トーンキュンストラー + ドミトリ・キタエンコ

Musikverein Großer Saal 2017年3月19日 15時30分〜17時

Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
指揮 Dmitrij Kitajenko
バリトン Vladislav Sulimsky

Modest Mussorguski (1839-1881)
Vorspiel zur Oper “Chowanschtschina”
(1873/74; Bearbeitung : Dmitri Schostakowitsch, 1959)
“Lieder und Tänze des Todes” für Sinstimme und Orchester
(1875/77; Instumentierung : Edison Denissow, 1983)
Wiegenlied. Tranquillo
Serenade. Moderato
Trepak. Tranquillo
Der Feldherr. Vivo
“Bilder einer Ausstellung”
(1874: Instrumentieurng : Maurice Ravel, 1922)

トーンキュンストラーの日曜日定期
今回は何とモデスト・ムソルグスキー特集。

オペラ「ホヴァーンシチナ」序曲
オーケストレーションはショスタコーヴィッチ
「死の歌と踊り」デニソフのオーケストレーション
最後はご存知、展覧会の絵、ラヴェルの編曲版。

もう色々あってバタバタして
あまりに眠いし
別にムソルグスキーが大好きという訳でもないので
どうしようか考えたのだが

私は実は、キタエンコという指揮者が好きなのである。
白髪のライオンみたいな頭のロシアの指揮者だが
決して派手ではないのだけれど
実に誠実な音楽を聴かせてくれる人なのだ。

前半はバリトンが入るので
係員の許可を得て、ちょっと他の席に逃げた。

ホヴァーンシチナ序曲は
ううう、やっぱりどうしても
オーケストラの技量か楽器かの差が出て来てしまうのは
まぁ、それは仕方がない。

次の「死の歌と踊り」なんて
私、初めて聴く。

プログラムに対訳は出ているんだけど
左にあるオリジナル・テキスト、ロシア語だよ(汗)
大学時代に齧った時にアルファベット習った筈なんだけど
30年以上経ったら、全然読めないじゃないの(冷汗)

ドイツ語のテキストだけ読んでみたが
これ、確かに「死」をテーマとしているので
凄まじい内容である。

バリトンの Vladislav Sulimsky って
ヴラディスラフ・スリムスキーとか読むんだろうか。
もともとマリイインスキー・オペラで歌っていたようだが
最近は国際的に活躍しているらしい。

倍音たっぷりの美声で
舞台から離れたせいか、あまり飛んでくるタイプの声ではないのだが
さすがロシアと言うか
あのあのあの、暗い暗い暗〜い雰囲気が凄い。

しかも何が凄かったかと言って
この歌手の表現力がむちゃくちゃ凄い。

ロシア語わからなくて、ものすごく残念!!!
これだけの表現力で
例えばドイツ・リートを歌ったら、凄まじいかもしれない。

最初の子守唄は
子供に死神が来る内容なんだけど
死神が、本気でコワイ。

ただ声を張り上げるだけではなくて
本当に声で語ってくる。
イタリア・オペラとかも歌っているみたいだが
この暗い目の声は、ロシアものの暗いオペラには向くだろうなぁ。

さて、後半の「展覧会の絵」
なんか、本当に最近、こればかり聴いているような気がする。

最初の金管は巧く入って
古城あたりでは
まぁ、普通だよなぁ・・・とちょっと退屈したのだが
卵の踊りがすごくチャーミングで
リモージュですごく楽しくなって来た。

カタコンベあたりの凍るような寒さは
あまり出てはいなかったし
この間みたいに、エルミタージュ宮殿にすっ飛ぶ事はなかった代わりに

ババ・ガヤの最後の部分で
ひっくり返りそうになった。

何ですか、あの薄気味悪い音響は!!!
あんなオーケストラ、今まで聴いた事がない!!!!!

時々、こういうビックリがあるので
オーケストラのコンサートに行くのを
止められないのだ。

マエストロ・キタエンコ
やっぱりアナタは凄い(笑)

ユニークなプログラムを
とことん楽しんだ私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン・フィル + アンドリス・ネルソンス 2回目

Musikverein Großer Saal 2017年3月19日 11時〜13時

Wiener Philharmoniker
指揮 Andrís Nelsons
チェロ Tamás Varga

Antonín Dvořák (1841-1904)
 Konzert für Violoncello und Orchester, h-Moll, op. 104
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 6, F-Dur, op. 68, “Pastorale”

ウィーン・フィルの日曜日定期。
さすがにここ2週間、むちゃくちゃ忙しくて
しかもグループ動いていてヘトヘトなので
朝のサウナは失礼して欠席(ちゃんと連絡してある)

さて、昨日と同じプログラムである。
ヒゲをはやして
前髪の脇の方が、かなり後退して
ふくよかなネルソンスは

指揮の動きは数年前の可愛かった頃とあまり変わってない(笑)
相変わらず動きは激しいし、表情も豊か。

ドボルジャークのチェロ協奏曲。
昨日と印象変わるだろうか、と思ったんだけど

う〜ん・・・ 微妙・・・

タマーシュ・ヴァルガのチェロは
本当に品が良いのである。
マジメだし端正だし技術的にも素晴らしいし
聴いている方まで背筋が伸びてくるような演奏なんだけど

オーケストラとあまりにバランス良過ぎというか
そこまで埋もれてどうする・・・

プレイヤーの持ち味だから
それはそれで良いとは思うんだけど

コーラスやって抜群に巧い歌手が
ソロを歌うと埋もれる事があるじゃないですか。
ああいう感じ。

音量も小さいのは確かだが
それ以上に

俺サマを見ろ
俺サマが主人公だ

というアクがないというか

木管との掛け合いのところで
木管のソロの方が目立っていてどうする?!

高いアンサンブル能力と
上品な持ち味が反って邪魔をしてしまった、というところか。

後半の「田園」は
いや、ウィーン・フィルの音だよなぁ、という印象。
ネルソンス、あんまり手を加えてないだろ(たぶん)
伝統的なウィーン・フィルらしい
厚みのある音と透明な弦の音と
木管・金管の名人芸で
別に何も変わった事はしていないのに
ついつい聴かされてしまった。

こういうド・トラディショナルな演奏というのも
時々は悪くないし
ティーレマンがやったような
ベートーベンが威張って歩き回っているような
大袈裟なヘンな解釈ではなかったので
最初から最後まで、安心して
ハイリゲンシュタットの緑の中を散歩させてもらいました。

このコンサート
同じプログラムで
火曜日のソワレ(行きません、念の為)と
木曜日の楽友協会のチクルス(チケット持ってる)と
全部で4回演奏される。

オーケストラのメンバーって
飽きないんだろうか(余計なお世話)
・・・だって、田園って
一つのモチーフを、しつこく繰り返し繰り返し繰り返し(以下省略)

そう言えば、今回
久し振りにベーレンライターのスコアを持ち込んだんだけど
最初のページに

PASTORAL-SINFONIE
oder
Erinnerung an das Landleben
(mehr Ausdruck der Empfindung als Malerei)

と書いてあって
最後の一行に大笑いしてしまった。
(絵画より印象的だぞ〜、と大声で主張している)

最近、ベートーベンの交響曲が大流行りで
ウィーン交響楽団だけじゃなくて
他の客演オーケストラもベートーベンを演奏するのだが

まぁ、それは別の話(笑)
イヤでも読者はそのうち
ワタシの個人的ド・シロート印象記を
読まされるハメになるでしょう、うっふっふ。

そんなワケで(よくわからんが)
本日もどうぞ1クリックをお恵み下さい。



実はダブルヘッダーで
午後もコンサートに行ったのだが
来週は木曜日までコンサート行きがないので
ちょっとケチして、明日、アップします(笑)

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

今週は土・日曜日ともダブル・ヘッダー。
時系列に読みたい方は
もう一つ下の記事からお読み下さい。

こちらは夜のコンサート。
計らずも、午後のコンサートと同じ曲を
違うホール・違うオーケストラ・違う指揮者で聴くという
面白い体験でした。

Konzerthaus Großer Saal 2017年3月18日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan
ピアノ François-Frédéri Guy

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Ouverture c-moll zu “Coliolan” op. 62 (1807)
Béla Bartók (1881-1945)
 Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 Sz 119 (1945)
Ludwig van Beethoven
 Symphonie Nr. 6 F-Dur op. 68 “Pastorale” (1807-08)

夜はウィーン交響楽団で
またもや後半はベートーベンの交響曲6番「田園」(笑)

オーケストラのマネージメントって
別に何を考えている、というワケでもないのかしら。

さて、最初はコリオラン序曲から。

コンツェルトハウスの大オーケストラ向けのデッドな音響に
あの勇壮なメロディがキッチリ響くと
すごくマッチョで筋肉質、硬質で透明な音が響き渡る。

切れ味の鋭いウィーン交響楽団の持ち味が活きる。
男性的なのに、無駄に熱くはならず
音の重さがこの上ないバランスで決まっていて
スタイリッシュに聴こえてくるのはジョルダンの持ち味か。

バルトークのピアノ協奏曲3番。
ソリストはフランソワ・フレデリック・ギー。
ちょっと見た目が不思議なヒッピーみたい。
(写真はご本人のサイトからダウンロード。
 クリックで(すごく)大きくなります)



で、これが、これが、これが
ちょっと凄かった(汗)

出だしだけは知ってるけれど
聴き込んでもいない曲なのに
この人のピアノの音、ものすごい色彩感。
次から次に色が変わって
めくるめく色がホールに飛び散るような印象で
何ですか、このピアニスト 😨

呆気に取られて引き摺り込まれて
あっという間に曲が終わっちゃった。
まさかバルトークの協奏曲で
こんな色彩の洪水に溺れるとは思ってもみなかった。

前半で頭がボーッとしてしまって
気を取り直して
後半の「田園」は
ウィーン・フィルのコンサートの時と同じく
スコアに頭を突っ込む事にした。
(どうせ天井桟敷で前が一杯で舞台は見えません)

・・・面白い ♡

ジョルダンは最初のリピートもちゃんと演奏。
さすがにウィーン・フィル+楽友協会という音響とは違って
最初の弦にうっとり、という事はなかったけれど

ジョルダン、時々、フォルテで長く続くフレーズに
膨らみを持たせていて
(え?そんなの楽譜に書いてない、って感じでビックリ)
それが、何とも音楽的に響いてカッコいい。

ホールのデッドな音響の影響もあるけれど
音が全体的にスッキリしていて
爽やかなハイリゲンシュタットあたりの
夏の空気を彷彿とさせて
周囲の空間の空気が澄んでくるような気分になる。

第2楽章で、また椅子からずり落ちそうになった。
ビオラとチェロ、コントラバスの音色が違う。
あれは、ノンビブラートでやらせたのか
中間の音と低音が実に柔らかく
くもった感じで聴こえて来るので
それに乗せるメロディ・ラインの美しい事。

ううう、やるじゃん、ジョルダンとウィーン交響楽団 ♡
なんかちょっと、このメロディを甘く歌わせるところで
涙ウルウルになって来てしまうような状態(アホですどうせ)

農民たちの大騒ぎは
きゃ〜〜〜っ、何ですかそのテンポ。

ウィーン・フィルの演奏より、心持ち早めで
木管がキレイに響くんだけど
クラリネットのあの下降音階
誤摩化した?とは言わないが
ウィーン・フィルの時には、くっきりはっきり聴こえて来たのが
割にボケて聴こえて来たけれど
まぁ、そんなのは好みの問題である(断言)

嵐の部分、迫力たっぷりなんだけど
やっぱり楽友協会との音響の差があって
ウィーン・フィルの音のような脅かすような芝居がかった雰囲気はゼロ。

あくまでも冷静にスタイリッシュに
聴いていて気持ちが良い、というよりは
ホールの音響のせいで
自分はガラス窓のある家から
外の嵐を見て、逃げ惑う農民を見ているような

ある意味、ちょっとノーブルな感じの演奏だったかも。

押し付けがましくない。
ちゃんと主張はしているのだけれど
熱情の嵐に巻き込むというよりは
もう少し距離を置いて、現代的にクールにしてみました、ってところか。

ちゃんとフォルテはフォルテで
無駄にフォルティッシモにしていなかったというのも見事。

何とも新鮮で ♡
トラディショナルというよりはモダン。
オーケストラの持っている音が違うから
ウィーン・フィルと比べられないけれど
ネルソンスよりは、もっと客観的で
ウィーン・フィルの伝統的な演奏に比べると現代的で
スッキリ爽やか。

多少の傷がなかった訳ではないし
弦のアンサンブルの揃い方はウィーン・フィルの方が上だが
こういう、爽快感のある演奏、私は好きだ。

明日、日曜日の11時から
またこのコンサートあるんだけど
ウィーン・フィルも同じプログラムで11時から楽友協会。

う〜ん 😖
ウィーン・フィルのチケットは持っているんだけど
今日のウィーン交響楽団のコンサートを聴いちゃったら
ちょっと明日はウィーン交響楽団に行きたいような気分。
(バルトークのピアノ協奏曲も抜群だったし)

でもお金もないし
持っているチケットを無駄にしたくないし(ケチ)
ウィーン・フィルのドボルジャークと田園だって
明日、もう一度聴いたら
また違う印象になるかもしれないし・・・

ウィーン交響楽団が昼の公演じゃなくて
(日曜日11時のコンサートは
 もれなくバーバラ・レットのお話会が付いて来るのもウザい)
夜のコンサートをやってくれるんだったら
もう一度、このコンサート行きたいんだけど(涙)

どれが上とか下とか言うのではなくて
それぞれのオーケストラやホールの持ち味で
同じ曲でも、これだけ印象が変わってくるという

だから音楽って面白い、と
本気で考えてしまう私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン・フィル + アンドリス・ネルソンス 1回目

Musikverein Großer Saal 2017年3月18日 15時30分〜17時30分

Wiener Philharmoniker
指揮 Andrís Nelsons
チェロ Tamás Varga

Antonín Dvořák (1841-1904)
 Konzert für Violoncello und Orchester, h-Moll, op. 104
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 6, F-Dur, op. 68, “Pastorale”

雨は降ってるし強風だし(傘が全く役に立たない)
あんまり関係ないけど
朝からチケット取り(自分のです)やって
その後寝ようと思っていたら

変更依頼の電話がかかって来たり
スーパーに1週間分の食料を買いに出たら
また別グループから変更依頼が入って来たり

洗濯機のスイッチ入れて掃除しようとしたら
忘れ物の電話がかかって来たり
(Kさん、アナタの事です(爆笑)
 でもドライバーがチェックしなかったのが悪い!)

いや、そういうのはこの業界では日常茶飯事と言って
緊急事態とは言わない(笑)
事故とかホテルとのトラブルとか
航空会社のストライキとか
アイスランドの火山の爆発で飛行機飛べないとか言うのと比べたら
全然大丈夫 ♡
それに、こういうバタバタとも
あと70日弱でオサラバかと思うと
最後のご奉公だから、全然気にならない 🎵

さてウィーン・フィルの定期公演。
ウィーン・フィルのメンバーがソリストになって
協奏曲を演奏する、という、時々あるパターン。

有名なソリスト呼んで来てギャラを払うより安上がり(爆笑)
メンバーも、自分たちの仲間を盛り立てて
自分もソリストとして演奏したい、というのがあるだろう(たぶん)

現在のところ、マジャールの血が優勢な
ウィーン・フィルのチェロ部門。
今回はタマーシュ・ヴァルガさんがソリスト。

え〜っと・・・
ワタシ、ド・シロウトですし
弦楽器、全然わからないから
私の印象を、皆さま、信じてはいけません(断言)

ドボルジャークのチェロ協奏曲って
割に元気の良い曲なんですよね。

指揮台には、ヒゲをはやして
ますますふくよかになった
ものすごく元気なネルソンスが立って

序奏の部分で、もう、音が大きい。
トゥッティでウィーン・フィルの音で団子になってる。

そこにヴァルガさんのチェロが入ってくると
う〜ん、ちょっと音量が足りないと言うか
控え目で、しとやかで
マジメで端正で
実に品のある、美しいソロなんだけど

ネルソンス率いるオーケストラのワイルドさから
何か浮いてる(涙)
オーケストラがソリストを苛めてるみたいな気分になって
何か、ちょっと。
いや、そういう被虐性がまた良いの、という意見もあろうが
元気一杯、いつもワイルド、というネルソンスとは
音楽的にあまり合わないような気がする。

アンコールはバッハの無伴奏チェロ組曲3番からジーグ。
うっふっふ、プロの友人が居ると
すぐに教えてもらえる ♡

これも実に品のある素晴らしい演奏。
ヴァルガさんならではの持ち味という感じ。

明日の日曜日定期で印象がまた変わるだろうか。
ネルソンス、そんなにオーケストラ鳴らさんで良いから(笑)

後半のベートーベン
交響曲6番「田園」
私の好みとしては、あまり好きな曲ではないので
(だってモチーフの繰り返し以外、何もないじゃないか)
スコア持ってにらめっこ。

あっ、第一楽章の繰り返し省略 😓
最初の弦のトゥッティが
ウィーン・フィルらしい弦の厚みがあって
すごく良かったので、リピートでもう一度聴けると思っていたら
肩すかしされた、ちっ。

さすがにこういう曲は手慣れてるなぁ。
ついつい視覚に釣られてしまうけれど
ウィーン・フィルらしい響きが魅力的で
別に目新しさとかはないのだが
ついつい、聴き惚れてしまう。

小川のほとりは、スコア見てると
かなり複雑なリズム設定なんだなぁ、としみじみ思った。
自分がついて行けなかったのだが
ちょっとリズム的にボロっとなりそうになった(ように聴こえた)ところも
次の小節でキレイに揃えたし
さすが超一流のプロオケって、辻褄合わせが見事。

嵐の部分の描写って
本当にウィーンの天気そのもの。
あれは、こちらに暮らしていると
モロにわかるんだよね。
ポツポツ来て、どっか〜んと来て
ベートーベンの時代にも
こういう天候だったんだなぁ、と思うと
感慨深いし

それをまたむちゃくちゃリアルに描いた
ベートーベンの手腕って凄いと思う。

最終楽章の第一バイオリンのメロディ
まるで1台のソロみたいに
完璧なアンサンブルで入って来たのには
度肝を抜かれた。

こういうところ、さすがウィーン・フィルだと思う。

ネルソンスは今度は無理なオーケストラの鳴らし方をせず
楽友協会のホールに程よく豊かに響く音量で
(オーケストラが自主的にやっていたのかも(笑))
木管・金管もソロも柔らかに響いて
ああああ、これぞベートーベンの田園 ♡

外の天気がもう少し良ければ
ああ、春が来た、とかはしゃいでいるのだが。
(月曜日って春分だよね? 何でこんな強風と雨が・・・)

春分に引っ掛けたのかもしれないけれど
これから夜の部。
同じ「田園」を
今度はウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンで
コンツェルトハウスで聴いて来ます ♡

明日11時からは
楽友協会でウィーン・フィル
コンツェルトハウスでウィーン交響楽団が
同じベートーベンの6番を演奏するので
本当は両方聴きたいけれど、残念ながら身体は一つ(笑)

バタバタした土曜日だけど
コンサートに行けるって、すごく幸せ ♡ という
単純なワタクシに
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



カッコーの3度の鳴き声って
最終楽章でも出現するの、初めて気がついた(アホ)




アルミードの館 ル・サクレ 5回目千秋楽

Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
2017年3月16日 19時30分〜22時

LE PAVILLON D’ARMIDE
LE SACRE

LE PAVILLON D’ARMIDE
指揮 Michael Boder
音楽 Nikolai Tscherpnin
振付・舞台・衣装 John Neumeier

ヴァスラフ・ニジンスキー Jakob Feyferlik
ロモラ・ニジンスキー Ioanna Avraam
医者 Eno Peci *
看護人 Iliana Chivarova, Gala Jovanovic, Beata Wiedner
Alexis Forabosco, Kamil Pavelka
散歩している人たち
Marie Breuilles, Adele Fiocchi, Erika Kováčová, Anna Shepelyeva
Céline Janou Weder, András Lukács, Igor Milos, Tristan Ridel,
Zsolt Török, Jaimy van Overeem,
Lucie Norna, Marina Pena, Joana Reinprecht, Isabella Severi-Hager,
Matteo Magalotti, Dominik Vaida, Wendelin Viehweider, Robert Weithas
過去
アルミード Ioanna Avraam
シャムのダンサー Masayu Kimoto
タマラ・カルサウィナ Liudmila Konovalova
アレキサンドラ・バルディーナ Natascha Mair
ヴァスラフ・ニジンスキー Davide Dato
セルゲイ・ディアギレフ Eno Peci *
ニジンスキーの子供時代 Richard Szabó
ニジンスキーのクラス・メート Attila Bakó, Marian Furnica
Trevor Hayden, Arne Vandervelde, Géraud Wielick
バレエ・リュス Natalya Butchko, Eszter Ledán, Anita Manolova,
Laura Nistor, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman, Rikako Shibamoto,
Atttila Bakó, Francesco Costa, Trevor Hayden, James Stephens,
Richard Szabó, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

LE SACRE
振付・舞台・演出・照明・衣装 John Neumeier
音楽 Igor Strawinsky
指揮 Michael Boder

Tänzerin 1 Rebecca Horner
Pas de deux Nikisha Fogo, Francsco Costa
Tänzerin 2 Alice Firenze
Tänzerin 3 Estzer Ledán
Tänzer 1 Zsolt Török
Tänzer 2 Masayu Kimoto
Ensemble

とうとうウィーン放送交響楽団のコンサートは諦めて
ついつい、この演目の千秋楽に来てしまった。

はい、皆勤賞 👏
バレエヲタクの鑑(何かよくわからん)

しかもこの公演、何とチケットは売り切れ。
こんなモダンな
しかも、かなり尖った演目で
何でチケットが売り切れになるんだろう(本気で疑問)

以前もバランシン・リャング・プロイエットの公演が
やっぱり売り切れだったのだが
これは新聞評でかなり好意的に書かれていたからだろう。
批評家はプロイエットを誉めるのに非常に苦労していたが(爆笑)

千秋楽はヤコブのニジンスキー ♡
もうハート・マークを数億回書きたい ♡♡♡

何と美しいニジンスキー ♡♡♡♡♡
ともかく、あのキレイな顔で虚ろな瞳で
長い手足で美しく踊られたら
悶絶しまくりで悶えまくりの失神直前状態。

しかもナターシャまで出てくるし
私のオペラ・グラス(というより野鳥観察用の望遠鏡だが)は
倍率が高いので見える範囲が限られて
いったいどっちを焦点にしたら良いのか
焦りまくりのシーンもあった。

ヤコブって、若いしキレイだし
リーズの結婚のコラ役とか
初々しくてキュートで涎出そうだったんだけど

このニジンスキー役、演技力も必要だし
若いダンサーにこの役が勤まるのか、と思っていたら
とんでもない憑依タイプのダンサーだった。

途中のソロで、本気で
ニジンスキーが降りて来たんじゃないか、と
ギョッとした。

だってこのニジンスキー
本当に空中で止まるんだもん(そう見える)
俗世から完全に脱出してしまい
自分の過去の夢の世界に彷徨う場面が
異様にリアル。

ミハイルの「人間的悩み」とは違って
天才が、それ故に世間と相容れず
自分の世界に閉じ篭って
そこで自分自身を見いだすという
全く違うストーリーが描かれる。

木本クンのシャムのダンサーは
ダヴィデに比べると背徳的な雰囲気は少ないけれど
これは、表情に拠るところが多いので
実はダンスそのものを観ると
指の逸り方とか、手首の向きとか
かなりエロっぽい表現で
ドキッとする。

ダヴィデは今回は
シャムのダンサーと若いニジンスキー両方を踊ったが
シャムのダンサーの方が良かったような印象。

若いニジンスキーも素晴らしいのだが
あの役、あまり色気はないので(笑)
ダヴィデのオーラを活かしきれない役だったかもしれない。

ローマンの代わりに医者とディアギレフを演じたエノ。
この人のダンスは、ローマンより切れ味が強い。

だから冷血で冷静な医者の役には、よくハマる。
あの鋭い系のダンスの後に
ディアギレフはどうだろう?と思っていたら

これがまた意外にハマったので驚いた。
ローマンほどの「情けなさ」はないのだが
(あれはローマンの持ち味だわ、誰も真似できん)
その分、ちょっと脂ぎったというか
酸いも甘いも噛み分けた大人のディアギレフで

ヤコブとのパ・ド・ドゥで
もう泣けて来ましたよ、ワタシ。
本当にこのパ・ド・ドゥ、素晴らしいのだ。
こんな振付が出来るなんて
ノイマイヤー、やっぱり天才(ため息)

今日は音楽もまとまっていて
バレエ・リュスの本来のアルミードの館の音楽なのだが
実に優雅で洒落ていて、素晴らしいメロディの連続 ♡

私の大好きなバレエ・リュスの最初のワルツだが
その前に、病院のスタッフと患者たちが
ほんの少しだけ、同じ音楽で踊るので
その後のバレエ・リュスのシーンになってから
同じ音楽を、全く違う振付で観る事になって
これがワクワクする程にチャーミング。

しかし、凄まじい作品ではある。
ニジンスキーについては
ノイマイヤーは、これ以外にも
サナトリウムに入る前の
その名もズバリ、ニジンスキーという作品も作っているはず。
それも観たいなぁ・・・
小作品のヴァツラフは何回か観たが。

続くル・サクレはどうしようか迷ったんだけど
千秋楽だし
立ってるから寝落ちの危険性もないし
残る事にした。

ダンサーの有機的な動き
動物が蠢いているような不気味な存在感が
非常に印象的な作品なのだが

同時にニジンスキーが振り付けた
当時としては、とんでもなく前衛的なダンスを彷彿とさせる。
そうか、ノイマイヤーがやりたかったのは
有機的な動物としての表現だけではなく
ニジンスキーが振付したような
土着の動き(=この場合は動物になっているが)と
美しさから、かけ離れたモダンの動きを
現代に持って来たかったのかもしれない。

フランチェスコのソロが実に素晴らしい。
若いし、身体能力バッチリのワイルドなダンサーだから
あの超絶な信じられないバランスを、見事に踊る。
(グラン・ジュテの後に片足着地で
 そのまま片足でジャンプなんて
 ダンサーだって出来る人は少ないんじゃないだろうか)

ニキーシャがまた素晴らしい。
フランチェスコとのデュエットの
色気にならない距離を置いたところでのソロが
生臭い振付なのに、生臭くならないのである。

レベッカの圧倒的なソロについては
何回も書いたけれど

ニキーシャもレベッカも
100%白人という血ではないので
その存在感といったら、もう圧巻。

隣に居た若い男性は
アルミードの館で退屈していたようで
途中でずっとスマホでラインか何かしていて
(光がすごく邪魔)
途中で出て行ってしまったけれど

バレエだから見えない席は確かにつまらないだろうし
プログラムも買っていなかったようなので
舞台で何が演じられているか
全くわからなかったんだろうなぁ。

現代作品は、まぁ、ちょっとだけ事前に調べて来ると
全然観る目が違ってくるんだけど。

腐女子悶えまくりの演目を5回も鑑賞できて
ものすごく幸せな気分になっている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



幸せ気分でオフィスに帰ったら
とんでもないトラブルが待ち構えていたのだが
まぁ、仕事というのはそういうモノだ(笑)

アルミードの館 ル・サクレ 4回目

Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
2017年3月13日 19時30分〜22時

LE PAVILLON D’ARMIDE
LE SACRE

LE PAVILLON D’ARMIDE
指揮 Michael Boder
音楽 Nikolai Tscherpnin
振付・舞台・衣装 John Neumeier

ヴァスラフ・ニジンスキー Mihail Sosnovschi
ロモラ・ニジンスキー Nina Poláková
医者 Roman Lazik
看護人 Iliana Chivarova, Gala Jovanovic, Beate Wiedner*
Alexis Forabosco, Kamil Pavelka
散歩している人たち
Marie Breuilles, Adele Fiocchi, Erika Kováčová, Anna Shepelyeva
Céline Janou Weder, András Lukács, Igor Milos, Tristan Ridel,
Zsolt Török, Jaimy van Overeem,
Lucie Horna, Marina Pena, Joana Reinprecht, Isabella Severi-Hager
Luca Dimic, Dominik Vaida, Wendelin Viehweider, Robert Weithas
過去
アルミード Nina Poláková
シャムのダンサー Davide Dato
タマラ・カルサウィナ Maria Yakovleva
アレキサンドラ・バルディーナ Nina Tonoli
ヴァスラフ・ニジンスキー Denys Cherevychko
セルゲイ・ディアギレフ Roman Lazik
ニジンスキーの子供時代 Richard Szabó
ニジンスキーのクラス・メート Attila Bakó, Marian Furnica,
Trevor Hayden, Arne Vandervelde, Géraud Wielick
バレエ・リュス Abigail Baker, Natalya Butchko, Eszter Ledán, Laura Nistor,
Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman, Rikako Shibamoto
Atttila Bakó, Francesco Costa, Trevor Hayden, James Stephens,
Richard Szabó, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

LE SACRE
振付・舞台・演出・照明・衣装 John Neumeier
音楽 Igor Strawinsky
指揮 Michael Boder

Tänzerin 1 Rebecca Horner
Pas de deux Ioanna Avraam, Francsco Costa
Tänzerin 2 Alice Firenze
Tänzerin 3 Estzer Ledán
Tänzer 1 Eno Peci
Tänzer 2 Masayu Kimoto
Ensemble

アルミードの館とル・サクレ4回目。
今回の演目は皆勤賞の予定。
(すみません、ウィーン放送交響楽団とヤクブ・フルシャは行きません・・・)

4回目はミハイル登場のプレミエのキャスト。
この間、ヤコブの憑依を見た後に
熟した手だれのミハイルのニジンスキー ♡

こうやって2人のダンサーを比べてみると面白い。
ヤコブは本当にアッチに行っちゃっていて(という印象)
ミーシャはもう少し現実に近いところを彷徨っている(という印象)

ミーシャの方がリアル・・・というより
そこかしこに人間臭さが見える。
だから、ヤコブが踊ったような人間離れした
何か異様なモノではなく
あくまでも
「人間ニジンスキー」の苦悩がよく伝わってくる。

ミーシャのニジンスキーは
ものすごく悩んでいる。
こちらも痛みを感じる程に
狂気と現実を行ったり来たりして
その度に感じる苦痛が
観客の心をグサグサ刺してくる。

よって、世の普通の人の理解を超えた天才が
不思議な世界に行っちゃうというよりは
もっとリアルに人間が
悩んで悩んで悩んで
若い頃を追想して、懐かしい気持ちになって
若くて幸せだった頃を思い出して
それでも現実には辛すぎて戻って来られないという
身近なストーリーを見てしまうのだ。

その意味ではミーシャのニジンスキーが
観客に語りかける力は凄まじい。

どちらが好き、というのではなくて
ダンサーによって解釈も変わり
観客の受け止め方も変わってくる、と言う事。
これがあるから
ついつい同じ演目を何回観ても面白いのである。

過去のバレエ・リュスのメンバーを演じたメンバーは最高。
ダヴィデのキレの良いダンスは
キレだけではなくて
デカダンスというか
恐ろしく背徳的な雰囲気をまとわりつかせている。
(そうか、木本クンに欠けていたのは
 この美しく腐敗したインモラルの雰囲気か・・・)

ノイマイヤーのダンスは
男性ダンサーの振付は抜群だが
その分、ちょっと女性ダンサーが不利なのだが
マーシャのキュートでまるで人形のような姿
(よって、過去の幻想である事がよくわかる)
ニナ(トノリ)の汚れを知らない真っ直ぐで素直なダンス
デニスの完璧なテクニックに支えられた
これも、まだ悩みを知らなかった頃のニジンスキー。

で、ずっと、医者役とディアギレフ役を踊っているローマンが
もう背筋ゾクゾクの美しさ。

ニジンスキー(ミーシャ)が最後にソロを踊っている時に
後ろを向いて、山高帽に燕尾服で出て来て
ベンチに座ったニジンスキーに近寄って
自分の手にキッスして
それをニジンスキーの唇に持っていくシーン

いかん、妖しい、妖し過ぎる!!!

しかも燕尾服の下は、逞しい胸が・・・
(あ、ローマン胸毛がない、とか、あっ、何を言わせる!)

この後の2人のパ・ド・ドゥの素晴らしさについては
何回も語って来たけれど
こと、こういうシーンの振付に関しては
ノイマイヤーに勝る振付師はいないわ(断言)

私の友人は
何であそこでディアギレフがハダカなんだ?と
気になっていたようだが(爆笑)

いや、あの燕尾服の下がハダカって
ものすごく色っぽいじゃないですか・・・

別に燕尾服の下がハダカである必要はないけれど
ニジンスキーとの男性同士の PDD で
ディアギレフがあの燕尾服の下に
白いシャツと蝶ネクタイとかしていたら
どう考えても興ざめというか
今の色っぽさが絶対に出ないですっ!!!

ローマンのこのシーンの演技が
表情、視線から、つま先、手の指先まで
ゾクゾクする位素晴らしくて
虚無的なオーラがあって

カーテンコールで出てくると
ローマンが全く違う人物に見えて、ギョッとする。
(カーテンコールは普通の人になってしまう、くそ。
 でもディアギレフでカーテンコール出て来たらもっとコワイかも)

ああ、良いわ〜〜 ♡
本当に素晴らしい。

ライブ放映もしていたみたいだけど
これ、DVD にならんかなぁ。
(無理かもしれない。ノイマイヤーとしては
 自前のハンブルクの方が優先であろう)

それに、厚かましくも正直なところを言えば
オーケストラがかなりボロボロで
音程合ってなくて
ナンですかそれ、という部分がかなりあったので・・・

国立オペラ座管弦楽団=ウィーン・フィル
プライド高いのは構わないけど
やっぱり上演の前に音合わせはしようよ・・・
管があんなに狂っていたら、聴いてる方が気持ち悪い。

ル・サクレも素晴らしい作品なのだが
さすがに、ああいうストーリーの見えない
カラダの有機的動きだけで成り立っている作品は
4回目になると
新鮮な驚きが減るだけに
ちょっと退屈する。

ダンサーは素晴らしい。
だから、1回は絶対に観るべき、と
自信を持って断言する。

フランチェスコの超絶ソロには舌を巻くし
イオアンナとの、色っぽいというよりは
かなりリアルな体臭が漂ってくるような絡みも
ダンサーたちの有機的な動きも
最後のレベッカの圧倒的なダンスも

よくぞこういう作品
ウィーン国立バレエ団で取り上げた・・・というより
これだけの作品を
しっかりと踊れるダンサーが
このカンパニーに居る、という事が
むちゃくちゃ嬉しい。

今日の公演は売り切れ。
(ただ、後半に帰った人もチラホラ(笑))
16日の最終公演も
舞台が見えない席が4枚残っているだけ。

うはははは
16日、ウィーン放送交響楽団に行くか迷ったけれど
一応チケットを確保しておいて良かった!!!
(しかもニジンスキーをヤコブが踊るし ♡)

コンサートも好きだけれど
(春の祭典、あんな演奏したらコンサートだったら(以下省略))
視覚的刺激という意味から言ったら
バレエって、やっぱり脳内刺激がコンサートと違うから
やっぱりバレエってステキ、と
腐女子街道をまっしぐらに走っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


トーンキュンストラー + 佐渡裕

Musikverein Großer Saal 2017年3月12日 15時30分〜17時45分

Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
指揮 Yutaka Sado
バセットクラリネット Sabine Meyer

Joseph Haydn (1732-1809)
 Symphonie e-Moll Hob. I:44 “Trauersymphonie” (ca. 1771)
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
 Konzert für Klarinett und Orchester A-Dur KV 622
 (1787/1791 ; Gassung für Bassettklarinette)
Johannes Brahms (1833-1897)
 Symphonie Nr. 1 c-Moll op. 68 (1876)

トーンキュンストラーの日曜日午後定期。
昨日、あのクルレンツィスなんか聴いちゃった後で
ハイドンにモーツァルトにブラームスという
むちゃくちゃクラシックなコンサート。

久し振りに佐渡裕氏が登場。
別にだから、というワケではないけれど
まぁ、その後に仕事があるから
行かねばならん、と
何となく気が進まないままに行ったコンサートだったが

その分
コンサート後の感動と動揺が
ちょっと普通じゃなかった。

すみません、正直言って
トーンキュンストラーと佐渡裕の組み合わせに
本気で感動して、目を剥いて
こんなにビックリしたの、初めてかもしれない。

(すごく失礼な言い方してます。
 全国の佐渡さんファンの皆さま、ごめんなさい)

ハイドンは、やっぱり音が大きすぎて
楽友協会の大ホールだと
団子になったり、微妙な音の遅れがあったりしたが
最近、トーンキュンストラーの音量大きいし
古楽器オーケストラでもないから、それはまぁ、そういうものか。

モーツァルトで響きが変わって
一瞬、ギョッとしたけれど
モーツァルトはモーツァルトなので
音楽は聴きながら、パッタリ意識が途切れる。
(ちゃんと音楽は鳴ってます、頭の中で)

こいつ最近、開き直ってきたな、と
読者の顰蹙を買っているのは承知の上で
寝ても周囲に全く迷惑のかからない席ですので
どうぞお許し下さい。

後半がブラームスの交響曲1番。
こんな、何回聴いたかわからん曲を
また聴くのか
げっそり
・・・・と思っていたら

何これ?!
むちゃくちゃマッチョで男性的で
最初から横溢するエネルギーの塊!!!!

オーケストラも指揮者も
火の玉と化して
熱い熱いエネルギーを放ちっぱなしで
ちょっと気疲れする位の

熱演

何だブラームスかよ
しかもオロスコ・エストラーダで
最後に全曲 CD まで作ったよね、と一瞬思ったけれど

オロスコ・エストラーダのアプローチとは全く違って
何かもう、全員が何かに憑かれたかのように
凄まじいエネルギー。

こういう熱い演奏に関しては
好みの問題、というのはあるのだが
そんな細かい好みなんか
ぶっ飛ばしてしまえ!!とばかりに

聴衆をバタバタ投げ飛ばし
空間を割いて切って殴り倒して
すごい勢いでドシドシ音を立てて
ブラームスという名の猛獣が暴れまくる。

ここまで見事にヤケドしそうな演奏を聴かされたら
聴いている方としては
その紅蓮の炎に巻き込まれてしまって
抵抗もできずに焼き尽くされてしまう。
(一応、抵抗はしてみたのですが無駄でした)

しかも入魂のコンサート・ミストレスのソロ。
耳を疑いましたよ、ワタシ。
あの線の細い、あまり血色の良くない
神経質そうなコンサート・ミストレスから
表情豊かで、限りなく音が伸びる
力強いソロのバイオリンの音色が出てくるなんて。
(すみません、言いたい放題で・・・)

昨日のクルレンツィスとは
正反対の方向からのアプローチ。
伝統的な堂々とした
フル・オーケストラの響きで
有無を言わせず、力技で組み伏せるエネルギー。

これ、ある意味
指揮者の佐渡裕氏の得意技を
トーンキュンストラーがモノにして来た、という感じかもしれない。

シーズンも2回目を迎えて
指揮者とオーケストラの中に
信頼関係が生まれて来て
その中で
佐渡裕氏の音とトーンキュンストラーの音が
見事に一致した、という印象。

あまりの熱演に出てくるエネルギーに
普段、斜に構えて
気取った事を言っている(反省してます)ワタシまでが
すごい勢いでぶっ叩かれて
地面に突っ伏してゼイゼイ
もう抵抗も何もできません・・・

このオーケストラ
一丸になると、こういうエネルギーを出すのか・・・
知らなかった・・・(絶句)

2シーズン目の半ばを過ぎて
ちょっと何か、トーンキュンストラーって
面白くなって来たぞ、と
ちょっと興味が俄然溢れ出している私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



佐渡裕氏って
さすがにバーンスタインの弟子と言うか
ともかく暑苦しい、というイメージが強かったんだけど
今日のブラームスなんて
本当に極端に暑苦しい(笑)のに
あれは、いったん巻き込まれたが最後
正に抵抗できないエネルギーを放ってくる。
そうか、佐渡さんにファンが多いのは
これなのか、と、初めて納得したような次第です。

ムジカエテルナ + テオドール・クルレンツィス

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年3月11日 19時30分〜22時

MusicAeterna
ピアノ Alexander Melnikov
バイオリン Patricia Kopantchinskaja
指揮 Teodor Currentzis

Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
 Konzert für Klavier und Orchester d-Moll K 466 (1785)
 Konzert für Violine und Orchester D-Dur K 218 (1775)
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 3 Es-Dur op. 55 “Eroica” (1803)

天才で鬼才のとんでもない指揮者
テオドール・クルレンツィスが
自分のオーケストラ、ムジカエテルナと一緒に
コンツェルトハウスでコンサート。

驚いた事にコンサートはオルガン席まで満席。
クルレンツィスって
いつの間に、ウィーンのクラシックオタクの中で
こんなに有名になったんだ?

この指揮者
カメラータ・ザルツブルクのウィーンのコンサートで
初めて見て聴いて、ひっくり返ったのが
2016年10月5日
(おヒマな方、記事は ここ

2017年1月12日と13日には
ウィーン交響楽団とコパチンスカヤで
とんでもないコンサートをした記憶は新しい。
(おヒマな方、記事は ここ と ここ

カメラータやウィーン交響楽団には
客演なので、多少はおとなしくしていたんじゃないだろうか。

自前のオーケストラ持って来たら
どんな事になるんだろう???

うははは
期待を裏切らない
とんでもないコンサートになった(笑)

まずはプログラムである。
実は今日のプログラム
コパチンスカヤのバイオリン協奏曲(約25分)と
ベートーベンの交響曲3番エロイカ(約50分)だけが予告されていて

直前にコンツェルトハウスのサイトを確認していたら
この2曲だけなのに、終演時間予定22時と出ている。

はて???

何かお話でもあるのか
アンコールが長いのか
それとも2曲とも、異様に遅いテンポで演奏するとか?

会場の舞台には
真ん中にアンティークのピアノ・・・

どう見てもアンティークの「ピアノ」であって
(しかもアンティークだがグランド・ピアノである)
チェンバロではないし

第一、モーツァルトのバイオリン協奏曲に
チェンバロなんてあったっけ???

マイクを持ったコンツェルトハウスの総裁が登場。

ううう、こういう時って
指揮者やソリストの急病による変更とか
プログラムの突然の変更とか
あんまり良いニュースじゃないんだけど・・・

戸惑ったような表情の総裁曰く(本当に戸惑ってオロオロ状態だった)

  指揮者のクルレンツィスは
  ウィーンに向かう時に
  いくら何でも
  モーツァルトのバイオリン協奏曲と
  ベートーベンの交響曲だけでは
  ウィーンの聴衆には短すぎて物足りないだろう、と考え

  アジアへの演奏旅行からベルリンに戻ったばかりの
  ピアニストのアレクサンドル・メルニコフに電話をかけ

    お〜い、ウィーンにおいでよ
    一緒に音楽やろう

  という訳で
  本日は最初にモーツァルトのピアノ協奏曲20番
  その後にバイオリン協奏曲、後半をエロイカ、という事になりました。

  代役というのではありませんが
  コンツェルトハウス始まって以来の
  最も直前のコンサート・プログラム変更です。

いや、こういう変更なら大歓迎。
しかも今日は土曜日で
コンサートの後、オフィスに戻って残業する必要もないし(バンザイ)

さて、クルレンツィスがお得意とするモーツァルトを
自前のオーケストラで演奏したらどうなるか。

気絶しそう・・・

何ですか何なんですか、このモーツァルト。
音楽が跳ねてるし飛び回ってるし
え、そんなアクセントあり?
低弦が叫んでますけど、それあり?

メルニコフの「ピアノ」
確かに「ピアノ」であってチェンバロではないが
いったい、この「ピアノ」っていつの時代のピアノ???

ちゃんとハンマーはあるのだから
ピアノで、ピアノの音でもあるし
いや、そうなんだけど
いわゆる現代のグランド・ピアノとは全く違う音がする。

しかもペダルがない。
ペダルがないのにカデンツァの時に
音を重音で合わせるだけで
まるでペダルを使用しているかのような
すごい極彩色の色彩感を出したのには気が遠くなった。

気が遠くなって、そのまま爆睡しました。
すみません、だって、だって、だって
いくら超有名なピアノ協奏曲で
ワタシだって知っている曲ではあるのだが
やっぱりモーツァルトですよ。
モーツァルト聴くと、反射的に爆睡するんですワタシ。

これではいかん、と
バイオリン協奏曲だけは寝るまい、と
堅い決心をして気を取り直して
今回はしっかり聴いたのは

クルレンツィスとコパチンスカヤとオーケストラの
モーツァルトのテーマによる

掛け合い漫才

・・・それ以外に、どうやってアレを表現したら良いんでしょう。

これがモーツァルト?!
様々な才能あるプロの音楽家が
限りなく尊敬し、敬愛し
まるでクラシックの神であるかのように
その音楽をマジメに演奏するモーツァルト???

オーケストラも跳ねて飛んでだったけれど
そこに入ってきたコパンチスカヤのバイオリンのソロって

ネコの鳴き声

・・・気まぐれで、ワガママで
好き勝手やっているのに
そこはかとなく可笑しいネコが
モーツァルトの中で
暴れたり、ゴネたり、僻んだり
笑ったり、ゴロゴロしたり、昼寝したり

何だ、このモーツァルトは?!!!

いや、それこそが天才の鬼才が2人揃った、という事なんだけど
あまりに鬼才過ぎる。

これ、モーツァルトではあっても
モーツァルトじゃない、というか

このモーツァルト爆睡体質の私が
最初から最後まで
え〜っ、次に何やる?
という興味で、寝落ちもせずワクワク聴き続け

更には時々、口を押さえて
何とか笑いを堪えて(それでも顔はニヤニヤ笑いになる)
・・・だから、紛れもない「掛け合い漫才」と断言できる。

いや、凄い。凄過ぎる。
クラシック音楽というものを
真面目に難しい顔で
「楽譜に書いてある事がすべてです」などと
謹厳におっしゃる音楽ファンの方には
全く理解できない世界。

以前のコンサートの時には
途中で帰った「謹厳たる真面目なクラシック・ファン」も居たけれど
今回はクルレンツィスとコパンチスカヤが
何をやるか、興味津々で来ている人ばかりだったので

飛び交うブラボー・コール ♡

コパンチスカヤの自前のカデンツァのキュートな事。
(もちろん現代音楽入ってます)
更には、最終楽章での
アンティークのピアノとの駆け引き
(メルニコフ、そのまま残ってバイオリン協奏曲で一緒にピアノ弾いてた)
コンサート・マスターとの二重奏のやり取り(これがまた爆笑で)

コパンチスカヤ、あまりにキュート過ぎる!!!
クラシック界のナターシャと呼ぼう。
(バレエ・ファンの方ならわかるはず)

さて、後半はベートーベンの交響曲3番「エロイカ」

あれ????
オーケストラのメンバー、全員、立ってる・・・

さすがにチェロは座ってるし
ビオラの男性1名は足に何かあるのか座っていて
クラリネットの年配のオジサンも座っていて
コントラバスは高めの椅子に寄りかかっているけれど

後は弦も金管も木管も、全員立った状態。

指揮台なし、クルレンツィスは指揮棒もなしで
始まったエロイカ。

きゃ〜〜〜〜〜っ!!!

ピリオド奏法で古い楽器を使って
オリジナルの音色を出す、という
学者肌の真面目なオーケストラとか思っていたら大違い。

確かにモダンの音ではないけれど(ピッチが低い)
エネルギー溢れて活き活きしていて
リズミカルで、アクセントが面白くて
強弱激しくて
え?そのバランス?というところが
全然奇妙に聴こえて来ない(それだけ説得力があるのだ)

しかも
コンサート・マスター、面白すぎ!!!!
このコンサート・マスターあってのクルレンツィスか、と思えるくらい
このコンマスも鬼才というか変わり者というか

指揮者のプリエも凄いけれど
コンマスの膝も柔らかく
しかも時々ルルベになって
コンマスのジャンプなんて初めて見た(笑)

視覚的な刺激として
このコンサート・マスター
見てると全然飽きない、というより目が逸らせません。

もともとクルレンツィスが作ったオーケストラではあるけれど
全員が、この鬼才の指揮者のやりたい事を完全に理解していて
面白いじゃん、これ ♡ とノリノリで演奏しているのがわかる。

ベートーベンがものすごく新鮮。
古楽器なので
ウィーン交響楽団とジョルダンのような新鮮さとはまた違うし
アーノンクールがコンツェントス・ムジクスでやったような
オリジナルの響きに拘る方向ではなく

言ってみれば
グスタフ・マーラーが
え〜い、現代にシューマンのスコアは合わん、と
楽譜にものすごい手を入れてしまったような新鮮さ。
(マーラー編曲シューマン、シャイーでナマで全曲聴いた事がある。
 ついでに CD まで買ってしまったのだが、あれはあれで面白い)

鳴り止まぬ拍手に応えてのアンコールが
フィガロの結婚序曲で
これこそ、数千回も数万回も聴いている曲だと思うのだが
何でああ新鮮に聴こえてくるんだろう・・・信じられない。

こういう鬼才って
偉そうでマジメな音楽評論家に無視されて
斬り殺されそうな(ハンスリックだったらやってそう)
そういう危険性も大きいのに

よくぞ出て来てくれた!!!

時代がクルレンツィスを呼んだのか
こんな指揮者が数十人も現れたら
ちょっと困るけれど(爆笑)
この才能は誰にも真似できないだろう。

その意味では、ベスト指揮者ではなく
あまりにユニーク過ぎるオンリー・ワンの指揮者。

マジメなクラシック・ファンで
眉を顰める人も絶対に居ると思うけれど

たぶん、モーツァルトやベートーベンの時代に
貴族や庶民が音楽を楽しんだような感覚を
現代に蘇らせてくれる気分にさせてくれる
貴重な音楽家たちである事は間違いない。

心配しなくても、一度聴いたら
たぶん、ひっくり返って、椅子からずり落ちて
気が遠くなって、笑いが止まらなくなってから
強烈なファンになりますって(断言)

このメンバー、またウィーンに来て
ハイドンとペルゴレージを演奏するので
行きたいのは山々なのだが
同時期にオスロのノルウェー国立バレエの公演が・・・(涙)

ううう、行きたい公演が重なって
身体が2つないのが悲しい私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


アルミードの館 ル・サクレ 3回目

Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
2017年3月10日 19時30分〜22時

LE PAVILLON D’ARMIDE
LE SACRE

LE PAVILLON D’ARMIDE
指揮 Michael Boder
音楽 Nikolai Tscherpnin
振付・舞台・衣装 John Neumeier

ヴァスラフ・ニジンスキー Jakob Feyferlik *
ロモラ・ニジンスキー Ioanna Avraam *
医者 Roman Lazik
看護人 Iliana Chivarova, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko *
Alexis Forabosco, Kamil Pavelka
散歩している人たち
Marie Breuilles, Adele Fiocchi, Erika Kováčová, Anna Shepelyeva
Céline Janou Weder, András Lukács, Igor Milos, Tristan Ridel,
Zsolt Török, Jaimy van Overeem,
Lucie Norna, aria Pena, Joana Reinprecht, Isabella Severi-Hager,
Matteo Magalotti, Dominik Vaida, Wendelin Viehweider, Robert Weithas
過去
アルミード Ioanna Avraam *
シャムのダンサー Masayu Kimoto *
タマラ・カルサウィナ Liudmila Konovalova *
アレキサンドラ・バルディーナ Natascha Mair *
ヴァスラフ・ニジンスキー Davide Dato *
セルゲイ・ディアギレフ Roman Lazik
ニジンスキーの子供時代 Richard Szabó
ニジンスキーのクラス・メート Attila Bakó, Marian Furnica
Trevor Hayden, Arne Vandervelde, Géraud Wielick
バレエ・リュス Abigail Baker *, Natalya Butchko, Eszter Ledán,
Laura Nistor, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman, Rikako Shibamoto,
Atttila Bakó, Francesco Costa, Trevor Hayden, James Stephens,
Richard Szabó, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

LE SACRE
振付・舞台・演出・照明・衣装 John Neumeier
音楽 Igor Strawinsky
指揮 Michael Boder

Tänzerin 1 Rebecca Horner
Pas de deux Nikisha Fogo * , Francsco Costa
Tänzerin 2 Alice Firenze
Tänzerin 3 Estzer Ledán
Tänzer 1 Zsolt Török *
Tänzer 2 Masayu Kimoto
Ensemble

連日睡眠時間3時間だか4時間だかで
バレエに行こうというワタシもアホだが
一番安い席で立ってみれば
(註 立ち見席ではない)
寝落ちだけは避けられるだろうという計算。

ええ、どうせアホですが何か?

アルミードの館
ニジンスキーのサナトリウムでの幻想を描いた
ノイマイヤーのバレエのニジンスキー役に
ヤコブが登場!!! ♡

ミハイルのニジンスキーがあまりに良かったので
ヤコブだとまだ若いし(何せ20歳ですし)
役作りとして、どうなんだろうなぁ、と思っていたが

そんな心配、全く無用でした!!!!

身体の美しさ
バレエの優雅さ
空間の掴み方の大きさ

手足が長くて
均整の取れた体型というのは
(もちろん本人の努力もあるけれど)
あんなに舞台上で存在感を持つのか、と
最初からため息・・・どころか
イオアンナと歩くシーンで
もう何か、涙出そう。

物語が進むにつれて
ヤコブの表情の移り変わりも激しい。

妻のロモラ・ニジンスキーから視線を外して
突然遠くを見て自分の世界に入ってしまうニジンスキーが
幻想の世界の中で
自分の過去の中に生き始めるあたりから

どう見てもヤコブに何か憑依したような・・・

あのダンサー、ただカワイイだけじゃなかったのか。
ニジンスキーの心の中に
すっぽり入り込んで
その幻想の中を生きている、という強い印象を残す。

ニジンスキーが自分の世界に籠ってしまったのは
29歳の時だから、ヤコブよりもちょっと上なんだけど
その幻想の世界への移行や
その後、思い出したように踊るニジンスキーや

ローマン(ディアギレフ)とのパ・ド・ドゥ!!!!
あああああ、きゃああああっと叫びたいくらい
本当にこのシーンは素晴らしい。

どんなに腐女子と呼ばれようが
(女子という年齢ではないのは置いておいて)
ローマンのあの愛情籠る視線と
(幻想の中だから)時々みせる空虚な目が
ヤコブを見て、遠くを見て

ヤコブはそれに応えるのでもなく
それなのに、ディアギレフに捕われてしまって
逃げようにも逃げられない
自分でもよくわからない、という不思議な感情。

最後のシーン
ほとんどハダカで
サクレのメロディ一節で取るバランスの見事さ。
身体の美しさ ♡
あああ、若いって良いわ、じゃなくて
他のものには置き換えられない肉体の美 ♡

こっちの感情移入も半端じゃなくて
ヤコブがニジンスキーと化したと同時に
こちらもニジンスキーの心情に同化してしまい
もう、何か、自分でもワケわかりません。

シャムの男の子は木本クンが踊った。
民族的な観点から見れば合っていたのかもしれないが
木本クンのダンスは
もともとが優雅なダンスなので
ダヴィデより少しキレと遊びに欠けた印象。

そのダヴィデは若いニジンスキー
フォーキン振付のアルミードの館の奴隷役で登場。

これがまた素晴らしい。
ダヴィデ、プリンシパルになってから
ぐんぐん伸びて来て
どんどん踊りが変わっていく。

ダンサーの輝く時代を観られる我々は
ものすごく幸せだと思う(感涙)

リュドミラがタマラ役で出て来て
派手なテクニックはお手のものなので
非常に華やかにはなったのだが

アレキサンドラがナターシャ!!!!♡
うわうわうわ、キュート過ぎる。
本当にお人形さん、小悪魔、バレエ・コミックの主人公
表現力に欠ける私が
どんなにジタバタしても、あのキュートさは表現できない。

前に座っていた
オペラに来るのにその服装?という
どこかからの国のカップルは
この演目で、もうひたすら退屈していて
(そりゃ、ニジンスキーの話知らないとちょっとね)
幕間から戻って来なかったので
前に移動して
座ってル・サクレ見ていたら

・・・ごめんなさい!!!
マジに寝落ちしました。
いくつかのシーンは目をひたすら開けて観ようとしたんだけど
フランチェスコのソロとか
レベッカのソロの部分で
しっかり寝込んでしまって(涙)

あぁ、ダンサーの皆さま、本当にごめんなさい。
(よって、ウィーン・フィルによるル・サクレの音楽も
 ほとんど意識にない)

でも今日はアルミードの館の
ニジンスキー憑依のヤコブが観られただけで
ひたすら幸せ。

まさか20歳のヤコブが
あそこまで役にピッタリ嵌るとは思っても見なかった。

何とか今週で仕事は一山越えそうなので
(しかも来週はコンサートがない!)
だんだん落ち着きそう。

週末はちょっと仕事が入るけれど
来週からちょっと楽になるかも、と
期待している私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



昨年の今頃はもっと大変だったんだから
それに比べたら、今年は楽(笑)


ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

Musikverein Großer Saal 2017年3月8日 19時30分〜21時30分
Musikverein Großer Saal 2017年3月9日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Phlippe Jordan

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symhphonie Nr. 4 B-Dur, op. 60
 Symphonie Nr. 5 c-Moll, op. 67

ウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンの
ベートーベン・チクルスと名付けてはいるが
今シーズンに全曲演奏する訳ではないようで
先日1番と3番
今回が4番と5番で
3月にバルトークのピアノ協奏曲3番との組み合わせで6番を予定。

ちっ、私の好きな2番と8番は無視か・・・
(9番はまぁ、どうでも良い。すみません、色々とね・・・)

3月は仕事がむちゃくちゃ忙しい時期で
でも昨年と比べたらまだマシと自分に言い聞かせつつ
何とかやってる状態なので
昨日と本日の感想を一緒に書くが
まぁ、同じコンサートの似たような記録を残すよりマシかも。

読者ご存知の通り
つい先日、優等生でパーフェクトなオーケストラを聴いた後で
ウィーン交響楽団を聴くと

・・・・(沈黙)

巧い・下手は全く関係ない。
音楽的にどれが上とか、そんな恐ろしい事を言うつもりもない。

昨日のコンサートの時には
うはははは、えらく粗い演奏だなぁ
どこかのオーケストラだったら完璧に揃える
速いパッセージのアンサンブルも
勢いに任せて、え〜い、やっちまえ、みたいなところがあって

それがまたえらく魅力的っていうのは何故なんだ?!

ベートーベンの交響曲なんて
CD でも Youtube でも
ついでにナマでも、イヤという程聴いている筈なのだが

今回のコンサートは、すごいエネルギーなのだ。

ここ数年流行っている
ピリオド奏法による小編成のアッサリ感は全くなく

かと言って
いわゆる過去の巨匠たちがやったような
(あるいは現代でも数人居るが(笑))
思い入れたっぷりのアゴーギクたっぷりの
大編成オーケストラのどっか〜んという
ほら見ろ俺さまたちを聴け、というのでもない。

勢いでぶっ飛ばし、すっ飛ばし
あちこちをなぎ倒して
周囲を完全に巻き込みながら
すごい速さで駆け抜けていく
イタズラ小僧みたいな印象。

だから、聴いていると
ウキウキしてくるし楽しいし
奇を衒っているところは全くないのに
自然に身体が反応してしまう。

2日目はスコアに頭を突っ込んで
4番の2楽章で時々瞬間睡眠に襲われて
スコアに置いてきぼりを喰らわされたりして
(ベートーベンなら、まだ追い掛けられる)
結局、第3楽章から最終楽章までは
ぐったり寝落ちしていた
・・・ような気がする。頭の中で音楽は鳴っていたけれど。

5番の第3楽章の255小節目から始まる
最終楽章の前の
タタタ・タ タタタ・タ という箇所の響きが
信じられない気味悪さで
こんな演奏、初めて聴いた。
どこをどうバランス取ったら、あんな音になるんだろう?

気味悪いというよりは
ほとんど現代音楽かこれは、というパッセージの後に
爆発するような最終楽章が
これまた、凄まじいスピードで駆け抜ける。

スコア見ていても
リズムが微妙にズレかけた箇所とか
おい、なんだその音、っていうソロも
なかった訳ではないのだが
(99,9999% のソロは見事でした)

多少の傷はあっても
アンサンブルの緻密さは優等生オーケストラに負けても
その「揺れ」が
とんでもないエネルギーを発散する。

オーケストラのメンバーが全員揃って
身長も体重も同じで
首の角度もすべて揃えて
右向け右、とやるより

多少向け方が上だったり下だったり
個性の強い芸術家たちが集まって
それぞれの音を響かせながら
それぞれの個性を尊重しながら
多少の揺れをモノともせずに
ぶつかり合う個性を
指揮者が、自分の個性を出しつつまとめた、という感じ。

だから、音に味がある。
完璧性だけを競うのだったら
楽譜をコンピュータに入れて
正確に読ませたら、そこで事は足りてしまうわけで

強烈な個性のぶつかり合い
音の揺れ
ほんの少しの傷
というような物が
ものすごく人間臭い(笑)

で、それはたぶんベートーベンの曲には
非常に合う。
ヤケッパチみたいな
庶民バンザイみたいな
破天荒なベートーベンが

ほらほらほら、面白いだろ、これ
と、ニヤニヤ舞台を見ているような気分になる。

5番は第2楽章から最終楽章まで
アタッカで通したけれど
それだけ緊張感も続いて
音楽的なまとまりがよく聴こえて来た。

アンコールにエグモント序曲 ♡
(この間の1番・3番の時はコリオラン序曲だった)

いやしかし、凄いなこのオーケストラと
フィリップ・ジョルダンって・・・

この間の優秀なオーケストラと
対極的なところに立っているような印象だが
(両方とも一流のプロなので、巧いのであって
 技術的にどうのこうの言っているのではない)
音楽がイキイキしていて
ひたすら人間的で
すごくオーガニックで

ついでにイタズラ小僧で悪ガキ(爆笑)

1日目は指揮者のジョルダンを見ていたのだが
この長身のイケメン指揮者
指揮台の上で
全身使って(上半身だけではない!)
踊るわ踊るわ
身体中から音楽を発散している。

何ともチャーミングで魅力的なコンサート。
こういう演奏を聴くと
やっぱりベートーベンって名曲だなぁ、と思うと同時に
色々な解釈を許す余地のあるクラシックって
聴き飽きないし

時々、こういう目の醒めるようなビックリもある。

多少睡眠不足でも
(コンサートの間、寝てるから(汗))
こういう時間を持てるって
ものすごく幸せな事だと
しみじみ思う私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



しかし、このオーケストラ
この間、マジメにピリオド奏法で
ヨハネの受難曲とか演奏してたオーケストラだよね?
カメレオンみたいなオーケストラだな(誉めてます)

calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>
sponsored links
★コンタクト・メイル★
メイルはこちらへ
ブログランキングに1クリックお願いします
selected entries
categories
archives
recent comment
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM