クラング・フリューリンク オープニング・ガラ

Burg Schlaining  2012年5月15日 19時30分〜21時50分

Klangfrühling Gala 2012
ピアノ Eduard & Johannes Kutrowatz
パーカッション Yi Liu

Gerhard Krammer
 4 Jahreszeiten in Japan für 2 Klaviere
 3 Inselzeiten für 2 Klaviere und Percussion
Eduard Kutrowatz
 Sakura für 2 Klaviere und Percussion
Johannes Kutrowatz
 Akatonbo für 2 Klaviere
Ryuichi Sakamoto
 The Last Emperor, Filmmusik für 2 Klaviere und Percussion
Mark Glentworth
 Blues for Gilbert für Vibraphon Solo
Jenö Takács (zum 110. Geburtstag)
 Tagebuchfragmente op. 93 für 2 Klaviere und Percussion
Joe Zawinul (zum 80. Geburtstag) Bearbeitung für 2 Klaviere von Klaus Paier
 Birdland
 Cannonball
 Mercy, Mercy, Mercy

ピアノ・ドゥオ、クトロヴァッツ兄弟が音楽監督をする
クラング・フリューリンク 春の響き祭のオープニング・ガラ。

もちろん、チケットは売り切れ。
(というより、オーガナイザーのエリーが
 席が足りない、と焦っていたけれど(笑))

ただ、今日は、州知事の代理とか、市長さんとか
政治絡み、スポンサー絡みの関係者が多くて
音楽愛好家ばかりが集まったワケではなさそうだが(笑)

この音楽祭、すでに10回を越えて
そのクオリティは、音楽愛好家や専門家に高く評価されている。

で、今回の私は、非公式に終了後のガラ・ディナーの挨拶の通訳という事で
その代わりに、チケットは無料で入手 (^^)v うっふっふ。

今年のオープニング・コンサートは、日本がテーマ
(やった!!! \(^O^)/)

ブルゲンラントの現代作曲家、ゲルハルト・クラマーは
以前も、日本の音楽のパラフレーズを作曲したが

今回は「日本の四季」「日本の島」という題名の曲を
ピアノとパーカッションで披露。

「日本の四季」は
「夏の思い出」や「小さい秋見つけた」「雪の降る町を」などの
(すみません、春を忘れてしまった (^^ゞ)
よく知られた日本の歌を、分解し、展開し、再構築したもの。

作曲技法としては、目を見張るものがあって
すごいな〜、と素直に驚嘆できるのだが

オリジナルを飽きるほど聴いて育って来た我々日本人には
かなりの違和感が拭いきれない。

言ってみれば

 金髪で青い目で
  大柄な外国人男性が
   日本人の女性の振り袖を
     左右・上下逆さに来て
       ブーツを履いて
        野球帽を被っているような感じ。

(悪口ではありません。
 アートとすれば、その新鮮さは評価されてしかるべき)

エディの作曲した「さくら」は
日本の「さくら」の曲のパラフレーズ?というか編曲なのだが

これは至って素直 (^.^)

ピアノ内部の弦を指で弾く技法によって
ピアノでありながら、まるで日本の琴のような響きを出していて

非日本人が、これだけ日本的な響きを
ヨーロッパの楽器で意図的に
しかも実に自然に出した事にビックリ。

お兄さんのヨハネスが作曲した「赤とんぼ」は
弟エディと全く傾向が異なって

「赤とんぼ」のメロディが枠になってはいるけれど
その間に、他の国の秋っぽいメロディが散りばめられたコラージュ。

ゲルハルト、エディ、ヨハネスと
才能のある音楽家3人が、全く違った観点で、異なる技法を用いて
日本の曲を「料理」してくれているのが面白い。

坂本龍一の「ラスト・エンペラー」についてはご存知の通り。
最後のザヴィヌルもそうだけど
こういう力強い曲になると
エディとヨハネスの、エネルギッシュなピアノは、すごい威力を発揮する。

休憩後のヴィブラフォン・ソロの後に
やはりブルゲンラント出身のタカーチュ・イェネー (1902-2005)の
「日記のフラグメント」

これが・・・・すごかった (☆o☆)

何と言うか、フラグメントではあるのだけれど

ブルゲンラントの太陽が滴り落ちる、湿気のある空気や
一転して曇る空や
平坦なノイジードル湖に響きわたる風とか
飛ぶ鳥の羽音とか

もちろん、具体的な描写ではないが
視覚イメージの喚起もスゴイが
それ以上に、もっと体感的なイメージを、容赦なく刺激してくる。

聴きながら、体感としてブルゲンラントの気象を感じたのは初めての体験。
短い作品なのだけれど
ちょっと鄙びたようなハンガリーとオーストリアの田舎の景色が見えて
これ、誰か、映画にしてくれないかなぁ。

体感と視覚の刺激がバンバン入ってきて
ああああっ、これを聴くだけでも
ウィーンから2時間かけて
150キロをすっ飛ばしてきた甲斐があった(本気です)

最後のジョー・ザヴィヌルは
ご存知の通り、ジャズ・ナンバーで
エネルギッシュなクトロヴァッツ兄弟のピアノとは合うけれど

タカーチュの音楽でノックアウト状態になって
夢想の世界に入り込んでしまうと、ちょっとザヴィヌルは合わない。

まぁ、好みの問題です(きっぱり)

招待された無料のコンサートに
自分の正直な感想を書いてしまって良いかどうか
無料でもらったものについては
手放しで誉め言葉だけ並べた方が良いのかもしれないが

ちゃんと、オーガナイザーのエリーにも
ピアニストのヨハネスにも
「正直な感想、書いちゃって良い?」と聞いた(アホか私は?!)

2人とも、苦笑いして
「好きなように書けば?」と言ってくれたので

好きなように書いた(きっぱり)

初日なので、コンサート後、離れのホールで
州知事主催のバイキングの夕食会(飲み物付き)

これは、当然ながら交流会にもなっていて
音楽家、芸術家が、一般聴衆(及び政治家とスポンサー関係)と
歓談する、というチャンスでもある。

で、ビュッフェを腹いっぱい楽しんだ後
ホテルのバーで、またもや、ワインやコーヒーを飲みながら歓談。

ヨハネスを捕まえて
「タカーチュが凄かった (☆o☆)」と言ったら
苦笑いして「キミが気に入ると言い出すと思ってたよ」

  ・・・・ くそ、見透かされてる (-"-;)

結局、夜中の1時にホテルのバーを出て
またもや、150キロを走って(強風で非常に怖かった)
夜中の2時半にウィーンに着いて

このブログを書いているアホな私に
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やっぱり、私、ヨハネスとエディの大ファンです(はぁと)
向こうは多少迷惑と思っているかもしれないけど(苦笑)


ウィーン交響楽団 + ファビオ・ルイージ

Musikverein Großer Saal 2012年5月13日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
指揮 Fabio Luisi
テノール(ヨハネス) Herbert Lippert
バス(主の声) René Pape
ソプラノ Christiane Oelze
アルト Christa Mayer
テノール Timothy Oliver
バス Steffen Rössler
オルガン Robert Kovács

Franz Schmidt (1874-1939)
  Das Buch mit sieben Siegeln

3日間コンサートもバレエもオペラもなし・・・・というのは
たぶん、今年に入ってから
一時帰国の時を除いての、記録かもしれない
(そんな記録どうする?)

まぁ、木曜日の夜から土曜日まで
緊急事態でバタバタしていたので
結果的には、コンサートに行っている時間もなかったので
この3日間、コンサートのチケットを買っていなくて幸いだったとも言える。

ウィーン芸術週間の一環で
フランツ・シュミットの「7つの封印の書」

フランツ・シュミットの中でも比較的よく演奏される曲で
私も、たぶん、今回が3回目の鑑賞になると思う。

プログラムによれば、この曲は、75年前、
ウィーン楽友協会125周年記念のために作曲されたものだそうだ。

今年が200周年なので
楽友協会としても取り上げたかったのだろう。

かなりリキが入っているのは
歌手陣を見れば一目瞭然。

ウィーン交響楽団の首席指揮者とは言え
住居はニューヨークに移してしまって
ワタクシ的には、裏切り者的なスタンスを禁じ得ないファビオ・ルイージだが

・・・・ くそ、やっぱり
     ルイージの棒の時って、音が違う (-"-;)

キリッと締まった音になるというか
まぁ、コーラスがむちゃ巧い、という要素も強いし
この曲は
オーケストラの役割はそれ程大きくないのだけれど
それでも、いつもより、ずっと活き活きした音響が出ている。

歌いっぱなしの過酷なヨハネス役、リッペルトは
巧いし、声も出ているし
よくぞ、あのパートを歌い通した、と驚嘆するけれど

今一つ、調子が良くなかったのか
細かい部分で時々見える(聴こえる)荒さが気になって
ちょっと辛そうだった。

ソプラノのエルツェも、最初の出だしで声が乱れて
その後、ちょっと無理やり出そうとしていたのが
他の歌手にも伝染してしまったが
まぁ、そういう事もある。
チョイ役だったので別に気にはならない。

圧倒的だったのが、ルネ・パーぺ。

周囲を揺るがすような声量で、深い倍音たっぷりのバスで
たった3ヶ所とは言え
あんな神さまの声を聴いちゃったら

ひれ伏したくなっちゃうんですけど f(^^;)
   いや、一瞬、本気で信仰告白をしたくなりました、ワタシ。

休憩なしの2時間。
ただ、一部を除いて、当然、こういうコンサートに来る人は
フランツ・シュミットの「7つの封印の書」は知っている訳で
私の前で、オーケストラ・スコアを見ていた人もいた。
(が、一番安い席で、若いアジア人のカップルが
 最初から最後まで退屈しまくって
 アイフォンでメールしていたり
 居眠りしていたのがカワイソウだった)

この曲、長いけれど、実に面白い。
面白いというのは、文字通りの意味で
宗教的な要素を取り除いてしまえば

だいたいヨハネの黙示録そのものが
今で言う幻想モノの、SF コンピュータ・ゲームみたい(極論)

神さまのところに行こうとして
天使と一緒に天国に行ったら、王座があって、そこに子羊がいて
王座の上に、7つの封印のある書物があって
封印を一つづつ解いていくと
色々な現象が現れてきて・・・という

まぁ、最初の封印を解くまでに20分かかる、という悠長な部分はあるが
白馬に赤い馬に、黒い馬に
それぞれが、天使がくっついていたり
地上で戦争が起こったり
ペストで死に絶えた中に残った兄弟2人が会話をしたり
地震が起こったり

実に劇的な場面が繰り広げられるのだ。

しかも、それは、歌詞だけじゃなくて
音楽的な表現として出てくるので
次に何が出てくるだろう・・・ ドキドキ、という楽しさが
正にゲームそのものなのである
(キリスト教信者の皆さま、ごめんなさい)

途中で入るオルガンのソロがまた、すごい迫力で
地球の芯から、いや、地獄から立ち上ってくるような
深い、不気味な音から
段々と、天上の音に変わっていく有り様は
視覚的に、むちゃくちゃ楽しい妄想を引き起こす。

ゲームと言うよりは、紙芝居的な劇的要素を巻き散らかし
聴いている者を夢中にさせて、物語世界にグイグイ引っ張りこんで

最後に、神さまの声が救済を告げて
(ルネ・パーぺのソロが、凄かった)

弦がタタタタ〜〜ッと上昇音階を力一杯奏でて
そこに、ハレルヤの大合唱が重なると

ああああああっ (T.T)

  ・・・そろそろ終わるぞ、という喜び・・・・じゃなくて
     熱い感激が大音響と共に、胸に溢れてしまう。

で、最後に、グレゴリオ聖歌のような男性コーラスが
ハレルヤで高揚した音楽を、しっくりと納めて
最初のヨハネスのメロディとソロが、華やかに最後を締めくくるという

う〜ん・・・・
いつ聴いても、やっぱりこれ、大傑作だ。

トナールで伝統的な音楽手法なのだが
途中でアトナールに近い音響の試みもあちこちにあり
幻想的なヨハネの黙示録の妄想を
音楽的に、とことん写実的に描き出すのは

ハイドンの「天地創造」と繋がるところがある (^O^)

明日、同じコンサートがあるし
こんなに素晴らしい音楽を聴いてしまったら
また行きたくなっているのだけれど
火曜日からずっと過酷な往復300キロ x 4回が待っているので
たぶん、月曜日は止めておくつもり。

一部の歌手の調子が100%ではなかったにせよ
コーラスとオーケストラの素晴らしさは特筆すべき出来だった。

やっぱりフランツ・シュミットって良いなぁ
もっと交響曲なんかもナマで演奏してくれないかなぁ、と
痛切に希望する私に
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裏切り者、と散々悪口を言っているけれど
ファビオ・ルイージの指揮姿って
現代において、もっとも麗しい姿の一つである事は否定できない。
・・・・ 口惜しいけれど、やっぱり良いのだ、ルイージは (-_☆)

ウィーン交響楽団 + エリアフ・インバル

Konzerthaus Großer Saal 2012年5月9日 19時30分〜21時45分

Wiener Symphoniker
指揮 Eliahu Inbal
ピアノ Simone Dinnerstein

Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
  Konzert für Klavier und Orchester C-Dur K 467 (1785)
Anton Bruckner (1824-1896)
  Symphonie Nr. 5 B-Dur (1875-1878)

もともとイゴール・ボルトン指揮の予定だったのが
5月7日にキャンセルになって
エリアフ・インバルが当日に代役になったコンサート。
(5月7日・8日・9日と続いてのコンサートである)

コンツェルトハウスのギャラリー席(天井桟敷)ガラガラ・・・
定期公演ではないからかもしれないが
こんな空席の目立つウィーン交響楽団のコンサートなんて初めて。

最初はモーツァルトの、しかもピアノ協奏曲 K 467
理由は言わないが、よ〜く知っている曲である。

ピアニストのシモーネ・ディナースタインはアメリカのピアニスト
美人で若い写真が出ているけれど
遠目で見ると、ちょっとふくよかなオバサンに見える(ごめんなさい!)

ピアノの音の粒の揃い方と響きが、何か、すごく独特な人。
知っている曲なのに
あれ? 今、何した? とドキッとする所がある。

モーツァルトは私には最良の睡眠導入剤なので
途中で気持ち良く眠りかけたら・・・

     何、このカデンツァ????? (@o@)

確かにテーマを使っているのだけれど
その展開が・・・ 転調を繰り返して
現代音楽バージョンになっていて
プロコフィエフの古典交響曲的に、バロックなんだけど現代という・・・

   面白い!!! \(^o^)/

そうだよ、カデンツァなんて
もともと、ソリストが自分の腕自慢のために
華やかに演奏すべきところ。

こういう、超絶技巧モーツァルト編曲版を
ソリスト自身が即興か作曲かして、弾いちゃうというのが
本来の在り方なのだ(きっぱり)

あっはっは、第1楽章のこのカデンツァを聴いてから
第2楽章・第3楽章でも
このピアニスト、何か、面白いことするかも((((o(^。^")o)))ワクワク

・・・というので
初めてモーツァルトで寝なかった(爆)

面白い事は第3楽章のカデンツァまでなかったけれど
(そりゃ、やっぱり楽譜通りに演奏しないとマズイだろう)
でも、この音の使い方、かなりユニーク。

プログラムを見たら、バッハの録音で有名になったとある。
うん、確かに、バッハを弾かせたら
モダン・ピアノでも、バッハ的な粒の揃った、ちょっと曇ったような音で
言葉は悪いが、一般ウケする演奏をする人かもしれない。

私がメインで楽しみにしていたのは
後半のブルックナー、交響曲5番。

    ・・・ 長い (^。^;)

ブルックナーの交響曲は
それだけで1回のコンサート・プログラムになっちゃうのだ、普通。

さすがウィーン交響楽団と言おうか
金管の咆哮は、大迫力で、揃っていて
かなり聴かせるアンサンブルになっていたけれど

   リハーサル不足・・・ (-。-) ボソッ

インバルがしっかり手を入れて表情を付けた部分と
適当に流した(あるいはリハーサルで取り上げていない)部分が
交互に現れて、かなりムラのある演奏になっている。

最後の方になってくると
オーケストラ・メンバーの疲れも見えて(聴こえて?)くるし(笑)

そりゃ、こんな重量級の交響曲、3回続けての演奏では大変だ。
が、木管・金管、むちゃ良かった。
プロのプライドというか、やっぱりすごい体力だなぁ。

コンツェルトハウスだから
プレイヤーが、どんなにガリガリ演奏しても
ホールそのものは、大音響にもビクともしないのだが

やっぱり、弦がどんなにガリガリやっても
どこかのドイツのオーケストラみたいな音は出ません(笑)

いや、でも、これ、
たぶん、ほとんどリハーサルの時間がなかった事を考慮すれば
(で、どこかの別のウィーンのオーケストラと違って
 ウィーン交響楽団って、かなり素直に指揮者に従っちゃうオーケストラだから)
良くやった、と、充分に感激できる出来だと思う。

観客は少なかったし
ブルックナーの途中で帰る人もポツポツ見られたけれど
最後はブラボー・コールが飛び交った (^^)v

これから数日は、コンサートなしで
来週からシュライニング音楽祭開始。
ほとんど毎日
往復300キロを走ろうという無謀な計画をしている私に
(もちろん、仕事はします)
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ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

Musikverein Großer Saal 2012年5月8日 19時30分〜21時30分

ORF Radio-Symphonieorchester Wien
コーラス Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde Wien
指揮 Cornelius Meister
メゾソプラノ Bernarda Fink
オルガン Robert Kovács

Lili Boulanger (1893-1918)
 Psaume 130 “Du fond de l`abîme”
  für Altsolo, gemischten Chor, Orgel und Orchester
Alexander Zemlinskiy (1871-1942)
 Der 23. Psalm, op. 14 für gemischten Chor und Orchester
Arnold Schönberg (1874-1951)
 Pelleas und Melisande, op. 5

祝 今年に入って100回目 (^^)v

 (゜゜☆\(--メ)ポカッ

知り合いから「え?毎日行ってるんじゃないの」と言われたが
1年365日行ったら、破産どころの騒ぎではない (((^^;)(;^^) ))

ウィーン放送交響楽団の、かなり渋い通向けのプログラム(笑)
前半は、宗教曲・・・とは言え
歌詞はともかくとして、あまり宗教的な匂いはしない。

リリ・ブーランジェは有名なナディア・ブーランジェの妹で
1912年に19歳で作曲家としてデビューし
ローマ大賞まで獲得したが、クローン病で24歳の若さで亡くなった。

リリ・ブーランジェの曲は初聴きではないけれど
複雑な和声に、不思議な音響で、先鋭的で現代的。

演奏時間30分近い大曲で
低音のオーケストラに始まり
コーラスとアルト独唱に、コーラスからテノールとの掛け合い。
曲想は複雑で、色々な様相を見せる。

トナールなのだが、アトナール的に響く部分が多く
特に、オーケストラのトゥッティ部分は
どうやったら、あんな音が出せるんだろう?という位
不思議な味のする和声。

メロディとかより、音響にゾクゾクくる私には
ヘンタイ趣味堪能 素晴らしい響きを堪能した。

(ただ、マイスターがすごい大音響で
 オーケストラとコーラスを鳴らせたので
 ちょっとうるさ過ぎた・・・というのはある)

それに比べるとツェムリンスキーは、平凡に聴こえる。
いや、美しいメロディで聴きやすいのだが
伝統的で、目を見張る新しさとかいう要素はない。

後半はシェーンベルクの交響詩「ぺリアスとメリザンド」
12音作曲技法に行く前の
後期ロマン派の香りの強い曲。

ライト・モチーフが使われていて
ワーグナーに近いような強い音が響くかと思えば
フランス印象派のようなイメージがチラチラ出てきて
異様に繊細な部分が飛び交ったり

かねて私は
シェーンベルクは実は
むちゃ情熱的ではないかと思うのだが
この交響詩を聴いていると
その偏見が裏付けられる(ような気がする)

ああ、こういう曲、誰かが視覚化してくれないかなぁ。
モロに劇伴みたいなところが山盛りなので
イラストにするか、コミックにするか
あるいは、映画でも良いし
できれば、モダン・バレエの振り付けだったら
すごくステキだと思うのだが・・・・ ダメですかね?

妄想を目一杯逞しくして聴けば
深い森の中で迷うゴローがメリザンドに会う場面とか
メリザンドとペレアスが恋に堕ちて
ゴローが嫉妬で苦しむ場面とか
・・・・ 全く見当外れという可能性は大だが f(^^;)

でも、昨日の睡眠不足で
妄想する脳が、コンサートの最中、ちょっと眠っていた私に
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ウィーン放送交響楽団のコンサートって、1回しかないので
(ウィーン・フィルだってウィーン交響楽団だって
 トーンキュンストラーだって
 同じプログラムで少なくとも2回から3回はコンサートを行う)
一発勝負で
しかも、放送交響楽団だから、録音までされて(撮り直しは不可)
ウィーン放送交響楽団のコンサートというのは
今日はダメだったけど、2回目は良かった、とかいうのがないので
けっこうシビアである。

ウィーン・フィル + リッカルド・ムーティ


Musikverein Großer Saal 2012年5月7日 19時30分〜21時40分

Wiener Philharmoniker
指揮 Riccardo Muti
コーラス Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
トランペット Hans Peter Schuh

Antonio Salieri (1750-1825)
 Lob der Musik - Kantate für Chor und Orchester
 Venite gentes - Cantate Domino - Kantate für Chor und Orchester
Joseph Haydn (1732-1809)
 Konzert für Trompete und Orchester Es-Dur, Hob. VIIe:1
Franz Schubert (1797-1828)
 Symphonie C-Dur, D 944 "Große C-Dur Symphonie"

久し振りの巨匠リッカルド・ムーティがウィーン・フィルを振る。
昨日、日曜日の11時からも同じコンサートがあったのだが
シューベルト苦手だし
別にいつも同じコンサートを2回聴く事もないか、と買わなかった。

・・・・しまった (T.T)
       昨日、聴いておけば良かった ・・・

サリエリの曲は、まぁ、サリエリだな(謎発言)
コーラスは、楽友協会コーラスで
ここは、人数で稼いじゃえ、というのもあるけれど、非常に巧い。

ハイドンのトランペット協奏曲
ソロはウィーン・フィルの首席トランペットのハンス・ペーター・シュー。

何か調子悪かったですか????
細かいパッセージに音割れが時々聴こえるし (-"-;)

で、第1楽章が終わったら・・・・ 拍手 (*_*)
更に、第2楽章が終わったら ・・・・ また拍手 (*_*)(*_*)

いや、そりゃ、ウチのトランペッターを引きたてようぜ、という
ウィーン・フィルの演奏は
オーストリアっぽくて、ハイドンっぽくて、伝統的で
(モダン奏法である)良かったのだが
何だかなぁ・・・

後半のシューベルト、ハ長調交響曲でも
楽章の途中で拍手されたらヤダなぁ、と思っていたら

やっぱり、楽章途中で拍手。
(上から見ていたら、平土間の真ん中あたりに
 どうもグループがいたようで、釣られて拍手したのが
 やっぱり平土間の後ろの方にいる)

いや〜、私の廻りの常連諸氏も「何だアレ」と
既に休憩中から言っていたのだが

まぁ、ウィーン芸術週間の一環でもあるし、仕方ないでしょう。

別にマナーに反した拍手があっても良いのだけれど
指揮者もコンサート・マスターも苦笑しているし

今日の観客は音楽を知らないな、ってなもんで
緊張感は欠けるし
木管の一部に、ちょっとした乱れがあるし

もともとシューベルト苦手で
最近は、ひたすら聴きこんではいるから
グレートも、頭の中にはある程度は入っているけれど

楽章ごとの拍手で、中ダレしてしまうと
いくらムーティでウィーン・フィルでも
集中できないし
(出だしが荒くなって、調子戻るまでに数分かかる)
何だか納得のいかないコンサートになってしまった。

(まあ、細かい処理で目を見張る部分もあったし
 音楽そのものは、美しく壮大に流れていたから
 別に私が音楽家に対して不満を持つ訳ではないが・・・・)

昨日、日曜日のコンサートは
オーストリア国営放送のラジオで同時中継していて
車の中で、第2楽章、第3楽章を聴いて
うわ〜、かなり凝縮した良い演奏だなぁ、と思っていただけに
ちょっと残念。

で、ついでに生意気ネタに突入してしまうと

(註 ムーティ・ファンの方は、これにてお引き取り下さい。オネガイ)


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アンナ・ネトレプコ + ダニエル・バレンボイム


Musikverein Großer Saal 2012年5月6日 19時30分〜21時15分

ソプラノ Anna Netrebko
ピアノ Daniel Barenboim

Lieder von Nikolai Rimgkij-Korsakow (1844-1908)
Lieder von Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)

ダニエル・バレンボイム・チクルスの一環だが
99%の観客がお目当てにしているのは
ソプラノのアンナ・ネトレプコであろう。

プログラム掲載と同じ写真 ©Dario Acosta
公式サイトから拝借)

声は前に飛ぶのが通例なので
私も、いつもの安い席ではなく
ちょっと贅沢して、舞台正面に近い席。45ユーロ(高っ! (+。+))

ロシア語の歌ばかりのプログラム。

ネトレプコは一時より少しは細くはなったけれど
やっぱり・・・ 大柄だし、厚みもある。

バレンボイムと並ぶと
バレンボイムの頭が、ネトレプコの肩あたりになって
頭一つ分、身長が違う。

最初はブルーのロング・ドレスで、リムスキー・コルサコフの歌。

うううっ
美声で倍音が豊かなせいかもしれないが
何か、音程が不安定だし

声の質も、コロコロ変わって、むらがある・・・ (-"-;)

ただ、歌うにつれ、段々調子が出てきた様子。
繊細でロマンティックなリムスキー・コルサコフ。

後半はチャイコフスキーで
ドレスを代えて、ベージュの、しかもスカートのところに
ヒラヒラの段々があるドレス。

更に、演技が加わってきて
舞台のあちこちを行ったり来たり
バレンボイムの後ろから、肩に手をかけたり
後ろを向いて歌ったり。

あっ、でも、この人、後ろを向いても声が響く。
という事は、全身が共鳴している、全方向性の声を持っているのだ。

ちっ、だったら安いオルガン・バルコンの席でも良かった(爆)

何と言うか、ともかく、オペラ歌手である。
演技があって、コロコロ変わる顔の表情があって
それを見れば、とても楽しめる。

太ろうが、ヘアスタイルがチリチリのおばさんパーマで
見た目が、サザエさんそっくりでも

  私は魅力的なの v(^^)v

という、揺るぎない自信がオーラとなって全身から発散している。

実力のない歌手が、あれだけ「私は魅力的」オーラを振りまくと
虚勢が見えて、みっともないが

ネトレプコの「私は魅力的オーラ」は
何の気取りもなく、建前と本音の違いもなく
全く疑問の余地なしに、自分自身を確信している「魅力的オーラ」で

これだけ自分に自信があると
どんなにオバサンになっても
やっぱり、むちゃ魅力的。

人間、開き直った方が勝ち (違!)

途中の演技も堂々として
時々はユーモラスに、また、悲劇的にシリアスに
そして、1曲の中でも、顔の表情を自在に変えて
観ている者を魅了する。

バレンボイムは、それに比べると
何だか、ミスタッチもあるし、音が小さいし
ネトレプコを立てているのかもしれないが
ネトレプコのあの声量なら
フォルティッシモのピアノだって負けませんって。

ネトレプコがオーラを振りまきっ放しなのに
バレンボイムは、何だか、ただのくたびれたオジサンになってる(失礼)

アンコール2曲目に
ネトレプコがバレンボイムの向こう側(普通、楽譜を捲る人がいるところ)に座り
何をやるかと思ったら

リヒャルト・シュトラウスの Morgen を歌いだした。

・・・・ (沈黙)

          すげ〜、ドイツ語・・・(脱力)

ゴホン _(++) まぁ、それはともかくとして

最後のアンコールが、何と
リヒャルト・シュトラウスのツェツィリア。

う〜ん、もう、何も言うまい。

リズム違ってるし、ピアノ弾けてないし、ドイツ語めちゃくちゃだし
かなり破壊的なツェツィリアを、声の質だけで聴かせちゃったというか

ネトレプコの声がスゴイ事はわかったから
オペラは許すし、ロシアのリートも喜んで聴くけど

ドイツ・リートまで進出しないで良いから・・・ (-。-) ボソッ

でも、あのオーラは確かに人を魅了する。
ロシア的な暗めの声の質で
不安定な部分も多いし
以前に比べたら、体型もかなり変わったのに

鼻血ブーみたいな色気ムンムンは
オバサン体型とオバサン髪型になっても
ほら、私には色気があるのよ!という揺るぎない自信から匂ってきて

あの存在感は(良い意味でも悪い意味でも)凄まじい。

来ている人たちは、中年以降の男性が多く
一時のようなロックスター並みの人気が、まだまだ衰えていない事を感じさせる。
もちろん、コンサート中に必死になって
iPhone で録画していたアホもいたし
カーテン・コールでは、みんな、カメラを持って
ネトレプコの写真を必死な形相で撮っていて

いったい、アナタ方、何しに来たんですか?
   という人たちも(一部には)居た。

スターのオーラ、今だに健在、というところか。
まぁ、また、そのうち、機会があれば
国立オペラ座で、あの、スゴイ声量の美声を聴かせてもらおう。

でも、自分のレパートリーを、どんどん拡大していくのは
ある意味、非常に勉強家というか努力家なんだろうなぁ、と
しみじみ思っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



レストラン・ニコスパーク

遠方より友来る (^^)v

オーストリアに友人が多い彼女が
わざわざ、私に会う時間を作ってくれたのは、とても嬉しい。

久し振りに来れば
あちこちで「会いましょう、来て下さい」のお誘いが
引きも切らないだろうに
私がお願いした本も届けてくれたし I 嬢に心から感謝。

さて、その前に、ウィーン放送交響楽団のリハーサル見学。
メールには11時30分〜12時30分とあって
ウエブ・サイトでは10時30分〜11時30分と記載されていたので
どちらですか? とメールで問い合わせたら
11時30分〜12時30分、という回答が来たのだが
金曜日に電話がかかってきて
やっぱり10時30分〜11時30分です・・・って
あっはっは、イイカゲンというか、ウィーンらしいというか(苦笑)

場所はオーストリア国営放送のラジオ・クルトゥーア・ハウス。



内部のホールは、こういう感じ。



実はこのホールの椅子、大きくて、柔らかくて
ソファーのようで、ゆったりしていて
前もしっかり空いている(よって人が通るのに立たずに済む)という
昔風の作りで、ものすごく座り心地が良い
・・・・ので、居眠りしないように、よほど気をつけないと(自爆)

来週火曜日のコンサートで演奏される
シェーンベルクの「ぺリアスとメリザンド」のリハーサル。
最終リハーサルではないので
後半部分を、し〜っかりやる。

聴きこんでいる曲だったり
スコアが手元にあれば、もっと楽しいのだろうが・・・・

そして夕方、友人と会った私が車を走らせたのは
ノイジードルにあるレストラン「ニコスパーク

伝統的な木の部分の部屋と
現代的な白を基調にした部屋に分かれて
もちろん、庭もある。

庭のテーブルで、ロゼのシャンパンを飲みながら
最初に突き出しとして出てきた
アスパラガスとクリームの一口おつまみ
そして、パンにつけるニンジン・ペースト



右側のスプーンに乗っているのが
一口おつまみだが・・・ いや、この美味さは言葉にできない(感激)

オードブルとして選んだ
グリーン・アスパラガスのフライ


アスパラガスの美味さも然ることながら
下にあるポテトのピュレーの見事さ

友人のオードブルはアスパラガスのジェリー寄せにニジマス



左のジェリー寄せは、ジェリーというよりは
ホワイト・アスパラガスを寄せ集めて、ジェリーでくっつけたという豪華版。
1本だけ出ているところが、かなりユーモラス(笑)



メインで取ったズッキーニのパスタ。ベジタリアン用。
パスタの美味しさもそうだけど
混ざっているズッキーニの絶妙な口当たりと味
ドライ・トマトとポテトのアクセントに
他の味を邪魔しないのに、ちゃんと主張のあるソース。

う〜ん・・・・ 見事だ (--)(__)



友人はメインにホワイト・アスパラガス。
私のヘタな写真じゃわからないけれど
このアスパラガスの太さは、凄かった(笑)

夜になると、外は少し冷え込んできたが
久し振りのお喋りに興じて、コーヒーを前に長っちりの我々に
オーナー氏が、どうぞ、と毛布を持ってきてくれる。

ウエイター氏も、1年に1回か2回しか行かない私を覚えてくれていたようで
(いや、そりゃ、こういう地方のレストランに行く日本人は目立つにしても)
そんなにむちゃくちゃ高いレストランでもないのに
食事の美味しさはもちろんのこと
食事を出すタイミングから何から
サービスの良さは特筆すべきだ。

このクオリティのレストランだったら
ウィーンなら、まず値段がこの2倍はするだろうし
サービスの良さ、という意味では
・・・・ まぁ、これ以上は言わないでおく(笑)

コンサートやオペラに給料以上の金額を注ぎ込んでいるので
滅多に外食しないけれど
たまに、本当に美味しいものを、贅沢に田舎のレストランで
楽しい友人と食す、というのは、命の洗濯になる

と、むちゃ満足な私に
1クリックをお恵み下さい。



ちょっと食べ過ぎちゃって
デザートが入らなかったのは残念・・・
次はデザートまで食べるぞ!
I嬢、その時は、また是非お付き合い下さいまし。


ウィーン交響楽団 + アクハム 2回目

Musikverein Großer Saal 2012年5月4日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 David Afkham
バイオリン Arabella Steinbacher, Violine

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Ouvertüre zu dem Trauerspiel "Coriolan" c - Moll, op. 62
Alban Berg (1885-1935)
 Konzert für Violine und Orchester ("Dem Andenken eines Engels")
Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
 Symphonie Nr. 10 e - Moll, op. 93

昨日と同じコンサートですが、それが何か?(開き直り)

いや〜、この指揮者、ダヴィッド・アクハム、面白い。

たぶん、非常に音響に繊細な人だし
スコアはきっちり読み込んで
各パートのバランスがとても良い。

リズム感もあって、勢いをつけるところは
ちゃんと計算され尽くした強弱とリズムで演奏させる。

で、とってもマジメ(笑)

きっちり弾けるようなテンポで演奏された
コリオラン序曲の後

ベルクのバイオリン協奏曲。

う〜、やっぱり、バイオリンのソロが素晴らしい。
高音パートが多いのだが
実に澄みきった音で
オーケストラと絶対に対立せず

睦みあって・・・というとおかしいけれど
本当に、オーケストラの音響に、ぴったりと寄り添って
溶け合いながら、一体化せずに、ちゃんと出るところは出ている。

この協奏曲は
ベルクが可愛がっていたマノン・グロピウスが19歳で亡くなった事に
触発されて作曲されたもので、副題に「ある天使の思い出に」とある。

作曲家ベルク自身も、その後、敗血症を起こして
同じ年に、歌劇「ルル」を完成させないまま亡くなった。

初演は次の年1936年で、アントン・ヴェーベルン指揮の予定だったが
ヴェーベルンは亡くなったベルクの思い出が強過ぎて逐電してしまい
結局、ヘルマン・シェルヒェンの指揮で初演された。

もちろんアトナールの12音作品なのだが
すごくトナールを感じさせる(最初のモチーフが繰り返し出てくるし)

第一部は、たぶん、マノン・グロピウスの肖像だろう。
で、第二部は、最初から運命の打撃のようなオーケストラが聴こえてきて
その後、苦しみに満ちたパッセージから
途中にコラールまで入って(バッハのカンタータの引用)
最後は天に召されていく様子が見える。

いや〜、12音作品で、これだけ曲の中にドラマが見えるってスゴイわ。
・・・すみません、初心者の感想で f(^^;)

言わずもがなだが、この曲
かの「のだめカンタービレ」でも取り上げられている (^^)v

後半のショスタコーヴィッチ、交響曲10番。
舞台脇の席が空いていて
休憩後に、そこに移った人もいるけれど

私は、あの大音響をオーケストラの真上で聴くつもりはなかったので
いつもの席のまま。
(ちょっとでも、オーケストラから離れようという姑息な手段)

昨日とは違い、客席のザワザワが収まるのを待たずに
指揮棒を動かす指揮者。

第2楽章の、めちゃくちゃな高速運転は
リズムのりのりで
第3楽章の音の表情が、とても豊か。
第4楽章のコーダ後のフィナーレも、むちゃくちゃテンポが速い。

人間が演奏できるギリギリの超高速なテンポで
これに、楽々と着いていったウィーン交響楽団の
名人職人芸には、脱帽する。

テンポは速いが、その分、テンポの揺れは少ない。
強弱でメリハリをつけて
ほんの少しのアッチェルランドで対処している。

音響と言う意味から言えば、実に聴き応えたっぷり。

その分、共産主義バンザイでもないし
あるいは、政治的な意味を無理やり持たされた交響曲という感じも全くせず

プロパガンダとか、意味とかいうものと
全く切り離された、純粋な「音楽」としてのショスタコーヴィッチが提示される。

指揮者自身が、冷静に「音楽」を分析していて
決して、熱くなったり、のめり込んだり、自己陶酔しない、という要素は大きい。

ショスタコーヴィッチと言うと
スターリン時代の共産主義を生き抜いた毀誉褒貶の作曲家というイメージで
曲の解釈も、時代背景たっぷりに
共産党に阿りながら、でも、実はちょっと反抗してます、という解釈が多いけれど

ここまで、そういう時代背景や、秘められたプロパガンダを排除して
純粋に音楽的な側面だけを、徹底的に追及されると
「音楽」として、すごく、すごく、すごく楽しい。

私のようなシロウトが音楽を聴く時には
どうしても事前の知識として
時代背景だのエピソードだのを考えてしまうけれど

そんなモノは全部切り捨てて
音楽として、音響とメロディと
色々な楽器のパートが絡み合い、様々な色を出すのを
単純に「音楽」として楽しみましょう、という

これが実は、本当に「音楽」の楽しみかもしれない
・・・と、ニヤニヤしながら帰路についた私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ワタクシ的には、もっとのめり込むタイプの指揮者が好きだけど
でも、これだけ冷静に計算された音楽を演奏されると
別の意味で感激する。それなりの一つの行き方だよね、あれは。


ウィーン交響楽団 + アクハム 1回目

Musikverein Großer Saal 2012年5月3日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 David Afkham
バイオリン Arabella Steinbacher

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Ouvertüre zu dem Trauerspiel "Coriolan" c - Moll, op. 62
Alban Berg (1885-1935)
 Konzert für Violine und Orchester ("Dem Andenken eines Engels")
Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
 Symphonie Nr. 10 e - Moll, op. 93

昨日はベルリン・フィル、今日はウィーン交響楽団 (^O^)

この間、グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラで
メッツマッハーの代役で登場したダヴィド・アクハムの指揮。

コリオラン序曲。
昨日のベルリン・フィルのような男性的な力強さには欠けるけれど
それでも、結構な迫力で、グイグイ押してくる。

ベルクのバイオリン協奏曲。
ヴェーベルンに比べると、ベルクの音には、ちょっと厚みがあるが
そこにしなやかに寄りそうバイオリンのソロの美しい事。

バイオリニスト、アラベラ・シュタインバッハーは1981年生まれの32歳。
日本人とドイツ人の混血。

スタイル良くて美人。
髪の毛は染めているのだと思うが、金髪に近い茶色。

 ©Arabella.Steinbacher クリックすると大きくなります。

「今日のバイオリニストが美人だったんだけど
 昨今、バイオリニストとして世界に出るためには
 技術とか音楽性だけじゃなくて
 美人でスタイル良くてというのが、不可欠よね」

「で、胸も大きいの?」

はぁ???

「いや、胸が大きいのは歌手でしょう・・・
 だいたい、バイオリニストで太った人っていないし」

「アンネ・ソフィー・ムッターは、あの大きな胸で
 カラヤンに取り行ったじゃないか。
 それから、大音響でガリガリ弾く、というのもあるな」

・・・というのは、コンサート後に行ったモドキ家で展開された
非常に痴的 いや、知的な我々の会話である (アホ)

冗談はともかくとして
ガリガリに弾くタイプではなく
本当に繊細な、でも、ちゃんと出るべきところは出ている、という
(註 スタイルの話ではありません)
かなり魅力的な音色を堪能。

後半、ショスタコーヴィッチの交響曲10番。

出てきた29歳の指揮者アクハムは
咳だのヒソヒソ声でのお喋りが聞こえてくる会場で
微動だにせず、指揮棒を下ろそうとしない。

誰か年配の男性が、客席から何か言って(内容は聞こえず)
ちょっと振り向いてから(何だったんだろう)
ザワザワにめげず、指揮棒を振りおろす。

う〜ん、楽友協会は、待っても待っても
そんなにシーンとはならないのよ。
咳は、いつでもどこでも、誰かが必ずするし(しかも有声で)
椅子は、ちょっと身体を動かせば
すごい音で軋るし。

常々、楽友協会でのショスタコーヴィッチは禁止すべきだ、と
声を大にして言ってはいるけれど(だって、音が大き過ぎる)

さすがにプロというか
それとも、新進指揮者の腕なのか
大音響になっても、各パートがクリアに聴こえてくる。

だから、音の団子がぐわわわわ〜っ、と攻めてくる感じにはならない。
(いや、あの、そ〜いう時もあるんです (^^ゞ)

ピアニッシモ部分を強調して
弦のピチカートだけの、消え入るようなフレーズで
観客席から、ゲホゲホ、ゴホゴホと聞こえてくると
音がかき消されてしまって、ちょっと残念だったが(笑)

ダヴィッド・アクハムは、ザルツブルク音楽祭の指揮コンクールで優勝して
一躍、躍り出て来た若手だから
まだ、コンサートのみで
オペラとかバレエとか、振った事がないようだ。
(ドゥダメルもそうだね・・・ 若手では多いのか?)

本当は、若いうちから
オペラやバレエを振ると、それなりの柔軟性が出てくるんだけど・・・
というのは、歳とったオバサンの希望である。

まぁ、もう1回同じコンサートに行くので(笑)
また感想が変わるかもしれない

という柔軟性だけしかない(節操がないとも言う)私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ベルリン・フィルの時には盛大にいた日本人観光客が
本日のコンサートには、ほとんど見かけられず・・・
アクハム、まだ29歳だけど
ドゥダメルだって、ウィーン・デビューは若かったのよ。
(あの時は、誰もそんなに注目してなかったもんなぁ)

ベルリン・フィル + グスターボ・ドゥダメル

Musikverein Großer Saal 2012年5月2日 19時30分〜21時20分

Berliner Philharmoniker
指揮 Gustavo Dudamel

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
  Symphonie Nr. 5, c-Moll, op. 67
Richard Strauss (1864-1949)
  Also sprach Zarathustra,op. 30

日本のゴールデン・ウィークの後半が始まって
このコンサートも日本人が多い。

ウィーンでベルリン・フィルというのも、何となく場違いな気がするが(笑)

昨日のスペイン式馬術学校でのコンサートの様子は
ドイツのテレビ局のテレビテークで見られる → ここ
期限切れになる前にぜひどうぞ。
ドイツ語だけど、ちょっと観光的なポイントも入っている (^^)

さて、プログラムを少し変えて
今度は楽友協会でのコンサート。

ところで、突然だが
本日のウィーンの気温は30℃近くまで上がり
太陽が燦々と輝いて、直射日光の下では
ものすご〜〜〜く暑かったのだが

ちょっと仕事で、この直射日光の下、2時間くらい動き回ったせいで
ともかく、私はヘロヘロの状態 f(^^;)

最初はベートーベンの交響曲5番。

昨日も元気な演奏だったが
今日は、昨日に輪をかけて、最初から凄いテンポで

何か、昨日のコンサートより、心もちテンポ上がってません?(疑)

加えて、何だか、オーケストラの張り切り方が異様というか
ハイパー・テンションである(ように聴こえる)

このコンサート、もちろん売り切れだが
かなり前の会員発売日にトライしたにも拘らず
不本意な席しか取れず(しかもいつものコンサートより高かった!)
音はいつもの通り良い席なのだが
ともかく、な〜んにも見えない。いや、別に良いんですが。

よって、音だけに集中すると

う〜ん、やっぱり

 何てマッチョなオーケストラ!!!!

テンポが速くて、爆発的なのもステキだが
第3楽章のトリオ部分の
あの、低弦のガリガリというか

ああ、あんな低弦の大音響、しかも
本当に「ガリガリ」と聴こえてきそうな大迫力
(しかも、テンポがむちゃ速い)
ウィーンのオーケストラでは聴けません(断言)

ノリノリというよりは
何だか、全員揃って、熱に浮かされているような
すごい迫力の演奏で

パイパー・テンションになると、あっ、というところも
なかった訳ではないが
(というより、私の耳が悪かったのか
 あるいは、音響が豊か過ぎて
 ヘンな倍音が響いてきた可能性はある)

でも、こういう、めちゃくちゃマッチョなオーケストラって
すごく私好み v(^^)v

「ツァラトストラはかく語りき」は
最初だけで、もうお腹一杯になってしまう曲なので
敢えて書かないけれど

う〜ん、こういう力強い、男性的でダイナミックで
音が大きくて、時々ワイルドなオーケストラ
ウィーンのオーケストラとは全く違っていて

こういうオーケストラ、ウィーンに一つあったら良いのに、と
本気で考えていたアホな私に

どうぞ1クリックをお恵み下さい。



5月に30℃・・・って
ヨーロッパ、本当に、冬と夏しかなくなっちゃいました(爆)

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