ジュエルズ 国立バレエ 6回目

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    Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
    2020年12月9日 19時30分〜21時50分

    JEWELS
    Emeralds / Rubies / Diamonds
    振付 George Balanchine ©The George Balanchine Trust
    衣装 Karinska
    舞台 Peter Harvey
    照明 Mark Stanley
    指揮 Paul Connelly

    EMERALDS
    音楽 Gabriel Fauré
    Pelléas et Mélisande (Prélude, Fileuse, Sicilienne)
    Shylock (Entr’acte, Epitbalame, Nocturne, Final)
    Pelléas et Mélisande (La Mort de Mélisande)
    ダンサー
    Natascha Mair - Masayu Kimoto
    Maria Yakovleva - Eno Peci
    Anita Manolova, Fiona McGee, Dumitru Taran
    Emila Baranowicz, Natalya Butchko, Andrea Némethová,
    Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva,
    Flavia Soares, Oksana Timoshenko, Liudmila Trayan, Beata Wiedner

    RUBIES
    音楽 Igor Strawinski
    Capriccio für Klavier und Orchester
    ピアノ Igor Zapravdin
    ダンサー
Kiyoka Hashimoto - Denys Cherevychko
    Gala Jovanovic *
    Natalya Butchko, Sveva Gargiulo, Estzter Ledán, Anita Manolova,
    Fiona McGee, Joana Reinprecht*, Rikako Shibamoto, Céline Janou Weder,
    Trevor Hayden, Scott McKenzie *, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

    DIAMONDS
    音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski
    Symphonie Nr. 3, D-Dur op. 29 ohne den Ersten Satz
    ダンサー
Liudmila Konovalova - Narvin Trunbull
    Sveva Gargiulo*, Anna Manolova*, Rikako Shibamoto, Madison Young,
    Leonardo Basílio, Tristan Ridel, James Stephens, Arne Vandervelde
    Marie Breuilles, Laura Cislaghi, Venessza Csonka, Gala Jovanovic,
    Oxana Kiyanenko, Erika Kováčová, Zsófia Laczkó, Andrea Némethová,
    Joana Reinprecht*, Alaia Rogers-Maman, Flavia Soares, Iulia Tcaciuc,
    Nicola Barbarossa*, Marat Davletshin, Marcin Dempc, Marian Furnica,
    Darius Gramada, Trevor Hayden, Gaspare Li Mandri, Igor Milos,
    Hanno Opperman, Gaetano Signorelli, Andrey Teterin, Zsolt Török

    Wiener Staatsballet
    Orchester der Wiener Staatsoper

    12月が昨年の最終公演だったジュエルズの再演。
    今回が8回目の公演。
    私は皆勤賞ではなくて、今回が6回目。

    だいたい、今週は試験週間である。
    しかも、普通の授業もある。

    よって、他のSNSでは
    ブログ書いてたら睡眠不足で死ぬか
    試験に落ちる、と書いたけれど

    あ〜、試験に落ちる方を選択したのね、という
    読者からのため息まじりの声が聞こえてくるようだ(被害妄想)

    だが、実際、あまり書く事がない(すみません)
    だいたい、昨日のオネーギンが凄すぎて・・・

    エメラルドはニナ(ポラコヴァ)がキャンセルで
    ナターシャが木本クンと舞台に登場。
    相変わらず天使のようだ(語彙不足によりいつも同じ感想)

    木本クンのサポートとソロも優雅でステキ。
    特に途中の1ヶ所だけの男性のソロの部分の
    美しい手足の伸びを充分に楽しませてもらった。

    マーシャとエノのカップリングも悪くない。
    エノが意外に上品で驚いた。
    この間のオネーギンの時には、もっとワイルドだったよ?(笑)

    ルビーの橋本清香さんは、とてもノーブル。
    ノーブルなんだけど、それだけに
    光る独自の個性というオーラがない。
    (いや、これは、もう持っているモノが違うので・・・)
    清香さんなら、ダイヤモンドの方が合っていたかもしれない。

    ガラのデビューはめでたいが
    やっぱり、ある意味、オーラが欠ける。
    そんな悲しい顔で踊るんじゃない(いや、すみません)

    ガラって、大昔、私がフォルクス・オーパーで
    ベジャールのコンクールを観た時に
    ばっちり目立っていたアメリカの審査員を演じた時は
    もっと外向きの明るいオーラがあったような気がするのだが
    その後、オペラ座に移籍してから
    何となく、くすんでしまった感じがするなぁ(ごめんなさい)

    ダイヤモンドのナヴリンが
    やっぱり、まさに「王子さま」で
    いやもう、素晴らしい。
    ちょうど、若い伸び盛りの良いタイミングで
    良い役を踊らせてもらっているな、って感じ。

    ただ、この演目
    6回目で、その前に、ベスト・キャストを
    何回か観てしまっているからなぁ。

    今日だけ観る、という人には
    美しくて素晴らしい舞台だとは思うんだけど
    目が肥えるというのは
    ある意味、ちょっと悲しいかも。

    というワケで
    試験は捨ててブログ書いてるアホな私に
    適当さが滲み出ている記事ですが
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    オネーギン 5回目 千秋楽

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      Wiener Staatsballett 2020年1月23日 18時30分〜21時

      ONEGIN
      Balett in drei Akten von John Cranko
      nach dem Roman in Versen EUGEN ONEGIN von Alexander Buschkin

      振付・演出 John Cranko
      音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski
      編曲・オーケストラ編曲 Kurt-Heinz Stolze
      舞台 Elisabeth Dalton
      照明 Steen Bjarke
      指揮 Ermanno Florio

      オネーギン Roman Lazik
      レンスキー Jakob Feyferlik
      マダム・ラリーナ Erika Kováčová
      タチアナ Ketevan Papava
      オルガ Madison Young
      乳母 Beata Wiedner
      グレーミン侯爵 Vladimir Shishov

      友人、農民、サンクトペテルブルク社会の人たち
      Marie Breuilles, Natalya Butchko, Iliana Chivarova, Laura Cislaghi,
      Venezza Csonka, Sveva Gargiulo, Zsófia Laczkó, Eszter Ledán,
      Anna Manolova, Katharina Miffek, Andrea Némethová, Suzan Opperman,
      Xi Qu, Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto,
      Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Oksana Timoshenko, Liudmila Trayan,
      Beata Wiedner
      Nicola Barbarossa, Leonard Basílio, Marat Davletshin, Marian Furnica,
      Darius Gramada, Trevor Hayden, András Lukács, Igor Milos,
      Hanno Opperman, Gaetano Signorelli, James Stephens, Andrey Teterin,
      Zsolt Török, Navrin Turnbull, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

      Wiener Staatsballett
      Orchester der Wiener Staatsoper

      1月23日と同じキャストだが
      同じ公演というのは
      人間が演奏して踊る限りは「同じ」はあり得ないので
      何回観ても、良いものは良い。

      ヤコブとマディソンの役作りが深くなった。
      特にヤコブのレンスキーの人物造形が素晴らしい。

      オルガに首ったけで
      甘い視線を送るレンスキーから
      嫉妬に狂って決闘を申し込む瞬間の感情の爆発
      その後の決闘前の悲しみと諦観に満ちた苦渋のソロ。
      ヤコブの造形がとても深い。

      インタビューでも
      技術のみならず役柄についても深く考えている事がわかるが
      千秋楽で見せてくれた技術と演技は、本当に見事。
      ヤコブの長い手足の美しいアラベスクが冴え渡って
      安定したピルエットで表出する絶望の深さに加えて
      オルガの前で見せる矜恃の苦い表出が胸を打つ。

      オルガ役のマディソンの天真爛漫な少女が
      これまた、たまらん。
      ロリータ趣味じゃないはずの私が
      マディソンから目を離せない。

      第2幕でオネーギンとくっついちゃうオルガも
      ナターシャが踊ると
      ちょっと小悪魔的な意地悪さが見えるけれど
      マディソンは、本当に天然で天真爛漫で少女で
      本当に、何も考えていないのだ。
      オネーギンの意図も見えていないし
      レンスキーの苦悩も全くわかっていない。
      若さのなせる技と言えばそうなのかもしれない。

      マディソンをキュートと言うな、という
      マディソン・ファンからの強い希望を承ったので(笑)
      キュートとは言わない。
      マディソンは、あの役作りからすると
      1人の独立したアーティストだ。

      でも、もともと持っている恵まれた外見と
      確かな技術の上に立つ演技は
      徹底的に「少女」そのものになっていて、唸らせる。

      さて、演技派ケテヴァンのタチヤーナは
      前半の「田舎娘」は、ちょっとツライ。
      いや、この役って、若い頃と成熟した頃と
      両方を演じなければならない、非常に難しい役で
      年齢的に言えば、ケテヴァンは後半の歳に近いはず。

      オネーギンに惹かれる様子
      オネーギンが、心ここに在らずのソロを踊る時にも
      タチヤーナの「あ〜、素敵なお方」という感情は変わらない。
      恋に恋している感じで
      その人がどういう人だか、何を考えているかとか
      ほとんど考えずに
      自分の中に湧き上がる感情に
      ただもう、ひたすら酔っている
      これまた「少女」なのである(ちょっと歳いってるけど)

      ローマンが前半で醸し出す憂鬱感が素晴らしい。
      この世に飽いたような、痛烈なニヒリズムが
      空虚な表情に滲み出る。

      第1幕最後の
      タチヤーナの空想の中でのオネーギンとのPDD
      アクロバティックなリフト満載の素晴らしい場面で
      ケテヴァンの明るい喜びに満ちた表情に比べて
      ローマンって、この場面でさえ
      タチヤーナに首ったけという演技ではない。

      第2幕で、オルガ(マディソン)を踊っている時の方が
      何だか表情がイキイキしているじゃないの。
      そんなにマディソンが好きか(違!)

      ケテヴァンの本領発揮は、最終幕である。
      同窓会・・・じゃなかった(すみません)
      シショフ、いや、グレーミンに嫁いで
      上流社会での輝くような美しさを身につけて
      ジェンダー・スタディの人には何か言われそうだが
      香りたつような「女性らしさ」の発露がある。

      グレーミンとのPDDの、あの艶やかさと言ったら!!!
      そりゃ、オネーギンでなくても惚れるわ(違!)

      ボロボロになって夫不在の時に駆け込んでくるオネーギンとの
      最後のPDDには、息を飲んだ。

      人妻として、オネーギンに冷たい拒否の態度を取りながら
      途中で熱情に駆られるところのリアルな事。
      ちょっとしたバレエの動きを
      ほんの少し、早くする事で醸し出される
      制御の効かない感情の表現。

      このPDDを観ていると
      オネーギンが悪いわけでもなく
      タチヤーナが悪いわけでもなく
      ただ、本当にタイミングが合わずに
      運命に翻弄された2人の悲劇、としか思えない。
      よって、両方の人物に感情移入してしまい
      どちらの味方にもなれず
      自分の中の複雑な感情と闘う羽目になってしまう。

      恐るべしケテヴァンとローマンのベテラン・カップル。

      バレエで、役を演じる・・・というよりは
      役そのものを内在化して
      役そのものを生きてしまうアーティストって最強だ。

      今の国立バレエ団って
      若手は順調に育って来ているのだが
      残念ながらベテランの前の20代半ばくらいのダンサーがいない。
      プリンシパルは、新しく任命された若手を除けば
      みんな30代以上になって来ているので
      その意味で、このタチヤーナは非常に難しい。

      そんな中での演技派のケテヴァンの健闘は素晴らしい。
      後半の、あの匂い立つ女性らしさのオーラに満ちた
      限りなく美しいケテヴァンに悶絶する。
      (私はケテヴァンがプリンシパルになる前からのファンだ!)

      これにて今シーズンのオネーギンは終了。
      このキャストなら、何回観ても良いと思うのだが
      残念ながら、本日が見納めである。

      バレエ・ダンサーって
      やっぱりその時々の旬があるから
      その意味では、バレエというのは
      実に残酷な芸術だなぁ、と
      しみじみ考えてしまう私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      マリッツァ伯爵令嬢 フォルクス・オーパー

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        Volksoper 2020年1月25日 19時〜21時45分

        GRÄFIN MARIZA
        Operette in drei Akten
        Musik von Emmerich Kálmán

        指揮 Karsten Januschke
        演出 Thomas Enzinger
        舞台・衣装 Toto
        照明 Sabine Wiesenbauer
        振付 Bohdana Szivacz

        マリッツァ伯爵令嬢 Caroline Melzer
        ポプレスク侯爵 Toni Slama
        コロマン・ジュパン男爵 Jakob Semetan
        タシロ・エンドレディ・ヴィッテンブルク伯爵 Carsten Süss
        その妹リーザ Julietta Khalil
        カール・シュテファン・リーベンベルク Nicolaus Hagg
        ボジェナ侯爵夫人 Helga Papouschek
        侍従ペニジェク Robert Meyer
        召使いチェッコ Franz Suhrada
        ジプシー女 Elvira Soukop
        プリマ Georgy Rogers
        女の子 Livia Ernst

        Orchester und Chor der Wiener Volksoper Wien
        Kinderchor der Volksoper Wien
        Komparserie der Volksoper Wien
        Wiener Staatsballett
        Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

        カルマンのオペレッタ、マリッツァ伯爵令嬢は
        探してみたら、2014年3月22日の初演の時に行っている。

        今回は友人のご招待で
        自分じゃ絶対に買わない(買えない)一番良い席で鑑賞。
        いやもう、舞台がばっちり見えて迫力あって
        望遠鏡使わんで良い(笑)

        指揮者が変わって、歌手も一部変わったけれど
        さすがにフォルクス・オーパーのオーケストラって
        こういうウィーンのオペレッタは、本当に巧い。
        指揮者も情熱的に振る若手で
        息遣いも聞こえてくるし(邪魔になる程ではない)
        数回聞こえて来た掛け声もタイミングが合っていて
        微笑ましい。

        子供と老人のダイアローグは
        う〜ん、2回目を見ても、やっぱり謎。
        ああいう余計なシーンを入れる必要はあるのか、と思わせるが
        子供の観客も多いし
        年配のお客さまも多いので
        両方にウケるための苦肉の策なのかしら。
        確かに、子供は可愛かったけど(笑)

        さて、舞台でタバコ吸いまくりのマリッツァ伯爵令嬢は
        背が高くてスタイル抜群で
        美人で気品があって、歌が巧くて、演技も抜群。
        えらく魅力的である。
        ちょっと気位の高そうなところが
        これまたツンツンでカッコ良くて
        女性でも惚れそう(こらこら)

        タイトル・ロールに存在感と魅力がある、というのは強い。
        しかし、さすがにフォルクス・オーパーのアンサンブル
        脇役の芸達者振りと存在感が、これまたスゴイ。

        ポプレスク侯爵は、ほとんどセリフだけの
        割に地味な役柄ではあるのだが
        これ、典型的なウィーンの貴族という役柄で
        セリフもウィーンっぽい慇懃無礼さがたっぷりある上に
        この人のドイツ語って
        いわゆるウィーンの上流階級の
        あの気取った、鼻に抜けるフランス風のアクセントがある。

        まぁ、典型的ウィーンの貴族とか言っても
        私のような庶民が、そういう高貴な方々とお話しする事はない。
        あくまでも本で読んだり、話を聞いたり
        あるいは演劇の中で出てくる
        いわゆる思い込みによる偏見かもしれないけれど
        ただ、1人だけ個人的に存じ上げていた貴族階級の方って
        ああいう鼻にかかったお上品なウィーン訛りをお話になっていた(笑)

        対するマリッツァ伯爵令嬢は
        どちらかと言うとドイツっぽい非常に美しいドイツ語を話す。
        よって、セリフが明確でわかりやすい。
        舞台がブダペストだからウィーン訛りを話す必要も別にないし。

        コロマン・ジュパン役の歌手が
        むちゃくちゃ存在感あって、すごく良かった。
        もともと目立つ役どころではあるのだが
        小太りで、ロカビリー・ヘアで(笑)
        それが歌って踊れちゃうというギャップ萌え(爆笑)

        豚飼いジュパンだから(ジプシー男爵だ!)
        ヴァラシュディンから来ました、と自己紹介をする時に
        豚を出してくるのが笑える。
        (この豚ちゃんが、何故かすごく可愛い)
        コミカルな役を、徹底的にコミカルに
        ハンガリー訛りのドイツ語を駆使して
        イヤミにならずに演じられる芸達者振りが見事。

        対するリザのスプレットは
        ピノキオのタイトル・ロールも歌っていた
        小柄なソプラノ歌手。
        これまた、キャピキャピ振りが
        リザにぴったり。
        多少大げさにも見える演技が不自然ではなく
        ジュパンとのラブ・ストーリーもキュート。

        タシロは・・・
        う〜ん、難しい役だもんなぁ、これ。
        テノールで、見た目が良くて
        管理人という平民から
        貴族に変わるところも演じないといけないし
        マリッツァとのラブ・ストーリーの演技も必要だし

        かなり必死になって声を張り上げつつも
        何とかテノールの高音までちゃんと出ていて
        音楽的にはそこそこ満足できるのだが

        これは演出のせいもあるのだと思うけれど
        タシロがマリッツァに惚れた、と思わせるシーンがない。
        最初から最後まで
        情熱的にキスしたりはするんだけど
        こいつ、別にマリッツァに惚れてないじゃん。

        マリッツァは、途中で突然タシロを好きになるみたいだが
        それも何だか不自然で・・・
        (だってタシロのラブソングの時
         何だか本気で嫌がってる(笑))

        だいたいマリッツァ役のソプラノ、スタイル良くて背が高いので
        タシロとキスすると、顔の位置が同じである。
        だからどうした?と言われると言い返せないけど・・・
        (ジュパンとリザは、ものすごい背の違いで、それはそれでキュートなのだが)

        マリッツァがタシロの手紙を誤解して
        怒り狂って、タシロに金を投げつけるシーンで
        このタシロだったら、すぐに金を拾って
        懐中に入れても、あまり不自然じゃないような・・・
        (すごい言われようだが
         タシロが最初から最後まで、異様に冷静に見えるんだもん)

        二コッともしないタシロなので
        最終シーンが、ちょっと納得いかん、というか
        タシロが Lebe wohl という
        本当にもう再会しない事を前提の別れの挨拶をして
        マリッツァから去っていくのが自然に見える。
        (その後、戻ってくるんだけど
         それが取ってつけたようで、かえって不自然で
         だったら、そのまま別れました、で良いと思うのだが
         オペレッタは基本ハッピー・エンドだからね・・・)

        あと、ジュバンだけど
        最後にポプレスク侯爵がしたり顔で
        実は貴族じゃなくて、平民の俳優、と言い出す必要は
        演出上あったのか。
        別にそのまま、豚飼いの金持ちのヴァラシュディンの貴族で
        リザと結婚して幸せになる、というストーリーで良いじゃん。
        (リザは俳優でも結婚する、と言うけれど
         普通だったら、それ詐欺だから、そこで破談にならないか?)

        ダンス・シーンが華やかでステキ ♡
        ダンサーたちが衣装をとっかえひっかえして
        様々なダンスを見せてくれるのが、むちゃくちゃ楽しい。
        フォルクス・オーパーのダンサーたちって
        あの狭い舞台で
        効果的に、しっかり「魅せる」ダンスで
        しかも様々なジャンルを踊る必要があるのだが
        歌手も芸達者なら、ダンサーも芸達者で見事だわ。

        フォルクス・オーパーの支配人ローベルト・マイヤーが
        舞台に登場すると
        ほどんと他の出演者を喰ってしまうのだが
        この演目ではボジェナ侯爵夫人との絡みなので
        この2人の個性の強い役者の丁々発止が、むちゃくちゃ面白い。
        漫才を見ているようだ。

        ここでは、途中に演劇の題名が入るのだが(これが爆笑モノ)
        この程度の演劇は知ってるよね、というのが前提。
        こういう、観客の「あ、知ってる」を誘発する
        ちょっとインテリぶったところもフォルクス・オーパーは巧みだ。

        途中でペニジェク(マイヤー)が1人で
        ずっと座っているシーンがあるのだが
        子供が多いので
        我慢できない子供の笑い声があちこちから響いてくる。
        いやまぁ、座っているだけでおかしいマイヤーの存在感(笑)
        ・・・で、ずっと座ったまま
        最後にポツンと「ゴドーを待ちながら」
        わ〜っはっはっは。

        タシロとマリッツァのラブ・ストーリーが
        よくわからんところを除けば
        音楽はご機嫌だし
        ダンスはチャーミング
        舞台もまとまっていて
        とことんウィーンのオペレッタを楽しめる舞台。

        いやホントに友人に感謝である。
        ありがとうございました。

        マリッツァみたいに
        言い寄ってくる男性は
        全員、私の金が目当てなの
        ・・・という悩みは一切ないので
        かえって羨ましいが

        高貴でリッチな方々にも
        それぞれのお悩みがあるのであろう、と
        嫉妬混じりの推測で
        自分を慰める私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        再演用に、ものすごく短い45秒の動画を
        フォルクス・オーパーが作ったので
        ご参考までに下に貼っておきます。



        ブリティッシュ・コロンビア・バンクーバ・バレエ Ballet BC Vancouver

        0
          Festspielhaus St. Pölten 2020年1月24日 19時30分〜21時20分

          Ballet BC Vancouver

          BUSK
          振付・音響デザイン Aszure Barton
          舞台 Jonathan Alsberry
          衣装 Michelle Jank
          照明・舞台 Nicole Pearce
          ダンサー Chanse Buntrock, Emily Chessa, Quaba Venza Ernest,
          Parker Finley, Scott Fowler, Miriam Gittens, Kiera Hill, Kiana Jung,
          Jordan Lang, Justin Rapaport, Dex van ter Meij, Nicole Ward,
          Sophie Whittome, Kirsten Wicklund, Zenon Zubyk

          BEDROOM FOLK
          振付 Sharon Eyal
          振付助手 Gai Behar
          振付アシスタント Tom Weinberger
          音楽・サウンド Ori Lichtik
          照明デザイン Thierry Dreyfus
          照明効果 Alan Cohen
          技術監督 Baruch Shpigelman
          衣装 Rebecca Hyttins
          ダンサー Emily Chessa, Parker Finley, Scott Fowler, Jordan Lang,
          Justin Rapaport, Dex van ter Meij, Nicole Ward, Sophie Whittome,
          Kirsten Wicklund, Zenon Zubyk

          SOLO ECHO
          振付 Crystal Pite
          照明デザイン Tom Visser
          舞台 Jay Gower Taylor
          衣装 Crystal Pite, Joke Visser
          舞台設定 Eric Beauchesne
          ダンサー Chase Buntrock, Scott Fowler, Miriam Gittens,
          Justin Rapaport, Dex van ter Meij, Nicole Ward, Kirsten Wicklund

          ちょっと、あの、その、ううう
          とんでもないモノを観てしまった。

          ただし、今回の場合は
          ワタクシは限りなく感動している・・・

          むちゃくちゃ、しんどくて
          トラブル続きの仕事を
          何とか形にするために
          少ない報酬で(社会保険と税金だ!)
          いったい自分は何をやっているんだろう、という日だったのだが
          まぁ、そういう時もあるわ。
          早く仕事止めたい・・・って
          まだズルズル仕事している自分も悪いのだが。

          さて、疲れ切って辿り着いたサンクト・ペルテン祝祭劇場。
          駅から歩くと、かなり遠いので
          いつもうんざりするんだけど
          今日は、野生の勘が、何だか上手く働いたらしく
          あるいは、しんどい1日の神さまのプレゼントかもしれないが
          普通より、ずっと早く
          え?こんな裏道あったの?という位に到着してしまった。
          (で、その裏道を覚えておけば良いのだが
           きっと、すぐに忘れる。
           というより、普通、駅から歩きません(笑))

          ブリティッシュ・コロンビア・バレエ団
          バンクーバーからサンクト・ペルテンが引っ張って来た。
          いや、すごいわ
          バンクーバーという都会から
          この有名なバレエ団を
          サンクト・ペルテンに呼ぶなんて・・・

          18時30分からのプレトークでは
          バンクーバーBCバレエのエミリー・モルナーが登場。
          昔のプレトークは無理やりドイツ語でやっていたが
          最近は、聴衆は英語がわかるというのが前提みたい。
          (サンクト・ペルテンのバレエ学校の生徒も多いけれど
           3分の2は年配客ばかりである(笑))

          さて、そのBCバレエ団が持って来たのは
          女性の振付師によるモダン・バレエのトリプルビル。

          こういう作品の感想を書こうとする事自体が
          私の語彙力では全く不可能で(汗)

          だったら、ようつべにある動画でも、と思ったけれど
          モダンの舞台って暗いのだよ。
          暗いところにスポット照明で、ほとんど白黒の世界なので
          本当に舞台を見ないと
          ビデオでは、全然雰囲気が違う。

          ううう、どうしたら良いんだこれは。

          とりあえず、最後のクリスタル・パイトのショートビデオを埋め込んでおく。



          ブラームスのチェロ協奏曲を使い
          最初は若い頃の作品番号38番
          後半は99番

          プレトークの時に
          どうぞ事前にプログラムに記載のある詩を読んでおいて下さい
          と言われたので
          英語の詩を読んだんだけど

          ・・・詩はわからん
          英語力不足だけじゃなくて
          やっぱり明らかな感受性不足だと思う。

          ご興味のある方は ここ が、その詩です。

          後ろには雪が降っていて
          前半ではソロ、後半ではダンサーたちがラインになって
          繰り広げる不思議な世界(理解できない=不思議)

          なのに、何故か感動する。
          ダンスに感動しているのか
          ブラームスの音楽に感動しているのか
          区別はつかないけれど
          そんな事を区別する必要もないのだろう、これは。

          こういう作品って
          自分の中にあるポジティブな感情も
          ネガティブな感情も
          全部引っ張り出してくる。

          どうせ、もともと能天気なので
          あまり悩みはないのだが。

          まぁ、確かに本日のトラブルで
          明日、エージェントからどんなお怒りが飛んでくるかは
          ちょっと心配ではあるけれど
          そのネガティヴな感情は湧き上がって来なかったなぁ。
          もっと、人間の根本的・哲学的な部分の深いところに
          直接、作品がタッチしてくる感じで
          表層的なものではないのだ。

          最初の BUSK が面白かった。
          面白いというよりは
          照明と、ミニマムな身体の動きで
          こんな事が出来るのか、という驚き。
          (もっとも、このテクニックはクリスタル・パイトも
           私がいくつか見たビデオでは使っているので新しいものではないのかも)
          時々、滑稽にも見えるソロのダンサーと
          集団でマントを羽織って現れるダンサーたちの動きが
          気味わるくて、集団がちょっとコワイのは
          私自身が、人間の集まりに対して
          ものすごい不安感を持っているんだろうなぁ、と考えてしまう。

          真ん中の BEDROOM FOLK は
          決まったリズムにのってダンサーたちが動くので
          最初のBUSKに比べると
          バリエーションが少ないような印象を受ける。

          クリスタル・パイトの作品については
          最近、ものすごい称賛の嵐なので
          一度、舞台で観たいと思っていたのだが

          確かに、これは、本当に舞台で見ないとわからんわ。
          どんなに言葉に尽くして表現しようと思ってもできない。

          コンテンポラリー作品ではあるけれど
          コンテンポラリー・ダンスというよりは
          クラシック・バレエの基礎がしっかりあって
          特に BEDROOM FOLK は、クラシックの動きのソロも多かった。

          こういうモノの感想メモって
          どのカテゴリーに入れれば良いんだろう(悩)

          一応、バレエ団だし
          クラシックの要素もあるので
          バレエ・ダンスのカテゴリーに入れておこう、と
          適当に決定した怠け者の私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          しかしサンクト・ペルテン祝祭劇場って
          本当にスゴイわ。
          こういうニッチ・プロダクトに関してのアンテナの鋭さは
          驚愕する。
          もっとも、そこまでしないと、ウィーンのウルサイ観客は
          わざわざサンクト・ペルテンまで行かないだろう。
          努力と苦労をしていらっしゃるんだなぁ、お疲れさまです。

          オネーギン 4回目

          0
            Wiener Staatsballett 2020年1月23日 18時30分〜21時

            ONEGIN
            Balett in drei Akten von John Cranko
            nach dem Roman in Versen EUGEN ONEGIN von Alexander Buschkin

            振付・演出 John Cranko
            音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski
            編曲・オーケストラ編曲 Kurt-Heinz Stolze
            舞台 Elisabeth Dalton
            照明 Steen Bjarke
            指揮 Ermanno Florio

            オネーギン Roman Lazik
            レンスキー Jakob Feyferlik*
            マダム・ラリーナ Erika Kováčová
            タチアナ Ketevan Papava
            オルガ Madison Young
            乳母 Beata Wiedner
            グレーミン侯爵 Vladimir Shishov

            友人、農民、サンクトペテルブルク社会の人たち
            Marie Breuilles, Natalya Butchko, Iliana Chivarova, Laura Cislaghi,
            Venezza Csonka, Sveva Gargiulo, Zsófia Laczkó, Eszter Ledán,
            Anna Manolova, Katharina Miffek, Andrea Némethová, Suzan Opperman,
            Xi Qu, Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto,
            Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Oksana Timoshenko, Liudmila Trayan,
            Beata Wiedner
            Nicola Barbarossa, Leonard Basílio, Marat Davletshin, Marian Furnica,
            Darius Gramada, Trevor Hayden, András Lukács, Igor Milos,
            Hanno Opperman, Gaetano Signorelli, James Stephens, Andrey Teterin,
            Zsolt Török, Navrin Turnbull, Arne Vandervelde, Géraud Wielick

            Wiener Staatsballett
            Orchester der Wiener Staatsoper

            何故、今日に限って、開演時間が18時30分かと言うと
            本日は楽友協会でウィーン・フィルの舞踏会なのだ。
            オーケストラ・ビットで演奏しているメンバーが
            たぶん、何人か、そのまま舞踏会に移動するはず。

            こちらは、18時15分までの講義があって
            しかも来週の試験前の最後の授業で
            試験にどんな質問が出るか、とかやってる途中で
            コソコソ教室を去らねばならず

            来週の試験に不合格だったらウィーン・フィルのせいだ。
            (あ〜、言いがかりだとは充分わかってます)

            ただ、キャストを見て頂ければお分かりの通り

            夢のキャスト!!!!

            ローマンとケテヴァンはベテラン同士で
            ローマンもまだオネーギン踊るか、って感じだが
            グレーミンにシショフが出てくるし

            夢のキャストというのは

            マディソンのオルガ
            ヤコブのレンスキー

            いやもう、若手(20代初め)の2人の
            オルガとレンスキー!!!!!!
            しかも、超イケメン+背が180センチの演技派ヤコブと
            超美少女で、ものすごくキレキレなダンスを踊るマディソン。

            期待も最大限で行ったのだが
            おおおおおおお・・・
            最初から激しく悶絶・・・

            マディソンのあのキュートさと言ったら・・・
            いや、やっぱりまだ少女なんだなぁ、という
            20代前半の輝きがあって

            マディソンと同じく超美少女にナターシャがいるけれど
            ナターシャがデビューの頃から
            そのキュートさを、どや顔で流し目していた(それがまた可愛い!)のに対し
            マディソンは、どや顔が全然なくて

            今までコールドやモダンで
            表情のないクールな役を演じて来たのだが
            いやもう、そういう
            クールな美少女が幸せそうに微笑むと
            おばさんのハートに直撃する。

            対するヤコブの甘い眼差し。
            このダンサー、背は高いし身体のバランスが良いし
            本当に逸材だわ。
            プリンシパルになってから、どんどん技術を上げて来ていて
            オーラも出だして、地位が人を作るって、こう言う事かと納得する。

            で、ヤコブが今回のレンスキーを踊るというので
            そのインタビューとリハーサルの動画がアップされていたので
            下に貼っておく。
            (ドイツ語だが、英語の字幕つき)



            いやもう、悶えるの何のって
            マディソンとのカップリング
            この世における最上の美しさの見本みたいだし
            そこらへんのコミックなんて目じゃないというか
            コミック以上の美の世界が目の前に。
            (ギャラリー天井桟敷なので舞台は遠いが
             10倍の望遠鏡がそういう時には役にたつ)

            第2幕での無邪気なオルガと
            ヤコブの絡みも最高で
            オネーギン役のローマンが
            何故かマディソンには優しい顔を向けるんだよね。
            (ジュエルスのウォーキングPDDの時みたい)

            ローマンも演技派なので
            ヤコブを揶揄う表情も、実にイヤミったらしくて素敵。

            ローマンって、もうかなり年配になるけれど
            あのガラスのような目の無表情でオネーギンを踊ると
            ジャンプから降りる時の足音はしないし
            地味に巧いダンサーで、しなやかだし
            第1幕でのタチヤーナの扱い方も
            上品でイヤミっぽくて、サマになっていて
            第1幕のハイライトのPDDも
            ベテラン同士の貫禄というか
            いや〜、素晴らしい ♡

            第2幕の決闘前のヤコブのソロに萌える。
            演技だけではなくて
            途中にチラッと、本当に辛そうな
            泣きそうな、悔しいっ!という表情が一瞬出てドキッとした。

            ケテヴァンのタチヤーナは
            とても賢い感じで
            オネーギンに一目惚れするところとかの明るさは
            彼女の天性の持ち味だろう。

            ただ、ケテヴァンの感情って
            かなり外向きというか
            外向きなので、そのオーラも半端ではないのだが
            内に秘めて、悩んで悲しんで、でも悲しみは笑顔に隠して
            ・・・みたいな複雑な感情の表出はない。

            だから、オネーギンに縋り付くソロのシーンが
            懇願して、惨めになりつつ、何とか振り向かせたいという
            いじらしさではなくて
            何だか、ものすごく怒っているように見える。
            私を受け入れないと、子孫代々まで呪ってやる・・・というか
            まぁ、それは言い過ぎだけど(ごめんねケテヴァン)
            何だかちょっとコワイので
            オネーギンがタチヤーナを受け入れなかったのは正解だったかも。
            (本当はそう思わせてはいけないのだろうが・・・)

            ローマンは、ボロボロになると
            むちゃくちゃ演技が巧いダンサーなのだが

            今回のボロボロは
            不思議な事にレンスキーとの決闘後が決定版ボロボロ。

            タチヤーナに振られる第3幕がボロボロの最高潮の筈なのだが
            レンスキーを撃ってマントで登場して
            泣き崩れる前のローマンの表情が
            むちゃくちゃボロボロで(顔が崩壊状態)

            あ〜、ローマン、そんなにヤコブが好きだったの?(違!)

            タチヤーナのケテヴァンが
            グレーミンと夫婦として踊る第3幕で
            あまりに輝き過ぎていて
            「マダム」の成熟した雰囲気のオーラがスゴイ。
            このタチヤーナもグレーミンと幸せそうで
            突然現れた過去の失恋男に心を残しているとは思えない。

            ちょっと失礼な事を言うのは承知で
            ケテヴァンとローマンとシショフが揃っちゃうと
            何だか同窓会というか・・・

            シショフとローマンが挨拶しているシーンなんて
            「おお、元気か、まだオネーギンとか踊ってるのかお前は」
            「キミこそ、さっさとバレエ・スクールに移籍しちゃって。
             でも、グレーミンで出てくる位だからトレーニングは欠かしてないよね」

            ・・・そういう妄想をしてはいけない(爆)

            同じキャストで26日が最終公演。
            もちろんチケットは最安席を確保してある。

            実は本日はコンツェルトハウスに行く予定で
            チケットを買っていなかったのだが
            キャスト見たとたん
            コンツェルトハウスのフランス国立管弦楽団を袖にして
            慌ててオネーギンのチケットを買ったので
            ちょっと、あはは、また贅沢を・・・
            (=破産街道驀進中)

            まぁ、破産街道を突っ走ってはいるけれど
            これも身体がまだ動くうちに
            楽しむものは楽しんでおかないと・・・(言い訳)

            だから、「美味しいレストランを紹介して下さい」って
            聞かれても、高過ぎて外食なんてしませんから(笑)
            という、グルメに全く興味のない私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            日本人は世界で一番グルメに重きを置くらしい。
            よって、日本の洋菓子をこちらに持って来ると
            現地人にえらく喜ばれるので
            落雁とか羊羹じゃなくて(以下省略)

            ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

            0
              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年1月21日 19時〜20時30分

              Wiener Symphoniker
              ピアノ Nicholas Angelich
              指揮 Philippe Jordan

              Ludwig van Beethoven (1770-1827)
               Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 G-Dur op. 58 (1805-1806)
               Symphonie Nr. 5 c-moll op. 67 (1804-1808)

              1月11日のベートーベン・マラソンの一部を使って
              1月12日にはピアノ協奏曲4番と交響曲6番のコンサート
              そして、本日は同じピアノ協奏曲4番と、交響曲5番で
              @7シリーズのコンサート。

              夕方7時に開始して(通常は午後7時30分開演)
              途中の休憩なしに通しで演奏して
              その後、コンツェルトハウスのフォワイエのベートーベン像の前の舞台で
              観客が立ってワイン飲みながらワイワイ喋っている中で
              (しかもフォワイエの残響はかなりあるから響く)
              クラシック以外の音楽を聴こうというコンサート。

              すみません、私は雑音の中で音楽を聴くのが好きじゃないので
              フォワイエでのコンサートはいつも失礼させてもらっている。

              で、この@7って、まとめ買い以外ではギャラリーの貧民席を売らないので
              バルコンの席がえらく高い・・・
              けれど、まぁ、舞台は全体が見渡せるので
              たまには贅沢も良いか(破産街道驀進中)

              ピアノ協奏曲4番は、これで3回目の鑑賞。
              もちろん、音楽というのは、その場で消えるという
              ものすごく贅沢な芸術なので
              同じ演奏は2つとないけれど
              まぁ、良く知ってる曲だし、むにゃむにゃむにゃ

              それよりも交響曲5番である。
              1月11日に聴いた時も
              あれ?と思うほど良い演奏だったのだが

              うわあああ
              何だかデビューした頃のジョルダンの爽快感がある。

              アタッカで演奏された5番は
              テンポを特別速くしている訳ではないのに
              疾走感があって
              緊張感がずっと続いて

              スッキリしていてドロドロがないのが
              スタイリッシュでモダンで
              古い慣習の垢をすっかり除いて
              ピカピカになったベートーベンを聴いている気分。

              これ、確かにジョルダンのデビューの時の感覚と同じだ。
              (この指揮者、そこから成長してない、というつもりではありません)

              ジョルダンが弱音フリークである事は有名な事実だが
              (オーケストラの金管は非常に苦労しているという話がちらほら)
              ベートーベンでも、音を抑えるところを徹底的に抑えていて
              それがまた、コンツェルトハウスのホールに巧く響く。
              オーケストラ・メンバーは大変だろうが
              聴いている方にとっては、絶妙のダイナミックスを満喫できる。

              ただ・・・
              普段、舞台見えない席なのであまり気にならなかったが

              ジョルダンのプリエ満載の指揮振りって
              時々、かなり滑稽になるんだけど・・・

              指揮者にしては背が高いので
              身体を縮めるのはその前から見ているけれど
              今回、お高い席で舞台全体が見えて
              指揮者も後ろからバッチリ見えると

              あのしゃがみ具合が・・・
              苦味走ったイケメンでプロモーションしている
              そのイメージを完璧にぶち壊しているというか
              これ言うと顰蹙買いそうだが
              クルレンツィスの指揮振りを彷彿とさせて
              ちょっとコミカルというか・・・

              指揮者は別に指揮台で踊るのが仕事じゃないから
              どんな指揮振りでも
              出てくる音楽が良ければ、それで良いんだけど
              舞台が見える席だとついつい・・・

              ジョルダンも6月を最後に
              ウィーン交響楽団の首席から
              ウィーン国立オペラ座の音楽監督として行ってしまうので
              この指揮を見られるのも6月まで、と思えば
              それはそれで楽しいかも。

              しかし楽友協会のコンサートの時は
              あそこまでの深いプリエとかしないもんなぁ
              ・・・まぁ、楽友協会の舞台が狭過ぎて
              あんなにしゃがんだら
              絶対に第一バイオリンかチェロと衝突するだろうし。

              音楽聴きに行ったのに
              ついつい舞台が見える席だと
              ヘンなものばかり見てしまう、けしからん私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              サロメ@ウィーン劇場

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                Theater an der Wien 2020年1月20日 19時〜21時

                SALOME
                Musikdrama in einem Aufzug (1905)
                Musik von Richard Strauss
                Libretto nach Oscar Wildes gleichnamiger Dichtung
                in deutscher Übersetzung von Hedwig Lachmann
                in der reduzierten Orchesterfassung von Eberhard Kloke

                指揮 Leo Hussain
                演出・人形デザイン Nikolaus Habjan
                舞台 Julius Theodor Semmelmann
                振付 Esther Balfe
                照明 Paul Grilj
                ドラマツルギー Olaf A. Schmitt

                サロメ Marlis Petersen
                ヨカナーン Johan Reuter
                ヘロデ John Daszak
                ヘロディアス Michaela Schuster
                ナラボート Martin Mitterrutzner
                      Nikolaus Habjan/Paul Schweinester
                ヘロディアスの小姓 Tatiana Kuryatnikova
                ユダヤ人 Paul Schweinester, Johannes Bamberger,
                Quentin Desgeorges, Andrew Owens, Dumitru Madarasan
                ナザレ人 Kristján Jóhanesson, Ivan Zinoviev

                ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                Statisterie des Theater an der Wien

                歩いて5分の国立オペラ座でも
                今日は、サロメを上演しているのだが
                ウィーン劇場は新しいプロダクションで
                国立オペラ座に挑戦(笑)

                初演の新聞評がかなり良かったし
                ニコラウス・ハビヤンの人形と演出となれば
                ウィーンの劇場オタたちはクオリティの高さは知っている。

                ただ、ウィーン劇場のチケットって高いんだよね(ため息)
                バルコンの正面の後ろ3列目で48ユーロ。
                ここは比較的舞台が良く見えたのだが
                上が被っているので
                音響は最悪である。
                やっぱり、ギャラリーの天井桟敷に逃げるべきだったかもしれない。

                始まる前に、またもやマイクを持って舞台に支配人が登場。
                あ〜、今度は誰がキャンセル?

                 ナラボートを歌う予定だった歌手が
                 今日、声が出なくなって
                 ユダヤ人役のテノールがジャンプ・インしてくれる事になりました。
                 何故ユダヤ人かと言うと
                 ユダヤ人が登場する時には、ナラボートは既に死んでいるので・・・

                 テノール歌手が、ピアノ譜(笑)と格闘する事3時間。
                 歌うのは問題ないとは言え
                 演出の動きまでは無理との事で
                 ナラボート役の舞台での動きは
                 演出監督のニコラウス・ハビヤン自身が出演し
                 舞台の脇では、代役がテノールを歌います。

                 同じ料金で2人のナラボートをお楽しみ下さい。
                 (↑本当にこう言った(笑))

                ウィーン劇場って、ブロックで同じ演目を上演するので
                歌手の代えがいないのだ。
                今までだって、口パクは経験しているから
                驚きはしないが
                名前だけよく知っているニコラウス・ハビヤンを
                まさか舞台の上で見られるとは思わなかった(得した気分)

                ジャンプ・インした優秀なテノールの名前が
                今一つ聞き取れなかったので・・・ごめんなさい。
                たぶん、Paul Schweinester だと思うのだが・・・
                (註 後で発表されていました。やっぱり Paul Schweinester でした)

                さて、全体的な印象から書いてしまえば
                小さな舞台と小さくしたオーケストラで
                あんなに視覚効果の凄いサロメは初めて観た。

                灰色に統一された舞台で、舞台変換はないが
                真ん中の丸いところが途中で上がって
                その下がヨカナーンの地下牢。
                上の方の奥にはヘロデの贅沢な食卓の部屋がある。

                ユーゲント様式の国立オペラ座のような華やかさは全くなく
                即物的でドライな舞台だが

                サロメは人形で出てくる。
                というより、人形と人間が一体化して登場して
                ソプラノが人形を操りながら歌う。

                この人形が、巧く出来てるというか
                不気味なのに、泣いているような不思議な表情があって
                歌う時に口を開けるのも(操っている)ヘンにリアル。

                人形はヨカナーンでも使われるが
                ヨカナーンの人形は鎖に縛り付けられているだけなので動きはない。
                ヨカナーン役のバリトンは全身真っ黒に塗られて
                地下牢が引っ込んでからも、舞台に真っ黒なまま残って歌う。

                ナラボート役のハビヤン(歌は口パク)が
                さすがというか
                ちゃんと歌に合わせて、セリフの口が動いているので
                歌手が袖から歌っているのが、全然不自然じゃない。

                サロメに誘惑される時のナラボートの
                あの恍惚とした表情は
                う〜ん・・・さすが俳優さんというか

                真に迫っているなんて中途半端なもんじゃなくて
                この人、本当に舞台の上でイッちゃってるんじゃないの
                と思わせるリアリティ(うわ〜、ある意味、コワイ)

                人形とサロメ(歌手)は一体化しつつ
                だんだん、分断されていく。
                最後は人形は打ち捨てられてしまう。
                分断が完璧になるのが
                サロメの7つのヴェールの踊りの前くらいか。

                サロメを歌うマルリス・ペーターゼンが突出している。

                歌もそうなんだけど
                それ以上に、人形の扱い方も
                演技も

                ついでに、この人、バレエ習ってただろ。
                身体が柔らかくて、動きが美しい。

                例の7つのヴェールの踊りの部分は
                かねてから私は
                あの部分だけはソプラノ歌手じゃなくて
                バレエ・ダンサーに踊らせろ!と思っていたのだが

                バレエとは言わない妖しい振付で
                (ちょっとかなり背徳的過ぎて、ナニの趣味があると
                 このシーンは萌えます・・・)
                ヘロデのペドフェリアがかった獣欲と
                それに拮抗するサロメの肉欲のパーソナリティが
                ものすごくリアルで迫力がある、というか、あり過ぎる。
                ある意味、理想的な視覚的刺激ではある。

                全体的に、視覚的刺激が強過ぎて
                オーケストラの音楽が霞んだ。

                そりゃ無理だわ、縮小したオーケストラで
                あのサロメの響きは出せないし
                リヒャルト・シュトラウスの輝くような
                厚みのあるオーケストレーションを楽しめるものでもなく
                かなり、すっきりした感じの
                色気のない音楽になってしまっていて
                やっぱりオペラ座のオーケストラ・ボックスに
                ぎっしり詰まったオーケストラ・プレイヤーが
                力一杯演奏する国立オペラ座管弦楽団(ウィーン・フィル)の響きとは
                全く違う。

                その分、ペーターゼンの存在感と
                演技と演出で補っていた、という感じ。

                最後のヨカナーンの首と戯れるシーンは
                銀の皿はなかったけれど
                あれは、サロメが乗っている円盤を銀の皿に見立てた、と考えよう。

                その銀の円盤の上で
                血塗れになってヨカナーンの首と戯れるサロメ。
                いや、すごいシーンなんだけど
                そこまでやるか、という
                ちょっとやり過ぎという印象を持たないでもない。

                ヨカナーン役のヨハン・ロイターの声は素晴らしい。
                ただ、このヨカナーン役、ずっと舞台の上に出ずっぱり。

                本来は地下から響かねばならない声が
                普通に舞台から響いてくる、というのは
                マイク嫌いの私は、悪くないと思ったが
                終演後に会ったクラオタは、あれは違う、と怒っていた。
                (人により意見は様々、それが面白い)

                ヘロデのジョン・ダスザックのテノールは
                ドイツ語のディクションが明確。
                バイロイトでローゲを歌っているようで
                確かにワーグナー向きのヘルデン・テノールだが
                ヘルデン・テノールに有りがちな
                声のニュアンスの乏しさはある。
                サロメの要求に怯えてしまう部分なんかでも
                同じような声の色で歌っている印象を受ける。
                (演技はちゃんとしている)

                ヘロディアスのメゾ・ソプラノ、ミヒャエラ・シュスターは
                特色のある声を持っているので
                好き嫌いが分かれそう。
                やっぱり、たぶん、ワーグナー向けの声で
                あるいは、現代オペラとかに合いそうな感じ。

                ワタクシ的には、あれだけ個性の強い声だと
                ヘロディアスの奇妙な個性の存在感が際立つが
                美しいメゾを聴きたい、という向きには不評かも。
                エレクトラのクリュテムネストラとか
                むちゃくちゃ合ってそうだなぁ。
                ヘンにひっかかりのない美声で歌われるより
                劇的で面白い。

                いやしかし、この舞台
                マルリス・ペーターゼンがいなかったら成立しないわ(断言)

                オーケストラ音楽の色気には欠けるけれど
                聴覚よりも視覚的刺激の方が圧倒的に強過ぎて
                あそこまでやって良いの?という
                ちょっとやり過ぎ辟易、という感じは受けるが

                オペラ座のサロメなんて、もう何回も観たわ、という人には
                趣向が変わって面白いかもしれない。
                (まぁ、血みどろサロメは、あちこちで観ているので
                 そんなにショッキングなものではないけれど
                 血みどろキライという人にはお勧めしません)

                帰路にバッタリ会ったクラオタ仲間は
                24日に口直しにオペラ座のサロメに行く(笑)と言っていたが
                私は24日は別のプログラムを予定しているので
                サロメは当分、観るチャンスはございません。

                昨日のローエングリンと
                今日のサロメと
                チケットの値段はほとんど変わりなくて
                時給で考えると、その差は激しいのだが
                2時間で、あの濃い時間は
                それはそれで、やっぱり捨てがたいと思ってしまう私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                ウィーン劇場のウエブ・サイトに
                いくつか写真がアップされているので
                興味のある方は ここ からどうぞ
                FOTOS のところをクリックすると写真サイトが見られます。

                ローエングリン@国立オペラ座

                0
                  Wiener Staatsoper 2020年1月19日 17時〜21時30分

                  Richard Wagner
                  LOHENGRIN
                  Romantische Oper in drei Akten
                  指揮 Valery Gergiev Michael Güttler
                  舞台 Wolfgang Gussmann
                  照明 Franck Evin
                  ドラマツルギー Werner Hintze

                  ハインリヒ王 Ain Anger
                  ローエングリーン Piotr Beczała
                  エルザ Cornelia Beskow
                  フリードリヒ・テルラムント Egils Silinš
                  オルトルート Linda Watson
                  伝令 Boaz Daniel
                  ブラバントの貴族 Wolfram Igor Derntl, Martin Müller
                  Johannes Gisser, Jens Musger
                  小姓 Kyoko Nukumi, Kaya Maria Last, Barbara Reiter, Dymfna Meijts

                  Orchester der Wiener Staatsoper
                  Chor der Wiener Staatsoper
                  Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
                  Extrachor der Wiener Staatsoper
                  Ballettakademie der Wiener Staatsoper
                  Komparserie der Wiener Staatsoper

                  この演出のローエングリン、実はずっと気になっていた。
                  理由は簡単で

                  ワタシが民族衣装フリークだから。

                  男性の革の半ズボンと、ナマ足の脹脛にコウフンする訳ではないが
                  自分で着るのも好き、見るのも好き。

                  2014年のプレミエの時には
                  クラウス・フローリアン・フォークトが
                  正式な民族衣装の花婿の服を見事に着こなしていて
                  その写真がウエブ・サイトにあって悶絶していたのである。
                  プログラム買ったら、その写真が掲載されていて
                  それを見ながら、1日3回は悶絶できそう(どうせヘン○イです)

                  自分で着る方に関しては
                  ディアンドルは普段着では使えないけれど(持ってる事は持ってる)
                  トラハテンの上着は愛用していたのだが

                  とある日、コンツェルトハウスのコンサートの時に
                  上品な老婦人から「よくお似合いよ」と言われて

                  それが
                  日本人が民族衣装を着てるんじゃねえよ
                  という意味の、遠回しな皮肉である事くらいは
                  こちらで暮らしていればわかる。

                  お客さまのアテンドとか
                  日本に一時帰国する時とかは堂々と着るけれど
                  そんなわけで、あまり日常的に着用できない
                  (しかもウィーンではあまり見かけない)
                  民族衣装、ディアンドルとトラハテンが
                  思い切り見られる
                  ・・・・・という、
                  すみません、ただ、それだけの理由だったんですが(汗)

                  さて、幕があく前に
                  支配人のメイエールがマイク持って登場。
                  思わず客席から起きるため息。
                  ・・・いったい、誰がキャンセルになったんだ?

                  メイエール曰く
                  指揮者のゲルギエフが到着していません。
                  これがもう遅刻2回目で
                  舞台裏には600人のスタッフと歌手
                  観客席には2300人の観客の皆さまを
                  待たせる事は出来ないので
                  ミヒャエル・ギュットラーが指揮をします。

                  そこで観客席から挙がった歓声は何だったのか不明だが
                  ゲルギエフのヒラヒラ指揮が多かれ少なかれ問題だったらしいので
                  結果的には良かったのかもしれない。

                  民族衣装フリークにはたまらん舞台シーンで
                  多大な人数のコーラス全員が民族衣装。
                  あ〜、私も堂々と着たいよ〜。

                  エルザが白鳥のデコイを抱いて登場する。
                  白鳥のデコイ?

                  で、騎士って
                  確か白鳥に乗って登場するんじゃなかったでしたっけ???

                  コーラスや俳優さんの大人数に囲まれて
                  白鳥のデコイが肩より上で支えられて
                  その人混みが引くと

                  床に転がっているのは

                  白いパジャマ(長い上着のみ)を着て、素足のペチャワ・・・

                  どう見ても
                  病院から脱走して来た糖尿病患者・・・

                  少なくとも、特別デザインのカッコいい民族衣装を期待していたのに
                  タイトル・ロールの登場が
                  白の上だけのパジャマでナマ足で素足・・・(絶句)
                  ふくらはぎは日焼けしていて、足首から下は白い(何を見てる?)

                  それでなくても、エルザの最初の衣装も
                  どう見ても白い病院着なのに(しかも素足です)・・・(涙)

                  舞台は、どこかの田舎のガストハウス(居酒屋)の1室で
                  机も椅子も、何処のガストハウスからレンタルしてる?という感じで
                  その意味では、むちゃリアルなのだが

                  あまりに日常生活に密着し過ぎていて
                  田舎の素朴なおじちゃん、おばちゃんたちが
                  呑みに集まっている雰囲気しか出て来ないので

                  ドイツの王さまが来てもエルザが王女さまだとしても
                  貴族じゃなくて、そこらへんの農民のおじちゃん、おばちゃんにしか見えん。
                  (農民が悪いとは言ってません!)

                  舞台変換は一切なし。
                  決闘の舞台も、机を並べて、その上で闘うだけ。

                  第2幕のアントウェルペン城内という設定も
                  椅子や机が乱れて置いてあるガストハウスそのまま。

                  礼拝堂に向かうエルザのシーンも
                  ハインリヒと騎士の丁々発止のシーンも
                  全部、居酒屋の中・・・

                  正直言うと、この2幕、むちゃくちゃ冗長。
                  舞台変換もないし、動きもないし
                  エルザとオルトルートが、ずっとお話しているシーンが長い。

                  第3幕はご存知の通り
                  例のあの曲で景気良く幕が開いて
                  結婚行進曲があって

                  やっと2人になれたね、という騎士の衣装は
                  民族衣装の上着がないっ!!!
                  ただのシャツかいっ!!!!
                  (だからフリークなんですってば)

                  出会ってから、やっと2人っきりになれたね、というシーンで
                  延々とラブソングを歌うのか、この2人は(謎)
                  他にやる事があるんじゃないのか(あ、失礼)

                  ここでエルザがむちゃウザくなる。
                  こういう女、居るよね
                  聞かない事を条件とする契約を締結して結婚したのに
                  結婚したとたん、やっぱり知る権利があるとか
                  むちゃを言い出すタイプ。

                  ついでに、このタイプは男性にも居る。
                  鶴の恩返しという話もある事だし。

                  ああ、やだ、やだ
                  契約違反もイヤだけど
                  結婚したとたん、あなたのためを思ってるのよ、という
                  理解し難い理由で、自分に何でも知る権利があると思っている人。

                  あ、いやいや
                  ワーグナーに文句つけていてどうする・・・

                  身分を明かして去っていく時のローエングリンが
                  「あぁ、白鳥が迎えに来た」って

                  後ろの(居酒屋の)机の上に
                  白鳥のデコイがポツンと・・・

                  なんか、ほとんどパロディに見えて来たわワタシ。

                  最後に弟が現れるシーンも
                  人混みが引くと
                  床にパジャマ(上着のみ)の男の子が倒れているという・・・
                  しかも、エルザの事を怖がって後退りしてるじゃないの。
                  (バレエ学校の子供だな、きっと)

                  更に、エルザは死なない。
                  弟、いや、子供を怖がらせたままの状態で
                  舞台の真ん中で仁王立ち。

                  エルザ役のコルネリア・ベスコフは
                  ものすごい声量の、金属的な印象を受ける硬い感じのソプラノで
                  声量が凄くて、声が硬いだけに
                  むちゃ気の強いエルザになっていて
                  騎士のベチャワのリリックな声を圧倒しているところがある。

                  この人、このまま結婚したら
                  騎士の愛情を良い事に
                  旦那をコントロールしまくりの実権握りっぱなしの
                  すごくコワイ奥さまになりそう(妄想中)

                  最後に死ななくて、舞台ど真ん中で
                  怯えている子供を前に仁王立ちするので
                  あ〜、これは、弟の摂政として
                  しっかり実権を握って国を率いていく
                  自立した女性の(以下省略)

                  どちらにせよ、ここでエルザが死なないと
                  話が全く違って来るのだが(それが演出家の目的かもしれないが)

                  エイン・アンガーのハインリヒ王が秀抜。
                  美声で堂々としていて落ち着いていて
                  あの奇妙な民族衣装でも、王さまという気品が漂う。

                  テルラムントも、第2幕の最初のシーンでは
                  これまた、白いパジャマを着せられていて

                  民族衣装にコストがかかったので
                  よほど、他の衣装の予算がなかったのか
                  まさか自前ではないだろうな・・・

                  テルラムント役のエギルス・シリンスは
                  ラトヴィア出身で、名前の n は特殊文字(下にニョロがつく)
                  58歳でラトヴィア国立オペラの総監督が
                  ここに出稼ぎに来ているとは(笑)

                  でも、この人、声も出るし
                  演技も出来るので
                  あの、ヨレヨレになるテルラムント役が非常に合ってる。

                  リンダ・ワトソンのオルトルードも優秀。
                  この人も、ものすごい声量のある人だが
                  もともと倍音多目の美声だし
                  時々ヒステリックになる感情的な役をうまく演技していてマル。

                  で、ペチャワですよ、ペチャワ!
                  いや、こんなに声の美しいテノールと思っていなかった。
                  ヘルデン・テノールというよりは
                  リリック・テノールだな。
                  声を張り上げて強靭な高音も出すが
                  本領発揮は甘いラブソングだろう。

                  よって、あんまり凛々しいという感じはないけれど
                  (初演のフォークトだったら、もっと凛々しくなかっただろうと推測する)
                  エルザとがっしり組んで、抱いてキスして
                  被さられて(エルザから)というのが

                  視覚的にはバランスが取れて
                  とても絵になるカップルになっている。
                  (やっぱりある意味、オペラも見た目が大事)

                  で、オーケストラが巧かったよ〜(感涙)
                  舞台オーケストラの金管もむちゃくちゃ良くて
                  白鳥テーマの弦のフルフルの繊細さとか
                  オペラになると、何故、こんなに豹変するかねこのオーケストラは。

                  民族衣装に釣られて4時間30分オペラ座に篭ってしまったが
                  久し振りにワーグナー聴いて(いつもは避けてる)
                  あぁ、これも一種の映画音楽だなぁ
                  (当時、映画はなかったが)
                  ただ、5時間の映画って、誰も見ないよなぁ
                  もう少し、こう、進行を短縮化したら良かったんじゃないだろうか
                  ・・・とか
                  またもや、妄想の世界に入り込みそうな私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  ・・・あまりにツッコミどころが多いので
                  かえって楽しかったのだが
                  帰路でツィッター見ていたら
                  市電で一駅乗り越して、雨の中をトボトボ歩いて帰りました。
                  よって・・・きゃ〜っ、明日の授業の準備が出来てません(冷汗)

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