ウィーン・フィル + トゥガン・ソキエフ 1回目

Musikverein Großer Saal 2016年12月1日 19時30分〜22時

Wiener Philharmoniker
指揮 Tugan Sokhiev
ピアノ Rudolf Buchbinder

Lugwig van Beethoven (1770-1827)
 Konzert für Klavier und Orchester Nr. 5, Es-Dur, op. 73
Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
 Symphonie Nr. 5, e-Moll, op. 64

ウィーン・フィルの定期公演のソワレ。
土曜日・日曜日の定期公演とは別に
夜のコンサートだけで6回のチクルス。

もちろん、これも会員さまだけの(笑)コンサート。

以前は土曜日・日曜日定期とプログラムが被ったのだが
最近は別の指揮者で別プログラムの時があるから
油断がならない。

今回は、ほとんど定期会員からのキャンセル・チケットはなかった様子。
でもまぁ、何とか自分の分のチケットは手に入れて
舞台の見えない席にどっしり座っていたら

突然鳴り出す
ウィーン・フィルの音によるハッピー・バースディ。

ありゃりゃ、今日はピアニストのブッフビンダーの誕生日だったのか。
(他人に興味ないから知らない(笑))

全員がスタンディング・オベーションで拍手した後
ベートーベンのピアノ協奏曲5番。
言わずとしれた「皇帝」の華やかなメロディ。

一ヶ所だけ、あれ?と言うミスタッチがあって
(このピアニストでは非常に珍しい)
調子でも悪いのかなぁ、とは思ったけれど
(註 内部の話だと、時々二日酔いの事があるらしい(爆笑))
ノーブルで気取らず
ゲルマン的な骨格とウィーン風のチャームを持った
聴き応えたっぷりのベートーベン。

夏にもグラーフェネックで
ブッフビンダーの弾き振りで聴いたけれど
あの時は野外音楽堂だったから音が拡散してしまって
やっぱりホールで聴くと良いわ ♡

演奏が終わって聴衆が拍手していると
突然聞こえるマイクを通した声
(すみません、舞台見えないので)

ウィーン・フィルからブッフビンダーに
誕生日おめでとうのメッセージ。
いつから共演して、一時関係が途切れて
それからまた最近、一緒に演奏できる機会が増えて
・・・みたいな内容を
映画のタイトルに絡めて(これが面白かった)
最後にウィーン・フィルの名誉会員を授与。

ブッフビンダーがそれに応えて短いスピーチ。
(当然ながら、感謝のスピーチである)
続けて、アンコールでシューベルトのアンプロンプチュ。

ブッフビンダー、滅多にアンコールやらないので得した気分 ♡
そうか、ルドルフ・ブッフビンダーも70歳になられましたか。

今みたいにウィーン・フィルや何かと
あちこち飛び回って、日本にも行って
派手にアピールする前から
ウィーンのピアニストと言ったらこの人です!と
ファンだった私には感慨深い。
(だってグラーフェネック音楽祭が10周年だったから
 始まったのが2006年でしょ。
 私はその前からブッフビンダーには注目していた、えっへん)

しかしこういうセレモニー
堂々とドイツ語だけでやっちゃうのが
さすがウィーン・フィルの定期公演と言うか・・・
常連さん(=会員)だけですよね、基本的には(笑)
堂々とローカルで良いわけだ、わっはっは。

後半はチャイコフスキーの交響曲5番。

実は今日と明日が同じプログラムで
明日は楽友協会主催公演。

土曜日と日曜日はオーケストラと指揮者が変わって
ピアニストも変わって
ピアノ協奏曲はベートーベンじゃなくてサンサーンスで
でも、後半はチャイコフスキーの交響曲5番。

ウィーン・フィルは今日と明日の楽友協会の後
来週火曜日には
何故かピアノ協奏曲だけ
ベートーベンからグリークに変更して
コンツェルトハウスで
やっぱり後半はチャイコフスキーの交響曲5番を演奏。

・・・え〜っと、読者ご推察の通り
全部チケットは押さえております(根性悪)

さてウィーン・フィルで聴くチャイコフスキーの5番。
トゥガン・ソキエフは指揮棒なし。

・・・何か、何これ
音が柔らかくて、スカッと抜ける感じで
でもあくまでも優雅に、丸みを帯びた厚みを持って
完璧なアンサンブルで演奏して来る弦に
まずはノックアウト。

ソキエフは割にワイルドな音楽作りをしているのである。
よって、フォルティッシモとか
結構スゴい音量で鳴るんだけど
これはウィーン・フィルの自浄作用なのか
音量がすごくても
ホール一杯にフワッと響いて
どんなにワイルドでもノーブルに聴こえてしまう。

ううう、恐るべしウィーン・フィル(本気で思ってます)

哲学的な深みとか
(まぁ、音楽にそんなもんは要らんのだが)
フェドセイエフが悲愴でやったような
あるいは5番で見せてくれたような、とことん愛、というものは
あまり感じなかったけれど
(指揮者はかなり深く入り込んでたみたい)
音楽的に聴いてみれば

まぁ、フォルテの部分がむちゃくちゃ多くて
力んでるなぁ、という印象はあったにせよ
エネルギー満杯の
山あり谷ありのドラマチックな演奏だった。

でもそれより何より
やっぱりオーケストラの音の美しさですよ、これは。

ううううん
ここまで優雅な響きを聴いてしまうと
週末のウィーン交響楽団が
これに対抗する印象を残すか、微妙なところだなぁ。
(だいたい音の質が違うし。どちらが良い・悪いではないが)

ちょっと仕事上の問題が山積みで
幕間にいや〜な電話があったりしたんだけど
(註 プライベートではございません(笑))
いや〜な電話の後に
いや〜な気分で聴いたチャイコフスキーとは言え

あれだけノーブルな大音響に晒されると
いや〜な気分も多少は上向いてくる感じ(笑)

昨日は初雪だったけれど(積もってないし朝は溶けてた)
今日はすごい風が吹いていて
ああ、冬だ、とは思うが

チャイコフスキーの描くロシアの冬に比べれば
そして
チャイコフスキーが感じた人生の苦労に比べれば

ウィーンの冬の暗さだって
仕事上のいや〜な気分だって
全然たいした事はないわ

と、自分を鼓舞している私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



お気付きかと思いますが
11月1日から連日連夜、時々2連発とか3連発という
むちゃくちゃな生活をしていて
本日で連続コンサート32日目。
11月は30日間で35回のコンサートやバレエに行っちゃいました(冷汗)
安給料でもちょっと節約すれば
こういう事も出来ちゃうのがウィーンの良いところ(笑)

ウィーン交響楽団 + ルドヴィーク・モルロー

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2016年11月30日 19時30分〜21時40分

Wiener Symphoniker
指揮 Ludovic Morlot
パーカッション Voctor Hanna
ピアノ Nicolas Hodges

Chales Ives (1874-1954)
 The Unanswered Question (Two Contemplations Nr. 1) (ca. 1908/1930-35)
Karl Schiske (1916-1969)
 Symphonie Nr. 5 “auf B” op. 50 (1965)
Olga Neuwirth (*1968)
 Trurliade - Zone Zero.
  Relief méta-sonore für Schlagwerk-Solo und Orchester オーストリア初演
James Clarke (*1957)
 Untitled No. 8 für Klavier und Orchester (2016) 初演
Maurice Ravel (1875-1937)
 La Valse. Poème choréographique pour orchestre (1919-20)

ウィーン・モデルン最終コンサートは
マルティン・グルービンガー率いるパーカッション・プラネットの
最初の公演でもあったのだが
何か、席、結構ガラガラなんですけど・・・

アイヴスとかラヴェル、シスケはともかくとして
(ジェームス・クラークも突っ込みどころはあったが悪くなかった)

オルガ・ノイヴィルトの約32分の新曲。

あれはいったい何なんですか???????

現代音楽の新曲を鑑賞すると
10曲聴いたうちの8曲くらいは
ケッ、という感じなのだが
(ああ、現代音楽の作曲家の方々ごめんなさい)

この曲、ケッ、どころじゃないわよ。

会場に行ったらドアのところに張り紙があって
マルティン・グルービンガーは病気のためキャンセル
と書いてあったが

この曲がイヤで逃げたんじゃないだろうか・・・(邪推)

大編成オーケストラはよくあるし
見慣れないパーカッションの「楽器」?なのか、判別のつかない
ワケのわからないものがズラッと並ぶのも良しとしよう。

ドラム缶とかあったけれど、まぁ、気にしない。

最初の演奏部分で、太鼓から糸だして
オーケストラのパーカッショニストが
何か引っ張り出していたけど

それも無視するとしよう。

100歩譲って、舞台の後ろに
昔懐かしのレコード・プレイヤーを前にした
DJ が居るのも許す。

しかし、この曲
一応、パーカッション・ソロとオーケストラの曲だよね。

なのに

あの絶望的なほどに存在しないリズム感って
いったい何????(驚愕)

しかも音楽のフラグメントも掴めないし
構成的なものも、全く表面に出て来ない。

要は音楽、いや、100歩譲って「音響」ないしは
「ただの雑音」と考えたとしても

あの32分は、あり得ない絶望的な音楽性とリズム感の欠如だった(断言)

苦痛です・・・・しかも退屈だし・・・

しかも(まだあるんですよコキ下ろしのネタが)
オーケストラを見ていると

DJ がレコードなんか弄くった後に
あの巧いフルーティストが吹いているのは
長さ10センチくらいの木の縦笛。
その後ろでクラリネット2人が小さなハーモニカ吹いてる。

金管が全員揃って
何故か自分の楽器の吹き口を
手で叩いてますが(もちろん何にも聴こえません)

更に弦楽器プレイヤーたちが
突然、ハンディ扇風機を取り出して
時々、爪をたてて羽に触っていたりって

これはもしかしたら
オーケストラのパーフォーマンスを鑑賞する演目なのかしら。

かなりのオーケストラ・プレイヤーが
耳栓をしていたようだが、さもありなん。

誰がどんなに間違えても
誰もわかりませんから(たぶん作曲家も)
大丈夫です、ご安心下さい。

いや、悪いけど
音楽的に聴くものは何もないし
リズム感ゼロだし
何がパーカッション・ソロって言って
あんなリズム全くなしのパーカッションって
パーカッショニストにも苦痛だろ。

予々、オルガ・ノイヴィルトは
オーストリアの女性作曲家という事で
(きっと政治的な絡みとかもあって)
評価され過ぎじゃないか、と考えていて

しかも作る曲が
何か上から目線でむちゃ偉そうで
タイトルも気取っていてワケわからんし

いやいや、そんな偏見を持って
この曲を聴いてはいけない。
初心に戻って、純粋に音楽として聴かねば・・・

と堅く決心して真摯に聴いたのにもかかわらず

あのまとまりのないリズム感ゼロの雑音の連続に
途中からもう笑い出しそうになっちゃうし。

ほら、タモリがよくやった
ワケのわからない外国語ってあるじゃないですか。
(少なくともタモリのニセ外国語はセンスがあったけど)
それとも精神病の一症状として発症する
言葉のサラダ、という奴。

せいぜい10分かソコソコであれば
何とか新鮮さを保ちながら
努力すれば、何とか我慢できるナンセンスが

32分続いたら
聴いてる方もヘンになります(断言)

ノイヴィルトの曲って
後40年もして、本人が政治的コネクションを失うか
スポンサーを失うか、歳とって作曲しなくなるかしたら
誰も演奏しないですよ、きっと。

さて、あまりにコキ下ろしし過ぎると
読者から反発も喰らうだろうから
ここら辺にしておいて

チャールス・アイヴスの「答えのない質問」は
もう何回もナマで聴いていて
トランペットと木管を
楽友協会だとオルガン・バルコンに置いたりするのだが

コンツェルトハウスは舞台が広いので
舞台上でも、充分に遠近が聴こえて、なかなかよろしい。

チャールス・アイヴス好きなんだけど
私の好きなセントラルパーク・イン・ダークとか
ホリディ・シンフォニーとかって
ウィーンでは絶対に演奏してくれない(涙)

アイヴスからアタッカで続けた
カール・シスケの交響曲は
うはははは、交響曲ですねこれは。
ちょっとパロディ入ってるけど(笑)

後半の最初のジェームス・クラークのピアノ協奏曲は
4分の1音に調律した(=調子外れの)ピアノを使って
モチーフが繰り返されて
そこにオーケストラが絡むという作品。

4分の1音に調律された
ベーゼンドルファーのコンサート・グランドなんて
調律師泣かせだわね(わっはっは、調律師さんお疲れさま)

エリートの教育ママが子供を連れて来ていたら
ウチの子供の音感を破壊するおつもりですの?とか怒りそうだ。
(エノ・ポッペが昔よくやってた(笑))

先日、見事なメシアンを聴かせてくれた
ニコラス・ホッジスが
またもや、非常に生真面目な顔でピアノを弾く ♡

4分の1音で調子外れなのに
音の重なりが美しい
というより倍音一杯で
音響オタクには嬉しい。

ピアノのペダルのごとく
倍音っぽいものを出そうとするオーケストラと絡まるのだが

ううううん、この作曲家
ピアノの倍音の扱いは巧いのに
オーケストラの響きの扱いの杜撰さは何なんだこれ。

リゲティみたいにずらした弦を
何本も重ねないと、調子外れのピアノの音の重なりとは合わないだろ。

約15分の作品だが
ストーリー的には

オーケストラによる殺ピアノ事件

みたいな作品。
(殺人事件じゃなくて、殺ピアノ事件)

現代音楽祭の最終コンサートの
最後の曲が
ラヴェルの「ラ・ヴァルス」というのもどうかと思うが

ウィーン交響楽団が急に張り切って(爆笑)
目の醒めるような色彩感で演奏してくれたのが印象的。

いや〜、オーケストラのメンバー
辛かったんだろうなぁ。
本気で同情するわ。

という訳で
今年もウィーン・モデルン現代音楽祭終了。
今回は現代音楽カテゴリーというよりは
古典作品との組み合わせも多かったし

途中でずいぶんウワキしたので
結局ゲネラル・パスを買って得したのか損したのか
ちょっとわからないんだけど

まぁ、わからなくても
面白い発見も時々あったし
それはそれで良し、と楽観的に考える私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



恒例、ニューイヤー・コンサート指揮者当てクイズは
こちらから、ぜひどうぞ。

例年の指揮者当てクイズ(笑)

さて、そろそろナニのシーズンがやって参りました。

いや、2017年の指揮者がドゥダメルという事で
ショックが11ヶ月抜けず(笑)
忘れていましたが

今回もマンネリで
2018年のニューイヤー・コンサートの指揮者を
勝手に推測するアンケートを作成しました。



奮って指揮者選択をどうぞ。
ご意見等もお待ちしています。


クラング・フォールム + エミリオ・ポマリコ

Semperdepot 2016年11月29日 20時〜22時20分

Klangforum Wien
指揮 Emilio Pomàrico
ソプラノ Claron McFadden
クラリネット Olivier Vivarès
コントラバス Uli Fussenegger
バイオリン Gunde Jäch-Micko

Hans Zender (*1936)
 LO-SHU I für 1-3 Flöten, 1-3 Violoncelli und 1-3 Schlagzeuger (1977)

Giacinto Scelsi (1905-1988)
 Anahit. Lyrisches Poem über den Namen der Venus
  für Violine und achtzehn Instrumente

Hans Zender
 4 Enso (LO-SHU VII) für 2 Instrumentengruppen (1997) オーストリア初演

Klaus Huber (*1924)
 Ein Hauch von Unzeit VII (1972)
  (Fassung für Kontrabass von Fernando Grillo, 1989)

Hans Zender
 FŪRIN NO KYŌ für Sopran und Ensemble mit Solo-Klarinette (1988-1989)

ウィーン・モデルン現代音楽祭も終わりに近づき
今年80歳になる作曲家、ハンス・ツェンダーの特集を
クラングフォールムがシリーズで(ゲネプロ公開を含む)やっているのだが
日中(公開ゲネプロ)は仕事だし
夜はウワキを繰り返していたし(えっへっへ)
結局、最後の公演だけ、何とか時間を作って行った。

ウィーン・モデルンのプログラムのウエブを見たら
最後の曲が

FURIN NO KYO

となっていて
しかも、ブライトコップフで出版している楽譜にも
Furin no kyo と書いてある (→ 証拠

いや、ハンス・ツェンダーが日本の伝統文化のファンなのは知っているが
フリンのキョ、というのは・・・う〜ん・・・(悩)

と思ってウィーン・モデルンのプログラムを見たら
Uの上とOの上に傍線があった。

あ、フリンじゃなくてフーリン・・・

「キョ」の謎は
ツェンダーの他の作品で、無字の経というのがあるので
風鈴の経???

で、コンサートの後
当該の作品を聴いてみた後も
全然わからないのだが

「風鈴」ではなくて仏教の「風輪」の方なんだろうな、きっと。
勝手に納得しているが
全く知らずにフリンのキョと思って聴いたとしても
あまり印象は変わらなかったかもしれない。
(すみません感受性ゼロで(汗))

ツェンダーに関しては
シューベルトの冬の旅の現代音楽改訂版が有名で
実はワタシ、あまりこれが好きじゃなくて
(あのシューベルトを弄るな!というのがあって)
今まで、ツェンダーの作品をじっくり聴いた事がなかったのだが

最初の LO-SHU でひっくり返った。
この LO-SHU は儒教の河図洛書の事だろう。
十数図とか九数図とか、面倒な数字などがあるようだが
(で、きっとツェンダーはその思想を曲の中に取り込んでいるのだろうが)

そんな事を考えなくても
楽器の奏でる、重ならない音の散らばり具合が
音響オタクのハートにガンガン響いてくる ♡

ちょっとシャリーノ風味かも。

あらやだ、これ好き ☺️

指揮者のポメリコが、また全身全霊で指揮してるし
(私、この指揮者のファンなんです ♡)
静かなホールに響き渡るフラグメントが魅力的。
色々な楽器のグループが、それぞれに音を奏でて
途中でプレイヤーたちが歌いながら演奏する楽章もある。

こういう音楽だったら、CD で聴いても素敵だわ、きっと。
(で探したのだが、まだ見つかっていない)

音響オタクなら泣いて喜ぶジャチント・シェルシの曲。
だって私、何が好きかと言って
いわゆる現代音楽に関して最もハートに直撃するのが
スペクトル楽派なので、そのモトになったシェルシは大好物(笑)

この曲も、実に不思議な曲で
もちろん1音に集中して、そこからの倍音という技法だが
あのね、これ、小オーケストラの演奏なのに
途中から女声コーラスが聴こえるんです。

あれ?おかしいなぁ。
ツェンダーの曲みたいにプレイヤーが歌ってる?と錯覚するが
実は音(特に木管)の重なりで
人間の声にむちゃくちゃ近い倍音を作っている。

うわあああああ、こういう音響のお遊び、大好き。
(作曲家にはお遊びじゃないだろうが・・・)
悶絶してしまう。ううう、来て良かった。

後半のツェンダーの曲は
舞台上の編成と、奥の楽屋のドアを開けたところから
それぞれに響き合う曲で
左右の耳がそれぞれのオーケストラ・グループに反応して
これもドキドキの曲。

クラウス・フーバーの曲は
トナールのフラグメントに特殊奏法をぶち込んだ感じ。
たぶん、フーバーの事だから
複雑なリズム処理をしているのだろうが
ド・シロートにはわからないから(すみません)
楽しくコントラバスの特殊奏法の音響を満喫させてもらう。

最後のフリン、じゃなかった風鈴か風輪か
はたまた楓林の経は

ソプラノのマクファーレンが凄い。
この人、以前のコンサートでも
その音感の良さと、声の自由自在な使い方にビックリしたが
今回もテキスト、歌声、地声その他
声の展覧会みたいな印象。

いや〜、青春時代に
キャシー・バーベリアンで吹っ飛んでいた頃が懐かしい。
今や、現代音楽の歌手は、バーベリアン以上の技能を
当たり前に要求される時代になって来たのか、う〜ん。

途中でドイツ語の(哲学的な)テキストも出て来たし
言語のフラグメント的なものを活用して
風鈴・・・ではなかったようだが(笑・印象として全く違う)
フリンと思って聴けば
まぁ、そういう解釈も可能かも(こらっ!)

現代音楽の難しい理論は色々とあるだろうが
ド・シロートの観客に取っては
奏者がどんな難しい事をやっていても
作曲家がどんな複雑な楽譜を書いても
出てくる音そのものがすべて(極論)

いや、本当は頭で聴く音楽と言うのもある筈だから
私の聴き方は邪道なのかもしれないけれど

邪道だろうがフリンだろうが
聴いて楽しければそれで良いんだもんね
・・・・と
おバカな開き直りをしている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ここまで偉そうな事を書いていて
今さら恥ずかしいんだけど(今さら何を)
コンサートの間、たぶん、ずっと寝てました(自爆)

いや、ちゃんと頭では音楽は聴いていたんだけど(言い訳)
宇宙空間の中に浮かびながら白昼夢の世界に揺蕩っていたという
実はむちゃくちゃ幸せな状態(わっはっは)
イビキはかいてません。ご心配なく(笑)

国立バレエ トス・ホイールドン・ロビンス 6回目

Wiener Staatsballett 2016年11月28日 19時〜21時45分

THOSS / WHEELDON / ROBBINS

BLAUBARTS GEHEIMNIS (Ausschnitt)
振付・舞台・衣装 Stephan Thoss
音楽 Philip Glass “Façades”, Auszüge aus “The Secret Agent, Company
“Tirol Concerto for Piano and Orchestra” (2. Satz)
青髯公 Mihail Sosnovschi
ユーディット Eszter Ledán
青髯公の母 Gala Jovanovic
青髯公のアルター・エゴ Francesco Costa
Ioanna Avraam, Iliana Chivarova, Sveva Gargiulo, Hannah Kichert,
Erika Kováčová, Andrea Némethová,Anna Shepelyeva, Iulia Tcaciuc,
Franziska Wallner-Holinek, Céline Janou Weder
Attila Bakó, Marcin Dempc, Trevor Hayden, András Lukács
Igor Milos, Kamil Pavelka, Jaimy van Overeem

FOOL’S PARADISE
振付 Christopher Wheeldon
音楽 Joby Talbot “The Dying Swan” (Orchesterfassung)
衣装 Nariciso Rodriguez
Ketevan Papava, Nina Poláková, Eszter Ledán, Anita Manolova,
Denys Chrevzchiko, Robert Gabdullin, Eno Peci, Alexis Forabosco,
Alexandru Tcacenco

THE FOUR SEASONS
振付 Jerome Robbins
音楽 Giuseppe Verdi (Les Vépres siciliennes, Jérusalem, Le Trouvère)
舞台・衣装 Santo Loquasto

ヤヌス Gabor Oberegger
冬のアレゴリー Igor Milos
春のアレゴリー Beata Wiedner
夏のアレゴリー Andrea Némethová
秋のアレゴリー Kamil Pavelka

冬 Nina Tonoli, Greig Matthews, Scott McKenzie
Elena Bottaro, Natalya Butchko, Svena Gargiulo, Anita Manolova
Suzan Opperman, Xi Qu, Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto

春 Natascha Mair, Jakob Feyferlik
Marian Furnica, Trevor Hayden, Alexandru Tcacenco, Andrey Teterin

夏 Alice Firenze, Roman Lazik
Venessza Csonka, Adele Fiocchi, Rebecca Horner, Gala Jovanovic,
Hannah Kichert, Erika Kováčová

秋 Richard Szabó, Ioanna Avraam, Vladimir Shishov
Abigail Baker, Marie Breuilles, Iliana Chivarova, Katharina Miffek
Iulia Tcaciuc, Liudmila Trayan, Franziska Wallner-Hollinek,
Céline Janou Weder, Attila Bakó, Marat Davletshin, András Lukács,
Tristan Ridl, Zsolt Török, Arne Vandervelde, Jaimy van Overeem

指揮 Alexander Ingram
ピアノ Laurence Lisovich
ピアノ Shino Takizawa

どうせシツコイです(開き直り)

でもこのシーズン、この公演はあと12月に1回だけあって
その日はウィーン・フィルのコンサートと重なっている上
(まぁ、メンバーは基本的には同じだが(笑))

チャイコフスキーの交響曲5番を
違うオーケストラと指揮者で5連発

というアホな計画をしているので
今シーズンの記録はこれが最後。

国立オペラ座にはアボというシステムがあって
オペラとかバレエとか
まぁ、幕の内弁当みたいに色々なものが入っている
シーズン・チケットがある(多少割引あり)

好きなものが完璧に偏っている私には
あまり縁のないアボだが
アボを持っていると万遍なく色々な公演を鑑賞できる代わりに
好みじゃない、というものも入ってくる訳で

一般発売日をカレンダーにメモして
せっせとバレエのチケットだけ買いまくる私は
今回は 1. Rang のロジェ9番の3列目壁際という
理想に近い席をゲットしていたのだが

1幕目が終わった後
1列目の2人、年配のご夫婦が帰って来ない。
たぶん、アボの人だろう。

すかさず私の前の2列目の人が1列目に移動して
私も2列目に移動(1列目の隙間から舞台はよく見える)

いや、そこまではよくある話なんだけど

2幕目が終わって戻って来たら
1列目の年配の女性が

「アナタも席を変わったら?」
「いや、もう変わってますよ。2列目に移動しました」
「そうじゃなくて
 隣のロジェ、全員帰っちゃって誰もいないけど?」

・・・はあ?

隣のロジェに行ってみたら
本当に誰も居なかった(笑)
ロジェ一つ貸し切り状態って、どういう贅沢?

空き席があると民族移動が始まる
楽友協会やコンツェルトハウスとは違って
国立オペラ座は席に関しては割にうるさいのだが
(立ち見席買って、前が空いてるって座っちゃうと
 係員が飛んで来ます。そりゃそうだ、値段が違うわい)

まぁ、ワタシ、常連ですし(違)

今日はギリギリに行ったら
キャスト表を売ってるオバサンが
わざわざ私のところまで飛んで来てくれたし
入り口のチケット係の女性も
「大丈夫よ、間に合うわよ」と励ましてくれたし

いや、何を言ってるんだワタシ。

青髯公(これは3列目から立って観てました)
ミーシャが役柄と同一化して来た(笑)

時々、荒い息など吐きながら
何か、ものすごくリアルに
青髯公になり切っちゃってる。

で、これが何とも妖しい(ドキドキ)
繊細なハートを持った殺人鬼・・・って感じで

ああああっ、エスター、危ないわ 😓

ところがこの間の公演でもそうだったけれど
ここでエスターが、法悦状態の「女」に化けるんですよねぇ。

ガラの演じる冷たい冷たい冷たい姑さんにも
しっかり対抗して強い女になって行くし
ミーシャもタジタジ(笑)

私の大好きなフールス・パラダイスについては
もう何も言うまい。

この作品と
ビフォー・ナイトフォールと(これはマルチヌーの音楽です♡)
ベラ・フィグーラと
この間のムルムレーションと
テープでルネサンス音楽を使った魂のため息は
私の観たモダン・ダンスの中でも
最も美しいものに数えられる。

もしかしたら、もっとあるんだろうなぁ。
モダンとか近寄り難いと思っていると
とんでもない作品があるから油断できん。
(とんでもなく素晴らしいか
 とんでもなくアホらしいかのどちらかである。
 現代作品ってそういうモノだ。)

ヴェルディの「四季」は
ダンサーもオーケストラも慣れたもので安心して鑑賞。
しかもこの演目はロジェ貸し切り状態で1列目。わ〜い。

冬のバレエ・ダンサーたちが可愛い事、この上ない。
芝本梨花子ちゃんもコールドに居るんだけど
もうキュートでキュートで胸きゅんきゅんのオバサン全開状態。

ニナ(トノリ)が可愛いし
表情がクルクル変わって表現力抜群で
癖のないキレイな踊りを見せてくれるし ♡

春のソリストのナターシャとヤコブ ♡♡♡
だめだワタシ、もうすっかり虜よ、うん。

ヤコブが今回は余裕が出て来て
無理のない
空間を大きく掴むジャンプとピルエット。

しかもこのダンサー
ピルエットの軸が全くズレないじゃないの。

若々しくて(まだ20歳になるかならずか)
体幹が真っ直ぐで、本当に美しい身体をしていて
四肢が長くて、華があって
初々しい真っ直ぐな気負いのないダンスを見せてくれて
ああああ、おばさんは嬉しいですっ(感涙)

夏に登場するアリーチェとローマン。
この間、夏のシーンは見せ所がない、とか書いちゃって
ごめんなさい!!!

だってローマンのソロって
結構大技のジャンプとかあるんだけど
何とも優雅に飛んでしまって
しかも着地がぴったりとオーケストラの音楽のアクセントに合っていて
着地した、という事も感じさせないノーブルさ。

この舞台
ヴェルディの華やかな音楽と
ユーモアに満ちたロビンスの振付に加えて
舞台の色彩がとてもキレイ。

冬の白、春の緑、夏の黄色と、秋の渋い赤が
キュートな衣装で登場して
最後にダンサー全員が舞台で踊るシーンは
各季節の彩りがセンスの良い状態で
舞台の上で混じり合って
視覚的にもため息が出るほどに美しい。

今シーズン最後の公演を
すご〜く良い席で(3分の1だけでも)
観る事が出来てラッキー ♡

読者の皆さまも
同じ演目に6回もお付き合いいただき
ありがとうございました。

感謝の気持ちを籠めてる(つもりの)私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ほんの少しだけですが
国立バレエのトレイラーがあったので
貼っておきます。
(あまりに少し過ぎて物足りない(爆))



12月2日の公演、まだチケットあるみたいで
しかもロジェの8番とかの3列目も空いてるので(狙い目ですここは!)
ウィーン在住の方、ぜひご覧下さい。
(国立バレエ団の回し者みたいだな(笑)賄賂もらってません(爆笑)

ニコラス・ホッジス メシアン「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」

アホなので日曜日に3回のコンサートに行きました(許して)
時系列で読みたい方は
11時からのコンサートは ここ
15時30分からのコンサートは ここ

下は最後のコンサートの勝手な感想記です。
しかし、今日は本当に充実していた ♡

Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2016年11月27日 19時30分〜22時10分

ピアノ Nicolas Hodges

Olivier Messiaen (1908-1992)
Vingt regards sur l'Enfant-Jésus (1944)

ウィーン・モデルン現代音楽祭の一環で
何故にオリヴィエ・メシアンのピアノ組曲
「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」を取り上げたのか
よくわからないけれど

何せ2時間を越える大曲で
しかもウィーンではメシアンの曲は
どんな曲でも、滅多に演奏されない(涙)

でもピアノ独奏だし
オリヴィエ・メシアンは全曲のボックス CD 持ってるし
まぁ、退屈だったら途中で帰って来れば良いわ
・・・とか、気軽な気持ちで出掛けていったのだが

うわあああああ

すみません、まだ感動しまくっていて
ちょっと喚くか泣くかしたい位で
この体験を言語化したくない気分。

メシアンはあまりに宗教的だから苦手、という人もいるし
私もいわゆるミサ曲とか教会音楽は苦手なんだけど

作曲者の意図からは外れるだろうが
この曲を、宗教という内容を意識せずに聴いてみたら
信じられない広大な世界観と空間の広がりの中に
極彩色で綴られる物語に
どんな無宗教の人でも魅入られてしまうだろう。

ピアノだけが照明されているホールで
後ろのステンド・グラスを見ながら
この曲を聴いていると

この世のモノとも思えない
何か聖なるモノがそこにある
・・・みたいな現実離れした気分になってくる。

複雑な和声の醸し出す色彩感
トナールとアトナールを揺蕩う浮揚感
低音のピアノが支える倍音一杯の背景に
煌めくようにまとわりつく高音のガラスのような煌めき

いやもう、オーケストラ、いや、それ以上に
ピアノの音響でこんな事が出来ちゃうんだ。

あまりに圧倒的すぎて
メシアンが宗教への拘りから
こういう曲を作曲した、というのであれば
キリスト教の意義もかなりあるなぁ・・・(いや失礼な発言お許し下さい)

芸術への起爆剤が何であろうが構わないわけで
そこから作られた作品が
あまりに圧倒的な力を持つという事実が
キリスト教に最終的に帰依しなかった私には大事。
(すみません、勝手な言い分です)

ピアニストのニコラス・ホッジス・・・すごいです、この人。

あっさりと、何のオーバーアクションもなく弾いているけれど
音響への細かい気遣いの徹底的な拘り
クラスターの中に隠されているメロディ・ラインを浮き彫りにしたり
ペダルを使って
ピアノには通常不可能な長いボーゲンを描き出して
ピアノと言う楽器の持っている可能性を
最大限まで引き出して
さらにその上の世界まで垣間見せてくれた。

現代音楽祭でメシアン?
しかも CD 持ってるのに、とか思っていたけれど
本当にナマのコンサートに行って良かった。

こういうのもある意味
人生観が変わる音響だったなぁ。
かと言ってキリスト教に帰依はしないと思うけれど

たっぷり2時間
メシアンの音楽世界にどっぷり浸れて
何か、ものすごく有り難いモノを聴いて
お祓いの後のように
爽やかな気分になっている私に

ちょっと宗教違いますが(すみません)
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



まだ雪は降ってないけれど
あの雰囲気を出すには、このバーナーしかないわ。

しかし今年の現代音楽祭のコンサートは
カテゴリー現代音楽にはどうしても入らないコンサートが多い(笑)

トーンキュンストラー + 準メルクル

久し振りに日曜日にトリプルやってます。
時系列で読みたい方は
まずは午前11時からの こちら をどうぞ。

下は午後のコンサートの勝手な記録です。

Musikverein Großer Saal 2016年11月27日 15時30分〜17時35分

Tonkünstler-Orchester Niederöstrerreich
指揮 Jun Märkl
ピアノ Makoto Ozone

Franz Liszt (1811-1886)
  “Les Préludes” Symphonische Dichtung (1848-54)
Sergej Rachmaninow (1873-1943)
  Rhapsodie über ein Thema von Niccolò Paganini
   für Klavier und Orchester op. 43 (1934)
Richard Strauss (1864-1949)
  “Don Juan” Tondichtung op. 20 (1888)
  “Tod und Verklärung” Tondichtung op. 24 (1888-90)

トーンキュンストラーの定期公演に
何故、ジャズ・ピアニストのビッグ・ネームの
小曽根真が出てくるのか不思議だが
きっと、首席指揮者の関係(以下省略)

せっかくだから
ジャズ・セッションでもやってもらいたいところなのだが
だったら定期公演じゃなくてプラグ・インか何かの方か。

指揮は準・メルクル。
この人の指揮姿、私、すごく好き。

指揮をダンスとして見てしまえば
(ごめんなさい!!!)
これだけ細かい動きでも
全く音楽から外れる事なく
飽きさせない動きで(それは本人は意識していないだろうが)
見ていると実にスッキリ爽快。

以前はファビオ・ルイージの指揮がそういう感じだった。
もっともルイージの場合って
ちょっと自分に陶酔してる、っていうのは
多かれ少なかれあったと思うんだけど。

楽しみにしていたのは
最初の、フランツ・リストのレ・プレリュード。

読者ご存知の通り、この曲は
ナチ政権下のドイツで、ラジオやニュースで多用されたために
戦後も、そのイメージが強すぎて
長きにわたり、コンサートでは演奏されなかった曲。

曲にも作曲者にも罪はないのに(涙)

この曲、本当に名曲だと思うんですよ。
ワーグナーの前に
これだけ、感情にストレートに訴えかけてくる
華やかながらも極端にドラマチックな音楽と考えると
フランツ・リストって
ピアニストとしてだけではなく
作曲家としても天才だったんだ、と納得できる。

リストって
当時のスーパースターで
女性に持てまくって
愛人持ちたい放題で
不倫して子供作って
まぁ、やりたい放題のスターの生活を謳歌したくせに
最後は修道院に入っちゃうという

しかも、ハンガリーだった頃のドイツ語圏
今のブルゲンラントに生まれて
パリで生活して
ブダペストに音楽院作って
今で言うバイリンガルかトリリンガルか
(本人はマジャール語は喋れなかったようだが)
実に国際的に活躍していて
アイデンティティ・クライシスはなかったのかしら(余計なお世話)

死をテーマにした、とは言え
(今日のコンサートは全部が全部「死」で括られている)
そんな暗さはあまりなくて
オーケストラも指揮者も元気一杯(笑)

ナチのもたらしたマイナスなイメージを
揃って一緒に吹き飛ばせ!!!
と思ったかどうかは知らないが
ホルンが張り切る事、尋常ではなく、お見事です。

わははははは・・・派手だ。素晴らしい ♡

ラフマニノフのパガニーニのテーマによる変奏曲。
小曽根真が上から下までブラックの衣装で登場。

バリバリのテクニックでラフマニノフを弾いていたけれど
え〜っと、あの、その、う〜ん
私、この曲、聴き込んでないから間違ってるかもしれないけれど
途中で即興挟んでましたよね?

準メルクルが注意深くピアニストを見ていて
即興(だろうと思う)の終わる頃に
すかさず指揮棒でキューを出していたし。

これもディエス・イレのテーマが
しつこくしつこく、しつこく繰り返されるんだけど
途中でリチャード・クレイダーマンと化す部分は
(すみません、どうしてもあそこ、そう聴こえてしまう)
やっぱり素敵だ ♡
世俗的だけど、チャーミングなメロディで好き。

アンコールで弾いてくれた
ジャズの即興が・・・・ううう、絶品だった。
不思議な転調ありで
好き勝手に弾いているようで起承転結があって
音楽的にまとまっていて

小曽根真のピアノ聴くなら
別にラフマニノフでなくても・・・・
ううううう、何かちょっと残念というか
トーンキュンストラーのみなさま、ごめんなさい。

後半はリヒャルト・シュトラウスの交響詩。

準メルクルの指揮になると
トーンキュンストラーの音が明るい。

何か伸び伸びしていて
まぁ、その分、ちょっとえ〜い勢いで押しちゃえ、みたいな
フォルテになると突然音の団子にはなるんだけど
あそこまで躍動感があれば
それはそれで、単純に楽しめるから悪くない。

ドン・ファンは、もう底抜けに明るくて(笑)
ドラマチックな語り口で
聴いている側を飽きさせない。

ホルンがまた見事に頑張ってるし。

これも本当は悲劇的な死・・・なんだけど
そこまで暗くならないなぁ。劇的ではあるのだが。

その後の「死と変容」だけど
私、この曲、実は苦手で(汗)

だいたい人間がオプチミストなので
死とか苦痛とか
何で音楽で聴かにゃならんのか
それでなくても
日常生活での苦労は多いのに(多くないだろ(影の声))
せめて音楽聴く趣味の時間の時には
そういう暗いテーマから解放されたいわ。

で、キライな「死と変容」なんだけど
元気一杯で
変容しました。

90歳くらいのおじいちゃんが
死んだ、と思ったら生き返って
何故か突然、元気になって
ジョギングはするわ、女性は口説くわ
人生謳歌してます・・・・みたいな。

すみません、希望的勝手な解釈です。
お許し下さい。

でも、全然湿っぽくならなくて
何か、すごく元気なんだもん。
細かい部分での粗いところはあるけれど
(大音響で音は全部お団子ですし)
こういう元気な演奏だったら
死だの変容だの、暗いところに考えは及ばない。

指揮者やオーケストラの意図とは違うとは思うけれど
純粋に音楽として聴いていられて
あまり暗い考えまで至らなくて
ちょっと救われたというか・・・

日曜日3連発の最後のコンサートに
これから出掛ける私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

Musikverein Großer Saal 2016年11月27日 11時〜13時

ORF Radio-Symphonieorchester Wien
指揮 Cornelius Meister
チェロ Harriet Krijgh

Brett Dean (*1961)
 “Komarov’s Fall” für Orchester
Dmitrij Kabalewskij (1904-1987)
 Konzert für Violoncello und Orchester Nr. 1 g-Moll, op. 49
Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
 Symhonie Nr. 3 D-Dur, op. 29

ウィーン放送交響楽団の定期
珍しくも日曜日の11時から。

プログラム見た時には
チャイコフスキーの交響曲か、と何も考えずにタカを括っていたら
え? 3番? 3番って、聴き込んでないぞ・・・と
直前に焦り狂ったら

ツィッターのバレエ・オタク仲間から
バランシンのダイヤモンドの音楽です、と教えてもらった(笑)

最初のブルット・ディーンの曲は
ソユーズ1号のウラジミール・コマロフのケースをテーマにしたもの。

以前のグラーフェネックの時に聴いた時も
このディーンと言う作曲家って
音楽で語る力がむちゃくちゃ強いな、と思ったが
(以前は「12人の怒れる男」を音楽で語っちゃった)

このコマロフのケース
あまりに表現がリアルすぎて、ちょっと背筋が寒くなる。

宇宙空間に放り出されたような
ほんの少しの弦の微音から始まる曲は
コマロフの絶望、妻との交信から
最後の大気圏突入まで
まるで一遍の映画を見ているかのようにドラマチック。

すごいな、ここまでやると
音楽の範疇を越えているかもしれない。
(ちゃんと音楽です(笑)
 響きが実に精密に計算されている。たいしたものだ)

さてチェリストのハリエット・クリーフだが
1991年生まれ、今年26歳の若手なのに
何故か今シーズンから
楽友協会で自分のチクルスまで持っているという

何か後ろに大きな力でも・・・(邪推)

カバレスキのチェロ協奏曲については
ノーコメント。
そりゃ、巧いですよ。
でも初聴きだし、何か感じるほどのモノも(以下省略)

アンコールの1曲目が
ダブル・トリプルボーゲンを多用した
技術的には難しい曲を、軽々と弾いてくれたから
そりゃ、すごい人だと思う。
美人だし金髪だしスタイル良いし(笑)

さて、最後のチャイコフスキーの交響曲3番。
バランシンのジュエリーのうちのダイヤモンド。
(既に頭の中はオーケストラじゃなくてバレエになってる(笑))

マリイインスキーの公演が
オーストリア国営放送との共同で
公開されているので
バレエ・ファンの方は是非ご覧下さい。



30分以上あるので、ご覧になる方は覚悟して(笑)

ウィーン放送交響楽団は技巧のあるプロフェッショナル集団で
現代音楽から映画音楽まで何でも演奏しちゃうので
チャイコフスキーの割にマイナーな曲も楽々。

しかも指揮のコルネリウス・マイスター
またもや暗譜だよ(驚愕)
この人、チャラチャラして見えるけれど
実はものすごい才能がある上に努力家だよね。

派手で華があって
チャイコフスキーらしいメロディがあちこち一杯で
実にゴキゲン、最初から最後まで楽しい曲で
ついでに頭の中にバレエまで出現するとあれば
これはもう、最高の時間。

派手な曲なので
どうしても多少なりともニュアンスが欠けていて
一本調子になったり
音の重なりが、ちょっとお団子になっちゃったり
でも、それがチャイコフスキーの良いところでもある。

ちょっと粗かったなぁ、と思わせるところはあったけれど
リハーサルの時間だって限られているだろうし
ウィーン放送交響楽団って
後にも先にも1回しかコンサートないし
(これは本当に残念。
 他のオーケストラみたいに
 同じプログラムで少なくとも2回、できれば3回あれば
 ずいぶん演奏のクオリティも変わってくると思う)
ちゃんと聴かせる華やかな演奏になっていたから
至極満足 ♡

お昼をガッツリ食べて
これから、またもや楽友協会に向かう私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



このコンサートで最も印象的だったのは
やっぱり最初のディーンの曲だった。
現代音楽、時々、こういうのがあるから止められない。

ジョゼ・モンタルヴォ Y Olé !

Festspielhaus St. Pölten Großer Saal 2016年11月26日 19時30分〜20時45分

José Montalvo
Y Olé !

振付・ビデオコンセプト・舞台 José Montalvo
衣装 Rose-Marie Melka
照明 Gilles Durand, Vincent Paoli
ビデオ Sylvain Decay, Pascal Minet
コンピュータグラフィック Sylvain Decay, Clio Gavagni, Michel Jaen Montalvo
ダンサー
Karim Ahansal aka Pépito, Rachild Aziki aka ZK Flash
Abdelkader Benabdallah aka Abdallah, Emeline Colonna,
Elenore Dugue, Serge Dupont Tsakap, Fran Espinosa,
Samuel Florimond aka Magnum, Elizabeth Gahl, Rocío Garcia,
Florent Gosserez aka Acrow, Rosa Herrador, Chika Nakayama,
Lidia Reyes, Beatriz Santiago, Denis Sithadé Ros aka Sitha

音楽
“Le Sacre du Printemps” von Igor Strawinski
Aufnahme : L’Orchestre philharmonique de Radio France unter
Myung-Whun Chung (2007)
“Dream a Little Dream of Me’ von Doris Day
“La Zaremora” von Lora Flores
“What a Wunderful World” von Louis Armstrong
ライブ・ミュージック
“Chin chan de las chicas” (rhythmische Improvisation)
“Dream a Little Dream of Me” (Gesang)
“Tangos” (Volkslied, Gesang)
“Los Adios” von Los Amigos de Gines (Gesang)
“Concerto castagnettes” (rhythmische Improvisation)
“La Liebre” von Pedro Peña Peña (Gesang)
“Buleria” (Volkslied, Gesang)
“Mañha do Carnaval” von Luiz Bonfa und Antônio Maria (Gesang)
“El Emigrante” von Juan Valderrama Blanca (Gesang)

Production of Théatre National de Chaillot Paris with
Les Théâtres de la Ville de Luxembourg

パリ国立シャイヨー劇場の振付師
ジョゼ・モンタルヴォのプロダクションを
サンクト・ペルテン祝祭劇場で上演、となったら
ちょっと高め(とは言え30ユーロくらい(笑))のチケットを買っても
往復で約2時間、車で霧みたいな天気の中をすっ飛ばしても行く(断言)

シャイヨー宮殿の公演のオフィシャル・クリップがあるので
貼っておく。ぜひご覧下さい。



いや、本物はもっとスゴイです。実にスゴイです。いやもうスゴイです。

最初はストラヴィンスキーの「春の祭典」なんだけど
春の祭典って、色々な振付師が作品を作ってるじゃないですか。

私が愛して止まないバレエ・コミックのスワンでも
アレクセイ先生が振り付けるシーンが
モスクワ編の最初にあるけれど

少なくとも振付のシーンを読んでいても
おおお、これ観てみたい・・・とはあまり思えず
ああ、これもゲイジュツ的なコンテンポラリーなんだろうなぁ
くらいで終わってしまうのだが

こういうマジメで「原始のエロチックな目覚め」とか
少女の犠牲とか、土着宗教とかロシアの寒さとか
えらくシリアスなテーマの曲を
ジョゼ・モンタルヴォが振付ちゃうと

こんなになっちゃうわけ?(唖然)

後ろのビデオには時々ダンサーが投影されて
それと同じタイミングでダンサーが出て来て同じような踊りをして
極彩色の華やかな衣装を来た女性ダンサーたちが

序奏の後、例の有名な変拍子のリズムの時だけ
いったんテープを切って

フラメンコのステップで
あの変拍子のリズムを完璧に踊ってしまうなんて・・・

その後、またテープが流れて
そのまま春の祭典なんだけど

フラメンコは出てくるわ
クラシック・バレエは出てくるわ
果てはストリート・ダンサーまで登場して
ヒップホップや、見事なブレイク・ダンス。

ブレイク・ダンスをやった男性ダンサーの
人間とは思えないジャンプやら
地面でのクルクル回転や逆立ちやらに目を奪われる。

でもそれだけではなくて
マイムがまた面白いの。
何かユーモアあって、ちょっと笑っちゃう。

シリアスな春の祭典が
何でもありダンスで、ここまでバリエーションを持って
しかもバラバラな印象を全く残さず
フラメンコ、クラシック、ヒップホップが統一感を持つって
これ、スゴイです(しつこいですが)

夢中になって見てしまったけれど
春の祭典が終わった後
ダンサーが出て来てアカペラで歌ってからのシーンも素晴らしい。

後ろのビデオが海になって船が出て来て
風船持った人物が船に乗ったりして
その前でダンサーたちが繰り広げるダンス。

加えて男性と女性のフラメンコ歌手が
(もちろん、この2人もバリバリ踊ります)
フラメンコ歌って、手拍子打って

これがまた、えらくカッコいいの ♡
ちょっと太めの、そこらへんに居そうなオジサンが
フラメンコ歌って手拍子打って
ビクともしない体幹でガンガン踊っちゃうという
ギャップに萌える。

しかも背景のビデオが
竹久夢二っぽい、ちょっと大正ロマンみたいな
すごく良い感じの雰囲気を出しているところに
ダンサーがスルッと背景と同一化してしまい
観ている方も、不思議の国のアリスか何かを
実際に体験しているような気分になる。

現代ゲイジュツに有り勝ちな
独りよがりがなくて
技術的にも、構成的にも超一流の舞台なんだけど
観客を楽しませようという気概が一杯。

しかも、この「楽しませたい」というのは
ダンサーにまで及んでいて

公演が終わった後にスタンディング・オベーションで
鳴り止まない拍手に応えて
フラメンコを歌いだし、手拍子が出て
何人かが舞台で即興で踊りだしてのアンコール。

これだけ踊っても
みんなが喜ぶなら、まだ踊りたいっていうのが見えて
このダンサーたち
ノッたら、一晩中でも喜んで踊っちゃうタイプ(笑)

こういうカンパニーって楽しい。
観ている方も気負いがないから疲れないし
舞台と観客が一緒になって
活き活きした舞台を作り上げられる。

勝手に自己陶酔して
高尚なゲイジュツを気取るのもキライじゃないけど
(その中にはもしかしたら未来に残るものがある(かもしれない))
観る側へのサービス精神モリモリで
でも技術的、芸術的に全く譲歩していないという
こういうパーフォーマンスって貴重だと思う。

フラメンコ苦手なんだけど
こういうパーフォーマンスなら好き ♡
(註 もちろんイスラエル・ガルヴァンも好き。
   お好きな方、来年5月にまたサンクト・ペルテンで公演あります)

老若男女、みんなが楽しめる公演って
とてもとても楽しい。うっふっふ。

明日は久し振りに日曜日のトリプル・バッターを目指す
アホな私に、どうぞ1クリックをお恵み下さい。


国立バレエ トス・ホイールドン・ロビンス 5回目

Wiener Staatsballett 2016年11月25日 19時〜21時45分

THOSS / WHEELDON / ROBBINS

BLAUBARTS GEHEIMNIS (Ausschnitt)
振付・舞台・衣装 Stephan Thoss
音楽 Philip Glass “Façades”, Auszüge aus “The Secret Agent, Company
“Tirol Concerto for Piano and Orchestra” (2. Satz)
青髯公 Mihail Sosnovschi *
ユーディット Eszter Ledán
青髯公の母 Gala Jovanovic
青髯公のアルター・エゴ Francesco Costa *
Ioanna Avraam, Iliana Chivarova, Sveva Gargiulo, Hannah Kichert,
Erika Kováčová, Andrea Némethová,Anna Shepelyeva, Iulia Tcaciuc,
Franziska Wallner-Holinek, Céline Janou Weder
Attila Bakó, Marcin Dempc, Trevor Hayden, András Lukács
Igor Milos, Kamil Pavelka, Jaimy van Overeem

FOOL’S PARADISE
振付 Christopher Wheeldon
音楽 Joby Talbot “The Dying Swan” (Orchesterfassung)
衣装 Nariciso Rodriguez
Ketevan Papava, Nina Poláková, Eszter Ledán, Anita Manolova *
Denys Chrevzchiko, Robert Gabdullin *, Eno Peci, Alexis Forabosco *,
Alexandru Tcacenco *

THE FOUR SEASONS
振付 Jerome Robbins
音楽 Giuseppe Verdi (Les Vépres siciliennes, Jérusalem, Le Trouvère)
舞台・衣装 Santo Loquasto

ヤヌス Gabor Oberegger
冬のアレゴリー Igor Milos
春のアレゴリー Beata Wiedner
夏のアレゴリー Andrea Némethová
秋のアレゴリー Kamil Pavelka

冬 Nina Tonoli, Greig Matthews, Scott McKenzie
Elena Bottaro, Natalya Butchko, Svena Gargiulo, Anita Manolova
Suzan Opperman, Xi Qu, Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto

春 Natascha Mair, Jakob Feyferlik
Marian Furnica, Trevor Hayden, Tristan Ridel *, Andrey Teterin

夏 Alice Firenze, Roman Lazik
Venessza Csonka, Adele Fiocchi, Rebecca Horner, Gala Jovanovic,
Hannah Kichert, Erika Kováčová

秋 Richard Szabó, Ioanna Avraam *, Vladimir Shishov
Abigail Baker, Marie Breuilles, Iliana Chivarova, Katharina Miffek
Iulia Tcaciuc, Liudmila Trayan, Franziska Wallner-Hollinek,
Céline Janou Weder, Attila Bakó, Marat Davletshin, Marian Furnica,
Trevor Hayden, András Lukács, Zsolt Török, Arne Vandervelde
Jaimy van Overeem

指揮 Alexander Ingram
ピアノ Laurence Lisovich
ピアノ Shino Takizawa

本当はこの日は造詣美術アカデミーで
例の excuse my dust とか言う現代音楽のコンサートに
行く予定でチケットも持っていたのだが

ワタシの埃を勘弁して(としか訳せないだろ)とか言いつつ
ボッシュの作品を何かおちょくるようなコンサートより
(偏見です、偏見。もしかしたらすごく良いコンサートだったかも)
数日前にチケットの残席を見たら

平土間ロジェの比較的後方の3列目1席だけ空いてた!

平土間ロジェというのは普通
一般発売初日の最初に入っても、絶対にないのである。
ギョーカイ的な邪推をすれば
年間で全部買い押さえられているんだと思う。
(こちらはチケット・オフィスというライセンスがあるので
 完全に合法だし、売り切れ公演の時もチケットがある事が多いので
 かなり便利にお願いしているので、誤解のないよう)

おおお、売れなくて戻って来たか(推測)
ラッキー ♡

現代音楽のチケットは返して
(いくらゲネパスで無料でも、返した事で行ける人が出るかもしれないし)
いそいそと国立オペラ座に向かうワタシ。

ああああああ、さすが平土間ロジェ。
立てばもちろんバッチリだし、舞台は近いし
目線がここまで下がると、ダンサーのジャンプとかが
きっちり見えてドキドキする。

青髯公は、何と今回はミハイルが役のデビュー。
対するユーディットはエスター。
姑さんがガラで
青髯+姑が大柄なカップルで
エスターが、苛めたくなる程に可愛らしい。

ミハイルは、わわわ、これ青髯公とユーディットじゃなくて
もしかしたら、美女と野獣とか言うタイトル?(あっ、失礼しました)

フィリップ・グラスのミニマル・ミュージックだが
あれえ? この間よりも
ずっと強弱のうねりがあって
何か表情豊かな音楽に仕上がっている。

舞台の上の心理劇も
美女と、野獣とは言わないが(だってミーシャってハンサムだし)
ミハイルの荒々しい、でも本当は心の底では繊細なのよ、というダンスと
ガラの透明感のある恐ろしい迫力の姑さんに加えて

エスターがエスターがエスターが
ただの被虐性を刺激する苛められ役と思っていたら大間違い。
最初はオドオドとするばかり(これがまたカワイイ)
なのに、途中から
何ですか、その妖しげで誘惑するような薄い笑顔は・・・

何かに目覚めました?と言ってしまいたい程
ガラッと人格が変わる瞬間があって
その妖艶な笑みの後には
青髯公を取り込んでしまうような
女性の強さがはっきり出て来て

世の中のお母さま方
ほら年頃の娘って突然化けたりするじゃないですか。
さすが女の子というか、ちょっとコワイ(笑)

うわああああ、エスターってこんな役作りも出来るんだ(驚愕)
今まで見くびって、カワイコちゃんだけだと思っていたけれど
もしかして、これから急激に伸びるダンサーになるかしら。

私の大好きなフールズ・パラダイス。
この間のシーズン最初の公演は
オーケストラが、おどおどしながら
おっかなびっくり演奏していて
ド・シロートの耳でも、かなり無理やり合わせたな、というところがあったけれど

さすがに3回目
(メンバーは変わっているかも。
 今日のコンミスはダナイローヴァだった)
オーケストラも、やっと音楽らしきものを奏でるようになったし
滝澤志野さんのピアノは、透明感に満ちあふれて
泣きたい程に美しい。

この演目も多少キャストの入れ替わりがあって
最初に出てくるのはデニスとエノ ♡
そこに加わるのがニナ(ポラコヴァ)
途中のデュエットにケテヴァンとローベルト。

ローベルトはこれが最初だが
ケテヴァンとローベルトのカップリングって
何かデジャヴが、と思ったら
この間の公演では、その後の四季で組んでいたのだった。

フールズ・パラダイスで組んでも
ものすごく良い感じ。
華やかで上品で、理性的なのに妖しげで
色っぽくて艶やかで、大人の風味。

イジー・キリアーンのベラ・フィグーラなんかもそうなんだけど
こういう、コンテンポラリーのモダン・ダンスで
観ててもストーリーが見えるワケではない作品で
(もちろん妄想逞しくすればラブストーリーは見えます(笑))
こんなに美しい作品があるなんて
人間の芸術に対する希求ってスゴイな。

また、それを舞台の上で再現しちゃうダンサーもスゴイし
ちょっとボロボロになっても
この異様な変拍子の曲を
崩壊もせずに演奏しちゃうオーケストラもスゴイし
それをきちんと把握して
崩壊させずに演奏させる指揮者もスゴイ。

こういうものをやると
ウィーンの芸術水準の高さというものを
まざまざと見せつけられるわ。
(まぁ、もしかしたら日本の方がスゴイかもしれないが(笑))

フィリップ・グラスと変拍子から解放されて
ヴェルディでは活き活きとするオーケストラに乗って
ロビンスの四季。

ニナ(トノリ)の冬が、うおおおおお、キュート ♡
ゼフュロス役はグレイグと
この間、この役にデビューしたスコットが
若々しくてカッコいい。
ちょっと小柄だけれど、すらっと伸びた四肢と
甘いマスクで
うまく行けば将来は王子さまタイプになるかしら。

この冬のシーンに登場する女性ダンサーたちは
一様に可愛くて若くてキュートで
しかも振りがカワイイので悶える。

こういうカワイイ振付やらせたら
やっぱりロビンスって巧いんだよねぇ。

春はナターシャとヤコブ。
今一番注目のカップルである。

ヤコブはこの間は焦っている感じや
余裕のない力みがあったけれど
今日はそういうのがちょっと抜けて、すごく良い感じ。

もともと脚も手も長いダンサーだし
空間の掴み方も大きいのだから
無理してアピールしようと思わなくても
素直に踊ってくれれば、それで充分華がある。

ここに登場する男性ダンサー4人の踊りが
これもロビンスらしいユーモア溢れるダンス。
いつも観客から笑いが出る。
こういうのが楽しい。

夏はアリーチェとローマン。
これはゆっくりしたダンスなので
(クラリネット・ソロのメロディが物憂い)
あまり派手ではないから、ついついウトウト・・・(ごめん!)

秋は妖精がリッチー。
リッチー、巧いんだよ、ユーモアあって。
でも何でかわからないが
ダヴィデとかと比べると、今ひとつ地味に見える。

こういう「華」って天性のものだから
努力で身につけられるものではなくて
芸事って、そういう意味では、かなり残酷だ。

シショフは、大柄だしイケメンだしスタイル良いし
プリンシパルだし、バレエ・ダンサーとしてはベテランだし
空間を大きく掴むジャンプや
ピルエットもしっかり決まった。
(で、この間、デニスのあれ?というところ
 やっぱり今日も何かあれ?だったんだが
 あれはいったい何なんであろう。そういう振付?)

アラスゴンドでの回転も、2シーンでちゃんと決めたし。
まぁ、デニスのような途中でジャンプという大技はなかったが
あれはデニス以外、無理だよ、うん。

いや〜、ホント、直前に
あんな席(しかも安い!)が空いていて
本当にラッキー ☺️
神さま、本当にありがとう ❤️

しつこく同じ公演ばかり行きやがって
・・・という読者のお叱りもあるとは思うんだけど
正確に言えば、同じ公演というのは一つもないわけで

その時に消えてしまうという宿命を負った
時間芸術というものの贅沢さを
ありがたく満喫している私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



この公演、昨年のプレミエから数えると
本日が8回目の上演で
皆勤賞とは行かないけれど
8回のうち5回観てるというのは
割に良い数字ではないかと(こらこらこらっ)

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