火の鳥・ペトルーシュカ・ストラヴィンスキームーブメント1回目(初演)

Volksoper / Wiener Staatsballett 2017年4月28日 19時〜21時45分

Der Feuervogel / Petruschka / Movements to Strawinsky

Petruschuka
振付 Eno Peci
音楽 Igor Strawinski, Petruschka, revidierte FAssung 1947
ドラマツルギー Eno Peci, Pavol Juráš
舞台、衣装、照明 Pavol Juráš
指揮 David Levi
教師 Davide Dato
その妻 Nina Tonoli
その子供 Raphael Grotrian
校長 Rebecca Horner
2人の生徒 Trevor Hayden, Arne Vandervelde
クラスの生徒たち Emilia Branowicz, Adele Fiocchi, Sveva Gargiulo,
Araia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva, Céline Janou Weder
Francesco Costa, Marian Furnica, James Stephens, Andrey Teterin

Movements to Strawinsky
振付・舞台・衣装 András Lucács
音楽 Igor Strawinski
Pulcinella Suite (revidierte Fassung 1949):
Sinfonia, Serenata, Munuetto und Finale
Les Cinq Doigts : Largetto
Apollon musagète : Aposhéose
Suite Italienne (Fassung für Violoncello und Klavier) : Serenata
照明 Attila Szabó
指揮 David Levi
Alice Firenze - Masayu Kimoto
Nikisha Fogo - Greig Matthews
Ioanna Avraam - James Stephens
Erika Kováčová - Zsolt Török
Iliana Chivarova - Attila Bakó
Céline Janou Weder - Géraud Wielick

Der Feuervogel
振付 Andrey Kaydanovskiy
音楽 Igor Strawinski, Der Feuervogel (1910)
reduzierte Fassung von Hans Blümer
ドラマツルギー Richard Schmetterer
舞台と衣装 Karoline Hogl
照明 Vasil Lisichov
指揮 David Levi
イワン Masayu Kimoto
火の鳥 Davide Dato
ヴァシリッサ Rebecca Horner
カシェイ Mihail Sosnovschi
労働者 Richard Szabó, Zsolt Török, Géraud Wielick
掃除婦 Alice Firenze, Nikisha Fogo, Jakob Feyferlik, Greig Matthews
王女さまたち Emilia Baranowicz, Natalya Butchko, Iliana Chivarova,
Sveva Gargiulo, Erika Kováčová, Carolina Sangalli
Anna Shepelyava, Franziska Wallner-Hollinek
お客さま Attila Bakó, Alexis Forabosco, Trevor Hayden,
Igor Milos, Kamil Pavelka, Tristan Ridel,
Alexandru Tcacenco, Arne Vendervelde
ホットドッグ Andrés Garcia-Torres

Orchester der Volksoper Wien
Wiener Staatsballett

フォルクス・オーパーでの上演だが
歴としたウィーン国立バレエ団の出演で
出演どころか
振付も全部ウィーン国立バレエ団のダンサー。

普段、舞台でバレエを踊っているダンサーたちが
振付師として作品を作る ♡

ストラヴィンスキー三連発!!!

本日の初演まで
・・・オーケストラ大丈夫?と
ひそひそ陰で呟いていた私だが(すみません)

多少、荒技で、力で
えいっ、キメるところだけキメてしまえ、というのはあったけれど
そこそこ音楽にはなっていて、ちょっと感心した。

これから何回か上演があるので
その度に巧くなって行くか
緩くなって行くかは、これからのお楽しみ(根性悪)

3部作になっていて
最初はエノの「ペトルーシュカ」
・・・・の、とんでもない読み替え 😅

背広来たサラリーマン的なダヴィデ。
キュートな奥さまのニナ(トノリ)との子供が
プレゼントの箱を開けると、そこに人形が。

あぁ、この人形がペトルーシュカか、と思ったら
最初から最後まで、人形、全く関係なし(爆)

繰り広げられるのは、学級崩壊事件である。
う〜ん、これはやはり日本だったら
PTA のコワイ方々が何かクレームを挙げてきそう。

崩壊学級で弱々しいダヴィデ先生は暴力を受け
(ああああ、ダヴィデ、可愛い上にダンス巧いのに・・・)
途中で現れるド・サドの衣装を纏ったレベッカ校長先生。
ド迫力で、コワイぞ(笑)

どうも最後はダヴィデ先生は
妻のニナと子供を残して失踪してしまうらしいのだが
まぁ、よくわからん。
何回か観ているうちに、わかってくる(だろうか?う〜ん(悩))

生徒たちが元気で
・・・と言うよりはワイルドで
これが意外に魅力的。
(だってだって、ステファンとか私の初恋の君(に似たダンサー)とか居るし)
とんでもないアクロバットな振付もあって
フランチェスコあたりが
あの卓越した運動能力で、スゴイ事をやったりすると
客席で、きゃぁぁぁぁ、とついつい興奮してしまう。

・・・まぁ、ペトルーシュカとは何の関係もない(ような気がする)
でも、もしかしたら、何か深い意味があるのかもしれない。

次の作品は
舞台ではオジサンっぽい
でもものすごくキレのあるダンスを見せてくれる
アンドラッシュの振付で

うわわあああ
これは美しい ♡

ストーリーのないモダンなのだが
シンプルな白黒の舞台で
シンプルながら、装飾に工夫が凝らされた衣装。

滑らかな動きの連続が長いボーゲンで続き
品のあるパ・ド・ドゥが場を盛り上げる。

イジー・キリアーンとかフォーサイスとかの流れを汲む
正統派モダン。

しかもフォーメーションの美しさ
そのバリエーションの多様さで
観ているものを飽きさせない。

ともかくセンスが良い。
超一流のファッション雑誌を見ているような気分。

ストーリーもないし
(いや、あるのかもしれないが、よくわからん)
ただのモダンかよ、と思っていたら、とんでもない作品だった。

音楽はプルチネラから始まって
チェロとピアノの美しい曲など
ストラヴィンスキーの新古典時代の曲を使っていて
これまた美しく、舞台の美的感覚とピッタリ合う。

ダンサーとしてはワイルドな持ち味なのに
こんなに品の良いセンスのある振付をするんだ・・・
(って、失礼な事を書いているかもしれない・・・)

最後の作品は「火の鳥」なのだが

え???
最初に出てくるのが・・・ 鶏 🐔

いやさすがに鶏の着ぐるみで踊るのではなく
すぐに脱いで、そこから現れるのが木本クン。

ダヴィデとの絡みがあって
その後の舞台は、何故か工場になっていて
3D プリンターで作ったようなモデルさんたちが
ベルト・コンベアに乗って来て

イワン(木本クン)が
盲目のヴァシリッサ(レベッカ!)に恋をして
繰り広げられるパ・ド・ドゥが
ロマンティック・・・な筈なんだけど(沈黙)

アンドレイの恋の感覚って
よくわからんな(悩)

それとも、最愛のレベッカと絡ませるのに
自分以外のダンサーが踊るなら
あんまりロマンティックなラブシーンはさせない、という事?(まさか)
(註 レベッカとアンドレイはご夫婦です)

悪玉カシェイのミハイルは
サングラスかけて、出来損ないのマフィアみたいだし(笑)

悪玉がやっつけられて
みんなが崩れたレンガ?箱?の下敷きになって
倒れるシーンで
(ああああ、この作品、大道具係の人たち、大変だわ)

木本クンのイワンが
レベッカのヴァシリッサを探して駆け回るところがある。

木本クン!!!!
最近、突然、演技に目覚めましたか?????

リアルな迫力が出て来て、ちょっとビックリ。
やっぱりアレですかね
お父さんになると強いのかしら(ってワケわからんが)

で・・・
何で最後にホットドッグが出てくるの??? 😱

いや、最初の鶏の登場からして
え?ニワトリ??? と驚いたものの

あぁ、火の鳥って
もしかしたら、焼き鳥の事だったのかしら
・・・と思っていたのに

いくら焼き鳥の着ぐるみは難しいからと言って
何故にホットドッグ・・・(絶句)

まぁ、フォルクス・オーパーのドン・ジョバンニも
最後は全員がソーセージになる、という演出もあった事だし。
(これ観たいと思っていたのだが、今まで時間が合わなくて・・・)

アンドレイはキャラクター踊らせると
すごく良い味を出すダンサーなんだけど
なんか、ぶっ飛んだ芸術性の人なんだなぁ。

国立オペラ座のダンサー総出で
(しかもプリンシパルまで出るし、ソリスト山盛りだし)
バリエーション的には面白い舞台に仕上がっているので
これから、何回か追い掛けるつもりなので

今日観て、あれ?と思った部分も
これから、自分なりに解釈が出来るかもしれない。

ホットドッグの登場だけは
何回観ても、きっと理解できないだろうと
そこはかとなく予感している私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



相変わらずウィーンは寒くて、まるで冬なのだが
ザルツブルクとかミュンヒェンは、ほとんど零度で
山岳地帯は大雪まで降って
本当にそろそろ4月も終わりなんですか?(涙)

赤いジゼル 5回目観賞記

Volksoper 2017年4月18日 19時〜21時

GISELLE ROUGE
Ballett von Boris Eifman
振付・照明 Boris Eifman
舞台・衣装 Wiacheslav Okunev
指揮 Andreas Schüller

音楽
1幕
Peter Iljitsch Tschaikowski : Serenade für Streicher, op. 48, Finale (Tema russo)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Der Strum, Pantasie nach dem Drama von William Shakespeare, op. 18
Alfred Schnitke : Ritual. In memory of the victims of the 2nd World War (for the 40th Anniversary of the liberation of Belgrade)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Manfred. Sinfonie in vier Bildern nach dem dramatischen Gedicht von Byron, op. 58, IV. Satz
Peter Iljitsch Tschaikowski : Senrenade für Streicher, op. 48, Finale (Tema russo)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Elegie (für Streichorchester)
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, III. Satz (Das Portrait)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Manfred. Sinfonie in vier Bildern nach dem dramatischen Gedicht von Byron, op. 58, IV. Satz und I. Satz
2幕
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, III. Satz, Minuet
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 1, I. Satz, Ouverture
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 1, III. Satz, Adagietto
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, IV. Satz, Farandole
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, II. Satz, Intermezzo
Walter Donaldson : Yes Sir, that’s my Baby
Elias Paul “Allie” Wrubel : The Lady in Red
Alfred Schnittke : Konzert für Viola und Orchester, II Satz
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, IV. Satz (Die Bürokraten)
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, VIII. Satz (Das Testament, Vermächtnis)
Alfred Schnittke : (K)ein Sommernachtstraum
Peter Iljitsch Tschaikowski : Francesca da Rimini. Fantasie op. 32
Adolphe Adam : Giselle (Finale)

バレリーナ Ioanna Avraam *
教師 Andrey Teterin *
人民委員 Mihail Sosnovschi *
パートナー Roman Lazik
パートナーの友人 James Stephens
バティルデ Oxana Kiyanenko

赤いジゼル5回目(ゲネプロ入れると6回目)
(総計8回の公演のうち、半分以上は観てる(自慢にならん!))

今回のキャストは
役のデビューが3名。

タイトル・ロールをイオアンナ
バレエ教師がアンドレイ
・・・というのはともかくとして

ミーシャって秘密警察役って初めてだったっけ?

何かあの役どころとして
ミーシャがやりたそうで
しかもむちゃくちゃ合う役だと思っていたので
今日がデビューって、ちょっと意外。

で、ミハイルの秘密警察(人民委員)の役
何か、マッチョ過ぎて
コワモテのマフィアがそこに・・・
みたいな感じなんですが。

いや、カッコいいというよりは
何か最初の登場からして、かなり不気味な雰囲気を纏って

最初から最後まで
マッチョなんだけど

ミーシャ、別にイオアンナを愛してないよね
(あっ、すみません、別に個人的な事を言うワケでは)

どうも何か、鋼鉄で徹底的なマッチョ男になっているのは良いが
そこに現れる優しさとか言うのがあんまり(う〜ん 😓)

まぁ、あの役、すごいリフト続きだし
そこまで演技の余裕がなかったのかもしれないが。

嬉しかったのはローマンの再登場。
後半で、パリに逃れた後の
どうも事実ではリファールだったようだが
最初のソロでズッキン ♡

クラシックというよりはモダンなんだけど
あの薄い衣装で
関節の一つ一つが完璧にコントロールされて
身体の中で蠢く様って

ちょっとグロテスクなんだけど
その身体の不思議な美しさには魅了される。

だけどローマンって
最近、むちゃ「オネエ」になってない??

いや、私の見る目が曇っていて偏見だろうとは思うのだが
バレリーナと会って
振付をするシーンでも

「あら、それ良いわね」
「そうよ、そうなの、そうやって動いて」

という、オネエ言葉のセリフが
舞台の動きから見えて来ちゃうって何なんだこれは。

だからジェームスとのラブシーンが
むちゃくちゃリアルじゃないの・・・
腐女子の道に嵌りかけてる事に自覚はあるけれど
あんなにキュートに
男性ダンサー2人で絡んだら
あれにドキドキしない女性はいないと思う(断言)

イオアンナは身体は美しいし
クラシックからモダンまで、きっちりこなす上に
モダンの動きが、非常に幾何学的で美しい。
(これ見て、イオアンナにベラ・フィグーラの
 最後の場面を踊って欲しくなった)

イースターに風邪ひいて
すごい状態で行ったので
私の耳がおかしかったのかもしれないが

本日のオーケストラ、すごい音量・・・
力一杯って感じで演奏してるけど、どうしたの?
しかも、力一杯なのに
アルルの女の音楽で盛大にズレまくる(笑)
(管が走って、弦が付いて行けない状態だった・・と思う)

素晴らしい作品なんだけど
やっぱり5回目か6回目になって

しかも先シーズンに
オルガさまとケテヴァンで観ちゃってるからなぁ。
やっぱりオルガさまやケテヴァンと比べると
誰が主人公を踊っても
多少、見劣りしてしまうのは仕方がない。

非常に難しい役なので
(演技もテクニックも)
巧いダンサーでなければ踊れない、というのはわかっていても
こういう役、エスターに踊らせたらどうだろう、とか
意外にアデーレあたりがハマるかも、とか
エレーナなんか踊れるかもしれないぞ、とか

あらぬ妄想に悶える私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



え〜い、いつコンサート鑑賞がまた戻ってくるんだ?と
待ちきれない読者の皆さま
イースターが終わって
やっと、今週木曜日くらいから
普通のコンサートに戻ります(たぶん)

あまりに寒いのでひいた風邪は
昨日は喉で、本日は胸と鼻に順調に移動して来ていて
咳すると胸が痛いよ〜(涙)
バレエは途中で拍手があるので
その度に咳き込んでましたが
たぶん、今日と明日がピークでしょう(だいたいわかる)

オネーギン 9回目(シーズン千秋楽)

Wiener Staatsballett 2017年4月12日 19時30分〜22時

ONEGIN
Balett in drei Akten von John Cranko
nach dem Roman in Versen EUGEN ONEGIN von Alexander Puschkin

振付・演出 John Cranko
音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski
編曲・オーケストラ編曲 Kurt-Heinz Stolze
舞台 Elisabeth Dalton
照明 Steen Bjarke
指揮 Guillermo García Calvo

オネーギン Roman Lazik
レンスキー Masayu Kimoto
マダム・ラリーナ Erika Kováčová
タチアナ Nina Poláková
オルガ Alice Firenze
乳母 Franziska Wallner-Hollinek
グレーミン侯爵 Alexis Forabosco

友人、農民、サンクトペテルブルク社会の人たち
Abigail Baker, Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butchko,
Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Erika Kováčová, Zsófia Laczkó
Kathalina Miffek, Andrea Némethová, Suzan Opperman,
Alaia Rogers-Maman, Carolina Sangalli, Anna Shepelyeva,
Rikako Shibamoto, Céline Janou Weder
Attila Bakó, Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marat Davletshin,
Marcin Dempc, Greig Matthews, Igor Milos, Gabor Oberegger,
Kamil Pavelka, Tristan Ridel, James Stephens, Richard Szabó,
Dumitru Taran, Arne Vandervelde, Jaimy van Ovreen, Géraud Wielick

オネーギン9回目。
今シーズンの千秋楽。

来シーズンのプログラムには入っていないので
当分の間、この美しい演目はウィーンでは観られない(涙)

読者も
こいつ同じ演目ばかり
何回観てるんだよ、と飽き飽きしているだろうが

今週は聖週間で
学校も休みで
コンサートたるもの、何もないのである!!!
(だからバレエばかり行っているのは
 私だけが悪いワケではない・・・いや私も悪いのだが(汗))

この演目
クランコの振付の美しさと言ったら
観れば観るほど素晴らしい。

舞台も、豪華絢爛から幻想的な部分まであって
衣装も色とりどりの美しさ。
群舞のフォーメーションの美に
アクロバット的なパ・ド・ドゥが
ストーリーの中にリアルに活かされて
古今東西のバレエの中でも
最も美しいバレエの一つであろう。
・・・・まぁ、そんなに言うほど観てはいないが(冷汗)

ニナ(ポラコヴァ)が美しい、というのは
この間、散々書いたけれど
彼女の美しさが際立つのは
グレーミンと結婚してからの最終場面。

グレーミンとのパ・ド・ドゥの
落ち着いた上品な美しさには息を飲む。
あの気品は、他のダンサーにはないものだ。

まぁ、その分
グレーミンと結婚して
それなりに貴族の奥さまで落ち着いて
幸せなんだろうなぁ、とか思えちゃうので

そんなに(男に)恵まれていて
それでもオネーギンに心を残してしまうのか
何と言う贅沢な奴だ
・・・というのはモテない老女の嫉妬ですが 😅

木本クンの見事なレンスキー。
いやもう、何てノーブル。
軸が全くズレないピルエット
動から静への鮮やかな移り変わり
品のある美しい身体のライン。

アリーチェのオルガのキュートさに
木本クンのノーブルの組み合わせ、最高だわ。

ローマンのダンスのしなやかさと演技にも目を奪われる。
まぁ、多少、女形化していないワケではないが
(だから最初にタチヤーナにそっけなくするところは
 リアルなのだが、最後の縋り付きが・・・)

チャイコフスキーの音楽の美しさ
編曲の見事さもあるけれど
イースター休みなのに
何でボクたち仕事なの?という
ちょっとグダグダ感が(以下省略)

まだ頭の中で音楽が鳴り続けていて
目の前にシーンが思い浮かんで
ボーッとして
現実に戻って来られないアホな私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



国立オペラ座のバレエは
これから集中的に「白鳥の湖」
これもチャイコフスキーの美しい音楽に
ため息が出る程に美しい舞台になりそう。
・・・まぁ、ストーリーはあまりに荒唐無稽なんだけどね(笑)

ノルウェー国立バレエ団「カルメン」3回目(千秋楽)

Theater an der Wien 2017年4月11日 19時〜21時50分

CARMEN
Ballett in drei Akten (2015)

振付 Lian Scarlett
指揮 Per Kristian Skalstad
舞台 Jon Bausor
照明 James Farncombe

カルメン Yolanda Correa
ドン・ホセ Yoel Carreño
ミカエラ Leyna Magbutay
エスカミーリオ Shane Urton
フラスキータ Sonia Vinograd
メルセデス Lisa Nielsen
モラーレス Andreas Heise
ズニーガ Kári F. Bjørnsson
ジプシー Alberto Ballester, Martin Dauchez, Marco Pagetti

バレエ団 Norwegisches Nationalballett
オーケストラ Wiener KammerOrchester

できれば初日のキャストの方も
もう1度見たかったのだが
何せオネーギンとバッティグしてしまったので
日曜日のキャストの方でもう一回。

しかしまぁ、よく出来た作品だなぁ。
カルメンの別解釈による心理ドラマになっていると同時に
切ないラブストーリーあり
マッチョなシーンありで
様々な要素が見応えのある振付で
何ともリアルに踊られている。

緞帳はスペイン風のレースで
赤い照明でカルメン風の赤に見せて
舞台装置は、ちょっと田舎の場末の雰囲気のある
トラディショナルな感じのものだし

衣装がまた美しい ♡
色のバランスが見事で
フラメンコ風のドレスから
闘牛士の金色の糸を多用した贅沢な衣装まで
視覚的にも贅沢な気分が味わえて幸せになる。

ホセ役のダンサーが、やっぱり抜群に巧い。
あの優雅なラインでソロを踊られると
うわわわ、このダンサーで他のノーブル役を観たい、と
本気で思わせる。

カルメンとのパ・ド・ドゥのリフトも完璧で
最後のシーンのあんな激しい動きの中でも
しっかり役になりきっている上

日曜日に見た時の表情と
また違ってるんですけど・・・
という事は
このダンサー、計算して表情を作ってる訳じゃないのね?
その役になりきったところで
自然にあの表情が出てしまうわけ?

すごいな、才能って・・・
おバカな観客の私は、もう口を空けて感嘆する他ない。

カルメン役のダンサーの美しさに
目のチカラの強さ
それがホセとのラブシーンでウルウルするところ
もう見事にリアルで引き込まれてしまう。

ものすごく飛び抜けたスター性のあるダンサーという訳ではないが
国際的だし、様々なダンサーが居て、良いカンパニーだと思う。

あと、私の耳慣れかもしれないが
オーケストラが初日に比べて、格段に良くなった。

ウィーン室内管弦楽団は
コンツェルトハウスなどでチクルスを持ってはいるが
ウィーンのオーケストラの中では比較的地味な存在で
悪く言えば「伴奏オーケストラ」の仕事が多い。

が、伴奏オーケストラが出来ちゃうというのは
別の意味では、何でも弾けちゃうオーケストラでもある。

最初は伴奏に徹してしまって
ソロもあれ?という部分が結構あったのだが
今日は、ちゃんと「音楽」に聴こえて来たし

私が1回目と2回目で
言わなかったけれど、何じゃそりゃ、というソロ・パートが
本日は非常に美しく完璧に聴こえて来たのは
プレイヤーが必死に練習した成果か
あるいはプレイヤーのチェンジがあったのか(笑)

オーケストラ・ボックス見えないのでわかりません。
(それでもチケットは40ユーロもした。ウィーン劇場は高い)

でも、あの舞台装置から衣装から
全部、ノルウェーから持って来たのか、と思えば
たった40ユーロ(うううう)で
あの信じられない夢の世界を体験させてもらえたのは有り難い。

舞台芸術を観ていると
最前線に立って踊るダンサーだけではなく
オーケストラも指揮者も
大道具・小道具、照明や衣装、メイク・アップその他

ものすごい人数のスタッフが
緻密に計算して細かく気をつかって
作り上げる贅沢な総合芸術なんだなぁ、と
スタッフ全員に感謝したい気持ちで一杯になる。

何て贅沢な時代に生きていられるんだろう、と
神さまに感謝したくなっている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


オネーギン 8回目

Wiener Staatsballett 2017年4月10日 19時30分〜22時

ONEGIN
Balett in drei Akten von John Cranko
nach dem Roman in Versen EUGEN ONEGIN von Alexander Puschkin

振付・演出 John Cranko
音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski
編曲・オーケストラ編曲 Kurt-Heinz Stolze
舞台 Elisabeth Dalton
照明 Steen Bjarke
指揮 Guillermo García Calvo

オネーギン Roman Lazik
レンスキー Masayu Kimoto
マダム・ラリーナ Erika Kováčová
タチアナ Nina Poláková
オルガ Alice Firenze
乳母 Franziska Wallner-Hollinek
グレーミン侯爵 Alexis Forabosco

友人、農民、サンクトペテルブルク社会の人たち
Abigail Baker, Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butchko,
Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Erika Kováčová, Zsófia Laczkó
Kathalina Miffek, Andrea Némethová, Suzan Opperman,
Alaia Rogers-Maman, Carolina Sangalli, Anna Shepelyeva,
Rikako Shibamoto, Céline Janou Weder
Attila Bakó, Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marat Davletshin,
Marcin Dempc, Greig Matthews, Igor Milos, Gabor Oberegger,
Kamil Pavelka, Tristan Ridel, James Stephens, Richard Szabó,
Dumitru Taran, Zsolt Török, Arne Vandervelde,
Jaimy van Ovreen, Géraud Wielick

オネーギン8回目。
自分でもよく飽きないと思うけれど
舞台はその場その場の一瞬が芸術で儚いものなので
何回観ても
その度に、自分に訴えかけてくるものや
舞台での美しいものが違うので面白いのである。
(こじつけと言うなら言え・・・と開き直っている)

今回のタチヤーナはニナ(ポラコヴァ)
レンスキーが木本クン。

で、驚いた。

ニナ(ポラコヴァ)って、なんてキレイなの。

確かに表情のバリエーションは少ないのだけれど
身体のラインが美しくて
仕草の一つ一つの細かい部分まで美しい。

この間、ちょっとした事で
チラッと思ったのだが
このダンサー、ものすごい努力家だと思う。

しかも、とことん追求して考えて
自分で完璧と思うまで、細かい部分まで
緻密に計算して舞台にあがって

舞台で踊る時には
それ以前の努力を全く感じさせないほどに
自然な美しい動きを身体が自動的に語り出すというタイプ。

確かにその片鱗はライモンダでも感じたけれど
今回のタチヤーナの美しさには息を飲んだ。

しかも賢そうで品があって
それもきっと事前にとことん考え抜かれたものだと思うけれど
舞台で圧倒的に映える上品な美しさには度肝を抜かれた。

ローマンはこのシリーズでは
ずっとオネーギン役を踊っていて
こなれたものなのだが
何と言うか
こっちはこっちで美し過ぎて
あまりに優雅過ぎて
しかも表情があまりに空虚過ぎて

・・・この人、実は女性に興味ないよね
とか言うのがバレバレ(すみません)

イメージとして、アルミードの館のディアギレフが凄かったから
その印象を私が引き摺っているのかもしれないけれど
あまりにも優雅過ぎて
ちょっと女形と化しているところが・・・

ただ、今回、私がぶっ飛んだのは
ニナの美しさに加えて

木本く〜ん!!!!♡

最初の頃から、何てノーブルなダンサー、と思ってはいたが
木本クンのレンスキー、凄かったです。
実に美しい身体のラインに
オルガ役のアリーチェがまたチャーミングで

しかも木本クン、アリーチェをリフトしてから降ろす時に
最後、少しだけ速度を落として
本当に優雅にアリーチェを立たせるんですもん。

何ですか、あの高等テクニックは。
ほんの少しの速度のコントロールで
アリーチェのチャーミングさが際立つのだ。

パ・ド・ドゥって
男性はただの持ち上げ役じゃないか、と思っていたら
とんでもない誤解でした。無知だったワタクシをお許し下さい。

決闘前のレンスキーのソロは
ピルエット続きの
しかも激しい動きから急激に静に変わるという
非常に難しいソロなのだが

これが圧巻。

あの速度での連続のピルエットを
全くズレず、完璧にその場で
見事な身体の芯で見せてくれて
動から静への移動も、全く乱れがなく
優雅に高雅に、ゆったりと余裕を持って見せるアラベスクって

デニスもズレないピルエットを見せてくれるが
デニスの荒々しさとは違って
木本クンは、あくまでも滑らかで自然でノーブル ♡

加えて、オルガやタチヤーナを振り切って
決闘に臨む時の苦渋の表情。

木本クンって、あんな表情できたんだっけ?
今まで見た事ないぞ。

もともとノーブルなダンサーだったけれど
ノーブルさはそのままで
ダンスの芯がしっかり通って
テクニックをテクニックと感じさせない
芸術表現までモノにして来た。

すごい伸び方・・・
これからが、何かむちゃくちゃ楽しみになって来たぞ。

でもウィーン国立バレエ団って
ここ数年で、どんどん良くなって来て
コールドの群舞の見事さや
第2幕での「ご老人」たちの演技の巧みさも加わって
どの演目を観ても
世界トップの水準で楽しめる(断言)

あぁ、バレエ追い掛けて来て良かった♡
(貧民席しか買えませんが・・・)

惜しむらくは
え〜っと、そのですね
天下のウィーン・フィルさまの悪口言っちゃいかんのだろうが

オーケストラが
おいおいおい、今日はどうなってるの
というくらい、グダグダで
時々、ギャッと喚きたくなるズレとかあって

まぁ、バレエ公演の時はそういう事もあるんだけど
それでもオーケストラに
一番大きな拍手が出るのに
納得いかない私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



オネーギンの先シーズンで収録したクリップを貼っておく。
オネーギンはローマン
タチヤーナがニナ(ポラコヴァ)
レンスキーはデニスで、オルガが橋本清香さん。
短いクリップですが、お時間のある方はぜひどうぞ ♡


ノルウェー国立バレエ団「カルメン」2回目

Theater an der Wien 2017年4月9日 19時〜21時50分

CARMEN
Ballett in drei Akten (2015)

振付 Lian Scarlett
指揮 Per Kristian Skalstad
舞台 Jon Bausor
照明 James Farncombe

カルメン Yolanda Correa
ドン・ホセ Yoel Carreño
ミカエラ Leyna Magbutay
エスカミーリオ Shane Urton
フラスキータ Sonia Vinograd
メルセデス Lisa Nielsen
モラーレス Andreas Heise
ズニーガ Kári F. Bjørnsson
ジプシー Alberto Ballester, Martin Dauchez, Marco Pagetti

バレエ団 Norwegisches Nationalballett
オーケストラ Wiener KammerOrchester

昨日、散々ネタバレはしてしまったので
内容はわかっているけれど
しつこい私は、また行く(すみません)

本日はキャスト違い。
しかも14ユーロの安い席なのに
(昨日は40ユーロだった)
2階席の後ろという良い場所

・・・・と思ったら
柱が前にあって、舞台が見えないのか、この席は。
安いものには理由がある。
フォルクス・オーパーの柱の後ろの席なんて
むちゃくちゃ安いのに(一桁台だ。ウィーン劇場とえらく違う)

最後列なので、椅子を立てて
そこに腰掛ければ、柱部分は除いて舞台は見える。
ただし、30分その格好で見ていると
お尻がむちゃくちゃ痛くなる(が貧民席はそ〜いうもんだ)

本日のダンサーは
ホセもカルメンもキューバ出身。
いやはや、バレエ団って本当に国際化しているなぁ。
(ウィーン国立バレエだってウィーン出身ほとんどいないし)

カルメン役のダンサー
顔が大きいけれど、すごい目のチカラ。
バランスを崩すほど大きい目というのではないのに
吸い込まれるような輝きがある。
ダンスも空間が広くて華やかで
情熱的なカルメンの役にぴったり。

ホセ役は最初に出て来た時には
実は、何じゃこりゃ?と思ったのだ。

だって、若くないし
顔は精悍なんだけど、痘痕があって
メイクしてないし(しているんだろうがよくわからん)
何か地味だし、目立たないし、情けなさそうだし。

・・・言いたい放題でごめんなさい。

ただ、このダンサーの身体のラインは
ものすごく美しい。
一つ一つのパが安定していて
ものすごく美しいラインでバランスを取る。

ひええええ、もしかしたらこのダンサー
デグリューとか
ロメオとか
ジークフリートとか
アルブレヒトとか踊らせたら
むちゃくちゃ巧いんじゃないだろうか。

イケメンじゃないのに
踊るラインはむちゃくちゃ優雅。

で、イケメンじゃないだけに
表情がまた豊かで
ボク、イケメンだから、そんな顔できない、というような
とんでもない表情を臆す事なく見せてくれるので
これはもう、ダンスを越えた演劇になってしまっている。

ホセが何かものすごく魅力的 ♡
うわあああ、ダンサーって顔だけじゃないんだわ。

エスカミーリオは本日は演歌歌手ではなくて
北アメリカ出身の若いイケメン(笑)が踊った。

これがまた
ボク、イケメンよ、というのをしっかりわかっている人で(笑)
この人、本当はダンス・ノーブルかもしれない。
エスカミーリオ、しかも、この解釈での荒々しさはあまりなくて
自分に酔ってる闘牛士のトップのツンケンさは
かなり良い感じで出ていた。

圧巻は最後のカルメンとホセの PDD で
昨日はカルメンがあまりに美し過ぎて
ホセが霞んじゃったけれど

今日は両方とも
ほとんど本気と言うか
役に嵌ってのめり込んで
カルメンとホセになっちゃったというか

特にホセが・・・鬼気迫るダンスと演技だった。

カルメンの引き裂かれる女心も充分に表現されていて
見事だったけれど
それに引き回されて
混乱して
愛と憎しみが交差するホセが
ナイフを取り出してカルメンを殺した後

やっと俺のモノになった
・・・えっ? もしかしたら、俺、人を殺しちゃった?
あああっ、カルメン死んじゃったの?

というような
複雑なホセの心理状態が
実にリアルなダンスと表情で表現されると
観ている方も、心理が手に取るようにわかる。

こういう解釈のカルメンって
カルメンでありながら
マノンあり、ロメオとジュリエットあり、オネーギンありで
ついでに私の妄想かもしれないが
音楽もビゼーのカルメンとアルルの女以外に
何か、ヘンなモノが入ってないか?
(トスカとかマノンとか聴こえてくる気がするのは何故だ?)

いや〜、実に見応えのある作品 ♡
ついつい頭の中では
これをウィーンでやるなら
どのダンサーをどの役でやったら良いだろう、と
アホな妄想に浸っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



今日、ミカエラを踊った日本人ダンサーは
昨日はフラスキータを踊っていた。
手足が長くて、すごく目立つ華のあるダンサーで素晴らしかった。

ノルウェー国立バレエ団「カルメン」1回目

土曜日はダブル・ヘッダーでした。
時系列で読みたい方は、一つ下の記事からお願いします。

Theater an der Wien 2017年4月8日 19時〜21時50分

CARMEN
Ballett in drei Akten (2015)

振付 Lian Scarlett
指揮 Per Kristian Skalstad
舞台 Jon Bausor
照明 James Farncombe

カルメン Julie Gardette
ドン・ホセ Kaloyan Boyadijiev
ミカエラ Emma Lloyd
エスカミーリオ Aarne Kristian Ruutu
フラスキータ Leyna Magbutay
メルセデス Miharu Maki
モラーレス Andreas Heise
ズニーガ Kári F. Bjørnsson
ジプシー Alberto Ballester, Martin Dauchez, Marco Pagetti

バレエ団 Norwegisches Nationalballett
オーケストラ Wiener KammerOrchester

ノルウェー国立バレエ団の客演公演の2番目の演目。
実は上記以外にも、数多くのバレエ・ダンサーが出演するのだが
早く内容を書きたいので、ダンサー名は省略する。すみません。

この公演、ダブル・キャストで
4月9日・10日・11日にも上演されるので

これから行く方はネタバレになるので
この記事は読まないで下さい。

******* 注意・ここから先、ネタバレです ********

最初は本当に普通に始まったのである。
音楽はビゼーのカルメン以外にもアルルの女を使ったり
序曲は演奏せずにいくつかのテーマだけ演奏して
そのまますぐに舞台のバレエが始まったりしたが

ビゼーのオペラ、カルメンと同じ設定で
タバコ工場で、女性たちが大騒ぎして
警官や軍隊が出て来て
カルメンが逮捕されて
ホセを誘惑して逃げるのも同じ。

ダンスはかなりクラシックで
これなら、ウィーン国立バレエ団でも充分踊れると思った。

その意味では
この間の「幽霊」の方がずっとモダンで
度肝を抜くような気味悪さとか
ダンス的にもアクロバティックな部分も多く
ノルウェー風味とか
バレエ団の特質とかは、色濃く出ていたと思う。

カルメンを踊ったダンサーが魅力的 ♡
どこのバレエ団も国際的になっていて
このダンサーはフランス人。
身体も美しいし、美人だし
パッと観た時にピカッと光る華がある。

対するホセはブルガリア出身のダンサー。
出て来た時には、地味でパッとしない印象だったが
ホセという役柄上、それは仕方ないのかも(笑)

このダンサー、体型がクラシックっぽくなくて
ちょっと筋肉質のガッチリした体型で
普通の男の子っぽいところが、またホセの役柄に合っていて
何か、情けない感じが憎めない。
(他の警官役のダンサーの方がずっとクラシック体型だった)

ミカエラ役はウェールス出身。
いや、本当に国際色豊かだな。
ちょっと歳行ってる感じだけど
最初の登場の時から、あどけない純粋さを纏って
パッと見て、すぐにミカエラだとわかるところなどは
細かい演技が非常に巧いから。

いつになったらネタバレするんじゃ、とお怒りの読者さま。
これからです(笑)


***ここから先を読まれる方はネタバレ覚悟で***


さて、なんだ普通じゃん、と終わった第1幕の後
第2幕は街の酒場である。
登場するのは闘牛士とエスカミーリオ。

カルメンは、まぁ、役柄通りに
男を弄んで、エスカミーリオにも色目を使っているが

そこに飛び込んで来た
ボロボロになったドン・ホセ。

カルメン、最初は冷たいんですよ。
なにアンタ、職を失ってワタシのところに来ちゃったの?
という態度で軽蔑しているのだが

ドン・ホセがカルメンからもらった赤い花を
大事に大事に持っているのを見て

あら、この人、本当に私の事が好きなんだわ ♡

とほだされてしまうのである(あらビックリ)
しかも、そのまま
本気のラブシーンに突入するのである(あらビックリ)

まぁ、そこまでだったら
その後、色目使ったエスカミーリオと恋仲になって
ホセを手ひどく振る、という展開もアリなのだが

ホセへの愛に目覚めたカルメンのところに
突然現れるエスカミーリオ。

カルメンはホセを愛しているので
エスカミーリオに言い寄られて、嫌がっているのだが
嫌がって嫌がって嫌がっているのを
この恥知らずの闘牛士はレ○プしちゃうのである。

・・・おかしいぞ、カルメンってそういう話だったっけ?(イヤ違う)

嫌いな男に無理やりされてしまって
深く傷ついたカルメンのところに現れるミカエラに
ホセへの手紙を渡すカルメン。

ええええっ
カルメンって
イヤな男にやられちゃったから
傷ものになった私より
愛してくれるミカエラのところにホセが帰るように
涙ながらに(本当は愛している事を隠して)
あんたなんか嫌いよ、とか言う手紙を書いちゃうわけ?

微妙にストーリーが変わって来てるぞ。

ところが、この伏線が
最後の最後でものすごい効果を出すのだ。

第3幕は闘牛場のシーン。
エスカミーリオと闘牛士たちの華やかなダンス。
上手(かみて)の舞台前には
倒された牛まで居るし(笑)

エスカミーリオの花嫁として現れるカルメン。
やられちゃったので仕方なく結婚する、というシーンで
白いウエディング・ドレスなのに
表情は虚ろなまま。

本当に愛するホセとは結ばれず
ヤクザな闘牛士の嫁にならなければならない
でも、私みたいな女には
仕方ない運命なのね、という諦めの境地。

そこに現れるホセ。

ホセは振られたと思っているし
カルメンは、ホセのためには自分を悪者にして
ミカエラのところに返してあげなくちゃ、という
必死の思いでホセを拒絶するのだが

抑えられない欲情・・・
でも欲情のままにホセに告白出来ないカルメン。

この最後のパ・ド・ドゥの
カルメンの心理の表現がむちゃくちゃ凄いのである!!!!

いやはや、振付師、よくぞここまで考えた。
確かに、ただの悪女の浮気女の
誰にも縛られない自由でイヤな女カルメンだったら
この最後の引き裂かれるパ・ド・ドゥの表現はなかっただろう。

わ〜い、オネーギンのタチヤーナだ
・・・ってちょっと違うが
それなりに心理的には似たものがある。

うわ〜、このカルメンの役
ダンサーにかなりの演技力がないと無理だわ。

リフトなんかは、すごいアクロバットもあるのだけれど
それよりも、引き裂かれる女心の複雑な移り変わりを
それぞれのパに託して踊らねばならない。

それに比べれば
ホセは、そこまで心理的な深みは必要がない。
最初から最後までカルメンに惚れているだけで
カルメンの複雑な抑制の感情を受け止める器のない男だから(笑)

いやもう、カルメンの心情が手に取るようにわかって
そのいじらしさに、ズッポリ同情してしまったわ。

こんなカルメン見た事ない。

最後の打ち拉がれたカルメンの
壮絶な美しさには息を飲んだ。

カルメンをレイ○するエスカミーリオ役のダンサーは
フィンランド人ダンサーだが

どう見てもアジア系の顔立ちで
顔が大きくて、がっしりしていて
足が短い。

人の体型とか顔立ちをなんだかんだ言うのは失礼とは承知しているが
ダンサーは顔も身体も見どころの一つなので
遠慮なく言っちゃうけど
堂々としていて、ダンスも巧いし
華やかでパッと目立つのだが
どう見ても
もみあげを付けた三波春夫にしか見えない。
(本当に顔がそっくりなんです)

だから何なの?と言われれば
私も困るんだが
エスカミーリオが登場する度に
「お客さまは神さまです」とか頭の中で響いちゃうと(以下省略)

(ちなみに4月10日が同じキャストです。私は行けないけど)

何だ、ただの普通のカルメンかよ、と思っていた私は
最後は呆然として
カルメンじゃないカルメンに感情移入してしまって
涙こぼれそうになって劇場を出て来た。

来週は何かバレエばっかりで
しかも木曜日も金曜日も夜の予定は何もないが
・・・と不思議に思っていたら
来週はキリスト受難の最後の週で
4月14日が聖金曜日(イエス・キリストの磔刑の日)だった。

そりゃ来週から学校は休みだし
聖金曜日はコンサートもオペラも何もない。
(クリスマス・イブみたいなものである)

イースターからは
またせっせとコンサートに通う予定の私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


赤いジゼル 4回目観賞記

Volksoper 2017年4月6日 19時〜21時

GISELLE ROUGE
Ballett von Boris Eifman
振付・照明 Boris Eifman
舞台・衣装 Wiacheslav Okunev
指揮 Andreas Schüller

音楽
1幕
Peter Iljitsch Tschaikowski : Serenade für Streicher, op. 48, Finale (Tema russo)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Der Strum, Pantasie nach dem Drama von William Shakespeare, op. 18
Alfred Schnitke : Ritual. In memory of the victims of the 2nd World War (for the 40th Anniversary of the liberation of Belgrade)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Manfred. Sinfonie in vier Bildern nach dem dramatischen Gedicht von Byron, op. 58, IV. Satz
Peter Iljitsch Tschaikowski : Senrenade für Streicher, op. 48, Finale (Tema russo)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Elegie (für Streichorchester)
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, III. Satz (Das Portrait)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Manfred. Sinfonie in vier Bildern nach dem dramatischen Gedicht von Byron, op. 58, IV. Satz und I. Satz
2幕
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, III. Satz, Minuet
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 1, I. Satz, Ouverture
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 1, III. Satz, Adagietto
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, IV. Satz, Farandole
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, II. Satz, Intermezzo
Walter Donaldson : Yes Sir, that’s my Baby
Elias Paul “Allie” Wrubel : The Lady in Red
Alfred Schnittke : Konzert für Viola und Orchester, II Satz
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, IV. Satz (Die Bürokraten)
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, VIII. Satz (Das Testament, Vermächtnis)
Alfred Schnittke : (K)ein Sommernachtstraum
Peter Iljitsch Tschaikowski : Francesca da Rimini. Fantasie op. 32
Adolphe Adam : Giselle (Finale)

バレリーナ Nina Poláková
教師 Kamil Pavelka
人民委員 Vladimir Shishov
パートナー Robert Gabdullin
パートナーの友人 James Stephens
バティルデ Oxana Kiyanenko

2015年に3回(ゲネプロ入れると4回)鑑賞した
エイフマンのバレエ「赤いジゼル」の
待ちに待った再演 ♡

2015年はオルガとケテヴァン
教師はエノとカミーユ
人民委員はキリルとシショフ
パートナーはローマンとローベルト
パートナーの友人がヤコブ
バティルデはずっと変わらずオクサーナ

今回はオルガさまもケテヴァンも産休中で
ニナ(ポラコヴァ)が初演の再演から踊っている。
(初日は行けなかった)

で、すごく正直に書いてしまうと
ニナ(ポラコヴァ)には申し訳ないんだけど
オルガさまの儚い美しさとか
ケテヴァンのあの存在感とかには
どうしてもニナは負けてしまう(すみません)

ニナはバレエ・ダンサーとしては
決して恵まれた表情を持っているわけではないから
その意味でプリンシパルに上り詰めるのに
どんなに大変だったか、想像できる。

恵まれたフェイスを持つ同期と比べたら
バレエのテクニックや表現をとことん磨き抜いて
その意味では、踊りについては素晴らしいし
身体もとても美しくて
クラシックからモダンまで、実に巧いダンサーなのだ。
(私は特にニナのモダンは好き)

ただ、最初のシーンで
コールドの中に主人公が出てくると
オルガさまなんかは、そこで既にピカッと光っていたわけですよ。
ニナは、そこでちょっと埋もれてしまうんですよね(すみません)

ただ、後半でニナが衣装換えして
黒い艶やかなドレスで登場した時の色気は凄かった。
ちょっと退廃的で、崩れたようなところが
すごく良く出ていて、驚いた。

人民委員、というよりは
怪しい秘密警察の権力者のシショフは
うはははは
えらく舞台映えするじゃないの。

背が高くて掴む空間が大きいし
冷たい瞳が実にリアルで
アクロバティックなリフトを軽々とやるのは
さすがプリンシパル同士のカップル ♡

ローベルトのリファール役はチャーミング。
で、ご存知の通り
ローベルトに絡む「ご友人」が
今回はジェームス ♡

いやもう、カワイイと言うか
いじらしいと言うか
腐女子が泣いて喜ぶシーンで・・・
(ごめんなさい)

ローベルト演じるリファール
でも完全にそのケという訳ではなさそうで
主人公のニナに心を残して
でもジェームスも可愛くて
・・・ああ、もう、この演目、役に名前ついてないから
ついついダンサーの名前で呼んでしまうじゃないの。

それが私の大好きなジゼルのシーンに繋がって行く。
ジゼルのシーンでのアルブレヒト役をやるローベルトに
ヒラリオンのジェームスが嫉妬するところなんて
もう、なんかいじらしくて
ローベルト、ジェームスをそんなに邪険にするんじゃない
とか、ついつい思ってしまったわよ(そんな事でどうする?)

久し振りにこの演目を鑑賞して思ったのは
バレエとしての構成や
アクロバティックでドラマチックな振付に加えて
音楽の選択が素晴らしい事。

チャイコフスキーやビゼーの中に
アルフレッド・シュニットケの音楽が混ざって
ロマンティックでありながら
ロマンティックに身を任せていると
背筋がゾクッとして
現実ではない空虚な穴に落ちてしまうという
いや、本当に巧いわ、この音楽。

バレエそのものも
ラブストーリーと歴史をきちんと描くかと思えば
主人公のダンサーの中で
現実とバレエ(ジゼル)が重なって
どんどん妄想の世界に入り込んでしまうところが
何とも薄気味悪いほどリアルに描かれている。

全部の公演には行けないけれど
あと2回ほど行く予定。

学校割引で若い中学生や高校生がたくさん来ていたけれど
(私は30ユーロ以上払っているけれど
 学生券はむちゃくちゃ安い(か無料))
私がバレエにハマったのも
エイフマンの作品からだから
若い頃からどんどんハマって
稼ぐようになったら高いチケットを買いなさいね
・・・とか嫉妬混じりで考えてしまう
けしからん私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



オルガさまの踊ったトレイラーがあるので貼っておく。
ほんの少しだけど
ローマンとヤコブのカップルのシーンがあって(27秒からほんの少し)
やっぱりこちらの方がリアルだわ(って何の事?(笑))


オネーギン 7回目

Wiener Staatsballett 2017年4月4日 19時30分〜22時

ONEGIN
Balett in drei Akten von John Cranko
nach dem Roman in Versen EUGEN ONEGIN von Alexander Puschkin

振付・演出 John Cranko
音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski
編曲・オーケストラ編曲 Kurt-Heinz Stolze
舞台 Elisabeth Dalton
照明 Steen Bjarke
指揮 Guillermo García Calvo

オネーギン Roman Lazik
レンスキー Davide Dato
マダム・ラリーナ Erika Kováčová
タチアナ Maria Yakovleva
オルガ Nikisha Fogo
乳母 Franziska Wallner-Hollinek
グレーミン侯爵 Alexandru Tcacenco

友人、農民、サンクトペテルブルク社会の人たち
Abigail Baker, Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butchko,
Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Erika Kováčová, Zsófia Laczkó
Kathalina Miffek, Andrea Némethová, Suzan Opperman,
Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto,
Céline Janou Weder, Beata Wiedner
Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marat Davletshin,
Marcin Dempc, Alexis Forabosco, Greig Matthews,
Igor Milos, Gabor Oberegger, Kamil Pavelka,
Tristan Ridel, James Stephens, Richard Szabó, Dumitru Taran
Arne Vandervelde, Jaimy van Ovreen, Géraud Wielick

オネーギン7回目。
この演出での公演が過去から遡れば44回目らしいので
私なんか初心者のうちである(開き直り)

オネーギンはローマン
タチヤーナがマリアで
オルガ役にニキーシャ
レンスキーはダヴィデ

かなり良いキャストではないか、うっふっふ ♡

この後のオネーギンのタチヤーナは
ニナ(ポラコヴァ)が踊る予定なので
マリアのタチヤーナは今回で見納め(涙)

最後というのもあったのかもしれないが
マリアが入魂の渾身の演技。

今シーズンの最初から
演技の細かい部分に拘った圧倒的な役作りだったが
いやもう、見事なタチヤーナだった。

最後のシーンで
オネーギンの手紙を前にして
グレーミンに縋るところ

グレーミンが出掛けた後
こんな手紙はキッパリと拒否するわ、と決心して
オネーギンを迎えるシーン

その後の心身の葛藤(パ・ド・ドゥの素晴らしさ♡)を経て
オネーギンをきっぱり拒否せざるを得ないところの心理。

オネーギンが去ってからの号泣。

マリア、ホントに泣いてたもんなぁ。
目が真っ赤だった。
あんなアクロバットな PDD を踊りながら
役のど真ん中に入り込んでしまうって
いったいどういう突出した才能なんだか・・・

ローマンのオネーギンは
慇懃無礼の鼻持ちならない冷たい男に見える。
最初の登場時の優雅な冷たい美しさは
確かにナニ傾向が見えてしまって
リアルじゃない、とか感じない訳ではないが

やっぱりローマンの優雅さって捨て難いわよ。
だいたい、ジャンプして足音が全くしないって
不思議なダンサーではある。
(それが良いんだけど♡)

しかも最初からまとわりつく虚無感がスゴイ。
ローマンが何も見ていないような
あのカラッポな目で世界を見ると
オネーギンの抱える空虚さに
見ている方がすっぽり落ち込んでしまうような感覚。

ニキーシャはダンスは綺麗なのだが
今ひとつキュートさに欠ける。
ちょっとマジメ過ぎる印象だが
これはダンサーの持っている資質もあるから何とも言えない。
(ナターシャと比べちゃいかんのだが
 ちょっとした仕草が、やっぱり真っ直ぐ過ぎて真面目に見える)

ダヴィデはウィーン国立バレエ団の中では
もっとも芸能人的で有名なダンサーで
可愛らしい顔と、しっかりした技術でキレのあるダンスを踊る。
確かに出てくるとピカッと光るけれど

この間のアルミードのシャムのダンサーみたいな
退廃的な雰囲気のある役の方が合ってるなぁ。

レンスキーは直行型のカッとなりやすい素直なタイプだから
あまり深い心理的な作為は不要なので
このダンサーの持っている特異な雰囲気は出難い。

しかし何回観ても、何て美しいバレエなんだろう。
女性が重力無視して空を飛ぶんだもん。
(もちろん男性のリフトでやってますが)
最終幕の最初の群舞の美しさなんて
これぞ、バレエの楽しみ♡

今回のオネーギン公演は
オネーギンはローマンがずっと踊るようで
10日と12日の公演は
ニナ(ポラコヴァ)がタチヤーナ。
オルガをアリーチェが踊って
レンスキーに木本クンが登場 ♡

心理ドラマでもありながら
この上なく空気を感じて
女性が空を飛ぶクランコの傑作バレエ
あと2回、オペラ座で見られるのが嬉しい
懲りないワタシに
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



最終幕でのコールドの登場では
男性は鼻の下に
ヒゲを描いて出てくるのだが

リッチーとイゴールだけは
チョビ髭を描いていなかったのは

時間がなかったのか忘れたのか
それとも、チョビ髭なんか僕イヤ、と拒否したのか
・・・ってコールド見ながら
余計な事を考えてました(笑)

ノルウェー国立バレエ団「幽霊」

Theater an der Wien 2017年4月3日 19時30分〜20時40分

GESPENSTER (GHOSTS)
Ballett von Cina Espejord und Marit Moun Aune
nach dem gleichnamigen Drama von Henrik Ibsen
Musik von Nils Petter Molvær
Gastspiel des Norwegischen Nationalballetts Oslo

演出 Marit Moum Aune
振付 Cina Espejord
音楽 Nils Petter Molvær
舞台 Even Børsum
衣装 Ingrid Nylander
照明 Kristin Bredal

オスヴァルト・アルヴィンク・オスヴァルトの父 Andreas Heise
オスヴァルトの子供時代 Kristoffer Ask Haglund
ヘレーネ・アルヴィンク、オスヴァルトの母 Camilla Spidsøe
ヘレーネ・アルヴィンクの若い時代 Sonia Vinograd
マンダース神父 Ole Willy Falkhaugen
マンダース神父の若い時代 Philip Currell
レジーナ アルヴィンクの召使い Grete Sofie Borud Nybakken
レジーナの子供時代 Erle Østraat
大工エングストランド Kristian Alm

ノルウェー国立バレエ団

ウィーン劇場は、ここ数年ずっと
バレエと言えばノイマイヤーとハンブルク・バレエ団を招聘していたのに
最近、ノイマイヤー作品が
国立オペラ座で国立バレエ団で上演されているのと
かち合うのを避けたのか、ライバル意識か
今年はノルウェー国立バレエ団を招聘した。

数週間前に
ヴィエナ・エクスパーツ・クラブの会員には
全チケット50%割引、というメールが入って来て

もちろん公演のチケットは
その前から、貧民席だけど見える席というのを確保してあった私は
かなり苦い思いをしたのだが・・・

だってウィーン劇場ってチケットの価格が非常に高いのである。
しかも、ちょっとだけでも舞台が見える席、と考えると
1公演に40ユーロから60ユーロは注ぎ込まないと
ナキを見るのだ(舞台が全然見えない席はバレエの場合は意味がない)

ウィーン劇場の天上桟敷に行ったら

・・・なんですか、このガラガラ状態は? 😨

立ち見席だけは埋まっているけれど
最上階(4階席)ほとんど空いていて
平土間席は60%くらいは埋まっているけれど
その下の2階席・3階席もロジェにもかなり空席がある。

幕間があったなら移動してしまうところだが
幕間なしの70分公演。
立ち見席の人たちも、みんなゾロゾロ
そこ、正規に買ったら80ユーロですよ、という席に移動する。

正規料金で買ったのがアホらしくなるくらいの状態だが
まぁ、そういう事もあります(涙)

ヘンリック・イプセンの「幽霊」をもとにしたバレエ。
プログラムに書いてある筋書きだけは読んでみたが

最初から、筋が全くわかりません(涙)

登場するのが、誰なのか
全く判断がつかん(アホですよどうせ)

オスヴァルトの父親がアルヴィンクで母親がヘレーネで
ただ、ヘレーネは浮気をしてオスヴァルトを産んだので
オスヴァルトはアルヴィンクの息子ではなくて

大工エングストランドの子供で召使いのレジーナは
本当はエングストランドの娘ではなくて

オスヴァルトとレジーナが実は半分同じ血を引く兄弟
・・・って書いてあるけれど
いったい誰が何処で浮気して出来たんだ???(謎)

オスヴァルトの父親がアルヴィンクじゃなくて
レジーナの父親がエングストランドじゃなかったら
別にこの2人(母親は違うようだし)
血が繋がってるって事、ないんじゃないか?

で、オスヴァルト役のダンサーは
オスヴァルト(息子)も、アルヴィンクも
オスヴァルトの父親(誰だ?)も一緒くたに踊るし

母親のヘレーネは、現在のヘレーネと若い頃のヘレーネが
別人で出てくるし
神父も2人出てきて、これがまた誰が誰だかわからないし

この作品、ちゃんと解説とかあって
あるいはダンサーの横に矢印が出るとか
ネーム・ボードを張るとかして
これは誰です、とわからないと
最初から最後まで、まったく筋が理解できない。

ダンスそのものの振付はスゴイ。
アクロバットの混ざったモダンの高度な振付で
目を見張るようなリフトやバランス
絡み合いの妙があって
純粋にバレエの振付として見れば
私みたいなド・シロートにも、ううう、スゴイ、と唸らせるのだが

誰と誰が、何の役柄で踊っているのか
ま〜ったくわからない。

しかも、暴力シーンみたいなのが多すぎて
ヘレーネとアルヴィンクが
いや、そうかな?と思える男女のダンサーが
繰り広げるのは、ほとんどレイプに近い暴力沙汰だし

子供時代のレジーナなんて
まだ6歳くらいだろう、というキュートな女の子に
幽霊のようなメイクをさせて

男性のダンサーが
このいたいけな子供を引っ張り回すわ
リフトはするわ、すごい形でホールドするわ

いや、子供もバレエ学校の生徒だから良いのかもしれないが
あれ、日本で上演したら
コワイ顔をした子供の人権を守る会みたいなところの人たちが
血相変えて飛んで来て、大クレームになるぞ(本気)

オスヴァルトが
自分は母親が浮気して出来た子供、とか言う事がわかって
自暴自棄になったり
母親を殴ったり(あぁ、また暴力シーン)

加えて音楽がかなりモダンで
というより、メカニカルな雑音で
トランペット・プレイヤーが時々出て来て
テープに合わせてトランペット(スピーカー増強)を吹く時だけ
ちょっと音楽らしい様相は呈するのだが

このメカニカルでつまらん BGM なんとかしてくれ。
聴いていてもつまらないし、神経に障る。

いや、当時の社会に逆らって逆らって逆らったイプセンの作品だから
そういう神経に障る反社会的な音楽に合っているのかもしれないが。

現代にあって
母親が別の男性と作った子供だったというので
成人になってから
あれだけ暴力奮って
母親に叫んで自暴自棄になる人って
いるんだろうか。
(すみません、自分がそうなった時の事は考えていないから
 確かに心理的には大変な事なんだとは思うんですが
 こちら、都市部では離婚率が50%を越えている場所だし・・・)

プログラムの記載によれば
オスヴァルトは不治の病にかかっていて
母親に自分を殺せ、と詰め寄るらしいのだが

バレエの内容がほとんどわからず
何が何だか、さ〜っぱりわからないままに終わってしまった。

バレエはスゴイのである。
あれだけのドラマチックな振付を
よくぞダンサーたちが踊った、と思うのだが
せわしないし、暴力的だし
見ていて、ともかく疲れる。

タイトルは「幽霊」と言うのだが
どこに幽霊が出てくるのか
いや、ほとんど全編、全員が幽霊なのか
後ろに時々大スクリーンで出る白黒のビデオも
なんだかよくわからなかったし

芸術感性に欠けている私のような人間には
理解できない演目だった。

ノルウェー国立バレエ団は
この後、別の演目として「カルメン」を持ってくる。

踊れるバレエ団である事は
本日の公演でよ〜くわかったので
カルメンは楽しみにしておこう。
(というより、カルメンの筋、変わってないよね?)

一応ストーリーはある筈なのに
何もわからないまま舞台を見て
暴力シーン、叫び声、メカニカルな音響が続いて
ちょっとげっそりしている私に
どうぞお励ましの1クリックをお恵み下さい。



Youtube でこの作品のトレイラーを見つけたのだが
見てもさ〜っぱりわからないし
読者が見ても全然面白くないと思ったので張付けは止めておきます。

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