ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 + ネルソンス 2日目

Musikverein Großer Saal 2017年5月26日 19時30分〜21時40分

Gewandhausorchester Leipzig
指揮 Andrís Nelsons
ソプラノ Kristine Opolais

Antonín Dvořák (1841-1904)
 Othello. Konzertouvertüre, op. 93
 “Měsíčku na nebi hlubokém” (Lied an den Mond)
  Arie der Rusalka aus der Oper “Rusalka”, op. 114
 “Když mne stará matka ypívat” (Als die alte Mutter mich noch lehrte singen) op. 55/4
 Polonaise aus der Oper “Rusalka”, op. 114
Bedřich Smetana (1824-1884)
 “Dobrá! Já mu je dám - Jak je mi”.
  Arie der Milanda aus der Oper “Dalibor”
Antonín Dvořák
 “Ó, marno, marno to je!”
  Arie der Rusalka aus der Oper “Rusalka”, op. 114
Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 “Aus der Neuen Welt”

ライプヒチ・ゲヴァントハウスのゲスト公演2日目。
ドボルザーク・プログラムに
何故かスメタナが1曲あるが
これは歌手の都合での曲の選択なんだろうか。まぁ、良いけど。

ソプラノ歌手のクリスティーネ・オポライスは
ネルソンス夫人だ、という情報は後で入手。
(だってプログラムにはそんな個人的な事は書いてないし)

知っていたら、ちゃんと舞台を覗き込んで
どんな女性だか見たかったのに(ただのミーハー)

そりゃググれば美しい写真は山ほど出てくるけれど
ネルソンスだって太ったし、頭髪は後退しているしヒゲ生やしたし
いや、私は音楽を聴きに来ているのであって
別に指揮者とか歌手とかの見た目を鑑賞しに来ている訳では (¬_¬)

ドボルザークのオテロ序曲(インストルメンタル)
うううう、弦の響きがすごく柔らかで
まるでタンポポの綿毛みたいに
ふわふわと纏わり付いてくる・・・と思った途端に
鋭いドラマチックな音色になったりして

う〜ん、ネルソンスの今回のコンサートで
昨日と今日、ともかく驚いたのは

そのオーケストラの音色の豊かさ。

昨日も弱音から強音までのレンジの広さに驚いたけれど
音量だけではなくて
緻密に作られたそれぞれの楽器の音色の組み合わせの妙に
信じられない位のオーケストラの色彩感が
ホール全体に立ち上る。

さてルサルカの有名なアリアとか
かの有名な「母が教えた歌」とか
なんかすごくテンポの速いスメタナのアリアとか

・・・これ、チェコ語だよね?
手元にテキストあるから見てるけど
どこを歌っているのか、さ〜っぱりわからない (・・;)

普通は少しだけでも聞き取れる筈なのだが
あの子音の多いチェコ語で
ま〜ったく子音が聞こえて来ないのも不思議。

声量はあるし、強靭な声質で素晴らしいと思うのだが
ただ私、オペラ苦手だし
ソプラノ苦手だし・・・(言い訳)

途中に入ったルサルカのポロネーズが
凄まじい音量で
元気と言えば元気・・・なのだろうが
これだけは、オーケストラの色彩感はなかったなぁ。
(あまりに最初から最後まで力任せだった)

後半のドボルザークの交響曲「新世界から」
これが、思っていたよりずっと良くてビックリした (o_o)

楽器のパートごとのバランスの絶妙なコントロールで
出てくる音の(しつこいけれど)色彩感が半端じゃない。

特に第二楽章のあの美しさって
悶えてしまう・・・・
甘やかで、でもドライで
限りない空間を感じさせる弦に乗るイングリッシュ・ホルン。
郷愁と言うよりは
もっと直裁的な、広い広い草原に
誰もいない景色で夕陽が沈んでいくような印象。

途中の管の掛け合いが、またもう見事で
ここだけ、「お〜い、一人じゃ寂しいよ、こっちにおいで」と
誰かが声をかけてくるような気分。

そして、また一人で景色を見ている最後のあたりが
自然の静けさを感じさせて
一瞬、レスピーギのローマの松の
あの鳥が出てくるかと錯覚する位。

出て来たのは鳥ではなくて
観客の咳き込みだったけど (TT)

第三楽章のリズム感の良さはネルソンスならではか。
隣の人が足と手で踊るので
椅子が揺れて困ったが
(しかも前の席を、指輪付きの手で叩くので音が出る(涙))

それもまぁ、わかる・・・(けど許せない)
あのドッカンと決まるところの抜けの良さが実に快感。

最終楽章だけ
かなり個性的な解釈をしていて
ちょっとあざといと言うか、
そこまでウエットにやるか?と違和感はあったが

それでも全体的には
色彩感の溢れる、ニュアンスに満ちたすごい演奏だった。

ネルソンスのセンスの良さもあるのだろうが
あれだけの音色の違いを
見事に出したオーケストラにも脱帽。

良い音楽を満喫したなぁ、と
月並みだけど、すごく楽しかった私に
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ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 + ネルソンス 1日目

Musikverein Großer Saal 2017年5月25日 19時30分〜21時40分

Gewandhausorchester Leipzig
指揮 Andrís Nelsons

Franz Schubert (1797-1828)
 Symphonie Nr. 7 h-Moll, D 759, “Unvollendete”
Anton Bruckner (1824-1896)
 Symphonie Nr. 4 Es-Dur, “Romantische” Fassung 1878-1880

ドレスデンに続いてライプチヒ・ゲヴァントハウスの客演。
同じ時間帯にシェーンブルン宮殿の庭では
ウィーン・フィルのサマー・コンサート(入場無料)が行われているはず。

髪の毛が後退した分
何故かヒゲを生やしたネルソンスは
ちょっと肥満から回復した?

デビューの頃の「かわいい美少年」とはかなり変わったけれど
ますます音楽性に磨きがかかった上
老練さまで身につけて来た、と思わされたコンサート。

シューベルトの「未完成」のニュアンスがすごい。
細かい部分まで徹底的にニュアンスを作り込まれて
一瞬たりとも気が抜けない。

そんなピアニッシモありですか?という
音量を徹底的に落として
しかも澄んだ音響に拘って
それがまぁ、自由自在な畝るような音楽になって

聴き慣れた「名曲」とは一線を画す演奏になっている。

ネルソンスの今までのイメージって
天真爛漫、という感じだったのだが
かなり変わって来た感じ。

天性のセンス、月並みな言い方だけど音楽性が
ずば抜けている。

確かにグローバル化の進む現代では
飛び抜けた才能のある人しか舞台には立てないけれど
ネルソンスはまさしく飛び抜けたセンスの持ち主だ。

未完成の第二楽章なんて
ダラダラ演奏していたら、ただ退屈な曲になってしまうのに
あくまでも優しい表情を崩さないまま
芯に一本、きちんとした線が入っていて
それを取り巻く音楽が、ものすごく繊細なジェリーみたい。

すごいモノを聴いちゃった、とワクワクしつつ
後半はブルックナーの4番。

・・・なんか最近、これも流行りだよね?

ところが、これがまた凄かった。

このオーケストラ、何て弦が強いの!!!
金管が咆哮しても、全く後ろに引っ込まない
強靭な音で管に真っ正面から対抗して来て
大音響の金管と強い弦のバランスが絶妙で悶絶しそう。

シューベルトでも聴いたニュアンスの深さはそのままに
ブルックナーらしい「ありがたみ」と
底の深い、厚みのある強靭さが加わっている。

しかも、まぁ、これはブルックナーのオーケストレーションに依るのだろうが
あの楽友協会で、あれだけ大音響で鳴らして
うるさいと感じる瞬間がゼロ。

ピアニッシモはとことん音を抑えて
いやもう、あんなピアニッシモの管
まず他のオーケストラでは聴けないわ。

ピアニッシモでほとんど聴こえない位まで
音量を落としている部分にも
ちゃんとニュアンスがあるって、どう言う事?(o_o)

最終楽章が、ちょっと聴き慣れないフレーズが多くて
いつもの4番より長めだったような印象があるが
ブルックナーの交響曲って、色々な版があって
シロウトの私にはわからないので、そ〜いうもんなんだろう(逃げ)

強弱の幅広いレンジと
注意深いフレージングのニュアンスで
最初から最後まで、すごい緊張感が続いて

しかも音響のバランスが(弦の力強さ!)理想的で
ああ、もう、こんな聴き慣れたはずの曲に
こんなに夢中になるなんて
ネルソンスって、天真爛漫だけじゃなかったのね。

明日はドボルザークとスメタナのプログラム。
あまり良い席ではないのだけれど
(貧民席ではあるが・・・)
ドボルザークの「新世界より」を
ネルソンスがどう料理するか
ちょっとワクワクしている私に
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白鳥の湖 今シーズン4回目

Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2017年5月25日 14時〜17時

SCHWANENSEE
Balett in vier Akten
振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow
音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski
舞台・衣装 Luisa Spinatelli
照明 Marion Hewlett
指揮 Paul Connelly

ジークフリート王子 Robert Gabdulin *
オデット・オディール Maria Yakovleva
ロットバルト Andrey Teterin
王子の母 Erika Kováčová
王子の友人たち Alice Firenze, Nikisha Fogo
Masayu Kimoto, Richard Szabó
王子の教育係 Jaimy van Overeem
侍従長 Gabor Oberegger
第一幕
ワルツ Adele Fiocchi, Eszter Ledán, Anita Manolova, Laura Nistor
Leonardo Basílio, Dumitru Taran, Alexandru Tcacenco, Andrey Teterin
Elena Bottaro, Natalya Butchko, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman
Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto, Iulia Tcaciuc, Céline Janou Weder
Francesco Costa, Marian Furnica, Trevor Hayden, Scott McKenzie,
Tristan Ridel. Zsolt Török, Arne Vandervelde, Géraud Wielick
女王の付き添い Abigail Baker, Marie Breuilles, Vanessza Csonka
Katharina Miffek, Andrea Némethová, Carolina Sangalli
第二幕・第四幕
大きな白鳥 Adele Fiocchi, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Laura Nistor
小さな白鳥 Alice Firenze, Nikisha Fogo, Natascha Mair, Nina Tonoli
白鳥 Abigail Baker, Emilia Baranowicz, Elena Bottaro, Marie Breuilles,
Natalya Butschko, Iliana Chivarova, Vanessza Csonka, Erina Kováčová,
Zsófia Laczkó, Eszter Ledán, Anita Manolova, Katharina Miffek
Andrea Némethová, Suzan Opperman, Xi Qu, Joanna Reinprecht,
Alaia Rogers-Maman, Caroline Sangalli, Isabella Severi-Hager,
Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto, Iulia Tcaciuc,
Franziska Wallner-Hollinek, Céline Janou Weder
第三幕
貴族の娘たち Elena Bottaro, Eszter Ledán, Laura Nistor
Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva
スペインのダンス Rebecca Horner, Erika Koválova
Alexis Forabosco, Andrey Teterin
ナポリのダンス Natascha Mair, Richard Szabo
Abigail Baker, Natalya Butchko, Sveva Garguilo, Xi Qu
Isabella Severi-Hager, Rikako Shibamoto
ポーランドのダンス Ioanna Avraam, Masayu Kimoto
Emilia Baranowicz, Franziska Wallner-Hollinek, Céline Janou Weder
Marat Davletshin, Marcin Dempc, Trevor Hayden
ハンガリーのダンス Nina Tonoli, Mihail Sosnovschi
Marie Breuilles, Vanessza Csonka, Adele Fiocchi, Zsófia Laczkó,
Katharina Miffek, Andrea Némethová, Carolina Sangalli, Iulia Tcacius
Attila Bakó, Leonardo Basílio, Francesco Costa, Igor Milos,
Kamil Pavelka, Tristan Ridel, James Stephens, Jaimy van Overrem

キャスト書き出すだけでタイヘンで
主役級以外は後で自宅でしっかりチェックするので
今は変えてない(お許し下さい)

本日は祝日でオフィスはお休み。
ここ1ヶ月くらい、週に1回、木曜日に休みを取っていたので
身体のリズムとしては悪くない。
(けれど、昨日、明け方3時まで起きていて
 今日の朝もいつもの時間に目覚めて(あぁ、悲しい習性)
 午後になると・・・眠い(涙))

白鳥の湖は、何と今日は昼と夜の2回公演 (°_°)
さすがに主役級のキャストは変わるけれど
コールドはそのままで2回踊るのか・・・
むちゃくちゃハードだな。

今日の夜はウィーン・フィルは
シェーンブルン宮殿の庭園での無料サマー・コンサートで
今、演奏しているメンバーも行くんだろうか?
(だってコンマス、シュトイデさんだったし
 木管によく見るメンバーが結構いたぞ)

ローベルトがジークフリート王子のデビュー。
あれ? ローベルトって王子さまタイプなのに
ジークフリート踊った事、なかったっけ?

いや、やっぱり生まれついての王子さまタイプって
最初に舞台の奥で本を広げて立っているだけで優雅 (^^)

ご友人のニキーシャ、アリーチェ、リッチーに木本クンって
なかなか良い組み合わせ。
木本クン、最近、リッチーと組む事が多いけれど
やっぱり踊りは優雅だし、体型、本当にキレイだし
6月の木本クンのジークフリートが楽しみ。

ローベルト、ステキ ♡
海賊を踊った時は、荒々しさがなくて
子供の頃に攫われた王子さまかよ、と思っていたけれど
あの優雅さがジークフリートにはぴったり合う。
柔軟さと、ジャンプの大きさもなかなか熟れていて
役のデビューとは思えない堂々としたところがある。

マーシャのオデット
きゃ〜〜〜〜っ、王子さまを誘惑してる
(というのは私の妄想です)

技術的にスキはないし
ボードブラは美しいし
人間から白鳥への変身の鮮やかさ
細かいステップの見事さ

ただ、マーシャの雰囲気って
あのナヨナヨして何も出来ないオデット姫というよりは
もっと芯の通った強い女性を感じさせる。

第二幕、オディールとなったマーシャは
本領発揮って感じ?(笑)
ちょっと根性悪そうな、でも太陽みたいな笑顔を振りまいて
王子さまを堂々と誘惑する。

あああ、ローベルト、手の内で転がされてるわ、うふ。
オデットの時も、何となく手玉に取られてる感じがあったけれど
オディールになったら、一発だ。

マーシャのこういうところ、好きだわ〜ワタシ。

ローベルトとマーシャのパ・ド・ドゥは
素晴らしかったのだが
何せ昼間の公演で、子供連れ家族も多くて
今ひとつ、観客の盛り上がりに欠けて
拍手が長く続かず
拍手終わってるのに、またローベルトとマーシャが
挨拶しなくてはならず・・・

う〜ん、実はわかるんだよね。
だって、あの後、ローベルトは
すごいソロを踊る事になっていて
あの拍手のタイミングで息を整えないと無理。

なのに、あの短い拍手で
そのまま、超絶ソロに入らねばならず
かなりキツかっただろうな、と思ったけれど

見事に広い空間を掴んで
優雅に踊ったのは素晴らしい。

マーシャはパ・ド・ドゥでの拍手の少なさを回復するかのように
例のフェッテでは
最初からダブルを連続で入れてきて
ひえええええええっ、そこまでやるか?!

さすがに最後の方、少しだけ軸がズレて
位置が動いていたけれど
ものすごい力の入った渾身のフェッテ。
ちょっと張り切りすぎ・・・かもしれないけれど
プリンシパルのプライドを見た。

ロジェの前に座っていた親子連れが
消えてしまったので
(小さな子供にはちょっと辛かっただろう)
2列目に動いて、何と、立たずに舞台が見えたのだが

・・・それがまずかった(汗)
第三幕、オデットとの悲劇のシーンで
ごめんなさいっ!!!
最初のコールドの踊りは見てるんですけど
で、ローベルトが探しに来たあたりまでは記憶があるんだけど
寝落ちしました(あああああああっ、バレエ・ファンとは言えない)

一列目に移動したオバサマが
最後は良かったわ〜と言っていたから
マーシャのオデット
しっかりローベルトを手玉に取ったんだわ(違!)

うううん
睡眠不足のワケがないのに
座ると寝落ちする体質になってしまったか(冷汗)

マーシャのオデット・オディールは
次の楽しみにしている木本クンとの組み合わせだけなのに
最後の幕で寝落ちするとは、何という一生の不覚(涙)

でも、この演目、まだ追いかけます、という
しつこい私に
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ウィーン交響楽団 + パーヴォ・ヤルヴィ

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年5月24日 19時30分〜20時55分

Wiener Symphoniker
指揮 Paavo Järvi

Gustav Mahler (1860-1911)
 Symphonie Nr. 7 e-moll (1904-05)

昨日も同じプログラムだったのだが行けず
残念ながら本日1回のみのコンサート行きとなったが

私、マーラーの交響曲7番って
ものすごくものすごく、ものすご〜く好きなのである 😍
好き過ぎて、どんな演奏でも
最初から最後まで蕩けまくって悶絶しているので
あまり中立的な感想記にはならないと思う(防御線)

だってこの曲って
万華鏡みたいに、人生の全てが詰まっているじゃないですか(妄想)

斬新に次から次にめくるめく贅沢に現れる旋律や
ポリフォニーのオーケストレーションのため息が出るような見事さ。

最初から最後まで、一瞬も飽きさせる事なく
伝統と現代への道筋がはっきり出てくる
贅沢で芳醇な一品で(何かと間違えているかも)

オーケストラと指揮者には大変かもしれないけれど
聴いている方にとっては
その快感に悶えて、悶えまくって、悶絶する作品なのである。

ここ数日、楽友協会で
あの芳醇な音響に耳慣れしてしまうと
コンツェルトハウス貧民席のデッドな音響は
ちょっと不思議な気分にはなる。

だってオーケストラの解像度が非常に良い
・・・というよりは、各パーツが鮮明に響いてきて
かなりドライで
金管の音量に比べると、木管の音量のバランスがちょっと気になる。

まぁ、それはホールのせいなので
プレイヤーが悪いわけではないし
ただの好みの問題、というのもある。

でも、全体的に、あまりウエット感がない。
かなりアッサリ目の仕上げになっていて
マーラーっぽい弦のポルタメントも
ほとんど聴こえて来ないし

マーラーに有り勝ちな
オドロオドロした不気味さが
あまり立ち上って来ない。

舞台が遠いから、そんなもんかなぁ、と思うけれど
音量抑え気味の、透明度の高い演奏。

まぁ、マーラーの場合は
大音響で鳴らせてもピアニッシモに響くというのが
割に私の理想なので、その意味では面白かったかも。

ただ、途中のカウベル・・・う〜ん (ーー;)
パーヴォさんって都会の人?
ほとんど響いて来ない上に
カウベルというよりは、バケツ叩いているような音。

音量抑え気味で演奏していたと思ったら
最終楽章の本当に最後の部分で
鐘が入るところで大爆発した。

ううううう、鐘ばかり聴こえてくる。
・・・というより、鐘、うるさい。
そこまで力一杯叩かなくても・・・

この最後の爆発的音量を目指して
他の部分を抑えていたのかもしれないが
何か突然、最後でどっか〜んとやられると
ちょっと仰け反り返ってしまう。

最後が派手に終われば
会場はブラボーの嵐なので
それはそれで効果的なのかも。

何とも都会的なスタイリッシュな印象がある。
大げさにならず
ヘンに不要な感情を上乗せせず
素直に音楽に語らせる、という感じか。

昨日はドロドロした演奏を
楽友協会という、残響たっぷりのホールで聴いたばかりなので
ドロドロ感が、ますます薄れて聴こえてきた、というのはあるかも。

パーヴォ・ヤルヴィの指揮って
ドイツ・カンマー・オーケストラもそうだったけれど
音の解像度抜群で、透明感があって
割に冷静で(笑)熱苦しくならない。

どちらが良いとかの問題ではなくて
それぞれに面白い (^^)

しかしマーラーの交響曲7番って
いつ何処で聴いても、本当に面白いわ。

もっと頻繁に演奏されないかなぁ、と思いつつ
やっぱりあの大規模オーケストラで
しかも普段使わない楽器のプレイヤーも入れなければならないので
オーケストラにとっては、コストの問題もあるんだろうな、と
ついつい経済観念で見てしまうアホな私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



一つ前の記事で書いたけれど
この後、オフィスに戻って
社員全員に退職のお知らせメールを出したら
夜中の11時過ぎなのに
とある男性マネージャーから返信が戻って来て

最後に書いた私のメールが
「早くベッドに行ってね。仕事より(たぶん)人生にはもっとステキな事がある(はずよ)」
・・・というのが
私の会社のメイラーからの本当に最後のメールになったのには
自分でも笑えたわ。

祝 退職!!!

ワタクシ事で読者の皆さまにはご迷惑である事は重々承知の上で

退職したぞ〜〜〜〜 (⌒▽⌒)



で、何で寿司の写真が出て来るかと言うと
(しかも本来なら縦横が違うんだけど、それを訂正する能力はない・・・)

数週間前に、5月24日が最終出社日というので
上司から「会社からバジェットもらったから派手に・・・」とか言われて

ちょっと待て
まず私は、勤務時間中にお祝い事とかの理由をつけて
アルコール(オーストリアの場合は大抵スパークリング・ワイン)を飲むのには
基本的に反対だし

第一、勤務時間中、みんなクソ忙しいのに
同僚の個人的なケースのために時間を割くのは非常によろしくない

ついでだが、花束もらっても自宅に置くところはないし
プレゼントもいらない
ましてや、社員に封筒が廻って、そこに何らかの寄付をしなければいけないのは
甚だ遺憾である。

会社が私の引退日のために予算をくれるなら
金具が壊れてボロボロになったリング・バインダーを捨てて
新品のリング・バインダーを買ってくれ
(↑実はお古しか使わせてくれないので非常に苦労している)

・・・というような事を
口頭で伝えても「それはダメ」とか言われるので
書式で提出していたのである。

最終のミーティング16時30分とアポイントメント取って
上司と話していたら
突然、他の部の上司がシリアスな顔で飛んできて

はっぱ、ミーティング中に悪いけど
ちょっと緊急の問題が起こって・・・と言われ

会議室に連れて行かれたら
上のような机の周りに同僚が待っていた・・・という

サプライズするな、と言っていたのに
しっかりサプライズが待っていた。
・・・けど、ちょっと嬉しい (^^)

高級寿司のパーティ・セットが2つ。
机の上には名刺大の「日本の国旗」が50枚(しかも表裏有効(笑))
同僚が作った、はっぱのビデオ・クリップを見せられて

それがあまりの傑作で
爆笑しすぎて涙が出て来た。

いや、ホントに、普通だったら
感極まって泣くのが正しい社員のあり方だろうが

集まっている全員が
私が如何にこの日を楽しみにしていたのか知っている。

第一、今日が最終出社日ではあるけれど
8月31日までは、私はまだ社員である。

休暇を66日貯めていたという・・・
(だって、どうやって年間30日の休暇を取れと?)

一部、そのまま引き継ぐ仕事もあるし
今の席は片付けて
これから、ノマド専用の机に移動するだけで
あんまり「退社」の悲壮感はない(というよりゼロ)

何が嬉しいって
これから、毎月、レポート書いて
何で昨年より売り上げが落ちているか、という言い訳をしなくて済む(笑)

ついでに電話が鳴ったらビクビクしなければならない、という
24時間の恐ろしい(笑)緊張感から解放される。
(まぁ、今はシリーズものがないので少ないけれど
 コンサート前に電話が鳴ると
 大抵の場合、ホテルに何回も確かめて書式で確認取ったにもかかわらず
 アホなフロント・デスクが、バスタブなしのルームをアサインした、という・・・
 この電話が鳴ると、コンサート行きはぶっ飛ぶ場合がある)

緊急電話が鳴らないように
バスとかガイドの手配、その他、ともかく
しつこくしつこく、しつこくパラノイアのように仕事して来たんだけど
現場のスタッフがミスしたら、もうどうしようもないからね。

という訳で
まだ社員証も持っていて(鍵兼用)
ガレージも使えて
ノマド専用スペースも確保していて

退社・・・というよりは
待ちに待ったロング・バケーション 😀 という感じ。

32年間、結構な速度で走り続けて
次の人生のステージに入る前に
ちょっと、まずはゆっくり休憩(←根は怠け者だと思う)

日本のエージェントさんからは
「え〜っ、退社ですか?
 契約社員とかで雇ってくれないんですか?」と同情されたけれど

残ろうと思えば、そのまま正社員で残れたのだが
5年延長して年金がほんの少しだけ増えてもあまり意味がないし
早いところ法律で許された年齢で引退して
自分の好きなコトだけやりたい、と思っていたので

すごく嬉しい ☺

この件は個人的な事なので
これに関しての「おめでとう」メールや
同情メールや、嫌味メール等、一切ご辞退させていただきます。
(メール入って来ても無視、メールをくれた方は友達認定から外します(笑))

もともと夜は予定がずっと詰まっているので
これからもブログに関しては、あまり変化はないと思うけれど
やっと一息つけそうな私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ついでに笑っちゃう話だが
この1時間半の寿司パーティのお陰で
予定していた仕事が出来ず
コンサートの後に戻って真夜中まで残業するハメになりました(爆笑)


ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 + ティーレマン 2日目

Musikverein Großer Saal 2017年5月23日 19時30分〜21時35分

Sächsische Staatskapelle Dresden
指揮 Christian Thielemann
ソプラノ Renée Fleming

Richard Strauss (1864-1949)
 Vier letzte Lieder für Sopran und Orchester
 Eine Alpensymphonie, op. 64

ティーレマンとドレスデン管弦楽団のコンサートに行くなら
やっぱりリヒャルト・シュトラウスのプログラムであろう
・・・とみんなが思ったのかはわからないが
ともかく、かなり以前からこのコンサートは売り切れ状態。

私はチクルスで持っていたのでセーフ。
いつもの席に陣取って、ティーレマンを拝見。

ルネ・フレミングは
以前にオペラ座でカプリッチオ追っかけをしていた時に
何回も聴いたし
何を血迷ったか、楽友協会でのリサイタルまで行った。

相変わらずスタイル良いし美女で
高音がとても美しい。

席が席なので(歌声は前に飛ぶ)
あまり声量がなく聴こえて来るのは音響のせいで仕方ないのだが
それでも、高音になると
細く澄んだ声が響いて
この歌手の高音の美しさって、やっぱりすごい。

・・・が、同時に
ルネ・フレミングのドイツ語の歌詞は
ま〜ったく理解できない。
膝下にテキスト広げて聴いているのにもかかわらず
一体、何処を歌っているのか、さっぱりわからん。

まぁ、声の美しさでカバーしちゃうから良いのか。
(あまり良くない)

で、オーケストラの音色の見事なこと。
リヒャルト・シュトラウスの晩年の作に特有な
ロココ回帰のレース編みのような繊細な音色が
透明な解像度を持って
何とも細やかに楽友協会ホールに広がっていく体験は
至福の時で、背筋ゾクゾクして鳥肌がたつくらい気持ちが良い。

このオーケストラ聴くだけで満足だわ。
ソプラノの何を歌っているのかわからない声も
まぁ、オーケストラに溶け込めば
純粋に音として聴くのなら、こんなに美的な満悦感も珍しい。

オーケストラの音を抑え気味にして鳴らしていた指揮者だが
次のアルプス交響曲では、絶対に鳴らすだろうなぁ、と思っていたが

目一杯鳴らしました(笑)

しかしティーレマンって
私が好きな指揮者ではないのだけれど
(相変わらず仰け反ってるし偉そうだし)
リヒャルト・シュトラウスとかブルックナーは巧いんだよね。
(ワーグナーはもっと凄そうだが
 ワーグナーのコンサートの時は逃げたので聴いていない)

アルプス交響曲も、響きの作り方が絶妙で
あれだけ複雑なオーケストレーションの作品でありながら
パートのバランスが実に良い・・・というより
全てのパートが、かなりクリアに響いて来るだけに
時々、おおおお、音符が多すぎる、と感じる部分はあるが

それでも情景の描き方の巧みさには脱帽する。

この曲、オーケストラによっては
アルプスのド・田舎の景色を知らんだろ、こいつらは
と思う事があるのだけれど

ドレスデンって田舎なんですか(って失礼な(笑))

妙にリアルなカウベルの鳴らし方とか
アルプスの鳥の鳴き声とか空気とかの表現が絶妙。

で、途中で、アルプスの山が
結構な魔の山に化けるシーンもあって
これ、禿山の一夜だったっけ?という印象が沸々・・(妄想)

オーケストラを容赦なく鳴らすので
特に木管の高音部の鋭い音が耳を直撃して
ウインド・マシーンは全然聴こえて来ないし
難聴になりそうな音量で
描く嵐は見事なのだが

いやもうダイナミックな大嵐ですね。
都会の近くの森とかで
我々が日常生活で経験する嵐とは全く違う
まるで映画の特殊撮影でも見ているような大胆さ。

こういう演奏を聴いちゃうと
ティーレマン命、という位にファンになる人が居るのも
何となくわかる気がする。

見た目は尊大で
ふんぞり返っていて偉そうなんだけど(笑)

以前、オペラ座でのナクソス島のアリアドネの時にも
(舞台見えない席を何とか入手して音楽だけ聴いていた)
あんな至福な時間は滅多にない、という位
クリアで繊細で、音の艶がすごくて

う〜ん、こういうドロドロした曲の扱い
感情的になっているように見えて
緻密な計算で綿密な音楽を作っているのがわかる。

というワケで
1日目は途中でバックれたけれど
2日間のティーレマン祭りは終わり。

明日は楽しみにしているコンサートがあるし
その後はライプチヒ・ゲヴァントハウスが来る (^^)

毎年この時期は
身体がいくつか欲しいと思う程に
音楽的には充実していて、嬉しい私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



楽友協会のコンサート前のアナウンス
一度、アッと思った
味も素っ気もない5ヶ国語でのアナウンスは
評判が良くなかったのか
さすがにやり過ぎと思ったのか
また、丁寧なドイツ語と英語のアナウンスに戻っていた(笑)

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 + ティーレマン 1日目

Musikverein Großer Saal 2017年5月22日 19時30分〜20時5分

Sächsische Staatskapelle Dresden
指揮 Christian Thielemann
ピアノ Daniil Trifonov

Gabriel Fauré (1845-1937)
 Prélude aus der Schauspielmusik zu Maurice Maeterlincks
 “Pelléas et Mélisande”, op. 80
Maurice Ravel (1875-1937)
 Konzert für Klavier und Orchester G-Dur

(すみません、後半はシェーンベルクのペリアスとメリザンドでしたが・・・)

ドレスデン管弦楽団とティーレマンの公演は
2日続けて別のプログラムで予定されていて
この日の後半はシェーンベルクの「ペリアスとメリザンド」作品番号5番だったのだが

すみません、前半でちょっと理由があって
ばっくれました (^^;;

もともと最初の曲は
グバイドリーナの新曲だった筈なのに
結局、楽譜が間に合わず、フォーレの曲になったとの但し書き。

・・・昔々、ティーレマンのベートーベン・チクルスがあった時も
9番の前に、現代作曲家の新作初演が予定されていて
その楽譜が間に合わなかった、というケースがあったが
何か、ティーレマンが指揮すると作曲家が恐れをなす、とか(邪推)

さてそのフォーレだが
うわああああ、何と言うフランス風味の一つもない
がっしりしたゲルマン系の音 😓

いや、それがオーケストラの持ち味と言うものだろうが
フォーレにはどうやっても聴こえない。

ピアニストのトリフォノフは最初からピアノのところに座っていて
ゲルマン風味のフォーレの後
聴衆から拍手が出る暇もなく(聴衆が呆気に取られていたのもある)
そのままラヴェルのピアノ協奏曲ト長調に突入。

第一楽章が、何かすご〜く重い感じがするのは
私の偏見だろうが
超絶技巧バッチリの
可愛かった筈のトリフォノフが
何だか顎を取り囲むようにヒゲを生やして

以前の可愛いイメージの方が良かったのに。
(いや別にピアニストの見た目なんてどうでも良いが(汗))

何か、やっぱり重心がかなり下にあって
どっかん・どっかん、としたラヴェルで
ラヴェルって、こんなんだったかなぁ。
私の耳がオカシイかも。

第三楽章はノリの良いリズムで
このキレの良さはなかなかステキ。

オーケストラの音が硬質な感じで
フランスっぽさ、と言うニュアンスがあまりなくて

かなり好き嫌いが分かれそうな演奏ではある。

ウィーンの聴衆は
ティーレマン大好き♡という人が多いので
こういうゲルマン的な響きも好きなのかも・・・

後半のシェーンベルクを聴き逃したのは
ちょっと、いや、かなり残念な気もするけれど

まぁ、次の日が
完璧売り切れのリヒャルト・シュトラウス・プログラム。

(実はリヒャルト・シュトラウス聴いてから
 この勝手な感想記を書いているので
 臨場感に欠けていたら、ごめんなさい ^^;

というワケで
次の日に続く・・・・というより
これから、次の日の勝手な感想記を書こうとしている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年5月21日 19時30分〜21時30分

ORF Radio-Symphonieorchester Wien
Damen des MDR Rundfunkchores
Chorus sine nomine
ソプラノ Yeree Suh
アルト Hilary Summers
バリトン Artur Ruciński
指揮 Cornelius Meister

Olivier Messiaen (1908-1992)
 Un Sourire (1989)
Pierre Boulez (1925-2016)
 Le Visage nuptial für Sopran, Alt, Frauenchor und Orchester
 (1946/47, 1951/52, 1985-89)
Anton Bruckner (1824-1896)
 Christus factus est. Motette für gemischten Chor (1884)
Antonín Dvořák (1841-1904)
 Biblische Lieder op. 99
  (Bearbeitung für Bariton und Orchester vom Komponisten und von
   Vilém Zamánek) (1894/95, 1929)

久し振りにウィーン放送交響楽団のコンサートのチケットを買ったのは
メシアンとブーレーズに惹かれたのが理由。

最初のプログラムでは
まずブルックナー、その後ブーレーズで
後半がメシアンに続けてドボルザークになっていたが

プログラム冊子に挟まれた1枚の紙に
指揮者のマイスターの芸術的意向により
メシアン、ブーレーズ、ブルックナー、ドボルザークの順序に変更とあって

おお、マイスター、よくやった。
・・・というより
普通、そういう順序と思うんだけど?

メシアンの曲は
モーツァルト記念の年に作曲され
モーツァルトの「微笑み」を描きたかったそうで
最後はトナールで終わる曲だが

うはははは、この曲、何か凄いデジャブ感がある。
メシアンのトゥーランガリアあたりに多用されている
フランス印象派的なスケールを
弦楽器が弱音で奏でて
一区切りついたら
突然、パーカッションと管楽器の激しい掛け合い。
その後、また弦の弱音に戻っての繰り返しって

これ、チャールス・アイヴスの
答えのない質問にものすごく似てるんですが (^◇^;)

いやでもメシアンっぽいと言えば
すごくメシアンの特徴が出ていて
プログラムの説明にあった通り
最後はトナールの長調に持って行って見事に収めている。

さすが手練れの、あっ失礼、巨匠の作品だ。

ブーレーズの「婚礼の顔」
何回も改訂されている作品らしい。

アルトとソプラノ、女声コーラスにオーケストラ。
オーケストラも舞台一杯に広がっている大規模編成。
オルガン・バルコンにまでパーカッションが乗ってる。

これがまた、何とも面白い作品だった。
ブーレーズらしいインストルメンタルな透明感はあるのだけれど
それよりも、女声コーラスの使い方が興味深い。

アルトは容赦なく低い声を強要されているのだが
このアルト、見た目はちょっとスゴイ感じに見えるが(詳細省略)
声は太めの低音がバッチリ聴こえてくる実力。

ただオーケストラ編成がむちゃくちゃ大きいだけに
アルトもソプラノも、女声コーラスも
フランス語・・・らしきものを歌ってはいるのだろうが
歌詞は何にも聴こえて来なかった(笑)
フランス語わからないから全然気にならんが。

しかしこの曲、かなり肉声的なイメージがある。
ブーレーズって人間不在の透明感があると思っていたのだが
この曲を聴くと
何だやっぱり人間、しかも男性=オスだったのね、って感じ。
時々、妙に色っぽくなるし
悶えたくなるし
まぁ、そういう作りだし内容なんだろうけれど
ちょっと意外な感じがした。

さてお目当てのメシアンとブーレーズを
前半で聴いてしまったので
後半は別にど〜でも良いか、と思ったのだが

ブルックナーのモテットは
コーラスが素晴らしかった。
作品としては、まぁ、ブルックナーですし(笑)
しっかりした構成と対位法を駆使して
バッチリ宗教性もある(=聴いていて、何となくありがたい気分)

ドボルザークの「聖書の歌」は
原語のチェコ語で、歌ったのはポーランド生まれのバリトン歌手。

いや、これが実に良くて・・・
ヘンに声を張り上げるタイプではなく
実に自然に無理のない発声をする。

細めの声質なのに柔らかく
声量がないように聴こえるのに
しっかり天井桟敷の貧民席まで
オーケストラの壁を破って、声が聴こえてくるという
非常に珍しいタイプ。

チェコ語のテキスト見ながら聴いていたのだが
まぁ、エルハチェックは多少誤魔化している感があるけれど
私もチェコ語は理解できないから
チェコ人が聴いて、ギョッとするかどうかはわからない。

しかしこうやって最後にドボルザークが入ると
やっぱりドボルザークってメロディ・メーカーで
しかもこの作曲家の転調の見事去って、他に類を見ないわ。

最後の「雪やコンコン、霰やコンコン」も久し振りに聴いて
近代音楽を目当てに行ったのに
最後のバリトンの美声にウットリして
帰ってくる羽目になった私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


キャメロン・カーペンター カリガリ博士

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年5月20日 19時30分〜21時15分

Robert Wiene (1873-1938)
“Das Cabinet des Dr. Caligari” (D 1920)
Restaurierte Fassung 2014
Musik zu “Das Cabinet des Dr. Caligari” (EA)
von Cameron Carpenter
International Touring Organ : Cameron Carpenter

名前だけは誰でも聞いた事はあるだろうけれど
映画に疎い私は、まだ見た事のなかった
ドイツの無声映画の最高傑作と呼び名の高い「カリガリ博士」に
トサカ頭の天才オルガニスト、キャメロン・カーペンターが
名高い自分のツーリング・オルガンで演奏するとなったら

もちろん会場は満杯。
少なくとも貧民席には空きはなかったし
バルコンの横あたり(貧民席のギャラリーから見える部分)も一杯だった。

この「映画と音楽」の催物がステキなのは
スクリーンが大きいので
貧民席からの方が見やすい事(笑)
平土間だと、かなり見上げる形になるけれど
ギャラリーからなら、ちょうど目線と同じか少し低い位で
ほとんど映画館での鑑賞のノリ。

舞台の真ん中には、鍵盤が5段あって
もちろん足の部分にも黒鍵含めての足用鍵盤があって
左右に複雑怪奇な調整ボタンのある
かの有名なツーリング・オルガンが置いてあって
周囲には、ものすごい数のスピーカー。

さて映画「カリガリ博士」は
著作権切れとかで、インターネットで探せば見られるけれど
大スクリーンで見ると、やっぱり凄い迫力。

無声映画だから、時々、ドイツ語のセリフが
テキストで出てくるのだが
その書体まで凝っている。

しかもこのセット、わざと狂っていて
これ、キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」あたりにも
かなり影響しているんだろうなぁ。
ヒッチコックあたりも、ずいぶん手法を取り入れているような気がする。

1920年の映画なのだけれど
実にアヴァンギャルドで斬新で
ダダイズムがかなり入っていて
映像が・・・美しい。
いや、美しいとか言ったらイケナイのかもしれないが
衣装や背景が、時々、ゾッとする程に
現実と幻想の狭間にあって、背筋がゾクゾクする美しさがある。

カリガリ博士になれ、というシーンでは
画面に入れ込みの文字が、脅すように出ては消え
これがまた、凄い効果を出す。

さて、無声映画にカーペンターが付けたメロディは
ちゃんとカリガリ博士のライト・モティーフがある (o^^o)
最初に提示されるので、これはわかりやすい。

しかも、場面のそれぞれでバリエーションが多くて
まるで本当に、映画に合わせて作曲された劇伴のようで
(まぁ、そういう作曲をカーペンターはしているのだが)
あくまでも現代音楽なのに
アトナールとトナールを巧みに組み合わせて
映画と一緒に全く飽きさせない。

約70分強の映画が終わった後
鳴り止まぬ拍手に応えてアンコール。
バッハのフランス組曲5番からジーグ。

立ってカーペンターの弾くところを見ていたら
靴がキラキラ(笑)

そのキラキラが凄い速度で移動して
・・・まるでサーカス。

ほえええええ、っと感心して拍手していたら
何と今度はバーンスタインのキャンディードの序曲。

ううううう、これ、オーケストラより凄いわ。
オルガンという楽器の複雑さと多彩な音色を
これ程までに見事に聴かせてくれると
ただもう唖然とするしかない。

で最後のアンコールがバッハのパッサカリアって
凄い体力・・・

いや〜、楽しかったです (^^)

以前にキャメロン・カーペンターを
楽友協会でオーケストラと聴いた時には
真面目な優等生のオルガニストになったかと思ったけれど

やっぱりこの人、ぶっ飛んでいて
時々、むちゃくちゃ過激・・・だけど
やっぱり天才って凄いわ 💘

映画とオルガン、両方ともに
天才的な作品を、一緒に鑑賞できて
満喫している私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

Musikverein Großer Saal 2017年5月18日 19時30分〜21時

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Symphonie Nr. 8 F-Dur, op. 93
 Symphonie Nr. 6 F-Dur, op. 68 “Sinfonia pastrale”

ウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンの
ベートーベン交響曲シリーズのチケットは
実は昨日分を確保していたのだが
オペラ座のバレエが優先したのは昨日書いた通り。

で、急いで次の日のチケットを買った。
こういう時、ウィーン交響楽団の同じプログラムが2日あるのは助かる。

驚いたのは、楽友協会の最初のアナウンス。
今まではドイツ語と英語で
楽友協会にようこそ、コンサートをお楽しみ下さい。
ただし携帯電話とビデオ、録音は禁止です、というものだったのだが

突然、挨拶もなくドイツ語で
携帯電話の使用、録音、録画は禁止です
というアナウンスがあって
続けて英語、スペイン語(らしい。ポルファボールとか言ってたから)
その後に日本語なんだけど
日本語の用件の後に、「皆さまの協力をお願い申し上げます」って
・・・・それ、不要じゃないか?
その後に中国語のアナウンスで終わり。

とは言っても、それだけ様々な言語で言っているにもかかわらず
オーケストラや指揮者が登場する時には
バルコン・ロジェからスマホで盛大に撮っていた人も多かったので
どんなアナウンスしても
どんな国籍でも、無法者というのは居るのである。

私の大好きなベートーベンの交響曲8番。
熱に浮かされたような躁の7番と
あのワケのわからん人智を越えてしまったような9番の間の
古典的な手法に戻った清楚な感じの
クラシックな曲

・・・・と今まで思っていたんだけど

えええええええっ、何ですかこれ???

最初から大音響で(バイオリンのメロディ、潰れてる)
どっか〜んとホール中に響きわたった8番。
清楚もなにもなくて
速めの、いや、すごい速さのテンポで
ガンガンガンと
むちゃくちゃなエネルギーの放出。

8番って、こんな元気な曲だったっけ?
もっとクラシックなハイドンっぽい上品な曲だったのでは・・・

いやもう、ハイドンどころか
ベートーベンらしさ丸出しで
途中でイライラするわ、怒りは外聞も考えずぶちまけるわ
かと思うと、突然、ご機嫌になって
うははは、と大声で笑い出し
途中でニヤニヤしながら、え〜い、ここイタズラしちゃえ

ええ、どうせ私の勝手な妄想ですが(笑)
妄想がバンバン湧いてくるような音楽というのは
私にとってはベストな音楽なの。

メトロノームの第二楽章と
第三楽章をアタッカで繋げて
時々、楽譜に埋もれているピチカートとか
思いがけないメロデイ・ラインを発見しつつ
聴いている私もウホウホしながら
最終楽章に突入。

出だしはまるで交響曲7番のごとく
浮かれたような熱に浮かされたような調子で
あぁ、やっぱりこれ、7番がウケたからこうなったのかなぁ、と
ウホウホしていたら
途中の長調から短調への切り替えし部分で
ワケのわからん背筋ゾクゾク感。
地面が突然割れて、深い溝に落ちるような感覚。
・・・・あぁ、これが次の9番に続くのか
と、ストンと納得してしまった。

恐るべしフィリップ・ジョルダン。
オーケストラのアンサンブルは完璧に揃っているワケではなかったけれど
聴き慣れた曲が見事に新鮮に響く。

8番があまりに爆発的でエネルギッシュだったのに比べると
田園交響曲は
何だかおとなしいというか
まぁ、6番でああいうエネルギーを出す事はあり得ないけど(笑)

で、これ、ホントにウィーンの森だよね(爆笑)
ハイリゲンシュタットか、せいぜいバーデンあたりの
標高600メートル以下の丘陵地帯の風景で

バードガスタインとかインスブルックとか
インナフィアグラーテンとか(うふふ、フラヌイです)
アルプスの標高3000メートル級の山でもないし

ブラームスやマーラーに感じるような
深くて青い湖水を抱えたザルツカンマーグートでもなくて

あくまでも我々ウィーン在住の人間が
ちょっと車で10分、というところにある
のんびりした田舎の、緩い風景。

ウキウキした気分というよりは
えっこらさ、辿り着いたわ、空気が良いなぁ、という
ゆる〜い、ゆる〜い、すごくのんびりした雰囲気。

農民たちの大騒ぎも割に品が良くなっていて
楽しくはやっているけれど
バカ騒ぎまでには至らず

嵐は激しい・・・ものの
いや〜、我々がよく経験する
一転空が掻き曇り、雷雨が、という

なんか笑っちゃうくらい
この演奏、我々の生活と密着してるんですけどっ。

どこかのドイツ人指揮者あたりが
張り切ってやりそうな
大げさでドラマチックな嵐ではないのである。

あくまでも徹底的に
ちまちましたウィーン郊外の森の嵐であって
アルプスに落ちる雷雨ではないし

その後の太陽も
何となくウラウラと、大袈裟にならず
ポカポカしていて温かい。

ここまで見事に日常生活を演奏されてしまうと
正直、ちょっと、あまりにリアルすぎて
感動と言うより、納得というか・・・(苦笑)
別な意味で印象的というか
いや、正直、どう言ったら良いのか悩む。

フィリップ・ジョルダンとウィーン交響楽団の
ベートーベン・チクルスは
来シーズン、コンツェルトハウスでも予定されていて
チクルス買っちゃうと、絶対にバッティングする日が出てくるので
まだチケットを確保してはいないが

この組み合わせのベートーベン交響曲の演奏
俄然、興味が出てきたなぁ、と思っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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