アルヌルフ・ライナー美術館 エミーリオ・ヴェドヴァ展

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    療法士さんの病欠で
    午後のセラピーがキャンセルになった木曜日。
    昼食後に、張り切って向かったのは

    アルヌルフ・ライナー美術館

    入場料は8ユーロだが
    ガイド・ライセンス持って行って
    タダで潜り込む厚かましいワタシ・・・

    アルヌルフ・ライナーは
    上書き絵画で有名になった
    バーデン生まれの画家で
    かなりのアンファン・テリブルだった。

    ライナーの作品も展示があるけれど
    4月5日まで、エミーリオ・ヴェドヴァの特別展が開催されていて

    これが圧倒的・・・

    音楽に限らず、美術でも
    現代芸術は、本当に面白い。

    以前も書いたかもしれないけれど
    もちろん、伝統的な芸術は素晴らしい。

    時を経て残ったものには
    それなりの価値もあるし
    芸術が大衆化する前は(悪い意味じゃないです)
    鑑賞者を楽しませるという目的で作られたものが多い。

    近代以降の芸術は
    「わからない人は見なくて(聴かなくて)良いです」
    という、ある意味、鼻持ちならない芸術家の矜持で

    ワケのわからん芸術が
    パトロンならぬ政府の補助金によって促成され

    一部の「ワタクシ、インテリですので、大衆と違うのよ」
    のような意識のある、選別された(と思い込んでいる)観客が
    ありがたがって、それを鑑賞するという
    不思議な図式が誕生している

    ・・・とか断定的に書いちゃうと
    いや、それ、違う、というご意見もあるだろうし
    皆さまの反感を買うのは充分にわかっておりますが

    すみません、何を言いたいかというと

    現代芸術は、鑑賞者の積極的な関与によって
    はじめて作品の意味が成立するんじゃないか、とか
    厚かましいワタクシは思ってしまうわけです。

    芸術家が聞いたら
    ふざけんな!と激怒されて
    殴られそうだけど・・・

    今回の展覧会では、大きい作品も数多く出展されていて
    絵を見たい人は このサイト
    右の方の IMAGES をクリックすると
    ルーム5ヶ所の絵が見られるようになっている。

    で、これらの絵って
    どう見たって、最初の一瞥だと
    殴り書きにしか見えないじゃないですか。

    ルームを一緒に撮影しているので
    真正面から見た絵画が5番目のルームの写真にしかないのが残念。

    殴り書きなんですよ、いわゆる「現代芸術の抽象画」なんですけど
    時間の余裕もあったし
    チラ見で通り過ぎるんじゃなくて
    じっくり一つ一つを鑑賞してみたら

    これが面白いというか
    もちろん、色の使い方とか、筆の方向とか
    技術的に、鑑賞者の視線を持って行く力も凄いのだが

    あのね、空に浮かぶ雲を見ながら
    あっ、あれはアイスクリームだ、とか
    龍が飛んでいる、とか
    妄想に浸った事はありませんか?

    そういうのが好きな人には共感してもらえると思うのだが
    じっくり時間をかけて観ていると
    何だか不思議な世界が、そこに突如として出現するワケです。

    ちょっとした筆遣いで
    絵の中に歪んだ異空間が出現していたり
    不思議な生物が蠢いていたり
    過去と現在が、時空間の中で自由に行き来していて
    ただの(失礼!)抽象画が
    突如として、ナラティブな世界を表出してしまうのだ。

    当該の作者に言わせたら
    俺の絵を、そういう妄想で勝手に解釈するな
    と怒られそうだけど
    ヴェドヴァはもう亡くなっているから文句は言えまい(こらっ)

    それをやり出したら
    もう面白くて面白くて、止められない。
    ずっと観ていると
    一回、あ、これかな?と思ったところが
    他の要素と絡まり合うと、別の様相を見せて来たりする。

    妄想爆発 💥

    空の雲を鑑賞するようなやり方で
    現代芸術を鑑賞して良いのか、という非難もあるだろうが

    感受性とことんゼロに近いし
    芸術性は一切ないし
    美術史もやってないし
    絵画の基本的な事もわかってない
    ただの、ド・シロートのワタシが

    楽しく鑑賞しても良いじゃない(開き直り)

    ウィーンの美術史美術館や
    ベルベデーレのオーストリア絵画館などに行くと
    どうしても、まずは職業意識が先にたってしまい
    絵画を楽しむとか言うよりは
    「お勉強」みたいな気分になってしまうので

    その意味では、こういう現代美術を
    何の縛りもなく
    妄想爆発状態で見るのは、実に愉快な時間。

    ウィーン在住の皆さま
    バーデン線の終着駅ヨゼフ広場に面していて
    しかも、建物は昔の女性用浴場で(名残はかなりある)
    美しい建物だし

    ヴェドヴァの絵画、本当に面白いので
    時間があれば、ぜひどうぞ(まわし者ではございません)

    夜の文化生活は、まだ当分戻って来そうにないけれど
    せめて美術館が開いていてくれるのは有り難い、と
    (ネタが出来た、とかいうワケでは・・・・)
    つくづく思いつつ

    文化の香り高いブログを書こうとして
    思い切り、滑りまくった私に
    どうぞ本日も生暖かい1クリックをお恵み下さい。


    ヘンな美術館 MAK の(ヘンな)コレクション

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      合否はともかくとして
      今週の試験3つは終わったし

      残る1つの試験はレポート提出になって
      これは、1項目を除いて、早々と書いてしまったので
      最後の授業の分を追加して今週末に提出予定。

      出席も毎回しているし、発表もしたし
      授業でも結構な確率でしゃしゃり出ていたので
      不合格にはならないだろう。

      (2年生の時の演習で
       発表最高、レポートも最高だったのに
       授業中の発言頻度が少なかったので
       成績が1じゃなくて、2だった時はショックだった。

       だって、ほら、日本的感覚で言うと
       ワタクシのような趣味の引退学生が
       将来のある学生の勉学の邪魔をしてはいかん、とか思うじゃない。

       でも、どんどん邪魔しないと、自分の成績に影響があるなら
       邪魔することはやぶさかではない(こらこらこらこらっ!))

      今学期、実はあと3つ講義を取っていたのだが
      その試験(2つは口頭試問で、1つは筆記、もちろんオンライン)は
      3月の2回目の試験に挑戦する(かもしれない)

      あとは、3月末提出期限のセミナー論文が一つ。
      これは方向性は決まっているので
      文献探しと分析をして、形にしたいと思っている。

      実は、もう一つ、ゼミを取っているのだが
      ちょっと手に負えなくて(アホである)

      コロナ時代の遠隔授業でなければ
      アポを取って、対面で、泣きながら(ウソ)
      え〜〜〜ん、どうしたら良いでしょう?と
      可愛く(ウソ)助けを乞うと

      システムの先生方って、ものすごく親切なので
      間違いなくアドバイスをくれるのだが

      アホな私は1月の、データ処理+泣き落としの時期に
      他の授業の発表を2つ入れてしまったので
      データを見る時間もなく、はい、時間切れ。

      先生に「すみません、入院・手術のせいで
      時間的なプランニングに無理があったので
      ゼミを降ろさせて下さい」

      (手術後、たった3日で退院した奴が、ちょっと白々しいけど
       日本語には嘘も方便、という美しい言い回しが存在する)

      本題になかなか入らず
      引退学生の楽しい日常生活をレポートしてしまったが

      本題は

      ・・・マック

      ハンバーガーのマク○ナルドではなく
      私が、美しいスザンナの裸体の壁紙で周囲を魅了する
      愛するワタクシのマックブックでもなく

      MAK = Museum für angewandte Kunst

      応用美術博物館のこと。

      「応用」と称する美術館なので
      絵画ではなく、もっぱらデザイン関係や工芸品のコレクションが中心で
      過去には、東海道五十三次の全部の絵を展示した事もあるし
      日本のマンガを大々的に特別展にしたこともあるし

      何というか、ぶっ飛んでる博物館なのである。

      ウエブ・サイトは こちら 
      (英語で載せておくので、ドイツ語の人はDEをクリックして下さい)

      もちろん、現在は政府のロックダウン政策のせいで
      11月から2月末まではクローズで
      もちろん、その後も、開くかどうかは未定だが
      ここの Museum Shop には、ヘンなもの、いや、面白いものが多くて
      見ているだけでも笑えてしまうので
      ワタクシ的には、ぜひオープンして欲しい。

      で、もちろんこの MAK にも、オンライン・コレクションがある。
      左上に DE EN に加えて JP という言語選択まであって
      しめた!と日本語にして Asia のところを探すと
      何も出て来ないという、
      ワケのわからんオーストリアあるある現象が発生するので
      基本的には DE で探索して頂いた方がよろしいかと・・・

      (もし、このオーストリアあるある現象が直っていたら
       大したものだが・・・)

      Asia のところをドイツ語でクリックすると
      4031枚の浮世絵が出て来たりするが(おヒマな方は こちら

      ちょっとひっくり返るのが、デザインのコレクションで

      メガネのコレクションだけで522個って・・・・(絶句)
      上記のページ、下にスクロールしていくと
      ある時点から、メガネ・メガネ・メガネの大行進が出現する。

      メガネの森を彷徨うことしばし
      その後に突然、我々日本人の目をひくものが登場する。

       

      カード・ケースは1989年、仕切りファイルは中国製との情報が記載されている。

       

      同じブランドのノートは1990年、インドネシア製らしい。

      この4点、寄贈と書いてあるから
      誰かが博物館に贈り物として差し出したのだろう。

      ここまで書いて

      あっ、これ、この記事のタイトルがやばい(汗)
      この、世界的に超有名なブランドに「ヘン」と言ってしまったら
      このブログが名誉毀損で訴えられるかもしれない。

      あくまでも、ユーモアですよ、ユーモアです。
      どうぞ、同ブランド関係者の皆さま方、お許し下さい。

      で、当の超有名ブランドは
      ヨーロッパに進出しているのだが
      オーストリアには、まだない。

      博物館のカード・ケースを盗みに入るわけにもいかないので
      できれば、近いうちにウィーンにも支店を・・・・

      早々と成績が来た試験の結果が
      あんなに勉強したのに、むちゃくちゃ悪くて(ギリギリ合格)
      落ち込んでいるワタクシに

      どうぞ、本日も生暖かい1クリックをお恵み下さい。



      まだ、こういう、とんでもない記事が、あと1ヶ月は続くと思うと
      自分でもうんざりしているので(書くか書かないかはともかく)
      読者の皆さま、どうぞ、どうぞお許し下さいませ。

      美術館オープン・ソース

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        いやホントに
        来週の4つのテストのための勉強から逃げ回っていて
        ・・・すみません。

        美術館・博物館もロックダウンでクローズされていて
        その間に、お客さまを失うまい、と
        ビデオで作品解説をしたり
        作品をオープン・ソースで
        私用目的に使う事を許可してくれたり

        もう、涙ぐましい努力をしていらっしゃるのは
        音楽の世界と同じ。

        私の場合には
        ブログに写真は滅多に使わないが

        コンピュータの壁紙とかは
        まぁ、時々、気分によって変えたりしてはいる。
        ・・・数年に1回くらい。

        私が持ち歩いているのは
        最も軽いMacBookなのだが

        この壁紙には
        長年にわたり
        ティントレットのスザンナの入浴を使わせて貰っていた。



        美術史美術館所蔵の作品である。

        PC開けるたびに、周囲がギョッとしていたけれど
        このスザンナの匂いたつような輝く肌の美しさに
        装飾品や、水浴の水の表現のあまりの美しさに
        (覗き見している2人の老人のいやらしさもなかなかだが)
        ホントにこの作品、好きなんだもん。
        (美術史美術館で、かなり大きい本物を見ると圧倒される)

        だいたい、美術史美術館の絵画作品は
        コンピュータの画面(横サイズ)のものが割に少なくて

        私が大好きで、美術史美術館に行くたびに
        その前で身悶えしてしまう
        コレッジョのジュピターとイオとか
        (雲がもこもこ、と女性が喜んでいるシーンではございません。
         女性の顔のちょっと上の方を、よ〜くご覧下さい)

        パルミジャーノじゃなくて
        パルミニジャニーノの(いつまで経っても覚えられない)
        キューピッドの絵とか

        このフォーマットでどうやって壁紙にしろと?



        何故にオマエは裸が好きなんだ、と
        訝しく思う読者もいらっしゃるとは思うが

        裸が好きじゃない人間なんて、どこに居る?(開き直り)

        写真のない時代の貴族は
        寝室に、美しく芳醇な女性、じゃなかった、女神さまの絵画を飾って
        自分を奮い立たせて(以下自粛)

        ウィーン美術史美術館の代表的な絵画については
        こちらで、時代ごとの探索ができるし
        もし、もっと他の作品も見たいという方には
        こちらに、デジタル美術館があって、ビデオも見られるし
        作品も、かなり多くが私用ならDL可能。

        ウィーンには、美術館・博物館は山ほどあるので
        全部を取り上げるワケにはいかないので
        本日は、あと1つだけ。
        (後日、もう一つ、むちゃくちゃ面白いのがあるので
         これは試験後に(結果がどうであれ)書くネタにする予定)

        近代絵画のコレクションに強い
        (クリムトやシーレもたくさんある)
        ベルベデーレ宮殿内、オーストリア絵画ギャラリーの
        デジタル美術館はこちら

        ベルベデーレのオンライン・コレクションの充実振りと言ったら!
        (英語サイトがトラブっていたが、ドイツ語から行ける。 こちら

        この美術館の所蔵作品は絵画にとどまらず
        写真や彫刻、インスタレーション等もあり
        近代・現代作家まで網羅しているので

        ・・・時々、ギョッとする作品も結構あります(笑)

        1900年前後の風景画など
        ちょうどコンピュータの壁紙とサイズ的に合いそうなものが
        結構あって、楽しい。

        カスパー・ダーヴィッド・フリードリヒとか



        コロマン・モーザーとか



        リヒャルト・ハルフィンガーのアルト・アウゼーの景色とか



        裸じゃないじゃないか!
        と怒る人は・・・いないよね、きっと。

        試験勉強から逃げまくったせいで
        長年の私のコンピュータの壁紙が変わった

        ・・・なんて誰にも言えないけれど
        (ここで言ってるけど)

        いつになったら、また大学で
        授業中にコンピュータをパカッとあけて

        後ろからギョッとした雰囲気が流れてくる楽しみは
        (どういう楽しみ?)
        まだまだ、先の事になりそうで

        では、当分は風景画で・・・
        大学が対面授業に変わったら
        また裸の絵画を探してみよう

        あ、今の秘密です
        という、ネタなし状態も、ここに極まって
        それでも「書けばランキングの順位が少し上がるかも」と
        儚い希望を抱いているワタクシに

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。






        美術史美術館 ティツィアーノ

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          Kunsthistorisches Museum 2016年8月18日 18時30分〜19時40分

          読者の皆さま、ごめんなさい。
          音楽じゃないんです・・・(冷汗)

          ウィーンが世界に誇る美術史美術館は
          木曜日は夜の9時まで開館。

          しかもその上
          18時30分からテーマを決めた特別ガイディングがある。
          更に、何とこの特別ガイディングは無料なのである(これ重要)
          (註 入場料はかかります)

          18時30分って、会社が18時までは勤務時間だから
          かなり微妙な時間なのだが
          今日はどうしてもこのガイディングに参加したくて
          同僚に
          ごめん!!!少し早く出ても良い?と聞き
          17時55分に会社から飛び出て
          (たった5分かよ、とか言う方はサラリーマン生活を知らないだろう(涙))
          実に久し振りに美術史美術館へ。

          この美術史美術館、入場料は15ユーロだが
          実は年間パスというのがあって
          これが、たったの34ユーロ。
          (19歳から25歳までは更に割引が有効で19ユーロ!)

          しかも年間パスは
          美術史美術館本館、新王宮、宝物殿、馬車コレクション
          演劇博物館とインスブルック郊外のアンブラス城まで入れるのだ。
          (更に友人を連れていくと、友人含めて14ヶ月有効という利点もある)

          宣伝してしまったが
          実は私はこれは持っていない(すみません)

          一応、なんちゃってだが、ガイド資格があるので
          ライセンス持って見せれば
          オーストリアのほとんどの美術館や博物館はフリーパス。
          (ただし商工会議所登録費用が年間130ユーロくらいかかるけど(笑))

          さて、本日はティツィアーノのガイディング。
          ガイドさんがマイクを持って
          我々参加者(50名以上いた)はイアフォン・ガイドでゾロゾロと入場。

          ひえええええええっ(冷汗)
          美術史美術館って、よく絵の場所を変更するので
          記憶にある絵の場所と全く違うところに
          全く違う絵があって・・・ 焦るよ、これは。
          一度、またちゃんと行って、メモしておかないとヤバイわ、これ。

          ティツィアーノの初期作品、ジプシーのマドンナのルームには
          何故かベリーニが一つ掛かっていて
          ティツィアーノの絵画に対向するように
          ジョルジョーネがある。
          (両方ともベリーニの弟子。ジョルジョーネは若くして死んだ)

          ベネチア派の絵画の特徴として
          輝くような色があるが
          当時(16世紀)ベネチアは
          唯一、絵の具屋さんで色を購入できる都市だったそうだ。
          (オレンジ色=金色は猛毒だったんだって(笑))

          同時に貿易港として栄えたベネチアは
          東西の文化の交わる都市でもあった。

          ジプシーのマドンナという題名は
          これがコレクションに入った19世紀に
          マドンナの髪が黒かった事で名付けられたと言う。

          ベネチア派が、ロマンティックな景色を重要視したのは
          ベネチアには海以外に景色っぽいものが存在しなかったから、と聞いて
          ついつい笑ってしまった。
          まぁ、確かにそうだよね。
          人間、ないものに憧れるし
          当時は今のように気楽に長距離の旅行も出来なかった事だし。

          ティツィアーノのベネチア絵画の美人画は
          もちろんモデルは娼婦が多かったようで
          刺青の有名なヴィオランテもあるけれど
          ガイドさんはルクレチアの絵画の説明に重点を置いた。

          ルクレチアの衣装の表現と共に
          後ろの暗いところに居るのは
          間男ではなくて、自殺を見守る夫だったそうだ。
          ううう、そうなのか、そう言われればそうだよね。
          (というか、自分の妻の自殺を止めなくて良いのか?)

          すぐに別のルームに移動して
          そこにあったのは、イザベラ・デステの肖像画。
          (これ以前はクンストカマーにあった・・・汗)

          イザベラ・デステは美術関係のパトロンとして有名で
          肖像画もあちこちに依頼して描かせたようだが
          この肖像画を依頼したのは、60歳頃だそうで
          でも、画家は以前の肖像画などを参照して
          見た目の顔は・・・どう見ても10代(爆笑)

          当時の流行の先端を行くモード発信の女性だったので
          娼婦の肖像画の薄い衣装とは全く違う豪華絢爛な衣装を纏い
          頭にはトルコ風の帽子(これがイザベラのせいで大流行したらしい)

          ガイディングはその後
          フェリペの依頼によるポエジアに移る。

          神話のネタによるアルテミスとカリストの絵画。
          本来なら主人公のアルテミスが左下に小さく描かれていて
          アルテミスが中心に
          もちろんハダカでカリストを指差しながら怒っている(たぶん)
          カリストはよく見れば妊娠している。

          ・・・でアルテミスが多産をもたらす出産の守護神って
          よくわからんが
          (だってカリストって、アルテミスの怒りを買って
           熊に変身させられて、その後、ゼウスによっておおぐま座になったんだよね)

          いやしかし、ゼウスもアルテミスに化して近寄って
          カリストは知らずにやられちゃっただけなのに
          ゼウスの娘と妻の怒りをかって熊に変身させられてしまうなんて
          人生、不公平ですね、うん(勝手に怒ってるワタシ)

          貞潔の女神アルテミスがハダカで登場する絵画は
          それほど多いわけではないらしい。
          こういう女性ほど脱がしてみたく(以下省略)

          同じポエジアのダナエ(反対側の壁にある)は面白かった。
          ゼウスが金の雨になって降り注いだ、という話だが
          ティツィアーノの絵では、雨ではなくて
          本当に「金」(この場合はカネ、とお読み下さい)になってる(笑)

          金貨が山ほど降ってくるのを
          年老いた侍女が、うわ〜カネだカネだ、と大喜びで
          お皿に受け止めている横で

          ダナエが色っぽく恍惚の表情で見ているのは
          その上にある雲・・・・と思ったら

          雲の中にゼウスの顔があるじゃん!!!

          いやこれ、写真とかで絵を見ると割にしっかり見えるのだが
          本物の絵を見る限り
          ゼウスの顔は、じっくり探さないとわかりません!!!

          ポエジー2点の間に
          世界で初の職業肖像画と言われている
          ヤコポ・ストラーダの肖像画やエッケ・ホモの話。

          エッケ・ホモだが
          ベネチアの司教が赤い服で描かれているが
          これが帽子を被っていないのは
          当時、司教が帽子を取るのは
          自分より偉い身分の人の前だけだったという理由で
          イエス・キリストの前なので帽子を被っていないのだそうだ。

          まぁ、この絵画、トルコ人とか出て来るし
          更にはハプスブルク家の紋章まで登場する上
          階段のところにある布?にはティツィアーノのサインが
          堂々と入ってるしね。

          ティツィアーノは90歳近くまで生きたので
          作品数も多く
          人気のある作品に関しては
          ティツィアーノ工房で同じような絵が何枚も描かれたらしいが

          晩年の作品のニンフと羊飼いは
          色が暗くて、タッチが粗くて
          それまでの輝くような色がなくて、ちょっと驚くが

          ガイドさんの説明では
          当時はこういう色ではなかったような話もあって

          ティツィアーノの晩年のタッチが「粗く」見えるのは
          どうも、ティツィアーノ自身の視力が衰えていたのではないか
          という説もあるらしい。

          後ろの景色にある樹は、2本に見えるのだが
          よく見れば、1本で、それに何か動物が伸びて立ってる。

          美術史美術館のティツィアーノのコレクションは
          25点あるそうで、かなり大きなコレクションと言えるらしい。

          1時間ちょっとだが、充実したガイディングで
          話は面白いし、時代背景の説明もあって
          久し振りに堪能しました ♡

          このガイディング、ガイド学校に通っている人もよく来るので
          数人が必死にノートにメモしていた。
          本来は私もメモすべきなのだろうけれど
          この美術館をガイディングする時には
          ティツィアーノだけで1時間というワケにはいかないから(笑)

          あ、そう言えば、久し振りに
          ティツィアーノのブラボーが掛けられていて
          (1年ちょっと前は掛けられていなかった)
          実は何だかこのブラボーの謎めいた雰囲気が好きな私は
          おおお、やった ♡

          来週もベネチア絵画なのだが
          残念ながら会社のパーティで参加できないのが
          ちょっと残念な気分になっている私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          エッセル現代美術館 閉館決定

          0
            4月5日付け発表のニュースで
            ウィーン郊外クロースターノイブルクにある
            エッセル現代美術館
            今年7月1日を以てクローズするとの事。

            ショック・・・

            とは言え
            数年前に、この美術館の持ち主
            エッセル・ファミリーの企業の経営が上手く行かず
            コレクションをオーストリア連邦に買い取ってもらおうと
            依頼はしたものの

            冷たくオーストリア連邦から断られて
            かなり厳しい状況にある事は知られていた事実なので

            こういう日が来てしまうかも、というのは
            薄々感じてはいたのだが・・・

            プレス・リリースを読んでいたら
            約17年にわたって・・・とあって
            うわわわわ
            オープンの時から、もう17年・・・

            オープン直後に怖いもの見たさで行った私は
            方向音痴のために
            数回、美術館にたどり着けず(アホ)
            やっと何回目かで、迷わず到着するようになってから

            水曜日の夜6時〜9時の
            入場料無料の日に、何回、この美術館に行った事か。

            金を払わず現代美術を堪能していた
            こういう人が多いから
            美術館は潰れたのかもしれない(ちょっと反省中)

            面白かったんですよ、この美術館。
            本当に現在の前衛の最先端を行っていたから
            玉石混合で
            何じゃこれ?というものから
            ワケわからないままに、かなり感動する作品もあれば

            現代クラシックとも言える高名な作家の作品もかなりあって
            多少なりとも時代に洗われて名前が残った作品は
            強烈な印象を残すものも少なくなかった。

            若い芸術家たちのコンペティションもあって
            そこで選ばれた作品の展示もあって
            ビデオ・インスタレーションの素晴らしい作品もあった。
            (実は今でも、あれがスクリーン・セーバーになるなら
             お金出しても買いたいです)

            ウィーンにも、ミュージアム・クォーターに
            ルードヴィッヒ・コレクションと言う
            近代美術館はあるし(あくまでも「近代」で現代ではない)

            地下のベートーベン・フリース(クリムト)だけが有名な
            ウィーン分離派開館は
            今でも分離派(もちろん現代画家)の展覧会はやっているし

            楽友協会の隣のクンスト・ハウスでは
            クンスト・ハウスに属する芸術家たちの
            やっぱりワケのわからない展覧会をやってはいるから

            それなりに現代美術に触れる機会は多いのだけれど
            水曜日に仕事を早めに終えて
            会社から車飛ばして30分。
            郊外の静かなエッセル美術館で
            ほとんど人がいない現代的で簡素な建物の中で
            落ち着いて
            時々は大笑いしながら
            たまには、何じゃこれ?と顔をしかめながら
            あるいは圧倒的な迫力の前に言葉をなくして立ち尽くしたり

            そういう時間がなくなってしまうのは
            かなり寂しい。

            伝統的な美術のパトロンをしていた企業主が
            会社の業績の悪化で
            こういうメセナ活動を停止しなければならなくなったのは
            実に残念な事だが

            一回も入場料を払わず
            近代から現代に至る美術(ヘンなモノを含む)を
            17年にわたり堪能して来た、私のようなビジターも・・・
            以下省略
            何となく罪の意識が(汗)

            6月30日までに行くチャンスのある方は
            ぜひどうぞ。
            以前はマリア・ラスニックの絵が描かれた
            無料のシャトル・バスがウィーンからあったが
            (そう言えば、最近、あのバス見てない)
            クロースターノイブルクはバスも列車もあるし
            車で行くなら約30分。

            私も閉館になる前に
            ぜひもう何回かは訪ねてみたい。

            と言いつつ
            水曜日の夜のカレンダーをチェックしている
            とことん貧乏性な私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            自然史博物館

            0

              Naturhistorisches Museum 2015年5月27日 18時30分〜21時


              創立650周年を迎えるウィーン大学の

              特別展示会が、自然史博物館で行われていて

              夕方18時30分から

              キュレーターじきじきのガイディングを拝聴するチャンス。


              ウィーン大学の自然科学関係の展示品が色々あると同時に

              大学の変遷、学部(専攻学科)の移り変わりから

              現代の大学のコンピュータを利用した授業まで

              たっぷり1時間半、植物学、動物学、天文学から

              顕微鏡の発達史とか

              見事なガラス細工の海洋動植物の展示まで話を聞いた後


              21時までオープンしているから、と

              特別展示展から、常設展に移ったのが運のツキ・・・


              うははははは、なんだこの博物館!!!


              まず入ったとたんに不思議な既視感があるが

              これは美術史美術館と双子の建物なので(笑)


              入ったところが、鳥の剥製の部屋。

              おおお、すごい数の鳥の剥製が・・・・と

              次の部屋に行ったら、また鳥で

              更に次の部屋がまた鳥で

              (一つの部屋に私の住居が優に5つくらい入る大きさなのに)


              しかも展示が美しい♡

              まるで生きているかのように特徴を考慮して展示されていて

              うはははは、これ、面白いじゃないか。


              しかし鳥以外に何かないのか? ・・・と思ったら

              出ました、動物。

              しかも、象から小型動物まで

              これも、実に生き生きと展示されていて


              動物の部屋が、またもやズラズラ続く。


              いやもう、可愛いというか

              種ごとの展示になっていて

              私のような自然に全く興味のないシティ・ガールでさえも

              美術として観たって素晴らしい。


              で、鳥と動物で終わると思ってはいけない。


              当然、出てくるのが

              カエルとか蛇とかトカゲとか・・・これはホルマリン浸けが多いが

              ちょっと悪夢に出て来そうな数の爬虫類が

              ずらずらずらずらと展示されているのは

              え〜っとですね、人によっては気味悪いかも。


              魚になると、これは見ながら

              ああ、美味しそう(違!)


              サメだけは特別展になっていて

              サメの生態とか、牙とかが別途に説明と一緒に展示されていた。


              もちろん忘れてはならない海洋動植物もあるぞ(笑)

              珊瑚なんかは美しいし、クラゲとかタツノオトシゴとか

              名前も知らない不思議な生物も山ほどいる。


              美しいネオ・ルネサンスの建物の上から吊り下がっている

              クラゲのような不思議な生物とか(爆笑)



              更に動植物という枠内には

              蝶と蛾と、ハエにミツバチに、様々な昆虫が・・・・

              ハエの展示数なんてスゴイし

              小さなテントウ虫が大量にコレクションされている様もスゴイが

              昆虫の展示って

              どう見ても、高級用品店のボタンのコレクションに見える。




              これで終わりと思ってはいけない。

              化石のコレクションが延々と続いたのは通るだけにしたけれど

              鉱物の大々的なコレクションまである。


              しかも、いったい、このでっかい部屋が何室あるわけ?

              進んでも進んでも、全部鉱物。すべて石と宝石と

              いやいや、見ていて、美術として観たって素晴らしいし

              これを集め出したフランツ・シュテファンって

              偏執狂か(いやあの失礼)と思えるくらい

              ともかく


              すごい量・・・


              写真撮ろうかと思ったけれど

              あの量の石を見るだけで、ぐったり疲れた。

              (全部は見てません。というより全部説明されたら

               ガイディングだけで1ヶ月以上かかりそうなんだもん)


              カエルだのトカゲだのヤモリだの

              大量のヘビだののコレクションは

              恐怖映画に出て来そうだが(笑)


              意外や意外に面白いではないか。

              ハプスブルク家の変人・・・じゃなかった

              君主たちが集めた、すごい量の変人コレクションに

              現代に続く研究所が加わって

              生物全体、鉱物や化石などの壮大なコレクション。


              ミュージアム・ショップに入ったら

              あらら、ここにも

              動物のミニチュアとか

              ヘビとかカエルとかトカゲとかのミニチュアが・・・


              この間、オルト城でヘビだのカエルだののお土産を見たばかりなのに

              高度成長時代に東京で育ったシティ・ガールのワタクシが

              なぜ、またヘビのミニチュアを・・・

              (買ってオフィスに置こうかと真剣に考えたのは

               かなり田舎に毒されて来ている証拠かもしれない、うううう)


              これだけ展示物が多いと

              ガイディングとかの依頼を受けたら困りそうだが。

              (誰も依頼しません。どこの旅行会社もツアーに入れてない(笑))


              毎週水曜日は21時まで開館していて

              中のレストランがビュッフェ・ディナーを提供している。

              だから入った時に、すごく良い匂いがしていたのか。

              スタンダード・ビュッフェで46ユーロ(飲み物別)

              二人でデラックス・ビュッフェを取れば、飲み物込みで2人で126ユーロ。

              博物館の入場料も含まれているから、良心的な値段ではある。


              レストランはほとんど満杯だったけれど

              みんな食べる事に集中していて(ビュッフェです=食べ放題)

              誰も博物館の展示に行っていなかったので

              (まぁ、虫だのヘビだの見ながら食べても(笑))

              展示ルームは空いていて

              時々、気味が悪いくらいだったが


              この博物館の凄さというのは

              本当に行ってみないとわかりません(断言)


              ミュージアム・ショップで

              ヘビのミニチュア買う代わりに

              展示品トップ100という本を買ったので

              しっかり読んで、また行こう、と画策している私に

              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              ちなみに、最も有名な展示物と言えば

              ヴィレンドルフのビーナスだろう。


              写真はオーストリアのサイト aeiou から拝借。

              (自分で撮影する勇気がなかった)

              25000年前の豊穣の女神である。実際に観てみると感慨深い。



              現代芸術 エッスル美術館

              0

                多少自重しているこの頃(どこが?!)

                水曜日が空けば

                私の足が向くのは


                エッスル美術館


                オーナーの息子は現代音楽の作曲家で

                時々、現代音楽のコンサートでも作品を聴くけれど

                この一家は、現代芸術のパトロン一家なのである。


                しかも嬉しい事に、毎週水曜日の18時〜21時までは入場料無料。

                オフィスから車で20分位。美術館から自宅までも20分位なので

                ウィーン市内ではないけれど、行くのには便利。


                今日は朗読会をやっていたので

                (これも無料だが、ブンガクが絶対的に理解できないワタクシには無理)

                一部の展示を見ていない。

                (さすがに朗読会をやっている部屋に入っていく勇気はない)


                さて・・・

                現在展示されている展覧会その1のテーマは


                Sehnsucht Ich 


                何と訳そう。直訳すれば「憧れ 私」なのだが

                Sehnsucht というドイツ語はブンガクに多用されていて

                憧れ、という楽観的な内包ではなく

                もっと強い感情、求めても求めても得られない焦燥という意味合いがある。


                自分という存在を突き詰めて

                絵画という方法で表現する、というテーマと思った方が良い。


                それから、若い芸術家たちを奨励するエッスル賞の受賞作品展示。


                で・・・・ですね。

                何が言いたいかと言うと


                美術が「美」術でなくなって、すでに長いし

                音楽が音「楽」でなくなってからも、かなりの年月が経ってはいるのだが


                現代芸術作品って

                芸「術」でないものも結構あるし

                思いつきだけでアイデア・オンリーというのもあるし

                (まぁ、それは意外に笑えるモノがあって、否定はしない)

                ただ、何か、ほとんどの作品が


                暗いっ!!!!!!


                色彩とかじゃないよ?

                雰囲気とか、芸術家の主張とか、表現とかが


                現代社会へのあからさまな批判となっているか

                人間の暗い暗い暗い部分を暗く表現しようとしているか


                どちらかに集中していて

                どの作品見ても、あんまり楽しくないのだ。


                だって、現代絵画のほとんどが

                ムンクの「叫び」みたいになっているのが現状で(涙)


                キルケゴールの実存主義あたりから

                人間の社会からの疎外とか

                何か、こう、面倒で、頭の良い方でないと理解できないような

                そういうモノを芸術が表現しなくてはならず

                人間の狂気とか社会批判とか、暗い部分を出さない作品は

                高尚ではない・・・・みたいな風潮、何とかなりませんかね?


                まぁ、それはシリアスな現代音楽についても言える事だが(ため息)


                それに代わって頑張っているのが

                インダストリアル・デザインであって

                これは、ウケて商品が売れなかったら死活問題なので

                そりゃ、良いデザインが出回るワケだ。


                現代芸術は別に売れなくても

                政府から補助は出るし

                将来的に財産になるかも、というインテリの偉い方が購入されるし(たぶん)

                今の芸術家って、まぁ、もちろん全員じゃないけれど(というか一部だけだが)

                かなり恵まれているのではないか、と

                嫉妬混じりで思っちゃうイケナイ私。


                まぁ、アイデア「だけ」という作品で

                そこそこ笑えるモノは許す(って偉そうだが)


                かなり数の多かったビデオ・クリップのなかで

                コンサート・ホールの舞台に何人も指揮者が立ち

                それぞれが勝手に何かを指揮している、というビデオは笑えた。


                家具ショップのIKEAの買い物カートに

                ボール紙に包まれた家具が乗っていて

                あれ? 何か展示するものを運んでいる途中なのかしら?

                と思ったら

                立派な「作品」で(どこがだっ!)

                ボール紙の包装に「パンドラの箱」と書かれているとか。


                床にサムソナイトのアタッシュ・ケースが開かれていて

                その中で2ユーロ硬貨が、ひたすら廻っているというのも

                ちょっと可愛かったな。

                (下の台が大きな装置になっているのだろうが

                 コンパクトにまとめているのであれば、あれ、私も欲しい)


                ビデオ・クリップで

                ただただ、ずっと色々な人が立って

                様々な景色の中で、こちらをジッと見つめている、というフイルムで

                (周囲に人がいなかったので)

                ついつい、正面に立って、手を振ってしまったのはワタクシです。


                あと、テレビっぽいビーマーを

                ディスコのミラー・ボールに映して回している部屋もあって

                (周囲に人がいなかったので)

                ついつい踊ってしまったのもワタクシです。


                (すみません、文句つけながら

                 結構、目一杯(しかも無料で)遊んでます(爆))


                ちゃんとキュレーターの解説付きで鑑賞するのであれば

                面白いのかもしれないが

                解説がないとわからない芸術というのも

                ちょっと問題じゃないか、とも思うんですけど。


                まぁ、見てみて

                何だこれ?と作品の方が

                妄想を刺激するのは確か。

                時々は現代美術(「美」はないとしても(笑))に触れるのは

                頭の体操にはなる(しかも水曜日は無料だし(わはは))


                日中はウィーンからシャトル・バスが出ているので

                バロックやロココに飽きた方は、ぜひどうぞ。

                建物が現代建築で

                庭にあるウサギの彫刻は傑作(これを観るだけでも行く価値あり)


                明日のコンサートの後

                明後日は本社のクリスマス・パーティで

                午後にはウィーンから400キロ離れた田舎に

                強制輸送される私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                この美術館、外に出ると、向こう側に

                立派なゴシックとバロックの

                クロースーターノイブルク修道院が

                夜間照明に映えて、とってもキレイ(笑)


                21er Haus

                0
                  ウィーンの南駅が解体されて
                  現在、中央駅建設が始まっているのは周知の事実だが
                  (2015年には駅として機能するようにして
                   2019年には完成・・・と書いてある、一応。
                   あまり誰も信じてはいないが。
                    詳しい情報は ここ ただしドイツ語のみ)

                  その横に、21er Haus と呼ばれている建物がある。
                  大昔は、現代美術館だった。
                  それから何年か、一応、建っているけれど、誰も顧みない、という建物で
                  その後、ベルベデーレが管轄下に組み入れて
                  2011年11月に再オープンとなった。

                  14時にガイディングがあるとサイトで見て
                  フォームから申し込みをして、行ってきた。

                  建物そのものは1958年、ブリュッセルの万博に作られて
                  1962年に、現在の場所に移されたもの。
                  ブリュッセルの万博の時は、軽い建物を、という設計で
                  下の部分はなかったそうだ。
                  2007年から改築が始まり、下の部分、地下の部分を足した。

                  オーストリアの新進芸術家をテーマにしていて
                  現在行われている展覧会は

                   ユートピア 総合芸術

                  英語の字幕のついたクリップがここにあるので
                  お時間のある方はどうぞ。

                  ガイディングは建物の情報は最小限に留めて
                  展覧会のいくつかの作品に言及。

                  うううううん・・・・ (-"-)

                  いや、ワタクシ、現代芸術、好きですよ。

                  観ても何にもわからなくて
                  頭から100個くらいのクエスチョンマークを盛大に打ち上げながら
                  いったい、これは、ナンなんであろう????? と
                  考えて考えて考えて
                  自分の妄想の世界に飛ばせてもらうか
                  それでも、よくわからん、あっはっは、要は冗談ね、と
                  自分の理解力のなさを忘れて、笑ってしまうか。
                  (という、非常に貧しい芸術鑑賞眼の人間なのだ。
                   まぁ、仕方ない (-_-;))

                  キュレータの話によれば

                  リヒャルト・ワーグナーの楽劇に見られる総合芸術の概念は
                  芸術と社会と人間を含む「総合」を目指すものの
                  それはあり得ないユートピアであって

                  だから何? (こらこら!)

                  更に、総合芸術の動きの一環として
                  ヨゼフ・ボイスの、カッセルのドクメンタでの
                  7000本の樫の木プロジェクトとか

                  オーストリアの芸術家団体が
                  路上生活者の医療援助をする運動とか

                  それのどこが、芸術活動????

                  まぁ、キュレータさんも

                    「芸術活動という名目であれば
                     当局の許可が下りやすいから」

                  とか、ワケのわからない事を言っていたから
                  ご当人も、それが「芸術活動」だとは思っていないのだろう。わっはっは。

                  1階(ヨーロッパ風に言えば「地階」)にあった作品のうち
                  教会を、魚を捕らえる針金の上に、ブリキで作って
                  窓から目が見てる、みたいな作品などは
                  キュレータ女史がしてくれた説明より
                  もう少し拡大解釈できるなぁ、というところもあったけれど

                  ああいう作品を見ると

                  あぁ、現代芸術って、作品としての美しさとかではなく
                  いかにして、
                  観ている人間の妄想を掻き立てるか
                  というのが
                  主題なのだなぁ、とつくづく思ってしまう。

                  あと、マレーヴィッチを立体にしました、みたいな作品もあって
                  マレーヴィッチの黒の正方形が、約100年後には立体になります、って

                  ふ〜ん(自爆)

                  2階のビデオ展示には、結構面白いものがあって
                  芸術家の村運動と、ハリウッドを組み合わせたものとか

                  ルネサンスの名画の人物を、生身の人間してしまって
                  それを、写真のようなビデオのような作品にしたものとか
                  (ベラスケスとかフェルメールとか知ってると、モロに笑える)

                  建物は、そんなに大きくないから
                  地下のヴォトルバのコレクションまで含めて観ても
                  そんなに時間はかからない。

                  建物自体は、コルビジェや
                  ミース・ファン・デア・ローエの影響が強い。
                  建築に興味ある方は、ぜひ一度、ご覧下さい。

                  相変わらず寒いけれど
                  来週は少し気温も上がりそう、という予報に喜んでいる私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  ツィッターのアイコンを着せかえて
                  ちょっと、おねだりバージョンにしてありますが
                  (スマート・フォンは見えないみたい。コンピュータのみ)
                  どうせ、今年も誰も、何もくれません。
                  (って、本当は、あげる方じゃないのか?
                      ・・・ というツッコミはなしね (^^ゞ)

                  エッセル美術館 Neo Rauch & Rosa Loy

                  0



                    最近、このパターンが多くて f(^^;) すみません。



                    カンの良い方はおわかりの通り ここ です。

                    建物そのものも現代建築で
                    私はこの中庭にある1枚目の写真の、飛んでるウサギ?が
                    何故か、とても好きなのだ (彫刻としては、かなりデカイです。念の為)

                    ちょっと残業時間が延びたので
                    ガイディングには間に合わなかったが
                    この間の Wolfgang Herzig 作品を、一つ一つゆっくり見てから
                    新しい展示 HINTER DEN GäRTEN へ。

                    ドイツの2人の画家 Neo Rauch と Rosa Loy の共同展示会。

                     

                    絵は公式サイトから拝借。
                    左が Neo Rauch (♂) 右が Rosa Loy (♀)

                    Neo Rauch の作品は以前にも何点か観たけれど
                    一つの絵画の中に
                    ものすごくリアルな部分と
                    ポップカルチャー的な部分
                    遠近法が歪んで使われているところと
                    異様に平面なところが、不思議な混在を見せる。

                    上の絵だって、小さい写真だからわからないけれど
                    実際の作品は、むちゃ大きくて
                    潰れて見えないけれど
                    背景に書かれている緑の木々のリアルさがスゴイのだ。
                    まるで、本物のむせかえるような葉が輝いているような背景に
                    またこれ、リアルな上着を着た
                    ポップ・カルチャーな人物が
                    遠近法を無視して、張り付けたような人物を後ろに
                    何かやっているところに
                    不思議な物体が浮かんでいるという

                    何だか、ま〜ったくわかりません(自爆)

                    いや、わからなくて良いのだ、現代芸術だから (・_*)\ペチ

                    色々な様相が混在する Neo Rauch に比べると
                    Rosa Loy は、如何にも女性らしい具象画を描く。
                    並べてしまうと、Rauch が印象的過ぎて
                    Loy の個性が平凡なモノに見えてきてしまう。

                    現代画とは言え、モロに具象の世界なので
                    その中で、文化と比較しながら、シンボルを見る事もできる。

                    しかし、現代芸術というのは
                    社会批判とか、そういうモノを取り上げて
                    問題提起しなければならない、というのは、お約束ゴトなんですかね?

                    抽象画だと、そんなに感じないけれど
                    具象画になると、何だか、暗いテーマが多くて、ちょっと気が滅入る。

                    マリア・ラスニックなんかは具象と抽象の間にあって
                    見て、何となく気持ちが良い絵が多いので
                    子宮で描く画家、とか、一部では悪口を言われているのだが
                    絵画の存在意義を見直すのであれば
                    観て気持ちのよくなる絵画という現代作品の方が、観賞するには楽。
                    (マックス・ヴァイラーの絵なんかは、そういう感じだった)

                    行き帰りの車の中のオーストリア・ラジオ放送局1番では
                    チャイコフスキーを流していて
                    あの、ウエットな、ほら感激しなさい!というメロディに
                    モロな具象画の画家3人(Herzig を含む)の作品の記憶が重なって
                    飽和状態になりながらの帰宅だった私に

                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。

                    人気ブログランキングへ

                    実は Volksoper のマリー・アントワネット(バレエ)に行こうか、とも
                    考えていたのだが、19時からの公演って
                    仕事してると、けっこうキツイのだ・・・


                    エッセル・コレクション

                    0
                      水曜日に何もなければ
                      (あるいは、むちゃくちゃ暑かったりしなければ)
                      私の足が向くところ ・・・ 読者ご存知の通り

                       エッセル・コレクション 

                      毎週水曜日は、夜の9時までオープンしていて
                      加えて、夕方6時〜9時までは入場無料という
                      貧乏人 現代芸術ファンには嬉しい私立美術館である。

                      まぁ、水曜日だけしか行かない、というワタクシのような人は
                      あまり歓迎されないのかもしれないが (自爆) ← カオばれてるし f(^^;)

                      仕事を早めに終える事ができて
                      夕方7時過ぎに入ったら
                      最初のルームで、あれっ? 何か、若くてカッコイイ男性が
                      数人のお客さまを前に、作品の解説をしてる・・・・

                      そう言えば、無料のガイディングがあります、みたいな記載が
                      どこかにあったような気がする。

                      「すみません、一緒に聞かせていただいても良いですか?」と
                      ガイドさんに質問したら、「ぜひどうぞ」という答え (^o^)

                      大きな特別展が9月1日から始まるので
                      展示は、Wolfgang Herzig と Focus : Abstraktion
                      そして、上の階の Tobias Rehberger のみ。

                      最初の展示 Wolfgang Herzig は、今年70歳になるオーストリアの画家。
                      エッセル氏が最初に購入した絵というのが ↓ これ。



                      (写真はエッセル・コレクションの公式サイトから拝借)

                      3つのルームに、それぞれの時代の絵があって
                      画風の変遷がよくわかる。
                      上にリンクしてある公式サイトのギャラリーでも
                      時代ごとに分けてあるので、ご興味のある方はどうぞ。

                      2つ目の部屋にあった、かなり大きな絵は、これ ↓


                      (写真はエッセル・コレクションの公式サイトから拝借)

                      連想すると、スーラか、アレキサンダー・カッツか
                      タッチは繊細だし、ものすごい高度な技術と構成力で、かなりリアル。
                      でも、人間の疎外がよく表現されている。
                      (誰も他の人とコンタクトしていないのだ)

                      後期の作品になってくると
                      初期の華やかな色が影をひそめて
                      パステル色の、でも、暗めの色調が中心になってくる。

                      ガイドさんの話だと
                      この画家は、とても社会的な問題に関心があって
                      弱者を、リアルに、でも暖かい目で描いていると言う。

                      確かに、リアルなのだが
                      人物が、とても柔らかく、ある意味、とても人間が好きなんだろうなぁ、と思わせる。

                      後期作品で、チクルスになっている社会批判的な色彩を帯びた作品もある。
                      若くてハンサムなカッコイイ ガイドさんの説明を聞くと、よくわかる。
                      具象絵画だから、まぁ、じっくり鑑賞すれば、内容は誰でもわかるけど。

                      Herzig の展示会場を越えると、奥の部屋では
                      Focus : Abstraktion という、これは、モロに抽象絵画だけを展示。

                      色だけ、あるいは、カタチだけで作られた世界だが
                      時々、圧倒的な迫力を持って迫ってくるものがある。
                      (ほら、ワタクシ、コブラとか好きだし・・・ (^o^))

                      最後の小部屋に集められていた
                      Hans Bischoffshausen (1927 – 1987)の作品がステキ。

                      ガイドさんの話では、パリに留学して
                      フォンタナと親交があったそうで
                      (ついつい、キャンバス切る真似して、ガイドさんに笑われた f(^^;)
                       でも、知ったかぶり、好きなんだもん)
                      キャンバスに絵の具を盛り上げたりして
                      二次元から三次元への移行に貢献した画家の一人。

                      その後、上の展示場に入って
                      Tobias Rehberger の彫刻作品展へ。

                       「この彫刻家の作品は、隣のショップで
                        30ユーロにてライセンスを購入する事ができます。
                        ライセンスを購入した人は、作品の写真を取ったり、サイズを測ったりして
                        同じ作品を作る事ができる上
                        出来あがった作品の写真を、彫刻家に送り
                        その出来が満足行くものであれば
                        彫刻家は、自分の作品として、カタログに載せます。
                        これを持って、ライセンス所持者は
                        その彫刻家のオリジナル作品を所有する事になるのです」

                           ・・・・ 唖然 (/_)/

                      いや、言われてみれば、すごいアイデアかも。
                      自分は何もしないでカネが入ってくる。

                      でも、展示してある作品(これも彫刻家が自分で作ったのではないそうだ)は
                      どれも、これも、作品として大き過ぎて
                      ワタクシには作れません (自爆)

                      無料のガイディングの後は
                      カフェーで無料のスパークリング・ワインのご招待、というのもあったが
                      車で来てますから、と、スパークリング・ワインはお断りして
                      最後の15分で、もう一度、一人で展示を観て
                      閉館ギリギリに外に出た私は

                      明日のオープニングの準備で来ていた若き芸術家に声をかけられ・・・

                      え? 色っぽい展開????
                               ・・・・ にはなりません(自爆)

                      オートバイが壊れて(エンジンがかからなくて困惑していた)
                      ウィーンに帰るなら、都合の良いところまで乗せていってくれないだろうか

                      若くてハンサムで素敵な芸術家なら、いつでもどうぞ(こらこら!!!!)

                      ウィーンまで20分ほどの道のりを
                      グラフィックの芸術家と、現代芸術や、日本のコミック文化について
                      楽しいおしゃべりをしながら、帰って来たのであった ↑(^^_)ルン♪

                      明日のオープニングには来るの? と聞かれたけれど
                      確か、招待状は来ていたが、仕事があるから行けません (^^ゞ
                      11月中旬までの展示だから
                      またいつか水曜日の夜に、無料で行く予定。
                      (入場料払って見よう、という発想が全くない奴)

                      若いカッコイイお兄さんを2人見たから、というワケではないが
                      (いや、それもあるけど)
                      楽しい現代美術鑑賞の時間だった。

                      現代芸術も楽しいモノがたくさんある、と声を大にして言いたい私に
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                      ・・・ まぁ、水曜日に無料でしか行かない私に
                      現代芸術をお勧めする資格はないんですけどね(笑)

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