サンクトペテルブルク・フィルハーモニー + テミルカーノフ

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    Schloss Grafenegg Wolkenturm 2017年8月20日 19時30分〜21時35分

    St. Petersburger Philharmoniker
    ピアノ Nikolai Lugansky
    指揮 Yuri Temirkanov

    Nikolai Rimski-Korsakow (1844-1908)
    Suite aus der Oper “Die Legende von der unsichtbaren Stadt Kitesch
    und der Jungfrau Fewronija” (1903-04)
    (Konzertfassung : Maximilian Steinberg)
    Hochzeitszug. Überfall der Tataren
    Die Schlacht am Kerschenetz
    Vorspiel. Lob der Wildnis

    Sergej Prokofjew (1891-1953)
    Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 C-Dur op. 26 (1917-1921)

    Modest Mussorgskij (1839-1881)
    “Bilder einer Ausstellung” (1874)
    (Instrumentierung : Maurice Ravel, 1922)

    サンクトペテルブルク・フィルハーモニーとテミルカーノフの2日目。
    朝から晴れたり雨だったりと不安定な天候だが
    ウエブ・サイトでは野外音楽堂の告知があって
    到着してパーキングの指示をしてくれた男性が
    昨日と同じ人で
    「今日は外でコンサートだよ」とニコニコしながら教えてくれた。
    (あああ、やっぱり多分、毎回来ているアジア人女性一人って目立つんだわ)

    ドライブしている間も
    空に様々な形の雲が点在していて
    実はものすごく美しかった。
    ドライブ中に写真は撮れないので残念だが(笑)

    本日はオール・ロシア・プログラム。
    最初のリムスキー・コルサコフのオペラ
    「見えざる街キーテジと乙女フェヴォローニャの物語」というのは

    若い侯爵が森の中で自然と話しながら暮らしている
    敬虔な乙女フェヴォローニャに惚れる。
    が、周囲から(特にタタール人)から反対されて
    戦争を仕掛けられて
    フェヴォローニャは街を見えなくしてしまう。
    戦死した若い侯爵は
    敬虔な乙女フェヴォローニャと
    死者と聖人にしか見えない街へと去って行く

    ・・・とかいう話らしい(曲目解説うろ覚え)

    昨日は大編成で音量がホールを破壊しそうだったが
    本日は野外なので、どんなに音が大きくても大丈夫。

    コントラバスだけで10台あるけど
    野外音楽堂仕様のオーケストラ編成なのか
    それとも、オーケストラのメンバー
    みんなオーストリアに演奏旅行に来たかったとか?(笑)

    音が拡散してしまう分
    昨日のような繊細な音色の変化は追えないけれど
    ピアニッシモも充分な解像度で聴こえて来て
    メロディ・メーカーのリムスキー・コルサコフの音楽が美しい。

    ピアニストとして登場したのは
    ロシア人ピアニストのニコライ・ルガンスキー。
    ピアノはスタインウェイのグランド。
    (そう言えば、昨日のプログラムに
     スタインウェイ・ピアノの宣伝が入っていた(笑)
     買えないです(爆笑))

    プロコフィエフのピアノ協奏曲3番は
    プロコフィエフがアメリカ滞在中に作曲した最も有名な曲の一つだが

    わっはっは
    何回も聴いてるけど(ナマでも)
    そりゃ、ロシアっぽいウエットな部分もないわけではないが
    そのウエットなロシアのメロディは
    如何にもアメリカの聴衆に「ほらエキゾチックでしょ」程度にしか提示されず
    最初から最後まで

    ほら聴け、すごいだろ、もっと聴け
    え〜い、もっと叩いてやる、ほらほらほら

    と作曲家が考えたかどうかは知らないが
    これ、抒情的とか言う範疇から遥かに越えて

    はっきり言って、ピアノ=打楽器 だよね?(笑)

    ルガンスキーの超絶的なテクニックで
    最初から最後まで、ひたすら、すごいタッチと正確さで
    ガンガン・ガンガン叩いてる、という感じが
    ものすごい爽快感あるんですが(それで良いのかこの音楽?)

    気温が途中から急激に下がって来て
    管楽器にはかなりキツかったと思うのだが
    オーケストラも、あの複雑怪奇な曲をバッチリ決めて
    目を回して仰け反って、あれよあれよという間に終わっちゃったって感じ。

    正にアメリカの聴衆の度肝を抜いたんだろうなぁ、この曲。
    プロコフィエフの張り切り方とか
    むちゃくちゃ振り(だって何なのよあの不協和音と転調の連続は)が
    すごく面白いし
    ヘンに「深く」なったりせずに
    正確無比に強い打鍵でガンガン叩いた派手目の演奏が
    野外音楽堂から響くと、いや〜、気持ち良いです。

    オーケストラの音が拡散して
    昨日ほどの音色はないな、と思っていたら

    あらあらあら
    後半の「展覧会の絵」がすごく面白い解釈。

    昨日はロシアっぽいウエットさが、とか書いたけれど
    意外にあっさりと始めて
    最後の音を重く引きずらずに、淡白に収めているのだが

    時々、ぞっとするような
    原色とパステル色の混ざった、すごい音の色が出てくる。

    特にカタコンベが、凍りつくようで背筋がゾクッとした。

    思ったよりあっさり系の演奏かと考えていたら
    時々、とんでもない音が出てきて
    そのたびにギョッとしてしまう。

    良い意味で
    こちらの先入観を、すごい勢いで引っ叩かれて
    とんでもない音色の世界に引きずり込まれる部分が時々あって
    最初から最後まで油断できない演奏って

    こんな名曲アワーでは珍しいかもしれない。

    オーケストラが大編成で
    弦が対抗位置にあって
    私の席がほとんど正面だったので
    (ホールは最悪、野外最高の席なのである)
    音が左右に飛ぶ感じと、空間に散らばっていく拡大する大きさが
    すごく実感できたのは
    野外音楽堂の良さでもあるな。

    あまりに面白い演奏だったので
    たぶん、コオロギの合唱はあったと思うんだけど
    全然意識に上らなかった。

    あぁ、私も「雑音」を無視できる
    ヨーロピアンの耳になったのかしら

    ・・・とか思ったけれど
    こういう有名な曲だと
    知ったかぶりして奥さんに小声で解説する
    うざいセミ・クラオタ・オヤジがあちこちに出現していて
    (すごい言い方ですみません。でも怒ってますワタシ)

    ついでに、これは仕方ないんだけど
    風が強いので、オーケストラの楽譜を押さえるピンが
    楽譜をめくった後の固定の時に
    まるでコル・レーニョのような音をたてるので
    (曲の最中に、かなり何回もあちこちで聞こえて来た)
    それがちょっと気になったかな、という私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    この音楽祭って
    この地域の人たちの社交界のような様相を呈していて
    みんなご夫婦で来て
    あちこちでお知り合いにご挨拶・・・なのは良いのだが
    そこで立って喋っていられると、私が外に出られないんだけど
    というのが頻繁にあって
    まぁ、田舎と言えば田舎ですね(笑)

    サンクトペテルブルク・フィルハーモニー + テミルカーノフ

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      Schloss Grafenegg Auditorium 2017年8月19日 19時30分〜21時25分

      St. Petersburger Philharmoniker
      ピアノ Rudolf Buchbinder
      指揮 Yuri Temirkanov

      Johannes Brahms (1833-1897)
      Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 d-Moll op. 15 (1854-59)

      Pjotr Iljitsch Tschaikowski (1840-1893)
      Suite aus dem Ballett “Schwanensee” op. 20 (1877)
      (Zusammenstellung : Yuri Temirkanov)
      Scène. Moderato
      Valse. Tempo di valse
      Danse des cygnes. Allegro Moderato
      Scène. Andante - Andante non troppo - Tempo I
      Danse hongroise (Czárdás). Moderato assai - Allegro moderato - Vivace
      Danse espagnole. Allegro non troppo (Tempo die Boléro)
      Danse napolitaine. Allegro moderato - Andantino quasi moderato - Presto
      Mazurka. Tempo di mazurka
      Scène fiinale. Allegro agitato - Alla breve. Moderato e maestoso

      昨日は日中が34℃。夜のコンサート終了時23時近くでも29℃。
      今日は朝から雨で、最高温度で22℃。

      だから
      「今度ヨーロッパに行くのですが、
       服は何を持って行ったら良いですか」
      って聞かないで下さい。我々だってわからん。

      夕方、雨は上がって来たので、どうかな〜とは思ったけれど
      やっぱりコンサートはホールに決定(万歳)

      問題は私の持っている貧民席チケットは
      野外だったらベストのシートだけど
      ホールだったら最悪のシートという事なのだが
      まぁ、仕方ないです。
      高いチケットを買うだけの余裕はない。

      このところ、ナマのオーケストラ長く聴いてなかったし
      (まぁ、昨日はナマだったが、あれはオペラだったし)
      引退して貧乏生活に突入なんだから
      (今までだって貧乏だっただろ、というツッコミはなしで)
      コンサートの数も絞って、別にナマで聴かなくても生きていけるし

      ・・・と、多少やけっぱち?になっている状態で
      グラーフェネックまでドライブ。

      サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団というより
      私みたいな年寄りにはレニングラード・フィルというのがしっくり来るが

      来た、来た、キタ
      腹の底にズンと沈むような
      ものすごくマッチョなロシアの音。

      もともと野外ホール用の大編成というのもあるが
      音の強靭さ、底に響くどっしりした重さが
      無骨なブラームスのピアノ協奏曲1番で
      バリバリ音が登って来る。

      音響はゴージャスだが、大袈裟ではなく
      質実剛健で構築がよく見えて
      土臭いマッチョな筋肉質かな、と思っていたら

      チェロとビオラの音が突然変わって
      いや、もう、信じられないソフトな音色。
      なんなんですか、このオーケストラ。
      マッチョなのに、こんなに優しくなれるなんてルール違反だわ(褒めてます)

      ブッフビンダーのブラームスのピアノ協奏曲1番は
      何回も聴いているけれど
      ピアニストも指揮者も年配ペアなのに
      まだ、音楽に色気たっぷり残っていて(笑)
      でも、それを見せつけるような大袈裟感が全くない。
      (ただ、音楽の中で語られている恋は何故か現在進行形である)

      圧倒的なブラームスの和声の洪水に浸りながら
      もう、ひたすら身悶えしてしまう。
      (ただのヘンな人になってる事はわかってます)

      ブラームス好き ♡ 大好き ♡♡♡
      オーケストラの響きも好き ♡
      ピアノの響きとオーケストラとの絡みも好き ♡

      すみません、もう最初から最後まで悶え続けて
      酔ったようになってしまって
      自分でも抑制が効かなかったです(恥)

      後半はテミルカーノフが選んだ
      チャイコフスキーの「白鳥の湖」の組曲。

      こと、白鳥の湖に関しては
      私は何回も何回も何回も
      国立オペラ座のバレエの舞台を見ていて
      ウィーン国立オペラ座管弦楽団の名演奏を
      何回も何回も何回も聴いている。

      あ〜、ちょっと今、そこで笑った方
      それは言ったらイケナイので f^_^;)

      最初の序曲・・・というか
      オデット登場場面だったっけ。
      如何にも「白鳥登場!!!」という音楽だが

      ここって、こんなに音楽の表情が豊かで
      フレーズの中に膨らみがあったのか???

      ワルツは目の前にバレエの群舞のシーンが思い浮かぶなぁ。
      で、さすがに野外音楽堂仕様の大編成は
      真上で聴いていると、あまりに音響が爆発的(笑)

      オデット登場、コンサート・マスターのソロ ♡
      最初はちょっと奥ゆかしく
      ああ、この音楽のイメージだとニナ(ポラコヴァ)だなぁ、と思っていたら
      その後、王子さまと出会ったら
      オデットが変身してしまい(音色が喜びに満ちて明るくなる)
      あらま、これはリュドミラまではいかないけれど
      イメージとしてはマリアだわ
      (すみませんディープな話題で・・・)
      チェロとの絡みが、また見事で

      しかもここらへん
      もう、もう、ものすご〜〜〜くネットリしたロシア風の音楽になっていて
      ほとんど演歌だし、矛盾して相反する要素が絡み合ってるし
      ロマンティックだけどストーカーで依存症で
      ちょっとロシア、コワイかも・・・と妄想爆発。

      ヨーロピアンの仮面をつけながら
      中身はズブズブのロシアのロマンティックさがあるのは凄い。

      中間部はデヴェルティスメンの音楽で
      ハンガリー、スペイン、ナポリ、ポーランドの踊りを全部聴かせてくれて
      これはすごく楽しかった。
      バレエ団のメンバーの踊りが目に浮かぶし(笑)

      フィナーレは力強く
      というか、力強すぎて(席の位置が悪い)耳が痛くなりそうな音量。
      でも良いわ、すごくロマンティックでロシア的で
      ブラームスでまだ抑えていた
      ロシアの熱い血?がここで大爆発みたいな印象。

      で、何とアンコールが
      エルガーの「愛の挨拶」

      ひえええええ、テミルカーノフのイメージと全く違う・・・(偏見)

      で、こんなロシア涙の演歌たっぷりの
      ウエットな「愛の挨拶」聴いた事がない!!!

      ・・・いや、こういうの、ありですか(驚愕)
      ちょっと仰け反ってしまったけれど
      あの可愛いメロディがロシア民謡になっているのを聴くと
      ついつい顔がニヤニヤしてしまうじゃないの。

      いやぁ、むちゃくちゃ楽しかった。
      席が悪かったのは残念だが
      ダイレクトにオーケストラの音響が上がって来て
      音響のお風呂(時々ちょっと熱すぎたけど(笑))に
      首までどっぷり浸かって

      やっぱりナマのオーケストラの音響って
      私の精神安定剤として欠かせないわ、と
      確信してウィーンに大雨の中を戻ってきた私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      トーンキュンストラー + 佐渡裕

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        Schloss Grafenegg Wolkenturm 2017年8月18日 19時30分〜22時35分

        Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
        指揮 Yutaka Sado
        オットカール侯爵 Adrian Eröd
        クーノー Sebastian Wartig
        アガーテ Gal James
        エンヒェン Daniela Fally
        カスパール Tuomas Pursio
        マックス Michael König
        隠者 Albert Dohmen
        キリアン Bernhard Hansky
        ザミエルと語り手 Otto Schenk
        コーラス Arnold Schoenberg Chor

        Brad Lubman (*1962)
        “Grafenegg Fanfare” für zehn Blechbläser (2017)
        Uraufführung. Auftragswerk des Grafenegg Festivals

        Carl Maria von Weber (1786-1826)
        “Der Freischütz” Romantische Oper in drei Aufzügen op. 77 (1821)

        グラーフェネック城の夏のフェスティバル
        本日がオープニング・コンサート。

        だいたいウィーンの夏のクラシックは、これしかなくて
        毎年、土曜日・日曜日はプログラムもチェックせず
        ともかく
        一番安いカテゴリーで雨天の時にホールに席がある
        ・・・という条件で
        グラーフェネック・カード(有料で結構高い)を買って
        一般発売前に全部買っている。

        今年はこの時期、既に会社に行っていないのがわかっていたので
        金曜日とか木曜日とかのチケットも全部買った。

        2ヶ月振りのオーケストラ・コンサートなのだが
        うううう〜ん、これ、普通に仕事していたら
        私の好みとしては、買わなかっただろうなぁ。
        (念の為ですが、あくまでも「好み」として、です)

        だって、オペラ苦手なのに
        モロに、カール・マリア・ウェーバーの「魔弾の射手」
        しかもコンサート形式の上演。

        その前に演奏された
        アメリカの作曲家(兼 指揮者)のブラッド・ラブマンの
        グラーフェネックのためのファンファーレ。

        これは例年、コンポーザー・イン・レジデンスが作曲するので
        ファンファーレでありながら
        現代音楽としての要素を含んだものなのだが

        後ろの人、ずっと大声で笑ってるの
        何とかなりませんかね?

        伝統的に聴きなれたファンファーレとは違って
        変拍子や不協和音も出てくるので
        不思議な響きになっていて面白いのはわかるのだが
        あそこまで笑われると
        微妙な和音が演奏されている時に邪魔なんですが。

        まぁ、ファンファーレの時に遅れて入って来た客が
        あちこちで、あら、いらしてたの?とか
        音楽無視して喋りながら、という
        典型的グラーフェネックのシーンもあちこちであったしなぁ(諦めムード)

        さて無視されまくりのファンファーレの後は
        ご存知、魔弾の射手・・・のコンサート形式で

        え〜い、出演者の面々をご覧あれ。
        有名な人を呼んで来て、客を呼ぼうという
        涙ぐましい努力がミエミエ。

        オットー・シェンクって、もう87歳だよ???
        お元気だし、マイクつけてはいても
        声に張りはあるし

        しかも、投げやりっぽく力を抜いて語っているのに
        もう、この語りに実に味があって、すごい、というか
        やっぱり、モトは俳優さんなんだなぁ、と感激してしまう。

        エレードは最後にチラッと出てくるだけ。
        まぁ、エレードにカスパールなんか歌わせたら
        ギャラがどの位跳ね上がるかわからんだろう(邪推)

        もう一人のアイキャッチャーのダニエラ・ファリーだが
        エンヒェン役で
        シルバーのレースの美しいドレスを着て、目立ちまくり。
        ついでに声も目立ちまくり・・・というより
        声量あって、強い声で
        えええ?この歌手、何年か前まで
        コロラチューラで、もう少し、声、細くなかったっけ?

        テクニックはある人だから、転がる時の音程はしっかりキープしているのだが
        コロラチューラの声質じゃなくなってるなぁ。
        ちょっと残念かも。
        明るいエンヒェン役には合ってるが

        アガーテ役のソプラノ歌手が
        上から下までブラックの、装飾がほとんどない簡素なドレスで
        ちょっと見たら、ア◯ブのおばさまが着用しているドレスの
        上の部分だけカットしました、みたいな地味なドレスだったのは何故だ?

        まぁ、アガーテは不安に満ちた細い声で
        幸せな婚約中のはずなのに、心配だわ、心配だわ、と
        ピアニッシモの高音で悲しげに歌うナンバーが多いから
        黒い地味なドレスでも良いのかもしれないが。
        (しかし、アガーテって、オペラでもこんな地味な役だったっけか?)

        このオペラの中で私が最も魅力的と思うのは
        カスパールなのだが
        (悪魔に魂を売るだけの思い切りがあって
         契約終了前に策略を巡らす事前の危機管理能力があって
         うまくアホなマックスをノセるだけの説得力と
         悪魔と堂々と渡り合える交渉力・・・・)

        このヘルシンキ出身のバリトン
        ドイツ語がクリアで
        途中のセリフ部分もわかりやすく
        スタイル良いし、舞台で動いていたら、かなり映えそう。

        かわいそうだなぁ、と思ったのが
        最終シーンで、カスパール、撃たれて死ぬじゃないですか。
        あそこで、各バリトン歌手が如何に巧く死ぬかっていうのは
        見ている方にも楽しみなのだが(ヘ◯タイと言うなら言え)

        今回はコンサート形式だから
        カスパール、死んだ後も、ずっと舞台に立ちっぱなしで・・・

        マックス役のミヒャエル・ケーニヒは
        ちょっと太めのお腹の出た立派な「如何にも歌手」的風貌で
        細めのリリック・テノールが
        あのアホ役のマックスとぴったり合っていて、聴かせる。

        隠者を歌ったアルベルト・ドーメンの低音にはゾクゾクした。
        まぁ、この人の出番もエロードと同様、少しだけなのだが
        最後にちょっと長めのアリアがある。

        何が良かったって
        一応、これ、オペラだから
        出演の歌手全員が暗譜で歌っていて
        (ほら、たまにコンサート形式だと楽譜みて歌う人もいるじゃないですか)
        まぁ、演技ってほどではないにせよ
        きちんと客席に向かって声が飛んでいた事。

        オーケストラの音楽も躍動的でイキイキしていて
        コーラスはプロで定評のあるアーノルド・シェーンベルク合唱団だし

        オーケストラは
        あの難しいホルンが、ものすごく大張り切りで
        いやもう、見事にパッセージを吹いてくれて
        このオーケストラのホルン軍団、こんなに巧かったっけ(笑)
        ・・・夏中、ずっと練習してたりして(爆笑)素晴らしかったですホント。

        久し振りのコンサートだったし
        苦手な「オペラ」だし(言い訳)
        ついつい、音楽以外の事(衣装とか)に気が向いて
        出演者の中の力関係とかに思いを馳せてしまっていた私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        これから週末は(一部除く)グラーフェネック通い。
        明日・明後日はサンクト・ペテルブルクのテミルカーノフ。
        この間の楽友協会を聞き逃したので
        (確かバレエと重なった)
        楽しみ 🎵

        ウィーンは本日、日中はまた34℃で
        夜のコンサート終わっても郊外でも29℃あったけれど
        今(夜中)外は嵐で風が吹きまくっていて
        明日は最高温度で22℃とかの予想。なんかよくわからん気候ではある。

        川口隆夫「大野一雄について」2回目

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          Odeon 2017年8月12日 21時30分〜23時40分

          Takao Kawaguchi
          About Kazuo Ohno

          振付 Kazuo Ohno, Tatsumi Hijikata
          ダンス Takao Kawaguchi
          ドラマツルギー Naoto Iina
          写真 Teijiro Kamiyama, Takuya Matsui
          翻訳 Naoko Nakajima

          The Portrait of Mr. O (ein Film von Chiaki Nagano von 1969)

          Admiring La Argentina (1977)
          Death and Birth, The Daily Bread, Marriage of Heaven and Earth
          zwei Tangos, Klaviermusik von Frédérik Chopin (Etüden Op. 10, Nr. 9 & 10)

          My Mother (1981)
          The Embryo’s Dream, Dreams of Love

          The Dead Sea : Viennese Waltz and Ghost (1985)
          The Gypsy Baron’s March
          The Episode in the Creation of Heaven and Earth

          8月10日に鑑賞したパーフォーマンスの2回目。
          最初のロビーで繰り広げられる
          ガラクタを多用したバタバタは
          (すみません、でもそれ以外に何と言えば良いのかわからない)
          映画「O氏の肖像」の模写なのだそうだ。

          この間はソロ・パーフォーマンスだったが
          何故か今日は女性ダンサー1名が
          ちょっとチョッカイ出したり、床に転がっていたり。

          あれはパーフォーマーからの依頼のサクラなのか
          勝手に飛び込んで勝手に絡まっていたのか
          よくわからない(けれど、まぁ、それもアリですかね(笑))

          最初が死と誕生
          その後、胎児の夢、萬人の踊り、天地創造の発端、愛の夢
          メイク・アップのシーンの後
          後ろのスクリーンに人形を操る映画が映されて5分の休憩。
          休憩後は
          日々の糧、天と地の結婚、
          タンゴ「花」、タンゴ「鳥」と続いて
          最後にショパンの曲2曲でフィナーレ。

          大野一雄なんだか川口隆夫なんだか
          誰がいつ踊っているのかわからなくなる現象については
          この間の1回目の時に書いたけれど

          日本の伝統芸術は
          師匠の技を模倣する事から始まるので
          その意味では
          意外に伝統的なアプローチなのかもしれない

          と思いつつ、鑑賞していたのだが

          だんだん、不思議な気分になってきた。
          パーフォーマーの川口隆夫に
          大野一雄が乗り移ってるような
          そこに居る人、いったい誰ですか?

          最後のタンゴあたりになると
          すごく奇妙なのだが
          時間が巻き戻って、大野一雄その人が
          舞台に立っているような感覚に囚われてしまう。

          複雑に二重に絡まったパーソナリティと
          それによる不思議なパーフォーマンスの効果はさて置いて

          大野一雄のダンスそのものを見ると
          能や歌舞伎からの影響が時々見えて面白い。

          胎児の夢の「静」と「動」の対比は
          能楽の動きを思い起こさせる。
          オリジナルは探してみたら
          三味線の音楽が入っているようだが
          (三味線奏者は舞台に立つ)
          今回は、三味線なし
          BGM は、ホール内でのホワイトノイズと
          観客の咳の混ざった音だけ。
          (「観客の咳」はテープに入っているもので
           ImPulsTanz は若い観客が多いので
           ほとんど「無駄咳」はない(笑))

          後半の「日々の糧」も同じように BGM なし
          (というよりホールの雑音の録音によるホワイト・ノイズ)
          この2つのダンスは、比較的、時間として長いので
          ますます能表現を連想してしまったのかもしれない。

          天地創造の発端というダンスは
          ピエロのような、神父さんのパロディのような
          バレエで言うならドン・キホーテのサンチョ・パンサみたい。
          流れる音楽は日本語だけどグレゴリオ聖歌のようで
          日本人でも天地創造と言うと
          キリスト教なんだろうか、とちょっと笑った。
          (イザナミとイザナギじゃなかったんだ(爆笑))

          サラリーマンのむちゃくちゃキュートな愛の夢の後
          パーフォーマーが舞台の真ん中で
          スポット照明を浴びつつ
          ドーランの白塗り、目の辺りに真っ青な色を入れて
          リップに真っ赤な色を塗って
          鏡に向かって、ものすごく楽しそうな
          満面の笑顔を見せる。

          ダンスじゃないんだけど
          この満面の笑顔が、何と魅力的な事。
          (パーフォーマーがイケメンとか言う意味ではありません)
          人間って、こんな幸せそうな表情が出来るのか、と思ってしまう。

          この笑顔は大野一雄のものなのか
          川口隆夫のものなのか

          それとも芸術に身を捧げて
          苦労を苦労とも思わずに
          多大な喜びを持って幸福を感じる
          芸術家の最も深いところにある邪気のない「喜び」なんだろうか。

          画像で投影される
          人形を使ったシーンは
          ほとんど文楽の世界。
          人形が、まるで生きているかのように
          表情や仕草で愛を語るのだ(表情ない筈なのに)
          これも、文楽、能面の伝統を踏まえての芸術だなぁ。

          日々の糧は、オレンジ色のへんな仮面を付けて
          その後、天と地の結婚はその扮装のまま
          グランド・ピアノに寄りかかったパーフォーマーの姿が
          照明によって、後ろに影絵みたいに映されるのが
          これがまた、二重性の複雑さがあって
          あまり動きがないのに、現実と影絵の狭間にすっぽり嵌ってしまう。

          その後のタンゴ(花と鳥)、ショパン(2曲)は
          ドレスを着ての踊りだが

          ・・・この表現力って圧倒的。
          身体全体、特に手の動きの表現力といったら
          手って、あんなに語るのか、と呆然としてしまう。

          オリジナルの大野一雄のビデオとか見ると
          本当はもっと深く理解出来るのかもしれないので
          あくまでも、ド・シロートの表面的な感覚でしかないけれど

          タンゴとショパンで表現された
          あの幸福感って
          観ている者にも伝わって来て
          涙が出る程、幸せな気分になってしまうって
          単純に考えても、すごい事かもしれない
          と、しみじみ思っている私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          これにて私の今年の Im Puls Tanz は終わり。
          かなり選んでパーフォーマンスに行っていたので
          見逃したものもかなりあるとは思うのだが
          過激なものも多いので、まぁ、こんなもんでしょう(笑)





          Dada Masilo/The Dance Factory "Giselle" 2回目

          0
            Volkstheater 2017年8月11日 21時〜22時40分

            Dada Masilo / The Dance Factory
            Gisell

            振付 Dada Masilo
            音楽 Philip Miller
            背景 William Kentridge
            衣装 David Hutt on Donker Nag Helder Dag
            Songezo Mcilizeli & Nonofo Olekeng of Those Two Lifestyle
            パーフォーマンス
            ジゼル Dada Masilo
            アルブレヒト Thabani Ntuli
            ヒラリオン Tshepo Zasekhaya
            ミルタ Llewellyn Mnguni
            バチルダ Liyabuya Gongo
            ジゼルの母親 Khaya Ndlovu
            男性たち Thami Tshabalala, Thabani Ntuli, Thami Majela
            女性たち Nadine Buys, Zandile Costable, Ipeleng Merafe

            ダダ・マシロのカンパニーによる
            ジゼル公演は
            当初2回の予定だったのがあっという間に売り切れたようで
            実は追加公演も設定されたのだが

            私がいつも買うパーフォーマンス・カードは
            1公演につき、という割引ではなく
            1演目について、最高2枚まで割引で
            しかもプログラムは1部しかもらえないという
            ちょっとケチくさいカードなので、2回(=2枚)で止めておく。

            同じものを2回鑑賞すると
            この間は目が行かなかった部分にも注目できる。

            まずはミルタ、というより
            この場合はアフリカのヒーラーという読み替えになっているダンサー。

            第一幕でジゼルが倒れているところに(まだ失恋はしていない)
            ウィリーと共にミルタが現れて
            ジゼルに羽をかざして踊るシーンがあって

            これは第二幕の悲劇的展開を
            予想させるためのものかな、と思うのだが

            このミルタのダンサーが魅力的。

            男性なのだが、女性っぽいウィリーの衣装を着て
            (ウィリーの衣装は白ではなく、深い濃いめの赤)
            このダンサーの手の動きが実に美しい。

            長い手にヒーラーのシンボルの羽を持ったまま踊るのだが
            クラシックならボードブラと言っちゃうのだが
            こういうダンスではどう表現すべきか不明でも
            ともかく、この長い美しい腕の動きの美に目が釘付け。

            ミルタを男性に踊らせるという発想で
            ミルタとウィリーのシーンが
            男女取り混ぜて
            アンドロギュノスみたいな
            一種の妖しげな不思議な雰囲気を醸し出す。

            そりゃ、オリジナルのジゼルのミルタとウィリーのシーンって
            古典バレエとしては最も静謐で美しいシーンだと思うのだが

            同時に
            「処女のまま死んだ乙女たちの幽霊」って
            舞台の上のウィリーの年代というよりは

            赤ちゃん+意外に多そうなハイミスのお婆ちゃん
            の集まりではないかと
            ついつい余計な事を考えてしまう(アホだから)

            ダダ・マシロがリアリティ重視で
            男女問わず、現世に恨みを残して死んだものの亡霊という
            アンドロギュノス的ウィリーの集団を作ったのは納得できる。

            第二幕は、第一幕より、音楽がずっとアフリカン・テイストになっていて
            太鼓や鈴の音がリズミックに続いていく。

            で、二幕の最初に花を持って
            祈りに舞台に登場するのは

            あれ??? 
            このダンサー、ヒラリオンだ?!

            アルブレヒトじゃなかったんかい???

            ヒラリオンはミルタとウィリーに囲まれて
            ウィリー3人に無駄な抵抗をしながら
            たぶん死ぬ(舞台袖に引っ込むので本当のところは不明)

            第一幕で、恋するあまりとは言え
            ヒラリオンは、ジゼルにセクハラっぽい事をするので
            セクハラ男性にはそれなりの罰を、という事かもしれないけれど

            最初に舞台に花を持ってジゼルのための祈りで登場したのに
            ちょっとしたセクハラで苦痛に満ちた死って
            ・・・いや、はい、あの、その、セクハラは悪いです、ごめんなさい。

            ところがヒラリオンに比べると
            このパーフォーマンスの中のアルブレヒトは
            実にイヤな奴なのである。

            前半でバチルダの手を取って
            ジゼルを絶望の死に追い込むところも

            ごめん、悪かった、許せ
            これが僕の人生で逆らえないけれど
            愛したのは君だけだよ

            ・・・というような不倫オトコの言い訳みたいなものは全くなく
            急に冷静にバチルダとくっついてジゼルを見捨てるのだ。

            でも、確かにオリジナルのジゼルでも
            自分が婚約者の居る貴族だ、とバレた後のアルブレヒトって
            不倫、浮気の言い訳も何もせず、突っ立ってるだけだわね(笑)
            (観客の視線はジゼルの最後の激しい踊りに吸い付けられているから
             その間、アルブレヒトがボケッと立っていても、誰も気にしない)

            第二幕でヒラリオンが舞台の袖から消え
            その後に現れるアルブレヒトは

            ジゼルに許しを乞うのだけれど
            どう見ても

            ヒラリオンが死んじゃったよ
            ヤバイわ、俺も危ないんじゃね?
            もしかして俺ら、とんでもないオンナに手出しちゃった?
            ひえええ、ここで謝ってご機嫌取っておかないと

            という、ヤ◯ザの親分の娘に
            知らずに手を出してしまって
            保身に走るチンピラにしかみえない。

            キスされて、ちょっとだけほだされそうになるジゼルにも
            アルブレヒトのうさん臭さがわかったんだろうなぁ。
            急にキリッとなって
            ミルタから鞭をもらって打ち据えてアルブレヒトを殺してしまう。

            もしかして、私が無駄な深読みしてるかもしれませんが。

            私自身がウワキだのフリンだのに
            全くビクともしない神経の持ち主なので
            (来るもの拒まず去る者追わず(笑))
            共感するのはジゼルよりマノンなのだが

            ダダ・マシロのジゼルは
            おとぎ話のような古典のジゼルよりも
            ずっとダンサーの表現する感情が生々しくてリアル。

            今日のリアルさに釣られてしまうと
            アルブレヒトの表面的な自己保全に走った謝罪も白々しいけれど
            それを蹴って、アルブレヒトを打ち据えて殺すジゼルも

            え〜い、裏切ったオトコを殺してやる、うっはっは

            というSっぽい要素より
            自分自身が心を殺して
            悲しみに満ちながら、殺さざるを得ない悲壮みたいなものが
            そこはかとなく感じられて、ちょっといじらしすぎて・・・

            こういう有害オトコが生きていても
            女性みんなに迷惑をかけるから殺しちゃえ
            という正義感に満ちた殺人では断じてない(笑)

            色々な妄想を生む可能性がある、というのは
            やっぱりジゼルという題材そのものの面白さなのかもしれない。

            クラシックのコンサートも何もないのか、と
            お怒りの読者の皆さま
            私だってオーケストラのクラシック聴いていないので
            ちょっともう、脳内が乾燥しきっているような渇望があるのだが
            あと、もう、少しだけ我慢して下さい。

            8月後半から始まるグラーフェネック音楽祭を
            待ちかねている私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            川口隆夫「大野一雄について」

            0
              Odeon 2017年8月10日 21時30分〜23時40分

              Takao Kawaguchi
              About Kazuo Ohno

              振付 Kazuo Ohno, Tatsumi Hijikata
              ダンス Takao Kawaguchi
              ドラマツルギー Naoto Iina
              写真 Teijiro Kamiyama, Takuya Matsui
              翻訳 Naoko Nakajima

              The Portrait of Mr. O (ein Film von Chiaki Nagano von 1969)

              Admiring La Argentina (1977)
              Death and Birth, The Daily Bread, Marriage of Heaven and Earth
              zwei Tangos, Klaviermusik von Frédérik Chopin (Etüden Op. 10, Nr. 9 & 10)

              My Mother (1981)
              The Embryo’s Dream, Dreams of Love

              The Dead Sea : Viennese Waltz and Ghost (1985)
              The Gypsy Baron’s March
              The Eipsode in the Creation of Heaven and Earth

              日本人で川口隆夫という名前の人はたくさん居そうだが
              今回、ImPulsTanz で
              「大野一雄について」をオーストリア初演したのは
              この人である。


              作品について、ド・シロートの私が何か書くより
              ご興味のある方は
              この作品について、詳しい情報が ここ にあるので
              どうぞご参照下さい。

              会場のオデオンのロビーには
              様々なガラクタが置いてあり
              既にダンサーがそこに居て

              ガラクタ持ったり投げたり、身体をこすり付けたり
              あっちに移動したり、こっちに這いずって来たり

              こんな事を例えば市内の公衆の面前でやって居たら
              誰かが警察を呼ぶんじゃないか。

              だって、いつナイフ持って振り回すか
              周りの人たちに襲いかかるかわからないし・・・

              ゲイジュツってマジメにこういう事が出来ちゃうし
              こちらも、ゲイジュツだから安心して観ていられる。

              多少、周りを囲んでいる人たちの方に突っ込むとしても
              何も害がないのがわかってるからね(笑)

              でも、いつもキレイなスタイルの若いお姉さんの方に
              突っ込んでいたような気がするんだけど・・・

              最後に真っ裸になって
              床のビニールやボロ布やぬいぐるみとか紐とかを
              全部、身体に纏って、あちこちを走り回り
              ホールに入ったところで、我々、観客もホール内へ。

              下手(しもて)の後ろにワードローブと姿見があり
              衣装はそこで替えて
              メークなどは舞台の真ん中で行なったりして

              後ろの壁にダンスのタイトルが
              日本語・ドイツ語・英語で映し出され
              大野一雄のダンスがコピーされる。

              ものすごく奇妙な感覚に囚われるパーフォーマンス。
              大野一雄であって大野一雄ではなく
              川口隆夫であって川口隆夫ではないという
              二重にも四重にもなった
              めまぐるしく転換するパーソナリティの入れ替わりに加えて

              鑑賞しているこちらも
              いったい、誰のダンスを観ているのか
              時々、ふっとわからなくなって
              時空をすっ飛んでしまう感覚に揺さぶられる。

              暗黒舞踏と言えば
              当時としては(註 私の高校時代である)
              よい子は見てはいけないタブーのアングラの代表的なもので
              親に言わずに、そういう「妖しげ」なものを見るというのは
              ちょっとイケナイ子になったような快感があって

              西洋の「美しいバレエ」とは違った意味で
              腰を落とした土着の異端で異様な踊りに魅了された。

              大野一雄のダンスを川口隆夫のコピーで見ると
              まるで能表現のような「静」と「動」の対比の中で
              肉体が空間を切り取るバレエとは違って
              あくまでも空間と共存した中で肉体が蠢いている感じが凄い。

              死と再生、胎児の夢、萬人の踊り、天と地の創造・・・と
              様々に衣装を取り替えて舞台は進んで行って

              リストの「愛の夢」で踊ったナンバーが
              サラリーマン的衣装で愛の告白なんだけど
              うわ、ちょっと、あまりに可愛くてキュート過ぎ。

              もちろん、あれで本気で愛を告白されたら
              いくらヘンな私でも逃げるだろうが(笑)
              おかしなサラリーマンなんだけど(しかも昭和初期時代)
              いじらしくて真っ直ぐで恥じらいがあって
              平成時代に今の日本人が忘れかけている(と思われる)
              素直な可愛さがあって、郷愁にちょっと胸がキュン。

              5分の休憩を挟んで
              ラ・アルヘンチーナ頌から
              日々の糧、天と地の結婚、ショパン、タンゴと続く。

              うわ、凄いわ、これ。
              こと舞踏に関しては
              ImPulsTanz はずっと室伏鴻を招いていたのだが
              室伏の2015年の突然の死から
              どうするんだろう、と思っていたら

              「舞踏」の直系ではないにせよ
              ここまでのパーフォーマンスを見つけて持って来たのは偉い。

              色々な意味で入れ込み構造の
              (大野一雄か川口隆夫か、時代はいつで
               誰が観て誰が拍手しているのか
               時々、本当に時代を行き来しているようで混乱する)
              見応えのあるパーフォーマンスだった。

              アングラの怪しげな雰囲気に
              頽廃を纏った生きる肉体を満喫した私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              Dada Masilo/The Dance Factory "Giselle" 1回目

              0
                Volkstheater 2017年8月9日 21時〜22時40分

                Dada Masilo / The Dance Factory
                Giselle

                振付 Dada Masilo
                音楽 Philip Miller
                背景 William Kentridge
                衣装 David Hutt on Donker Nag Helder Dag
                Songezo Mcilizeli & Nonofo Olekeng of Those Two Lifestyle
                パーフォーマンス
                ジゼル Dada Masilo
                アルブレヒト Thabani Ntuli
                ヒラリオン Tshepo Zasekhaya
                ミルタ Llewellyn Mnguni
                バチルダ Liyabuya Gongo
                ジゼルの母親 Khaya Ndlovu
                男性たち Thami Tshabalala, Thabani Ntuli, Thami Majela
                女性たち Nadine Buys, Zandile Costable, Ipeleng Merafe

                今年5月にオスロで初演された
                ダダ・マシロの「ジゼル」オーストリア初演。

                ストーリーは基本的にジゼルそのままを使っている。
                最後は全然違うけど(笑)

                音楽はアダムスのオリジナル曲を元に
                南アフリカ共和国の作曲家が
                アフリカの音楽や楽器を取り入れて作曲したものだそうで

                言われてみれば少しアダムスの片鱗が嗅ぎとれる・・・ような気もするが
                でも、やっぱり全然違う音楽と思った方が良いと思う。

                第一部の村の風景は
                後ろに沼を含むアフリカの風景が出て来て
                確かにアフリカンっぽい感じはする。

                ダンスはクラシックを取り入れていながら
                もっと激しく、迸るような情熱を持っていて
                オリジナルのジゼルと比べると
                もっとエモーショナルな要素が強調されている。

                アルブレヒトのダンサーは
                この間の白鳥でジークフリートを踊っていた
                クラシックの基礎がしっかりあるダンサーで
                こういう色のない王子さま役が似合ってる。

                アルブレヒトに恋するジゼルはキュートで
                そこに言い寄るヒラリオンが
                ちょっと粗野な感じがして田舎のイメージで
                そりゃ、アルブレヒトとは違うわ、と納得。

                ほら、クラシックのジゼルだと
                ヒラリオンもノーブルで
                え?ヒラリオンで良いじゃん、なんでアルブレヒトに拘るの?
                とか言いたくなっちゃいません?

                ヒラリオンのダンサーも魅力的なのだが
                ジゼルに言い寄る様が、あまりに洗練されていなくて
                ちょっと田舎のお兄ちゃんで微笑ましい。

                しかし前半で凄いキャラクターが二人登場する!!!

                一人はバチルダ。
                これはクラシックの方では上品でお高くとまっていれば良いのだが
                マシロ版のバチルダのソロ・ダンスは
                激しく情熱的で、いやもう、ピカピカに舞台からオーラが飛んでくる。

                バチルダとジゼルの絡み合いも
                バチルダが強すぎて
                あぁ、こりゃ、ジゼル負けるわ・・・

                もう一人の凄いキャラはジゼルのお母さんで
                娘を虐めるんですよ、この母親は!!
                (シンデレラと間違えてないか???)

                虐めているのか
                それともアフリカ式の愛の表現なのかは不明だが
                でも、どうやっても娘を弄っているようにしか見えない。

                アルブレヒトに振られたジゼルに
                村人が寄ってたかって、からかって、笑い者にして
                全部脱がせてしまって
                (さすがにドイツとかのカンパニーじゃないので
                 肌色のパンツだけは死守)
                パンツだけになったジゼルの悲しみのダンスが

                いやもう、これ、ちょっと胸を刳るわ・・・
                ちょっとかわいそう過ぎで・・・

                さて後半はウィリーの森。
                アルブレヒトがやって来て許しを乞うシーンの後
                ミルタが登場するのだが

                ミルタは赤い女性ダンサー的衣装ではあるが
                男性ダンサーである。
                アフリカのヒーラーという役割を持たせているらしく
                (実は前半にもちょっとだけ登場する)
                ダイナミックなダンスをする。

                オリジナルにあるような
                処女のまま死んだ女性たちの静謐なシーンではない。

                男女取り混ぜた「先祖の霊」なんだそうだが
                色々と未練を現世に残して成仏できていないらしく
                エネルギッシュで激しいダンスを繰り広げて

                そんな中に飛び込んだヒラリオンは
                取り憑かれて殺されてしまう。

                いつも思うんだけど(原作でも)
                ヒラリオンって、ちょっとかわいそうじゃないの?
                叶わぬ恋をしているジゼルを愛しているだけなのに
                何故にウィリーたちに取り殺されねばならないのだ???

                アルブレヒトとジゼルの邂逅・・・
                許しを求めるアルブレヒトに
                それを冷たく拒絶するジゼルは

                あらら、ミルタから鞭をもらって
                鞭を振り回してアルブレヒトを打ち据えて
                殺しちゃいましたが・・・(唖然)

                まぁ、ダダ・マシロが、女性の立場から
                ジゼルのストーリーを変えちゃったのは理解できる。

                だいたい、演歌の「北の宿から」とか
                このジゼルとか、オネーギンとか
                その他にも色々と例はあるけれど

                世の中の男性諸君
                君らは、いったい、女性にどういう幻想を抱いているの?

                ・・・と思う事はよくあるし。
                (学ばない悲しい男性のサガであろう、きっと(独断偏見))

                まぁ、どんなにか弱い女性のジゼルでも
                (失恋で死んじゃうんだもんね)
                一旦、死ななくなった世界で
                裏切ったオトコが来たら
                まぁ、鞭で叩き殺したくなるわよね。

                しかも叩き殺したら、死んでジゼルの世界に来ちゃう訳だし
                その意味では、ライバルのバチルダにアルブレヒトを渡さなくて良いし。
                いや、でも鞭で叩き殺したら
                死んでウィリーの世界に来て
                そこでジゼルとくっついてハッピーエンド・・・にはならんわな、きっと。

                あ、いかん、妄想の世界に彷徨いこんでしまった (^^;;

                後半の、キュートさを残しながらも
                迷いなく鞭でアルブレヒトを打ち据えるジゼルに
                ちょっと悶えたヘンな私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                英語解説付きのクリップ見つけたので貼っておきます。




                Rosas danst Rosas (映画)

                0
                  mumok - Museum für moderne Kunst 2017年8月8日 20時〜21時

                  【IPT-KINO】Thierry D Mey (Rosas)
                  Rosas danst Rosas (1997)
                  演出 Thierry De Mey
                  振付 Anna Teresa De Keersmaeker
                  ダンス Cynthia Loemij, Sarah Ludi, Anne Mousselet, Samantha Van Wissen
                  音楽 Theiry De Mey, Peter Vermeersch

                  残念ながらこれは実演ではなく映画。

                  ローザスのこの演目は
                  実は2009年7月28日に鑑賞するチャンスがあったし
                  今年10月にもウィーンで上演される。
                  (現時点でチケットは取ってあるけれど
                   ちょっと仕事で行けないかも・・・)

                  公演そのものは2時間近いが
                  この映画は約1時間。

                  会場として使われているのが
                  ルーヴェンにあるアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデの工業大学の建物。
                  この撮影の後、完全に改築してしまったので
                  オリジナルの建物を写した最後のフィルム。

                  で、この建物が実に素晴らしい。

                  幾何学的な水平線と垂直線の見事な建築を
                  ダンスと見事に融合させて
                  この建物だから、このダンス・・・と
                  観ている者に圧倒的に迫ってくる。

                  この演目については
                  2009年7月28日に
                  (今では信じられない程)マジメに書いているので
                  感想は避けておく。
                  (だって当時の方が、ずっと頭良さそうに書いてる。
                   だんだん歳とともにボケて行くんだなぁ。それとも手抜きか?(すみません))

                  実演とはまた違って
                  カメラが建物を写し
                  ダンサーの色々なパーツを大写ししたり
                  上から撮ったり、ダンサーからダンサーにカメラをスイッチしたり
                  時々、めまぐるしい程の動きを見せるのが面白い。

                  ダンス、という動きの芸術に加えて
                  建物という静の軸と背景があって
                  ダンサーという「生物」がいて
                  衣装がまたこれ、ダンスの一部になっていて

                  ダンスそのものも
                  ダンスの動きだけではなくて
                  何気ない日常の動きや
                  ダンサーの息遣いまで入っていて

                  人工的な、呼吸もしない人形のようなダンスと
                  ダンスから抜けた「人間」という有機体の動きとが
                  ミックスして、時々、ハッとする。

                  音楽は・・・まぁ、ミニマム・ミュージックの一種なので
                  正直言うと(これは以前にも書いたけれど)
                  麻薬みたいに心地良くて
                  単調なリズムに釣られて、ついつい眠気が・・・(汗)

                  最後のシーンまでは入っていないけれど
                  30分強の、かなり大部が Youtube に上がっていたので
                  貼っておく。
                  (最初の建物の圧倒感だけでもどうぞ。
                   30分以上観るのは、よほど好きでないとお勧めしません)
                  ただ、できるだけ Youtube に移動して
                  ぜひ、全画面表示でご覧下さいませ。



                  しかし、いつも思うんだけど
                  ケースマイケルって女性のダンサーの動きが巧い。
                  10月の公演が楽しみだ。

                  近代美術館の地下に
                  こんな「映画鑑賞のルーム」があるとは知らなかった私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  Dada Masilo/The Dance Factory "Swan Lake" 2回目

                  0
                    Volkstheater 2017年8月7日 21時〜22時15分

                    Dada Masilo / The Dance Factory (South Africa)
                    Swan Lake

                    振付 Dada Masilo
                    カンパニー The Dance Factory
                    ダンサー Nadine Buys, Zandile Constable, Nicola Haskins,
                    Dada Masilo, Ipeleng Marafe, Khaya Ndlovu, Thabani Ntuli,
                    Henk Opperman, Steven Thibedi, Thami Tshabalala, Llewellyn Mnguni,
                    Tshepo Zasekhayo
                    照明デザイン Suzette Le Sueur
                    音楽 Pjotr Ilijitsch Tschaikowski, Steve Reich, Rene Avenant
                    Camille Saint-Saëns, Arvo Pärt
                    衣装デザイン Dada Masilo, Suzette Le Sueur

                    ツィッターでフォローしている皆さまはご存知の通り
                    実はこの公演2回の間に、一度だけ
                    郊外でのオペレッタ鑑賞が入る予定だったのだが

                    大雨にて中止(涙)

                    しかもウィーン出発前にわかっていたらまだしも
                    バスで1時間半、会場まで行って
                    会場到着してからも大雨の中、上演するのかしないのか
                    ずっと雨の中で(強調!)待っていて

                    開演15分前に中止のアナウンスがあって
                    またウィーンに戻って来たという状態。

                    大雨だったのに本気で上演準備を始めていて
                    (最初の50分上演した後のキャンセルは払い戻しなし)
                    オーケストラ・メンバーは入っていくし
                    楽屋では歌手がメイク・アップしてるし

                    オープン・エアなので客席には水が溜まっているだろうし
                    私はサイクリング用の、ごっつい雨合羽だったのだが
                    前の人が傘さしてたら、絶対に舞台見えないだろうし
                    第一、雨合羽って頭全部を覆うので、耳が聴こえない。

                    念の為ですが、有名なメルビッシュのオペレッタではございません。
                    今週末にも上演があるので
                    (ううう、残念ながら行けない・・・)
                    ウィーン在住の方でご興味ある方は こちら
                    ただし、今週末の公演はバスのトランスファーはないので
                    マイカーで行く以外に方法はないが。
                    (ちなみに来年の演目は「小鳥売り」だそうです)

                    というワケで
                    ヘンなコンテンポラリー・ダンスのど真ん中に
                    レハールのメリー・ウィドウの記録が入る予定だったのが
                    ダメになりました(涙)

                    ヘンなコンテンポラリーの中でも
                    まずは最も「マトモ」な方の
                    ダダ・マシロの Swan Lake

                    すみませんね、何回も同じ演目を見に行く悪い癖がありまして f^_^;)

                    でも、この演目、見れば見るほど面白いし深い。

                    コメディ的なんだけど
                    白鳥たちがエネルギッシュで魅力的な事と言ったら

                    いやそりゃ、ちゃんと最初の方の
                    コメント付きの部分では

                    白鳥たちは「誰も私と結婚してくれる人はいない」と
                    悲しそうな顔をして
                    ・・・と、みんな、悲しそうな顔をしているけれど

                    で、オデットが登場して
                    あぁ、悲しいわ、悲しいわ、パタッ
                    ・・・というのが、何回観ても、爆笑してしまう。
                    (クラシックな動きを、ものすごい速度でやるんです)

                    ジークフリート登場の後、ジークフリートに求愛する
                    オデットの6分くらいのソロが
                    (オリジナル曲のパ・ドゥ・ドゥの音楽を使っている)
                    圧倒的で、キュートで、いじらしくて
                    このソロ、本当に凄い。何回観ても凄い。

                    確かにモダン・ダンスではあるのだが
                    ダダ・マシロという天才は
                    クラシックまで完璧に手の内にして
                    アフリカン・ダンスと
                    自分のダンサーとしての個性を徹底的に振付で活かす。

                    あぁ、もう、胸キュンです (。-_-。)

                    正直なところ
                    ウィーン国立バレエ団の監督あたりは
                    こういうダンサーとダンスはお嫌いだろうけど(爆笑)

                    ジークフリートは
                    多少の悩みはあるにせよ
                    徹底的にアホで
                    世間体に踊らされて
                    結局オディール(♂)からもオデット(♀)からも
                    振られてしまうのだが

                    パーティ・シーンで
                    定石通り、オデットとジークフリートを
                    くっ付かせようというロットバルトたちの間に
                    オディールが乱入して
                    オデットとオディールが大喧嘩するシーンの迫力も凄い。

                    心破れたオディールのソロ
                    裏切られたオデットのソロ
                    それぞれにパロディっぽくは扱われていても悲しみが伝わってくる。

                    で、最後のシーンで、とうとう涙腺崩壊。

                    夜のシーンで
                    下半身のみ長いスカートを纏ったダンサーたちの群舞だが

                    衣装から連想するのは
                    あのイジー・キリアーンの名作ベラ・フィグーラのシーン。

                    ルネサンス風の音楽にのせて
                    夜に星が出ているような照明の中で
                    ダンサーが一人倒れ、二人目が倒れ
                    最後に残ったオデットとオディールが抱き合って
                    二人とも倒れてラストになる。

                    愛は勝つ・・・とかいう単純なメッセージではないと思うが
                    どう解釈するかは観客に委ねられるのだろう。

                    ただ、このシーンの美しさは言葉に出来ない。
                    クラシックを取り入れたモダンの
                    比較的地味な動きだが
                    その前が派手で大きな動きが多かったので
                    ますますこのシーンの静謐さが強調される。

                    う〜ん、色々な感情を呼び起こすなぁ、このプロダクション。
                    きゃ〜、キュート、とか喚いているだけでは済まない。
                    (でも、ダダ・マシロのキュートさと言ったら・・・ううう)

                    来週のジゼルがますます楽しみになって来ている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    正しいクラオタはこの時期は
                    ザルツブルクに出没していると思うのだが
                    正しいクラオタになるのには
                    ちょっと貧乏過ぎるのでお許し下さい。

                    Dada Masilo/The Dance Factory "Swan Lake" 1回目

                    0
                      Volkstheater 2017年8月5日 21時〜22時15分

                      Dada Masilo / The Dance Factory (South Africa)
                      Swan Lake

                      振付 Dada Masilo
                      カンパニー The Dance Factory
                      ダンサー Nadine Buys, Zandile Constable, Nicola Haskins,
                      Dada Masilo, Ipeleng Marafe, Khaya Ndlovu, Thabani Ntuli,
                      Henk Opperman, Steven Thibedi, Thami Tshabalala, Llewellyn Mnguni,
                      Tshepo Zasekhayo
                      照明デザイン Suzette Le Sueur
                      音楽 Pjotr Ilijitsch Tschaikowski, Steve Reich, Rene Avenant
                      Camille Saint-Saëns, Arvo Pärt
                      衣装デザイン Dada Masilo, Suzette Le Sueur

                      2014年7月22日と25日に観に行った
                      ダダ・マシロと南アフリカのダンス・カンパニーの
                      白鳥の湖。

                      いや、これ、2014年にも絶賛しまくってるし
                      その前の2013年にダダ・マシロが Im Puls Tanz でデビューした時も
                      褒めまくっている。

                      今回の Im Puls Tanz には「クラシック」とか但し書きがあるけれど
                      クラシックではあるのだが
                      南アフリカのダンスまで取り入れて
                      パロディ・・・と言うより
                      (プログラムによれば)クラシックの「白鳥の湖」への
                      コメント、と書いてあったが

                      確かに前半は
                      サンディ・テレグラフに掲載された
                      初めてバレエを観た人の正直な感想から始まっている。
                      (これがまた、やたらめったら面白い。
                       2014年7月25日に訳してある)

                      男女取り混ぜた白鳥たちが
                      クラシックのボードブラを美しく踊るのは見事だし
                      そこに入ってくるプリマ・バレリーナのダダ・マシロって
                      初めてウィーンで観たのは2013年で
                      それから4年経ってるのに
                      全然変わってなくてビックリする。

                      小柄ですごいバネがあって
                      動きが素早くて

                      マシロがオデット踊ると

                      ぷぷぷ

                      何と言うキュートさ ♡
                      また表情が豊かで
                      いじらしいキャピキャピしたオデットの魅力は
                      クラシック・バレエのオデットより魅力的かも・・・

                      しかしこのダンサーたち
                      約60分のパーフォーマンスの間
                      ほとんど激しく踊りっぱなし。

                      しかもダンスの激しさが尋常ではない。
                      クラシックのダンサーだって音(ね)を上げるだろう、きっと
                      ・・・と思わせる位の激しいダンスの連続。

                      オデットがジークフリートに求愛するところのダンスは
                      もうチャーミングの一言。

                      ジークフリートはその前に
                      オディール(♂)に惚れているので
                      キュートにパタパタ踊っているオデットには見向きもしないのだが(爆笑)

                      ジークフリートとオディール(両方♂)のパ・ド・ドゥは
                      腐女子なら泣いて喜ぶシーン(すみません)
                      男性ダンサー2人って、本当に迫力あるなぁ。
                      しかもそこに漂う禁断の愛の妖しさ(うはははは)

                      Im Puls Tanz のパーフォーマンスは
                      ともかくほとんどが過激過ぎて
                      ちょっと日本じゃ無理、というものばかりだが

                      このダダ・マシロのダンス・カンパニー
                      多少、腐女子のウハウハ・シーンはあっても
                      日本でもウケそうなんだけどなぁ。

                      だって、これ
                      アフリカン・ダンスの要素も入ってるけど
                      (それがまたリズミカルで面白いんですよ)
                      粉う方なきクラシックだもん。

                      今回、このカンパニーは
                      白鳥の湖だけではなくて
                      何と、ジゼルも上演するので
                      すごく楽しみ (^ ^)

                      もちろん、白鳥の湖ももう一度、観に行く予定。

                      ついでだが、今回の上演を逃した方
                      (チケットは完売である)
                      サンクト・ペルテン祝祭劇場でも上演があるので
                      お見逃しなく(←回し者ではございません)

                      6分弱でちょっと長いのだが
                      ダダ・マシロが英語で(字幕はイタリア語なのでさっぱりわからんが(笑))
                      作品についてのコメントを話しているクリップがあったので
                      貼っておく。
                      いやぁ、ダダ・マシロ、可愛いです ♡



                      上記のビデオ・クリップで
                      最後に流されるのは
                      この上なく美しい最終シーン。

                      この後の拍手では
                      観客全員スタンディング・オベーションで
                      もちろん、最後列(貧民席)でも立ち上がって拍手していた私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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