フォルクス・テアーター 「耳に蚤」 ジョルジュ・フェドー

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    Volkstheater 2015年2月6日 19時30分〜21時50分


    FLOH IM OHR

    耳に蚤

    Georges Feydeau ジョルジュ・フェドー  (1862-1921)


    演出 Stephan Müller

    舞台 Siegfried Mayer

    衣装 Carla Caminati

    音楽 Fabian Kalker

    ドラマツルギー Hans Mrak


    Victor-Emmanuel Chandebise/Poche : Fill Firit

    Camille Chandebise : Matthias Mamedof

    Romain Tournel : Pastrick O. Beck

    Dr. Finanche : Günter Franzmeier

    Carlos Homenides de Histangua : Ronald Kuste

    Augustin Ferraillon : Alexander Lhotzky

    Etienne : Jan Sabo

    Rugby : Stefan Bernhard

    Bapsistin : Erwin Ebenbauer

    Raymonde Chandebise : Susa Meyer

    Lucienne Homenides de Histangua : Martina Stilp

    Antoinette : Annette Isabella Holzmann

    Eugene : Fanny Krausz

    Claudine : Irina Mocnik/Daniela Moser


    フランスの劇作家ジョルジュ・フェドーの「耳に蚤」は

    以前、どこかの夏の演劇祭で上演された時に

    友人が行って、絶賛していた作品だし


    今回、フォルクス・テアーターでの上演も

    新聞評で絶賛されている上に

    こういうビデオ・クリップ観たら

    これは絶対に行かねばならぬ、うん。



    コンサートやオペラに比べると

    演劇のチケットは比較的安い。

    だから、今回は贅沢して

    ギャラリーの1列目のど真ん中。

    楽友協会だったらオルガン・バルコンの一番安いチケットと同じ価格。

    贅沢しても天井桟敷から逃れられないのは

    まぁ、それは性分である、わっはっは。


    さて、このジョルジュ・フェドーという作家は

    ウィキペディアにも日本語の記述はないし

    もちろん、筋書きも、どこを探してもない。

    (結構、オーストリアではあちこちで上演されているので

     有名な作品だとは思うのだが・・・)


    でも演劇はオペラと違って

    筋書きを知らずに行くのが正しい。

    テレビのなかった頃のテレビ・ドラマと同じだから

    どうなるんだろう?とワクワクするのが楽しみなのである。


    でも、筋もわからず記事を書くのも

    読者に不親切なので(自分の記憶が薄れるから、というのが主な理由だが)

    ちょっと書いてみる。


    会社の重役のシャンドビズの妻レモンドは

    最近、夫がセッ○スしてくれない、と悩んでいたところに

    ラブホテル(娼婦宿)から、夫のズボン吊りが送られて来たので

    あっ、これは浮気してるんだわ!


    親友のルシアンヌに相談を持ちかけ

    共謀して、匿名のラブレターを夫宛に作成。

    もちろん、書くのはルシアンヌ。


    オペラ座で見かけた貴方と、ラブホテルで会いたい、と

    日付と時間を指定して送りつける。


    これを受け取った夫のヴィクター・エマニュエルは

    最初こそ、おっ、モテた、と喜ぶものの

    自分にこんなラブレターが来る訳がない、と

    一緒にオペラに行った色男トゥルネルに

    きっと人違いだよ、とレターを渡してしまう。


    ホテルにシャンドビズの名前で予約を取っておき

    いそいそとホテルに出かけるトゥルネル。


    問題になったズボン吊りは

    主治医のフィナンシェが

    ヴィクター・エマニュエルの精力減退用に

    アメリカのズボン吊りを勧めたため(これが滑稽(笑))

    不要になったズボン吊りを、イトコのカミーユに譲ったものである。


    そこに訪ねてくるルシアンヌの夫、スペイン人のカルロス。

    ヴィクター・エマニュエルは、そのラブレターをカルロスに見せるのだが

    カルロスは、それを見て真っ青になる。

    だって、自分の妻のルシアンヌの筆跡なのだ(あらら・・・(笑))


    ホテルに来たトゥルネルは、レモンドを見つけて言い寄るが

    レモンドだって、夫じゃなくて、まさかトゥルネルが来るとは思っていない。

    撃退しようと戦っているうちに

    下働きのポッシュが登場。


    で、この下働きのポッシュが

    ヴィクター・エマニュエルとソックリだった事から大騒動。

    (ヴィクター・エマニュエルとポッシュは一人二役)


    レモンドもトゥルネルも、ポッシュをヴィクターと思い込み

    浮気していないと必死で言い訳(ポッシュは何の事やらさっぱり(笑))


    様子を見に来たヴィクター・エマニュエルは

    宿屋の主人にポッシュと間違えられて

    下働きの服に着替えさせられてしまうし


    言語障害のあるカミーユも

    マゾっ気があって(隠している)女王様に虐められたい医者のフィナンシェも

    召使いのアントネットも、その夫の侍従も

    みんながラブホテルに集まって大騒ぎになっているところに

    妻の浮気に激昂したカルロスが

    妻と情夫を撃ち殺そうと乱入して来てピストル打ちまくり。


    幕間の後、また全員がシャンドビズ邸に戻って

    またもや、ポッシュとヴィクター・エマニュエルの混乱が起こるのだが

    何とか誤解もとけて

    意志あるところに道あり、と

    ヴィクター・エマニュエルが妻のレモンドに言って大円団。


    いや、面白いのは

    ウィーンのオペレッタだと

    ホントにみんな浮気しちゃうのだが

    (で、最後はシャンパン飲んでウヤムヤにする(笑))

    このフランスの作品では

    結局、誰も浮気していないのである。


    娼婦宿で娼婦を待っている英国人のラグビーとか

    (来る女性が逃げてその部屋に入ってしまうと、タイヘンな事になる(笑))

    謹厳なくせに、王女さまにムチで叩かれたい医者のフィナンシェとか

    ヴィクター・エマニュエルとポッシュを間違える宿屋の主人とか


    出てくる登場人物、全員、ともかく可笑しい。


    従兄弟のカミーユは言語障害があって

    母音しか発音できない。

    (あのセリフ、いったいどうやって覚えたんだろ?)

    子音なしの母音だけで喋られると

    本当にワケわからないのだが

    だんだん慣れてくると、時々、パッとわかる事がある。


    (カミーユは医者のフィナンシェから

     人工の口蓋をもらって

     突然、美しい子音を話す事ができるようになって

     みんなからギョッとされるのだが

     ラブホテルでバタバタやっているうちに

     殴られて、口蓋が外れてしまい

     落ちた口蓋はホテルのメイドが拾ってブローチにしちゃう)


    演劇の流れもテンポが良いし

    人の出入りを巧くコントロールして

    退屈な部分が全くない。


    俳優さんたちも、動きは激しいし

    リフトまでやっちゃうし

    ダンスも踊っちゃうし


    若い俳優さんじゃなくて

    中年で揃えているのに

    あれだけ激しい動きが無理なく出来るって

    やっぱり俳優さんって、身体を鍛えているのだなぁ。


    ドイツ語がわからなかったらアウトなのだが

    内容がわかると、涙が出る程、笑える。


    シリアスな演劇だと落ち込む事があるけれど

    こういう、軽いコメディ、すごく楽しい ♡


    演劇は安いし

    落ち込まない筋立てなら

    仕事と仕事の合間の(合間かいっ!)気分転換にもなるし

    また時々行きたいな、と思った私に

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    Heute Abend : Lola Blau

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      Burg Schlaining 2014年5月29日 19時30分〜21時10分


      Heute Abend : Lola Blau


      Georg Kreisler - Musical für eine Schauspielerin

      ローラ・ブラウ Carin Filipcic

      ピアノ Belush Korenyi

      ベルガー氏の声 Gideon Singer

      演出・舞台 Isabella Gregor

      技術・音響 Gerhard Pimperl

      照明デザイン Norbert Joachim

      オーディオ・デザイン Samuel Käppeli


      シュライニング春の音楽祭は既に始まっているのだが

      火曜日はオペラ座のバレエの初演だったし

      水曜日は実はむちゃくちゃ悩んで

      結局、往復300キロの時間とガソリン代で諦める羽目になった。


      今日の演目は、普段のシュライニング音楽祭には珍しい。

      クトロヴァッツとその仲間たちの出演はない。


      2011年に亡くなったオーストリアの作曲家

      ゲオルク・クライスラーの作品である。

      以前からフォルクス・テアーターでは上演されていたが

      残念ながら、題名は知っていても

      今まで鑑賞する機会がなかった。


      題名は訳せば「今宵をローラ・ブラウと」という感じか。

      ユダヤ人女優ローラ・ブラウの人生を描いて

      ブラック・ユーモアと皮肉とシリアスが混じった見事な作品。


      ともかく驚いたのは

      演技者は演技で子供から老人までなれる

      とか言う世迷い言を大笑いしていた私が

      その生きた見本を舞台の上で見てしまった事である。


      もしかして貴女のお名前は北島マヤとかおっしゃるのでは?


      舞台に登場した銀髪の老婦人が

      過去の手紙を見ながら語り始めるのだが


      電話の音を機会に

      大きなトランクの向こうに消えた女性が

      次に現れる時には


      20歳くらいの若いキャピキャピした女性になっている!(驚)


      彼氏がバーゼルに行く、というのを聞いて

      何でそんな?

      一緒には行けないわよ。

      私、舞台での役がやっとついて

      これから有名になるところなのに。

      え? ヒットラー? ヒットラーなんか何もできないでしょ?

      今、何て言った? あっ、切れちゃった・・・


      当時のウィーン社会で生きるユダヤ人たちは

      社会に溶け込んでいて

      それまで、自分がユダヤだ、なんて考えた事もなかった人も多かったらしい。


      ローラ・ブラウに待っているのは過酷な試練だが

      それがすべて歌になっていて


      うわ〜、この女優さん、歌がむちゃ巧い・・・(驚嘆)


      スイスに逃げて、そこの劇場に出演したり

      アメリカに渡ってアルコールに溺れ

      ウィーンに帰ってきて、寄席に出演して

      最後に別れた彼氏と会える直前での悲劇というのが


      苦いユーモアと

      色々な国の風刺と

      当時の社会背景と


      それが、ぜ〜〜〜〜〜んぶ、歌になっているのである。


      オーストリアの「キャバレ」(「レ」にアクセントあり)は

      長い伝統を持ち

      日本のキャバレーとは全く違うし

      強いて訳せば「寄席」なのだろうが

      ライムンドやネストロイのような

      いわゆる「歌芝居」の伝統を下地に

      ウィーン民謡から続いた美しいメロディに

      皮肉な歌詞(しかもむちゃ早口)を乗せるという

      ともかく、他に例を見ない芸術である。


      有名にならないのは

      この芸術が、ドイツ語、しかもオーストリア訛りで

      更には時代背景や、その時の社会状況を知らないと

      全く理解できないためであって


      言うなれば、内部の人たちだけが

      コソコソと楽しめる

      オーストリア秘密結社の会員さま専用の芸術なんですね。


      これは以前に書いたけれど

      オーストリア国営放送のラジオでも、長きにわたり

      日曜日の朝、グーグルホプフという「キャバレ」番組をやっていて

      35年前に留学した私は

      これを聞いて、イヤに楽しそうだが

      (しかも歌の巧さが半端でない!

       ドイツ・リートなんか何よ、というくらいの美しいオーストリア訛り)

      全然意味わからん・・・

      で、当時のカセット・テープなんかに録音して聞いていたのだが

      何せ時事ネタを徹底的に弄くるために

      すぐに古くなってしまう、という

      刹那的な芸術でもあったのだ。


      この「今宵ローラ・ブラウと」も

      同じような「語る歌」の芸術である。


      ローラ・ブラウという女性の思い出が

      若い頃の姿で語られ

      その途中で老婦人になったローラ・ブラウが登場して

      同じ人間なのに

      表情も目の色も、声まで変わるのに呆気に取られた。


      ウィーンに帰ってからの

      劇場支配人に話をしたいんだけど、という電話のやり取りは

      自分にも覚えがあるので

      涙を流して大笑い。


      支配人と話したいんだけど

      え? 何で経理部に回されたの?

      経理部じゃなくて、支配人室に繋いで下さらない?

      は? 受付? すみません、支配人と話したいんですが

      何ですって? 支配人はミーティング中?

      では待ってるわ

      あら、何でさっきの人のところに繋がれちゃったわけ?

      はぁ?支配人はもう帰りましたって???


      ・・・こういうたらい回し

      私も職業上、ものすご〜〜くやられてますから

      (特に役所関係)身に染みます。


      オーストリアに住んで30年。

      いや、こういう「キャバレ」を理解できるようになっちゃったのが

      何か嬉しいような悲しいような。


      周囲が大笑いしていて

      自分だけが笑う事ができずに

      何か、みんなに悪いような気がして

      ちょっと弱気に、はっはっは、とか小声で笑ってみたりしていた

      ん〜十年前のワタクシは何処に行ってしまったのだろう。


      往復300キロのドライブして観て来たが

      その時間と手間をかけても

      充分にペイする1時間30分だった。


      大笑いしたし、大泣きした。

      笑いと悲しみで(笑っても涙が出るの、私)

      顔がグシャグシャになって

      あぁ、化粧して来なくて良かった・・・(違!)


      明日は、ヨハネスとエディ

      イケメン・バイオリニストのクリスチャンに

      チャーミングなシンシアのビオラ

      チェリストは新顔? というメンバーで

      映画音楽特集 ♡


      今日は祝日だったけれど

      明日は朝からしっかり仕事して

      夕方、また150キロのドライブで

      中世の古城に向かう私に

      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      しかし、南高速道路を走ったのは久し振りで

      しかもかなりの雨が降っている中を

      あのカーブだらけの高速を、夜走るのは意外に怖かったです(汗)


      今日の演目の最後の方で

      オーストリアの民族衣装を来て

      モーツァルトのピアノ・ソナタで

      オーストリアの「伝統(だけ)」を皮肉った歌があって

      このピアノ・ソナタ、次に聞いたら

      きっと、あの歌詞が思い浮かんで笑ってしまうだろう(冷汗)


      クラウス・パイマンはズボンを買って私と食事に行く

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        Akademietheater 2014年5月2日 20時〜22時


        Thomas Bernhard

        “Claus Peymann kauft sich eine Hose und geht mit mir essen”


        Hermann Beil

        Claus Peymann

        Maria Happel


        舞台 Karl-Ernst Herrmann

        衣装 Wicke Naujoks


        彼氏モドキが大嫌いで

        私が大好きなのは

        リヒャルト・シュトラウスやグスタフ・マーラーやブルックナーだけではなく

        作家のトーマス・ベルンハルトという人もいる。


        58歳の若さで亡くなったが、今、生きていれば83歳。


        ガラでもないのにドイツ語演劇観なくちゃ、と

        劇場通いを始めた頃に

        シラーとかレッシングとかゲーテの作品を見て


        ワタクシのドイツ語理解力って

        何か大問題があるんじゃないだろうか?

        (だって、最初から最後まで

         話されているドイツ語が、全く理解できない)


        悩んでいた時にトーマス・ベルンハルトの演劇を観たら

        あれ?あれれ?あれれれれ?


        ドイツ語わかるぞ・・・


        だいたい、私が大学で専攻したのは言語学であって

        文学ではなかった。(ブンガク嫌いだったので意図的なものである)

        よって、ご年配の偉い大学教授さまたちが絶賛する

        いわゆる「(古典的)ドイツ文学」というものには

        全く触れて来なかった(自慢にならん)


        ドイツ語がわかるというだけでハマった訳ではないが

        トーマス・ベルンハルトの

        オーストリアや演劇に対する憎悪に満ちた愛

        ブラック・ユーモアとも言いにく暗い厭世観や

        容赦なく人をバカにする(しかも実名で)態度とか

        オーストリア人はみんなナチスでアホだ、という

        極端だが、もしかしたらそうだったのかも、と思わせる内容に

        一時期、どっぷり浸かって

        トーマス・ベルンハルトの作品が上演されると聞くと

        せっせと通っていた時期がある。


        ご存知の通り

        死後は自分の作品はオーストリアで上演してはならぬ、と

        遺言を残した人だから

        (版権を持っている家族が無視しているが(笑))

        上演の機会は、さほど多くはない。


        前置きが長くなってしまったが

        「クラウス・パイマンはズボンを買って私と食事に行く」

        という長い題名のついたこの作品は

        トーマス・ベルンハルトの最後の作品で

        「クラウス・パイマンはボッフムの劇場を去り、ブルク劇場に行く」

        「クラウス・パイマンはズボンを買って私と食事に行く」

        「ズルツ・ヴィーゼのクラウス・パイマンとヘルマン・バイル」

        という3部から成り、全体を通すと1時間30分ほどの作品。


        で、クラウス・パイマンって誰だ?

        ・・・という事は、ここで書かなくても良いかとも思ったが

        私のこの独り言日記の読者は

        音楽関係の方が多いから、知らない人もいるかも・・・


        1979年からドイツのボッフムの劇場のダイレクターとして活躍し

        ベルンハルト以外にも

        ペーター・ハントケやエルフリーデ・イェリネックの作品を積極的に上演。


        1986年から1999年にかけて

        ウィーンのブルク劇場のダイレクターとして

        ともかく、スキャンダルと物議を醸し出した。


        ベルンハルトの「英雄広場」の初演の大事件とか

        (実名バンバン出てくるので

         招待された政治家たちが席を蹴って帰っちゃって

         次の朝の新聞は第一面で大騒ぎだった)

        ブルク劇場の俳優さんたちの抵抗とかも色々。

        (労働契約の変更とか、ドイツ人の俳優を多用したとかエトセトラ)


        「パイマン時代」というのは、良くも悪くも

        オーストリアで一番ダイナミックな演劇の時代だったと思う。


        この3部作、実はかなり以前から興味を持っていて

        オーストリア国営放送が作っている

        ブルク劇場の DVD シリーズで

        マルティン・シュヴァプとキルステン・デーネの出演版は持っている。

        (ちなみに、この2人が初演時のキャストでもある)


        が、今回はうっふっふっふっふ。

        クラウス・パイマン、まさに登場人物=本人と

        ドラマツルグのヘルマン・バイルが登場。

        (ヘルマン・バイルは第一部では秘書、第二部ではベルンハルトを演じるが

         第三部では、そのまま自分自身を演じている)


        マリア・ハッペルはト書き、という感じで

        途中の説明とか間の手を入れる。

        (これは以前の演出では登場していない)


        何回か上演されていたのだが

        時間が合わなかったり

        チケットが売り切れだったりと

        なかなか観るチャンスがなかったので

        ものすごく嬉しい。


        チケットが3ユーロ75セントだったのに

        ちゃんとしっかり舞台が見える席だったのも嬉しい。


        この作品、ともかく面白い。

        DVD でも涙が出るほど大笑いしたが

        実際に観てみると、涙ボロボロになる程、大笑いできる。


        舞台装置がまた凝っていて(初演とは違う)

        遥か向こうに、ボッフムの教会のミニチュアから

        大観覧車、ブルク劇場(しかもちゃんと「ハムレット」の垂れ幕まで)

        あのミニチュア、むちゃカワイイ。


        パイマンは、第二部と第三部では

        台本を手にして、見ながら演技していたが

        かなり自然だったので、それもアリかな・・・


        ヘルマン・バイルはドラマツルグであって

        俳優ではないので

        DVD で同じ役をやっていたキルステン・デーネに比べると

        演技にキレはないけれど

        まぁ、第三部では、ご本人さまですし(笑)


        当時、ベルンハルトやパイマンに敵対していた

        政治家や文化人の名前が、ガンガン実名で出てくる。


        ついでに、今、ご存知の通り

        ブルク劇場で大スキャンダルがあるわけで


        パイマンがそれに絡んだ

        たぶん、80%くらい本気のアドリブを叫んだ時は

        観客は大笑いで拍手まで出た。


        ブラック・ユーモアに包まれた

        内部ではドロドロした憎悪愛はあるけれど

        同時に、細かい部分に拘った不条理な部分も多い。


        この面白さは、観てみないとわからないので

        (読者の皆さま、ごめんなさい)

        書きようがないし

        オーストリアの事をある程度理解してわかっている人でないと

        ベルンハルトが、とことんバカにしている

        オーストリアへの皮肉も理解し難いと思う。


        キルステン・デーネとマルティン・シュヴァブがやった時(DVD) ほどの

        恐ろしさとか迫力はなくなっていて

        多少皮肉が入った、割に無害な感じの作品になっていたのは

        ホッとするような、ちょっと物足りないような感じだが


        それでも、やっとトーマス・ベルンハルトの演劇鑑賞の記録を

        1作品(しかもずっと憧れていた作品)伸ばせたのが嬉しい私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        ところで、例のスキャンダル作品「英雄広場」は

        ブルク劇場ではなく

        ヨゼフシュタット劇場で

        違う演出、違う舞台装置で観劇する事ができた。

        やっぱり、長く時間を置くと

        DVD で観た初演の時より、毒は薄れている感じ。

        (それも DVD 持ってるのかよ?・・・はい、持ってるんです(汗))


        テイキング サイド

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          銀河劇場 2013年2月4日 19時〜21時30

          テイキング サイド

          ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日


          秘密だが(何処が!(爆))日本に一時帰国している。


          言っておくが、これを「来日」と言ったら怒るよ!?(笑)


          仕事ではなくて、全く仕事はしない予定で

          まぁ、それは色々(以下省略)


          友人が勧めてくれた上記のお芝居。

          キャストなどは、公式ページに詳しいのでそちらをご参照の事。


          9000円は高いなぁ、と思ったけれど

          結果的には、行って良かった。


          筋とか書いてしまうと興を削ぐので止めるが

          ナチス問題というのは

          たぶん、ヨーロッパに住んでいると

          他人事ではなくなる。


          熱心な読者ご存知の通り

          ウチの彼氏モドキは、ものすごいナチス嫌いで

          (まぁ、ナチス好きとか言う人はいないが

           心の中でのシンパというのは、実はいないワケではなくて(以下省略))


          リヒャルト・シュトラウスはナチだから、というので

          絶対に聴かないし

          もちろん、カラヤンもフルトヴェングラーも

          カール・ベームも大っ嫌い。


          こと、ナチスに関する事になると

          耳タコというくらい喋り出す上に


          私が「芸術作品と作家とは別」と言うと

          「君は殺人者の握った寿司を食えるのか」とか

          ワケわかんない事を言い出すし(ホントです)


          ナチスがヨーロッパで行った虐殺は

          人間が、あれだけの残酷な事ができた、という

          恐ろしい事実を我々に突きつけてくるわけで


          アウシュヴィッツには行った事がないけれど

          職業の関係上

          (読者諸氏はお忘れかもしれないが

           私は実は旅行業界の人間である(笑))

          オーストリアの強制収容所跡のマウトハウゼンには

          何回か行った事がある。


          多少なりとも冷静な目で見られるようになったのは

          マウトハウゼン訪問4回目くらいからで

          かなりの部分が破壊されて

          ほんの少ししか残っていない

          しかも、虐殺のための収容所ではなくて

          仕事をさせるための収容所であった事を考慮したとしても


          最初に訪問した時は

          3日くらいは悪夢で眠れなかった。


          何て残虐、と驚いて

          こんな事をもうしては行けない、とは誰でも思う。


          が、私が真剣に悩んで

          ついでに彼氏モドキにも喧嘩をふっかけたのは


          あの状況に居て

          どの立場だったにせよ


          自分を守るためにだったら

          私は、いくらでも卑怯になれたのではないか、という

          恐ろしい自分に対する不信感が拭えなくて・・・


          (で、彼氏モドキに喰ってかかったのは

           「貴方は、あの状況で、自分を犠牲にしても

            聖人みたいに他の人を助けるために命を投げ出せるのか?」

           ・・・う〜ん、あの正義感の強さだったら

            ホントにやるかもしらん、というのはあるけれど

            でも、邪推すれば、本当は臆病者なので

            ついつい、ナチスに対する嫌悪感をあからさまに表現するのかなという

            いや、あの、その、人の事はどうでも良いが)


          あの時代のあの雰囲気の、あの状況の中だったら

          大人に対して良い顔をしたい私は

          絶対にナチの青年隊とか入って

          キャリア・ガールを目指しちゃったような気がする。


          でイヤな事実なのだが

          人間、何でも慣れてしまうところがあるから

          それが正しいと教え込まれてしまったら

          虐殺も進んでしてしまったかもしれない。


          あるいは、収容所に送られてしまったら

          ナチに尻尾振って気に入られる事は全部やって

          カポの立場になって

          囚人苛めに精を出していただろう。


          自分の命を犠牲にしてまで

          人を助けただろうか、と思うと


          うううう、この性格だったら

          やってないよ、絶対。


          マウトハウゼン訪問の時に色々説明を聞いて

          キリスト教の主の祈りに、何故

          「我を試みにあわせず」

          という1文があるかに

          深く納得した。


          あんな試みにあって

          命を賭けてまで「正しい」事を出来るほど

          私は強くない。


          たぶん、ナチスに入った人たちだって

          普通の平和な時代だったら

          それぞれに、有能な官吏やサラリーマンになっていたに違いないのである。


          自分の弱さを容赦なく抉ってくる歴史体験というのはコワイ。

          平和を叫ぶだけだったら、誰にでもできる。

          自分に害が及ばないところで

          「正しい」事を口先だけで言うなんて簡単な事だ(断定)


          戦争はなくなってはいない。

          現代でも、世界のあちこちで戦争があり

          暴動があり

          ・・・なんて書き出すと

          私の能力にも知識力にも及ばないテーマになってしまうので

          ここら辺で止めておくが


          主よ、私を本屋さんという

          恐ろしい誘惑の試みに


          会わせてちょ〜だいっ!(爆)


          30分の空き時間で、75冊の文庫本(6万円弱)を購入した私に

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          あくまでも休暇ですから

          独りで過ごすのが好きなので

          どうぞ、そこらへん、よろしく(お辞儀)


          北京オペラ(京劇) in Wien (+_+)

          0
            Burgtheater 2012年7月2日 20時〜(21時30分)

            PEKING OPER GALA
            At the Cross Roads
            Autumn River
            Farewell My Concubine
            (Presenting a Perl on Rainbow Bridge)
            解説・司会 Gert Voss

            オーストリア初の北京オペラ公演。
            北京オペラという名称より、日本では「京劇」という名前で知られているが
            ウチの会社の関係で、無料招待券ゲット (^^)v
            ガラ公演にいそいそと出かけてみた。

            で、終演時間をカッコにしてあるのは
            ・・・・ すみません、途中でリタイヤ ( ;^^)ヘ..

            だって、劇場の中が、むちゃくちゃ暑くて
            頭痛まで始まってしまって
            前半の1時間30分で、もう限界だったんだもん。

            ブルク劇場の俳優ゲルト・フォスが出てきて
            京劇の魅力を熱く語る。

            曰く、俳優さんは歌って踊れてアクロバットができて
            メイク一つ、表情一つ、ほんの少しの動きや目の動かし方で
            すべての場面をリアルに表現する・・・ 云々。

            ゲルト・フォスが上海生まれとは知らなかった。
            ドイツ・ドイツした、ブルク劇場ドイツ語で
            主観を交えて、筋を語ってくれるのは面白いけれど・・・長い(自爆)

            しかも、各演目が、かなり長いのである。
            踊りも演技もスゴイのだが
            だんだん、同じような動きが繰り返されるので
            現代に生きる我々には、間延びした感じが否めない。

            最初の演目は
            将軍を守りに来た若い男性が、田舎の宿に入って
            宿の主人は、あ、将軍を殺しに来た、と早合点して
            真っ暗な中で、若い男性と宿の主人が、全く見えない状態で
            お互いを殺そうとする、という話。

            動きがスゴイ。
            とんでもないジャンプがあちこちに入っているのに
            全く足音が聞こえない、というのは
            強靭な筋肉と訓練のたまもので、これは驚愕に値する。

            ただ、すでにこの演目からにして、長い。
            ユーモラスで、実に綿密に計算された動きで、かなり笑えるけれど
            同じシチュエーションで延々と繰り返される。

            次の演目は、女尼が惚れた男性を追いかけて
            川を渡るところを描いたもの。

            川渡しのオジサンとの掛け合いが中心となって
            舞台の上は竿しかないのに
            ボートの動きが手に取るようにわかる。

            3番目は、戦争に行く前の将軍が
            自分の若い愛人と別れを告げる場面だが
            若い愛人が、将軍の不安を取り除こうと
            一生懸命尽くして、剣舞を披露して
            最後は将軍の目の前で自殺してしまう、という悲劇。

            フォスは、3番目の解説で「どうぞ泣くためのハンカチのご用意を」と言ったけど
            いや、う〜ん、確かに悲劇なんだけど
            何せ、舞台が娼館だし
            将軍がものすごいメイクだし(黒い髭が膝まで伸びてる)

            全体的に、演劇と言うよりは
            何かのパロディとしか思えない(中国の方、ごめんなさい)

            衣装は豪華絢爛だが
            男性の役の頭のところについている毛玉のボンボンは何なんだ?!

            出演者は全員、若くて美人とハンサムで
            (将軍役とかは、メークと髭で顔が全然見えないのでわからんが)
            動きも美しいし
            愛人の女性の指の動き一つからも
            パロディっぽいけど、色気が滴って、何とも可憐 (*^^*)

            劇場内部がむちゃくちゃ暑くて
            空気が籠っていて(冷房がないんだと思う)
            何かもう、最後の方は、観客席で息をするのも絶え絶え (-"-;)

            それから・・・
            「オペラ」という名称はふさわしくなくて
            あれは、やっぱり「演劇」である。
            (よって、このカテゴリーは「演劇」にしてある)

            オーケストラ、というか、打楽器や笛の小アンサンブルが
            舞台の上手奥で演奏して
            役者も歌うのだが

            全部、マイク付き(げっそり)

            私がマイクが苦手なのは、読者の皆さまはご存知と思うが
            中国語の高い声をマイクで拾ったら、どうなるか、想像がつくでしょ。

            で、上手のオーケストラも
            う〜ん、メロディみたいなものは一切なくて
            最初から最後まで
            バケツをガンガンガンガンと叩いているような音が耳についちゃって

            いやいや、それは中国音楽の歴史的なもので
            主観での好みにしかすぎないのは承知の上で
            バケツの音がだんだん耳についてしまって・・・ ぜいぜい (-"-;)

            招待券で途中で失礼するのは、本当はいけないと思うけれど
            そのまま残っていたら、終演が23時頃になりそうだったし
            劇場内の空気に堪えられそうもなかったので
            外に出てみたら

            市庁舎前のフィルム・フェスティバルが始まっていて
            大きなスクリーンでは

            コッペリア (^^)v

            同じ舞踊ではあるけれど
            ああああああ、いや、個人の好みだけど
            やっぱり、クラシック・バレエ+オーケストラ音楽・・・
            こちらの方が、すみません、私の好みかもしれない。

            京劇は京劇として、すごいジャンルだと思う。
            あれだけの洗練、あれだけの技術を継承して維持して行くのは
            大変な事だと思うし
            芸術として高く評価する。

            しかし、京劇がウィーンで上演されて
            日本の歌舞伎が来ない、というのも、何だかなぁ・・・(涙)
            最近、観光客も中国人がどんどん増えて
            何となく隣の部にライバル意識を燃やす私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            しかし、ともかく暑い。猛暑である。
            湿気はないから、影に入れば30℃でもベタベタしないし
            汗もあっという間に乾くけれど
            やっぱり暑いっ!!! (~Q~;)
            ドイツ語上達法も忘れてはいないのだけど
            この暑さだと、お勉強について書く気が・・・・ううう


            ジャン・ラシーヌ 「フェードル」

            0
              Burgtheater 2011年9月10日 19時30分〜21時10分

              Jean Racine (1639-1699) Phädra
              ジャン・ラシーヌ 「フェードル」

              テゼー:アテナイ王 Paulus Manker
              フェードル:テゼーの妻。ミノスとパジフィエの娘 Sunnyi Melles
              イポリート:テゼーの子。母親はアマゾーンの女王 Philipp Hauß
              アリシー:アテナイの王族の娘 Sylvie Rohrer
              エノーヌ:フェードルの乳母で相談役 Therese Affolter
              テラメーヌ:イポリートの養育係 Hans-Michael Rehberg
              イスメーヌ:アリシーの相談役 Merle Wasmuth
              パノープ:フェードルの侍女 Brigitta Furgler

              演出 Matthias Hartmann
              舞台と衣装 Johannes Schütz
              振付 Ismael Ivo
              照明 Peter Bandl
              ドラマツルギー Andreas Erdmann

              初演(ザルツブルク) 2010年8月18日
              初演(ウィーン) 2010年9月8日

              国立歌劇場連盟のインターネット・チケット販売を一手に引き受けている
              クルトゥラールという会社は
              年に1回「誕生日プレゼント」と称して
              チケットを1枚、無料でくれるのだが

              夏の誕生日というのは悲しいもので
              オペラ座もダメだし、フォルクス・オパーもない。

              ところが、今年は何だか、とても気前が良くて
              Im Puls Tanz のチケットを1枚無料でくれたし
              (結果的にはそれで行って、あまりにくだらなかったので
               自分で買った2回目の公演には行かなかった。意味がない)
              8月終わりのドブロブニクでの、ラックリンとその仲間たちのチケットも
              オファーされたが、まさかドブロブニクまで行けるはずもない。

              が、何と
              「9月10日のブルク劇場「フェードラ」のチケットを1枚差し上げます」の告知。
              わ〜〜〜い、久し振りにブルク劇場で演劇が観賞できる (^^)v

              しかも、一番良いカテゴリーの平土間10列目が(無料で)取れた!!!

              さて、ラシーヌのフェードル。
              教養のない私は、慌ててウィキペディアで予習する → ここ

              白黒の簡素な舞台で、真ん中の大きな板が中心を軸に廻るようになっている。
              白の側と、黒の側が、それぞれに舞台を作る仕組み。
              衣装は現代風で、やはり白黒。

              100分ほどの短い演劇だが、ううう、内容が暗い。
              唯一、エノーヌ役が、コミカルな造形になっていて暗さを救ってはいるが。

              観賞していて、感情移入がしにくい人物ばかり・・・
              夫の不在中に、義理の息子を愛してしまうフェードルもワケわかんないし

              嫉妬にかられて、事実関係の追及もせずに
              (息子はちゃんと、実はアリシーが好きなんだ、と
               告白しているのに)
              自分の息子に呪いをかけて殺してしまうテゼーの行動も理解不可能。

              ついでに、自分の行ないを後悔したエノーヌも死んでしまうし
              フェードルも自殺してしまう。

              フェードルの激情が、まず、全然わからんのだが
              これは、劇中で何回か言及がある通り、何かの呪いらしい。

              だいたい、義理の息子だって、突然、継母から告白されても驚くだけだろう。
              ここらへんのドラマツルギーは見事だった。

              誰も悪くないし
              ただ、愛と嫉妬が絡まって悲劇になってしまう。

              う〜ん・・・ (-"-;)

              あれだけ感情豊かだと、人生、楽しいだろうなぁ。
              というより、感情に振り回されて辛いのか。

              舞台を見ながら

                ワタシって、他の人より、感情がないんだろうか????

              と、ついつい思ってしまったが
              フェードルとかテゼーの方が、感情あり過ぎ、というか

              テゼーなんて、特に、アテナイの王でしょう?
              あんなに感情に駆られて衝動的な判断をして、王という職務が果たせるの???

              演劇でもオペラでも、恋に身を持ち崩して、というテーマが多いが
              どうも、よくわからん。

              夫の不在中に義理の息子に欲情する、というのは
              男性が周囲に少なければ、理解できないワケでもないが・・・

              テゼーの最後のセリフで
              「愛というのは不思議なものだ」みたいなところがあるけれど
              あれは、愛なのか?
              私には、欲情にしか見えないのだが・・・(こらこらっ!!!)

              どうせ、ロマンを解さない人間です(開き直り)

              ドラマとしては、人物造形が優れていて
              簡素な舞台に、普通の衣装なのに、一瞬たりとも退屈しない面白さがあったけれど
              プログラムの表紙には

               Ich liebe, rasend, über alles Maß

              と書いてあって
              そんなに、ガンガン 欲情 愛したら、ちょっとタイヘン。
              ワタクシにはできません m(__)m

              しかし、フェードルにしても
              オペラのプリマドンナたちにしても
              そこまで 欲情 愛が中心の人生って

              他にする事、ないんですか???? (仕事とか・・・)

              自分が感情に欠けた冷たい人間なのかも、と
              真剣に考え込んでいる私に
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              更年期を過ぎて、欲情しない、というだけだったりして f(^^;)


              トーマス・ベルンハルト Einfach kompliziert

              0

                Akademietheater 2011年5月1日 18時〜19時45分

                Thomas Bernhard (1931-1989)
                    Einfach kompliziert

                老俳優 Gert Voss
                カテリーナ(9歳) Alice Prosser

                監督 Claus Peymann
                舞台・衣装 Karl-Ernst Herrmann
                照明 Ulrich Eh
                ドラマツルギー Jutta Ferbers

                2011年に80歳になるはずだったトーマス・ベルンハルトを記念して
                アカデミー劇場で上演された Einfach kompliziert
                敢えて日本語に訳すなら「単純に複雑」というところ。

                ブルク劇場とアカデミー劇場のチケット販売開始は
                前の月の20日と決まっている。

                こと、演劇に関しては、オペラ座や楽友協会などと違い
                1年間のプログラムは発行されない。

                初演予定だった演目が
                俳優さんと監督の意見の相違で、キャンセルになった、なんていうケースもある。
                (5月初演予定の Lulu は、結局、上演中止になった)

                トーマス・ベルンハルトの演目は、できる限り行こうとしているのだが
                いかんせん、アカデミー劇場の客席数は、非常に少ない。
                しかも、トーマス・ベルンハルトの演目に関しては
                スタンド・バイで入れても、滅多に当たらない。

                何で、こんなオーストリアの悪口ばかりの作品
                非難されている当のオーストリア人に人気があるのか、さっぱりわからないが
                きっと、オーストリア人は、マゾっ気があるのだろう
                あの、毒に満ちた、ヘンなユーモアが、インテリ層にウケるのかもしれない。

                4月にスタンド・バイに入れて取れなかったので
                5月1日のチケットを狙って、4月20日、朝イチでインターネットに入る。

                全部売り切れ。ただし、立ち見席6枚。

                立ち見・・・・ (-"-;)

                でも、まぁ 2ユーロ50セントだし
                これを逃したら見られないから、買うだけ買おう。

                私が一大決心をして買ってから5分後。
                立ち見席含めて、チケットはキレイに売り切れになった。

                さて、買ったは良いが、私のドイツ語能力で内容がわからなかったら口惜しい。
                事前に脚本を読んでおこう・・・

                わっはっは。たまたま、手元にあったぞ。
                以前、Ritter, Dene, Voss のスタンド・バイが
                かなり高いチケットで当たった時に「予習用」に買ったものだ。



                読んでみた。

                   ・・・・・ わからない(自爆)

                歳を取った(設定82歳)俳優の独白である。
                途中で、9歳の子供が、チラッと登場する。

                で、いつもの通り、演劇とか俳優とかを、クソミソに貶す。

                   ・・・・・ わからない(自爆)

                立ち見席だったら、早く行かないと、良い場所が取れないだろうと
                早めに行こうとしたら、お客様と運転手のミスミート事件があり
                到着したら、開演30分前。

                まだホールは開いていない。
                演劇とかダンスは、会場が開くのが、開演の10分前とか、5分前とか
                あるいは、モダン・ダンスなんかの場合は、開演時間に会場が開くなんていうのも
                しょっちゅうなので、まぁ、仕方がない。
                15分前に開いたが、まだホールのドアはあかない。

                ドアの横でひたすら待つ。
                普通、良い席を取るために、立ち見席の人は並ぶのだが
                誰も並んで、我先に入ろうとする人がいないんですけど・・・???

                ホールが開く。一番端の立ち位置で、前の手すりにショールをかけたら

                「自分の番号のところに行って下さい」

                はっ?????

                えっ???? あっ!!!!
                立ち見のスペースの床に、番号が振ってあるっ!!!!!!!

                 (ノ゚ο゚)ノ  あら、びっくり。

                でも、これ、すごく良いアイデアだ。
                私の持っていた右の7番は、舞台のすぐ脇(8番が一番奥)
                狭くなっているので、前の手すりも使えるし、後ろの壁にお尻をくっつけてもイケる。

                日本の歌舞伎のような垂れ幕が下がると
                俳優さんは、下手の一番端にいるので、きゃ〜、右側の場所から、よく見える \(^O^)/
                最初は、ほとんどが、そこで釘を打ってセリフを言うので
                私の席が左だったら、何にも見えないところだった。右でラッキー (^^)v

                筋、というほどの筋があるワケではなくて
                読んだ通り、最初から最後まで、文句、文句、また文句という
                ベルンハルトらしいセリフの洪水だが

                いや、でも、うわ〜。舞台に乗せて、ちゃんとセリフとして言うと
                読んでいるのと、全く違う(驚愕)

                文字では表わせなかったブラック・ユーモアも、きっちり入ってくる。
                事前に読んでいるだけに
                舞台の上でのセリフが、ここまで印象が変わるとは・・・

                トーマス・ベルンハルトの作品のほとんどは
                最後に、アッ (+_+) という仕掛けがある。

                読んでいる時には、さっぱりわからなかったのに
                舞台で演劇として見ると、最後のシーンのひっくり返しというか
                今まで、自分だけに向けられていた毒が
                今度は、観客に向かって、はっきりと、鋭く、突き刺さる。

                うわ〜、イヤな奴だ、こいつ(こらこら)
                そうか、あれは、そういう意味でのセリフだったんだな・・・(納得)

                プログラムは、1,5センチの厚みのある立派な小冊子で5ユーロ。
                高いなぁ、と思ったが
                2011年、トーマス・ベルンハルト、生きていれば80歳、という記念のプログラムで
                脚本が全部記載されている上に
                1960年からのベルンハルトの演劇作品の初演記録が載っていて
                一部は新聞評の抜粋もあり(Heldenplatz のスキャンダルとか)
                永久保存版としては、なかなかの出来。
                   ・・・・ 買っている人は、すごく少なかったが(笑)

                5月2日と31日に同演目の上演があるが
                やっぱり、全部チケットは売り切れ。

                5月23日のアカデミー劇場で
                Claus Peymann kauft sich eine Hose und geht mit mir essen
                の上演がある(現時点で一番高い51ユーロのバラバラ2席のみ)
                この作品、トーマス・ベルンハルトの最後の演劇作品で
                私は DVD で見て大笑いして
                いつかは、本当の舞台で観たい、と切望はしているのだが
                この日の予定は既に詰まっていて無理・・・ (涙)

                ベルンハルトは時々取り上げられるけれど
                最近、ペーター・ハントケがないなぁ、と、ちょっと不満な私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。

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                立ち見席で隣の人と開演前に喋ったが
                (演劇に来るのは、ドイツ語はわかる、という前提だから
                英語で話しかけられたりはしないので、その意味、ちょっと楽かも)
                ブルク劇場でも、立ち見席は番号制なのだそうだ。
                演劇の立ち見、番号付いて2ユーロ50セントだったら、絶対にお得!!!


                フォルクス・テアーター 「ローゼの秘密」

                0

                  Volkstheater 1月3日19時30分〜21時40分(幕間1回)

                  Roses Geheimnis (Rosa und Walsh) ローゼの秘密
                  von Neil Simon

                  Rose : Elfriede Irrall
                  Walsh : Erwin Ebenbauer
                  Clancy : Alexander Jagsch
                  Arlene : Annette Isabella Holzmann

                  日本人が行かなくて、地元の人が行く名所を教えて欲しい
                  ・・・というリクエストをもらう事があるが
                  まず、日本人は見かけず、ジモッティだけで
                  しかも、めちゃくちゃ美しいとなれば、ドイツ語演劇の劇場だろう。

                  ジモッティの中に混じったアジア人が写真を撮っていると恥ずかしいので
                  (ほら、私、見栄っ張りだし f(^^;))
                  一枚だけ、人の目を盗んで、外からギャラリーの天井を撮った写真を公開。




                  ネオ・ロココの豪華な劇場で
                  天井には天使が何匹(何人?)も飛び交っている。
                  建物が古くて、ちょっとボロボロだが、内部は目が飛び出るほど美しい(断言)

                  贅沢してギャラリー(天井桟敷)の真ん中の1列目を買ったが
                  それでも、11ユーロ50セント。コンサートより格段に安い。

                  さて、現代国語で一番苦手だったのが
                  あらすじを200字で書きなさい・・・という設問。
                  200字で書けないから、作家は上演2時間の作品を書くのだ(きっぱり)

                  それでも敢えてあらすじを記すと

                  ローザは5年にわたり、恋人だったワルシュの幽霊と暮らしている。
                  が、ワルシュ(の幽霊)は、2週間後に消える、と宣言。
                  生活に困らないよう、遺稿が何処にあるかを教え
                  未完の遺稿を完成させるために、若い作家クランシーを指定する。
                  ローザと一緒に暮らしている娘のアレーネは、クランシーと恋に堕ちる。

                  ワルシュが消えた後のローザは自暴自棄になり
                  アレーネは慰めるが、ワルシュの事しか言わないのに業を煮やし
                  母親が恋人ばかりにかまけて、娘の自分に愛情をくれなかった不満をぶちまける。
                  ローザは反省し、娘とうまくやって行こうと決心した直後に、心臓発作を起こす。

                  幽霊になったローザは、幽霊のワルシュと再会し
                  娘のアレーネとクランシーの幸せを祈りつつ、ワルシュと旅立つ。

                  何か、ものすごくアホみたいなストーリーに読める。
                  (↑ 読者サービスのつもりが、完全に裏目に出てる (¨;))

                       これは、ひとえに、現代国語の成績が悪かった筆者の責任 \(__ )

                  だって、演劇そのものに、私はめちゃくちゃ感激したのである。
                  最後のシーンなんか、涙ボロボロで、かなりヤバイ状態。

                  クランシーとローザのやり取りに、幽霊のワルシュが口を挟み(ローザにしか聞こえない)
                  ワルシュに向かってローザが言うセリフに、クランシーが怒ったり、驚いたりの
                  絶妙な会話のやり取りは、爆笑モノ。

                  自分が死んだ事を知らずに、娘に話しかけようとするローザと
                  ローザの亡霊が居る事に気づかずに、母親に話しかけるアレーネの切々とした独白。

                  自分が死んでいる事に気付いたローザは
                  同じく幽霊のワルシュに

                     「あら、自分の人生の一番大事なところが記憶にないなんて」

                           と食ってかかるし

                     「ところで、私の葬式はどうだった?」
                           と、ワルシュに様子を聞いてから

                     「あぁ、そんなイベントを見逃したなんて・・・」

                  ワルシュ曰く
                     「一番良い場所に居たんじゃないか」 

                                 って、まぁ、そりゃそうだ (^O^)

                      (私が幽霊になったら、自分で言いそうなセリフばかりだなぁ・・・)

                  ヘンにウエットになるのではなく
                  軽妙でユーモアに満ちたセリフのやり取りが、むちゃ面白い。

                  ブルク劇場とか、アカデミー劇場のような
                  いわゆる「官僚指導型」ではない、民間の小劇場で
                  ジモッティにウケル演目を選んでいるだけあって
                  大笑いしつつ、最後は、ほのぼのした温かい気分で劇場を出る事ができる。

                  時々は、こういう、巷の演劇も観賞するべきだなぁ・・・ チケット安いし って、またソレかい

                  うううん、年配のラブ・ストーリーも(若い人の恋物語もあったが、それは無視(笑))
                  なかなか、心に染みるモノがある。自分じゃやりませんが(たぶん)

                  最初の文化生活が演劇って
                  昨年も同じだったが(昨年はブルク劇場だった)
                  演劇のチケット、音楽に比べて安いので、今年は少し増やそうかなぁ

                  と思っている私に、どうぞ1クリックをよろしくお願いします。

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                  ところで、ウィーンって、昨日、また雪が降った ( ..)ヾ
                  積もりはしなかったが、もう、雪、イヤ、とみんな思っていると思う。


                  トーマス・ベルンハルト 「英雄広場」

                  0
                    トーマス・ベルンハルトという作家は、かなり特異な人で
                    上っ面だけ見てしまえば
                    自国オーストリアに対する憎悪を、あからさまに表現した作家なのだが
                    その中には、苦しい程の愛も見えて
                    愛と憎悪が混在する。

                          まぁ、正直、愛も憎悪も、同じようなモノではあるのだが(極論)

                    1988年にブルク劇場で初演され
                    大スキャンダルを巻き起こした「英雄広場」 Heldenplatz が
                    ヨゼフシュタット劇場で上演されることになった。

                    初演当時は、ナチの過去を持つ(と推察される)ヴァルトハイムが
                    オーストリア大統領に当選し
                    他のヨーロッパ各国からソッポを向かれていた、という時代背景がある。

                    実際、この、ヴァルトハイム事件で
                    オーストリアの、本当の意味での戦後処理が始まったと言って良い。

                    オーストリアは、ナチに侵攻された「犠牲者」という局面を強調してきたが
                    実は人口比率から言うと、ドイツ人よりナチは多かったのだ。

                    ネオナチという程ではないが(←これは法律的に禁止されているから)
                    でも、はっきり言ってしまうと、限りなく、その思想に近い人は
                    今でもたくさんいる。

                    が、まぁ、日本だって、外国人嫌いという人は居るから
                    それだけの事実を持って、外国人に偏見あり、とは断定できないが。

                    ヨゼフシュタット劇場は、8区の上品な住宅街にある
                    見た目は、何という事もない建物。

                    中に入ると、ちょっとギョッとすること、請け合い。
                    豪華絢爛なバロックの広いロビー。
                    赤い絨毯の階段や劇場内部には、ロココのデザインが金に光って
                    超日常を演出する。

                    来ている人たちも、お上品な熟年男女が多い。
                    (まぁ、グラフェネック城なんかもそうなので、驚きはしないが)

                    ボックス・シートの2列目、10ユーロの席を買って入ったら
                    前の列(3席)には、上品なおばあちゃまが1人だけ座っていて
                    「他に入ってくる人はいないわよ。どうぞ前にいらして」と
                    丁寧なお申し出。うっふっふ、もちろん1列目に移らせてもらいました。

                    Heldenplatz だが、私は初演時の DVD を持っているので
                    内容も、ブルク劇場での演出も知っている。

                    ヨゼフシュタット劇場では、舞台がブルク劇場に比べて狭いので
                    ブルク劇場のような舞台装置は使っていない。

                    その代わり、カーテンがあり、最初に俳優さんが影絵のように出てきて
                    エレクトローンか木琴のような、可愛いメロディで開演。

                    女中のツィッテルのおしゃべりの合間に
                    下女が靴を磨くのだが、これが、緻密に計算されている。
                    セリフ+靴磨きの音 という、不思議なリズムに魅了される。

                    (この、セリフ+計算された音楽的雑音 というのは
                     後半でも、腕輪をならしたり、お皿を並べる時の音を使ったりして
                     とても効果的に使用されている。リズミックで素晴らしい)

                    ところで、オーストリアのドイツ語演劇を鑑賞していて
                    一番、神経に障るのは、俳優さんたちの「怒鳴り声」である。

                    そりゃ、激昂したら、演者としては、アグレッシブに怒鳴る必要があるのだろうが
                    ヤマトナデシコ おとなしい日本人の私としては
                    舞台上でも、怒鳴られると、いたたまれない気分になってしまう。
                      ほら、ワタクシ、繊細だから (違!)

                    ただ、この舞台、ほとんど「怒鳴り声」がない。
                    オーストリアの悪口を
                    具体的な名称を挙げながら、あいつはナチだ、こいつはアホだ、と
                    列記していくのだけれど
                    それが、何とも静かな怒り、ないしは、諦観に満ちたやるせなさになっている。

                    演劇とは言え、ほとんど動きのない2時間30分(幕間1回)
                    それだけに、各人の表情や、セリフまわし
                    セリフとセリフの間の沈黙に、緻密に計算された「雑音」で
                    如何に聴衆を取りこんでいくかは、演出家の腕の見せ所だろう。

                    DVD で観た時には、激昂した俳優さんの顔から飛び散る汗とか
                    (だって、DVD なんだもん、近くから撮るから、そういうモノがイヤでも見える)
                    マジに怒りにまかせた罵倒を聞きまくって
                    何とも、いたたまれない気分になったが
                    今回、舞台で、巧い俳優さんが
                    アグレッシブなところを取り去って、淡々と悪口を言っていると
                    あぁ、確かに、そういう時代もあったし
                    それに、今のオーストリアも、そういうところはあるしなぁ、と納得できる。

                    1列目に来たら?と声をかけてくれたおばあちゃまには退屈だったらしく
                    幕間の後に戻ったら、誰もいなくなっていた。

                    「楽しい」という演目ではないが
                    淡々と語られるユダヤ人インテリ・ファミリーの会話の中には
                    様々な隠れた秘密もあって
                    (自殺した教授と女中の仲は?とか ← 邪推かもしれないが、でも何かある)
                    意外に想像力を掻き立てられる演目でもある。

                    オーストリア在住(けっこう、ウチネタがある)でドイツ語がわかる方にはお勧め。
                    難しいドイツ語がわからなくても、日常会話が理解できれば全然問題ない。
                    少なくとも10月終わりまでは、上演されている。

                    再出発したランキング、どうぞよろしくお願いします。


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                    じゃじゃ馬馴らし ウィーン・バージョン

                    0

                      Wiener Lustspielhaus

                      Der Widerspenstigen Zähmung
                      Posse mit Gesang von Franzobel
                      sehr frei nach William Shakespeare

                      Petruchio v. Tunichtgut-Radicchio (Stefano Bernardin)
                      Mama Battista v. Ganswohl (Brigitte Kren)
                      Bianca v. Ganswohl (Petra Böhm)
                      Katharina v. Ganswohl (Nina Blum)
                      Gremio v. Sprudelhof (Ronald Seboth)
                      Luc v. Sprudelhof (Valentin Schreyer)
                      Hortensio Schlauch (Thomas Frank)
                      Trainia v. Gewürz-Tramin (Roswitha Szyszkowitz)

                      Musik Alonsha Biz, Nikolai Tunkowitsch, Wolfgang Tockner

                      シェークスピアの「じゃじゃ馬ならし」

                      のハズだったのだが
                      プログラムに「ものすごく勝手に改造しました」(意訳)という注意書きがあるように
                      似て非なるモノと思って正解。

                      バーベンベルク家が居住地としていた Am Hof 広場の仮設劇場で行われる演劇・・・
                      というより「喜劇シアター」という感じの公演の「プレミエ前公演」に行った。

                      暑かった・・・・ (~Q~;)

                          (本日は最高温度34℃で、真夜中でも29℃で
                           暑さのために一部では停電で、地下鉄 U4 も停止)

                      仮設劇場だから、もちろん冷房はない。
                      観客は、ハダカに近い格好で、扇子でパタパタしつつ観劇していれば良いけれど
                      しっかりした衣装をつけて
                      歌ったり、踊ったり、走ったり、演技したりの俳優さんたちは
                      タイヘンだっただろう。

                      筋は変わっているし
                      肝心な「じゃじゃ馬馴らし」の場面は、ほとんどなくて
                      金目当ての求婚もなく
                      バブティスタはお父さんじゃなくてお母さんになっている。

                      名前もモジリがあるので
                      今回は、劇中の名前をそのまま書いて
                      カッコの中に俳優さんの名前を書く方式を取ったのでお許し下さい。
                      (ドイツ語がわかる方は、チラッと見て下さったら、笑えるところがあると思う)

                      原作と全く違って、最後はちゃんと4組のカップルが完成する。

                      ペトルーキオ+カタリーナ
                      ルーセンシオ+ビアンカ
                       (ルーセンシオはグレミオの息子という設定)
                      ホルテンシオ+トレイニア
                       (トレイニアはルーセンシオの恋人?幼なじみ?という設定)
                      グレミオ+バブティスタ・ママ

                      バブティスタ・ママは車椅子に乗って登場する
                      太めの、気難しそうな、ちょっと怖そうな年配のおばさま。
                      これが、後で大化けする(まぁ、そうだろうな、と予想はついたが)
                      そこらへんに居そうな、太って気難しそうなお婆ちゃんが
                      歌えるわ、踊れるわ・・・ オールラウンドの俳優さんなんだもんなぁ・・・(感心)

                      カタリーナはスタイル抜群、美人でカッコよくて
                      気性が荒い、というのではなく、自立精神に富んだ女性として描かれる。

                      反対にビアンカのモデルはマリリン・モンロー (^O^)
                      おバカさん、という設定で、この言い間違いギャグが、むちゃ面白い。

                      グレミオとその息子ルーセンシオ(「ルック」と呼ばれている)は
                      ドブリング出身のシャンパン製造者である。
                      だから、名前が Sprudelhof で
                      ウィーンには Strudelhof というドーデラーの小説の舞台にもなった場所があって
                      そこのモジリ (Sprudel=湧き出す)
                        うううん、こういうのは、ウィーンっ子でないとわからんかもしらん。

                      ホルテンシオは、オルト・アン・デア・ドナウ出身のアスパラガス農家。

                      ホルテンシオ登場の時の歌が、めちゃくちゃ傑作で大笑いできる。
                      太めの俳優さんなのに、演技は巧いし、踊りも上手で歌もすごい。
                      オルト・アン・デア・ドナウが思い切り「田舎」とバカにされちゃうような歌だが
                      あそこは、カール1世がスイスに亡命する前に過ごした
                      ハプスブルク家のお城もあるんですけどね。

                      トレイニアがルックに化けて(男装する)
                      そのルックにホルテンシオが一目ぼれして
                      「いかん、オレ、ホ●になっちゃった」と悩んだ後
                      トレイニアが女性だった事が判明して、本気で口説く時に
                      アスパラガスにひっかけた、ちょっとヤバ目のギャグもある。

                      ペトルーキオとカタリーナは一目惚れ。
                      ちょっと危険な匂いのするラブシーンは、なかなか見応えあり。うふ。
                      お金目当てだった、という言及は途中であるけれど
                      お金じゃないんだよ、惚れたんだ、みたいなシーンもあって
                      ちょっとクサイが、まぁ、納得できる。

                      何をもじったのかは謎だが
                      最初から、ウサギのヌイグルミで登場するのはバイオリニスト。
                      音楽はテープが主だが
                      ちゃんと、そこにナマのバイオリン(しかも上手い!)が入るのは
                      ウィーンらしいところかもしれない。

                      ウィーン在住で、そこそこドイツ語がわかれば
                      かなり楽しい舞台だろう。
                      チケットは10ユーロから32ユーロと、それほど高くはないし
                      20時からの開始なので、仕事帰りにちょっと笑いたい、という向きにはお勧め。
                      1回の幕間を挟んで、2時間くらいの手ごろな時間に収まっている。

                      上演は7月17日・18日・22日・23日・24日・25日・29日・30日・31日
                      8月1日・5日・6日・7日・12日・13日・14日・19日・20日・21日22日・26日・27日・29日・29日
                      9月2日・3日・4日・5日

                      こなれた8月あたりに、私ももう一度観に行こうかなぁ。

                      ウエブ・サイトは ここ


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