「海賊」国立バレエ 今シーズン6回目

0
    Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
    2019年5月23日 19時〜21時40分

    LE CORSAIRE
    Ballett in drei Akten
    振付 Manuel Legris
    舞台・衣装 Luisa Spinatelli
    照明 Marion Hewlett
    ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
    音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
    zusammengestellt von Igor Zapravdin
    指揮 Valery Ovsyanikov

    Conrad : Robert Gabdulin
    Médura : Liudmila Konovalova
    Gulnare : Ioanna Avraam *
    Lanquedem : Leonardo Basílio *
    Birbanto : Masayu Kimoto
    Zulméa : Sveva Garguilo
    Seyd Pascha : Alexis Forabosco
    Drei Odalisken : Eszter Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee *
    Korsaren: Giovanni Cusin, Marian Furnica, Trevor Hayden,
    Tristan Ridel, Gaetano Signorelli, James Stephens, Narvin Turnbull,
    Arne Vandervelde, Géraud Wielick
    Pas des Forbans: Erika Kováčvá, Iulia Tcaciuc*, Marian Furnica, Igor Milos
    Walzer: Adele Fiocchi, Suzan Opperman, Rikako Shibamoto, Madison Young

    比較的短期間に6回目の「海賊」を
    様々なキャストで見て来た。

    今日の夜はコンツェルトハウスで映画と音楽のコンサートがあったし
    大学ではベートーベン交響曲9番のスコアの新バージョン発表公演を
    古楽やベートーベンの専門家がやっている
    ・・・という状況の中で
    6回目の「海賊」に行ったのは
    木本全優クンのビルバントが見たかったから。
    (まぁ、チケット持っていたという理由もあるけど(笑))

    コンラードとメドゥーラはロベルトとリュドミラ。
    リュドミラは、テクニック的にはトップだし
    ポーズの一つ一つが、信じられないくらいにキマって
    舞台では華やかなオーラを振りまいてくれる。

    ・・・けど、まぁ、いつもの事ながら
    どう見ても、コンラード(ロベルト)とメドゥーラ(リュドミラ)が
    愛し合っているペアには見えない(苦笑)

    ロベルトのコンラード
    ジャンプは高いし、ロベルトの優雅さも見た目の美しさも生える。
    最初の登場の時に、張り切りすぎたのか
    ピルエットで軸がズレそうになったのにはヒヤヒヤしたけれど
    その後は、じっくりと落ち着いて
    確実な技を見せてくれたところは
    既にベテランの余裕がある。

    で、ロベルトはメドゥーラに恋している
    ・・・という演技を、少なくとも真摯にやっているのだが

    第2幕のラブシーンの PDD 素敵なんだけど
    ロベルトが
    リュドミラ王女さまに傅く従僕にしか見えないのは何故だ?

    王女さまリュドミラ・・・ないしは
    高級会員制倶楽部リュドミラのオーナー・ママという
    美しくプライドの高いオーラを出すリュドミラは
    ロベルトに向かって
    「ちゃんとワタシをサポートしなさいねっ!
     うまくリフトして
     ワタシが最も美しく見えるようにしなさいねっ!」
    と、ずっと言っているようで(妄想)

    ロベルトは
    愛してる、という演技をしながら
    時々、女王さまの叱責に怯えるような表情が
    チラチラ見える(ような気がする妄想)

    ロベルトの技術も素晴らしいし
    演技も頑張っているし
    顔にちょび髭まで描いて、ワイルド味を狙っているものの
    やっぱりロベルトって
    とことん「王子さま」タイプではあるんだよねぇ。
    どこかしらに品の良さが滲んで来る。

    実は子供の頃に海賊に攫われた貴族の子息か
    あるいは先代の海賊の親分に贔屓にされて
    先代亡き後、遺言でボスになった二代目首領というイメージで
    実力で首領にのし上がったようには全く見えない。

    さて、木本クンのビルバント。
    いや〜、このダンサーも・・・上品なんですよこれが。
    どこを取っても美しい。
    ジャンプも、着地の柔らかさも
    指先まで神経の行き届いた正しいクラシック。

    メイクのせいか、目つきだけは
    かなり悪い「海賊」になっていたのがちょっと笑えたりして。

    グイナーレはイオアンナがロール・デビュー。
    イオアンナ、技術のあるダンサーなんだけど
    ・・・ ごめん、今ひとつ、華がないし
    やっぱり最初の舞台なので
    多少、不安定なところが見え隠れする。

    そう考えると
    優等生の雰囲気ばっちりの橋本清香嬢のグイナーレって
    本当に良い出来だったんだなぁ。

    意外や意外に目を引いたのが
    レオナルドのランデケムである。
    もともと、背の高い見栄えのするダンサーだし
    技術はしっかりしているし
    ちょっとヌケた、おバカな感じのランデケムに合ってる。
    ソロの着地の柔らかさも見事だったし
    やっぱり身体が大きいって、舞台で映える。

    ロベルトが地味(いや王子さまだからね(笑))だし
    その分、リュドミラ・ママが頑張ったのだが
    一番盛り上がる PDD で
    リュドミラ、前半のフェッテを
    すべてダブルでやったのは凄い
    (ここまで来るとほとんど意地かも(笑))
    でも・・・まぁ、一部の客席は湧いたけれど
    どうも観客のノリがあまり良くないまま。

    オダリスクはエスター、アニータに加えて
    フィオナが役デビュー。

    エスターのあの可憐さ
    というか、ちょっと虐めたくなるような「か弱さ」
    実はワタシ、好きなんですよね。
    ちょっと頭の中で妄想でストーリーができちゃうくらい(こらこら!)

    フィオナは技術的には全く問題ないし
    まだ若いから、これからとは思うのだが
    残念ながら、このダンサー、小柄なのである。

    いや、小柄なダンサーと言えば
    イオアンナだって小柄なんだけど
    イオアンナは、その技術とオーラで
    なんだか舞台に立つと、大きく見えるのだが
    フィオナは、まだ舞台に立っても大きく見えず
    ちょっとチマチマとまとまってしまう。

    いや、これからだよ、これから!

    第2幕のコンラードを襲うビルバントのシーンで
    ビルバント(木本クン)が
    顔を隠さずに登場してしまい
    メドゥーラが顔の覆いを取って
    あっ、あなたは忠実な部下のビルバント!と
    驚くところが、なんだかちぐはぐだったが
    (一応演技だからリュドミラは驚いてはいるのだが
     観客は、何故驚いているのか、さっぱりわからない(笑))
    まぁ、舞台には有り勝ちな小さなミス。

    オダリスク観たら、もう帰ろうか、と思ったんだけど
    結局、花園シーン含めて、最後まで観てしまった。
    花園シーンのソロのリュドミラは
    「ほら見て、ほら見て、この美しいワタシを!」
    というオーラが中途半端じゃなくて
    こういう押し付けがましい位の自己アピール
    実はワタシ、好きだったりする。

    最終公演は行けないので
    今シーズン、これが最後の「海賊」鑑賞。
    ただ、来シーズンは、これがクリスマス前後の公演になるから
    まだまだ見るチャンスはある。
    (とは言え、今年末にくるみ割り人形が観られないのはツライ・・・)

    まだ見る気があるかどうか
    現時点では、ちょっと疑わしいものの
    たぶん、12月になったら
    うわ〜、また観たい、とか思っているに違いない私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    今日の1時限、ありました、テストが ^^;

    テストというよりは
    チョコレートの箱の中のクジを引いて
    そこに書いてある質問に正解すれば
    チョコレート1個もらえる。

    学生が順番にクジを引いていって
    全員が5つ(くらい)のクイズ?に答える方式。

    学生の回答に追補しても良いし
    黒板に書かれた回答に、もの言いを付けても良い。

    さすがに脱落者が多くて
    結局10人ほどしか残らなかったゼミなので
    みんな、ものすごく勉強してた(笑)

    私は記憶力ゼロなので
    あっ、それ、どっかで見たけど何だったっけ?
    と言うのがあって、ちょっと悔しい。

    ・・・若いって記憶力があって良いなぁ
    とは思うけれど、私は自分の年齢には満足してます (^^)v

    「海賊」国立バレエ 今シーズン5回目

    0
      Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
      2019年5月19日 19時〜21時40分

      LE CORSAIRE
      Ballett in drei Akten
      振付 Manuel Legris
      舞台・衣装 Luisa Spinatelli
      照明 Marion Hewlett
      ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
      音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
      zusammengestellt von Igor Zapravdin
      指揮 Valery Ovsyanikov

      Conrad : Jakob Feyferlik
      Médura : Olga Esina
      Gulnare : Kiyoka Hashimoto
      Lanquedem : Dumitru Taran
      Birbanto : Richard Szabó
      Zulméa : Sveva Garguilo
      Seyd Pascha : Eno Peci
      Drei Odalisken : Elena Bottaro, Anita Manolova, Rikako Shibamoto
      Korsaren: Leonardo Basílio, Giovanni Cusin, Marian Furnica, Trevor Hayden,
      Tristan Ridel, James Stephens, Narvin Turnbull, Arne Vandervelde,
      Géraud Wielick
      Pas des Forbans: Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Marian Furnica,
      Igor Milos
      Walzer: Oxana Kiyanenko, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman
      Madisson Young

      先回5月17日と同じキャストで
      アンドレイ(テテリン)がキャンセルして
      代役で有望新人ナヴリンとベテランのイゴール
      ベテランのガボールもキャンセルで、アレクシスが代役。
      ただ、主要キャストに変わりはない。

      というワケで、感想は5月17日と似たようなものになる。

      だから別に書かなくても良いかなぁ・・・とは思ったのだが
      個人メモだから、一応書いて置く(時間経っちゃったけど(汗))

      オルガさまが出れば
      私は1人、客席であまりの気品と美しさに悶絶している。

      ヤコブはすごく安定して来た。
      手足長いし、動作が優雅で演技も出来るし
      グラン・パ・ド・ドゥであれだけ安定すれば
      スターになる資質は充分にある。

      ただ、今回はオーケストラがあまりに酷かった。
      再演の最初の日も
      何じゃこりゃ?という感じだったけど

      今日の公演、オルガさまのソロの最後の部分で
      繰り返しを間違えて
      一部のオーケストラ・メンバーが
      全然違う箇所を演奏していて

      現代音楽ポリフォニーの世界がそこに・・・

      指揮者は焦ってオーケストラを煽るし
      もう、どうなる事やら
      不協和音の連続を聴きながら気が気じゃなかったわ。

      橋本清香嬢の凛とした美しさも素晴らしい。
      あの気品は、愛人グイナーレにはちょっと不向きかもしれないが
      清香嬢のポーズの安定性と
      鉄壁の技術には、いつも目を剥く。

      最近は、スタイルだの見た目の美しさだの
      キュートだとか、綺麗だとか書くと
      人の見た目について、何も言っちゃいけません、という
      まぁ、私にとってはありがたい風潮ではあるのだが

      でも、バレエ・ダンサーって
      見た目の美しさも含めて
      肉体の芸術じゃないですか(断言)

      生まれて持ってきた資質も当然ながらあるし
      でも、その資質を最大限に活かして
      日々のトレーニングで鍛え上げた肉体の美しさは
      もう、それだけで芸術じゃないですか。
      それを褒めずして、芸術の楽しみはない。
      ・・・・・ような気がするんですけど
      それって間違ってますかね?(自信がない)

      ダンサーだって
      正しい訓練で鍛え上げられた
      芸術としての自分の筋肉を見て
      賞賛して欲しい、という要望はあるんじゃないかしら・・・
      (クラシック・ダンサーはわからないけれど
       コンテンポラリーのダンサーは
       絶対に間違いなく「ほら見て見て見て見て」という
       限りない欲望というか露出癖というか
       そういうものがあると思う。
       でなけりゃ、コンテンポラリーの
       あのハダカの多さはあり得ない。)

      今回のオーケストラの演奏はいただけなかったが
      でも、この音楽、実はすごくチャーミング。
      アドルフ・アダンと言えば
      ジゼルの音楽で有名だが
      この「海賊」の音楽も素晴らしい。

      この演目も、今シーズンはあと2回。
      5月23日はリュドミラとロベルトのカップリングで
      木本全優クンがビルバントを踊る。
      (ちなみにチケットは売り切れ)
      27日には、何とダヴィデのコンラード・デビューと
      ニキーシャのメドゥーラにナターシャのグイナーレ
      トリスタンのランデケムという
      ヨダレが出そうなキャスティングなのだが
      何回か書いた通り、他のコンサートとぶつかるので行けない(涙)
      (どうせチケットは売り切れだが・・・)

      6月はトリプル・ビルで
      マクミラン・マクレガー・アシュトン
      アシュトンのマルグリットとアルマン
      マーシャがファースト・キャストに予定されていて
      (踊って欲しい!!!)
      ニナ(ポラコヴァ)とリュドミラが続く。
      アルマン役はヤコブが2回、ニナ(ポラコヴァ)の日はロベルト。

      ・・・考えてみたら
      6月なんて、もうスグじゃないの(汗汗汗)

      提出するプロジェクトの準備や分析
      シンセサイザーのプレゼンテーションやら
      何だかワケわからない。
      (いったい、今学期、何を取ったのやら(笑))

      まぁ、何とかする他ないわ、と
      楽観主義振りを発揮するアホな私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      「海賊」国立バレエ 今シーズン4回目

      0
        Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
        2019年5月17日 19時〜21時40分

        LE CORSAIRE
        Ballett in drei Akten
        振付 Manuel Legris
        舞台・衣装 Luisa Spinatelli
        照明 Marion Hewlett
        ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
        音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
        zusammengestellt von Igor Zapravdin
        指揮 Valery Ovsyanikov

        Conrad : Jakob Feyferlik *
        Médura : Olga Esina
        Gulnare : Kiyoka Hashimoto
        Lanquedem : Dumitru Taran *
        Birbanto : Richard Szabó
        Zulméa : Sveva Garguilo *
        Seyd Pascha : Eno Peci
        Drei Odalisken : Elena Bottaro, Anita Manolova, Rikako Shibamoto *
        Korsaren: Leonardo Basílio, Giovanni Cusin, Marian Furnica, Trevor Hayden,
        Tristan Ridel, James Stephens, Andrey Teterin, Arne Vandervelde,
        Géraud Wielick
        Pas des Forbans: Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Marian Furnica,
        Andrey Teterin
        Walzer: Oxana Kiyanenko, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman
        Madisson Young

        キミン・キムの素晴らしいコンラードを2回続けて観た後に
        今回はヤコブのコンラード・デビュー。
        対するメドゥーラはオルガさま ♡

        オルガさまは、舞台に登場すると
        そこだけ空気が変わる。
        最初の登場のソロの、あの優雅さは誰にも出せない。
        技術的にはリュドミラだってスゴイけれど
        オルガさまは、おみ足を上げるのだって
        一つ一つのパの優雅さが、あまりに美しすぎて
        最初のソロで、もう客席で身悶えしてしまう。

        ヤコブは顔にちょび髭描いて
        海賊のワイルドさを出そうと苦労しているのだが
        第1幕では、う〜ん、やっぱり王子さまだなぁ。
        それに、キミン・キムの後って言うのは
        やっぱり、非常に非常に非常に不利ではある。

        なんか、こう、一生懸命頑張ってます、というのが
        いや、頑張った、凄いよ、と言ってあげたいのだが
        あそこまで頑張られちゃうと・・・

        それに1幕最後のピストル、鳴らなかったんだけど?(笑)
        本人がピストルを撃つのを忘れていたのか
        中の爆竹が入っていなかったのかは不明だが
        せっかくメドゥーラを奪って来たのに
        誰の注意も引かなかったかも
        (いや、我々はちゃんと見てましたが)

        やっぱりヤコブ、ちょっとアレかなぁ、と思っていたら

        第2幕のグランド・パ・ド・ドゥが素晴らしかった!!!!

        最初の硬さが抜けたのか
        長い手足で、優雅に、小さなミスの一つもなく
        ジャンプも充分な高さで余裕たっぷりに飛んで
        オルガさまとのパートナー・リンクも見事。

        最初は舞台を引っ張っていく力もなくて
        オルガさまがグイグイ、という感じだったのに
        第2幕では、ちゃんと観客にもしっかりアピールして
        いや〜、実に見応えのあるグランド・パ・ド・ドゥ!!!!

        やっぱりヤコブ、良いわ〜。
        若手のナンバーワンで
        すごい勢いでプリンシパルまで上がったので
        あの若さで多少重荷なんじゃないかと思っていたが
        すごく良い感じで成長して来ている。
        それに、まだ若いだけに、これからの成熟も楽しみ。

        ヤコブの良さに釣られたのか
        ドミトゥルのランデケムもなかなか見事。
        この間の公演のように
        キミン・キムに釣られてはいるけれど
        格の違いがモロわかり、というのではなくて
        ほどほどに水準の揃ったソリストたち、というのが
        この舞台の良さでもある。

        リッチーのビルバントは、リッチーの小回りの良さが小気味良いし
        スヴェーヴァのズルメアのデビューも大成功。
        スヴェーヴァの明るいオーラが、よく輝いて
        そこだけライトが当たっているように見える。

        でも、今回の牽引役は
        どう見てもオルガさまである。
        あの優雅さ、美しさは、この世のものとは思えない。

        昔は出て来ただけで悲劇のオーラが飛んでいたが
        産休後のオルガさまのオーラは
        もちろん悲劇オーラも出るのだが
        (それがまた優雅で・・・)
        加えて、母性オーラとでも言う優しさが出て来ていて
        コンラードとのラブシーンが
        お母さんと息子・・・あっ、いやいやいや、そうではない(断言)

        ともかく、大きな愛に満ちたオーラは
        昔はなかったもので
        それがラブシーンに出てくると
        あ〜、くそ、相手役が羨ましい・・・・(こらこらこらっ!)

        ヤコブは第2幕で観客を興奮の渦に巻き込んだ事で
        力を得たのか
        第3幕では、結構なワイルド味のあるソロまで踊った。
        考えてみれば、ジャン・ド・ブリエンヌと言う騎士を踊って
        素地は出来ているし、
        もともと演技力のあるダンサーだから
        本当にこれから、どの位伸びて行くのか楽しみ。

        そうそう、オルガさまの第3幕のソロは絶品。
        花に囲まれた中で
        花を取りながらの素晴らしいバランスの時に
        バラを一個、落としてしまって
        そのバラがずっと舞台上にあって、ちょっとハラハラだったけれど
        舞台上のバラをものともせず
        この上なく気品に溢れた完璧なダンスを見せてくれて
        あのシーンだけでも悶絶するわ。

        この花のシーンの途中では
        グイナーレ役の清香嬢の素晴らしいソロもあるのだが
        清香嬢、最後のレベランスを
        落ちた花のすぐ横でキメて
        次のオルガさまのソロの前に
        しっかりと花を拾って舞台袖に去ったのは
        さすがにプロ。

        清香嬢のグイナーレは
        清く正しくの完璧な技術のグイナーレで見事だったが
        それ以上に、清香嬢の演技力がアップしているのに驚く。

        パシャの愛人として優雅な毎日を享受すると同時に
        ちゃんと、その愛情を保つように
        パシャに甘えたり、色目使ったり
        (清香嬢の「色目」!!!なんて昔は見た事がなかった!)
        ちゃんと役を踊っているのが見事。

        ヤコブとオルガさまの海賊は
        明後日、5月19日にもう一度、公演がある。

        ・・・もちろん行きますとも(笑)という
        アホな私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        「海賊」国立バレエ 今シーズン3回目

        0
          Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
          2019年5月13日 19時〜21時40分

          LE CORSAIRE
          Ballett in drei Akten
          振付 Manuel Legris
          舞台・衣装 Luisa Spinatelli
          照明 Marion Hewlett
          ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
          音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
          zusammengestellt von Igor Zapravdin
          指揮 Valery Ovsyanikov

          Conrad : Kimin Kim
          Médura : Liudmila Konovalova
          Gulnare : Kiyoka Hashimoto
          Lanquedem : Géraud Wielick
          Birbanto : Davide Dato
          Zulméa : Ioanna Avraam
          Seyd Pascha : Eno Peci
          Drei Odalisken : Nikisha Fogo, Natascha Mair, Nina Tonoli
          Korsaren: Leonardo Basílio, Marian Furnica, Andrés Garcia Torres,
          Gaetano Signorelli, James Stephens, Andrey Teterin,
          Narvin Turnbull, Arne Vandervelde
          Pas des Forbans: Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Marian Furnica,
          Andrey Teterin
          Walzer: Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Eszter Ledán, Rikako Shibamoto

          5月10日と同じキャストかと思いきや
          メドゥーラがリュドミラで
          グイナーラが橋本清香嬢
          ランデケムはジェロー。

          もちろん素晴らしいダンサーばかりなので
          不満はないが、いや、ちょっとはあるが(以下省略)

          リュドミラのメドゥーラは
          本当に華があって、美しいし
          技術的には抜群のダンサーで
          足を上げたポーズの決まり方やピルエットが見事。
          あんなに一つ一つのパを
          徹底的に完璧に踊るダンサーは少ないし
          それだけ才能に加えて
          いったい、どれだけ努力しているんだろう、とも思う。

          対するグイナーラの橋本清香嬢も
          これまた完璧なパで
          クラシック・バレエの最も正しい姿を実現したようなダンサー。

          だ・け・ど(ほら出た!)
          ダンサーのキャラクターから言うなら
          リュドミラがグイナーラで
          橋本清香嬢がメドゥーラを踊った方が
          役柄としては合っていたんじゃないだろうか・・・

          リュドミラ、華やかで美しいのだが
          美しいだけにキャラが強い。
          橋本清香嬢も美しさでは負けないけれど
          キャラの強さと言うよりは、静謐な清潔感がある。

          だから純愛に燃えるメドゥーラをリュドミラが踊ると
          ほら、ワタシ、綺麗でしょ、見て見て・・・と言う感じがあって
          パートナーにも
          ちゃんとワタシが一番美しく見えるようにサポートしなさい!
          と言っているような妄想を掻き立てるのだ。

          キミン・キムは、登場した時から別格で
          舞台の上で、そのオーラが光っていて
          ものすごく大きく見えるし
          演技が巧い・・・というより
          あれは登場人物になりきっているのか
          メドゥーラに「惚れた」感が、ものすごい。

          そこまで惚れて、ラブラブのベタベタになっていながら
          ビルバントとの対決などの怒りのシーンは
          本当に怒っていて、別人のように見える。
          ・・・すごいな、このダンサー。

          技術的には、ともかく格が違う、というのは
          何回か書いたけれど
          ジャンプの高さや優雅さ
          他のダンサーの3倍くらいの速度で回るピルエットとか
          身体能力に加えて
          パートナーとのリンクの感覚が抜群。

          アクロバットもどきのマネージュなら
          デニスも茶目っ気たっぷりに見せてくれるし
          ピルエットの体軸の安定も素晴らしいのだが
          デニスの場合は、どうしても
          パートナーを立てるとか
          メドゥーラを愛してる、とか言う前に
          オレオレオレ、オレを見ろ、というのが見えちゃうのだ(妄想です)

          踊れる監督ルグリの振付は
          クラシック・バレエの正しい盛り上げ方を熟知している上に
          普通なら1演目の中に
          盛り上げハイライトは1箇所か2箇所のところを
          もっとたくさん、ダンサーの体力無視で入れてみました
          みたいな演目なので
          ともかく最初から見どころがありすぎる。

          特に第二幕でのコンラートとメドゥーラのパ・ド・ドゥは
          白鳥の湖もビックリ、というほどの凄さなのだが

          あ〜、リュドミラ、キミン・キムに張り合ってる(笑)
          フェッテでドゥーブルを何回か取り入れるのは
          技術に優れたリュドミラだから可能な技だが
          今日は何と、最初から、ず〜〜〜っとドゥーブル入れて
          うわあああ、そこまで入れるか、という凄まじさ。

          コンラードなんか私を支えるだけなのよ
          主人公はワタクシよ!という矜持が見える(妄想です)
          そこまでムキになる必要もないかとは思うのだが
          それが、ウィーンのプリンシパルのプライドなのだろう(妄想です)
          マリイインスキー対ウィーンだったら
          間違いなくウィーンの負けだろうが(苦笑)

          ジェローのランデケム、ワイルド感が漂って
          ちゃんと踊ってはいるんだけど
          コンラートの振りと被るようなところが多いので
          キミン・キムと比べられてしまうと
          どうしても見劣りがする。
          本人は頑張っているだけに
          ちょっとかわいそうだった。

          キミン・キムの客演は本日で終わり。
          次の公演はデニスとニナ(ポラコヴァ)で
          これは私は行けないので
          (パッパーノのマーラー6番を聴き逃すワケには行かない)
          次の公演は17日、ヤコブとオルガのカップリングになる。

          まだこの演目を追いかけるつもりの
          懲りない私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          ピーターパン @ フォルクス・オーパー(プレミエ)

          0
            Volksoper/Wiener Staatsballett 2019年5月11日 19時〜21時30分

            PETER PAN
            Ballett in zwei Akten nach der Geschichte von J.M. Barrie

            振付 Vesna Orlic
            音楽 Erich Wolfgang Korngold, Max Steiner, Franz Waxmann,
            Miklós Rózna, Bernard Herrmann, Leroy Anderson,
            Isaac Albéniz, Guido Mancusi, Sebastian Brugner-Luiz
            指揮 Wolfram-Maria Märtig
            音楽コンセプト Vesna Orlic, Gerald C. Stocker
            舞台・衣装 Alexandra Burgstaller
            ビデオ Andreas Ivancsics
            ドラマツルギー Monica Rusu
            リート・テキスト Marcus Everding

            ピーターパン Keisuke Nejime
            ピーターパンの影 Robert Weithas
            ティンカーベル Suzanne Kertész
            ウエンディ Mila Schmidt
            ジョン Lorenzo Salvi
            マイケル Timon Eis
            ミセス・ダーリン Ekaterina Fitzka
            ミスター・ダーリン Samuel Colombet
            ナニー Una Zubović
            キャプテン・フック László Benedek
            ミスター・スミー Patrik Hullmann
            タイガーリリー Tainá Ferreira Luiz
            タイガーリリーの兄 Felipe Vieira
            インディアンの長 Mamuka Nikolashvili
            ギター・プレイヤー Andrea Wild
            人魚 Kristina Ermolenok, Tessa Magda, Natalie Salazar
            海賊たち Marie-Sarah Drugowitsch, Kristina Ermolenok, Ekaterina Frizka,
            Dominka Kovacs-Galavics, Elena Li, Tessa Magda, Olivia Poropat,
            Natalie Salazar, Roman Chistyakov, Dragos Musat, Gleb Shilov, Felipe Vieira
            インディアン Maria-Sarah Drugowitsch, Kristina Ermolenok, Ekaterina Frizka,
            Elena Li, Tessa Magda, Natalie Salazar, Roman Chistyakov, Dragos Musat

            午後のウィーン・フィルのマーラー交響曲8番は
            明日も聴きに行く予定なので、まずは置いておいて
            フォルクス・オーパーのプレミエ「ピーターパン」へ。

            実はちょっと贅沢して、天井桟敷じゃなくて
            (プレミエだから割引効かないんだけど(汗))
            バルコンの席を買った。
            乗り出している若い女の子が前に2人いたのには参ったが
            子供(あるいは若い子)の多い公演では有り勝ち。
            (親が注意しろ!!!← 心の中の声)

            まずは最初からびっくり。
            え?私、映画館に来たんだっけ?

            フォルクス・オーパーがお送りするピーターパン
            という、オールディには懐かしい映画のオープニング。
            キャストが続いて上演されて
            それがナマのオーケストラで華やかに伴奏されるので
            最初からワクワクする。

            その後、画面を写したままで
            ミスター・ダーリングとミセス・ダーリングの
            結婚式、妊娠、子供が生まれたところなどを
            古い白黒の写真で見せて行く。
            (正直、家族を持たない選択をした私は
             あ〜、そりゃファミリー向けだからね、と
             ちょっとげっそりしたけど、それは個人的な事(恥)であって(以下省略))
            スクリーンの向こう側に
            その画面ごとに
            ミスター・ダーリングとミセス・ダーリングの幸せそうな姿も見える。

            オープニング・シーンの後は子供部屋。
            色々あって、夜になって
            ピーターパン登場!!!

            これも、ビデオを使って、窓の外から
            だんだん近づいてくる様子を見せてから入ってくるので
            何というか、うわああ、リアルさが凄い。

            ピーターパン役の根占啓祐が
            ピッタリ役柄にハマっていて最高!!!!
            正にこれぞピーターパン。
            表情も豊かで、いたずらっ子っぽい振付と相まって
            何と魅力的なピーターパン。

            しかも、この演目、振付はモロにクラシックだ。
            ストーリーの中に必然的な動きとして出てくるから
            自然に見てしまうけれど
            ジャンプやピルエット、マネージュもザンレールも
            クラシック・バレエで驚異の技が
            あちこちに散りばめられていて
            それが「体操」になっていない、という見事さ。

            ピーターパンの影役のダンサーは
            ほとんど軽業師に見える(時代遅れな表現はお許し下さい)
            根占との PDD のダイナミックさは
            男性ならではだし
            ストーリーの中で見ても、技として見ても、ともかく魅せる。

            ナニーに任せて子供部屋を後にした
            ダーリング・カップルの
            ロンドンの市街灯のシーンで見せるダンスも
            すごく雰囲気があって良い感じ。
            子供も作って安定して来た中年のカップルの
            落ち着いた愛のシーンがジンジン来る。
            (実は後半にあるシーンの前触れ(笑))

            ネバーランドのフック船長が

            ちょっとこれ、スゴイ!!!

            と大文字に赤文字で書いちゃうくらい
            キャラクターとしては
            場合によってはピーターパンを喰ってしまうくらいの強さ。

            左手のカギもそうなんだけど
            右足の膝から下を義足っぽくしていて
            その足を軸足にして、ポワントっぽく踊ってしまう。

            ダンサーとしては非常に不自然なバランスになる筈だが
            これを自然に楽々とやってしまい
            怒った時の演技や
            イライラしている時の仕草や表情が面白くて
            だいたい、振付がむちゃくちゃユーモラスで
            これ、振付師、ものすごく楽しんでやっただろう
            というのがモロわかり(爆笑)

            ネタバレになるけれど
            後半に、フック船長が、1人、寝室にいるシーンがあるのだが
            これがもう・・・うわははははははは
            いや、やっぱりネタバレになるから書けない。
            しかし、私、こんなに笑ったの数日振りかも。
            (周囲の上品なご年配のお客様方も、声を出して笑っていた)

            や〜ん、フック船長、全然憎めないキャラ。
            あまりにお茶目過ぎて、キュート。

            忠実でこれもコミカルな部下のスミーが
            身の回りの世話をするシーンは、ともかく傑作だし
            サプライズありで、笑えるし
            いやもう、本当に可愛いキャラを巧く演じているのは見事。

            ティンカーベルの嫉妬ぶりもスゴイけれど
            (子供でも嫉妬するのね(笑))
            ピーターパンが、ご機嫌を取りながらも
            他の女の子(ウエンディやタイガーリリー)に
            色目を使っているのも
            あ〜、やっぱりやんちゃな男の子って感じ。

            インディアンのシーンは多少冗長に感じないでもなかったが
            全体的なテンポは非常に良くて
            場面転換の時に、前で小さなスケッチを踊らせるのも良いアイデア。

            そうそう、そこで
            深夜にパーティから帰る
            ミスター・ダーリングとミセス・ダーリングの場面。
            ミスターが疲れ切って
            ステッキを支えに眠ってしまいそうになるのを
            まだまだ元気一杯なミセスが叩き起こして
            フラフラのミスターは、頑張ってミセスのご機嫌とりをしながら
            また眠ってしまいそうになる、という
            なんだか、ものすごくありがち(笑)

            いやもう、めちゃくちゃ楽しかった。
            隣の年配のおじさま
            小さな声で「ブラボ」と呟いていた。
            (私も無意識に言っていたかも・・・)

            これは子供が見ても大人が見ても
            (子供の退屈した声はほとんど聞こえず
             みんな夢中になって見ていた)
            クラシック・バレエのファンが見ても
            映画ファンが見ても
            ミュージカル・ファンが見ても
            (子供のコーラスは入る。絵柄的には非常にミュージカルに近い)
            徹底的に楽しめる演目。

            ワタクシ的な勝手な予想だが
            このキャストの水準でやるなら
            以前のカルミナ・ブラーナと同じように
            大人気の演目になるのではないか・・・

            できれば、何回も行きたい!と思う公演なんだけど
            そういう演目に限って
            他のコンサートとぶつかったりとかで
            なかなか行けないのが残念な私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            最初の映画のキャスティングには
            ダブル・キャストで書いてあるので
            ダブル・キャストのメンバーもわかるのだが
            これは、根占啓祐クンあってこその演目かも・・・

            プロモーション・ビデオ(ドイツ語)を貼っておくが
            この画面からだと、どんなに面白いか、想像がつかないかも(笑)


            「海賊」国立バレエ 今シーズン2回目

            0
              Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
              2019年5月10日 19時〜21時40分

              LE CORSAIRE
              Ballett in drei Akten
              振付 Manuel Legris
              舞台・衣装 Luisa Spinatelli
              照明 Marion Hewlett
              ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
              音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
              zusammengestellt von Igor Zapravdin
              指揮 Valery Ovsianikov

              Conrad : Kimin Kim*
              Médura : Maria Yakovleva
              Gulnare : Liudmila Konovalova
              Lanquedem : Mihail Sosnovschi
              Birbanto : Davide Dato
              Zulméa : Ioanna Avraam
              Seyd Pascha : Eno Peci*
              Drei Odalisken : Nikisha Fogo, Natascha Mair, Nina Tonoli
              Korsaren: Leonardo Basílio, Marian Furnica, Andrés Garcia Torres,
              Gaetano Signorelli, James Stephens, Andrey Teterin,
              Narvin Turnbull, Arne Vandervelde
              Pas des Forbans: Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Marian Furnica,
              Andrey Teterin
              Walzer: Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Eszter Ledán, Rikako Shibamoto

              今回のプログラムには
              堂々と24回目、と書いてあって
              おかしい、これはおかしい 🤔 と思っていたら
              国立オペラ座のアーカイブ見たら
              日本公演もスペイン公演もカウントされていた。
              国立オペラ座だけの回数で見れば
              今回が15回目。
              私は今回が9回目の鑑賞なので、まぁ、50%は越えている。
              (そんな事に拘ってたのか?とか思う人もいるだろうが(笑))

              ここ3日くらい、サボったというか
              実は本当にぽっかりとナイト・ライフが空いてしまい
              だったら勉強しろ、とか思うのだが(あ〜、以下省略)

              さて、今回の「海賊」は
              何と何と何と、マリイインスキーのプリンシパル
              キミン・キムがコンラードを踊る!!!!

              第一幕のソロから悶絶・・・

              いや、申し訳ないけど
              もう、他のダンサーと格が違うというか
              身体能力も音楽性も
              表現力も演技も、ずば抜けていて

              今までウィーンで観てきたコンラードは
              いったい何だったんだ(唖然)
              (とか言うとロベルトとかデニスのファンに殴られそうだが)

              キミン・キム狙いのバレエ・ファンも多かったらしく
              盛大なブラボーが飛び交い
              他のダンサーも雰囲気に釣られて
              今回は、今までの中でもベストの公演になった。

              マーシャのメドゥーラのナリキリ演技もすごくて
              パシャの前で踊るソロの
              あれだけ超絶技巧でありながら
              目線はコンラードに向けて、その時には輝く笑顔
              一転してパシャの方に目が向くと、すごくイヤな表情。

              ランデケムに連れられてパシャの前に出た時の
              あのツンケンした態度が
              ツンツン振りが尋常じゃなくて
              そんなところにゾクゾクする私も変だけど
              どうせ最初からそういう道を突っ走っているから良いのである(謎発言)

              で、メドゥーラに惚れたキミン・キムのコンラードが
              これまた、本当に愛を振りまくオーラがバンバン出ていて
              最初から最後まで
              本当にリアルなラブストーリーになってしまう。
              あの荒唐無稽な「海賊」で、本気のラブストーリーとは・・・

              キミン・キムのしなやかな肢体が
              ジャンプで宙を舞うところは、もう、何と言って良いのか
              だいたい、ソロでジュテで舞台に登場した時に
              まさに空中を飛んでくる印象で
              観客席がざわめいたもん・・・

              どのジャンプの高さも
              他のダンサーと比べ物にならず
              ピルエットの安定さ
              すべてのパの正しい位置と技術
              それをまた、楽々と見せてしまうという
              とんでもない運動能力の持ち主だが

              運動能力だけなら、サーカスでも良いわけで
              バレエ、特にルグリが目指した古典バレエは
              とことん芸術で
              しかも、このワケわからん「海賊」を
              テクニックだけではないラブストーリーに見せるという
              運動能力プラス芸術性、音楽性、演技力が
              ずば抜けていて

              メドゥーラとのパ・ド・ドゥの時の
              サポートの巧みさ、超絶リフトを軽々と

              あれだけ優秀なダンサーなのに
              自分の技を見せつけるよりも
              まずは女性のサポート役に徹して
              マーシャが最も美しく見えるポイントをキープ。

              ダンス・ノーブルという単語が
              あれほどピッタリとハマるダンサーが居るなんて。

              あ〜、もうキミン・キムから目が離せない。
              多少、目の下のアイラインが気になるけれど
              以前のメイクよりずっとマシだし

              王子さまではないし(「海賊」だ!)
              王子さまの気品を漂わせてはいけないのだが
              そういう余計なナヨナヨがなくて
              ワイルドなのに・・・ワイルドになり過ぎないバランスの良さ。
              女性のパートナーを立てる賢明さ
              さりげなく、苦労の一片も見せず
              完璧なジャンプとピルエット。
              (だいたいピルエットの速さが他のダンサーの2倍くらいで
               ジャンプの高さも2倍くらい(主観的な印象で)
               しかも安定さがすごくて・・・・)

              マーシャのキュートな演技力と
              すごい技術の裏打ちのあるダンスも迫力だったし
              リュドミラのギュルナーレがまた華やかで美しい。

              ランケデムのミーシャ!!!!
              いや、最高じゃないの!!!!!
              あの存在感と言い、演技の巧さと言い
              ちょい悪奴隷商人の、アクの強い役を見事に自分のものにしている。
              しかも、ミーシャの身体の柔らかさ
              着地の時の膝の柔らかさの素晴らしさ。

              オダリスクはこの間の公演と同じく
              ナターシャ、ニキーシャ、ニナ(トノリ)の豪華キャスト。

              ダヴィデの鋭いキレ味のダンスはビルバントにぴったり。
              キミン・キムのコンラードと対峙しても見劣りしない。

              いや、これ、最強のキャストじゃないの!!!!
              (この間の公演と同じ値段とは・・・(以下省略))

              同じキャストで13日。
              その後、15日がデニスとニナ、17日はヤコブとオルガ
              最後の公演(5月27日)がダヴィデとニキーシャで
              木本クンがビルバント役。

              27日の公演、観たいのだが・・・
              パリ管とハーディングで
              ブリテンの「戦争レクイエム」とぶつかるのだ(絶句)

              しかし、キミン・キムのコンラード観た後で
              この役を踊るダンサーって
              ちょっとキツイかも。
              ウィーンのバレエ・ファンって
              同じ公演に何回も行く人が多いからね(私みたいに(笑))

              でも、それぞれのダンサーに個性はある。
              キミン・キムは、もうはっきり言って別格で
              あ〜、マリイインスキーって凄い・・・

              あともう1回観られるチャンスがあって
              嬉しい私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              「海賊」国立バレエ 今シーズン1回目

              0
                Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
                2019年5月3日 19時〜21時40分

                LE CORSAIRE
                Ballett in drei Akten
                振付 Manuel Legris
                舞台・衣装 Luisa Spinatelli
                照明 Marion Hewlett
                ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
                音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
                zusammengestellt von Igor Zapravdin
                指揮 Valery Ovsianikov

                Conrad : Denys Cherevychko
                Médura : Nina Poláková
                Gulnare : Kiyoka Hashimoto
                Lanquedem : Géraud Wielick*
                Birbanto : Davide Dato
                Zulméa : Ioanna Avraam
                Seyd Pascha : Mihail Sosnovschi
                Drei Odalisken : Nikisha Fogo, Natascha Mair, Nina Tonoli
                Korsaren: Leonardo Basílio, Marian Furnica, Tristan Ridel, Gaetano Signorelli*,
                James Stephens, Andrey Teterin*, Narvin Turnbull*, Arne Vandervelde*
                Pas des Forbans: Gala Jovanovic*, Oxana Kiyanenko, Marian Furnica*,
                Andrey Teterin*
                Walzer: Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Eszter Ledán, Rikako Shibamoto*

                実は他にもダンサーは舞台一杯、どっさり出演するのだが
                (キャスト表のフォントがいつものプログラムより小さい(笑))
                すみません、ちょっと時間もないので省略するのをお許し下さい。

                今シーズン初になる「海賊」だが
                プログラム見たら、23回目の上演と書いてある。

                23回目?????
                私、ルグリ版の海賊はかなり観ていると思うんだけど
                そんな数多く上演してたっけ????

                そういう時にはウィーン国立オペラ座のアーカイブ。
                2016年3月20日が初演で
                2016年10月17日に13回目の公演と記載されている。
                ・・・という事は、今回の上演って、14回目じゃないの?

                そういうプログラムの記載間違いは、オーストリアではよくある事。
                どうせ、誰もクレーム等は挙げて来ないし
                クレーム入っても、今更どうにも出来ない事だしね。
                (次の公演に24回目とか書いてあったら、それはそれで問題だが)

                アーカイブによると、最終公演が2016年の10月。
                今年が2019年・・・という事は2年半の間があったのか。
                ついこの間、初演見て、きゃ〜きゃ〜言っていた記憶があるのに
                時が過ぎるのは、本当に早い。

                コンラードがデニス、メドゥラがニナ(ポラコヴァ)
                グイナーレに橋本清香嬢で、ランケデムにジェローがデビュー。
                ビルバントはダヴィデ、ズルメアがイオアンナ。
                踊らない役のパシャをミハイルがやって
                オダリスクにニキーシャとナターシャにニナ(トノリ)!!!

                エクスクラメーション・マークは最後の行にのみ有効(笑)

                オダリスクのキャストは豪華だが
                それ以外は・・・(以下省略)
                いや、素晴らしいダンサー揃いなんだけど。

                デニスのコンラードは、ソロが素晴らしい。
                あの連続ジャンプを、あの高さで、あの技術で
                ほとんどアクロバットで飛ぶのは、現在ではデニスしかいないだろう。
                (ローベルトが踊る時には、あのジャンプの技術はないので
                 振付がちょっと違うのである、たぶん)
                踊る技術、体力、ピルエットの体幹の安定性、ジャンプの高さとかでは
                デニスはたぶん、現在のカンパニーの中でのベストだろう。
                (もしかしたらダヴィデはイケる・・・)

                ただ、どう見てもコンラードがメドゥラに惚れているようには見えない。
                メドゥラのニナ(ポラコヴァ)は、美しいラインを見せるし
                コンラードに惚れてます、という目をキラキラの演技を
                必死にしているのだが
                何だかコンラード、全然メドゥラに目が行ってないし(笑)
                だから、ちょっとちぐはぐに見えてしまうのは残念。

                ランデケムのジェローはワイルドさ満杯で
                街の不良のボスに見える。まぁ、奴隷商人だからそれで良いのだが。
                身体は柔らかいし、膝の柔らかさは素晴らしいし
                頑張って踊っているんだけど
                まだ、ちょっと役が重過ぎる感じが否めない。
                演技は出来るし、悪役気取りもイケるので
                慣れて来たら良くなってくるかもしれない。

                ダヴィデのビルバント役。
                ダヴィデって・・・なんか、ずいぶん細くなっちゃったんじゃないの?
                がっしりした下半身が特徴だったのに
                3サイズくらい縮んだ印象。
                その分、以前からキレの良かったダンスは
                ますますキレが良くなっている、というのはある。

                橋本清香嬢のグイナーレ
                美しいダンスに美しい身体のライン
                パシャに惚れた色気がどうだろう?と思っていたけれど
                惚れた喜びの中に、チラチラと今までにない色気が出ていて
                ちょっと驚いた。
                あんなに魅惑的な表情をする人だったっけ。

                イオアンナのズメアが、思っていたより、ずっと良い。
                リズムにも乗っているし、もともとダンスは巧いし
                それに、ズメアという、ちょっとエキゾチックな役に
                イオアンナの個性が合ってる。

                オダリスク ♡♡♡
                2人のプリンシパルにソリストという豪華キャストで
                ナターシャとかプリンシパルになったら
                この役、踊らなくなるんじゃないかと思っていただけに
                嬉しいサプライズ。

                ニキーシャの現代的なキレッキレのダンスは
                オダリスクに向くんだろうか、と心配していたが
                え〜っ、ニキーシャが流し目してる!!!
                ナターシャの影響か???(勝手に推測)
                何だかむちゃくちゃキュート。

                ナターシャの流し目も健在(笑)
                キュートさは相変わらず。
                ニナ(トノリ)は、いつまでたっても初々しい印象で
                癖のない素直な無邪気なラインで、ものすごく好き。

                クラシック・バレエを知り尽くしたルグリ監督が
                クラシック・バレエの最も美しい形を
                惜しみなく舞台の振付に活かしてくれている演目なので
                久し振りのストーリーありクラシックが楽しいが
                フォーサイスとかキリアーンの後だと
                ちょっとオールド・スタイルだなぁ、という感じはする。

                ダンサーもモダンもクラシックも並行して踊る事になって
                本当に大変だと思う(身体の筋肉、使うところが違う感じだし)

                本日のオーケストラは
                なかなか凄まじくて、苦笑した。
                まぁ、バレエでは時々ある事なので
                もう何も言いませんが(諦めきってる)
                ダンサーはカウント取りにくかっただろうなぁ。

                5月にはこれから7回、この海賊の公演がある。
                皆勤賞は無理だけど(笑)
                これからも何回かは追いかける予定の私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                フォーサイス、ファン・マネン、キリアーン 3回目

                0
                  Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
                  2019年4月30日 19時30分〜21時45分

                  FORSYTHE / VAN MANEN / KYLIÁN

                  ARTIFACT SUITE
                  振付・舞台・衣装・照明 William Forsythe
                  音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo Nr. 2 d-Moll BWV 2004
                  Chaconne; Eva Crossman-Hecht
                  ダンサー
                  Madisson Young - James Stephens
                  Natascha Mair - Davide Dato
                  Iulia Tcaciuc
                  Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butschko, Laura Cislaghi,
                  Venessza Csonka, Sveva Garguilo, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko,
                  Zsófia Laczkó, Ester Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee, Katharina Miffek,
                  Suzan Opperman, Xi Qu, Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman,
                  Rikako Shibamoto, Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo, Madisson Young
                  Leonardo Basílio, Giovanni Cusin, Marian Furnica, Andrés Garcia Torres,
                  Trevor Hayden, Igor Milos, Gabor Oberegger, Hanno Opperman,
                  Kamil Pavelka, Tristan Ridel, Gaetana Signorelli,
                  James Stephens, Navrin Turnbull, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

                  TROIS GNOSSIENNES
                  振付・舞台・衣装 Hans van Manen
                  音楽 Erik Satie
                  衣装 Oliver Haller
                  照明 Jan Hofstra
                  ピアノ Laurence Lisovich
                  ダンサー Liudmila Konovalova - Robert Gabdulin
                  Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Hanno Opperman

                  SOLO
                  振付 Hans van Manen
                  音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo h-Moll BWV 1002,
                  Corrente - Double
                  舞台・衣装 Keso Dekker
                  照明 Joop Gaboort
                  ダンサー Richard Szabó, Dumitru Taran*, Arne Vandervelde*

                  PSALMENSYMPHONIE
                  振付・照明コンセプト Jiří Kylián
                  音楽 Igor Strawinski
                  舞台 William Katz
                  衣装 Joop Stokvis
                  ダンサー
                  1. Paar: Maria Yakovleva - Andrey Teterin
                  2. Paar: Nikisha Fogo - Dumitru Taran
                  3. Paar: Kiyoka Hashimoto - Davide Dato
                  4. Paar: Ioanna Avraam - Masayu Kimoto
                  5. Paar: Nina Tonoli - Navrin Turnbull
                  6. Paar: Rikako Shibamoto - Giovanni Cusin
                  7. Paar: Anita Manolova - Marian Furnica
                  8. Paar: Alaia Rogers-Maman - Tristan Ridel

                  途中の公演に行けなかったので3回目の鑑賞だが
                  オペラ座では5回目の上演となるモダン・ダンス。

                  最後のフォーサイスのアーティファクト・スイートのキャストが
                  豪華すぎる!!!!
                  マディソンとジェームス、ナターシャとダヴィデのソロって
                  どちらのカップルにオペラ・グラス(望遠鏡)の焦点を当てたら良いのか
                  2組とも、あまりに素晴らしい。
                  そのしなやかさ、優雅さ、音楽性、どれを取ってもベスト。

                  マディソンのダンスにおける身体表現の絶妙さには目を剥く。
                  バッハの無伴奏組曲だが
                  リズミックな部分での表現と
                  メロディックな部分での表現が見事に演じ分けられているのは
                  あれは、本当に天性の音楽性なんだろうなぁ。

                  もちろん本人の努力も尋常ではないだろうが
                  ああいう芸術表現は
                  もともとの才能がない人が努力しても
                  絶対に到達しない領域に属するものだろうと思う。

                  このフォーサイスの作品、観れば観るほど好きになる。
                  何という美しい作品なんだろう。
                  透明な抽象的感覚が、洗練の極みを尽くしていて
                  研ぎ澄まされた美的センスが最高に発揮された振付。

                  前半部分でのマディソン+ジェームスと
                  ナターシャ+ダヴィデのカップルのソロに目を奪われた後
                  後半のコールドが中心になるピアノの部分だが

                  あれ?マディソンが居る???
                  前半で、あのソロを踊って、後半ではコールドの中のソロ???
                  なにそれ、続けてあんなハードなダンスを踊って
                  全く疲労も感じさせず
                  見事な身体の表情で最後まで踊ってしまうって
                  ・・・若いとはいえ、どういう体力の持ち主なんだ。
                  (ブラック企業?というか(ごめん)ダンサー不足?というか)

                  イウリアのソロはちょっと地味。
                  全体のコールドのど真ん中を貫く直線みたいな役なので
                  できれば多少大柄なダンサーの方が映えたような気がする。
                  (以前のオクサーナ好きだった。ガラとかも合いそうな役なのだが・・・)

                  ファン・マネンの1つ目はリュドミラとロベルトのカップリング。
                  ベテランの2人で、テクニックは完璧で美しい。
                  (でもこういうクラシック・モダンって
                   フォーサイスの後だと、伝統的に見える。斬新なんだけど)

                  「ソロ」はリッチーとドミトルとアルネのコンビ。
                  ぷぷぷ・・・ あ、いや、なんだか、すごくコミカル。
                  もともと、コミカルな振りもちょっとはあるんだけど
                  あんなお笑いの作品だったっけ。

                  リッチーのダンスが一番キレが良かった、というのも何だか・・・
                  全体的に地味でコミカル要素が目立った印象を残す。
                  (そういう作品なのかもしれないけど)

                  最後の詩篇交響曲。
                  このストラヴィンスキーの曲って
                  聴けば聴くほどに味が出て美しさがわかってくるような感じ。
                  フォーサイスも、このキリアーンもそうだけど
                  何回観ても、いや、観る回数が増えれば増えるほど
                  その構成の妙、美しさ、美学が心に響いてくる。

                  ラウダチオの部分のダンスと音楽の融合。
                  何回観ても、観れば観るほどに
                  神聖なものが舞台に宿るような不思議な感覚を覚える。

                  残念ながら、今回が最終公演。
                  う〜ん、あと数回観たかったなぁ。

                  5月はルグリ振付の「海賊」
                  とことんクラシックで超絶技巧満載の派手な演目で
                  これもせっせとチケットを買ってある私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  ロイヤル・フランダース・バレエ団 シェルカウイ

                  0
                    Festspielhaus St. Pölten 2019年4月26日 19時30分〜21時20分

                    Ballet Vlaanderen
                    Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                    L’Oiseau de Feu
                    振付 Sidi Larbi Cherkaoui
                    舞台・照明 Willy Cessa
                    衣装 Tim Van Steenbergen
                    ダンス Vlaanderen Ballet
                    音楽 Igor Strawinski (L’Oiseau de Feu)
                    指揮 Yannis Pouspourikas
                    オーケストラ Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                    Exhibition
                    振付 Sidi Larbi Cherkaoui
                    舞台・照明 Tim Van Steenbergen
                    照明デザイン Fabiana Piccioli
                    ドラマツルギー Koen Bollen
                    ダンス Ballet Vlaanderen
                    音楽 Modest Mussorgski, Maurice Ravel (Picture at an Exhibition)
                    指揮 Yannis Pouspourikas
                    オーケストラ Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                    Ballet Vlaanderen:
                    芸術監督 Sidi Larbi Cherkaoui
                    マネージャー Kiki Vervloessem
                    バレーマスター Joëlle Auspert, Gabor Kapin, Olivier Patey

                    シディ・ラルビ・シェルカウイとロイヤル・フランダース・バレエ団。
                    こういうのは、ウィーンでは観られないので
                    サンクト・ペルテン祝祭劇場が招聘してくれるのが嬉しい。

                    今日の午後は、同会場で2019〜20年のプログラムのプレゼンテーションがあって
                    それに参加した人も多かった模様。
                    (私はプレゼンテーションに参加する前に
                     来期のダンスのチケット(行ける公演だけだが)は既に購入済み)

                    2015年に初演されたシェルカウイ振付の「火の鳥」
                    ストラヴィンスキーの「火の鳥」は様々な振付師が
                    特色ある振付を競っている。
                    (フォルクス・オーパーでもやったよね。
                     スーパー・マーケット・バージョンで
                     木本クンが鶏の着ぐるみを着て登場した作品だった。
                     今のところ再演の見通しはなし(笑))

                    でもこのシェルカウイの振付は
                    バレエ版火の鳥全曲じゃなくて、組曲を使っている。
                    (よって、全体の上演時間は30分に満たない)

                    鏡付きの大きな衝立を使ったり
                    最初のシーンの女性が、すごい衣だったり
                    男性ダンサーの衣装が面白かったりするんだけど

                    これ、ストーリー・・・ないよね?
                    いや、私が見えていないだけか?
                    確かに、最初に鳥の羽を渡すシーンはあるし
                    その後、例の鳥の音楽で
                    女性ダンサーが群舞で飛んだり跳ねたりはするけれど

                    王子さまって誰?
                    カスチェイはどこ?
                    ツァレブナ王女は?

                    私の鑑賞方法が悪くて
                    (あるいは超貧民席なので、舞台が遠すぎて)
                    役を理解しきれなかったのかもしれないし
                    よく考えてみると
                    最初のシーンの若いダンサーは王子さま?
                    群舞から出てソロを踊っていた
                    むちゃくちゃ巧い、ちょっと丸顔の
                    ベテランだけどキュートな女性ダンサーが王女さま?
                    大柄な男性がカスチェイだったのかしら???

                    でも、ストーリーがよくわからない。
                    群舞が多くて
                    そこからソロのカップルが出てくる事もあるが
                    カップルの周囲では、ずっと他のダンサーも踊っているので
                    オペラ・グラスでソロのカップルだけを観ているわけにいかない。

                    モダンな舞台と、不思議な衣装ではあるけれど
                    踊っているダンスそのものは
                    かなりモダン・クラシックに見える。

                    クラシックに典型的なソロとか、ジャンプとか
                    ピルエットとかのソロの見どころは
                    あるんだけど、コールドが一緒に踊っているので埋もれてしまう。

                    超絶技巧のリフトとかもあるのに
                    全員が同じリフトをやったりするので
                    あまり超絶技巧に見えて来ない。

                    なんだか、クラシックなダンスだし
                    だったら、クラシックっぽく、ちゃんとソロの見どころを
                    ソロだけで踊って欲しい(ソロならオペラ・グラスで見られるから)

                    しかも組曲だから短いし・・・
                    ちょっと燃焼不足なまま幕間に入り
                    後半はムソルグスキー(ラヴェル編曲版)の「展覧会の絵」
                    2018年5月に初演された作品。

                    舞台には額縁がたくさん置いてあって
                    女性ダンサーは長い丸スカート。
                    あれ?足元見えないけど大丈夫なのか?

                    ピアニストが、途中のプロムナードを奏で出す。
                    あれ? と思ったら
                    オーケストラが、輝かしいプロムナードを演奏し出す。

                    この作品、音楽の「展覧会の絵」の「絵」とは全く関係がない。
                    具体的な絵をバレエにしたのではなく
                    あくまでも音楽が醸し出すリズムとメロディを
                    ダンサーの身体で綴った感じ。

                    額縁は大道具として扱われて
                    ダンサーが移動させたり、立てたり、くぐったり
                    時々は大きい額縁の中にダンサーが入ったまま静止して
                    本当の絵画のようにもなる。

                    最初のシーンの長いラウンド・スカートの女性ダンサーたちの動きが
                    まるでマトリョーシカが床を滑っていくみたいで
                    ちょっとロシアっぽいし、人形みたいで、何だかキュート。
                    そうか、この衣装、そういう動きを目指したものだったのか。
                    (衣装替えは途中である)

                    チュイルリーとか、雛の踊りの時に
                    ダンサーが全員揃って、上半身(腕)だけで繰り広げる踊りは
                    音楽と合っていて、しかもユーモアたっぷりで
                    ものすごく面白かった。

                    ソロやデュエットも多くて
                    しかも、どうやったらそんなソロが?という
                    超絶技巧で、ほとんど新体操みたいなダンスもあって
                    見応えたっぷり。

                    クラシックの基本がなければ踊れないけれど
                    それだけでは踊れないモダンという
                    まぁ、今のダンサーって、どこまで様々なテクニックを
                    完璧に身につけなければならないんだろう、と思うと
                    現代のプロの世界の凄まじさにゾッとする。

                    その分、贅沢に慣れた観客は
                    どんどん鑑賞眼が肥えて、うるさくなるし(自爆)

                    音楽はオーケストラ・バージョンの忠実な順番通りの演奏ではなく
                    時々、ピアノのソロ(オリジナル・バージョン)が入る。
                    最後のシーンでは、薄いカーテンの向こう側に
                    ピアニストが見える。

                    そうなんですよ、この作品、最後のキエフの門で
                    華やかに終わるのか、と思いきや
                    その後に、ピアノのソロで古城のテーマが入ってきて
                    何とも言えぬ風情を残して終わるのだ。

                    ムソルグスキーの「絵画」に直接的に結びつくものではないので
                    その分、観ている方も、自由に妄想を爆発させる事が出来るし
                    すごいテクニックや
                    身体の美しさ、動きの美しさも堪能できる。
                    それに時々、何とも言えないユーモアがあって
                    シェルカウイの優しい目線、みたいなものを感じて楽しい。

                    オーケストラにも盛んにブラボー・コールが叫ばれていて
                    トーンキュンストラー、おらが村のオーケストラって感じで
                    地元の人から愛されているんだなぁ、というのが伝わってくる。
                    (演奏そのものについてのコメントは自粛。
                     よく頑張っていたと思う。)

                    前半ではクラシックの枠組みの中から飛び出す感じがなくて
                    あれ?と思ったけれど
                    後半の作品は、シェルカウイらしさが出て来た印象があって
                    とても楽しかった。

                    サンクト・ペルテン祝祭劇場がアップしてくれた動画を貼っておく。
                    最初が展覧会の絵、その後が火の鳥になっている。
                    (音楽聴けばすぐにわかるけど、念の為)



                    国立オペラ座やフォルクス・オーパーでのバレエも楽しいけれど
                    モダンなら、サンクト・ペルテンの祝祭劇場は外れがなくて素晴らしい。
                    (ウィーンにもダンス・クォーター(タンツ・クヴァルティーア)というのがあって
                     もっぱら現代のダンス・カンパニーの公演をやっているが
                     時々、あまりに前衛的でワケのわからんものもあるので)

                    帰りにいつもの高速道路じゃなくて
                    久し振りに西高速道路に乗ったら
                    意外に早く到着してしまって、ちょっとビックリした私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    フォーサイス、ファン・マネン、キリアーン 2回目

                    0
                      Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
                      2019年4月17日 19時30分〜21時45分

                      FORSYTHE / VAN MANEN / KYLIÁN

                      ARTIFACT SUITE
                      振付・舞台・衣装・照明 William Forsythe
                      音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo Nr. 2 d-Moll BWV 2004
                      Chaconne; Eva Crossman-Hecht
                      ダンサー
                      Nikisha Fogo - Jakob Feyferlik
                      Nina Polákova - Roman Lazik
                      Oxana Kiyanenko
                      Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butschko, Laura Cislaghi,
                      Venessza Csonka, Sveva Garguilo, Gala Jovanovic, Zsófia Laczkó,
                      Ester Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee, Katharina Miffek,
                      Suzan Opperman, Xi Qu, Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman,
                      Rikako Shibamoto, Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
                      Céline Janou Weder, Beata Wiedner, Madisson Young
                      Nicola Barbarossa, Leonardo Basílio, Giovanni Cusin, Marat Davletshin,
                      Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Trevor Hayden, Scott McKenzie,
                      Igor Milos, Hanno Opperman, Tristan Ridel, Gaetana Signorelli,
                      James Stephens, Navrin Turnbull, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

                      TROIS GNOSSIENNES
                      振付・舞台・衣装 Hans van Manen
                      音楽 Erik Satie
                      衣装 Oliver Haller
                      照明 Jan Hofstra
                      ピアノ Laurence Lisovich
                      ダンサー Maria Yakovleva - Jakob Feyferlik
                      Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Hanno Opperman

                      SOLO
                      振付 Hans van Manen
                      音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo h-Moll BWV 1002,
                      Corrente - Double
                      舞台・衣装 Keso Dekker
                      照明 Joop Gaboort
                      ダンサー Denys Cherevychko, Richard Szabó, Géraud Wielick

                      PSALMENSYMPHONIE
                      振付・照明コンセプト Jiří Kylián
                      音楽 Igor Strawinski
                      舞台 William Katz
                      衣装 Joop Stokvis
                      ダンサー
                      1. Paar: Ketevan Papava - Roman Lazik
                      2. Paar: Nikisha Fogo - Denys Cherevychko
                      3. Paar: Kiyoka Hashimoto - Davide Dato
                      4. Paar: Nina Polákova - James Stephens
                      5. Paar: Nina Tonoli - Navrin Turnbull
                      6. Paar: Rikako Shibamoto - Leonardo Basílio
                      7. Paar: Anita Manolova - Marian Furnica
                      8. Paar: Gala Jovanovic - Tristan Ridel

                      現代の音楽好きの学生ならば
                      小学校高学年から中学校に入るくらいの時期に
                      みんなシンセサイザーで遊んでいた筈で

                      生まれて初めてシンセサイザー・プログラミングを見た
                      60歳過ぎのババアなんて
                      もう、どうしようもない存在だと思うのだが

                      世代が違う私の父は
                      60歳で引退してからコンピュータ学校に行って
                      (まだプログラムが MS DOS だった頃の話!)
                      一時期送られて来ていた手紙が(当時はメールはなかった、航空便のみ)
                      DOS が、サイン、コサイン、タンジェントが・・・という
                      30年前の私には、さっぱりわからない内容だった事を考えると
                      ウチの父方の家系には
                      引退したらヘンな事を始めるという血が流れているのかもしれない。

                      シンセサイザーで頭が一杯になったら
                      久し振りに偏頭痛が復活して
                      吐き気はするわ、空欠伸は出るわ、気持ち悪くて
                      オペラ座まで行くのもしんどい状態だったのに
                      やっぱり足はオペラ座に向いてしまう私も、業が深い・・・

                      モダン・バレエにもかかわらず
                      客の入りは悪くない。
                      プロモーション・クリップが出たので貼っておく。



                      2回目の鑑賞だが
                      最初のフォーサイスの作品
                      初めて見た時には、記号的、象徴的で混乱したのだが
                      2回目に見ると、この作品、すごく好きかも。
                      最初のバッハの無伴奏バイオリン組曲で
                      カップルが中心になるシーンよりも
                      後半のピアノのバリエーションでの
                      ソリストやハーフ・ソリスト、コールドが踊る部分が、とても好き。

                      私のいつも買う超貧民席からだと
                      視線が上からになるので、全体の動きの鮮やかさがよくわかる。
                      ほとんど機械的なダンサーの動きで語られる抽象的な物語は
                      キリアーンの作品とはまた違う別世界へ観衆を誘う。

                      とは言え、これ、バレエ鑑賞の初心者には
                      結構、難しい作品かもしれないなぁ。
                      ロジェの貧民席の人たちは
                      チケットが安いせいもあるけれど、途中で退席する人も多い。

                      本当に不思議な作品なのである。
                      機械仕掛けの人形みたいなところもあって
                      こういう仕掛けのミニチュアあったら、絶対に買う、とか
                      ついつい、けしからん事を妄想してしまう。

                      群舞の中でも、何人かのまとまったソロがあって
                      マディソンの目立つ事・・・
                      いや、群舞の統一感には全く影響はないのだけれど
                      一つ一つのパの動きが鮮やかで
                      背中の表情が、見事な語りかけをして来るし
                      一緒に踊っている他のダンサーから
                      ほとんど浮き上がって見えるくらいの素晴らしさ。

                      幕間の後のマネンの作品の
                      ヤコブとマーシャの写真は
                      プログラムの表紙にもなっているし
                      遅ればせながら、大きな写真でのプロモーションを
                      やっと市内で発見。

                      サティの音楽で語られるバレエの動きの美しさ。
                      透明感に、クラシック・モダンが息づいている。
                      こういうものを踊れるダンサーが居るって、素晴らしい。

                      でも私が好きなのは
                      次の「ソロ」という作品。
                      3人のダンサー(デニス、リッチー、ジェロー)が繰り広げる
                      贅沢なソロの世界は
                      それぞれのダンサーの持ち味が出ていて
                      ちょっと笑える。

                      妄想的には
                      デニスがお取引先の、甘やかされた二代目若社長で
                      リッチーが、取引している会社の課長で
                      ジェローがリッチーの会社の、おっちょこちょいの新人社員
                      ・・・っていう感じ(すみません)

                      デニスのポーズの決まり方の美しさ
                      ジェローの流れるような早いパの、素早いユーモアに満ちたしぐさ
                      リッチーの弾むような動き
                      それぞれのタイプの動きをしながらも
                      3人が分断しているソロが、一体感を持ってソロとして成り立つと同時に
                      多様な3つのソロをも成立させている、という見事な作品。

                      これ、確かヌレエフ・ガラで一度やったんだよね・・・
                      あの時は木本クンがダンサーの1人だった。
                      今回は木本クンが出られなくて残念。

                      最後のイジー・キリアーンの作品は
                      この間も書いたけれど
                      宗教曲を使っている、という要素はあるにせよ
                      本当に、ものすごく神聖なものが
                      舞台に降り立っているような気分になる。

                      畏怖さえ引き起こす、あの美しさは何なんでしょうね。
                      最後のラウダチオの音楽とバレエが一体化した美しさは
                      神聖、という言葉以外で表現するすべを私は持たない。

                      これこそ言語化できない
                      表現芸術そのものなのだろうなあ。

                      ダンサーの皆さま
                      ご自分で自覚あるかどうかは
                      見ている方からはわからないけれど
                      あなた方の創り出している世界は
                      何ものにも代えがたい
                      とことん神聖な印象を
                      我々、見ている者に与えます。

                      この素晴らしい作品を
                      全身で体現してくれたダンサーたちに感謝しつつ
                      やっと効いてきた薬にも感謝しつつ
                      ちょっとフラフラで帰宅した私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      calendar
                         1234
                      567891011
                      12131415161718
                      19202122232425
                      262728293031 
                      << May 2019 >>
                      PR
                      ★コンタクト・メイル★
                      メイルはこちらへ
                      ブログランキングに1クリックお願いします
                      selected entries
                      categories
                      archives
                      recent comment
                      recommend
                      links
                      profile
                      search this site.
                      others
                      mobile
                      qrcode
                      powered
                      無料ブログ作成サービス JUGEM