ウィーン交響楽団 + ラハブ・シャニ

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月20日 19時30分〜21時40分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Lahav Shani
    バイオリン Renaud Capuçon

    >>Frühling in Wien<<
    Das TV-Osterkonzert der Wiener Symphoniker

    Paul Dukas (1865-1935)
     L’apprenti sorcier „Die Zauberlehrling“.
      Symphonische Scherzo nach Johann Wolfgang von Goethe (1897)

    Maurice Ravel (1875-1937)
     Tzigane. Rapsodie de concert für Violine und Orchester (1924)

     Daphnis et Chloé
      Fragments symphoniques, deuxième série (1913)

    Ernest Chausson (1855-1899)
     Poème op. 25 für Violine und Orchester (1896)

    Maurice Ravel
     La Valse. Poème choréographique pour orchestre (1919/20)
      Mouvement de Valse viennoise

    アンコール
    Jules Massenet: Méditation (Thaïs)
    Johann Strauß (Sohn): Frühlingsstimmenwalzer op. 410
    Johann Strauß (Sohn): Furioso-Polka op. 260

    昨日の金曜日はカール・フライタークで
    イエス・キリストが十字架上でお亡くなりになり
    よって、夜はコンサートもオペラも劇も何もない。

    本日土曜日は、ユダヤ教では安息日なので
    墓の中のイエス・キリストが
    せっせと活動停止した細胞を(たぶん)再生している(と思われる)日で
    そんな日にコンサートしちゃって良いのか・・・とは思うのだが

    まぁ、世の中、ビジネスですから(笑)
    ウィーン交響楽団の「ウィーンの春」コンサートは
    テレビ中継があるので
    舞台に花が飾られている。
    (さすがにコンツェルトハウスのホールは広いので
     ニューイヤー・コンサートの楽友協会みたいな華やかさはない)
    明日4月21日のコンサートはフィデリオでライブ
    オーストリア国営放送テレビ3番では20時15分から開始。
    カッティングした「ベスト・オブ」は22日の朝10時45分から放映予定。

    という事は、本日はゲネプロかい(笑)→ テレビ・カメラは入っている。
    しかも、このコンサートのチケット
    最貧民席で40ユーロを越えるという強気設定。
    同じ日に国立オペラ座でバレエがあったので
    そっちの方がコスト的には助かったかも。
    (しかも今日のキャスト、ちょっと涎モノだったのだ、くっ・・・)

    まぁ、買っちゃったものは仕方ない(苦笑)
    しかも、ウィーンらしからぬ、フランス一色プログラムで
    ポール・デュカスの「魔法使いの弟子」
    ラヴェルの「ツィガーヌ」に「ダフニスとクロエ」
    休憩の後はショーソンの「詩曲」
    最後にラヴェルの「ラ・ヴァルス」

    ・・・こんなプログラム構成、誰も反対しなかったんかい?!

    いや、オーケストラの色彩という意味では
    徹底的に楽しめる構成ではある (^^)
    有名曲ばっかりだし。

    デュカスの魔法使いの弟子は
    木管のソロの楽しさが爆発する。
    かなり解像度を上げて
    こういう曲を、解像度を上げると
    コンツェルトハウスのホールの音響にはぴったりハマる。

    ラヴェルのツィガーヌはルノー・カピュソンが登場。
    名人芸の最初の長いソロが素晴らしい。

    コンサート・マスター、ソロの間、目を瞑っていたのは
    聴き惚れていたのか、居眠りしていたのかわからないが。

    ラヴェルという作曲家、本当に引き出しが多い。
    エキゾチックな曲を書いても
    ジプシー音楽を、しっかり自分の枠内に取り込んで
    しかも冒険的な試みも多くて、ホントにワケわからん作曲家だ。

    続いてラヴェルのダフニスとクロエ第2組曲。
    あれは出だしが非常に難しいのだが

    シャニは徹底的に分析的に出して来た。
    オーケストラの色彩感というよりは
    緻密に編まれた、音の絨毯の一つ一つの糸を提示してくる感じ。
    ラヴェルのスコアを、とことん解剖して
    パーツに分けて、それをまた精密に編み込んだ印象。

    その分、あまり、いや、全然、色気がない。
    分析的・理論的アプローチであって
    時々、すごく元気良くボリュームを上げるんだけど
    リズムが時々、跳ね上がってしまって
    クロエは、そんな元気なキャピキャピ女子じゃないわい
    ・・・というのは、私の偏見だが

    まぁ、若いカップルの話なので
    元気が良いのは良い事だ(ってワケわかりませんが)

    調子良く終わる曲なので
    聴衆もノリノリで幕間に行く。こういう構成、好きだな。

    ショーソンの「詩曲」については
    私は不勉強なので何も言わない。
    (ショーソン、なかなか私には響いて来なくて
     愛と海の詩だけは聴き込んだ事があるけれど
     どうも、ちょっと苦手)
    カピュソンのバイオリンはよく響くし美しい。

    さて、ここでカピュソンのアンコール・・・と思ったら
    シャニも指揮台に乗って
    演奏されたのがタイスの瞑想曲って
    正に名曲アワーではないか。

    しかし、やっぱりフル・オーケストラで聴いてみると
    (ほとんどの部分が弦で、第一バイオリンのパートは
     カピュソンがソロで弾いている感じだが)
    名曲ではあるなぁ。

    最後はラヴェルの問題作「ラ・ヴァルス」
    ウインナー・ワルツ・・・ではあるのだろうが
    まるで死の舞踏だし
    アポテーゼなのかアンチテーゼなのか
    いつもわからなくなってしまう曲。

    多少大きめのボリュームで
    やはりパート同士の解像度が抜群に良い。
    良すぎて、オーケストラの音のミックスによる色彩感には
    多少欠けるような気がするし
    時々、リズムを叩きつけるような感じで振るので
    エネルギッシュではあるけれど
    またもや、ワルツを踊っている人がジャンプしているような感じ。

    ほとんどタメがなくて
    (これはダフニスとクロエの時も)
    音楽の流れとしては中断せずに続いていく感じはするが
    あまりワルツっぽくないし
    中間の、あの蕩けるような甘いメロディも
    比較的分析的に冷静に響く。

    しかしウィーン交響楽団の木管と金管って優秀だなぁ。
    新人メンバーも結構いたが、すごく巧かった。

    それに比べ耳鳴りのような(以下省略)

    これで終わりかと思ったら
    シャニが指揮台に立って

    おおおおおおおっ
    ヨハン・シュトラウス2世の「春の声」とは・・・
    「春のコンサート」と銘打っているから
    これは納得できる選択なのだが

    何故、そんなにズレまくるんですかっ!!!(涙)

    ド・シロートの根拠ない憶測としては
    ウィーンっぽくウィーンのオーケストラっぽく
    弾きなれたタイミングで弾いちゃったプレイヤーと
    指揮者の意図とアインザッツをしっかり守ろうとしたメンバーで
    あれ、という部分が・・・

    いや、これ、絶対に明日のライブ放送の時には治ってるから。

    こういう、ちょっとズレたワルツって
    まぁ、ウィーンらしい、と言えば
    こんなにウィーンらしい緩さも、滅多にコンサートでは聴けないので
    その意味、貴重だったかも(でもやっぱりあれだけズレると気持ち悪い)

    それで終わりかと思っていたら
    最後にド派手なポルカを一発噛ませて(笑)
    元気なシャニには結構楽しかったんじゃないだろうか、この曲。

    チケット高かったけど
    舞台の花代?かもしれないし

    イースター休暇時期に仕事しなければならない
    オーケストラ・メンバーの割増料金だったかもしれないし
    (そういうモノがあるのかは私は知らない)

    テレビで放映して下さい、と
    オーケストラがテレビ局に袖の下を払った・・・とは思えないし

    ルノー・カピュソンのギャラが高かったからなのか
    あるいは、コンツェルトハウスが
    観光客狙いで、このチケット料金でも
    観光客が買うだろうという(年末・年始の第九と同じ)目論見だったのか

    割にギャラリーの貧民席は空いていたので
    高いチケットの方が売れたのかなぁ、と
    無駄な事をついつい考えてしまう私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    土曜日なので買い物に行ったのだが
    気温は25度まで上がり
    夜のコンサート終了後も20度くらいで
    コートをクロークに預けなくて済んだ。
    これで1ユーロ50セント得した・・・って
    どこまでケチや(セルフツッコミ)

    ラルフ・ベナツキー「妹と私」オペレッタ

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      Volksoper 2019年4月18日 19時〜21時45分

      Meine Schwester und ich
      Musikalische Komödie in zwei Akten mit Vor- und Nachspiel
      Text von Robert Blum und Ralph Benatzky
      nach Ma soeur et moi von Georges Berr und Louis Veneuil
      Musik von Ralph Benatzky
      Musikalische Einrichtung von Guido Mancusi

      指揮 Guido Mancusi
      演出 Robert Mayer
      舞台・衣装 Christof Cremer
      振付 Andrea Heil

      ドリー サン・ラビッシュの城主 Lisa Habermann
      ロジェ・フルリオ博士 Lukas Perman
      レイシ・ド・ナジファルディ伯爵 Carsten Süss
      (アテレコ Robert Mayer)
      アンリエッテ Julia Koci
      執事・裁判官 Nicolaus Hagg
      イルマ 靴屋の売り子 Johanna Arrouas
      フィロセル 靴屋のオーナー Herbert Steinböck
      ムシュー・カマンベール 靴屋の客 Georg Wacks
      陪審・召使い・レビューのダンサー Mitglieder des Jugendchores der Volksoper

      今シーズンのフォルクス・オーパーの新プロダクション
      ラルフ・ベナツキーのオペレッタ
      タイトルは訳すとすれば「妹と私」って感じなのかなぁ。

      滅多にオペレッタとか行かない私が誘惑されたのは
      例のイースター時期のキャンペーン
      4枚買えば50%割引(こういうのに弱い)に釣られたのだが
      これ、確かに明るくて楽しい出来になっている。

      踊れて、歌えて、演技ができる
      見目麗しい役者(=歌手)が揃っている
      フォルクス・オーパーならではの作品。

      上演前に、貧民席からは見えないものの
      よくご存知、フォルクス・オーパーの支配人の
      ローベルト・マイヤーが登場。

       公演前に誰かが出てくると、公演のキャスト変更で
       今回も例外ではありません。
       残念ながら、カルステン・ズュースが咽喉炎で
       医者から、話す事も歌う事も禁止されました。

       ただ、カルステン・ズュースは舞台に登場します。
       皆さまはズュースを舞台で見る事ができますが、聞く事はできません。

       私が譜面台を持って横に立ち、
       合わせて喋ったり歌ったりします。

       どうか、舞台では私を見ずに、ズュースを見て下さいね。
       観客から見られると非常に緊張するので(ここで観客から爆笑)

      さすがマイヤーというか、まぁ見事にアナウンスをキメてくれた。

      しかも、カルステン・ズュースは、ちゃんと演技はしているので
      口は動かしているのである。
      そのセリフの口の動きと、ほとんどズレなく
      喋って歌ったマイヤーって、スゴイ。
      口パクで全く声を出さず、あの迫真の演技をしたズュースもスゴイ。

      演技達者というか、芸達者というか、さすがプロというか
      いやもう、あんなに違和感のない口パクのアテレコ、初めて見た(聞いた)。

      さて、前半では離婚裁判のシーンから始まり
      個人の図書館で司書として雇われたロジェが
      仕事が終わらない、とバタバタしているのだが

      邪魔が入るたびに
      本を放り出す演出って何なんだ!!!(怒)

      数冊持ってハシゴを上がったとたんに
      何かの邪魔が入って、本を床に数冊、すごい勢いで落とす
      ・・・というのが、何回かあって

      本が投げ出されるというのは
      私は、ものすご〜〜〜〜〜〜くイヤなの!!!!

      ページが捲れたり、綴じが取れたり、背表紙が傷んだり
      学生時代、図書館に閉じこもって
      本を大事に読んでいた私は
      あんなに無神経に本を投げる、落とす、というシーンが続くと
      いたたまれない・・・というより、精神的な苦痛が大き過ぎる。

      ドリーはロジェに惚れているので
      せっかくロジェが片付けた本をめちゃくちゃにしたりしている。

      ロジェはロジェで
      2ヶ月前にナンシーでの教職が決定して
      今日の夜の列車でナンシーに向かう予定なのに
      司書を辞める事をドリーに言う事ができず
      しかも、仕事が終わっていないので
      ギャラを貰えないんじゃないか、と悩んでいる。

      2ヶ月前に転職が決まっていて
      それを、辞めるその日まで雇い主に言う勇気がないって
      それ、社会人として失格でしょうが!!!!(怒)
      (しかも設定が音楽学の博士なのよ。
       ウィーン大学の音楽学の博士号を持った教授の中には
       こんな社会人失格で、ウジウジしたワケのわからんタイプは居ない!)

      メイドのアンリエッテが、大丈夫よ、ギャラは5000フラン
      ちゃんと貰えるわよ、と歌い
      それにデュエットして、5000フランなんて大金、スゴイぞ、と
      大喜びするロジェに

      ドリーが無造作に小切手を切るのは
      5000フランどころか10000フラン。

      ロジェも、こんなに頂けません、とか口先では言うくせに
      ダンス・シーンでダンサーたちの間を小切手が飛び交い
      (これもワタクシ的には許せないシーンで
       現金と同じ価値の小切手を、あんなに乱暴に扱うなんて!!!)
      最後はメイドが胸の合間に入れたのを
      結局、ロジェが取り戻して、ちゃっかり貰ってしまう。

      後半の靴屋さんのシーンでも
      靴の箱の取り落としが何回もあって、心が痛む。

      モノは大切に扱いましょうって
      家庭で躾されませんでした?(涙)

      さて、そのロジェだが、ドリーは惚れているのだが
      ロジェはプリンセスというだけで萎縮しまくりで
      前半では、嫌がっている男性に
      しつこく纏わり付く女性という
      何だか、あまり共感が持てない。

      ナンシーに行く、と聞いて
      シャンパンとキャビアで、ロジェの労をいたわりつつ
      ナンシーには、文学者と結婚して離婚して
      靴屋で働く妹が居るから、そこに荷物を届けて欲しいと
      ウソをつくドリー。

      ドリー役のリザ・ハーバーマンは見た目が美しく
      スタイル抜群で、プリンセスの気品もある。
      表情がかなりせわしく変化して、演技も巧い。
      (表情がくるくる変わるのが、時々、大げさ過ぎるけれど)

      声は細いけれど、澄んだ高音も出すしスープレットだし
      マイクはつけているから声量関係なく
      ハマり役ではある。

      ロジェは張り切って、明日、その靴屋に行きます、と言いだすので
      慌てるドリー。

      後半は、その靴屋さんでのシーン。
      イルマ役のヨハンナ・アロウアスは
      歌って踊れるフォルクス・オーパーの看板歌手の1人だから
      歌も巧いけれど、ともかく動きが見事。
      多少はしたない動きも、見事に見せてしまう。
      キャピキャピした、舞台に憧れる若い浮ついた女性役にぴったり。

      ドリーは突然現れて雇ってくれ、と迫るが
      断られそうになって
      雇ってくれたら、1日につき1000フラン払うわ、と
      カネにモノを言わせて無理やり雇ってもらう。
      (前金ね、はい10000フラン、と渡すので
       フィロセルは大喜びである)

      イルマに、あなたの着ている服を頂戴、と言って断られると
      またもや、じゃぁ、あなたの服に3000フラン払うわ、と
      これまた、すべてお金で解決。

      アメリカあたりの資本主義をおちょくっているのかもしれないが
      そういう毒は全く感じられない演出で
      そこまでやって、ロジェをモノにしたいのか、っていう感じ。

      やって来た客の扱いも、あまりに酷いし・・・(苦笑)
      カネをもらった靴屋のオーナーのフィロセルは
      ドリーの失敗も何のその、庇って甘やかせて、という
      あ〜、世の中、金があれば何でもありかよ・・・(唖然)

      やって来たロジェが、ドリーの妹(と偽っている)に
      一目惚れするのも、何だかなぁ。
      まぁ、このシーンは演技もダンスも歌もなかなか良くて
      ちゃんと、恋におちた2人、というハッピー・シーンで
      見ていて、可愛いし、リアルにも見える。

      もともとドリーに惚れていて
      追いかけて来たナジファルディ伯爵は
      ハンガリーの男は惚れっぽい、という役割で
      イルマに惚れてしまい
      イルマはイルマで、お金持ってるオトコ、大好き!と
      すぐにお金になびいてしまうという

      ・・・やっぱりこれ、ラブよりはマネーというオペレッタなのか?

      ハッピー・エンドで終わるかと思いきや
      最初の離婚裁判のシーンに戻り
      ロジェが、結婚はしてみたものの
      貴族の生活に耐えられない・・・と延々と語る。

      このドリーってお姫さまもアホだね。
      研究者なんて、贅沢な生活よりは
      豊富な研究資料と共に
      図書館に閉じ込めておけば
      ハッピーな生活が出来るタイプなのに。

      あ〜、でも、このプリンセス
      研究者の、一瞬でもヒマがあったら論文読みたい
      みたいな欲求を理解できるタイプではなさそうだ(独断・偏見)

      その意味では、身分違いの恋というより
      人生観が違うって感じで、歩み寄れないとは思うのだが
      それは、私があまりにリアリストだから、という理由もある(すみません)

      舞台は明るいし
      衣装も、明るい原色を多用したカラフルな洒落た衣装だし
      歌って踊れて、という芸達者の出演者が
      本当に歌って、踊ってを繰り広げてくれるので
      音楽的に深いとか言うものではないけれど
      カネの事とか、モノの粗末な扱い方とか
      研究者とプリンセスとか、考えなければ
      まぁ、ラブコメとして見るなら、水準はかなり高い。

      何回も繰り返し出てくる
      フロイライン、ワインを一杯、飲みに行きませんか、というメロディは
      後々まで記憶に残るので
      若い(あるいは中年の)カップルは
      この後、少なくとも、ちょっと気が効いた男性なら
      連れの女性を、あのソングを歌って
      ワイン一杯に誘うんじゃないかなぁ。

      色々と心が痛む場面(本の放り出しや、世の中なんでもカネ)もあるけれど
      まぁ、オペレッタだから・・・と納得すべきであろう、きっと。

      作品としての出来は非常に良いので
      あまり深く考えずに楽しめるのであれば
      見て損はない、と思う私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      フォーサイス、ファン・マネン、キリアーン 2回目

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        Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
        2019年4月17日 19時30分〜21時45分

        FORSYTHE / VAN MANEN / KYLIÁN

        ARTIFACT SUITE
        振付・舞台・衣装・照明 William Forsythe
        音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo Nr. 2 d-Moll BWV 2004
        Chaconne; Eva Crossman-Hecht
        ダンサー
        Nikisha Fogo - Jakob Feyferlik
        Nina Polákova - Roman Lazik
        Oxana Kiyanenko
        Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butschko, Laura Cislaghi,
        Venessza Csonka, Sveva Garguilo, Gala Jovanovic, Zsófia Laczkó,
        Ester Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee, Katharina Miffek,
        Suzan Opperman, Xi Qu, Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman,
        Rikako Shibamoto, Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
        Céline Janou Weder, Beata Wiedner, Madisson Young
        Nicola Barbarossa, Leonardo Basílio, Giovanni Cusin, Marat Davletshin,
        Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Trevor Hayden, Scott McKenzie,
        Igor Milos, Hanno Opperman, Tristan Ridel, Gaetana Signorelli,
        James Stephens, Navrin Turnbull, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

        TROIS GNOSSIENNES
        振付・舞台・衣装 Hans van Manen
        音楽 Erik Satie
        衣装 Oliver Haller
        照明 Jan Hofstra
        ピアノ Laurence Lisovich
        ダンサー Maria Yakovleva - Jakob Feyferlik
        Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Hanno Opperman

        SOLO
        振付 Hans van Manen
        音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo h-Moll BWV 1002,
        Corrente - Double
        舞台・衣装 Keso Dekker
        照明 Joop Gaboort
        ダンサー Denys Cherevychko, Richard Szabó, Géraud Wielick

        PSALMENSYMPHONIE
        振付・照明コンセプト Jiří Kylián
        音楽 Igor Strawinski
        舞台 William Katz
        衣装 Joop Stokvis
        ダンサー
        1. Paar: Ketevan Papava - Roman Lazik
        2. Paar: Nikisha Fogo - Denys Cherevychko
        3. Paar: Kiyoka Hashimoto - Davide Dato
        4. Paar: Nina Polákova - James Stephens
        5. Paar: Nina Tonoli - Navrin Turnbull
        6. Paar: Rikako Shibamoto - Leonardo Basílio
        7. Paar: Anita Manolova - Marian Furnica
        8. Paar: Gala Jovanovic - Tristan Ridel

        現代の音楽好きの学生ならば
        小学校高学年から中学校に入るくらいの時期に
        みんなシンセサイザーで遊んでいた筈で

        生まれて初めてシンセサイザー・プログラミングを見た
        60歳過ぎのババアなんて
        もう、どうしようもない存在だと思うのだが

        世代が違う私の父は
        60歳で引退してからコンピュータ学校に行って
        (まだプログラムが MS DOS だった頃の話!)
        一時期送られて来ていた手紙が(当時はメールはなかった、航空便のみ)
        DOS が、サイン、コサイン、タンジェントが・・・という
        30年前の私には、さっぱりわからない内容だった事を考えると
        ウチの父方の家系には
        引退したらヘンな事を始めるという血が流れているのかもしれない。

        シンセサイザーで頭が一杯になったら
        久し振りに偏頭痛が復活して
        吐き気はするわ、空欠伸は出るわ、気持ち悪くて
        オペラ座まで行くのもしんどい状態だったのに
        やっぱり足はオペラ座に向いてしまう私も、業が深い・・・

        モダン・バレエにもかかわらず
        客の入りは悪くない。
        プロモーション・クリップが出たので貼っておく。



        2回目の鑑賞だが
        最初のフォーサイスの作品
        初めて見た時には、記号的、象徴的で混乱したのだが
        2回目に見ると、この作品、すごく好きかも。
        最初のバッハの無伴奏バイオリン組曲で
        カップルが中心になるシーンよりも
        後半のピアノのバリエーションでの
        ソリストやハーフ・ソリスト、コールドが踊る部分が、とても好き。

        私のいつも買う超貧民席からだと
        視線が上からになるので、全体の動きの鮮やかさがよくわかる。
        ほとんど機械的なダンサーの動きで語られる抽象的な物語は
        キリアーンの作品とはまた違う別世界へ観衆を誘う。

        とは言え、これ、バレエ鑑賞の初心者には
        結構、難しい作品かもしれないなぁ。
        ロジェの貧民席の人たちは
        チケットが安いせいもあるけれど、途中で退席する人も多い。

        本当に不思議な作品なのである。
        機械仕掛けの人形みたいなところもあって
        こういう仕掛けのミニチュアあったら、絶対に買う、とか
        ついつい、けしからん事を妄想してしまう。

        群舞の中でも、何人かのまとまったソロがあって
        マディソンの目立つ事・・・
        いや、群舞の統一感には全く影響はないのだけれど
        一つ一つのパの動きが鮮やかで
        背中の表情が、見事な語りかけをして来るし
        一緒に踊っている他のダンサーから
        ほとんど浮き上がって見えるくらいの素晴らしさ。

        幕間の後のマネンの作品の
        ヤコブとマーシャの写真は
        プログラムの表紙にもなっているし
        遅ればせながら、大きな写真でのプロモーションを
        やっと市内で発見。

        サティの音楽で語られるバレエの動きの美しさ。
        透明感に、クラシック・モダンが息づいている。
        こういうものを踊れるダンサーが居るって、素晴らしい。

        でも私が好きなのは
        次の「ソロ」という作品。
        3人のダンサー(デニス、リッチー、ジェロー)が繰り広げる
        贅沢なソロの世界は
        それぞれのダンサーの持ち味が出ていて
        ちょっと笑える。

        妄想的には
        デニスがお取引先の、甘やかされた二代目若社長で
        リッチーが、取引している会社の課長で
        ジェローがリッチーの会社の、おっちょこちょいの新人社員
        ・・・っていう感じ(すみません)

        デニスのポーズの決まり方の美しさ
        ジェローの流れるような早いパの、素早いユーモアに満ちたしぐさ
        リッチーの弾むような動き
        それぞれのタイプの動きをしながらも
        3人が分断しているソロが、一体感を持ってソロとして成り立つと同時に
        多様な3つのソロをも成立させている、という見事な作品。

        これ、確かヌレエフ・ガラで一度やったんだよね・・・
        あの時は木本クンがダンサーの1人だった。
        今回は木本クンが出られなくて残念。

        最後のイジー・キリアーンの作品は
        この間も書いたけれど
        宗教曲を使っている、という要素はあるにせよ
        本当に、ものすごく神聖なものが
        舞台に降り立っているような気分になる。

        畏怖さえ引き起こす、あの美しさは何なんでしょうね。
        最後のラウダチオの音楽とバレエが一体化した美しさは
        神聖、という言葉以外で表現するすべを私は持たない。

        これこそ言語化できない
        表現芸術そのものなのだろうなあ。

        ダンサーの皆さま
        ご自分で自覚あるかどうかは
        見ている方からはわからないけれど
        あなた方の創り出している世界は
        何ものにも代えがたい
        とことん神聖な印象を
        我々、見ている者に与えます。

        この素晴らしい作品を
        全身で体現してくれたダンサーたちに感謝しつつ
        やっと効いてきた薬にも感謝しつつ
        ちょっとフラフラで帰宅した私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        パウダー・ハー・フェイス 2回目

        0
          Kasino am Schwarzenbergplatz (Volksoper) 2019年4月16日
          20時〜22時20分

          Thomas Adès (*1971)
          Powder Her Face
          Kammeroper in zwei Akten
          Libretto von Philip Hensher

          指揮 Wolfram-Maria Märtig
          演出 Martin G. Berger
          舞台 Sarah/Katharina Karl
          衣装 Alexander Djurkov Hotter
          ビデオ Anna Hirschmann
          振付 Florian Hurtler
          ドラマツルギー Magdalena Hoisbauer

          Die Herzogin: Ursula Pfitzner
          Zimmermädchen, Vertraute, Kellnerin, Geliebte,
          Gafferin, Gesellschaftsjournalistin> Morgane Heyse
          Elektriker, Salonlöwe, Kellner, Gaffer, Lieferjunge: David Sitka
          Hotelmanager, der Herzog, Menschen im Hotel, Richter: Bart Driessen
          Statisterie: Robin Koppensteiner, Bernadette Leitner,
          Anna Barbara Banatto, Irina Mocnik, Katharina Schmirl

          Orchester der Volksoper Wien
          コンサート・ミストレス Vesna Stanković, Anne Harvey-Nagl
          第二バイオリン Ursula Greif, Natalija Isakovic
          ビオラ Aurore Nozomi Cany, Peter Sagaischek
          チェロ Roland Lindenthal
          コントラバス Gerhard Muthspiel
          クラリネット・サクソフォン Barbara Brunner, Harald Haslinger, Hadi Nabavi
          ホルン Raphael Stöffelmayr, Michael Stückler
          トランペット Lorenz Raab, Michael Schwaighofer, Daniel Neumann,
          Raphael Pouget
          トロンボーン Christian Masser, Christian Eisenhut
          パーカッション Manfred Redner, Lucal Salaun
          ハープ Gabriela Mossyrsch
          アコーデオン Ingrid Eder
          ピアノ Chie Ishimoto

          土曜日の初演で色々な意味で(笑)興奮したプロダクションの
          2回目の鑑賞。

          19時30分から作品解説があるのだが
          会場の前でマイクで話すので
          既に土曜日に聞いた同じ内容をもう1度、聞く羽目になったが
          周囲を見渡せば、フォルクス・オーパーのオペレッタ常連っぽい
          気品ある、お洒落した、優雅な老婦人(たいてい独り)が多い。

          私も老婦人ではあるのだが
          ここまで洗練されたお洒落は出来ない・・・・ってそうじゃなくて
          こういう層って、現代オペラでは滅多に見かけないんだけど
          やっぱりイースター割引4枚一括購入で50%割引に釣られた人かしら。
          (自分がそうだから、人まで同じに考える悪い癖)

          土曜日のプレミエでは
          ストーリーと演技と、その直裁的な演出にばかり目が行って
          あれよあれよという間に興奮して終わってしまったのだが

          2回目になると、演出はわかっているので
          その分、音楽がよく聴こえてくるようになって

          うわあああ、音楽すごい!!!

          24歳でこの才能・・・というか
          音楽関係って早熟の天才が多いので
          全く才能というものがない私から見ると
          ああ、天才の方がこの世に居て下さってありがとう!!!って感じ。

          更に、よく聴けば
          この音楽、構成も音楽的な流れも
          あちこちに散乱する過去の音楽からの引用も
          ともかく良く出来ていて
          たぶん、その分、演奏する方は・・・大変だろうな、これ。

          オーケストラ(16人!)の演奏も大変だろうけれど
          歌手も・・・いったい、どれだけ才能があったら
          こんな歌を歌えるんだろう???

          歌えるだけでは足りなくて
          身体の柔らかさや動きの軽さ
          複雑な振付や動きを覚えるだけの能力も必要だし
          役に入り込んで、臆するところなく
          すごい場面を再現しなければならない。

          この間書いた通り、主人公の公爵夫人の
          あまりにあからさまな乱れ方の美しさの凄まじさというのは
          身体表現能力がなければ
          ただの薄汚い(すみません)ポルノちっくなシーンになってしまうのだが
          それを、しっかり「見せる」というのはすごい。

          加えて、何ですか、あのバスの声域の広さは!(驚愕)
          後半第二幕の最初に、バスだけの長いアリア(裁判官役)があるのだが
          オクターブの跳躍が次々とあって
          しかも、上の音はファルセットで
          下はもっと低い音域までって

          人間技ですか、これが!!!

          考えてみれば、トーマス・アデスの
          国立オペラ座でのテンペストの時も
          アデスの作曲した、超絶技巧の超人的なコロラチューラというのがあった。

          プログラムで読んだ記憶があるけれど
          アデスは作曲する時に
          こんなパートを歌える歌手はいない、と言われて
          いや、それは歌手の問題で
          僕はこういう風に作曲したいのだから、と書いちゃったらしい。

          ゼンメリンク鉄道の線路を敷いてしまった当時の市長さんみたいな人なのね。
          (当時、その勾配を登れる列車はなかったけれど
           線路敷いておけば、そのうち出来るだろうという・・・(笑))

          もっとも、技術の進歩は時とともにあるだろうが
          人間の身体が進歩するとは、あまり思えないんだけど
          それでも、天才というのは、この世に存在するわけで

          さらにグローバル化によって
          天才が地域を限定せず、世界中で活躍できるので
          アデスのオペラも上演される、という

          聴衆にとっては喜ばしい事だが
          プロの音楽家って、昨今、どれだけの技術を要求されるんだか・・・

          しかも、昔みたいにプロンプターとか居ないし
          (いないよね、あの会場で・・・
           国立オペラ座やフォルクス・オーパーはプロンプター・ボックスがあるが
           ウィーン劇場や、こういう小劇場でのプロンプター・ボックス見た事ないし)
          全部の(しかもほとんどがアトナールの)音楽とセリフを
          すべて暗記しないと(含む振付+演技)上演できない・・・(絶句)

          いわゆるヴィルトゥーゾについては
          音楽史上、色々と論争があるわけで
          先日も講義の間に、ヴィルトゥーゾについての意見を
          教授から求められたのだが
          (今すごいよ、インターネットのフォーラムがあって
           教授が5分くれるので、そこに自分の意見を書き込むの)

          パガニーニやリスト時代の
          ヴィルトゥーゾにきゃ〜っと言って
          失神したご婦人たちの世界とは違うけれど

          今や、プロの音楽家全員が
          ヴィルトゥーゾでないと作品が上演できないという
          (含むオーケストラ。
           フォルクス・オーパー・オーケストラのメンバー
           あんな高度な音楽が演奏できるなんて(失礼すみません))

          この間も大学の学生とランチした時に
          ハイドンやモーツァルトの時代の音楽家の演奏って
          もっと間違いも多くてボロボロだったんだよねぇ
          って話になって

          こんなに贅沢なヴィルトゥオーゾ性を
          日常的に(その経済力だけあれば)楽しめるような
          そんな世界になって来た事が
          プロを目指す人にとっては怖いというか

          でも聴衆には有難い(笑)
          スゴイものを見せてもらえるって
          (しかも、何とか捻出できる料金で!)
          本当に贅沢な事だと、つくづく思う。

          だからと言って
          個人的感想、偏見・独断で
          何だかんだとブチブチ言う楽しみも止められませんが(こらこらこら!)

          上品でお洒落な老婦人が多かったのに
          さすがに現代オペラを進んで聴きにくる聴衆だな、と思ったのは
          (前半で帰った人も何人か居たけど)
          咳き込みが非常に少なかった事。
          そう言えば、ウィーン・モデルン現代音楽祭だって
          年配の聴衆は多いよね・・・

          TPOで着ているお洋服やアクセサリーが違っていても
          ここに居る多くの「上品でハイソっぽい年配の方々」は
          意外にウィーン・モデルン現代音楽祭に
          ものすご〜くカジュアルな普段着で来る人たちなのではないか・・・
          (ウィーン・モデルンで、この手のお洒落したらモロに浮く)

          そう考えると、ウィーンの聴衆って
          演奏している方にとっても、気の抜けない相手なのかもしれない
          ・・・と余計な事を考えてしまう私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          昨日はフォルクス・オーパーで
          バレエのロメオとジュリエット(ベルリオーズ、振付ボンバーナ)を観たのだが
          ものすごく踊るプログラムなのに
          あまりハイライト・シーンみたいなものがなくて、ダラダラと続くし
          後半でコーラスとオーケストラのかなりのズレがあって・・・
          リアル・カップルのロメジュリは、とてもリアルでした、うふ ♡

          フォーサイス、ファン・マネン、キリアーン 1回目(プレミエ)

          0
            Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
            2019年4月14日 19時〜21時20分

            FORSYTHE / VAN MANEN / KYLIÁN

            ARTIFACT SUITE
            振付・舞台・衣装・照明 William Forsythe
            音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo Nr. 2 d-Moll BWV 2004
            Chaconne; Eva Crossman-Hecht
            ダンサー
            Nikisha Fogo - Jakob Feyferlik
            Nina Polákova - Roman Lazik
            Oxana Kiyanenko
            Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butschko, Laura Cislaghi,
            Venessza Csonka, Sveva Garguilo, Gala Jovanovic, Zsófia Laczkó,
            Ester Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee, Katharina Miffek,
            Suzan Opperman, Xi Qu, Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman,
            Rikako Shibamoto, Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
            Céline Janou Weder, Beata Wiedner, Madisson Young
            Nicola Barbarossa, Leonardo Basílio, Giovanni Cusin, Marat Davletshin,
            Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Trevor Hayden, Scott McKenzie,
            Igor Milos, Hanno Opperman, Tristan Ridel, Gaetana Signorelli,
            James Stephens, Navrin Turnbull, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

            TROIS GNOSSIENNES
            振付・舞台・衣装 Hans van Manen
            音楽 Erik Satie
            衣装 Oliver Haller
            照明 Jan Hofstra
            ピアノ Laurence Lisovich
            ダンサー Maria Yakovleva - Jakob Feyferlik
            Marian Furnica, Andrés Garcia Torres, Hanno Opperman

            SOLO
            振付 Hans van Manen
            音楽 Johann Sebastian Bach, Partita für Violine solo h-Moll BWV 1002,
            Corrente - Double
            舞台・衣装 Keso Dekker
            照明 Joop Gaboort
            ダンサー Denys Cherevychko, Richard Szabó, Géraud Wielick

            PSALMENSYMPHONIE
            振付・照明コンセプト Jiří Kylián
            音楽 Igor Strawinski
            舞台 William Katz
            衣装 Joop Stokvis
            ダンサー
            1. Paar: Ketevan Papava - Roman Lazik
            2. Paar: Nikisha Fogo - Denys Cherevychko
            3. Paar: Kiyoka Hashimoto - Davide Dato
            4. Paar: Nina Polákova - James Stephens
            5. Paar: Nina Tonoli - Navrin Turnbull
            6. Paar: Rikako Shibamoto - Leonardo Basílio
            7. Paar: Anita Manolova - Marian Furnica
            8. Paar: Gala Jovanovic - Tristan Ridel

            ウィーン国立バレエ団のプレミエ・・・なのだが
            何故か、バレエ・ボーナス適用があって
            (年間25ユーロ払うとバレエ公演1回につき2枚まで15%割引
             ただしプレミエは除外)
            何となく、今までの演目の組み直しではないか、とか思っていた私を
            どうぞお許し下さい(涙)

            ここ数日、ウィーンの国立バレエ学校での
            子供の虐待?だか性的嫌がらせだかのスキャンダルが
            オーストリアでは取り沙汰されていて
            どこの国でもマスコミはスキャンダル大好きなので
            インテリ向け日刊新聞インターネット版で
            文化欄じゃなくて第一面で取り上げられていたのには
            私もひっくり返った。

            そのせいとは思わないが
            たぶん、宣伝費が底をついたのか
            この演目、市内のポスターでは全く見かけない。

            2回の幕間を挟んで4演目。
            最初がフォーサイス、次がファン・マネンの2作品
            最後がイジー・キリアーン。

            キャスト表を買ったら
            中に細長い紙が入っていた。
            これは通常、ダンサーの急な交代に使われる紙なのだが
            書いてあったのは
            Erratum: Das Orchester der Wiener Staatsoper wirkt
            an diesem Abend nicht mit. Die Wiedergabe der Werke
            erfolgt, mit Ausnahme von Trois Gnossiennes (Klavier: Laurene Lisovich),
            von Tonträgern.
            (ウィーン国立オペラ座管弦楽団は本日の公演では演奏しません。
             音楽は、Trois Gnossiennes を除いて、録音音源からになります(意訳))

            いや、良いんですけどね。
            それでも、このプログラムの記載ミス訂正の最初が
            ラテン語で Erratum と始まっているのは
            照れ隠しなのか、インテリぶってるのか、よくわからん。

            というワケで、本日は
            楽しい楽しいオーケストラへのツッコミはございません(笑)

            最初のフォーサイスの作品は
            ダンサーの数が非常に多い。
            ソロのカップルはニキーシャとヤコブ
            ニナ(ポラコヴァ)とローマンだが
            コールドの中からも、何組かに分かれて
            かなり目立つシャドー・ダンスがいくつかある。

            バッハの無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータの
            BWV1004 のシャコンヌが流れる中
            ソロのダンサーが真ん中で踊り
            周囲をコールドが埋めて
            シーンごとにいったん遮断幕が下りて
            また上がるとコールドの位置が変わっているという構成。

            ニキーシャとヤコブ、ニナ(ポラコヴァ)とローマンのカップル
            さすがにプリンシパルのオーラ。
            キレの良いニキーシャのダンスに優雅なヤコブのサポート
            モダンを踊らせると、鉄壁の技術と身体の見せ方で
            俄然、輝いてくるニナ(ポラコヴァ)と柔軟なローマン。

            終わりかな?と思わせるところで
            バイオリン・ソロはまだ続いていて
            その後に、現代音楽風のピアノ・ソロ。
            この不思議な音楽に乗って
            コールド・ダンサーたちの描き出す音楽の世界が圧倒的。

            フォーサイスの作品の不思議なところは
            まるで舞台の上で、音符そのものが踊っているような錯覚に陥る事。
            音楽そのものが直接的にダンスの動きとなって舞台に乗っている。

            ストーリーがある訳ではないし
            動きは徹底的に記号学的なシグナルっぽい機械的な動きなので
            ロマンティック・バレエとかが好きな人には向かないだろうが
            この音楽とダンスの完璧な融合は
            耳からと目からの刺激が一致する、という
            不思議な体験になる。

            コールドの中で、まぁ、マディソンが光っている事!!!
            隣でシャドー・ダンスをしているダンサーが
            かわいそうに霞んでしまうくらいの巧さ。
            仕草ひとつひとつに表情があって
            余裕たっぷりで、動きの微かなタメも素晴らしいし
            背中の表情がこれまたニュアンスに富んでいて
            あ〜、マディソン、早くソリストに上がって来ないかしら。

            中盤はファン・マネンの作品2つ。
            サティの3つのグノシエンヌが舞台上のグランド・ピアノで演奏されて
            舞台の上で、マーシャとヤコブのデュエット。
            別途にダンサーとして3人の記載があったが(マリアン!)
            この3人、ピアノの脇に張り付いて、ピアノを動かすだけの役(ちっ!!!)

            ヤコブはフォーサイスでもソロを踊ったのに
            続けざまのソロで体力的に大変だったと思うけれど
            素晴らしかった。
            アクロバティックなリフトも完璧で、全くブレがなく
            マーシャも完璧なテクニックの持ち主で
            うっとりするようなカップリング。

            ファン・マネンって割にクラシック寄りのイメージがあったのだが
            やっぱりネオ・クラシック・モダンなんだわね、きっと。
            (違っていたらご指摘下さい)

            続いてマネンの「ソロ」
            これ、確かいつだったかヌレエフ・ガラで観た記憶があるんだけど
            3人の男性ダンサーが、入れ替わり立ち代わりソロを踊って
            一貫したダンスになっていると同時に
            それぞれのダンスの個性が現れるという
            非常にチャーミングな作品。

            デニスの卓越した技術性が際立つソロでは
            ポーズ一つ一つが、気持ち良いほどに静止状態でキマる。
            リッチーは小粒でキレの良いダンスだけど
            そんなに無理して笑顔作らなくて良いから(笑)
            ジェローの身体の柔軟性、細かいパの速さと
            ちょっとユーモアに満ちたダンスが、すごく良い。

            リッチーは最後、ちょっとお疲れだったかもで
            3人でのフィニッシュでパをすっ飛ばしたけれど
            まぁ、それもご愛嬌という事で。

            最後はイジー・キリアーンが詩篇交響曲に振り付けた作品。
            宗教音楽なので、私は音楽としてはちょっと苦手なのだが

            ・・・何て美しい作品(絶句)

            フォーサイスの、あの幾何学的な美しさとは違って
            とことん有機的な「身体の美」なのだが
            その「身体の美」を通じて
            現世ではない世界に、知らず知らずの間に楽々と移行してしまう感覚。

            鑑賞していると
            自分の人生から突然引っ剥がされて
            気がついたら謎の世界に入り込んでいるという
            自分の感覚を忘れさせられてしまう恐ろしさがあって
            何だか、えらく有難いモノを見てしまった、という気分。

            このキリアーンが持っている
            現実世界との分離の感覚って
            キリアーン以外にはあり得ない事を考えると
            何という天才を世界は生み出したんだろう、と驚嘆する。
            (すみません、キリアーンのファンですワタシ)

            8組のカップルがそれぞれに繰り広げるシーンは
            観客側からすれば、様々な思い込みや解釈が出来るのだが
            そういう細かい部分も楽しいけれど
            全体的な動きの神聖さには畏怖の感覚を覚える。

            この演目、4月にあと4回上演されるのだが
            残念ながら皆勤賞にならない(涙)
            (そろそろコンサートも終盤シーズンで色々と・・・)

            皆勤賞しない、と書いたら
            ホッとしている読者もいるとは思うのだが
            キリスト教歴では、今週の金曜日に
            メシアのイエズス・キリストがお亡くなりになって
            日曜日の復活まで、教会の鐘が鳴らなくなる。
            (ウィーン市内が静かになる)

            受難の最後の週で
            みなさま、身を慎まれるので
            私もできるだけ・・・身を慎もうと思っても
            慎めずに大学のイースターのお休みだけは堪能しようという
            卑怯な私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            3月一杯、ついて行けなかった授業の
            復習をする良いチャンスだし
            5月初旬の発表の準備もしなければならないのだが
            だんだん、脳力が衰えて来ているような気がする・・・
            (ただの怠け癖の言い訳です・・・(反省))

            パウダー・ハー・フェイス (トマス・アデス)

            0
              Kasino am Schwarzenbergplatz (Volksoper)
              2019年4月13日 20時〜22時20分

              Thomas Adès (*1971)
              Powder Her Face
              Kammeroper in zwei Akten
              Libretto von Philip Hensher

              指揮 Wolfram-Maria Märtig
              演出 Martin G. Berger
              舞台 Sarah/Katharina Karl
              衣装 Alexander Djurkov Hotter
              ビデオ Anna Hirschmann
              振付 Florian Hurtler
              ドラマツルギー Magdalena Hoisbauer

              Die Herzogin: Ursula Pfitzner
              Zimmermädchen, Vertraute, Kellnerin, Geliebte,
              Gafferin, Gesellschaftsjournalistin: Morgane Heyse
              Elektriker, Salonlöwe, Kellner, Gaffer, Lieferjunge: David Sitka
              Hotelmanager, der Herzog, Menschen im Hotel, Richter: Bart Driessen
              Statisterie: Robin Koppensteiner, Bernadette Leitner,
              Anna Barbara Banatto, Irina Mocnik, Katharina Schmirl

              Orchester der Volksoper Wien
              コンサート・ミストレス Vesna Stanković, Anne Harvey-Nagl
              第二バイオリン Ursula Greif, Natalija Isakovic
              ビオラ Aurore Nozomi Cany, Peter Sagaischek
              チェロ Roland Lindenthal
              コントラバス Gerhard Muthspiel
              クラリネット・サクソフォン Barbara Brunner, Harald Haslinger, Hadi Nabavi
              ホルン Raphael Stöffelmayr, Michael Stückler
              トランペット Lorenz Raab, Michael Schwaighofer, Daniel Neumann,
              Raphael Pouget
              トロンボーン Christian Masser, Christian Eisenhut
              パーカッション Manfred Redner, Lucal Salaun
              ハープ Gabriela Mossyrsch
              アコーデオン Ingrid Eder
              ピアノ Chie Ishimoto

              まずは一言。

              スゴイです!!!!!

              20代前半の若さで、こういう曲を作曲してしまう
              トマス・アデスもスゴイが
              今回の出演者、音楽、演出、舞台
              ほとんどパーフェクトな出来の素晴らしいオペラ。

              ショッキングでエロチックで直裁的で
              ダブル・モラル、暴力、セクシャリティ
              そして孤独と人生の破滅まで、まぁ、見事にキマって
              最後なんか私、公爵夫人の孤独感に打ちのめされて
              モロに感情移入してたもんなぁ・・・

              会場はフォルクス・オーパーの建物ではなく
              楽友協会とコンツェルトハウスの真ん中あたりにある
              シュヴァルツェンベルク広場に面したカジノ。

              もともとはフランツ・ヨゼフ皇帝の末の弟の
              ルードヴィッヒ・ヴィクターの住居として作られた
              ハインリッヒ・フォン・フェアステルの建築。
              1910年にルードヴィッヒ・ヴィクターが
              この建物を軍隊学術及びカジノ協会に寄贈した事による。

              収容人数最高250人の小ぶりなホールで
              舞台がコの字型になっていて
              その中にオーケストラ(メンバー16名)が入る。

              今日が初演なので批評家や関係者も多いのだろうが
              現代オペラで、しかもチケット自由席で42ユーロという高めの設定なのに
              会場にはギッチリと人が入っていて狭い。
              (最初は多少余裕があったのだが、ギリギリに入って来た男性に割り込まれ
               肩も足もくっつきそうで・・・)

              この作品は実際にあったアーガイル公11代イアン・ダグラス・キャンベルと
              その妻のマーガレット・キャンベル(ウィッガム)の離婚裁判と
              そのスキャンダルに基づく作品。

              歌手は4人(テノール、バス、ソプラノ、コロラチューラ・ソプラノ)
              うち、ソプラノは最初から最後まで公爵夫人を演じるが
              あとの3人は1人で何役も演じる。

              最初の絡みのシーンからして
              異様にリアルな動きをしていて
              でもまた、それが意外にキレイでモダン・ダンスみたいだったので
              これは俳優さんかバレエ・ダンサーだろうか、と思っていたら
              絡んでいる4人が歌手だったのでビックリした。

              4人とも、むちゃくちゃ優秀。
              英語の発音(クィーンズ・イングリッシュだ!)も美しく
              (後ろの壁にドイツ語の訳が出る・・・良かった(ほっ))
              身体が柔らかく、バネがあって
              激しい動きも美しくこなし
              その上、演技が巧い。

              主人公で唯一最初から最後まで変わらない公爵夫人の
              ウルズラ・プフィッツナーが最高!!!

              役は変わらないのだが
              1930年代の若い頃から1990年の晩年まで
              シーンが変わるごとに演じ分けなければならず
              スタイルも衣装も、その時々の雰囲気も全く違うのを
              見事に演じ分けていて
              同一人物でありながら、絶頂の時と破滅の時の違いが凄い。
              「役になりきる」ってこういう事なのか、と思わせる。
              登場人物が憑依しているみたい。
              (だから、カーテン・コールで見せた輝く笑顔が
               舞台での役柄と全く違うので、これもビックリした。チャーミングだった。)

              第一幕は・・・
              あ〜、すごいハード・コア・・・
              まさに、そのままズバリというか・・・

              性欲の塊りみたいにエネルギッシュで
              生命力を撒き散らす公爵夫人は
              みだら、というよりは
              満たされないものをセッ○スで満たそうとしている
              涙ぐましいキャラクターという印象。

              金でホテルのボーイを買うとか
              あ〜、金があったら私も(あっ、いやいやいやいや 汗)

              ただ、金で買ったボーイの最後のセリフがかなりキツイ。

              「私を知ってるの?」というのに対し
              「この間の4月も全く同じでしたね」って

              セッ○スしているのに、この、何にも繋がってない感に
              めちゃくちゃゾクゾクした。
              これじゃ、公爵夫人も満たされない孤独感に悩むでしょう、うん。

              この第一幕、来ている男性の90%は
              間違いなく○ってただろうなぁ。

              お気の毒と言えばお気の毒で
              あ〜、女性で良かった、と本気で考えたもん。
              私だって、あんなにあからさまに
              他人の性欲を見せつけられると、かなりドキドキする。

              面白いのは、時代や状況に沿って
              アデスが繰り出す音楽の引用。
              もちろん、ワルツやタンゴ、ジャズとか
              当時世間的に流行したポピュラー音楽のメロディもあるが
              途中で(ホテルの女性スタッフの場面で)
              ツェルビネッタまで登場するのには、ちょっと笑った。

              主人公の公爵夫人の演技の巧さに加えて
              もう1人のコロラチューラ・ソプラノの様々な役柄も素晴らしい。
              小柄な歌手なんだけど
              (舞台外で一度会ってるので、
               私と同じくらいか私より背が低いのは知っている)
              舞台で見ると、存在感あって大きく見える。
              コロラチューラの安定ぶりが素晴らしいし
              動きや演技がむちゃくちゃ巧くて、目と耳を奪う。

              建物の壁に映されるビデオや照明の工夫も
              この作品の重要なポイントになっている。
              雰囲気に合っていて、空間の広がりが出来るので
              小さな舞台で小さな劇場というのを、すっかり忘れてしまう。

              テノールも良かったけれど
              バスの声も素晴らしかったなぁ。
              公爵役や裁判官役など、堂々としていて
              それぞれの役のキャラクラーの割り振りも出来ていて魅力的。

              第二部の裁判のシーンでは
              ライブ・ビデオを使ったシーンもあり
              これがちょっと面白い工夫がされている。
              よく観光地で、パネルの顔のところが開いていて
              そこに顔入れて、お姫様だかお殿様の写真を撮るじゃないですか。
              あれの応用版で、かなり面白かった。

              最終シーンは、晩年で、お金もなくなって
              住居を追い出されるシーンだが
              このシーンの公爵夫人の孤独感の表出って
              本当に心にジンジン突き刺さってくる。
              (自分に模してるワケではありません、というか、あるかも・・・)

              奔放な、人並み外れた性欲で
              人生を狂わせた女の末路・・・と言っても良いのだろうが
              ただ、それだけで片付けられるものではない。

              資本主義、金、孤独感、疎外感
              上流階級のダブル・モラルや
              抑制されて来た女性のセクシャリティなど
              様々な問題を抱えながら

              そして、その全体を、遊びとして
              ちょっと斜めな視線からからかい倒しているような
              トマス・アデスの音楽とで
              複雑な世界を作り出している。

              私ももう1回観に行く予定だが
              ウィーン在住の方、チャンスがあれば是非ご覧下さい。
              久々のヒット作だと思う。

              幕間の後で、前の2列が舞台の関係でなくなって
              全員、2列後に移動するので、それだけご注意を。
              歌手や役者の人たちが観客席にも入っているので
              通路側の人は驚かないように。

              それから、子供は絶対に連れて行かない事。
              (始まる前に私の後ろで
               男の子が「オペラを観に行くって行ったら
               学校の先生が褒めてくれた」とお父さんに言っていたが
               お父さん、何考えてるの?とギョッとした(笑))

              いやいや、久し振りに興奮したぞ(こらこらこら)
              とは言え、夫もいないし
              男を買うだけの気力も体力も、資金もない私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              ウィーン放送交響楽団 + ライアン・ウィッグルスワース

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月11日 19時30分〜21時55分

                ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                バリトン Simon Keenlyside
                指揮 Ryan Wigglesworth

                Ryan Wigglesworth (*1979)
                 Locke’s Theatre (2013) EA
                  The First Music
                  The First Music (double)
                  Rustic Music
                  Rustic Music (double)
                  Curtain Music
                  Curtain Music (double)

                Jean Sibelius (1865-1957)
                 Acht ausgewählte Lieder in Bearbeitungen für Singstimme und Orchester
                  Kaiutar op. 72/4 (1915)
                  Illalle op. 17/6 (1898)
                  Im Feld ein Mädchen singt op. 50/3 (1906)
                  Aus banger Brust op. 50/4 (1906)
                  Die stille Stadt op. 50/5 (1906)
                  Svarta rosor op. 36/1 (1899)
                  Kom nu hit, död op. 60/1 (1909; Fassung für Singstimme, Streichorchester und Harfe 1957)
                  Var det en dröm? op. 37/4 (1902)
                Bearbeitung für Singstimme und Orchester von Jussi, Jalas, Ernest Pingoud,
                Leif Segerstam, Simon Parmet, Ivar Hellman

                Sir Edward Elgar (1857-1934)
                 Falstaff. Symphonische Studie c-moll op. 68 (1913)
                  I. Fallstaff and Prince Henry
                  II. Eastcheap - Gadshill - The Boar’s Head. Revelry and sleep -
                   Dream Interlude: „Jack Fallstaff, now Sir John, a boy, and page to
                   Thomas Mowbray, Duke of Norfolk“
                  III. Fallstaff’s march - The return through Gloucestershire - Interlude:
                   Gloucestershire. Shallow’s orchard - The new kind - The hurried ride to London
                  IV. King Henry V’s progress - The repudiation of Fallstaff, and his death

                Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
                 Auszüge aus der Musik zu „Ein Sommernachtstraum“
                  Nr. 1: Scherzo. Allegro vivace
                  Nr. 7: Notturno. Con moto tranquillo
                  Nr. 9: Hochzeitsmarsch. Allegro vivace

                コンツェルトハウスに行ったら
                チケット・チェックの係のおじさんが
                私の前の人に
                「チケット変更できますから、ロビーの受付に行かれたら?」
                と言ってるのを聞いて
                えっ?今日ってそんなに観客が少ないの?

                ギャラリー、ガラ空きで、ギャラリー席、全部で30人くらいしかいない(汗)
                プログラム担当のおばさまによれば
                今日は1000人くらいしか入ってない(キャパシティは1700人)との事。

                でも今日のチケットは
                貧民席愛用者の垂涎の的の席なのだ。
                ガラガラの前の方より、こちらの方が音響的に良いのである。
                (負け惜しみに聞こえるだろうが
                 席変えて、バルコンの後ろとかパルテレの後ろになったら
                 音響的には目(耳)も当てられない・・・)

                作曲家で指揮者のライアン・ウィッグルスワースと
                ウィーン放送交響楽団のコンサートだが
                そろそろイースター休みに入って
                故郷に帰る人も多いんだろうなぁ。
                (それでも、こんなにガラガラなんて・・・)

                私がチケットを買ったのは
                サイモン・キーンリサイドに釣られたからだが
                まさか本日もシベリウスの曲を聴く事になるとは思ってもみなかった。

                さて、ウィッグルスワースの曲は
                オーストリア初演なんだけど

                なにこれ?
                バロック音楽じゃないの、しかもノンビブラート。
                あれあれあれ? もしかしたらこの作曲家
                シュニットケ方式(と私が勝手に呼んでいる)の人かしら。
                ・・・と思ったら
                これ、1621年〜1677年に激動の時代を生きた
                イングランドの作曲家マシュー・ロックをテーマにしてるんだわ。

                よって、バロック的な劇音楽が流れて
                (シェークスピアの「テンペスト」に基づくらしい)
                その後のダブルが・・・あ〜、これが現代音楽ね。
                バロック音楽の下地はチラチラ見える(聴こえる)けれど
                現代音楽で、バロックで、劇場音楽で
                なんだか何でもあり、という面白い作品。

                シベリウスの歌曲は
                フィンランド語とドイツ語の歌曲の中から
                8曲をオーケストレーションしたもの。
                オーケストレーションした人については
                1曲づつ書くとスペースの無駄なので
                下にまとめて書いてありますので、悪しからずご了承下さい。

                さてサイモン・キーンリサイド登場。
                昔はイケメンでクールな感じだったけれど
                オペラみたいなメイクはなしで舞台に立つと
                小柄な人だし、やっぱり顔見ると、歳取ったなぁ、という感じ。

                しかし、声がむちゃくちゃ通る。
                フィンランド語でも全く大丈夫(さすがに暗譜ではなかった)
                加えて、声が美声で、倍音たっぷりでホールによく響いて
                オーケストラの音に全く埋もれていないのには驚いた。

                この間のリートの夕べは、やっぱり調子悪かったのか?
                それとも、小ホールで本当の弱音を出すのはキツイけれど
                大ホールで朗々と歌う分には問題ないって事?

                あれだけ張りのある美声のバリトンで
                大ホールに過不足なく響いて
                しかもドイツ語のリートは、ちゃんと発音もしっかりしていて
                ドイツ語がしっかり聴こえてくる ♡

                これだけ声量があって、しかも美しいって
                やっぱりこの人、大ホールかオペラ向きの歌手なのかなぁ。

                ますます人が減ったように見える後半の始めに
                指揮者がマイク持って、指揮台から聴衆に向かって
                ドイツ語でご挨拶・・・

                と思ったら、僕ができるドイツ語はこれだけです(笑)

                英語で続けた曲目解説。
                エルガーは、この作品を、自分の最高傑作だと言っていて
                オーケストレーションなども素晴らしいのですが
                最初にヘンリーのモチーフ、ファルスタッフのモチーフを聞いて下さい。

                とオーケストラにそれぞれのモチーフを演奏させて
                どういうストーリーか、というのを話してくれた。

                ファルスタッフが寝てしまって夢を見る部分もあるのだが
                そこに出てくるファルスタッフのモチーフは
                まだファルスタッフの腹も出ていなかった若い頃のものだそうだ。
                (自分の腹(出てないよ?(笑))を撫でていたのがちょっと可愛い)

                全部で40分くらいの曲だけど
                この上なくドラマチックに演劇的に精密に作られた音楽で
                オーケストレーションも確かに素晴らしい。
                それぞれのシーンも、何となく想像はつく。
                ウィッグルスワースがしっかり説明してくれた
                3つのモチーフも、ストーリー理解の助けになる。

                この指揮者で作曲家のウィッグルスワースって
                劇場音楽が好きなんですね。

                最初に演奏した自分の作品もそうだし
                このエルガーのファルスタッフも
                最後のメンデルスゾーンの真夏の夜の夢も
                何だか、すごく楽しそうに指揮してる。

                確かに一般ウケしそうなプログラムではないのだが
                いわゆる劇場音楽の今昔、という感じの構成で
                ユニークで面白いコンサートだった。

                ウィーン放送交響楽団は
                楽友協会とコンツェルトハウスで、それぞれのチクルスがあるが
                コンツェルトハウスのチクルスの方が
                プログラムがちょっと尖っていて(笑)面白い。

                よほどスターが出るというのではない限り
                会員発売開始の時にしっかりチェックすれば
                割に良い席を買えるので
                来シーズンもちゃんとチェックしておこう。



                このコンサートの一部は
                4月23日19時30分から
                オーストリア・ラジオ放送局1番にて放映される。
                1週間はオン・デマンドでインターネット・ラジオで聴けます。
                全部じゃないだろうけど、どれをラジオで取り上げるんだろう・・・

                ヘルシンキ・フィルハーモニー交響楽団 + マルッキ

                0
                  Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年4月10日 19時30分〜21時50分

                  Helsinki Philharmonic Orchestra
                  バイオリン Pekka Kuusisto
                  指揮 Susanna Mälkki

                  Lotta Wennäkoski (*1970)
                   Flounce (2017) EA

                  Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
                   Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 35 (1878)

                  Jean Sibelius (1865-1957)
                   Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 43 (1901-02)

                  重なる時は重なるというか(笑)
                  今週はシベリウス・ウィークとでも言う感じ。

                  ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の
                  オーケストラ・トラックがコンツェルトハウスの前にどん!
                  ツィッターでは挙げたけれど
                  まだ見ていない方のために出しておこう。



                  上の周波数かな?と思うところが
                  人の名前?作品の名前?
                  フィンランド語なのでよくわからないけれど
                  全部アルファベットになっている。

                  最近、女性指揮者も増えては来ているが
                  それでもまだ数は少ない。
                  その中で、私はスサンナ・マルッキは非常に好きな指揮者の1人。
                  (以前はよく現代音楽を振っていたので(笑))

                  最初の曲はフィンランドの女性作曲家が
                  ロンドンのプロムスのラスト・ナイトのために作曲した
                  5分ほどの小曲だが

                  現代音楽には珍しいリズミック(もちろん変拍子(笑))な
                  軽快で、むちゃカッコいい曲で、景気良くてチャーミング。
                  作曲家の意図とは違う受け取り方かもしれないけれど
                  マルッキのキレの良い指揮の動きと合っていて
                  すごく楽しい曲だった (^^)v

                  チャイコフスキーのバイオリン協奏曲のソリストの
                  ペッカ・クーシスト
                  あ〜、黒のTシャツの上に黒のシャツを前をはだけて着て
                  よれよれ(に見える)の黒のズボンで
                  ブロンドの髪の毛がチョンマゲ・・・(絶句)

                  本人の顔本のシンボルにもチョンマゲ髪になっているので
                  ご興味ある方はどうぞ(笑)
                  いや、驚いた。なんだかとてもフリーダムな人なのね?

                  音が細めで、時々、あれっ?という部分があって
                  不思議な解釈をするバイオリニストで
                  しかも技術的にちょっと弱いのでは?と思っていたら

                  演奏後に本人舞台の上から客席に向かって
                  ものすごく通る美声で
                  完璧な英語で
                  ドイツ語できないので、フィンランド語より英語の方が
                  みなさんには良いですよね?ってアナウンスを始めてしまい
                  左腕の故障があった事を開示。
                  (んな事、今、言われても・・・(笑))
                  アンコールに弾いたフィンランドの民謡は秀抜。
                  軽やかでリズミックで、ちょっと泥くさい部分も残してチャーミング。

                  一見、どうみても不良中年にしか見えないのだが
                  (列車にこの人が座っていたら、私は隣の席は避けるよ、きっと)
                  アナウンスのユーモアに満ちた美しい英語に惚れたわ。

                  後半がシベリウスの交響曲2番。
                  よりによって、2日前に聴いたばかり(笑)
                  コンツェルトハウスの方が音響的には良いんじゃないか、と
                  密かに期待していたのだが

                  あああああっ
                  ホルンが魔の位置にある。
                  (ギャラリーだけの現象かもしれないのだが
                   舞台下手(しもて)の後ろにホルンが並ぶと
                   ホルンの音が何故かものすごく大きく聴こえてくるのだ。
                   よって在ウィーンのオーケストラは
                   あの位置にホルンは絶対に置かない)

                  マルッキの指揮はキレが良いだけに
                  メロディよりも、もっとリズムが前面に出て来て
                  時々、曲が飛び跳ねているような印象を残す。

                  シベリウスの交響曲はこのオーケストラが
                  ほとんど初演しているので
                  その意味、地元の(ほとんど唯一の)大作曲家の作品という事で
                  頑張って演奏しているのだが
                  正直、技術的な面だけ言えば日フィルの方が・・・(以下省略)

                  読者の皆さまは
                  あ〜、またシロウトが的外れな事を言ってるわ、と思って下さい。

                  聴き慣れているはずの交響曲なんだけどなぁ。
                  シベリウスってナマでの演奏回数が少ないし
                  (ちなみにコンツェルトハウスでは今まで17回演奏されたそうだ。
                   たった17回ですよ?! 
                   チャイコフスキーのバイオリン協奏曲は124回だ!)
                  その意味で、どうしても録音で聴く回数の方が多いから
                  ナマで聴いた時のバランスが
                  耳逆らいしてしまうんだろうか。

                  アンコールに、これまた予想通り
                  シベリウスの「悲しきワルツ」(爆笑)

                  まぁ、オーケストラ・マネージメントは
                  他のホールのプログラムチェックとかまではしないだろう。
                  そこまでマーケティングできるオーケストラは
                  たぶん、私の知っている限りではない、と思う。
                  (だってしょっちゅう同じ曲が同じ時期にぶつかるんだもん)

                  珍しい体験ではあったけれど
                  なかなか面白い体験でもあった(詳細省略(笑))

                  マルッキのキレの良い明確な指揮が魅力的。
                  また現代音楽を振りにウィーンにも来てくれないかなぁ、と
                  密かに期待している私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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