
          曲の仕上がりとしては見事なのだろうが

          今ひとつ、若さがなくて
          弾けるようなリズムがない。
          それを、老成というか、成熟というかは
          各自の主観の問題だろうが
          私には、ちょっと重すぎる。
          引き摺るような、不要な作られた「春」という印象が拭えない。

          ・・・だから好みですってば!

          演奏としては、多分、最高なので
          「厚みたっぷり」の
          醤油と砂糖がばっちり染み込んだ厚揚げっぽい
          こういう演奏が好き、という人が多くても良いと思う。
          (実際、コンツェルトハウスの後で、地下鉄内で
           おばあちゃまたちが「シューマンは良かったわ」と言ってたし)

          ベルリオーズの幻想交響曲。

          今回、この2つの曲を聴いてみて驚いたのだが
          ベルリオーズの幻想交響曲の作曲は1830年。
          シューマンの交響曲1番の作曲は1841年。

          ・・・11年の差がある!!!!
          しかも、シューマンの交響曲の方が、ベルリオーズより11年遅い。

          (いや、ホントにベルリオーズって、正にぶっ飛んでる)

          コンツェルトハウスでは、聴きごたえあるなぁ、と思ったが
          楽友協会の音響で、また改めて聴いてみると

          全体のテンポが遅い!!!
          いや、それは指揮者の裁量だから、文句つけられないけれど
          (遅めで始めて、途中でテンポ・アップしたりする)

          音を一つ一つ、疎かにせず
          すべてを拾って行くような、細部まで見事に出してくる演奏で
          スコアの完璧な再現を狙っているかのような丁寧さ。

          ヤンソンスの徹底的な職人気質のなせる技なのか
          ともかく、こんな丁寧な幻想交響曲の演奏は珍しい。

          その分、犠牲になるのは、勢いとかエネルギーで
          強弱で補ってはいるものの
          どうしてもお行儀の良い
          人為的に完璧を目指す「音楽」としての実質に
          耳が向いてしまう。

          「音楽」としては完璧な処理なのだろうが
          「物語」がほとんど浮かんで来ないのだ。
          あまりに丁寧すぎるのである。

          第1楽章から第3楽章まで
          あまりの細部に拘った丁寧さで
          すごく申し訳ないのだが
          個人的主観では、やっぱり、ものすごく退屈(すみません)
          どこも弾けていないし
          それは、どこにも破綻がない、という事で
          その意味では見事なのだろうが

          ・・・つまらん!!!

          断頭台への行進も
          何だか異様に重い。
          弦の、あの途中の跳ね上がり(♩♪♩ってとこね)の
          最後の伸ばし方がかなり長く
          その分、キレがなくてべったり聴こえてくる。

          これ、昔、ヤンソンスの幻想交響曲を同じく楽友協会で聴いた時に
          あっ、この行進の時、雨が降ってる、と感じた原因なのかしら。

          ワルプルギスの夜も、全体的に重い。
          いや、完璧な演奏を目指しているのは、よ〜くわかる。
          わかるんだけど
          そんなに重く演奏されると
          ハリエットが中年太りになって
          体重100キロくらいで(以下省略)

          ヤンソンス、ある意味では
          徹底して職人さんだから
          徹底して、楽譜そのものを現実にする事に心を砕いていて
          それは、ウィーン・フィルもよく応えているのだけれど

          う〜ん、ヤンソンス、正直言って
          やっぱりお歳を召されましたね。
          必死にエネルギーを出しているのはわかるのだが
          それが、ちょっと痛々しくて。

          金曜日に思わず楽譜屋さんに行って
          幻想交響曲のスコアを購入してしまった
          アホな私に
          (良いんだも〜ん、ちゃんと家で読みます(涙))
          どうぞ1クリックをお恵み下さい(手抜きだけど・・・)


          ウィーン・フィル + マリス・ヤンソンス とりあえず1回目

          0
            Musikverein Großer Saal 2019年5月30日 11時〜13時10分

            Wiener Philharmoniker
            指揮 Mariss Jansons

            Robert Schumann (1810-1856)
             Symphonie Nr. 1 B-Dur, op. 38 „Frühlingssymphonie“

            Hector Berlioz (1803-1869)
             Symphonie fantastique, op. 14

            意図した訳ではないのだが
            本日を皮切りに、コンツェルトハウスで1回
            ウィーン・フィルの土・日定期で2回
            総計4回、同じコンサートを聴く事になった。

            本日が楽友協会主催の1日目。
            チケットはかなり以前から売り切れ。
            私も、このチクルスは持っていないので
            実は何も考えずに2ヶ月前に買ったのだが
            良い席は取れなかった。

            席が悪かった事を前提にしての話だし
            このブログは単純な個人的主観的感想のメモだし
            体調によって音楽の聴き方も変わるし
            指揮者や演奏家が見えたら、音楽の印象も変わるし
            ・・・いや、色々と言い訳してるけど
            実は今日のコンサート、ちょっと、あれ?って感じだったので。

            もちろん、これから2回目・3回目と数をこなす(?)うちに
            どんどん個人的印象が変化していって
            最後は、名演だ〜!と喚く可能性もあるので
            これを読んでいる物好きな方々は
            私の言う事は一切信用しないようにお願いします。

            つまらなかったんです・・・(ボソ)

            もちろん視覚的効果がなかった、と言うのは大きな原因ではある。
            たぶん、ヤンソンスのイケメンなお顔を拝見し
            時々、輝くような笑顔を見せて振っていらっしゃるところを見たら
            感激しているのかもしれない。

            けど、まずはシューマンの交響曲からして
            なんだ、このキレの悪さは・・・
            とてもロマンティックで
            お上品に、この上なくノーブルに
            あの美しいウィーン・フィルの黄金の音色で
            歌ってはいるのだ。

            ただこれ、「春」のシンフォニーだよね?
            なのに、何故、隠しても出てくるような
            喜びとか感情とか
            いや、それよりも
            シューマンが作曲した年代の
            溢れるような「若さ」を全く感じない。
            なんだか、ヘンに老成してしまった感じがする。

            ・・・だから偏見ですってば!

            マリス・ヤンソンスって
            コンセルトヘボーなんかで聴いていた頃に
            何となく「職人さん」だなぁ、って感じた事が何回かあって
            実に巧くまとめるし、確かに上手なんだけど
            如何にも「優等生」って印象が否めなかった。

            これが裏目に出たのが
            後半の幻想交響曲で(だから妄想+偏見ですよっ!)

            歌わせているのはわかる。
            わかるんだけど
            この曲って、もっとパンチがないと面白くない。

            なんだかキレのないまま
            ダラダラ前半が演奏されて
            ハリエットへの愛はどこに?という怪訝な気分で
            少なくとも断頭台への行進から
            少しは弾けるか、と思ったら

            強弱とかはつけているけれど
            どこからも一歩もはみ出していない
            古典音楽というのは、こういうものです
            ・・・って、それ、違わないけど

            幻想交響曲・・・だけじゃなくて
            ベルリオーズって、その他の曲も
            とんでもなくスッ飛んだやんちゃ坊主な部分があると思うのだが
            そういうブッ飛び要素がすっかり欠けていて

            すみません、むちゃくちゃ退屈。

            ベルリオーズを
            あんなに、お上品に、あんなにノーブルに
            あんなに優等生的に、とことん美しく演奏されたら
            この曲の持っている迫力とか
            気の狂ったような情熱とか
            ぶっ飛んでうっしっしというか(すみません謎発言で)
            そういう面白いところが全くないじゃないの。

            でも、今日が初日だし
            次はコンツェルトハウスという
            音響が全く違うホールでの演奏だし
            その後はウィーン・フィルの定期公演だし

            これから印象が変わってくる可能性は大いにある。
            ・・・というより
            変わってくれないと困る。
            4回とも「退屈でした」という感想は避けたい・・・

            ところで平日なのに何故11時?と思った方、
            本日はオーストリアは祝日です (^^)v

            祝日なのに大学ではミュージック・エンコーディングの
            国際会議をしていて
            我々学生も、できるだけ出るように、と
            教授からお達しが来ているのだが

            明日も朝から仕事だし
            将来の職業、関係ないので顔つなぎも不要だし(言い訳)
            会議は失礼しておきます、という
            怠け者の私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            ウィーン・フィル + フランツ・ヴェルザー=メスト

            0
              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年5月11日 15時30分〜17時30分
              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年5月12日 11時〜13時

              Wiener Philharmoniker
              Wiener Singverein (Einstudierung Johannes Prinz)
              Wiener Singakademie (Einstudierung Heinz Ferlesch)
              Wiener Sängerknaben (Einstudierung Jimmy Chiang)
              Sopran (Magna Peccatrix) Erin Wall
              Sopran (Una poenitentium) Emily Magee
              Sopran (Mater gloriosa) Regula Mühlemann
              Alt (Mulier Samaritana) Wiebke Lehmkuhl
              Alt (Mater Aegyptiaca) Jennifer Johnston
              Tenor (Doctor Marianus) Giorgio Berrugi
              Bariton (Pater ecstaticus) Peter Mattei
              Bass (Pater profundus) Georg Zeppenfeld
              指揮 Franz Welser-Möst

              Gustav Mahler (1860-1911)
               Symphonie Nr. 8 Es-Dur (1906-1907)
                in zwei Sätzen für großes Orchester, acht Solisten,
                zwei gemischte Chöre und Knabenchor
               I. Teil. Hymnus: Veni, creator spiritus
               II. Teil. Schlussszene aus „Faust“

              土曜日と日曜日、2回聴きに行った
              ウィーン・フィルとフランツ・ヴェルザー=メストの
              マーラー、交響曲8番。

              滅多に演奏される曲じゃないし
              私もナマで聴いたのは
              大昔のコンツェルトハウスのウィーン交響楽団とルイージの時と
              楽友協会で、ベルリン・シュターツカペレが
              ブーレーズとバレンボイムでマーラー全交響曲を演奏した時だけだ。

              ご存知の通り、巨大な曲ではある。
              音楽的にも巨大だし、オーケストラ編成もコーラスもソリストも
              あのコンツェルトハウス大ホールの大きな舞台が
              端の方までキチキチの満杯で
              オルガン・バルコンには、舞台に乗り切れなかったコーラスと
              ソリストと、もちろんオルガニストが鎮座している。

              なのに・・・
              何だか、全然、心に触れて来なかったのは
              私が現在、精神的に参っているという理由が大きいのだろうが
              (何故だかは聞かないで下さい)
              でも正直言って
              上っ面だけの空回りの熱情というか
              フランツ・ヴェルザー=メストの「熱」みたいなものが
              何にも伝わって来ない。

              もちろん、徹底的に主観的な感想なので
              批評家は、たぶん、大賞賛を惜しみなく書くのだろうが
              何とも冷たい感じの不思議な演奏で
              マーラーって、こんなに聴衆と距離感あったっけ?と
              唖然としているような状態で。

              だから、それはこちらの体調とか精神状態によるものが大きい。
              それはわかっているけれど
              それも含めて主観的に書くために、このサイトを持っているので
              主観的印象に関してのコメントはご勘弁下さい。

              楽友協会とは違って
              音響がデッドなコンツェルトハウスだが
              20世紀以降の大規模オーケストラの音響には向いている筈で
              確かに、あの編成の大規模な曲は
              コンツェルトハウスの大ホールにはピッタリで
              どんな大音響(最後のところとか)でも
              ホールの音響そのものは、濁りもせず
              見事に大音響を捕まえて聴衆のところまで
              ダイレクトに運んで来てくれて

              おおお、すごい音量・・・
              とは思うんだけど

              それって、マイク一杯のロックのコンサートに行った時のような
              ただ音量の大きさに圧倒された、という感じと
              あまり違わないような気がする。

              曲そのものの持っている熱量はスゴイものがあるので
              メストがいくら冷徹に演奏しても
              そこから漏れてくるものはあるのだが
              それ以上のメッセージ性があったかと言うと・・・
              まぁ、メッセージを受けるだけの精神力のない私が悪い。

              第一部は速めのテンポでガンガン押した感じ。
              ソリストの声はそこそこ飛んでくる。
              コーラスは、さすがの大人数だが
              ちゃんと揃って
              土曜日にはちょっと音程落ちかけた部分もあったけれど
              日曜日には、きちんと聴かせてくれた。

              私の受容能力不足ではあるのだが
              でも、あの輝かしい賛歌が、上滑りしている感じが否めない。
              フォルテとピアノの音量の格差を大幅に作れば
              それで良い、というものでもないかと思うのだが
              もっとも、それ言ったら
              何を持って「感動的な音楽」と言えるのか、という
              音楽学的、心理学的、社会学的、哲学的エトセトラの問題まで
              派生してしまうので
              私には、そこまで深く掘り下げる気はない。

              ファウスト博士の最終シーンの
              マッテイとツァッペンフェルトの2人のバリトンが素晴らしい。
              ドイツ語はクリアだし
              張り上げているという印象が全くない状態で
              天井桟敷まで、くっきりと響いてくる。

              女声陣はちょっと弱い。
              後半のソプラノのビブラートが多過ぎた印象があるし
              テノールも「張り上げ」的なところがあって
              声が飛んで来ていない。
              (まぁ、あの曲で声を飛ばせ、というのも
               超人でない限りは無理だと思うのだが)

              それを考えると
              マーラーの交響曲8番って
              本当に難しいんだなぁ、とつくづく思う。
              上滑りになってもダメ
              かと言って熱情的にやればそれで良い、というものでもなさそう。

              座席にゆったり座って
              聴いている方は、好き勝手な事を考えていれば良いのだが
              あの大曲を、舞台でミスのないよう
              大人数がズレないよう、演奏した方は大変だったと思う。

              というより
              マーラーって、何故にこんな(失礼)曲を
              交響曲として作曲しちゃったんだろ?

              交響曲の楽章構成のモデルも破っているし
              (まぁ、その前から、交響曲モデルの破壊はあったにせよ)
              ソナタ形式とか、はなから無視だし
              第一、後半のファウスト博士って
              オペラのコンサート式上演とどこが違うんだろう。

              とか考え出したら
              ますますわからなくなって
              混乱して来た私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              日曜日のコンサートは
              オーストリア国営放送ラジオ1番で
              ライブ中継(1週間は後聴き可)していて
              takt1ではライブの後もビデオ・オン・デマンドで配信。

              takt1 がヴェルザー=メストのインタビューを
              1分、Youtube にアップしているが
              こんなに冷たい反応をする指揮者って
              私は他には知らない(ドイツ語です、最後の「捨て台詞」(笑)までご覧下さい)



              ウィーン・フィル + ティーレマン 1回目

              0
                Musikverein Großer Saal 2019年4月27日 15時30分〜17時30分

                Wiener Philharmoniker
                指揮 Christian Thielemann

                Christian Mason (*1984)
                 Eternity in an hour
                Anton Bruckner (1824-1896)
                 Symphonie Nr. 2 in c-Moll, WAB 102 (2. Fassung 1877, hg. William Carragan)

                ウィーン・フィルの土曜日定期。
                プログラムの最初の作品が
                Eternity in an hour
                とあって、私は仰け反った。

                あ、でも、楽友協会のサイトには
                予定終了時間17時30分とあったし
                後半のブルックナーの交響曲2番も
                だいたい1時間くらいの演奏時間の曲だから

                この「1時間の永遠」と題された曲の演奏時間は
                間違いなく1時間以下に違いない。

                英国の作曲家にウィーン・フィルが委嘱したもので
                初演だそうだ。
                なんだかプログラムには色々と解説があったが
                途中で
                「1時間の永遠」というタイトルだが、演奏時間は約15分
                という記述を発見したので、あとは省略。
                (明日、気が向いたら詳細を書く)

                最初の弦が特殊奏法ばかりで
                でもトナールである。
                その上、ほとんど伝統的な三和音を使用している。
                特殊奏法の音響効果は面白いけれど
                これって、もしかしたらシンセサイザーでもできるんじゃない?
                (↑というような失礼な事を考えてはいけない(反省))

                オーケストラの色彩を出すのが目的か?
                和声にかなり厚みがあるのは
                次に演奏されるブルックナーと関係があるようだ。
                (とある事情で、今、プログラムが手元にないので(笑))

                聴きやすいと言えば非常に伝統的で違和感は(あまり)ない。
                その分、ちょっと映画音楽っぽい。
                映画音楽がクラシックに比べて聴き劣りするものとは思っていないので
                これだけ、脳内視覚に訴えてくるのだったら
                それはそれで楽しい。

                しかも演奏時間15分って、割に理想的じゃない?
                飽きる前に終わるし
                こういう「現代曲」が苦手でも、15分の我慢はできる。
                (これだけ伝統的手法で書かれていたら
                 いわゆる、ワケのわからん「現代音楽」っぽくはない。
                 ただ、その分、目新しさはないし、冒険もしていないような感じ)

                幕間があって、後半はブルックナーの交響曲2番。
                第2稿のキャラガンの改訂譜での演奏。

                客席が静かになるのをジッと待つティーレマン。
                もちろん、楽友協会の客席が、シンと静まるなんて
                まずはあり得ないわけで

                あまりに長いと、反対に客席がザワザワし出す。
                (舞台が見えない席も多いので)

                何故か突然鳴り出す携帯電話の呼び出し音・・・
                それが終わって、指揮棒を、というタイミングで
                すごい音量でのすごい咳。

                わっはっはっはっは
                ティーレマンさま、楽友協会の客層はよくご存知なのにね(笑)

                何とか始まった演奏だが
                そこまで待って、できるだけ完璧な静けさで始めたかったのが
                何故だか理解できない普通の音量ではないか。

                ただ、演奏は、うううううううん・・・
                これはもう、ウィーン・フィルの独壇場と言うか
                ウィーン・フィル以外で、こんな演奏できないだろう(断言)

                ちょっともう、あまりに美しすぎて悶絶する。
                音の焦点のあった、重厚なブルックナーの和音。
                これこそブルックナーだぁ、と叫びたくなるほどの高揚感。

                ティーレマン節もワーグナーやブルックナーでは映える。
                ティーレマンでなくても
                ウィーン・フィルって、こういう演奏しただろうと思っちゃうんだけど
                音楽に純粋な「美」というものがあるのだったら
                これこそがそれじゃないか、とか思ってしまう。

                楽友協会に収録用のライティングがあったので
                もしかしたらテレビ放映とか DVD になるのかも。
                録音では、この美しさは半減してしまうだろうから
                明日、もう1回、聴けるチャンスがあるのは嬉しい。

                コンサート後に知り合いとお喋りしてから
                コンツェルトハウスに向かった私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                ウィーン・フィル + アンドリス・ネルソンス

                0
                  Musikverein Großer Saal 2019年4月6日 15時30分〜17時55分

                  Wiener Philharmoniker
                  指揮 Andris Nelsons
                  ピアノ Rudolf Buchbinder
                  バイオリン Albena Danailova
                  チェロ Tamás Varga

                  Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                   Symphonie Nr. 1 C-Dur, op. 21
                   Konzert für Klavier, Violine Violoncello und Orchester C-Dur, op 56
                    „Tripelkonzert“
                   Symphonie Nr. 2 D-Dur, op 36

                  ウィーン・フィルとネルソンスのベートーベン・シリーズ
                  第2弾はウィーン・フィルの定期ではなく
                  楽友協会主催のコンサートとなった。
                  (時間は同じで土曜日15時30分と日曜日11時)

                  2ヶ月前に張り切って超貧民席を買った時には
                  ネルソンスのベートーベン4番・5番で
                  既にぐったりするとは思ってもみなかった。
                  (2月だったから大学休みでのんびり体力・気力を養っていた時か・・・)

                  今回のネルソンスは
                  元気路線でベートーベンを演奏するつもりなのか
                  ともかく、1番も2番も、むちゃくちゃ元気。
                  元気過ぎて、時々「滑る」感じがするのだが
                  明日のコンサートでは良くなっているかもしれない。

                  この間、楽曲分析の先生が
                  ベートーベンの初期交響曲は
                  当時はトニカで始まるのが普通だったのに
                  ドミナントで始まって
                  聴いている人たちは、さぞギョッとしただろう
                  みたいな話をチラッとしていて

                  わっはっは
                  確かに1番の出だしなんか
                  ドミナントどころか、ダブル・ドミナントで始まってるじゃないの。
                  そりゃ驚くわ。
                  現代でも、確かに笑える出だしである。

                  続く第1楽章、ともかくオーケストラを鳴らす事と言ったら
                  隣のクラオタらしきご夫妻が
                  音量が大き過ぎる、と第1楽章の後にブツブツ言っていたが
                  いわゆるピリオド奏法の小編成オーケストラに耳が慣れてしまうと
                  比較的大編成のモダン・オーケストラで
                  しかも楽友協会だから、響くわ響くわ。

                  もっとも、システム音楽学で
                  当時のベートーベンの交響曲を
                  初演されたホールで、できるだけオリジナルに近い楽器で演奏してみたら
                  楽友協会やコンツェルトハウスで聴くより
                  ずっと大音量だった、という実験結果も出ているので
                  当時の音量と比べて、今日の結構うるさいベートーベンが
                  果たして本当にうるさいのか
                  意外にオーセンティックなのかはわからない。

                  ネルソンス、ともかく元気だわ。
                  1人むちゃくちゃノッてる感じ。
                  音量が大きいのと元気なのが重なって
                  時々、音が濁って聴こえてしまうのはご愛嬌と思う事にする。

                  音楽批評をするつもりは全くないし
                  (第一できない(笑))
                  記憶力ゼロに近い私の個人メモなので良し悪しは言えないが
                  ここまで徹底的に元気に演奏されると
                  それはそれで良いんじゃないの、と主観的には思う。

                  トリプル・コンツェルトは、実はちょっと苦手。
                  よくコンサートでは演奏されるんだけど
                  そう盛り上がりがある、とか言う曲じゃないし
                  割に(個人的印象では)ダラダラ続く曲で、しかも長い。

                  ソリストのダナイローヴァとヴァルガは
                  ご存知ウィーン・フィルのメンバー。
                  ピアニストにブッフビンダーが登場。
                  もともとウィーン・フィルと仲良いピアニストだし
                  ベートーベン得意だから良い人選。
                  (しかもブフビンダーいると、無駄なアンコールはない筈(笑))

                  ヴァルガさんのチェロ、随分響くようになったと思う。
                  ただ、お人柄のせいか、マジメで出しゃばらず
                  オーケストラと他のソリストとのバランスに混じって
                  癖がない、というか、完璧なんだけどそれを逸脱する面白みはない。
                  ウィーン・フィルのメンバーにこんな事を書いちゃうと
                  夜道でグッサリ、あるいは
                  来シーズンの会員権剥奪とか(笑)あるかもしれないが
                  マジメに地味。

                  ダナイローヴァ女史のバイオリンは
                  実は私、割に苦手(ダナイローヴァ・ファンの皆様、ごめんなさい)
                  だって、最初から、音が上ずっていて
                  微妙に周波数が高い(と思う、というか、そう聴こえる)

                  私の耳は所詮シロウトなので
                  微妙な音の違いを聴き分けるまでの能力はないけれど
                  それでも、時々、シロウトにも聴こえる程
                  音程が不安定になる(違っていたらすみません)
                  音は透明に出ているのだが、音そのものが細い。

                  明日、もう1回聴いたら、また違って聴こえるんだろうか。

                  ともかく明日はスコア持ち込みで1番・2番を聴くつもり。
                  以前から、スコア持ち込みでベートーベンの交響曲を聴くのは
                  よくやっていたけれど(ベートーベンはスコアが追い易い)
                  その前に和声分析してから聴いたら
                  もっと面白いかもしれない・・・・

                  その前に宿題やりなさい!という声も聞こえて来るけれど
                  これから、夜のコンサートに向かう私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  ウィーン・フィル + アンドリス・ネルソンス

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月4日 19時30分〜21時15分

                    Wiener Philharmoniker
                    指揮 Andris Nelsons

                    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                     Symphonie Nr. 4, B-Dur, op. 60
                     Symphonie Nr. 5, c-Moll, op. 67

                    先週末の土曜日・日曜日の楽友協会でのプログラムを
                    コンツェルトハウスで演奏するウィーン・フィル。

                    同じオーケストラ、同じ指揮者で
                    コンサート・ホールによって
                    音響が変わるので印象も違う。

                    ベートーベンの4番は
                    何だかものすごく無難に
                    あっさり演奏されたような印象を残す。

                    丁寧にメロディ・ラインを出してはいるし
                    コンツェルトハウスのデッドな音響で聴いても
                    やっぱりウィーン・フィルの弦って特別な音がするなぁ、と
                    つくづく思うけれど

                    指揮者だけが1人熱くなっている感じで
                    演奏そのものは
                    デッドな音響のせいだろうが
                    楽友協会よりスッキリした響きながら
                    その分、なんだか小粒にまとまっちゃいました
                    ・・・っていう感じ。

                    まぁ、4番だから、それで良いんだろうけど。

                    後半の5番は
                    結構なダイナミックさを演出しようとしているのは
                    よくわかるのだが

                    あああ、何だかネルソンスに釣られて
                    ウィーン・フィルがウィーン・フィルらしからぬ
                    ガリガリした音を出そうとしている・・・

                    ホルンの最初のソロも音が粗いし。
                    いや、あれはそういうソロなのか?
                    聴いていて
                    おおお、金管お疲れさまとか思ってしまう。

                    弦だって(編成は小さくない)
                    すごい音でガリガリ演奏しているのだが
                    音量大きく弾いても
                    音にノーブルさを(あまり)失わないというのは
                    このオーケストラの長所でもあり欠点でもあるのだろう。

                    隠れたメロディ・ラインを見せて
                    あくまでも力強く、マッチョに演奏しようとしているのはわかるが
                    何となく上滑りしているような印象を受けるのは
                    きっと、私がド・シロートだからなのだろう、うん。

                    どの指揮者もある程度の年齢になると
                    ベートーベンの交響曲を振りたくなるらしいのだが
                    いったい何故なんだ?

                    ベートーベンがドイツ語圏の英雄として
                    祭り上げられた経過については
                    1992年に出版された Eleonore Bünding の博士論文
                    Wie Beethoven auf den Sockel kam と言う本が
                    社会学的視点から詳しく記述している。
                    (読みかけて途中で脱落・・・(汗))

                    きっと、ベートーベンのマッチョさが
                    指揮者を惹きつけるのではないか、と
                    根拠のない憶測をしているのだが
                    どうなんでしょうね。

                    ああいう、チマチマした4番を演奏するんだったら
                    ワタクシ的には
                    シューベルトの交響曲を演奏してくれ!と思うんだけど。

                    シューベルトの交響曲って
                    コンサート・ホールで演奏されるとなると
                    だいたいが未完成かグレートじゃないですか。
                    それ以外の交響曲も、とてもウィーン風でチャーミングなのに・・・

                    今週末はネルソンスのベートーベン・シリーズ第2弾
                    1番と2番にトリプル・コンツェルトのコンサートがある。
                    懲りもせず、土曜日も日曜日も
                    チケットを確保している私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    コンサート・チケットやバレエのチケットって
                    発売が2ヶ月前なので
                    ついつい買ってしまうのだ。
                    でないと安チケットなくなるし・・・(涙)

                    ウィーン・フィル + ネルソンス 2回目

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2019年3月31日 11時〜12時45分

                      Wiener Philharmoniker
                      指揮 Andris Nelsons

                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                       Symphonie Nr. 4, B-Dur, op. 60
                       Symphonie Nr. 5, c-Moll, op. 67

                      ネルソンスのベートーベン、日曜日定期。
                      本日から夏時間で、午前2時が突然3時になって
                      睡眠時間が1時間減るのに加えて
                      ブログ2つ書いていたら、夜中の2時=3時までかかってしまい
                      (他の事もやってた、勉強以外だけど💦)
                      ベッドに入ってからもあまり寝られなかったのに
                      毎週日曜日朝8時からのご近所さんサウナにはちゃんと行って
                      なんかもう、クタクタになって楽友協会へ。

                      寝落ち予防にスコアをバッグに突っ込んだものの
                      スコア追うだけの体力・気力もなく
                      あ〜、歳取ったなぁ、って、自分で言っててどうする。

                      今日はオーストリア・ラジオ1番でライブ放送がある。
                      そういう時はウィーン・フィルは
                      自分たちのプライドにかけて頑張るので期待できる。

                      巧い下手とかではなく
                      土曜日に比べると、かなり音の焦点が合って来た印象。

                      耳につきやすいベートーベンの細かい刻みではなく
                      その後ろにさりげなく隠されたメロディ・ラインを
                      ネルソンスは巧くバランスを取って出してくる。

                      音は強めのモダン・オーケストラで
                      かなり厚く聴こえてくるのは変わりないが
                      4番のあのロマンティックな表現は
                      ベートーベンってロマン派の作曲家だったっけ?と思わせる。

                      昨日、楽器の不調で、えっ?というところがあったけれど
                      今日はしっかりと楽器の調整もしたようで
                      厚めの音響で、いわゆるスッキリしたベートーベンではないけれど
                      その分、メロディ・ラインを明確に描き出して
                      ああ、やっぱりネルソンスだわ、という気分。

                      もちろん元気いっぱいの押せ押せなので
                      推進力もすごいし
                      ガンガン押して来て
                      かなり強い音が楽友協会に響き渡る。

                      これだけ音量を上げるんだったら
                      意外にコンツェルトハウスで演奏した方が
                      響きとしてはバランス良く聴こえるんじゃないだろうか。

                      楽友協会は残響たっぷりの
                      ほとんどお風呂の世界なので(笑)
                      音の出し方によっては
                      デッドな音響のコンツェルトハウスの方が良かったりするのだ。

                      今日、改めて聴いてみると
                      やっぱりベートーベン、良いなぁ、とか思ってしまったのは
                      睡眠不足のなせる技だけではないと思いたい。

                      ネルソンスは続けて
                      ウィーン・フィルで来週、ベートーベンの交響曲1番と2番。
                      でもこの2曲だけだと1時間足らずで終わってしまうので
                      トリプル・コンツェルト付きで
                      土曜日15時30分、日曜日11時からのコンサートを振る。

                      ・・・でも、この2つのコンサートは
                      ウィーン・フィル主催じゃないんですよ!!!
                      何と楽友協会主催のコンサートである。
                      (チケットが高い・・・・)

                      1番と2番を
                      今日の4番と5番のように
                      ロマンティックに劇的に厚い音で演奏されたら
                      もしかしたら、ちょっと辟易するかも・・・

                      とは思いつつ、怖いもの見たさ(聴きたさ)に
                      ちゃんと来週のチケットも確保してある私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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