ホーフムジーク・カペレ + ムーティ

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    Musikverein Großer Saal 2018年10月21日 11時〜12時50分

    Wiener Hofmusikkapelle
    指揮 Riccardo Muti
    ソプラノ Genia Kühmeier
    アルト Daniela Pini
    テノール Werner Güra
    バス Adrian Eröd

    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
     Symphonie C-Dur, KV 338
    Nicola Porpora (1686-1768)
     Salve Regina für Alt, Streicher und Basso cntinuo F-Dur
    Antonio Salieri (1750-1825)
     Magnifcat für vierstimmigen Chor und Orchester C-Dur
    Franz Schubert (1797-1828)
     Messe G-Dur, D 167 für Soli (Sopran, Tenor, Bass),
     vierstimmigen Chor, Orchester und Orgel

    ホーフムジーク・カペレという比較的、地味に見える名前がついている
    このアンサンブルのメンバーはウィーン・フィルのメンバーである。
    で、合唱団は、かの有名なウィーン少年合唱団である。

    通常は日曜日の9時15分からホーフブルク宮殿のチャペルで
    ミサをやっているのだが
    年に数回(1回だけかも)ホーフブルクのミサはオルガンに任せ
    (よって、この日のホーフブルク・チャペルのミサのチケットは安い(笑))
    楽友協会でコンサートを行う。

    プログラム見てお分かりの通り
    レパートリーは宗教曲が中心。
    (他の曲もいくらでも演奏できるだろうが
     ヨハン・シュトラウスのワルツとか演奏するのだったが
     アンサンブルの名称が変化する)

    コンサート・マスターはホーネックさん ♡

    最初は宗教曲ではなくモーツァルトの交響曲第34番ハ長調。
    苦手なモーツァルトなのに

    あああああ、何という美しさ・・・
    バイオリンの透明感と絶妙なアンサンブルの
    解像度は高いのに、空気に溶けるような高雅さ。
    司教のため、というよりは
    一般的当時の特権階級の趣味の良さに沿って
    中期のモーツァルトが(24歳)円熟した技術を使って
    途中の転調が、モーツァルトらしさ満載で

    どの和音を通じて、どうなって転調しているのか
    分析したくて分析したくて・・・
    (まだ全然わかっていなくて、普通の音楽学生みたいに
     自動的にサブドミナントとかダブル・ドミナントとか
     全然出て来ないんです。もちろん、自分がアホだから(涙))

    モーツァルト聴くと自動的に熟睡、という普段の症状も忘れ
    トニカ・ドミナント、あっ、次の和声は一体何だ
    そこの転調、どうやった・・・なんて
    天上の響きの音楽を聴きながら、頭の中で考えているのが
    何となく悲しい・・・

    この段階を越えると、少しは音楽を理解できるようになるんだろうか???

    次の曲はニコラ・ポルポラの作品。
    イタリア後期バロックの作曲家で
    ナポリ、ローマ、ヴェネツィア、ドレスデン、ウィーンからナポリに戻る。
    ウィキで調べたら、ナポリは当時スペイン領。
    あ〜、それで神聖ローマ帝国の皇帝カール6世とも関係があったのか。
    ハイドンもポルポラに師事していたらしい。

    サルヴェ・レジーナはアルトのソロが入る。
    (が、多分これ、もともとは男声のカストラート用だろう。
     カトリック教会のアンティフォナの一つだし)

    アルトは当初、ベルナーダ・フィンクが予定されていたが
    ジャンプ・インでダニエラ・ピニ。

    メゾ・ソプラノらしいけれど
    いや、低い声が厚めの美声で素晴らしい。
    声は前に飛ぶタイプらしく
    超貧民席で舞台の後ろだと音響はあまり良くなかったと思うけれど
    それでも声の質の良さは充分に伝わって来る。

    後半はサリエリのマニフィカト。
    サリエリって、モーツァルトに比べて
    ついつい軽く見られがちだが
    当時の作曲技法に基づいて、とても美しい曲を書いたんだなぁ。

    いやムーティが指揮台に立つと
    ともかく、何でもかんでも、その美しさが際立つ。
    何なんだろう、この美学。
    音楽性? センスの良さ? 経験の差?
    どの音楽も、徹底的に美しく提示してくる指揮者の音楽は
    通俗的な言葉で悪いけれど、本当に天国的。

    最後はフランツ・シューベルトのミサ。
    あああああ、もう、完璧な美しさ。
    ソプラノのキューマイヤーの澄んだ高音も素晴らしい。
    エレードのバスも、とてもはっきりと聴こえて来た。
    途中で寝落ちしていたのかもしれないが(すみません)
    ギューラのテノールは、あまり聴こえて来なかったなぁ。

    ウィーン少年合唱団のコーラスも良い。
    もともと皇帝マキシミリアンが宗教曲のために作った合唱団だから
    本来のレパートリーの一つになるわけで、素晴らしい響き。

    日曜日の午前中から
    宗教曲苦手なのに、カトリックのミサと同じ宗教曲聴いて
    グッタリするかと思っていたのだが
    小2時間、ともかく、徹底的な美の世界に連れて行かれて
    至福の時間だった。

    レコードも CD もラジオも何もない時代に
    こんなに美しい音楽をミサで聴けるんだったら
    カトリック教会の意義ってスゴイよなぁ・・・と
    関係ない事をチラチラ考えてしまった私に
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    イスラエル・フィル + ズービン・メータ

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      Musikverein Großer Saal 2018年10月20日 20時〜22時

      Israel Philharmonie Orchestra
      指揮 Zubin Mehta
      バイオリン David Radzynski
      チェロ Emanuele Silvestri
      オーボエ Dudu Carmel
      ファゴット Daniel Mazaki

      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
       Ouvertüre zu „Coriolan“, op. 62
      Joseph Haydn (1732-1809)
       Sinfonia concertante für Violine, Violoncello, Oboe, Fagott und
       Orchester B-Dur, Hob.I:105
      Peter Iljitsch Tschakowskij (1840-1893)
       Symphonie Nr. 6 h-Moll, op. 74 „Pathétique“

      ズービン・メータとイスラエル・フィルのコンサートだが
      開始時間が20時???

      不思議に思っていたけれど
      考えて見れば、ユダヤ教って、安息日が土曜日じゃないの。

      友人情報だと、日が沈めば土曜日は終わりなのだそうで
      という事は日没後にリハーサル、コンサート開始が20時って事なのかなぁ。

      オーソドックスの人はそんなに居ないらしいが
      だいたいオーケストラ見えないし(超貧民席ですから)
      頭に帽子を被っている人がどのくらいいるのかもわからない。
      ちらっと見えたところでは、普通の燕尾服で帽子もなかった。

      このオーケストラの客演、過去は2015年にグラーフェネック
      その前の2012年はチケット買い忘れで楽友協会の
      音響最悪の立ち見席だったのだ。
      指揮者は全公演でズービン・メータ。
      メータも2019年で退任予定なので
      この巨匠の堂々とした音楽が聴けるのは最後のチャンスかもしれない。

      コリオラン序曲の堂々とした重さ。
      弦の響きの厚みが素晴らしい。
      重いのに、暗さに溺れる事なく
      古典的なオーソドックスな響きと構成。

      メータって、昨今の目立ちたい指揮者と違って
      (全部が目立ちたい指揮者とは言ってませんし
       目立ちたい指揮者が良いか悪いかは、また別問題です。誤解なきよう)
      別に特別に何かする、というのは全くないから
      奇抜な演奏とかに慣れてしまうと
      なんてクラシックな正統派の演奏だ、とちょっと驚くくらい。

      ハイドンのシンフォニア・コンツェルタンテ。
      うははは、すごくゴキゲンな曲。
      ハイドンって、本当に面白い作曲家だわ。
      古典技法を熟知していながら、いや熟知しているからこそ
      時々、いたずらを仕掛けてみたり
      複数のソロ楽器なのに
      ちゃんとカデンツを作ったり。
      (カデンツの前の終止で、うおおおお、来るっていうのが
       モロわかりで・・・こういうところ、ハイドン楽しい)

      後半はチャイコフスキーの「悲愴」
      以前のグラーフェネックの時も
      同じオーケストラで同じ指揮者で、同じ曲を聴いた。

      このコンサート、立ち見席に至るまで売り切れのコンサートで
      貧民席には、一見さんの観光客も非常に多い。

      だいたい、第1楽章の、あの例の部分で
      ビクッとする人が何人いるか
      (舞台が見えないので、指揮者のキューも見えない)
      周囲を見ている私も私だが

      周囲に注意を配らずとも
      今日は、全身動かして驚愕した人が多過ぎて
      更に、驚いた後
      お隣さん同士が顔を見合わせて笑う、というシーンまであり

      あ〜、もしかしたらフライング・ブラボーとか出ちゃうかな、と心配。

      隣の年配のおじいちゃまが
      中年の息子さんと、多分、その奥様と来ていて
      奥さんは途中から、ずっとスマホを弄っていたけれど
      このおじいちゃま、第2楽章の出だしで
      大声で歌い出して(笑)息子さんに止められ
      第3楽章のリズムを、声でチャッチャッチャッと歌いながら
      腕を派手に動かして息子さんに止められ

      なんだか憎めない可愛いおじいちゃまだったわ(笑)
      おじいちゃまも息子さんも音楽好きなんだろうなぁ。

      さて、この悲愴、出だしのファゴットがちょっとアレだったが
      楽器の調子が悪かったのか、病気か疲れか
      まぁ、そういう事もある。
      メータは奇抜な事は一切しないので
      とても伝統的な解釈に聴こえてくる(主観の問題です)

      爆発的な第3楽章の後
      フライング拍手、全くなし!!!
      おおおお、これは想像していなかった。

      周囲の空気読め、の雰囲気が徹底していたのかもしれない。

      で、このイスラエル・フィルとメータの悲愴の最終楽章。
      それまで、ふ〜ん、普通の演奏で
      巧いけれど、特別な事は別に・・・とか思っていると
      この最後で・・・やられるのだ。
      ううう、油断していた。

      この最後の終わり方は
      ワタクシ的には、どう考えても、希望の全くない
      地獄へまっしぐら。
      救いもない、完璧な暗黒に堕ちつつ飲み込まれる感じ。

      うわああ、それでなくても
      最近、落ち込んでいるのに
      そこに鞭打つような、この地獄堕ち・・・

      周囲読めの徹底だか
      それとも、観客全員が、あの地獄に真っ逆さまの
      あの暗い暗い暗い闇に飲み込まれたのか
      (私の周囲の一見さんたちも全員固まってた)
      メータが指揮棒を下ろしても
      誰1人として拍手しようとはせず
      やっと、誰かが拍手し出して緊張が解けたけれど

      観客全員、地獄を垣間見て、固まった悲愴というのも
      なかなか珍しい。
      (普通は、何で拍手しないの、とか顔を見合わせたり
       席でモゾモゾするケースが多い)

      ちょっと立ち上がれなくなるような打撃を受けた私に
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      イアン・ボストリッジ + サスキア・ジョルジーニ

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        Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2018年10月16日 19時30分〜21時30分

        テノール Ian Bostridge
        ピアノ Saskia Giorgini

        Claude Debussy (1862-1918)
         En sourdine (Fêtes galantes, 1. Heft Nr. 1)(1891)
         Frantoches (Fêtes galantes, 1. Heft Nr. 2) (1891)
         Clair de lune (Fêtes galantes, 1. Heft Nr. 3) (1891)
         Les ingenus (Fêtes galantes, 2. Heft Nr. 1) (1904)
         Le faune (Fêtes galantes, 2. Heft Nr. 2) (1904)
         Colloque sentimental (Fêtes galantes, 2. Heft Nr. 3) (1904)

        Maurice Ravel (1875-1937)
         Shéhérazade (1903)
          Asie
          La Flûte enchantée
          L’Indifferént

        Johannes Brahms (1833-1897)
         Es träumte mir op. 57/3 (1871)
         Auf dem Kirchhofe op. 105/4 (1886)
         Herbstgefühl op. 48/7 (1867)
         Der Gang zum Liebchen op. 48/1 (1859)
         Geheimnis op. 71/3 (1877)
         Minnelied op. 71/5 (1877)
         Alte Liebe op. 72/1 (1876)
         Sommerfäden op. 72/2 (1876)
         O kühler Wald op. 72/3 (1877)
         Verzagen op. 72/4 (1877)
         Über die Heide hallet op. 86/4 (1877)
         Mein Herz ist schwer op. 94/3 (um 1884)
         Botschaft op. 47/1 (1868)

        Zugabe
        Gabriel Fauré : Clair de lune op. 46/2
        Robert Schumann : Mondnacht op. 39/5 (Liederkreis)
        Benjamin Britten : O Waly, Waly
        (Folk Song Arrangements Band 3, British Isles Nr. 5)

        コンツェルトハウスの大ホールでは
        かのテノール、ファン・ディエゴ・フローレスが
        ラテン音楽を歌いまくっているようだが

        私は大ホールではなく、隣のモーツァルト・ホールで
        イギリスのテノール、イアン・ボストリッジのリサイタル。

        コンツェルトハウスのリート・チクルスの一環なので
        ある程度の固定客は見込めるとしても
        かなり通向きのプログラム構成。

        前半はドビュッシーとラヴェルだが
        ドビュッシーがポール・ヴェルレーヌの詩を作曲した
        「艶なる宴」からの曲。

        ・・・知りません(汗)

        しかも歌詞がフランス語で
        ドイツ語の対訳はプログラムに記載されているけれど
        象徴的なテキストで(だいたい詩というワケのわからないモノは苦手)
        しかもテキスト見てると
        舞台で、ものすご〜〜〜く動くボストリッジ博士を見逃してしまう。

        そうなんです、ボストリッジ、めちゃくちゃ動くんです。
        いつもながら、どこからその声が出てるんですか?という痩身の
        背の高い身体が
        観客に向かって迫るかと思えば
        ピアノに向かって、ぐったりと身を預けて歌ったり
        マティアス・ゲルネが乗り移ったかと思った。

        ただ、ボストリッジの声は全方向性があって
        ゲルネのように、顔が向く方向にしか声が飛ばない、という事はない。

        で、何故かものすご〜〜〜くドラマチック。
        ソット・ヴォーチェからフォルティッシモまで
        自由自在に使い分けて歌うのだが
        同時に身体を動かし、時々は上を向いてため息をつき
        (違うのかもしれないが、そう見える)
        歌詞の意味は全然わからないけれど
        声の美しさとドラマツルギーで充分に聴かせてくれる。

        というよりプログラムのドイツ語訳に
        時々、ステファン・ゲオルゲの名前が出て来てビックリした。
        ヴェルレーヌの詩に Nachdichtung と書いてあったので
        真似したって事???(違うと思うけれど一応・・・)

        ラヴェルのシェエラザードって
        うわああ、こんな曲があったんだ、という程に
        マイナーな選曲(だと思う。でも私だけが知らなかったという可能性もある)
        バラード的な語りなのだが
        何せ、フランス語がわからない(涙)

        やっぱりリートってテキストが大事・・・

        後半はブラームスだが
        ブラームスなんだけど
        ともかく、すごく芸術的というか
        暗いというか
        陰鬱というか(歌詞の内容も)

        ボストリッジは時々、ピアノにすがりつくように
        気分でも悪いんですか
        大丈夫ですが
        ・・・次の瞬間に自殺しそうな雰囲気を纏って
        アナタの名前は太宰治ですか、とか言いそうになる。

        何故にまた、こんな暗い曲ばっかり・・・(絶句)

        で、時々、耐えかねたような絶叫が入るんだけど
        これがまた悲壮というか
        いや、フォルティッシモの高音の時
        声が被ってなかった箇所が2回ありましたよね?
        意図的なものかもしれないけれど、ちょっとギョッとした。

        ロマン派の美学なのかもしれないけれど
        ここまで、夢(もちろん愛は実現しない)とか、墓とか
        秋(こちらでは陰鬱な冬が来るというシンボル)
        恋人との別れとか
        悲しみに満ちて森を彷徨うとか

        ・・・う〜、暗いぞ、暗いぞ。
        ヨーロッパの秋にしては比較的気温が高くて
        まだ太陽が照っているから良いようなものの
        通常の季節なら、陰鬱な冬の始まりに
        こんな暗い曲を続けざまに歌われたら
        (しかも、ともかくこちらもドラマチック)
        観客全員を鬱病にしてやる、という
        そこはかとない悪意をアーティストが持っている、と言われても
        信じるかもしれない(極論)

        しかもボストリッジが、本当に辛そうに歌うのである。
        何か個人的に不幸な事でもありましたか?と
        本気で聞きたくなる雰囲気。

        ともかく声が美しいし
        ほんの時々、チャーミングに響く事もあるし
        ドイツ語のディクテーションも以前に比べたら格段に巧くなったが
        ブラームスの歌曲の、しかも音楽もテキストも陰鬱なものを
        ずらっと並べて、あそこまでドラマチックに歌われてしまうと
        あまりにドラマチック過ぎて、かえって単調に聴こえたりする。

        最後に取ってつけたように
        長調の Botschaft を歌われて
        しかもプログラムの右側にはアントワーヌ・ヴァトーの
        艶なる宴の絵が載っていても

        それまで太宰治だったので
        あんまり急激に気分は変えられません・・・

        コンツェルトハウスを私が限りなく愛すのは
        アンコール・サービスと言って
        携帯電話のメッセージにアンコール曲の情報が送られて来るから。

        アンコールは、コンサート本体の暗さから(多少は)抜けて
        フォーレは抑え気味の美しさを出してくれたし
        シューマンも、ドイツ・リートらしい節制が効いていて
        (そりゃ、あの曲で感情を爆発させたらヤバイだろう)
        でも、最後のベンジャミン・ブリテンがすごく良かった。
        やっぱりボストリッジって、ブリテンを歌わせると巧いわ。

        伴奏のピアニストはイタリアのイモラとトリノ
        その後はザルツブルクのモーツァルテウムで学んだ若い女性。
        譜面台の上には iPad があって
        どうやって譜めくりしているんだろう?(足かな?)

        非常に綺麗な音色を出す人だが
        割に強いタッチなので
        伴奏より、ソロ・ピアノ向けの人かなぁ、という印象。
        なんとなく歌手と溶け合っていない
        ピアノだけが浮くという感じを受けたところがあった。
        (まぁ、好みの問題ですが・・・)

        通向けのプログラムだったけれど
        ブラームスの歌曲に、こんな曲があったのか、と驚いたし
        ドビュッシーやラヴェル、フォーレもチャーミングだった。

        隣のホールのフローレスのペルー音楽も聴いてみたかったけれど
        (民族音楽学の教授がペルー出身なのである)
        残念ながら身体は1つしかないし
        でも、テノールの歌手のコンサートを
        同じ時間に2つのホールで開催するなんて・・・・と
        コンツェルトハウスがちょっと恨めしい私に
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        ウィーン交響楽団 + ベルトランド・ド・ビリー

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          Musikverein Großer Saal 2018年10月14日 19時30分〜21時40分

          Wiener Symphoniker
          指揮 Bertrand de Billy
          ピアノ Jasminka Stančul

          Hector Berlioz (1803-1869)
           Roméo et Juliette. Dramatische Symphonie, op. 17 (Ausschnitte)
           Roméo seul, Scéne d’amour, Scherzo „La Reine Mal ou la Fée des songes“

          Maurice Ravel (1875-1937)
           Konzert für Klavier und Orchester G-Dur

          César Franck (1822-1890)
           Symphonie d-Moll

          最近、ウィーン交響楽団が
          フランスのオーケストラと化しているような印象だが
          今回もベルトランド・ド・ビリーの指揮で
          フランス・プログラム。

          ベルリオーズの「ロメオとジュリエット」
          フォルクスオーパーのバレエは、この音楽を使っていたので
          記憶にある・・・筈なんだけど
          スケルツォしか頭に残ってないわ(ああ、自分の記憶力の無さにゲッソリ)

          ビックリした。
          音の透明感と軽やかさ、甘い香りのする羽のような浮揚感。
          どう聴いてもウィーンのオーケストラとは思えない(妄想)
          ドラマチックな音楽なのだが
          ビリーは、あくまでも音楽そのものを出して来て
          ベルリオーズの美しいメロディや和声が
          この上なくバランスの取れた音響で
          まろやかに、軽やかに楽友協会のホールに拡散していく。

          ピアノが出てきて、ジャスミンカ・スタンチュール登場。
          舞台見えない席なので、ピアニストは全然見えないけれど
          このピアニスト、ともかく打鍵が強くて
          バリバリ演奏するタイプで
          潔くてマスキュリンで、私は好き。

          ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調は
          ジャズっぽい要素をたくさん使って、ゴキゲンな曲だし
          こういう曲なら、ピアノをガンガン、打楽器のごとく叩いても
          スタンチュールの卓越したリズム感と打鍵の力が活きる。

          アンコールに、バルトーク?っぽく聴こえる
          ピアノ=打楽器理論(笑)を証明するかのような
          ガンガン叩く曲。
          いや、こういうはっきりしたスタンス、私は好きです。

          でも本当の驚きは後半のセーザー・フランクの交響曲!!!

          実はこの曲、すごく好き!!!
          フランクとかサン=サーンスとか
          フランスの作曲家でありながら
          比較的ドイツ語圏音楽文化の影響を受けた作曲家って
          ドビュッシーとかラヴェルに比べて
          演奏される機会が少ないのだが

          フランクの交響曲、これ、本当に名曲です!!!♡

          ただ、それだけ私の思い込みがあると
          演奏に対しても、点が辛くなるのだが(笑)

          出だしのレントのテーマ提示、テンポがかなり遅い。
          レントだから正しいのだが、引っ張る引っ張る・・・
          低弦のユニゾンだが
          テンポは遅めで、暗い音色を出していながら
          音そのものの重量は、かなり空気に浮く。

          暑苦しい重さがなく
          透き通った弦の音での暗いテーマの後には
          当然ながら、お約束の通り
          テンポを上げた爆発的な第一主要主題の提示。

          きゃああああ
          ここ、指揮者によっては思い切りフォルテにして
          大袈裟にドラマチックにするところなんだけど
          ビリーの音楽の、あの抑制感が快感。背中がゾクゾクする。

          爆発はしているものの
          感情的にならず、あくまでも「音楽」の範囲内で収め
          しかも各パートのバランスの良さは何なんだ。
          解像度が高いので、音の透明感が凄い。

          ウィーン交響楽団の第一バイオリンって
          こんなに巧かったっけ?と目、いや、耳を疑ってしまったが
          (オーケストラの皆さま、ごめんなさい)
          フワッと入ってくる第一バイオリンのアンサンブルの音の
          羽のような浮揚感と、そこはかとないベージュの香り。

          まるで羽で、身体をソワッと触られたようなゾクゾク感。

          音量のバランスが徹底的に考えられているので
          演奏の立体感が、ホールの空間を超えて、宇宙に飛び出すような感じ。

          中間部の長調の、あの妙なるメロディの美しさ・・・(ため息)

          この曲、ともかく構成がガッチリしていて
          導入部、主要テーマの提示、経過主題に第二主題が
          激しい転調を繰り返し、バリエーションを出しつつ
          目にも(いや耳にも(笑))止まらぬ速さで展開するので
          いや、もう、実に面白い。
          (というか、転調の練習問題、まだやってない、と冷汗かいたり・・)

          第2楽章のイングリッシュ・ホルン。
          哀愁に満ちた曲想に、第1楽章の第二主題が絡まったり
          マズルカ動機が出て来たりして
          これも構成の魅力が充分に楽しめる。

          フィナーレの素晴らしさと言ったら、もう言葉にならない。
          久し振りにナマで聴いたせいか
          この曲の構成の妙に圧倒されていて
          華やかな長調のテーマに第2楽章のテーマが絡み
          第1楽章のテーマが加わってのフィナーレの圧倒的な音楽性。

          ウィーン交響楽団の管楽器軍団(笑)は技術的には超一流だし
          今日は弦、特に第一バイオリンのアンサンブルが素晴らしく
          低弦も重くなる事なく、透明な音で響いて

          あれだけ厚いオーケストレーションなのに
          重さを感じさせず
          時には宙に浮くような浮揚感を与えて
          力強いフィナーレも、力任せではなく
          あくまでも、流れる音楽の持続性と統一感を出して
          ウィーン交響楽団とビリーの面目躍如の名演。

          名曲を名曲として聴かせてくれるコンサートって貴重だわ。
          いくら傑作でも
          やっぱり録音では音が潰れて
          音響空間を身体全体で感じる事は不可能だし

          ただ楽譜の通り音を出すだけ、という演奏はクソつまらんし(断言)
          その意味では、徹底的に考えられた構成のこの曲を
          その構成が浮き彫りになるように
          大袈裟にならず、あくまでも音楽的に扱ったビリーに惚れる。

          滅多に演奏されない曲だけに
          感動の嵐で会場を後にした私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          そう言えば、サン=サーンスのオルガン交響曲も
          一時はかなり集中して演奏されていたのに
          最近、さっぱり聴かない・・・すごく悲しい(涙)

          ジョセ・モンタルヴォ カルメン(ス)

          0
            Festspielhaus St. Pölten 2018年10月13日 19時30分〜20時50分

            José Montalvo
            Carmen(s)

            振付・舞台・ビデオ José Montalvo
            振付アシスタント Joëlle Iffrig
            フラメンコ振付アシスタント Fran Espinosa
            音楽 George Bizet
            ライブ音楽 Ji-eun Park, Kee-ryang Park, Saeid Shanbehzadeh
            衣装 Sheida Bozorgmehr
            照明・舞台 Vincent Paoli
            音響 Pipo Gomes
            ビデオ Sylvain Decay, Franck Lacourt, Clio Gavagnie
            Michel Jaen Montalvo
            ダンサー Karim Ahansal (Pépito), Rachid Aziki (ZK Flash), Eléonore Dugué,
            Serge Dupont Tsakap, Samuel Florimond (Magnum), Elisabeth Gahl,
            Rocío Garcia, Florent Gosserez (Acrow), Rosa Herrador, Chika Nakayama,
            Ji-eun Park, Kee-ryang Park, Lidia Reyes, Beatriz Santiago,
            Saeid Shanbehzadeh, Denis Sithadé Ros (Shitha)

            ダンス関係のニッチな演目を
            高い水準で提供してくれるサンクト・ペルテン州立祝祭劇場。
            今回はジョゼ・モンタルヴォの「カルメン(複数形)」

            この劇場のダンス公演
            何回分かをまとめて買うと(かなり)お得になるので
            ほとんどのダンス公演を買ってから
            後で内容をチェックしたりしているので (^^;;

            ジョゼ・モンタルヴォって、何か記憶にあるなぁ、と思って
            調べてみたら、ちゃんと2016年11月26日に行ってるわ。
            (忘れた方は こちら をどうぞ。)

            今回は、公演前、18時30分から
            モンタルヴォ自身が出てくる「踊る解説」があるとのメールが来たので
            宿題ほったらかして車を飛ばしてサンクト・ペルテンへ。

            小ホールから人が溢れていて、何人かは戻って来ているみたいなんだけど
            え〜、そんなに沢山の人が来ているわけ?と思って
            入り口が溢れかえっているホールに入ったら

            椅子は壁際にあるだけで、真ん中が空いて
            ダンス・スペースになっている。
            (そりゃ、人がはみ出す訳だ・・・)

            簡単なカルメンの解説があってから
            モンタルヴォ登場。

            ううううう、私好みのメガネ男子 ♡
            顔は丸顔じゃなくて、ちょっと長いが
            モダン・ダンサーらしいバランスの取れた体躯で
            立っているだけで、とても雰囲気がある。

            あの雰囲気をどう表したら良いんだろう。
            クラシック・ダンサーの冷たさではなくて
            何とも親しみやすい
            どこかの学校の優しい校長先生っぽい感じ?

            で、この振付師、話し出したら止まらないタイプ(爆笑)
            フランス語なので、通訳が付くのだが
            通訳に時間を与えず、どんどん喋って行くので
            通訳さんがタイヘンな事になっている(わはははは)

            まぁ、詳しい事は省略するが
            観ているだけのつもりが
            結局は最後に踊る羽目になった。
            しかし、サンクト・ペルテンのダンス公演に来る人たちって
            もちろん少しは平均年齢が低いとは言っても
            特に年配の女性たちが、異様に元気だなぁ(感心・・・)

            さて、ジョゼ・モンタルヴォの公演のタイトルは
            カルメン(ス)・・・複数形である。

            解説で劇場の担当者が話した通り
            今回のカルメンは死なない(笑)
            ホセもエスカミーリオも雄牛も死なない(笑)

            カルメンのストーリーを背景にはしているけれど
            テーマとしては
            「みんなの中のカルメン」

            フラメンコ・ダンサーとクラシック・ダンサー
            男性ダンサーはパントマイム系の人から
            ブレイク・ダンス系やヒップホップの人まで
            ほとんどアクロバット。

            ホセとエスカミーリオの話も途中で言及されるけれど
            (で、カルメンをエスカミーリオが誘惑する場面が爆笑モノだった)
            フラメンコとクラシックを取り混ぜて
            女性ダンサーが、カルメン的なものを
            様々な表現で舞台に出していって

            そこにホセとエスカミーリオが
            時にはストーリー的に
            あるいは抽象的に出現する、と言えば良いんだろうか。

            かなり抽象的表現も多かったし
            途中で仏教的な鐘まで出て来て
            あ、もちろんオリジナルのカスタネットも出て来たが
            金属製で、金属の音がして、非常に興味深い効果。

            後ろのビデオも工夫がされていて
            いや、ビデオ投影って、昨今、結構使われているから
            また独りよがりのプロダクションかと思いきや

            そうだ、ジョゼ・モンタルヴォって
            絶対に独りよがりの作品を作らない人だったんだ。

            観客が居て、観客とのコミュニケーションも作品の一部。
            如何に、受容側を作品に取り込んでしまって
            受動的だけではなく能動的に楽しませるか、という事が
            いつも念頭にあるのだろう。
            (だから作品解説の時間に、観客と踊っちゃったりするのである。
             親しみ易い印象を残すのは、それが原因か・・・)

            ビデオに雄牛が出てくるのだが
            女性ダンサーが呼んでいるのに雄牛が退場してしまい(ビデオです)
            女性ダンサーが観客に呼び掛けて
            観客一同、揃って雄牛を呼び戻す、なんていうシーンも。

            ホセとエスカミーリオの喧嘩がまた爆笑もので
            まずは普通に二人で喧嘩(もちろんダンスです)

            次に「ではダンスで・・・」と
            同じ振付を、2人離れたところでやるのだが
            ぐんずほぐれつの上になり下になりのシーンを
            2人別れてやったらどうなるか、想像してみて下さい(あ〜、笑える)

            カルメンとミカエラの喧嘩シーンは
            ビデオで喧嘩して
            そこにダンサーが声と手打ち(平手打ちの音がする)で参加。
            ビデオと振りが呼応して、かなりリアルな感じになった。

            ダンサーが、それぞれ、カルメンをどう思うか、という
            インタビューに答えて
            そのビデオと同時に、舞台で踊るシーンも。

            ただのエンターテイメントのダンスとして観ても
            バリエーションが多く、動きが鮮やかで
            フラメンコにクラシックにヒップホップが
            同じ床で繰り広げられていても、全く違和感がない。

            それどころか、様々なダンス形式が
            それぞれにお互いを補って
            バリエーションの豊かさ(しかも統一感あり)に圧倒される。

            「カルメン」に象徴されるメンタリティは数多くあるだろうが
            ダンサーたちのインタビューでは
            やはり「自由」が強調されていた。

            自分のセクシャリティに対して自由でありたい
            社会の規範に縛られず、自由を制限されるくらいなら殺されたい
            ・・・そういうところが芸術家としてのダンサーには魅力らしい。

            あ〜、う〜ん・・・(悩)
            「自由」という概念は、かなり難しいのでは・・・

            「カルメン」については
            1学期目の講義で、オペラについて集中的に取り上げた教授がいて
            ビゼーのオペラとその成立、含まれるモチーフと
            その後のカルメンの受容史については学ぶ機会があったけれど

            実は「カルメン」について
            最も挑発的な発言をしたのは
            1年前の私の声楽の先生(女性)で

            カルメンの育った環境を考えてみて。
            子供の頃から虐待されて
            美しいという事を理由に
            何回レイプされたと思う?

            この視点、今まで確かに誰も言及しなかった事が不思議。
            自分の美しさを鼻にかけて
            男性を翻弄するカルメン、というイメージが強いけれど
            カルメンの子供時代って、我々が想像する悲惨さを
            遥かに越えた陰惨さだっただろう。

            強い女性、とか、自分の意志を貫く女性とか
            男性を自分のために利用する女性として
            本能のままに生きて
            自分のセクシャリティも本能に従って解放し
            自由を愛したカルメン・・・という美しい解釈は
            それを考えると、かなり理想論だなぁ、と、つくづく思う。

            カルチャー・スタディ的に研究するのであれば
            また別の視点が必要だし
            自由という概念からアプローチするのなら
            社会学的・歴史学的観点から
            人間の権利に至る法律概念まで包括しなければならないだろうし
            あ〜、もう、毒されているから
            自分でもワケがわからん。

            モンタルヴォのこの作品の中心にあるのは
            「みんなの中のカルメン」で
            振付師やダンサーや
            あるいは来ている観客たちが
            自分の中のカルメンを発見しよう、という意図だと思うのだが

            この問題、考えれば考える程、複雑になって来るので
            そんなに簡単に「結論」として出してはいけない、と
            自分の中でガンガン警告を鳴らしている理性を横に蹴っ飛ばして

            ともかく、モンタルヴォが振付師として
            ダンサーと共に、カルメン像を
            今までと違う視点から観客に提示した
            というところだけ理解した・・・事にしよう、うん。

            ウィーンではワールド・バレエ・ガラがあって
            世界中からクラシック・ダンサーが集まって
            パーフォーマンスしていたらしい。
            けれどシーズン前に、サンクト・ペルテンでの
            ダンス公演のチケット、まとめて買っちゃったから・・・

            それでも、この公演、観て良かったのは確かなので
            ダンスを楽しみながらも
            考える機会を与えてくれた関係者全員に感謝したい気分の私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            真夏の夜の夢(バレエ)今シーズン4回目(千秋楽)

            0
              Volksoper / Wiener Staatsballett 2018年10月12日 19時〜21時15分

              EIN SOMMERNACHTSTRAUM
              Ballett in zwei Akten vom Jorma Elo
              nach der Komödie von William Shakespeare

              振付 Jorma Elo
              音楽 Felix Mendelssohn Bartholdy
              Ein Sommernachtstraum
              Ouvertüre E-Dur, op 21, Musik op. 61
              Ouvertüre c-Moll op. 95 (Ruy Blas)
              Symphonie Nr. 4 A-Dur, op. 90
              Konzert für Violine und Orchester e-Moll, op. 64, 2. und 3. Satz
              舞台・衣装 Sandra Woodall
              照明 Linus Fellbom
              指揮 Andreas Schüller

              オベロン Eno Peci
              ティターニア Ketevan Papava
              パック Géraud Wielick *
              シーシアス Igor Milos
              ヒポリタ Oxana Kiyanenko
              ハーミア Natascha Mair
              ライサンダー Alexandru Tcacenco
              ヘレナ Ioanna Avraam
              ディミートリアス James Stephens
              イジーアス Kamil Pavelka
              職人たち Gabor Oberegger, Alexis Forabosco, Andrés Garcia Torres
              Nicola Barbarossa, Marat Davletshin, Trevor Hayden
              アテネのカップル Madison Young, Marian Furnica
              Katharina Miffek, Zsolt Török
              妖精・アテネの住人たち
              Venessza Csonka, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
              Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
              Céline Janou Weder, Madison Young,
              Marcin Dempc, Marian Furnica, András Lukács, Hanno Opperman,
              Gaetano Signorelli, Zsolt Török, Navrin Turnbull,
              Arne Vandervelde
              ソロ歌手 Manuela Leonhartsberger, Birgid Steinberger

              Wiener Staatsballett
              Orchester der Volksoper Wien
              バイオリン・ソロ Bettina Gradinger
              Jugendchor der Volksoper Wien

              真夏の夜の夢、今シーズンの千秋楽公演。

              読者の皆さま、喜んで下さい。
              これが、少なくとも来年9月までは
              この演目についての最終記事になります。
              長い間、お付き合いいただき、ありがとうございました。
              2013年からフォルクス・オパーにこの演目が移って
              (その前は国立オペラ座で上演されていた事もあるのに
               この演目だけは行く時間がなかった(涙))
              今回で12回目。

              千秋楽の目玉は
              ジェローのパック役への抜擢!!!!

              だってジェローって、まだデミ・ソリストですよ?!
              (まぁ、それ言ったら、レオナルドもデミ・ソリストだけど)
              それが、「真夏の夜の夢」の主人公とも言うべき役に・・・(感涙)

              ジェローのパックの役作りは
              ミーシャともリッチーとも違う。
              (その意味では、ミーシャとリッチーはよく似ていた)

              良いか悪いかの判断は別として
              ジェローのパックは
              おとぎ話の登場人物というよりは
              もっとリアルな「いたずらっ子」

              ミーシャもリッチーも
              コミカルな身体のカタチを静止させながら
              オベロンとティターニアという妖精の国の人物で
              実際の社会には現れないという雰囲気があったけれど

              ジェローのパックは
              妖精の国から、楽々と現実社会に出没しそう。

              最初のシーンでは
              ちょっと異様な雰囲気を醸し出していて
              キュートでコミカル、というよりは
              うわ、悪魔かこいつは?という印象で怖かったが。

              テクニック的には全く問題ないし
              演技も張り切ってやっていて
              意外に楽しそうだったけれど

              髪型が・・・
              いや、普通に見たら、あの揺れる髪は魅力的なんだけど
              ツノが2本生えているのに
              その周囲で豊かな髪がフサフサ揺れるというのは
              ツノが取って付けたような不自然感がある。
              妖精なんだから、普通の男の子の髪型だと違和感がすごい。

              あ〜、だからか。
              何となくコミカルな感じは出していても
              どうやっても、普通の社会にいる普通の男の子に見えちゃったのは。

              エノのオベロンとの絡みはキレイに決まった。
              というより、シャドーで踊ると
              若い分、ジェローの方がジャンプのキレが良いくらい。

              舞台上の存在感としては
              ミーシャほどの存在感はないけれど
              (まぁ、あれはミーシャが特別で・・・)
              若々しくてキュートで、一生懸命なパック。

              何か私に孫でもいたら
              おおお、頑張ったね〜って褒めてやりたいようなパック。
              (意味不明だが、まぁ、そこは適当に解釈してクダサイ)

              オーケストラはこの演目になると
              開演前から、メンバーが必死にオーケストラ・ピットで練習しているが
              元気な演奏で
              時々えっ?という瞬間はあるにせよ
              みんな頑張ってるね、というメンデルスゾーンは楽しい。

              (国立オペラ座のオーケストラは
               天下のウィーン・フィルなので(笑)文句はつけるが
               フォルクス・オーパーも、それなりに頑張っているから
               むにゃむにゃ・・・
               少なくとも、手抜きはしてない、うん。
               レパートリーが違うので比べられないわよ)

              ジェームスのディミートリアス役は
              かなり熟れて来て、演技も自然に見せたし
              この間不安定だったところは完璧に修正されていて
              あ〜、ジェームス復活万歳。私は嬉しい。

              ナターシャのキュートなハーミアが
              最後の4人揃ってのシーンで
              床が滑ってバランスを崩して転んでしまったが
              (ナターシャが転んだの、私、初めて見た・・・)
              すぐに立ち上がって踊っていたし
              カーテン・コールにも出ていたから
              大きな怪我はなかったものを思う(あ〜、ドキドキ・・・)

              初恋の君・・・じゃなかった
              マリアンも、マディソンと、ばっちり踊っていて
              マリアン出てくると
              私のオペラ・グラス(望遠鏡)はそこに固定されてしまうので
              超貧民席の悲しさで舞台全体は見えないのだが

              最後のところで
              アテネの女性たちが、男性ダンサーに支えられて
              空中を走っていく場面で
              前の方で、ハーミアのお父さんも空中を走るってシーン
              あんなの、今までなかったんじゃないか???

              千秋楽だから、ハメ外して遊んだのか???
              それとも前からあって、私が見ていなかっただけ???

              パックは役としては目立つ役だし
              ジェローの若々しいキュートで魅力的なパックは
              聴衆からも盛大なブラボーをもらっていた。

              一番ブラボーをもらうのは子供達だが
              (これはいつも同じだ、そりゃ子供のダンサーは可愛い!)
              千秋楽には、オーケストラにも盛大なブラボー。

              楽しい演目だったなぁ。
              また来シーズンに公演がある事を祈っている
              (読者には迷惑かも(笑))
              その時は、またジェローのパックも見たい!
              1回だけというのは残念!!!

              フォルクス・オーパーは11月はバレエ公演はなし。
              12月・1月はメルヒェン・ワールドを上演。
              (醜いアヒルの子(かなり現代バージョン)と
               比較的伝統的な千夜一夜物語。私は何回か観たので今回は行きません)
              1月終わりからのコッペリアに期待している私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              ジェローのウィーン国立バレエ団のプロフィール写真が気に喰わない(断言)
              いったい、いつの写真を使ってるんだ??(すごく弱々しい坊やに見える)
              実際は若々しく清々しい青い目の好青年になってます!!!!!

              ウィーン放送交響楽団 + ロレンツォ・ヴィオッティ

              0
                Musikverein Großer Saal 2018年10月11日 19時30分〜21時30分

                ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                指揮 Lorenzo Viotti
                ピアノ Khatia Buniatishvili, Gvantsa Buniatishvili

                Sergej Prokofjew (1891-1953)
                 Die Liebe zu den drei Orangen. Suite, op. 33a

                Francis Poulenc (1899-1963)
                 Konzert für zwei Klaviere und Orchester d-Moll

                Erich Wolfgang Kornbold (1897-1957)
                 Sinfonietta für großes Orchester, op. 5

                ウィーン放送交響楽団は
                今回、新進指揮者のロレンツォ・ヴィオッティを迎えた。

                ロレンツォ・ヴィオッティ28歳。
                既に日本でも振っているようなので
                読者はご存知かもしれない。

                ウィーン交響楽団へのジャンプ・インで
                見事なマーラーを聴かせてくれたのは記憶に新しい。

                さて、ここから言い訳である(見苦しい (・・;)

                今学期は、必須と面白そうな授業が
                徹底的に木曜日に集中していて
                コンサートとかバレエで身体がいくつか欲しい、というのと同じく
                大学でも、身体がいくつか欲しい・・・

                場合によっては、レコーダー持って行ってもらって
                講義を録音する、という方法もあるか、と真剣に考慮中だが
                今学期は演習をいくつも取ってしまったため
                ひたすら文献読んで、民族音楽聴いて
                和声法やら、大昔の不思議な楽譜やらと格闘しなければならないので
                講義の録音を聞いている時間が取れるか・・・というのもある。
                (もともと、怠け者なんですワタシ)

                この日も、朝9時から4コマ(各1時間半)を15分づつの休みで
                15時45分まで集中して
                16時からのチュートリウムはサボり
                (サボった事を、今、ものすご〜〜〜〜く後悔している)
                一旦、帰宅して食事してからコンサート行ったのだが
                ともかく、ひたすら疲れている状態だった(すみません)

                プロコフィエフの音は、とても尖った音がする。
                ウィーン放送交響楽団は、こういうモダンな曲は得意で
                技術的には完璧。
                それに、音の解像度が非常に高くて透明感がある。

                プーランクの2台のピアノのための協奏曲って
                初聴きで(え〜い、予習しろ!!!)
                カティア・ブニアティシヴィリと
                お姉さんのグヴァンスタ・ブニアティシヴィリのピアノ2台。

                わはははは
                あ、すみません突然笑い出して
                ・・・だって衣装が衣装が衣装が・・・

                カティアの方しか最初見えてなかったけれど
                黒の衣装で、背中が半分以上見えていて
                背中で隠れている半分は、透けるレースで
                前は見えるか見えないか、ギリギリのところまで開いていて
                その盛り上がりが(以下省略)

                演奏どころか衣装に気を取られたまま
                あっという間に終わっちまったぜ(←オヤヂと化してる)

                スタイル抜群で、でも痩せたダンサーとかモデルじゃなくて
                出るべきところは、ばっちり出ている3次元美人が
                ああいう悩殺っぽい衣装を着て舞台に登場したら
                視覚的印象ばっかり先立っちゃう(汗・汗・汗)

                演奏後に2人で舞台の前に立った時に見えた
                お姉さんの衣装も、なかなか露出度高く(以下省略)

                アンコールは1台のピアノ連弾でピアソラ。
                技術的な細かい部分はさすがに凄い・・・というより
                まるでサーカスか、これは。
                ただ、女性2人で、あそこまで細かい音符を
                目にも止まらぬ速さで弾いてしまうと
                ピアソラの「タンゴ」っぽい部分が全部欠けてしまって
                力強いというより、細かい音符が流れていく、という印象。

                幕間の後はコルンゴルトの作品。
                このシンフォニエッタは1911〜12年
                コルンゴルト14歳から15歳の時のオーケストラ作品。

                モーツァルトか、キミは?

                という早熟な天才で
                しかもあの時代、そろそろモダンな無調音楽が出始めている頃に
                (シェーンベルクが12音技法を確立したのが1921年
                 月に憑かれたピエロが1912年
                 ストラヴィンスキーの春の祭典の初演は1913年)
                見事にトナールのメロディックな作品。

                伝統的と言えばその通りだけど
                トナールな曲が作曲され尽くした、みたいな潮流の中で
                何と美しいメロディを作曲したんだ、この天才は!!!

                コルンゴルトと言えば
                昨今、再発見されてはいるけれど
                演奏されるのはオペラの「死の都」とバイオリン協奏曲がほとんどだし
                こういう初期作品を聴けるのは楽しい。

                クラシックだのポピュラーだのを
                簡単に越えてしまったところに
                ほら、楽しいよね?という感じで存在する美しい音楽。

                音楽と心理分析の構造、という講義を取っているのだけれど
                年配の教授から(調べてみたら87歳・・・いや、お元気で(汗))
                作曲家は、聴衆の感情に訴えるものを音楽にしなければならないので
                心理学者であるべき、とのお言葉を聞いて

                現代音楽(に限定せず、いわゆる「現代芸術」一般)に関しては
                だいたい作曲家に意図がないケースもあるのでは?

                と思ったのだが
                コルンゴルトの(子供)時代くらいは
                まだ、聴衆に何かの感情を呼び起そうというのが
                あったんだなぁ、とつくづく思った。
                しかし、本当に世の中には天才がいる・・・

                ぐったり疲れていた筈なのだが
                コルンゴルトの美しい元気な曲を聴いて
                たちまち回復したような気分の私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                ついで、と言ったら失礼だけど
                このヴィオッティという若い指揮者も
                ある種の天才のカテゴリーには入る(と思う)。
                ともかく、耳が良いのだろうが
                音響の構築が非常に巧み。

                トーンキュンストラー + 佐渡裕 映画と音楽

                0
                  Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年10月10日 19時30分〜22時30分

                  „West Side Story Film with Live Orchestra“
                  Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                  指揮 Yutaka Sado

                  バーンスタイン生誕100年という年なので
                  バーンスタインの音楽を聴く機会が多いが
                  バーンスタインの愛弟子だった佐渡裕の指揮で
                  あの名画、ウエスト・サイド・ストーリーを
                  ライブ・オーケストラの音楽で鑑賞する、という趣向。

                  コンツェルトハウスでは「映画と音楽」というタイトルで
                  往年の名画にライブ音楽、というシリーズをしていて
                  これがなかなか意欲的なプログラム。

                  加えて、ギャラリー(天井桟敷)の超貧民席の方が
                  舞台の上の大型スクリーンがよく見える、と言う利点がある

                  ・・・が、実は超貧民席が結構高い (^^;;

                  ところで、ウエスト・サイド・ストーリーって
                  もともとがミュージカルなので
                  歌手はどうするんだろう?と思っていたら
                  声だけは映画からそのまま使うとの事。

                  えええええ????

                  ホントに声だけ映画からそのまま使っていて
                  それにライブのオーケストラ。

                  うわあああああ
                  この音声のデジタル処理って、どうやったんだろう。
                  (音楽云々より、デジタル処理が気になる・・・)

                  ロバート・ワイズ監督1961年制作のウエスト・サイド・ストーリー。
                  自宅に DVD もあるし、何回も見たけれど
                  久し振りに大スクリーンで見てみると
                  やっぱりあの時代の冗長さも結構目立つ。
                  今の時代なら、ストーリー運びとか、もっと早いだろうし
                  映画そのものも、あの長さの映画って、当時の特色だなぁ。
                  (マイフェア・レディとか、王様と私とか、ともかく全体的に今より長い)

                  長いくせに、会って恋に堕ちるまでの時間が少ない。
                  いや、一目惚れって、そんなモノかもしれないが
                  (経験ないからわからん)
                  普通は会って付き合って
                  人生観とか価値観とかの情報交換をした上で
                  お互いの長所・欠点を認め合ってから
                  恋するものじゃないか、と思うのだが

                  トニーとマリア、パーティで会った途端にキスしてるし
                  トニーなんて、キスした後でマリアと言う名前を聞いて
                  僕がキスした女性はマリア・・・とか歌ってるし

                  慎み深い日本人と違って
                  他の文化圏では、男女関係は
                  犬とかと同じで、クンクンクンと匂いを嗅いで
                  遺伝子的な適合性があったら合体(以下省略)

                  ちょっと待て、言いたかったのはそうじゃない(汗)
                  舞台一杯に広がった超大規模オーケストラ(エレキ・ギターとかもある)
                  序曲は、まだともかくとして
                  映画になったら、セリフや歌とどう合わせるんだろう?と思っていたら

                  すごい!!!
                  ほとんど完璧にシンクロナイズしている!!!!!

                  バーンスタインの音楽を知り尽くしたマエストロ佐渡も
                  映画に合わせ、画面(シーン)の長さに合わせ
                  映画で歌っている歌声にぴったり合わせ、と
                  指揮者的な自由な采配は
                  音量以外には全くなかったと思うのだが

                  さすがにオペラなども振っている指揮者だなぁ。
                  しっかり合わせる職人芸がバッチリ活きた。

                  音楽に何らかの欠点があると
                  映画に集中できない筈なのだが
                  最初から最後まで、ズレも何も感じさせず
                  下の舞台に大規模オーケストラが鎮座しているのを意識せず
                  ずっと映画に集中できた、って、実はスゴイ事なのでは・・・

                  オペラ・グラス(実際は望遠鏡(笑))で指揮台を見たら
                  小型スクリーンがあって
                  映画そのものは背景で、縦線が流れる方式になっていたが
                  オーケストラのメンバーにとっては
                  指揮者の指示だけが唯一頼れるもの、という
                  ちょっと大変な状況だったと推察できるのだが

                  その意味では、教育的な事業にも携わっている
                  佐渡さんの指示は、明確なんだろうなぁ。

                  それにトーンキュンストラーって
                  低地オーストリア州のオーケストラなので
                  州のプロジェクトとか
                  サンクト・ペルテンではバレエ(というかダンス?)音楽や
                  以前はベルリンのコーミッシェ・オーパーの
                  あの有名なアニメ「魔笛」でも演奏した経験があるし

                  ただクラシックのコンサートだけじゃなくて
                  かなり幅広いジャンルで
                  時々、ヘンな事もさせられているオーケストラ、という意味では
                  かなり器用なオーケストラだと思う。

                  しかし、こうやってオーケストラ部分だけでもナマで聴いてみると
                  バーンスタインの圧倒的な音楽表現に翻弄されるなぁ。
                  しかも一辺倒のスタイルではなくて
                  バーンスタインが、この作品の中で作曲している曲の
                  多様性の凄まじい事と言ったら
                  さすがに天才・・・

                  この映画で好きなものは音楽だけじゃなくて
                  ジェローム・ロビンスが担当している振り付けが
                  もう、むちゃくちゃカッコいい ♡

                  ジェローム・ロビンスと言えば
                  ウィーン国立バレエ団のレパートリーの
                  あのコミカルな The Concert があって
                  その独創性と、観客を楽しませる力に圧倒されるが
                  ウエスト・サイド・ストーリーの振付の見事なこと。

                  ダンスと言うよりモダン・バレエ。
                  ダンサーたちの動きも素晴らしい。

                  この映画、移民問題、文化の相違の問題に
                  人種の問題など、現代でもリアルなテーマを取り上げていて
                  しかも、ロメオとジュリエットが下敷きにあるから
                  人間社会の永遠の問題でもあるのだろうなぁ。
                  (一目惚れだけは私には理解できません、悪しからず)

                  長い映画である事は知っているから
                  途中で休憩ないと辛いなぁ、と思っていたら
                  1回休憩入って、それでも19時30分から22時30分。
                  最後は、満杯の聴衆のあちこちから
                  鼻を噛む音が聞こえた(笑)

                  私は何回も映画を見ているし
                  ラブ・ストーリーにウルウルする歳ではない。
                  (いや、歳に関係ないか。現実主義者、というだけだな)

                  でも、やっぱり名画だし
                  裏方(音声のデジタル処理に指揮者のスクリーン作成)
                  指揮者にオーケストラ、その他を含めて
                  いや〜、よくやった・・・と、その意味で
                  非常に感激した私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  国立バレエ ジゼル 今シーズン6回目

                  0
                    Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2018年10月9日 19時〜21時15分

                    GISELLE
                    Phantastisches Ballett in zwei Akten von Théophile Gautier,
                    Jules-Henri Vernoy de Saint-Georges und Jean Coralli nach Heinrich Heine
                    振付・演出 Elena Tschernischova nach Jean Coralli, Jules Perrot, Marius Petipa
                    音楽 Adolphe Adam
                    舞台 Ingolf Brunn
                    衣装 Clarisse Praun-Maylunas
                    指揮 Paul Connelly

                    ジゼル Maria Yakovleva
                    アルブレヒト Davide Dato *
                    ヒラリオン Andrey Teterin
                    ジゼルの母ベルタ Franziska Wallner-Hollinek
                    ヴィルフリード Marat Davletshin
                    クルランドの大公 Kamil Pavelka
                    バチルデ Alena Klochkova
                    農民のカップル Anita Manolova, Dumitru Taran
                    ジゼルの友人たち Elena Bottaro, Sveva Gargiulo, Eszter Ledán,
                    Fiona McGee, Xi Qu, Rikako Shibamoto
                    ミルタ Kiyoka Hashimoto
                    2人のウィリー Adele Fiocchi, Elena Bottaro

                    Wiener Staatsballett
                    Orchester der Wiener Staatsoper

                    久し振りのジゼル(この間観たのは9月26日だった(笑))

                    今回の大目玉は、ダヴィデの復活!!!!!
                    昨年のヌレエフ・ガラでの怪我から15ヶ月。
                    大怪我から立ち直って、アルブレヒトでの役デビュー ㊗

                    ジゼル役はマーシャ。
                    このダンサー、ともかくキュートなので
                    最初の村娘ジゼルが可愛いし
                    演技できるダンサーで
                    アルブレヒトに言い寄られて、恥ずかしがって
                    でも、愛されてるわ、という確信の後の喜び方が
                    本当に幸せな「田舎の女の子」に見える。

                    ダンサーとか俳優とか
                    持って生まれた身体や顔の見かけが
                    役にも反映するから
                    ジゼルというのは、タイヘンな役だと思うのだが
                    マーシャの村娘ジゼルは違和感がなくて可愛い。

                    ある程度の年輪を重ねた後のジゼルは
                    後半が良くても、前半のキュートさに無理があるケースも多いし。

                    ダヴィデ登場!!!
                    いや、本当に、よく戻って来てくれた!!!(感涙)

                    ダヴィデって、本当に可愛いの。
                    これも持って生まれた資質ではあるのだけれど
                    デビューした時から
                    私はロメオを踊らせたくて仕方ないのだ。
                    だいたい、それで想像してもらえると思う。

                    比較的小柄で、以前は太ももの筋肉が目立ったのだが
                    アルブレヒト役のタイツ姿、すごくサマになってる。
                    目立つ外側の筋肉の量を、うまくコントロールしたのかも・・・

                    今日は背景のダンサーたちの中に
                    私の初恋の君(に(妄想入りで)似たダンサー)は居なかったので
                    もっぱらマーシャとダヴィデに注目して鑑賞。

                    マーシャの、いや、ジゼルの狂乱の場。
                    マーシャの演技力が最大限に発揮されて、素晴らしい。
                    最初のショックを受けた時のマーシャの目が
                    完璧に泣いている赤い目で
                    観ているこちらもドキッとする。
                    ヒラリオンに向かっての気違い染みた大笑いのシーンも決まったし
                    最後の死に方が、実に自然で美しい。
                    (何だか書いていて、自分が変態のような気がして来た)

                    アルブレヒトは前半では、ただの浮かれたお坊っちゃま。
                    (いやでも、もう、これが、ダヴィデがやると可愛いのよ。憎めない)
                    マーシャとの PDD も美しいし
                    マーシャとダヴィデのカップリングって
                    ものすごくキュートだわ ♡

                    後半、ミルタは清香ちゃん。
                    足音がしない!!!!
                    足音を極限まで抑えてしまえば
                    清香ちゃんのクール・ビューティ振りに
                    ミルタという役柄は非常に合っていて
                    バランスも美しいし、ミルタの冷たい静けさも素晴らしい。
                    清香嬢が冷徹な人間だとは言ってません、念の為(笑)

                    マーシャの後半のジゼル。
                    前半の元気一杯(でも病弱)なジゼルと
                    死人のジゼルと、全く別の人物じゃないの(笑)

                    マーシャのジゼルも足音がしない。
                    静かな雰囲気を纏いつつも
                    アルブレヒトを庇う強さが凄まじい。
                    前半で輝くような笑顔だったジゼルは
                    後半では笑顔は全く見せず(見せたらヘン)
                    それでもアルブレヒトへの愛を表現しなければならない。

                    あ〜、難しい役だわ、これ。

                    ダヴィデのアルブレヒトのソロ!!!!!
                    完璧で高いジャンプ、美しいカブリオール
                    アントルシャ・シスの見事な連続技!!!!(盛大な拍手あり)

                    ちょっと思ったんだけど
                    以前、ジゼルを観ていた時は
                    アルブレヒトの濃紺のタイツが
                    背景の濃紺と混ざって、脚運びが見難かったのだが
                    最近、アルブレヒト・タイツの色が少し薄くなって
                    背景と混ざらずに見えるようになったような気がする。
                    ダヴィデの美しいつま先まで、ちゃんと見えて、私は嬉しい。

                    マーシャも演技派だし
                    ダヴィデ可愛いし
                    初恋の君がいなくて、ちょっと寂しかったし
                    オーケストラは、また色々とやらかしてくれたけど
                    (タクトの数え間違いにはちょっとひっくり返った)
                    今シーズン、私にとって最後のジゼル
                    しっかり楽しませてもらった。

                    10月20日が最終公演で
                    マーシャと木本クンのカップリングなのだが
                    イスラエル・フィルとメータの1回だけの公演に
                    ばっちりぶつかってしまって
                    身体が2つ欲しい、と真剣に思っている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    10月20日のマーシャ+木本クン組は
                    オペラ座ライブがあるから
                    14ユーロ払って、自宅のコンピュータで見ようかと
                    真剣に考えているのだが
                    このライブって、3日間くらいの猶予はあるけれど
                    時間指定なの・・・(←そういうの面倒なの、ワタシ)

                    サンクト・ペテルブルク・フィル + テミルカーノフ

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2018年10月8日 19時30分〜21時50分

                      St. Petersburger Philharmoniker
                      Herrn des Singvereins der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
                      指揮 Yuri Temirkanov
                      バス Petr Migunov
                      バイオリン Emmanuel Tjeknavorian

                      Jean Sibelius (1865-1957)
                       Konzert für Violine und Orchester d-Moll, op. 47

                      Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
                       Symphonie Nr. 13, op. 113 „Babij Jar“ für Bass-Solo,
                       Männerchor (Bass) und Orchester nach Gedichten von
                       Jewgenij Jewtuschenko

                      サンクト・ペテルブルク・フィルの2日目。
                      いやもう、圧倒的に音が強くてロシア風味がバッチリ。
                      以前のレニングラード管弦楽団の頃の強さを彷彿とさせる音響。

                      シベリウスのバイオリン協奏曲のソリストは
                      2015年のジャン・シベリウス・コンクール2位
                      1995年ウィーン生まれの23歳
                      指揮者の父親とピアニストの母親のもと
                      16歳からウィーン音楽大学で勉強しているそうで
                      楽器はクレモナのアントニオ・ストラディヴァリ。

                      ふ〜ん・・・
                      親のなな(以下省略)

                      技術的にはスゴイし
                      (昨今のソリストはすごくなければ出て来ない。
                       すごくても檜舞台に上がれない人も多い)
                      良い楽器を使ってるなぁ、と言うのはあったけれど
                      もともとバイオリン協奏曲苦手だし
                      特別これ、というピカピカしたところも(以下省略)

                      会場からのブラボー・コールが凄かったけれど
                      あれは、学生仲間ですね(笑)

                      後半のショスタコーヴィッチ、交響曲13番。
                      バビヤールの歌詞のドイツ語対訳は
                      プログラムに載ってはいるけれど
                      やっぱりロシア語が理解できないと、あんまり意味がないなぁ。
                      (ロシア語が記載されていても
                       まず、ワタクシには文字が読めません(冷汗))

                      こういう曲って、テキストが大事なので
                      その意味では、いくらドイツ語の訳が記載されていても
                      どこの部分を歌っているのかがわからないと
                      曲の理解も全く出来ない。

                      と言いつつ
                      何だか、ものすごく感情にグサグサ刺さって来たのは
                      バスの歌手の美声がものすごく素晴らしくて
                      (本当は正面でないと、声の本当の素晴らしさは体感できないのだろうが)
                      楽友協会合唱団のバスの男性の深い響きが
                      これまた素晴らしくて

                      加えて、ものすごい底力を見せた
                      どっしりしたオーケストラの響きが
                      迫力たっぷりに迫ってくる。

                      ドラマチックなバビヤールのテキスト(理解不能だが)に
                      ドラマチックなショスタコーヴィッチの音楽を
                      オーケストラと歌手とコーラスが
                      この上なくドラマチックに演奏する。
                      (自分の語彙のなさ、ここに極まれり・・・(恥))

                      第2楽章の皮肉なこと。
                      ほとんど自虐的な軽さを持った曲の後に
                      アダージョの「商店で」
                      ・・・これ、歌手が手を伸ばしたりして
                      ほとんどオペラっぽくなっていたが
                      でも、情景が目の前に浮かぶようだ。

                      ラルゴの「恐怖」のゾッとする暗さ。
                      最終楽章の「立身出世」の皮肉さの後に
                      シンプルで、極限まで美しい変ロ長調でのパッセージ。

                      長い曲なんだけど(演奏時間約1時間)
                      音楽のバリエーションの豊かさ、曲想の豊富さ
                      オーケストラのダイナミックな演奏に
                      男声(ソロとコーラス)の美しさで
                      あっという間の1時間だった。

                      指揮者のテルミカーノフは今年79歳。
                      相変わらずスコアに顔突っ込んでの指揮だけど
                      (指揮棒はなかった)
                      オーケストラの響きを豊かに出して
                      細かい部分の処理も巧い。

                      あの感動的なバビヤールの後に
                      (もしかしたら、男声のバスに聴き惚れていたのかもしれないが)
                      まさかアンコールはやらんだろう、と思いつつ
                      感動のあまり、ずっと拍手していたら

                      ややややや・・・
                      何と、エルガーのエニグマからのニムロッド!!!

                      この間のアンコールがエルガーの「愛の挨拶」だったので
                      ニムロッドやれば良いのに、と思っていたら
                      今日のアンコールがニムロッドだったのには、ちょっと笑えた。

                      バビヤールの後のニムロッド
                      しかも、あの深いオーケストラの音で
                      感激に更に感激が加わって、感無量で
                      ホールを後にした私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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